JP2003002818A - 自己サンタン化粧料及びその製造方法 - Google Patents

自己サンタン化粧料及びその製造方法

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JP2003002818A JP2001188575A JP2001188575A JP2003002818A JP 2003002818 A JP2003002818 A JP 2003002818A JP 2001188575 A JP2001188575 A JP 2001188575A JP 2001188575 A JP2001188575 A JP 2001188575A JP 2003002818 A JP2003002818 A JP 2003002818A
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Hiroaki Nishimoto
浩章 西本
Takeaki Nagamatsu
壮晃 永松
Tetsuya Shibata
徹也 柴多
Makoto Shimoura
誠 下浦
Akio Tachikawa
晃生 太刀川
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Mandom Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジヒドロキシアセトンの分解によるホルムア
ルデヒドの発生を抑制することができる、ジヒドロキシ
アセトンの経時安定性に優れる自己サンタン化粧料及び
その製造方法を提供することにある。 【解決手段】 少なくともジヒドロキシアセトンを含有
する化粧料原液と、該化粧料原液を収納する化粧料容器
とからなる自己サンタン化粧料であって、該化粧料容器
中の酸素が略完全に除去されていることを特徴とする自
己サンタン化粧料及び少なくともジヒドロキシアセトン
を含有する化粧料原液を化粧料容器に収納する工程と、
該化粧料容器から酸素を除去する工程とからなることを
特徴とする自己サンタン化粧料の製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自己サンタン化粧料
及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、ジヒドロキ
シアセトンの分解によるホルムアルデヒドの発生を抑制
することができる、ジヒドロキシアセトンの経時安定性
に優れる自己サンタン化粧料及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】日焼けは紫外線を浴びることにより起こ
る症状であり、主に中波長(UVB:約290〜320nm)の紫外
線を浴びることによるサンバーンと主に長波長(UVA:約
320〜400nm)の紫外線を浴びることによるサンタンに分
類される。サンバーンは皮膚に紅斑、疼痛、水疱形成な
どの炎症症状を呈する。またサンタンはメラニン形成に
よる皮膚の黒化などの症状を呈する。さらに長期間紫外
線を浴びることにより、しみやたるみ(いわゆるフィシ
ャーマンズ・スキン)などの早期老化症状や皮膚ガンの
発生要因になると考えられている。
【0003】紫外線は人体に対して様々な悪影響を与え
ることから、紫外線を浴びることは健康上或いは美容上
好ましいことではない。しかしながら、小麦色に日焼け
した肌は健康的で活動的なイメージを与えることから、
夏季に浜辺等において肌を焼くことは従来から行われて
いる。さらに、近年では、若者の間で四季を通じて日焼
けした肌が好まれる傾向にあり、自然光による日焼けを
期待することができない冬季には日焼けサロンで肌を焼
く若者が増加している。
【0004】一方、ジヒドロキシアセトンはタンパク質
との親和性が高く、皮膚に塗布すると黄褐色から暗褐色
の着色物を表皮の外層に形成することが知られている。
この反応機構としては、ジヒドロキシアセトンの互変異
異性体であるグリセリルアルデヒドが皮膚ケラチンのア
ミノ基又はイミノ基とメイラード反応を起し、この反応
生成物が重縮合することにより褐色の着色物を生じると
考えられている。しかも、一旦形成された着色物は角質
層が皮膚のターンオーバーで完全に剥離するまでは皮膚
を水洗いしても落ちることなく着色は継続する。このた
め、あたかも日焼けしたかのような小麦色の肌にするこ
とができる。
【0005】このように、ジヒドロキシアセトンを用い
ることで有害な紫外線を浴びることなく、必要な個所を
必要な期間、見た目上日焼けした状態に保つことができ
ることから、必須成分としてジヒドロキシアセトンを含
有したクリーム状、乳液状、ローション状などの自己サ
ンタン化粧料が多数創出されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジヒド
ロキシアセトンは経時的に分解することでホルムアルデ
ヒドを発生させたり、化粧料そのものに顕著な着色を生
じさせたりするという問題を有していた。この問題を解
決する手段として、pH調整によるジヒドロキシアセト
ンの安定化方法(Farmaco 1983,38,415)などが報告さ
れているが、実際にはpH調整だけではジヒドロキシア
セトンの分解を充分に抑制することはできず(Cosmetic
s & Toiletries magazine 1994,109,55)、満足される
ジヒドロキシアセトンの安定化方法は、未だ見出されて
いないのが実情である。
【0007】かかる実情に鑑み、本発明者らが鋭意研究
を行った結果、化粧料容器中の酸素(空気)を略完全に
除去することで、長期間保存した場合であってもジヒド
ロキシアセトンの分解を抑制することができ、よって安
定性に優れた自己サンタン化粧料が得られることを見出
し、本発明の完成に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1に係る発
明は、少なくともジヒドロキシアセトンを含有する化粧
料原液と、該化粧料原液を収納する化粧料容器とからな
る自己サンタン化粧料であって、該化粧料容器中の酸素
が略完全に除去されていることを特徴とする自己サンタ
ン化粧料に関する。請求項2に係る発明は、少なくとも
ジヒドロキシアセトンを含有する化粧料原液を化粧料容
器に収納する工程と、該化粧料容器から酸素を除去する
工程とからなることを特徴とする自己サンタン化粧料の
製造方法に関する。請求項3に係る発明は、前記化粧料
原液が水を含有していることを特徴とする請求項2に記
載の自己サンタン化粧料の製造方法に関する。請求項4
に係る発明は、前記化粧料容器がエアゾール容器または
パウチ包装容器であることを特徴とする請求項2又は3
に記載の自己サンタン化粧料の製造方法に関する。請求
項5に係る発明は、前記化粧料容器から酸素を除去する
工程が、化粧料容器内を減圧して酸素を除去する減圧工
程又はジヒドロキシアセトンに対して不活性なガスを化
粧料容器内に充填して酸素を置換除去する置換工程のう
ちのいずれか一方であることを特徴とする請求項2乃至
4のいずれかに記載の自己サンタン化粧料の製造方法に
関する。請求項6に係る発明は、前記化粧料原液がシー
ト状基材に含浸されていることを特徴とする請求項2乃
至5のいずれかに記載の自己サンタン化粧料の製造方法
に関する。請求項7に係る発明は、少なくともジヒドロ
キシアセトンを含有する化粧料原液をエアゾール容器に
充填する工程と、該エアゾール容器内を減圧しながらバ
ルブをクリンチして酸素を除去する工程と、該エアゾー
ル容器に噴射剤を充填する工程とからなることを特徴と
する自己サンタン化粧料の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る自己サンタン化粧料
の製造方法は、少なくともジヒドロキシアセトン(以
下、DHAという。)を含有している化粧料原液を化粧
料容器に収納する工程と、化粧料容器から酸素(空気)
を除去する工程とからなる。
【0010】前記化粧料原液には、必須成分としてDH
Aが配合される。DHAの配合量は皮膚を褐色に変化さ
せることができる量であれば特に限定されないが、化粧
料原液中0.5〜10重量%、好ましくは1.0〜8.0重量%、
より好ましくは3.0〜6.0重量%とされる。この理由は、
0.5重量%未満の場合、皮膚への染着速度が遅くなり実
用的ではなく、また、10重量%より多く配合したとして
も、実用的な染着速度はほとんど変化しないからであ
る。尚、配合される水は一般には精製水またはイオン交
換水が用いられる。
【0011】さらに、前記化粧料原液には、本発明の効
果を損なわない範囲であれば、上記した成分の他、必要
に応じて、キレート剤、界面活性剤、増粘剤、脂肪酸、
油脂、ロウ類、アルコール類、炭化水素、アルキルグリ
セリルエーテル、エステル、シリコン油、多価アルコー
ル、糖類、アミノ酸、ペプチド、ビタミン類、pH調整
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、香料、防腐剤
等を目的に合わせて適宜任意に配合することができる。
【0012】また前記化粧料容器は化粧料の収納容器と
して通常に使用されているものであれば特に限定されな
いが、本発明では後述するように化粧料容器中の酸素
(空気)を略完全に除去することから、気密性に優れる
化粧料容器を使用することが好ましい。気密性に優れる
化粧料容器としては、エアゾール容器又はパウチ包装容
器などを例示することができる。さらに具体的に説明す
ると、エアゾール容器は、化粧料容器として使用されて
いるものであれば特に限定されることなく使用すること
ができる。例えば、アルミニウム容器(内面がコートさ
れているものが好ましい。)、ガラス容器(合成樹脂で
外面が被覆されているものが好ましい。)、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリアクリロニトリルなどの合成樹
脂製容器(内面又は外面に蒸着膜を施したものが好まし
い。)等を例示することができる。
【0013】また、パウチ包装容器は、化粧料容器とし
て使用されているものであれば特に限定されることなく
使用することができる。例えば、ポリエステル、アルミ
ニウム、ポリエチレンなどのフィルムのラミネートシー
トによるパウチ包装容器を例示することができる。
【0014】本発明に係る自己サンタン化粧料の製造方
法の第一の工程は、化粧料原液を化粧料容器に収納する
工程である。化粧料原液を化粧料容器に収納する工程は
特に限定されず、通常の化粧料の収納方法を採用するこ
とができる。例えば、化粧料容器として上記のエアゾー
ル容器を使用する場合、化粧料原液を定量充填式の液体
充填機や液面調整式の液体充填機などを利用して、通常
の方法で充填すればよい。尚、化粧料容器としてパウチ
包装容器を使用する場合、通常、化粧料原液はシート状
基材に含浸された状態でパウチ包装容器に収納される。
用いられるシート状基材としては、織布又は不織布のい
ずれも用いることができ、具体的には、アクリル、レー
ヨン、ポリエステル、アセテート等の合成繊維やコット
ン等の天然繊維、及びこれらの混綿による織布又は不織
布を例示することができる。また単層構造のシート状基
材、或いは二層構造、三層構造などの多層構造のシート
状基材のいずれも好適に使用することができる。化粧料
容器としてパウチ包装容器を使用してパウチ包装された
シート状製品とする場合には、折りたたまれた状態のシ
ート状基材を上面に開口部を有するパウチ包装容器に入
れ、ここに化粧料原液を充填してシート状基材に含浸さ
せる方法や裁断前のシート状基材にスプレー法や印刷法
等により化粧料原液を含浸させた後に裁断、積層してパ
ウチ包装容器に収納する方法などを例示することができ
る。
【0015】第二の工程は、化粧料容器中の酸素(空
気)を略完全に除去する工程である。化粧料容器中の酸
素(空気)を除去する工程は特に限定されず、例えば化
粧料容器内を減圧して酸素(空気)を除去する減圧工程
や、ジヒドロキシアセトンに対して不活性なガス(以
下、単に不活性ガスという。)を化粧料容器に充填し
て、不活性ガスと酸素(空気)を置換して酸素(空気)
を除去する置換工程などを例示することができる。用い
られる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、炭酸ガス
等を例示することができる。尚、後述するように噴射剤
を化粧料容器に充填する場合は、噴射剤に対しても不活
性であることが望ましい。さらに具体的に説明すると、
化粧料容器としてエアゾール容器を使用する場合、上記
いずれの方法も採用することができる。例えば、化粧料
容器内を減圧して酸素(空気)を除去する場合は、エア
ゾール容器に化粧料原液を充填してバルブをクリンチす
る際に、減圧ポンプによりエアゾール容器中の酸素(空
気)を脱気しながら容器をクリンチするバキュームクリ
ンチ法により行えばよい。化粧料容器内の真空度は特に
限定されないが、78.9KPa以上、好ましくは71.4KPa以上
とされる。この理由は、真空度が78.9KPa未満の場合、
化粧料容器内の酸素(空気)を略完全に除去することが
できず、DHAの安定性効果が得られないからである。
また、不活性ガス、例えば窒素を使用して酸素(空気)
を置換除去する場合、エアゾール容器に化粧料原液を充
填した後、その容器内に窒素を充填して空気と置換させ
た後、素早くバルブをクリンチして容器内の空容積に存
在する酸素(空気)を置換除去すればよい。尚、このと
きに用いられる窒素は特に限定されないが、JIS K 1107
高純度窒素2級以上の純度のものを用いるのが望まし
い。
【0016】また、パウチ包装されたシート状製品とす
る場合、第二の工程は特に限定されないが、不活性ガス
を使用して酸素(窒素)を置換除去する方法が好まし
い。具体的に説明すると、例えば、不活性ガスとして窒
素を使用する場合、化粧料原液を含浸しているシート状
基材をパウチ包装容器に収納した後に、パウチ包装容器
中に窒素ガスを充填して、最後に包装容器の開口部を密
封シールで封じることで窒素ガスを封入して酸素(空
気)を置換除去すればよい。または、化粧料原液を含浸
しているシート状基材をパウチ包装容器に収納した後
に、パウチ包装容器中に液体窒素を充填して、最後に包
装容器の開口部を密封シールで封じることで窒素を封入
して酸素(空気)を置換除去すればよい。
【0017】尚、化粧料容器としてエアゾール容器を使
用してエアゾール製品を製造する場合、上記の製造方法
のほか、まず酸素(空気)を除去する第二の工程を経た
後に、化粧料容器に化粧料原液を収納する第一の工程を
行っても構わない。この場合、化粧料原液を予め脱気処
理しておくことが好ましい。
【0018】最後に、製造される自己サンタン化粧料の
形態や使用される化粧料容器や化粧料原液の形態などに
応じた任意の工程を経て、本発明に係る自己サンタン化
粧料を製造することができる。例えば、エアゾール容器
を使用してエアゾール製品を製造する場合であれば、酸
素(空気)を除去したエアゾール容器に噴射剤がステム
から規定量充填される。そして、ステムに適したボタン
を装着することにより本発明に係る自己サンタン化粧料
が得られる。用いられる噴射剤としては、プロパン、ブ
タン、イソブタン、プロピレン、ブチレン等の炭素数4
以下の低沸点炭化水素、またはこれらの炭化水素からな
る液化石油ガス、或いはジメチルエーテルなどを例示す
ることができる。噴射剤の配合量は特に限定されない
が、1.0〜30.0重量%とすることが好ましく、3.0〜20.0
重量%とすることがより好ましい。この理由は、1.0重
量%未満の配合量では、化粧料原液を最後まで噴射させ
ることができず、また、30.0重量%を超えて配合したと
しても、それ以上の効果が望めないからである。また、
上記の噴射剤のほか、窒素ガスを用いることもできる。
窒素ガスを用いる場合、その配合量は、25℃での圧力が
0.3〜9.0MPaに、35℃での圧力が10.0MPa以下になるよう
に調整して充填するとよい。
【0019】本発明に係る自己サンタン化粧料の形態は
特に限定されないが、上述のように気密性に優れた化粧
料容器を使用することが好ましいから、エアゾール製品
やパウチ包装されたシート状製品が最も好ましい形態で
ある。尚、エアゾール製品とする場合には、DHAの飛
散を防止し、肌上への塗布を容易にするためにフォーム
剤とすることが好ましい。
【0020】本発明に係る自己サンタン化粧料は、化粧
料容器中の酸素(空気)が略完全に除去されているため
に、自己サンタン化粧料の必須成分であるジヒドロキシ
アセトンの分解を防ぐことができるために、経時安定性
に優れている。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるもの
ではない。 1.試料の調製 表1に記載した成分のうち、噴射剤(液化石油ガス)を
除く各成分を略均一に分散させた溶液をエアゾール容器
に充填した。エアゾール用バルブにより容器をクリンチ
する際に、真空ポンプを使用してエアゾール容器中の空
気を略完全に除去した。次に、噴射剤をステムより規定
量充填し、ステムに適したボタンを装着して、容器中の
酸素が略完全に除去された実施例の試料を調製した。ま
た、表1に記載した成分のうち、噴射剤(液化石油ガ
ス)を除く各成分を略均一に分散させた溶液をエアゾー
ル容器に充填した。エアゾール容器中の空気を除去する
ことなく、エアゾール用バルブで容器をクリンチした。
次に噴射剤をステムより規定量充填し、ステムに適した
ボタンを装着して比較例の試料を調製した。
【0022】
【表1】
【0023】2.試験例:ホルムアルデヒドの定量 ジヒドロキシアセトンの分解により発生するホルムアル
デヒドの量をアセチルアセトンポストカラム法により定
量することで、上記調製した実施例及び比較例の試料中
のジヒドロキシアセトンの安定性を評価した。尚、実施
例及び比較例の試料は複数調製して25℃と40℃の条件下
において保存した。そして、試料調製後、0日、4日、10
日、21日、28日、42日、56日経過した試料の安定性を評
価した。評価方法は、まず、上記調製した実施例又は比
較例の試料を正確に1.0g秤量し精製水を加え正確に100m
Lとした。この溶液を0.45μmメンブランフィルター(セ
ルロースアセテート)でろ過してサンプル溶液とした。
次に、前記調製したサンプル溶液20μLを流速0.7mL/mi
n.でHPLCに接続したカラムに導入した後、0.5mL/min.で
供給した反応液と90℃で1分間反応させて島津製作所社
製の検出器SPD-10AVを使用して414nmで検出した。尚、
カラムとしては、Wakosil-II5C18 RS 4.6×250mmを2本
直列に連結して使用した。移動相としては、6mMリン酸
水素二ナトリウム水溶液(pH=2.1)(和光純薬製、特
級)を使用した。反応液は150gの酢酸アンモニウム(和
光純薬製、特級)に2mLのアセチルアセトン溶液(和光
純薬製、特級)と3mLの酢酸(和光純薬製、特級)を加
えた後、精製水を加え全量を正確に1000mLとして調製し
た。
【0024】実施例の試料の結果を表2に、比較例の試
料の結果を表3に記載する。そして、表2及び表3の結
果をグラフ化したものを図1及び図2に記載する。尚、
表2及び表3中の数値の単位はppmであり、ホルムアル
デヒドの定量値が少ないほど安定であることを示す。図
1は25℃で保存した試料の結果であり、図2は40℃で保
存した場合の結果である。尚、図1及び図2中の実線は
実施例の試料の結果であり、破線は比較例の試料の結果
である。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】表2,3及び図1,2の結果のとおり、化
粧料容器中の酸素を除去することで、DHAの分解物で
あるホルムアルデヒドの発生量を抑制することができ、
DHAを安定した状態で長期間保存できることが分か
る。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る自己サンタン化粧料は、化
粧料容器中の酸素(空気)が略完全に除去されているこ
とから、DHAの分解や化粧料の着色を低減することが
できる、DHAの安定性に優れた自己サンタン化粧料で
ある。また本発明に係る自己サンタン化粧料の製造方法
は、化粧料原液を化粧料容器に充填する工程と、該化粧
料容器から酸素を除去する工程とからなるものであるか
ら、DHAの安定性に優れた自己サンタン化粧料を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】25℃で保存した場合の試験例の結果であり、実
線は実施例の試料、破線は比較例の試料を示す。
【図2】40℃で保存した場合の試験例の結果であり、実
線は実施例の試料、破線は比較例の試料を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永松 壮晃 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 (72)発明者 柴多 徹也 大阪市中央区十二軒町5番12号 株式会社 マンダム中央研究所内 (72)発明者 下浦 誠 東京都港区赤坂2丁目14番1号 株式会社 クリエーションアルコス内 (72)発明者 太刀川 晃生 東京都港区赤坂2丁目14番1号 株式会社 クリエーションアルコス内 Fターム(参考) 4C083 AB051 AC012 AC102 AC182 AC211 AC212 AC482 AD152 CC19 DD08 DD47 EE09 EE17 FF10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともジヒドロキシアセトンを含有
    する化粧料原液と、該化粧料原液を収納する化粧料容器
    とからなる自己サンタン化粧料であって、該化粧料容器
    中の酸素が略完全に除去されていることを特徴とする自
    己サンタン化粧料。
  2. 【請求項2】 少なくともジヒドロキシアセトンを含有
    する化粧料原液を化粧料容器に収納する工程と、該化粧
    料容器から酸素を除去する工程とからなることを特徴と
    する自己サンタン化粧料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記化粧料原液が水を含有していること
    を特徴とする請求項2に記載の自己サンタン化粧料の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記化粧料容器がエアゾール容器または
    パウチ包装容器であることを特徴とする請求項2又は3
    に記載の自己サンタン化粧料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記化粧料容器から酸素を除去する工程
    が、化粧料容器内を減圧して酸素を除去する減圧工程又
    はジヒドロキシアセトンに対して不活性なガスを化粧料
    容器内に充填して酸素を置換除去する置換工程のうちの
    いずれか一方であることを特徴とする請求項2乃至4の
    いずれかに記載の自己サンタン化粧料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記化粧料原液がシート状基材に含浸さ
    れていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに
    記載の自己サンタン化粧料の製造方法。
  7. 【請求項7】 少なくともジヒドロキシアセトンを含有
    する化粧料原液をエアゾール容器に充填する工程と、該
    エアゾール容器内を減圧しながらバルブをクリンチして
    酸素を除去する工程と、該エアゾール容器に噴射剤を充
    填する工程とからなることを特徴とする自己サンタン化
    粧料の製造方法。
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