JP2002540988A - 物体のフォトクロミックラベリング及び/又は物体の真正の保護のための方法及び標本 - Google Patents

物体のフォトクロミックラベリング及び/又は物体の真正の保護のための方法及び標本

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JP2002540988A
JP2002540988A JP2000609269A JP2000609269A JP2002540988A JP 2002540988 A JP2002540988 A JP 2002540988A JP 2000609269 A JP2000609269 A JP 2000609269A JP 2000609269 A JP2000609269 A JP 2000609269A JP 2002540988 A JP2002540988 A JP 2002540988A
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    • C09B61/00Dyes of natural origin prepared from natural sources, e.g. vegetable sources

Abstract

(57)【要約】 物体にフォトクロミックインクを塗布する方法及び/又は物体の真正を防護する方法及び標本であって、バクテリオロドプシン材料及びその標本を物体への応用に用いたものであり;前記バクテリオロドプシン材料及びその標本における低レベル及び高レベル安全特徴の組合せを用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトクロミックインクを物体に塗布(付ける)することによって
物体の真正(authenticity)を保護する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
文書又は物体の真正を保護する安全性応用は、適切な安全特徴(security fea
ture)あるいは真正ラベルの使用を含む。安全性応用についてのフォトクロミッ
ク材料の使用については、例えば、米国特許第4,927,180号に記載されている。
周知の例では、フォトクロミック識別特徴(identification feature)をUV光
を用いることによって見ることができる。しかしながら、使用されている識別特
徴は検知可能だが困難を伴い、そのため、ユーザーが識別特徴の欠失に気付かな
いという危険がある。UV光を使用するので、真正を検査する人の目を適切に保
護する必要性がある。従って、安全特徴(安全性特徴部、セキュリティ特徴部)
を特定するUV光の使用は欠点とみなすことができる。米国特許第5,807,625号
は同様な従来技術を記載している。ここでも、UV光を用いて安全特徴を視覚化
している。
【0003】 上記の文献が開示している有機フォトクロミック材料は、通常、104から1
5のスイッチングサイクル数を有する。これは、安全特徴を特定するための可
能な検査プロセス数を制限するものである。例えば、自動検査装置又はアクセス
制御装置のような自動検査プロセスのために前記安全特徴を用いることが、制限
はあるが可能である。
【0004】 さらに、ラベル標本(preparation)の特別の束を特定することができること
は望ましく、安全性目的で準備された標本が消失し又は不法に除去されたときに
は、特定の原因を決定することができることが望ましい。従来技術の前記文献で
開示された安全特徴はこのような応用に対しては用いることはできない。
【0005】 さらに、従来のフォトクロミック材料は、顕著な特有の色合いを有さない2つ
のスイッチング状態のうちの一つの欠点を有する。
【0006】 本発明の目的は、可視波長域の光を用いて退色(bleach)プロセス及び消失プ
ロセスの両プロセスを実行することができる任意の検出可能安全特徴を提供する
ことである。この方法では、廉価でかつ世界中で入手可能な光源、例えば、発光
ダイオードを用いて色の変化を誘起することが可能である。ただ簡単なランプの
光を用いて、テストが可能で、裸眼で検出可能である。さらに、104から105 より大きいスイッチングサイクル数を有する安全特徴を提供することが望ましい
【0007】 他の目的は、色合い及び/又は色の変化が異なる構造的に類似の多数のフォト
クロミック材料を提供することである。
【0008】 従来技術から周知の安全特徴は、それらを確認(検証、検査)するのに要する
技術的労力が小さいことから、低レベル安全特徴と定義することができ、一方、
他の目的は技術的に要求され、そのため、訓練されていない者には不可能である
ようなさらに高レベルの安全特徴を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
国際特許出願WO98/06084は、目に見えない高レベルの安全特徴としてとして、
特定のプライマーによって、例えば、PCR反応のような適当な増幅反応によっ
て検出可能な、核酸分子、特にDNA分子の使用について開示している。
【0010】 本発明は、例えば、フェトクロミズムのような低レベルの安全特徴を、例えば
、個々の束の特定を可能にする高レベルの安全特徴に結合することができる材料
、すなわち、バクテリオロドプシン(BR)を検出することが可能とし、また、
この材料を物体のラベリング及び物体が真正の物であることを証明するのに用い
ることができる。
【0011】 バクテリオロドプシン含有インクを用いることによって物体の真正を保護する
本発明の方法は請求項1で述べており、また、その方法の好適な実施形態をその
従属項に記載している。
【0012】 本発明によれば、上記の物体は、フォトクロミックインクを物体に塗布するこ
とによって物体の真正を保護する方法によって得られ、方法は、可視波長域の光
で証明したときに、真正検査のために低レベル安全特徴として使用可能であって
視覚で検出可能な状態の変化、特に色の変化を生ずる少なくとも一つのバクテリ
オロドプシン変異体(variant)をフォトクロミック部として含むフォトクロミ
ックインクであって、低レベル安全特徴に加えて、装置分析によってのみ検出可
能な一又は二以上の視覚的には検出不可能な高レベル安全特徴を有するインクを
用いる段階を備える。
【0013】 本発明は、物体の真正を保護する方法においてフォトクロミックインクの使用
に関するものである。本発明によって用いられるインクは、フォトクロミック部
として少なくとも一つのバクテリオロドプシン変異体を含む。このようなBR変
異体は、真正検査の目的のための視覚的に検出可能な低レベル安全特徴及び、固
有に装置分析によってのみ検出可能なより高レベル安全特徴を提供する。
【0014】 フォトクロミズムは、開始物質の色(吸収スペクトル)が変化する間における
物質の状態の光誘起可逆変化(特に、色の変化)を意味する。例えば、異なる波
長の光、又は、熱によって、可逆反応が開始されうる。本発明では、可視波長域
の光で照射されたときに状態の変化を起こすバクテリオロドプシン変異体をフォ
トクロミック部として用いるので、本発明ではUV光による照射は不要である。
結果として、UV光の使用に関わる欠点、特に装備に必要性及びそれに関わる保
護手段を用いる必要がなくなる。
【0015】 本発明で用いるバクテリオロドプシン変異体は、両方の状態特に好適にはスイ
ッチング状態全てが着色している変異体であることが好ましい。
【0016】 従って、本発明の一態様では、物体の真正を保護する方法であって、その方法
は、バクテリオロドプシン及び/又はバクテリオロドプシン変異体をフォトクロ
ミック部として含むインクの形でのフォトクロミック準備を物体に塗布し、この
フォトクロミック準備を可視波長域の光で照射することによって、真正検査の目
的で検知可能な状態変化、特に特定の色変化を生ぜしめる。検知可能な状態変化
、特に色変化は好適には可逆であって、本発明で使用するバクテリオロドプシン
変異体は、特に105より大きいスイッチングサイクル数(すなわち、検査目的
のための色変化)、好適には106より大きいスイッチングサイクル数、さらに
好適には107より大きいスイッチングサイクル数を有する。結果として、ルー
チン手段のフレーム内の真正保護物体の繰り返し安全性確認が、低レベル安全特
徴をもとに可能である。例えば、バクテリオロドプシンのフォトクロミック活性
部を破壊することによって状態の変化が不可逆になれば、低レベル安全特徴はキ
ャンセルされ、あるいは、無効にされうる。
【0017】 真正検査は、バクテリオロドプシンを退色(脱色)するために、可視光でフォ
トクロミックインクを照明することによって行われることが好ましく、次いで、
フォトクロミックインクは第2の波長域の光で照明して、フォトクロミック的に
バクテリオロドプシンを始状態に戻すか、あるいは、非退色状態に熱緩和が生ず
る。退色の間の光学特性の変化、及び/又は、裸眼であるいは光学装置を用いて
消滅プロセスを観察することは可能である。
【0018】 “低レベル安全特徴”という用語は、特性の存在あるいは特性の欠如が、熟練
していない者によって、簡単な方法で技術的な支援なく、又は、低度の複雑さの
技術によって、確認することができる特性を意味する。
【0019】 他方、“高レベル安全特徴”という用語は、熟練していない者によって特性の
存在あるいは特性の欠如を検知することが不可能であり、かつ、高度の技術的複
雑さのもとで通常専門家によってしか確認することができない特性を意味する。
【0020】 従って、低レベル安全特徴は、特性の分析はほとんど費用のかかる手段(ペニ
ヒ)を用いることなく、誰にでも実行可能な特性であり、一方、高レベル安全特
徴は、特性の分析が数10万ドイツマルクに達しうるものでありかつ実験室で専
門家によって実施される特性である。フォトクロミズムは周知の技術によっては
再現できないので、低レベル安全特徴は“エブリマン”の偽造技術からの防護を
提供する。高レベル安全特徴は、バッチ符号化のレベルまで、応用に対してある
いはユーザーに対して個々の安全性色の個別化を提供する。
【0021】 例えば、バクテリオロドプシンの変異体のフォトクロミズム、すなわち、観察
者が検知可能な可視光による照明における色変化は低レベル安全特徴を示す。視
覚的に検知可能な低レベル安全特徴の別な例は、フォトクロミックインク含有バ
クテリオロドプシンの様々な初期着色、様々な光サイクル及び/又は変わった動
的挙動である。
【0022】 誰もが簡単な方法で視覚的に知覚可能な低レベル安全特徴に対して、高レベル
安全特徴は、技術的に複雑な分析装置の助けを借りてしか、すなわち、装置分析
によってしか、確認することができない。高レベル安全特徴の確認は技術的助け
を要する。例えば、バクテリオロドプシンシーケンスにおけるアミノ酸の置換は
変異体の生成につながり、野生型からずれたその変異体の質量は質量分析器で検
出できる。しかしながら、例えば、異なる質量に因って、その分裂(断片化:fr
agmentation)パターンあるいは他の異なる性質を例えばESRあるいはNMR
を介して検知可能なバクテリオロドプシン変異体を形成することは原子及び/又
は分子をつけることによって可能である。
【0023】 アミノ酸置換によって、特に以下の高レベル安全特徴を提供することが可能と
なる。液体クロマトグラフ質量分析計/質量分析計(例えば、ESI)を用いた
検出においては、質量分析計は分子量の変化及び/又は分裂パターンの特徴的変
化を測定することができる。HPLCを用いた検出及び吸収あるいは蛍光の検出
では、ペプチド開裂(cleavage)の特徴的変化、例えば、分裂片の数を増加ある
いは減少させる開裂サイトの欠失あるいは付加を検出することができる。これら
の方法を用いて、芳香族アミノ酸の数の変化を検出することも可能である。特定
の単一クローンの抗体のバクテリオロドプシンのシーケンスあるいはその部位へ
の結合は、ELISAあるいは同様な方法によって検出することができる。
【0024】 付属装置で得られる高レベル安全特徴の例は、ESRによって得ることができ
るスピンラベル及び安定同位体(例えば、13C、15N)でラベルされたタンパク
質修飾(modification)試薬によって導入される修飾である。
【0025】 本発明で用いるフォトクロミックインクは、例えばフォトクロミズムのような
低レベル安全特徴、及び、例えば使用されるバクテリオロドプシンのシーケンス
情報(その情報は、例えば、個々のバッチの特定を可能にする)のような高レベ
ル安全特徴で防護された物体を提供する。
【0026】 本発明による方法は、マークされて物体についての二重の安全性を提供する。
低レベル安全特徴を容易に認識でき、そのため、容易にかつ迅速に確認可能であ
る一方、高レベル安全特徴は複雑な分析によってのみ検知可能な隠された安全特
徴であり、偽造するおそれのある者には全く認識することはでいない。偽造する
おそれのある者は、バクテリオロドプシンと結合することができる高レベル安全
特徴の総数があるので、特別の特徴を含むべきか否かは初期にはわからない。
【0027】 この付加安全性は、偽造に対して高い防護を提供し、同時に、例えば、製造者
あるいはバッチ符号化への物体の符号化を提供する。バクテリオロドプシン変異
体を用いることは、さらに、低レベル安全特徴と高レベル安全特徴とを互いに手
が付けられないほどにリンクする。というのも、それらは同じ分子から成るから
である。
【0028】 本発明によりラベルされた物体は、様々な方法で確認することができる。例え
ば、入金に対して銀行で実施することができるようなルーチンな確認に対して、
例えば、簡単な手段によって低レベル安全特徴についてだけチェックすることが
可能である。また、二又は三以上の低レベル安全特徴を平行に確認することも可
能である。さらに詳細な検査のためには、バクテリオロドプシン変異体の一又は
二以上の高レベル安全特徴ことは可能である。少なくとも二つの高レベル安全特
徴の存在は、2つの異なるバクテリオロドプシン変異体を用いることによって、
あるいは、2回修飾したバクテリオロドプシン変異体を用いることによって、得
ることができる。さらに、低レベル安全特徴及び高レベル安全特徴を合わせた確
認も可能である。
【0029】 バクテリオロドプシンは好塩菌の膜タンパク質である。タンパク質バクテリオ
ロドプシンは、好塩菌(Halobacterium)の微生物から大量に得ることができる
。基本光化学的及び物理的特性を用いて、野生型バクテリオロドプシンは、光で
活性化され、中間体のサイクルシーケンスを介して機能するフォトクロミック材
料として熟練した労働者に周知である。フォトクロミック特性はここで、B状態
及びM状態と証される2つの状態だけを有する大きく単純化された光サイクルを
用いることによってモデル化される。568nm波長の光によって照明することによ
って、紫B状態は黄色M状態に変換される。M状態の一部は412nm波長の光の吸
収によってB状態に戻る。バクテリオロドプシン材料を黄緑光で退色することが
可能であり、紫色は消え、黄色が現れる。熱緩和によって紫色は再度現れるまで
待つことができ、あるいは、バクテリオロドプシン材料を光化学的に再びB状態
に戻すために青色を用いる。前記バクテリオロドプシンの特性の概説は、N.N.Vs
evolodovによるBiomolecular Electronics:An introduction via Photosensitiv
e Proteins(Birkhaeuser, Boston, 1998年)、及び、D.Oesterheld, C.Braeuch
le, N.HamppによるBacteriorhodopsin:A Biological Material for Information
Processing, Quarterly Review of Biophysics, 24(1991) 425-478において見
ることができる。
【0030】 同じ初期色を野生型として有するが、光サイクルの動力学のいくつかにおいて
かなり異なっているかなりの数のバクテリオロドプシン変異体があることは熟練
した労働者には周知である。好適な例は、様々な刊行物、例えば、A.Miller, D.
OesterheldによるKinetic Optimization of Bacteriorhodopsin by Aspartic Ac
id 96 as an Internal Proton Donor, Biochim. Biophys. Acta 1020 (1990) 57
-64に記載されている。
【0031】 本発明では、可視光を用いて退色することができるバクテリオロドプシンを用
いることによるのが好ましい。500nmから600nmまでの波長域が有利であることが
わかった。バクテリオロドプシンは熱緩和によってあるいは第2の波長域の光で
照明することによって、始状態(初期状態)へ戻る。この第2の波長域に対して
は、400nmから500nmの波長を用いるのが有利である。
【0032】 M状態の寿命が長いほど、照明下でのバクテリオロドプシンの可視退色を検出
することが容易になる。通常、532nmで100mW/cm2以下の光出力を用いると、バク
テリオロドプシン材料の約90%の退色が達成する。
【0033】 今日まで、印刷による応用及び/又は安全性の分野での応用に対して、例えば
、標本がフォトクロミック成分としてバクテリオロドプシンを含むコーティング
、インクあるいは印刷インクのような標本は、文献に記載されてきた。前記従来
のフォトクロミック材料と比較して、バクテリオロドプシンは以下のような利点
を提供する: 1.可視光波長が色変化について使用できる。 2.両スイッチング状態が検知可能な固有の着色を有する。 3.遺伝学法の応用によって、バクテリオロドプシンの機能変異体をアミノ酸交
換によって準備することが可能となる。この方法で得られるバクテリオロドプシ
ン変異体は、動力学(BR−D96N)、及び/又は、その初期吸収、及び、そ
の光吸収(BR−D85N)において野生型バクテリオロドプシンとは異なる。
4.可能なスイッチングサイクル数は105より大きい。
【0034】 ハロバクテリア属の微生物におけるバクテリオロドプシンは、“紫膜”型で存
在する。紫膜型のバクテリオロドプシンの標本及び単離(isoaltion)は技術的
には周知である(例えば、EP0,406,850B1と比較)。
【0035】 野生型において、バクテリオロドプシンは細胞膜の2次元部の形で見つけられ
る。その2次元部は専らバクテリオロドプシン及び脂質から成る。この部は紫膜
と呼ばれる。この形では、バクテリオロドプシンは熱力学的に特に安定であり、
タンパク質に対しては、極端に安定である。これは、多数の技術的応用に対して
、及び、バクテリオロドプシンを色素として用いる本発明の標本の領域において
も前提条件である。従って、本発明では、紫膜の形でBR及び/又はBR変異体
を用いるのが好ましい。
【0036】 使用されたバクテリオロドプシンは野生型であってもよいが、本発明によれば
、フォトクロミックインクについては、少なくとも一つのバクテリオロドプシン
変異体をフォトクロミック部として含むことが好ましい。バクテリオロドプシン
変異体は少なくても一修飾だけ野生型と異なっている。機能変異体、シーケンス
変異体、誘導変異体、発色変異体、同位体変異体及び/又はスピンラベル変異体
からバクテリオロドプシン変異体を選択するのが好ましい。
【0037】 バクテリオロドプシン機能変異体でもあってもよいバクテリオロドプシンシー
ケンス変異体は、好塩菌サリナリウム(Halobacterium salinarium)で表現して
もよい。この結合では、バクテリオロドプシンは分離することができる細胞膜に
組み込まれている。場合によっては、得られた材料は二次元結晶ではないが、バ
クテリオロドプシンは膜結合である。
【0038】 個々のアミノ酸の特別の置換によってバクテリオロドプシン変異体を生成する
ときは、シーケンス変異体は、フォトクロミック機能に対して重要でない領域に
おけるアミノ酸を交換することによって準備することができる。アミノ酸はバク
テリオロドプシンについて遺伝子符号化のサイト指向突然変異生成によって置換
することが可能である。
【0039】 しかしながら、これは高レベル安全特徴の進化を示すものである。というのは
、バクテリオロドプシン分子における特別なアミノ酸置換は特定の目的に対して
用いることができ、それによって安全特徴となる。例えば、4個のアミノ酸位置
を20個の生物起源のアミノ酸で置換することによって、420=1012個の区別
可能なバクテリオロドプシン材料を準備することが可能になる。
【0040】 結果として、大きな技術的複雑さを伴うことなく、フォトクロミック機能的に
同一のバクテリオロドプシン材料を備えるが、あいまいさなくすなわちアミノ酸
シーケンスにおいて互いに異なる膨大な種類のバクテリオロドプシン分子を準備
することができる。
【0041】 付加的な高レベル安全特徴は、複雑な分析なしで検出することはできない。従
来技術において、前記修飾を有するバクテリオロドプシン材料の組成を信頼性高
く検出することができる様々な方法がある。真っ先に、質量分析器について述べ
なければならない(参照されたい:K.L. Schey, D.I. Papac, D.R. Knapp and R.
K. Crouch, Matrix-Assisted Laser Desorption Mass Spectrometry of Rhodops
in and Bacteriorhodopsin, Biophys., J. 63(1992)1240-1243, P. Hufnagel,U.
Schweiger, C. Eckerskorn and D. Qesterhelt, Electrospray Ionization Mas
s Spectrometry of Genetically and Chemically modified Bacteriorhodopsins
, Anal. Biochem. 243(1996) No.1, 46 54, L.E. Ball, J.E. Jr. Oatis, K. Dh
armasiri, M. Busman, J. Wang, L.B. Cowden, A. Galijatovic, N. Chen, R.K.
Crouch and D.R. Knapp, Mass Spectrometric Analysis of Integral Membrane
Proteins: Application to Complete mapping of Bacteriorhodopsins and Rho
dopsin, Protein Sci. 7(1998) No. 3, 758 - 764)。好適なバクテリオロドプシ
ン材料は、低レベル安全特徴すなわち光学的に容易に検出できるフォトクロミズ
ムを、高レベル安全特徴例えば、バクテリオロドプシン自体のアミノ酸シーケン
スにおけるシーケンス変動に結びつける。
【0042】 本発明は、以下の1.〜3.を含む低レベル安全特徴を備える: 1.バクテリオロドプシン材料の様々な始めの色 2.様々な光サイクル 3.修飾動力学挙動。
【0043】 本発明の低レベル安全特徴は、バクテリオロドプシンの機能的変異体を用いる
ことによって実現することができるが、低レベル安全特徴バクテリオロドプシン
派生変異体及び/又はバクテリオロドプシンの発光変異体のような他のバクテリ
オロドプシン変異体によっても実現できることが好ましい。
【0044】 用語“バクテリオロドプシンの機能的変異体”は、特に、吸収スペクトル及び
/又はその光サイクルにおいてバクテリオロドプシン野生型とは異なる変異体を
意味するものとして理解されるものである。
【0045】 周知の機能的変異体の例は、アスパラギン酸が位置96でアスパラギンによっ
て置換された変異体D96Nである。このバクテリオロドプシンの機能変異体及び他
の変異体は以下に記載されている:H. Otto, T. Marti, M. Holz, T. Mogi, M.
Lindau, H.G. Kilorana and M.P. Heyn, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86 (1
989), pp.9228-9232、及び、T.E. Thorgeirsson, S.J. Milder, L.J.W. Miercke
, M.C. Betlach, R.F. Shand, R.M. Stroud and D.S. Kliger, Biochemistry 30
(1991),pp. 9133-9142。
【0046】 用語“バクテリオロドプシン派生変異体”は、特に、分子の共有結合によって
野生型と異なるバクテリオロドプシン変異体を意味するものとして理解されるも
のである。このような分子は、例えば、質量分析計でこの種の分子を特定するこ
とができるようにバクテリオロドプシンの分子量を増加するという働きを有して
もよいし、又は、このようにバクテリオロドプシン結合蛍光を観察することがで
きるように蛍光分子であってもよい。同様に、バクテリオロドプシン材料はポリ
マーに共有結合してもよい。カップリング反応は、例えば、Chignell及びChigne
llによるBiophys.Biochem.Res.Commun.62(1975)p136-143の記載、及び、Renthal
らによるBiochemistry 22(1983)p5-12の記載に従って実施してもよい。
【0047】 適当な色素のバクテリオロドプシン分子への共有結合、及び/又は、受動色素
あるいは色素の単純混合は、バクテリオロドプシン材料あるいはフォトクロミッ
クインクのの初期色印象、及び、退色状態の色印象に強く影響を与えうる。色混
合を発展させる外観印象は、CIEダイアグラムにおいて明白に視角化すること
ができる。この種の周知の方法を用いることによって、熟練労働者は色効果を決
定することができる。
【0048】 リンカー(linker)分子をバクテリオロドプシンに結合することが可能であり
、その結合は他の化合物を前記リンカー分子に結合することを可能にする。本発
明の目的のためにつけることができる分子は、質量分析計においてこの種の分子
を特定することができるように、バクテリオロドプシンの分子量を増加する役目
を有する。
【0049】 用語“バクテリオロドプシンの発色変異体”は、特に、発色レチニリデン(re
tinyldene)群を除去するか、又は、他の分子、特に“レチナール類似体(analo
g)”に交換することによって野生型と異なるバクテリオロドプシン変異体を意
味すると理解されるものである。
【0050】 バクテリオロドプシン変異体を準備する可能性は、発色レチニリデン群を置換
することによって可能となる。これによって、光物理学的特性の修飾を達成し、
ジヒドロレチナール(dihydroretinal)あるいは4-ケトレチナール(4-ketoreti
nal)を使用することができるのが好ましい。
【0051】 用語“バクテリオロドプシンの同位体変異体”は、特に、アミノ酸の一部ある
いは全てをC13あるいはC15で部分的にあるいは完全にラベルされたバクテリオ
ロドプシン変異体を意味すると理解されるものである。これは、いくつかのラベ
ルされたアミノ酸を成長媒体に付加すること、あるいは、分子全体としてラベル
されたペプトンを用いることによって、達成することができる。この方法でラベ
ルされた化合物は、高分解能NMRによって同定することができる。
【0052】 用語“バクテリオロドプシンスピンラベル変異体”は、特に、バクテリオロド
プシン分子に共有結合されたスピンラベルを含むバクテリオロドプシン変異体を
意味すると理解されるものである。これは、例えば、TEMPO(2,2,6,6-tetramethy
lpiperidine-N-oxyl)、あるいは、DOXYL(4,4-dimethyloxazolidine-N-oxyl)、あ
るいは、PROXYL(2,2,5,5-tetramethylpyrrolidine-N-oxyl)誘導体をバクテリオ
ロドプシン材料に共有結合することによって得ることができる。スピンレベルの
存在及びタイプをESRによってチェックすることができる。
【0053】 用語“バクテリオロドプシンシーケンス変異体”は、特に、本質的に光サイク
ルに影響を与えない、一又は二以上のアミノ酸の欠失、置換あるいは付加によっ
て野生型とは異なるバクテリオロドプシン変異体を意味すると理解されるもので
ある。バクテリオロドプシンシーケンス変異体の例は、アミノ酸がN終端(term
inus)あるいはC終端に付加されたD36Cあるいは変異体である。
【0054】 上記の変異体の修飾の結合によって新しい好適な変異体が生成され、その結果
、膨大な種類のバクテリオロドプシン標本が可能となる。結果として、高レベル
安全特徴が得られる。というのは、分析は非常に複雑になり、同時に各個別のバ
ッチを膨大な多様性をもとに曖昧さなく同定することができる。
【0055】 バクテリオロドプシン変異体は、D36X、D96X、及び、D85X(Xは
、自然に生ずるアミノ酸の一つを示す)から選択されるのが好ましい。D36C
、D96N、及び、D85Nから選択されたBR変異体が特に好ましい。
【0056】 光感度が増大した突然変異体、特に、ホログラフィに対しても使用される材料
が特に好適である。
【0057】 バクテリオロドプシンの他に、バクテリオロドプシン標本はさらに、従来の非
発光色素、及び/又は、蛍光色素、及び/又は、バクテリオロドプシンに共有し
た色素、及び/又は他の発光色素をさらに含むことができる。非発光色素あるい
は蛍光色素をバクテリオロドプシンに混合することによって、前記色素あるいは
蛍光色素を安全性ラベル内に隠すことができる。このような実施形態では、さら
に、可視光に加えて、UV光を用いることが好都合である。
【0058】 さらに、蛍光分子あるいは燐光分子をバクテリオロドプシン分子に結合するこ
とが可能であり、結果として、その発光が付加的特徴となる。バクテリオロドプ
シン材料が非退色状態にあるとき、発光位置の適当な選択によって蛍光を抑制す
ることができる。これは、始期のバクテリオロドプシン吸収及び蛍光あるいは燐
光材料の発光の位置に強い重なりがあれば、達成される。この場合には、バクテ
リオロドプシン材料は発射プロトンを吸収し、裸眼ではいかなる蛍光を知覚する
ことも不可能である。蛍光は、バクテリオロドプシン材料が光化学的に退色され
た場合だけ可視となる。
【0059】 塗布されたバクテリオロドプシン材料の組成は、例えば、微量分析シーケンシ
ングによって、又は、免疫学的方法で特別な抗体との反応を測定することによっ
て、完全にあるいは部分的にバクテリオロドプシン材料のアミノ酸シーケンスを
決定することによって、チェックすることができる。
【0060】 高レベル安全特徴を含むバクテリオロドプシン材料は、以下の1.〜3.を有
するバクテリオロドプシン変異体を含むことが好ましい: 1.特別に修飾されたアミノ酸シーケンス(シーケンス変化は光物理学的特性に
影響を与えない)を有する。 2.共有結合分子を有する。 3.13C及び/又は15N及び/又は他の同位体でラベルしたアミノ酸を有する。
二又は三以上の上記バクテリオロドプシン変異体型の組合せは特に好ましい。
【0061】 本発明の方法では、以下の特徴を有する少なくとも一つのバクテリオロドプシ
ン変異体を用いることは特に好ましい: a)タンパク質の紫膜形の形成に要する領域はバクテリオロドプシン野生型と比
較して変化しない、 b)バクテリオロドプシン野生型と比較して、ポリペプチド鎖のループ又は/及
びC終端又は/及びN終端が、欠失、付加、挿入及び/又は置換を備える少なく
とも一つのアミノ酸交換を含み、これらのアミノ酸は、フォトクロミック領域に
よって特性が決定されるバクテリオロドプシンのフォトクロミック特性を変えな
い。
【0062】 このようなバクテリオロドプシンは、タンパク質の紫膜の形の形成に要する領
域におけるバクテリオロドプシン野生型と比較して変化しない。この発明の目的
に対して、この領域における小さな変化なしで、バクテリオロドプシンは紫膜を
形成することができるならば、それは十分である。
【0063】 アミノ酸シーケンスの本発明の変化は、全ポリペプチド鎖内のいかなる位置で
も、例えば、欠失、挿入、置換及び/又は付加のようなアミノ酸置換を備える。
アミノ酸をN終端及び/又はC終端及び/又は特に膜の外に位置するポリペプチ
ドループに付加することは好ましい。高レベル安全特徴の符号化のため本発明に
よって実施する変化は、フォトクロミック特性に影響を与えるバクテリオロドプ
シン領域において実施されないことが好ましい。適当な方法で実施するときは、
ポリペプチド鎖のループ及び/又はC終端及び/又はN終端におけるアミノ酸交
換は開始バクテリオロドプシンのフォトクロミック特性を変化させない。ここで
は、開始バクテリオロドプシンとして、野生型バクテリオロドプシン及びすでに
修飾されたバクテリオロドプシン、特にBR−D96Nを用いることが可能であ
ることを記憶に留めておかれたい。
【0064】 分析に使用可能なアミノ酸交換は、少なくとも一つの1ドルトン、好適には少
なくとも10ドルトン、さらに好適には100ドルトン以上のバクテリオロドプシン
分子量に変化に影響を与えるのが好ましい。分析のために、例えば、FTMS(
フーリエ変換質量分析計)、及び/又は、TOF(飛行時間型質量分析計)、及
び/又は、MALDI(マトリックス支援型レーザー脱離イオン化)、及び/又
は、ESI(電子スプレーイオン化)のような従来技術の装置及びイオン化方法
を用いる。
【0065】 アミノ酸の付加/挿入は、特に、1,000個までの付加アミノ酸、好適には100個
までの付加アミノ酸、さらに好適には50個まであってかつ少なくとも一つの付加
アミノ酸、及び、最も好適には3〜20個のアミノ酸を備えてもよい。少なくとも
6個のヒスチジン残基の付加は、XRFあるいはTXRFによって金属結合を介
してバクテリオロドプシン変異体の存在を検知するため利用することができる。
【0066】 欠失あるいは置換は特に1〜10個のアミノ酸、特に1〜4個のアミノ酸に影響を
与える。
【0067】 好適に用いられる置換変異体は、位置36のアスパラギン酸残基がシステイン
残基(BR変異体D36C)で置換されているバクテリオロドプシン変異体であ
る。
【0068】 バクテリオロドプシン分子のアミノ酸シーケンス変異体の分子量は、ESIあ
るいはMALDI−TOFを用いた質量分析計によって決定することができる。
質量スペクトルを再計算した後、研究している物質の分子量は一の質量数までの
分解能で得られる。例えば、欠失あるいは挿入によるアミノ酸シーケンスの変化
は、容易に分析的に検知可能な比較的大きな質量数変化につながる。たとえ、い
くつかのアミノ酸だけを他のアミノ酸で置換しても、結果的な質量変化は分析的
に十分である。
【0069】 少なくとも一つのアミノ酸をC終端で付加されたバクテリオロドプシン変異体
を用いるのが好ましい。少なくとも一つのシステインを含むバクテリオロドプシ
ン変異体を用いるのがさらに好ましい。他の好適な実施形態では、野生型と異な
る光サイクル及び/又は野生型と異なる始めの色を有する少なくとも一つのバク
テリオロドプシン変異体を用いる。
【0070】 低減された明暗適応(light/dark adaptation)を有するバクテリオロドプシ
ン変異体を用いることは最も好ましい。最大吸収が570nm(B状態)であるバク
テリオロドプシンは、暗闇(in the dark)では約10〜20分の半減期でゆっくり
と548nmの最大吸収の状態、“D状態”に緩和する。バクテリオロドプシン野生
型では、B状態とD状態が約50:50の平衡状態が暗闇で確立する。レチナールは
B状態では全トランス配置を有し、D状態では13-シス配置を有する。照射中、
バクテリオロドプシンはまず100%B状態に変換する。光サイクルはB状態から
始まり、その間に所望の強い色変化が生ずる(412nmへ吸収シフト)。
【0071】 本発明のバクテリオロドプシン含有フォトクロミックインクあるいはラベルし
た物体が比較的長時間にわたって暗闇で格納されれれば、バクテリオロドプシン
は“暗闇適合(dark adapted)状態”に変化する。バクテリオロドプシンを退色
するためにチェックすべき領域を始めて光で照明すると、前記領域は低減された
光感度あるいは低減された退色率を有するようである。これは、D状態からB状
態へバクテリオロドプシンを遷移するのに用いられる照明光の一部によって生ず
る。例えば、青色光を用いることによって、一度生成された生成された退色が再
度反転すると、すなわち、紫の始状態を再確立すると、材料は直接的な以下のさ
らなる照射において所望の高い光感度を示す。しかしながら、フォトクロミック
特性が第1のサイクルにおいて、暗闇での格納の後でさえ、すでに現れるのが望
ましい。このため、低減された明暗適合を有するかあるいは明暗適合が完全に欠
失したバクテリオロドプシン変異体は本発明の使用に対して好適な材料である。
【0072】 低減された明暗適合を有するかあるいは明暗適合が完全に欠失したバクテリオ
ロドプシン変異体は、レチナール類似体、あるいは、修飾アミノ酸シーケンスを
有するバクテリオロドプシン変異体を用いることによって得られてもよい。特に
適した例は、例えば、13-ジメチル-11,14-エポキシ-バクテリオロドプシン(13-
demethyl-11, 14-epoxy-bacteriorhodopsin)(M. Muradin-Szweykowskaらによる
Rec.:J.R.Neth. Chem. Soc. 102 (1983), 42-46)のような化学的に修飾した発
色団を有するバクテリオロドプシンである。さらに好適な変異体は、13-置換レ
チナール、特に、位置13にH原子、エチルグループあるいはプロピルグループ
を保持するレチナールを含むバクテリオロドプシンである(W. Gaertner らによ
る, Biochemistry27 (1988), 3497-3502.)。同様に好適に使用される低減さ
れた光適合を有するArg-82, Asp-85 and Asp-212突然変異体は、例えば、M.P
. Krebsらによって、Proc. Natl. Acad. Sci.USA 90 (1993), 1987-1991におい
て記載されている。さらに好適な突然変異体は、Y185F (P. Rath et al,
Biochemistry 32 (1993), 2272-2281) であり、and also the mutants descri
bed in S.P. BalashowらによってBiochemistry 32 (1993), 10331, 10343 及び
、K. Ihara らによる Biophys. J. 67(1994), 1187, 1191, に記載された突然変
異体、特にArg-82-Ala、及び、Met-145である。一般に、暗闇でB状態に残り、
D状態に変化しない変異体が好ましい。
【0073】 バクテリオロドプシン分子に共有結合された分子は、高レベル安全特徴の他の
オプションを提供する。分子の結合は、例えば、つけられた分子の特定の特性の
検知、あるいは、その質量を介して、他の分析寸法を可能にする。付けられた分
子は、例えば、ビオチン、及び/又は、アビジン、及び/又は、ジゴキシゲニン
(digoxygenin)であってもよい。質量分析器によって独立に検知可能な分子を
付けることも可能である。例えば、TEMPO、DOXYL、あるいは、PRO
XYLのようなスピンラベルの結合は、固体を用いることによって、制限をもっ
て実施することができるESR分析によって決定することができる。安定同位体 13 C及び15Nでラベルされたアミノ酸はNMR分析によって検出できる(M. Eng
elhard, B. Hess, G. Metz, W. Kreutz, F. Siebert, J. Soppa、and D. Oester
heltによるEur. Biophys. J. 18 (1990), 17-24に掲載された文献“ High resol
ution carbon-13-solid state NMR of bacteriorhodopsin: assignment of spec
ific aspartic acids and structural implications of single site mutations
”)。
【0074】 真正チェックのための高レベル安全特徴は、モノマーシーケンスが周知でかつ
適当ならばバクテリオロドプシン分子に結合されたポリマー分子によって得ても
よい。この結合で用いられるポリマー分子は、例えば、オリゴペプチド、ポリペ
プチド、タンパク質、核酸、ペプチド核酸(PNA)あるいは他の合成した自然
に生ずるものでないポリマーである。ポリペプチド及びタンパク質は、非タンパ
ク質部、核酸、非核酸部を含んでもよい。非タンパク質部及び非核酸部は、例え
ば、グリコシド部、ビオチン及び/又はジゴキシゲニン及び/又はアビジンを含
んでもよい。
【0075】 BRに加えて一又は二以上のポリマーをインクと混合することも可能である。
ここで、そのポリマーは、情報搬送成分、高レベル安全特徴として備え、又は、
単にラベルの粘性及び機械的特性を調整する役目をするに過ぎない。
【0076】 例えば、DNA、及び/又は、RNA、及び/又は、PNA分子、及び/又は
、前記分子型からのハイブリッドのような高レベル安全特徴として、バクテリオ
ロドプシンに結合されたポリマー分子は、例えば、特定のプライマーによってP
CR反応のような適当な増幅反応によって検出してもよい。ここでの検出は、ゲ
ル電気泳動サイズ分析を含むが、核酸ベースシーケンス決定を指向している。ポ
リペプチドは、微量分析シーケンス決定によって同様に分析され検出されてもよ
い。核酸及びポリペプチドの有機分析によって得られる可能性のため、自然に生
ずるのではないシーケンスを利用することも可能である。
【0077】 低レベル安全特徴と高レベル安全特徴との組合せは興味深い利点を提供する。
このような組合せは、例えば、低レベル安全特徴としてバクテリオロドプシンの
フォトクロミック特性を上記高レベル安全特徴の一つを組み合わせることによっ
て得られてもよい。このため、ポリマー分子を有するバクテリオロドプシンを用
いることは特に好都合である。しかしながら、バクテリオロドプシンあるいはバ
クテリオロドプシン変異体は、分析可能なポリマー分子として使用してもよい。
大きな変化性にかかわらず、安全特徴は互いに解けないほどリンクされる。また
、バクテリオロドプシンに加えて、BRに結合され及び/又は自由形のものと異
なるフォトクロミック材料ポリマーとして使用することが可能である。
【0078】 物体の真正を防護するための本発明の方法は、インクの形のフォトクロミック
標本を塗布する段階、あるいは、インクを特定の物体に印刷する段階とを備えて
いる。この結合においては、本発明の発色標本は、野生型バクテリオロドプシン
以外に、又は/及び、適当ならば発色部として少なくとも一つのバクテリオロド
プシン変異体、適当な補助物質及び/又は適当なマトリックス材料を含んでいる
【0079】 補助物質は以下の目的に使用する:応用プロセスのため:泡形成を回避するた
め、及び、使用特性を改善するため、及び/又は、安定性のため:標本物質をマ
イクロカプセルに入れるため、及び、UV線からの保護のため、又は/及び、外
観光学印象を改善するため:例えば、バクテリオロドプシン材料の非退色状態及
び退色状態において、吸収スペクトルに影響を与えるため。このような補助物質
の例としては、所望の初期あるいは終期色を達成するために単純にインクと混ぜ
る受動染料あるいは色素である。このように、混合色を生成すること、又は/及
び、スペクトルをシフトすることも可能である。
【0080】 物理的包含によって、又は/及び、マトリックス材料への共有結合によって、
又は/及び、標本材料あるいはマトリックス材料の化学的あるいは光化学的方法
によって連続的に架橋することによって、適当なマトリックス材料を準備材料を
固定するために用いる。この結合においては、架橋はグルタルアルデヒド、トラ
ンス-グルタミナーゼ、(自由ラジカル)重合、又は/及び、光化学架橋による
処理を含んでいる。
【0081】 本発明の発色標本は、例えば、オフセット、スクリーン、インクジェットのよ
うな周知の印刷プロセス、あるいは、ブラシによる機械的な適用によるパッド印
刷によって、スプレー、浸漬、あるいは電気泳動によって、塗布してもよい。本
発明のバクテリオロドプシン材料は引き続く乾燥によって固体化されてもよいし
、合成あるいは生物的マトリックス材料は、処置後によって不溶解性にすること
ができる。標本自体、あるいは、標本を塗布することができる補助基板を塗布(
貼付、取り付け)することができる。バクテリオロドプシン標本はマイクロカプ
セルに入れた形で存在してもよい。マイクロカプセルに入れた色標本は、印刷プ
ロセスにとって特に適している。
【0082】 本発明の方法の特に好適な実施形態では、フォトクロミックインクを用いるこ
とによって物体にラベルするため、フォトクロミックインクを物体に塗布し、そ
の後、乾燥及びマトリックス材料によって固定することによって固体化する。照
射によってフォトクロミック標本の色変化を生成することが可能である。色変化
に要する最小光エネルギーは、フォトクロミック標本のpHを介して設定されるの
が好ましい。
【0083】 さらに、特に隣接する2つの領域A及びBがラベルされる物体に塗布すること
が好ましく、第1の領域Aはバクテリオロドプシン変異体を含むインクでラベル
され、第2の領域Bは非発色染料(色素)を備え、その非発色染料の非照射状態
でのスペクトル放射は第1の領域の放射と異ならないが、照射後は第1の領域と
比較して異なる放射を示すものである。さらに、第1の領域をバクテリオロドプ
シン含有フォトクロミック標本でラベルし、第2の領域を第1の標本の光感度と
は異なる光感度の第2のフォトクロミック標本を備え、非照射状態では、第2の
領域はそのスペクトル放射においては第1の領域とは異ならず、照射後は第1の
領域と比較して異なる放射を示すものであるように、特に隣接する2つの領域A
及びBをラベルするために物体に塗布することも可能である。第2のフォトクロ
ミック標本は、バクテリオロドプシン野生型又は/及び第1の標本で使用される
BRと異なりかつ特に参照色として働くバクテリオロドプシン変異体を含むこと
が好ましい。
【0084】 本発明はさらに、少なくとも一つの、好適には少なくとも二つのバクテリオロ
ドプシン変異体を含むフォトクロミックインクに関係する。好適なバクテリオロ
ドプシン変異体は上記のようであり、この種のフォトクロミックインクは特に真
正を防護するためのラベル物体として適している。
【0085】 本発明のインクは、蛍光色素、色素、又は/及び、フォトクロミック色素のよ
うな当業者には周知の従来の色素に組合せで用いることができる。本発明のバク
テリオロドプシン材料含有インクは従来インクのように使用してもよく、物体の
真正の防護のために修飾に対して及び他の特殊な効果に対して使用することもで
きる。
【0086】 ここで、用語“インク”は、全ての色の書込液体/印刷液体、及び、適当な粉
状適合媒体も意味する。用語インクは、印刷インク、及び、物体上で印刷するの
に使用できあるいは印刷物を生成するために一般に使用される他の色組成を含ん
でいる。バクテリオロドプシン材料をインク、水、あるいは、例えば、アルコー
ルをベースにしたもののような他の溶剤として使用してもよい。少なくとも二つ
のバクテリオロドプシン変異体あるいは少なくとも二つの修飾を有する一のバク
テリオロドプシン変異体の使用は、分析が二次元的に実施可能であるという事実
によって、分析に対して有利な効果を提供する。バクテリオロドプシンの好適な
紫膜を除いて、本発明のインクはさらに固体状のバクテリオロドプシンを含んで
いる。
【0087】 固体状のバクテリオロドプシンは、例えば、大腸菌のようなホストにおいてバ
クテリオロドプシン遺伝子を表すことによって、かつ、付加レチナールアルデヒ
ドで再構成することによって得ることができる。脂質を除去することによって、
紫膜からバクテリオロドプシンを得ることも可能である。このため、例えば、紫
膜懸濁液(0D570<5)は水あるいはバッファにおいて1%トリトン-X100で混合
し、連続して、音波発生器(sonifier)マイクロプローブを用いて1時間超音波
処理する。遠心分離後に得られた上清は、可溶性のバクテリオロドプシンを含む
【0088】 BR含有フォトクロミック標本はいかなる物体に塗布されてもよい。特に関心
のある物体の例は、文書、証券、銀行券、芸術作品、身分証明書、衣類、モータ
ー車両、テストシンボル、品質シール等である。
【0089】 従って、本発明の他の実施形態は、少なくとも一つのバクテリオロドプシン変
異体を含むラベルを有する物体に関するものである。本発明の方法を用いて前記
ラベルを準備することが好ましい。ラベルは上記のようなフォトクロミックイン
クを含むのが好ましい。
【0090】 すでに説明したように、バクテリオロドプシン野生型は低い光感度を有し、そ
のため、通常の強い光源例えば日光のもとでは、裸眼で容易に検知可能な退色を
生成することは実質的に不可能である。この低い光感度の理由はM状態の半減期
が短いことである。
【0091】 しかしながら、バクテリオロドプシン野生型のM状態の半減期を適当な方法に
よって増加することは可能である。従って、本発明はさらに、物体にフォトクロ
ミックインクを塗布することによって物体の真正を防護する方法に関するもので
あって、該方法は、可視波長域の光で照明すると、視覚的に検知可能な状態の可
逆変化を行い、真正チェックにおいて低レベル安全特徴として使用可能なバクテ
リオロドプシン野生型をフォトクロミック部として含むフォトクロミックインク
を用いる段階を備え、インクがさらに水と結合し及び/又はプロトンの利用度(
availability)を低減する補助物質を含む。バクテリオロドプシン野生型の低い
光感度を増加する補助物質は、真正を防護するための方法において、バクテリオ
ロドプシン野生型を使用することを可能にするものである。インクにおいて添加
物として使用されたこのような補助物質は、バクテリオロドプシン野生型のM状
態の半減期を増加する働きをする。バクテリオロドプシン野生型のM状態の半減
期は、水がほとんど完全に除去されるならば増加する。補助物質は実質的には、
水を結合し、プロトン利用度を低減することを目的とする。適当な補助物質の例
は、主要アミノグループあるいは第2のアミノグループを含む混合物である。ア
ルギニンあるいはグアニジウム×HClを補助物質として用いることは特に好ま
しい。これらの補助物質は、光感度を向上するのにバクテリオロドプシン変異体
において使用してもよい。
【0092】 本発明の物体の真正を防護する方法において、使用するフォトクロミックイン
クは、BR変異体あるいはBR突然変異体を含むのが好ましく、突然変異は高レ
ベル安全特徴のため、及び/又は、光感度を向上するための情報として使用され
る。少なくとも二つの修飾、すなわち、バクテリオロドプシンの光感度を増加す
るための修飾、及び、周知の方法を用いて高レベル安全特徴として検出可能な他
の修飾を含む変異体を用いることは特に好ましい。
【0093】 (野生型バクテリオロドプシンは、共通照明レベルで著しく色を変化させる)
低光感度のため、野生型バクテリオロドプシンだけの使用は適当性が限定され、
野生型バクテリオロドプシンの一般的な利用度のため、真正保護のための関心が
比較的低い。しかしながら、バクテリオロドプシン野生型と光感度を向上するた
めの上記添加物のうちの一つの組合せを用いることによって、興味深い応用を開
発するのを可能にする。他の好適な実施形態では、例えば、初期の色、ラベル等
を調整するため、光感度を向上する上記添加物あるいは他の添加物は、一又は二
以上のバクテリオロドプシン変異体あるいはバクテリオロドプシン突然変異体と
共に用いる。
【0094】
【発明の実施の形態】 図1及び図2に係る以下の例によって詳細に本発明を例示する。
【0095】 例1:低レベル安全特徴チェック ユーザーは、バクテリオロドプシンあるいはBR変異体(図1)のフォトクロ
ミック特性を容易にチェックすることができる。文書1、例えば、銀行券、証券
、芸術作品、他の貴重な物体に付けられ、かつ、バクテリオロドプシン変異体D
96Nを含む標本から形成された特徴(特徴部)2は、例えば、それが緑色ある
いは黄色域の放射最大値を有する発光ダイオードの光3で照明されたとき、紫色
から黄色に色が変化するという現象によって、チェックすることができる。これ
は、領域が完全には照明されていないときに4において特に容易に認識できる。
さらなる操作無しで、数秒から数分後、使用される標本に依存して紫色が再度現
れ、初期状態が再確立される。代替として、紫色は、青色域で放射最大を有する
発光ダイオードの光5で照明することによって直ちに確立することができる。チ
ェックの技術的複雑さは無視できる。ユーザーは裸眼で色変化を追うことができ
るが、測定は器械によって行うこともできる。
【0096】 例2:複製防護 本発明の特徴2を含む文書1であって、その特性において、例えばバクテリオ
ロドプシン野生型の所定量の感光性バクテリオロドプシン材料とより光感度の高
いバクテリオロドプシン材料、例えば、バクテリオロドプシン変異体D96Nと
の組み合わせが用いられた文書1は、非照射状態において同一色の均一領域を有
する。感度の低いバクテリオロドプシン材料の代わりに、同じ色の適当な色素を
用いることも可能である。前記文書を写真複写機3によって複写すると、複写プ
ロセスの間の光の照射によって、感光性バクテリオロドプシン材料は感光性(光
感度)の低い周囲材料より強く退色される。結果として、複写物(コピー)4は
低レベル安全特徴5を示し、その特性は永遠に異なる色を保持する。これによっ
て、複写物を曖昧さなく複写物として認識することが可能となる。
【0097】 例3:処理後、補助物質、及び、応用方法 a)引き続き架橋 マトリックス材料とバクテリオロドプシンとから成る乾燥したフォトクロミッ
ク層を有する基板が、15分間40%グルタルジアルデヒド溶液につけておく。次い
で、グルタルジアルデヒド溶液は水で洗い落とす。フォトクロミック層は処理に
よって水不溶性になる。 b)光化学 10mgの紫膜(BR−D96N)を、4mlのUV硬化インク(シュミットからI
FS3000)を精密に分散されていた。ドクターブレードによって混合物を塗
布した後、UV光のもとで一晩硬化を実施した。 c)応用 スクリーン印刷 スクリーン印刷の原理は、マスキング技術に類似したポーラス(多孔質)印刷
である。印刷板は、インクが通過できないバリア層を備えたメッシュ構造で成る
。印刷はドクターブレードを用いてインク充填スクリーンをブラシすることによ
って実施する。プロセス中、インクは基板に転写される。スクリーン印刷インク
は、100mg/ml色素(バクテリオロドプシン野生型)を7.2%PVA溶液(モビル(
Mowoil)型56-98)に入れて一晩かき混ぜてとして準備した。流動学的特性が標
準サンプルに合致するところでは、従来のスクリーン印刷プレスにおいて印刷に
対して得られる混合物を用いることが可能だった。 オフセット印刷 1gの紫膜(BR−D96N)を50℃で色素無しの5mgのインクに入れてかき混
ぜた。共通のオフセット技術による印刷に対してこのようにして得た混合物を用
いることが可能だった。 d)機械的防護 積層化 バクテリオロドプシンを含有し基板に塗布されたフォトクロミック混合物は、
90℃〜140℃の温度でタイプGHQ-120TRの膜ポーチ(嚢:pouch)を有するホット
ラミネータを用いて積層した。 e)補助物質 泡形成の防止 PVA(モビル(Mowoil)型56-98、68mg/ml)を50℃の水で溶解した。凍結乾
燥状の紫膜をこの混合物に付加し、これによって、11mg/ml濃度を得た。1オクタ
ノール(1% v/v)を室温でこの混合物にいれてかき混ぜた。このようにして得ら
れた混合物は、インクを入れたときに泡の形成に対する特性を改善した。 UV照射からの防護 フォトクロミック色素を防護するためには、混合物を以下のUV吸収体あるい
は誘導体のうちのひとつと共に1〜30%、好適には3〜10%の濃度で混合した:ベ
ンゾフェノン、ヒドロキシナフトキノン、ケイ皮エステル、スルホンアミド、ア
ミノベンゼンエステル。
【0098】 例4 例えば、バクテリオロドプシン含有安全特徴を備えた銀行券のような使用文書
。照射の間、安全特徴は紫から黄色に色を変える。短時間(約30-60秒)後、及
び/又は青色波長域の光の照射の間、始めの紫色が再度現れる。この種の使用文
書は、不法複写あるいは偽造に対して防護される。
【0099】 例5 例4のようではあるが、青色波長域の光の照射は黄色から紫色への色の変化に
つながる。照射後、オリジナルの色は周囲の光によって再度現れる。
【0100】 例6 例えば、紫色の線を備えた契約書のような文書。この線は、正及び負のような
振る舞う2つのマスクを用いて二重印刷することによって生成される。これらを
用いて、2つのマスクによって、光感度の相異を示す2つのインク標本を用いる
ことができるようになる。白光に曝すと、感光性(光感度の高い)層は紫色から
黄色へ色が変わるほど、他の層の色はあっても非常にわずかだけである。これが
色のコントラストにつながる。これによって、従来は均一であって領域から、語
(例えば、オリジナルの)あるいはサイン及び/又は絵文字の他のシーケンスを
強調することが可能になる。
【0101】 例7 例6のようではあるが、印刷が通常の紙上、あるいは後で重ねることができる
複写物上にされている。ブランド品(例えば、ジーンズ等の衣類)に取り付けさ
れ、あるいは、ブランド品に付加された場合、前記文書は前記ブランド品の真正
が保証され、製品の特許権・著作権侵害行為を防止する。
【0102】 例8 不法コピーから文書を保護するため、見かけ上均一な領域は例6のように2つ
のマスクを用いて保証され、均一領域の部分は色変化が生じ、そのため、コピー
は不均一領域によってマークされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 真正検査(チェック)方法の手順を示す図である。
【図2】 安全特徴を用いた複写プロセスを示す図である。
【符号の説明】
1 文書 2 特徴(特徴部) 3 光 5 光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G07D 7/12 G03G 21/00 554 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2H113 AA01 AA03 BA05 BA09 BC09 CA36 CA39 CA40 CA43 DA13 DA34 DA41 DA44 FA10 2H134 NA03 NA06 NA21 NA24 NA27 3E041 AA01 BA09 BA12 BB03 DB01 4J039 AB07 CA11 EA29 GA13

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体にフォトクロミックインクを塗布することによって物
    体の真正を防護する方法であって、可視波長域の光で照明するときに、視覚的に
    検知可能な状態の可逆変化を行うものであってかつ真正チェックにおいて低レベ
    ル安全特徴として使用可能な少なくとも一つのバクテリオロドプシン変異体をフ
    ォトクロミック部として含むフォトクロミックインクを用いる段階を備え、イン
    クが低レベル安全特徴に加えて、一又は二以上の装置分析によってのみ検知可能
    でかつ視覚的に検知不不可能な高レベル安全特徴を有する方法。
  2. 【請求項2】 バクテリオロドプシン変異体が、機能変異体、シーケンス
    変異体、誘導変異体、発色変異体、同位体変異体又は/及びスピンラベル変異体
    から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 以下の特徴を有するバクテリオロドプシンを用いることを
    特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方法: a)紫膜形のタンパク質の形成に要する領域はバクテリオロドプシン野生型と比
    較して変化しない、及び、 b)バクテリオロドプシン野生型と比較して、ポリペプチド鎖のループ又は/及
    びC終端又は/及びN終端が、欠失、付加、挿入又は/及び置換を備える少なく
    とも一つのアミノ酸交換を含み、これらのアミノ酸が、フォトクロミック領域に
    よって特性が決定されるバクテリオロドプシンのフォトクロミック特性を変えな
    い。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つのアミノ酸をC終端に付加されたバクテリ
    オロドプシン変異体が用いられたことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 バクテリオロドプシン変異体が少なくとも一つのシスティ
    ンを含む請求項3又は請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 使用されるバクテリオロドプシン変異体は、野生型と異な
    る光サイクルと、野生型と異なる初期色とを有することを特徴とする請求項1か
    ら請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 D36C、D96N、D85Nから選択されたBR変異体
    を用いることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 フォトクロミックインクは他のポリマー分子を含むことを
    特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ポリマー分子がバクテリオロドプシンに結合されているバ
    クテリオロドプシン変異体を用いることを特徴とする請求項1から請求項8のい
    ずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ポリマー分子が非ペプチド部がないポリペプチドである
    ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ポリマー分子が、核酸、又は/及び、非核酸部を有する
    誘導体を備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 バクテリオロドプシン、又は/及び、その誘導体に結合
    した核酸が、適当な増幅反応によって検出されることを特徴とする請求項11に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 増幅生成物のシーケンスが決定されることを特徴とする
    請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 フォトクロミック標本は、少なくとも2つのバクテリオ
    ロドプシン変異体、又は/及び、少なくとも2つの修飾を有する一のバクテリオ
    ロドプシン変異体を備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか
    一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 補助物質が以下のa)からc)の目的で用いられること
    を特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の方法: a)泡形成を防止し、濡れ特性を改善するため、 b)インク材料をマイクロカプセル化し、安定性を改善するためにUV線を遮断
    するため、 c)外観的光学的印象を改善するためにバクテリオロドプシン材料の吸収スペク
    トルの影響を与えるため。
  16. 【請求項16】 a)物理的包含、b)マトリックス材料への共有結合、
    c)架橋、によってフォトクロミック材料を付けるためにマトリックス材料を用
    いることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 バクテリオロドプシン変異体がUV光によって硬化可能
    な色において十分に分散され、かつ、架橋がUV光による照射によって行われる
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 フォトクロミック標本自体、又は、インクが塗布された
    補助物質が、物体に塗布されることを特徴とする請求項1から請求項17のいず
    れか一項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 2つの、特に隣接する領域A及びBがラベルされる物体
    に塗布され、第1の領域Aはバクテリオロドプシン変異体を含むフォトクロミッ
    ク標本でラベルされ、第2の領域Bは非フォトクロミック色素を備え、その非フ
    ォトクロミック色素の非照射状態でのスペクトル放射は第1の領域の放射と異な
    らないが、照射後は第1の領域と比較して異なる放射を示すことを特徴とする請
    求項1から請求項18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 2つの、特に隣接する領域A及びBがラベルされる物体
    に塗布され、第1の領域はバクテリオロドプシン含有の第1のフォトクロミック
    標本でラベルされ、第2の領域を第1の標本の光感度とは異なる光感度の第2の
    フォトクロミック標本を備え、それによって、非照射状態では、第2の領域はそ
    のスペクトル放射においては第1の領域とは異ならず、照射後は第1の領域と比
    較して異なる放射を示すことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一
    項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 少なくとも一つのバクテリオロドプシン変異体を含むフ
    ォトクロミックインク。
  22. 【請求項22】 請求項1から請求項20のいずれかに記載の方法によっ
    てラベルされた物体。
  23. 【請求項23】 物体にフォトクロミックインクを塗布することによって
    物体の真正を防護する方法であって、可視波長域の光で照明すると、視覚的に検
    知可能な状態の可逆変化を行うものであってかつ真正チェックにおいて低レベル
    安全特徴として使用可能なバクテリオロドプシン野生型をフォトクロミック部と
    して含むフォトクロミックインクを用いる段階を備え、インクが水と結合し又は
    /及びプロトンの利用度を低減する補助物質を含む方法。
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