JP2002543979A - pH依存型イオン交換マトリックス及び核酸の単離におけるその使用法 - Google Patents

pH依存型イオン交換マトリックス及び核酸の単離におけるその使用法

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    • B01J41/00Anion exchange; Use of material as anion exchangers; Treatment of material for improving the anion exchange properties
    • B01J41/20Anion exchangers for chromatographic processes

Abstract

(57)【要約】 pH依存型イオン交換マトリックスが、このようなマトリックスの製造法、及びプラスミドDNA、染色体DNA、又はRNAのような標的核酸を、タンパク質、脂質、細胞デブリ、又は他の核酸を含む混入物から単離するためのこのようなマトリックスの使用法と共に提供されている。本発明のpH依存型イオン交換マトリックスは各々、少なくとも2種の異なるイオン交換官能基を有し、その一つは、第一のpHにおいてアニオン交換体として作用することが可能であり、かつ他方はより高い第二のpHにおいてカチオン交換体として作用することが可能である。このマトリックスは、第一及び第二のpHの間のpH範囲においては全般的に中性の電荷を有する。本発明のpH依存型イオン交換マトリックスは、マトリックス全体の電荷が正極であるようなpHで標的核酸に結合し、かつ周囲溶液のpHが上昇した際には標的核酸を放出するようにデザインされている。標的核酸は、塩がほとんどない又は全くなく、かつほぼ中性のpHで、pH依存型マトリックスから放出され得る。本発明のマトリックス及び方法は、有害な化学物質を使用することなく、非常にわずかな工程で標的核酸を単離することができる。本発明のpH依存型イオン交換マトリックスを用いて単離された標的核酸は、更に抽出又は単離することなく、直ぐに使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願のに関する記載) 本出願は、1999年3月14日に出願された米国特許出願第09/312,172号の利益を
請求するものである。 (連邦に帰属すべき権利に関する記載) 適用なし
【0002】 (技術分野) 本発明は概して、タンパク質、脂質、細胞デブリ、及び非-標的核酸のような
混入物から、プラスミドDNA、染色体DNA、全RNA、mRNA、又はRNA/DNAハイブリッ
ドのような標的核酸を単離する材料及び方法に関する。本発明は、特に、第一の
pHで溶液に存在する標的核酸を吸着し、かつ第一のpHとは異なる第二のpHで第二
の溶液に存在する標的核酸を脱着する能力を伴うpH依存型イオン交換マトリック
スに関する。本発明は更に、標的核酸の単離におけるこのようなpH依存型イオン
交換マトリックスの製造法及び使用法にも関する。
【0003】 (発明の背景) 逆転写、クローニング、制限酵素分析、増幅及び配列決定のような多くの分子
生物学的技術は、これらの技術において使用される核酸が、このようなプロセシ
ング又は分析の手法を妨害することが可能である混入物を実質的に含まないこと
を求めている。このような混入物は一般に、化学反応を妨害又は阻害する物質(
例えば、分子生物学的技術において使用される核酸のハイブリダイゼーション、
酵素が触媒した反応及び他の種類の反応をブロック又は阻害する物質)、核酸又
は他の関心のある生物学的材料の分解又は解重合を触媒する物質、又は関心のあ
る核酸の検出を妨害もしくは遮蔽する物質を含む。最後の種類の物質は、関心の
ある核酸が実際に試料中に存在しない場合、多量の関心のある核酸(本願明細書
において「標的核酸」とも称される)の試料中の存在の「バックグラウンド」指
標を提供することにより、妨害又は遮蔽し得る。混入物は更に、そこから標的核
酸が単離されるin vivo又はin vitro培地中の高分子物質、酵素のような高分子
物質、他の種類のタンパク質、多糖、又はポリヌクレオチドに加え、脂質のよう
な低分子量物質、低分子量の酵素阻害剤、オリゴヌクレオチド、もしくは非-標
的核酸も含む。混入物は、更に他の物質から本材料を単離するために使用される
化学物質又は他の材料から標的生物学的材料へと導入されることもある。最後の
種類の一般的混入物は、極微量金属、色素、及び有機溶媒を含む。
【0004】 分子生物学的用途に十分な程度に混入物を含まない標的核酸を得ることは、典
型的にその中に標的核酸が認められるような複合体システムにより複雑化される
。例えば組織由来の細胞、血液、リンパ液、乳汁、尿、糞便、血清などの体液由
来の細胞、培養物、アガロースもしくはポリアクリルアミドゲル、又は標的核酸
増幅が行われる溶液中の細胞のようなこれらのシステムは、典型的には、関心の
ある標的核酸が分子生物学的手法において使用される以前に、そこから単離され
なければならないような混入物を著しい量含有する。
【0005】 このような複合体システムからの標的核酸の単離において使用するために開発
された初期の技術は、典型的には複数の有機物抽出工程及び沈殿工程が関与して
いる。このような手法の殆どにおいて、有害な化学物質、例えばクロロホルム及
びフェノール又はこれらの混合物が使用された。典型的にはプラスミドDNAのよ
うな閉環状核酸分子は、更に塩化セシウム及び臭化エチジウムの存在下でのプラ
スミドDNAの超遠心により単離された。例えば、Molecular Cloning、Sambrookら
の編集(1989年)、ページ1.42-1.50を参照のこと。臭化エチジウムは神経毒であ
る。超遠心により得られたプラスミドDNAで生じたバンドから臭化エチジウム及
び塩化セシウムの両方を除去することが、配列決定、トランスフェクション、制
限酵素分析、又はポリメラーゼ連鎖反応のようなその後のプロセシング技術にお
いてこのDNAを使用する前に必要とされた。
【0006】 近年、複合生物材料から核酸を単離する際に使用する多くの様々なマトリック
スが開発されている。例えば、イオン交換クロマトグラフィーによる(例えば、J
. of Chromatog.、508:61-73 (1990);Nucl. Acids Research、21(12):2913-291
5(1993);米国特許第5,856,192号;第5,82,988号;第5,660,984号;及び第4,699
,717号);逆相クロマトグラフィーによる(例えば、Hirbayashiら、J. of Chroma
tog.、722:135-142(1996);米国特許第5,057,426号);アフィニティクロマトグ
ラフィーによる(例えば、米国特許第5,712,383号);及び、PolyATract(登録商
標)mRNA精製システムによる(Promega社、マジソン、WI;Promega社技術マニュ
アル、No. TMO31を参照)、核酸の単離のためのマトリックス、並びに前述の単離
法の組合せを使用するマトリックス(例えば、米国特許第5,652,348号;J. Chrom
atography、270:117-126 (1983)を参照)が開発されている。
【0007】 核酸の単離において使用するために開発された最初の固相のひとつは、高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)において使用するためにデザインされた多孔質シリ
カゲル粒子の特定化された樹脂であった。この多孔質シリカゲル粒子の表面は、
特定の塩条件及びpH条件下でプラスミドDNAと交換することができるようなアニ
オン-交換体により機能化された。例えば、米国特許第4,699,717号、及び第5,05
7,426号を参照のこと。Machrey-Nagel社(デューレン、独国)は、このようなアニ
オン-交換シリカゲル粒子を充填したHPLCカラムを提供する最初の会社のひとつ
であり、このようなカラムの販売は今日まで続いている。例として、インターネ
ット上のMachrey-Nagel社のホームページ(http://www.machreynagel.com)からダ
ウンロードされる製品情報(1998年6月12日付け)に掲載された、NUCLEOGEN(登録
商標)4000-7DEAEに関する情報を参照のこと。このようなカラムは各々、それに
結合されたプラスミドDNAが、非常に腐食性の塩(highly corrosive salt)を高濃
度含有する水溶液中に溶離されるようにデザインされていた(例えば、プラスミ
ドDNAは、6M尿素中で NUCLEOGEN(登録商標)4000-7DEAEカラムから溶離される
。)。このようなカラムは各々、このシステムから腐食性塩及びDNAと共にカラム
に結合した混入物を除去するために、各単離操作の間に徹底的に洗浄されなけれ
ばならなかった。そこから溶離された核酸溶液も、クローニング、形質転換、制
限酵素による消化、又は増幅のような標準の分子生物学的技術において使用され
る前に、更にそこから腐食性塩を除去するよう処理されなければならなかった。
【0008】 初期のHPLCシステムは前述のようなものであるので、様々なシリカベースの固
相分離システムが開発されている。(例えば、米国特許第5,658,548号の核酸を単
離するためのシリカゲル及びガラス混合物、並びに米国特許第4,767,670号のオ
リゴヌクレオチドを単離するために使用されるシラン結合相を伴う多孔質基体を
参照のこと)。最新のシリカベースのシステムは、制御された細孔ガラス、シリ
カ粒子が包埋されたフィルター、シリカゲル粒子、ケイソウ土の形でシリカを含
有する樹脂、ガラスファイバー又はこれらの混合物を利用している。最新のシリ
カベースの固相分離システムは各々、カオトロピック物質の存在下において核酸
物質を含有する媒質と接触するように配置された場合、このような物質と可逆的
に結合するように配置されている。残余の媒質成分からマトリックスとそれに結
合した核酸物質を分離するために、このような固相は、遠心又は減圧濾過のよう
な外力に固相が晒されている間は、核酸物質への結合を維持するようにデザイン
されている。その後この核酸物質は、固相を水又は溶離緩衝液のような溶離液に
晒すことにより、該固相から溶離される。多くの商業的供給業者が、遠心及び/
又は濾過の単離システムにおいて使用するためにデザインされたシリカベースの
樹脂を提供している。例えば、Promega社(マジソン、ウィスコンシン、U.S.A.)
のWizard(登録商標)DNA精製システム製品;又は、Qiagen社(チャッツワース、
カリフォルニア、U.S.A.)のQiaPrep(登録商標)DNA単離システムを参照のこと
【0009】 以前はタンパク質又は抗体などのポリペプチド分子の単離及び精製に使用され
ていた磁気反応性粒子も、核酸の単離において固相として使用するために開発さ
れている。このような物質の単離のためにデザインされたいくつかの異なる種類
の磁気反応性粒子が、文献に記されており、かつこのような種類の粒子の多くは
商業的供給業者から入手することができる。このような粒子は一般に、核酸物質
に直接可逆的に結合するようにデザインされたもの、及び核酸物質に中間体を通
じて可逆的に結合するようにデザインされたものとの、ふたつの範疇に分けられ
る。第一の型の粒子の例としては、DNAに直接可逆的に結合するようにデザイン
されたシリカベースの多孔質粒子であり、例えばPromega社のMagneSil(登録商標
)粒子、又はPerSeptive Biosystems社のBioMag(登録商標)磁気粒子を参照のこと
。ある特定の種類の核酸(mRNA)に可逆的に結合するようにデザインされた第二の
型の粒子及びシステムの例としては、Promega社(マジソン、ウィスコンシン、U.
S.A)のPolyATractシリーズ96OO(登録商標)mRNA単離システム(Isolation System)
;又は、Bangs Laboratories社(カーメル、インディアナ、U.S.A.)のストレプト
アビジン被覆のミクロスフェア粒子のProActive(登録商標)系統を参照のこと。
最後に記した2システム共、それらに共有結合したアビジンサブユニットを伴う
磁気反応性粒子、及びそれに共有結合したオリゴdT部分を伴うストレプトアビジ
ンを使用する。このストレプトアビジン−オリゴdT分子は中間体として作用し、
mRNA分子のポリA尾がそれと接触された場合には、これにハイブリダイゼーショ
ンし、その後離脱可能なストレプトアビジン−アビジン結合を介して該粒子に結
合する。
【0010】 核酸の単離又は分離のための間接的に結合する磁気分離システムは全て、少な
くとも3種の成分、すなわち、磁気粒子、中間体、及び関心のある核酸物質を含
有する媒質を必要とする。中間体/核酸ハイブリダイゼーション反応及び中間体
/粒子結合反応は、互いに異なる溶液及び/又は温度の反応条件を必要とするこ
とが多い。核酸単離操作において使用される追加の成分又は溶液は各々、ヌクレ
アーゼ、金属、及び他の有害な物質による単離された最終生成物の混入のリスク
を増す。
【0011】 多種多様な磁気反応性のシリカベースの粒子が、直接的又は間接的な核酸結合
の単離法において固相として使用するために開発されている。このような粒子型
のひとつは、磁気反応性ガラスビーズであり、制御された粒度のものが好ましい
。例えば、CPG社(リンカーンパーク、ニュージャージー、U.S.A.)のMagnetic Po
rous Glass (MPG)粒子;又は、米国特許第4,395,271号;第4,233,169号;又は第
4,297,337号に開示されているような多孔質磁気ガラス粒子を参照のこと。核酸
物質は、ガラスに非常に緊密に結合する傾向があるが、しかしその結果、一旦そ
れに結合したものを取り除くことは困難となる。従って、磁気ガラス粒子からの
溶離効率は、シリカのようなより少量の核酸結合物質を含有する粒子からの溶離
効率と比べて低くなる傾向にある。
【0012】 核酸、特にDNAの直接的結合及び単離において固相として使用するためにデザ
インされた別の種類の磁気反応性粒子は、比較的小さい強磁性粒子が包埋されか
つガラスで被覆されたアガロースで構成された粒子である。例えば、米国特許第
5,395,498号を参照のこと。核酸の直接的結合及び単離のためにデザインされた
第三の型の磁気反応性粒子は、磁気材料をポリマー性の二酸化ケイ素化合物のマ
トリックスに混入することにより製造される。例えば、独国特許第DE 43 07 262
A1号を参照のこと。これらの2種の磁気粒子、アガロース粒子及びポリマー性二
酸化ケイ素マトリックスは、このような各磁気粒子へ直接核酸物質が結合するの
に必要とされる条件下で、鉄を浸出する傾向がある。同じく、それらに結合した
核酸物質の迅速かつ効率的な単離を確実にするのに十分な均質かつ濃縮された磁
気的能力を伴うこのような粒子を製造することも困難である。
【0013】 磁性又は非磁性ベースのいずれであるか、もしくは直接的結合又は間接的結合
のいずれのために構成されたかにかかわらず、シリカ−ベースの固相核酸単離シ
ステムは、使用が迅速かつ容易であり、並びに腐蝕性又は有害な化学物質の使用
を必要としない。しかしこれらは、核酸と同じ条件下でこのような固形基体に結
合しかつ溶離する傾向があるようなエンドトキシンなどの混入物からの核酸の単
離においては無効である。例えば、Cotten、Mattら、Gene Therapy、1:239-246(
1994)を参照のこと。
【0014】 前述の種類のシリカ-ベースの固形基体を用いて核酸を単離する前に、タンパ
ク質を含有する核酸溶液が、少なくとも一部のその中に含まれるタンパク質を消
化するためにプロテアーゼで前処理されるような、いくつかの核酸単離(nucleic
isolation)システムが開発されている。例えば、QIAGEN社(サンタクララ、カリ
フォルニア)から提供された、プロテアーゼを使用するQiaAmp(登録商標)Blood K
it;及び、Promega社(マジソン、ウィスコンシン)から提供された、アルカリプ
ロテアーゼを使用するWizard(登録商標)Plus SVミニプレップDNA精製システム(P
lus SV Minipreps DNA Purification System)がある。しかし、このような前処
理システムでは、別の混入物を消化するために混合物へのひとつの混入物の導入
が必要である。プロテアーゼが消化のために導入されるので、持ち越された(car
ry-over)プロテアーゼは、タンパク質が混入された核酸試料と少なくとも同程度
にこのような修飾されたシリカ-ベースのシステムを用いて単離された核酸の利
用を制限することがある。特に、妥当な溶液条件が提供された場合、核酸溶液中
のプロテアーゼは、下流のプロセシング又は分析のためにそれに含まれた核酸を
修飾、切断又は転写するためにその中に導入された酵素を含む該溶液に導入され
たタンパク質を消化するであろう。更にプロテアーゼの添加、インキュベーショ
ン、及び除去の工程は、このような追加の工程を伴わない単離システムと比べて
、核酸単離の経費、時間及び金銭の損失が増大する。
【0015】 先に説明した全ての固相システムにおいて、そこで使用した各々の固相は、シ
リカ又はシリカゲル表面の形状で、もしくはアニオン交換体活性を示す化学基で
修飾されたシリカゲル又はポリマー表面の形状で、関心のある核酸に結合するよ
うにデザインされた実質的に均一な表面組成を有する。二元又は多元システムも
開発されており、例えば以下のシステムである:(1)各々がシステムの他のカラ
ムとは異なる化学基で修飾された固相を含むような複数のカラムのシステム(例
えば、Wheatley J. B.、J. Chromatogr.、603: 273(1992));(2)少なくとも2種
の異なる化学基を伴う単独の固相を備える単独のカラムが使用されるシステム(
例えば、前記特許第 '680号;Little, E. L.ら、Anal. Chem.、63: 33(1991));
又は、(3)2種の異なる固相が同一カラムにおいて使用され、ここでこれら2種の
固相がカラム内で固形多孔質隔壁により互いに分離されているシステム(例えば
、米国特許第5,660,984号)。単独カラム又は複数カラムの多元システム内の固形
基体の表面上の化学基は各々、いかなる物質が該システムに導入されようと異な
る物質に結合するように配置される。ごくわずかなこのような二元又は多元のカ
ラムクロマトグラフィーシステムが、特に核酸単離のために開発されている(例
えば、米国特許第5,316,680号を参照のこと)。このような固相システムにおいて
使用される表面基の組合せは、逆相、イオン交換、サイズ排除、順相、疎水性相
互作用、親水性相互作用、及びアフィニティークロマトグラフィーを含む。この
ようなシステムは、ひとつの表面基のみが核酸のような標的種に結合する一方で
、他の表面基(複数)は、混合物中の1種以上の非標的種に結合しかつ除去するよ
うにデザインされている。
【0016】 二元及び多元システムは、前述の核酸単離のための従来の有機法又は樹脂法に
比べ、単純かつ効率的な代用法ということではない。多カラムシステムにおいて
、各カラムは該システムの固定相固体に結合した望ましい標的又は非標的種を結
合及び/又は放出する移動相条件の独自のセットを必要とするので、これは実行
上で固有の複雑さを有している。非標的種は、標的種に結合するように配置され
た近隣の官能基を妨害する傾向があり、従って、全体の収量に有害に作用する。
更に二元又は多元システムは全て、標的種を官能基が親和性を有するようなその
他の種から分離するようにのみデザインされている。
【0017】 少なくとも1種の混合モードのイオン交換固相システムが、水溶液からのタン
パク質又はペプチドのような特定種の標的化合物の単離において使用するために
開発されている。米国特許第5,652,348号(以後、「Burtonら、第'348号」と記す
)第4段、21〜25行を参照のこと。Burtonら、第'348号の混合モードのイオン交換
システムは、固形基体マトリックスに共有結合したイオン化可能なリガンドを伴
う固形基体マトリックスを含む。このイオン化可能なリガンドは、第一のpHにお
いて標的化合物と交換しかつ吸収し、並びに第二のpHにおいて該標的化合物を放
出又は脱着することが可能である。イオン化可能な官能性とは、「第二のpHで更
に静電的に帯電するか又は異なる極性で帯電するかのいずれか」である(Burton
ら、第'348号、請求項1、25段、46〜50行)。Burtonら、第'348号特許に開示され
た混合モードのイオン交換固相システムの例は、単独のイオン化可能な官能性で
ある、第一のpHでアニオン交換基として作用することが可能なアミン残基のみを
含む。Burtonら、第'348号に開示された固形基体マトリックス上に存在するイオ
ン化可能なリガンドの濃度は、「高及び低の両イオン強度において標的タンパク
質の結合を可能にする」のに十分な高さである。Burtonら、第'348号の混合モー
ドのイオン交換固相について、高及び低イオン強度で標的タンパク質に結合する
のに十分な高さとして詳細に開示されかつ請求されている唯一のリガンド密度は
、「少なくとも約1mmol/樹脂の乾燥質量g又は少なくとも約150μmol/樹脂mlの小
さい方の値よりも大きい」値である(13段、22〜23行;及び請求項1)。Burtonら
、第'348号の混合モードのイオン交換システムは、核酸又はオリゴヌクレオチド
ではなく、タンパク質及びペプチドの単離における使用のために詳細にデザイン
されている。
【0018】 分子生物学的操作において使用するのに十分なように混入物を含まないような
標的核酸を迅速、安全、かつ効果的に単離する材料及び方法が求められている。
本発明は、グラム陰性菌の溶菌液を含む、標的核酸及び混入物の何らかの混合物
から、標的核酸を単離し、これにより培養細胞のトランスフェクション及び核酸
の生物へのin vivo投与を含む、様々な生物学的用途において使用することがで
きる精製された核酸を提供するための迅速かつ効率的手段を提供する材料及び方
法の必要性に対処している。
【0019】 (発明の簡単な概要) 簡単に述べると、ひとつの態様において本発明は、吸着pHで標的核酸を吸着し
、かつ吸着pHよりも高い脱着pHで標的核酸を放出することによる、標的核酸の単
離において使用するためにデザインされたpH依存型イオン交換マトリックスであ
る。
【0020】 本発明のある実施態様において、このpH依存型イオン交換マトリックスは、固
形基体及び複数の第一のイオン交換リガンドを含み、ここで各々の第一のイオン
交換リガンドは以下を含む: pKが約9未満であるアミンを含むキャップであり、ここでアミンは、第1級、第
2級、又は第3級アミンからなる群より選択される; 該キャップに共有結合されているスペーサーであり、このスペーサーは、アミ
ン末端を伴うスペーサーアルキル鎖、及び該スペーサーアルキル鎖に共有結合し
た酸性部分を含み;及び リンカーアルキル鎖の第一端で固形基体に共有結合し、かつリンカーアルキル
鎖の第二端でスペーサーのアミン末端に共有結合したリンカーアルキル鎖を含む
リンカーである。
【0021】 別の実施態様において、本発明は、スペーサーが酸性部分を含まない以外は、
前述のマトリックスと同じ基本構造を有する二元pH依存型イオン交換マトリック
スであり、ここでこの二元pH依存型イオン交換マトリックスは更に、固形基体に
共有結合した複数の第二のイオン交換リガンドを含む。各々の第二のイオン交換
リガンドは、アルキル鎖に共有結合した酸性置換基を伴うアルキル鎖を含む。
【0022】 別の態様において、本発明は、下記の工程に従い、pH依存型イオン交換マトリ
ックスを用いて標的核酸を単離する方法である: (a) pH依存型イオン交換マトリックスを提供する工程; (b)標的核酸及び少なくとも1種の混入物を含む混合物とマトリックスを混ぜる
工程; (c)マトリックス及び混合物を吸着pHでインキュベーションし、ここで該標的
核酸は該マトリックスに吸着し、複合体を形成する工程; (d)該混合物から該複合体を分離する工程;及び (e)該複合体を溶離液と脱着pHで混ぜ、ここで該標的核酸が複合体から脱着さ
れる工程。
【0023】 更に別の態様において、本発明は、下記の工程を含む、pH依存型イオン交換マ
トリックスを製造する方法である: (a)固相を提供する工程; (b)第一端及び第二端を有するリンカーアルキル鎖を含むリンカーを提供する
工程; (c)共有結合がリンカーアルキル鎖の第一端と固相の間で形成されるような条
件下で、固相及びリンカーを混ぜ、リンカー−修飾された固相を形成する工程; (d)以下を含むアルキルアミンを提供する工程: pKが約9未満であるアミンを含むキャップであり、ここでアミンは、第1級、第
2級、又は第3級アミンからなる群より選択される; 該キャップに共有結合しているスペーサーであり、このスペーサーは、アミン
末端を伴うスペーサーアルキル鎖、及びスペーサーアルキル鎖に共有結合した酸
性置換基を含む;及び (e)スペーサーアルキル鎖のアミノ末端とリンカーの第二端の間に共有結合が
形成されるような条件下で、アルキルアミンとリンカー−修飾された固相を混ぜ
る工程。
【0024】 更に別の実施態様において、本発明は、下記の工程を含む、pH依存型イオン交
換マトリックスを製造する方法である: (a)固形基体を提供する工程; (b)下記を含む第一のイオン交換リガンドを提供する工程: pKが約9未満であるアミンを含むキャップであり、ここでアミンは、第1級、第
2級、又は第3級アミンからなる群より選択される; 該キャップに共有結合しているスペーサーであり、このスペーサーは、アミン
末端を伴うスペーサーアルキル鎖、スペーサーアルキル鎖に共有結合した酸性置
換基、及び酸性置換基に共有結合した保護基を含む;並びに 第一端及び第二端を有するリンカーアルキル鎖を含むリンカーであり、ここで
第二端が該スペーサーのアミン末端に共有結合されている; (c)共有結合が固相とリンカーアルキル鎖の第一端の間に形成されるような条
件下で、固相及び第一のイオン交換リガンドを混ぜる工程;並びに (d)第一のリガンドの酸性置換基を脱保護する工程。
【0025】 別の本発明の実施態様は、下記の工程に従い、二元pH依存型イオン交換マトリ
ックスを製造する方法である: (a)固形基体を提供する工程; (b)下記を含む第一のイオン交換リガンドを提供する工程: pKが約9未満であるアミンを含むキャップであり、ここでアミンは、第1級、第
2級、又は第3級アミンからなる群より選択される; 該キャップに共有結合されているスペーサーであり、このスペーサーは、アミ
ン末端を伴うスペーサーアルキル鎖を含む;並びに 第一端及び第二端を有するリンカーアルキル鎖を含むリンカーであり、ここで
第二端が該スペーサーのアミン末端に共有結合されている;並びに (c)共有結合が固相とリンカーアルキル鎖の第一端の間に形成されるような条
件下で、固相及び第一のイオン交換リガンドを混ぜる工程; (d)共有結合が固相と第二のイオン交換リガンドの一端の間に形成されるよう
な条件下で、第一のイオン交換−修飾された固相を第二のイオン交換リガンドと
混ぜ、ここで該イオン交換リガンドが、第二のアルキル鎖、第二のアルキル鎖に
共有結合した酸性置換基、及び賛成置換基に結合した保護基を含む工程; (e)酸性置換基から保護基を取り除く工程。
【0026】 本発明の方法及び材料は、アガロース並びに細菌及び動物組織、血液細胞の成
分、及び非-標的核酸を含むが、これらに限定されるものではないような様々な
混入物から、プラスミドDNA、全RNA、増幅した核酸、及びゲノムDNAを含むが、
これらに限定されるものではない標的核酸を単離するために使用することができ
る。
【0027】 様々な異なる媒質から核酸を単離するための本発明の方法及び組成物の用途は
、以下の本発明の詳細な説明から明らかとなるであろう。当業者は、本発明の詳
細な説明が単なる例を意味し、本発明の範囲を限定するものとして見られるべき
ではないことを理解するであろう。
【0028】 (発明の詳細な説明) 本願明細書において使用される用語「アルキル鎖」は、任意に少なくとも1個
の酸素、窒素、又はイオウ原子で置換される直鎖アルカンを意味する。 本願明細書において使用される用語「pH依存型イオン交換マトリックス」は、
固形基体及びそれに共有結合した複数のリガンドのマトリックスであり、ここで
、少なくとも1個のリガンドは酸性部分を含み、並びに同じマトリックスに共有
結合した同じ又は異なるリガンドが、約9未満のpKであるアミンを含み、ここで
該マトリックスは第一のpHで標的核酸に吸着し、かつ第一のpHよりも高い脱着pH
で標的核酸を脱着する能力を有するようなものを意味する。
【0029】 用語「固相」は、本願明細書において、標準のクロマトグラフィーの状況で、
溶質混合物中の溶質、この場合標的核酸と相互作用する、不溶性の、通常硬質の
マトリックス又は固定相を意味するように使用される。本願明細書において使用
される用語「固相」は、特に液体クロマトグラフィー(LC)、高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)における固定相、フィルターに包埋された又はこれに結合された
粒状マトリックス、及び溶質混合物に直接添加された場合に溶質と相互作用する
磁気又は非-磁気の多孔質マトリックス粒子を含む。
【0030】 本願明細書において使用される用語「シリカゲル」は、多くの様々な供給業者
から市販されている物質である、クロマトグラフィー等級のシリカゲルを意味す
る。シリカゲルは、最も一般的にはケイ酸塩含有溶液の酸性化、例えばケイ酸ナ
トリウムをpH11未満へ酸性化し、かつその後酸性化された溶液をゲル化すること
により調製される。例えば、Kurt-Othmer Encyclopedia of Chemical Technolog y 、第21巻、第4版、編集Mary Howe-Grant、John Wiley & Sons出版、1997年、10
21ページ中のシリカの調製に関する考察を参照のこと。
【0031】 本願明細書において使用される用語「ガラス粒子」は、晶質シリカは非晶質で
はないのでこれは正式には「ガラス」ではないにもかかわらず、晶質又はガラス
質シリカの粒子を、もしくは主にシリカで製造されたガラスの粒子を意味する。
この用語は、石英、ガラス質シリカ、制御された細孔のガラス粒子、及びガラス
ファイバーを含む。
【0032】 本願明細書において使用される用語「シリカ磁気粒子」は、更に、磁場は有さ
ないが磁場に晒された場合に磁気双極子を形成するような材料、すなわち磁場の
存在下で磁化されることが可能であるがこのような磁場が存在しない場合はそれ
自身磁性ではないような材料で構成されるような、シリカベースの固相を意味す
る。 シリカ磁気粒子に関して使用される用語「磁気」は、常磁性又は超常磁性物質
であるような物質を含む。本願明細書において使用される用語「磁気」は、更に
強磁性又は強磁性物質のような、一時的磁性体も包含している。以下に特に記さ
ない限りは、本発明において使用されるシリカ磁気粒子は、水和したシリカ質酸
化物(siliceous oxide)吸着表面を有する(すなわち、シラノール基の存在を特徴
とする表面)、シリカ質酸化物で被覆された超常磁性コアを含むことが好ましい
。 本願明細書において使用される用語「表面」は、固相と溶液を混ぜた場合に、
溶液と直接接触するようになる固相の基体物質の一部を意味する。
【0033】 本願明細書において使用される用語「核酸」は、DNAもしくはRNA分子又はDNA/
RNAハイブリッド分子のいずれかを意味する。この用語は、プラスミドDNA、増幅
されたDNA又はRNA断片、全RNA、mRNA、及びゲノムDNAを含む。 本願明細書において使用される用語「標的核酸」は、本発明のpH依存型イオン
交換マトリックスの方法又は用途のいずれか特定の適応において単離される特定
の種の核酸を意味する。標的核酸は、好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長で
あり、より好ましくは少なくとも100ヌクレオチド長であり、かつ最も好ましく
は少なくとも1,000ヌクレオチド長である。
【0034】 このpH依存型イオン交換マトリックスの固形基体成分は、アガロース、ポリア
クリルアミド、又はセルロースのような軟質ゲル状基体、又はポリスチレン、ラ
テックスメタクリレート、又はシリカのような硬質基体物質を含む、一般的基体
物質のいずれかにより製造することができる。固相基体物質がシリカである場合
は、これはシリカゲル、シリカ質酸化物、ガラスもしくはケイソウ土のような固
形シリカ、又はこれらの2種以上の混合物の形が好ましい。本発明のpH依存型イ
オン交換マトリックスにおいて使用するのに適したシリカベースの固相は、米国
特許第5,658,548号に開示されたシリカゲル及びガラスの混合物、PCT公開国際公
開公報第98/31840号に開示されたシリカ磁気粒子、及びプラスミドDNA単離にお
いて使用するためのPromega社から販売される固相、すなわちWizard(登録商標)
ミニプレップDNA精製樹脂を含んでいる。シリカゲル粒子は、pH依存型イオン交
換マトリックスにおける固相としての使用及び本発明の方法のために特に好まし
い。シリカゲル粒子は、軟質ゲル基体物質から製造された固相よりも非常に高圧
で安定しており、HPLCに加えLC及びバッチ分離用途に適したシリカゲル固相を生
じる。
【0035】 本発明において使用されるpH依存型イオン交換マトリックスは、好ましくは標
的核酸及び少なくとも1種の混入物を含有する溶質混合物から、溶質混合物をそ
れらと混ぜた後に、外力の適用により分離することができる形である。当業者は
、溶質混合液からマトリックスを分離する際に使用するのに適した外力の種類が
、マトリックスが溶質混合物に提示される形、及びマトリックスそれ自体の物理
特性に左右されることを理解するであろう。例えば、マトリックスがLCカラムに
負荷されたクロマトグラフィー樹脂の形である場合、マトリックスが溶質混合物
にバッチ式で添加されかつその後デカンテーション又は濾過によりそこから分離
されるようなシリカ粒子の形である場合(例えば、制御された細孔ガラス、シリ
カゲル粒子、又はシリカ磁気粒子)、もしくは混合モードマトリックスがそれに
包埋又は付着されたシリカ粒子又はクロマトグラフィー樹脂を伴うフィルターの
形である場合には、重力を用いて、pH依存型イオン交換マトリックスを溶質混合
物から分離することができる。
【0036】 pH依存型イオン交換マトリックスが高速液体クロマトグラフィーカラム(HPLC)
の固定相である場合は、単離法において使用される外力は、高圧の液体である。
本発明の方法での使用に適した外力のその他の形は、減圧濾過(例えば、マトリ
ックスの固相成分が制御された細孔ガラスの粒子、シリカゲルもしくはシリカ磁
気粒子の粒子、又はフィルターに包埋又は付着された前述の種類の粒子の1種以
上の混合物である場合)、遠心分離(例えば、混合床の固相が粒子である場合)、
又は磁気(例えば、混合床の固相が磁性又は常磁性粒子を含む場合)である。
【0037】 pH依存型イオン交換マトリックスの固相成分がシリカゲル粒子である場合は、
シリカ磁気粒子が最も好ましい。シリカ磁気粒子は、前述のもののような他の種
類の固相で使用するために先に記した外部手段のいずれかを用いて、溶液から分
離することができる。しかし他の固相とは異なり、シリカ磁気粒子は、溶液から
マトリックスを分離する迅速かつ効率的手段である磁力により溶液から分離する
ことができる。
【0038】 pH依存型イオン交換マトリックスの固形基体成分がシリカ磁気粒子である場合
、この粒度は以下のように選択されることが好ましい。より小さいシリカ磁気粒
子は、複数のイオン交換リガンドへの共有結合のためのより大きい表面積(単位
質量あたり)を提供するが、比較的小さい粒子は、比較的大きい粒子に比べ、こ
のような粒子に混入することができる磁気物質の量が制限される。特に好ましい
本発明の実施態様において使用されるシリカ磁気粒子の粒度の中央値は約1〜15
μmであり、より好ましくは約3〜10μmであり、及び最も好ましくは約4〜7μmで
ある。粒度分布も変動することができる。しかし比較的狭い単峰(monodal)粒度
分布が好ましい。単峰粒度分布は、好ましくは粒子の約80質量%が粒度中央値の
10μmの範囲内であり、より好ましくは8μm範囲内であり、最も好ましくは6μm
範囲内である。
【0039】 pH依存型イオン交換マトリックスの固形基体成分は、多孔質であることもそう
でないこともできる。固形基体が多孔質である場合、細孔は、標的核酸物質を固
相粒子内部に侵入させ、かつ細孔内面上の官能基又はシリカに結合するのに十分
大きい制御された粒度範囲であることが好ましい。窒素BET法により測定された
、シリカ磁気粒子の総細孔容積は、好ましくは少なくとも粒子質量の1gあたり約
0.2mlである。窒素BET法により測定された、本発明のpH依存型イオン交換マトリ
ックスの成分として使用するのに特に好ましい多孔質シリカ磁気粒子の総細孔容
積は、好ましくは細孔容積の少なくとも約50%が直径600Å以上を有する細孔に
含まれることである。
【0040】 シリカ磁気粒子は、例えば遷移金属又は揮発性有機物質のような、このような
物質が実質的に混入された標的核酸の利用性に有害に作用するであろう物質を含
むことがある。特に、このような混入物は、例えば、酵素活性の阻害又はそれら
により単離された標的核酸のニック形成もしくは分解により、下流のプロセシン
グ、分析、及び/又はこのような物質の使用に影響を及ぼすであろう。本発明に
おいて使用されるシリカ磁気粒子に存在するこのような物質は全て、該粒子から
及び本発明の方法に従い作成された単離された生物標的物質へと容易に浸出しな
い形で存在することが好ましい。特に生物学的標的物質が標的核酸である場合に
、望ましくない少なくとも1種の混入物のひとつは鉄である。
【0041】 磁鉄鉱の形の鉄が、本発明のpH依存型イオン交換マトリックスの固相成分とし
て使用されるシリカ磁気粒子の特に好ましい形のコアに存在する。鉄は幅広の吸
収ピークを260〜270nmの間に有する。標的核酸はピーク吸収を約260mnに有し、
そのため標的核酸試料中の鉄の混入は、このような試料の定量的分光分析の結果
精度に有害に作用する。本発明を使用する標的核酸の単離に使用されるあらゆる
鉄含有シリカ磁気粒子は、鉄について260nmで又はその近傍での物質の分光分析
を妨害するのに十分な程鉄が混入された単離された標的核酸物質を産生しないこ
とが好ましい。
【0042】 本発明のマトリックス及び方法において使用される最も好ましいシリカ磁気粒
子である、シリカ質酸化物で被覆されたシリカ磁気粒子は、以下のように分析し
た場合に、遷移金属をわずかに50ppm、より好ましくはわずかに10ppm、最も好ま
しくはわずかに5ppm浸出する。具体的には、該粒子は下記のように分析される:
粒子0.33g(110℃の炉で乾燥)を、1N HCl水溶液20ml(脱イオン水を使用)と混合す
る。次に得られる混合物を、該粒子を分散するためのみに攪拌する。全部の接触
時間が約15分経過した後、該混合物の液体部分を、金属含量について分析する。
通常の元素分析法のいずれかを使用し、得られる液体中の遷移金属の量を定量す
ることができるが、誘導結合プラズマ(ICP)分光法が好ましい。
【0043】 少なくとも2種の市販のシリカ磁気粒子が、本発明のマトリックスにおいて使
用するのに特に好ましく、これはPerSeptive Biosystems社のBioMag(登録商標)M
agnetic Particlesと、Promega社(マジソン、ウィスコンシン)のMagneSil(登録
商標)Particlesである。溶液からシリカ磁気粒子を分離するのに十分な強さの磁
力のあらゆる供給源が、本発明の核酸単離法における使用に適している。しかし
磁力は、例えばPromega社のMagneSphere(登録商標) Technology Magnetic Separ
ation Stands (カタログ番号第Z5331〜3、又はZ5341〜3)のような磁気分離スタ
ンドの形で提供されることが好ましい。
【0044】 本発明のpH依存型イオン交換マトリックスは全て、下記の一般構造式(I)の、
固相に共有結合した複数の第一のイオン交換リガンドを含む:
【化1】 (式中、波線は固相表面を示す。)。「リンカー」は、リンカーアルキル鎖、好ま
しくは炭素原子3〜8個を有するアルキル鎖を含む。「リンカー」は、酸素、アミ
ン、及びカルボニルからなる群より選択される少なくとも1個の追加のメンバー
を含むことも好ましい。「リンカー」は、グリシジル部分のようなエポキシド、
又は尿素結合であることが好ましい。「スペーサー」は、アミン末端を伴うスペ
ーサーアルキル鎖を含み、ここでアミン末端は、「リンカー」に共有結合してい
る。このスペーサーアルキル鎖の他端は、「キャップ」に共有結合している。「
スペーサー」アルキル鎖は、少なくとも1個のイオウ残基により置換することが
できる。「キャップ」は、pK値が9未満の第1級、第2級、又は第3級アミンを含む
。「キャップ」は、更に芳香族炭化水素環を含むことが好ましく、ここでアミン
は、環へ又は環のメンバーのいずれかに結合している。「キャップ」が芳香族炭
化水素環及びアミンを含む場合、このアミンは、環のメンバーであることが好ま
しい。「キャップ」はより好ましくは、5又は6員の芳香族アミン環、例えばイミ
ダゾール又はピリジンを含む。
【0045】 本発明のひとつの実施態様において、複数の第一のイオン交換リガンドは、固
相に結合した唯一のイオン交換リガンドであり、「スペーサー」は更に、スペー
サーアルキル鎖に共有結合した第一の酸性部分を含む。この酸性部分は、好まし
くはカルボキシル残基である。この本発明の実施態様において、少なくとも1種
の塩基性(芳香族炭化水素のアミンメンバー)及び少なくとも1種の酸性部分は、
両方共、第一のリガンドのメンバーである。「スペーサー」は、好ましくはシス
テイン、アラニン、及びアルキル鎖並びにヒスタミン及びヒスチジンのような芳
香族炭化水素からなる極性アミノ酸のアルキル鎖部分からなる群より選択される
。「スペーサー」及び「キャップ」は、共に最も好ましくはヒスタミン又はヒス
チジン部分を限定している。
【0046】 別の実施態様において、本発明は、同じ固形基体、例えば同じシリカ磁気粒子
に共有結合した複数の第一のイオン交換リガンド及び複数の第二のイオン交換リ
ガンドを含む、pH依存型イオン交換マトリックスである。第二のイオン交換リガ
ンドは、第二のアルキル鎖及びそれに共有結合したイオン交換残基を含む。第二
のアルキル鎖は、好ましくは炭素原子が1〜5個の分枝していないアルカンである
。このイオン交換残基は、好ましくは酸性部分、より好ましくはカルボン酸であ
る。第二のイオン交換リガンドは最も好ましくはプロピオン酸である。
【0047】 このpH依存型イオン交換マトリックスの第二の実施態様において、第二のイオ
ン交換リガンドが酸性部分を含む場合には、第一のイオン交換リガンドがスペー
サーアルキル鎖に共有結合した酸性部分を必要としない以外は、各第一のイオン
交換リガンドは、前記式(I)に記したものと同じ構造を有することができる。第
二のイオン交換リガンドが酸性部分を含む場合、これは好ましくはカルボン酸残
基であり、より好ましくは第二のアルキル鎖末端に共有結合したカルボン酸残基
である。
【0048】 直前に記された第二の種類のpHイオン交換マトリックスは、以後「二元」イオ
ン交換マトリックスと記し、好ましくは第二のイオン交換リガンドである一方の
リガンド上に酸性部分を有し、及び第一のイオン交換リガンドの芳香族炭化水素
環成分のアミンメンバーである他方のリガンド上には少なくとも1個の塩基性部
分を含む。好ましい立体配置において、該マトリックスの標的核酸の結合及び放
出能力は、制御することができ、かつ固形基体に共有結合した第一及び第二のイ
オン交換リガンドの相対比を変動することにより細かく変更することさえできる
。前述の単方式イオン交換マトリックスが本発明の標的核酸の単離における使用
に良く適しているのに対して、二元イオン交換マトリックスのこの特徴は、これ
を本発明の方法における使用にとって特に望ましいものとしている。固相がシリ
カベースである場合、各イオン交換リガンドは、好ましくは固相に、下記式(II)
に示されたように、シラン基を介して共有結合している:
【化2】 (式中、R1は、-OH、-OCH3、及び-OCH2CH3からなる群より選択され;かつR2は、
式-(OSiR1 2)y-R1により表され、yは少なくとも0である。)。y が0である場合、
このリガンドは固形基体にシランモノマーを介して結合されている。yが0よりも
大きい場合、この結合はシランポリマーを介している。
【0049】 標的核酸は、2よりも大きいpHのいずれかで固有に負帯電しており、かつ従っ
てイオンがアニオン交換体と標的核酸の間で交換され得るような条件下で、アニ
オン交換体に可逆的に結合することができる。本発明のpH依存型イオン交換マト
リックスは、存在するマトリックスが中性から正に帯電される第一のpHにおいて
アニオン交換体である。第二のより高いpHで、このマトリックスは、イオン交換
リガンドの酸性部分のpKに応じて、中性から負に帯電される。この標的核酸は、
第一のpHでマトリックスに吸着され、かつ第二のpHでマトリックスから脱着され
得る。第一及び第二の各pHについて可能なpH範囲は、pH依存型イオン交換マトリ
ックスの複数のイオン交換リガンド成分の性質によって決まる。
【0050】 複数のリガンドは、少なくとも1種のアニオン-交換部分及び少なくとも1種の
カチオン-交換部分を含む。このpH依存型イオン交換マトリックスの少なくとも1
種のアニオン-交換部分は、pKが9未満の少なくとも1個のアミンであり、ここで
このアミンは、第1級、第2級、又は第3級アミンからなる群より選択される。少
なくとも1種のカチオン-交換部分は、酸性部分であり、好ましくはヒドロキシル
及びカルボキシルからなる群より選択される。
【0051】 本発明のpH依存型イオン交換固相は、標的核酸の単離に使用するためにデザイ
ンされている。先に説明したリガンドの立体配置、及びリガンド密度の両方を、
所定の標的核酸の最適な吸着及び脱着を確実にするように調節することができる
。本発明のマトリックスにおける使用に適した最高のリガンド密度は、500μmol
/乾燥質量gである。本発明のpH依存型イオン交換マトリックスにおける使用に
適した最低のリガンド密度は、約25μmol/乾燥質量gである。本発明のマトリッ
クスのリガンド密度は、最も好ましくは50〜200μmol/固相の乾燥質量gの間で
ある。
【0052】 本発明のマトリックスのアニオン交換部分及びカチオン交換部分は、溶液条件
に応じて電荷が変動する。第一のpHを有する溶液が存在する場合、塩基性部分(
すなわちアミン)は正に帯電し、かつ該マトリックスは、標的核酸と交換するこ
とが可能である。第一のpHよりも高い第二のpHを有する溶液が存在する場合、酸
性部分は負電荷を有し、かつ塩基性部分は中性電荷を有する。このマトリックス
は、第一のpHで標的核酸を吸着し、かつ少なくともほぼ第二のpHであるようなpH
で標的核酸を脱着するようにデザインされている。本発明のマトリックスへの標
的核酸の吸着及び脱着を確実にするために必要とされるpH条件は、吸着及び脱着
溶液の塩条件により、並びに固相に結合した複数のリガンドの特異的組成及び密
度により変動する。詳細には、脱着が生じるような第一のpHは、溶液のイオン強
度が好ましくは約1M塩を越えない、より好ましくは約500mM塩を越えない、及び
最も好ましくは約50mM塩を越えない場合に、好ましくはpH6〜8である。
【0053】 本発明の標的核酸を単離する方法は、前述の本発明のpH依存型イオン交換マト
リックスのいずれかの種類を、単独で、もしくはpH依存型イオン交換マトリック
スと、溶液条件の異なるセット下で標的核酸の結合及び放出が可能である他の種
類のマトリックスの混合床を使用することができ、後者は、同時出願された米国
特許出願第09/312,139号、「混合床固相及び核酸の単離におけるその使用(MIXED
BED SOLID PHASE AND ITS USE IN THE ISOLATION OF NUCLEIC ACIDS)」に開示
されている。
【0054】 本方法は、この方法で使用されるpH依存型イオン交換マトリックスを提供する
工程、標的核酸及び少なくとも1種の混入物を含む混合物を提供する工程、この
混合物及びマトリックスを第一のpHで、標的核酸が該マトリックスに吸着し複合
体を形成するような条件下で混ぜる工程、該複合体を混合物から分離する工程、
及び脱着pHで溶離液を複合体と混ぜることにより、複合体から標的核酸を脱着す
る工程を含む。標的核酸のマトリックスへの吸着及び脱着を確実にするために必
要な正確な溶液条件は、標的核酸の性質(例えば、RNA又はDNA、分子量、及びヌ
クレオチド配列組成)、リガンドの酸性及び塩基性サブユニットのpKa及びpKb、
固相表面上のリガンド密度、及び標的核酸に直接結合する固相の能力を含む、い
くつかの要因によって決まる。該混合物中の一部の混入物は、マトリックスへの
付着を妨害することもある。
【0055】 好ましくは、非カオトロピック物質(例えば、塩酸グアニジン又はイソチアン
酸グアニジン)又は低分子量アルコール(例えばエタノール又はメタノール)が、
特定種の標的核酸とはかかわりなくマトリックスと接触するような溶液のいずれ
かに含まれる。標的核酸溶液中の微量のカオトロピック物質又はエタノールであ
っても、下流のプロセシング又は分析における核酸の利用性をひどく制限するこ
とがある。
【0056】 標的核酸がプラスミドDNAである場合、本発明のpH依存型イオン交換マトリッ
クスは、プラスミドDNAで形質転換されかつアルカリ溶菌溶液で溶菌された細菌
の透明化された溶菌液に直接添加することができる。本発明での使用に適してい
るアルカリ溶菌操作は、Sambrookらの著書「Molecular Cloning」第1, 2版、(発
行1989年、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス社)、1.25-1.28ペー
ジ、及び「技術公報(Technical Bulletin)」第202、225及び259(Promega社)に見
ることができる。該マトリックスの全体の電荷が正極であり、かつ電荷密度が、
第一のpHでプラスミドDNAが該マトリックスのイオン交換リガンドとのアニオン
交換に参加することを可能にするのに十分な程高いならば、前述のように調製し
た溶菌液からのプラスミドDNAは、それが一緒にされた時点でpH依存型イオン交
換マトリックスに吸着される。一旦マトリックスに吸着し複合体を形成すると、
この複合体は、このような洗浄工程を通じてプラスミドDNAがマトリックスに吸
着し続ける一方で、少なくとも1種の混入物は除去されることを確実にするよう
にデザインされた緩衝液及び塩溶液の条件を持つ洗浄液で洗浄することができる
。最後にプラスミドDNAは、溶菌溶液及び洗浄液のpHよりも高い第二のpHを有す
る溶離緩衝液により複合体と混ぜることにより複合体から溶離され、ここでこの
第二のpHは、プラスミドDNAのマトリックスからの脱着を促進するのに十分な程
高い。
【0057】 本発明のpH依存型イオン交換マトリックス及び方法を用いて、血液、精液、膣
細胞、毛髪、口腔組織、唾液、組織培養細胞、植物細胞、胎盤細胞、又は羊水中
に存在する胎児細胞及び体液混合物を含むが、これらに限定されるものではない
ような、生体組織からゲノムDNAを単離することができる。標的核酸がゲノムDNA
である場合、組織を破壊し、組織中の他の物質との会合から標的ゲノムDNAを離
脱することが必要であり、その結果標的ゲノムDNAは、第一のpHで溶液の存在下
で pH依存型イオン交換マトリックスに付着することができる。得られるマトリ
ックス及びゲノムDNAの複合体は、破壊された組織から分離され、かつ洗浄され
、追加の混入物(必要であるならば)が除去される。その後ゲノムDNAは、該複合
体を第一のpHよりも高い第二のpHを有する溶離液と混ぜることにより、該複合体
から溶離される。
【0058】 標的核酸がRNAである場合は、標的核酸のpH依存型イオン交換マトリックスへ
の吸着は、RNAのマトリックスへの優先的吸着を促進するようにデザインされた
条件下で実施されることが好ましい。RNA及びDNAの両方が溶液中に存在する場合
、この溶液の条件は、RNAのpH依存型イオン交換マトリックスへの優先的吸着を
促進するようにデザインされ得る。RNAのpH依存型イオン交換マトリックスへの
吸着及び脱着を優先的に促進するために必要とされる具体的溶液条件は、マトリ
ックスそれ自身の特徴によって決まり、従って各マトリックスについて決定され
なければならない。
【0059】 図1から3は、本発明の3種の追加の実施態様、特に、3種の異なる型のpH依存型
イオン交換マトリックスの3種の異なる製造法を示している。このような方法の
第一は、図1に示されたものであり、これは、アミンがpK約9未満を有するような
アミンメンバーを伴う芳香族炭化水素環を含むキャップを、固相に、グリシジル
リンカーを介して連結することにより、pH依存型イオン交換マトリックスを製造
する方法である。この方法は3工程を含む。第一の工程において、式(IV)の化合
物であるシラン残基に共有結合した3個の同じサブユニットを伴うグリシジプロ
ピルシラン("R1"は-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3)は、それに共有結合したヒドロキ
シル基を伴う式(III)に示されるような少なくとも1種の表面を持つ固相と、シラ
ン残基の間の共有結合の形成を促進するようにデザインされた条件下で一緒にさ
れ、式(V)のグリシジルで修飾された固相を形成する。最後に、このグリシジル
で修飾された固相は、ヒスチジンのような、アミンメンバーを伴う芳香族炭化水
素環を持つアミノ酸を含むアミノ酸、又は、ピリジル-システイン又はピリジル-
アラニンのような、芳香族炭化水素に共有結合したアミノ酸のいずれかと、アミ
ノ酸又はアミノ酸部分のN-末端を介して2個の化合物の間のペプチド結合の形成
を促進するようにデザインされた条件下で、一緒にされる。本方法のこの具体的
な工程において使用される好ましい化合物は、R2Hとして示される(式中、このよ
うな化合物(すなわち、ヒスチジン、ピリジル-システイン、及びピリジル-アラ
ニン)の各々のR2の構造の成分は、図1に例示している。)。この反応の最終生成
物は、式(VI)のpH依存型イオン交換マトリックスである。
【0060】 本発明は更に、アミノアルキルスペーサー及びアミンメンバーを伴う芳香族炭
化水素環を含むキャップを有する第一の部分を、固相に、尿素結合を介して連結
することによる、pH依存型イオン交換マトリックスの製造法である。図2は、ヒ
スチジンが固相に連結した第一の部分であるこのような合成法を示している。し
かし、実質的に同じ操作を用いて、ヒスタミンを含む他の部分を固相に尿素を介
して連結することも考案されている。図2に示されたように、式(VII)のメチル基
によるカルボキシル残基の保護により修飾されたヒスチジンは、シラン残基に共
有結合された3個の同じサブユニットを伴う式(VIII)の化合物3-イソシアナトプ
ロピルシラン("R1"は-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3)と一緒にされる。得られる混合
物は、保護されたアミノ酸(この場合メチル基で保護されたヒスチジン)のN-末端
と式(VIII)の化合物のシアナト炭素残基の間の共有結合の形成を促進するような
条件下で反応することができ、尿素残基の形成を生じる。第一の反応の生成物は
、その後、式(III)の固相と、生成物のシラン残基と固相表面のヒドロキシル基
の間の共有結合の形成を促進するようにデザインされた条件下で一緒にされる。
第二の反応の最終生成物は、式(IX)で表される。最後に、アミノ酸部分のカルボ
ン酸残基上の保護基が、塩酸のような酸化剤との反応により取り除かれる。反応
生成物は式(X)で表される。
【0061】 本発明は更に、二元又は多元pH依存型イオン交換マトリックスの製造法である
。図3は、本発明の方法に従う、このような二元マトリックスのひとつの合成を
示している。図3に示されたこの方法の第一の工程は、シラン残基に共有結合し
た式(XI)の化合物であるイミダゾール-エチル-N'-3-プロピルシリル尿素(ここで
、3個のサブユニットのうち、2個のR1サブユニットは各々-OH、-OCH3、又は-OCH 2 CH3と定義され、かつ1個のR2サブユニットは式-(OSiR1 2)y-R1により定義され、
yは少なくとも0である。)の、式(III)に示される、それに共有結合したヒドロキ
シル基を伴う固相への添加である。式(XI)の化合物は、ヒスチジン及び3-イソシ
アナトプロピル三置換されたシランから、直前に記した方法の第一の工程におい
て尿素結合を形成するように使用した手順に類似した手順を用いて合成すること
ができる。式(XI)の化合物及び式(III)の固相は、式(XI)の化合物のシラン残基
と固相表面のヒドロキシル基の間の共有結合の形成を促進するようにデザインさ
れた条件下で、反応することができ、これにより、式(XII)の構造のそれに結合
した第一の種類のリンカーを伴う固相を形成する。
【0062】 二元及び多元pH依存型イオン交換マトリックスの合成は、少なくとも1種の別
のリンカーの追加へと続く。二元マトリックスにおいて、少なくとも1種の別の
リンカーは、それに共有結合した酸性基を含むような第二のリンカーである。本
発明の方法に従う式(XII)の構造への第二のリンカーの結合は、図3に示している
。式(XIII)の化合物のような、それに共有結合された保護された酸性基及びシラ
ン残基に共有結合した3個の同じサブユニット("R3"は、-OH、-OCH3、又は-OCH2C
H3である)を伴う末端シラン残基を有するアルキル鎖は、式(XII)の固相/第一の
リンカー化合物と、シラン残基と固相表面のヒドロキシル基の間の共有結合の形
成を促進するような条件下で一緒にされる。次に、この保護基(例えば、メチル
残基)は、得られる式(XIV)の化合物から、HClのような酸化剤を用いて除去され
、これにより、式(XV)の化合物が形成される。式(XIV)の中間体化合物及び式(XV
)の最終生成物の両方のシラン残基は、それらに結合した2個のサブユニットR3
びR4を有する(式中、R3は-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3であり、かつR4は-(OSiR3 2) z -R4であり、ここでzは少なくとも0である。)。
【0063】 多元pH依存型イオン交換マトリックスも、特定の標的核酸を選択するために固
相の電荷密度及び全体の電荷を細かく調整するように、酸性又は塩基性残基を伴
う追加のリンカーを、固相へ共有結合することにより製造することができる。
【0064】 以下の限定的でない実施例は、様々な本発明の実施態様を示す。これらの実施
例、並びに本願明細書及び「特許請求の範囲」において、容量及び濃度は、特に
記さない限りは、室温で示している。下記実施例において使用される磁気シリカ
粒子は全て、一般に好ましい寸法及び先に好ましいことを記したシリカ質酸化物
の被膜を有する、多孔質又は非多孔質のMagneSil(登録商標)粒子のいずれかであ
る。より詳細に述べると、下記実施例において使用される多孔質MagneSil(登録
商標)粒子は、以下の特徴を有する粒子の2種のバッチのいずれかから採取した:
(1)表面積が55m2/g、直径<600Åの粒子について細孔容積0.181ml/g、直径>600Å
の粒子について細孔容積0.163ml/g、粒度中央値が5.3μm、及びICPを用いる本願
明細書に先に記したようにアッセイした場合の鉄浸出が2.8ppm;もしくは、(2)
表面積が49m2/g、直径<600Åの粒子について細孔容積0.160ml/g、直径>600Åの
粒子について細孔容積0.163ml/g、粒度中央値が5.5μm、及び鉄浸出が2.0ppm。
下記実施例において使用したガラス粒子の規格は以下に記す。
【0065】 当業者は、その合成及び使用が下記実施例において例証されるようなpH依存型
イオン交換粒子を製造するために使用した3種のシリカベースの固形基体以外の
固形基体を選択しかつ使用するために本内容を用いることができるであろう。こ
れらの実施例は、本発明の範囲を限定するために構成されるものではない。他の
pH依存型イオン交換マトリックス、及び本発明に従い標的物質を単離するための
該マトリックスの使用法は、クロマトグラフィー分離及び分子生物学の業者には
明らかであろう。
【0066】実施例 下記実施例は、本発明の様々な態様を例証するために示されているが、その範
囲を限定するものではない:実施例1−ゲル電気泳動 下記実施例に記した操作に従い単離した標的核酸試料を、非標的核酸の混入、
及びサイズについて、以下のように分析した。これらの試料は、適当な密度のア
ガロースゲル上で分画した(例えば1.0%アガロースゲルを用いプラスミドDNAを
分析し、1.5%アガロースゲルを用いてRNAを分析した。)。分画した核酸を、蛍
光標識を用いるか、もしくは臭化エチジウム又は銀染色のようなDNAに感度のあ
る染料でゲルを染色して可視化した。得られた分画され可視化された核酸を、写
真撮影するか又は蛍光測定装置(fluorimager)を用いて可視化し、かつ得られる
画像をレーザープリンターで印刷した。
【0067】 場合によっては、サイズ標準を標的核酸と同じゲル上で分画し、かつおおよそ
の標的核酸のサイズを決定した。ゲルアッセイを行う度に、分画された核酸の写
真又は蛍光測定装置を、非標的核酸の混入について検証した。例えば、プラスミ
ドDNAの分画した試料の画像は、同じゲル上でDNAよりもかなり早く流れるRNAに
ついて、及び同じゲル上でプラスミドDNAよりもかなり遅く流れる染色体DNAにつ
いて検証した。単離したプラスミドDNAの画像も検証し、画像に示されたプラス
ミドDNAの殆どが完全なスーパーコイル構造のプラスミドDNAであるかどうかを決
定した。
【0068】実施例2−吸収の分光光度法 下記のように、様々な媒質から単離した標的核酸試料を同じく、吸収の分光光
度法を用いて分析した。吸収測定値は、波長260、280、及び230nmで測定した。A 260 /A280吸光度比を、測定値から換算した。A260/A280が1.80以上であること
は、分析された試料が比較的タンパク質混入物を含まないことを示すと理解され
た。各試料の核酸濃度は、260nmで測定した吸光度(A260)から決定した。
【0069】実施例3−多孔質シリカ磁気pH依存型イオン交換粒子の合成 以下の操作に従い、様々なpH依存型イオン交換リガンドを、多孔質シリカ磁気
粒子に結合した。本願明細書に記されたように合成されたシリカ磁気pH依存型イ
オン交換粒子を用いて、下記の連続する実施例に記されたように、標的核酸を単
離した。
【0070】 A. グリシジルで修飾されたシリカ磁気粒子の調製 1. シリカ磁気粒子を、110℃で一晩、減圧下で加熱することにより活性化した
。 2. 活性化した粒子10gを、フラスコに入ったトルエン100ml中に懸濁し、これに
3-グリシジルプロピル-トリメトキシシラン3.2mlを添加した。 3. この混合液が入ったフラスコに、冷却器を装着し、かつ反応液を5時間還流
した。室温に冷却後、反応混合液を室温で48時間放置した。 4. 次に反応混合液を濾過し、かつ還流反応物中に生成されたグリシジル-修飾
したシリカ磁気粒子を含む残留物(retentate)を、トルエン(2 x 100ml)、ヘキサ
ン(2 x 100ml)及びエチルエーテル(1 x 150ml)で洗浄した。次に洗浄した生成物
を風乾した。 5. 少量の生成物を更に110℃の炉中で乾燥し、かつ元素分析を行った。結果(%
C 0.75;%H 0.58)は、下記式(III)に記したシリカゲル粒子のグリシジル修飾と
一致した。本願明細書及び以下の残りの実施例において記載されたこの式及び他
の式の波線は、固相表面を表し、この特定の実施例においては多孔質シリカ磁気
粒子である。
【0071】
【化3】
【0072】 (式中、Rは、-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3である。) 6. 前述のように生成されたグリシジル-修飾したシリカ磁気粒子は、次に更に
以下に記したような、ヒスチジン、アラニン、又はシステインのようなアミノ酸
の、グリシジル部分の末端環との反応による該粒子への結合により修飾される。
【0073】 B. グリシジル-ヒスチジン修飾したシリカ磁気粒子の合成 1. D,L-ヒスチジン2.0gを、テトラヒドロフラン20ml及び水20mlの混合液に、
この溶液を還流加熱することにより、溶解した。 2. この溶液に、グリシジル-修飾したシリカ磁気粒子2gを添加し、かつ得られ
る懸濁液を一晩還流した(18時間)。 3. 室温へ冷却後、反応混合液を濾過し、かつグリシジル-ヒスチジン修飾した
シリカ磁気粒子を含有する残留物を、アセトン100mlで1回、水150mlで3回、及び
エーテル150mlで1回洗浄した。固形物を風乾した。 4. 工程3から得た乾燥した固形物の少量を、更に110℃で乾燥し、かつ元素分
析を行った。結果:%C 1.35;%H 0.68;%N 0.50。この結果は、下記の、図(X
VII)に示したような、グリシジル-ヒスチジン連結に一致した。
【0074】
【化4】
【0075】 (式中、Rは、-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3である。)
【0076】 C. グリシジル-アラニン修飾したシリカ磁気粒子の合成 1. 3-(3-ピリジル)-D-アラニン(1g)を水20mlに溶解した。 2. この溶液に、グリシジル-修飾したシリカ磁気粒子2gを添加し、かつ得られ
る混合液を一晩還流した。 3. 冷却後、反応混合液を濾過し、かつ水で2回、及びエチルエーテルで1回洗浄
した。 4. 工程3から得た生成物の試料の元素分析を以下に示す:%C 0.98;%H 0.56
;%N 0.20。この結果は、下記の、式(XVIII)に示したような、グリシジル-アラ
ニン修飾に一致した。
【0077】
【化5】
【0078】 (式中、Rは、-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3である。)
【0079】 D. グリシジル-システイン修飾したシリカ磁気粒子の合成 1. S-[2-(4-ピリジル)エチル]-L-システイン1gを水20mlに懸濁し、材料が溶解
するまで加熱した。 2. この溶液に、グリシジル-修飾したシリカ磁気粒子2.5gを添加し、かつ得ら
れる混合液を一晩還流した。 3. 冷却後、反応混合液を濾過し、かつ水及びエチルエーテルで3回洗浄した。
この物質を風乾した。 4. 工程3から得た生成物の試料の元素分析を以下に示す:%C 1.08;%H 0.42
;%N 0.16%。下記の、式(XIX)に示したような、シリカ磁気粒子のグリシジル-
システイン修飾に一致した。
【0080】
【化6】
【0081】 (式中、Rは、-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3である。)
【0082】実施例4−非多孔質MagneSil、ガラスファイバー、及びシリカゲルグリシジル-連 結したpH依存型イオン交換固相の合成 A. グリシジル-ヒスチジン修飾した非多孔質磁気シリカの合成 1. グリシジル修飾:非多孔質シリカ磁気粒子(Part No. SMR22-552、W.R. Grac
eより提供)6mlを、トルエン6mlに懸濁し、かつこの懸濁液に3-グリシジルプロピ
ルトリメトキシシラン0.7mlを添加した。得られる混合液を、回転蒸発器に入れ
、一晩反応させた。反応混合液を濾過し、かつ修飾されたシリカ磁気粒子生成物
を含有する残留物を、塩化メチレン20mlで1回及びエチルエーテル20mlで1回洗浄
した。生成物を、五酸化リンを入れたデシケーター内で上真空乾燥した。元素分
析は以下を示した:%C 0.3;%H 0.63。この結果は、前記式(XVI)のグリシジル
修飾と一致した。
【0083】 2. ヒスチジン連結:D,L-ヒスチジン0.5gを、テトラヒドロフラン4ml及び水6ml
の混合液中に溶解した。この混合液に、グリシジル-修飾したシリカ磁気粒子1.2
gを添加し;かつ、得られた懸濁液を5時間還流した。室温に冷却後、反応混合物
を濾過し、固形物をメタノール50ml及びエチルエーテル50mlで1回洗浄した。生
成物を、五酸化リンを入れたデシケーター内で真空乾燥した。元素分析は以下を
示した:%C 0.44;%H 0.64;%N 0.0。この結果は、前記式(XVII)の非多孔質
シリカ磁気粒子へのヒスチジンのグリシジル連結と一致した。
【0084】 B. グリシジル-ヒスチジン修飾したガラスファイバーの合成 1. グリシジン修飾:ガラスファイバー製フィルター0.7g(Ahlstrom-122;Ahlst
rom Filtration社、ヘルシンキ、フィンランド)を、トルエン15mlに懸濁し、か
つこの懸濁液に3-グリシジルプロピルトリメトキシシラン1.0mlを添加した。得
られた混合物を、室温で48時間インキュベーションした。得られた修飾されたガ
ラスファイバー製フィルターの生成物から、溶液をピペットを用いて除去した。
フィルター生成物を、塩化メチレン30mlで2回洗浄し、その後塩化メチレン中に3
0分間浸漬し、かつ塩化メチレン各々30mlで更に2回洗浄した。この浸漬及び洗浄
操作を反復した。濾液を、減圧下回転蒸発器で乾燥した。
【0085】 2. ヒスチジン連結:D,L-ヒスチジン0.6gを、テトラヒドロフラン10ml及び水15
mlの混合液中に溶解した。この溶液を、フィルターに添加し、かつ得られた懸濁
液を20時間還流した。室温に冷却後、液体を、ピペットを用いて反応液から除去
し、かつフィルターを水及びメタノールで完全に洗浄した。洗浄したフィルター
を一晩風乾した。最終生成物の元素分析は以下を示した:%C 0.55;%H 0.16;
%N 0.0。これらの結果は、前述の式(IV)のグリシジル-ヒスチジン連結と一致し
た。
【0086】 C. グリシジル-ヒスチジン修飾したシリカゲルの合成 1. グリシジン修飾:シリカゲル110HP[クロマトグラフィー用シリカ等級110HP
、W.R. Grace提供(ボルチモア、MD)]10.0gを、トルエン45ml中に懸濁し、かつこ
の懸濁液に3-グリシジルプロピルトリメトキシシラン5.0mlを添加した。 得られ
た混合液を、回転蒸発器に一晩入れた。反応混合液を濾過し、かつ固形生成物を
、塩化メチレン20mlで1回及びエチルエーテル20mlで1回洗浄した。生成物を、五
酸化リンを入れたデシケーター内で真空乾燥した。元素分析:%C 7.75;%H 1.
67。これらの結果は、グリシジン修飾と一致した。
【0087】 2. ヒスチジン連結:前記修飾したシリカ全量10gを、テトラヒドロフラン30ml
及び水50mlに懸濁した。この溶液に、D,L-ヒスチジン3.8gを添加し、かつ得られ
た懸濁液を一晩還流した(約18時間)。室温に冷却後、反応混合液を濾過し、かつ
メタノール200mlで1回及びエチルエーテル50mlで1回洗浄した。得られた生成物
を、五酸化リンを入れたデシケーター内で真空乾燥した。元素分析は以下を示し
た:%C 9.88;%H 1.92;%N 1.68。これらの結果は、前記式(IV)のグリシジル
-ヒスチジン修飾に一致した。
【0088】実施例5−多孔質シリカ磁気尿素連結したpH依存型イオン交換粒子の調製 A. 尿素を介してヒスチジンに連結したシリカ磁気粒子 1. 尿素による修飾:ヒスチジンジヒドロ塩酸エチルエステル5gを、クロロホル
ム50ml及びトリエチルアミン4.0mlに懸濁した。この溶液に、3-イソシアナトプ
ロピルトリメトキシシラン4.8gを、添加ロートを用いて滴下し、かつ得られたシ
ラン/クロロホルム溶液を一晩攪拌した。多孔質シリカ磁気粒子 2.0gを、シラ
ン/クロロホルム溶液25.0ml中に懸濁し、かつこの混合液を回転蒸発器に20時間
入れた。得られた反応混合液を濾過し、かつこの反応液中の修飾されたシリカ磁
気粒子を含有する残留物を、クロロホルム50mlで1回及びエチルエーテル50mlで1
回洗浄した。洗浄した生成物を、五酸化リンを入れたデシケーター内で真空乾燥
した。元素分析は以下を示した:%C 2.38;%H 0.96;%N 0.81。これらの結果
は、尿素により修飾されたシリカ磁気粒子から予想される結果と一致した。
【0089】 2. 修飾した粒子1.0gを、5%HCl中に懸濁し、かつ4時間攪拌した。粒子を、HCl
溶液から分離し、水で洗浄し、水25ml中に再懸濁し、かつ濾過した。修飾された
シリカ磁気粒子を含有する残留物を、水50mlで1回、メタノール50mlで1回、及び
エチルエーテル50mlで1回洗浄した。洗浄した固形物を、五酸化リンを入れたデ
シケーター内で真空乾燥した。元素分析は以下を示した:%C 1.59;%H 0.84;
%N 0.55。これらの結果は、下記式(XX)で示される、尿素を介して連結したシリ
カ磁気粒子から予想される結果と一致した:
【0090】
【化7】
【0091】 (式中、Rは、-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3である。)。
【0092】 B. ヒスタミン及びプロピオン酸に連結したシリカ磁気粒子の合成 1. N-2-(4-イミダゾール)-エチル-N'-3-プロピルトリエトキシシリル尿素の合
成:ヒスタミン4.5gを、クロロホルム50mlに懸濁した。この懸濁液に、3-イソシ
アナトプロピルトリメトキシシラン9.8gを、添加ロートを用いて滴下し、かつ得
られた反応液を一晩攪拌した。この期間が終了後、反応液を蒸発乾固した。生成
物は更に精製することはなかった。核磁気共鳴分光法(NMR)を用いる、この中間
生成物の分析結果は、N-2-(4-イミダゾール)-エチル-N'-3-プロピルトリエトキ
シシリル尿素から予想されるものと一致した。具体的には、以下のNMR (CD3OD)
結果が認められた:7.6 ppm (s, 1H); 6.8 (s, 1H); 4.7 (broad s, 4H); 3.8 (
q, 4H); 3.6 (q, 1H); 3.36 (t, 2H); 3.30 (m, 1H); 3.07 (t, 2H); 2.72 (t,
2H); 1.55 (m, 2H); 1.2 (m, 6H)。
【0093】 2. 尿素を介したヒスタミンの連結:シリカ磁気粒子1.0gを、クロロホルム10ml
に懸濁し、かつこの懸濁液に、前記工程1から生成されたN-2-(4-イミダゾール)-
エチル-N'-3-プロピルトリエトキシシリル尿素1.2gを添加した。 得られた混合
液を、回転蒸発器に48時間入れた。この反応液を濾過し、クロロホルム40mlに再
懸濁した。固形物を濾過し、かつクロロホルム及びエタノールで洗浄した。固形
物を、五酸化リンを入れたデシケーター内で2時間真空乾燥した。元素分析の結
果(%C 5.46;%H 1.16;%N 2.35)は、ヒスタミンで修飾されたシリカ磁気粒子
で得られると予想される結果と一致した。
【0094】 3. プロピオン酸メチル修飾:前記工程2のヒスタミンで修飾したシリカ磁気粒
子の全量1gを、トルエン10mlに懸濁し、かつ2-(カルボメトキシ)エチルトリクロ
ロシラン1.0mlを、攪拌しながら滴下した。得られた反応混合液を2時間攪拌した
。この時間が経過した後、固形物を濾過し、かつクロロホルム及びエタノールで
洗浄した。生成物を、五酸化リンを入れたデシケーター内で1時間真空乾燥した
。元素分析の結果(%C 7.24;%H 1.52;%N 2.07)は、ヒスタミンで修飾した粒
子のプロピオン酸メチル修飾と一致した。
【0095】 4. プロピオン酸残基からのメチル基の除去:工程3において修飾したシリカ磁
気粒子1gを、5%HCl中に懸濁し、かつ4時間攪拌した。反応生成物を、濾過によ
り溶液から分離した。修飾した粒子を含む反応生成物の残留物を、水及びメタノ
ールで洗浄した。洗浄した生成物を、五酸化リンを入れたデシケーター内で真空
乾燥した。元素分析の結果(%C 6.14;%H 1.37;%N 1.47)は、下記式(XXI)の
、尿素を介してヒスタミンに連結しかつ更にプロピオン酸により修飾したシリカ
磁気粒子と一致した:
【0096】
【化8】
【0097】 (式中、R1及びR3は、それぞれ独立して、-OH、-OCH3、又は-OCH2CH3であり;R2
は-(OSiR2 2)y-R2であり、ここでyは少なくとも0であり;R4は-(OSiR3 2)z-R3であ
り、ここでzは少なくとも0である。)。
【0098】 C. ヒスチジン及びプロピオン酸に連結したシリカ磁気粒子の合成 1. ヒスチジンは、前述の、本実施例のパートAのヒスタミンの結合に使用した
ものと類似した操作を用い、尿素連結を介してシリカ磁気粒子に共有結合した。 2. 前述の、本実施例のパートBの尿素-連結したヒスタミン粒子へのプロピオン
酸の共有結合に使用したものと同じ最終の2工程を使用し、プロピオン酸を介し
てヒスチジンに連結したシリカ磁気粒子にプロピオン酸を共有結合した。
【0099】実施例6−プラスミドDNAの透明化した溶菌液の調製 細菌E. coil細胞であるDH5α株を、pGL3-Control Vector(Promega社)プラスミ
ドDNAで形質転換し、かつルリアブロス("LB")培地において37℃で一晩培養増殖
し、その後遠心により収集した。
【0100】 以下に説明するように、下記の溶液を用いて、収集した細胞の溶解液を調製し
た: 細胞再浮遊液: 50mM Tris-HCl、pH7.5 10mM EDTA 100μg/ml DNase-非含有リボヌクレアーゼA (RNase A) Wizard(登録商標)中和緩衝液(Promega社): 1.32M KOAc (酢酸カリウム)、pH4.8 細胞溶解溶液: 0.2M NaOH 1% SDS (ドデシル硫酸ナトリウム)
【0101】 形質転換した細胞の透明化した溶菌液を、以下のように作成した: 1. 細菌培養液1〜10ml由来の細胞を、微量遠心分離機において、最高速度での1
〜2分培養液を遠心することにより収集した。収集した細胞を、細胞再浮遊液250
μ1中に再浮遊し、かつ微量遠心管に移した。得られた再浮遊した細胞の溶液は
濁っていた。 2. 次に細胞溶解溶液25Oμlを、再浮遊した細胞の溶液に添加し、かつ溶液が比
較的透明になるまで反転して混合し、これは再浮遊された細胞が溶解したことを
示した。
【0102】 3. 溶解液に、Wizard(登録商標)中和緩衝液350μ1を添加し、かつ反転して混合
した。溶解液は、中和溶液を添加後濁り始めた。 4. その後この溶液を、微量遠心分離機において、最高速度(約12,000 G)で10分
間回転し、溶解液を透明化した。
【0103】実施例7−多孔質シリカ磁気グリシジル-ヒスチジンpH依存型イオン交換粒子を使 用するプラスミドDNAの単離 全てのプレップは1.5m1試験管内で処理し、かつ全ての工程は室温で行った: 1. 実施例6の工程5から得た透明化した溶解溶液を、グリシジル部分を介して
ヒスチジンに連結したpH依存型多孔質シリカ磁気イオン交換粒子150μ1 (粒子15
mg)を含有する透明な1.5mlチューブに移し、ここでこれらの粒子は実施例3Bに記
したように調製した。得られた粒子及び溶液の混合液を激しく攪拌し、かつ室温
で5分間インキュベーションした。 2. チューブに含まれたシリカ磁気イオン交換粒子を、磁力によりチューブの内
面側壁に対して保持しながら、チューブのキャップ及び側壁を、反転することに
より溶解溶液で4回洗浄し、かつ室温で1時間静置した。この溶液を除去しかつ破
棄した。
【0104】 3. 粒子チューブ及びキャップを、ナノ純粋(nanopure water)1.0mlで洗浄した
。 4. 磁力を用いて、シリカ磁気粒子をチューブ内に保持しながら、チューブの液
体をそこから及びチューブキャップから取り除いた。液体は破棄した。 5. 粒子を、66mM酢酸カリウム300μl及び800mM NaCl(pH4.8)中で激しく攪拌す
ることにより、再懸濁した。工程3を反復した。 6. 工程5を3回繰り返し、全体で4回塩洗浄した。 7. チューブに残留しているシリカ磁気粒子を、ナノ純粋1.0ml中に再懸濁した
【0105】 8. シリカ磁気イオン交換粒子を、磁力により水から分離した。チューブキャッ
プ及び側壁を、チューブを反転し(4x)洗浄し、かつ1分間静置した。 9. 液体をチューブ及びキャップから除去した。 10. 工程7-9を水で繰り返し、全体で2回洗浄した。 11. 10mM Tris pH8.0の100μlをチューブに添加し、DNAを溶離し、かつチュー
ブを完全に激しく攪拌した。 12. シリカ磁気イオン交換粒子を溶離液から磁力により分離し、かつ溶離液を
透明なチューブに移した。
【0106】 工程12の溶離液の分析は、混入タンパク質又は他の核酸を比較的含まないよう
なプラスミドDNAが得られたことを示した。詳細には、実施例1に記した操作に従
うゲル電気泳動を用いる溶離液の分析は、RNA又は染色体RNAの混入物がないこと
を示していた。実施例2に記したような吸収の分光分析法を用いる溶離液の分析
は、pGL-3プラスミドDNAの収量が30μgであることを示した。吸光度比の結果(A2 60 /A280比1.84)は、前述の操作に従い単離されたプラスミドDNAが、タンパク質
混入物を含まないことを示した。
【0107】実施例8−グリシジル-ヒスチジンガラスファイバーを用いる透明化した溶菌液か らのプラスミドDNAの単離 一晩培養したpGL3 Control Vector プラスミドDNAで形質転換されたDH5α細胞
の5mlからの透明化した溶解液を、実施例3に記したように調製した。透明化した
溶解液を、前記実施例4Bに記したように、グリシジル-ヒスチジンで修飾したAhl
strom 121ガラスファイバー42mgを含むカラムに添加した。結合時間が10分経過
した後、カラムを遠心し、アルカリ溶解溶液を除去した。その後カラムを、ナノ
純粋700μ1を用いて洗浄し、これはカラムを遠心することにより除去した。この
水洗浄を、2回繰り返した(全部で3回洗浄)。DNAは、10mM Tris(pH8.0)100μlで
溶離し、かつ溶液をカラム遠心分離により1.5 mlチューブに収集した。溶離した
DNAは、実施例1に記した操作に従い、ゲル電気泳動により試験し、かつRNA又は
染色体DNAの混入物は検出されなかった。原子吸光分析は、DNA収量36μg、及びA 260 /A280比1.86を示した。
【0108】 カラムは、10mM Tris(pH8.0)400μl(カラム遠心分離により除去した)で洗浄し
、かつ再度100mM Tris、2.OM NaClの2 X 700μl(同じくカラム遠心分離により除
去)により洗浄した。その後カラムを、ナノ純水700μlで洗浄し(カラム遠心分離
により除去)、かつ室温で12時間風乾した。 カラムを再使用し、その後先に概説したものと同じ操作を続けた。得られた D
NAも、ゲル電気泳動により目に見えるRNAを示さず、かつDNA収量3Oμg及びA260/
A280比1.84であった。
【0109】実施例9−グリシジル−ヒスチジンで機能化した非多孔質グリシジル-ヒスチジン イオン交換粒子を用いる透明化した溶菌液からのプラスミドDNAの単離 pGL3 Control Vector プラスミドDNAで形質転換したDH5α細胞の透明化した溶
解液を、Wizard(登録商標)中和緩衝液500μlを、350μlの代わりに工程3におい
て溶解された細胞に添加した以外は、実施例6に記したように調製した。プラス
ミドDNAは、透明化した溶解液から、下記のように、実施例4Aに記されたように
調製された非多孔質グリシジル-ヒスチジンシリカ粒子を用いて単離した: 透明化した溶解液を、3mlのシリンジバレル内のグリシジル-ヒスチジン非多孔
質シリカ粒子15mgと混ぜ、かつ室温で1時間放置した。 その後溶解液を、シリンジバレルを通して、陽圧で押出した。ナノ純水による
1.0mlの洗浄を陽圧を用いて2回行い、液体を除去した。その後10mM Tris(pH8.0)
100μlを用い、DNAを溶離した。溶離したDNAを、陽圧により透明な1.5mlチュー
ブへと取り除いた。
【0110】 実施例1の操作に従った、ゲル電気泳動による分析は、溶離液が、スーパーコ
イル形成したプラスミドDNAを含むことを示し、染色体DNA又はRNAの混入の証拠
はなかった。実施例2の操作に従う溶離液の吸光度分析は、DNA収量10mg及び吸光
度比A260/A2801.61を示した。
【0111】実施例10−多孔質シリカ磁気グリシジル-アラニンを用いる透明化した溶解液か
らのプラスミドDNAの単離 プラスミドDNAは、下記のように、pGEM-3Zf+ DNAで形質転換したDH5α E. col
i細菌細胞から単離した。プレップは、1.5m1チューブ内で処理した。全ての工程
は、以下に特に記さない限りは、室温で行った。
【0112】 1. Wizard(登録商標)再浮遊液2.5mlを、形質転換体の50mlペレットに添加し、
かつ激しく攪拌し、細胞を再浮遊させた。 2. 再浮遊した細胞265μlを、2本のチューブに添加した。 3. Wizard(登録商標)溶解緩衝液250μlを、チューブ1本毎に添加し、かつゲノ
ムDNAの剪断を避けるように穏やかに混合した。 4. Wizard(登録商標)中和溶液350μlを、チューブ1本毎に添加し、かつ穏やか
に混合した。 5. これらのチューブを、14000rpmで10分間遠心した。
【0113】 6. 透明化した溶液を取り除き、かつ前記実施例3Cに記したように調製した、10
0mg/ml(15mg)のシリカ磁気グリシジル-アラニン粒子の150μlが入った透明な1.5
mlチューブに入れた。得られた混合物を激しく攪拌し、かつ5分間インキュベー
ションした。 7. 粒子を、磁気分離器を用いて、混合物から分離した。チューブキャップを、
チューブを反転することにより洗浄し(4x)、かつ1分間インキュベーションした
。 8. 液体を、キャップを備えるチューブから取り除いた。 9. チューブをナノ純水1.0mlで洗浄した。
【0114】 10. 工程7及び8を繰り返した。 11. 工程9及び10を2回繰り返し、全体で3回洗浄した。 12. 溶離緩衝液20mM Tris-HCl、pH 9.5の100μlを、各チューブに添加した。粒
子及び緩衝液を良く混合し、かつ粒子に吸着されているプラスミドDNAをそこか
ら溶離した。 13. 粒子を、得られる溶離液から磁力により分離した。各チューブ中の溶離液
を、透明なチューブに移した。
【0115】 先に記した操作に従い、2つ組で単離を行い、プラスミドDNAの21.7μg (A260/ 280 は1.86)及び16.1μg(A260/280は1.89)を得た。RNAは、ゲル電気泳動を用いた
分析では認められなかった。
【0116】実施例11−様々なpHにおける、シリカ磁気尿素-連結したヒスタミン、並びにシ
リカ磁気尿素-連結したヒスタミン及びプロピオン酸の二元イオン交換粒子から
のプラスミドDNAの溶離に必要な対イオン条件の比較 シリカ磁気pH依存型イオン交換粒子の2種の異なる種類の各々からのプラスミ
ドDNAの溶離に必要な塩化ナトリウム及び緩衝液の最低量を、下記の操作に従い
、いくつかの異なるpHの各々についてアッセイした。このアッセイにおいて使用
した2種の粒子のうちのひとつは、尿素残基を介してヒスチジンに連結されたシ
リカ磁気粒子であり(本実施例においては「尿素ヒスチジンIE粒子」と称する)、
前記実施例5Aに記されたように調製した。この実施例において使用した他の種類
の粒子は、プロピオン酸に直接連結しかつヒスタミンには尿素残基を介して連結
したシリカ磁気粒子であり(以後「二元-ヒスタミン-プロピオン酸IE粒子」と称
する)、前記実施例5Bに記されたように調製される。二元ヒスタミン-プロピオン
酸IE粒子の元素分析は、ヒスタミン260μmole及びプロピオン酸900μmoleを示し
た。
【0117】 透明化した溶解液を、下記のように変更した、前記実施例6に記したように、p
GL3-Control Vector (Promega社)で形質転換したE. coli細菌細胞のDH5α株から
調製した。この形質転換体の一晩培養物50mlから細胞を遠心により収集し、かつ
Wizard(登録商標)再浮遊液2.5mlに再浮遊した。この細胞を、Wizard(登録商標)
溶解溶液2.5mlを再浮遊した細胞に添加することにより、細胞を溶解した。得ら
れた溶解液に、Wizard(登録商標)中和溶液3.5mlを添加した。この溶解液を遠心
により透明化し、かつ上清を滅菌した50mlチューブに移した。
【0118】 尿素-ヒスチジンIE粒子及び二元-ヒスタミン-プロピオン酸IE粒子を、互いに
、直前に記したように調製した透明化した溶解液由来のプラスミドDNAの結合及
び放出のそれらの能力について試験し比較した。2種の粒子の各々によるプラス
ミドDNAの単離に使用した溶離液は、pH4.2〜9.5の範囲でpHを変更した:
【0119】 1. 透明化した溶解液700μlを、各々2種の試験した粒子について2種の試料の各
4セットにおいて、各々1.5mlの微量遠心チューブに入れた。各1.5ml遠心チュー
ブは、2種の粒子のいずれか150μlを含んだ(15mg)。各チューブにキャップをつ
け、かつ反転混合した。得られた浮遊液を室温で5分間インキュベーションした
。 2. 粒子及び溶液を磁力により分離し、かつ溶液を各チューブから取り除いた。
ナノ純水1.0mlを各チューブに添加し、粒子の洗浄に使用し、磁力により粒子か
ら分離し、かつチューブから取り除いた。pH5以下のpHで溶離したものを除いて(
例えば、試料を4.2又は4.8で溶離した)、全ての試料セットについて、水洗浄を
繰り返した。
【0120】 3. 粒子を、推定される溶離溶液300μlに再懸濁した。粒子を磁気により分離し
、かつこの溶液を慎重に透明な1.5mlチューブに移した。溶離溶液の塩濃度を、
水又は5M NaClのいずれかを添加することにより変更し、最終濃度1M NaClとした
。DNA(存在する場合は)を、-20℃のエタノール1.0mlによる沈殿により濃縮した
。DNAを、遠心管中で12,000 x gで10分間遠心することによりペレット化した。
これらのペレットを乾燥し、エタノールを除去し、かつ10mM Tris HCl(pH9.5)10
0μl中に再浮遊した。
【0121】 4. 工程3で残留している粒子を、ナノ純水1.0mlで1回洗浄し、その後工程3の開
始時の粒子として処理した。この方法で、様々な溶離溶液を、同じDNA結合粒子
を用い、順次試験した。 5. pH8.0より大きい溶離条件では、二機能性IE粒子の場合に、10mM Tris HClの
100μlを用いた。尿素-ヒスタミンIE粒子の同様の試験は、10mM Tris HClのpH9.
5であっても、DNAの溶離を示さなかった。溶離したDNAは、ゲル電気泳動により
試験し、DNA溶離に必要な最低対イオン濃度を決定した。一旦適当な濃度が決定
されたならば、この操作を繰り返し、酢酸カリウム及びNaCl濃度をpH4.8で、か
つTris HCl及びNaCl濃度をpH7.3、及びpH7.3以上で確認した。
【0122】 前述の調製した試料の各セットについて使用した溶離条件を、下記表1に示し
た:
【0123】 表1
【0124】 前記結果は、尿素-ヒスチジンIE粒子へのプロピオン酸基の追加が、このよう
な粒子からのDNAの溶離に必要な対イオン濃度の量を減少することを明らかにし
ている。
【0125】実施例12−非多孔質シリカ磁気グリシジル-ヒスチジンpH依存型イオン交換粒子
を用いる、組込まれていないヌクレオチド及びプライマーからのPCR増幅したDNA の単離。多孔質シリカ磁気グリシジル-システインpH依存型イオン交換粒子を用
いる、PCR増幅したDNAの同様の精製 ヒトAPC(Adenomatous Polypoptosis Coli)遺伝子をPCR連鎖反応において増幅
したが、ここではヒトゲノム鋳型DNAを、下記を含有する反応混合液に添加した
: 40μ1 10x AmpliTaq(登録商標) PCR緩衝液 (Mg++非含有) [Perkin Elmer社]; 40μ1 25mM MgCl2; 13μl 10mM dNTP 混合液; 13μl 下記ヌクレオチド配列のAPCプライマー(50pmole/μl):5'GGA TCC TAA
TAC GAC TCA CTA TAG GAA CAG ACC ACC ATG CAA ATC CTA AGA GAG AAC AAC TGT
C3' [配列番号:1]、及び5'CAC AAT AAG TCT GTA TTG TTT CTT 3' [配列番号:
2]; 6.4μl AmpliTaq(登録商標)[Perkin Elmer社];及び 273.6μl ナノ純水[合計=392μl]。 増幅反応は、Perkin Elmer 4800サーモサイクラー内で、35サイクル行った。増
幅の結果、1.8kbのDNA産物が得られた。
【0126】 得られたPCR増幅した遺伝子は、下記の単離操作に従い、反応混合液中の他の
成分から単離した: 1. PCR反応混合液20μlを、66mM KOAc+900mM NaCl(pH4.8)200μlに添加し、か
つ混合した。その後、非多孔質グリシジル-ヒスチジンシリカ磁気粒子20μl(2mg
)を添加した。 2. 混合後、この溶液を、室温で5分間インキュベーションした。この粒子を、
磁気分離機を用いて分離し、かつ溶液を透明な1.5mlチューブに移した。 3. 粒子を、ナノ純水200μl中で激しく攪拌し再懸濁し、かつ得られた溶液から
分離した。粒子を磁気分離機を用いて分離し、チューブのキャップ及び側壁を、
チューブを反転することで洗浄し、かつこの溶液を、キャップ及びチューブから
取り除き、透明な1.5mlチューブに移した。
【0127】 4. PCR増幅したDNAを、10mM Tris HCl(pH8.0)20μl中で溶離した。これらの粒
子を、磁力で分離し、かつ溶離したDNAを、透明な1.5mlチューブに移した。 5. ゲル電気泳動を用いて(実施例1を参照のこと)、工程2、3及び4から得られた
溶液を、当初のPCR反応の試料と比較した。工程2からの溶液は、肉眼でわかるPC
R増幅されたDNAを示さなかった。工程2からの溶液は、少量の(当初量の約10%)P
CR DNAを示した。工程4からの溶液は、反応混合液中の当初量の80%よりも多いP
CR DNA量を示し、かつ当初のPCR反応溶液中に認められるような未組込みのプラ
イマー及びヌクレオチドは肉眼では認められなかった。 同じ操作を、MagneSil(登録商標)(ヒスチジンリガンドなし)多孔質粒子を用い
て行ったところ、工程4終了時には肉眼で認められるDNAは生じなかった。
【0128】 同じ増幅混合物を、多孔質シリカ磁気グリシジル-システインpH依存型イオン
交換粒子を用いかつシリカ磁気粒子を用い(対照として)、以下の操作に従い精製
した: 1. 3個の1.5mlチューブに、33mM KOAc / 400mM NaCl(pH4.8)200μlと混合した
増幅混合物20μlをセットした。チューブ1及び2には、MagIE-グリシジル-システ
イン20μl(2mg)を添加し混合した。チューブ3には、Magnesil(登録商標)粒子20
μlを添加し混合した。 2. 各チューブを、20℃で10分間インキュベーションし、かつ各チューブ内の粒
子を、2分間かけて磁力により各チューブ内の溶液から分離した。 3. 各チューブの溶液を取り除いた。チューブ1及び2からの溶液を、下記の工程
4-5に従い処理した。チューブ3中の粒子を、33mM KOAc/ 400mM NaCl(pH4.8)中に
再懸濁し、磁気により2分間かけて分離し、かつ溶液を除去し、下記の工程4-5に
従い処理した。 4. 粒子を、ナノ純水200μ1中に再懸濁し、磁気により分離し、かつ溶液をチュ
ーブから除去した。 5. DNAを、50mM Tris HCl(pH9.5)20μl中で溶離した。
【0129】 当初の増幅反応産物並びにMagnesil(登録商標)から(前記チューブ1)及びMag-I
E-グリシジル-ヒスチジン(前記チューブ2-3)からの溶離液のアリコートを、前記
実施例1に記したように、ゲル電気泳動により分離した。得られたゲルを、臭化
エチジウムで染色し、かつ紫外線下で写真撮影した。図4はゲルを示している: レーン1:Magnesil(登録商標)粒子からの溶離液(前記チューブ1) レーン2:Mag-IE-グリシジル-ヒスチジン粒子からの溶離液(前記チューブ2)、
粒子を増幅反応溶液から工程4のナノ純水へと移す前には、洗浄工程なし。 レーン3:Mag-IE-グリシジル-ヒスチジン粒子の溶離液(前記チューブ3)、粒子
を工程4のナノ純水へと移す前に、33mM KOAc/400mM NaCl(pH4.8)中で粒子を洗浄
した後。 レーン4:増幅したDNA反応混合物のアリコート。
【0130】 増幅したDNA反応混合物が、所望の増幅産物以外のバンドを含むことに注意。
図4のレーン1には肉眼で認めることができるバンドがないので、Magnesil(登録
商標)粒子は、検出可能量の増幅されたDNA断片の単離に失敗したことは明らかで
ある。Mag-IE-グリシジル-ヒスチジンによる両方の単離操作は、低分子量種(レ
ーン4の主バンドの下)からの増幅したDNAの単離を生じた。しかし、チューブ2か
ら、かなり多くの増幅DNAが、追加の洗浄工程を伴うことなく生じ、その後追加
の洗浄工程を伴うチューブ3からも単離された。
【0131】実施例13:非多孔質シリカ磁気グリシジル-ヒスチジン粒子を用いる、口腔の綿
棒ひと掻き(buccal swab)からのヒトゲノムDNAの単離 以下に記すように、ゲノムDNAを、非多孔質シリカ磁気グリシジル-ヒスチジン
イオン交換粒子を用いて、口腔の綿棒ひと掻きから単離し、前記実施例3Bに記し
たように合成した: 組織試料を、ヒト対象の頬内の側領域からふたつ、綿棒を用いて得(口腔収集
物)、かつ綿棒を1.5ml遠心チューブ中の細胞溶解緩衝液(75mM クエン酸ナトリウ
ム(pH5.0)/1.5% Tween)700μl中に、場合によっては旋回させながら、室温で1
0分間放置した。綿棒を取り出し、かつ綿棒内の液体をチューブの開口部上を走
らせ、チューブの内側に綿棒を押し付けることにより搾り出した。 各チューブに、プロテイナーゼK(18mg/ml)30μlを添加し、非多孔質シリカ磁
気グリシジル-ヒスチジン粒子50μl(5mg)をチューブ毎に添加し、かつ十分混合
した。試料を、場合によってはチューブを反転混合しながら、室温で5分間イン
キュベーションした。
【0132】 これらのチューブを、磁気ラック(magnetic rack)上に配置し、溶液と粒子を
分離させ、かつ溶液をチューブから取り除いた。 粒子を、ナノ純水1.0mlで2回洗浄した。2回目の水1mlを除いた後、DNAを、 20
mM Tris HCl(pH9.5)4Oμl中に65℃で5分間かけて溶離した。 磁力を用いて、溶離したDNAから粒子を取り除いた。 溶離したDNAは、前記実施例1に記したように、ゲル電気泳動により試験し、か
つゲノムDNAの量がわかっている対照試料と比較し、溶離したDNA量を概算した。
溶離したDNAの各40μl試料は、ゲノムDNAを100ngより多く含むことがわかった。
【0133】実施例14:シリカ磁気尿素-ヒスチジンpH依存型イオン交換粒子及びシリカ磁気
尿素-ヒスチジン-プロピオン酸二元pH依存型イオン交換粒子からの、プラスミド DNAの溶離に必要な対イオン条件の比較 ふたつの異なる種類のシリカ磁気pH依存型イオン交換粒子の各々からプラスミ
ドDNAを溶離するのに必要な塩化ナトリウム及び緩衝液の最低量を、下記の操作
に従い、各々いくつかのpHで決定した。実施例5Aに記したように調製したシリカ
磁気尿素-ヒスチジンIE粒子及び実施例5Cに記したように調製したシリカ磁気二
元尿素-ヒスチジン-プロピオン酸IE粒子を用いて、下記のように、透明化した溶
菌液からプラスミドDNAを単離した。
【0134】 透明化した溶菌液を、実施例11に記したように調製した。これら2種の粒子の
溶離プロフィールを比較するための操作は、実施例11に記したものである。試験
したpHは、4.8、7.3、及び9.5であった。得られた結果を下記表3に示す:
【0135】 表3
【0136】 分光光度分析により、10mM Tris HCl(pH9.5)100μlにおける溶離は、二元 尿
素-ヒスチジン -プロピオン酸IE粒子についてDNAを30μg(A260/A280は1.78)生じ
、かつ尿素-ヒスチジンIE粒子についてDNAを2μg未満生じた。ゲル電気泳動によ
る、尿素-ヒスチジンIE粒子からの溶離液の分析ではDNAは検出されなかった。前
述の結果は、尿素-ヒスチジン粒子へのプロピオン酸の追加が、pH4.8、7.3及び9
.5におけるDNAの溶離に必要な対イオン(塩素)の必要な濃度を低下することを示
している。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、pKが約9未満であるアミンを含むキャップが、グリシジルリンカーを介
して固相に共有結合されているような、pH依存型イオン交換マトリックスを製造
する方法を示している。
【図2】 図2は、アミノアルキルスペーサー及びアミンメンバーを伴う芳香族炭化水素
環を含むキャップを、尿素連結を介して固相に連結することによる、pH依存型イ
オン交換マトリックスを製造する方法を示している。
【図3】 図3は、二元pH依存型イオン交換マトリックスの製造法を示している。
【図4】 図4は、実施例12に説明されたMagnasil(登録商標)及びpH依存型シリカ磁気粒
子で単離され、その後ゲル電気泳動により分画され、かつ臭化エチジウムで染色
された、増幅されたDNAの写真の再現である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 21/00 C07H 21/00 C12N 15/09 ZNA G01N 30/00 E G01N 30/00 30/48 L 30/48 30/88 E 30/88 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ホームズ ダイアナ エル アメリカ合衆国 イリノイ州 60012 ク リスタル レイク タイル ライン ロー ド 4818 (72)発明者 シンプソン ダニエル ジェイ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53562 ミドルトン ノース ハイ ポイ ント ロード 1329 (72)発明者 カズヘンドラー ジェホシュア イスラエル エルサレム 91120 ハパル マッチ ストリート 68 (72)発明者 ビットナー レックス エム アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53012 セダーバーグ バーチ ストリー ト ウェスト53 ノース598 (72)発明者 グロシュ ジョセフィン シー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53560 マゾマイニー ジャコバイ ドラ イヴ 6121 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA19 AA20 CA01 CA11 EA04 HA11 4C057 AA04 AA12 MM02 MM04 MM08 MM09 4D017 AA09 AA20 BA20 CA05 CA14 CA17 4G066 AA30C AA71C AB05A AB11B AB18A AB27A AD15 AD20 AE01 AE02 AE10 CA54 FA38 【要約の続き】 的核酸を単離することができる。本発明のpH依存型イオ ン交換マトリックスを用いて単離された標的核酸は、更 に抽出又は単離することなく、直ぐに使用することがで きる。

Claims (100)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記を含む、pH依存型イオン交換マトリックス: 固形基体、並びに 複数の第一のイオン交換リガンドであり、各々の第一のイオン交換リガンドは以
    下を含む: pKが約9未満であるアミンを含むキャップ; 該キャップに共有結合したスペーサーであり、このスペーサーは、アミン末端
    を伴うスペーサーアルキル鎖、及び該スペーサーアルキル鎖に共有結合した酸性
    部分を含み;及び リンカーアルキル鎖の第一端で該固形基体に共有結合し、かつリンカーアルキ
    ル鎖の第二端で該スペーサーのアミン末端に共有結合したリンカーアルキル鎖を
    含むリンカー; ここでこのマトリックスは、第一のpHで標的核酸を吸着し、かつ第一のpHより
    も高い脱着pHで標的核酸を放出する能力を有することを特徴とする、マトリック
    ス。
  2. 【請求項2】 固形基体がシリカベースの物質である、請求項1記載のマト
    リックス。
  3. 【請求項3】 シリカベースの物質がガラスファイバーである、請求項2記
    載のマトリックス。
  4. 【請求項4】 シリカベースの物質がシリカゲル粒子である、請求項2記載
    のマトリックス。
  5. 【請求項5】 シリカゲル粒子が常磁性である、請求項4記載のマトリック
    ス。
  6. 【請求項6】 シリカゲル粒子が多孔質である、請求項4記載のマトリック
    ス。
  7. 【請求項7】 シリカゲル粒子が多孔質でない、請求項4記載のマトリック
    ス。
  8. 【請求項8】 キャップが更に、芳香族炭化水素環を含む、請求項1記載の
    マトリックス。
  9. 【請求項9】 芳香族炭化水素環の少なくとも1個のメンバーがpK約9未満の
    アミンである、請求項8記載のマトリックス。
  10. 【請求項10】 芳香族炭化水素環が、ピリジン、及びイミダゾールからな
    る群より選択される、請求項9記載のマトリックス。
  11. 【請求項11】 pK約9未満のアミンが、少なくとも約4〜最大約6までのpK
    を有する、請求項1記載のマトリックス。
  12. 【請求項12】 酸性部分が、ヒドロキシル、カルボキシル、及びカルボニ
    ルからなる群より選択される、請求項1記載のマトリックス。
  13. 【請求項13】 スペーサーアルキル鎖が、2〜5個の炭素原子を含む、請求
    項1記載のマトリックス。
  14. 【請求項14】 スペーサーがシステイン及びアラニンからなる群より選択
    される、請求項1記載のマトリックス。
  15. 【請求項15】 スペーサーに共有結合により連結された芳香族炭化水素が
    、ヒスチジン及びヒスタミンからなる群より選択される塩基性アミノ酸部分を限
    定する、請求項1記載のマトリックス。
  16. 【請求項16】 リンカーアルキル鎖が3〜8個の炭素原子を含む、請求項1
    記載のマトリックス。
  17. 【請求項17】 リンカーアルキル鎖が、酸素及びアミンからなる群より選
    択される少なくとも1個のメンバーを含む、請求項1記載のマトリックス。
  18. 【請求項18】 リンカーがグリシジン及び尿素からなる群より選択される
    、請求項1記載のマトリックス。
  19. 【請求項19】 マトリックスが、第一のpHで標的核酸との交換が可能なア
    ニオン交換体であり、かつ該マトリックスは脱着pHで中性又は負の実効電荷を有
    する、請求項1記載のマトリックス。
  20. 【請求項20】 脱着pHが少なくとも約4.0〜最大約pH10.0までである、請
    求項1記載のマトリックス。
  21. 【請求項21】 マトリックスが、第一のpHでの標的核酸のマトリックスへ
    の吸着、及び脱着pHでのマトリックスからの放出の少なくともふたつのサイクル
    を通して再使用することができる、請求項1記載のマトリックス。
  22. 【請求項22】 下記を含む、標的核酸の単離のためのpH依存型イオン交換
    マトリックス: シリカ磁気粒子;並びに 複数の第一のイオン交換リガンドであり、各第一のイオン交換リガンドは以下を
    含む: 芳香族炭化水素環であり、ここで環の少なくとも1個のメンバーはpK約9未満の
    アミンであり; 芳香族炭化水素環に共有結合したスペーサーであり、このスペーサーは、アミ
    ン末端を伴うスペーサーアルキル鎖、及び該スペーサーアルキル鎖に共有結合し
    た酸性部分を含み;及び シリカ磁気粒子にリンカーアルキル鎖の第一端でシリカ残基を介して共有結合
    し、かつスペーサーのアミン末端にリンカーアルキル鎖の第二端で共有結合した
    、リンカーアルキル鎖を含むリンカー; ここで該マトリックスは、第一のpHで標的核酸を吸着し、かつ第一のpHよりも
    高い脱着pHで標的核酸を放出する能力を有するような、マトリックス。
  23. 【請求項23】 キャップが更に、芳香族炭化水素環を含む、請求項22記載
    のマトリックス。
  24. 【請求項24】 芳香族炭化水素環の少なくとも1個のメンバーが、pK約9未
    満のアミンである、請求項23記載のマトリックス。
  25. 【請求項25】 芳香族炭化水素環がピリジン、及びイミダゾールからなる
    群より選択される、請求項24記載のマトリックス。
  26. 【請求項26】 pK約9未満のアミンが、少なくとも約4〜最大約6までのpK
    を有する、請求項22記載のマトリックス。
  27. 【請求項27】 酸性部分が、ヒドロキシル、カルボキシル、及びカルボニ
    ルからなる群より選択される、請求項22記載のマトリックス。
  28. 【請求項28】 スペーサーアルキル鎖が、2〜5個の炭素原子を含む、請求
    項22記載のマトリックス。
  29. 【請求項29】 スペーサーがシステイン及びアラニンからなる群より選択
    される、請求項22記載のマトリックス。
  30. 【請求項30】 スペーサーに共有結合により連結された芳香族炭化水素が
    、ヒスチジン及びヒスタミンからなる群より選択される塩基性アミノ酸部分を限
    定する、請求項22記載のマトリックス。
  31. 【請求項31】 リンカーアルキル鎖が3〜8個の炭素原子を含む、請求項22
    記載のマトリックス。
  32. 【請求項32】 リンカーアルキル鎖が、酸素及びアミンからなる群より選
    択される少なくとも1個のメンバーを含む、請求項22記載のマトリックス。
  33. 【請求項33】 リンカーがグリシジン及び尿素からなる群より選択される
    、請求項22記載のマトリックス。
  34. 【請求項34】 マトリックスが、第一のpHで標的核酸との交換が可能なア
    ニオン交換体であり、かつ該マトリックスは脱着pHで中性又は負の実効電荷を有
    する、請求項22記載のマトリックス。
  35. 【請求項35】 マトリックスが、第一のpHでの標的核酸のマトリックスへ
    の付着、及び脱着pHでのマトリックスからの放出の少なくともふたつのサイクル
    を通して再使用することができる、請求項22記載のマトリックス。
  36. 【請求項36】 下記を含む、多元pH依存型イオン交換マトリックス: 固形基体; 複数の第一のイオン交換リガンドであり、各第一のイオン交換リガンドは以下を
    含む: pKが約9未満であるアミンを含むキャップ; 該キャップに共有結合されているスペーサーであり、このスペーサーは、アミ
    ン末端を伴うスペーサーアルキル鎖を含み;及び リンカーアルキル鎖の第一端で固形基体に共有結合し、かつリンカーアルキル
    鎖の第二端でスペーサーのアミン末端に共有結合しているリンカーアルキル鎖を
    含む、リンカー; 複数の第二のイオン交換リガンドであり、各第二イオン交換リガンドは以下を含
    む: 第二のアルキル鎖;及び 第二のアルキル鎖に共有結合した第二の酸性部分、 ここで該マトリックスは、第一のpHで標的核酸に吸着し、かつ第一のpHよりも高
    い脱着pHで標的核酸を放出する能力を有するような、マトリックス。
  37. 【請求項37】 固形基体がシリカベースの物質である、請求項36記載のマ
    トリックス。
  38. 【請求項38】 シリカベースの物質がシリカ磁気粒子である、請求項37記
    載のマトリックス。
  39. 【請求項39】 固形基体が多孔質である、請求項36記載のマトリックス。
  40. 【請求項40】 固形基体が多孔質でない、請求項36記載のマトリックス。
  41. 【請求項41】 キャップが更に、芳香族炭化水素環を含む、請求項36記載
    のマトリックス。
  42. 【請求項42】 芳香族炭化水素環の少なくとも1個のメンバーがpK約9未満
    のアミンである、請求項41記載のマトリックス。
  43. 【請求項43】 芳香族炭化水素環が、ピリジン及びアニリンからなる群よ
    り選択される、請求項41記載のマトリックス。
  44. 【請求項44】 第二の酸性部分が、カルボン酸残基である、請求項36記載
    のマトリックス。
  45. 【請求項45】 スペーサーアルキル鎖が、2〜5個の炭素原子を含む、請求
    項36記載のマトリックス。
  46. 【請求項46】 スペーサーに共有結合により連結された芳香族炭化水素が
    、ヒスチジン及びヒスタミンからなる群より選択される塩基性アミノ酸部分を限
    定する、請求項41記載のマトリックス。
  47. 【請求項47】 リンカーアルキル鎖が3〜8個の炭素原子を含む、請求項36
    記載のマトリックス。
  48. 【請求項48】 リンカーアルキル鎖が、酸素及びアミンからなる群より選
    択される少なくとも1個のメンバーを含む、請求項36記載のマトリックス。
  49. 【請求項49】 リンカーが尿素である、請求項30記載のマトリックス。
  50. 【請求項50】 マトリックスが、第一のpHで標的核酸との交換が可能なア
    ニオン交換体であり、第一のpHよりも高い第二のpHで中性であり、並びに第二の
    pHよりも高い第三のpHでカチオン交換体である、請求項30記載のマトリックス。
  51. 【請求項51】 第二のpHが少なくとも約4.0〜最大約pH10.0までである、
    請求項44記載のマトリックス。
  52. 【請求項52】 固相に共有結合した複数の第一のイオン交換リガンド及び
    複数の第二のイオン交換リガンドの割合が、マトリックスが第一のpHで標的核酸
    を含有する溶液に接触した場合に、マトリックスが優先的に標的核酸に結合する
    ことを確実にするようにデザインされている、請求項30記載のマトリックス。
  53. 【請求項53】 マトリックスが、第一のpHでの標的核酸のマトリックスへ
    の付着、及び脱着pHでのマトリックスからの放出の少なくともふたつのサイクル
    を通して再使用することができる、請求項30記載のマトリックス。
  54. 【請求項54】 下記の工程を含む、pH依存型イオン交換マトリックスを用
    いて標的核酸を単離する方法: (a)下記を含む、pH依存型イオン交換マトリックスを提供する工程: 固形基体;及び 複数の第一のイオン交換リガンドであり、各々の第一のイオン交換リガンド
    は以下を含む: pKが約9未満であるアミンを含むキャップ、ここでアミンは、第1級、第2級
    、又は第3級アミンからなる群より選択される; 該キャップに共有結合されているスペーサーであり、このスペーサーは、ア
    ミン末端を伴うスペーサーアルキル鎖、及びスペーサーアルキル鎖に共有結合さ
    れた酸性部分を含み;並びに リンカーアルキル鎖の第一端で固形基体に共有結合し、かつリンカーアルキ
    ル鎖の第二端でスペーサーのアミン末端に共有結合しているリンカーアルキル鎖
    を含む、リンカー; ここで該マトリックスは、第一のpHで標的核酸を吸着し、かつ第一のpHよりも
    高い脱着pHで標的核酸を放出する能力を有する; (b)標的核酸を含む混合物を提供する工程; (c)該混合物及びマトリックスを混ぜ、かつ第一のpHで標的核酸がマトリック
    スに吸着するまでインキュベーションし、複合体を形成する工程; (d)マトリックスから該複合体を分離する工程;並びに (e)該複合体を脱着pHで溶離液と混ぜる工程。
  55. 【請求項55】 工程(a)で提供されたマトリックスの固相が、シリカベー
    スの物質である、請求項54記載の方法。
  56. 【請求項56】 シリカベースの物質がガラスファイバーである、請求項54
    記載の方法。
  57. 【請求項57】 シリカベースの物質がシリカゲル粒子である、請求項55記
    載の方法。
  58. 【請求項58】 シリカベースの物質がシリカ磁気粒子である、請求項55記
    載の方法。
  59. 【請求項59】 キャップが更に、芳香族炭化水素環を含む、請求項54記載
    の方法。
  60. 【請求項60】 pK約9未満のアミンが、芳香族炭化水素環のメンバーであ
    る、請求項59記載の方法。
  61. 【請求項61】 工程(a)で提供されたマトリックスのスペーサーアルキル
    鎖が、2〜5個の炭素原子を含む、請求項54記載の方法。
  62. 【請求項62】 工程(a)で提供されたマトリックスのスペーサーがシステ
    イン及びアラニンからなる群より選択される、請求項54記載の方法。
  63. 【請求項63】 工程(a)で提供されたマトリックスのスペーサーに共有結
    合により連結された芳香族炭化水素が、ヒスチジン及びヒスタミンからなる群よ
    り選択される塩基性アミノ酸部分を限定する、請求項54記載の方法。
  64. 【請求項64】 工程(a)で提供されたマトリックスのリンカーアルキル鎖
    が3〜8個の炭素原子を含む、請求項54記載の方法。
  65. 【請求項65】 工程(a)で提供されたマトリックスのリンカーアルキル鎖
    が、酸素、アミン及びイオウからなる群より選択される少なくとも1個のメンバ
    ーを含む、請求項54記載のマトリックス。
  66. 【請求項66】 工程(a)で提供されたマトリックスのリンカーが、グリシ
    ジン及び尿素からなる群より選択される、請求項54記載の方法。
  67. 【請求項67】 工程(a)で提供されたマトリックスが更に、固相に共有結
    合した複数の第二のイオン交換リガンドを含む、請求項54記載の方法。
  68. 【請求項68】 複数の第二のイオン交換リガンドの少なくともひとつが、
    プロピオン酸残基である、請求項54記載の方法。
  69. 【請求項69】 標的核酸物質を含有する混合物が、標的核酸を含む生物学
    的物質を破壊することにより得られる、請求項54記載の方法。
  70. 【請求項70】 標的核酸物質がRNAである、請求項54記載の方法。
  71. 【請求項71】 標的核酸がDNAである、請求項54記載の方法。
  72. 【請求項72】 工程(a)で提供されたマトリックスの複数のリガンドが、
    エポキシドを介したヒスタミン、エポキシドを介したヒスタミン、尿素を介した
    ヒスチジン、スルフヒドリルを介したヒスチジン、ピリジルアラニン、ピリジル
    システインからなる群より選択される、請求項54記載の方法。
  73. 【請求項73】 標的核酸がプラスミドDNAである、請求項71記載の方法。
  74. 【請求項74】 標的核酸がゲノムDNAである、請求項71記載の方法。
  75. 【請求項75】 下記の工程を含む、pH依存型イオン交換マトリックスを製
    造する方法: (a)固相を提供する工程; (b)第一端及び第二端を有するアルキル鎖を含むリンカーを提供する工程; (c)共有結合が固相とリンカーアルキル鎖の第一端の間で形成されるような条
    件下で、シリカベースの固相及びリンカーを混ぜ、これによりリンカー−修飾さ
    れた固相を形成する工程; (d)以下を含む酸性芳香族アミンを提供する工程:芳香族炭化水素環、ここで
    該環の少なくとも1個のメンバーはアミンであり;該芳香族炭化水素に共有結合
    したスペーサー、ここで該スペーサーは、アミノ末端を伴うスペーサーアルキル
    鎖を含み;及び、該スペーサーアルキル鎖に共有結合している酸性置換基;並び
    に (e)酸性芳香族アミンのスペーサーアルキル鎖のアミノ末端とリンカーの第二
    端の間に共有結合が形成されるような条件下で、リンカー-修飾された固相を、
    該酸性芳香族アミンと混ぜる工程。
  76. 【請求項76】 工程(a)において提供された固相が、シリカベースの物質
    である、請求項75記載の方法。
  77. 【請求項77】 リンカーが、工程(c)において固相に、シリカ残基を介し
    て共有結合し、ここでシリカ残基は、第一のサブユニット及び第二のサブユニッ
    トに共有結合し、ここで第一のサブユニットは、-OH、-OCH3、-OCH2CH3からなる
    群より選択され、かつ第二のサブユニットは、式-(OSiR1 2)x-R1により定義され
    る(式中、R1は、第一のサブユニットと同じ基であり、かつxは少なくとも0であ
    る。)、請求項76記載の方法。
  78. 【請求項78】 シリカベースの物質がガラスファイバーである、請求項76
    記載の方法。
  79. 【請求項79】 シリカベースの物質がシリカゲル粒子である、請求項76記
    載の方法。
  80. 【請求項80】 シリカゲル粒子が常磁性である、請求項79記載の方法。
  81. 【請求項81】 シリカゲル粒子が多孔質である、請求項79記載の方法。
  82. 【請求項82】 シリカゲル粒子が多孔質でない、請求項79記載の方法。
  83. 【請求項83】 スペーサーが、システイン及びアラニンからなる群より選
    択される、請求項75記載の方法。
  84. 【請求項84】 芳香族炭化水素環が、少なくとも5個のメンバーを有する
    、請求項75記載の方法。
  85. 【請求項85】 酸性芳香族アミンが、ヒスタミン及びヒスチジンからなる
    群より選択されるアミノ酸である、請求項75記載の方法。
  86. 【請求項86】 下記の工程を含む、pH依存型イオン交換マトリックスを製
    造する方法: (a)固形基体を提供する工程; (b)下記を含む第一のイオン交換リガンドを提供する工程: pKが約9未満であるアミンを含むキャップであり、ここでアミンは、第1級、
    第2級、又は第3級アミンからなる群より選択される; 該キャップに共有結合しているスペーサーであり、このスペーサーは、アミ
    ン末端を伴うスペーサーアルキル鎖、スペーサーアルキル鎖に共有結合した酸性
    置換基を含む;並びに 第一端及び第二端を有するリンカーアルキル鎖を含むリンカーであり、ここ
    で第二端がスペーサーのアミン末端に共有結合されている; (c)共有結合が固相とリンカーアルキル鎖の第一端の間に形成されるような条
    件下で、固相及び第一のイオン交換リガンドを混ぜる工程。
  87. 【請求項87】 第一のイオン交換リガンドが、イミダゾールシリル尿素で
    ある、請求項86記載の方法。
  88. 【請求項88】 第一のイオン交換リガンドの酸性置換基が、メチル基によ
    り保護されたカルボキシル残基であり、ここでメチル基は工程(c)の後にカルボ
    キシル基から除去される、請求項87記載の方法。
  89. 【請求項89】 前述の方法が更に、第二のイオン交換リガンド前駆体を固
    形基体に共有結合する工程を含み、ここで第二のイオン交換前駆体は、保護基で
    ブロックされたイオン交換末端を含む、請求項86記載の方法。
  90. 【請求項90】 前述の方法が更に、第二のイオン交換前駆体から保護基を
    除去し、第二のイオン交換リガンドを形成する工程を含む、請求項89記載のマト
    リックス。
  91. 【請求項91】 第二のイオン交換リガンドが、酸性pHでカチオン交換体で
    ある、請求項90記載の方法。
  92. 【請求項92】 第二のイオン交換リガンドが、酸性pHで負帯電している、
    請求項90記載の方法。
  93. 【請求項93】 固相に共有結合した複数の第一のイオン交換残基及び複数
    の第二のイオン交換残基の相対比が、固形基体表面上の電荷比を制御するように
    デザインされ、これにより標的核酸物質に結合するための固形基体の結合親和性
    (更に利用可能な粒子表面の特性を保持する能力)を制御している、請求項90記載
    の方法。
  94. 【請求項94】 固形基体物質がシリカゲル粒子である、請求項86記載の方
    法。
  95. 【請求項95】 シリカゲル粒子が常磁性である、請求項94記載の方法。
  96. 【請求項96】 スペーサーが、システイン及びアラニンからなる群より選
    択される、請求項86記載の方法。
  97. 【請求項97】 キャップが更に、少なくとも5個のメンバーを有する芳香
    族炭化水素環を含む、請求項86記載の方法。
  98. 【請求項98】 酸性キャップ及びスペーサーが、ヒスタミン及びヒスチジ
    ンからなる群より選択されるアミノ酸を含む、請求項86記載の方法。
  99. 【請求項99】 下記の工程を含む、二元pH依存型イオン交換マトリックス
    の製造法: (a)固形基体を提供する工程; (b)下記を含む、第一のイオン交換リガンドを提供する工程: pKが約9未満であるアミンを含むキャップであり、ここでアミンは、第1級、
    第2級、又は第3級アミンからなる群より選択される; 該キャップに共有結合されているスペーサーであり、このスペーサーは、ア
    ミン末端を伴うスペーサーアルキル鎖を含む;並びに 第一端及び第二端を有するリンカーアルキル鎖を含むリンカーであり、ここ
    で第二端がスペーサーのアミン末端に共有結合されている; (c)共有結合が固相とリンカーアルキル鎖の第一端の間に形成されるような条
    件下で、固相及び第一のイオン交換リガンドを混ぜる工程; (d)第二のアルキル鎖及びそれに共有結合された酸性残基を含み、ここで酸性
    残基はそれに共有結合した保護基を有するような、第二のイオン交換リガンドを
    提供する工程; (e)保護された第二のイオン交換リガンドと固相の間の共有結合の形成を促進
    する条件下で、固相に結合した第一のイオン交換リガンドを伴う固相を、第二の
    リガンドと混ぜる工程;並びに (f)第二のアニオン交換リガンドの酸性残基を、それから保護基を除去するこ
    とにより脱保護する工程。
  100. 【請求項100】 第二のイオン交換リガンドがプロピオン酸残基である、
    請求項99記載の方法。
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