JP2003003838A - 自動車のマフラ構造 - Google Patents

自動車のマフラ構造

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(57)【要約】 【課題】自動車のマフラ構造において、マフラと排気管
との結合部を補強するとともに、マフラと燃料タンクと
が干渉した場合の燃料タンクの変形を抑制する。 【解決手段】 車両8の後部のフロア下面において、燃
料タンク10とマフラ11とを隣接させ、かつ、燃料タンク
10に対してマフラ11を傾斜させて配置する。マフラ11の
前端側の角部18を保護部材21で覆い、保護部材21をマフ
ラ11および排気管15に溶接する。保護部材21がスティフ
ナとして機能することによって、マフラ11と排気管15と
の結合強度および剛性を高めることができる。車体8の
側部に大きな外力が作用して車体8が変形し、マフラ11
が燃料タンク10と干渉する際には、保護部材21の曲率の
大きな湾曲部23によって、応力の集中が緩和されるの
で、燃料タンク10の変形を抑制することができる。ま
た、保護部材21によって、マフラ11を保護することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のマフラ構造の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な自動車においては、車体前部に
エンジンが搭載され、車体後部のフロア下面に燃料タン
クおよび排気マフラが配置されている。そして、このよ
うなレイアウトにおいて、燃料タンクとマフラとが車幅
方向に隣接して配置される場合がある。ところで、一般
的に、マフラおよび排気管は、エンジンの振動および排
気による振動を車体に伝達しないように、マフラハンガ
を介して車体に弾性的に支持されている。このため、上
記のようにマフラと燃料タンクとが隣接して配置されて
いる場合、マフラが振動しても燃料タンクと干渉しない
ように、マフラと燃料タンクとの間には充分なクリアラ
ンスが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにマフラと燃料タンクとが隣接して配置された構造
において、車体側部に大きな外力が作用して車体が変形
した場合、マフラと燃料タンクとが干渉するおそれがあ
る。このとき、例えば図5に示すように、レイアウト
上、燃料タンク1に対してマフラ2が傾斜して配置されて
いる場合、マフラの角部3が燃料タンク1に干渉すること
により、応力が集中して燃料タンク1の変形が大きくな
るおそれがある。一方、マフラ2と排気管4との結合部5
は、その構造上、応力が集中しやすいので、充分に補強
することが望ましい。
【0004】そこで、例えば図6に示すように、車体の
フロア6の下面において、互いに隣接して配置された燃
料タンク1とマフラ2との間に、保護プレート7を設け、
マフラ2の角部3と燃料タンク1とが直接干渉しないよう
にすることが考えられる。しかしながら、このようにし
た場合、車両重量が増大するという問題を生じ、また、
マフラ2と排気管4との結合部5の補強については効果が
期待できない。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、マフラと排気管との結合部を補強するととも
に、マフラと他の車両部品とが干渉した場合には、他の
車両部品の変形を抑えることができる自動車のマフラ構
造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明に係る自動車のマフラ構造は、端
部に排気管を結合したマフラと他の車両部品とを隣接さ
せ、かつ、前記マフラを前記車両部品に対して傾斜させ
て、自動車のフロア下面に配置し、前記マフラの端部の
前記車両部品に対向する角部を被う湾曲部を有する保護
部材を前記マフラおよび前記排気管に結合して、該保護
部材によって前記排気管と前記マフラとを連結したこと
を特徴とする。このように構成したことにより、保護部
材がスティフナとして機能して、マフラと排気管との結
合部の強度および剛性を高め、また、マフラが隣接する
他の車両部品と干渉した場合には、保護部材の湾曲部に
よって応力の集中が緩和されて、他の車両部品の変形が
抑制される。請求項2の発明に係る自動車のマフラ構造
は、上記請求項1の構成において、前記車両部品は、燃
料タンクであることを特徴とする。このように構成した
ことにより、マフラとの干渉による燃料タンクの変形を
抑制することができる。請求項3の発明に係る自動車の
マフラ構造は、上記請求項1または2の構成において、前
記保護部材は、マフラに結合される幅広部と排気管に結
合される幅狭部とを有していることを特徴とする。この
ように構成したことにより、保護部材がマフラおよび排
気管に強固に結合される。また、請求項4の発明に係る
自動車のマフラ構造は、上記請求項1ないし3の構成にお
いて、前記マフラは、筒状のアウタシェルの両端部にア
ウタプレートをかしめて取付けて構成され、前記アウタ
シェルと前記アウタプレートとのかしめ部に、前記保護
部材を結合したことを特徴とする。このように構成した
ことにより、保護部材とマフラとの結合剛性が高まる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本実施形態に係る自動車の
車体後部を図1に示す。図1に示すように、車体8のフロ
ア下面には、左右の後輪9の車軸前方に、燃料タンク10
およびマフラ11が車幅方向に隣接して配置されている。
【0008】図2に示すように、マフラ11は、断面形状
が略楕円形の筒状のアウタシェル12の両端部にアウタプ
レート13,14をかしめて取付けて、内部に拡張、共鳴、
吸音等を行うための複数の室を形成している。前端側の
アウタプレート13には、車体前部に搭載されたエンジン
の排気マニホールド(図示せず)から、触媒コンバータ
(図示せず)、サブマフラ(図示せず)等を介して延ばされ
た排気管15が挿入され、かしめ、溶接等によって固定さ
れている。また、後端側のアウタプレート14には、後方
へ延びて大気に開放される排気管16が接続されており、
この排気管16は、後輪9を支持するサスペンションアー
ム(図示せず)等の部材との干渉を避けるように屈曲され
ている。アウタシェル12の上面には、遮熱板17が取付け
られている。
【0009】マフラ11は、フロア下面に配置された他の
部材との干渉を避ける等のレイアウト上の目的から、隣
接する燃料タンク10に対して傾斜されており、前端側の
角部18を燃料タンク10に対向させて配置されている。マ
フラ11および排気管15,16は、エンジンの振動および排
気による振動を車体8に伝達しないように、ゴム等の弾
性体からなるマフラハンガ(図示せず)を介して車体8に
弾性的に支持されている。なお、図1中、符号20はエン
ジンに燃料を供給するための燃料パイプを示す。
【0010】図3に示すように、マフラ11の燃料タンク1
0に対向する前端側の角部18には、保護部材21が取付け
られている。保護部材21は、一端側にマフラ11のアウタ
シェル12の外周に沿って湾曲された幅広部21Aが形成さ
れ、他端側に排気管16の外周に沿って湾曲された幅狭部
21Bが形成されており、幅広部21Aがアウタシェル12のか
しめ部22に溶接され、幅狭部21Bが排気管15の基部に溶
接されて、マフラ11の角部18を覆うように固定されてい
る。また、保護部材21には、燃料タンク12に対向する部
位を角部18よりも大きな曲率で滑らかに外側に湾曲させ
た湾曲部23が形成されている。
【0011】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。保護部材21によって、マフラ11の
アウタシェル12と排気管15の基部とを連結したことによ
り、保護部材21がスティフナとして機能して、マフラ11
と排気管15との結合部の強度および剛性を高めることが
できる。このとき、保護部材21の幅広部21Aをアウタシ
ェル12とアウタプレート13のかしめ部22に溶接し、幅狭
部21Bを排気管15の基部に溶接することにより、保護部
材21とマフラ11および排気管15との結合剛性を高めるこ
とができる。
【0012】また、図4に示すように、車体の側部に大
きな外力が作用して、車体が変形し、マフラ11が燃料タ
ンク10と干渉する際、保護部材21の滑らかな曲率で湾曲
された湾曲部23が燃料タンク10と干渉することにより、
応力の集中が緩和されて、燃料タンク10の変形を抑制す
ることができる。同時に、保護部材21によってマフラ11
の角部18を保護することができる。このとき、保護部材
21は、燃料タンク10との干渉部位である角部18に取付け
られるので、必要最小限の大きさとすることができ、重
量の増加を最小限に抑えることができる。
【0013】なお、上記実施形態では、一例として、マ
フラと燃料タンクが隣接している場合について説明して
いるが、この他、フロア下面に配置されるバッテリ、ス
ペアタイヤ等の収納ケース、サスペンションアーム等の
部材とマフラとが隣接して配置されている場合にも、同
様に、保護部材によって、マフラおよびこれらのマフラ
に隣接する部材を保護することができる。
【0014】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
係る自動車のマフラ構造によれば、保護部材がスティフ
ナとして機能するので、マフラと排気管との結合部の強
度および剛性を高めることができ、また、マフラが隣接
する他の車両部品と干渉する際には、保護部材の湾曲部
によって応力の集中が緩和されるので、他の車両部品の
変形を抑制することができる。請求項2の発明に係る自
動車のマフラ構造によれば、マフラとの干渉による燃料
タンクの変形を抑制することができる。請求項3の発明
に係る自動車のマフラ構造によれば、幅広部および幅狭
部を設けたことにより、保護部材をマフラおよび排気管
に強固に結合することができる。また、請求項4の発明
に係る自動車のマフラ構造によれば、アウタシェルとア
ウタプレートとのかしめ部に保護部材を結合したことに
より、保護部材とマフラとの結合剛性を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るマフラ構造を適用し
た自動車の車体後部を示す概略平面図である。
【図2】図1に示す構造におけるマフラの斜視図であ
る。
【図3】図2に示すマフラの排気管との結合部を拡大し
て示す平面図である。
【図4】図1に示す構造において、マフラが燃料タンク
と干渉した状態を拡大して示す平面図である。
【図5】従来の隣接して配置された燃料タンクとマフラ
との隣接部を示す平面図である。
【図6】燃料タンクとマフラとの間に保護プレートを設
けた自動車のマフラ構造を示す概略図である。
【符号の説明】
10 燃料タンク 11 マフラ 12 アウタシェル 13 アウタプレート 15 排気管 18 角部 21 保護部材 21A 幅広部 21B 幅狭部 22 かしめ部 23 湾曲部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D038 BA13 BA14 BA16 BA17 BB01 BC07 BC13 BC16 BC17 BC20 BC22 3G004 AA01 BA09 DA07 DA13 DA21 EA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部に排気管を結合したマフラと他の車
    両部品とを隣接させ、かつ、前記マフラを前記車両部品
    に対して傾斜させて、自動車のフロア下面に配置し、前
    記マフラの端部の前記車両部品に対向する角部を被う湾
    曲部を有する保護部材を前記マフラおよび前記排気管に
    結合して、該保護部材によって前記排気管と前記マフラ
    とを連結したことを特徴とする自動車のマフラ構造。
  2. 【請求項2】 前記車両部品は、燃料タンクであること
    を特徴とする請求項1に記載の自動車のマフラ構造。
  3. 【請求項3】 前記保護部材は、マフラに結合される幅
    広部と排気管に結合される幅狭部とを有していることを
    特徴とする請求項1または2に記載の自動車のマフラ構
    造。
  4. 【請求項4】 前記マフラは、筒状のアウタシェルの両
    端部にアウタプレートをかしめて取付けて構成され、前
    記アウタシェルと前記アウタプレートとのかしめ部に、
    前記保護部材を結合したことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の自動車のマフラ構造。
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