JP2004299311A - ワイピング装置、液体噴射装置及びワイピング方法 - Google Patents

ワイピング装置、液体噴射装置及びワイピング方法 Download PDF

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優 高橋
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寛之 井藤
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Abstract

【課題】良好にワイパ部材が液体噴射ヘッドを払拭清掃することのできるワイピング装置、液体噴射装置及びワイピング方法を提供する。
【解決手段】記録ヘッド23からインクが噴射されるターゲットによって、プラテンから記録ヘッド23までの距離が、キャリッジ20が昇降されることにより変更される。プラテンから記録ヘッド23までの距離に応じて、円筒カム34が回転した後に一時停止する。これにより位置決め部材62aは第1位置案内部57b又は第2位置案内部57dに位置し、保持部材62は第1作用位置又は第2作用位置に位置する。このため、保持部材62に支持されるワイパ部材63の先端部63aは、記録ヘッド23に対して所定の高さ上側に位置した状態で、記録ヘッド23を払拭清掃する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを払拭清掃するワイピング装置、これを用いた液体噴射装置及びそのワイピング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体噴射装置としてインク滴を紙などに噴射させるインクジェット式プリンタがある。この種のプリンタでは、インクを噴射するノズルを備えた記録ヘッドとプラテンとの間にターゲットである紙等を導き、この紙等に対してノズルからインクを噴射する。通常、この種のプリンタには、記録ヘッドを払拭清掃するワイピング装置などが設けられている。ワイピング装置は、ワイパ部材を備え、このワイパ部材を前記記録ヘッドに当接することにより、同記録ヘッドを払拭清掃する。
【0003】
ところで、印刷されるターゲットがCD−ROMなどの厚い物である場合には、プラテンから記録ヘッドまでの距離を大きくする必要がある。記録ヘッドとプラテンとの隙間を大きくするために、記録ヘッドを上昇させると、通常、ワイピング装置はプリンタに固定されていることから、ワイピング装置のワイパ部材と記録ヘッドとの距離が変化する。このため、ワイパ部材の記録ヘッドに対する摺接圧力が変化し、記録ヘッドに付着したインクを良好に払拭除去することは難しかった。
【0004】
そこで、従来は、プラテンから記録ヘッドまでの距離が変化したときであっても、記録ヘッドをより良好に払拭清掃するために、ワイピング装置の払拭速度を低下させたりワイピング回数を増加させたりすることが行われていた(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−264350号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示した技術を用いても、プラテンから記録ヘッドまでの距離が変更したときに、ワイパ部材による記録ヘッドの払拭清掃が十分に行えるとは言い難かった。そこで、プラテンから記録ヘッドまでの距離が変更されても、ワイパ部材による記録ヘッドの払拭清掃が更に良好に行える技術が求められていた。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、良好にワイパ部材が液体噴射ヘッドを払拭清掃することのできるワイピング装置、液体噴射装置及びワイピング方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイピング装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドに当接して、この液体噴射ヘッドを払拭清掃するワイパ部材を備えたワイピング装置において、前記ワイパ部材の複数の作用位置を調節するワイパ位置調節手段を設けた。
【0009】
これによれば、ワイパ位置調節手段によりワイパ部材の複数の作用位置が調節される。このため、例えばプラテンから記録ヘッドまでの距離が変更されても、液体噴射ヘッドとワイパ部材との距離を同じとすることができる。すなわち、液体噴射ヘッドに対するワイパ部材の干渉量を一定にすることができるので、ワイパ部材は良好に液体噴射ヘッドを払拭除去することができる。なお、「複数の作用位置」には、無段階に調節可能な作用位置も含む。
【0010】
本発明の液体噴射装置は、ターゲットを支持するプラテンと、前記ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに当接して払拭清掃するワイパ部材とを備えた液体噴射装置において、前記プラテンから前記液体噴射ヘッドまでの距離に基づいて、前記ワイパ部材の作用位置を調節するワイパ位置調節手段を備えた。
【0011】
これによれば、プラテンから液体噴射ヘッドまでの距離に基づいて、ワイパ位置調節手段によりワイパ部材の作用位置が調節される。このため、例えばプラテンから記録ヘッドまでの距離が変更されても、液体噴射ヘッドとワイパ部材との距離を同じとすることができる。すなわち、液体噴射ヘッドに対するワイパ部材の干渉量を一定にすることができるので、ワイパ部材は良好に液体噴射ヘッドを払拭除去することができる。従って、液体噴射ヘッドは良好な状態で液体を噴射することができる。
【0012】
本発明の液体噴射装置は、ターゲットを支持するプラテンと、前記ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに当接して払拭清掃するワイパ部材とを備えた液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドの昇降に基づいて、前記ワイパ部材の位置を調節するワイパ位置調節手段を備えた。
【0013】
液体噴射ヘッドの昇降、すなわち高さに基づいて、ワイパ位置調節手段によりワイパ部材の位置が調節される。このため、液体噴射ヘッドとワイパ部材との距離を同じとすることができ、液体噴射ヘッドに対するワイパ部材の干渉量を一定にすることができる。従って、ワイパ部材は良好に液体噴射ヘッドを払拭除去することができ、液体噴射ヘッドは良好な状態で液体を噴射することができる。
【0014】
この液体噴射装置は、前記ワイパ位置調節手段は、外周面にカム溝が形成された回転体を有しているとともに、前記回転体の回転に伴って前記カム溝を摺動することにより軸線方向に案内される位置決め部材が設けられ、その位置決め部材に前記ワイパ部材を支持するワイパ支持部材が連結されている。
【0015】
これによれば、回転体が回転することにより、位置決め部材は軸線方向に案内される。このため、この位置決め部材に連結されているワイパ部材の位置は、回転体が回転することにより、簡単な構成で容易に調節可能である。
【0016】
この液体噴射装置は、前記回転体に形成された前記カム溝は、前記液体噴射ヘッドから離間する退避位置を前記ワイパ部材が取る水平部と、前記液体噴射ヘッドに当接する作用位置を前記ワイパ部材が取る複数の所定長さの水平部とを有した。
【0017】
これによれば、回転体に形成されたカム溝は、ワイパ部材を退避位置にする水平部と、液体噴射ヘッドを払拭清掃する複数の作用位置としての水平部とを有している。ワイパ部材が退避位置にあるときに液体噴射ヘッドがワイパ部材の上方を通過すれば、ワイパ部材は、液体噴射ヘッドから力を受けることがなく、長寿命とすることができる。また、作用位置が所定長さの水平部となっているので、ワイパ部材の位置を決める位置決め手段がその水平部にあれば、回転体の角度の調節に誤差があったとしても、ワイパ部材の位置は所定の位置となる。従って、回転体の角度を厳密に制御しなくても、位置決め部材を水平部の作用位置に案内させて、ワイパ部材を所定の位置に調節することができる。
【0018】
この液体噴射装置は、前記回転体に形成された前記カム溝は、前記液体噴射ヘッドから離間する退避位置を前記ワイパ部材が取る水平部と、前記液体噴射ヘッドに当接する作用位置を前記ワイパ部材が取る傾斜部とを有した。
【0019】
これによれば、カム溝は、ワイパ部材を退避位置にする水平部と、傾斜部の作用位置とを備えている。ワイパ部材が退避位置にあるときに液体噴射ヘッドがワイパ部材の上方を通過すれば、ワイパ部材は、液体噴射ヘッドから力を受けることがなく、長寿命とすることができる。また、カム溝の傾斜部に位置決め部材が摺動することにより、すなわち回転体の回転角度を変化させると、これに伴って位置決め部材に連結されたワイパ部材の位置も変化する。このため、回転体の回転角度を調節することによりワイパ部材の位置を容易に調節することができる。従って、ワイパ部材の位置を微調節して、ワイパ部材が液体噴射ヘッドをより良好に払拭清掃することが容易に行える。
【0020】
本発明のワイピング方法は、ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドにワイパ部材が当接して、前記液体噴射ヘッドを払拭清掃するワイピング方法において、前記ターゲットを支持するプラテンから前記液体噴射ヘッドまでの距離に基づいて、前記ワイパ部材の作用位置を調節した後、前記ワイパ部材を前記液体噴射ヘッドに当接して払拭清掃する。
【0021】
これによれば、プラテンから液体噴射ヘッドまでの距離に基づいて、ワイパ位置調節手段によりワイパ部材の位置が調節される。このため、プラテンから記録ヘッドまでの距離が変更されても、液体噴射ヘッドとワイパ部材との距離を同じとすることができる。すなわち、液体噴射ヘッドに対するワイパ部材の干渉量を一定にすることができるので、ワイパ部材は良好に液体噴射ヘッドを払拭除去することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した液体噴射装置の第1実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタという。)11は、フレーム12を有している。このフレーム12には、x方向に延びるプラテン13が架設されている。このプラテン13は、普通紙やCD−ROMなどのターゲットTを支持する支持台である。また、プラテン13の下側には、使用した液体としてのインクを貯留する廃液タンク15が配設されている。
【0024】
更に、同プリンタ11は、送りモータ14を備えた送り機構を有している。この送りモータ14は、図示しない駆動ローラを駆動して、y方向に(プリンタ11の背面から前面に)前記ターゲットTを搬送し、プラテン13上にターゲットTを導くようになっている。また、前記送りローラの近傍には、図示しない厚みセンサが設けられている。この厚みセンサは、プリンタ11に導入されたターゲットTの厚み、すなわちターゲットTが薄いか又は厚いかを検出する。
【0025】
また、フレーム12には、駆動プーリ16及び従動プーリ17が固定されている。同駆動プーリ16は可逆モータのキャリッジモータ18が連結されている。また、一対のプーリ16,17には、タイミングベルト19が掛け装されており、タイミングベルト19にはキャリッジ20が固着されている。
【0026】
キャリッジ20は、2つのインクカートリッジ21,22を着脱可能に搭載している。インクカートリッジ21は、ブラックのインクを収容している。インクカートリッジ22は、3つに区画された収容室にマゼンタ、シアン、イエロの各色のインク(カラーインク)をそれぞれ収容している。また、同キャリッジ20は、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド23を下面に有しており、記録ヘッド23はプラテン13と対向している。記録ヘッド23は、下面に開口した図示しない複数のノズルを備えている。これら各ノズルのそれぞれには、対応する図示しない圧電素子が配設されている。この圧電素子が駆動されると、インクカートリッジ21,22から記録ヘッド23にインクが供給されて、ノズルの吐出口から液体であるインクがプラテン13上のターゲットTに向かって噴射される。
【0027】
一方、このキャリッジ20には、図2に示すようにx方向に貫通する支持孔20aが形成されている。この支持孔20aには、前記タイミングベルト19と平行となるように配設されたガイド部材25が挿通している。従って、キャリッジ20は、ガイド部材25に案内されながら、上記キャリッジモータ18の駆動によりタイミングベルト19を介してx方向に往復移動可能となっている。
【0028】
次に、前記ガイド部材25及びこの昇降機構について図2に基づいて説明する。ここで、図2(a)はキャリッジ20が下側位置にある状態、図2(b)はキャリッジ20が図2(a)より上昇して上側位置にある状態を示している。
【0029】
ガイド部材25は、キャリッジ20の支持孔20aに貫通固定されている外筒部材25aと、この外筒部材25a内に回動可能に貫通している中軸26とから構成されている。中軸26には、軸中心に対して偏心した偏心軸27が前記ガイド部材25の両端部に一体固定されている。各偏心軸27は、前記フレーム12(図1参照)に回転可能に支持されている。また、右側の偏心軸27には、作動レバー28に固定されている。作動レバー28には、作動溝28aが形成されている。
【0030】
一方、図1に示す前記フレーム12には、可逆モータMが固着されている。この可逆モータMは、前記厚みセンサの信号に基づいて、すなわちターゲットTの厚みに基づいて駆動される。図2に示すように可逆モータMの回転軸Maには、アームレバー29の基端部が固着されており、アームレバー29がr方向に回動可能とされている。このアームレバー29は、その先端部29aが前記作動レバー28の作動溝28aに摺動可能かつ回動可能に連結されている。従って、可逆モータMが回動されてアームレバー29がr方向に回動されると、偏心軸27が回動し、これに固定されている中軸26が偏心軸27を中心に回動して昇降する。この結果、キャリッジ20が昇降し、プラテン13から記録ヘッド23までの距離PG1,PG2が変更される。
【0031】
一方、図1に示すようにフレーム12の一側部の非印刷可能領域(ホームポジション)には、クリーニング装置30が設けられている。このクリーニング装置30は、ケースK1及びこのケースK1の一部の上面を覆う蓋部材K2を備えている。このケースK1内には、図3及び図4に示すように、駆動モータ31、キャッピング装置32、吸引ポンプ33、回転体としての円筒カム34及びワイピング装置35が収容されている。
【0032】
図3〜図5に示す駆動モータ31は、正逆回転可能なモータであって、その回転軸の先端には駆動ギヤ31aが固着されている。駆動ギヤ31aは、ケースK1に回転可能に支持された第1ギヤ38及び第2ギヤ39を介して、第3ギヤ40に駆動連結されている。この第3ギヤ40は、ケースK1の収容部Kcに収容された前記吸引ポンプ33の回転軸33aの先端部に固着されている。従って、駆動モータ31が回転されることによって、第1、第2及び第3ギヤ38,39,40を介して吸引ポンプ33は回転駆動される。更に、第3ギヤ40は、ケースK1に回転可能に支持された第4ギヤ41及び第1作動ギヤ42を介して、図示しない昇降機構に対して駆動モータ31の回転を伝達し、キャッピング装置32を昇降動作させるようになっている。
【0033】
キャッピング装置32は、キャップ45と、キャップ45を支持するキャップ支持部材46とを備えている。キャップ45は、上側が開口する箱体であって、その開口は前記記録ヘッド23(図1参照)のノズルを覆うことが可能な大きさに形成されている。図3〜図5に示すようにキャップ45は、その周囲を囲むように四角枠状のキャップ支持部材46によって支持されている。キャップ支持部材46は、前記駆動モータ31によって駆動される昇降機構によって昇降し、キャップ45を、上側のキャップ作用位置と下側のキャップ非作用位置の上下2位置に案内させる。キャップ非作用位置にキャップ45が位置しているときには、記録ヘッド23がキャップ45に邪魔されずに、記録ヘッド23と対向する位置又はそれ以外の位置に移動可能となっている。また、キャップ作用位置にキャップ45が案内されると、前記記録ヘッド23のノズルを覆い、覆われた状態でノズルから吐出されたインクをキャップ45内に収容する。そして、キャップ45の底面には、図示しないインク排出口が形成され、前記吸引ポンプ33によって、このインク排出口を介してキャップ45内に溜まったインクが排出される。
【0034】
前記吸引ポンプ33はチューブポンプであって、一端が前記キャップ45のインク排出口に連結されたチューブの容積を変形させて前記キャップ45内を負圧にし、同キャップ45内のインクを排出する。すなわち、吸引ポンプ33は、前記駆動モータ31の駆動によって回転し、チューブの容積を変形させて前記キャップ45内を負圧にし、同キャップ45内のインクを前記廃液タンク15に排出するようになっている。
【0035】
一方、図6に示すように、円筒カム34は、ケースK1の円筒カム収容部Kd内に、その中央に突出形成されている支持部Keを貫通することにより支持されて収容されている。従って、円筒カム34は、支持部Keの中心を回転軸心Cとして回転可能となっている。円筒カム34の上側には、前記第1作動ギヤ42が円筒カム34と相対回転可能に取り付けられている。また、円筒カム34の上側には、前記第4ギヤ41の下側に位置するように第2作動ギア51とが形成されている。図7に示すように第2作動ギア51は、円筒カム34の約半周分の外周に歯51aが形成されて構成されている。すなわち、第2作動ギア51は、前記第4ギヤ41に約半周だけ噛み合って回転される。
【0036】
図7に示すように円筒カム34の底面には、約200°の扇形状をした回転規制溝53が形成されており、この回転規制溝53には係止部材54が摺動可能に嵌合されている。また、図6に示すようにこの係止部材54は、ケースK1の円筒カム収容部Kdの底面に固着されている。従って、係止部材54は、円筒カム34が回動すると回転規制溝53の端部53a,53bに当接し、円筒カム34の回動を約200°内で行うように規制している。なお、円筒カム34はクリーニング開始時には図7に示すように、前記端部53aに係止部材54が係止されている。
【0037】
一方、図6に示すように円筒カム34の外周面には、カム溝55が形成されている。このカム溝55は、図8に示すように、退避案内部56、作用案内部57及び待機案内部58から構成されている。前記退避案内部56は、円筒カム34の最下部に周方向に形成されている。この退避案内部56は、係止部材54の中心と円筒カム34の回転軸心Cとを結ぶ線OC(図7参照)を0°とすると、図8に示すように角度θ=約−9°〜約6°の範囲に形成されている。
【0038】
前記作用案内部57は、図8に示すように角度θ=約6°〜約56°の範囲に形成されている。作用案内部57は、前記退避案内部56から斜め上方に形成された第1傾斜部57aと、この第1傾斜部57aから周方向に形成された第1位置案内部57bとを有している。この第1位置案内部57bは、角度θ=約25°の位置にある。更に、作用案内部57は、前記第1位置案内部57bから斜め上方に形成された第2傾斜案内部57cと、この第2傾斜案内部57cから周方向に形成された第2位置案内部57dとを有している。この第2位置案内部57dは、角度θ=約50°の位置にある。従って、円筒カム34が図8に示す位置からr2方向(図7参照)に約25°回転されたときには係止部材54の直上側に前記第1位置案内部57bが至り、約50°回転されたときには係止部材54の直上側に前記第2位置案内部57dが至ることになる。すなわち、作用案内部57は、高さの異なる複数の作用位置としての第1位置案内部57b及び第2位置案内部57dを有している。
【0039】
前記待機案内部58は、角度θ=約56°〜約200°の範囲で形成されている。このため、円筒カム34の前記回転規制溝53の端部53bに前記係止部材54が当接すると、待機案内部58の終端部が位置する。つまり、円筒カム34の回転が規制される範囲とほぼ同じ範囲に、前記カム溝55は形成されている。また、この待機案内部58は、前記作用案内部57の第2位置案内部57dから斜め下方に形成された待機傾斜部58aと、この待機傾斜部58aの下側から周方向に形成された待機部58bとから構成されている。
【0040】
図5に示すように、キャッピング装置32及び円筒カム34の反x方向側には、ワイピング装置35が設けられている。ワイピング装置35は、y方向に配設されたワイパ支持部材61を備えている。ワイパ支持部材61は、上下方向に移動可能かつy方向移動不能にケースK1に支持されている。ワイパ支持部材61のy方向の側面の下部には、図5に示すように、保持部材62が延出形成されている。保持部材62の先端部には、位置決め部材62aがx方向に延出形成されている。位置決め部材62aは、前記円筒カム34のカム溝55に摺動可能に嵌合されている。
【0041】
従って、前記円筒カム34が前記駆動モータ31にて正逆回動されると、同カム溝55を摺動する位置決め部材62aによって、保持部材62が上下動する。詳述すると、位置決め部材62aが退避案内部56又は待機案内部58の待機部58bを摺動しているときには、位置決め部材62aは最下位置の非作用位置に案内される。また、位置決め部材62aが作用案内部57の第1位置案内部57bを摺動しているときには、保持部材62は第1作用位置に案内される。更に、位置決め部材62aが第2位置案内部57dを摺動しているときには、保持部材62は第1作用位置より上側の第2作用位置に案内される。更に、位置決め部材62aが作用案内部57の第1傾斜部57aを摺動しているときには、保持部材62は退避位置から第1位置案内部57bへと案内される。また、作用案内部57の第2傾斜案内部57cを摺動しているときには、保持部材62は第1位置案内部57bから第2位置案内部57dへと案内される。更に、保持部材62は、待機案内部58の待機傾斜部58aを摺動しているときには、保持部材62は作用案内部57の第2位置案内部57dから待機案内部58の待機部58bへと案内される。
【0042】
つまり、図7に示すように円筒カム34の回転規制溝53の端部53aに係止部材54が当接しているときには、カム溝55の退避案内部56の始端部Sに当接する位置に位置決め部材62aが位置している。従って、この状態では、保持部材62は非作用位置に位置している。そして、この状態から第4ギヤ41がr1方向に回転されると、第1作動ギヤ42及び第2作動ギア51がr2方向に回転する。これにより円筒カム34のカム溝55が回転し、位置決め部材62aはカム溝55の退避案内部56→作用案内部57の第1傾斜部57a→第1位置案内部57b→第2傾斜案内部57c→第2位置案内部57d→待機案内部58の待機傾斜部58a→待機部58bの順に摺接していく。
【0043】
この結果、ワイパ支持部材61は、位置決め部材62aが作用案内部57の第1傾斜部57aを第1位置案内部57bに向かって摺接すると上昇する。そして、円筒カム34が約25°回転されると、ワイパ支持部材61は第1位置案内部57bに摺接する第1作用位置に到達する。また、ワイパ支持部材61は、位置決め部材62aが第2傾斜案内部57cを第1位置案内部57bから第2位置案内部57dに向かって摺動すると上昇する。そして、円筒カム34が約50°回転されると、ワイパ支持部材61は第2位置案内部57dに摺動する第2作用位置に到達する。
【0044】
そして、円筒カム34が約200°回転して底面の回転規制溝53の端部53bに係止部材54が当接すると、位置決め部材62aがカム溝55の待機案内部58の待機部58bの終端部Eに当接する。なお、位置決め部材62aがカム溝55の退避案内部56から作用案内部57を経て待機案内部58まで移動する範囲においてのみ、前記第2作動ギア51は第4ギヤ41に噛み合うようになっている。
【0045】
そして、駆動モータ31を逆回転させると、位置決め部材62aは、前記とは逆に待機案内部58から作用案内部57を介して退避案内部56の順に摺接していく。そして、係止部材54が端部53bに当接した状態、すなわち位置決め部材62aが待機部58bの終端部Eに位置している状態から約150°回転されると、位置決め部材62aは第2位置案内部57dの第2作用位置に至る。また、位置決め部材62aが待機部58bの終端部Eに位置している状態から約175°回転されると、位置決め部材62aは第1位置案内部57bの第1作用位置に至る。
【0046】
一方、前記ワイパ支持部材61の上面には、y方向に延びたワイパ部材63が固着されている。ワイパ部材63は、ゴム等の弾性材料で構成されていて、その先端部63aは、x方向に湾曲形成されていて、記録ヘッド23に付着したインクを掻き取るように清掃する。つまり、ワイパ支持部材61が第1作用位置又は第2作用位置に上昇したとき、ワイパ部材63は、上方を通過する記録ヘッド23に、その先端部63aを圧接して記録ヘッド23に付着したインクを掻き取る。従って、図6に示すようにワイパ部材63は、位置決め部材62aが退避案内部56に位置しているときに、記録ヘッド23と離隔した退避位置に位置している。また、図9に示すようにワイパ部材63は、位置決め部材62aが前記第1位置案内部57bの第1作用位置に位置しているときに、プラテン13との間の距離PG1(図2(a)参照)を成す記録ヘッド23に対して所定高さD上側に位置している。更に、図10に示すように位置決め部材62aが前記第2位置案内部57dの第2作用位置に位置しているときに、距離PG2(図2(b)参照)を成す記録ヘッド23に対して前記ワイパ部材63の先端は前記と同様に所定高さD上側に位置している。なお、本実施形態においてワイパ位置調節手段は、前記円筒カム34、保持部材62及び位置決め部材62aから構成されている。
【0047】
次に、上述したプリンタ11の作用について説明する。
プリンタ11は、印刷を行うときには、送りモータ14によってプリンタ11内にターゲットTが導入される。このとき、前記送りローラの近傍の厚みセンサにより導入されるターゲットTの厚みが検出される。通常、プリンタ11は、普通紙などの比較的薄いターゲットTを印刷する設定となっている。そこで、プリンタ11は比較的薄いターゲットTが導入されていると判断した場合には、前記可逆モータMを駆動させずに、図2(a)に示すようにキャリッジ20を低い位置のままとする。すなわち、この場合には、プリンタ11は、プラテン13から記録ヘッド23までの距離PG1の設定で印刷を行う。
【0048】
そして、プリンタ11は、送りモータ14を更に駆動して、プラテン13及び記録ヘッド23との間にターゲットTを導く。そして、同プリンタ11は、キャリッジモータ18を駆動してキャリッジ20をx方向及び反x方向に往復移動させながら、圧電素子を駆動してインクカートリッジ21,22から供給されるインクを記録ヘッド23のノズルからターゲットTに向けて噴射する。そして、キャリッジ20が往復移動できる範囲で記録ヘッド23の噴射が終了すると、プリンタ11は、送りモータ14を駆動して、ターゲットTを前方に所定量だけ搬送する。その後、再びプリンタ11は、キャリッジモータ18及び圧電素子を駆動して、キャリッジ20を移動させながら記録ヘッド23からインクを噴射する。これを繰り返すことによりターゲットTに印刷が行われる。
【0049】
印刷が終了し記録ヘッド23のクリーニング動作が行われる場合には、プリンタ11は、キャリッジモータ18を駆動してキャリッジ20をx方向に移動させ、キャリッジ20をキャップ45と対向する位置まで移動させる。このとき、図6に示すようにワイパ支持部材61の位置決め部材62aは、カム溝55の退避案内部56に位置している。このため、キャリッジ20がワイパ部材63の上方をx方向に通過しても、ワイパ部材63の先端部63aが、キャリッジ20の記録ヘッド23に当接しない。また、このとき、図7に示すように、円筒カム34の底部の回転規制溝53の端部53aに係止部材54が当接し、第2作動ギア51の端部EGに位置する歯51aは第4ギヤ41と対向している。
【0050】
プリンタ11は、キャリッジ20がキャップ45と対向する位置に至ると、キャリッジモータ18の駆動を停止させ、かつ駆動モータ31を正回転させる。駆動モータ31が正回転されると、駆動ギヤ31aが回転し、この回転力が各第1〜第3ギヤ38〜40を介して第4ギヤ41に伝達される。このため、第4ギヤ41はr1方向に回転されて、第4ギヤ41に噛み合う第1作動ギヤ42はr2方向に回転される。このとき、第2作動ギア51の歯51aは第4ギヤ41に対向する位置にあるため、第2作動ギア51の歯51aが第4ギヤ41に噛み合う。すなわち、第1作動ギヤ42及び第2作動ギア51が第4ギヤ41に噛み合うことによりr2方向に円筒カム34が回転され、カム溝55が回転することになる。これにより、ワイパ支持部材61の位置決め部材62aが、嵌合されているカム溝55の退避案内部56から作用案内部57を経て待機案内部58に至り、ワイパ部材63が昇降される。
【0051】
そして、位置決め部材62aが待機案内部58に至り円筒カム34が約半周回転すると、第2作動ギア51の歯51aが第4ギヤ41に噛み合わなくなる。しかし、第2作動ギア51と摺接する第1作動ギヤ42は回転し続けるため、この第1作動ギヤ42の回転力が摩擦力によって第2作動ギア51に伝達されて、円筒カム34は更に回転する。そして、円筒カム34の底面の回転規制溝53の端部53bに係止部材54が当接すると、すなわち約200°回転すると、円筒カム34はr2方向の回転を停止する。
【0052】
このとき、キャップ支持部材46は第1作動ギヤ42の回転力が伝達されて駆動される昇降機構により上昇されており、キャップ45が作用位置に案内されて記録ヘッド23を密閉している。そして、第3ギヤ40を介して吸引ポンプ33が駆動され、記録ヘッド23の密閉された空間に負圧が発生する。これにより記録ヘッド23のノズルを目詰まりさせる高粘度のインクが廃液タンク15に排出される。
【0053】
その後、駆動モータ31が逆回転に切り替わると、第4ギヤ41が反r1方向に回転する。これにより第1作動ギヤ42を介して円筒カム34が反r2方向に回転する。その後、位置決め部材62aが待機案内部58から作用案内部57に到達すると、第4ギヤ41に第2作動ギア51も噛み合う。そして、円筒カム34が待機案内部58の待機部58bの終端部Eから反r2方向に約175°回転されると、駆動モータ31が停止される。なお、このときまでに第2作動ギア51は第4ギヤ41に噛み合い、更に位置決め部材62aは位置決め部材62aがカム溝55の第2位置案内部57d、第2傾斜案内部57cを経て第1位置案内部57bに至る。
【0054】
つまり、図9に示すようにクリーニング開始時から25°回転された位置で円筒カム34が停止されると、保持部材62の位置決め部材62aが待機案内部58に位置する。これによりワイパ部材63は第1作用位置にある。このため、前記ワイパ部材63の先端は記録ヘッド23に対して所定高さD上側に位置している。
【0055】
また、キャップ支持部材46は昇降機構により降下されてキャップ45は非作用位置に位置しており、キャリッジ20が移動可能な状態となっている。そこで、プリンタ11は、キャリッジモータ18を駆動して、キャップ45の上方から反x方向にキャリッジ20を移動させる。すると、キャリッジ20はワイパ部材63に当接して反x方向に移動するため、ワイパ部材63は移動するキャリッジ20に撓ませられた後、その先端部63aが記録ヘッド23に当接する。そして、キャリッジ20の更なる移動によってワイパ部材63は記録ヘッド23に対して相対移動し、記録ヘッド23の全面を掻き取るようにして払拭清掃を行う。
【0056】
このようにワイパ部材63の上方を記録ヘッド23が通過して、ワイパ部材63による記録ヘッド23の清掃が終了すると、プリンタ11は、再び駆動モータ31を逆回転させる。従って、再び第4ギヤ41が反r1方向に回転し、この第4ギヤ41に噛み合う第1作動ギヤ42及び第2作動ギア51が反r2方向に回転する。従って、円筒カム34が反r2方向に回転する。このため、位置決め部材62aは、作用案内部57の第1傾斜部57aを経て退避案内部56に到達する。そして、図7に示すように円筒カム34がクリーニング開始位置まで回転されると、係止部材54が回転規制溝53の端部53aに当接する。これにより、円筒カム34の回転が規制されて、円筒カム34は反r1方向に回転しなくなり停止する。その後、駆動モータ31の回転が停止される。
【0057】
次に、普通紙の代わりにCD−ROMなどの厚いターゲットTに印刷を行う場合について述べる。プリンタ11は、ターゲットTが送りモータ14によって導入されると、前記厚みセンサがターゲットの厚みを検出する。そして、プリンタ11は、ターゲットの厚みが厚いと判断すると、前記可逆モータMを駆動させて前記アームレバー29を回動させる。これにより、キャリッジ20は、図2(a)の状態から高さH上昇した図2(b)の状態となる。すなわち、プラテン13から記録ヘッド23までの距離PG1がそれよりも大きい距離PG2に変更される。
【0058】
その後、クリーニング動作において、駆動モータ31が正回転した後に逆回転する際には、キャリッジ20が上側位置にあるので、駆動モータ31は、待機案内部58の待機部58bのエンド壁面から175°ではなく、150°回転させた後に一時停止する。すなわち、角度θ=50°回転した状態で一時停止する。これにより、図10に示すように位置決め部材62aはカム溝55の第2位置案内部57dに位置し、保持部材62は第2作用位置に案内され、ワイパ部材63は記録ヘッド23に対して所定高さD上側に位置している。従って、プラテン13から記録ヘッド23までの距離PG1が、距離PG2に変更されても、ワイパ部材63の先端から記録ヘッド23までの距離は、常に一定の高さDとすることができ、この状態でワイパ部材63は払拭清掃を行う。
【0059】
なお、再び薄いターゲットTを印刷するために、ターゲットTがプリンタ11に導入されると、厚みセンサによりその厚みが検出されて、アームレバー29に連結される可逆モータMを逆回転する。これにより、記録ヘッド23は図2(b)に示される上側位置から図2(a)に示される下側位置に降下される。そして、この状態でクリーニングが行われる場合には、正回転した駆動モータ31は、待機部58bのエンド壁面から175°回転した状態で一時停止する。このため、ワイパ部材63は、常に一定の高さDで記録ヘッド23の払拭清掃を行う。
【0060】
本実施形態のプリンタ11によれば、以下のような効果を得ることができる。(1)本実施形態では、プラテン13から記録ヘッド23までの距離PG1が短いときには、ワイパ部材63の保持部材62を第1作用位置とし、距離PG2が大きいときには、保持部材62を第2作用位置とした。すなわち、距離PG1,PG2に応じて、ワイパ部材63の昇降位置を調節した。このため、記録ヘッド23が昇降されて距離PG1,PG2が変更されても、記録ヘッド23とワイパ部材63との距離を、同じ高さDにすることができる。このため、記録ヘッド23に対するワイパ部材63の干渉量を一定にすることができるので、ワイパ部材63は常に良好に記録ヘッド23を払拭清掃することができる。従って、記録ヘッド23は常に良好な状態でインクを噴射することができる。
【0061】
(2)本実施形態では、ワイパ部材63を支持する保持部材62に、円筒カム34の回収に形成されたカム溝55を摺動することにより上下方向に案内される位置決め部材62aが連結されている。このため、円筒カム34が回転することにより、位置決め部材62aがカム溝55を摺動して、ワイパ部材63が昇降される。従って、簡単な構成で、ワイパ部材63の位置は、円筒カム34が回転することにより容易に調節可能である。
【0062】
(3)本実施形態では、プラテン13から記録ヘッド23までの距離PG1,PG2は、記録ヘッド23を昇降させることにより調節した。すなわち、キャリッジ20のみを昇降させるため、大きな負荷をかけることなく容易にプラテン13から記録ヘッド23までの距離PG1,PG2を調節することができる。
【0063】
(4)本実施形態では、カム溝55は、キャリッジ20が上方を通過しても当接しない退避案内部56と、保持部材62を第1作用位置とする第1位置案内部57b及び第2作用位置とする第2位置案内部57dとを有している。位置決め部材62aが退避案内部56に位置してワイパ部材63が記録ヘッド23と離隔した退避位置にあるときに、記録ヘッド23がワイパ部材63の上方を通過するので、ワイパ部材63は、記録ヘッド23から力を受けることがない。このため、ワイパ部材63には不必要な力が加わらないので長寿命とすることができる。
【0064】
また、カム溝55は、第1位置案内部57b及び第2位置案内部57dは、円筒カム34の外周に形成された水平部を有している。すなわち、位置決め部材62aが摺動してワイパ部材63の位置決めを行う第1及び第2位置案内部57b,57dが所定長さの水平部となっている。このため、円筒カム34が一時停止する回転角度に誤差があったとしても、ワイパ部材63の位置は所定の高さに昇降される。すなわち、円筒カム34の回転が厳密に制御されて停止されなくても、ワイパ部材63を所定の位置に調節することができる。
【0065】
(5)本実施形態では、距離PG1,PG2に基づいて、クリーニング装置30の一部分であるワイピング装置35のみを昇降させた。このため、クリーニング装置30全体を昇降するよりも、小さな負荷で容易にワイパ部材63を昇降させることができる。
【0066】
(6)本実施形態では、導入されるターゲットTの厚みをプリンタ11が自動判別することにより、プラテン13から記録ヘッド23の距離PG1,PG2を調節するとともに、ワイパ部材63の位置を調節した。このため、ワイパ部材63が記録ヘッド23を良好に払拭除去することができるとともに、ユーザによる距離PG1,PG2の調節を不要として、良好にターゲットTにインクをより良好に噴射することができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した液体噴射装置の第2実施形態を図11に基づいて説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のカム溝55の形状が異なるのみであるので、同様の部分については上記第1実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0068】
本実施形態のカム溝55は、円筒カム34の下側に位置する退避案内部66と、この退避案内部66から斜め上方に形成された作用案内部67、この作用案内部67から周方向に形成された待機案内部68とから構成されている。本実施形態における作用案内部67は、上記第1実施形態と異なり直線状に形成されている。作用案内部67は、角度θ=25°回転したときに上記第1実施形態の第1位置案内部57bと同じ高さとなっており、50°回転したときに上記第1実施形態の第2位置案内部57dと同じ高さとなる。すなわち、駆動モータ31が逆回転するときに上記第1実施形態と同様な回転角度で一時停止すると、カム溝55に挿入されている位置決め部材62aを介して保持部材62は、第1作用位置又は第2作用位置を取り得る。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と異なり待機案内部68は上側位置に形成されている。しかし、位置決め部材62aが待機案内部68に位置しているときには、キャリッジ20はキャップ45に対向する位置に移動しており、ワイパ部材63の上方を通過することがないので、ワイパ部材63が上側位置にあっても記録ヘッド23から力を受けることがない。
【0069】
本実施形態によれば、上記(1)〜(3)及び(6)に記載の効果と同様な効果を得ることができるとともに、以下の効果を得ることができる。
(7)本実施形態では、カム溝55は、周方向に延びる退避案内部66及び待機案内部68と、これらを直線で接続する作用案内部67とから構成されている。すなわち、カム溝55は、上記第1実施形態と比べて簡単な形状をしているため、円筒カム34にカム溝55を簡単に成形することができる。
【0070】
(8)本実施形態では、位置決め部材62aの作用位置を決定する作用案内部67は、一直線に傾斜している。このため、ワイパ部材63が記録ヘッド23を払拭清掃するときに円筒カム34が一時停止する位置、すなわち駆動モータ31の回転角度を調節することができる。従って、ワイパ部材63が記録ヘッド23を払拭清掃するより最適な位置を、駆動モータ31が一時停止する回転角度を微調節するという簡単な操作だけで得ることができる。
【0071】
(変更例)
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記各実施形態においては、クリーニング開始時の最下部となる退避案内部56に近いほうに、作用位置としては低い第1作用位置を設け、これよりも高い第2作用位置を待機案内部58側に設けた。もちろん、退避案内部56側に、作用位置として高い第2作用位置を設け、待機案内部58側に作用位置としては低い第1作用位置を設けるようにしてもよい。
【0072】
○上記第1実施形態において、作用案内部57の水平部となる位置案内部57b,57dを更に多く設けること。また、上記第2実施形態において、逆方向に回転したときの駆動モータ31の停止時期を精度よく調節すること。これにより、プラテン13と記録ヘッド23との距離PG1(PG2)が無段階に調節可能であっても、これに応じてワイパ部材63と記録ヘッド23との距離を所定高さDとすることができる。従って、ワイパ部材63は記録ヘッド23を良好に払拭清掃することができる。
【0073】
○上記各実施形態において、記録ヘッド23の代わりに、プラテン13が昇降することにより距離PG1,PG2が変更されるプリンタ11にすること。このとき、プラテン13とともに、クリーニング装置30が昇降する場合には、ワイパ部材63の記録ヘッド23に対する高さを一定の高さDとすることができ、記録ヘッド23を良好に払拭除去することができる。
【0074】
○上記各実施形態において、カム溝55の待機案内部58,68の位置を変更すること。待機案内部58,68は、記録ヘッド23がキャップ45と対向しているときに、位置決め部材62aが摺動しているため、ワイパ部材63の高さがどのようになっていても記録ヘッド23から力を受けることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のプリンタの全体斜視図。
【図2】図1のプリンタにおけるプラテンギャップを示す概念側面図。
【図3】図1のプリンタにおけるクリーニング装置の平面図。
【図4】同クリーニング装置の吸引ポンプ側から見た外観斜視図。
【図5】同クリーニング装置の駆動モータ側から見た外観斜視図。
【図6】同クリーニング装置のワイパ部材の非作用位置の正面図。
【図7】同円筒カム及びその周囲の底面図。
【図8】同円筒カムの外周面の要部の展開図。
【図9】同クリーニング装置のワイパ部材の第1作用位置の正面図。
【図10】同クリーニング装置のワイパ部材の第2作用位置の正面図。
【図11】第2実施形態における円筒カムの側面の展開図。
【符号の説明】
23…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、34…回転体としての円筒カム、35…ワイピング装置、55…カム溝、56…退避位置の水平部としての退避案内部、57b,57d…作用位置の水平部としての第1位置案内部、57d…作用位置の水平部としての第2位置案内部、61…ワイパ支持部材、62a…位置決め部材、63…ワイパ部材。

Claims (7)

  1. 液体を噴射する液体噴射ヘッドに当接して、この液体噴射ヘッドを払拭清掃するワイパ部材を備えたワイピング装置において、
    前記ワイパ部材の複数の作用位置を調節するワイパ位置調節手段を設けたことを特徴とするワイピング装置。
  2. ターゲットを支持するプラテンと、
    前記ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドに当接して払拭清掃するワイパ部材と
    を備えた液体噴射装置において、
    前記プラテンから前記液体噴射ヘッドまでの距離に基づいて、前記ワイパ部材の作用位置を調節するワイパ位置調節手段を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  3. ターゲットを支持するプラテンと、
    前記ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドに当接して払拭清掃するワイパ部材と
    を備えた液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドの昇降に基づいて、前記ワイパ部材の位置を調節するワイパ位置調節手段を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項2又は3に記載の液体噴射装置において、
    前記ワイパ位置調節手段は、外周面にカム溝が形成された回転体を有しているとともに、
    前記回転体の回転に伴って前記カム溝を摺動することにより軸線方向に案内される位置決め部材が設けられ、その位置決め部材に前記ワイパ部材を支持するワイパ支持部材が連結されていることを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項4に記載の液体噴射装置において、
    前記回転体に形成された前記カム溝は、
    前記液体噴射ヘッドから離間する退避位置を前記ワイパ部材が取る水平部と、
    前記液体噴射ヘッドに当接する作用位置を前記ワイパ部材が取る複数の所定長さの水平部と
    を有したことを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項4に記載の液体噴射装置において、
    前記回転体に形成された前記カム溝は、
    前記液体噴射ヘッドから離間する退避位置を前記ワイパ部材が取る水平部と、
    前記液体噴射ヘッドに当接する作用位置を前記ワイパ部材が取る傾斜部と
    を有したことを特徴とする液体噴射装置。
  7. ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドにワイパ部材が当接して、前記液体噴射ヘッドを払拭清掃するワイピング方法において、
    前記ターゲットを支持するプラテンから前記液体噴射ヘッドまでの距離に基づいて、前記ワイパ部材の作用位置を調節した後、前記ワイパ部材を前記液体噴射ヘッドに当接して払拭清掃するワイピング方法。
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