JP2003003055A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JP2003003055A
JP2003003055A JP2001183880A JP2001183880A JP2003003055A JP 2003003055 A JP2003003055 A JP 2003003055A JP 2001183880 A JP2001183880 A JP 2001183880A JP 2001183880 A JP2001183880 A JP 2001183880A JP 2003003055 A JP2003003055 A JP 2003003055A
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acid
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mol
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glycol
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JP2001183880A
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Osamu Iritani
治 入谷
Mitsuo Nishida
光生 西田
Kazunori Komatsu
和憲 小松
Kenichi Funashiro
健一 船城
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は主にシート、化粧板等に使用される耐
溶剤性に乏しいポリエステル樹脂の透明性、機械特性を
保持したまま、耐溶剤性を向上させる樹脂組成物を得る
ことが目的である。 【解決手段】ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を全
二塩基成分の60mol%以上、グリコール成分として
エチレングリコールを全グリコール成分の60mol%
以上含むポリエステル樹脂(A)と融点が220℃以下
のポリエステル樹脂(B)を、(A)成分が(A)成分
と(B)成分との合計量100重量%を基準にして60
〜95重量%の割合で、混合した樹脂混合物100重量
部に対し、結晶核剤(C)0.1〜10重量部からなる
ことを特徴とする樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にシート、化粧
板等に使用される耐溶剤性に優れたポリエステル樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シートや化粧板等には主に塩ビが
使用されてきた。しかし、燃焼時に猛毒のダイオキシン
を発生したり、可塑剤に環境ホルモンの疑いが持たれた
りすることで最近は脱塩ビの方向へ進んでいる。
【0003】この用途での代替品の一つとしてポリエス
テル系のシートが注目されている。ポリエチレンテレフ
タレート(PET)にテレフタル酸、エチレングリコー
ル以外の他の1〜2成分を共重合した共重合ポリエステ
ル、例えばシクロヘキサンジメタノールを共重合する樹
脂(例えばテレフタル酸//エチレングリコール/シク
ロヘキサンジメタノール=100//70/30mol
%の組成である樹脂等)でその代替が行われようとして
いる。
【0004】しかしながら、このような組成の共重合ポ
リエステルは、塩ビと較べ耐溶剤性に関して劣ることが
判明した。耐溶剤性が良好でないために、シートや化粧
板として実際使用される際の施工時に溶剤が接触し、接
触部が白化し、透明性が失われる、あるいは接触部が膨
潤したり、機械特性が劣るという問題が生じた。
【0005】つまり、ジカルボン酸成分としてテレフタ
ル酸を60mol%以上、グリコール成分としてエチレ
ングリコールを60mol%以上含む非晶性ポリエステ
ル樹脂(A)は耐溶剤性に乏しく、このままではシート
や化粧板等に利用しがたい。このため、ポリエステル樹
脂(A)に耐溶剤性の良好な樹脂を配合させるという手
法が取られたが得られた樹脂自身が透明性に欠ける等の
問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】透明性を必要とするシ
ート・化粧板などに使用されているジカルボン酸成分と
してテレフタル酸を60mol%以上、グリコール成分
としてエチレングリコールを60mol%以上含む非晶
性ポリエステル樹脂(A)に溶剤が接触すると、接触部
が白化し、透明性が失われる、あるいは接触部が膨潤
し、機械特性が劣ってくるという問題が多数生じてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリエス
テル樹脂(A)の特性を保持したまま耐溶剤性を有する
樹脂組成物を得るべく鋭意研究をかさねた結果、本発明
に到達した。ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を全
二塩基成分の60mol%以上、グリコール成分として
エチレングリコールを全グリコール成分の60mol%
以上含むポリエステル樹脂(A)、結晶性のポリエステ
ル樹脂(B)、結晶核剤(C)からなることを特徴とす
る樹脂組成物によって、本発明者等は該課題を達成し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物の構成成分と
しては、テレフタル酸を全二塩基成分の60mol%以
上、グリコール成分としてエチレングリコールを全グリ
コール成分の60mol%以上含む非晶性ポリエステル
樹脂(A)、結晶性のポリエステル樹脂(B)と結晶核
剤(C)が必須である。テレフタル酸またはエチレング
リコールの含有量が60mol%未満であると、耐溶剤
性に劣ることがある。
【0009】なお、ここで言う非晶性とは示差走査熱量
計(DSC)を用いて−100℃から300℃まで20
℃/ 分の速度で昇温した際に明確な融点ピーク(結晶
の融解によるピーク)を持たないことを意味する。結晶
性を持つ場合にはシートを加工する際の加熱や折り曲げ
により結晶化し白濁することがある。また、シートやフ
ィルムの接着等の加工が行いにくくなる場合がある。
【0010】非晶性ポリエステル樹脂(A)は、非晶性
を達成するために、テレフタル酸、エチレングリコール
以外の第三成分が二塩基酸成分またはグリコール成分の
少なくともいずれかに5mol%以上共重合されている
ものであることが好ましい。第三成分が5mol%未満
であると、結晶性が高くなる場合がある。
【0011】また、第三成分は二塩基酸成分とグリコー
ル成分の合計で60mol%以下(全二塩基酸成分と全
グリコール成分の合計で200mol%とする)である
ことが好ましく、さらに好ましくは50mol%以下、
特に好ましくは40mol%以下である。同様に二塩基
酸成分とグリコール成分の合計で10モル%以上である
ことが好ましく、さらには20mol%以上であること
が好ましい。また、第三成分は二塩基酸成分のみであっ
てもジオール成分のみであっても、両方であっても良
い。第三成分が二塩基酸成分とグリコール成分の合計で
60mol%を越えると耐溶剤性に劣る場合や機械的強
度に劣る場合がある。なお、第三成分の共重合割合は、
モノマーの種類により耐溶剤性と非晶性を満足する範囲
内に適宜調整されるものである。
【0012】第三成分の二塩基酸成分としては、イソフ
タル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6
−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル
−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等
の脂肪族や脂環族二塩基酸が挙げられ、これらの中で
も、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、特にはイソフ
タル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
【0013】第三成分のグリコール成分としては、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルヒドロキシピバリン酸エステル、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイ
ド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、1,9−
ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,1
0−ドデカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,
3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール
等が挙げられ、これらの中でもプロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノールが好ましく、挙げられる。これ
らの中でも、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
【0014】ポリエステル(A)の具体例としては、例
えば、テレフタル酸//エチレングリコール/シクロヘ
キサンジメタノール=100//70/30mol%の
組成である樹脂やテレフタル酸//エチレングリコール
/ネオペンチルグリコール=100//70/30mo
l%の組成である樹脂等が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる結晶性のポリエステル
樹脂(B)は、共重合ポリエステルであることが好まし
い。なお、ここで言う結晶性とは示差走査熱量計(DS
C)を用いて−100℃から300℃まで20℃/分の
速度で昇温した際に、明確な融点ピーク(結晶の融解に
よるピーク)が認められることを意味する。
【0016】ポリエステルの融点としては、好ましくは
270℃以下、より好ましくは260℃以下、さらに好
ましくは250℃以下、特に好ましくは240℃以下、
最も好ましくは230℃以下である。ポリエステル樹脂
融点が270℃を越えるものは、シート成型時の溶融状
態における流動性が著しく劣ってくる場合や、ポリエス
テル(B)が完全に融解せず、シート成形が行いにくい
場合がある。また、ポリエステル(B)の融点は得意限
定するものではないが、50℃以上、さらには100℃
以上、特には120℃以上が好ましい。融点が低すぎる
場合にも、成形が行いにくい場合がある。
【0017】融点ピークとしては、5mJ/mg以上、
さらにには8mJ/mg以上、特には10mJ/mg以
上であることが好ましい。ポリエステル樹脂(B)とし
て、非晶性のものを用いると、耐溶剤性が低下すること
がある。融点が220℃以下のポリエステル樹脂(B)
を加えることにより、溶剤に接触した際にの耐脆化性を
高めることができる。
【0018】結晶性ポリエステル樹脂(B)の量として
は、(A)成分が(A)成分と(B)成分との合計量1
00重量%を基準にして5〜40重量%の割合である。
この範囲内にすることで、高い耐溶剤性、耐脆化性、透
明性、加工時の透明性等を満足することができる。
【0019】ポリエステル樹脂(B)に用いられる成分
として、二塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6
−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル
−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等
の脂肪族や脂環族二塩基酸が挙げられる。
【0020】グリコール成分としてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピ
レンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加
物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオ
ール、1,10−ドデカンジオール、2−ブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカン
ジメタノール等が挙げられる。ポリエーテルポリオール
としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテ
ルが挙げられる。
【0021】本発明に用いられるポリエステル(B)
は、全二塩基酸成分を100mol%としたときテレフ
タル酸、イソフタル酸のうち少なくとも一種を70mo
l%以上含み、全グリコール成分を100mol%とし
たときエチレングリコール、1,4−ブタンジオールの
少なくとも一種を70mol%以上含むものが好まし
く、(1)二塩基酸成分がテレフタル酸を70mol%
以上、イソフタル酸を30mol%以下、グリコール成
分はエチレングリコール100mol% (2)二塩基
酸成分がテレフタル酸を80mol%以上、グリコール
成分はエチレングリコール10mol%以上1,4−ブ
タンジオール90mol%以下で、エチレングリコール
30mol%以下1,4−ブタンジオール70mol%
以上含まれるものが、より好ましい。
【0022】本発明に用いられるポリエステル(B)の
数平均分子量は好ましくは15000以上であり、より
好ましくは18000以上、さらに好ましくは2000
以上であり、好ましくは40000以下であり、より好
ましくは38000以下、さらに好ましくは35000
以下である。本発明に用いられるポリエステル(B)の
酸価は、好ましくは60当量/10 6g以下、より好ま
しくは50当量/106g以下、さらに好ましくは40
当量/106g以下である。酸価が60当量/106gを
越えると、加工時に樹脂を加熱する際、加水分解がより
促進され、加工後、機械的強度が低下する。
【0023】本発明に用いられる結晶核剤(C)はポリ
エステル樹脂の結晶核剤として一般に用いられている公
知の化合物である。例えば、タルク、シリカ、グラファ
イト、炭素粉、ピロフェライト、石膏、中性粘土等の無
機質微粒子や、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、
二酸化チタン等の金属酸化物、硫酸塩、リン酸塩、ケイ
酸塩、シュウ酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、サリ
チル酸塩、酒石酸塩、スルホン酸塩、モンタンワックス
塩、モンタンワックスエステル塩、テレフタル酸塩、カ
ルボン酸塩、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン
酸塩とからなるイオン性共重合体等が挙げられる。
【0024】非晶性のポリエステル樹脂(A)に結晶核
剤を添加することにより、非晶性ポリエステル(A)が
溶剤との接触により結晶化する際の結晶核剤として働
き、球晶直径が可視光の波長以下(約500nm以下)
の非常に微細な結晶となるため、透明性が失われないも
のと考えられる。なお、球晶の直径は300nm以下、
さらには200nm以下、特には100nm以下になる
ことが好ましいと考えられる。
【0025】これらの結晶核剤として用いられる化合物
の中で本発明に効果の大きいものは、シュウ酸塩、ステ
アリン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、ス
ルホン酸塩、モンタンワックス塩、モンタンワックスエ
ステル塩、テレフタル酸塩、カルボン酸塩、α−オレフ
ィン等である。また、上記の塩の場合ナトリウム塩が効
果的である。
【0026】本発明に用いられる結晶核剤(C)の配合
量はポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)
の樹脂混合物100重量部に対してO.1〜10重量部
であることが好ましい。この配合量が0.1重量部より
少ないところでは結晶核剤としての効果が十分でなく、
本発明の目的である耐溶剤性向上効果がない場合があ
る。また、10重量部を越える場合には、組成物の溶融
状態における流動性や組成物の機械特性が劣ってくる場
合がある。より好ましくは0.3重量部以上、さらに好
ましくは0.5重量部以上であり、また、より好ましく
は7重量部以下であり、さらにこのましくは5重量部以
下である。
【0027】本発明の樹脂組成物は、これらの配合成分
が均一に分散されていることが好ましく、その配合方法
は任意の方法を用いることができる。例えば配合成分の
全部または一部を加熱した単軸、二輸等の押出機に一括
または分割して供給し、溶融混練により均質化された後
に針金状に押出された溶融樹脂を冷却固化させ、次いで
所望の長さに切断する方法があるが、ブレンダー、二一
ダー、ロール等地の混練機を用いた方法でも良い。ま
た、これらを組み合わせて用いたり、複数回繰り返すこ
とにより配合成分を順次加える方法等もとることができ
る。
【0028】さらに、得られた樹脂組成物は、押し出し
成形法、カレンダー成型法等公知の方法によってシート
やフィルムに成形することができる。フィルムの場合は
延伸フィルムであっても良い。
【0029】
【実施例】以下、実施配合例により本発明を具体的に例
示する。実施例申に単に部とあるのは重量部を示す。な
お、実施例中の各種特性は以下の方法によった。
【0030】(1)透明性:樹脂組成物を厚み200μ
mのシート状にし、ヘイズメーターでヘイズを測定。
【0031】(2)耐溶剤性(透明性):樹脂組成物を
厚み200μmのシート状にし、メチルエチルケトン、
トルエン各々の溶剤に10分浸漬後、白化、膨潤が起こ
っているか試験。(○:異常なし、△:わずかに白化、
×:白化、××:膨潤または溶解)
【0032】(3)耐溶剤性(脆化性):樹脂組成物を
厚み200rmのシート状にし、メチルエチルケトン、
トルエン各々の溶剤に10分浸漬後、手で折り曲げ、浸
漬前と較べ脆化が起こっているか試験。(○:異常な
し、△:わずかに脆化、×:脆化)
【0033】(A)組成、テレフタル酸//エチレング
リコール/シクロヘキサンジメタノール=100//7
0/30mol%の樹脂、(ガラス転移温度85℃、数
平均分子量25000、酸価15当量/106g) 樹脂(A)の合成例 温度計、攪拌機、環流式冷却管および蒸留管を具備した
反応容器にテレフタル酸ジメチル194重量部、エチレ
ングリコール105.4重量部、シクロヘキサンジメタ
ノール43.2重量部、テトラブチルチタネート0.1
重量部を仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温
し、留出するメタノールを系外に除きつつエステル交換
反応を行った。続いてこれを30分かけて10mmHg
まで減圧初期重合を行うとともに、温度を250℃まで
昇温し、さらに1mmmHg以下で60分間後期重合を
行い樹脂(A)を得た。組成は、樹脂を重クロロホルム
に溶解し、H1−NMRにより定量した。数平均分子量
は、テトラハイドロフラン溶媒、ポリスチレン標準に
て、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。酸価
は、樹脂0.5gをクロロホルム25mlに溶解し、水
酸化カリウムのエタノール溶液による中和滴定から求め
た。ガラス転移温度は昇温速度20℃/分の条件で示差
走査熱量計により測定した。セイコー電子工業(株)製
DSC220を使用した。サンプルは10mgをアルミ
ニウムパンに取り、強くふたをクリンプした。
【0034】(B)―1組成、テレフタル酸/イソフタ
ル酸//エチレングリコール=80/20//100m
ol%の樹脂(融点220℃、数平均分子量2500
0、酸価10当量/106g) 樹脂(B)−1の合成例 温度計、攪拌機、環流式冷却管および蒸留管を具備した
反応容器にテレフタル酸155.2重量部、イソフタル
酸38.8重量部、エチレングリコール124重量部、
テトラブチルチタネート0.1重量部を仕込み、4時間
かけて220℃まで徐々に昇温し、留出する水を系外に
除きつつエステル化反応を行った。続いてこれを30分
かけて10mmHgまで減圧初期重合を行うとともに、
温度を250℃まで昇温し、さらに1mmmHg以下で
60分間後期重合を行い樹脂(A)を得た。組成は、樹
脂を重クロロホルムに溶解し、H1−NMRにより定量
した。数平均分子量は、テトラハイドロフラン溶媒、ポ
リスチレン標準にて、ゲル浸透クロマトグラフィーによ
り測定した。酸価は、樹脂をクロロホルムに溶解し、水
酸化カリウムのエタノール溶液による中和滴定から求め
た。融点は昇温速度20℃/分の条件で示差走査熱量計
により測定した。
【0035】(B)−2 組成 テレフタル酸//エチ
レングリコール/1,4−ブタンジオール=100//
20/80mol%の樹脂(融点205℃、数平均分子
量30000、酸価10当量/106g) 樹脂(B)−2の合成例 温度計、攪拌機、環流式冷却管および蒸留管を具備した
反応容器にテレフタル酸ジメチル194重量部、エチレ
ングリコール49.6重量部、1,4−ブタンジオール
108重量部、テトラブチルチタネート0.1重量部を
仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出
するメタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行
った。続いてこれを30分かけて10mmHgまで減圧
初期重合を行うとともに、温度を250℃まで昇温し、
さらに1mmmHg以下で60分間後期重合を行い樹脂
(B)−2を得た。組成は、樹脂を重クロロホルムに溶
解し、H1−NMRにより定量した。数平均分子量は、
テトラハイドロフラン溶媒、ポリスチレン標準にて、ゲ
ル浸透クロマトグラフィーにより測定した。酸価は、樹
脂をクロロホルムに溶解し、水酸化カリウムのエタノー
ル溶液による中和滴定から求めた。融点は昇温速度20
℃/分の条件で示差走査熱量計により測定した。
【0036】実施例1〜7、比較例1〜5 樹脂(A)、樹脂(B)、(C)としてステアリン酸ナ
トリウム(和光純薬工業株式会社社製)を表1に示す割
合にて、予めタンブラーで均一に混合した後、二軸押出
機を用い溶融混練し、冷却切断してペレットを得た。
【0037】次いでこのペレットを卓上型テストプレス
(テスター産業株式会社製)にて温度220℃、圧力2
5kgf/cm2において厚み200μmのシートを成
形した。比較例として(B)−3バイロン200(東洋
紡績株式会社製、非晶性ポリエステル樹脂、ガラス転移
温度53℃)を配合した場合のシートも上記と同条件で
作製した。これらの成型品を用いて各種特性を評価し
た。それらの結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】評価結果表2から分かるように、本発明
は、耐溶剤性に乏しいジカルボン酸成分としてテレフタ
ル酸を60mol%以上、グリコール成分としてエチレ
ングリコールを60mol%以上含むポリエステル樹脂
(A)を、この樹脂の透明性、機械特性を保持したまま
耐溶剤性を付与させるという点で優れていることがわか
る。
【0041】
【発明の効果】本発明によって、主にシート、化粧板等
に使用されるジカルボン酸成分としてテレフタル酸を6
0mol%以上、グリコール成分としてエチレングリコ
ールを60mol%以上含むポリエステル樹脂の透明
性、機械特性を保持したまま、耐溶剤性を向上させるこ
とで、さらに用途範囲が拡大されたといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船城 健一 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA44 AA46 AA47 AB03 AB18 AB24 AB25 AB26 AC09 AE22 AF14 AF45 BA01 BB04 BB06 BC01 BC03 4J002 CF032 CF061 CF092 DA026 DA036 DE076 DE116 DE136 DE146 DG046 DJ006 DJ016 DJ046 EG016 EG106 FD206

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ジカルボン酸成分としてテレフタル
    酸を全二塩基酸成分の60mol%以上、グリコール成
    分としてエチレングリコールを全グリコール成分の60
    mol%以上含む非晶性ポリエステル樹脂 (B)結晶性ポリエステル樹脂 (C)結晶核剤 からなり、(A)と(B)の合計量100重量%を基準
    とした際に、(B)が5〜40重量%であることを特徴
    とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂組成物からなるシート
  3. 【請求項3】請求項1記載の樹脂組成物からなるフィル
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008007605A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Bando Chem Ind Ltd ポリエステル樹脂シート

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