JP2003003125A - 制振塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents

制振塗料組成物およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な形状の振動および音響の発生箇
所において制振・吸音に適用できる薄層の塗膜に転化可
能な制振塗料を提供する。 【解決手段】 下記の塗料成分(i)、(ii)および
(iii)を配合してなることを特徴とする制振塗料組成
物。 (i) 極性基を有する樹脂エマルジョンであって、該
極性基と水素結合形成能を有する芳香族化合物との接触
により水素結合の形成可能な塗膜に転化する樹脂エマル
ジョン。 (ii) 前記極性基との水素結合の形成および制御の可
能な水素結合形成能を有し、一分子中少なくとも一つの
ヒドロキシル基を有する芳香族化合物。 (iii)無機充填剤。 およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振塗料組成物お
よびその製造方法に関するものであり、さらに詳しく
は、自動車、建築物、各種産業機械設備、家電製品、医
療機器等の振動および音響の発生箇所に塗布することに
より振動吸収性能および吸音性能を発揮する塗膜、特
に、低周波数において振動吸収が高く、かつ高周波数に
おいても高度の振動吸収を示す塗膜の形成可能な制振塗
料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】制振材料として従来から振動吸収性能お
よび吸音性能を有する材料を素材とする板状成形体およ
びシート状成形体等の成形加工品が提案されている。し
かし、振動および音響の発生箇所の形状が複雑な場合、
これらの成形加工品を振動発生箇所に適用するには相当
な困難を伴ない十分な制振効果を奏することができない
ことから、該当箇所にスプレーにより吹き付けるかまた
は任意の方法により塗布することにより形成される塗膜
により振動吸収効果および吸音効果を得ることが可能な
制振塗料が種々提案されるに至っている。例えば、アス
ファルト、ゴム、合成樹脂等の展色剤に合成樹脂粉末を
配合して得られる塗膜硬度を改良した水系制振塗料のほ
か、自動車の室内用に適するものとして樹脂エマルジョ
ンに充填剤として活性炭を分散させた制振塗料等を挙げ
ることができる。
【0003】しかしながら、従来、提案されている制振
用の塗料は、塗膜形成成分の振動吸収性能を無機粒状体
等により補強するものが多く、塗膜形成成分自体の振動
吸収性能および吸音性能を大きく改善するものではなか
った。従って、塗料として使用する場合、塗膜の厚みを
増加させることには限度があり、通常2mm未満、特に
1mm以下にせざるを得ないことが多いが、前記の如き
制振塗料では塗膜の厚みが薄くなるにつれて損失係数η
が急激に減少し外部からの振動および音響エネルギーを
効率よく吸収できないという難点が判明してきた。この
ような開発状況から薄い塗膜においても高度の制振性能
を発揮できる制振塗料の開発が切望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、前記の事情に鑑み、塗膜を薄くしても振動吸収評価
の指標である損失係数ηが極端に減少せず、振動吸収性
能および吸音性能に優れた制振塗膜を形成させることが
可能な制振塗料組成物を提供することにある。また、課
題の第二は、薄い塗膜であっても低周波数および高周波
数の両領域において振動吸収および音響吸収の効率向上
に寄与できる制振塗料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記課題である薄い塗膜において損失係数ηを向上させ
るため鋭意検討を重ねた結果、損失係数ηは、損失弾性
率E”と塗膜の厚さtの積に強く依存することがわかっ
た。このことから一定の厚さでの損失係数ηの向上また
は薄い塗膜でも高損失係数ηを得るには損失弾性率E”
を大きくすることが重要であることを見出した。本発明
者らはこの知見により、水素結合形成能を有する成分
(以下、「水素結合形成成分」ということもある。)を
極性基を有する樹脂エマルジョンに配合することにより
塗膜における水素結合が増加し、かつ制御が可能であ
り、この制御された水素結合を有する塗膜が高損失弾性
率E”を示し、従って、薄い塗膜においても高損失係数
ηを得ることができ、外部からの振動エネルギー吸収性
能および音響エネルギー吸収性能に優れていることを把
握した。
【0006】本発明者らは、さらに検討を進めた結果、
外部から振動・音響エネルギーが塗膜にはいり、塗膜が
このエネルギーを吸収する過程で一旦形成された水素結
合が解離され、この水素結合の復元作用によるエネルギ
ーを熱として放出した後、再度水素結合が形成されるサ
イクルの存在に想到し、水素結合形成成分の水素結合形
成能が高く、解離熱も高く、適度な強さの水素結合を形
成するほど損失弾性率E”が高くなり、損失係数ηも高
いことに着目した。さらに、外部からの振動エネルギー
の強弱に対応し制御された強弱の水素結合を有する塗膜
が制振作用において効果的であることを見い出し、これ
らの知見に基づいて本発明の完成に到達した。
【0007】すなわち本発明の第一は、下記の塗料成分
(i)、塗料成分(ii)および塗料成分(iii); (i) 極性基を有する樹脂エマルジョンであって、該
極性基と水素結合形成能を有する塗料成分(ii)の芳香
族化合物との接触により水素結合の形成可能な塗膜に転
化する樹脂エマルジョン。 (ii) 前記極性基との水素結合の形成および制御の可
能な水素結合形成能を有し、一分子中少なくとも一つの
ヒドロキシル基を有する芳香族化合物。 (iii)無機充填剤。 を配合してなることを特徴とする制振塗料組成物に関す
るものである。
【0008】また、本発明の第二によれば、前記制振塗
料組成物を用いて形成された塗膜であって、該塗膜の厚
さが2mm以下において損失係数ηが、50Hzの条件
下で0.03以上であり、1200Hzの条件下で0.
065以上であることを特徴とする制振塗膜が提供され
る。
【0009】本発明の第三は、前記塗料組成物の製造方
法であって、次の工程(1)および(2); (1)前記塗料成分(i)と前記塗料成分(ii)とを分
散混合する工程。 (2)前記工程(1)にて得られた混合物と前記塗料成
分(iii)とを混合する工程。 とを含むことを特徴とする制振塗料組成物の製造方法に
関するものである。
【0010】また、本発明によれば、前記塗料組成物の
製造方法であって、次の工程(1)または(2); (1)前記塗料成分(i)と前記塗料成分(ii)とを該
塗料成分(ii)が溶解可能な有機水溶液溶媒の存在下に
おいて混合した後、該混合物に前記塗料成分(iii)を
添加し混合する工程。 (2)前記塗料成分(i)と前記塗料成分(ii)と前記
塗料成分(iii)とを該塗料成分(ii)が溶解可能な有機
水溶液溶媒の存在下において混合する工程。 のいずれかの工程を含むことを特徴とする制振塗料組成
物の製造方法さらに前記塗料組成物の製造方法であっ
て、次の工程(1)および(2): (1)前記塗料成分(ii)と前記塗料成分(iii)とを
該塗料成分(ii)が溶解可能な有機水溶液溶媒の存在下
において接触させることにより該塗料成分(ii)を該塗
料成分(iii)上に含侵担持させる工程。 (2)前記工程(1)にて得られた含侵担持物と前記塗
料成分(i)と混合する工程。 の工程を含むことを特徴とする制振塗料組成物の製造方
法が提供される。
【0011】本発明は、前記の如き水素結合を有する塗
膜の形成可能な制振塗料組成物に関するものであるが、
さらに好ましい実施の形態として次の(1)〜(6)に
揚げるものを包含する。 (1)アクリル系樹脂エマルジョン20〜70重量%、
一般式(III)のフェノール系化合物2〜30重量%お
よびマイカ15〜50重量%、さらに分散剤、消泡剤、
造膜助剤、増粘剤および粘度調整剤を配合してなる制振
塗料組成物。 (2)アクリル系樹脂エマルジョン20〜70重量%、
一般式(III)のフェノール系化合物2〜30重量%お
よびモンモリロナイト15〜50重量%、さらに分散
剤、消泡剤、造膜助剤、増粘剤および粘度調整剤を配合
してなる制振塗料組成物。 (3)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン20
〜70重量%、一般式(II)の前記ナフタレン系化合物
2〜30重量%およびサポナイト15〜50重量%、さ
らに分散剤、消泡剤、造膜助剤、増粘剤および粘度調整
剤を配合してなる制振塗料組成物。 (4)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン20
〜70重量%、一般式(III)のフェノール系化合物2
〜30重量%、マイカ15〜50重量%、さらに分散
剤、流動化改良剤、増粘剤および粘度調整剤を配合して
なる制振塗料組成物。 (5)ウレタン樹脂エマルジョン20〜70重量%、一
般式(III)のフェノール系化合物2〜30重量%、マ
イカ15〜50重量%、さらに分散剤、流動化改良剤、
増粘剤および精度調整剤を配合してなる制振塗料組成
物。 (6)前記(1)〜(4)の制振塗料組成物から形成さ
れる塗膜であって、赤外吸収強度(1720〜1690
cm-1)/赤外吸収強度(1750〜1720cm-1
の比率が0.2以上であり損失弾性率E”/Nm2
1.08E+08以上である制振塗膜。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の制振塗料組成物は、下記の塗料成分
(i)、塗料成分(ii)および塗料成分(iii); (i) 極性基を有する樹脂エマルジョンであって、該
極性基と水素結合形成能を有する塗料成分(ii)の芳香
族化合物との接触により水素結合の形成可能な塗膜に転
化する樹脂エマルジョン。 (ii) 前記極性基との水素結合の形成および制御の可
能な水素結合形成能を有し、一分子中少なくとも一つの
ヒドロキシル基を有する芳香族化合物。 (iii)無機充填剤。 を配合してなることを特徴とする制振塗料組成物に関す
るものである。
【0013】本発明に係る制振塗料組成物の構成成分
(i)の極性基を有する樹脂エマルジョンは、水素結合
形成能を有する成分(ii)との相互作用により得られる
水素結合を有する塗膜を形成させるものである。樹脂エ
マルジョンの極性基としては、該樹脂エマルジョンから
得られる塗膜中に水素結合を形成させ得るものであれ
ば、特に限定されるものではないが、例えば、カルボニ
ル基、エーテル基、水酸基、アミド基、イミド基、ニト
リル基、スルホニル基、チオール基等を挙げることがで
きる。特に、水素結合を増加・制御させ得る極性基を有
する樹脂エマルジョンの具体例としては、ウレタン系樹
脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマルジョン、フェノ
ール系樹脂エマルジョン、アルキッド系樹脂エマルジョ
ン、ポリエステル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂
エマルジョン、アクリル−スチレン系樹脂エマルジョ
ン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−アク
リル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系樹脂
エマルジョン、塩化ビニル−アクリル系樹脂エマルジョ
ン、エチレン−塩化ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビ
ニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン系樹脂エマル
ジョン、スチレン−ブタジエン系樹脂エマルジョン、ア
クリロニトリル−ブタジェン系樹脂エマルジョン、ポリ
ビニルアルコール系樹脂エマルジョンを挙げることがで
きる。これらのなかでも特に好ましい樹脂エマルジョン
は、ウレタン樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジ
ョン、フェノール樹脂エマルジョン等である。ウレタン
樹脂エマルジョンは、ウレタン樹脂をエマルジョン化し
たものであり、ウレタン樹脂の具体例としては、特に限
定するものではないが、通常、複数のイソシアナートと
高分子ジオール、ポリカーボネート系、ポリエステル系
との重付加反応により得られるものを用いることができ
る。有機ジイソシアナートとしては、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシ
アナート、トリレンジイソシアナート、4,4’−シク
ロヘキシルメタンイソシアナート等のポリウレタンの製
造にとって一般に使用される原料が挙げられる。高分子
ジオールとしても、特に限定されるものではないが、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン
−ポリオキシエチレングリコール等のポリエーテルタイ
プのものを用いることができる。平均分子量としては、
500〜10000、特に、1000〜7000の高分
子ジオール、ポリカーボネート系、ポリエステル系ある
いはこれらの混合系を含有するものが好ましい。また、
アクリル系樹脂エマルジョン、アクリル−スチレン系樹
脂エマルジョン、エチレン−酢酸エステル系樹脂エマル
ジョン等を選択してもよい。前記アクリル系樹脂エマル
ジョンの具体例としてアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸テトラシクロドデシル等のアクリル酸エステル
重合体またはこれらの2種以上の組み合わせからなる共
重合体等をエマルジョン化したものである。
【0014】本発明の制振塗料組成物の塗料成分(i)
の樹脂エマルジョンとしてはガラス転移温度が−20〜
50℃の範囲にあるものが制振効果の点から好ましい。
また、前記樹脂エマルジョンは、水、その他の溶剤を用
いて分散させるかまたは乳化した形態のものである。水
を用いて得られる水性エマルジョンが環境保全上好まし
く、その調製においても操作上簡便であり、また塗膜に
ついても均一な品質のものを得ることができる。該樹脂
エマルジョンは、その固形分の含有量を任意に調整でき
るが、20〜80重量%、特に35〜65重量%のもの
が好ましい。また、樹脂エマルジョンの樹脂の平均粒子
径としては、0.01〜50μm、特に0.1〜10μ
mの範囲のものが好ましい。平均粒子径が該範囲内にあ
る樹脂エマルジョンは、塗料成分(ii)、(iii)が均
一に分散した塗膜を提供することができる。
【0015】前記樹脂エマルジョンの配合量は、前記制
振塗料組成物全重量基準で10〜75重量%、好ましく
は、30〜60重量%の範囲で採用することができる。
その含有量が10重量%未満では塗膜が容易に剥離し、
一方、75重量%を超えると樹脂当たりの水素結合数が
減少する問題が生じ、十分な制振効果を得ることができ
ない。
【0016】次に、本発明に係る制振塗料組成物の塗料
成分(ii)の水素結合形成能を有する芳香族化合物とし
ては、ヒドロキシル基および/またはアミノ基を有する
芳香族化合物を挙げることができる。該芳香族化合物
は、単環または多環芳香族化合物であって、好ましくは
(i) 一分子中少なくとも一つのヒドロキシル基を有す
る芳香族化合物および(ii) 一分子中少なくとも一つの
ヒドロキシル基と少なくとも一つのアミノ基を有する芳
香族化合物からなる群より選択されるものである。
【0017】前記芳香族化合物の具体例としては、下記
の一般式(I)〜(IV)に示す化合物を挙げることがで
きる。
【0018】(1)一般式(I)
【化1】
【0019】(2)一般式(II)
【化2】
【0020】(3)一般式(III)
【化3】
【0021】(4)一般式(IV)
【化4】
【0022】前記一般式(I)、(II)および(III)
において R1〜R7は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基で
あり、互いに同一でもまたは異なるものでもよい。具体
的には、アルキル基またはアルケニル基であり、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−
ヘキシル基等を挙げることができる。 nおよびn’は、0または1〜3の整数であり、互い
に同一でもまたは異なるものでもよい。 mおよびm’は、それぞれ1または2の整数であり、
互いに同一でもまたは異なるものでもよい。 A1〜A7はそれぞれ窒素含有基であり、互いに同一で
もまたは異なるものでもよい。具体的にはアミノ基であ
る。 pおよびp’は0または1〜3の整数であり、互いに
同一でもまたは異なるものでもよい。 sは、1〜3の整数であり、互いに同一でもまたは異
なるものでもよい。tは、0または1〜3の整数であ
り、互いに同一でもまたは異なるものでもよい。 Xは、酸素原子、硫黄原子およびハロゲン原子からな
る群より選択される原子または該原子を含有していても
よい炭素数1〜20の炭化水素基である。炭化水素基と
しては、アルキレン基、シクロアルキレン基またはそれ
らの不飽和基を挙げることができる。例えば、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、i−
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン
基等を、また、不飽和基としてビニレン基、プロピリデ
ン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリ
デン基、シクロヘキシレン基、芳香族基等を挙げること
ができる。好ましい具体例は次の(1)〜(3)の如き
ものである。また、エステル結合含有基は、−CO−O
−を含むグループであり、具体例として下記の(4)、
(5)、(6)および(7)で表されるものを例示する
ことができる。これらのなかで、(7)に示すテトラエ
ステル型の結合部が有用である。
【0023】
【化5】 yは1である。
【0024】前記一般式(I)〜(IV)のフェノール
系化合物の好ましい具体例を挙げるならば次のものを例
示することができる。例えば、2-tert-ブチルフェノー
ル;2-エチル-6-メチルフェノール;2,6-ジ-tert-
ブチルフェノール;3-メチル-2,6-ビス(1-メチルエ
チル)フェノール;4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフ
ェノール;3-メチル-2,6-ビス(1-メチルプロピル)
フェノール;2-ブチル-6-エチルフェノール;4-ブチ
ル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール;4-tert-ブチル-
2,6-ジメチルフェノール;6-tert-ブチル-2,3-ジ
メチルフェノール;2-tert-ブチル-4-メチルフェノー
ル;2-シクロヘキシル-6-tert-ブチルフェノール;2
-シクロヘキシル-6-tert-ブチル-4-メチルフェノー
ル;2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール;4,
4'−ジヒドロキシビフェニル;4,4'−チオビスフェ
ノール;ヒドロキノン;1,5−ヒドロキシナフタレ
ン;4,4'−チオビス(3−メチル−6-tert-ブチル
フェノール);4,4'−チオビス(2−メチル−6-te
rt-ブチルフェノール);4,4'−メチレンビス(2,
6−ジ-tert-ブチルフェノール);4,4'−エチレン
ビス(2,6−ジ-tert-ブチルフェノール);4,4'
−プロピリデンビス(2−メチル−6-tert-ブチルフェ
ノール);4,4'−ビス(2,6−ジ-tert-ブチルフ
ェノール);4,4'−ビス(2−メチル−6-tert-ブ
チルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−エチ
ル−6-tert-ブチルフェノール);2,2'−メチレン
ビス(4−メチル−6-tert-ブチルフェノール);4,
4'−ブチリデンビス(3−メチル−6-tert-ブチルフ
ェノール);4,4'−イソプロピリデンビス(2,6
−ジ-tert-ブチルフェノール);2,2'−メチレンビ
ス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2'−
イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);
2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキ
シルフェノール)等を挙げることができ、また、1,6
−ヘキサンジオール−ビス[β−(3,5−ジ-tert-ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノ
キシ)−ブタン;2,2−チオ−ジエチレンビス[β−
(3,5−ジ-tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート];トリス(3,5−ジ-tert-ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート;1,
1,3−トリス(5-tert-ブチル−4−ヒドロキシ−2
−メチルフェニル)ブタン;1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ-tert-ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)−ベンゼン;テトラキス(メチレン
−3,5−ジ-tert-ブチル−4−ヒドロハイドロシンナ
メート);トリエチレングリコール−ビス[β−(3-t
ert-ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート];3,9−ビス[1,1−ジメチル−2
−[β−(3-tert-ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシエチル]エチル]−
2,4,8,10−テトラオキソスピロー[5,5]ウ
ンデカン等を用いることができる。さらに、特に好まし
い具体例として、例えば、4,4'−チオビス(3−メ
チル−6−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノー
ル);4,4'−チオビス(2−メチル−6−tert−ブ
チル−4,6−ジメチルフェノール);4,4'−メチ
レンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);
4,4'−エチレンビス(2,6−ジtert−ブチルフェ
ノール);4,4'−プロピリデンビス(2−メチル−
6−tert−ブチルフェノール);4,4'−イソプロピ
リデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−エチル
−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−イソブチ
リデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェ
ノール);テトラキス(メチレン−3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロハイドロシンナメート);4,4'
−ジヒドロキシビフェニル;4,4'−チオビスフェノ
ール;1,5−ジヒドロキシナフタレン等を例示するこ
とができる。
【0025】さらに、ヒドロキシル基およびアミノ基を
有する芳香族化合物としては、ナフタレンのヒドロキシ
アミン化合物が有用であり、具体例として5-アミノ-1
-ナフトールおよび2-アミノ-6-ヒドロキシナフトール
等を挙げることができる。前記塗料成分(ii)の配合量
は、前記制振塗料組成物全重量基準で、2〜30重量
%、好ましくは6〜20重量%である。その含有量が2
重量%に満たないと水素結合数が低下し損失係数ηが小
さくなる。一方、30重量%を超えると塗膜に相分離の
おそれが生じ、その結果十分な制振効果が得られない。
【0026】次に、本発明の制振塗料組成物における無
機充填剤について説明する。無機充填剤として、無機系
フィラー、カーボン系フィラーおよび有機系フィラー等
のいずれかを用いることができる。無機系フィラーとし
てはサポナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、バ
ーミキュライト、マイカ等のSiO2、Al23、Mg
O、Na2O等を含む層状化合物、タルク、炭酸カルシ
ウム、天然ゼオライト、合成ゼオライト、フレーク状シ
リカ等が有用である。また、カーボン系フィラーとして
は、ケッチェンブラックカーボン、フレーク状グラファ
イト等を挙げることができる。有機系フィラーとして
は、木屑、米糠等を用いることができる。特に、好まし
い無機充填剤としては層状ケイ酸塩粘土鉱物が有用であ
る。例えば、層状ケイ酸塩粘土鉱物としては2:1型鉱
物が好ましく、特に底面間隔、すなわち、単位構造の厚
さ、層面に垂直な方向の周期が比較的大きいもの、例え
ば約14〜15Å以上のものを用いることができ、具体
的には、マイカのほか、スメクタイト、モンモリロナイ
ト、サポナイト、バーミキュライト等またはこれらの混
合物を挙げることができる。
【0027】無機充填剤は、粒状体、特にフレーク状ま
たは繊維状の形態で用いることが好ましく、平均粒径
0.1〜200μm、特に40〜100μmのものが振
動吸収および音響吸収に寄与するところが大きい。ま
た、無機充填剤の配合量は、前記制振塗料組成物全重量
基準で2〜60重量%、好ましくは、20〜50重量%
である。配合量が2重量%に達しないと十分な振動吸収
性能の向上がみられず、一方60重量%を超えると塗膜
の強度等塗膜性能が低下し同様に十分な制振効果を奏す
ることができない。
【0028】本発明の制振塗料組成物において無機充填
剤として層状化合物が前記所定量存在すると塗膜成分の
樹脂が独立層的に挙動し、そのとき配合された芳香族化
合物と比較的均一な強さの水素結合を形成し、外部から
の振動および音響の吸収効率を向上させるものと推定さ
れる。前記塗料成分(i)と塗料成分(ii)と塗料成分
(iii)の配合量は、以上の説明から明らかなように成
分(i);10〜75重量%、成分(ii);2〜30重
量%、成分(iii);2〜60重量%の割合とされる。
特に、成分(i);30〜60重量%、成分(ii);6
〜20重量%、成分(iii);20〜55重量%の割合
が好ましい。さらに、各成分の配合量を成分(i);3
0〜46重量%、成分(ii);10〜30重量%、成分
(iii);14〜50重量%の範囲に制御すれば、さら
に高い損失係数ηを得ることができる。
【0029】本発明の制振塗料組成物は、以上説明した
ように(i) 塗膜形成後に水素結合形成能を有する芳
香族化合物と水素結合の形成可能な極性基を有する樹脂
エマルジョン、(ii) 水素結合形成能を有する一分子
中に少なくとも一つのヒドロキシル基を有する芳香族化
合物 および(iii)無機充填剤とを必須成分として含
有し制御された前記水素結合数を有する塗膜を提供する
ものである。
【0030】図1は、塗膜の損失係数(η)に及ぼす損
失弾性率(E”)と塗膜厚さ(t)との関係を示すもの
である。塗膜の損失係数(η)は、薄くなると小さくな
るが本発明の塗料組成物を用いた場合に得られる塗膜は
薄くなっても損失弾性率(E”)が大きいことから十分
高い損失係数(η)を確保できることが示されている。
【0031】前記水素結合の形成は、図2に示す波数1
750〜1690cm-1に現われるC=Oの赤外吸収ス
ペクトル、図3に示す波数3600〜3300cm-1
−OHグループの赤外吸収スペクトルにより同定され
る。すなわち、波数1750〜1720cm-1の吸収は
主として水素結合を形成していないC=Oによるもので
あり、波数1720〜1690-1の赤外吸収は主として
水素結合をしているC=Oによるものである。そして水
素結合したC=Oは低波数側に移行し表1に示すよう
に、赤外吸収強度(1720〜1690cm-1)/赤外
吸収強度(1750〜1720cm-1)の比率の増加に
より損失弾性率E”を大きくできることが実証されてい
る。本発明の塗料組成物によれば、表1に示すように該
比率0.2以上の塗膜を形成させることができ、損失弾
性率E”および損失係数ηに関し高度の性能を発揮させ
ることができる。また、波数3600〜3500cm-1
の赤外吸収は比較的自由な−OHグループによるもので
あり、3500〜3300cm-1の赤外吸収は主として
水素結合したOHグループによるものである。図3によ
れば、波数3500〜3300cm-1の赤外吸収の増加
により水素結合したOHグループが増加したことが示さ
れている。
【0032】本発明の制振塗料組成物は、以上述べた主
要成分のほかに、分散剤、消泡剤、流動化改良剤、造膜
助剤、増粘剤、粘度調整剤等も必要に応じて配合したも
のである。
【0033】次に、本発明の制振塗料組成物の製造方法
について説明する。本発明の制振塗料組成物の製造方法
としては、塗膜中に先に述べた水素結合を形成させ、か
つ制御させ得る方法であれば特に限定されるものではな
いが、次の製造方法I〜IIIを挙げることができる。
【0034】製造方法Iは、前記塗料成分(i)、塗料
成分(ii)および塗料成分(iii)からなる塗料組成物
の製造方法であって、次の工程(1)および(2); (1)塗料成分(i)と塗料成分(ii)とを分散混合す
る工程。 (2)前記工程(1)にて得られた混合物と塗料成分
(iii)とを混合する工程。 を含む制振塗料組成物の製造方法に関するものである。
【0035】製造方法Iにおいて、水性媒体中で塗料成
分(i)と塗料成分(ii)の混合操作を行なうには両成
分に適当な剪断力を与えることが好ましい。具体的には
好適な羽根形状を有する攪拌機、好適な回転速度を有す
るロールミキサー、ボールミルを用いて20−60℃の
条件下で塗料成分(i)を塗料成分(ii)と混合し攪拌
することによりコロイド状溶液を調製すればよい。この
混合操作により塗料成分(i)中に塗料成分(ii)の粒
子が分散結合した均一懸濁体を得ることができる。な
お、製造方法Iにおいて塗料成分の混合操作は水性媒中
で行なうことが好ましいが、後記の有機水溶液溶媒を添
加してもよい。
【0036】製造方法IIによれば、次の工程(1)また
は(2); (1)塗料成分(i)と塗料成分(ii)とを該成分(i
i)が溶解可能な有機水溶液溶媒の存在下において混合
した後、該混合物に塗料成分(iii)を添加し混合する
工程。 (2)塗料成分(i)と塗料成分(ii)と塗料成分(ii
i)とを該成分(ii)が溶解可能な有機水溶液溶媒の存在
下において混合する工程。 のいずれかの工程を含む制振塗料組成物の製造方法を提
供することができる。
【0037】製造方法IIおよび製造方法III において用
いられる有機水溶液溶媒としてはカルボニル基を有する
有機物、例えば、マロン酸、コハク酸、酒石酸等の有機
酸またはこれらのエステル類、ポリスルホン酸、ポリカ
ルボン酸、ポリアクリル酸等のアルカリ金属塩(例え
ば、ナトリウム塩)、アンモニウム塩等の水溶液を用い
ることができる。
【0038】製造方法IIの工程の具体的な実施の態様と
しては塗料成分(ii)を有機水溶液溶媒に混合溶解した
ものを塗料成分(i)と混合する方法を採用することが
できる。この結果、塗料成分(ii)が水に可溶なものと
なり、塗料成分(i)のエマルジョン中に均一に分散し
たものを調製することができる。
【0039】次に、製造方法IIIは、次の工程(1)お
よび(2): (1)塗料成分(ii)と塗料成分(iii)とを有機水溶
液溶媒の存在下において接触させることにより該成分
(ii)を該成分(iii)上に含侵担持させる工程。 (2)前記工程(1)にて得られた含侵担持物と塗料成
分(i)と混合する工程。 の工程を含むことを特徴とする制振塗料組成物の製造方
法を提供するものである。
【0040】製造方法III は、先ず、塗料成分(ii)の
フェノール系化合物溶液を塗料成分(iii)の無機フィラ
ーと接触させることにより含侵担持させる工程を含むも
のである。該工程を設けたことによりフェノール系化合
物の水不溶解性により生ずる難点を解消したものであ
り、塗膜中にフェノール系化合物を均一に広く分散可能
としたものである。
【0041】フェノール系化合物の溶液は、水、有機化
合物またはこれらの混合物が用いられるが、含侵に有用
な溶媒を選択すればよい。特に、前記有機水溶液溶媒を
用いることが好ましい。無機フィラーは特に限定される
ものではなく、前記のいずれのものも用いることができ
るが、特にフレーク状、繊維状のものがフェノール系化
合物の担持に有効である。含侵担持工程において前記塗
料成分(ii)の溶液は塗料成分(iii)に対して重量基
準で約5〜20倍程度用いればよい。
【0042】次の工程において含侵担持物は、前記塗料
成分(i)の樹脂エマルジョンと混合される。製造方法
I、IIおよびIII において用いられる樹脂エマルジョン
は、前記性状を有するイオン性エマルジョンが好適であ
り、樹脂固形分20〜70%のものが好ましく、成分
(ii)としては塗膜中にフェノール系化合物が2〜30
重量%含むようにその配合量を調整すればよい。
【0043】また、前記各製造方法において製造条件に
は特に制限がなく、適宜決定することができるが、常
温、常圧でよく、また、バッチ式または連続式のいずれ
かの方式を任意に採用することができる。前記の各製造
方法において各成分(i)、(ii)および(iii)、す
なわち、樹脂エマルジョン、芳香族ヒドロキシ化合物、
無機充填剤の混合操作は、攪拌機、ロールミキサー、バ
ンバリミキサー、グレンミル、オープンニーダ等の混合
機を用いて行なうことができ、その際、必要に応じて分
散剤等他の成分を配合してもよい。このようにして得ら
れた制振塗料組成物を塗布する場合にはスプレーガン、
刷毛塗りおよびスポンジ塗り等の塗布手段を任意に用い
ることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明する。もっとも本発明は、実施例等に
より限定されるものではない。なお、実施例および比較
例にて得られた制振塗料組成物の塗膜の損失正接tan
σ、貯蔵弾性率E’および損失弾性率E”は、次の方法
で測定した。
【0045】貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”、損失正
接tanσの測定には動的粘弾性測定試験装置(アイテ
ィ計測制御株式会社製DVA−200S)を使用した。
測定は、周波数50Hz、昇温速度5℃/分、動的歪み
0.1%で引張りモードで行なった。試料のサイズは約
20mm×5mm×1mmとした。損失係数ηは、図4
に示すASTME756−93に準じた片端固定打撃加
振法により測定した。図中(a)はアルミ基板Bに制振
塗料を塗布し塗膜BLを接着した測定用試料Sを示す。
(b)は試料を片持ち固定する固定部F、打撃加振部を
構成するインパルスハンマーIP、増巾器APおよび解
析装置(モーダル解析ソフトでフーリエ変換し、損失係
数ηは共振ピークから半値巾法により求められる。)か
らなる制振特性の測定装置を示す。
【0046】また、実施例および比較例において、用い
た添加剤を次に掲げる。 ウレタン樹脂系エマルジョン(カーボネート系):F8
598(第一工業製薬製) アクリル系エマルジョンA:ペガール-873(樹脂分50重
量%(蒸発残分)高圧ガス工業株式会社製) アクリル系エマルジョンB:BC−280(大日本インキ化
学工業株式会社製) 酢酸ビニル系エマルジョン:EVA P−20(昭和高分
子株式会社製) アクリル・ウレタン系エマルジョン:AP−3840(昭和
高分子株式会社製) 4,4'-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)
(「BPSR」と略称する。):ノンフレックスBPS−R
(精工化学株式会社製) 4,4'-チオビスフェノール:
(和光純薬工業株式会社製) 4,4'-ジヒドロキシビフェニル:
(和光純薬工業株式会社製) 2-アミノ-6-ヒドロキシナフトール:
(和光純薬工業株式会社製) 1,5-ジヒドロキシナフタレン:
(和光純薬工業株式会社製) 5-アミノ-1-ナフトール::
(和光純薬工業株式会社製) 無機フィラーA:マイカ200HK(株式会社クラレ製) 無機フィラーB:炭酸カルシウム(添川理化株式会社) 無機フィラーC:クニピアG(クニミネ工業株式会社) 無機フィラーD:ゾノハイジ(宇部マテリアルズ株式会
社) 無機フィラーE:スメクトンSA(クミニネ工業株式会
社) 分散剤:ノプコスパース44C(サンノプコ株式会社
製) 流動化改良剤:ノプコウェット50(サンノプコ株式会
社製) 粘度調整剤:エチレングリコール(和光純薬工業株式会
社製) 増粘剤A:シリカ(日本エアロジル社製) 増粘剤B:カーボンブラック(昭和電工株式会社製)
【0047】実施例1 アクリル系エマルジョン(アクリル酸エステル−スチレ
ン共重合樹脂エマルジョン(以下同じ))A41.2重
量%、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)(以下「BPSR」と略称する。)1
3.7重量%とを良く混合した後無機フィラー(マイカ
200HK、株式会社クラレ製)32.9重量%、分散
剤を0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整
剤0.9重量%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の
調整のため水を9.3重量%の割合で加え、これらを混
合して制振塗料組成物とした。
【0048】実施例2 アクリル系エマルジョンA33.6重量%とBPSR1
0.9重量%とを良く混合した後無機フィラーA43.
4重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重量
%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.8重量%、
さらに粘度の調整のため水を9.2重量%の割合で加
え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0049】実施例3 アクリル系エマルジョンA32.3重量%とBPSR
4.0重量%とを良く混合した後、無機フィラーA5
1.6重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1
重量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.8重量
%、さらに粘度の調整のため水を9.2重量%の割合で
加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0050】実施例4 アクリル系エマルジョンA32.9重量%とBPSR1
5.6重量%とを良く混合した後、無機フィラーA3
0.3重量%、無機フィラーB9.0重量%、分散剤
0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤
0.9重量%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調
整のため水を9.3重量%の割合で加え、これらを混合
して制振塗料組成物とした。
【0051】実施例5 アクリル系エマルジョンA42.7重量%とBPSR2
0.1重量%とを良く混合した後、無機フィラーA16.
6重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重量
%、粘度調整剤0.4重量%、増粘剤A0.9重量%、さ
らに粘度の調整のため水を19.2重量%の割合で加
え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0052】実施例6 酢酸ビニル系エマルジョン60.1重量%とBPSR9.
6重量%とを良く混合した後、無機フィラーA9.0重
量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、
粘度調整剤0.6重量%、増粘剤A1.2重量%、さらに
粘度の調整のため水を19.3重量%の割合で加え、こ
れらを混合して制振塗料組成物とした。
【0053】実施例7 アクリル系エマルジョンA41.9重量%とBPSR1
4.0重量%とを良く混合した後、無機フィラーA3
3.6重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1
重量%、粘度調整剤0.9重量%、さらに粘度の調整の
ため水を9.4重量%の割合で加え、これらを混合して
制振塗料組成物とした。
【0054】実施例8 BPSR13.1重量%を30%濃度のコハク酸エステ
ル水溶液9.7重量%で部分溶解したものとアクリル系
エマルジョンA40.0重量%を良く混合した後、無機
フィラーA32.6重量%、分散剤0.1重量%、流動化
改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.4重量%、さらに粘
度の調整のため水を4.0重量%の割合で加え、これら
を混合して制振塗料組成物とした。
【0055】実施例9 BPSR13.1重量%を30%濃度のコハク酸エステ
ル水溶液9.7重量%で部分溶解したものを使用して無
機フィラーA32.6重量%上に含浸担持した。これを
アクリル系エマルジョンA40.0重量%に良く混合し
た後、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、
粘度調整剤0.4重量%、さらに粘度の調整のため水を
4.0重量%の割合で加え、これらを混合して制振塗料
組成物とした。
【0056】実施例10 アクリル系エマルジョンA63.5重量%とBPSR2
1.0重量%とを良く混合した後、無機フィラーC2.
5重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重量
%、粘度調整剤0.6重量%、増粘剤A1.3重量%、
さらに粘度の調整のため水を10.9重量%の割合で加
え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0057】実施例11 アクリル系エマルジョンA41.2重量%とBPSR1
3.7重量%とを良く混合した後、無機フィラーA3
2.9重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.
1重量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤B1.8重
量%、さらに粘度の調整のため水を9.3重量%の割合
で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0058】実施例12 アクリル系エマルジョンB33.6重量%とBPSR1
0.9重量%とを良く混合した後、無機フィラーA4
3.4重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.
1重量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.8重
量%、さらに粘度の調整のため水を9.2重量%の割合
で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0059】実施例13 アクリル系エマルジョンB41.2重量%とBPSR1
3.7重量%とを良く混合した後、無機フィラーA3
2.9重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.
1重量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.8重
量%、さらに粘度の調整のため水を9.3重量%の割合
で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0060】実施例14 酢酸ビニル系エマルジョン41.2重量%とBPSRを
13.7重量%とを良く混合した後、無機フィラーA3
2.9重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.
1重量%、粘度調整剤0.8重量%、増粘剤A1.8重
量%、さらに粘度の調整のため水を9.4重量%の割合
で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0061】実施例15 酢酸ビニル系エマルジョン60.1重量%と4,4’ジ
ヒドロキシビフェニル9.6重量%とを良く混合した
後、無機フィラーA9.0重量%、分散剤0.1重量
%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.6重量
%、増粘剤A1.2重量%、さらに粘度の調整のため水
を19.3重量%の割合で加え、これらを混合して制振
塗料組成物とした。
【0062】実施例16 アクリル・ウレタン系エマルジョン44.2重量%とB
PSR14.6重量%とを良く混合した後、無機フィラ
ーA35.3重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤
0.1重量%、粘度調整剤0.4重量%、増粘剤A0.9
重量%、さらに粘度の調整のため水を4.4重量%の割
合で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0063】実施例17 アクリル系エマルジョンA60.1重量%とBPSRを
9.6重量%、無機フィラーD9.0重量%、分散剤
0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤
0.6重量%、増粘剤A1.2重量%、さらに粘度の調
整のため水を19.3重量%の割合で加え、これらを混
合して制振塗料組成物とした。
【0064】実施例18 アクリル系エマルジョンA51.0重量%、BPSR1
7.0重量%、無機フィラーE9.1重量%、分散剤
0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤
1.1重量%、増粘剤A2.3重量%、さらに粘度の調
整のため水を19.3重量%の割合で加え、これらを混
合して制振塗料組成物とした。
【0065】実施例19 酢酸ビニル系エマルジョン60.1重量%、5−アミノ
−1−ナフトール9.6重量%、無機フィラーA9.0
重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重量
%、粘度調整剤0.6重量%、増粘剤A1.2重量%、
さらに粘度の調整のため水を19.3重量%の割合で加
え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0066】実施例20 アクリル系エマルジョンA33.6重量%と5−アミノ
−1−ナフトール10.9重量%とを良く混合した後無
機フィラーA43.4重量%、分散剤0.1重量%、流
動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重量%、増
粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整のため水を9.
2重量%の割合で加え、これらを混合して制振塗料組成
物とした。
【0067】実施例21 アクリル系エマルジョンA33.6重量%と4,4’−
ジヒドロキシビフェニル10.9重量%とを良く混合し
た後無機フィラーA43.4重量%、分散剤0.1重量
%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重量
%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整のため水
を9.2重量%の割合で加え、これらを混合して制振塗
料組成物とした。
【0068】実施例22 アクリル系エマルジョンA33.6重量%と4,4’−
チオビスフェノール10.9重量%とを良く混合した
後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤0.1重量
%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重量
%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整のため水
を9.2重量%の割合で加え、これらを混合して制振塗
料組成物とした。
【0069】実施例23 ウレタン樹脂系エマルジョン33.6重量%と4,4’
−チオビスフェノール10.9重量%とを良く混合した
後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤0.1重量
%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重量
%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整のため水
を9.3重量%の割合で加え、これらを混合して制振塗
料組成物とした。
【0070】実施例24 ウレタン樹脂系エマルジョン33.6重量%と4,4’
−ジヒドロキシビフェニル10.9重量%とを良く混合
した後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤0.1
重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重
量%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整のため
水を9.2重量%の割合で加え、これらを混合して制振
塗料組成物とした。
【0071】実施例25 ウレタン樹脂系エマルジョン33.6重量%とBPSR
10.9重量%良く混合した後、無機フィラーA43.
4重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重量
%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.8重量%、さ
らに粘度の調整のため水を9.2重量%の割合で加え、
これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0072】実施例26 アクリル系エマルジョンA33.6重量%と2−アミノ
−6−ヒドロキシナフトール10.9重量%とを良く混
合した後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤0.
1重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.
9重量%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整の
ため水を9.2重量%の割合で加え、これらを混合して
制振塗料組成物とした。
【0073】実施例27 ウレタン樹脂系エマルジョン33.6重量%と2−アミ
ノ−6−ヒドロキシナフトール10.9重量%とを良く
混合した後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤
0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤
0.9重量%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調
整のため水を9.2重量%の割合で加え、これらを混合
して制振塗料組成物とした。
【0074】実施例28 アクリル系エマルジョンA33.6重量%、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン10.9重量%とを良く混合した
後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤0.1重量
%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重量
%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整のため水
を9.2重量%の割合で加え、これらを混合して制振塗
料組成物とした。
【0075】実施例29 ウレタン樹脂系エマルジョンB33.6重量%と1,5
−ジヒドロキシナフタレン10.9重量%とを良く混合
した後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤0.1
重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.9
重量%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調整のた
め水を9.2重量%の割合で加え、これらを混合して制
振塗料組成物とした。
【0076】実施例30 アクリル系エマルジョンB33.6重量%と4,4’−
ジヒドロキシビフェニルと4,4’−チオビスフェノー
ルとの混合物(重量比1:1)10.9重量%とを良く
混合した後、無機フィラーA43.4重量%、分散剤
0.1重量%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤
0.9重量%、増粘剤A1.8重量%、さらに粘度の調
整のため水を9.2重量%の割合で加え、これらを混合
して制振塗料組成物とした。
【0077】実施例31 ウレタン樹脂系エマルジョン33.6重量%と2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)10.9重量%とを良く混合した後、無機フィラ
ーA43.4重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良
剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.
8重量%、さらに粘度の調整のため水を9.2重量%の
割合で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0078】実施例32 アクリル系エマルジョンBを33.6重量%と2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)10.9重量%とを良く混合した後、無機フィラ
ーA43.4重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良
剤0.1重量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.
8重量%、さらに粘度の調整のため水を9.2重量%の
割合で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0079】比較例1 酢酸ビニル系エマルジョン60.5重量%、無機フィラ
ーA18.1重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤
0.1重量%、粘度調整剤0.6重量%、増粘剤A1.2
重量%、さらに粘度の調整のため水を19.4重量%の
割合で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0080】比較例2 アクリル系エマルジョンA51.7重量%、無機フィラ
ーA41.4重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良
剤0.1重量%、粘度調整剤0.5重量%、増粘剤A1.
0重量%、さらに粘度の調整のため水を5.2重量%の
割合で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0081】比較例3 アクリル系エマルジョンA68.3重量%とBPSR2
2.5重量%とを良く混合した後、分散剤0.1重量
%、流動化改良剤0.1重量%、粘度調整剤0.7重量
%、増粘剤A1.4重量%、さらに粘度の調整のため水
を6.8重量%の割合で加え、これらを混合して制振塗
料組成物とした。
【0082】比較例4 アクリル系市販塗料(アトミクス株式会社製アトムスプ
レー)を使用した。
【0083】比較例5 アクリル系エマルジョンA75.7重量%とBPSR
6.1重量%とを良く混合した後、無機フィラーA6.
1重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.1重
量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.8重量
%、さらに粘度の調整のため水を9.2重量%の割合で
加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0084】比較例6 アクリル系エマルジョンB18.4重量%とBPSR
8.0重量%とを良く混合した後、無機フィラーA6
1.5重量%、分散剤0.1重量%、流動化改良剤0.
1重量%、粘度調整剤0.9重量%、増粘剤A1.8重
量%、さらに粘度の調整のため水を9.2重量%の割合
で加え、これらを混合して制振塗料組成物とした。
【0085】性能評価 実施例1〜32および比較例1〜6にて得られた制振塗
料組成物をアルミニウム板上に塗布し、厚さ0.5mm
および1mmの塗膜を各々形成させた。各塗膜について
共振周波数50Hzおよび1200Hzの条件下で損失
係数ηを測定した。測定結果を表2および表3に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【発明の効果】本発明の制振塗料組成物から形成される
塗膜は、薄くしても損失弾性率E”が大きく、低周波振
動領域および高周波振動領域の双方においても高い損失
係数ηを得ることができ、塗料の特性を生かし複雑な形
状の振動および音響発生箇所に容易に適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 損失係数(η)に及ぼす損失弾性率(E”)
と塗膜厚さ(t)との関係図である。
【図2】 本発明の実施例1に係る制振塗料の塗膜のC
=Oの赤外吸収スペクトルである。
【図3】 本発明の実施例1に係る制振塗料の塗膜の−
OHグループの赤外吸収スペクトルである。
【図4】 本発明の制振塗料から形成された塗膜の損失
係数(η)の評価装置である。
【符号の説明】
BL:塗布試料 Al:アルミ基盤 F :固定器 IP:インパクトハンマー AP:増幅器 AN:伝達関数解析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 哲也 東京都町田市鶴間3丁目2番4号 パ−ク サイド南町田804 (72)発明者 住田 雅夫 神奈川県綾瀬市寺尾南2丁目4番13号 Fターム(参考) 4J038 BA012 BA252 CA021 CB051 CC061 CF031 CF071 CG141 CJ031 DA041 DB001 DD001 DD121 DG001 EA011 HA026 HA036 HA196 HA216 HA286 HA446 HA466 HA536 HA556 JA63 JB06 JC01 KA08 MA10 NA11 NA19

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の塗料成分(i)、塗料成分(i
    i)および塗料成分(iii)を配合してなることを特徴と
    する制振塗料組成物。 (i) 極性基を有する樹脂エマルジョンであって、該
    極性基と水素結合形成能を有する塗料成分(ii)の芳香
    族化合物との接触により水素結合の形成可能な塗膜に転
    化する樹脂エマルジョン。 (ii) 前記極性基との水素結合の形成および制御の可
    能な水素結合形成能を有し、一分子中少なくとも一つの
    ヒドロキシル基を有する芳香族化合物。 (iii)無機充填剤。
  2. 【請求項2】 前記塗料成分(i)が、ウレタン系樹
    脂エマルジョン、フェノール系樹脂エマルジョン、アク
    リル系樹脂エマルジョン、アクリル−スチレン系樹脂エ
    マルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニ
    ル−アクリル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニ
    ル系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマルジョン、
    アルキッド系樹脂エマルジョン、ポリエステル系樹脂エ
    マルジョン、合成ゴムラテックス、これらの共重合樹脂
    エマルジョンおよび変性樹脂エマルジョン等からなる群
    より選択される少なくとも一種の樹脂エマルジョンであ
    る請求項1に記載の制振塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記塗料成分(ii)が、一分子中にさ
    らに少なくとも一つのアミノ基を有する芳香族化合物で
    ある請求項1に記載の制振塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記塗料成分(iii)が、サポナイ
    ト、モンモリロナイト、スメクタイト、ゾノトライト、
    マイカ、タルク、炭酸カルシウム、天然ゼオライト、合
    成ゼオライト、木屑、米糠、カーボン、グラファイトお
    よびフレーク状あるいは繊維状からなる群より選択され
    る少なくとも一種の無機フィラーである請求項1に記載
    の制振塗料組成物。
  5. 【請求項5】 前記塗料成分(iii)が、シリカ、ア
    ルミナおよびマグネシアを含有する層状化合物である請
    求項1に記載の制振塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記ヒドロキシル基を有する芳香族化
    合物が、4,4’-チオビスフェノール、4,4’-チオビ
    ス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール);4,4’-チ
    オビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール);4,
    4’−メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノー
    ル);4,4’-エチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェ
    ノール);4,4’-プロピリデンビス(2-メチル-6-ter
    t-ブチルフェノール);2,2’-メチレンビス(4-エチ
    ル-6-tert-ブチルフェノール);2,2’-メチレンビ
    ス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール);4,4’-
    イソプロピリデンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノー
    ル);2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ノニルフェ
    ノール);2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチル
    フェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シ
    クロヘキシルフェノール)およびテトラキス(メチレン-
    3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロハイドロシンナメー
    ト)からなる群より選択される少なくとも一種の化合物
    である請求項1に記載の制振塗料組成物。
  7. 【請求項7】 前記ヒドロキシル基を有する芳香族化
    合物が、4,4’-ジヒドロキシビフェニルまたは4,
    4’-チオビスフェノールまたはこれらの混合物である
    請求項1に記載の制振塗料組成物。
  8. 【請求項8】 前記ヒドロキシル基を有する芳香族化
    合物が、ヒドロキノンまたは1,5-ジヒドロキシナフタ
    レンまたはこれらの混合物である請求項1に記載の制振
    塗料組成物。
  9. 【請求項9】 前記ヒドロキシル基およびアミノ基を有
    する芳香族化合物が、5-アミノ-1-ナフトールまたは
    2-アミノ-6-ヒドロキシナフトールまたはこれらの混
    合物である請求項1に記載の制振塗料組成物。
  10. 【請求項10】 前記塗料成分(i)、前記塗料成分
    (ii)および前記塗料成分(iii)の配合割合が、前記
    制振塗料組成物全重量基準で、各々、成分(i)10〜
    75重量%、成分(ii)2〜30重量%および成分(ii
    i)2〜60重量%である請求項1に記載の制振塗料組
    成物。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の制振塗料組成物を用
    いて形成された塗膜であって、該塗膜の損失係数ηが、
    厚さ2mm以下において50Hzの条件下で0.03以
    上であり、1200Hzの条件下で0.065以上であ
    ることを特徴とする制振塗膜。
  12. 【請求項12】 前記塗膜の損失弾性率E”が、使用温
    度領域において1×108以上である請求項11に記載
    の制振塗膜。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の制振塗料組成物の製
    造方法であって、次の工程(1)および(2); (1)前記塗料成分(i)と前記塗料成分(ii)とを分
    散混合する工程。 (2)前記工程(1)にて得られた混合物と前記塗料成
    分(iii)とを混合する工程。を含むことを特徴とする
    制振塗料組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の制振塗料組成物の製
    造方法であって、次の工程(1)または(2); (1)前記塗料成分(i)と前記塗料成分(ii)とを該
    塗料成分(ii)が溶解可能な有機水溶液溶媒の存在下に
    おいて混合した後、該混合物に前記塗料成分(iii)を
    添加し混合する工程。 (2)前記塗料成分(i)と前記塗料成分(ii)と前記
    塗料成分(iii)とを該塗料成分(ii)が溶解可能な有機
    水溶液溶媒の存在下において混合する工程。のいずれか
    の工程を含むことを特徴とする制振塗料組成物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の制振塗料組成物の製
    造方法であって、次の工程(1)および(2): (1)前記塗料成分(ii)の有機水溶液溶媒と前記塗料
    成分(iii)とを接触させることにより該塗料成分(ii)
    を該成分(iii)上に含侵担持させる工程。 (2)前記工程(1)にて得られた含侵担持物と前記塗
    料成分(i)と混合する工程。の工程を含むことを特徴
    とする制振塗料組成物の製造方法。
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