JP2002541789A - 機能的に欠失されたhxk2遺伝子を含む酵母バイオマスの生産方法 - Google Patents

機能的に欠失されたhxk2遺伝子を含む酵母バイオマスの生産方法

Info

Publication number
JP2002541789A
JP2002541789A JP2000611647A JP2000611647A JP2002541789A JP 2002541789 A JP2002541789 A JP 2002541789A JP 2000611647 A JP2000611647 A JP 2000611647A JP 2000611647 A JP2000611647 A JP 2000611647A JP 2002541789 A JP2002541789 A JP 2002541789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
growth
fermentation
biomass
culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000611647A
Other languages
English (en)
Inventor
ダム カレル ファン
ヨハネス アントニウス ベルデン
ロウリナ マデレイネ ラームスドンク
ヤスパー アンドリエス ディデリッチ
アルトゥール レオ クルッケベルク
Original Assignee
ユニヴェルシテイト ファン アムステルダム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴェルシテイト ファン アムステルダム filed Critical ユニヴェルシテイト ファン アムステルダム
Publication of JP2002541789A publication Critical patent/JP2002541789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • C12N1/16Yeasts; Culture media therefor

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、酵母培養物の培養によって商業スケールで酵母バイオマスを生産するための方法であって、酵母培養物が1以上の機能的に欠失されたHXK2遺伝子又は類似体を含む方法、及び前記方法によって得られる酵母バイオマスに関する。本発明は、さらに、前記バイオマスから作られる圧搾酵母、クリーム酵母又は乾燥酵母に関する。さらに、本発明は、1以上の機能的に欠失されたHXK2遺伝子又はその類似体を含む酵母培養物を使用するタンパク質又は二次代謝産物の生産方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵母培養物の培養によって商業スケールで酵母バイオマスを生産する
ための方法であって、酵母培養物が1以上の機能的に欠失されたHXK2遺伝子又は
類似体を含む方法、及び前記方法によって得られる酵母バイオマスに関する。
【0002】発明の背景 酵母、特にサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)は、多く
の異なる生物工学的方法で使用される。これらは、酵母細胞の代謝期に従って広
く2つのカテゴリーに分けられ得る。 ワイン又はビールのような飲料用、又は燃料用のエタノールの生産並びにパン
の生産のために生地をふくらませる(leavening)間のCO2の生成は、発酵性の増
殖条件下で起こる。これらの発酵方法の組み合わせは、同様に公知である。呼吸
性の増殖条件下で、酵母バイオマスは、大規模な発酵方法で商業的に生産される
。このようにして得られる酵母バイオマスは、伝統的な成分としてパン焼き(bak
ing)業界で使用され得、又は食品業界において風味のいいフレーバーとして使用
される酵母抽出物に、更に処理され得る。まだ他の例には、タンパク質又は他の
栄養素の生産のための酵母の培養が含まれる。近年、酵母培養株は、二次代謝産
物又は他の現代生物工学的物質の組換え型(異種)タンパク質の生産のためにま
すます使用される。酵母バイオマスの十分な量の生産も中心に位置し、及び、し
ばしば先導し、又は全ての発酵性の酵母方法のために、及び発酵方法を十分に開
始するのに利用できる十分な酵母を作るためにあらかじめ必要である。
【0003】 2つの異なる方法カテゴリーは、エネルギー生産のための発酵性基質の代謝に
対する発酵性及び呼吸性の経路の存在に依存する。発酵は、発酵性基質の、主に
エタノール及びCO2への転換である。呼吸は、完全に酸化された最終生成物(
例えばCO2)への酸素の消費をともなう基質の転換である。 酵母は、その細胞構成を増殖の各様式に対して、融通を利かせて適応させるこ
とができるが、時には処置しにくい生物である。これらの様式は、基質における
バイオマスの収率の点でかなり相違する。酵母バイオマスを好気的に生産するた
めに、呼吸性の増殖は、好ましい方法である。酵母の適用のために、通常、発酵
性の増殖条件の間に得られる代謝特性がしばしば要求される。両様式は、最適化
された生産に達するために十分に取扱われなければならない。例えば、両タイプ
の増殖は、パン焼き業界で必要である。パン酵母生産の1つの挑戦は、生産期の
間における吸収性炭素からバイオマスへの転換の有効性を最適化する一方で、酵
母が生地に良好なふくらまし特性を有するよう確保することである。さらに重要
なことは、貯蔵の間のふくらまし特性の維持である。他の呼吸性の酵母培養方法
は、バイオマス生産と、最適なエンドユース特性とのバランス(フレーバー、異
種タンパク質生産等)に対する同様の複雑な要求がある。
【0004】 増殖の発酵性様式は、嫌気的条件の下に得られる。ここで、代謝のバランスは
、酸素の供給なしでは基質を完全に酸化できない。さらに、多くの酵母株は、好
気的条件で発酵性基質が過度に存在する場合、呼吸代謝(いわゆる呼吸発酵性様
式(respiro-fermentative mode))に対応する発酵活性を示す。純粋な呼吸性増
殖は、好気的条件かつ非抑制的基質濃度で得られる。純粋な呼吸活性に加えて、
発酵活性の開始は、発酵性の基質の限界濃度と相関する限界増殖速度をマークす
る。この限界増殖速度は、酵母の呼吸容量を表示する。 発酵性の基質(特にグルコース)の濃度が高いと、呼吸容量(グルコース抑制
として公知の方法)を含め、多くの代謝機能が抑制される。グルコース抑制は、
発酵性様式の方へシフトするようになる。酵母バイオマスの効率的生産のために
、発酵性増殖様式は、避けられなければならない。これは、嫌気的条件(通気不
足(under-aeration))及び基質の過剰の双方を避けなければならないことを意味
する。
【0005】 グルコース抑制は、他の全ての炭素及びエネルギー源に優先してグルコースを
使用するサッカロミセス セレビシエのような酵母において見られる。この優先
は、グルコースが利用できる場合、他の炭素源の利用に必要な遺伝子の抑制に影
響される(Johnston及びCarlson、1992)。スクロース、マルトース及びガラク
トースの利用に要求される遺伝子は、グルコース抑制(glucose-repressed)され
る。さらに、呼吸を含めたミトコンドリアの酵素の合成のため、そして糖新生の
炭素源の利用のために要求される多くの遺伝子も、グルコースによって抑制され
る(Gancedo、1998)。 機能的に欠失されたHXK2遺伝子又はその機能的な類似体を含む酵母は、特に、
好気的にグルコースで増殖した場合、機能的なグルコース抑制を示さない(Ma及
びBotstein、1994)。前記遺伝子(HXK2)は、酵素ヘキソキナーゼ2(Hxk2)を
コード化する。ヘキソキナーゼ2(Hxk2)は、S.セレビシエのグルコースをリン
酸化し得る3つの酵素のうちの1つである(Lobo及びMaitra、1977)。グルコー
スリン酸化は、ピルバートに導く解糖系の第1細胞内工程である(これは、発酵
性及び呼吸性の異化経路の間の分岐点で起こる代謝産物である)。2つの他の酵
素、ヘキソキナーゼ1及びグルコキナーゼは、Hxk2に部分的に重複しており;こ
れらは、異なる速度論的性質を有し、及び異なる増殖段階で通常発現される(Ga
ncedo、1998を参照のこと)。
【0006】 機能的Hxk2を欠く突然変異株は、グルコースで増殖し得る。多数のHXK2変異に
ついての研究において、異なる点突然変異を保有する株は、野生型速度から検出
不可能なところまで変動する増殖速度を示した(これらの株は、同様にHXK1にお
けるゼロ変異を保有する)。これらの同じ著者は、HXK2のみ(すなわち、野生型
HXK1が存在する)におけるゼロ変異は、増殖培地に依存して、増殖速度を17から
52%まで減少する(Maら、1989a)ことを見出した。意外にも、これらの著者は
、インビトロにおける変異酵素の残りのヘキソキナーゼ活性と、この酵素をその
唯一の糖リン酸化活性としてインビボにおいて発現する株の増殖速度との間に、
明らかな関連性を見いだしていない(Maら、1989b)。ヘキソースリン酸化におけ
るHxk2の機能は、細胞のグルコース抑制状態を制御する際のその機能とは形式的
に別であることが示されている(Entian及びFrohlich, 1984)。周囲の環境におけ
るグルコース濃度は、Hxk2の制御状態に影響を及ぼすシグナルに転換される。
【0007】 発酵による微生物バイオマスの生産は、以下のいくつかの方法:すなわち、バ
ッチ様式、流加(fed-batch)様式、連続培養、バッチと流加様式の組合せ、又は
、繰り返し流加様式又は他のいかなる組み合わせで行われ得る。 バッチ様式発酵プロセスは、基質を含む増殖培地を、発酵槽に加え、次いで、
培地を微生物の前培養で接種することによって特徴づけられる。酸素は、増殖培
地の通気によって供給され得る。一定の時間の後、1又はいくつかの栄養素を枯
渇させ、最大の細胞密度は、バイオマスを収集し得る後に得られる。発酵性の基
質の最初の過剰及び起こり得る通気不足は、酵母バイオマスの効率的生産に都合
がよくない。培養は、発酵性増殖に急速に変化し、及びその方法の収率及び生産
性を低下するエタノール及びCO2の生産を開始する。
【0008】 流加発酵方法は、基質を含む完全培地が発酵プロセスの始めでは加えられない
が、培地の一部が連続的又は断続的供給として加えられることによって特徴づけ
られる。たとえば、グルコース及び他の必須栄養素は、増殖-制限型の培養物に
供給される。供給速度は、発酵槽の酸素伝達能力を越えない速度に調整される。
例えば、パン酵母生産は、通常、糖蜜を基質として使用し、これは、高サッカロ
ース濃度を有する。サッカロースは、酵素インベルターゼによってグルコース及
びフルクトースに加水分解される。また、基質からバイオマスへの効率的転換を
維持するために、生産プロセスは、最大酸素伝達能力未満の速度で供給すること
によって好気的に行われる。混合が不規則であると、糖基質の高い濃度が、エタ
ノールの付随的生産及び呼吸容量における抑制的効果をともなって局部的に起き
る。非抑制条件でエタノールを消費しても、代謝経路の特性のために、収率が減
少する。
【0009】 連続培養条件下の生産プロセスは、バイオマス-含有流出液が発酵から連続的
に又は断続的に除去されることを除き、流加方法に類似する。 さらに、生産プロセスは、バッチ及び流加の異なる様式と連続培養との組み合
わせによって、行われてもよい。 一般に、酵母バイオマス生産のコストは、バイオマスの量/基質の量として表
現される収率、及び発酵槽の生産性に大きく依存する。酵母によるエタノール生
産は、収率が減少し、これによりコストは増大する。エタノール形成を避けるた
めに増殖速度を限界値未満にしておく必要があるため生産性は減少する。したが
って、収率及び生産性は、最も低い生産コストを得るために慎重にバランスを保
たせる必要があり、それによって、平衡点は、酵母の代謝特性に依存する。グル
コース抑制に対する酵母株の感受性は、前記の平衡点をより低い生産性の方へシ
フトする。バイオマス生成物の適用特性における更なる要求は、平衡点の確立を
悪化させ、この方法は、長年の生物工学及び遺伝の開発にもかかわらず、全く最
適化されていない。実際、Harrison(1971)が、「発酵活性以外の多くの特性が
パン酵母において異なる程度に要求されるように、いくつかの拮抗的市販酵母は
、最良の歩み寄りと思われるバランスを提供する」と記載するように、パン酵母
株上の研究及び開発の状態は、1971年以後ほとんど変化していない。グルコース
抑制に対する株の耐性の増加を通じたパン酵母生産の改良についての進行は、ほ
とんど報告されなかった。 本発明は、グルコース抑制にほとんど又は全く感受性でない酵母培養株を使用
することにより、酵母バイオマスの生産のためのよりコスト効果的で、商業的な
方法を提供する。
【0010】発明の要約 1つの態様では、本発明は商業スケールでの酵母培養物の培養によって特徴づ
けられる酵母バイオマスの生産方法であって、この酵母培養物は、1以上の機能
的に欠失されたHXK2遺伝子又はその類似体を含み、及び1以上の発酵性炭素源を
含む増殖培地において好気的に前記酵母培養物を増殖させることによる方法を提
供する。 別の態様においては、本発明は、1以上の機能的に欠失されたHXK2遺伝子また
はその類似体を含む酵母培養物を用いたタンパク質または二次代謝産物の生産方
法であって、本発明によって提供される方法に従う酵母培養物を培養することに
よる方法を提供する。 更なる態様においては、本発明は、本発明の方法によって得られる酵母バイオ
マスまたはその誘導体を提供する。 別の態様においては、本発明は、本発明によって提供される酵母バイオマスか
ら作られた、圧搾酵母、クリーム酵母または乾燥酵母を提供する。
【0011】発明の詳細な説明 酵母バイオマスは、蓄積された酵母またはイースト細胞として定義されるか、
またはイースト細胞に由来する化合物又は物質として定義される。これは、その
後、多数の目的のため、例えば、生地立ち上がり(rising)のための成分のため(
圧搾酵母、クリーム酵母または乾燥酵母の形で)、例えば、処理された食品の成
分として、(異種)タンパク質またはペプチド源として、栄養素源、例えばアミ
ノ酸、ビタミン源として、二次代謝産物のソースとして、製剤成分のソースとし
て使われ得る。 機能的に欠失されたHXK2遺伝子は、機能的非活性Hxk2になる置換、挿入または
欠失によって作られる、遺伝子の完全な欠失または遺伝子保有突然変異として定
義される。HXK2-遺伝子の類似体は、糖利用及び規定の性質に関し、Hxk2と同じ
機能を示すタンパク質コード化遺伝子である。 商業スケールの培養は、ここで、発酵槽で、0.5リットルを超える容積で行わ
れる発酵プロセスとして定義される。
【0012】 一つの態様では、本発明は、商業スケールの酵母培養物の培養によって特徴づ
けられる酵母バイオマスの生産方法であって、この酵母培養物は、1以上の機能
的に欠失されたHXK2遺伝子またはその類似体を含み、及び前記酵母培養を1以上
の発酵性炭素源を含む増殖培地において好気的に増殖することによる方法を提供
する。炭素源は、好ましくは糖類であり、より好ましくは、グルコース、フルク
トース、マルトース、サッカロース、ガラクトース及びラフィノースからなる群
に属する。酵母は、好ましくは、属サッカロミセスまたはクルイベロミセス(Klu
yveromyces)に属する。より好適な種は、サッカロミセス セレビシエ、クルイ
ベロミセス ラクティス(lactis)またはクルイベロミセス マキシアヌス(marxi
anus)である。グルコース抑制経路が機能的に欠失される酵母培養物、例えば、
機能的に欠失されたHXK2遺伝子またはその類似体を保持するものは、伝統的な株
に酵母バイオマスの生産の点で、特に好気条件下で勝る大きな利点を有する。こ
れは、商業スケールバイオマス生産方法において、酵母培養物が、収率を維持し
及び改善する前記方法の生産性を改善するからである。さらに、酵母培養物とは
対照的に、これが伝統的にバイオマス生産のために使用され、一以上の機能的に
欠失されたHXK2遺伝子又は類似体を含む酵母培養物は、ふくらまし容量を維持す
ることがわかった。
【0013】 特に、全く又は減少したグルコース抑制を示す前記酵母培養物は、グルコース
の存在下で好気的に増殖する場合、接種材料のバッチ生産において、又は生産物
培養の開始段階において都合よく適用され得る。前記培養物は、例えば、この条
件で偶然に生産されるエタノールによっては妨害されない。さらに、これらの条
件での前記酵母培養物の呼吸容量がより高いと、非抑制条件が導入される後の適
応時間において、増殖速度がより高くなる。これらの培養物は、グルコースで好
気的に増殖される場合に直ちに呼吸性増殖を示し、前記呼吸性増殖に必要な酵素
合成のグルコース起因性抑制によって阻止されることはない。例えば、グルコー
スにおける最初の増殖の間の増加した酸素消費量容量、及びその後のより高い増
殖速度の提示によって特徴づけられる。エタノール産生が減少すると、収率が改
善され、より高い増殖速度が適用されると、発酵時間が減少しかつ生産性が向上
し、双方ともコストの減少になる。グルコース抑制耐性株を適用すると、エタノ
ールターンオーバーが減少し、かつ及び限界増殖速度が明らかに高くなる。これ
は、混合の不規則性により、エタノールの付随物生産及び呼吸容量への抑制的効
果をともなって局部的に糖基質が高濃度になる場合である。
【0014】 組換え型酵母株の使用が要求されないそれらの適用に対し、グルコース抑制経
路に欠陥を有する突然変異は、伝統的な突然変異誘発及び選択によって単離され
得る。この種の突然変異のためのスクリーニングの1つの方法は、高いグルコー
ス濃度を有する培地の前培養の後に、細胞の突然変異誘発された個体群のスクロ
ース又はエタノール及びグリセリンの急増殖に対する選択による。この方法は、
非常に望まれる場合は、所望の表現型を最適化するため、連続的に繰り返される
。従って、これらの選ばれた酵母変異株は、本発明によって提供される培養にお
いて都合よく使われてもよい。他の選択法は、「不必要なリプレッサ」、すなわ
ちそれ自身代謝性でないグルコース類似体(例えば2-デオキシグルコース,5-チオ
グルコース等)を使用することにある。突然変異誘発された株は、スクロースま
たはエタノール及びグリセリン及び不必要なリプレッサを含む培地での増殖のた
めに選択される。
【0015】 本発明の第2態様において、発酵による酵母バイオマスの生産方法は、バッチ
様式で行なわれ、それにより、増殖培地は、まず最初に発酵性炭素源を非増殖制
限濃度で含む。好ましくは、前記炭素源の濃度は、リットル当たり1ミリモルよ
り大きく、より好ましくは、リットル当たり5ミリモルより大きく、最も好まし
くはリットル当たり10ミリモルより大きい。 発明の第3態様において、発酵による酵母バイオマスの生産方法は、流加様式
で行なわれ、それによって増殖培地の成分は、増殖制限的であり及び供給流にお
ける発酵培地に供給される。この増殖制限成分は、アンモニアのような窒素源で
あり得、または、上記糖類のような炭素源であり得る。
【0016】 第4態様において、発酵による酵母バイオマスの生産方法は、連続培養として
行なわれ、及び、増殖培地の成分は、増殖制限的である。この増殖制限成分は、
アンモニアのような窒素源であり得、または、上記糖類のような炭素源であり得
る。 第5態様において、発酵による酵母バイオマスの生産方法は、次の工程を含む
。最初に、バッチ様式の発酵は、上記のように行われる。初期の非増殖制限濃度
での炭素源は、酵母バイオマスの付随物蓄積に費やされる。炭素源の消費の後、
発酵方法は流加様式に変えられ、それによって、この場合、炭素源は増殖制限的
であり及び供給流における発酵培地に供給される。 第6の態様において、本発明は、酵母バイオマス又はこれに由来する物質であ
って、本発明の生産方法によって得られるものを提供する。この酵母は、好まし
くは、属のサッカロミセス又はクルイベロミセスに属する。より好ましい種は、
サッカロミセス セレビシエ、クルイベロミセス ラクティス又はクルイベロミ
セス マキシアヌスである。前記バイオマスは、かなりの量のグルコースを含む
培養培地で生産されるにもかかわらず、一般に、エタノール又は発酵増殖の他の
副生物を全く含まないか又はほんのわずかしか含まない。
【0017】 第7の態様において、本発明は、1以上の機能的に欠失されたHXK2遺伝子又は
その類似体を含む酵母培養物を使用するタンパク質又は二次代謝産物の生産方法
であって、本発明の生産方法によって酵母を培養する方法を提供する。例えば、
酵母は、収穫される所望のタンパク質様物質(ペプチド、ポリペプチドまたは付
加的な非タンパク性の群を任意に含むタンパク質)をコード化する核酸または前
記酵母の付加的な酵素反応を提供する酵素を含む。この種の酵素(タンパク質様
物質それ自身)は、特に所望の生成物、例えばタンパク質または前記酵母から得
られる二次代謝産物の付加的な改良を提供するのに役に立つ。または酵母は、1
以上の機能的に欠失されたHXK2遺伝子も異種核酸を含むことに加えて、いかなる
生成物、例えば非常に増強された変換効率を有する異種タンパク質または二次代
謝産物を、糖基質がエタノールの浪費的な生産なしで酸化されるという事実の結
果として生産するために用いられる。
【0018】 第8態様において、本発明は、本発明の生産方法によって得られる前記酵母バ
イオマスから作られる、圧搾酵母、クリーム酵母または乾燥酵母を提供する。酵
母は、属サッカロミセス又はクルイベロミセスに好ましくは属している。より好
ましい種は、サッカロミセス セレビシエ、クルイベロミセス ラクティス又は
クルイベロミセス マキシアヌスである。
【0019】
【実施例】
例1バッチ培養のサッカロミセス セレビシエの増殖及びグルコース代謝におけるHX K2欠失の効果 1.1 HXK2のない酵母株の構築 P. Kotter博士(フランクフルト,ドイツ)から好意的に提供されたサッカロミ
セス セレビシエ野生型株CEN.PK 113-7D(MATa,MAL2-8c SUC2)を、HXK2遺伝子
を欠いている突然変異株の構築のために使用した。酵母の遺伝的変種、すなわち
酵母ゲノムの核酸の一以上の部分が欠失するかまたは変化すること、又は、酵母
ゲノムに付加的な異種核酸を提供することは、それ自身、公知の技術である。こ
こで、HXK2遺伝子を、PCRベースの遺伝子破壊によって機能的に欠失し及びkanMX
マーカーによって置換した。すなわち、PCRプライマーAK53(SEQ ID 1)及びAK5
4(SEQ ID 2)を、プラスミドpFA6A-kanMX4(Wachら、1994)、デオキシヌクレ
オチド、及びExpandTM DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim)を有するPC
R法において、HXK2-特異的kanMX遺伝子置換モジュールを生産するために使用し
た。このDNAモジュールは酵母株にトランスフォームされ、及び、形質転換細胞
を、抗生のG418に耐性として選択した。耐性の単離を、診断PCRによってkanMXを
有するHXK2の置換を有するために検証した。
【0020】 1.2 HXK2欠失の生理学的結果 野生型酵母株及びHxk2機能的欠失株を、2%グルコースを含む最小培地で1リッ
トルの容積を有する発酵槽のバッチ培養において増殖した。双方の株の増殖は、
600nmで培養株の光学密度を測定することによってモニターした。増殖の間、グ
ルコース及びエタノール測定のために試料を取った。呼吸活性の指標としての酸
素消費速度の測定のために試料を取った。グルコース輸送の特性は、一定のキー
ポイントで増殖の間、測定した。
【0021】 1.3 増殖特性 機能的に欠失しているHXK2遺伝子は、最小のグルコース培地における増殖特性
に著しく影響する(図1)。低い光学密度で、双方の株は、類似の増殖速度を示
した。より高い光学密度(約4)で、野生型は、増殖の遅れを示した。対照的に
、突然変異株はその同じ光学密度で遅れを示さなかった。HXK2突然変異株におい
て、ジオーキシーシフトの現象は、起こらないか又はより高い光学密度で起こる
。野生型酵母株において、増殖の三段階は、区別されてもよい:指数増殖の第1
段階の間、グルコースの実質的な量は、エタノール(及びC02(図2及び3))に
転換される。その後、野生型酵母は、グルコース上の増殖の間、生産されるエタ
ノール(及びグリセリン)を消費する。機能的に欠失されたHxk2突然変異株にお
いて、指数増殖の第1期の間、エタノール又はグリセリンは、実質的な量で生産
されない。生産される(生ずる)バイオマスの量は、指数増殖の間、野生型株に
対するよりも高い(図1)。グルコースは、野生型株の場合のように、最初にエ
タノールまで発酵される代わりに、直接バイオマスに変えられる。より高い光学
密度で、突然変異株は、エタノール及びグリセリンを生産する。そして、それは
、グルコース消耗の後、再び転換されるだけである;これは、高バイオマス密度
でのいくらかの限定の人為的結果であるかもしれない。
【0022】 1.4 グルコースにおける増殖の間の酸素消費量容量 細胞がグルコースにおいて指数的に増殖する場合、野生型株(図4)において
、酸素消費量容量は比較的低い。グルコース消耗の後にのみ、まさに酸素消費量
容量が増加する(グルコース抑制の解除)。Hxk2突然変異株において、細胞が指
数的にグルコースにおいて増殖する場合、酸素消費量容量は著しく高い。より低
いグルコース濃度又は高い細胞密度で、酸素消費量能力は、減少する。
【0023】 例2流加培養法のサッカロミケスセレビシエのHXK2-欠失の影響 縮小された生産発酵を、Chen及びChiyer(1985)に提示された一般的スキーム
に従って行った。培地及び生理学的条件は、当業者に公知の方法及び言及された
文献に従った。この方法は、酵母-ペプトン(YP)培地中の野生型株及び同遺伝
子型のHXK2突然変異株完全増殖バッチ培養で始めた。バッチ培養の材料を、6リ
ットルの作用(working)体積及び3リットルの初期体積の発酵槽に移した。糖蜜及
びNH3溶液を、プレ設計されたコンピュータ制御プロファイルに従う発酵槽に供
給した。NH4 +は、培養の要求を上回る速度で供給されるが、培養液の非常に高い
濃度を防止する。糖蜜供給は、一定速度で開始し、この速度、発酵初期の時間の
呼吸容量をわずかに上回っており、いくらかのエタノールを形成し、この速度は
、バイオマスの増加に伴って減少した。生産されたエタノールの消費が開始され
た後、糖蜜の供給速度は、指数的に増大したが、一部の発酵が残っている間は限
界速度未満に保たれていた。酸素消費速度が酸素伝達能力に近接している場合、
通気速度は高く、及びエタノール形成は、時折発酵の終わりの少量を除いて得ら
れない。この発酵のバイオマスの一部は、限られた量の時間の洗浄及び濃縮及び
冷蔵庫での貯蔵の後、次の生産発酵のための接種材料として使用される。
【0024】 主な(生産)発酵は、より多量の接種材料を適用すること及びその結果による
糖蜜及びNH4 +のより高い供給速度を除き、基本的に同じスキームが続く。糖蜜の
供給速度を、親又は突然変異株の呼吸容量を越えない最大を有するこの試験で計
画した。エタノール形成は、これらの条件の下では起こらなかった。酸素伝達能
力の限定のために、供給速度は発酵の最後の段階の最大値に保持され、その結果
、バイオマス濃度の増加と共に増殖速度が減少した。熟成工程は、発酵の終わり
であって洗浄、及び遠心分離並びにフィルタープレスの最終濃縮による濃縮の前
に含まれた。得られる湿性の酵母生成物は、約30%の乾燥物質含量を有する。
【0025】 これらの発酵の計画は、増殖速度、酸素摂取量及び二酸化炭素生産速度及びエ
タノール形成の欠如の、生理的に等しい条件の下で、双方の野生型及び突然変異
株の増殖を許容することを目的とする。糖蜜の供給速度が双方の株の限界増殖速
度未満に保持されるように、この結果を得た。従って、生成物の品質は、生理的
に等しい条件に対して比較され得る。生成物の品質は、生地周囲の状況のガス発
生に対する標準試験について測定される。小麦粉の量に対して、生地は、水55%
、塩2%、及び乾燥酵母固形物0.45%を含む。生地は、標準方法に混入されて、適
切に開発された生地を得た。及び、その後、Burrows及びHarrison(1959)によ
って本質的に記載されたガス生成物測定装置に28℃で設置し、及び、3時間まで
インキューベートした。生産されるガス量は、Kjeldahlに従って測定される窒素
1 mgを含む酵母の量によって、生産されるガス量に対して再計算される。これ
らの条件下で親株によって生産されるガス量は、約7mlである。試験は、1〜7日
間、インキュベータに30℃で保管された試料で繰り返され、ガス発生力の保持性
に対する図を得た。 表1において、双方の株の相対的なガス発生力値を比較した(親株に対する値
を100%とした)。新鮮な材料のガス発生値にわずかな差があるが、ガス発生力の
保持性に驚くべき効果がある。この効果は、呼吸性の、非抑圧的グルコース制限
条件で増殖される場合でも、Hxk2欠失のより多くの効果があることを示す。
【0026】 表1
【0027】 例3連続培養の限界増殖速度におけるサッカロミセス セレビシエのHXK2欠失の効果 連続培養を、Hoek ら(1998)によって記載されているように、0.7リットルの
体積と例1で説明したような最小培地を有する発酵槽中で行った。供給における
グルコースの濃度は、7.5g/kgであった。増殖速度は、各工程において4回1/Dの
定常状態条件を考慮に入れた次の工程で増大された。0.2h-1より高い希釈速度で
、工程は、最大限で0.025h-1であり、及び、次の工程が行われる前に、少なくと
も12時間が経過した。エタノール形成が最初に見られた希釈速度は、限界増殖速
度と呼ばれている。 親株及びHxk2-変異株の限界増殖速度は、この方法に従って測定された。それ
ぞれ、0.3W及び0.35Wの値が見いだされた。これは、呼吸容量において16%の増加
を示す。これにより、発酵の第1段階における増殖速度がかなり増加し、及び方
法をより高い生産性に向かって最適化することができる。
【0028】参考文献 Chen, S.L. and Chiyer, M. 1985. Production of Baker's yeast, Comprehens
ive Biotechnology 3, 429-461 (Black, H.W., Drew, S. and Wang, D.I.C. edt
s) Pergamon Press, Oxford. Burrows, S. and Harrison, J.S. 1959. J. Inst. Brewing 65:34-45 Entian,
K.D. and Frohlich, K.U. 1984 Saccharomyces cerevisiae mutants provide ev
idence of hexokinase Pill as a bifunctional enzyme with catalytic and re
gulatory domains for triggering carbon catabolite repression. J. Bacteri
ol. 158:29-35 Gancedo, J. M. 1998. Yeast carbon catabolite repression. Microbiol. Mol
. Biol. Rev. 62:334-361. Harrison, J. S. 1971. Yeasts in baking: factors affecting changes in be
haviour. J Appl Bacteriol 34:173-179. Hoek, P. van, Flikweert, M.T., Aart, Q.J.M. van der, Steensma, H.Y., d
ijken, J.P. van and Pronk, J.T. 1998. Effects of pyruvate decarboxylase
overproduction on flux distribution at the pyruvate branch in Saccharomy
ces cerevi. siae. Appl. Environ. Microbiol. 64:2133-2140 Johnston, M., and M. Carlson. 1992. Regulation of carbon and phosphate
utilization, p. 193-281. In E. W. Jones, J. R. Pringle, and J. R. Broach
(ed.), The Molecular and Cellular Biology of the Yeast Saccharomyces. G
ene Expression, vol. 2. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring
Harbor. Lobo, Z., and P. K. Maitra. 1977. Genetics of yeast hexokinase. Genetic
s 86:727-744. Ma, H., L. M. Bloom, Z. Zhu, C. T. Walsh, and D. Botstein. 1989a. Isol
ation and characterization of mutations in the HXK2 gene of Saccharomyce
s cerevisiae. 9:5630 5642. Ma, H. and Botstein, D. 1986. Effects of null mutations in the hexokina
se genes of Saccharomyces cerevisiae on catabolite repression. Mol. Cell
. Biol. 6:4046-4052 Ma, H., L. M. Bloom, C. T. Walsh, and D. Botstein. 1989b. The residual
enzymatic phosphorylation activity of hexokinase 11 mutants is correlate
d with glucose repression in Saccharomyces cerevisiae. 9:5643-5649. Wach, A., A. Brachat, R. Pohlmann, and P. Philippsen. 1994. New hetero
logous modules for classical or PCR-based gene disruptions in Saccharomy
ces cerevisiae. Yeast 10:1793-1808.
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】HXK2欠失の増殖特性に対する影響を示す。野生型株(o)及びHxk2欠
損変異株(四角)は、YNB(2%グルコース)に増殖していた。増殖は、光学密度
を600nmで測定することによってモニターした。
【図2】グルコースに対する増殖の間のグルコース消費を示す。野生株(o)
及びHxk2欠損変異株(四角)は、YNB(2%グルコース)に増殖していた。
【図3】グルコースに対する増殖の間のエタノール生産を示す。野生株(o)
及びHxk2欠損変異株(四角)は、YNB(2%グルコース)に増殖していた。
【図4】グルコースに対する増殖の間の酸素消費能力を示す。野生型株(△
白抜き及び黒塗り)及びHxk2欠損変異株(o 白抜き及び黒塗り)は、YNB(2%グ
ルコース)に増殖していた。増殖(OD 600nm、白抜き記号)の間、試料を取り、
酸素消費量能力(μモル/分/g タンパク質、白抜き記号)について分析した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:645) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ラームスドンク ロウリナ マデレイネ オランダ エヌエル−2633 アーゲー ノ ードルプ クノッベルツワーンシンゲル 15 (72)発明者 ディデリッチ ヤスパー アンドリエス オランダ エヌエル−1078 エーエム ア ムステルダム チュルチルラーン 110 (72)発明者 クルッケベルク アルトゥール レオ オランダ エヌエル−1092 アーペー ア ムステルダム オーステルパルク 50 Fターム(参考) 4B018 MD81 ME02 MF13 4B065 AA72X AA80X AC20 BA22 BB15 CA41 CA43

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】商業スケールでの酵母培養物の培養によって特徴づけられる酵
    母バイオマスの生産方法であって、該酵母培養物が、1以上の機能的に欠失され
    たHXK2遺伝子又はその類似体を含み、及び1以上の発酵性炭素源を含む増殖培地
    において好気的に前記酵母培養物を増殖することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】発酵性炭素源が糖である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】糖が、グルコース、フルクトース、マルトース、サッカロース
    、ガラクトース及びラフィノースからなる群に属する、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】発酵がバッチ様式で行われ、増殖培地が、最初に発酵性炭素源
    を非増殖制限濃度で含有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】発酵性炭素源の濃度が、1ミリモル/リットルより大きい、請
    求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】発酵が流加様式で行われ、増殖培地の成分が増殖制限的である
    、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】発酵が連続培養として行われ、増殖培地の成分が増殖制限的で
    ある、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】増殖制限的成分が、発酵性炭素源である、請求項6又は7に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】発酵が、 ・請求項4又は5に記載されたバッチ様式発酵であって、炭素源が酵母バイオマ
    スの付随物蓄積で費やされ、次いで ・請求項6又は8に記載された流加様式発酵、 の工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】前記酵母が、属のサッカロミセス又はクルイベロミセスに属
    する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】酵母が、サッカロミセス セレビシエである、請求項10に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】酵母が、クルイベロミセス ラクティスである、請求項10
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】酵母が、クルイベロミセス マキシアヌスである、請求項1
    0に記載の方法。
  14. 【請求項14】1以上の機能的に欠失されたHXK2遺伝子又はその類似体を含
    む酵母培養物を使用するタンパク質又は二次代謝産物の生産方法であって、請求
    項1〜13のいずれかに記載の方法によって酵母培養物を培養する方法。
  15. 【請求項15】請求項1〜13のいずれかに記載の方法によって得られる酵
    母バイオマス又はこれに由来する物質。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の酵母バイオマスから作られる、圧搾酵母
    、クリーム酵母又は乾燥酵母。
JP2000611647A 1999-04-13 2000-04-13 機能的に欠失されたhxk2遺伝子を含む酵母バイオマスの生産方法 Pending JP2002541789A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP99201162 1999-04-13
EP99201162.7 1999-04-13
PCT/EP2000/002329 WO2000061722A1 (en) 1999-04-13 2000-04-13 Process for the production of yeast biomass comprising functionally deleted $i(hxk2) genes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002541789A true JP2002541789A (ja) 2002-12-10

Family

ID=8240097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000611647A Pending JP2002541789A (ja) 1999-04-13 2000-04-13 機能的に欠失されたhxk2遺伝子を含む酵母バイオマスの生産方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1169432A1 (ja)
JP (1) JP2002541789A (ja)
AR (1) AR023493A1 (ja)
AU (1) AU4395200A (ja)
CA (1) CA2364558A1 (ja)
WO (1) WO2000061722A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004090117A1 (ja) * 2003-04-10 2004-10-21 Asahi Glass Company, Limited 酵母宿主、形質転換体および異種タンパク質の製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1728854A1 (en) * 2005-06-03 2006-12-06 DSM IP Assets B.V. Process for the production of yeast biomass
EP2483401B1 (en) 2009-09-29 2017-06-21 Butamax (TM) Advanced Biofuels LLC Improved yeast production host cells
NZ600585A (en) 2009-12-29 2014-07-25 Butamax Tm Advanced Biofuels Expression of hexose kinase in recombinant host cells
HUE045191T2 (hu) 2011-03-24 2019-12-30 Butamax Tm Advanced Biofuels Host sejtek és eljárások izobutanol elõállítására

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU737640B2 (en) * 1996-12-12 2001-08-23 Universiteit Van Amsterdam Methods for modulating metabolic pathways of micro-organisms and micro-organisms obtainable by said methods

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004090117A1 (ja) * 2003-04-10 2004-10-21 Asahi Glass Company, Limited 酵母宿主、形質転換体および異種タンパク質の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1169432A1 (en) 2002-01-09
AU4395200A (en) 2000-11-14
CA2364558A1 (en) 2000-10-19
AR023493A1 (es) 2002-09-04
WO2000061722A1 (en) 2000-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0684308B2 (fr) Procédé d'obtention d'une biomasse et ferment de panification
EP3380626B1 (en) Genetically modified yeasts and fermentation processes using genetically modified yeasts
JP2619865B2 (ja) 改良された酵母菌株
Trivedi et al. Bakers' yeast
US6465027B1 (en) Ready-to-use long conservation baker's leaven
MX2012011872A (es) Levadura industrial capaz de producir etanol a partir de por lo menos una pentosa.
Hough et al. Beer flavour. IV. Factors affecting the production of fusel oil
EP2513291B1 (fr) Nouvelles souches de levure pour la production d'alcool
JP4011182B2 (ja) 麹菌の培養方法
JP2002541789A (ja) 機能的に欠失されたhxk2遺伝子を含む酵母バイオマスの生産方法
DK2257619T3 (en) Use of a carbon-containing substitute for the production of yeast
CN107723300B (zh) 过表达CgGsh1基因提高产甘油假丝酵母2-苯乙醇耐受性及产量
EP0645094A1 (en) Improvement of gas and alcohol production by yeast
US7393669B2 (en) Metabolically engineered micro-organisms having improved galactose uptake
WO2009056708A1 (fr) Nouvelles souches de levure de panification
JPH07236465A (ja) 低アルコール濃度清酒
KR101738406B1 (ko) 캔디다 트로피칼리스 유래의 피루베이트 데카르복실라아제가 도입된 2,3-부탄다이올 생산용 재조합 효모 및 이를 이용한 2,3-부탄다이올의 생산방법
EP4028534B1 (en) Method for increasing backset recycle in dry grind alcohol production
EP1728854A1 (en) Process for the production of yeast biomass
KR100730315B1 (ko) 자일리톨의 고수율 생산방법
JP2000508175A (ja) 組み換え酵母用培地を改良する方法
JP2766874B2 (ja) 新規酵母、該酵母を含有する冷凍パン生地、及び該生地の製造方法
CN116218933A (zh) 一种两阶段混菌发酵棉粕及其制备方法和应用
Stear Industrial Propagation and Production of Yeast for the Baking Industry
JP2006238852A (ja) ペプチド輸送酵素遺伝子による酵母の形質転換法と当該遺伝子のプロモーター領域を用いたタンパク質の発現法