JP2000015994A - ラッピング転写法 - Google Patents

ラッピング転写法

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JP2000015994A
JP2000015994A JP10183538A JP18353898A JP2000015994A JP 2000015994 A JP2000015994 A JP 2000015994A JP 10183538 A JP10183538 A JP 10183538A JP 18353898 A JP18353898 A JP 18353898A JP 2000015994 A JP2000015994 A JP 2000015994A
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JP10183538A
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Michiko Nezu
美智子 根津
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラッピング転写法で化粧材等を得る場合に、
通常のラッピング機を使用して凹凸模様を賦形する。 【解決手段】 支持体シート1と絵柄転写層2とからな
る絵柄転写シートSを、柱状基材Bの複数の側面に順次
ローラRで加圧して積層後、支持体シートを剥離して、
絵柄転写層を柱状基材に転写後、その上に、ラジカル重
合型の熱硬化性樹脂の未硬化物からなる凹凸受容樹脂層
5を形成し、更に次に、基材シート6に硬化抑制層7が
パターン状に形成された賦形シートEを、複数の側面に
順次ローラRで加圧して積層し、その状態で凹凸受容樹
脂層を加熱硬化させた後、賦形シートを剥離して硬化抑
制層に接する凹凸受容樹脂層の未硬化部分8を除去し
て、凹凸模様9を凹凸受容樹脂層に賦形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扉、窓枠、敷居等
の建具、壁等の内装材、或いは家具等の建材に使用し、
木目導管溝等の凹凸模様を有する柱状化粧材等の転写製
品を製造するラッピング転写法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、柱状基材を用いた化粧材が、複数
の押圧ローラを用いて各側面に順次段階的にシートを積
層していく所謂ラッピング法による装飾で製造され、各
種用途で使用されている。例えば下記及び等に開示
の如き方法があった。
【0003】特公昭61−5895号公報等に開示の
如く、基材シートが絵柄層等の印刷により装飾処理され
てなる化粧シートを、柱状基材にラミネートする形態で
のラッピング法。 特開平5−330013号公報、特開平7−2515
74号公報等に開示の如く、支持体シートと転写層とか
らなる転写シートを用いて、柱状基材に転写層を転写す
る形態での所謂ラッピング転写法。
【0004】しかし、上記各号公報に開示される様な方
法では単に絵柄の付与のみであり、木目導管溝等の凹凸
模様を賦形できない。ところで、この様な凹凸模様を賦
形する方法としては、基材が板材で賦形面が単一平面の
場合では、例えば次の様な(A) 〜(C) の方法があった。
【0005】(A) 特公昭58−14312号公報等で
は、ラミネ−トタイプの化粧シートに予め凹凸模様を賦
形した後、基材に積層する事で、凹凸模様を賦形する。 (B) 特許第2564231号では、MDF(中密度繊維
板)からなる木質基材自体にエンボスで凹凸模様を賦形
後、転写シートから転写層を転写し、転写層表面に基材
の凹凸模様を現出させて、基材の凹凸模様を活かす。 (C) 特開平8−39920号公報では、絵柄層を有する
転写シートから転写層を転写後、別の着色用転写シート
を間に介してエンボスローラでエンボス後、着色用転写
シートの支持体シートを剥離して、着色用転写シートに
よる被転写着色層を凹部内部に有する凹凸模様を賦形す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方法では次の様な問題があった。先ず、及びで開
示するラミネ−ト又は転写形態でのラッピング法では、
凹凸模様は賦形できず、得られる化粧材等は意匠性に劣
る。
【0007】一方、上記(A) 〜(C) による凹凸模様の賦
形方法を、上記したやのラッピング法に適用したと
しても、次の様な問題があった。先ず、(A) の化粧シー
トをラミネ−トする方法の適用では、基材シートとして
熱可塑性樹脂シートに凹凸模様を賦形した化粧シート
を、柱状基材に加熱軟化させて貼着する事になる為、ラ
ッピングして積層する時の熱や圧力によって、凹凸模様
が浅くなったり、一部消失する現象が起き易く、凹凸模
様の再現が安定し無いと言う問題がある。転写形態とな
る(B) の方法の適用では、転写層を通してその下の凹凸
模様を表現する為に、深い凹凸模様は難しい。しかも、
通常のエンボス加工では、柱状基材の側にまで賦形する
ことが困難であり、その上、柱状基材断面形状に応じた
複数のエンボスローラを転写ローラ同様に設備する必要
があり、柱状基材の場合では、通常のラッピング機をそ
のまま使用して平易に製造できない。更に、MDF等の
熱可塑性の無い基材はエンボス自体が入り難い。また凹
凸模様上に転写する為、深い凹凸模様では、転写層が凹
部内部まで入り難く、ローラ圧によるラッピング転写法
では難しい。また同じく転写形態となる(C) の方法の適
用では、転写層転写後のエンボスローラによる凹凸模様
賦形は、柱状基材断面形状に応じた複数のエンボスロー
ラを転写ローラ同様に設備する必要があり、柱状基材の
場合では、通常のラッピング機をそのまま使用して平易
に製造できない。それに加えて、この方法では間に転写
シートを介してエンボスし、その後転写シートの支持体
シートを剥離する為に、深い凹凸模様は難しい。しか
も、厚さ数μmの薄膜の転写層(印刷インキ層)に対し
てエンボスする為、凹凸模様として十分目視判別できる
数10μm〜数100μmの凹凸模様を賦形する事は、
原理的にも無理があった。この為、一応の凹凸模様によ
り凹凸模様無しよりは意匠性は向上するが、リアルな導
管溝表現等は不可能である。
【0008】そこで、本発明の課題は、ラッピング転写
法によって柱状基材を転写装飾して化粧材等とする場合
に、通常のラッピング機を使用しても十分な深さと鮮映
度の凹凸模様を安定して賦形できる様にする事である。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明のラッピング転写法では、柱状基材の表
面に、ラジカル重合型の熱硬化性樹脂の未硬化物からな
る凹凸受容樹脂層を形成し、次いで、基材シートに硬化
抑制層がパターン状に形成されてなる賦形シートを、柱
状基材の凹凸受容樹脂層が形成された複数の側面に、硬
化抑制層が接する様に、順次ローラで加圧して積層し、
次いで、凹凸受容樹脂層を加熱硬化させた後、賦形シー
トを剥離すると同時に、硬化抑制層に接する凹凸受容樹
脂層の未硬化部分を該賦形シートと共に除去して凹部を
形成する事で、凹凸受容樹脂層に凹凸模様を賦形する様
にした。或いは、柱状基材の表面に凹凸受容樹脂層を形
成する前に、支持体シートと絵柄を有する絵柄転写層と
からなる絵柄転写シートを、柱状基材の複数の側面に順
次ローラで加圧して積層後、支持体シートを剥離して、
絵柄転写層を柱状基材に転写しておく様にした。その結
果、エンボス版をラッピングローラの如き配列をした複
雑な機構をラッピング機に追加する必要も無く、従来使
用して来た通常のラッピング機そのまま使用して、柱状
基材に十分な深度と鮮映度の凹凸模様を賦形できる。従
って、化粧材等の転写製品は高意匠に出来る事になる。
しかも、予め凹凸模様が賦形された化粧シートを加熱軟
化させて積層するラミネ−ト法に比べて、凹凸模様の消
失も無く安定した凹凸模様の再現が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のラッピング転写法
について、図面を参照しながら実施の形態を説明する。
図1は、本発明のラッピング転写法による凹凸模様の賦
形方法の手順を、その一形態で概念的に説明する説明図
である。図2は本発明で用い得る絵柄転写シートSの一
例を示す断面図、図3は本発明で用い得る賦形シートE
の一例を示す断面図である。そして、図4は、所謂ラッ
ピング転写法を概念的に説明する概念図(斜視図)で
あ。
【0011】〔概要〕本発明のラッピング転写法では、
柱状基材に直接、凹凸受容樹脂層と後述の如きラッピン
グ転写法で凹凸模様を形成することを最低限の要件とす
る。ただ、通常は、より高い意匠外観を付与する為、凹
凸受容樹脂層の形成の前に、先ず、絵柄を有する絵柄転
写層を所謂ラッピング転写法で柱状基材に転写すること
が好ましい。以下、この態様を主体に実施形態を説明す
る。図1(A)〜図1(C)が、この絵柄転写層の転写
工程を説明する図である。図1(A)は、絵柄転写シー
トSと柱状基材Bを示す。絵柄転写シートSは支持体シ
ート1と絵柄を有する絵柄転写層2とからなる。絵柄転
写層2は、転写層として絵柄層3を少なくとも有する層
である。もちろん、図1(A)に例示の如く、本発明で
使用し得る絵柄転写シートSの絵柄転写層2としては、
絵柄層3以外に、必要に応じ従来公知の接着剤層4、或
いは図示は略すが、支持体シート1と絵柄層3との間に
剥離層等が有っても良い。そして、図1(B)の如く、
柱状基材Bの複数の所望の側面に、順次、複数のローラ
Rで転写シートSを加圧して積層する。なお、ここで言
う側面とは、柱状基材の長手方向に直交する面を意味す
る。従って、図1の左右の面だけでなく、上下の面も本
発明で言う側面である。もちろん、絵柄層及び凹凸模様
を施すべき場所は、柱状基材の2以上の側面であれば良
く、必ずしも全側面である必要はない。また、柱状基材
の図面上方の面等に対するローラは、概念図であるので
図示は省略してある。そして、この後、図1(C)の如
く、支持体シート1を剥離すれば、絵柄転写層2の柱状
基材Bへの転写が完了する。なお、接着剤層は、絵柄転
写層2の一部としてでは無く、柱状基材B側に施してお
く場合ももある。
【0012】そして次は、図1(D)の如く、柱状基材
Bに転写された絵柄転写層2上に、凹凸受容樹脂層5を
塗工法等により形成する。この段階で形成する凹凸受容
樹脂層5は、ラジカル重合型の熱硬化性樹脂の未硬化物
からなる。
【0013】そして次は、図1(E)の如く、基材シー
ト6に硬化抑制層7がパターン状に形成されてなる賦形
シートE(図3参照)を、柱状基材Bの凹凸受容樹脂層
5が形成された複数の側面に、硬化抑制層7が接する様
に、複数のローラRで順次加圧するラッピング加工によ
り積層する。次いで、賦形シートEが積層されたままの
状態で、凹凸受容樹脂層5を加熱し硬化させる。この
際、凹凸受容樹脂層5は、硬化抑制層7に接する近傍は
該硬化抑制層の作用効果によって、ラジカル反応が妨げ
られ硬化反応が抑制され未硬化部分8が残る。そして、
この後、図1(F)の如く、賦形シートを剥離すれば、
前記凹凸受容樹脂層の未硬化部分8が賦形シートと共に
除去され、未硬化部分8が除去された部分の凹凸受容樹
脂層には凹部が形成される。その結果、凹凸受容樹脂層
5に凹凸模様9が賦形され、且つ絵柄転写層で装飾され
た化粧材等の転写製品Dが得られる。
【0014】なお、柱状基材に絵柄転写シートで絵柄転
写層を転写し、またその後、賦形シートで凹凸模様を賦
形するには、従来公知の所謂ラッピング転写法によれば
良い(図4参照)。
【0015】以上の結果、本発明によるラッピング転写
法では、凹凸模様の賦形は、柱状基材に絵柄転写層の転
写前、或いは絵柄転写層の転写後にエンボス等で賦形す
る場合に比べて、エンボス版をラッピングローラの如き
配列をした複雑な機構をラッピング機に追加する必要も
無く、従来使用して来たラッピング機そのまま使用でき
る事になる。しかも、予め凹凸模様が賦形された化粧シ
ートを積層するラミネ−ト法に比べて、ラミネ−ト時の
熱や圧力による凹凸の消失も無い。また、凹凸受容樹脂
層の厚さ、及び硬化抑制層の抑制作用次第で、深い凹凸
模様でも賦形できる。
【0016】以下、更に、本発明のラッピング転写法に
ついて、更に詳述する。
【0017】〔柱状基材〕柱状基材Bとしては、その外
表面にラッピング法によって絵柄転写シートや賦形シー
トを積層し得る断面形状であれば、いかなる形状、いか
なる材料からなる基材でも良く、特に限定はない。柱状
基材の断面形状は、例えば、凸多角形状、凹多角形状、
円形状、長円形状、方形形状等である。なお、断面形状
が長方形の一形態が板材である。ラッピング転写法に於
ける板材では、その主平面(一番広い面積の面のこと。
これも一つの側面)以外に少なくとも一つの他の側面も
被転写面となる。また、柱状基材の材料は、木質の場合
であればその木材種は、例えば、杉、松、檜、樫、ラワ
ン、チーク、メラピー等であり、その形態は、単板、合
板、木質中密度繊維板(MDF)、パーティクルボー
ド、集成材等である。この他、柱状基材の材料として
は、ケイ酸カルシウム、押し出しセメント、スラグセメ
ント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子
繊維強化コンクリート)、パルプセメント等の非陶磁器
窯業系材料、或いは、鉄、アルミニウム、銅等の金属材
料、陶磁器やガラス等のセラミックス等の無機質材料、
ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂
材料等が挙げられる。なお、柱状基材には、必要に応
じ、転写シートの積層に先立って、必要に応じ、公知の
目止め処理、着色塗装処理、易接着化処理等を施しても
良い。
【0018】〔絵柄転写シート〕絵柄転写シートSは、
支持体シート1と絵柄を有する絵柄転写層2とからな
り、従来公知の転写シートで良く、特に制限は無い。
【0019】(支持体シート)支持体シートは特に限定
されず、従来公知の物の中から用途に応じて選択すれば
良い。支持体シートは絵柄転写層との離型性が良い材料
が使用される。支持体シートは、例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレ
ンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリ
レート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン−
ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等
のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66等の
ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビ
ニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体等の合成樹
脂フィルム(シート)、或いは上質紙、薄葉紙等にポリ
オレフィン樹脂やシリコーン樹脂の離型層を積層した塗
工紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、等による単層体又は
積層体を用いる。支持体シートの厚さは、通常20〜2
00μmである。
【0020】なお、支持体シートには必要に応じ、絵柄
転写層側に絵柄転写層との剥離性を向上させる為、支持
体シートの構成要素として離型層を設けても良い。離型
層としては、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、
ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、
ワックス等の単体又はこれらを含む混合物が用いられ
る。また、剥離性の調整の為に、支持体シートの絵柄転
写層側の面にコロナ放電処理、オゾン処理等を行っても
良い。
【0021】(絵柄転写層)絵柄転写層2は、絵柄を有
する絵柄層3から少なくとも構成される転写層であり、
この様な転写層であれば特に限定は無く、従来公知のも
ので良い。従って、絵柄転写層は、絵柄層以外に、必要
に応じて、従来公知の剥離層、接着剤層等も有する。な
お、本発明に於ける「絵柄」とは、模様や文字等のパタ
ーン以外、全面ベタの透明層や全面ベタの着色層等のパ
ターンを有さないが装飾効果を付与する層も含み、「装
飾」の意味も包含する。
【0022】絵柄層は、例えば、グラビア印刷、シルク
スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法、
材料で絵柄等を印刷した印刷絵柄層、単なる着色樹脂
層、透明樹脂層、或いはアルミニウム、クロム等の金属
を公知の蒸着法等で部分又は全面に形成した金属薄膜層
等である。絵柄は、木目模様、大理石や御影石等の石目
模様、タイル調模様、煉瓦調模様、布目模様、文字、幾
何学模様、全面ベタなど任意である。なお、凹凸模様と
絵柄層との組み合わせの例としては、例えば凹凸模様は
導管溝柄として、絵柄層は秋材と春材とからなる板目や
柾目の木目模様等とする組み合わせ、凹凸模様は花崗岩
劈開面の凹凸で、絵柄層は花崗岩の石目模様とする組み
合わせ等は好適である。
【0023】なお、絵柄層用インキは、通常のインキ同
様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の
着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バイン
ダーの樹脂には、例えば、アクリル樹脂、塩素化ポリオ
レフィン樹脂、塩素化ポリプロピレン、酢酸ビニル樹
脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂等の常温又は熱硬化性樹脂等を、こ
れら樹脂の単体、又は混合物の形で用いる。着色剤の顔
料は、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青
等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソ
インドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料、ア
ルミニウム箔粉等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母の
箔粉等の真珠光沢(パール)顔料等である。
【0024】また、剥離層を、支持体シートと絵柄転写
層との間の剥離性を調整する為、また、転写後の絵柄転
写層上へ凹凸受容樹脂層を塗工形成時の塗工適性を向上
させる為等に、必要に応じて設けて良い。剥離層には、
例えば、上記絵柄層用インキのバインダーに用いる樹脂
等が用いられる。なお、この剥離層は転写時に絵柄転写
層の一部として柱状基材側に転写される。
【0025】〔接着剤層〕転写層に於ける接着剤層4
は、必要に応じで設ける。絵柄転写シート側の接着剤層
は、柱状基材側に接着剤層を設ける場合や、接着剤層無
しの絵柄転写層で接着させる場合には省略できる。絵柄
転写シートに於ける接着剤層4は、該転写シートに予め
又は転写シート使用時に設ける。使用時に設ける形態で
は、未乾燥状態等で接着剤層にタックが有っても良い。
また、柱状基材側に接着剤層を設ける場合でも、接着剤
層は予め又は絵柄転写シート使用時に設ける。絵柄転写
シート使用時に接着剤層を設ける形態では、未乾燥状態
等で接着剤層にタックが有っても良い。
【0026】転写シートや柱状基材に設ける接着剤層の
樹脂としては、特に制限は無く、柱状基材、用途等に応
じて従来公知の樹脂を使用すれば良い。例えば、熱可塑
性樹脂や硬化性樹脂(未硬化物)である。硬化性樹脂
は、熱、湿気(水)、紫外線や電子線等の電離放射線等
で硬化する樹脂である。熱の場合は熱硬化性樹脂、湿気
の場合は1液硬化型ウレタン樹脂等、電離放射線の場合
は紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等の電離放射線
硬化性樹脂等である。また、上記熱可塑性樹脂や硬化性
樹脂は、加熱軟化温度(硬化性樹脂ではその未硬化組成
物に対する温度)を選ぶ事で熱融着型接着剤として使用
でき、また加熱軟化温度が高い樹脂でも、溶剤溶液(含
む分散液)等とすれば、溶剤揮散型接着剤として使用で
きる。
【0027】なお、上記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、特公平7−436号公報等に開示されるダイマー酸
とエチレンジアミンとの縮重合により得られる重合物等
のポリアミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル
樹脂等を用いれば良い。前記ダイマー酸とエチレンジア
ミンとの縮合物からなるポリアミドとしては、例えば融
点が150〜170℃のポリアミドと、融点が180〜
230℃のポリアミドとの混合物が好ましい一例であ
る。これらのポリアミドの具体例としては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12、共重合ナイロン、ナイロ
ンMXD、ナイロン46等が挙げられ、特にバーサロン
型ポリアミドが好ましい。この他、上記熱可塑性樹脂と
しては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペ
ンテン、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、
オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン
樹脂等も用途に応じて使用できる。
【0028】また、上記熱硬化性樹脂としては、例え
ば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用でき
る。また、熱硬化型ウレタン樹脂等は、未硬化時に常温
固体の樹脂組成物としても使用でき、予め絵柄転写シー
トに設けておく構成での接着剤層としても使用できる。
この場合、絵柄転写シート積層時に熱融着性とすべくそ
の時点で完全硬化させない為には、接着剤層形成時の加
熱乾燥条件を調整し、流動性を失う程度に不完全硬化さ
せるか、或いは、イソシアネートにブロックイソシアネ
ートを用いても良い。
【0029】接着剤層の形成は、上記樹脂を、水や有機
溶剤等の溶媒(又は分散媒)に溶解(又は分散)した溶
液(又は分散液)の形態で、或いは無溶剤液状物やホッ
トメルトの形態で施す。形成法には特に限定は無く、従
来公知の塗工法、例えば、ロールコート、リバースロー
ルコート、ナイフコート、グラビアコート、ロッドコー
ト等で行えば良い。或いは、シルクスクリーン印刷等の
印刷法でも良い。また、柱状基材側に設ける場合には、
スプレーコート等の塗工法でも良い。
【0030】〔凹凸受容樹脂層〕凹凸受容樹脂層は、ラ
ジカル重合型の熱硬化性樹脂の未硬化物として形成し、
賦形シートを凹凸受容樹脂層に積層させた状態で熱硬化
させる。該熱硬化性樹脂としては、加熱によりラジカル
重合を開始し硬化する樹脂であれば特に制限は無い。例
えば、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂等で良い。凹凸受容樹脂層は、上記熱硬化性樹脂の未
硬化物を、希釈溶剤で希釈した溶液、或いは無溶剤液状
物等として、絵柄転写層転写済みの柱状基材に施して形
成する。凹凸受容樹脂層の形成方法は、特に限定は無い
が、例えば、ロールコート、スプレーコート等の従来公
知の塗工法で形成すれば良い。また、希釈溶剤を使用し
た場合は、該溶剤は蒸発乾燥等で揮散させる。凹凸受容
樹脂層の厚さは、特に限定は無く用途に応じて、凹凸模
様が賦形されるに足る適宜厚さとすれば良い。例えば、
5〜200μm程度である。
【0031】なお、凹凸受容樹脂層は、凹凸模様賦形後
に表面層となるので、該層中には、必要に応じて更に、
シリカ、球状α−アルミナ等の粒子からなる減摩剤、ワ
ックス等の滑剤、着色顔料、体質顔料等を添加しても良
い。また、凹凸受容樹脂層は無色透明でも良いが、着色
透明でも良い。
【0032】また、凹凸受容樹脂層中には、光重合開始
剤を含有させても良い。光重合開始剤の添加は、特に、
凹凸受容樹脂層を加熱硬化後の賦形シート剥離時に、凹
凸受容樹脂層の未硬化部分を完全に賦形シートと共に除
去できず、その一部が柱状基材側に残留する場合に好ま
しい。光重合開始剤によって、紫外線を照射する事で、
柱状基材側に残留した未硬化部分も完全に硬化できるか
らである。また、この様な場合、電子線照射で硬化させ
ても良く、この場合、光重合開始剤は省略できる。な
お、光重合開始剤としては、公知の物で良い。例えば、
ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、p−ベン
ゾイル安息香酸等のベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類、ベン
ジル等のベンジル類、1−クロロアントラキノン、1,
4−ナフトキノン等の多核キノン類等である。なお、光
重合開始剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対
し0.5〜10重量部程度である。
【0033】〔賦形シート〕賦形シートEは、基材シー
ト6と硬化抑制層7とからなる。賦形シートによって、
凹凸受容樹脂層に凹凸模様を賦形する。
【0034】(基材シート)基材シートとしては、硬化
後の凹凸受容樹脂層に対する離型性を有するシートであ
れば特に制限はない。基材シートとしては、前述の転写
シートの支持体シートとして列記した物の中から適宜選
択使用すれば良い。従って、ここでは重複するので列記
は省略する。
【0035】〔硬化抑制層〕硬化抑制層は、前記凹凸受
容樹脂層の未硬化物が、加熱より開始されるラジカル反
応で硬化反応が進行する事を抑制する硬化抑制剤を含有
する層である。硬化抑制剤としては、例えば、ハイドロ
キノン、メトキノン等を使用する。通常、硬化抑制層
は、この様な硬化抑制剤をバインダー樹脂中に含有させ
た層とする。該バインダー樹脂としては、前述の絵柄層
用インキで列記如き樹脂を使用する。また、必要に応じ
て適宜、着色剤、体質顔料等の添加剤も含有させる。そ
して、硬化抑制層は、バインダー樹脂等からなるビヒク
ルに硬化抑制剤を添加したインキを用いて、グラビア印
刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公
知の印刷方法で、所望の凹凸模様の凹部に対応したパタ
ーン形状で、基材シート上に形成すれば良い。
【0036】〔凹凸模様〕なお、凹凸模様9としては、
特に限定は無い。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、ヘ
アライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木目
導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮
絞、文字、幾何学模様等である。
【0037】〔絵柄転写シートと賦形シートの積層〕絵
柄転写シートや賦形シートを柱状基材に積層する方法と
しては、もちろん複数の押圧ローラにより柱状基材の複
数の所望の側面に、順次、段階的に小面積毎に積層して
行く従来公知の所謂ラッピング加工法によれば良い(特
公昭59−51900号公報、特開平5−330013
号公報、特公平3−2666号公報等参照)。絵柄転写
シートの場合は、積層後、その支持体シートを剥離除去
する転写法(ラッピング転写法)である。但し、賦形シ
ートの場合は、柱状基材側に賦形シート側から移行する
のは層(物)は無く、凹凸模様のパターン(形状)であ
るので、狭義の意味では積層法(ラッピング加工法)だ
が、広義の意味では転写法(ラッピング転写法)であ
る。
【0038】以下、ラッピング転写法を、絵柄転写シー
トの場合で説明する(賦形シートの場合も基本的に同様
である)。なお、図4の概念図でその一形態を例示する
ラッピング転写法では、押圧ローラ(ラッピングロー
ラ)11a〜11dで絵柄転写シートを柱状基材Bの転
写を必要とする所望の各側面に順次加圧積層後、距離を
隔てて、絵柄転写層と柱状基材との接着力が十分発現
し、また支持体シートが剥離可能な程度に軟化した段階
で、剥離ローラ12a〜12cで支持体シートを剥離す
る様に図示したが、例えば特に熱融着で絵柄転写層を接
着させる場合等では、支持体シートの剥離は押圧ローラ
を剥離ローラとして圧開放直後に剥離しても良い。ま
た、剥離は手作業で行っても良い。
【0039】図4に於いては、柱状基材Bを、複数の送
りローラ14上に載置して、長手方向(矢印方向)に搬
送し、柱状基材の搬送速度に同調した速度で、絵柄転写
シートSを柱状基材に対して供給し、押圧ローラ11a
〜11dによって絵柄転写シートの柱状基材側面への積
層を、柱状基材の長手方向に略直交又は直交する方向に
向かって、小面積毎に段階的に行う。同図では柱状基材
の転写すべき各側面は、断面が折れ線形状となる様な面
であり、各側面は各々単一の平面を成すので、各側面毎
にぞれぞれ専用の円筒状の押圧ローラを用いる。従っ
て、小面積毎の積層は各側面単位で行われる。なお、押
圧ローラ(或いは剥離ローラも)は、柱状基材に対し図
面手前側に設けた分のみを図示簡略化の為に表示してあ
る。そして、絵柄転写シート積層後、同図では、剥離ロ
ーラ12a〜12cによって、絵柄転写シートSの支持
体シート1のみを剥離すれば、絵柄転写層2の転写が完
了する。押圧ローラ(或いは剥離ローラも)は、金属ロ
ーラ或いは金属製の軸芯表面にゴムを被覆してなるゴム
ローラを用いる。押圧ローラの形状は、図4の如く円筒
状のものの他、特公昭61−5895号公報記載の如
き、ローラの側面視形状が押圧すべき面の断面形状と合
致した形状のものを用いても良い。
【0040】なお、同図では、転写時に絵柄転写シート
に接着剤層を形成する場合は、その接着剤層中の溶剤分
の乾燥や接着力の活性化、或いは絵柄転写シートの予熱
を、熱風等を使用した乾燥装置或いは加熱装置13a
で、押圧ローラに供給直前に出来る様にしてある。ま
た、同様に、柱状基材Bについても転写時に柱状基材に
接着剤層を形成する場合は、その接着剤層中の溶剤分の
乾燥や接着力の活性化、或いは柱状基材の予熱を、上記
同様な乾燥装置或いは加熱装置13bで、押圧ローラに
供給直前に出来る様にしてある。また、賦形シートの場
合では、柱状基材Bに施した凹凸受容樹脂層は、加熱装
置13bで適宜、溶剤乾燥等しても良い。
【0041】〔後加工〕凹凸模様の凹部には、更に着色
インキを充填して、固化させても良い。その結果、凹部
のみが他と区別されて着色した装飾模様が得られる。特
に木目導管等とする凹部に着色インキを充填し固化させ
れば、化粧材等の転写製品に対して、より意匠感に富ん
だ木目導管等を表現できる。
【0042】この為には、後加工として、従来公知のワ
イピング法を利用できる。ワイピング法では、例えばド
クターブレードコート法やナイフコート法等によって、
凹部を含む表面全面に着色インキを塗布した後、凹部以
外の表面から着色インキを除去する事により、凹部内部
のみに着色インキを充填する。充填後は、凹部内の着色
インキを固化する。固化は、溶剤等の揮発成分が有る場
合は乾燥し、揮発成分が無い無溶剤の場合は熱や紫外線
等の電離放射線による硬化反応により硬化し、またこれ
ら乾燥及び硬化の両方により行う。なお、充填は凹部内
の全部でなくても良い。また、着色インキとしては、ビ
ヒクルのバインダーとしてアクリル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹
脂、2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂、不飽和アクリレート系、エポキシ系等の電離放
射線硬化型樹脂等の従来公知の樹脂を用い、これに着色
剤としてキナクリドン、イソインドリノン等の有機顔
料、カーボンブラック、弁柄等の無機顔料、二酸化チタ
ン被覆雲母箔粉等の光輝性顔料等を配合し、さらに必要
に応じてその他添加剤を配合したインキ、或いはエマル
ション型の水系インキ等を使用する。凹部が木目導管溝
の場合、一般には黒褐色、茶褐色系の色のインキを用い
る。
【0043】また、凹凸模様賦形後、或いは更に上記ワ
イピング法適用後の柱状基材の表面(凹凸受容樹脂層)
に、耐久性、塗装感等の意匠感等を付与する為に、更に
上塗り層を塗装する等しても良い。この様な上塗り層と
しては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン
等のフッ素樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、硬化
性アクリル樹脂、硬化性シリコーン樹脂、硬化性ウレタ
ン樹脂等の熱、湿気、紫外線等で硬化する硬化性樹脂の
1種又は2種以上の樹脂をバインダーとし、これに必要
に応じて、ベンゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム
等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤
等の光安定剤、シリカ、球状α−アルミナ等の微粒子か
らなる減摩剤、ワッスク等の滑剤、着色顔料、体質顔料
等を添加した塗料を用いる。塗工はスプレー塗装、フロ
ーコート等の公知の塗工法で行う。上塗り層の厚さは1
〜100μm程度である。通常は賦形された凹凸模様が
埋没しない程度の厚さ(例えば10μm程度)とする
が、埋没させても良い(凹凸受容樹脂層と上塗り層との
屈折率差、色調差等による凹凸模様が視認される)。
【0044】〔転写製品の用途〕本発明で得られる転写
製品の用途は特に制限は無い。例えば、化粧材として、
窓枠、扉枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、壁面、天
井、床、柱等の建築物の内装材、サイディング等の外
壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装材、箪笥等の家
具、或いはテレビ受像機等の弱電・OA機器のキャビネ
ットの表面化粧材、自動車、電車、航空機、船舶等の乗
物内装材等として用いる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、更に具体的
に説明する。
【0046】〔絵柄転写シート〕図2の如き絵柄転写シ
ートSを次の様にして用意した。可塑剤DOP(ジオク
チルフタレート)を20phr含有する厚さ100μm
の塩化ビニル樹脂フィルムからなる支持体シート1の片
面に、木目柄を有する絵柄転写層2として、絵柄インキ
層3a及びベタインキ層3bからなる絵柄層3を、グラ
ビア印刷で形成した。絵柄インキ層及びベタインキ層用
のインキには、バインダーの樹脂にニトロセルロースを
使用し、絵柄インキ層の顔料は弁柄を主体として使用
し、ベタインキ層の顔料は弁柄、チタン白、黄鉛を使用
した。そして、更に、絵柄転写層2として、2液硬化型
ウレタン樹脂系接着剤(アクリルポリオールとトリレン
ジイソシアネート系のポリイソシアネートとからなる)
を絵柄転写シートの積層時に、ロールコート法で塗工し
厚み10μmの接着剤層4を形成した。
【0047】〔絵柄転写シートによる転写〕そして、絵
柄転写シートSの積層は、上記接着剤層を形成した直後
の転写シートSを、図4の様な装置に導き、乾燥装置1
3aで希釈溶剤を乾燥させつつ、加熱装置13bで表面
温度80℃に予熱したMDFからなる柱状基材Bに対し
て、鉄芯の表面をシリコーンゴムで被覆した押圧ローラ
11a〜11dで、絵柄転写シートSを押圧して積層し
た。次いで、支持体シートを剥離して絵柄転写層を転写
した。
【0048】〔賦形シート〕図3の如き賦形シートEを
次の様にして用意した。可塑剤DOP(ジオクチルフタ
レート)を20phr含有する厚さ80μmの塩化ビニ
ル樹脂フィルム6aに厚さ38μmのビニロンフィルム
6bを積層した基材シート6の、該ビニロンフィルム6
b側の面に、2液硬化型ウレタン樹脂からなるバインダ
ー樹脂とハイドロキノンの硬化抑制剤との1:1重量比
混合物からなる硬化抑制層7を、グラビア印刷で、木目
導管溝のパターンに形成して、賦形シートEとした。
【0049】〔凹凸受容樹脂層の形成〕次に、絵柄転写
シートの積層と同様にして、再度、図4に示す様な装置
により、凹凸受容樹脂層を柱状基材に形成しながら、前
記賦形シートをその柱状基材に積層した。すなわち、凹
凸受容樹脂層5は、ジアリルフタレートプレポリマー1
88重量部、ジアリルフタレートモノマー12重量部、
過酸化ベンゾイル12重量部、ラウリン酸0.6重量
部、光重合開始剤としてベンゾインイソブチルエーテル
5重量部、メチルエチルケトン150重量部、トルエン
50重量部からなる塗液を、前記で得た絵柄転写層転写
済みの柱状基材に、塗布量100g/m2 (固形分基
準)となる様にスプレー塗装して、乾燥装置13bで希
釈溶剤を乾燥し、未硬化状態の凹凸受容樹脂層5を形成
した。
【0050】〔賦形シートによる賦形〕そして、凹凸受
容樹脂層5形成済の柱状基材Bに、前記賦形シートE
を、該硬化抑制層7が凹凸受容樹脂層側に接する様にし
て積層した。そして、賦形シートが積層された状態で、
140℃で8分間加熱して、凹凸受容樹脂層を熱硬化さ
せた後、冷却し、賦形シートを剥離除去した。その結
果、賦形シートの硬化抑制層の近傍の凹凸受容樹脂層の
硬化反応が抑制され、その未硬化部分が賦形シートと共
に除去され凹部が出来た。更に次に、水銀灯を用いて紫
外線を照射して、該凹部に残留している未硬化部分を光
硬化で完全硬化させて、凹凸模様として木目導管溝模様
を有する化粧材を得た。化粧材は、装飾層による木目柄
のみならず、木質意匠に特徴的な導管溝の凹凸模様も賦
形されており、リアルで高意匠であった。
【0051】
【発明の効果】本発明のラッピング転写法によれば、
凹凸模様を、柱状基材が例えば金属等の硬質材料で凹凸
模様をエンボスで賦形出来ない物であっても、凹凸模様
も賦形できる。従って、化粧材等の転写製品は高意匠に
出来る。また、凹凸受容樹脂層の厚みを厚くしておけ
ば、深い形状の凹凸模様でも賦形できる。 しかも、本発明に於いては、凹凸模様は、従来使用し
て来たラッピング機そのまま使用して賦形できる。これ
に対して従来技術の、凹凸模様を、柱状基材に絵柄転写
層の転写前、或いは絵柄転写層の転写後にエンボス等で
賦形する方法では、エンボス版をラッピングローラの如
き配列をした複雑な機構をラッピング機に追加する必要
が有った。 また、従来技術の予め凹凸模様が賦形された化粧シー
トを積層するラミネ−ト法に比べ、ラッピング時の熱や
圧力による凹凸模様の消失や形状鈍化も無く、十分な深
さと鮮映度をもった凹凸模様が安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラッピング転写法の一形態にて、凹凸
模様の賦形する手順を概念的に説明する説明図。
【図2】本発明で用い得る転写シートの一例を示す断面
図。
【図3】本発明で用い得る賦形シートの一例を示す断面
図。
【図4】所謂ラッピング転写法を概念的に説明する概念
図(斜視図)。
【符号の説明】
1 支持体シート 2 絵柄転写層 3 絵柄層 3a 絵柄インキ層 3b ベタインキ層 4 接着剤層 5 凹凸受容樹脂層 6 基材シート 7 硬化抑制層 8 未硬化部分 9 凹凸模様 11a〜11d 押圧ローラ 12a〜12c 剥離ローラ 13a、13b 加熱装置、乃至は乾燥装置 14 送りローラ B 柱状基材 E 賦形シート P 転写製品(化粧材等) R 押圧ローラ S 転写シート
フロントページの続き Fターム(参考) 3B005 EB05 FA02 FA03 FA04 FA08 FA12 FA15 FA18 FB23 FB42 FB44 FC01Z FC02Z FC07Z FC08Z FC09Z FC12Z FE01 FE05 FE22 FF01 FF08 FF09 FG01X FG01Y FG01Z FG02X FG02Z FG03X FG03Y FG03Z FG04X FG05Z FG06Y FG06Z FG07Z FG08Z FG09Y FG09Z FG10Y GA03 4F100 AJ06A AK15A AK51C BA03 BA07 BA10A BA10C CA04A CA13A CB00C CC00B DD07 EC04 EJ91 GB08 GB81 HB00B HB00C HB01 HB31B JL11C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状基材の表面に、ラジカル重合型の熱
    硬化性樹脂の未硬化物からなる凹凸受容樹脂層を形成
    し、 次いで、基材シートに硬化抑制層がパターン状に形成さ
    れてなる賦形シートを、柱状基材の凹凸受容樹脂層が形
    成された複数の側面に、硬化抑制層が接する様に、順次
    ローラで加圧して積層し、 次いで、凹凸受容樹脂層を加熱硬化させた後、賦形シー
    トを剥離すると同時に、硬化抑制層に接する凹凸受容樹
    脂層の未硬化部分を該賦形シートと共に除去して凹部を
    形成する事で、凹凸受容樹脂層に凹凸模様を賦形する、
    ラッピング転写法。
  2. 【請求項2】 支持体シートと絵柄を有する絵柄転写層
    とからなる絵柄転写シートを、柱状基材の複数の側面に
    順次ローラで加圧して積層後、支持体シートを剥離し
    て、絵柄転写層を柱状基材に転写した後、 柱状基材の絵柄転写層が転写された面に、ラジカル重合
    型の熱硬化性樹脂の未硬化物からなる凹凸受容樹脂層を
    形成し、 次いで、基材シートに硬化抑制層がパターン状に形成さ
    れてなる賦形シートを、柱状基材の凹凸受容樹脂層が形
    成された複数の側面に、硬化抑制層が接する様に、順次
    ローラで加圧して積層し、 次いで、凹凸受容樹脂層を加熱硬化させた後、賦形シー
    トを剥離すると同時に、硬化抑制層に接する凹凸受容樹
    脂層の未硬化部分を該賦形シートと共に除去して凹部を
    形成する事で、凹凸受容樹脂層に凹凸模様を賦形する、
    ラッピング転写法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100382898C (zh) * 2006-04-29 2008-04-23 江苏海陆装饰有限公司 亚光凹凸花纹彩色钢板的连续化生产方法

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