JP2002542367A - つや消し剤およびテクスチュア付与剤を含有するペーストならびにこれらを含有するコーティング剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、Ａ）５〜３０重量％の１つまたはそれ以上の揺変性の（メタ）アクリルコポリマーおよび／または１つまたはそれ以上の揺変性ポリエステル、Ｂ）１５〜４５重量％の１つまたはそれ以上のつや消し剤および／またはテクスチュア付与剤およびＣ）３０〜６５重量％の１つまたはそれ以上の有機溶媒を含有し、また場合によっては湿潤剤、分散剤、レオロジー変更剤、触媒そして別の添加剤および補助剤を含有する、つや消し剤および／またはテクスチュア付与剤を含有するペーストに関する。成分Ａ）、Ｂ）およびＣ）の割合を合計すると１００重量％となり、また揺変性（メタ）アクリルコポリマーおよび／または揺変性ポリエステル：つや消し剤および／またはテクスチュア付与剤の重量比は１：６〜１：０.８である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、コーティング化合物、一層特定的に低放出性で、固形物高含有のコ
ーティング化合物中に含めるためのつや消し剤およびテクスチュア付与剤を製造
することに関し、またつや消し剤およびテクスチュア付与剤の調合物を含有する
コーティング化合物に関する。このコーティング化合物は自動車および自動車部
品のラッカー塗装に使用されるのが好ましい。

【０００２】 自動車塗装および工業用塗装でのいくつかの応用にとって、光沢が減少した表
面および／またはテクスチュアの付与された表面を生むラッカーを製造すること
が必要である。例えば、ラッカー塗装された市販の自動車の車体はつや消しの表
面およびプラスチック部品例えば、バンパーのような自動車の外装部品は、鈍い
色のそして／あるいはテクスチュアの付与された表面を備えているべきである。
つや消しのそして／あるいはテクスチュアの付与された表面を得るために、コー
ティング化合物につや消し剤またはテクスチュア剤が添加される。施用されたラ
ッカーフィルムが乾燥するとき、つや消し剤粒子は微細に粗い表面テクスチュア
を生む。この結果、入射光は乱反射的に反射されまたつや消し表面の印象を見る
者に与える。つや消し剤粒子は乾いたラッカーフィルム中に均一に分布せねばな
らない。つや消し剤および／またはテクスチュア添加剤は粉末状またはペースト
状で材料中に含められる。慣用のつや消し剤ペーストは、つや消し剤とは別に、
バインダー、溶媒そして場合によっては添加剤を一般に含有する。

【０００３】 つや消し剤ペースト中で使用されてよいバインダーの例には、アルキド、アル
デヒド、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂および／またはセルロースエステルが
ある。 ＥＰ−Ａ−７００ ４０８にはプラスチック表面上にテクスチュアの付与され
たコーティングをつくるのに好適なつや消しのペーストが記載されており、この
ペーストはヒドロキシ官能性バインダーおよびポリイソシアネート架橋剤をベー
スとするコーティング化合物中に含められる。このつや消しのペーストはバイン
ダーとして、ヒドロキシ官能性ポリエステル、ヒドロキシ官能性ポリアクリレー
トおよび場合によってはセルロースエステルを含有する。テクスチュア付与剤は
粉末状でコーティング化合物に添加される。 つや消し剤ペースト中に使用されてよい上記したバインダーの場合、しばしば
、ラッカーを施した後に得られる表面はいまだに光沢がありすぎる。つまりつや
消し効果はまだ十分でない。

【０００４】 例えば、複数の異なる色合いを通常付与する自動車の再仕上げにおけるように
、使用者の敷地内でその場で直接使用される種類の混合ラッカー系によってつや
消しの／テクスチュアの付与された表面を生じるべきコーティング化合物がつく
られる場合、このような混合ラッカー系は、いわゆる追加的な混合ラッカーそし
てまた着色した混合ラッカー、例えば所望のテクスチュアまたは光沢の程度を得
るためのものを一般に含有する。このような混合ラッカー系の成分は仕上げられ
たラッカーまたは半ば仕上げられた製品として存在してよい。

【０００５】 エコロジー的な理由から、低放出性で固形物高含有のラッカーもまた混合ラッ
カー系中にますます使用されつつある。混合ラッカーの問題のない取り扱いおよ
び良好な計量性に対する要件は十分な流動性である。予め決めたテクスチュア効
果または光沢の度合いを得るためにそして処理すべきラッカーに求められる固形
物の含有率が高いので、追加的な混合ラッカーは、製品がペースト状でありまた
もはや自由流動性でなく、処理を受け入れ不能にするような大きな割合でテクス
チュア付与剤および／またはつや消し剤を含有しなければならないので、つや消
し剤および／またはテクスチュア添加剤と固形物高含有ラッカーを含有する上記
した追加的な混合ラッカーについて良好な流動性を確保するのは困難である。こ
の欠点はＥＰ−Ａ−７００ ４０８中に記載のつや消しのペーストによって解決
されない。

【０００６】 さらにまた、つや消し剤および／またはテクスチュア付与剤を含有する調合物
は、この調合物の、またはこれを含有するコーティング剤の部分的に乾燥された
粒子が、当のラッカー容器のカンの縁からラッカー内に落ち、従ってピンホール
の発生につながるであろうという問題を一般に有する。施用に先立ってこの粒子
をラッカーから篩分することはできず、これは、その時テクスチュア付与剤もま
た一緒に除去されるであろうからである。つや消し剤を含有するラッカーはしば
しば均一な噴霧パターンを生まない。特に、かなり大きなラッカー塗装すべき表
面上には見苦しい斑点ができる。

【０００７】 従って本発明の目的は、特に、極めて良好なつや消し効果およびテクスチュア
を付与するものの良好な流動性を有しまた問題のない計量性を保証する、ペース
ト状の低放出性で固形物高含有のコーティング剤のためのつや消し剤および／ま
たはテクスチュア付与剤を提供することであった。ペースト状の調合物は処理が
容易であるべきである。この調合物の、またはこれを含有するコーティング剤の
部分的に乾燥した粒子は、くずが実質的になくまたピンホール従ってラッカーの
欠陥を防止するために当該のラッカー容器のカンの縁に付着すべきである。さら
にまた、ペースト状の調合物は保管中に安定でありまた長期の保管の後でさえ沈
積を示すべきでない。ペーストを含有するラッカーは、特に比較的大きな表面上
で均一な噴霧パターンを生むべきである。

【０００８】 この目的は、以下につや消し剤ペーストと知られ、 Ａ) ５〜３０重量％、好ましくは７〜２５重量％の、１つまたはそれ以上の揺
変性（メタ）アクリルコポリマーおよび／または１つまたはそれ以上の揺変性ポ
リエステル、 Ｂ) １５〜４５重量％、好ましくは２０〜３５重量％の、１つまたはそれ以上
のつや消し剤および／またはテクスチュア付与剤、 Ｃ) ３０〜６５重量％、好ましくは３５〜５５重量％の、１つまたはそれ以上
の有機溶媒 を含有し、また場合によっては湿潤および分散剤、レオロジー変更剤、触媒そし
て場合によっては別の添加剤および補助剤を含有し、成分Ａ）、Ｂ）およびＣ）
の割合を合計すると１００重量％となり、また揺変性（メタ）アクリルコポリマ
ーおよび／または揺変性ポリエステル：つや消し剤および／またはテクスチュア
付与剤の重量比が１：６〜１：０.８である、つや消し剤および／またはテクス
チュア添加剤のペースト状の調合物によって達せられる。

【０００９】 本発明の目的は驚くべきことに、つや消し剤ペースト中に揺変性（メタ）アク
リルコポリマーおよび／または揺変性ポリエステルを使用することにより達せら
れることが分かった。施用の形態としては固まった物質として一般に存在する、
使用される揺変性樹脂には、所要の量のつや消し剤および／またはテクスチュア
付与剤が充填されてよく、自由流動性ペーストが生成する。

【００１０】 揺変性（メタ）アクリルコポリマーおよび／または揺変性ポリエステル（成分
Ａ）は本発明のつや消し剤ペースト中にバインダーとして含まれる。揺変性樹脂
という用語は、例えば、剪断応力下で粘度低下を示しまた、剪断応力を受けた後
、時間遅れはあるものの静止の状態でもとの粘度を回復する揺変剤を添加するこ
とにより変性された樹脂を意味する。樹脂の揺変挙動は、以下に一層詳細に論じ
られるいろいろな方法によって得ることができる。

【００１１】 本発明に従って使用される揺変性樹脂は（メタ）アクリルコポリマーおよび／
またはポリエステル、好ましくはヒドロキシ官能性（メタ）アクリルコポリマー
および／またはヒドロキシ官能性ポリエステルをベースとするものである。 成分（Ａ）中で使用されてよい（メタ）アクリルコポリマーは好ましくは２５
〜２００、特に好ましくは４０〜１５０のヒドロキシル価を有し、また０〜５０
の酸価を有する。（メタ）アクリルコポリマーは１５００〜３０,０００ｇ／モ
ル、好ましくは２０００〜１５,０００ｇ／モルの数平均分子量（Ｍｎ）を有す
る。

【００１２】 （メタ）アクリル樹脂の製造は慣用の方法に従う重合例えば、塊状重合、溶液
重合または懸濁重合に従って実施されてよい。当業者には様々な重合方法が知ら
れている。（メタ）アクリル樹脂の製造には溶液重合法が好ましい。一般に溶媒
は反応槽の装入され、沸点に加熱されまたモノマー／開始剤混合物がある期間に
わたって連続的に供給される。重合は好ましくは１００〜１６０℃で実施される
ことができる。 好適な開始剤はパー化合物およびアゾ化合物である。モノマーの初期重量に基
づき０.２〜８重量％の開始剤を使用するのが好ましい。

【００１３】 溶液重合に有利に使用されうる好適な有機溶媒の例には、アルコール、グリコ
ールエーテル例えばエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ルジメチルエーテル；グリコールエーテルエステル例えばエチルグリコールアセ
テート、ブチルグリコールアセテート、３−メトキシ−ｎ−ブチルアセテート、
ブチルジグリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、エステル例えば
ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテート；ケトン例えばメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、
芳香族炭化水素（例えば、１３６〜１８０℃の沸点範囲を有するもの）および脂
肪族炭化水素がある。

【００１４】 分子量を制御するために例えばメルカプタン、チオグリコレート、クメン、ダ
イマーアルファメチルスチレンのような鎖移動剤が使用されてよい。 使用すべき（メタ）アクリルコポリマーは、例えばスチレンまたはその誘導体
のようなビニル芳香族モノマーとの、特に好ましくはスチレンとのコポリマーで
あるのが好ましい。コポリマーは少なくとも３０重量％のスチレン含有率を有す
るのが好ましい。

【００１５】 優先的に存在するヒドロキシル基はヒドロキシル基を含むモノマーを使用して
（メタ）アクリル樹脂中に導入される。さらにまた、遊離基重合のための当業者
にとって既知の種類の別のエチレン不飽和モノマーは遊離基重合の可能なモノマ
ーとして好適である。これは官能基例えばカルボキシル基またはグリシジル基を
有する不飽和モノマー、そして官能基をさらに含まない慣用の不飽和モノマーで
あってよい。

【００１６】 ヒドロキシル基を有するオレフィン不飽和モノマーの例には、不飽和カルボン
酸のヒドロキシアルキルエステルまたはヒドロキシアリールエステルがある。ア
クリル酸またはメタクリル酸の、２〜２０個の炭素原子を有する脂肪族ジオール
とのヒドロキシアルキルエステルが好ましい。１級ヒドロキシル基を有するこの
ようなヒドロキシアルキルエステルの例はヒドロキシエチル（メタ）アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル（メタ）アクリレート、ヒドロキシブチル（メタ）アク
リレート、ヒドロキシアミル（メタ）アクリレート、ネオペンチルグリコールモ
ノアクリレート、ヒドロキシヘキシル（メタ）アクリレート、ヒドロキシオクチ
ル（メタ）アクリレートである。２級ヒドロキシ基を有するヒドロキシアルキル
エステルの例は２−ヒドロキシプロピル（メタ）アクリレート、２−ヒドロキシ
ブチル（メタ）アクリレート、３−ヒドロキシブチル（メタ）アクリレートであ
る。しかしながら、例えばクロトン酸またはイソクロトン酸のような他の不飽和
カルボン酸の対応するエステルもまた使用されてよい。

【００１７】 ＯＨ−官能性モノマーの別の群は例えばアクリル酸、メタクリル酸およびフマ
ル酸のような不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルアミドである。この例はＮ
−ヒドロキシエチルメタクリル酸アミド、Ｎ−（２−ヒドロキシプロピル）メタ
クリルアミドまたはＮ−ヒドロキシアルキルフマル酸モノアミドまたはジアミド
である。１モルのヒドロキシアルキル（メタ）アクリレートと２モルのイプシロ
ンカプロラクトンとの反応生成物、そして（メタ）アクリル酸の付加物および飽
和アルファ，アルファ−ジアルキルアルカンモノカルボン酸のグリシジルエステ
ル、例えばバーサチック酸のグリシジルエステルもまた著しく好適である。

【００１８】 ヒドロキシル基を含む他の不飽和化合物は、アリルアルコール、エチレングリ
コールのまたはブタンジオールのモノビニルエーテルのようなポリアルコール特
にジオールのモノビニルエーテル、２,３−ジヒドロキシプロピルモノアリルエ
ーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルまたは２，３−ジヒドロキ
シプロパン酸アリルエステルのようなヒドロキシル基を含むアリルエーテルまた
はアリルエステルおよびグリセロールモノ（メタ）アクリレートである。 特に、ヒドロキシエチル（メタ）アクリレート、ヒドロキシプロピル（メタ）
アクリレートおよびヒドロキシルブチル（メタ）アクリレートのようなヒドロキ
シアルキル（メタ）アクリレートが特に好適である。

【００１９】 別の官能基を含まない好適な不飽和モノマーの例には、不飽和モノカルボン酸
と炭素原子１〜２０個を有する脂肪族の分枝鎖または非分枝鎖のおよび環式の１
水酸基アルコールとのエステルがある。これらはアクリル酸またはメタクリル酸
のエステルであるのが好ましい。脂肪族アルコールとのエステルの例はメチルア
クリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、第３ブチルアク
リレート、ｎ−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、２−エチルヘキ
シルアクリレート、２−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、
ステアリルアクリレートおよび対応するメタクリレートである。環式アルコール
とのエステルの例はシクロヘキシル（メタ）アクリレート、トリメチルシクロヘ
キシル（メタ）アクリレート、４−第３ブチルシクロヘキシル（メタ）アクリレ
ートおよびイソボルニル（メタ）アクリレートである。

【００２０】 別の不飽和モノマーは例えばビニルアセテートのようなビニルエステルである
。しかしながら、エチレン多不飽和モノマーもまた使用されてよい。これは遊離
基重合が可能な二重結合を少なくとも２つ有するモノマーである。これの例はジ
ビニルベンゼン、ブタン１,４ジオールジアクリレート、ヘキサン１,６−ジオー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、グリセロールジ
メタクリレートである。

【００２１】 （メタ）アクリルコポリマーを製造するのに好ましいモノマー成分は（メタ）
アクリル酸のアルキルエステルおよびヒドロキシアルキルエステルおよびスチレ
ンそしてまた場合によっては他のアルファ−，ベータ−不飽和モノマーおよび／
または場合によっては（メタ）アクリル酸である。アルキルエステルの例はアル
キル基中に１〜７個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル（メタ）アクリレ
ート、エチル（メタ）アクリレート、ブチル（メタ）アクリレート、ペンチル（
メタ）アクリレートおよびシクロヘキシル（メタ）アクリレートである。ヒドロ
キシルアルキルエステルの例は、ヒドロキシエチル（メタ）アクリレート、ヒド
ロキシプロピル（メタ）アクリレート、ブタン１,４−ジオールモノアクリレー
ト、ヘキサン１，６−ジオールモノメタクリレートそしてヒドロキシアルキル（
メタ）アクリレートとイプシロンカプロラクトンとの反応生成物である。

【００２２】 成分Ａ中で使用されてよいポリエステルは２５〜２００の、特に好ましくは４
０〜１５０のヒドロキシル価および０〜５０の酸価を有するのが好ましい。ポリ
エステルは１０００〜６０００、好ましくは１０００〜３０００の数平均分子量
（Ｍｎ）を有するのが好ましい。ポリエステルは多価のポリカルボン酸またはそ
の無水物と多水酸基ポリオールとの縮重合生成物であり、場合によってはモノカ
ルボン酸が用いられる。ＯＨ価を適切にするために、ポリエステルは過剰なアル
コールを用いて製造されるのが好ましい。ポリエステルがカルボキシル基を含む
べきであるなら、このものは不完全なエステル化によってまたはカルボキシル基
を含むモノマーを使用することにより得ることができる。

【００２３】 好適なポリカルボン酸の例は、例えばオルトフタル酸無水物、イソフタル酸、
テトラヘキサヒドロフタル酸、１,４−シクロヘキサンジカルボン酸、４−メチ
ルヘキサヒドロフタル酸、コハク酸（無水物）、アジピン酸、セバシン酸および
ダイマー脂肪酸のような芳香族、環状脂肪族および脂肪族のものである。 好適なアルコール成分の例には、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、
トリメチルペンタンジオールおよび例えばトリメチロールエタンおよびペンタエ
リスリトールのようなより高級なアルコールがある。 場合によっては、天然のおよび合成的なモノカルボン酸、例えば安息香酸、ラ
ウリン酸、天然産の油の脂肪酸もまた追加的に使用される。

【００２４】 （メタ）アクリル酸樹脂および／またはポリエステル樹脂は慣用の方法で揺変
性化されることができる。様々な可能性が技術上周知でありまた当業者にとって
既知である。例えば、慣用の揺変剤が使用されてよい。樹脂の揺変性は事実上Ｈ
−架橋の形成によって発現すると仮定される。

【００２５】 揺変的な挙動を得るために、例えばいわゆるＳＣＡ（ＳＣＡ＝Sag Control Ag
ent）剤が使用されてよい。この物質は一般に尿素をベースとする低分子量の半
結晶の有機化合物である。このような化合物はモノアミンおよび／またはポリア
ミン、そして／あるいは少なくとも１つのアミノ基を有するポリマー物質から、
またモノイソシアネートおよび／またはポリイソシアネートそして／あるいは少
なくとも１つのイソシアネート基を有するポリマー物質から一般に製造される。
このＳＣＡ剤の多くそしてこれらを製造する方法は文献に記載されている。

【００２６】 揺変的な挙動を得るために、ポリウレタン、ポリウレタン尿素および／または
ポリアミドもまた使用されてよい。揺変的な挙動はポリウレタンまたはポリウレ
タン尿素によって得るのが好ましい。ポリウレタンおよびポリウレタン尿素は例
えば、イソシアネート化合物、例えばジイソシアネートおよび／またはポリイソ
シアネート、そしてヒドロキシ官能性成分例えば、ヒドロキシ官能性の（メタ）
アクリレートおよび／またはポリエステルおよび／または低分子量のヒドロキシ
官能性化合物および／またはモノアミンおよび／またはポリアミンの反応生成物
である。反応生成物は場合によってはエーテル基も有してよい。使用の好ましい
出発物質は芳香族の構造を有する化合物である。

【００２７】 揺変性の（メタ）アクリル樹脂および／またはポリエステル樹脂においては、
（メタ）アクリルおよび／またはポリエステルの割合と、揺変剤の割合、例えば
ポリウレタンの割合とは、例えば、９５：５〜５０：５０、好ましくは９０：１
０〜５５：４５の重量比にある。揺変性の（メタ）アクリル樹脂および／または
ポリエステル樹脂は、例えば固体樹脂１００ｇあたり１０〜１５０ミリモル、好
ましくは２０〜１００ミリモル窒素含有率を有する。揺変性樹脂は例えば、個々
の成分をを個別的に製造し、次いでこれらを好適な方法で混合しあるいは一緒に
することにより製造されてよい。揺変性樹脂は、例えば（メタ）アクリル樹脂お
よび／またはポリエステル樹脂の存在下で揺変剤を製造することにより、製造さ
れる。

【００２８】 揺変性の（メタ）アクリル樹脂および／またはポリエステル樹脂は一般に、固
形物の割合がいろいろである溶媒の形態で存在する。好適な溶媒の例には、（メ
タ）アクリルコポリマーを製造するためにすでに述べた種類のものが含まれる。
溶媒の例はアルコール、エステル例えばエチルアセテート、イソプロピルアセテ
ート、ｎ−プロピルアセテート、イソブチルアセテートおよび２−エチルヘキシ
ルアセテート、芳香族炭化水素例えばトルエン、ｏ−キシレン、ｍ−キシレン、
ｐ−キシレン、エチルベンゼン、Solvesso 100（沸点範囲が１５３〜１８０℃の
芳香族炭化水素の混合物）、脂肪族炭化水素である。 樹脂は、例えば固形物の含有率が４０〜８５重量％である溶媒の形態であって
よい。

【００２９】 使用できる揺変性の（メタ）アクリル樹脂および／またはポリエステル樹脂は
当業者にとって既知であり、また市販の製品として入手もできる。揺変性の（メ
タ）アクリル樹脂は、例えばJagotex(登録商標)F216 THIX、Jagotex(登録商標)F
219 THIX、Jagotex SCA-Y、Halwemer F 2200またはSetalux C-91389VX-45の名称
で入手できる。揺変性のポリエステル樹脂は例えば、Jaegapol PE 300 THIXの名
称で入手できる。 ポリウレタンおよび／またはポリ尿素および／またはポリウレタン尿素で揺変
性化されている（メタ）アクリルコポリマーを使用するのが特に有利である。

【００３０】 揺変性の（メタ）アクリル樹脂および／またはポリエステル樹脂とは別に、本
発明のつや消し剤ペーストは１つまたはそれ以上のつや消しおよび／またはテク
スチュア付与剤（成分Ｂ）も含有する。つや消し剤は無機性または有機性のもの
であってよい。無機つや消し剤の例は無定形のまたは発熱性のシリカ、シリカゲ
ルおよび層化された珪酸塩例えば水和された珪酸マグネシウム（滑石）である。
無機のつや消し剤は未処理でよく、あるいは有機化合物、例えば好適な種類のワ
ックスで、または無機の化合物で表面処理されていてよい。有機つや消し剤の例
はＡｌ、Ｚｎ、ＣａまたはＭｇのステアレート、例えば微細化されたポリプロピ
レンワックスのようなワックス様の化合物、および尿素ホルムアルデヒド縮合物
である。つや消し剤は商業製品（例えば、Syloid（登録商標）の名称の）として
入手できまた当業者にとって既知である。つや消し剤はいろいろな粒子寸法で供
給される。つや消し剤について選定する寸法は、良好なつや消し効果と表面の平
滑性との間に所望の折り合いを確保するために乾燥フィルムの厚さ近くに通常の
方法で調整されることができる。粗いつや消し剤は同じ細孔容積の場合より大き
なつや消し効果を示すが、より粗いフィルム表面を与えもする。平均粒子寸法は
例えば２〜１６μｍであってよい。

【００３１】 好適なテクスチュア付与剤の例には、例えば粉砕されたポリアミドまたは粉砕
されたポリプロピレンのような粉砕されたプラスチックがある。対応する製品は
、例えばPropyltex、VestosintおよびOrgasolの商標名で入手される。さらに、
テクスチュア付与剤として、粉砕された砂または粉砕されたガラスが使用されて
よい。テクスチュア付与剤の粒子寸法は３０〜２００μｍの範囲にあるのが好ま
しい。

【００３２】 つや消し剤ペーストの製造に際して、つや消し剤としてつや消し効果を有する
小片状の充填剤を、平坦化剤および／またはテクスチュア付与剤の全量に基づき
６５〜９０重量％使用するのが有利であることが分かっている。つや消し効果を
有する小片状の充填剤の例は、水和された珪酸マグネシウム（滑石）および、雲
母、緑泥石および石英の連晶（intergrowth）のような小片状で連晶となった鉱
物である。

【００３３】 本発明のつや消し剤ペーストは１つまたはそれ以上の有機溶媒（成分Ｃ）を含
有する。これはラッカー処方物として使用されてよい慣用の溶媒である。 一層特定的に、これはエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリ
コールジメチルエーテルのようなグリコールエーテル；エチルグリコールアセテ
ート、ブチルグリコールアセテート、３−メトキシ−ｎ−ブチルアセテート、ブ
チルジグリコールアセテート、メトキシプロピルアセテートのようなグリコール
エーテルエステル；ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテー
トのようなエステル；メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、イソホロンのようなケトンおよび芳香族または脂肪族の炭化水素であ
ってよい。

【００３４】 本発明のつや消し剤ペーストは湿潤および分散剤、レオロジー変更剤、触媒そ
して場合によっては別の添加剤および補助剤も含有してよい。 好適な湿潤および分散剤の例にはポリエステルポリアクリル酸および／または
ポリアクリレートをベースとするものがある。好適なレオロジー変更剤の例には
、発熱シリカをベースとするもの、層化された珪酸塩、水素化されたひまし油お
よびポリマー尿素または尿素−ウレタン化合物がある。これらの製品もまた当業
者にとって周知であり、また例えば、Byk-Chemieからの種々のDisperbykおよびB
ykタイプそしてＥｆｋａからの種々のEfkaタイプのように市販で入手できる。湿
潤および分散剤およびレオロジー変更剤はつや消し剤ペーストの全量に基づき０
.３〜８重量％の量で使用するのが好ましい。

【００３５】 つや消し剤ペースト中に場合によっては存在する触媒は、架橋性のバインダー
が使用される限り、例えば、仕上げられたコーティング化合物中で架橋反応を起
こすのを接触するのに役立つであろう。ヒドロキシル基を含有するイソシアネー
ト−架橋バインダー系の場合、好適な触媒の例には有機錫化合物または第３アミ
ンがある。 場合によっては使用される添加剤は、例えば硬化防止剤、平坦化剤、可塑化剤
および耐光剤のような慣用のラッカー添加剤である。 つや消し剤ペーストは個々の成分を混合しそして分散することにより慣用の方
法で製造される。

【００３６】 このようにして得られる本発明のつや消し剤ペーストは自由流動性が極めて大
きくそして計量可能であり、例えば、固形物高含有のコーティング化合物中に困
難なく含められることができる。つや消し剤ペーストのまたはこれを含むラッカ
ーの部分的に乾燥した残留物は当該のラッカー容器に接着したままになる（砕け
ない）。流動および処理の特性が良好であるため、つや消し剤ペーストが固形物
高含有の混合ラッカー系中で追加的な混合ラッカーとして使用されることができ
るという事実は特別な利点である。

【００３７】 従って、本発明はそのつや消し剤ペーストを含有するコーティング化合物に関
し、顔料添加されたかまたは顔料添加されていないコーティング化合物中につや
消し剤ペーストを使用すること、特に顔料添加されたトップコート中に使用する
ことに関する。コーティング化合物は、自動車のラッカー塗装および再仕上げに
通常使用される、当業者にとって既知のクリアラッカーまたは顔料添加されたト
ップコートである。これらは１パックの、２パックのまたは多成分のラッカーで
あってよい。

【００３８】 コーティング化合物はａ）１つまたはそれ以上のフィルム形成性バインダー、
ｂ）場合によっては１つまたはそれ以上の架橋剤、ｃ）上記のつや消し剤ペース
ト、そして場合によっては１つまたはそれ以上の有機溶媒、顔料、充填剤、慣用
のラッカー添加剤および補助剤を含有する。

【００３９】 使用されるフィルム形成性バインダーは物理的に乾燥するかまたは化学的に架
橋するバインダーであってよい。これは自動車のラッカー塗装、特に自動車の再
仕上げの分野で溶媒をベースとするクリアラッカーおよび顔料添加されたトップ
コート中に通常使用されるタイプの、当業者にとって既知のあらゆる種類のバイ
ンダーである。物理的に乾燥するバインダーの例には、場合によっては変性され
ていてもよいポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂があ
る。樹脂は単独でまたは組み合わせて使用されてよい。化学的に架橋されるバイ
ンダーはヒドロキシル基を含むバインダーとポリイソシアネート架橋剤とをベー
スとするバインダー系であるのが好ましい。 バインダー系には、反応性の希釈剤も場合によっては含有されてよい。

【００４０】 従って、好ましいコーティング化合物は、 ａ) ヒドロキシル基を１つまたはそれ以上含む重付加、重合および／または重
縮合の樹脂、 ｂ) 架橋剤としての１つまたはそれ以上のポリイソシアネート、 ｃ) 上記したつや消し剤ペースト を、そして場合によっては１つまたはそれ以上の有機溶媒、顔料、充填剤、慣用
のラッカー添加剤および補助剤を含有する。

【００４１】 成分ａ）およびｂ）は、成分ａ）のヒドロキシル基と成分ｂ）のイソシアネー
ト基との比が１：３〜３：１であるような量で使用されるのが好ましい。使用さ
れる揺変性樹脂がヒドロキシ官能性樹脂であるなら、ＯＨ／ＮＣＯの比を算出す
るときにこの樹脂も考慮しなければならない。

【００４２】 使用できるヒドロキシル基含有バインダー成分ａ）の例には、単独のまたは組
み合わされたポリウレタン、ポリエステルおよびポリアクリレートがある。樹脂
は一般に２０〜２５０mgＫＯＨ／ｇのヒドロキシル価を有し、場合によっては変
性されてよい。８０〜２００mgＫＯＨ／ｇのヒドロキシル価と０〜４０mgＫＯＨ
／ｇの酸価とを有するポリアクリル樹脂をヒドロキシル基を含むバインダー成分
ａ）として使用するのが特に好ましい。ポリアクリル樹脂は１０００〜２０,０
００、特に好ましくは１０００〜１０,０００の数平均分子量Ｍｎを有するのが
好ましい。 使用の好ましいポリアクリレートはオレフィン不飽和モノマーの遊離基重合に
よって、好ましくは溶液重合によって製造される。

【００４３】 ヒドロキシル基は、ヒドロキシル基を含有するモノマーを使用することによっ
てポリアクリル樹脂中に導入される。さらに、遊離基重合のために普通に使用さ
れる種類のオレフィン不飽和モノマーは実質的にすべて、遊離基重合が可能なモ
ノマーとして好適である。これは官能性基例えばカルボキシル基またはグリシジ
ル基を有する不飽和モノマーそして官能性基をさらに含まない慣用の不飽和モノ
マーであってよい。好適なモノマー基の説明およびポリアクリレートの製造につ
いては、つや消し剤ペースト中に存在する（メタ）アクリル樹脂に関する上記の
説明を参照されたい。

【００４４】 個々のモノマーは、所望のヒドロキシル価および酸価が得られるような量で使
用される。 バインダー成分ａ）として優先的に使用されてよいポリ（メタ）アクリレート
は、単独でまたは組み合わせて使用されてよい。これは、別のヒドロキシ官能性
成分、例えば、ヒドロキシ官能性ポリエステルおよび／またはポリウレタンとの
、またはヒドロキシル基および／またはアミノ基を含む反応性の希釈剤との混合
物中に存在してもよい。

【００４５】 架橋剤として使用されてよいポリイソシアネート（成分ｂ）の例には、脂肪族
的、環状脂肪族的、芳香脂肪酸、そして／あるいは芳香族的に結合された遊離の
イソシアネート基を有する任意の有機ポリイソシアネートがある。ポリイソシア
ネートは室温で液状であるか、有機溶媒の添加によって液化される。ポリイソシ
アネートは一般に２３℃で１〜６０００、好ましくは５〜３０００未満のmPasを
有する。 ポリイソシアネートは好ましくは、排他的に脂肪族的および／または環状脂肪
族的に結合したイソシアネート基を有し、平均ＮＣＯ官能性が１.５〜５、好ま
しくは２〜４である、ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物であ
る。

【００４６】 例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとするいわゆる『ラッカー
ポリイソシアネート』つまり１−イソシアナト−３,３,５−トリメチル−５−イ
ソシアナトメチルシクロヘキサン（ＩＰＤＩ）および／またはビス（イソシアナ
トシクロヘキシル）メタンおよび、ビウレット、アロホネート、ウレタンおよび
／またはイソシアヌレート基を有するこのジイソシアネートのもともと知られた
誘導体が特に好適である。

【００４７】 １,１,６,６−テトラメチルヘキサメチレンジイソシアネート、１,５−ジブチ
ルペンタメチルジイソシアネート、ｐ−またはｍ−テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネートもまた好適である。好適なポリイソシアネートの別の例は、１,４
−シクロヘキサンジイソシアネート、１,２−シクロヘキサンジイソシアネート
、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネートである。 ジイソシアネートは例えば三量体化により、あるいは水または例えばトリメチ
ロールプロパンまたはグリセロールのようなポリオールとの反応によって慣用の
方法で官能性がより大きい化合物へと反応されてよい。

【００４８】 本発明のつや消し剤ペーストは、成分ｃ）としてコーティング化合物中に含有
される。コーティング化合物中のつや消し剤ペーストの割合は比較的広範に変化
してよい。全コーティング化合物中に、例えば５〜６０重量％、好ましくは２０
〜５５重量％のつや消し剤ペーストが含まれてよい。使用すべき量は例えば、当
該のバインダー系またはラッカー系に、また得るべき光沢および／または得るべ
きテクスチュア効果に依存する。 コーティング化合物中には１つまたはそれ以上の有機溶媒、顔料、充填剤およ
び／または慣用のラッカー添加剤が含まれてよい。

【００４９】 溶媒はバインダーの製造に由来してよくあるいは別個に添加されてよい。この
溶媒は当業者にとって既知の慣用のラッカー溶媒である。好適な溶媒の例は、グ
リコールエーテル例えばエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリ
コールジメチルエーテル；グリコールエーテルエステル例えばエチルグリコール
アセテート、ブチルグリコールアセテート、３−メトキシ−ｎ−ブチルアセテー
ト、ブチルジグリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート；エステル例
えばブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテート；ケトン例え
ばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン、芳香族炭化水素（例えば、１３６〜１８０℃の沸点範囲を有するもの）およ
び脂肪族炭化水素である。

【００５０】 コーティング剤中には、慣用の無機のおよび／または有機の着色した顔料およ
び／または充填剤および透明な顔料が含まれてよい。着色した無機または有機の
顔料または充填剤の例は、二酸化チタン、微粉化された二酸化チタン、酸化鉄顔
料、カーボンブラック、微粉化された雲母、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キ
ナクリドンまたはピロロピロール顔料、シリカ、硫酸バリウム、珪酸アルミニウ
ムまたは珪酸マグネシウムである。

【００５１】 コーティング化合物中には、特殊効果顔料もまた含まれてよい。特殊効果顔料
の例は、例えばアルミニウム、銅または他の金属の金属顔料；例えば金属酸化物
でコートされた金属顔料のような干渉顔料、例えば二酸化チタンでコートされた
かまたは混合酸化物でコートされたアルミニウム、例えば二酸化チタンでコート
された雲母のようなコートされた雲母、およびグラファイトの特殊効果顔料であ
る。

【００５２】 さらにまた、コーティング化合物はラッカー添加剤、例えば、微粒子シリカ、
層化された珪酸塩またはポリマー尿素化合物のようなレオロジー変更剤を含有し
てよい。沈降防止剤、平坦化剤、耐光剤、例えばシリコーン含有化合物のような
発砲防止剤、湿潤剤および接着促進物質もまた使用されてよい。 添加剤および補助剤は当業者にとって既知の慣用の量で使用される。 好ましいコーティング化合物は２パックの系である。従って、一緒に反応する
成分ａ）およびｂ）は別個に保存されなければならない。これらは場合によって
は顔料、充填剤および添加剤とともに施用の直前に一緒に混合される。必要なら
、噴霧粘度を調整するために溶媒が使用されてよい。

【００５３】 本発明のつや消し剤ペーストはコーティング化合物にいろいろな方法で添加さ
れてよい。製造されるべきラッカーが上方にあるベースからつくられる場合、つ
や消し剤ペーストは、ヒドロキシ官能性成分の製造に際して１成分として、一般
にベース成分として添加されてよい。製造されるべきラッカーが混合されたラッ
カーまたはモジュールの系によってつくられる場合、つや消し剤ペーストは、追
加的な混合ラッカーとして、混合ラッカーまたはモジュール系の構成分であって
よく、また色彩を付与するそして／あるいは特殊効果を付与する他の混合ラッカ
ーまたはモジュールの成分を用いて、予め定めた混合式に従って仕上がりラッカ
ーへと処理される。

【００５４】 つや消し剤および／またはテクスチュア付与剤の割合が高い場合でさえ、つや
消し剤ペーストの流動特性および処理特性が良好なことが保証されていることを
考慮すると、本発明のつや消し剤ペーストは固形物高含有混合ラッカー系中で追
加的な混合ラッカーとして特に有利に使用できる。当然ながら、つや消し剤ペー
ストは固形物の含有率がより低い混合ラッカー系中に、そして一般に固形物中含
有または低含有のラッカーを製造するためにやはり使用されてよい。

【００５５】 本発明のつや消し剤ペーストは容易に計量できる。長期の保存の後でさえ、ペ
ースト中でのテクスチュア付与剤および／またはつや消し剤の沈降はみられない
。 つや消し剤ペーストを含有するコーティング化合物は、空気乾燥または強制乾
燥の多層コーティングの顔料添加されたかまたは透明なトップコートをつくるの
に特に好適である。しかしながら、この化合物は例えば８０℃から１４０℃まで
の比較的高い温度で硬化されることもできる。つや消し剤ペーストを含有するコ
ーティング化合物は、比較的大きな表面上でさえ均一な噴霧パターンを与えるこ
とになる。見苦しい斑点はできない。

【００５６】 つや消し剤ペーストおよびこれを含有するコーティング化合物は自動車および
工業的ラッカー塗装、特に自動車の再仕上げに使用されてよい。これらは金属基
材を塗装するのに使用されてよいが、プラスチック基材を塗装するのにも使用さ
れてよい。つや消し剤ペーストは弾性付与効果を同時に発揮するのでラッカー中
に追加的な弾性付与剤が不必要であることは、プラスチック部品の塗装での有利
性である。

【００５７】 つや消し剤ペーストを含有するコーティング化合物は周知の方法によって、好
ましくは噴霧によって施される。透明なクリアラッカー層は例えば慣用のまたは
水性のベースラッカーに施されてよく、次いで両方の層が、例えば１５〜４５分
にわたって、例えば４０〜８０℃で一緒に硬化される。慣用の１パックまたは２
パックのサーフェサー層に顔料添加されたトップコート層が施され、同様に硬化
されてよい。

【００５８】 所望される光沢により、つや消しのまたは鈍い色の表面を有するコーティング
は、本発明のつや消し剤ペーストを含有するコーティング化合物により得られる
。テクスチュア付与剤が添加される場合は、所望のテクスチュア効果がよく発現
される。 以下の実施例に基づいて本発明を一層詳細に説明する。

【００５９】 実施例 １ａ) つや消し剤ペーストの調製 以下の成分から混合および分散することによりペーストを調製した。 ３０.０重量部の、キシレン中６０％の揺変性アクリル樹脂（Halwemer F220
0） ４.０重量部の市販の湿潤剤 ２５.０重量部の滑石 ４.０重量部の発熱シリカをベースとする市販のつや消し剤 ０.０２重量部のジブチル錫ジラウレート ３５.３重量部のブチルアセテート

【００６０】 １ｂ) テクスチュア付与ペースト 以下の成分から混合および分散することによりペーストを調製した。 ３０.０重量部の、キシレン中６０％の揺変性アクリル樹脂（Halwemer F220
0） １０.０重量部の市販の沈降防止剤 ８.０重量部の発熱シリカをベースとする市販のつや消し剤 １３.０重量部のポリアミド顆粒をベースとする市販のテクスチュア付与剤 ３４.０重量部のブチルアセテート このようにして調製されたペーストは自由流動性であった。ペーストの、およ
びこれを含有するラッカーの部分的に乾燥された残留物は実質的に砕けずそして
例えばカンの縁に接着したままであった。ペーストは長期の保存の後でさえ沈降
を何ら示さなかった。

【００６１】 ２) トップコートの調製 ２ａ) つや消し剤ペーストを使用して １ａ）に従ってつくった１容積部のつや消し剤ペーストを１容積部のベース成
分（Standox Standocryl(登録商標)２パックＨＳトップコート、ブルー）および
１容積部のポリイソシアネート硬化剤（Standox(登録商標)２パックＨＳ硬化剤
、ショート）と完全に混合した。 ２ｂ) テクスチュア付与ペーストを使用して １ｂ）に従ってつくった１容積部のテクスチュア付与ペーストを１容積部のベ
ース成分（Standocryl(登録商標)２パックＨＳトップコート、ブルー）および１
容積部のポリイソシアネート硬化剤（Standox(登録商標)２パックＨＳ硬化剤、
ショート）と完全に混合した。

【００６２】 このようにして得たトップコートを、慣用のプライマーおよびサーフェサーで
各々の場合塗装されたプラスチック基材に施した。１０分間のフラッシュオフ時
間の後、６０℃で３０分間硬化を実施した。 プラスチックのラッカー塗装に関する通常の要求を満足するつや消しされたか
またテクスチュアが付与された表面を得た。トップコートは見苦しい斑点のない
均一な噴霧パターンになった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０９Ｄ 5/28 Ｃ０９Ｄ 5/28 133/00 133/00 167/00 167/00 (72)発明者 ウード・ヘルマン ドイツ連邦共和国デー−42897レムシャイ ト．パウル−ヴィントガセン−シュトラー セ27 (72)発明者 ヴェルナー・シュテファン ドイツ連邦共和国デー−42111ヴッパータ ール．ヴェストファーレンヴェーク169 (72)発明者 ヴォルフガング・シュトリッカー ドイツ連邦共和国デー−42897レムシャイ ト．リュートリングハウザーシュトラーセ 38 Ｆターム(参考） 4D075 AE03 CB02 DA06 DB01 DB31 DC12 DC13 EA07 EA14 EB07 EB22 EB32 EB35 EB36 EB38 EB39 EB45 EB56 EC13 EC23 EC30 EC33 EC37 EC54 EC60 4J002 AA07Y BG00W CF00X FD20Y FD206 FD207 GH00 GH01 GH02 4J038 CG001 DD001 DG002 DG332 DH002 KA03 KA06 KA08

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ａ) ５〜３０重量％の１つまたはそれ以上の揺変性の（メタ
   ）アクリルコポリマーおよび／または１つまたはそれ以上の揺変性ポリエステル
   、 Ｂ) １５〜４５重量％の１つまたはそれ以上のつや消し剤および／またはテク
   スチュア付与剤 Ｃ) ３０〜６５重量％の１つまたはそれ以上の有機溶媒 を含有し、また場合によっては湿潤および分散剤、レオロジー変更剤、触媒そし
   て場合によっては別の添加剤および補助剤を含有し、成分Ａ）、Ｂ）およびＣ）
   の割合を合計すると１００重量％となり、また揺変性（メタ）アクリルコポリマ
   ーおよび／または揺変性ポリエステル：つや消し剤および／またはテクスチュア
   付与剤の重量比が１：６〜１：０.８である、つや消し剤および／またはテクス
   チュア付与剤を含有するペースト。
2. 【請求項２】 成分Ａ）の（メタ）アクリル樹脂および／またはポリエステ
   ル樹脂が慣用の揺変剤を添加することにより揺変性化されることを特徴とする請
   求項１に記載のペースト。
3. 【請求項３】 揺変剤が窒素を含有することを特徴とする請求項２に記載の
   ペースト。
4. 【請求項４】 揺変剤がＳＣＡ剤（ＳＣＡ＝Sag Control Agent）、ポリウ
   レタン、ポリウレタン尿素、ポリ尿素および／またはポリアミドであることを特
   徴とする請求項３に記載のペースト。
5. 【請求項５】 揺変性の（メタ）アクリル樹脂および／またはポリエステル
   樹脂中での（メタ）アクリレートおよび／またはポリエステルの割合と揺変剤の
   割合との重量比が９５：５〜５０：５０であることを特徴とする請求項２、３ま
   たは４に記載のペースト。
6. 【請求項６】 揺変性の（メタ）アクリル樹脂および／またはポリエステル
   樹脂が固形樹脂１００ｇあたり１０〜１５０ミリモルの窒素を有することを特徴
   とする請求項３、４または５に記載のペースト。
7. 【請求項７】 つや消し剤および／またはテクスチュア付与剤の全量に基づ
   き６５〜９０重量％の、つや消し効果を有する小板状の充填剤が追加的なつや消
   し剤として使用されることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載のペ
   ースト。
8. 【請求項８】 ａ) １つまたはそれ以上のフィルム形成性バインダー ｂ) 場合によっては、１つまたはそれ以上の架橋剤、そして 場合によっては１つまたはそれ以上の有機溶媒、顔料、充填剤、慣用のラッカ
   ー添加剤および／または補助剤 を含有するコーティング化合物であって、それが ｃ) 請求項１〜６のいずれか１項のペースト を含有することを特徴とする上記コーティング化合物。
9. 【請求項９】 請求項１〜６のいずれか１項のペーストがモジュールとし
   て保管されそしてコーティング化合物の使用に先立ってペーストがこの化合物に
   添加されることを特徴とする、つや消しまたはテクスチュア付与用のコーティン
   グ化合物を製造する方法。
10. 【請求項１０】 つや消しまたはテクスチュア付与用のコーティング化合物
    を製造するための請求項１〜６のいずれか１項のペーストの使用。
11. 【請求項１１】 つや消しの、鈍い色のおよび／またはテクスチュアの付与
    された表面をつくるための請求項１〜６のいずれか１項のペーストおよびコーテ
    ィング剤の使用。
12. 【請求項１２】 特に自動車の分野での多層ラッカー塗装における顔料添加
    されたかまたは顔料添加されていないトップコート層をつくるための請求項１〜
    ６のいずれか１項のペーストおよびコーティング剤の使用。