JP2000508175A - 組み換え酵母用培地を改良する方法 - Google Patents

組み換え酵母用培地を改良する方法

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Abstract

(57)【要約】 培地中に用いるべき酵母抽出物の不良ロットを同定し、酵母抽出物の前記ロットにアデニン、トレハロース及び/またはラクテートの適当な組み合わせを補充することによって酵母組み換え体発現系の収量を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 組み換え酵母用培地を改良する方法発明の背景 医薬に有用な化合物を組み換え酵母の培養によって製造することは、科学及び 商業の分野で広く行なわれている。精製組み換えB型肝炎表面抗原(HBsAg )はB型肝炎ウイルス性疾患のワクチンとして用いられ、医薬に有用な組み換え タンパク質の良く知られた一例である。 組み換えHBsAgは、複合培地または化学的に規定した(合成)培地中で酵 母細胞を培養することにより製造する。通常、複合培地は酵母抽出物及びペプト ンなどの粗な窒素源を含有する。このような複合培地においては、細胞及び粗な HBsAgの収量は増えるが総性能がしばしば変動し、時に許容干能なほど不安 定となる。発酵性能の不安定性は後段の精製ステップに悪影響を及ぼし、精製製 品のコストを上昇させる場合も有る。 組み換えタンパク質の製造には通常、調節発現系を用いる。 或る種の調節系では異種タンパク質産生の厳密な栄養制御を行なう。この種の系 は、バイオマスの生産及び製品の安定性を最大限に実現する一方、異種タンパク 質の発現が宿主細胞に及ぼす悪影響を最小限に留める。例えばZabriski e等,Enzyme Microbial Technol.8,pp.706 −717,1989を参照されたい。 ck & Co.,Inc.の商標)製造用の組み換えS.cerevisia e株を用い、この株は、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナー ゼ(GAP)プロモーターに連結したHBsAgコーディング配列、並びに酵母 2μプラスミド由来の複製開始点、及び酵母細胞における選択用のLEU2遺伝 子が組み込まれたプラスミドを保持する。この株はアデニン要求株(adeni ne auxotroph)であり、即ち増殖にアデニンを必要とする。酵母の 他のアデニン要求株、例えばADE1またはADE2座において突然変異した株 は、典型的には異種タンパク質発現のための組み換え宿主として用いられる。例 えばP.Kniskern等が“Expression Systems fo r Process es for Recombinant DNA Products,”Hat ch等編,ACS Symposium Series N.447(ch.6 ),pp.65−75,1991に述べていること、及びL.Schultz等 ,Gene 61,p.123,1987を参照されたい。 複合培地の、発酵性能、特に収量に影響する(1種以上の)成分を同定するこ とが望ましいと考えられる。前記成分を発見すれば、発酵過程の再現性を高める ことができ、また精製をより確実に実施し得るなどの利点が得られる。 酵母抽出物は通常酵母発酵用培地中で、栄養素のビタミン、微量元素及び窒素 の供給源として用いる。多くの発酵過程において、発酵の間に制限的(limi ting)となる栄養素源は炭素源である。販売元の製造方法の変動に起因して 酵母抽出物がロット毎に変化することは、組み換え酵母発酵、例えばR nc.の商標)産生酵母発酵の生産性及び安定性に甚だしく影響する。この問題 は過去に、新しい酵母抽出物ロットの「強制的(brute−force)」発 酵スクリーニング(「使用試験」)によって一部解決された。その結果、付加的 な人手及 び手段が必要となり、また判断の遅れが原因で「優良」ロットを確保できなかっ たり、「劣悪」ロットを購入し、廃棄しなければならなかったりする場合が生じ た。このような短所は、ま に影響する様々な重要成分を同定すること、及び前記成分について迅速にアッセ イする方法を確立することにより克服できる。十分に典型的なデータベースを構 成すれば、分析結果を用いて酵母発酵に望ましいものであるかどうかを評価し得る。 本発明は、酵母抽出物ロットがHBsAg(Recombi 用として「優良」であるかどうかを、アデニン、トレハロース及び乳酸などの様 々な重要成分の含量を測定することによって迅速に決定する方法に係わる。本発 明の単純で、迅速に行なえるスクリーニング操作により、非最適(sub−op timal)レベルの上記成分を含有するロットを排除して、ほとんど(約80 %のロット)の場合に高く、かつ安定した発酵生産性を達成することができる。 本発明の方法は、「劣悪」な酵母抽出物ロットに発酵収量を改善する成分を適宜 補充することによ る発酵収量改善も可能にする。 本発明者はアデニン及び2種の代謝性炭素源(トレハロース及びラクテート) を酵母抽出物の、発酵を不安定にする重要成分として同定した。アデニンは増殖 に必要であり、一方緩慢に代謝されるトレハロースは増殖期後に発現産物の合成 において、組み換え遺伝子発現のためのエネルギーを供給する。急速に利用され るラクテートは、産生物合成のための炭素源としてより多量のエタノールを節約 することによって間接的に正の作用を及ぼす。増殖及び産生に対するこれらの作 用は相互依存性である。炭素源(トレハロース+ラクテート)レベルが比較的高 く(>4g/42g)、かつアデニンレベルが中庸である(0.06〜0.1g /42g)ことが、酵母の培養及び組なHBsAgの製造用として優良な酵母抽 出物ロットの必須の特性である。発明の概要 本発明は、組み換え酵母の培養及び組み換えタンパク質の製造に有用な培地を 改良する方法を提供する。本発明の方法によって得られる培地は、HBsAgを 産生する組み換えSaccharomyces cerevisiae株の培養 に特に 有用である。発明の詳細な説明 本発明は、酵母細胞に組み換えタンパク質を産生させる一般的な発酵方法に係 わる。本発明の方法を、HBsAg遺伝子を含むプラスミドで形質転換したSa ccharomyces cerevisiae株のバッチ発酵によるHBsA g製造によって明示する。当業者には理解されようが、本発明の方法は他のS. cerevisiae株の培養及び他の組み換え産物の製造にも広く適用でき、 HBsAgに限定されない。 通常、複合培地中での酵母バッチ発酵の過程は用いるYE(酵母抽出物)ロッ トのアデニン及びトレハロース/ラクテート含量に応じて増殖制限型または炭素 源制限型となる。YEの上記重要成分の濃度は、販売元の製造方法の変動に起因 して甚だしく変動する恐れが有る。このような不安定さは発酵性能、例えばHB sAg産生量のばらつきの一因となる。YE中のアデニン、トレハロース及びラ クテートに関する分析手段は開発されている。アデニン含量がバイオマス生産を 決定付ける一方で、炭素源(トレハロース+ラクテート)含量は抗原(HBsA g)産物合成に影響し、これら二つの作用は互いに関連する。 中庸レベル(0.06〜0.1g/42g YE)のアデニン及び高レベル(> 4g/42g YE)のトレハロース+ラクテートが優良ロットの必要条件であ り、ただしその際ラクテートの濃度は約4.0g/42g YEを越えない。約 4.0g/42g YEを越えるラクテート濃度は発酵pHプロフィールを甚だ しく変化させる。アデニン、トレハロースもしくはラクテート、またはこれらの 組み合わせを適宜補充することによって多くの劣悪ロットを改良できる。 本発明は、組み換え酵母原栄養株のための制限的炭素源を含有する培地を改良 する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) トレハロース及びラクテートの濃度を測定するステップ、 c) トレハロース+ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以上 に調節し、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g 以下とするステップ を含む方法を提供する。 本発明の一具体例は、組み換え酵母原栄養株のための制限的 炭素源を含有する培地を改良する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) トレハロース及びラクテートの濃度を測定するステップ、 c) トレハロース+ラタテートの儂度を酵母抽出物42g当たり約5.0〜約8 .0gに調節し、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4 .0g以下とするステップ を含む方法を提供する。 本発明は、組み換え酵母原栄養株のための制限的炭素源を含有する発酵用酵母 抽出物の不良ロットを同定する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) トレハロース及びラクテートの濃度を測定するステップ、及び c) 非最適濃度のトレハロースまたはラクテートを含有するロットを不良ロット として同定するステップ を含む方法も提供する。 本発明の別の具体例は、組み換え酵母アデニン要求株のため の制限的炭素源を含有する培地を改良する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、 c) アデニンの濃度を酵母抽出物42g当たり約0.06〜約0.10gに調節 し、トレハロース+ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以上 に調節し、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g 以下とするステップ を含む方法を提供する。 本発明の別の具体例は、組み換え酵母アデニン要求株のための制限的炭素源を 含有する培地を改良する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、 c) アデニンの濃度を酵母抽出物42g当たり約0.06〜約0.10gに調節 し、トレハロース+ラクテートの濃度を 酵母抽出物42g当たり約5.0〜約8.0gに調節し、ただしその際ラク テートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以下とするステップ を含む方法を提供する。 本発明の別の具体例は、制限的炭素源を含有する組み換え酵母アデニン要求株 発酵用酵母抽出物の不良ロットを同定する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、及び c) 非最適濃度のアデニン、トレハロースもしくはラクテート、またはこれらの 組み合わせを含有するロットを不良ロットとして同定するステップ を含む方法を提供する。 本発明の別の具体例は、組み換えB型肝炎表面抗原の合成に用いられる組み換 え酵母アデニン要求株のための制限的炭素源を含有する培地を改良する方法であ って、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意す るステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、 c) アデニンの濃度を酵母抽出物42g当たり約0.06〜約0.1gに調節し 、トレハロース+ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以上に 調節し、ただしその際ラタテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以 下とするステップ を含む方法を提供する。 本発明の別の具体例は、組み換えB型肝炎表面抗原の合成に用いられる組み換 え酵母アデニン要求株のための制限的炭素源を含有する培地を改良する方法であ って、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、 c) アデニンの濃度を酵母抽出物42g当たり約0.06〜約0.1gに調節し 、トレハロース+ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約5.0〜約8. 0gに調節し、た だしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以下とす るステップ を含む方法を提供する。 本発明の別の具体例は、組み換えB型肝炎表面抗原の合成において制限的炭素 源を含有する組み換え酵母アデニン要求株発酵用酵母抽出物の不良ロットを同定 する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを所定の量で用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートの濃度を測定するステップ、及び c)非最適濃度のアデニン、トレハロースもしくはラクテート、またはこれらの 組み合わせを含有するロットを不良ロットとして同定するステップ を含む方法を提供する。 酵母アデニン要求株は、不良ロッドを同定し、また酵母抽出物に適宜成分を補 充する技術を具体的に説明するべく提示されたと理解される。他の酵母栄養要求 株、並びに酵母原栄養株も、組み換えタンパク質合成のための酵母抽出物分析ス クリーニング及び成分補充に適したソースを提供する。 本発明において、トレハロース+ラクテート合計含量の好ましい一例はYE 42g当たり約4.0g以上であり、ただしその際ラクテートの濃度はYE 4 2g当たり約4.0gを越えない。ラクテート濃度の前記上限により、高い発酵 pHに起因して収量が最適でなくなる事態が回避される。トレハロース濃度には 原則として制限は無いが、トレハロースはそのレベルが約8.0g/42g Y Eを上回ると、典型的には代謝されなくなる。より高い濃度では、トレハロース の有毒作用は観察されていない。少なくともトレハロースとラクテートとの両方 を培地中に存在させることが好ましく、なぜならこれらは異なる発酵段階に付加 的炭素源を提供するからである。酵母抽出物(YE)は培地1lにつき42g用 いる。「少量増殖」ロットの発酵性能の改善 通常、増殖が少量であると体積測定HBsAg(即ち抗原)収量も僅かとなる が、増殖が多量であっても抗原が順調に産生されない場合もしばしば有ることが 観察された。0.2g/l以上のアデニンの添加によって増殖が、「超多量増殖 、少収量」ロットで実現する増殖の域まで促進されたので、大量のバイオマス生 産により、抗原合成に関連し、また該合成に必要な 他の栄養素/因子が枯渇した恐れが有った。従って、予測どおりの小さい抗原力 価をもたらす「少量増殖」ロットを用いてアデニン滴定試験を行なった。得られ た結果から、アデニン濃度が(0.2g/lまで)上昇するにつれて次第に増殖 が増加する一方で、抗原収量に関しては明らかに最適のアデニンレベルが存在す ることが判明した。この試験の場合、0.1g/lの添加によって力価が60% 増大した。別の酵母抽出物ロット中で増殖させた培養物のオンライン呼吸プロフ ィールにより、元の培地がアデニンを制限されたこと、及び0.04g/lのア デニンの添加によって増殖が著しく促進されたことが明らかに証明された。対照 バッチに比較してバイオマスは40%増加し、抗原力価は20%増大した。〜3 2時間経過時点でのOUR(酸素取り込み率)の急激な低下は、高いアデニン濃 度がもたらす多量の増殖により、抗原合成のためのエネルギー源の既知の提供体 であるエタノール(培養物によるグルコース発酵から蓄積)が急速に枯渇し、そ の結果抗原力価の増大がバイオマスの増加を下回ったことを示唆している。YE中のアデニンに関する酵素アッセイ Naher(Methods of Enzymatic Analysis 4,p.1909,1974)に基づく方法を開発した。こ の方法では、アデニンを亜硝酸で脱アミノ化してヒポキサンチンとし、これをキ サンチンオキシダーゼで急速かつ定量的に酸化してキサンチンとし、更には29 3nmで測定可能な尿酸とする(実施例参照)。このアッセイで行なったアデニ ンの尿酸への変換は完全で、かつ定量的であった。最後に、キサンチンオキシダ ーゼを除外したところ、尿酸の生成を観察しなかった。 YEロットについて測定したアデニン含量は加熱滅菌条件に感受性でないこと が判明したが、このことは21容振盪フラスコ規模で確認したアデニンと増殖と の関係が大きい規模にも該当し得ることを示している。YEアデニン含量と発酵性能との関係 21規模におけるロットのバイオマス及び抗原生産をアデニン含量との関連に おいて測定した。増殖とアデニンとの間には高度の相関関係が認められ、即ちバ イオマスは測定アデニン含量が酵母抽出物(YE)42g当たり約0.12gと なるまでアデニンと共に増加し、その後はアデニンレベルはもはや増殖の制限要 因ではなくなった。しかし、アデニンと抗原収量との 間には、ほとんどの「多収量」ロット(HBsAg≧38mg/l)が中庸レベ ル(0.06〜0.10g/42g YE)のアデニンを含有したこと以外直接 の関係は存在せず、前記アデニンレベル範囲は幾つかの「少収量」ロットにも該 当した。即ち、中位のアデニン含量は、最適抗原(HBsAg)産生の条件とし て望ましくはあるが十分ではない。YE中の代謝性炭素源としてのトレハロース及びラクテートの同定 幾つかのYEロットへのアデニンの補充は増殖の促進を招いたが、HBsAg の特異的産生を減少させ、高いアデニン含量に起因して「超多量増殖性」となっ た幾つかのロットはきわめて僅かな抗原収量しかもたらさなかった。このことは 、多量の増殖によって抗原合成に必要なエタノールなどのエネルギー源が枯渇し たためと説明し得る。他方、(いずれの発酵物中にも常に存在する)グルコース から同様量のエタノールが生成するはずであるが、多くの場合増殖、またはYE アデニン含量のみから発酵の抗原収量を予測することは不可能であり、きわめて 類似したアデニンまたはバイオマスレベルを有するロットに関し甚だしく相違す る前記収量が得られた。炭水化物HPLC分 析を発酵速度論的分析と関連付けて用いてYE成分を調べた。実質的にいずれの YEロット中にも、大きい二糖ピークとより小さい「ラクテート」ピークとによ って示される2種の代謝性成分が存在し、これらの成分のレベルはロット毎に変 動することが判明した。上記二つのピークは発酵後に縮小または消滅したので、 対応する化合物は炭素/エネルギー源として機能することにより発酵に寄与した はずである。 二糖ピークはマルトースの異性体であるトレハロースを示すと理解したが、な ぜならYE試料を特異的トレハラーゼで処理すると該ピークが縮小し、グルコー スピークが生じるからである。「ラクテート」成分に関しては、YE試料をL− ラクテート2−モノオキシゲナーゼと共にインキュベートするとピークが縮小し 、アセテートピークが生じた。上記2成分の構造を確認するべく、これらの成分 をYEから、熱エタノール抽出とこれに続く分析カラム上での分取HPLCとに よって精製した。精製した化合物をNMR試験により、トレハロース及びラクテ ートとして同定した。 トレハロース(α−D−グルコピラノシルα−D−グルコピラノシド)は、パ ン酵母が環境ストレスに応じて合成する貯蔵 物質である。トレハロース含量は乾燥細胞重量に基づき20%に達する。販売元 の培養過程、及びより後段の過程が絶対に不変であることはあり得ないので、様 々なYEロットのトレハロース含量がYE 42g当たり1g未満から7gを上 回るものまできわめて様々となることがHPLCにより判明した。ラクテート成 分の場合は、パン酵母がこの代謝物を蓄積しないので、パン酵母工業では通常の 現象である販売元の装造過程の間の乳酸桿菌汚染に起因してしばしば少量(大抵 の場合<3g/42g YE)しか検出されない。 23l規模の酵母発酵の間、YEに由来するトレハロース及びラクテートの利 用を監視した。ラクテートはグルコース利用後に増殖のための炭素源として急速 に代謝され、それによって抗原産生のための既知のエネルギー源である蓄積エタ ノールの枯渇が遅延されることが判明した。ブイヨンpHはラクテート利用の間 に増大し、その後減小して元に戻った。グリセロールが蓄積されたが、膜不透過 性であるため再利用されなかった。トレハロースは蓄積エタノールの酸化の間及 び後にゆっくり異化され、即ち組み換え産物の抗原(HBsAg)が合成される 発酵後期の間炭素/エネルギー源として機能した。エネルギー 源という機能の外に、トレハロースは細胞膜構造を環境ストレスに対して安定化 するという別の妥当な機能も有する。トレハロース+ラクテートのレベルと発酵性能との関係 21酵母発酵において評価した様々なロットを、そのトレハロース及びラクテ ート含量について分析した。炭素源(トレハロース+ラクテート)含量とバイオ マスとの関係には、ほとんどの発酵がアデニンによって制限されるような、増殖 とYE炭素源含量とを関係付ける明らかな相関関係は認められなかった。しかし 、6g/42g YEまでは炭素源含量が高いほど大きい抗原力価が得られると いう、きわめて明らかな傾向は存在する。「優良」ロット(HBsAg収量が3 8mg/lを上回る)の大部分は4g/42g YEより多い炭素源を含有し、 前記レベルより低レベルの炭素源しか含有しないロットは実質的に総て「劣悪」 であった。しかし、かなりの炭素源含量を有するロットの総てが「優良」であっ た訳ではない。「優良」ロットの約80%は中庸レベル(0.06〜0.1g/ 42gYE)のアデニンを含有する。ラクテート補充が発酵性能に及ぼす影響 高レベル(0.13g/l)のアデニン及び低レベル(トレ ハロース2.7g/l;ラクテート0.6g/l)の炭素源を含有するYEロッ トに23l規模でラクテートを補充したところ、正の効果が得られた。ラクテー ト代謝がpHを増大させることが判明したので、pHを手動制御して対照と整合 させた。明らかに、4.5g/l以上のラクテートを存在させると炭素源は増殖 に利用され、即ちエタノールが節約される。その結果、(CO2発生速度即ちC ERに現われる)エタノールの枯渇が遅延され、それによって抗原合成に用いら れ得るエネルギー源が増加し、従ってより大きいHBsAg力価が得られる。トレハロースの作用の新規な機序、及び適当な成分補充による劣悪ロットの改良 トレハロースの既知の機能の一つに微生物膜の一体性を環境ストレスから保護 することが有り、この機能は、リン脂質のホスホジエステル結合と結合するとい うトレハロースの独得の特性によってもたらされる。しかし、酵母発酵では、ト レハロースの正の作用はしばしばトレハロースが無傷でない場合、即ちグルコー スに分解し、かつ異化された場合に観察された。トレハロースは増殖及び産生物 合成のためのグルコースをゆっくり供給することによって酵母発酵に影響すると 考えられた。後者 の作用は主として、24〜36時間(ロット次第)経過時点でエタノールが枯渇 し、その結果指数増殖が停止した後、グルコースから製造されたグリセロールは 再利用され得ず、またYE及びHy−Soyによってもたらされたラクテートは より早い時期に枯渇してしまっているのでトレハロースが抗原合成に用いられ得 る唯一の炭素/エネルギー源となることであった。 このような新規な機序に基づき、劣悪なYEロット(アデニン含量が高く、ト レハロース+ラクテート含量が低い)をトレハロースの追加によって改良する。 一例では、対照から、トレハロースを追加しないと抗原合成はエタノールが枯渇 した(OURによって判断)時実質的に停止し、また元来存在したトレハロース のほとんどは〜30時間経過時点で費消されることが知見された。1時間も経過 しない時点でグルコースを追加すると、増殖に用いられるエタノール(及び使用 不能のグリセロール)がより多く蓄積されたが、それによってエタノールの枯渇 は僅かしか遅延されず、即ち抗原力価は僅かしか増大し得なかった。トレハロー スを約8g/42g YEのレベルまで補充したところ、類似の異化プロフィー ルが観察され、合成期の間トレハロースの利用によって炭素/エネルギーが提供 され、 その結果細胞はより活性となり(OURプロフィールに反映)、抗原収量は有意 に増加した。上記より多量のトレハロースを用いても、グルコースを追加した場 合同様エタノールの枯渇は遅延されなかったことは注目に値し、この事実は異な る機序の存在、並びに抗原合成にエネルギーが用いられることを確実にした、ゆ っくり放出される炭素/エネルギー源の重要性を示している。 23l容発酵槽規模における、低レベルから中庸レベルのトレハロースを含有 する様々なロットへのトレハロース補充の影響によって、前記ロットのうちのほ とんどが主に特異的産生の拡大を介して改良され、一方バイオマスは抗原力価の 増大に比較して僅かしか増加しないことが示された。ほとんどの場合、オンライ ンOURプロフィールは合成期の呼吸活性が個々の対照に比較して著しく高いこ とを示した。実施例1 培養種菌発育及び生産発酵 いずれの実験用の培養ソースも、Saccharomyces cerevi siae 2150−2−3(pHBS56−GAP347/33)の凍結バイ アルに由来する凍結保存種 菌とした。 いずれの種菌段階用の培地も、デキストロース90g/l含有の5×Leu- とした。生産発酵培地は、42g/lの酵母抽出物(YE)、35g/lのHy −Soyペプトン及び17g/lのデキストロース(個別に滅菌)を含有する、 滅菌前pHを5.0に調節されたEnhanced YEHDとした。消泡剤と してポリアルキレングリコールを、振盪フラスコ発酵では0.5ml/l、攪拌 槽発酵では1ml/lの量で添加した。アデニン、ラクテートまたはトレハロー スは滅菌前に、特定した濃度で添加した。 凍結細胞懸濁液(1.5ml)を室温で解凍し、50mlの培地を収容した2 50ml容Erlenmeyerフラスコに接種した。回転振盪機(220rp m;28℃)上で24時間インキュベーション後、20mlの培養物を、500 mlの培地を収容した2l容Erlenmeyerフラスコに移し、回転振盪機 上で180rpm及び28℃で24時間培養した。培養物を、2l容振盪フラス コ内及び23l容槽内での発酵試験のための種菌として用いた。別の23l規模 発酵用として、15lの培地を収容した23l容槽内で28℃で24時間、6 00rpmでの攪拌及び6l/分での通気下に発育させた第三の種菌段階培養物 を用いた。 振盪フラスコ規模で行なった発酵試験では、200mlのEnhanced YEHD培地を収容した2l容の邪魔板付き(baffled)フラスコを用い た。フラスコに4%(v/v)の種菌培養物を接種し、これを回転振盪機上で2 8℃及び180rpmで2日間インキュベートした。23l容攪拌槽発酵では種 菌として、振盪フラスコ用種菌を5%の量で、または第三の種菌段階培養物を8 %の量で用いた。槽は、600rpmでの攪拌、12l/分での通気、及び0. 6barの背圧下に28℃で機能させた。呼吸活性(酸素取り込み率即ちOUR 、及びCO2発生率即ちCER)、溶存酸素及びpHをオンラインで監視し、一 方炭水化物をHPLCによりオフラインで監視した。実施例2 分析 増殖を分光光度計で660nmにおける光学密度(OD)によって、または乾 燥細胞重量(DCW)によって測定した。これら二つの方法から、実質的に同じ 結論が得られた。グルコー ス、トレハロース、ラクテート及びエタノールなどの炭素源化合物をHPLCシ ステムによって分析した。抗原産生を跡付けるべく、様々な時点に採取した発酵 ブイヨン試料から50 OD単位の細胞ペレットを調製し、これをPBS緩衝液 で1回洗浄し、破壊に至るまで−70℃で貯蔵した。細胞をガラスビーズと共に 攪拌することによって溶解物を調製した。細胞溶解物のタンパク質含量をビシン コニン酸法(bicinchoninic acid method)で分析し 、HBsAg濃度を、市販のアッセイキットを用いるエンザイムイムノアッセイ (EIA)によって測定した。総ての結果を逆算し、発酵力両(mg/l)とし て表わした。 複数の実験及び個々の対照に関して同一条件下に同時に実施し、それによって アッセイキット、標準、及びアッセイ条件に起因する変動を最小限に留めたアッ セイからデータを得た。同様に、比較は総て同じ実験に基づいて行ない、それに よって培養条件に起因する差異を排除した。測定を2回以上行なった場合、平均 の結果を用いた。実施例3 酵母抽出物のアデニン含量の測定 様々なYEロットのアデニン含量を、亜硝酸によるアデニンの脱アミノ化及び キサンチンオキシダーゼによる酸化により293nmで測定可能な尿酸を得る、 Naher(Methods of Enzymatic Analysis 4,p.1909,1974)に基づき開発した酵素アッセイによって測定した 。操作は次のとおりである。 1.1.05gのYE粉末に24.5mlの水及び0.2mlの2N HClを 添加し、これを完全に混合して透明な溶液を得ることにより42g/lのYE試 料を調製する(濁った溶液を与えるロットは望ましくない)。また、pH2の1 .0g/lストック溶液(4℃で何カ月にもわたり安定)を水で稀釈することに よってアデニン標準溶液(0、0.025、0.05、0.10、0.20、0 .40g/l)も調製する。 2.蓋をしない50ml容管内で2.0mlのYE試料またはアデニン標準溶液 を0.9mlの20%(w/v)硝酸ナトリウム及び0.1mlの非稀薄硝酸と 共に攪拌し、完全に混合する。得られた混合物を直ちに37℃の水浴に入れて6 0分間インキュベートし、その際蓋をしていない管を ペーパータオルで覆う。 3.管を浴から取り出した後、水酸化ナトリウムの20%(w/v)溶液1.0 mlを添加して十分混合し、反応を停止させる。この混合物は以下のステップに おいてアッセイ溶液として有用であり、4℃において少なくとも1カ月安定であ ることが判明した。 4.トリス緩衝液(0.1M;pH8.0)に空気を吹き付ける(sparge )ことによって該緩衝液に酸素を飽和させる。この緩衝液3.0mlと、30μ lのアッセイ溶液とを5ml容のキュベットに入れる。キュベットをパラフィル ムで封止し、かつ逆さにして中味を混合し、その後直ちに、アデニン含量0g/ lの標準溶液でリセット(blank)した分光光度計上で293nmにおける 消衰(E1)を読み取る。読み取りは各測定毎に2回行なうべきであり、その際 読み取った値は0.002より大きく相違するべきでない。 5.上記キュベットに10μlの1:10稀釈キサンチンオキシダーゼ懸濁液( 15.61U/ml;3.2M硫酸アンモニウムで稀釈)を添加し、このキュベ ットをパラフィ ルムで封止する。キュベットを逆さにして中味を混合し、その後直ちに、及び一 定/最大値(E2)に到達するまで(通常30分未満の間)5分置きに同じ分光 光度計上で上記と同様にして292nmにおける消衰を読み取る。 6.真正アデニン試料(0、0.025、0.05、0.10、0.20、0. 40g/l;YE試料と同時に同一操作で処理)から得られた標準曲線に基づき 、YEロットのアデニン濃度(g/42g YE)を当該ロットのE値から推定 する。E値は次式に従って計算する(「blank」は0g/lのアデニン含有 )。 E=(E2−E1)sample−(E2−E1)blank 実施例4 トレハロース及びラクテートの測定 様々な酵母抽出物(YE)ロットのトレハロース及びラクテート含量を、イオ ン交換カラムを用いるHPLC法によって測定した。操作は次のとおりである。 1.アデニン分析の場合と同様にして42g/lのYE試料を 調製する。試料を0.005M硫酸(移動相)で稀釈し(1:5)、その後0. 45μm膜で濾過する。トレハロース(二水和物)標準溶液(0〜2.0g/l )及びNa−ラクテート標準溶液(0〜1.0g/l)も移動相を用いて調製す る。 2.HPLCシステム上でトレハロース及びラクテートに関する標準曲線を得、 その後YE試料を分析する。装置は、溶媒給送ポンプ、自動試料注入器及び検出 器を具備したものを使用する。ポリスチレンジビニルベンゼンカチオン交換樹脂 (有機酸及びアルコール用)を入れ、60℃に維持したカラムに20μl試料を 注入する。試料を、0.7ml/分で給送する0.005M硫酸でアイソクラチ ック溶離し、屈折率(RI)変化について監視する。試料ピークを真正化合物の ピークとの比較によって同定し、当該化合物を定量する。上記条件下に、トレハ ロースは〜7.3分経過時点で、またラクテートは〜12.6分経過時点で溶出 した。実施例5 トレハロース及びラクテートの精製 その構造をNMRによって確認するべくトレハロース及びラクテートをYEか ら、熱エタノール抽出と、続く分析カラム上での分取HPLCとによって精製し た。50gのYEに200mlのエタノールを添加し、得られた混合物を85〜 90℃の水浴中で30分間攪拌した。濾液を室温に冷却し、生じた沈澱物を回収 した。沈澱物を、冷エタノールで洗浄し、かつ風乾してから2mlの水に溶解さ せた。トレハロースに関し重量純度30%以上と推定される調製物を、更に精製 するため上記分析用HPLCシステムにおいて繰り返し注入及び溶離した(分取 カラムは使用可能でなかった)。プールしたトレハロース及びラクテート画分を 凍結乾燥し、その後NMRで構造を確認した。 本明細書には本発明の原理を教示し、その際説明のために実施例を提示したが 、本発明の実施には以下の請求の範囲各項の記載とその均等物を逸脱しない通常 の変更、適合化または変形が総て含まれると理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU, CZ,EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,K R,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG ,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU, SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,U S,UZ,VN,YU (72)発明者 グリースハム,ランドルフ・エル アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 組み換え酵母原栄養株のための制限的炭素源を含有する培地を改良する方 法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを用意するステップ、 b) トレハロース及びラタテートの濃度を測定するステップ、 c) トレハロース+ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以上 に調節し、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g 以下とするステップ を含む方法。 2. ステップc)のトレハロース+ラクテートの濃度の調節を酵母抽出物42g 当たり約5.0〜約8.0gとし、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物 42g当たり約4.0g以下とすることを特徴とする請求項1に記載の方法。 3. 組み換え酵母原栄養株のための制限的炭素源を含有する発酵用酵母抽出物 の不良ロットを同定する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを用意するステップ、 b) トレハロース及びラクテートの濃度を測定するステップ、 及び c) 非最適濃度のトレハロースまたはラクテートを含有するロットを不良ロット として同定するステップ を含む方法。 4. 組み換え酵母アデニン要求株のための制限的炭素源を含有する培地を改良 する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、 c) アデニンの濃度を酵母抽出物42g当たり約0.06〜約0.10gに調節 し、トレハロース+ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以上 に調節し、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g 以下とするステップ を含む方法。 5. ステップc)のトレハロース+ラクテートの濃度の調節を酵母抽出物42g 当たり約5.0〜約8.0gとし、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物 42g当たり約4.0g以下とすることを特徴とする請求項4に記載の方法。 6. 制限的炭素源を含有する組み換え酵母アデニン要求株発酵用酵母抽出物の 不良ロットを同定する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、及び c) 非最適濃度のアデニン、トレハロースもしくはラクテート、またはこれらの 組み合わせを含有するロットを不良ロットとして同定するステップ を含む方法。 7. 組み換えB型肝炎表面抗原の合成に用いられる組み換え酵母アデニン要求 株のための制限的炭素源を含有する培地を改良する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートのうちの1種以上の濃度を測定する ステップ、 c) アデニンの濃度を酵母抽出物42g当たり約0.06〜約0.1gに調節し 、トレハロース+ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0g以上に 調節し、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物42g当たり約4.0 g以下とするステップ を含む方法。 8. ステップc)のトレハロース+ラクテートの濃度の調節を酵母抽出物42g 当たり約5.0〜約8.0gとし、ただしその際ラクテートの濃度を酵母抽出物 42g当たり約4.0g以下とすることを特徴とする請求項7に記載の方法。 9. 組み換えB型肝炎表面抗原の合成において制限的炭素源を含有する組み換 え酵母アデニン要求株発酵用酵母抽出物の不良ロットを同定する方法であって、 a) 試験するべき所与の酵母抽出物ロットを用意するステップ、 b) アデニン、トレハロース及びラクテートの濃度を測定するステップ、及び c) 非最適濃度のアデニン、トレハロースもしくはラクテート、またはこれらの 組み合わせを含有するロットを不良ロットとして同定するステップ を含む方法。
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