JP2003001841A - メンテナンス装置及びこれを備えたプリンタ - Google Patents

メンテナンス装置及びこれを備えたプリンタ

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JP2003001841A
JP2003001841A JP2002105696A JP2002105696A JP2003001841A JP 2003001841 A JP2003001841 A JP 2003001841A JP 2002105696 A JP2002105696 A JP 2002105696A JP 2002105696 A JP2002105696 A JP 2002105696A JP 2003001841 A JP2003001841 A JP 2003001841A
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Kenichiro Arai
健一郎 荒井
Noboru Otsuki
昇 大月
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キャップ機構及びワイパ機構を移動するための
カム機構等を簡素な構成にし、しかも、プリンタ自体を
小型にしうるメンテナンス装置を提供することにある。 【解決手段】本発明に係るメンテナンス装置30は、イ
ンク液滴を噴出可能なノズルを有する印字ヘッド12に
対し、印字ヘッド12のノズル面15を遮蔽又は密閉可
能なキャップ機構40と、印字ヘッド12のノズル面1
5を払拭可能なワイパ機構50と、回転可能に構成され
た回転体状の部材であって、当該回転体の側部にキャッ
プ機構40を移動するための第1のカム溝61とワイパ
機構50を移動するための第2のカム溝62とを有する
カム部材60を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式による印字ヘッドのメンテナンス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェット方式のプリンタ
は、往復移動可能なキャリッジに装填された印字ヘッド
が複数のノズルからインク液滴を所望の位置に噴射する
ことによって印字を行うように構成されている。
【0003】一方、印字ヘッドを印字領域外で適宜行う
メンテナンスには、長期間使用しない場合にキャップに
より印字ヘッドを大気と連通した状態で覆うキャップ処
理や、ノズル内の粘度が増加したインク(いわゆる「増
粘インク」)を、印字ヘッドに対してキャップにより密
閉した状態で吸引するインク吸引処理や、印字ヘッドの
ノズル面から通常のインクや増粘インクをワイパにより
払拭するワイピング処理等がある。
【0004】ところで、このようなメンテナンスを行う
装置は、キャップ及びワイパがともに印字ヘッドに対し
て接近又は離間する方向に移動する必要があるため、従
来のメンテナンス装置には、例えば、キャップがキャリ
ッジの動きと連動して移動するように構成される一方
で、ワイパが例えばインク吸引の際に用いるポンプの動
力を駆動源として利用したカム機構により所定の軌跡上
を移動する装置や、キャップ及びワイパがともに上記同
様のカム機構により別々の軌跡上を移動する装置等が知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のメンテナンス機構においては、キャップをキ
ャリッジの動きと連動させるためにキャリッジの移動経
路を余分に確保しなければならず、その結果、プリンタ
が大型化するという問題があった。
【0006】一方、キャップは、印字ヘッドから離れた
退避状態と、印字ヘッドのノズル面を覆う遮蔽状態と、
ノズルからインクを吸引するためにノズル面を完全に密
閉する密閉状態との三つの状態を切換える必要がある
が、キャップについてこのような三つの位置への移動
を、ワイパの移動と独立にしたものとするにはカム機構
自体が複雑になり困難であった。
【0007】特に遮蔽状態では、印字ヘッドのノズル面
を遮蔽した状態で、キャップ内の空間を大気と連通する
状態にする必要があるため、キャップに弁を設けなけれ
ばならず、このような弁の開閉機構が複雑になるという
問題もあった。
【0008】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、その目的とするところ
は、キャップ及びワイパを移動するためのカム機構等を
簡素な構成にし、しかも、プリンタ自体を小型にしうる
メンテナンス装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明は、インク液滴を噴出可能なノズルを
有する印字ヘッドのメンテナンスを行う装置において、
印字ヘッドのノズルを覆うためのキャップと、印字ヘッ
ドのノズル面を払拭するためのワイパと、回転可能に構
成された回転体状の部材であって、当該回転体の側部に
キャップを移動するための第1のカム部とワイパを移動
するための第2のカム部とを有するカム部材を備えたこ
とを特徴とするメンテナンス装置である。
【0010】本発明によれば、カム部材の第1、第2の
カム部により、キャップとワイパをそれぞれ連動して移
動させることにより、従来技術のようにキャップ機構を
印字ヘッドの動きと連動させずに、印字ヘッドをキャッ
プで遮蔽又は密閉するため、メンテナンス装置を備えた
プリンタ自体の小型化を図ることができ、また、カム機
構を複雑なものにせずに一つのカム部材で足りるためカ
ム機構自体を簡素なものにすることができる。
【0011】更に、キャップを移動可能に支持すると共
に、カム部材の第1のカム部と係合することにより印字
ヘッドのノズル面に対して接近又は離間する方向に移動
可能な第1のスライダを備えるようにすることも効果的
である。更に、第1のスライダと前記キャップの間に、
キャップを印字ヘッド側に付勢するバネを設けてもよ
い。そして、キャップに大気と連通可能な連通口を設
け、第1のスライダに当該連通口を開閉するための弁を
設けるようにしてもよい。この場合において、カム部材
の第1のカム部は、カム部材の回転に従って、キャップ
を、弁を閉じた状態で印字ヘッドを覆う密閉位置と、弁
を開いた状態で印字ヘッドを覆う遮蔽位置と、印字ヘッ
ドから退避する退避位置の間を移動させるカム面を備え
るようにすることが好ましい。
【0012】キャップが密閉位置にあるときには、キャ
ップに連通するポンプを駆動することにより、印字ヘッ
ドのノズル内のインクが排出され、キャップが遮蔽位置
にあるときは、キャップが連通口を介して大気と連通し
ているため、ノズルからはインクが排出されず、キャッ
プ内のインクが排出される。キャップは、印字ヘッドを
押圧した状態で、第1のスライダに移動可能に支持され
ているため、第1のスライダの移動範囲中でキャップの
密閉位置と遮蔽位置とを定めることができる。従って、
第1のスライダの位置を変える、即ち、カム部材を回転
させるだけで、キャップの位置を密閉状態又は遮蔽状態
に切換えることができる。
【0013】連通口を、キャップの背面に形成し、弁を
第1のスライダの連通口に対向する位置に形成し、キャ
ップが密閉位置から遮蔽位置に移動するときに、バネの
作用によって、連通口が弁から離間し、弁が開くように
構成することが好ましい。これにより、弁機構を複雑な
ものにせずに、キャップの位置を密閉状態から遮蔽状態
に切換えることができる。
【0014】また、第1のカム部のカム面には、密閉位
置、遮蔽位置、及び退避位置の各位置について、キャッ
プを、カム部材の回転量が一定の量を超えるまでその位
置に留める領域を設けることが好ましい。これにより、
各位置にキャップを位置決めするための制御がより容易
になる。
【0015】また、第1のスライダに、印字ヘッドをキ
ャップに対して固定するためのロック部を設けても良
い。第1のスライダとロック部を一体化させることによ
り、第1のスライダの移動に伴って印字ヘッドを固定す
ることができるため、別個に印字ヘッドを固定するため
の部材を設けてさらにこれを移動するための機構を設け
る必要がなく、キャップ機構自体の構成を簡素にするこ
とができる。
【0016】一方、カム部材の第2のカム部は、カム部
材の回転に従って、ワイパを、印字ヘッドから退避する
退避位置と、その退避位置からの距離が各々異なる複数
のワイピング位置の間を移動させるカム面を備えている
ことが好ましい。このように、ワイパの位置を変えられ
る機構を採用することにより、例えば、ワイパをノズル
のクリーニングを行う第1のワイピング位置と、ワイパ
自身のクリーニングを行う第2のワイピング位置との間
に移動し、よりきめの細かいメンテナンス処理を行うこ
とが可能となる。この場合において、第2のカム部のカ
ム面には、第1のワイピング位置、第2のワイピング位
置、及び退避位置の各位置について、ワイパを、カム部
材の回転量が一定の量を超えるまでその位置に留める領
域が設けられていることが好ましい。これにより、各位
置にワイパを位置決めするための制御がより容易にな
る。
【0017】また、カム部材の第1のカム部と、第2の
カム部の関係は以下の様に定められていることが好まし
い。即ち、キャップが、密閉位置又は遮蔽位置にあると
きに、ワイパが退避位置にあるように、ワイパが、ワイ
ピング位置にあるときに、キャップが退避位置にあるよ
うに、第1のカム部のカム面と、第2のカム部のカム面
との関係が定められていることが好ましい。これによれ
ば、ワイピング処理を行う際にキャップが移動しないた
め、ワイピング処理をキャップ処理又はインク吸引処理
と独立して行うことができる。
【0018】また、本発明によれば、メンテナンス装置
を小型化することによりプリンタ自体をも小型化するこ
とが可能になり、また、メンテナンス処理について主に
カム部材の回転角の制御を行えば足りるため、制御部自
体の構成を簡素にすることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るメンテナンス
装置及びこれを備えたプリンタの好ましい実施の形態
を、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施形態のプリンタを
示す斜視図である。図2は、同プリンタの概略構成を分
解的に示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態
のメンテナンス装置を示す斜視図である。図4は、図3
に示すメンテナンス装置の平面図である。図5は、図4
に示すメンテナンス装置のキャップ機構及びカム部材の
概略構成を示す断面図である。図6は、同カム部材の第
1のカム溝及び第2のカム溝についてのカム線図であ
る。図7は、図1に示すプリンタの印字ヘッド機構、キ
ャップ機構及びワイパ機構の概略構成を示す斜視図であ
る。図8は、図7に示す各機構の平面図である。
【0021】図1又は図2に示すように、本実施の形態
のプリンタ1は、箱状に形成された本体フレーム2を有
し、この本体フレーム2の中央部分には、印字ヘッド駆
動機構10が設けられている。印字ヘッド駆動機構10
は、本体フレーム2の長手方向に延びるキャリッジ軸1
1を有し、このキャリッジ軸11上にキャリッジ17が
移動可能に支持されている。
【0022】キャリッジ17上には、略ブロック状に形
成された印字ヘッド12が取り付けられている。印字ヘ
ッド12は、その前方側の面に複数のノズルが配列され
たノズル面15(図7、8に示す)を有し、チューブ7
を介して供給されたインクを各ノズルから選択的に噴射
可能に構成されている。
【0023】そして、このような印字ヘッド12を搭載
したキャリッジ17は、モータ13を駆動することによ
ってキャリッジ軸11上を往復移動する。
【0024】図1又は図2に示すように、本体フレーム
2の後方部分(図1、2の下方部分)には、インクカー
トリッジ3と、インクカートリッジ4とを装着可能なカ
ートリッジホルダ5が設けられている。ここで、インク
カートリッジ3には、第1の色インク(例えば黒イン
ク)が充填されている。一方、インクカートリッジ4
は、図示しないが、インク供給室とインク廃棄室とに分
割され、インク供給室には第2の色インク(例えば赤イ
ンク)が充填され、インク廃棄室には、廃インクを吸収
可能な吸収体が装填されている。そして、このようなイ
ンクカートリッジ3、4がカートリッジホルダ5に装着
された場合、印字ヘッド12は、チューブ7を介して第
1、第2の色インクがインクカートリッジ3、4から供
給されるようになっている。
【0025】本体フレーム2の前方部分(図1、2の上
方部分)には、用紙ガイド6と紙送り機構20とが設け
られている。この用紙ガイド6及び紙送り機構20は、
ともに、キャリッジ軸11の長さより所定量だけ短い長
さ、すなわち、記録紙の幅とほぼ等しい長さに形成さ
れ、本体フレーム2の一方の側部2aと所定の空間部分
をおいて配置されている。
【0026】そして、紙送り機構20は、用紙ガイド6
上に載置もしくは案内された記録紙を、モータ23(図
12に示す)を駆動することによって紙送りローラ21
を回転させて、印字ヘッド12と対向するプラテン22
上に紙送りするように構成されている。
【0027】また、本体フレーム2の前方部分には、メ
ンテナンス装置30が紙送り機構20と本体フレーム2
との間に形成された空間部分を埋めるように設けられて
いる。メンテナンス装置30は、L字状の基板31と、
基板31上に配置されたモータ71、ポンプ80、キャ
ップ機構40、ワイパ機構50、モータ71の動力を各
部40、50、80に伝達する伝達機構70とを備えて
いる。そして、キャップ機構40及びワイパ機構50
が、紙送り機構20と本体フレーム2の側部2aの間に
配置される一方で、伝達機構70及びポンプ80の双方
が紙送り機構20と本体フレーム2の底部2bとの間に
配置されるようになっている。
【0028】更に、基板31には、一部が開口したケー
ス状の支持部32が一体に形成されており、キャップ機
構40及びワイパ機構50が支持部材32によって支持
されている。そして、印字ヘッド駆動機構10、紙送り
機構20、メンテナンス装置30を本体フレーム2に組
み付けたとき、紙送り機構20のプラテン22の前面部
分が印字領域となり、キャップ機構40及びワイパ機構
50を支持する支持部32の前面部分がメンテナンス領
域となる。印字ヘッド12は、キャリッジ軸11に沿っ
て、これらの領域の間を移動可能であり、印字領域にあ
るときは、ノズル面15がプラテン22に対向し、メン
テナンス領域にあるときは、キャップ43又はワイパ5
2と対向する。
【0029】モータ71の動力を各機構40、50、8
0に伝達する伝達機構70は、複数の歯車からなる輪列
で構成され、モータ71が正方向に回転することによ
り、その動力がポンプ80に伝達され、逆方向に回転す
ることにより、キャップ機構40及びワイパ機構50に
伝達されるようになっている。
【0030】ポンプ80の吸引口81は、チューブ45
を介してキャップ43と接続され、排出口82は、図示
しないチューブを介してインクカートリッジ4のインク
廃棄室に接続されている。ポンプ80が駆動されると、
キャップ43を介して印字ヘッド12のノズルからイン
クを吸引し、インクカートリッジ4のインク廃棄室に排
出される。
【0031】伝達機構70を構成する輪列の最終段(キ
ャップ機構40及びワイパ機構50側)には円筒カム6
0が接続されている。円筒カム60の側面には、キャッ
プ43をスライドさせるためのカム溝61(第1のカム
部)と、ワイパ52をスライドさせるためのカム溝62
(第2のカム部)とが、それぞれ独立して形成されてい
る。この円筒カム60は、キャップ機構40の一部を構
成すると共に、ワイパ機構50の一部も構成している。
キャップ機構40のスライダ41には、カム溝61と係
合するカムフォロア46が設けられ、ワイパ機構50の
スライダ51には、カム溝62と係合するカムフォロア
53が設けられている。これにより、円筒カム60が回
転することに伴い、キャップ機構40のスライダ41と
ワイパ機構50のスライダ51は、それそれ、カム溝6
1とカム溝62とに従ってスライドするようになってい
る。
【0032】キャップ機構40は、スライダ41と、キ
ャップホルダ42と、キャップ43とを備えている。ス
ライダ41は、ケース状に形成されたもので、キャリッ
ジ軸11と直交する方向、すなわち、印字ヘッド12の
ノズル面15に対して接近又は離間する方向にスライド
するように支持部32に支持されている。
【0033】図5に示すように、キャップ機構40のス
ライダ41の一端は開口されており、その内部の中程に
は、仕切り部41aが形成され、これによって隔てられ
た先端側の空間部分には、キャップホルダ42が、更に
スライダ41に対しスライドできるように支持されてい
る。キャップホルダ42の先端部分には、キャップ43
が固定されている。このキャップ43は、印字ヘッド1
2のノズルを遮蔽可能な大きさの開口を有する箱型状の
ゴムで形成されたもので、その開口部分には、多層構造
のインク吸収体43aが取り付けられている。
【0034】また、図5に示すように、キャップ43と
スライダ41の間には、キャップ43に通じる弁の開閉
を行う弁機構47が設けられており、キャップ43内の
空間を外気から遮断したり、外気に開放したりできるよ
うになっている。キャップ43の後端部分には、キャッ
プホルダ42のスライド方向に延びる管部43bが設け
られ、この管部43bには、キャップ43内の空間を大
気と連通するための連通口43cが貫通して形成されて
いる。一方、スライダ41の仕切り部41aには、キャ
ップ43の管部43bと当接可能であって、連通口43
cを塞ぐための弁41bが突状に設けられている。更
に、キャップ43の管部43bとスライダ41の弁41
bとの間には、圧縮コイルばね44が取り付けられてい
る。なお、キャップ43の後端部分には、ポンプ80に
連通するチューブ45が設けられており、チューブ45
の周囲についても、キャップ43とスライダ41との間
に、圧縮コイルばね44が取り付けられている。
【0035】そして、この連通口43cの開閉は、スラ
イダ41をスライドすることによって行われ、スライダ
41の位置によって、キャップ43が印字ヘッド12の
ノズル面に密着した状態で弁を閉じた状態(密閉位
置)、キャップ43がノズル面に密着した状態で弁を開
いた状態(遮蔽位置)、キャップ43が印字ヘッド12
のノズル面から離れた状態(退避位置)のいずれかが選
択できるようになっている。
【0036】本実施の形態の場合、図6に示すように、
キャップ43の密閉位置、遮蔽位置は、退避位置から、
各々距離L1、L2(<L1)分だけ印字ヘッド12側
に離れた位置になる。キャップ43が、密閉位置にある
ときは、ちょうど、キャップ43がスライダ41と印字
ヘッドに挟まれた形になり、連通口43cが弁41bで
閉じられる。一方、キャップ43が、遮蔽位置にあると
きは、キャップ43は、圧縮コイルばね44によって印
字ヘッドに付勢され、キャップ43とスライダ41の間
には、距離L1−L2分の隙間が生じ、連通口43cが
開いた状態となる。
【0037】ここで、カム溝61の形状は、円筒カム6
0の回転角とスライダ41のスライド量との関係により
決定される。そして、カム溝61には、キャップ43を
それぞれ密閉位置、遮蔽位置、退避位置に保持する3つ
の円弧状のカム溝61b、61c、61aが含まれてい
る。即ち、カム溝61は、円筒カム60の表面に螺旋状
に形成されているが、その一部のカム溝61b、61
c、61aについては、円筒カム60の軸に対して垂直
な面に形成されている。円筒カム60を回転しても、回
転量が一定の量を超えるまで、キャップ43はこれらの
位置で留まる。
【0038】図6に示すように、キャップ43を移動さ
せるカム溝61には、円筒カム60の回転角135度〜
290度の範囲に、キャップ43を退避位置に保持する
カム溝61aが形成されている。また、円筒カム60の
回転角350度〜30度の範囲には、キャップ43を密
閉位置に保持するカム溝61bが形成され、更に、円筒
カム60の回転角45度〜85度の範囲には、キャップ
43を遮蔽位置に保持するカム溝61cが形成されてい
る。これらの円弧状のカム溝61a、61b、61c
は、螺旋状のカム溝で結ばれている。
【0039】また、スライダ41の先端部分には、印字
ヘッド12を固定するためのロック部41cが設けられ
ている。これにより、印字ヘッド12がキャップ43と
一定の位置関係に保持されるようになっている。
【0040】一方、ワイパ機構50は、図4に示すよう
に、スライダ51と、ワイパ52とを備えている。スラ
イダ51は、箱型状に形成されたもので、キャップ機構
40のスライダ41と同じ方向にスライドするように支
持部32に支持されている。スライダ51の先端部分に
は、ゴム製の板材からなるワイパ52が埋め込まれてい
る。そして、スライダ51は、最もワイパ52がメンテ
ナンス装置の内側に引っ込んだ位置(退避位置)と、ワ
イパ52によってノズル面15の汚れを払拭する処理を
行うためのヘッドクリーニング位置(第1のワイピング
位置)と、第1の位置よりも更に印字ヘッド12側にあ
るワイパクリーニング位置(第2のワイピング位置)と
の間を移動できるようになっている。図10、11に示
すように、ヘッドクリーニング位置は、ワイパ52の先
端がノズル面15からはみ出し量s1分印字ヘッド側に
移動した位置であり、ワイパクリーニング位置は、はみ
出し量s2(>s1)分印字ヘッド側に移動した位置で
ある。
【0041】ここで、カム溝62の形状は、キャップ機
構40のスライダ41と同様に、円筒カム60の回転角
とスライダ51のスライド量との関係により決定され
る。即ち、図6に示すように、カム溝62には、ワイパ
52をそれぞれヘッドクリーニング位置、ワイパクリー
ニング位置、退避位置に保持する3つの円弧状のカム溝
62a、62b、62cが含まれている。各カム溝62
a、62b、62cは、円筒カム60の軸に対して垂直
な面に形成されており、円筒カム60を回転しても、回
転量が一定の量を超えるまで、ワイパ52はこれらの位
置で留まる。
【0042】本実施の形態の場合、図6に示すように、
ワイパ52を移動させるカム溝62には、円筒カム60
の回転角270度〜85度の範囲に、ワイパ52を退避
位置に保持するカム溝62cが形成されている。また、
円筒カム60の回転角135度〜170度の範囲には、
ワイパ52をヘッドクリーニング位置に保持するカム溝
62aが形成され、更に、円筒カム60の回転角180
度〜200度の範囲には、ワイパ52をワイパクリーニ
ング位置に保持するカム溝62bが形成されている。こ
れらの円弧状のカム溝62a、62b、62cは、螺旋
状のカム溝で結ばれている。
【0043】なお、キャップ43の進退と、ワイパ52
の進退が以下の様に同期するように、カム溝61とカム
溝62が関係付けられている。即ち、ワイパ52がヘッ
ドクリーニング位置及びワイパクリーニング位置にある
ときは、キャップ43が退避位置に保持されるように、
一方、キャップ43が、密閉位置及び遮蔽位置にあると
きは、ワイパが退避位置に保持されるようになってい
る。このように、キャップ43とワイパ52は、同一の
円筒カム60の回転に伴い、互いに連動して印字ヘッド
12に接近したり、離れたりするようになっている。
【0044】本実施の形態の場合、図6に示すように、
キャップ43の退避位置を定めるカム溝61aが形成さ
れている範囲、即ち円筒カム60の回転角135度〜2
90度の範囲内に、ワイパ52のヘッドクリーニング位
置及びワイパクリーニング位置を定めるカム溝62a、
62bが設けられている。一方、ワイパ52の退避位置
を定めるカム溝62cが形成されている範囲、即ち円筒
カム60の回転角270度〜85度の範囲内に、キャッ
プ43の密閉位置、遮蔽位置を定めるカム溝61b、6
1cが設けられている。
【0045】なお、基板31には、円筒カム60のホー
ムポジションを検出するための検出器72(図12に示
す)が設けられている。本実施の形態では、図6におい
て、円筒カム60の回転角が60度の位置にホームポジ
ションが設けられており、このホームポジションを基準
に円筒カム60を回転させることにより、キャップ43
及びワイパ52の位置制御が行われる。
【0046】図7に示すように、リムーバ56は、所定
の弾性を有する金属から略「L型」の薄板状に形成され
たもので、この一方の端部が、印字ヘッド12の手前側
(メンテナンス領域側)の側面12aに所定の角度をも
って片持ち状に支持されている。リムーバ56の自由端
側の端部分には、ワイパ52からインク等の異物を掻き
取るための掻取部56aが、内側に折れ曲がったかぎ状
に形成されている。そして、この掻取部56aは、印字
ヘッド12の側面12aとの間にワイパ52を挟むこと
が可能になっている。
【0047】また、この掻取部56aは、印字ヘッド1
2のノズル面15に対して若干後方側(カートリッジホ
ルダ側)に下がった位置に配置されている。これによ
り、リムーバ56は、印字ヘッド12が印字領域を移動
する場合、プラテン22上にある記録紙に接触しないよ
うになっている。
【0048】一方、印字ヘッド12のリムーバ56が配
置された反対側の部位には、ワイパ52からインクを払
拭するための払拭部16(第2のリムーバ)が、ノズル
面15に対して後方側に所定の奥行をもって段差状に形
成されている。このような払拭部16を設けることによ
り、印字ヘッド12の移動のみで、ワイパ52に付着し
ている異物をある程度除去することができる。従って、
ワイパ52を移動させ、リムーバ56で行うワイパ52
のクリーニング処理の頻度を減らすことが可能となる。
【0049】図12は、本実施の形態におけるプリンタ
の制御系を示すブロック図である。図に示すように、制
御部55は、印字ヘッド駆動機構10の印字ヘッド12
及び印字ヘッド12を移動させるためのモータ13、紙
送り機構20のモータ23、メンテナンス装置30のモ
ータ71を制御するものである。これらのモータ13、
23、71は、ステッピングモータであり、制御部55
は各モータ13、23、71にパルス信号を与え、各機
構を制御する。制御部55は、主に、回路基板上に搭載
されたマイクロコンピュータ、各機構を制御するための
ファームウエア、及びファームウエアを記憶・実行する
ためのROM、RAM等で構成される。
【0050】制御部55は、モータ13の回転量を制御
することにより、印字ヘッド12の紙幅方向の位置制御
を行うと共に、モータ71の回転量を制御することによ
り、円筒カム60の回転角を制御する。検出器14は、
印字ヘッド12の移動範囲内に設けられ、印字ヘッド1
2の絶対位置を検出するためのものであり、印字ヘッド
12の位置制御は、この検出器14の出力を基準にして
行われる。一方、円筒カム60の回転角は、検出器72
の出力を基準に制御され、これにより、ワイパ52の位
置、キャップ43の位置が制御される。なお、制御部5
5は、キャップ43が密閉位置に配置された状態で、モ
ータ71を正方向に回転させることにより、ポンプ80
を駆動して印字ヘッド12からインクを吸引し、インク
カートリッジ4のインク廃棄室に送り出す制御も行う。
【0051】図9(a)(b)は、本実施の形態のヘッ
ド、ワイパクリーニング処理について印字ヘッドとワイ
パとの位置関係を示す図である。図10(a)〜(d)
は、本実施の形態のヘッドクリーニング処理について印
字ヘッド、リムーバとワイパとの位置関係を示す図であ
る。図11(a)〜(c)は、本実施の形態のワイパク
リーニング処理について印字ヘッド、リムーバとワイパ
との位置関係を示す図である。
【0052】本実施の形態のメンテナンス方法には、印
字ヘッド12のノズル面15に付着したインク等の異物
を払拭するヘッドクリーニング処理と、ワイパ52に付
着した異物を掻き取るワイパクリーニング処理と、印字
ヘッド12のノズル内からインクを吸引し、ノズルの目
詰まりを予防もしくは解消するノズル吸引処理がある。
なお、例えば印字処理が行われていない間、即ち、印字
ヘッド12は待機状態にあるときは、キャップ機構40
のキャップ43は遮蔽位置にあり、ワイパ機構50のワ
イパ52は、退避位置に置かれている。
【0053】まず、ノズル吸引処理を行う場合には、制
御部55は、キャップ43を遮蔽位置から密閉位置に移
動する。即ち、制御部55は、その移動量に相当するパ
ルス数分だけ、モータ71を駆動し、円筒カム60を所
定角度(図6において、60度→10度)回転させる。
そして、モータ71の回転方向を切換え、ポンプ80を
駆動する。このとき、連通口43cがスライダ41の弁
41bに塞がれた状態で、印字ヘッド12のノズル面
が、キャップ43によって完全に密閉されているため、
ポンプ80を駆動することにより、キャップ43内の気
圧が低下し、ノズルからインクが吸引され、チューブ4
5を介して、インクカートリッジ4のインク廃棄室に排
出される。
【0054】制御部55は、所定量ポンプ80を駆動し
た後、モータ71を停止し、再びモータの回転方向を変
え、円筒カム60を所定角度(図6において、10度→
60度)回転させて、キャップ43を密閉位置から遮蔽
位置に戻す。そして、モータ71の回転方向を切換え、
再びポンプ80を駆動する。このとき、印字ヘッド12
のノズル面が、キャップ43によって遮蔽されている
が、連通口43cが開いているため、ポンプ80を駆動
することにより、ノズルからインクが吸引されることは
なく、キャップ43のインク吸収体43a内に溜まった
インクのみが、チューブ45を介して、インクカートリ
ッジ4のインク廃棄室に排出される。制御部55は、ポ
ンプ80がインク吸収体43a内に溜まったインクがあ
る程度排出した後、モータ71を停止し、ノズル吸引処
理を終了する。なお、長期間プリンタを使用しないとき
は、気温の変化でキャップ43内の圧力が変動し、ノズ
ルに形成されたメニスカスが壊れることを防止するため
にキャップ43の位置は遮蔽位置に置かれる。
【0055】待機状態にある印字ヘッド12のヘッドク
リーニング処理を行う場合には、まず、制御部55は、
ワイパ52を、退避位置から、印字ヘッド12のノズル
面15からはみ出し量s1だけ超えたヘッドクリーニン
グ位置S1まで移動させる。即ち、制御部55は、その
移動量に相当するパルス数分だけ、モータ71を駆動
し、円筒カム60を所定角度(図6において、60度→
150度)回転させる。なお、この動作を行うことによ
り、同時に、キャップ43は退避位置に移動する。
【0056】このとき、ヘッドクリーニング位置にある
ワイパ52は、図9(a)、図10(a)に示すよう
に、印字ヘッド12の払拭部16に対向する状態にあ
る。次に、制御部55は、印字ヘッド駆動機構10のモ
ータ13を所定パルス駆動し、印字ヘッド12をメンテ
ナンス領域から印字領域に進む方向に移動させる。即
ち、印字ヘッド12を図9(a)に示すヘッドクリーニ
ング開始位置P1から、図9(b)に示すワイパクリー
ニング開始位置P2まで移動させる。
【0057】この印字ヘッド12の移動により、ワイパ
52は、印字ヘッド12の払拭部16に当接した後、更
に、図10(b)に示すように、印字ヘッド12のノズ
ル面15上をはみ出し量s1に応じた撓み量をもって摺
動し、ノズル面15上に付着したインク9をワイパ52
自身に転移させることによって除去する。なお、ノズル
面15上を摺動する以前にワイパ52にインクが残って
いても、ワイパ52が払拭部16を乗り越える際に、そ
のインクを払拭部16に擦りつけることによって、ワイ
パ52上のインクがある程度除去される。
【0058】その後、更に印字ヘッド12は、印字領域
側に移動し、図10(c)に示すように、ワイパ52が
印字ヘッド12のノズル面15から外れ、リムーバ56
の掻取部56aと当接した位置P11で停止する。ワイ
パ52は、ノズル面15上にある時と同様に、撓んだ状
態で、リムーバ56の掻取部56aに接触する。
【0059】次に、制御部55は、図10(d)に示す
ように、印字ヘッド12を位置P11に停止させた状態
で、ワイパ52を、ヘッドクリーニング位置S1から退
避位置に移動させる。即ち、制御部55は、その移動量
に相当するパルス数分だけ、モータ71を駆動し、円筒
カム60を所定角度(図6において、150度→60
度)回転させる。そして、ワイパ52を退避位置に向か
う方向に移動させると、ワイパ52の先端からおよそ長
さs1の部分のインク9bは、リムーバ56に保持さ
れ、ワイパ52の先端からおよそ長さs1より奥の部分
のインク9aは、ワイパ56上に保持される。このと
き、ワイパ52が、リムーバ56から徐々に離れること
によって撓んだ状態から緩やかに元の状態に戻るため、
ワイパ56上のインク9a、リムーバ上のインク9b共
に、飛び散らずにそのまま保持される。
【0060】一方、ワイパクリーニング処理を行う場合
には、図9(b)に示すように、制御部55は、印字ヘ
ッド12を、ワイパ52がワイパクリーニング位置S2
に移動したときに、リムーバ56と印字ヘッド12の側
面12aと間に挟まれる位置(ワイパクリーニング開始
位置P2)に停止させる。
【0061】次いで、図11(a)に示すように、制御
部55は、ワイパ52を、退避位置から、印字ヘッド1
2のノズル面15からはみ出し量s2だけ超えたワイパ
クリーニング位置S2まで移動させる。即ち、制御部5
5は、その移動量に相当するパルス数分だけ、モータ7
1を駆動し、円筒カム60を所定角度(図6において、
60度→190度)回転させる。これにより、ワイパ5
2の先端部分が印字ヘッド12のノズル面15を越えて
リムーバ56と印字ヘッド12の側面12aとの間に入
り込む。
【0062】次に、制御部55は、図11(b)に示す
ように、印字ヘッド駆動機構10のモータ13を所定パ
ルス駆動し、印字ヘッド12をリムーバ56の掻取部5
6aがワイパ52と当接する位置P21まで移動させ
る。これにより、リムーバ56が幾分撓む。
【0063】その後、制御部55は、図11(c)に示
すように、モータ71を駆動し、円筒カム60を所定角
度(図6において、190度→60度)回転させ、ワイ
パ52をワイパクリーニング位置S2から退避位置に向
かう方向に移動させる。この動作により、ワイパ52が
リムーバ56の掻取部56aから離れるに従って、リム
ーバ56の掻取部56aが、そのたわみ量に応じた弾性
力をもって、ワイパ52に付着したインク9cのうちは
み出し量s2に相当する部分9eを掻き取る。
【0064】これにより、ワイパクリーニング位置S2
からワイパ52を退避位置に戻す場合にワイパ52に残
るインク9dを、ヘッドクリーニング位置S1からワイ
パ52を退避位置に戻す場合にワイパ52に残るインク
9aよりも少なくすることができる。即ち、このような
ワイパクリーニング処理を行うことにより、次回のヘッ
ドクリーニング処理を行うにあたって、ワイパ52の先
端部分を、ヘッドクリーニング処理の際に使用するはみ
出し量s1の部分より広い範囲についてインクが付着し
ていない状態にしておくことが可能になる。したがっ
て、本実施の形態によれば、印字ヘッド12のノズル面
15を払拭した際にワイパ52に付着したインク等の異
物を適宜リムーバ56で掻き取ることによって、常に、
ワイパ52のインクが付着していない部分でヘッドクリ
ーニングを行うことが可能になり、印字ヘッド12のノ
ズルの目詰まりやドット抜けを防止することができる。
【0065】以上述べたように本実施の形態によれば、
カム部材60のカム溝61、62により、キャップ43
とワイパ52とをそれぞれ連動してスライドさせるよう
にしたことから、従来技術に比べ、プリンタの小型化を
図ることができ、また、機構自体を簡素なものにするこ
とができる。
【0066】また、本実施の形態によれば、キャップ機
構40に、カム部材60に従動するスライダ41と、ス
ライダ41との間で圧縮コイルばね44を介して付勢さ
れるキャップ43とにより構成される二重スライド構造
を採用したことに加えて、スライダ41とキャップ43
との間に、スライド量によってキャップ43に連通する
弁の開閉を行う弁機構を設けたことにより、従来技術の
ように弁機構を複雑にせず、キャップ43の状態を密閉
状態又は遮蔽状態にすることができる。
【0067】さらに、本実施の形態によれば、カム溝6
2の形状によりワイパ52の位置を複数設定可能であ
り、種々のワイピング処理を行うことが可能になる。
【0068】なお、本実施の形態では、ワイパ、キャッ
プを移動させるためのカム部を、円筒カムの側面に溝状
に形成した例を挙げて説明したが、円筒カムの側面に凸
状に形成し、ワイパ、キャップの移動を規定するカム面
を構成するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、カム
部材の第1、第2のカム部により、キャップとワイパを
それぞれ連動して移動させることにより、従来技術のよ
うにキャップ機構を印字ヘッドと連動させずに印字ヘッ
ドの必要最小の移動経路を確保すれば足りるため、メン
テナンス装置を備えたプリンタ自体の小型化を図ること
ができ、また、カム機構を複雑なものにせずに一つのカ
ム部材で足りるためカム機構自体を簡素なものにするこ
とができるという効果を奏する。
【0070】また、連通口を、キャップの背面に形成
し、弁を第1のスライダの連通口に対向する位置に形成
し、キャップが密閉位置から遮蔽位置に移動するとき
に、バネの作用によって、連通口が弁から離間し、弁が
開くように構成したことにより、弁機構を複雑なものに
せずに、キャップの状態を密閉状態から遮蔽状態に切換
えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のプリンタを示す斜視図で
ある。
【図2】同プリンタの概略構成を分解的に示す斜視図で
ある。
【図3】本発明の一実施形態のメンテナンス装置を示す
斜視図である。
【図4】同メンテナンス装置の平面図である。
【図5】同メンテナンス装置のキャップ機構及びカム部
材の概略構成を示す断面図である。
【図6】同カム部材の第1のカム溝及び第2のカム溝に
ついてのカム線図である。
【図7】図1に示すプリンタの印字ヘッド機構、キャッ
プ機構及びワイパ機構の概略構成を示す斜視図である。
【図8】図7に示す各機構の平面図である。
【図9】(a)(b):本実施の形態のクリーニング処
理について印字ヘッドとワイパとの位置関係を示す図で
ある。
【図10】(a)〜(d):本実施の形態のヘッドクリ
ーニング処理について印字ヘッドとワイパとの位置関係
を示す図である。
【図11】(a)〜(c):本実施の形態のワイパクリ
ーニング処理について印字ヘッドとワイパとの位置関係
を示す図である。
【図12】図1に示すプリンタの制御系を示すブロック
図である。
【符号の説明】
12 印字ヘッド 30 メンテナンス装置 40 キャップ機構 41 第1のスライダ 41b 弁 43 キャップ 43c 連通口 50 ワイパ機構 51 第2のスライダ 52 ワイパ 60 円筒カム 61 第1のカム溝(第1のカム部) 62 第2のカム溝(第2のカム部) 71 モータ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク液滴を噴出可能なノズルを有する印
    字ヘッドのメンテナンスを行う装置において、 印字ヘッドのノズルを覆うためのキャップと、 印字ヘッドのノズル面を払拭するためのワイパと、 回転可能に構成された回転体状の部材であって、当該回
    転体の側部に前記キャップを移動するための第1のカム
    部と前記ワイパを移動するための第2のカム部とを有す
    るカム部材を備えたことを特徴とするメンテナンス装
    置。
  2. 【請求項2】更に、前記キャップを移動可能に支持する
    と共に、前記カム部材の第1のカム部と係合することに
    より印字ヘッドのノズル面に対して接近又は離間する方
    向に移動可能な第1のスライダを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載のメンテナンス装置。
  3. 【請求項3】更に、前記第1のスライダと前記キャップ
    の間に、前記キャップを印字ヘッド側に付勢するバネを
    備えていることを特徴とする請求項2記載のメンテナン
    ス装置。
  4. 【請求項4】前記キャップが大気と連通可能な連通口を
    有する一方で、前記第1のスライダが当該連通口を開閉
    するための弁を備えていることを特徴とする請求項3記
    載のメンテナンス装置。
  5. 【請求項5】前記カム部材の第1のカム部は、前記カム
    部材の回転に従って、前記キャップを、前記弁を閉じた
    状態で印字ヘッドを覆う密閉位置と、前記弁を開いた状
    態で印字ヘッドを覆う遮蔽位置と、印字ヘッドから退避
    する退避位置の間を移動させるカム面を備えていること
    を特徴とする請求項4記載のメンテナンス装置。
  6. 【請求項6】前記連通口は、前記キャップの背面に形成
    され、前記弁は前記第1のスライダの前記連通口に対向
    する位置に形成されており、 前記キャップが前記密閉位置から遮蔽位置に移動すると
    きに、前記バネの作用によって、前記連通口が弁から離
    間し、弁が開くように構成されていることを特徴とする
    請求項5記載のメンテナンス装置。
  7. 【請求項7】前記第1のカム部のカム面には、前記密閉
    位置、前記遮蔽位置、及び前記退避位置の各位置につい
    て、前記キャップを、前記カム部材の回転量が一定の量
    を超えるまでその位置に留める領域が設けられているこ
    とを特徴とする請求項5記載のメンテナンス装置。
  8. 【請求項8】前記第1のスライダが、印字ヘッドを前記
    キャップに対して固定するためのロック部を有すること
    を特徴とする請求項2記載のメンテナンス装置。
  9. 【請求項9】前記ワイパが固定され、カム部材の第2の
    カム部と係合することにより印字ヘッドに対して接近又
    は離間する方向に移動可能な第2のスライダを備えてい
    ることを特徴とする請求項1記載のメンテナンス装置。
  10. 【請求項10】前記カム部材の第2のカム部は、前記カ
    ム部材の回転に従って、前記ワイパを、印字ヘッドから
    退避する退避位置と、当該退避位置からの距離が各々異
    なる複数のワイピング位置の間を移動させるカム面を備
    えていることを特徴とする請求項9記載のメンテナンス
    装置。
  11. 【請求項11】前記ワイピング位置は、前記ノズルのク
    リーニングを行う第1のワイピング位置と、前記ワイパ
    自身のクリーニングを行う第2のワイピング位置とから
    なり、 前記第2のカム部のカム面には、前記第1のワイピング
    位置、前記第2のワイピング位置、及び前記退避位置の
    各位置について、前記ワイパを、前記カム部材の回転量
    が一定の量を超えるまでその位置に留める領域が設けら
    れていることを特徴とする請求項10記載のメンテナン
    ス装置。
  12. 【請求項12】インク液滴を噴出可能なノズルを有する
    印字ヘッドのメンテナンスを行う装置において、 印字ヘッドのノズルを覆うためのキャップと、 印字ヘッドのノズル面を払拭するためのワイパと、 回転可能に構成された回転体状の部材であって、当該回
    転体の側部に前記キャップを移動するための第1のカム
    部と前記ワイパを移動するための第2のカム部とを有す
    るカム部材と、 前記キャップを移動可能に支持すると共に、前記カム部
    材の第1のカム部と係合することにより印字ヘッドのノ
    ズル面に対して接近又は離間する方向に移動可能な第1
    のスライダと、 前記ワイパが固定され、カム部材の第2のカム部と係合
    することにより印字ヘッドに対して接近又は離間する方
    向に移動可能な第2のスライダとを備えていることを特
    徴とするメンテナンス装置。
  13. 【請求項13】前記カム部材の第1のカム部は、前記カ
    ム部材の回転に従って、前記キャップを、前記弁を閉じ
    た状態で印字ヘッドを覆う密閉位置と、前記弁を開いた
    状態で印字ヘッドを覆う遮蔽位置と、印字ヘッドから退
    避する退避位置の間を移動させるカム面を備えており、 前記カム部材の第2のカム部は、前記カム部材の回転に
    従って、前記ワイパを、印字ヘッドから退避する退避位
    置と、当該退避位置からの距離が各々異なる複数のワイ
    ピング位置の間を移動させるカム面を備えており、 前記キャップが、前記密閉位置又は遮蔽位置にあるとき
    に、前記ワイパが前記退避位置にあるように、前記ワイ
    パが、前記ワイピング位置にあるときに、前記キャップ
    が退避位置にあるように、前記カム面の関係が定められ
    ていることを特徴とする請求項12記載のメンテナンス
    装置。
  14. 【請求項14】インク液滴を噴出可能なノズルを有する
    印字ヘッドと、 印字ヘッドのノズルを覆うためのキャップと、 印字ヘッドのノズル面を払拭するためのワイパと、 回転可能に構成された回転体状の部材であって、当該回
    転体の側部に前記キャップを移動するための第1のカム
    部と前記ワイパを移動するための第2のカム部とを有す
    るカム部材を備えたことを特徴とするプリンタ。
  15. 【請求項15】インク液滴を噴出可能なノズルを有する
    印字ヘッドと、 印字ヘッドのノズルを覆うためのキャップと、 印字ヘッドのノズル面を払拭するためのワイパと、 回転可能に構成された回転体状の部材であって、当該回
    転体の側部に前記キャップを移動するための第1のカム
    部と前記ワイパを移動するための第2のカム部とを有す
    るカム部材と、 前記キャップを移動可能に支持すると共に、前記カム部
    材の第1のカム部と係合することにより印字ヘッドのノ
    ズル面に対して接近又は離間する方向に移動可能な第1
    のスライダと、 前記ワイパが固定され、カム部材の第2のカム部と係合
    することにより印字ヘッドに対して接近又は離間する方
    向に移動可能な第2のスライダとを備えていることを特
    徴とするプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016190348A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP2018134811A (ja) * 2017-02-22 2018-08-30 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置及びメンテナンス装置

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JP2018134811A (ja) * 2017-02-22 2018-08-30 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置及びメンテナンス装置

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