JP2002542800A - 変異体ヒトcd80および組成物およびその作製および使用法 - Google Patents

変異体ヒトcd80および組成物およびその作製および使用法

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JP2002542800A JP2000615046A JP2000615046A JP2002542800A JP 2002542800 A JP2002542800 A JP 2002542800A JP 2000615046 A JP2000615046 A JP 2000615046A JP 2000615046 A JP2000615046 A JP 2000615046A JP 2002542800 A JP2002542800 A JP 2002542800A
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セカリー,ラフィック・ピー
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ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア
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Abstract

(57)【要約】 改良されたワクチンおよびその使用法が開示されている。自己免疫疾患または移植片を持つ個体を処置するための免疫抑制組成物およびその使用法が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】技術分野 本発明は個体を免疫化するための組成物および方法、免疫抑制剤、その成分お
よびそれらを作製するおよび使用する方法に関している。 背景技術 本発明は1999年4月30日に出願された米国特許仮出願番号第60/13
1,764号(本明細書において援用される)に関係している。
【0002】 CD28はほとんどの成熟T細胞および胸腺細胞上で構成的に発現される細胞
表面糖蛋白質であり、一方、CTLA−4レセプターは休止T細胞には存在せず
、T細胞活性化後48から72時間のみで検出可能である。CD28/CTLA
−4分子の主リガンドは専門的抗原提示細胞(APC)の表面に発現されるB7
.1(CD80)およびB7.2(CD86)である。少なくとも二つのレセプ
ター(CD28およびCTLA−4)および二つのリガンドが存在する生物学的
な理論的解釈は明らかではない。CD80およびCD86抗原が機能的に類似し
ていることが初めに示されている。しかしながら、それらの発現の異なったパタ
ーンが決定された時、これらの共刺激性分子の異なった役割が最初に示唆された
。CD86はAPC上で構成的に発現されており、およびAPCの活性化後、C
D86の発現が急速に上方制御され、続いて徐々にベースラインレベルに戻る。
CD80の発現はCD86に比較すると遅れており、その発現は免疫応答開始後
、48から72時間で最大となる。CD86は構成的に発現されおよびCD80
よりも早期に上方制御されるので、CD86の発現が免疫応答の初期に重要であ
り、一方CD80は二番目に重要であることが示唆された。
【0003】 CD80およびCD86間の機能的相違は、CD28およびCTLA−4との
共刺激性分子の結合動力学のデータによりさらに示唆された。表面プラスモン共
鳴(SPR)分析は両方のリガンドともCD28より高い結合力でCTLA−4
へ結合することを示している。さらなる測定は、CD86/CTLA−4複合体
はCD80/CTLA−4複合体よりも速く解離することを明らかにした。これ
らの結合性の相違と、CTLA−4およびCD80の発現における類似の遅延を
結び合わせると、CTLA−4およびCD80間の機能的関係はCTLA−4お
よびCD86分子間の機能的関係よりも多分より強いことが示唆される。
【0004】 インビトロおよびインビボにおけるCD80およびCD86の多機能性もまた
報告されている。抗CD80(しかし抗CD80ではない)抗体は自己免疫糖尿
病のマウスモデルにおいて疾患の発生を阻止するが、一方、実験的アレルギー性
脳脊髄炎のマウスモデルにおいてはこれらの抗体で逆の効果が観察されている。
いくつかの実験系は、抗原に対するT細胞応答の開始におけるCD86の重要な
役割を示しており、CD80はこれらの細胞に対する調節的なシグナルを提供す
ることに重要な役割を果たしているようである。外因性CD86の発現は,HI
V−1からのエンベロープ蛋白質によるDNAワクチン接種後に、マウスT細胞
への重要な活性化シグナル提供することが観察されている(CD80は提供しな
い)。同様の結果がHIV−1またはインフルエンザ抗原をコードしているDN
AまたはマウスCD80およびCD86をコードしているプラスミドによるマウ
スの免疫化後に観察された。従って、CD80およびCD86間の機能的相違は
、マウスで発現されたヒト共刺激性分子の異なった免疫原性とは結び付けられな
かった。外因性ヒトまたはマウスCD86(CD80ではない)はDNA免疫化
の間、抗ウイルスT細胞活性化を刺激すると信じられている。
【0005】 病原性抗原またはヒト疾患に関与する細胞に付随する抗原のような標的抗原に
対して個体を免疫するのにワクチンは有用である。ヒト疾患に関与する細胞に付
随する抗原には癌不随腫瘍抗原および自己免疫疾患に関与する細胞に付随する抗
原が含まれる。
【0006】 そのようなワクチンの設計において、ワクチン接種した個体の細胞中に標的抗
原を産生するワクチンが、免疫系の内の細胞系を誘導するのに有効であることが
認められている。特に、生弱毒化ワクチン、無毒ベクターを使用する組換えワク
チンおよびDNAワクチンはすべて、ワクチン接種した個体の細胞中に抗原の産
生を導き、免疫系の内の細胞系誘導を生じる。一方、蛋白質のみからなるサブユ
ニットワクチン、および殺されたまたは不活性化されたワクチンは体液性応答を
誘導するが良好な細胞性免疫応答を誘導しない。
【0007】 病原体感染に対する保護を提供するため、および病原体感染、癌または自己免
疫疾患処置のための有効な免疫仲介治療を提供するため、細胞性免疫応答がしば
しば必要とされる。従って、生弱毒化ワクチン、無毒ベクターを使用する組換え
ワクチンおよびDNAワクチンのようなワクチン接種した個体の細胞中に標的抗
原を産生するワクチンがしばしば良好である。
【0008】 そのようなワクチンは病原体感染またはヒト疾患に対して予防的にまたは治療
的に個体を免疫するのにしばしば有効であるが、改良されたワクチンに対する要
求が存在している。促進された免疫応答を産生する組成物および方法が必要とさ
れている。
【0009】 免疫化と対照的に、遺伝子治療は、その発現が核酸分子が投与された個体に治
療的利益を与える非免疫原性蛋白質をコードしている核酸分子を使用する。遺伝
子治療の特定の型は、個体中の免疫応答を調節し、それにより治療的利益を与え
る非免疫原性蛋白質をコードしている遺伝子材料の送達に関している。例えば、
個体において自己免疫疾患に関連する免疫応答を下方制御し、それにより個体に
治療的利益を与える非免疫原性蛋白質をコードしている遺伝子材料を送達するよ
うにプロトコールが設計できる。免疫応答を調節するための遺伝子治療プロトコ
ールで使用できる組成物および方法が必要とされている。
【0010】 自己免疫疾患および細胞/組織/器官拒絶反応のような疾患を処置するため、
別の手段による免疫応答の調節が同様に望まれている。免疫応答を調節するため
、および免疫応答を調節するために有用な組成物を設計および発見するために使
用できる組成物および方法が必要とされている。発明の好適な態様の説明 抗原提示細胞(APC)がT細胞と相互作用する場合、ヒトCD80のC領域
が負のシグナルの変換を招くことを出願者は発見した。負のシグナルはT細胞活
性の減少を生じ、従って、T細胞へAPCにより提示された抗原に対して発生さ
れる免疫応答の減少を生じる。特に、T細胞上のT細胞レセプター(TCR)と
、主要組織適合抗原系(MHC)蛋白質および抗原間の複合体の形成によりAP
C上で形成されたMHC/抗原複合体との相互作用は、APC上に存在する共刺
激分子CD80およびCD86とT細胞上のCD28分子間の相互作用により達
成される。そのような相互作用はT細胞活性化を起こし、免疫応答を上昇させる
。しかしながら、T細胞活性化に続いて、T細胞によりCTLA−4が発現され
る。CTLA−4はCD80と相互作用し、そのような相互作用はCD80およ
びCD86とCD28との相互作用により起こされた先の共刺激効果を除去する
優性負シグナルを生じる。CD80のCTLA−4との相互作用の結果は、T細
胞が関与する免疫応答の減少である。
【0011】 出願者の発見は本発明の二つの異なった特色を提供する。本発明の一つの特色
に従うと、CD80の共刺激活性を持つが、CTLA−4とのCD80相互作用
に付随する負シグナルを変換しないCD80変異体およびそれをコードしている
核酸が提供される。そのようなCD80変異体は、蛋白質免疫原または免疫原を
コードしている核酸分子として送達される免疫原と一緒に、蛋白質またはそのよ
うな蛋白質をコードしている核酸として送達される免疫化プロトコールでの使用
に有用である。本発明のこの態様のCD80変異体は免疫化プロトコールにおけ
る分子補助剤である。本発明の別の特色に従うと、CD80変異体およびそれを
コードしている核酸が提供され、それはCTLA−4とのCD80相互作用に付
随する負シグナルを変換するようにCD80 C領域を持っている。そのような
CD80変異体は自己免疫疾患および細胞、組織および器官移植に関連する免疫
抑制プロトコールの処置に有用である。負シグナルを提供するCD80変異体は
蛋白質またはそのような蛋白質をコードしている核酸として送達されるであろう
。本発明のこの特色のCD80変異体は自己免疫疾患/免疫抑制治療剤である。
【0012】 ヒトCD80のヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、Fre
eman et al.(1989)J.Immunol.143(8):27
14−2722,Selvakumar et al.(1992)Immun ogenetics 36(3):175−181,Freeman et a
l.(1991)J.Ex.Med.174(3):625−631,Lani
er et al.(1989)J.Immunol.154(1):97−1
05,およびGenbank登録コードP33681(www.ncbi.nl
m.nih.gov)(これらは各々が本明細書において援用される)に示され
ている。
【0013】 CD86(B7.2)はAzuma,M.et al.1993 Natur 366:76−79(本明細書において援用される)に最初に記載されてい
る。この文献の図2BはB7.2蛋白質のヌクレオチドおよび予測されるアミノ
酸配列を記載している。配列情報はまたGenbankデータベースのU043
43(本明細書において援用される)としても入手可能である。
【0014】 ヒトCD80は288アミノ酸蛋白質(1−288)として発現され、成熟蛋
白質(35−288)へ処理される。CD80は四つの領域へ分割される:変異
(V)領域、定常(C)領域、膜貫通領域(tm)および細胞質尾部領域(ct
)。アミノ酸35−242は蛋白質の細胞外ドメインを構成する。アミノ酸43
−123はV領域を構成し、イムノグロブリン様V型ドメインとも称される。ア
ミノ酸155−223はC領域を構成し、イムノグロブリン様C2型ドメインと
も称される。アミノ酸243−263は膜貫通領域を構成している。アミノ酸2
64−288は細胞質尾部を構成している。
【0015】 本明細書で使用される場合、用語”CD80変異体”、”C領域CD80変異
体”、”C領域欠損CD80変異体”および”CD80ΔC変異体”は相互交換
的に使用され、機能性CD80かまたはCD86V領域、少なくとも一つのCD
80の機能性非C領域を含み、C領域のすべてまたは一部の不在により、そのよ
うな分子がCTLA−4との野生型CD80C領域相互作用に付随する負シグナ
ルを変換しないように、CD80の機能性C領域を含んでいない分子を示してい
ることを意味している。
【0016】 本明細書で使用される場合、句”少なくとも一つのCD80の機能性非C領域
”および”CD80の機能性C領域”で使用されるような”CD80の機能性領
域”とはCD80からの完全蛋白質領域ならびに完全領域の活性を保持している
部分領域を示すことを意味している。例えば、CD80の機能性V領域はCD8
0のアミノ酸43−123またはその断片を示し、CD28へ結合する能力を保
持している他の配列(他のCD80配列を含んでいるがそれに制限されるわけで
はない)が含まれる。CD80の機能性C領域はCD80のアミノ酸155−2
23またはその断片を示し、CTLA−4への結合能力を保持しおよび負シグナ
ルを変換する他の配列(他のCD80配列を含んでいるがそれに制限されるわけ
ではない)を含む蛋白質が含まれる。従って、CD80の機能性C領域を含まな
い蛋白質はCD80のアミノ酸155−223の断片を含んでいるが、そのよう
な断片はCTLA−4へ結合せずおよび負シグナルを変換しない。機能性C領域
を含まない同様の蛋白質は、隣接する配列がコンホメーションまたは他の変化に
よりC領域を非機能的にするならば、アミノ酸155−223を含んでいる。C
D80の機能性tmはCD80のアミノ酸243−263またはその断片を示し
、それを含むCD80変異体蛋白質を細胞膜内へ繋ぎ止め、分泌を防止している
。CD80の機能性ctとはCD80のアミノ酸264−288またはその断片
を示し、変異体CD80蛋白質が発現された場合、細胞質中に保持される。
【0017】 本明細書で使用された場合、用語”C領域+CD80蛋白質”および”C領域
蛋白質”とは相互交換的に使用され、機能性CD80C領域を含み、およびC領
域のすべてまたは一部の存在によりそのような分子がCTLA−4との野生型C
D80C領域相互作用に付随する負シグナルを変換する蛋白質を示すことを意味
している。
【0018】 本発明の一つの態様は、ワクチン接種、特にDNAワクチン接種のための改良
された方法および組成物に関しており、ここで標的免疫原をコードしているDN
Aが個体へ投与され、そこでDNAが取り込まれおよび発現され、免疫原に対す
る免疫応答が発生される。本発明の態様に従うと、CD80ΔC変異体蛋白質を
コードしているDNAは個体へ共送達され、そのようなDNAの発現は免疫原に
対して誘導された免疫応答を促進するCD80ΔC変異体蛋白質を生成する。
【0019】 標的抗原を発現しているワクチン接種個体の細胞中でのCD80ΔC変異体蛋
白質の共生成は、驚くほど促進された標的抗原に対する免疫応答を生じることが
発見された。CD80ΔC変異体蛋白質をコードしているヌクレオチド配列の発
現可能形を提供することにより、DNAワクチン、組換えベクターワクチンおよ
び弱毒化ワクチンのようなワクチン接種された個体の細胞中で標的抗原を発現す
ることにより機能するワクチンが改良される。
【0020】 抗原を生成している細胞中でのCD80ΔC変異体蛋白質の共生成は、抗原に
対する細胞免疫性の促進を生じる。従って、本発明はDNAワクチン、サブユニ
ット無毒組換えベクターワクチンおよび弱毒化ワクチンのようなワクチンの一部
として、ワクチン接種体での発現のために必要な制御配列に作動可能なように連
結されたCD80ΔC変異体蛋白質をコードしているヌクレオチド配列を提供す
ることにより改良されたワクチンを提供する。もしくは、CD80ΔC変異体蛋
白質は免疫原または免疫原をコードしている遺伝子構築物と一緒に蛋白質補助剤
として送達される。
【0021】 CD80ΔC変異体が免疫化プロトコールにおいて分子補助剤として提供され
る本発明のいくつかの態様に従うと、CD80ΔC変異体は機能性CD80V領
域かまたはCD86V領域を含んでいる。CD80ΔC変異体は機能性CD80
C領域を含んでいない。いくつかの態様において、C領域は欠損されおよびV領
域は直接膜貫通領域へ連結されている。いくつかの態様において、CD86C領
域がCD80C領域の代わりに挿入されている。いくつかの態様において、CD
80ΔC変異体のV領域後に非CD80、非CD86配列が含まれている。いく
つかの態様はCD80膜貫通領域を含んでいる。いくつかの態様はCD86膜貫
通領域を含んでいる。いくつかの態様において、CD80膜貫通領域が欠損され
、他の配列により置換されていない。いくつかの態様はCD80tmの代わりに
非CD80、非CD86配列を含んでいる。いくつかの態様はCD80細胞質尾
部を含んでいる。いくつかの態様はCD86細胞質尾部を含んでいる。いくつか
の態様において、CD80細胞質尾部が欠損され、他の配列により置換されてい
ない。いくつかの態様はCD80ctの代わりに非CD80、非CD86配列を
含んでいる。CD80ΔC変異体がCD80ΔC変異体をコードしている遺伝子
物質の投与により細胞へ送達される態様において、膜貫通領域および細胞質尾部
を含むCD80ΔC変異体が免疫応答の刺激に特に有用であることが発見された
。いくつかの態様において、CD80tmおよびCD80ctが提供される。い
くつかの態様において、CD86tmおよびCD86ctが提供される。いくつ
かの態様において、CD80tmおよびCD86ctが提供される。いくつかの
態様において、CD86tmおよびCD80ctが提供される。CD80ΔC変
異体蛋白質の投与によりCD80ΔC変異体が細胞へ送達される態様において、
CD80ΔC変異体蛋白質は可溶性蛋白質として提供され、ここでは膜貫通領域
および細胞質尾部が欠損され、いくつかの場合、可溶性残基に置き換えられてい
る。
【0022】 本発明の特色は80V、80tmおよび80ctを含み、80Cを含まない単
離された蛋白質に関している;ここで該蛋白質は80Vまたは86Vまたは両方
を含み、任意に一つまたはそれ以上の80tm、86tm、80ctおよび86
ctを含んでおり、ここで; 80VはCD80の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86VはCD86の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86CはCD86のCドメインまたはその機能的断片であり; 80tmはCD80の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 86tmはCD86の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 80ctはCD80の細胞質尾部またはその機能的断片であり;および 86ctはCD86の細胞質尾部またはその機能的断片である。
【0023】 いくつかの態様に従うと、次の式を持っている: R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8−R9 式中 R1は0−50アミノ酸であり; R2は80Vまたは86Vであり; R3は0−50アミノ酸であり; R4は86Cまたは0アミノ酸であり; R5は0−50アミノ酸であり; R6は80tmまたは86tmであり; R7は0−50アミノ酸であり; R8は80ctまたは86ctであり;および R9は0−50アミノ酸である。
【0024】 いくつかの態様において、R1は0−25アミノ酸であり;R3は0−25アミ
ノ酸であり;R5は0−25アミノ酸であり;R7は0−25アミノ酸であり;お
よび/またはR9は0−25アミノ酸である。
【0025】 いくつかの態様において、R1は0−10アミノ酸であり;R3は0−10アミ
ノ酸であり;R5は0−10アミノ酸であり;R7は0−10アミノ酸であり;お
よび/またはR9は0−10アミノ酸である。
【0026】 いくつかの態様において、蛋白質は 80V/dele/80tm/80ct; 80V/dele/80tm/86ct; 80V/dele/86tm/80ct; 86V/dele/80tm/80ct; 86V/dele/80tm/86ct; 86V/dele/86tm/80ct; 80V/dele/86tm/86ct; 80V/86C/80tm/80ct; 80V/86C/80tm/86ct; 80V/86C/86tm/80ct; 86V/86C/80tm/80ct; 86V/86C/80tm/86ct; 86V/86C/86tm/80ct; 80V/86C/86tm/86ct; 80V/dele/80tm/dele; 80V/dele/86tm/dele; 86V/dele/80tm/dele; 80V/86C/80tm/dele; 80V/86C/86tm/dele; 86V/86C/80tm/dele; 86V/86C/80tm/dele; 86V/86C/dele/80ct; 80V/86C/dele/80ct; 80V/dele/dele/80ct; 86V/dele/dele/80ct; 86V/86C/dele/dele;および 80Vから成る群より選択されるCD80変異体である。
【0027】 いくつかの態様において、CD80変異体は: R−80V−R−dele−R−80tm−R−80ct−R; R−80V−R−dele−R−80tm−R−86ct−R; R−80V−R−dele−R−86tm−R−80ct−R; R−86V−R−dele−R−80tm−R−80ct−R; R−86V−R−dele−R−80tm−R−86ct−R; R−86V−R−dele−R−86tm−R−80ct−R; R−80V−R−dele−R−86tm−R−86ct−R; R−80V−R−86C−R−80tm−R−80ct−R; R−80V−R−86C−R−80tm−R−86ct−R; R−80V−R−86C−R−86tm−R−80ct−R; R−86V−R−86C−R−80tm−R−80ct−R; R−86V−R−86C−R−80tm−R−86ct−R; R−86V−R−86C−R−86tm−R−80ct−R; R−80V−R−86C−R−86tm−R−86ct−R; R−80V−R−dele−R−80tm−R−dele−R; R−80V−R−dele−R−86tm−R−dele−R; R−86V−R−dele−R−80tm−R−dele−R; R−80V−R−86C−R−80tm−R−dele−R; R−80V−R−86C−R−86tm−R−dele−R; R−86V−R−86C−R−80tm−R−dele−R; R−86V−R−86C−R−80tm−R−dele−R; R−86V−R−86C−R−dele−R−80ct−R; R−80V−R−86C−R−dele−R−80ct−R; R−80V−R−dele−R−dele−R−80ct−R; R−86V−R−dele−R−dele−R−80ct−R; R−80V−R−86C−R−dele−R−dele−R;および R−80V−Rから成る群より選択される式を持っており;式中 80VはCD80の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86VはCD86の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86CはCD86のCドメインまたはその機能的断片であり; 80tmはCD80の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 86tmはCD86の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 80ctはCD80の細胞質尾部またはその機能的断片であり; 86ctはCD86の細胞質尾部またはその機能的断片であり; deleは0アミノ酸であり;および Rは各々独立して0−100アミノ酸である。 いくつかの態様において、Rは各々独立して0−50アミノ酸である。 いくつかの態様において、Rは各々独立して0−30アミノ酸である。 いくつかの態様において、Rは各々独立して0−20アミノ酸である。
【0028】 本発明のいくつかの態様において、CD80変異体は: Cドメインが欠損されたCD80; Cドメインが欠損されおよびCD80膜貫通領域がCD86膜貫通領域で置換
されたCD80; Cドメインが欠損されおよびCD80細胞質尾部領域がCD86細胞質尾部領
域で置換されたCD80; Cドメインが欠損されおよびCD80VドメインがCD86Vドメインで置換
されたCD80; Cドメインが欠損されおよびCD80VドメインがCD86Vドメインで置換
されおよびCD80膜貫通領域がCD86膜貫通領域で置換されたCD80; Cドメインが欠損されおよびCD80VドメインがCD86Vドメインで置換
されおよびCD80細胞質尾部領域がCD86細胞質尾部領域で置換されたCD
80; Cドメインが欠損されおよびCD80膜貫通領域がCD86膜貫通領域で置換
されおよびCD80細胞質尾部領域がCD86細胞質尾部領域で置換されたCD
80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよびCD80膜貫通領
域がCD86膜貫通領域で置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよびCD80細胞質尾
部領域がCD86細胞質尾部領域で置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよびCD80Vドメイ
ンがCD86Vドメインで置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよびCD80Vドメイ
ンがCD86Vドメインで置換されおよびCD80膜貫通領域がCD86膜貫通
領域で置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよびCD80Vドメイ
ンがCD86Vドメインで置換されおよびCD80細胞質尾部領域がCD86細
胞質尾部領域で置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよびCD80膜貫通領
域がCD86膜貫通領域で置換されおよびCD80細胞質尾部領域がCD86細
胞質尾部領域で置換されたCD80; Cドメインが欠損されおよび細胞質尾部領域が欠損されたCD80; Cドメインが欠損されおよび細胞質尾部領域が欠損されおよびCD80膜貫通
領域がCD86膜貫通領域で置換されたCD80; Cドメインが欠損されおよび細胞質尾部領域が欠損されおよびCD80Cドメ
インがCD86Cドメインで置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよびCD80膜貫通領
域がCD86膜貫通領域で置換されおよびCD80細胞質尾部領域がCD86細
胞質尾部領域で置換されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよび細胞質尾部領域が
欠損されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよび細胞質尾部領域が
欠損されおよびCD80膜貫通領域がCD86膜貫通領域で置換されたCD80
; CD80VドメインがCD86Vドメインで置換されおよびCD80Cドメイ
ンがCD86Cドメインで置換されおよび細胞質尾部領域が欠損されたCD80
; CD80VドメインがCD86Vドメインで置換されおよびCD80Cドメイ
ンがCD86Cドメインで置換されおよび膜貫通領域が欠損されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよび膜貫通領域が欠損
されたCD80; Cドメインが欠損されおよび膜貫通領域が欠損されたCD80; Cドメインが欠損されおよびCD80VドメインがCD86Vドメインで置換
されおよび膜貫通領域が欠損されたCD80; CD80CドメインがCD86Cドメインで置換されおよび膜貫通領域が欠損
されおよび細胞質尾部領域が欠損されたCD80; Cドメインが欠損されおよび膜貫通領域が欠損されおよび細胞質尾部領域が欠
損されたCD80;および CD80変異ドメインまたはその機能的断片から成る群より選択される。
【0029】 CD80ΔC変異体の蛋白質形はワクチンの成分として処方でき、またはCD
80ΔC変異体をコードしているコード配列を含む遺伝子構築物がワクチンの成
分として提供されてもよい。どちらの場合も、そのようなワクチンは予防的また
は治療的方法で使用されるであろう。
【0030】 本発明のいくつかの好適な態様に従うと、免疫原およびCD80ΔC変異体を
コードしているコード配列を含むDNA分子を含んでいるDNAワクチンが提供
される。本発明の改良はDNAワクチンの核酸配列によりコードされている抗原
性標的の生成に加えたCD80ΔC変異体蛋白質の共生成のための遺伝子物質を
含んでいることに関している。
【0031】 本発明は、遺伝子物質によりコードされている蛋白質およびペプチドに対する
免疫応答を誘導するため、個体の細胞内へ遺伝子物質を導入する方法に関してい
る。本方法は標的蛋白質をコードしているヌクレオチド配列およびCD80ΔC
変異体蛋白質をコードしているヌクレオチド配列を含む単一の核酸分子、または
一つは標的蛋白質をコードしているヌクレオチド配列を含み、および一つはCD
80ΔC変異体蛋白質をコードしているヌクレオチド配列の二つの核酸分子を持
っている組成物を該個体の組織へ投与する工程を含んでいる。核酸分子はプラス
ミドDNA、組換えベクターの核酸分子として、または弱毒化ワクチンに提供さ
れる遺伝子物質の一部として提供される。
【0032】 本発明に従うと、病原体または異常な疾患関連細胞に対して個体を予防的およ
び/または治療的に免疫する組成物および方法が提供される。遺伝子物質は標的
蛋白質、即ち、標的化されるべき病原体または細胞上に観察される免疫原性蛋白
質と少なくとも一つのエピトープを共有するペプチドまたは蛋白質をコードし、
遺伝子物質はCD80ΔC変異体蛋白質をコードしている。遺伝子物質は個体の
細胞により発現されて免疫原性標的として働き、それに対して免疫応答が惹起さ
れる。生じた免疫応答は標的とされるべき病原体または細胞と反応し、および広
範囲なものである:体液性免疫応答に加え、細胞性免疫応答の両方の系が惹起さ
れる。本発明の方法は予防的および治療的免疫性を与えるために有用である。従
って、免疫化法は病原体攻撃または出現または特異的細胞の増殖から個体を保護
する方法、ならびに病原体感染、過増殖性疾患または自己免疫疾患を患っている
個体を処置する方法の両方を含んでいる。
【0033】 本明細書で使用される場合、用語”標的蛋白質”および”免疫原”は相互交換
的に使用され、免疫応答の蛋白質標的として働く、遺伝子構築物によりコードさ
れたペプチドおよび蛋白質を示すことを意味している。標的蛋白質はそれに対し
て免疫応答が惹起できる蛋白質である。標的蛋白質は免疫原性蛋白質であり、病
原体、または癌細胞または自己免疫疾患に関与する細胞のような望まれない細胞
型からの蛋白質に含まれる少なくとも一つのエピトープを共有し、それに対する
免疫化が必要とされている。標的蛋白質に向けられた免疫応答は、標的蛋白質が
関与する特定の感染または疾患に対して個体を保護するおよび個体を治療するで
あろう。標的蛋白質は免疫応答が望まれる蛋白質と同一である必要はない。むし
ろ、標的蛋白質は免疫応答が望まれる蛋白質と交差反応する免疫応答を誘導でき
るものでなければならない。
【0034】 本発明は標的蛋白質に対する広い免疫応答を惹起するのに有用である、即ち、
特に病原体または個体自身の”異常な”細胞に関係する蛋白質。本発明は病原体
蛋白質に対する免疫応答が病原体に対する保護的免疫性を与えるように、病原性
因子および生物体に対して個体を免疫化するのに有用である。本発明は、特に過
増殖性細胞に関連する標的蛋白質に対する免疫応答を惹起することにより、癌の
ような過増殖性疾患および障害と戦うのに有用である。本発明は特に自己免疫状
態に関与する細胞関連の標的蛋白質に対する免疫応答を惹起することにより、自
己免疫疾患および障害と戦うのに有用である。
【0035】 本発明のいくつかの態様によると、標的蛋白質およびCD80ΔC変異体蛋白
質をコードしているDNAまたはRNAが個体の組織細胞内へ導入され、そこで
発現され、標的蛋白質およびCD80ΔC変異体蛋白質を生成する。標的蛋白質
およびCD80ΔC変異体蛋白質をコードしているDNAまたはRNA配列は個
体の細胞中での発現に必要とされる制御要素に各々連結されている。DNA発現
のための制御要素にはプロモーターおよびポリアデニル化シグナルが含まれる。
加えて、コザック領域のような他の要素もまた遺伝子構築物に含まれているであ
ろう。好適な態様では、別々の発現可能形として提供される標的蛋白質およびC
D80ΔC変異体蛋白質をコードしているヌクレオチド配列が含まれ、そこで標
的蛋白質およびCD80ΔC変異体蛋白質の各々は個体の細胞中での発現に必要
とされるそれら自身の制御要素の組に連結されている。しかしながら、本発明は
さらに標的蛋白質およびCD80ΔC変異体蛋白質が単一の遺伝子構築物として
提供される態様にも関している。そのような態様において、単一の発現可能形に
より生成されたポリ蛋白質が二つの別々の蛋白質へ処理されるか、または標的蛋
白質およびCD80ΔC変異体の両方として機能するキメラ蛋白質として存在す
るであろう。いくつかの態様において、二つまたはそれ以上標的蛋白質のコピー
および/または二つまたはそれ以上のCD80ΔC変異体蛋白質のコピーをコー
ドしている核酸配列は遺伝子構築物の単一の発現可能形で提供されるであろう。
コードされているポリ蛋白質は発現後にサブユニットへ処理されるかまたは機能
性ポリ蛋白質として維持されるであろう。
【0036】 本明細書で使用される場合、用語”発現可能形”とは、個体の細胞中に存在す
る場合にコード配列が発現されるであろうように、標的蛋白質および/またはC
D80ΔC変異体蛋白質をコードしているコード配列へ作動可能に連結された必
要制御要素を含んでいる遺伝子構築物を指している。
【0037】 本明細書で使用される場合、用語”エピトープを共有している”とは、別の蛋
白質のエピトープと同一であるまたは実質的に同じである少なくとも一つのエピ
トープを含む蛋白質を指している。
【0038】 本明細書で使用される場合、用語”実質的に同じであるエピトープ”とは、蛋
白質のエピトープとは同一の構造を持ってはいないが、それにも関わらず、その
蛋白質と交差反応する細胞性または体液性免疫応答を引き起こすエピトープを指
すことを意味している。
【0039】 遺伝子構築物は、遺伝子発現に必要とされる制御要素に作動可能なように連結
された標的蛋白質および/またはCD80ΔC変異体蛋白質をコードしているヌ
クレオチド配列を含んでいる。本発明によると、標的蛋白質をコードしているヌ
クレオチド配列の発現可能形から成る遺伝子構築物およびCD80ΔC変異体蛋
白質をコードしているヌクレオチド配列の発現可能形から成る遺伝子構築物を含
む遺伝子構築物の組み合わせが提供される。遺伝子構築物の組み合わせを含むD
NAまたはRNAの生きている細胞内への取り込みにより、DNAまたはRNA
の発現および標的蛋白質およびCD80ΔC変異体蛋白質の生成が生じる。標的
蛋白質に対する驚くほど促進された免疫応答が生じる。
【0040】 本発明はウイルス、原核生物および真核生物体(単細胞病原性生物体および多
細胞寄生虫のような)のようなすべての病原体に対して個体を免疫化するために
使用されるであろう。本発明は細胞に感染し、およびウイルスおよび原核生物(
淋菌、リステリアおよび赤痢菌のような)のような被包性でない病原体に対して
個体を免疫化するのに特に有用である。加えて、本発明はまた、それらが細胞内
病原体である生活周期の段階を含む原虫に対して個体を免疫化するのにも有用で
ある。本明細書で使用される場合、用語”細胞内病原体”とはその生殖または生
活周期の少なくとも一部で、宿主細胞内に存在しおよびそこで病原蛋白質を産生
するまたは産生する原因となるウイルスまたは病原性生物体を指すことを意味し
ている。表1は本発明によるワクチンが作製できるいくつかのウイルスファミリ
ーおよび属のリストである。表に掲げた抗原のような病原体抗原上に示されるエ
ピトープと同一かまたは実質的に同じである少なくとも一つのエピトープを含む
ペプチドをコードしているDNA配列含有DNA構築物はワクチンに有用である
。さらに、本発明はまた、原核生物および真核生物を含む他の病原体ならびに表
2に掲げてあるような多細胞寄生虫に対して個体を免疫化するのにも有用である
【0041】 病原体感染に対して保護する遺伝子ワクチンを製造するため、保護的免疫応答
が準備できる免疫原性蛋白質をコードしている遺伝子構成要素は、標的のための
コード配列として遺伝子構築物中に含まれていなければならない。病原体感染が
細胞内(それに対して本発明は特に有用である)であるにせよまたは細胞外であ
るにせよ、すべての病原体抗原が保護的応答を惹起することはありそうもない。
DNAおよびRNAは両方とも比較的小さくおよび比較的容易に製造できるので
、本発明は多病原体抗原を含むワクチン接種を可能にするさらなる利点を提供す
る。遺伝子ワクチンに使用される遺伝子構築物は多くの病原体抗原をコードして
いる遺伝子構成要素を含むことができる。例えば、数個のウイルス遺伝子を単一
の構築物に含ませてもよく、それにより複数の標的を持つものが提供される。
【0042】 表1および2は、感染から個体を保護するために遺伝子ワクチンが製造される
いくつかの病原性因子および生物体のリストである。いくつかの好適な態様にお
いて、病原体に対して個体を免疫化する方法はHIV、HTLVまたはHBVに
向けられたものである。
【0043】 本発明の別の態様は、過増殖性疾患に特徴的である過増殖している細胞に対す
る広範囲な保護的免疫応答を与える方法、および過増殖性疾患を患っている個体
を処置する方法を提供する。本明細書で使用される場合、用語”過増殖性疾患”
とは細胞の過増殖により特徴付けられるような疾患および障害を指していること
を意味している。過増殖性疾患の例にはすべての形の癌および乾癬が含まれる。
【0044】 免疫原性の”過増殖している細胞”関連蛋白質をコードしているヌクレオチド
配列を含む遺伝子構築物を個体の細胞内へ導入すると、ワクチン接種された個体
の細胞にこれらの蛋白質が産生されることが見いだされている。本明細書で使用
される場合、用語”過増殖性関連蛋白質”とは過増殖性疾患に関連する蛋白質を
指していることを意味している。過増殖性疾患に対して免疫するため、過増殖性
疾患に関連した蛋白質をコードしているヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物が
個体に投与される。
【0045】 過増殖性関連蛋白質が有効な免疫原性標的であるようにするため、それは正常
な細胞と比較して、過増殖性細胞中で独占的にまたは高レベルで産生されるよう
な蛋白質でなければならない。標的抗原にはそのような蛋白質に観察される少な
くとも一つのエピトープを含む蛋白質、それらの断片およびペプチドが含まれる
。いくつかの場合、過増殖性関連蛋白質は蛋白質をコードしている遺伝子の突然
変異による生成物である。突然変異した遺伝子は正常の蛋白質とほとんど同じで
あるが、正常蛋白質では観察されない異なったエピトープを生じるわずかに異な
ったアミノ酸配列を持つ蛋白質をコードしている。そのような標的蛋白質には ybmycfynのような癌遺伝子、および転座遺伝子bcrabl assrc、P53、neutrkおよびEGRFによりコードされている
ような蛋白質が含まれる。標的抗原としての癌遺伝子生成物に加え、抗癌処置お
よび保護的計画のための標的蛋白質には、B細胞リンパ球により作られる抗体の
可変領域およびT細胞リンパ球のT細胞レセプター可変領域が含まれ、それらは
いくつかの態様において自己免疫疾患のための標的抗原としても使用される。腫
瘍細胞において高レベルで観察される蛋白質(モノクローナル抗体17−1Aに
より認識される蛋白質および葉酸結合蛋白質を含む)のような他の腫瘍関連蛋白
質が標的蛋白質として使用できる。
【0046】 本発明は一つまたはそれ以上の癌のいくつかの形に対して個体を免疫化するた
めに使用されるであろうが、本発明は特定の癌が発現しやすい人または以前に癌
を発病し、従って再発しやすい人のような個体を予防的に免疫化するのに特に有
用である。遺伝学および技術ならびに疫学の発展は、個体における癌発生の可能
性および危険事前評価の決定を可能にしている。遺伝子スクリーニングおよび/
または家族健康履歴を用いて、特定の個人がいくつかの型の癌のどれか一つを発
生する可能性を予測することが可能である。
【0047】 同様に、すでに癌が発生している、および癌を取り除く処置を受けたまたは寛
解期にある個体は特に再発しやすい。処置計画の一部として、そのような個体は
再発と戦うために、持っていると診断された癌に対して免疫できる。従って、個
体が癌の一つの型を持っていたことがあり、再発の危険性があることが解ったら
、癌の将来の出現と戦う免疫系を準備するために免疫化できる。
【0048】 本発明は過増殖性疾患を患っている個体を処置する方法を提供する。そのよう
な方法において、遺伝子構築物の導入は、標的蛋白質を産生する過増殖性細胞と
戦うために個体の免疫系を向けさせるおよび促進する免疫療法剤として働く。
【0049】 本発明は、自己免疫性に関係し、細胞レセプターおよび”自己”指向性抗体を
産生する細胞を含んだ標的に対して広範囲な保護的免疫応答を与えることにより
、自己免疫疾患および障害を患っている個体を処置するための方法を提供する。
【0050】 T細胞仲介自己免疫疾患にはリウマチ様関節炎(RA)、多発性硬化症(MS
)、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、インシュリン依存性糖尿病(ID
DM)、自己免疫性甲状腺炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎、強皮症、多発性筋
炎、皮膚筋炎、乾癬、脈管炎、ヴェグナー肉芽腫症、クローン病および潰瘍性大
腸炎が含まれる。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合し、自己免疫疾患に
関連した炎症性カスケードを開始させるT細胞レセプターにより特徴付けられる
。T細胞の可変領域に対するワクチン接種はCTLが関与する免疫応答を惹起し
、これらのT細胞を除去する。
【0051】 RAにおいて、この疾患に関与するT細胞レセプター(TCR)のいくつかの
特異的可変領域が同定されている。これらのTCRにはVβ−3、Vβ−14、
Vβ−17、およびVα−17が含まれる。従って、これらの蛋白質の少なくと
も一つをコードしているDNA構築物でのワクチン接種はRAに関与するT細胞
を標的とするであろう免疫応答を惹起するであろう。Howell,M.D.e
t al.,1991 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88
:10921−10925;Paliard,X.,et al.,1991 Science 253:325−329;Williams,W.V.,et
al.,1992 J.Clin.Invest.90:326−333(こ
れらの各々は本明細書において援用される)を参照されたい。
【0052】 MSにおいて、この疾患に関与する抗体のいくつかの特異的可変領域が同定さ
れている。これらのTCRにはVβ−7、およびVα−10が含まれる。従って
、これらの蛋白質の少なくとも一つをコードしているDNA構築物でのワクチン
接種はMSに関与するT細胞を標的とするであろう免疫応答を惹起するであろう
。Wucherpfennig,K.W.,et al.,1990 Scie nce 248:1016−1019;Oksenberg,J.R.,et
al.,1990 Nature 345:344−346(これらの各々は本
明細書において援用される)を参照されたい。
【0053】 強皮症において、この疾患に関与するT細胞レセプター(TCR)のいくつか
の特異的可変領域が同定されている。これらのTCRにはVβ−6、Vβ−8、
Vβ−14、およびVα−16、Vα−3C、Vα−7、Vα−14、Vα−1
5、Vα−16、Vα−28、およびVα−12が含まれる。従って、これらの
蛋白質の少なくとも一つをコードしているDNA構築物でのワクチン接種は強皮
症に関与するT細胞を標的とするであろう免疫応答を惹起するであろう。
【0054】 T細胞仲介自己免疫疾患を患っている患者を処置するためには(特にTCRの
可変領域がまだ同定されていない場合)、滑液生検が実施できる。存在するT細
胞の試料を取り出すことができ、それらのTCRの可変領域が標準法を使用して
同定される。遺伝子ワクチンはこの情報を用いて製造できる。
【0055】 B細胞仲介自己免疫疾患には狼蒼(SLE)、グレーブス病、重症筋無力症、
自己免疫性血小板減少症、喘息、クリオグロブリン血症、原発性胆汁性硬化症、
および悪性貧血が含まれる。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合し、自己
免疫疾患に関連した炎症性カスケードを開始させる抗体により特徴付けられる。
抗体の可変領域に対するワクチン接種はCTLが関与する免疫応答を惹起し、こ
の抗体を産生するB細胞を除去する。
【0056】 B細胞仲介自己免疫疾患を患っている患者を処置するためには、自己免疫活性
に関与する抗体の可変領域を同定しなければならない。生検が実施でき、炎症部
位に存在する抗体の試料を取り出すことができる。抗体の可変領域が標準法を使
用して同定できる。遺伝子ワクチンはこの情報を用いて製造できる。
【0057】 SLEの場合、一つの抗原がDNAであると信じられている。従ってSLEに
対して免疫化されるべき患者においては、血清を抗DNA抗体でスクリーニング
し、血清中に観察されたそのような抗DNA抗体の可変領域をコードしているD
NA構築物を含むワクチンが製造できる。
【0058】 TCRおよび抗体両方の可変領域間に共通の構造的特色はよく知られている。
特定のTCRまたは抗体をコードしているDNA配列は一般的にKabat,e
t al.,1987 Sequence of Proteins of I mmunological Interest ,U.S.Department
of Health and Human Services,Bethes
da MD(本明細書において援用される)に説明されているようなよく知られ
た方法に従って見い出すことができる。加えて、抗体からの機能的可変領域クロ
ーニングの一般法はChaudhary,V.K.,et al.,1990 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1066(本明細書に
おいて援用される)に見ることができる。
【0059】 本発明は、ワクチン組成物(DNAワクチン、弱毒化生ワクチンおよび組換え
体ワクチンを含む)の一部として個体の細胞へ遺伝子構築物を送達する工程から
成る、個体を免疫化する改良された方法を提供する。遺伝子構築物は免疫調節蛋
白質をコードしおよびそれが発現を達成するためにワクチン中で機能できる制御
配列へ作動可能なように連結されているヌクレオチド配列から成っている。改良
されたワクチンは高められた細胞性免疫応答を生じる。
【0060】 免疫化のいくつかの方法において、免疫原をコードしている遺伝子構築物およ
びCD80ΔC変異体蛋白質をコードしている遺伝子構築物が個体に投与される
。免疫化のいくつかの方法において、免疫原およびCD80ΔC変異体蛋白質の
両方をコードしている遺伝子構築物が個体に投与される。免疫化のいくつかの別
の方法において、免疫原およびCD80ΔC変異体蛋白質が個体に投与される。
免疫化のいくつかの別の方法において、蛋白質免疫原およびCD80ΔC変異体
蛋白質をコードしている遺伝子構築物が個体に投与される。免疫化のいくつかの
方法において、免疫原およびCD80ΔC変異体蛋白質をコードしている遺伝子
構築物が個体に投与される。
【0061】 本発明の別の態様に従うと、自己免疫疾患および移植拒絶に関連する免疫応答
を抑制するためにCD80C領域蛋白質が提供される。CD80C領域蛋白質は
機能性CD80C領域を含んでいる。CD80C領域の機能性断片はルーチン的
に同定できる。いくつかの態様において、CD80C領域の機能性断片は60ア
ミノ酸未満である。いくつかの態様において、CD80C領域の機能性断片は5
0アミノ酸未満である。いくつかの態様において、CD80C領域の機能性断片
は40アミノ酸未満である。いくつかの態様において、CD80C領域の機能性
断片は30アミノ酸未満である。いくつかの態様において、CD80C領域の機
能性断片は20アミノ酸未満である。いくつかの態様において、CD80C領域
の機能性断片は15アミノ酸未満である。いくつかの態様において、CD80C
領域の機能性断片は10アミノ酸未満である。
【0062】 いくつかの態様において、V領域が欠損されている。いくつかの態様において
、CD80またはCD86V領域が存在している。いくつかの態様はCD86膜
貫通領域を含んでいる。いくつかの態様において、CD80膜貫通領域は欠損さ
れており、他の配列で置換されていない。いくつかの態様は非CD80、非CD
86配列を含んでいる。いくつかの態様はCD80tmの代わりに非CD80、
非CD86配列を含んでいる。いくつかの態様はCD80細胞質尾部配列を含ん
でいる。いくつかの態様はCD86細胞質尾部配列を含んでいる。いくつかの態
様において、CD80細胞質尾部領域は欠損されており、他の配列で置換されて
いない。いくつかの態様はCD80ctの代わりに非CD80、非CD86配列
を含んでいる。
【0063】 いくつかの態様に従うと、非CD80蛋白質は少なくともCD80のCドメイ
ンまたはその機能的断片を含んでいる。本明細書で使用される場合、用語非CD
80蛋白質とは野生型とは異なっているが、CD80のCドメインまたはその機
能的断片を含んでいる蛋白質を指すことを意味している。いくつかの態様におい
て、非CD80蛋白質は次の式を持っている: R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8−R9 式中 R1は0−50アミノ酸であり; R2は80Vまたは86Vであり; R3は0−50アミノ酸であり; R4は80Cであり; R5は0−50アミノ酸であり; R6は80tmまたは86tmであり; R7は0−50アミノ酸であり; R8は80ctまたは86ctであり;および R9は0−50アミノ酸であり ここで 80VはCD80の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86VはCD86の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 80CはCD80のCドメインまたはその機能的断片であり; 80tmはCD80の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 86tmはCD86の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 80ctはCD80の細胞質尾部またはその機能的断片であり;および 86ctはCD86の細胞質尾部またはその機能的断片である。
【0064】 本発明のいくつかの態様に従うと、少なくとも一つのCD80のC領域を含む
単離された非CD80蛋白質は: R−dele−R−80C−R−80tm−R−80ct−R; R−dele−R−80C−R−80tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−86tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−dele−R−dele−R; R−86V−R−80C−R−80tm−R−80ct−R; R−86V−R−80C−R−80tm−R−dele−R; R−86V−R−80C−R−dele−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−86tm−R−80ct−R; R−dele−R−80C−R−86tm−R−80ct−R; R−dele−R−80C−R−86tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−86tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−80tm−R−86ct−R; R−dele−R−80C−R−80tm−R−86ct−R; R−86V−R−80C−R−86tm−R−80ct−R; R−86V−R−80C−R−80tm−R−86ct−R; R−86V−R−80C−R−86tm−R−dele−R; R−dele−R−80C−R−86tm−R−86ct−R;および R−86V−R−80C−R−86tm−R−86ct−R; から成る群より選択される式を持っており、 ここで 80VはCD80の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86VはCD86の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 80CはCD80のCドメインまたはその機能的断片であり; 80tmはCD80の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 86tmはCD86の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 80ctはCD80の細胞質尾部またはその機能的断片であり; 86ctはCD86の細胞質尾部またはその機能的断片であり; deleは0アミノ酸であり;および 各々のRは独立して0−100アミノ酸である。 いくつかの態様において、各々のRは独立して0−50アミノ酸であり;いくつ
かの態様において、各々のRは独立して0−30アミノ酸であり;いくつかの態
様において、各々のRは独立して0−20アミノ酸である。
【0065】 本発明のいくつかの態様において、非CD80蛋白質は: 変異ドメインが欠損されたCD80変異体; 変異ドメインが欠損されおよび細胞質尾部が欠損されたCD80変異体; 細胞質尾部が欠損されたCD80変異体; 膜貫通領域が欠損されおよび細胞質尾部が欠損されたCD80変異体; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されたCD80
変異体; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよび細胞
質尾部が欠損されたCD80変異体; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよび膜貫
通領域が欠損されおよび細胞質尾部が欠損されたCD80変異体; CD80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換されたCD80変異
体; 変異ドメインが欠損されおよびCD80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通
領域が置換されたCD80変異体; CD80変異ドメインが欠損され、細胞質尾部が欠損されおよびCD80膜貫
通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換されたCD80変異体; 細胞質尾部が欠損されおよびCD80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領
域が置換されたCD80変異体; CD80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換されたCD80変異
体; 変異ドメインが欠損されおよびCD80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質
尾部が置換されたCD80変異体; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換されたCD80変異体; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換されたCD80変異体; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換されおよび細胞質尾部が欠
損されたCD80変異体; 変異ドメインが欠損されおよびCD80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質
尾部が置換されおよびCD80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換
されたCD80変異体;および CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換されおよびCD80細胞質
尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換されたCD80変異体; から成る群より選択される。
【0066】 CD80C領域蛋白質は蛋白質かまたはCD80C領域をコードしている遺伝
子構築物として提供される。野生型CD80、dele/80C/80tm/8
0ct、dele/80C/80tm/86ct、dele/80C/86tm
/80ctまたはdele/80C/86tm/86ctをコードしているコー
ド配列を含む遺伝子構築物の送達は免疫抑制および自己免疫疾患の処置に特に有
益な結果を提供する。
【0067】 本発明のこの態様の方法は自己免疫疾患および障害を処置するのに有用である
。当業者は自己免疫疾患および障害を持つ個体を同定できる。自己免疫疾患およ
び障害の例にはリウマチ様関節炎(RA)、多発性硬化症(MS)、シェーグレ
ン症候群、サルコイドーシス、インシュリン依存性糖尿病(IDDM)、自己免
疫性甲状腺炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、
乾癬、脈管炎、ヴェグナー肉芽腫症、クローン病および潰瘍性大腸炎のようなT
細胞仲介自己免疫疾患、および狼蒼(SLE)、グレーブス病、重症筋無力症、
自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、喘息、クリオグロブリン血症
、原発性胆汁性硬化症、および悪性貧血のようなB細胞仲介自己免疫疾患が含ま
れる。
【0068】 本発明のこの態様の方法はまた、骨髄および脳細胞移植片のような細胞移植、
角膜および皮膚移植片のような組織移植および筋形成術および肝臓、肺、腎臓お
よび心臓のような器官移植を含む移植法を受けている個体において免疫応答を抑
制するためにも有用である。
【0069】 本発明の組成物を作製および送達する方法は一般的に免疫化プロトコールなら
びに非免疫治療プロトコールと同一である。 本明細書において使用する場合、用語”蛋白質”はペプチド、ポリペプチドお
よび蛋白質を含んだ蛋白様分子を含んでいる。本発明のいくつかの態様は核酸、
特にDNAの投与による蛋白質の送達、その使用法に関している。例えば、免疫
化のいくつかの方法において、免疫原性蛋白質およびCD80ΔC変異体蛋白質
をコードしている核酸が個体に投与される。同様に、自己免疫疾患を処置するお
よび免疫抑制により移植片/移植臓器拒絶を防止するいくつかの方法において、
CD80C領域をコードしている核酸が個体に投与される。本明細書において使
用する場合、用語”本発明の遺伝子構築物”とは、免疫原性蛋白質、CD80Δ
C変異体蛋白質およびCD80C領域蛋白質をコードするコード配列を含む遺伝
子構築物を意味することが意図されており、それらは各々類似の手段で生成でき
およびそれらは本発明の方法で使用するために類似の方法で処方および投与でき
る。
【0070】 DNAワクチンは米国特許第5,593,972号、米国特許第5,589,
466号、PCT/US90/01515、PCT/US93/02338、P
CT/US93/048131、PCT/US94/00899(これらは本明
細書において援用される)に記載されている。これらの出願に記載されている送
達プロトコールに加え、DNAを送達する別の方法が米国特許第4,945,0
50および5,036,006号(これらは本明細書において援用される)に記
載されている。DNAワクチンプロトコールは個体を免疫するために有用である
。これらの教えは本発明の態様に応用でき、自己免疫疾患および臓器移植拒絶を
持つ個体がCD80C領域蛋白質をコードしている遺伝子構築物を使用して処置
される。そのような態様において、免疫原をコードしているコード配列は提供さ
れない。
【0071】 細胞により取り込まれた場合、遺伝子構築物は機能的染色体外分子として残存
し、および/または細胞の染色体DNAへ組み込まれる。DNAは細胞内へ導入
され、プラスミド形の別の遺伝子成分として残っているであろう。もしくは、染
色体内へ組み込むことができる直鎖状DNAが細胞内へ導入されてもよい。DN
Aが細胞内へ導入された時、染色体内へのDNA組込みを促進する試薬が加えら
れる。組込みを促進するために有用なDNA配列はDNA分子に含まれていても
よい。もしくは、RNAが細胞に投与されてもよい。遺伝子構築物は動原体、テ
ロメアおよび複製起点を含んでいる線状ミニクロモソームとして提供されること
も意図されている。
【0072】 本発明の遺伝子構築物は核酸分子の遺伝子発現に必要な制御要素を含んでいる
。その要素には:プロモーター、開始コドン、停止コドンおよびポリアデニル化
シグナルが含まれる。加えて、本発明の蛋白質をコードしている配列の遺伝子発
現にエンハンサーがしばしば必要とされる。これらの要素は所望の蛋白質をコー
ドしている配列へ作動可能なように連結されていること、および制御要素はそれ
らが投与された個体で作動可能であることが必要である。
【0073】 開始コドンおよび停止コドンは一般的に所望の蛋白質をコードしているヌクレ
オチド配列の一部であると考えられている。しかしながら、これらの要素は遺伝
子構築物が投与された個体中で機能的であることが必要である。開始および停止
コドンはコード配列の読み枠内に存在しなければならない。
【0074】 使用されるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルは個体の細胞内で機能
的でなければならない。 本発明の実施に有用なプロモーターの例としては(特にヒトに対する遺伝子ワ
クチンの製造において)、シミアンウイルス40(SV40)、マウス乳腺腫瘍
ウイルス(MMTV)プロモーター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)(HIV
長い末端反復配列(LTR)プロモーターのような)、モロニーウイルス、AL
V、サイトメガロウイルス(CMV)(CMV前初期プロモーター、エプスタイ
ンバーウイルス(EBV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)からのプロモーター
類、ならびにヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレア
チンおよびヒトメタロチオネインのようなヒト遺伝子からのプロモーター類が挙
げられるが、これらに制限されるわけではない。
【0075】 本発明の実施に有用なポリアデニル化シグナルの例としては(特にヒトに対す
る遺伝子ワクチンの製造において)、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル
、SV40ポリアデニル化シグナルおよびLTRポリアデニル化シグナルが挙げ
られるが、これらに制限されるわけではない。特に、pCEP4プラスミド中に
存在するSV40ポリアデニル化シグナル(Invitrogen,San D
iego,CA、SV40ポリアデニル化シグナルと称される)が使用される。
【0076】 DNA発現に必要とされる制御要素に加え、他の要素もDNA分子に含まれて
いるであろう。そのような追加の要素にはエンハンサーが含まれる。エンハンサ
ーは:ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンお
よびCMV、RSVおよびEBVからのエンハンサーのようなウイルスエンハン
サーから成る群より選択されるであろうが、それらに制限されるわけではない。
【0077】 遺伝子構築物を染色体外に維持するためおよび細胞中で構築物の多数のコピー
を生成するために、本発明の遺伝子構築物は哺乳類複製起点とともに提供できる
。Invitrogen(San Diego,CA)からのプラスミドpCE
P4およびpREP4はエプスタインバーウイルス複製起点および組込みなしで
高コピーエピソーム複製を生み出す核抗原EBNA−1コード領域を含んでいる
【0078】 免疫化応用に関するいくつかの好適な態様において、標的蛋白質、CD80Δ
C変異体蛋白質、およびそのうえにそのような標的蛋白質に対する免疫応答をさ
らに促進する蛋白質のための遺伝子をコードしているヌクレオチド配列を含んで
いる核酸分子が送達される。そのような遺伝子の例はα−インターフェロン、ガ
ンマ−インターフェロン、血小板由来成長因子(PDGF)、TNF、上皮成長
因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−
10およびIL−12のような他のサイトカインおよびリンホカインをコードし
ているものである。
【0079】 蛋白質産生を最大にするため、構築物が投与される細胞内での遺伝子発現に適
した制御配列が選択される。さらに、細胞内で最も効率的に転写されるコドンが
選択されるであろう。当業者は細胞内で機能的であるDNA構築物を製造できる
【0080】 免疫化法にせよまたは免疫抑制法にせよ、本発明の方法は個体の組織に核酸分
子を投与する工程を含んでいる、いくつかの好適な態様において、核酸分子は筋
肉内、鼻腔内、腹腔内、皮下、経皮、静脈内、肺組織へのエアロゾル投与または
局所的に、または膣、直腸、尿管、口腔および舌下組織から成る群より選択され
る粘膜組織への潅注により投与される。
【0081】 本発明の一つの態様は本発明の方法に有用な医薬組成物に関している。医薬組
成物は核酸分子、好適には個体の細胞においての発現に必要とされる制御要素に
作動可能なように連結されている一つまたはそれ以上の蛋白質をコードしている
ヌクレオチド配列を含むDNA分子を含んでいる。医薬組成物はさらに医薬とし
て受容可能な担体または賦形剤を含んでいる。用語”医薬として”とは当業者に
はよく知られおよび広く理解されている。本明細書において使用する場合、用語
”医薬組成物”および”注射可能医薬組成物”とは当業者に理解されているよう
な通常の意味を持っている。医薬組成物は無菌性、発熱物質、特定の問題ならび
に等張性およびpHに関して特別の標準に適合していることが必要とされる。例
えば、注射可能医薬は無菌で発熱物質を含んでいない。
【0082】 本発明に従った医薬組成物は約1ngから約10,000μgのDNAを含ん
でいる。いくつかの好適な態様において、医薬組成物は約2000μg、300
0μg、4000μgまたは5000μgのDNAを含んでいる。いくつかの好
適な態様において、医薬組成物は約1000μgのDNAを含んでいる。いくつ
かの好適な態様において、医薬組成物は約10ngから約800μgのDNAを
含んでいる。いくつかの好適な態様において、医薬組成物は約0.1から約50
0μgのDNAを含んでいる。いくつかの好適な態様において、医薬組成物は約
1から約350μgのDNAを含んでいる。いくつかの好適な態様において、医
薬組成物は約25から約250μgのDNAを含んでいる。いくつかの好適な態
様において、医薬組成物は約100μgのDNAを含んでいる。
【0083】 本発明の遺伝子構築物を含む本発明に従った医薬組成物は使用されるべき投与
様式に従って処方される。当業者は遺伝子構築物を含むワクチンまたは非免疫原
性治療薬を容易に処方できる。筋肉内注射が投与様式として選択されて場合、等
張処方が好適には使用される。一般に、等張性のための添加物には塩化ナトリウ
ム、デキストロース、マンニトール、ソルビトールおよびラクトースが使用でき
る。いくつかの場合、リン酸緩衝液のような等張溶液が好適である。安定化剤に
はゼラチンおよびアルブミンが含まれる。いくつかの態様において、処方に血管
収縮剤が添加される。本発明に従った医薬製剤は無菌で発熱物質を含まないよう
に提供される。本発明に従った医薬組成物は核酸分子と組み合わされた送達成分
を含んでおり、さらに例えば、食塩水のような医薬として受容可能な担体または
賦形剤を含んでいる。核酸の送達を成功させることを可能にする任意の媒質が使
用できるであろう。当業者は本発明に使用されるであろう多数の医薬として受容
可能な媒質を容易に理解するであろう。適した医薬担体はRemington’ s Pharmaceutical Science ,A.Osol(本分野の
標準参考書、本明細書において援用される)に記載されている。
【0084】 いくつかの態様において、核酸分子は促進剤の投与と連結して細胞へ送達され
る。促進剤はまたポリヌクレオチド機能促進剤または遺伝子ワクチン促進剤とも
称される。促進剤は1998年11月3日に公開された米国特許第5,830,
876号、1997年1月14日に公開された米国特許第5,593,972号
および1994年1月26日に出願された国際出願番号第PCT/US94/0
0899号(これらは各々が本明細書において援用される)に説明されている。
加えて、促進剤は1998年4月14日に公開された米国特許第5,739,1
18号、1998年11月17日に公開された米国特許第5,837,533号
、1995年9月28日に出願されたPCT/US95/12502および19
95年3月30日に出願されたPCT/US95/04071(これらは各々が
本明細書において援用される)に説明されている。核酸分子とともに投与される
促進剤は核酸分子との混合物として投与されるか、または核酸分子と同時に、投
与前にまたは投与後に別々に投与される。さらに、トランスフェクト剤および/
または複製剤および/または催炎物質として機能するであろう、および促進剤と
ともに(または無しで)共投与されるであろう他の物質にはα−インターフェロ
ン、ガンマ−インターフェロン、血小板由来成長因子(PDGF)、TNF、上
皮増殖因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、
IL−10およびIL−12のような成長因子、サイトカインおよびリンホカイ
ンが含まれ、ならびに線維芽細胞成長因子、免疫刺激複合体(ISCOMS)の
ような表面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質A(M
PL)を含むLPS類似体、ムラミールペプチド、キノン類似体およびスクアレ
ンおよびスクアレンのようなベシクル、およびヒアルロン酸が含まれる。免疫化
の方法に関連する態様において、好適には免疫応答を促進する補助薬剤が選択さ
れる。免疫抑制法に関連する態様においては、免疫応答を促進しない補助薬剤が
選択される。
【0085】 いくつかの好適な態様において、本発明の遺伝子構築物は、局所麻酔剤の仲間
のような安息香酸エステル、アニリド、アミジン、ウレタンおよびそれらの塩酸
塩から成る群より選択された促進剤とともに処方されるかまたは一緒に投与され
る。
【0086】 いくつかの好適な態様の促進剤は以下の式の一つを持っているであろう: Ar−R1−O−R2−R3 または Ar−N−R1−R2−R3 または R4−N−R5−R6 または R4−O−R1−R7 式中: Arはベンゼン、p−アミノベンゼン、m−アミノベンゼン、o−アミノベン
ゼン、置換ベンゼン、置換p−アミノベンゼン、置換m−アミノベンゼン、置換
o−アミノベンゼン、ここでアミノベンゼン化合物中のアミノ基はアミノ、C1
−C5アルキルアミン、C1−C5,C1−C5ジアルキルアミンであり得、置換化
合物中の置換基はハロゲン、C1−C5アルキルおよびC1−C5アルコキシであり
; R1はC=Oであり; R2は分岐鎖アルキルを含むC1−C10アルキルであり; R3は水素、アミン、C1−C5アルキルアミン、C1−C5,C1−C5ジアルキ
ルアミンであり; R2+R3は環式アルキル、C1−C10アルキル置換環式アルキル、環式脂肪族
アミン、C1−C10アルキル置換環式脂肪族アミン、複素環、C1−C10アルキル
N−置換複素環を含むC1−C10アルキル置換複素環を形成できる; R4はAr、R2またはC1−C5アルコキシ、環式アルキル、C1−C10アルキ
ル置換環式アルキル、環式脂肪族アミン、C1−C10アルキル置換環式脂肪族ア
ミン、複素環、およびC1−C10アルキルN−置換複素環を含むC1−C10アルキ
ル置換複素環およびC1−C10アルコキシ置換複素環であり; R5はC=NHであり; R6はAr、R2またはC1−C5アルコキシ、環式アルキル、C1−C10アルキ
ル置換環式アルキル、環式脂肪族アミン、C1−C10アルキル置換環式脂肪族ア
ミン、複素環、およびC1−C10アルキルN−置換複素環を含むC1−C10アルキ
ル置換複素環およびC1−C10アルコキシ置換複素環であり;および R7はAr、R2またはC1−C5アルコキシ、環式アルキル、C1−C10アルキ
ル置換環式アルキル、環式脂肪族アミン、C1−C10アルキル置換環式脂肪族ア
ミン、複素環、およびC1−C10アルキルN−置換複素環を含むC1−C10アルキ
ル置換複素環およびC1−C10アルコキシ置換複素環である。
【0087】 エステルの例には:ピペロカイン、メプリルカインおよびイソブカインのよう
な安息香酸エステル;プロカイン、テトラカイン、ブテタミンpロポキシカイン
およびクロロプロカインのようなパラ−アミノ安息香酸エステル;メタブタミン
およびpリマカインを含むメタ−アミノ安息香酸エステル;およびパレトキシカ
インのようなパラ−エトキシ安息香酸エステルが含まれる。アニリドの例にはリ
ドカイン、エチドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、ピロカインおよびプリ
ロカインが含まれる。そのような化合物のその他の例にはジブカイン、ベンゾカ
イン、ジクロニン、プラモキシン、プロパラカイン、ブタカイン、ベノキシナー
ト、カルボカイン、メチルブピバカイン、ブタシンピクラート、フェナカイン、
ジオタン、ルクカイン、イントラカイン、ヌペルカイン、メタブトキシカイン、
ピリドカイン、ビフェナミンおよびコカイン、シンナモイルコカイン、トルキシ
リンおよびコカエチレン、および塩酸と複合体形成したすべてのそのような化合
物が含まれる。
【0088】 好適な態様において、促進剤はブピバカインである。ブピバカインとメピバカ
イン間の相違はブピバカインはメピバカインのN−メチル基の代わりにN−ブチ
ル基を持っていることである。化合物はNにC1−C10を持っているであろう。
化合物はプロカインおよびクロロプロカインのようにハロゲンで置換されていて
もよい。アニリドが好適である。
【0089】 促進剤は遺伝子構築物に先立って、同時にまたは後に投与される。促進剤およ
び遺伝子構築物は同一の組成物に処方されてもよい。 ブピバカイン−HClは化学的には2−ピペリジンカルボキサミド、1−ブチ
ル−N−(2,6−ジメチルフェニル)一塩酸塩、一水和物と称され、Astr
a Pharmaceutical Products Inc.(Westb
oro,Mass.)およびSanofi Winthrop Pharmac
euticals(New York,N.Y.)を含む多くの発売元から医薬
使用のために広く商業的に入手可能である。ブピバカインの市販品はメチルパラ
ビンとおよび無しで、およびエピネフリンとおよび無しで処方されている。任意
のそのような処方が使用されるであろう。本発明で使用されるであろう0.25
%、0.5%および0.75%の濃度で医薬での使用のために商業的に入手可能
である。必要ならば所望の効果を惹起する別の濃度(特に0.05%−1.0%
間のもの)が調製される。本発明に従うと、約250μgから約10mgのブピ
バカインが投与される。いくつかの態様において、約250μgから約7.5m
gが投与される。いくつかの態様において、約0.05mgから約5.0mgが
投与される。いくつかの態様において、約0.5mgから約3.0mgが投与さ
れる。いくつかの態様において、約5から50μgが投与される。例えば、いく
つかの態様において、約50μlから約2ml、好適には50μlから約150
0μlおよびより好適には等張医薬担体中、0.25−0.5%ブピバカイン−
HClおよび0.1%メチルパラビンの約1mlがワクチンが投与される前に、
同時にまたは後にワクチンと同一部位に投与される。同様に。いくつかの態様に
おいて、等張医薬担体中、50μlから約2ml、好適には50μlから約15
00μlおよびより好適には0.25−0.5%ブピバカイン−HClの約1m
lがワクチンが投与される前に、同時にまたは後にワクチンと同一部位に投与さ
れる。ブピバカインおよび任意の他の同様に作用する化合物(特に、局所麻酔薬
のファミリーに関連する化合物)は、細胞による遺伝子構築物の取り込みの望ま
れる容易さを提供する濃度で投与されるであろう。
【0090】 本発明のいくつかの態様において、個体には遺伝子構築物の投与に先立って最
初に促進剤注射が行われる。即ち、例えば、遺伝子構築物の投与約1週間から1
0日前までに、個体に最初に促進剤が注射される。いくつかの態様において、遺
伝子構築物の投与の1から5日(いくつかの態様においては24時間)前または
後に促進剤が注射される。もしくは、少しでも使用されるならば、促進剤は遺伝
構築物の投与と同時に、数分前または後に投与される。従って、促進剤および遺
伝子構築物を合わせて単一の医薬組成物を形成させてもよい。
【0091】 いくつかの態様において、促進剤の投与と関連して遺伝子構築物が投与されな
い投与プロトコールを使用して、促進剤を含まない処方で、遺伝子構築物が促進
剤なしで投与される。
【0092】 免疫化に関するいくつかの態様において、本発明の遺伝子構築物は弱毒化され
た生きている微生物または組換え微生物ベクター中に遺伝子物質の一部として保
持されるであろう。遺伝子ワクチンを改良するため、CD80CD80ΔC変異
体蛋白質コード配列の発現可能形を使用するのに加え、本発明は抗原をコードし
ている外来遺伝子を送達するために組換えベクターを使用する弱毒化生ワクチン
および改良されたワクチンに関している。外来抗原を送達するために弱毒化生ワ
クチンおよび組換え体ベクターを使用するワクチンの例は米国特許第4,772
,848;5,017,487;5,077,044;5,110,587;5
,112,749;5,174,993;5,223,424;5,225,3
36;5,240,703;5,242,829;5,294,441;5,2
94,548;5,310,668;5,387,744;5,389,368
;5,424,065;5,451,499;5,453,364;5,462
,734;5,470,734および5,482,713号(これらの各々は本
明細書において援用される)に記載されている。発現を達成するためにワクチン
接種体で機能できる制御配列に作動可能なように結合されたCD80ΔC変異体
蛋白質をコードしているヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物が提供される。遺
伝子構築物は本発明に従った改良されたワクチンを製造するために弱毒化生ワク
チンおよび組換えワクチンに取り込まれる。遺伝子構築物は組換えウイルスワク
チンのゲノムの一部であろうし、遺伝子物質は細胞の染色体内に組み込まれるか
または染色体外に残るであろう。非免疫応答誘導治療に関連するいくつかの態様
において、CD80C領域蛋白質をコードしている核酸分子は、組換えウイルス
発現ベクターまたは他の適した送達手段のような種々の送達要素の一つを用いて
、適合宿主細胞でのそれらの導入および発現に影響するように細胞内へ送達され
る。一般に、ウイルスベクターは組換えアデノウイルスおよび組換えワクシニア
ウイルスのようなDNAウイルス、または組換えレトロウイルスのようなRNA
ウイルスであろう。他の組換えベクターには細胞に感染でき、組換え遺伝子を発
現できる組換え原核生物が含まれる。組換えベクターに加えて、リポソームでの
カプセル化、トランスフェリン仲介トランスフェクションおよび他のレセプター
仲介手段のような他の送達手段も企図される。本発明は、等価な機能で働くおよ
びこれに関して続いて本分野で知られるようになる、発現ベクターのそのような
他の形および他の適した送達手段を含んでいるつもりである。本発明の好適な態
様において、DNAはアデノウイルス法により適格性宿主細胞へ送達される。当
業者はそのような手段により宿主細胞へDNAを送達するこの技術を容易に理解
するであろう。本発明では好適にはアデノウイルスが含まれているが、本発明は
等価な機能で働く任意のウイルスを含んでいるつもりである。本発明の別の好適
な態様において、RNAはレトロウイルスの手段により適格性宿主細胞へ送達さ
れる。当業者はそのような手段により宿主細胞へRNAを送達するこの技術を容
易に理解するであろう。RNAによりコードされている蛋白質を発現させるのに
働く任意のレトロウイルスが本発明に含まれていることが意図されている。
【0093】 本発明のいくつかの態様は蛋白質およびその使用法に関している。例えば、免
疫化のいくつかの方法において、免疫原性蛋白質およびCD80ΔC変異体蛋白
質が個体に投与される。同様に、免疫抑制により自己免疫疾患を処置しおよび移
植片/移植臓器拒絶を防止するいくつかの方法において、CD80C領域蛋白質
が個体に投与される。本明細書で使用する場合、用語”本発明の蛋白質”とは、
免疫原性蛋白質、CD80ΔC変異体蛋白質およびCD80C領域蛋白質を意味
することが意図されており、それらは各々類似の手段で生成できおよびそれらは
本発明の方法で使用するために類似の方法で処方および投与できる。
【0094】 本発明の蛋白質をコードしているヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクター
を含んでいるベクターはルーチン的に製造できる。本明細書で使用される場合、
用語”組換え発現ベクター”とは適切な宿主内に導入された場合、コード配列の
発現を指示するために必要な遺伝子要素を含んでいるプラスミド、ファージ、ウ
イルス粒子または他のベクターを示していることを意味している。当業者は標準
技術および容易に利用可能な出発材料を用いて、本発明の蛋白質をコードしてい
る核酸分子を単離または合成し、およびそれを発現ベクター内へ挿入することが
できる。コード配列は必要な調節配列に作動可能なように連結される。発現ベク
ターはよく知られており、容易に利用可能である。発現ベクターの例には、プラ
スミド、ファージ、ウイルスベクターおよびその他の核酸分子または宿主細胞を
形質転換し、およびコード配列の発現を容易にするのに有用な担体を含んでいる
核酸分子が含まれる。本発明のいくつかの態様はCD80ΔC変異体蛋白質また
はCD80C領域蛋白質をコードしているヌクレオチド配列含む組換え発現ベク
ターに関している。本発明はCD80ΔC変異体蛋白質、CD80ΔC変異体蛋
白質を含むキメラ蛋白質、またはCD80C領域蛋白質をコードしているヌクレ
オチド配列含む組換え発現ベクターに関している。
【0095】 本発明はCD80ΔC変異体蛋白質、CD80ΔC変異体蛋白質を含むキメラ
蛋白質、またはCD80C領域蛋白質をコードしているヌクレオチド配列含む組
換え発現ベクターを含んでいる宿主細胞に関している。蛋白質の産生のためのよ
く知られた組換え発現系で使用するための宿主細胞はよく知られており、容易に
利用可能である。宿主細胞の例には、大腸菌のような細菌細胞、S.セレビジエ のような酵母細胞、S.フルギペルダのような昆虫細胞、非ヒト哺乳動物組織培
養細胞チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、およびヒーラー細胞のよう
なヒト組織培養細胞が含まれる。
【0096】 いくつかの態様において、例えば、当業者はよく知られた技術を用い、よく知
られた発現系で使用するため、市販品として入手可能な発現ベクター内へDNA
分子を挿入することができる。例えば、市販品として入手可能なプラスミドpS
E420(Invitrogen,San Diego,CA)が大腸菌におけ
るCD80ΔC変異体蛋白質の製造に使用される。例えば、市販品として入手可
能なプラスミドpYES2(Invitrogen,San Diego,CA
)は酵母のS.セレビジエ株においての製造に使用される。例えば、市販品とし
て入手可能なMAXBACTM完全バキュウロウイルス発現系(Invitrog
en,San Diego,CA)は昆虫細胞においての製造に使用される。例
えば、市販品として入手可能なpcDNA IまたはpcDNA3(Invit
rogen,San Diego,CA)はチャイニーズハムスター卵巣細胞の
ような哺乳動物細胞においての製造に使用される。当業者はルーチン技術および
容易に入手可能な出発材料を用い、本発明の蛋白質を製造するためにこれらの市
販の発現ベクターおよび系またはその他を使用できる。(例えば、本明細書にお
いて援用されるSambrook et al.,Molecular Clo ning a Laboratory Manual ,第二版,Cold Sp
ring Harbor Press(1989)を参照されたい。)それ故、
所望の蛋白質は真核動物および原核動物系の両方で製造でき、蛋白質のプロセシ
ングを受けた形のスペクトルが得られる。
【0097】 当業者は他の市販品として入手可能な発現ベクターおよび系を使用してもよい
し、よく知られた方法および容易に入手可能な出発材料を使用してベクターを製
造してもよい。プロモーターおよびポリアデニル化シグナル、および好適にはエ
ンハンサーのような必須の調節配列を含んでいる発現系は容易に入手可能であり
、種々の宿主について本分野では知られている。例えば、Sambrook e
t al.,Molecular Cloning a Laboratory Manual ,第二版,Cold Spring Harbor Press
(1989)を参照されたい。
【0098】 本発明の蛋白質をコードしているDNAを含んでいる発現ベクターは適格性宿
主を形質転換するために使用され、続いて異種DNAの発現が起こる条件下で培
養および維持する。そのようにして産生された本発明の蛋白質は、当業者に理解
されおよび知られているように細胞を溶解することによりまたは培養培地から回
収される。当業者は、よく知られた技術を使用して、そのような発現系を用いて
製造された本発明の蛋白質を単離できる。本発明の蛋白質に特異的に結合する抗
体を使用して天然の供給源から本発明の蛋白質を精製する方法は、そのような抗
体を発生させる方法のように日常的である(Harlow,E.and D.L
ane,Antibodies:A Laboratory Manual,1
988,Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess、本明細書において援用される、を参照されたい)。そのような抗体は組
換えDNA方法論または天然起源物により産生された蛋白質を精製するために使
用されるであろう。
【0099】 遺伝子構築物の例には、構築物がトランスフェクトされる細胞株で機能的であ
るプロモーターへ作動可能に連結された本発明の蛋白質をコードしているコード
配列が含まれる。構成的プロモーターの例にはサイトメガロウイルスまたはSV
40からのプロモーターが含まれる。誘導可能プロモーターの例にはマウス乳房
白血病ウイルスまたはメタロチオネインプロモーターが含まれる。当業者は容易
に入手可能な出発材料から、本発明の蛋白質をコードしているDNAによる細胞
のトランスフェクションに有用な遺伝子構築物を容易に製造できる。そのような
遺伝子構築物は本発明の蛋白質の製造に有用である。
【0100】 組換え技術により本発明の蛋白質を製造することに加え、自動化ペプチド合成
機もまた本発明の蛋白質を製造するために使用されるであろう。そのような技術
は当業者にはよく知られており、もし置換を持つ誘導体がDNAにコードされた
蛋白質製造で提供されないならば有用である。
【0101】 本発明の蛋白質は以下の既知の技術により製造されるであろう。都合良くは、
Merrifieldにより(J.Am.Chem.Soc.,15:2149
−2154(1963)、本明細書において援用される)最初に記載されている
固相合成技術を用いて蛋白質が製造される。他の蛋白質合成技術は、例えば、M
.Bodanszky et al.,(1976)Peptide Synt hesis ,John Wiley & Sons,2d Ed.(本明細書に
おいて援用される);Kent and Clark−Lewis,Synth etic Peptides in Biology and Medicin ,p.295−358,eds.Alitalo,K.,et al.Sci
ence Publishers,(Amsterdam,1985)(本明細
書において援用される);ならびに当業者には既知の他の参考文献に見ることが
できる。合成技術の要約はJ.Stuart and J.D.Young, olid Phase Peptide Synthelia ,Pierce
Chemical Company,Rockford,IL(1984)(本
明細書において援用される)に見ることができる。溶液法による合成も、The Proteins ,Vol.II,3d Ed.,p.105−237,Ne
urath,H.et al.,Eds.,Academic Press,N
ew York,NY(1976)(本明細書において援用される)に説明され
ているように使用される。そのような合成で使用するための適当な保護基は前記
のテキストならびにJ.F.W.McOmie,Protective Gro ups in Organic Chemistry ,Plenum Pres
s,New York,NY(1973)(本明細書において援用される)に見
いだされるであろう。
【0102】 一般に、これらの合成法には成長しているペプチド鎖への一つまたはそれ以上
のアミノ酸残基または適した保護アミノ酸残基の連続的添加が含まれている。通
常、第一のアミノ酸残基のアミノかまたはカルボキシル基は適した、選択的に除
去可能な保護基により保護されている。異なった、選択的に除去可能な保護基が
リジンのような反応性側鎖を含んでいるアミノ酸で利用される。
【0103】 固相合成を用いる場合、例えば、保護されたまたは誘導体化されたアミノ酸を
その非保護カルボキシルまたはアミノ基を通して不活性固体支持体へ結合する。
次にアミノまたはカルボキシル基の保護基を選択的に除去し、適切に保護された
相補的(アミノまたはカルボキシル)基を持っている配列の次のアミノ酸を混合
して固体支持体にすでに結合されている残基と反応させる。この新しく加えたア
ミノ酸残基からアミノまたはカルボキシル基の保護基を除去し、続いて次のアミ
ノ酸(適切に保護された)を加える、以下同じ。すべての所望のアミノ酸が適切
な配列で連結された後、残っている末端および側鎖保護基(および固体支持体)
は連続的にまたは同時に除去され、最終ペプチドが得られる。本発明のペプチド
は好適にはベンジル化またはメチルベンジル化アミノ酸を含んでいない。そのよ
うな保護基部分は合成の途中では使用してもよいがペプチドが使用される前には
除去される。コンホメーションを保持するために分子内結合を形成させるには、
別の所に説明されているような追加の反応が必要とされる。
【0104】 いくつかの態様において、蛋白質はトランスジェニック動物で産生される。本
発明はCD80ΔC変異体蛋白質またはCD80C領域蛋白質をコードしている
核酸配列を含む組換え発現ベクターを含むトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
関している。組換え蛋白質を産生するのに有用なトランスジェニック非ヒト哺乳
動物は、必要な発現ベクターおよびトランスジェニック動物を発生させる技術と
ともによく知られている。一般に、トランスジェニック動物はCD80ΔC変異
体蛋白質またはCD80C領域蛋白質がコードされているヌクレオチド配列が哺
乳動物細胞特異的プロモーターへ作動可能なように連結されている組換え発現ベ
クターを含んでおり、それによりコード配列のみが哺乳動物細胞で発現され、そ
のように発現された組換え蛋白質は動物のミルクから回収される。Wagner
により1989年10月10日に公開された米国特許第4,873,191号お
よびLederにより1988年4月12日に公開された米国特許第4,736
,866号(両方とも本明細書において援用される)の教えのような標準技術を
用いて、当業者はCD80ΔC変異体蛋白質またはCD80C領域蛋白質を産生
するトランスジェニック動物を製造することができる。好適な動物はヤギおよび
齧歯動物、特にラットおよびマウスである。
【0105】 本発明の蛋白質アミノ酸配列の保存的置換が企図された。本明細書で使用する
場合、”保存的置換”とは同様の構造および/または荷電特性を共有する他の残
基によるCD80残基のアミノ酸置換を示していることを意味している。当業者
は容易に、よく知られた保存的基に基づいたアミノ酸の保存的置換を持つ本発明
の蛋白質を設計することができる。
【0106】 本発明の医薬組成物は、活性成分が哺乳類体内の薬剤作用部位へ到達すること
を可能にする任意の手段により投与される。本発明の医薬組成物は局所または全
身的処置が望ましいか、および処置されるべき領域に依存して多くの方法で投与
される。投与は局所(眼、膣、直腸、鼻孔内、経皮を含む)、経口または非経口
であろう。経口で投与した場合ペプチドは消化されやすいので、経口処方は活性
成分を腸溶的に被覆するか何か、それを胃での分解から保護するように処方され
る。非経口投与には点滴静注、皮下、腹腔内または筋肉内注射、肺投与(例えば
、吸入または吹送による)または鞘内または脳室内投与投与が含まれる。好適な
態様において、非経口投与(即ち静脈内、皮下、経皮、筋肉内)が吸収を最適化
するために通常使用される。静脈内投与は注入ポンプの助けを借りて達成される
であろう。本発明の医薬組成物は乳濁液として処方されるであろう。
【0107】 当業者は本発明に使用されるであろう多数の医薬として受容可能な媒質を容易
に理解するであろう。適した医薬担体は、本明細書において援用され、本分野で
の標準参考書であるRemington’s Pharmaceutical Science ,A.Osolに記載されている。局所投与のための処方には、
経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、座薬、スプレー、液剤および
散剤が含まれる。通常の医薬担体、水性、粉体または油性基剤、増粘剤などが必
要であるかまたは望ましいであろう。経口投与のための組成物には散剤または顆
粒剤、水性または非水媒質の懸濁剤または液剤、カプセル、サシェまたは錠剤が
含まれる。増粘剤、芳香剤、希釈剤、乳化剤、分散剤または結合剤が望ましい。
非経口、鞘内または脳室内投与のための組成物には、緩衝剤、希釈剤および他の
適した添加物を含んでいるであろう無菌水性溶液が含まれ、好適には無菌であり
発熱物質を含んでいない。本発明に従った静脈内投与に適した医薬組成物は無菌
であり発熱物質を含んでいない。非経口投与にためには、本発明のペプチドは、
例えば、溶液、懸濁液、乳剤または凍結乾燥粉末として処方できる。そのような
賦形剤の例は水、塩溶液、リンガー液、デキストロース溶液および5%ヒト血清
アルブミンである。リポソームおよび固定油のような非水賦形剤もまた使用され
るであろう。賦形剤または凍結乾燥粉末はその等張性(例えば、塩化ナトリウム
、マンニトール)および化学的安定性(例えば、緩衝液および保存剤)を維持す
る添加物を含んでいる。処方は通常使用される技術により滅菌される。例えば、
注射による投与に適した非経口組成物は重量で1.5%の活性成分を0.9%塩
化ナトリウム溶液に溶解することにより処方される。
【0108】 本発明に従った医薬組成物は1回量としてまたは複数回量で投与される。本発
明の医薬組成物は個々の治療薬としてまたは他の治療薬と組み合わせて投与され
る。本発明の処置は通常の治療と組み合わせてもよく、連続的にまたは同時に投
与される。
【0109】 用量は特定の薬剤の薬力学的特性および投与様式および経路;受容者の年齢、
健康状態および体重;徴候の性質および程度、同時に行っている処置、処置の頻
度および望まれる結果の様な既知の因子に依存して変化する。治療組成物の処方
およびその後の投与は当業者の範囲内であると思われる。通常、ペプチドの用量
は50キログラムの体重当たり約1から3000ミリグラム;好適には50キロ
グラムの体重当たり約10から1000ミリグラム;より好適には50キログラ
ムの体重当たり約25から800ミリグラムであろう。通常、1日当たり個体へ
8から800ミリグラムを、1日1回から6回の分割量で、または徐放性放出形
で投与すると所望の効果を得ることが達成される。
【0110】 蛋白質が投与される方法に依存して、本発明の医薬組成物は最も有効であるよ
うに処方されおよび投与される。投与様式は本開示を考慮すると当業者には明ら
かであろう。
【0111】 本発明の方法はヒトおよび獣医学医薬の両方の分野で有用である。従って、本
発明は哺乳類、鳥類および魚類の遺伝子免疫化に関している。本発明の方法はヒ
ト、ウシ、ヒツジ、ウマ、イヌおよびネコ種を含む哺乳類種に特に有用であろう
【0112】 以下に示す実施例は本発明の特色の代表的な例を含んでいる。実施例は本発明
の範囲を制限するものではなく、むしろ例示の目的を務めるものである。加えて
、本発明の種々の特色は以下の説明により要約できるであろう。しかしながら、
この説明は本発明の範囲を制限することを意味しているものではなく、むしろ本
発明の種々の特色を強調しているものである。当業者は本発明の追加の特色およ
び態様を容易に理解できる。実施例 なぜCD86(しかしCD80ではない)がT細胞応答の増加に必要とされる
のかを決定する、およびCD80およびCD80のV−およびC−ドメインの両
方で発見された残基を含むC28およびCTLA−4への結合に関与するいくつ
かの決定的領域を持つCD86の構造機能分析をさらに研究するための努力にお
いて、T細胞活性化におけるCD80およびCD86の異なった領域の役割が、
DNA免疫原およびCD80およびCD86分子のキメラまたは端が切り取られ
た形をコードしているDNAによるマウスの共免疫化を使用して試験された。方法 構築物の製造 HIV−1MNエンベロープ蛋白質(pcEnv)をコードしているDNAワク
チン構築物は米国特許第5.593,972に記載されている。ヒトCD80お
よびCD86遺伝子はB細胞cDNAライブラリー(Clontech,Pal
o Alto.CA)からクローン化され、発現ベクター、pSRαneo1+
内へ置かれた。より詳しくは、CD80およびCD86の両方の遺伝子が、Ki
m,et al.(1997)Nature Biot.15:641−645
(本明細書において援用される)に記載されているようにPCR増幅され、SR
αの下流pSRαneo1+内へ結合され、pCD80およびpCD86発現ベ
クターが作製された。ExpandTM High Fidelity Poly
meraseシステム(Boehringer−Mannheim.Gerrn
any)を使用するPCR増幅により、これら二つの遺伝子のキメラおよび端が
切り取られた変異体が発生された。共刺激分子のこれらのすべての形の構築のた
め、pCD80およびpCD86がPCR鋳型として使用された。以下のプライ
マーがこれらの反応に使用された: A:CTGCTTGCTCAACTCTACGTC−配列ID番号:1(フォワ
ード、ベクター) B:CTGAAGTTAGCTTTGACTGATAACG−配列ID番号:2
(リバース、CD80) C:GCAATAGCATCACAAATTTCA−配列ID番号:3(リバー
ス、ベクター) D:CAGTCAAAGCTAACTTCAGTCAACC−配列ID番号:4
(フォワード、CD86) E:GGGAAGTCAGCAAGCACTGACAGTTC−配列ID番号:
5(リバース、CD86) F:TCAGTGCTTGCTGACTTCCCTACACC−配列ID番号:
6(フォワード、CD80) G:TCTTGCTTGGCTTTGACTGATAACGTCAC−配列ID
番号:7(リバース、CD80) H:TCAGTCAAAGCCAAGCAAGAGCATTTTCC−配列ID
番号:8(フォワード、CD80) I:TCCTCAAGCTCAAGCACTGACAGTTC−配列ID番号:
9(リバース、CD86) J:TCAGTGCTTGAGCTTGAGGACCC−配列ID番号:10(
フォワード、CD86) K:TCTGGATCCTCATCTTGGGGCA−配列ID番号:11(リ
バース、CD80) L:TCTGGATCCTCATTTCCATAG−配列ID番号:12(リバ
ース、CD86) CD80のVドメインはAおよびBプライマーを使用して増幅され、CD86
の膜貫通(TM)および細胞質尾部(T)はCおよびDプライマーを使用して増
幅された。これらの断片は続いて精製され、合併され、フォワード(CTGCT
TGCTCAACTCTACGTC−配列ID番号:1)およびリバース(GC
AATAGCATCACAAATTTCA−配列ID番号:3)プライマーを使
用する第二工程PCR反応の鋳型として使用された。PCR生成物はpSRαn
eo1+ベクター内へ連結され、得られたプラスミド(pV80C86T86)
はCD80のVドメインおよびCD86のC−、TM−およびT−領域を発現し
ているキメラ共刺激分子をコードしている。キメラ交差点はCD80の保存アラ
ニン106およびCD86中のアラニン111位であり、エキソン境界が尊重さ
れた。
【0113】 CD86のVドメインおよびCD80のC−、TM−およびT−領域をコード
している次のプラスミドpV86C80T80はAおよびEプライマーを使用す
るCD86V領域の増幅により構築された。CD80のC−、TM−およびT−
領域をコードしているPCR断片はCおよびDプライマーを使用して増幅された
。第二段階PCRおよびクローニングは上に記載したように実行された。
【0114】 Cドメインのない共刺激分子の端切断形(pV80CΔT80、pV86CΔ
T86)もまた二工程PCR技術により製造された。pV80CΔT80の場合
、VドメインはAおよびGプライマーを使用して増幅された。Cドメインが切り
取られた分子のTM/T断片は、pV80CΔT80の場合C/Hプライマーお
よびpV86CΔT86の場合C/Jを使用して増幅された。生じた構築物は増
幅により調製され、pSRαneo1+発現ベクター内へクローニングされた。
全ての構築物は本来の野生型CD80およびCD86鋳型に対して配列が忠実で
あることが確認された。得られた欠損変異体はCD80のアミノ酸アスパラギン
酸107からトレオニン200およびCD86のアラニン111からイソロイシ
ン211が欠けていた。両方の分子は各々のCドメインの6から7膜近位アミノ
酸を維持するように構築された。
【0115】 最後に、pCD80(pV80C80TΔ)およびpCD86(pV86C8
6TΔ)のT領域欠損は、両方の場合とも各々フォワードとしてAおよびリバー
スとしてLプライマーを使用する一工程PCRにより発生させた。PCR生成物
はpSRαneo1+ベクター内へクローン化した。コードされたCD80蛋白
質は最初の細胞質尾部アミノ酸残基、アルギニンの後ろで終結している。CD8
6分子のために得られた遺伝子はヌクレオチド942後で終結しており、細胞質
尾部中の最初のリジンを維持している。
【0116】 すべてのキメラおよび端切断構築物ならびに野生型分子はpSRαneo1+
ベクター内へクローン化された。遺伝子発現は、シミアンウイルス40(SV4
0)初期プロモーターおよびヒトT細胞白血病ウイルス1型のロングターミナル
リピートのRセグメントおよびU5配列の一部(R−U5’)から構成されるS
Rαプロモーターの制御下である。すべての構築物は本来の野生型CD80およ
びCD86鋳型に対して配列が忠実であることが確認された。プラスミドの発現 : これらの構築物の発現は、実験または対照プラスミドでトランスフェクトした
ヒト横紋筋肉腫(RD)細胞を使用する免疫蛍光およびフローサイトメトリー(
FACS)アッセイにより分析した。細胞はGene Pulse(Bio−R
ad,Hercules,CA)を使用して500μF静電容量および0.25
ボルトのエレクトロポレーションによりトランスフェクトした。
【0117】 免疫蛍光アッセイのためには、トランスフェクトした細胞を2日間インキュベ
ートし、FalconR培養スライド(Becton Dickinson,B
edford,MA)に移した。次の日、細胞を洗浄し、メタノールで固定し(
30’、RT)、抗CD80(Coulter,Miami,FL)またはCD
86(Pharmingen,San Diego,CA)モノクローナル抗体
とインキュベートした(1.5時間、37℃)。スライドを洗浄し、ヤギ抗マウ
スIgG(Boehringer Mannheim,Indianapoli
s,IN)を用い37℃で1.5時間染色した。スライドはNikon OPT
IPHOT蛍光顕微鏡(Nikon Inc.,Tokyo,JAPAN)で観
察し、写真を撮った。
【0118】 FACS分析のためには、RD細胞をCD80またはCD86分子をコードし
ている構築物(2μg)および緑色蛍光蛋白質発現ベクター{10μg(Clo
ntech,Palo Alto,CAからのpcGFP)}の混合物でトラン
スフェクトした。後者はトランスフェクション効率計算のための対照プラスミド
として使用された。実験プラスミドの発現はPEと抱合させたCD80またはC
D86分子のVドメインに対するモノクローナル抗体(両方ともPharmin
gen,San Diego,CAから)を使用して確認された。簡単には、1
μgの両方の抗B7抗体がトランスフェクトまたは対照細胞(10x105)に
加えられた。データはCELLQuestTMデータ収集およびソフトウエアを備
えたFACScan(Becton Dickinson Immunocyt
ometry Systems,San Jose,CA)で分析した。異なっ
たB7分子を発現している細胞のトランスフェクション効率(蛍光強度)はGF
Pを発現している細胞集団で測定された。動物の免疫化 : 各々のBalb/cマウスに、100μlのリン酸緩衝液(PBS)および0
.25%ブピバカイン−HCl(Sigma,St,Louis,MO)に再懸
濁した50μgの各々のDNA構築物を筋肉内に3回注射した(2週間離して)
。この用量は異なった分子補助剤(即ち、変異した、端が切断されたまたは野生
型共刺激遺伝子)の同時送達により得られる抗ウイルス免疫応答の促進を最大に
するために選択された。HIV−1 gp160エンベロープ(pcEnv)を
コードしている50μgのプラスミドは単独で、またはpcEnvおよび50μ
gの種々のCD80/86構築物(分子補助剤)との混合物として注射された。
対照として、対照ベクターを注射したマウスおよび動物が使用された。いくつか
の実験において、動物には二つの分子補助剤(全体で100μg)にpcEnv
(50μg)を加えた混合物が3回注射された。最後の注射から2週間後、すべ
ての実験および対照動物からの脾臓細胞が単離され、T細胞応答およびサイトカ
イン産生の検出のために使用された。筋肉細胞の免疫組織化学的アッセイ : 免疫された脚筋肉が浸潤検出のために免疫組織化学的に試験された(筋肉中の
リンパ球の存在)。簡単には、マウス大腿4頭筋に50μgの実験または対照プ
ラスミドと混合した50μgのpcEnvを接種した。接種7日後、マウスを殺
し、大腿4頭筋を除去した。新鮮な筋肉組織はO.C.T.化合物(Sakur
a Finetek USA,Inc.,Torrance,CA)中で凍結さ
せ、4ミクロン凍結切片が作製された。炎症の程度はヘモタキシリンおよびエオ
シン(H&E)染色筋肉切片を試験することにより決定された。細胞障害性Tリンパ球アッセイ: 5時間の51Cr放出CTLアッセイが実施された。簡単には、エフェクターは
刺激細胞およびConAを含まない10%RAT−T−STIM(Becton
Dickinson Labware,Bedford,MA)存在下で6日
間刺激された。抗原刺激のためには、HIV−1エンベロープ蛋白質を発現する
組換え体ワクシニアウイルスで感染させた0.1%グルタルアルデヒド固定P−
815細胞が使用された(vMN462)(NIH AIDS Reserch
and Reference Reagent Program)。標的細胞
として、組換え体(vMN462、特異的)または野生型(WR、非特異的)ワ
クシニアウイルスで感染させたP−815細胞が使用された。両方の標的細胞は
100mCi/ml Na2 51CrO4で標識され、100:1から12.5:1
の範囲のエフェクター:標的(E:T)比でエフェクター細胞と混合された。パ
ーセント特異的溶解はKim、1997、上記文献、に説明されているように決
定された。最大および最少放出は各々10%トリトンX−100および培地中の
標的細胞の溶解により決定された。”自発的放出”のカウントが”最大放出”の
20%を超えたならば、アッセイは正当とは考えられなかった。標的の特異的溶
解を計算するため、特異的標的のパーセント溶解から非特異的標的のパーセント
溶解が差し引かれた。いくつかの実験において、CD8+T細胞が、抗CD8モ
ノクローナル抗体(53−6.7,ATCC)による処理により脾臓細胞の培養
液から除去され、続いて非毒性ウサギ補体(Sigma)とインキュベートされ
た。サイトカイン産生 : 免疫細胞により放出された種々のサイトカインレベルは免疫応答の方向および
程度を反映している。従って、CTLアッセイのためにインビトロで刺激された
エフェクター細胞からの上清液が集められ、利用可能なELISAキット(Bi
osource,Camarillo,CA)を使用して、γIFN、IL−4
およびIL−2の放出が試験された。結果 野生型およびCD80およびCD86の変異形をコードしているプラスミドの発 : 一時的に対照または実験プラスミドでトランスフェクトされたRD筋肉腫瘍細
胞でのCD80またはCD86構築物の異なった形の発現が最初に分析された。
免疫蛍光技術を使用し、実験細胞は野生型ならびに変異された共刺激性分子のす
べての異なった形を産生したが、対照細胞(ベクターのみでトランスフェクトさ
れた)は産生しないことが観察された。これらの分子のトランスフェクション効
率はFACS分析により研究された。これらの実験において、GFPをコードし
ている対照プラスミド、および共刺激分子の異なった形をコードしている実験構
築物の混合物がトランスフェクトされた。B7分子を発現している細胞の蛍光強
度は、GFPを発現している細胞集団にのみ検出された。この結果は、キメラお
よびCD86およびCD80の端切断形およびCD86野生型分子の大多数が同
様に発現されたことを示している(図3)。CD80野生型(pCD80)およ
び細胞質尾部欠損CD86(pV86C86TΔ)をコードしている二つの構築
物のみが他のプラスミドより相対的に高くトランスフェクト細胞表面上に発現さ
れた。CD86およびCD80Vドメインの両方がウイルス特異的CTL応答およびT h1サイトカイン産生の活性化に重要である B7分子は細胞上に発現された適切なリガンド経由の抗原特異的T細胞活性化
の誘導において決定的な役割を果たしている。初期に、DNA免疫原と一緒の野
生型CD86(CD80cDNAではない)の投与は抗原特異的T細胞応答を促
進することが報告されている(Kim et.al.,1997 前記文献)。
この活性化におけるCD86のV領域の役割を決定するため、CD80およびC
D86のこれらの領域が交換され(表3)、およびウイルス蛋白質をコードして
いるプラスミドと一緒にこれらの分子をコードしている構築物でマウスが共免疫
された。陽性対照として、野生型CD80およびCD86を発現する構築物がD
NA免疫原と一緒に共注射され、陰性対照マウスはベクターのみを受け取った。
最後の免疫接種2週間後、脾臓細胞の培養物で抗ウイルスCTL応答が分析され
た。
【0119】 バックグラウンドレベルの特異的死滅が対照動物から得られた脾臓細胞で観察
され、低レベルの死滅がpcEnvまたはpcEnv+pCD80で共免疫した
動物で観察された。しかしながら、pcEnvおよびpCD86で共免疫したマ
ウスでは高レベルのエンベロープ−特異的CTLが生じた(表4)。従って、p
SRαneo+に挿入されたCD80およびCD86遺伝子を使用し(以前に使
用されたpCDNA3ベクターの代わりに)、DNAワクチン接種後の細胞性免
疫応答の調節にCD80およびCD86は異なった役割を果たしていることが確
認された。キメラ分子で免疫したマウスにおいて、抗ウイルスCTL応答が次に
分析された。pV86C80T80およびpcEnvでのマウスの共免疫化はウ
イルス特異的細胞毒性細胞を発生させなかったが、pV80C86T86および
pcEnv混合物でのマウスの免疫化はE:T比1:100で40%以上の抗H
IV−1 CTL活性を誘導した。この応答はpcEnvにpCD86を加えて
注射したマウスにおける抗ウイルスCTL活性と同様であった(表4)。従って
、CD80のV領域は、もしCD86分子のCドメインおよび細胞質尾部ととも
に発現されたならば、CD86のV領域と同様に抗原特異的T細胞活性化に重要
であった。しかしながら、CD86のV領域はCD80分子のCドメインおよび
細胞質尾部とともに発現された場合、機能的に沈黙していた。これらの結果はサ
イトカイン産生データにより支持された。pcEnvおよびpcEnvにpCD
86を加えて注射したマウスから得られた脾臓細胞からの上清は低レベルのIL
−2を誘導したが、γIFNまたはIL−4は産生しなかった(表4)。対照的
に、pcEnv+pCD86およびpcEnv+pV80C86T86での共免
疫化はγIFNおよびIL−2両方の著しい抗原特異的促進を誘導したが(表4
)、IL−4は産生しなかった。
【0120】 これらの結果はCD86のCドメインおよび/または細胞質尾部はT細胞の正
のシグナリングに重要であり、一方、CD80の同じドメインは重要でないこと
を示唆しているであろう。もしくは、CD80のCドメインおよび/または細胞
質尾部はT細胞の負シグナルの提供に関与しているのかもしれない。抗原特異的T細胞活性化にCD86の細胞質尾部は決定的である B7の細胞質尾部は細胞表面上にリガンドを集積させることを可能にすること
によりインビトロT細胞共刺激に必要とされることが示されている。従って、T
細胞共刺激の細胞質尾部の役割を示すため、B7の細胞質尾部欠損変異体が構築
され、これらのプラスミド(pV80C80TΔまたはpV86C86TΔ)お
よびpcEnvがマウスに共注射された。CD80またはCD86分子の端切断
形をコードしている両方の構築物は低レベルの死滅を誘導し、一方、pcEnv
およびpCD86の混合物で共免疫した動物は強い抗ウイルスCTL応答を示し
た(表4)。支持するデータがTh1サイトカイン産生を分析することにより得
られた。
【0121】 細胞質尾部を持たないCD80およびCD86の両方の構築物はDNAワクチ
ン共注射後にγIFN産生を促進しなかった。pV86C86TΔでのマウスの
共免疫化はpcEnvまたはpcEnv+pV80C80TΔを注射したマウス
と比較してIL−2産生の小さな増加を誘導した。重要なことは、pcEnvに
野生型CD86をコードしているDNAを加えて共免疫化した対照動物はγIF
NおよびIL−2サイトカイン産生の著しい促進を誘導する(表4)。従って、
CD86分子の細胞質尾部はT細胞活性化に重要であった。しかしながら、pc
Env+pV80C80TΔで共免疫化したマウスはT細胞活性化を誘導しなか
った。従って、負シグナリングにおけるCD80のCドメインおよび/または細
胞質尾部の関与は決定できずに残っている。この質問に答えるため次のCD80
およびCD86のCドメイン欠損変異体が構築された。CD80の細胞質尾部ではなくCドメインがT細胞への負シグナルの提供に関与 している 次の実験の組において、マウスはpcEnv免疫原およびVドメインおよび細
胞質尾部のみをコードしているCD80(pV80CΔT80)およびCD86
(pV86CΔT86)分子でマウスが共免疫化された。対照として、マウスに
pcEnvのみおよびpcEnvにpCD80またはpCD86を加えて注射し
た。これらの実験からの抗原特異的抗ウイルスCTL応答は図1に示されている
。CD86の補助剤効果は劇的であり、CD86Cドメイン欠損分子でもより弱
いが保持されていた。野生型およびCD80の細胞質尾部欠損形により誘導され
たT細胞活性化の非常に弱い効果(図1、表4)と鋭い対照をなして、pV80
CΔT80は抗Env CTL応答の共刺激に非常に有効であり(図1)、Cド
メインの喪失による機能の獲得を示している。細胞性免疫性の促進をさらに調べ
るため、pcEnvおよびCドメイン欠損CD80またはCD86をコードして
いるプラスミドで免疫したマウスの脾臓細胞を使用してTh1サイトカイン産生
が調べられた。対照として、pcEnvにpCD80かまたはpCD86を加え
てマウスが共免疫された。pcEnvと一緒に共注射されたpV86CΔT86
およびpV80CΔT80キメラ遺伝子の両方ならびに野生型CD86をコード
しているDNAが同じようによくTh1リンホカイン産生を誘導した(図2Aお
よび2B)。
【0122】 これらの結果はCD80の細胞質尾部は機能的であり、インビボでのT細胞活
性化に重要であることを示している。さらに重要なことは、本データはCD80
(CD86ではない)のCドメインはT細胞に”負”シグナルを提供できるとい
う結論を支持している。次に、T細胞活性化におけるCD80Cドメインの阻害
的役割が分析された。CD80のCドメインはCD86分子によるT細胞活性化を阻害する 抗原特異的T細胞への負シグナルの提供におけるCD80のCドメインの関与
を示すため、動物はDNA免疫原および分子補助剤の組み合わせで免疫された。
実験マウスはDNA免疫原およびpCD86とpCD80またはpCD86とp
V80CΔT80の混合物で共免疫した。対照マウスにはpcEnvのみが注射
されるか、またはpcEnvにpCD86、pCD80またはpV80CΔT8
0を加えて共注射された。抗ウイルスCTLアッセイは実験および対照マウスか
ら得られた脾臓細胞で実施された。
【0123】 前に観察されたように、DNA免疫原およびpCD86またはpV80CΔT
80はCTL活性の著しい促進を誘導した(図3)。しかしながら、pcEnv
および野生型分子補助剤の組み合わせ(pCD86+pCD80)で共免疫した
マウスはCTL応答を促進しなかった(溶解はpcEnvによる対照群以上では
なかった)。重要なことは、pCD86およびpV80CΔT80の組み合わせ
はワクチン接種動物で補助剤効果を誘導し、この効果はpCD86にDNA免疫
原を加えて免疫した動物で誘導された効果と同様であった。従って、野生型CD
80(しかし、Cドメイン欠損変異体CD80ではない)はDNA免疫原と共送
達された場合に抗ウイルスCTL応答の促進を阻害する。観察された細胞毒性活
性におけるCD8+T細胞の役割を確認するため、CTL活性がこの細胞集団を
取り除いた後に測定された。脾臓細胞を抗CD8モノクローナル抗体および無毒
性ウサギ補体で処理した。CD8+T細胞の除去はDNA免疫原およびpCD8
6を共注射したマウスにおける抗ウイルスCTL活性の抑制を生じた。再び、p
cEnv+pCD80+pcD86で共免疫したマウスにおいては抗HIV−1
CTl活性は観察されなかった(図4)。Cドメイン欠損CD80の発現は野生型CD80の発現よりも免疫した動物の筋 肉内へのより多いリンパ球浸潤を誘導した 対照またはpcEnv+pCD80免疫化動物よりもpcEnv+pCD86
で免疫したマウスでは筋肉内へのリンパ球の著しく多量の浸潤が報告されている
。浸潤細胞にはCD4+およびCD8+T細胞の両方が含まれていた。従って、T
細胞と相互作用するCドメイン欠損CD80分子の能力をさらに決定するため、
pcEnvにpV80CΔT80を加えてマウスを共注射後の筋肉組織内への細
胞浸潤が調べられた。対照として、ベクター単独またはpcEnvにpCD80
またはpCD86を加えた混合物が注射された動物が使用された。pcEnv+
pCD86(しかしpcEnv+pCD80ではない)の共注射は筋肉組織内へ
のリンパ球の劇的な浸潤を誘導した(図5)。正常動物は実際上浸潤を発生しな
い。より重要なことは、DNA免疫原およびpV80CΔT80で共免疫された
マウスの筋肉では浸潤がより大きいことである。従って、Cドメインの欠損はC
D80の共刺激特性をCD86の野生型の特性に似るように変化させた。CD80およびCD86Cドメイン欠損変異体はCTLA−4に対して異なった 結合親和性を持っている 上に示したように、DNA免疫原およびpCD86またはpV80CΔT80
によるマウスの共免疫化はCTL活性、Th1サイトカイン産生および注射部位
の細胞の浸潤を促進した。対照的に、DNA免疫原およびpCD80の共免疫化
は同様の効果を示さなかった。我々はCD80のCドメインの欠損は分子のCT
LA−4に対する親和性を減少させると仮定した。このことはT細胞への強力な
負シグナルを提供する能力を生じさせる。CD80およびCD86Cドメイン欠
損変異体間のCTLA−4結合親和性の相違を比較するために表面プラスモン共
鳴を使用した。典型的には、レセプター(対抗レセプター)分子がセンサー表面
に固定され、異なった濃度の対抗レセプター(レセプター)が連続的にこのセン
サーを通して流れている。この方法論を使用し、ヒト可溶性CTLA−4は可溶
性CD80と0.2−0.4μMのKDで結合することが示された。問題とする
リガンドを発現している細胞が表面に固定された。細胞固定はリガンドの最少の
コンホメーションのゆがみで大部分の可溶性CTLA−4Igへの細胞表面CD
−80エピトープの最大の接近を可能にする。膜二重層内の側方拡散はCTLA
−4への結合によるCD80の物理学的オリゴマー化を可能にする。この方法を
用い、CTLA−4−IgはCD80野生型およびCD80Cドメイン欠損分子
の両方でトランスフェクトされたRD細胞へ特異的に結合することが示された。
重要なことは、この結合は濃度依存的であったことである。モノクローナル抗体
の結合から非特異的シグナルを差し引いた後、親和性が計算された。野生型CD
80レセプターとのCTLA−4−Igの会合は変異体CD80よりも5倍速か
ったが(konパラメーター)、一方、CTLA−4/CD80複合体の解離は野
生型レセプターより2.8倍遅い(koffパラメーター)。これらの動力学の相
違のため、CTLA−4−Ig/CD80野生型相互作用はKDに反映されてい
るようにCD80変異体よりも14倍強い。定義上、Biacoreにより測定
されたkoffおよびkonパラメーターは細胞表面に発現されるレセプターの数に
は依存しない。従って、CD80の定常領域の欠損はCD80−CTLA−4相
互作用自身に重大な効果を持っている。考察 現在の証拠はT細胞活性化の最も重要な共刺激経路の一つにAPC上のCD8
0およびCD86が含まれていることを示している。これらの分子はT細胞表面
レセプター(CD28またはCTLA−4)と相互作用し、増殖およびサイトカ
イン分泌に重要な二次的シグナルを提供する。T細胞活性化の決定的共刺激シグ
ナルはB7リガンドへの結合後にCD28を通して提供される。対照的に、CT
LA−4は主として阻害シグナルを誘導する。CD80およびCD86分子の機
能的役割を決めている証拠はより複雑である。いくつかの主としてインビトロモ
デルで、CD80およびCD86両方がT細胞活性化に決定的役割を果たしてい
ることが示されている。しかしながら、CD80よりも速いCD86の発現はC
D86がT細胞免疫応答の開始により重要な役割を果たしていることを示唆して
いる。CD80およびCD86間の相違はCD28およびCTLA−4と共刺激
分子の結合動力学のデータにより推測できる。最近、CD80およびCD86分
子間の機能的相違もまたDNA免疫化を含む多くのモデル系で述べられている。
【0124】 CD86(しかしCD80ではない)がマウスのDNAワクチン接種後に二次
的シグナルを提供するのにより重要である。しかしながら、CD80ならびにC
D86は、ミニ遺伝子をコードしているプラスミドDNAで共発現された場合に
CTL応答を促進させると報告されている。この結果は、天然の抗原よりもむし
ろ遊離のエピトープが独特に振る舞うことができることを示唆している他の報告
結果とは異なっている。異なった基からの結果の類似性は啓蒙的であり、CD8
6の発現はインビボ細胞性免疫応答の開始および広がりにおいてCD80よりも
重要であろうことを示唆している。
【0125】 T細胞活性化におけるCD80およびCD86分子の役割をさらに調べるため
、CD80およびCD86のいくつかのキメラおよび欠損変異体形が構築された
(表3)。これらのプラスミドはHIV−1/EnvDNA免疫原とマウスに共
注射され、CTL活性ならびにTh1リンホカイン産生が決定された。キメラp
V80C86T86ならびにpCD86(pCD80ではない)はT細胞の活性
化を支持している(表4)。CD80およびCD86Vドメインの両方がT細胞
を活性化できるのでこのことは明らかである。これらの結果はまたCD86のC
ドメインおよび細胞質尾部がT細胞活性化を支えることができることも示唆して
いる。注目すべきは、逆キメラ構築物(pV86C80T80)は抗原特異的T
細胞刺激のために必要な共刺激シグナルを与えないことである。このことはCD
80のCドメインおよび細胞質尾部はT細胞活性化に重要な阻害的役割を果たす
であろう可能性を生じさせる。細胞質尾部またはCドメインを欠くB7分子の欠
損変異体が次に使用された。これはT細胞活性化または阻害におけるこれらの分
子領域の直接的役割評価を可能にする。
【0126】 CD86の細胞質尾部は抗ウイルスCTL応答およびTh1サイトカイン産生
に絶対的に必要であることがインビトロで観察されている(表4)。しかしなが
ら、CD80細胞質尾部欠損分子(pV80C80TΔ)がT細胞活性化を誘導
できなかったことでこの分子の阻害領域をCD80Cドメインまたは細胞質尾部
に位置づけることを可能にしない。この疑問はマウスを免疫原およびCドメイン
欠損CD80分子をコードしている遺伝子で共免疫することにより解決された(
図1、2Aおよび2B)。pV80CΔT80およびpcEnvを共注射したマ
ウスで劇的なT細胞活性化の促進が観察された。CD80の細胞質尾部は(CD8
8の細胞質尾部と同様に)T細胞活性化に関与しているようであり、T細胞の阻
害には関与していない。細胞質尾部は専門的APCの表面上のこの分子の再分布
おおびオリゴマー化の両方に重要な役割を果たしている。重要なことには、イオ
ノマイシンおよび/またはPMAによるCD80トランスフェクト細胞の活性化
は、30kDaホスホ蛋白質とCD80細胞質尾部の会合を生じている。CD8
0架橋後、誘導的にチロシンがリン酸化された同じようなサイズの蛋白質が報告
されている。最後に、CD86分子の引き金がB細胞中で新規イムノグロブリン
遺伝子の発現を活性化することが報告されている。これらの結果はB7分子がA
PCに戻す直接的シグナルを提供することを強く示している。これらの結果なら
びに上に示した我々のデータに基づいて、B7はAPCへの直接シグナルを提供
でき、それは順に細胞性免疫応答の活性化または阻害に重要である、ある種の分
子(サイトカイン、リンホカイン、ケモカインその他)の分泌/発現を誘導する
ことが仮定される。そのような分子の例にはIL−1α、IL−1β、IL−1
2およびTNFサイトカインが含まれ、それらは専門的APC上で産生され、免
疫活性化に有用な役割を果たしている。実際、最近これらのサイトカインはDN
A共免疫化の間に体液性および細胞性抗ウイルス免疫応答で直接的に示されてい
る。
【0127】 別の重要な観察は、CD80(しかしCD86ではない)のCドメインはなぜ
かT細胞の共刺激を阻害することである。少なくともCドメイン欠損変異体は我
々の実験においてT細胞活性化を著しく増加させ(図1,2A、および2B)、
一方、野生型分子はできなかった(表4)。最近の研究は、T細胞不活性化の機
構はTCRの鎖によるCTLA−4相互作用を通して仲介されることを示してい
る。従って、我々の実験はCD80のVおよびCドメインの両方がCTLA−4
結合に必須であり、続いてTCRを経て送られる阻害シグナルは同時に伝搬され
るCD28活性化シグナルを無効にすることを示唆している。この仮説を直接的
に試験するため、動物をDNA免疫原およびCD80およびCD86分子の組み
合わせで共免疫した。DNA免疫原と一緒にpCD80およびpCD86の共注
射は、pCD86共刺激後に通常観察される強い抗ウイルスCD8+CDL応答
をなくした(図3、4)。重要なことには、CD80分子のCドメインを欠損形
はこの阻害シグナルを発生しなかった(図3)。従って、CD80のVおよびC
ドメインの両方を発現している分子はT細胞活性化を阻害するだけでなく、多分
CTLA−4への優先的な結合を通し、CD80およびCD86分子両方のVド
メインによるCD28リガンドの引き金を引くことにより提供される正のシグナ
ルに打ち勝つことができる。実際、CD28よりもCTLA−4シグナル伝達の
優性が示されており、そこでは同時のCTLA−4架橋の結果としてCD28活
性化経路が直接的に阻害される。
【0128】 CD80分子はCD28およびCTLA−4の両方に結合できるので、CD2
8活性化経路よりもCTLA−4阻害経路を好む平衡に移行する重要な構造相違
がなければならない。表面プラスモン共鳴分析ではCドメインの場合CTLA−
4およびCD80間の結合に14倍の増加が測定された。この相違は実際により
高いようであり、CTLA−4およびB7の多価相互作用が起こっているのであ
ろう。CTLA−4およびCD80の個々の成分の解離速度は単一の解離と類似
している。しかしながら、CD80は第二のCTLA−4相互作用により保たれ
るであろうので、観察された解離速度はより遅いであろうし、それ故より安定な
CTLA−4/CD80複合体を形成する。従って、もし膜CD80または膜C
D80Cドメイン欠損変異体への膜CTLA−の結合能の相違が計算されると、
それは14の倍数であろう。データはCD80のCドメインはT細胞活性化を防
止するだけでなく、この分子とCTLA−4の構造機能性関係も変化させること
を明らかに示している。
【0129】 CD80のCドメイン欠損変異体をコードしている遺伝子の発現はT細胞活性
化を誘導するのみでなく、実験動物の筋肉内への大きな浸潤も誘導する。この浸
潤はpCD86およびpcEnv共発現後に観察された浸潤よりもさらに大きか
った(図5)。最近、インビトロにおけるヒト筋肉細胞のAPC活性が報告され
た。サイトカインによる活性化後、ヒト筋原細胞は共刺激分子を発現でき、専門
的MHCクラスII限定APCとして機能できる。加えて、T細胞活性化におけ
る筋肉細胞の影響も示されている。マウス筋肉細胞はCD86(しかしCD80
分子ではない)の発現によりMHCクラスII限定APCへ変換された。ここに
報告されているデータはpcEnvによるDNA免疫化は注射部位内への免疫適
格細胞の少しの浸潤を誘導することを示しているとして説明できる。これらの浸
潤T細胞は、MHCクラスI分子および外因性ペプチドならびにCD86分子を
発現しているトランスフェクトされた筋肉細胞により活性化できる。活性化T細
胞は順にケモカイン産生するであろうので、炎症部位がより多くのT細胞で攻撃
される。従って、pcEnv+pCD86での共免疫化の場合、大きな浸潤が筋
肉組織で観察される(図5)。同じ機構がDNA免疫原およびpY80CΔT8
0での共免疫化後に適用されるであろう。しかしながら、pCD80およびpc
Envの共免疫化は実験動物の筋肉組織に小さな浸潤のみしか誘導しない。もし
、CD80分子はCD28およびCTLA−4の両方に結合できることを覚えて
いるとすれば、CD28活性化経路よりもCTLA−4阻害経路を好む平衡に移
行させる力がなければならない。野生型CD80でトランスフェクトされた筋肉
細胞中のCD80のCドメインの存在は、この組織における活性化リンパ球の浸
潤および/または増殖に非常に早期の阻害効果を持ち、CTLA−4への優先的
結合およびシグナル伝達を反映するようである。従って、注射部位のT細胞はケ
モカインを産生せずおよび免疫化領域内の他のリンパ球の移動を誘導しないであ
ろう(図5)。重要なことには、CD28に対抗するようなCTLA−4との相
互作用により優先的に機能する共刺激分子の一つが評価されていないであろうと
なかろうと、この相互作用の構造的基礎は未だに解明されていない。
【0130】 初期に、B7およびCD28/CTLA−4分子の構造機能相関を調べた多く
の研究が部位特異的突然変異発生実験の結果を報告している。これらの研究を集
めると、CTLA−4結合に決定的なCD80のVおよびCドメインの20残基
以上が示唆された。しかしながら、CTLA−4およびCD28へのCD80分
子の相互作用に重要な正確な領域は決定されていない。マウスの脾臓およびリン
パ節はCドメインを欠くCD80の別のスプライス形を持っていることが示され
ている。この天然に合成されたIgV分子はCD28=Igに非常によく結合し
(CD80と比較して)、しかしながら、そのCTLA−4への結合は著しく抑
制されていた。少なくとも一つの組がCD80分子のCドメインの欠損はCD2
8=IgよりもCTLA−4=Igへの結合に対して大きな効果を持っていたこ
とを示している。重要なことには、CD80のIgV様領域は、インビボで活性
化T細胞の増殖を活性化できたことである。インビボデータはCD80C欠損分
子により提供される有効な共刺激はこれらの結果を支持することを示している。
CD80のCドメインを発現している共刺激分子の阻害性質の説明はCD28と
比較されるように、CTLA−4によるCD80結合の増加した親和力をを考え
なければならない。最近の測定は、二量体CTLA−4へのCD80の結合親和
性は二量体CD28よりもかなり強いことを示している。重要なことには、二量
体CTLA−4はCD86より強い親和力でCD80を結合する。このより強い
結合力から、この実験系においてなぜCTLA−4誘導阻害シグナルが優性であ
るかを説明できるであろう。CD80およびCD86のLTLA−4結合領域の
重要な相違をさらに明らかにするため、両方のCドメインの三次元モデルが構築
された。
【0131】 突然変異研究とCD80のCドメインの三次元モデルの相関はレセプター結合
へいくつかの考察を提供する。CD80およびCD86の両方ともIg折り畳み
と配列相同性を示すことは両方とも同様のコンホメーションを採用することを示
唆している(表6)。その結果、ほとんどの突然変異分析はヒトおよびマウスC
D80間の保存された残基およびCD80およびCD86間で保存された残基に
焦点を当ててきた。CD80のCドメイン中のいくつかの保存された残基がCT
LA−4=Igの結合に決定的であるようである(表6)。
【0132】 Q157、D158,E162およびL163が鎖DおよびE間のループ中の
ドメインのアミノ末端および鎖Eの開始部位近傍に表面接近可能位置で空間的に
集合していることが確立された。他の残基(F108、P111およびI113
)は鎖Aに位置している(表6参照)。突然変異分析に基づいて構築された第二
のモデルもまたB−Cループ中のP135およびP137ならびにD−Eループ
中のQ157、D158およびP159のCTLA−4に対する決定的役割を示
している。集合的に、レセプター結合に重要な残基はABCEDに位置しており
、IgCドメインに向けられている。
【0133】 図6はCD80分子のCαをたどったものであり、CTLA−4結合領域残基
はCPK表現で示されており、B−Cループアミノ酸P135およびP137お
よびD−Eループ残基Q157、D158およびP159が示されている。CD
86の対応するモデルにおいては、表6および図6でイタリック体で示された4
残基挿入144−147(KKMS)が存在する。CD86におけるこの挿入は
結合領域が有意に小さくなるように、CD80と比較するとこの分子のB−Cル
ープのコンホメーションを変化させる。その挿入のため、P159およびP13
5間の距離はCD80における16ÅからCD86の対応する残基では12Åへ
減少する。加えて、Q157およびP137間の距離はCD80における13Å
からCD86の対応する残基では10Åへ減少する。従って、この挿入はCD8
6分子におけるCTLA−4結合の全表面領域をCD80の同じ領域よりも著し
く小さくするように、CD80と比較してCD86分子のB−Cループのコンホ
メーションを変化させている(図6を比較されたい)。従って、CD80および
CD86のモデル形成は、これらの分子おいてB−Cループのコンホメーション
が異なっており、およびCD86におけるKKMS挿入物はCTLA−4への結
合親和性を減少させるのに重要な役割を果たしており、およびその結果、T細胞
を標的化している阻害シグナルが減少できることが示唆される。
【0134】 要約すると、CD80のVおよびCドメインの結合/機能部位およびCTLA
−4および/またはCD28リガンドへのCD86分子の低い利用度合いに関す
る矛盾は異なった実験室で使用された異なった抗原および実験系により説明され
るであろう。例えば、T細胞共刺激の多くの結果は抗CD3モノクローナル抗体
(第一のシグナル)およびB7(CD80=Ig,CD86=Ig)分子の可溶
性形(第二のシグナル)で得られている。このモデルは非常に重要なデータを生
み出す。しかしながら、最近公表された結果は共刺激分子のオリゴマー形を発現
する細胞のみがT細胞活性化を駆動できることを示している。一方、T細胞の共
刺激のためのCD80およびCD86トランスフェクト細胞の使用さえ最適モデ
ルとは考えられていない。CTLA−4は抗CD3および膜結合CD80分子に
より引き金が引かれた後にTCRζと相互作用すると報告されている。これらの
結果は適切なモデルはMHCクラスI/IIおよびCD80/CD86を発現し
ているAPCとTCRおよびCD28/CTLA−4を発現しているT細胞の相
互作用を含まなければならないことを示唆している。従って、APCおよびT細
胞相互作用のためのインビボ生理学的条件がT細胞共刺激の機構を発見するため
にはより適切なものであろう。このモデル系を使用して、CD80およびCD8
6間、ならびにCD80分子のVおよびCドメイン間の機能的相違が示された。
【0135】 本研究はT細胞免疫応答制御のための新しい方法の開発に重要な情報を提供す
る。特に、B7リガンドの一つの形が、多分抗原特異的T細胞上に発現されるC
TLA−4分子を優先的に誘発することにより、進行しているヒト免疫応答を不
活性化できるVおよびCドメインの両方を例えば含むように提供できる。そのよ
うな構築物は移植寛容性または自己免疫疾患の処置において重要な応用を持って
いる。逆に、T細胞活性化を阻害する能力が減少しているCD80のVドメイン
の提供を通して、より有効な腫瘍ワクチン接種が共免疫化で得られる。加えて、
本明細書に記載した分子補助剤を使用して、改良された細胞性免疫を標的とした
ワクチンが提供されるであろう。
【0136】
【表1】 表1 ピコルナウイルスファミリー 属: ライノウイルス:(医学)感冒の〜50%の場合に原因である エンテロウイルス:(医学)ポリオウイルス、コクサキーウイル ス、エコーウイルスおよびA型肝炎ウイルスのようなヒトエンテ ロウイスル アプトウイルス:(獣医学)これらは脚および口疾患ウイルスで ある 標的抗原:VP1、VP2、VP3、VP4、VPG カルシウイルスファミリー 属: ウイルスのノーウォーク群:(医学)これらのウイルスは流行性 胃腸炎の重要な原因因子である トガウイルスファミリー 属: アルファウイルス:(医学および獣医学)例にはシンドビスウイ ルス、ロスリバーウイルスおよび東部&西部ウマ脳炎が含まれる レオウイルス:(医学)ルベラウイルス フラリビリデゥーファミリー (医学)例にはデング熱、黄熱病、日本脳炎、セントルイス脳炎 およびダニ媒介脳炎ウイルス C型肝炎ウイルス (医学)これらのウイルスは未だにファミリーには加えられてい ないが、トガウイルスまたはフラビウイルスであると信じられて いる。トガウイルスに最も類似している。 コロナウイルスファミリー (医学および獣医学) 伝染性気管支炎ウイルス(家禽) ブタ伝染性胃腸炎ウイルス(ブタ) ブタ赤血球凝集性脳脊髄炎(ブタ) ネコ感染性腹膜炎(ネコ) ネコ腸コロナウイルス(ネコ) イヌコロナウイルス(イヌ) ヒト呼吸コロナウイルスは感冒の〜40%の場合を起こす、EX .224E,0C43 注−コロナウイルスは非A、BまたはC型肝炎を起こすかもしれ ない 標的抗原:E1−Mまたはマトリックス蛋白質とも呼ばれる E2−Sまたはスパイク蛋白質とも呼ばれる E3−HEまたはヘマグルチン−エルテロース糖蛋白質(すべ てのコロナウイルスには存在しない) N−ヌクレオカプシド ラブドウイルスファミリー 属: ベシリオウイルス 狂犬病ウイルス:(医学および獣医学) 標的抗原: G蛋白質 N蛋白質 フィロビリデゥーファミリー : (医学) マールブルグおよびエボラウイルスのような出血性熱ウイルス
パラミクソウイルスファミリー 属: パラインフルエンザウイルス タイプ1 パラインフルエンザウイルス タイプ3 ウシパラインフルエンザウイルス タイプ3 ルブラウイルス:(医学および獣医学) 流行性耳下腺炎ウイルス、パラインフルエンザウイルス タイ プ2、パラインフルエンザウイルス タイプ4、ニューカッス ル病ウイルス(ニワトリで重要な病原体) ニューミンウイルス:(医学および獣医学) 呼吸系発病ウイルス オルトミクソウイルスファミリー (医学) インフルエンザウイルス ブンヤウイルスファミリー 属: ブンヤウイルス:(医学)カリフォルニア脳炎、ラクロス、 静脈ウイルス:(医学)リフトバレー熱 ハンタウイルス:プレマラはヘマガギン熱ウイルス ナイロウイルス(獣医学)ナイロビシープ疾患 多くの未帰属のブンヤウイルスも アレナウイルスファミリー (医学) LCM、ラサ熱ウイルス レオウイルスファミリー 属: レオウイルス:潜在的ヒト病原体 ロタウイルス:子供における急性胃腸炎 オルビウイルス:(医学および獣医学) クルチウイルス:コロラドダニ熱、レボンボ(ヒト)ウマ脳炎 、ブルータング レトロウイルスファミリー サブファミリー:オンコウイルス:(獣医学)(医学)ネコ白血病ウイル ス,HTLVIおよびHTLVII レンチウイルス:(医学および獣医学)HIV、ネコ免 疫不全ウイルス、ウマ感染、貧血ウイルス スプマウイルス パポバウイルスファミリー サブファミリー:ポリオーマウイルス:(医学)BKUおよびJCUウイ ルス サブファミリー:パピローマウイルス:(医学)癌またはパピローマの悪 性進行に関係する多くのウイルス型 アデノウイルス(医学) EX AD7、ARD、OB−呼吸系疾患を起こす−2 75のようないくつかのアデノウイルスは腸炎を起こす
パルボウイルスファミリー(獣医学) ネコパルボウイルス:ネコ腸炎を起こす ネコ汎白血球減少症ウイルス イヌパルボウイルス ブタパルボウイルス ヘルペスウイルスファミリー サブファミリー:アルファヘルペスウイルス 属: 単純ウイルス(医学) HSVI、HSVII 水痘ウイルス:(医学および獣医学)仮性狂犬病ウイル ス−水痘-帯状疱疹ウイルス サブファミリー:ベータヘルペスウイルス 属: サイトメガロウイルス(医学) HCMV ムロメガロウイルス サブファミリー:ガンマヘルペスウイルス 属: リンホクリプトウイルス(医学) EBV−(バーキットリンパ)ラジノウイルス ポックスウイルスサブファミリー サブファミリー:脊髄ポックスウイルス(医学および獣医学) オルトポックスウイルス 痘瘡(痘瘡) 痘瘡(牛痘) パラポックスウイルス−(獣医学) オイポックスウイルス−(獣医学) レポリポックスウイルス スイポックスウイルス サブファミリー:エンテモポックスウイルス ヘパドナウイルスファミリー:B型肝炎ウイルス 未同定:デルタ肝炎ウイルス。
【0137】
【表2】 表2 細菌病原体 病原性グラム陽性球菌には:肺炎球菌;ブドウ球菌;および連鎖球菌が含まれ
る。病原性グラム陰性球菌には:髄膜炎菌;および淋菌が含まれる。
【0138】 病原性グラム陰性杆菌には:腸内菌科、プソイドモナス、アシネトバクターお
よびエイケネラ;類鼻疽;サルモネラ;シゲラ症;ヘモフィラス症;モラクセラ
;軟性下疳;ブルセラ症;野兎病;エルシニア(パスツレラ);ストレプトバシ
ラス モニリホルミスおよびスピリルム;リステリア菌;豚丹毒菌;ジフテリア
;コレラ;炭疽;ドノヴァン症(鼠径部肉芽腫)およびバルトネラ症が含まれる
【0139】 病原性嫌気性菌には:破傷風;ボツリヌス中毒症;他のクロストリジウム属;
結核;らい;およびその他のミコバクテリアが含まれる。病原性スピロヘータ症
には梅毒;トレポネマトーセス;苺腫;熱帯白斑性皮膚病および地方流行性梅毒
;およびレプトスピラ症が含まれる。
【0140】 より高等な細菌および病原性真菌により起こされるその他の感染には:放線菌
症;ノルカジア症;酵母菌症;分芽菌症;ヒストプラズマ症およびコクシジオイ
デス症;カンジダ症;アスペルギルス病および毛菌症;スポロトリコーシス;パ
ラコクシジオイデス症、ペエトリエリジウム症、トルロプシス症、菌腫およびク
ロモミセス症;および皮膚糸状菌症が含まれる。
【0141】 リケッチア感染にはリケッチアおよびリケッチア症が含まれる。 マイコプラズマおよびクラミジア感染の例には:マイコプラズマ肺炎;鼠径リ
ンパ肉芽腫;オウム病および出産期クラミジア感染が含まれる。 病原性真核生物 病原性原虫および蠕虫およびそれらによる感染には:アメーバ赤痢;マラリア
;リーシュマニア症;トリパノソーマ症;トキソプラズマ症;ニューモシスチス カリニ;バベシア症;ジアルジア症;旋毛虫症;フィラリア;住血吸虫症;線
虫症;吸虫症または吸虫類;および条虫(サナダムシ)感染が含まれる。
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
【0144】
【表5】
【0145】
【表6】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は抗原特異的抗ウイルスCTL応答を示している実施例に記
載された実験からのデータを示している。
【図2】 図2Aおよび2Bは種々の構築物により誘導されたリンホカイン
産生を示している実施例に記載された実験からのデータを示している。
【図3】 図3は構築物投与後のCTL活性を示している実施例に記載され
た実験からのデータを示している。
【図4】 図4はこの集団の細胞除去後に測定された構築物投与後のCTL
活性を示している実施例に記載された実験からのデータを示している。
【図5】 図5は構築物で免疫されたマウスの筋肉内へのリンパ球の浸潤を
示している実施例に記載された実験からの写真である。
【図6】 図6はCD80分子を図で示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/00 C07K 14/705 37/06 19/00 C07K 14/705 C12N 15/00 ZNAA 19/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 ホルタマン,マーク アメリカ合衆国イリノイ州60612,シカゴ, サウス・ウッド・ストリート 840,ユニ バーシティ・オブ・イリノイ (72)発明者 セカリー,ラフィック・ピー カナダ国ケベック アッシュ4エム 2エ ス2,サン・ローラン,オグラディ 2740 (72)発明者 ホルタマン,マーク アメリカ合衆国イリノイ州60612,シカゴ, サウス・ウッド・ストリート 840,ユニ バーシティ・オブ・イリノイ (72)発明者 ウェイナー,デイヴィッド・ビー アメリカ合衆国ペンシルバニア州19066, メリオン・ステイション,ビーカン・レイ ン 717 (72)発明者 アガドジャニアン,マイケル・ジー アメリカ合衆国ペンシルバニア州19116, フィラデルフィア,ケヴィン・コート 353 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA05 EA04 GA11 HA01 4C084 AA02 AA07 AA13 BA44 CA53 CA62 DC50 NA14 ZB012 ZB082 4C085 AA03 AA16 CC32 EE01 4C087 AA02 BC83 NA14 ZB01 ZB08 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA50 EA31 FA72 FA74

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 80V、80tmおよび80ctの少なくとも一つを含み、
    80Cを含んでいない単離された蛋白質; ここで該蛋白質は80Vかまたは86Vまたは両方を含み、および任意に86
    C、80tm、86tm、80ctおよび86ctの一つまたはそれ以上を含ん
    でおり、ここで: 80VはCD80の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86VはCD86の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86CはCD86のCドメインまたはその機能的断片であり; 80tmはCD80の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 86tmはCD86の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 80ctはCD80の細胞質尾部またはその機能的断片であり;および 86ctはCD86の細胞質尾部またはその機能的断片である。
  2. 【請求項2】 80VはCD80の変異ドメインであり; 86VはCD86の変異ドメインであり; 86CはCD86のCドメインであり; 80tmはCD80の膜貫通領域であり; 86tmはCD86の膜貫通領域であり; 80ctはCD80の細胞質尾部であり;および 86ctはCD86の細胞質尾部である請求項1に記載の単離された蛋白質。
  3. 【請求項3】 次式を持つ請求項1に記載の単離された蛋白質: R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8−R9 式中 R1は0−50アミノ酸であり; R2は80Vまたは86Vであり; R3は0−50アミノ酸であり; R4は86Cまたは0アミノ酸であり; R5は0−50アミノ酸であり; R6は80tmまたは86tmであり; R7は0−50アミノ酸であり; R8は80ctまたは86ctであり;および R9は0−50アミノ酸である。
  4. 【請求項4】 式中: R1は0−25アミノ酸であり; R3は0−25アミノ酸であり; R5は0−25アミノ酸であり; R7は0−25アミノ酸であり;および R9は0−25アミノ酸である請求項3に記載の単離された蛋白質。
  5. 【請求項5】 式中: R1は0−10アミノ酸であり; R3は0−10アミノ酸であり; R5は0−10アミノ酸であり; R7は0−10アミノ酸であり;および R9は0−10アミノ酸である請求項3に記載の単離された蛋白質。
  6. 【請求項6】 80V/dele/80tm/80ct;80V/dele
    /80tm/86ct;80V/dele/86tm/80ct;86V/de
    le/80tm/80ct;86V/dele/80tm/86ct;86V/
    dele/86tm/80ct;80V/dele/86tm/86ct;80
    V/86C/80tm/80ct;80V/86C/80tm/86ct;80
    V/86C/86tm/80ct;86V/86C/80tm/80ct;86
    V/86C/80tm/86ct;86V/86C/86tm/80ct;80
    V/86C/86tm/86ct;80V/dele/80tm/dele;8
    0V/dele/86tm/dele;86V/dele/80tm/dele
    ;80V/86C/80tm/dele;80V/86C/86tm/dele
    ;86V/86C/80tm/dele;86V/86C/80tm/dele
    ;86V/86C/dele/80ct;80V/86C/dele/80ct
    ;80V/dele/dele/80ct;86V/dele/dele/80
    ct;86V/86C/dele/dele;および80Vから成る群より選択
    される請求項1に記載の蛋白質。
  7. 【請求項7】 請求項1−6の任意の項の蛋白質部分および免疫原性部分か
    ら成るキメラ蛋白質。
  8. 【請求項8】 請求項1−7の任意の項の蛋白質および免疫原性蛋白質また
    は免疫原をコードしているコード配列を含んでいる核酸分子を含んでいる組成物
    、ここで該コード配列は作動可能なように制御要素に結合されている。
  9. 【請求項9】 請求項1−7の任意の項の蛋白質をコードしているコード配
    列を含む核酸分子、ここで該コード配列は作動可能なように制御要素に結合され
    ている。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の核酸分子を含んでいるプラスミド。
  11. 【請求項11】 さらに免疫原をコードしているコード配列を含んでいる請
    求項10に記載のプラスミド、ここで該コード配列は作動可能なように制御要素
    に結合されている。
  12. 【請求項12】 さらに免疫原性蛋白質または免疫原をコードしているコー
    ド配列を含んでいる核酸配列を含んでいるプラスミドを含んでいる請求項10ま
    たは11に記載のプラスミドを含んでいる組成物、ここで該コード配列は作動可
    能なように制御要素に結合されている。
  13. 【請求項13】 請求項9に記載の核酸分子を含んでいる組成物を含んでい
    る組換えワクチンまたは弱毒化ワクチン。
  14. 【請求項14】 請求項1−13の任意の項の主題物を含んでいる組換えワ
    クチン組成物または弱毒化ワクチン組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1−14の任意の項の主題物を含んでいる医薬組成
    物。
  16. 【請求項16】 請求項1−15の任意の項に従った組成物を含んでいる組
    成物を投与することからなる免疫原に対して個体を免疫する方法。
  17. 【請求項17】 該免疫化が予防的である請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該免疫化が治療的である請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 該免疫原がアレルゲンである請求項16に記載の方法。
  20. 【請求項20】 該免疫原が病原体抗原である請求項16に記載の方法。
  21. 【請求項21】 該免疫原が自己免疫疾患に関係する抗原である請求項16
    に記載の方法。
  22. 【請求項22】 該免疫原が過増殖性疾患に関係する抗原である請求項16
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】 少なくともCD80のC領域またはその機能的断片を含ん
    でいる単離された非CD80蛋白質。
  24. 【請求項24】 少なくともCD80のC領域を含んでいる請求項23に記
    載の単離された非CD80蛋白質。
  25. 【請求項25】 次式を持っている請求項23に記載の単離された非CD8
    0蛋白質: R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8−R9 式中 R1は0−50アミノ酸であり; R2は80Vまたは86Vであり; R3は0−50アミノ酸であり; R4は86Cまたは0アミノ酸であり; R5は0−50アミノ酸であり; R6は80tmまたは86tmであり; R7は0−50アミノ酸であり; R8は80ctまたは86ctであり;および R9は0−50アミノ酸であり、 ここで 80VはCD80の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86VはCD86の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 80CはCD80のCドメインまたはその機能的断片であり; 80tmはCD80の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 86tmはCD86の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 80ctはCD80の細胞質尾部またはその機能的断片であり;および 86ctはCD86の細胞質尾部またはその機能的断片である。
  26. 【請求項26】 式中: R1は0−25アミノ酸であり; R3は0−25アミノ酸であり; R5は0−25アミノ酸であり; R7は0−25アミノ酸であり;および R9は0−25アミノ酸である請求項25に記載の単離された蛋白質。
  27. 【請求項27】 式中: R1は0−10アミノ酸であり; R3は0−10アミノ酸であり; R5は0−10アミノ酸であり; R7は0−10アミノ酸であり;および R9は0−10アミノ酸である請求項25に記載の単離された蛋白質。
  28. 【請求項28】 R−dele−R−80C−R−80tm−R−80ct−R; R−dele−R−80C−R−80tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−80tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−dele−R−dele−R; R−86V−R−80C−R−80tm−R−80ct−R; R−86V−R−80C−R−80tm−R−dele−R; R−86V−R−80C−R−dele−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−86tm−R−80ct−R; R−dele−R−80C−R−86tm−R−80ct−R; R−dele−R−80C−R−86tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−86tm−R−dele−R; R−80V−R−80C−R−80tm−R−86ct−R; R−dele−R−80C−R−80tm−R−86ct−R; R−86V−R−80C−R−86tm−R−80ct−R; R−86V−R−80C−R−80tm−R−86ct−R; R−86V−R−80C−R−86tm−R−dele−R; R−dele−R−80C−R−86tm−R−86ct−R;および R−86V−R−80C−R−86tm−R−86ct−R; から成る群より選択される式を持っている請求項23に記載の単離された非CD
    80蛋白質; 式中 80VはCD80の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 86VはCD86の変異ドメインまたはその機能的断片であり; 80CはCD80のCドメインまたはその機能的断片であり; 80tmはCD80の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 86tmはCD86の膜貫通領域またはその機能的断片であり; 80ctはCD80の細胞質尾部またはその機能的断片であり; 86ctはCD86の細胞質尾部またはその機能的断片であり; deleは0アミノ酸であり;および Rは各々独立して0−100アミノ酸である。
  29. 【請求項29】 Rが各々独立して0−50アミノ酸である請求項28に記
    載の単離された非CD80蛋白質。
  30. 【請求項30】 Rが各々独立して0−30アミノ酸である請求項28に記
    載の単離された非CD80蛋白質。
  31. 【請求項31】 Rが各々独立して0−20アミノ酸である請求項28に記
    載の単離された非CD80蛋白質。
  32. 【請求項32】 変異ドメインが欠損された変異体CD80; 変異ドメインが欠損されおよび細胞質尾部が欠損された変異体CD80; 細胞質尾部が欠損された変異体CD80; 膜貫通領域が欠損されおよび細胞質尾部が欠損された変異体CD80; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換された変異体C
    D80; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよび細胞
    質尾部が欠損された変異体CD80; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよび膜貫
    通領域が欠損されおよび細胞質尾部が欠損された変異体CD80; CD80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換された変異体CD8
    0; 変異ドメインが欠損されおよびCD80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通
    領域が置換された変異体CD80; 変異ドメインが欠損され、細胞質尾部が欠損されおよびCD80膜貫通領域の
    代わりにCD86膜貫通領域が置換された変異体CD80; 細胞質尾部が欠損されおよびCD80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領
    域が置換された変異体CD80; CD80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換された変異体CD8
    0; 変異ドメインが欠損されおよびCD80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質
    尾部が置換された変異体CD80; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
    80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換された変異体CD80; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
    80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換された変異体CD80; CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
    80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換されおよび細胞質尾部が欠
    損された変異体CD80; 変異ドメインが欠損されおよびCD80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通
    領域が置換されおよびCD80細胞質尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換
    された変異体CD80;および CD80変異ドメインの代わりにCD86変異ドメインが置換されおよびCD
    80膜貫通領域の代わりにCD86膜貫通領域が置換されおよびCD80細胞質
    尾部の代わりにCD86細胞質尾部が置換された変異体CD80; から成る群より選択される請求項23に記載の単離された非CD80蛋白質。
  33. 【請求項33】 請求項23から32の任意の項に記載の蛋白質をコードし
    ているコード配列を含む核酸分子、ここで該コード配列は作動可能なように制御
    要素に結合されている。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の核酸分子を含んでいるプラスミド。
  35. 【請求項35】 請求項34のプラスミドおよび/または請求項23から3
    2の任意の項に記載の蛋白質を含んでいる組成物。
  36. 【請求項36】 請求項33に記載の核酸分子を含んでいる組成物を含んで
    いる組換えベクター。
  37. 【請求項37】 請求項23−36の任意の項の主題物を含んでいる医薬組
    成物。
  38. 【請求項38】 請求項23−37の任意の項に従った組成物を含んでいる
    組成物を投与することからなる個体の免疫抑制法。
  39. 【請求項39】 該個体が自己免疫疾患を持っている請求項38に記載の方
    法。
  40. 【請求項40】 該個体が移植法を受けた、受けているまたは受けかけてい
    る請求項38に記載の方法。
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