JP2003001786A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2003001786A
JP2003001786A JP2001186334A JP2001186334A JP2003001786A JP 2003001786 A JP2003001786 A JP 2003001786A JP 2001186334 A JP2001186334 A JP 2001186334A JP 2001186334 A JP2001186334 A JP 2001186334A JP 2003001786 A JP2003001786 A JP 2003001786A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観意匠が良好な溝状凹部を有し、製造の歩
留りもよい化粧材を提供すること。 【解決手段】 表面に直線状の溝状凹部を有する被着基
材Bの表面に、直線状の溝状模様を有する化粧シートS
を貼着してなる化粧材であって、化粧シートSの溝状模
様は形状が被着基材Bの溝状凹部に対応した直線帯状で
あると共に、濃度が相対的に高濃度の両側部と、該両側
部に挟まれ両側部よりも相対的に低濃度の中央部とから
なり、且つ化粧シートSの溝状模様は被着基材Bの溝状
凹部と位置同調しており、溝状模様の各側部の最外端部
が溝状凹部の各側面部の最外端部よりも内側に位置して
なる構成とする。視覚と触覚のいずれによっても良好に
認識される溝状凹部を表面に有し、外観意匠が良好なも
のとなる。化粧シートと被着基材との貼着時の位置ズレ
(見当誤差)を生じても、見た目に違和感がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内装或いは外装建
材、建具、造作部材、家具等に用いられる化粧材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の化粧材として、被着
基材の表面に化粧シートを積層した構造の化粧材が一般
に広く使用されている。このうち、羽目板、框扉、腰壁
などに好んで用いられるものとして、表面に直線的な溝
状の外観を有する化粧材があり、このタイプの化粧材は
次のような方法で製作されている。
【0003】第1の方法は、化粧シートを貼着した基材
表面に直接基材部にまで達する溝を切削するもの(例え
ば、特開昭54−2307号公報、特開2000−71
696号公報等参照)であり、第2の方法は、平坦平面
状の被着基材上に溝状模様を印刷した化粧シートを貼着
するものである。また、第3の方法は、第2の方法にお
いて、さらに溝状模様部を周囲よりも低光沢(艶消)と
し、視覚的に周囲よりも凹んでいるかの如く見せる(例
えば、実公平5−29294号公報参照)ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術で述べた第1の方法では、切削時に化粧シートが被
着基材から剥がれたり、切削部の化粧シートがささくれ
る等の問題があり、また、切削した溝状凹部は被着基材
が露出するので、被着基材として外観の良好な材料を選
択する必要があり、このため基材の選択肢が減り、価格
も高くなるという問題点がある。また、第2の方法で得
られる化粧材は、溝が平面的であり、溝状の外観再現に
劣る。第3の方法では、第2の方法で得られる化粧材よ
りも平面的外観は改善するが、なお凹部の外観再現は不
十分で、実際手で触ると平面であることが分かってしま
い触覚までは誤魔化せない。
【0005】そこで、予め被着基材の表面に溝状凹部を
切削した後、化粧シートを貼着することを試みたが、化
粧シートで溝状凹部が埋まって溝の深さが浅くなるとと
もに溝の角部の先鋭性も鈍化し、なお十分な溝状凹部の
外観は得られなかった。また、化粧シートの貼着時に、
化粧シートと被着基材との位置がずれると、溝の凹凸と
絵柄が一致せずに不良品となるため、貼着加工に高い精
度を必要とし、化粧材の製造歩留りが悪い。
【0006】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、外観意匠が
良好な溝状凹部を有し、製造の歩留りもよい化粧材を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の化粧材は、表面に直線状の溝状凹部を有
する被着基材の表面に、直線状の溝状模様を有する化粧
シートを貼着してなる化粧材であって、化粧シートの溝
状模様は形状が被着基材の溝状凹部に対応した直線帯状
であると共に、濃度が相対的に高濃度の両側部と、該両
側部に挟まれ両側部よりも相対的に低濃度の中央部とか
らなり、且つ化粧シートの溝状模様は被着基材の溝状凹
部と位置同調しており、溝状模様の各側部の最外端部が
溝状凹部の各側面部の最外端部よりも内側に位置してな
ることを特徴としている。
【0008】また、上記構成の化粧材において、溝状模
様の幅WP と、溝状凹部の底部の幅WTbと、溝状凹部の
各側面部の幅WTS1 、WTS2 との間に、 WTb<WP <(WTb+WTS1 +WTS2 ) の関係が成立し、且つ溝状模様の各側部の最外端部が溝
状凹部の各側面部の最外端部よりも内側に位置すること
が好ましい。
【0009】また、上記構成の化粧材において、溝状模
様の各側部が、より内側に位置し、全面均一濃度の均一
濃度側部と、より外側に位置し、内側の均一濃度側部に
接する部分は均一濃度側部と同濃度であり、外側に行く
に従って濃度が連続的に低下していき、外端部よりも外
側では濃度0となる連続濃度階調側部とからなるように
することもできる。
【0010】また、上記構成の化粧材において、溝状模
様の中央部が、溝状模様の走行方向と直行する多数の線
分状の模様を有するものとしてもよいし、さらには、溝
状模様に加えて其の他の模様が形成されてなるものとし
てもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の化粧材の一例を示
す斜視図、図2は図1の化粧材を構成する被着基材の断
面図とそれに形成した溝状凹部の説明図、図3は同じく
化粧シートの平面図である。
【0012】〔被着基材〕被着基材Bは、図2の如く化
粧シートSを被着する側の表面に直線状の溝状凹部TB
を有し、この溝状凹部TB は、底部Tb とその両側の側
面部Ts とからなる。すなわち、被着基材表面の平坦部
Fから垂直、或いは傾斜しつつ底部Tb に向かって側面
部Ts が下降した形状である。通常、左右の側面部Ts
の幅WTS1とWTS2 は等しいが、勿論等しくなくてもよ
い。
【0013】この溝状凹部TB は、化粧材Dにおいて、
羽目板、サイジング材、床板等の目地溝、扉、家具等の
意匠表現のための切削溝、或いは部材繋合のための凹部
等を外観再現するためのものであり、例えば、図12に
示す例のように被着基材B上に1条のみ形成されていて
もよいし、或いは図13に示す例のように被着基材B上
に2条以上形成されていてもよい。いずれにしても、意
匠外観、機能等の要求に従って、必要な数だけ形成すれ
ばよい。
【0014】溝状凹部TB は、成形済みの被着基材に、
フライス盤(ルーター)、鑿等によって切削したり、プ
レス成形(乃至エンボス加工)したりして形成できる
し、或いは、予め成形型に溝状凹部と同形状で逆凹凸の
凸条部を形成しておき、被着基材の成形加工と同時に形
成することもできる。
【0015】そして、被着基材の全体形状(包絡面形
状)は、平板のほか、被着面が段差のある凹凸面、彎曲
した曲面、或いはこれらの組み合わせからなる形状等で
あり、それらの表面における所望の部分の、所望の位置
に、所望の形状の溝状凹部を形成する。
【0016】被着基材の材質については特に限定はな
い。例えば、木質系、無機非金属系、金属系、プラスチ
ック系等任意である。具体的には、木質系では、例え
ば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合
板、パーティクルボード、繊維板、集成材等がある。ま
た、無機非金属系では、例えば、押し出しセメント、ス
ラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GR
C(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木
片セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウム、石膏、
石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁
器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質材
料がある。また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウ
ム、銅等の金属材料がある。また、プラスチック系で
は、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール
樹脂、各種FRP(繊維強化プラスチックス)等の樹脂
材料がある。
【0017】なお、被着基材には、必要に応じ適宜、公
知の目止め処理、シーラー処理、易接着処理、着色塗装
処理等の下地処理を施しておいてもよい。もちろん、こ
れらの処理は、接着剤層を被着基材側に形成する場合に
は、この接着剤層の形成前に行う。
【0018】〔化粧シート〕化粧シートSは、直線帯状
の溝状模様Pを有し、この溝状模様Pは、側部PS1及び
S2と中央部PC とからなる。
【0019】なお、溝状模様Pの色調は、相対的に側部
S1及びPS2の濃度を中央部PC の濃度よりも濃くする
(高濃度とする)。ここで「濃度」とは、該模様の光反
射率(或いは透過率)の逆数の常用対数として定義され
る値である。すなわち、該模様に対する入射光の強度を
O 、反射光の強度をIR (或いは透過光の強度を
T )としたときに、反射濃度dR =LOG10(IO
R )、或いは、透過濃度dt =LOG10(IO
T )として定義される。わかりやすく言えば、両側部
は中央部よりも、暗くて濃い色調とすればよい。このよ
うにすることにより、溝状凹部の両側部或いは両側部か
ら底部にかけて、陰翳が付与されたような外観となり、
凹部の外観が自然となる。加えて、コントラスト付与に
より、溝状凹部の輪郭と深さが視覚的に鮮明に強調され
る。
【0020】溝状模様Pは、一般に、黒(乃至灰色の無
彩色)、茶褐色、或いは黄褐色といった系統の色調とす
る場合が多いが、この他、紺色、深緑、臙脂等の色調に
することもできる。また更に、シリカ、炭酸カルシウム
等の粉末からなる艶消剤を添加したインキを用いて印刷
し、溝状模様Pをそれ以外の部分よりも低光沢(艶消)
とすることもできる。このようにすると、溝状凹部の深
さを視覚的に強調し、また外観もより自然なものとな
る。
【0021】溝状模様Pは、側部PS1及びPS2と中央部
C 共に、通常はベタ印刷とする場合が多いが、その他
の模様も可能である。特に中央部PC は、砂目、梨地、
ヘアライン、万線等の模様にすることも多い。
【0022】本発明の溝状模様の1態様として、図6或
いは図12に示す如く、万線、ヘアライン等の多数の線
状模様PCLとし、且つ該線状模様の走行方向を、該溝状
模様の走行方向と直行するY方向とした態様がある。こ
のように溝状模様を構成すると、視覚的効果によって、
該溝状模様がより明瞭、先鋭(シャープ)になり、溝も
実際の深さよりも深く感じられて好ましい。その理由は
定かではないが、互いに直行して走行する側部PS と中
央部PC とが、互いに他を視覚的に引き立て合い、強調
し合うためと考えられる。
【0023】化粧シートSの層構成は、図4(A),
(B)に示すように、基材シート1と少なくとも溝状模
様Pからなる模様層2とから構成される。
【0024】基材シート1は、溝状模様Pの印刷適性を
有し、且つ被着基材への貼着加工時の圧或いは熱圧で溶
融や破断せずに、被着基材の溝状凹部に追従成形可能な
可撓性を有するシートであれば特に制限は無く、従来公
知のものの中から用途に応じて選択すればよい。熱可塑
性樹脂シートの方がより好ましいが、紙、不織布、或い
は金属箔でも使用可能である。但し、これらは、目的と
する意匠表現、用途等によって適宜選択するものであ
る。
【0025】上記の如き可撓性を有するような基材シー
トとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、エチレン−テレフタレート
−イソフタレート共重合体、エチレングリコール−1,
4−シクロヘキサンジメタノール−テレフタル酸共重合
体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性
ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱
可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
ビニルアルコール共重合体、アクリル樹脂、ポリアミド
樹脂等の樹脂フィルム(シート)、或いは上質紙、薄葉
紙等にポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂
層を積層した塗工紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、等に
よる単層体又は積層体を用いる。
【0026】基材シート1の厚さは、用途、要求物性等
に応じた厚さとすればよいが、化粧シートを被着基材の
溝状凹部の形状に追従せしめるためには、薄い方が好ま
しい。ただし、薄すぎると化粧シートSの機械的強度が
低下するので、溝状凹部の深さ、或いは材料にもよる
が、通常は20〜200μm程度とする。
【0027】模様層2は、図4(A)に示す如く基材シ
ート1の裏面側に設けてもよいし、図4(B)に示す如
く基材シート1の表面側に設けてもよい。特に、模様層
2の耐摩耗性、耐汚染性、耐候性等の耐久性を高くした
い場合は、基材シート1の裏面側とし、基材シート1を
模様層2の保護層として利用することが好ましい。ただ
し、基材シート1の裏面側に模様層2を形成する場合
は、当然、基材シート1としては透明なものを選択す
る。
【0028】模様層2は、図5及び図6に例示するよう
に、溝状模様Pに其の他の模様PMを加えたものとして
もよい。このような其の他の模様PM としては、図5や
図6に図示するような木目模様の他、石目模様、布目模
様、砂目模様、幾何学模様、ヘアライン、文字、全面ベ
タ、或いはこれらのうちの異種のもの2種以上の組み合
わせ等が用いられる。
【0029】模様層の形成方法としては、例えば、グラ
ビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、イ
ンキジェットプリント、手描き等の従来公知の方法と材
料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、クロム、
金、銀等の金属、金属化合物、或いは合金を公知の蒸着
法等を用いて部分的に或いは全面に形成した金属薄膜層
等であり、用途に合わせたものが用いられる。
【0030】なお、模様層形成用のインキは、一般的な
インキ同様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や
染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からな
る。バインダーの樹脂には、例えば、アクリル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セ
ルロース系樹脂、ウレタン樹脂等を1種又は2種以上の
混合物として用いる。着色剤としては、チタン白、カー
ボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリ
ンブラック、キナクリドンレッド、イソインドリノンイ
エロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料、アルミニ
ウム箔粉、二酸化チタン被覆雲母等の箔粉等の光輝性顔
料、或いはその他染料等を用いる。
【0031】〔溝状凹部と溝状模様との位置関係〕化粧
シートSを被着基材B表面に貼着する場合、化粧シート
Sの溝状模様Pが被着基材Bの溝状凹部TB に同調する
(一致する)ように位置合わせをする。位置合わせ(見
当合わせ)の方法は、公知の手段によればよく、目視確
認と手作業、或いは光電管等のセンサーで化粧シート上
の見当マークを検知し、化粧シートS或いは被着基材B
の送りを制御する方法等を適宜採用する。
【0032】本発明においては、溝状模様Pの幅W
P と、溝状凹部TB の底部の幅WTbと、溝状凹部TB
各側面部の幅WTS1 、WTS2 の関係を、WTb<WP
(WTb+W TS1 +WTS2 )の如く設定する。また、溝状
模様Pの側部の幅WPS1 、WPS2 及び中央部の幅W
PC(図3)については、全幅WP が前記不等式を満たす
範囲内において適宜配分を決める。通常、溝状模様の中
央部の幅WPCは、溝状凹部の底部の幅WTbとほぼ等しい
幅となるようにする。
【0033】ここで、WP <(WTb+WTS1 +WTS2
は、溝状凹部TB の内周部に沿って測った凹部の実効幅
に相当し、溝状模様Pの模様の幅を該実効幅よりも狭く
することを意味する。且つ該溝状模様の両側部の最外端
部が該溝状凹部の各側面部の最外端部よりも内側に位置
するようにする。これは即ち、図7(A)〜(C)に示
す位置関係のように、溝状凹部TB 外に溝状模様Pが逸
脱しないようにすることを意味する。もしも図8(A)
〜(C)に示す如く溝状凹部TB の外に溝状模様Pが逸
脱すると溝状凹部TB と溝状模様Pの不一致が目視で明
確となり、極めて不自然な外観を呈するからである。
【0034】また、WP <(WTb+WTS1 +WTS2 )な
る関係に設定することは、即ち、化粧シートを被着基材
に貼着する際の化粧シートと被着基材との間の見当合わ
せの誤差を吸収できるようにすることを意味する。そし
て、左右幅方向の最大許容見当誤差が、ΔY=±ΔW=
±〔{(WTS1 +WTS2 )+WTb}−WP 〕/2とな
る。
【0035】この点を詳しく説明する。WP <(WTb
TS1 +WTS2 )に設定した場合、図7(A)のよう
に、溝状凹部TB の幅方向中心と溝状模様Pの幅方向中
心とが一致した状態が本来理想的位置関係である。そこ
で、この状態を見当(合わせの)誤差ΔY=±0とす
る。なお、溝状凹部TB を横断する方向をY軸とし、向
かって右方向を+方向とする。
【0036】今、図7(B)のように、被着基材Bに対
して化粧シートSが、左(−Y)方向に最大、ΔY=−
ΔW=−〔{(WTS1 +WTS2 )+WTb}−WP 〕/2
だけ変位すると、初めて溝状模様Pの左側部の最外端部
が溝状凹部TB の左側面部の最外端部と一致する。従っ
て、これが左方向の最大許容見当誤差左(−Y方向)に
なる。
【0037】一方、図7(C)のように、被着基材Bに
対して化粧シートSが、右(+Y)方向に最大、ΔY=
+ΔW=+〔{(WTS1 +WTS2 )+WTb}−WP 〕/
2だけ変位すると、初めて溝状模様Pの右側部の最外端
部が該溝状凹部TB の右側面部の最外端部と一致する。
従って、これが右方向の最大許容見当誤差右(+Y方
向)になる。
【0038】左右幅方向の最大許容見当誤差ΔY=±Δ
Wを単に大きくすることだけを考えるならば、溝状模様
Pの幅WP は極力小さい方がよいことになる。しかし、
余り小さ過ぎて、図9(A),(B)の如く、WP ≦W
Tbになると逆にまた外観が不自然となるとともに見当の
最大許容誤差が殆どなくなる。
【0039】先ず、図9(A)の如くWP =WTbの場合
を考える。丁度、溝状凹部TB の幅方向中心と溝状模様
Pの幅方向中心とが一致し、見当(合わせの)誤差ΔY
=±0の場合は、溝状凹部TB の底部の両側部に濃度の
高い側部PS1、PS2 が位置し、溝状凹部TB の底部の
両端部と模様の両端部は一致する。そのため、この状態
であれば外観の不自然さはない。
【0040】しかし、ここから左右、例えば右(+Y)
方向に僅かでも化粧シートSが変位すると、図9(B)
の如く、底部の左端に凹部の陰影以外の部分が位置し、
また陰影自体も底部の中央部(本来陰影の少ない箇所)
に移動する。そのため溝状凹部の外観は不自然となる。
なお図示は省くが、化粧シートSが左(−Y)方向に変
位した場合も同様である。したがって、WP >WTbであ
ることが好ましい。
【0041】さらに、念のため、WP ≧(WTb+WTS1
+WTS2 )の場合を考察する。この場合は、図8(A)
の如く、丁度、溝状凹部TB の幅方向中心と溝状模様P
の幅方向中心が一致し、見当(合わせの)誤差ΔY=±
0の場合でも溝状凹部TB の外側に、溝状模様Pの両側
部PS1、PS2が逸脱する。これは、本来陰影のないはず
の溝状凹部TB の外部に陰影が存在するように見えて不
自然であり、好ましくない。
【0042】化粧シートを左方向に、ΔY=−W’=
〔{WP −{WTS1 +WTS2 )+WTb}〕/2だけ変位
させると、右側では溝状模様の側部(陰影)の逸脱はな
くなる。しかし、その代わり、左側では該側部(陰影)
の逸脱は一層増大する。同様に、化粧シートを右方向に
ΔY=+ΔW’変位させると、逆に今度は左で該側部
(陰影)の逸脱が無くなるが、代わりに右側で該側部
(陰影)の逸脱が増大する。従って、WP ≧(WTb+W
TS1 +WTS2 )の場合は、本発明としては許容できな
い。
【0043】図10(A)に示す化粧シートSは、仮
に、位置同調(見当合わせ)の誤差により、溝状模様P
の両側部の最外端部のいずれかが溝状凹部TB の各側面
部の最外端部よりも外側に逸脱したとしても、目視での
判別を難しくするのに好適な態様の1例である。すなわ
ち、溝状模様Pの側部PS1が、より外側に位置する連続
濃度階調側部PS1 GRADと、より内側に位置する均一濃度
側部PS1 UNIFとからなる。そして、均一濃度側部PS1
UNIFは全面同一濃度のベタ調の直線帯状領域であり、連
続濃度階調側部PS1 GRADは内側の均一濃度側部に接する
部分は該均一濃度側部と同濃度(且つ同色相、同彩度)
であり、外側にいくに従って濃度は連続的に低下してい
き、連続濃度階調側部PS1 GRADの外端部よりも外側では
濃度0となる。また、溝状模様Pの側部PS2も、より外
側に位置する連続濃度階調側部PS2 GR ADと、より内側に
位置する均一濃度側部PS2 UNIFとからなる。
【0044】なお、図10(A)に図示した態様では、
両側部PS1及びPS2の内側端部(P S1 UNIF及びPS2 UNIF
の内側端部)において均一濃度から不連続的に濃度が0
になっている。もちろん、両側部PS1及びPS2の内側端
部においても外側端部と同様に連続濃度階調側部を形成
してもよい。ただし、溝状模様Pの内側端部は溝状凹部
内部で影になり、且つ目立ちにくい物品のため、必ずし
も連続濃度階調側部を形成することは必要ではない。む
しろ、内側端部は濃度を不連続にした方が溝状凹凸の深
さを視覚的に強調できて好ましい。そして、同様に、均
一濃度側部PS2 UNIFは全面同一濃度のベタ調の直線帯状
領域であり、連続濃度階調側部PS2 GRADは内側の均一濃
度側部に接する部分は該均一濃度側部と同濃度(且つ同
色調、同彩度)であり、外側にいくに従って濃度は連続
的に低下していき、連続濃度階調側部の外端部よりも外
側では濃度0となる。
【0045】斯かる態様における作用効果を側部PS1
場合について説明する(側部PS2についても同様)。図
10(B)に示すように、化粧シートSが被着基材Bに
対してY方向(幅方向右側)に+ΔY(図で、右方向に
ΔY)だけ正規の位置からズレを生じたとする。もし、
図1(A)に示す化粧シートSのように、溝状模様Pの
側部PS1濃度が、外側端部において不連続的に所定の均
一濃度から0に変化していると、前記の如く、左右幅方
向に最大許容見当誤差ΔY=±ΔWを採ったとしても、
もし化粧シート貼着工程でΔY>ΔWなる見当誤差を生
じた場合、被着基材上の溝状凹部外側において、側部P
S1が、ΔY’=ΔY−ΔWの分だけ右側(Y方向)に逸
脱する。この逸脱部分は被着基材の平坦部であるため、
非常に目立ち、見当誤差(位置ズレ)が明瞭となってし
まう。
【0046】一方、図10(A)に示す化粧シートSの
ように、側部PS1の外側部分が連続濃度階調側部PS1
GRADとなっていると、図10(B)に示す如く、連続濃
度階調側部PS1 GRADの外側端部においては、側部PS1
濃度が連続的に側部PS1外部の其の他の模様PM 部の濃
度に漸近していくため、逸脱した部分の存在が視覚的に
認識しにくい。また、前記した如く、均一濃度側部PS1
UNIFと中央部PCLとの境界は、溝状凹部TB の側面部T
S に移動するが、該側面部TS は狭い溝状凹部の中で、
しかも正面からの視線方向に対する断面積も小さく、且
つ影にもなる部位のため、該境界線は視覚的には殆ど目
立たない。また、図で左側にある均一濃度側部PS2 UNIF
の内側端部が溝状凹部TB の底部Tb 内に移動するが、
これも狭い溝状凹部の中で、しかも影になる部位のた
め、やはり目立たない。よって、図10(A)に図示の
如き化粧シートSは、被着基材Bとの貼着時における見
当誤差についての許容幅がより一層大となる。
【0047】〔化粧シートの被着基材への貼着方法〕化
粧シートを被着基材に貼着する場合、通常は、接着剤層
を間に介して貼着(接着積層)する。ただし、化粧シー
トもしくは被着基材自体に接着性がある場合は接着剤な
しで貼着してもよい。接着剤は、化粧シート側、被着基
材側、或いは化粧シート側と被着基材側との両方に形成
する。
【0048】接着剤としては、ポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体の酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアク
リル樹脂(但し、(メタ)アクリルとはアクリル又はメ
タクリルを意味する。)、ポリアミド樹脂、塩素化ポリ
プロピレン、熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂、
熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂等の熱硬化型樹脂等が用いられる。
【0049】なお、前記熱硬化型ウレタン樹脂は、通
常、2液硬化型ウレタン樹脂として、ポリオールを主剤
とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタ
ン樹脂を使用する。ポリオールとしては、分子中に2個
以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオ
ール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、
分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソ
シアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシ
アネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレ
ンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネー
ト、或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体、又
は多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジイ
ソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量
体(trimer)等がある。
【0050】また、これらのイソシアネートをブロック
化したブロックイソシアネートとして用い、加熱により
ブロックを解除して反応を開始させてもよい。ブロック
イソシアネートは、上記イソシアネートを、アルコール
類、フェノール類、アミン類等のブロック剤と一時的に
反応させ、イソシアネート基の反応性を阻止(ブロッ
ク)した化合物である。通常、ブロック剤の解離温度を
適度な温度領域まで低下させるために、解離触媒とし
て、金属石鹸、アミン類等の公知の物を用いる。
【0051】接着剤の塗工量は、被着基材及び化粧シー
トの材料、接着剤の材料、要求する接着力、物性等によ
って異なるが、通常5〜100g/m2 程度である。
【0052】化粧シートの被着基材に対する貼着方法
は、真空成形法、ローラー加圧法等の方法による。
【0053】真空成形法は、特公昭56−45768号
公報、特公昭60−58014号公報に開示されるよう
に、被着基材の表面に接着剤層を介して化粧シートを載
置し、被着基材側からの真空吸引による圧力差によっ
て、化粧シートを被着基材の表面に該表面形状追従させ
て貼着せしめる方法である。必要に応じて、加圧手段を
併用してもよい。例えば、被着基材とは反対の側から化
粧シートに加圧空気による圧力の印加(所謂『真空圧空
成形』)を行うか、或いはゴム膜による加圧(所謂『真
空プレス成形』)を行う。通常は、真空吸引に先立っ
て、化粧シートを赤外線輻射ヒーター等により加熱軟化
せしめる。
【0054】ローラ加圧法としては、ラミネート面が平
面の場合には、(通常は)一本の押圧ローラ(ラミネー
トローラ)で化粧シートを被着基材に押圧し貼り付ける
通常の所謂ローラ加圧法があり、ラミネート面が複数の
側面からなる柱状の基材に対しては、複数の押圧ローラ
(ラミネートローラ)を用いて対応する所謂ラッピング
法(特公昭61−5895号公報、特公昭57−518
3号公報、特公昭59−51898号公報等参照)があ
る。そして、溝状凹部内に追従させて化粧シートを貼着
せしめるためには、特公昭57−5183号公報に開示
されるように、ラミネートローラの表面に溝状凹部に嵌
合し得る凸条部を設けることが好ましい。或いは、ラミ
ネートローラの表面をJISゴム硬度60°以下の軟質
ゴムとしたローラーを用いることも好ましい態様の1つ
である。
【0055】図11はラッピング法を適用した貼着方法
の一例を示す概略構成図であり、これについて以下に説
明する。
【0056】図11においては、柱状の被着基材Bを複
数の送りローラ10上に載置した状態で、その被着基材
Bの長手方向(矢印方向)に搬送し、被着基材Bの搬送
速度に同調した速度で化粧シートSを被着基材Bに対し
て供給し、ラミネートローラ11a〜11dによって、
化粧シートSを被着基材Bへ押し付け圧着させる。この
ような圧着を被着基材Bの長手方向に略直行又は直行す
るY方向に向かって、小面積毎に段階的に行う。同図で
は被着基材Bのラミネートすべき各側面は、断面が折れ
線形状となるような面であり、各側面は各々単一の平面
をなすので、各側面毎にそれぞれ専用のラミネートロー
ラを用いる。化粧シートSの被着基材Bへのラミネート
は、ラミネートローラ11a、11b、11c、11d
の順に行うことで、隣接する側面に対して小面積毎に順
番に段階的に押し付けてラミネート加工を順次行うよう
にしてある。なお、ラミネートローラは、被着基材Bに
対し、図面手前側に設けた分のみを図示簡略化のために
表示してある。なお、上面のラミネートローラ11a
は、図11(B)にも示すように、表面(加圧面)が円
柱状の平坦部11a1 と被着基材Bの溝状凹部に嵌合し
得る凸条部11a2 とからなる。その他のラミネートロ
ーラは円柱状表面のみからなる。
【0057】なお、ラミネートローラとしては、通常、
鉄(乃至は鉄合金)、銅等の金属ローラ、金属の軸芯の
周囲にシリコンゴム等の弾性体を被覆した弾性体ロー
ラ、或いはセラミックローラ等からなる公知のローラを
用いることができる。
【0058】また、ラミネートローラは、加熱状態で使
用してもよい。こうすれば、化粧シートが溝状凹部内に
追従成形されやすいように、接着剤層や被着基材等を予
め予熱しておくことを省略したり、予熱温度をより低い
温度で行うこともできる。また、逆に、接着剤層や被着
基材等の十分な予熱を行えば、ラミネートローラは加熱
せずに冷却して使用することもできる。なおここで、冷
却とか加熱とか言うのは、ラミネートローラに到達する
直前の化粧シート及び/又は接着剤層の温度に比べて高
い場合を加熱、低い場合を冷却とする。
【0059】そして、化粧シートSを、被着基材B上に
ラミネート加工するべく各ラミネートローラ11a〜1
1dを通過させた後は、化粧シートSが被着基材B上に
積層され、かつ化粧シートSは被着基材Bの溝状凹部内
も含めた所望の表面に貼着された化粧材Dが得られるこ
とになる。
【0060】なお、図11で概念的に示すラミネート加
工装置では、化粧シートSを被着基材Bに押圧しラミネ
ートする時に、接着剤塗工装置12によって接着剤層を
化粧シートS側に形成(適宜行う該層中の溶剤部分の乾
燥、或いは化粧シートの予熱等のための予熱装置は図示
略)できるようにしてある。また、被着基材Bは、熱風
や赤外線ヒータ等による予熱装置13で予熱してから供
給するようにしてもよい。なお、これらのことは、平板
へのラミネートで多用されるローラ加熱法に対して適用
する場合も同様である。
【0061】また、図11において、被着基材Bの予熱
装置13は、被着基材B側に接着剤層を形成する場合に
は、加熱手段が熱風等であれば、接着剤中の溶剤等の揮
発成分の乾燥装置として使用してもよい。同様に、化粧
シートS側に予熱装置を設けてもよく、これを接着剤中
の揮発成分の乾燥装置として使用してもよい。このよう
な予熱装置としては、熱風、赤外線ヒータ、誘電加熱ヒ
ータ等の公知の加熱手段による装置でよい。接着剤中の
有機溶剤の乾燥も兼ねる場合、予熱装置は、防爆、防火
の点から、赤外線ヒータではなく、熱風を用いることが
望ましい。
【0062】〔化粧材の用途〕本発明の化粧材は、建築
物の壁、床、天井等の内装材、外壁等の外装材、箪笥、
机、キャビネット等の家具の表面材、扉、扉枠、窓枠等
の建具の表面材、幅木、腰壁、回縁等の造作部材の表面
材等に用いられる。中でも代表的な例としては、図12
に示すような框扉20のモール材23、図13に示すよ
うな羽目板状化粧材30が挙げられる。
【0063】
【実施例】ここでは、図12に示したタイプの框扉のモ
ール材を例に挙げて具体的に説明する。框扉20は、図
12(A)に示すように、框21(縦框21a、横框2
1b、中框21c)、鏡板22、モール材23、把手2
4、蝶番25から構成される。このうち、モール材23
は、図12(B)の断面斜視図に示すとおりの構造から
なり、各寸法は、a=32mm、b=3mm、c=14
mmである。
【0064】被着基材Bは、材料として中密度繊維板を
用い、図示の如き形状に加工した。即ち、表面に1条の
溝状凹部TB をフライス盤加工により切削し、その溝状
凹部における底部の法線と側面部のなす角度α1 、α2
は両側面部とも30°とした。溝状凹部の各寸法は、図
12(C)で言えば、WTS1 =1mm、WTb=7mm、
TS2 =1mmである。
【0065】化粧シートSとしては、図4(A)の如
く、基材シート1の裏面に模様層2を印刷した化粧シー
トを用意した。基材シート1には、厚さ100μmのポ
リプロピレン系熱可塑性エラストマーのシートを用い
た。そして、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダー樹脂
とし、これに弁柄、黄鉛、カーボンブラックを主体とす
る顔料を添加してなるインキを用い、基材シート1の裏
面に溝状模様P(2)を印刷した。そしてさらに、その
周囲に樫材の木目模様からなる其の他の模様PM を印刷
し、最後に、これらの裏面に2液硬化型ウレタン樹脂を
バインダー樹脂とし、これにチタン白を主体とする顔料
を添加してなるインキを用い、全面に隠蔽ベタ層を印刷
した。これらの印刷は全てグラビア印刷法で行った。
【0066】化粧シートSに形成した溝状模様Pは、図
10(A)に示した如き模様である。図の右側から順
に、幅0.5mmの連続濃度階調側部PS1 GRAD、幅0.
5mmの均一濃度側部PS1 UNIF、幅6mmの中央部
CL、幅0.5mmの均一濃度側部PS2 UNIF、幅0.5
mmの連続濃度階調側部PS2 GRADを配列した全体として
全幅WP =8mmの直線帯状の模様である。
【0067】ここで、連続濃度階調側部PS1 GRADは茶褐
色であり、反射濃度は白色のシート上に該模様のみを単
独で印刷したものを測定した場合(其の他の模様とは重
ね刷りはしない状態)の値で、内側端部(左端)が1.
5、外側端部(右側)が0となるようにした。また、均
一濃度側部PS1 UNIFは、同様の測定法にて、反射濃度が
全面1.5となるようにした。そして、均一濃度側部P
S2 UNIF、連続濃度階調側部PS2 GRADの反射濃度は、同様
の測定法の値において、均一濃度側部PS1 UNIF、連続濃
度階調側部PS1 GRADと左右対称となるようにした。ま
た、中央部PCLの模様は、図示の通り線分状で、インキ
の色は赤褐色とした。
【0068】斯くして得た化粧シートSと被着基材Bを
用い、図11に示したのと同様のラッピング加工機(被
着基材の形状は若干異なる)を使用し、化粧シートSの
溝状模様と被着基材Bの溝状凹部との位置を光学式検知
器により位置同調しつつ、中央部に凸条部11a2 を有
し、両側部が円柱状の平坦部11a1 となったシリコン
ゴム被覆ラミネートローラ11aを用い、溝状凹部内に
おいて化粧シートSを被着基材Bと貼着し、次いで、溝
状凹部以外の被着面上に、順次、押圧ローラ11b,1
1c,11dを用いて化粧シートSを貼着することによ
り、図12(B)の断面斜視図の如く、化粧シートSを
溝状凹部内面も含めて被着基材Bの表面に貼着した。な
お、貼着は化粧シートSと被着基材Bとの間に、酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョンからなる接着剤を介して、化粧
シートSの模様層側が被着基材Bの表面側に対向する向
きで行った。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧材
は、視覚と触覚のいずれによっても良好に認識される溝
状凹部を表面に有し、外観意匠が良好なものとなる。ま
た、従来のように切削により溝状凹部を形成しないの
で、溝状凹部が露出することがなく、被着基材として外
観意匠の良好なものを選択する必要がなく、切削による
化粧シートの剥がれやささくれの心配がない。また、化
粧シートと被着基材との貼着時の位置ズレ(見当誤差)
を生じても、見た目に違和感がなく、加工時の位置合わ
せ精度の許容幅が広くなり、貼着加工時の歩留りも向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の化粧材を構成する被着基材の断面図とそ
れに形成した溝状凹部の説明図である。
【図3】図1の化粧材を構成する化粧シートの平面図で
ある。
【図4】本発明で用いる化粧シートの断面図である。
【図5】溝状模様に其の他の模様を加えた化粧シートの
平面図である。
【図6】溝状模様に其の他の模様を加えた化粧シートの
平面図である。
【図7】被着基材の溝状凹部と化粧シートの溝状模様の
良好な位置関係を示す説明図である。
【図8】被着基材の溝状凹部と化粧シートの溝状模様の
良好でない位置関係を示す説明図である。
【図9】化粧シートの溝状模様の幅が小さい場合の位置
関係を示す説明図である。
【図10】本発明の化粧材の好ましい一例を示す説明図
である。
【図11】ラッピング法を適用した貼着方法の一例を示
す概略構成図である。
【図12】本発明の化粧材の代表的な例としての框扉を
示す説明図である。
【図13】本発明の化粧材の代表的な例としての羽目板
状化粧材を示す説明図である。
【符号の説明】
B 被着基材 D 化粧材 S 化粧シート 1 基材シート 2 模様層 10 送りローラ 11a〜11d ラミネートローラ 11a1 平坦部 11b2 凸条部 12 接着剤塗工装置 13 予熱装置 20 框扉 21 框 22 鏡板 23 モール材 24 把手 25 蝶番 30 羽目板条化粧材 TB 溝状凹部 Tb 底部 Ts 側面部 P 溝状模様 PS1、PS2 側部 PC 中央部 PCL 線状模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA57 AB03 AB04 AB05 AB22 BA02 BB22 BC12 DC21 GA33W GA33Y GB02Y GB16Y GB17Y GB23Y GB28Y GB42Y GB62Y 4F100 AT00A BA02 BA23 DD05A GB08 HB06B HB26B JK06 JL00 JL01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に直線状の溝状凹部を有する被着基
    材の表面に、直線状の溝状模様を有する化粧シートを貼
    着してなる化粧材であって、化粧シートの溝状模様は形
    状が被着基材の溝状凹部に対応した直線帯状であると共
    に、濃度が相対的に高濃度の両側部と、該両側部に挟ま
    れ両側部よりも相対的に低濃度の中央部とからなり、且
    つ化粧シートの溝状模様は被着基材の溝状凹部と位置同
    調しており、溝状模様の各側部の最外端部が溝状凹部の
    各側面部の最外端部よりも内側に位置してなることを特
    徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】 溝状模様の幅WP と、溝状凹部の底部の
    幅WTbと、溝状凹部の各側面部の幅WTS1 、WTS2 との
    間に、 WTb<WP <(WTb+WTS1 +WTS2 ) の関係が成立し、且つ溝状模様の各側部の最外端部が溝
    状凹部の各側面部の最外端部よりも内側に位置すること
    を特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 【請求項3】 溝状模様の各側部が、より内側に位置
    し、全面均一濃度の均一濃度側部と、より外側に位置
    し、内側の均一濃度側部に接する部分は均一濃度側部と
    同濃度であり、外側に行くに従って濃度が連続的に低下
    していき、外端部よりも外側では濃度0となる連続濃度
    階調側部とからなることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の化粧材。
  4. 【請求項4】 溝状模様の中央部が、溝状模様の走行方
    向と直行する多数の線分状の模様を有するものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧
    材。
  5. 【請求項5】 溝状模様に加えて其の他の模様が形成さ
    れてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の化粧材。
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