JP2002536465A - ヒアルロン酸をポリマーに架橋する方法 - Google Patents

ヒアルロン酸をポリマーに架橋する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物学的安定性の高いヒアルロン酸誘導体を提供する。 【解決手段】 本発明はHA以外のポリマー、たとえばバイオポリマー又は合成ポリマーに架橋されたヒアルロン酸(HA)誘導体、特に多重に例えば二重に架橋されたヒアルロン酸誘導体を製造する方法を提供する。この架橋はエーテル結合、エステル結合、スルホン結合、アミン結合、イミノ結合及びアミド結合から選ばれる二つ以上の異なる結合により行われるものである。本発明は新規な架橋誘導体、それらを含む生産物を提供する。本発明はさらに化粧品への適用、医学的適用及び薬学的適用における架橋したヒアルロン酸誘導体の使用をも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ヒアルロン酸(HA)誘導体、特には多重に、例えば二重に架橋し
たヒアルロン酸誘導体の製造方法、並びにこのようにして得られた新規の架橋誘
導体及びそれらを含有する製造物に関し、そして化粧用、医学用及び薬学用の適
用におけるそれらの使用に関する。
【0002】 HAは、グリコサミノグリカンとして知られるポリマーのクラスの構成員であ
る。HAは、長い直鎖多糖であり、通常分子式(C14H20NNaO11)n(nは起源、単
離法及び決定方法によって変化しうる)で表されるナトリウム塩として存在する
。しかしながら、分子量は14×106までであると報告されている。
【0003】 HA及びその塩は、ヒト臍帯、雄鶏冠及びほとんど全ての脊椎動物の結合マト
リックスといった多くの起源から単離されうる。HAは、ケンドールら(1937)
、Biochem. Biophys. Acta, 279, 401-405に示されるようなストレプトコッカス
などの細菌の莢膜成分でもあり、従って発酵方法によっても得られるであろう。
例えば、本出願人の米国特許第5,411,874号には、ストレプトコッカス・イクイ
の連続発酵によりヒアルロン酸を製造する方法が記載されている。
【0004】 HAは、免疫原性がなく、従って医薬において非常に可能性がある。その粘弾
性質により、高分子量(100万以上)のHAは創傷治療、眼病手術及び整形外
科手術といった種々の臨床分野において特に有用であることがわかってきた。ま
たHAは化粧用への適用といった医薬以外の種々の分野においても有用である可
能性がある。
【0005】 しかしながら、これらの適用の一部におけるHAの使用は、ヒトへの投与後に
HAがヒアルロニダーゼなどの酵素及び遊離基により容易に分解されるという事
実により限定される。さらに、HAは室温で水に可溶性であり、このことが一定
の適用には適さなくすることもある。従って、HAのより安定な形態を製造する
ための種々の試み、特にHA分子を架橋することによる安定化の試みがなされて
きた。
【0006】 こうして、米国特許第4,582,865号(バイオマトリックス・インク)には、架
橋剤としてジビニルスルホンを用いてHA単独でか又は他の親水性ポリマーと混
合して架橋することにより形成されるヒアルロン酸の架橋ゲルの製造が記載され
ている。この場合、架橋はHAのヒドロキシル基を介して起こるようである。
【0007】 米国特許第5,550,187号(コラーゲン・コーポレーション)には、好ましくは
コラーゲンであるが、ヒアルロン酸を含む他のポリマーから選択してもよい生物
学的適合性ポリマーを、合成親水性ポリマーなどの滅菌乾燥架橋剤と混合する工
程を含む、架橋した生物材料組成物を製造する方法が記載されている。
【0008】 米国特許第5,510,121号(リーら)には、グリコサミノグリカン又はその誘導
体を親水性ポリマー、特には活性PEG誘導体に共有結合させることにより形成
される複合体が記載されている。記載された操作は、一工程の架橋のみを含むよ
うである。
【0009】 米国特許第5,578,661号(ネペラ・インク)には、三つの主成分から形成され
る外傷用医薬材料として使用するためのゲル形成システムであって、第一は水溶
性ポリマーであり、第二は酸含有ポリマーであり、そして第三はヒアルロン酸な
どの多糖又はアミノ含有ポリマーであるシステムが記載されている。この場合は
、架橋はイオン結合を介しているようである。
【0010】 米国特許第5,644,049号(イタリアン・ミニストリ・フォア・ユニバーシティ
ズ・アンド・サイエンティフィック・アンド・テクノロジー・リサーチ)には、
ポリマー成分の一つがヒアルロン酸などの酸性多糖であり、第二ポリマー成分が
合成化学ポリマーであればよい相互浸透性のポリマー性網状組織(IPN)を含
んでなる生物材料が記載されている。二つの成分は架橋してもよい(が、必要で
はない)。
【0011】 トミハタ及びイカダは架橋剤として水溶性カルボジイミドを用いるHAの架橋
を報告した。架橋はエステル基を介して行われると仮定された。また架橋反応は
、L−リジンメチルエステルの存在下で行われ、これはリジンエステルへのアミ
ド結合を介してさらなる架橋を行わせるようであった(J. Biomed. Mater. Res.
, 37, 243-251, 1997)。
【0012】 米国特許第5,800,541号には、多重工程反応を用いて調製されるコラーゲン合
成ポリマーマトリックスが記載されている。第一工程は、コラーゲンと合成親水
性ポリマーとを反応させる工程を含む。生ずるマトリックスを次に第二反応工程
で修飾する。この第二反応工程は、該マトリックスを合成ポリマーと架橋又は結
合させる工程、生物活性分子又はグリコサミノグリカンを該マトリックスに結合
させる工程、通常の化学的架橋剤を用いて該マトリックスを架橋する工程又は化
学反応により該マトリックス中のコラーゲンを修飾する工程を含みうる。この方
法では、初めのコラーゲン合成ポリマーマトリックスは一つのタイプの結合のみ
により架橋するようであり、該方法のさらなる工程は異なるタイプの結合を形成
しうるさらなる化学物質を導入するのに役立つ。しかしながら、生産物を形成す
る物質のどの二つをとっても、二つ以上のタイプの結合により互いに連結される
ことはないようである。
【0013】 国際特許出願第WO97/04012号(アガーラップ)には、多糖(とりわけ、ヒアル
ロン酸であってもよい)ゲル組成物であって、多糖の水溶液を形成し、多機能架
橋剤の存在下に架橋を開始し、ゲル化が起こる前に架橋反応が停止するのを立体
的に阻止し(例えば、溶液を希釈することにより)、次に立体的に阻止されない
条件を再度導入して(例えば、溶液を蒸発させることにより)架橋を続行するこ
とにより粘弾性ゲルを調製することにより調製される組成物が記載されている。
この出願には、異なるタイプの結合が二つの架橋段階で形成されるという示唆は
ない。
【0014】 前記文献のいずれにおいても、HAが一つ以上のポリマー分子(同じでも異な
っていてもよい)に、二つの異なるタイプの架橋結合により連結される生産物は
記載されていない。
【0015】 本発明者らは、ヒアルロン酸が二つの異なるタイプの架橋結合により他のポリ
マーと架橋して「二重架橋」を形成することを見いだした。異なるタイプの結合
の形成は、異なる官能基を介して架橋を行うことにより達成される。従って、こ
のようにして形成された結合は官能基結合として記載されうる。このように、例
えば一つのタイプの結合はヒドロキシル基を介した架橋により形成され、異なる
官能基結合は例えばカルボキシル基を介した架橋により形成されるであろう。こ
のような多重架橋は、架橋の程度及び第二ポリマーの選択に基づきHAの生物学
的安定性の改良された高度の架橋に至ることがわかった。
【0016】 従って第一の側面では、本発明は多重(例えば、二重)に架橋したヒアルロン
酸誘導体の製造方法であって、HA以外の一つ以上のポリマーにHAを架橋する
工程、及び任意選択的に二つ以上の異なる官能基を介して別のHA分子にHAを
架橋する工程を含む方法を提供する。
【0017】 各タイプの官能基の架橋は、以下に一層詳細に記載するように、HA及び少な
くとも一つの他のポリマーを、同時に又は逐次的に一つ以上の架橋剤と接触させ
ることにより行われるであろう。
【0018】 本明細書中、HAが架橋するであろうポリマーは一般に「ポリマー」、「第二
ポリマー」又は「後のポリマー」と称する。「第二ポリマー」又は「後のポリマ
ー」はポリマーの混合物を含んでいてもよい。
【0019】 本明細書中、「多重に架橋したHA」とは、HA分子が二つ以上の異なるタイ
プの官能基結合により第二ポリマーに架橋し、及び任意選択的に後のポリマー及
び/又は別のHA分子に架橋しているヒアルロン酸誘導体を指す。同様に、「二
重に架橋したHA」とは、HA分子が二つの異なるタイプの官能基結合により第
二ポリマーに架橋し、及び任意選択的に後のポリマー及び/又は別のHA分子に
架橋しているヒアルロン酸誘導体を指し、「単一架橋したHA」とはHA分子が
一タイプのみの官能基結合により第二ポリマーのみに架橋したヒアルロン酸誘導
体を指す。
【0020】 本発明に従ってHAが架橋しうるポリマーとしては、バイオポリマー及び合成
ポリマーが挙げられる。もちろん前記ポリマーは非毒性であり且つ生体適合性で
あるべきだと解される。第二(又は後の)ポリマーは水溶性ポリマーであること
が好ましい。また、第二(又は後の)ポリマーの性質がある程度まで最終架橋生
産物の性質に影響するとも解される。従って、第二又は後のポリマーは最終生産
物に望む性質に関連して選択され、これらの性質と適合し、かつこれらの性質を
高めるべきものでもある。特に、第二(又は後の)ポリマーは優れた生物学的安
定性を有することが好ましい。
【0021】 採用してもよい合成ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポ
リエチレンオキシド(PEO)及びポリプロピレンオキシド(PPO)だけでな
く、前記ポリマーのいずれかのコポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド並びに他のヒドロキシル、カルボキシル及び親水性合成ポリマーのコポリマー
が挙げられる。
【0022】 本発明に従って採用してもよいバイオポリマーとしては、ポリペプチド、セル
ロース及びヒドロキシエチルセルロース若しくはカルボキシメチルセルロースと
いったセルロースの誘導体、アルギン酸塩、キトサン、脂質、デキストラン、デ
ンプン、ジェランガム並びに他の多糖類が挙げられる。
【0023】 前記ポリマーは、非イオン性、陰イオン性又は陽イオン性であってもよい。非
イオン性ポリマーとしては、PVA、PEO及びPEO−PPO−PEO等のコ
ポリマーが挙げられる。陽イオン性ポリマーとしては、キトサン、アミノ含有ポ
リマー、コラーゲン及びゼラチンが挙げられる。陰イオン性ポリマーとしては、
アルギン酸塩、ジェランガム、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリ
アクリル酸及びポリアスパラギン酸が挙げられる。
【0024】 一定のポリマー、例えばポリペプチドは種々の因子、例えば反応混合物のpH
に応じて、陰イオン性型又は陽イオン性型のいずれかで存在すると解される。一
般に、それらを陰イオン性とする条件の下でこのようなポリマーを使用すること
が好ましい。
【0025】 各タイプの官能基の架橋は、以下に一層詳細に記載するように同時に又は逐次
的に行われうる。
【0026】 第二ポリマーへの架橋に主として関与するHA分子の官能基は、ヒドロキシル
基及びカルボキシル基である。ヒドロキシル基はエーテル連結を介して、及びカ
ルボキシル基はエステル連結を介して架橋するであろう。望ましい場合は、架橋
の前にHAを化学的に修飾し、他の化学的反応基を形成してもよい。こうして、
例えばHAを酸又は塩基で処理して少なくとも部分的脱アセチル化を行い、遊離
アミノ基が存在するようにしてもよい。前記アミノ基は、アミド(−C(O)−
NH−)、イミノ(−N=CH−)又は二級アミン結合(−NH−CH−)を介
して架橋してもよい。イミノ結合はアミン結合の前駆体であり、イミノ連結は還
元剤の存在下にアミン連結に変換されうる。
【0027】 本発明の方法に用いられるであろう架橋剤としては、当該技術分野で良く知ら
れるものが挙げられ、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジビニル
スルホン、ポリアンハイドライド、ポリアルデヒド、多価アルコール、カルボジ
イミド、エピクロロヒドリン、エチレングリコール ジグリシジルエーテル、ブ
タンジオール ジグリシジルエーテル、ポリグリセロール ポリグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコール ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコ
ール ジグリシジルエーテル、又は1,2,3,4−ジエポキシブタン若しくは
1,2,7,8−ジエポキシオクタン等のビス−若しくはポリ−エポキシ架橋剤
が挙げられる。
【0028】 エーテル連結を形成するための架橋剤は、ホルムアルデヒド、グルタルアルデ
ヒド、ジビニルスルホン並びにアルカリ条件下でのビス及びポリエポキシドから
選択することが好ましい。該架橋剤は、疎水性炭化水素セグメント、例えば1,
2,3,4−ジエポキシブタンを含むことが好ましく、又は1,2,7,8−ジ
エポキシオクタンを含むことが最も好ましい。
【0029】 エステル連結を形成するための架橋剤は、多価アルコール、カルボジイミド、
ポリアンハイドライド、カルボン酸塩化物並びに酸性条件下でのビス及びポリエ
ポキシドから選択することが好ましい。該架橋剤は、疎水性炭化水素セグメント
、例えば1,2,3,4−ジエポキシブタンを含むことが好ましく、又は1,2
,7,8−ジエポキシオクタンを含むことが最も好ましい。
【0030】 アミド連結は、アミン、カルボン酸無水物及び塩化物(脱アセチル化HAを伴
う)、並びにジイソシアン酸塩の存在下でのカルボジイミドから選択される架橋
剤を用いて形成することが好ましい。
【0031】 アミン連結は、脱アシル化HAのアミノ基の存在下、還元剤を用いるエポキシ
ド又はグルタルアルデヒドから選択される架橋剤を用いて形成することが好まし
い。
【0032】 イミノ連結(シッフ塩基結合)は、脱アシル化HA中のアミノ基の存在下にグ
ルタルアルデヒドを用いて形成されうる。
【0033】 スルホン連結は、塩化スルホニルを用いて形成することが好ましい。
【0034】 本発明の一実施態様では、異なる官能基結合が逐次的に多段階操作において形
成されてもよい。これは各段階において異なる架橋剤を用いるか又は各段階で同
じ架橋剤を用い、且つ要求される特定の架橋反応を制御するための反応条件を調
整することにより達成されうる。
【0035】 このように、本発明の段階的方法における多重、例えば二重の架橋を達成する
には、第一架橋反応を、例えば以下に記載する方法のいずれかを用いて行う。こ
れが完了すれば、又は必要な限度まで進行すれば、さらなる架橋剤を反応混合物
に加えて第二の架橋を行う。さらなる架橋剤は第一と同じでもよく、又は異なっ
ていてもよい。異なる架橋剤を採用する場合は、一般的に反応条件を変更するこ
となく該架橋剤が異なるタイプの官能基結合を形成するように該異なる架橋剤が
選択される。しかしながら、同じ架橋剤を採用して両方の架橋を形成する場合は
、異なるタイプの結合を形成するように、反応条件をそれに応じて調整するべき
である。当該技術分野の熟練者には、適切な架橋剤及び所望の結合を形成させる
ための適切な反応条件を容易に選択できるであろう。
【0036】 疑問を避けるため、仮に同じ架橋剤を各工程で同じ反応条件下で用いれば、一
つのタイプの連結のみが生じ、すなわちたとえ二以上の段階で製造したとしても
単一に架橋された生産物を得ることになることを強調しておく。
【0037】 本発明に従って二つ以上の官能基結合を逐次的に、すなわち多重段階反応で形
成する場合、反応の第一段階で形成された架橋は第二又は後の架橋を形成するの
に必要な反応条件に耐える程の充分な強さを持つべきだと解される。こうして、
二つ(又はそれより多くの)の結合のうちのより強い方がまず形成されるべきで
ある。このことは熟練者には容易に理解され、必要であれば日常的な実験により
決定されうる。
【0038】 こうして、架橋がヒドロキシル基及びカルボキシル基を介して形成される場合
は、第一段階の架橋はヒドロキシル基を介して行われてエーテル連結を与え、第
二段階架橋はカルボキシル基を介して行われてエステル連結を与えるべきである
ことが認識されるであろう。
【0039】 エーテル結合は、アルカリ条件下で、好ましくはpH10以上でエポキシド架
橋剤を用いて形成されうる、又は架橋されるポリマーがアミノ基を含まないなら
ば、酸性条件下で、例えばpH4以下で架橋剤としてグルタルアルデヒドを用い
て形成されうる。エステル結合は、酸性条件下、例えばpH4又はそれ以下でエ
ポキシド架橋剤を用いて形成するとよい。
【0040】 このようにして、例えば、エーテル連結を形成するための第一の架橋反応は1
,2,7,8−ジエポキシオクタン等のエポキシドを用いてアルカリ条件下で、
好ましくはpH10以上で、例えばpH10〜pH12の範囲で行うとよい。エ
ステル連結を形成する第二の架橋反応は、同じ架橋剤を採用し且つpH4以下、
例えばpH4〜pH2の範囲に反応培体のpHを調整することにより連続して行
ってもよい。代替的には、各工程で異なる架橋剤を用いてもよく、この場合には
反応条件を調整する必要がないであろう。こうして、例えば第一の架橋反応は酸
性条件下グルタルアルデヒドを用いて行ってエーテル連結を形成し、その後、同
じく酸性条件下でエポキシド架橋剤を用いた反応によりエステル連結を形成して
もよい。
【0041】 採用されたポリマー全体(すなわち、HA+第二+後のポリマー、本明細書中
HA/ポリマー複合物と称する)に関するHAの濃度は、一般に1〜99%、例
えば5〜95%の範囲である。HA/ポリマー複合物中のHAの濃度は、少なく
とも50%であることが好ましく、99%まで、例えば90%HAでもよい。
【0042】 この方法の各段階で採用されるポリマー全体(HA+第二ポリマー)に対する
架橋剤の割合は、一般に重量比で1:10〜10:1の範囲である。
【0043】 個々の架橋反応は、当該技術分野で一般に知られる方法に従って行いうる。
【0044】 このように、出発物質として用いるHA及び第二ポリマーは、フィルム又は溶
液の形態であってもよい。HA/第二ポリマーフィルムは、HA及び要求される
第二ポリマーを水溶液中で混合し、かつ前記溶液を乾燥してフィルムを形成する
ことにより得られうる。このようなフィルムを採用する場合は、これを架橋剤と
共に適切な溶媒に懸濁してもよい。反応培体は、酸性又はアルカリ性水溶液と混
合した、アセトン、クロロホルム等の有機溶媒又はアルコール、例えばエタノー
ル又はイソプロパノールを含んでなる。酸性溶液は好ましくはpH4以下であり
、アルカリ性溶液は好ましくはpH10以上である。架橋反応は、温度15〜3
0℃の範囲、例えば周囲温度で適切に行われる。
【0045】 好ましくは、HA/ポリマーフィルムを出発物質として採用する場合、アルカ
リ条件下でエポキシドを用いるか、又はHA/ポリマーフィルムが遊離のアミノ
基を含まない場合、酸性条件下でグルタルアルデヒドを用いてまずエーテル架橋
を形成した後、酸性条件下でエポキシドを用いてエステル架橋の形成をする。H
Aポリマー/フィルムがアミノ基を含む場合は、酸性条件下でグルタルアルデヒ
ドを用いてイミノ連結を有するシッフ塩基を形成することができる。このイミノ
連結は還元剤を用いてアミン連結に変換することができる。
【0046】 代替的には、架橋剤は、HAと第二ポリマーの酸性又はアルカリ性水溶液に加
えてもよい。酸性条件下では、出発溶液のpHは好ましくはpH4以下であり、
アルカリ溶液については、pHは好ましくはpH10以上である。ポリマー全体
、すなわち溶液中のHAプラス他のポリマーの濃度は、1〜10%w/wの範囲が
適切である。反応は、温度15〜50℃の範囲内の温度で行うとよい。架橋反応
完了の時間は、一般に約数時間〜数日まで変動する。HAと第二ポリマーの溶液
を採用する場合は、アルカリ条件下でのエポキシドを用いてまずエーテル架橋を
形成した後、酸性条件下でのエポキシド(好ましくは第一工程と同じエポキシド
)を用いてエステル架橋を形成することが好ましい。
【0047】 さらなる方法では、HAと第二ポリマーの溶液を第一架橋反応に供し、中間体
生産物を乾燥してフィルムを形成し、該フィルムを前記のようにさらなる架橋反
応に供して二重に架橋した生産物をフィルムの形態で得る。好ましくは、この手
順に従って二重に架橋したHA誘導体を得るため、アルカリ条件下でエポキシド
を用いてまずエーテル架橋を形成した後、酸性条件下でエポキシド(好ましくは
第一工程と同じエポキシド)を用いてエステル架橋を形成する。
【0048】 本発明の別の実施態様では、第二ポリマーとのHAの多重架橋、特には二重架
橋は、同じ条件下で二つの異なる官能基を架橋するのに適切な二つの異なる架橋
剤とHA及び第二ポリマーを同時に接触させることにより、一段階で行いうる。
このようにして、例えば一工程でエーテル基及びエステル基の両基を形成するに
は、HA及び第二ポリマーをグルタルアルデヒド及び1,2,7,8−ジエポキ
シオクタンの混合物と接触させるとよい。
【0049】 本方法の各段階で採用するポリマー全体(HAプラス第二ポリマー)に対する
架橋剤の割合は、一般に1:10〜10:1の重量範囲となる。
【0050】 生産物の正確な性質は、架橋の程度、従って生産物の特性を制御するように反
応条件を適当に選択することにより変えることができる。架橋の程度、従って最
終生産物の性質に影響を与える因子としては、採用する出発物質HAの形態、第
二ポリマーの性質、HA及び第二ポリマーに対する架橋剤の添加割合、反応時間
、温度及びpHが挙げられる。生産物をゲル又はフィルムの形態で得ればよく、
透明又は不透明であってもよい。水吸収能及び生物学的安定性は、生産物の正確
な性質により変わるであろう。
【0051】 本発明の生産物は、HAと他のポリマー出発物質を溶液、フィルム又はシート
の形態で用い、且つ撹拌せずに操作を行うことにより、フィルム又はシートの形
態で得ることができる。HAと第二ポリマーを含む架橋していないフィルム又は
シートは、溶液中でHAと該第二ポリマーを混合し、乾燥してフィルム又はシー
トを得ることにより得られるであろう。HAプラスポリマーをフィルム又はシー
トの形態で用いる場合は、PBS緩衝液などの水溶液中に置くと、水を吸って、
膨潤し、ゲルを形成すると解される。望ましい場合は、前記のように中間体フィ
ルムを第一架橋工程の後に任意選択的に形成してもよい。生産物は、架橋の程度
及びHAが架橋する他のポリマー(単数又は複数)の性質により、透明又は不透
明となりうる。このように、例えばHAとPVA等のポリマーとの架橋は、フィ
ルム又はシートの形態の不透明な生産物を形成することができる。高度に架橋し
たHA/ポリマー生産物は、一般に不透明であり、白色に着色することさえある
【0052】 ゲルの形態の本発明の生産物は、例えば前記のように調製しうるフィルムの水
和により得られうる。必要であれば、このフィルムを小片に小分けし、水吸収を
助けてもよい。
【0053】 不透明なゲルの形態で本発明の生産物を得るには、HAと他のポリマー出発物
質を溶液、フィルム又はシートの形態で用い、そして全操作を撹拌しながら、か
ついかなる段階においてもフィルムを形成させずに行えばよい。
【0054】 どの架橋方法を用いても、反応の完了は当分野でよく知られた方法により機械
的に制御することができ、例えば反応混合物を中和することにより及び溶媒沈殿
を行うことにより反応を終結させ、所望の程度にまで架橋した生産物を得ること
ができる。
【0055】 最終生産物は、通常の手順により、反応培体から単離しうる。
【0056】 三以上の異なる架橋を含む生産物が要求される場合は、前記のように逐次的又
は同時の架橋反応を適切に組み合わせることにより調製しうると理解される。
【0057】 本発明の特定の実施態様では、HAをアルギン酸塩と架橋してもよい。アルギ
ン酸塩は、例えばアルギン酸ナトリウム溶液の形で採用するとよい。架橋反応の
開始前に、アルギン酸塩及びHAを均一な溶液の形に混合するのが便利である。
またカルシウムイオンを、例えば塩化カルシウム溶液の形で反応混合物に添加し
てもよい。これはイオン性架橋を形成する。
【0058】 HA/アルギン酸塩複合物におけるHAの濃度は、95〜5%の範囲であれば
よく、少なくとも50%、例えば90%までであることが好ましい。
【0059】 HA及びアルギン酸塩をヒドロキシル基及びカルボキシル基の両基を介して架
橋し、エーテル架橋結合及びエステル架橋結合を生じさせることもできる。従っ
て、架橋を段階的方法で行う場合は、エーテル結合をエステル結合の前に形成す
べきであると解される。1,2,7,8−ジエポキシオクタン等のエポキシド架
橋剤を用いてアルカリ性条件下で第一架橋反応を行った後、1,2,7,8−ジ
エポキシオクタン等のエポキシドを用いて酸性条件下で第二の架橋反応を行うこ
とが好ましい。
【0060】 この実施態様では、架橋は両ポリマー上にあるヒドロキシル基及びカルボキシ
ル基を介して行われ、こうしてHAはアルギン酸塩と二つの異なる官能基結合(
エーテル及びエステル)を形成する。カルボキシメチルセルロースやジェランガ
ムなどの他の陰イオン性ポリマー、及び二つの異なる官能基を有する他のポリマ
ーは同様にしてHAと二重に架橋することができる。
【0061】 ポリアクリル酸等のカルボキシル基のみを含む陰イオン性ポリマーの場合は、
エステル連結を介して、HAと単一の架橋のみが形成されると解されよう。本発
明に従えば、第二の架橋は二つのHA分子の間に、又は架橋したHAと異なるポ
リマーとの間に形成されうる。
【0062】 別の特定の実施態様では、HAは非イオン性ポリマーであるポリビニルアルコ
ール(PVA)と架橋しうる。この例では、HAとPVAはヒドロキシル基を介
して架橋してエーテル結合を形成し、且つHAはさらにカルボキシル基を介して
別のHA分子に架橋してエステル結合を形成する。
【0063】 まずHAとPVAを溶液中で混合し、これを乾燥してHA/PVAフィルムを
得ることができるが、これは架橋していない。架橋は、前記の方法により行われ
るうる。架橋はHAとPVAとの間のエーテル架橋の形成の後、二つのHA分子
間のエステル架橋の形成という、段階的方法により行うことが好ましい。エーテ
ル結合はアルカリ条件下でエポキシドを用いて形成し、且つエステル結合は酸性
条件下でエポキシドを用いて形成することが好ましい。エポキシドは1,2,7
,8−ジエポキシオクタンであることが有利である。
【0064】 なおもさらなる特定の実施態様では、HAはバイオポリマーであるキトサン(
CS)と架橋しうる。キトサンは、無水グルコサミンの直鎖ポリマーである。商
業的に入手しうるキトサンは、実際はキチンとの混合物であり、前者は後者の脱
アセチル化誘導体である。本明細書中、用語「キトサン」は純粋なキトサンだけ
でなく、キチンとのそれの混合物をも意味するように用いられる。この実施態様
では、キトサンはHAと相互浸透性網状組織(IPN)を形成する。こうしてキ
トサンとHAはそれぞれそのアミノ基及びヒドロキシル基を介して連結し、HA
はさらなるHA分子にカルボキシル基を介して架橋し、エステル結合を形成する
【0065】 この実施態様では、最初の架橋反応の前に、架橋していないHA/キトサンフ
ィルムを調製するとよい。望ましい場合は、グリセロール又は低分子量ポリエチ
レングリコールを可塑剤としてフィルム中に取り込んでもよい。架橋していない
HA/キトサンフィルムは、HA溶液とキトサン溶液とを混合し、かつ乾燥して
フィルムを得ることにより調製するとよい。しかしながら、キトサンとHAとの
単純な混合物はイオン性複合により、沈殿を形成する。本発明者らは、塩化ナト
リウム又は塩酸を該混合物に添加することにより、沈殿を避けうることを見いだ
した。塩化ナトリウムを1M〜2Mの濃度で加え、塩酸を濃度0.1M〜0.5
Mで加えることが好ましい。この方法はHAと他のポリ陽イオン性ポリマー及び
アミノ含有合成ポリマーとの混合にも採用できる。
【0066】 HAとキトサンの間の最初の架橋反応を、好ましくはアルカリ条件下でエポキ
シドを用いて架橋していないHA/キトサンフィルムについて行い、そしてHA
−HA架橋を形成する第二の架橋反応は、好ましくは酸性条件下でエポキシドを
用いて行う。このエポキシドは、1,2,7,8−ジエポキシオクタンであるこ
とが好ましい。
【0067】 一つの官能基のみを有する他のポリマーは、PVAやキトサンと同様の方法で
HAに架橋することができる。この場合、第二の架橋はHA2分子の間又は適切
な官能基を有するさらなるポリマーとの間のどちらかで形成することができる。
【0068】 好ましい実施態様では本発明は、二重に架橋したHA/ポリマー誘導体の製造
方法であって、HA分子と第二ポリマーとの間で二つの異なる結合が形成するの
に適切な条件の下で、HAと該第二ポリマーを一以上の架橋剤と接触させる工程
を含む方法を提供する。この架橋反応は逐次的に行われることが好ましい。こう
して、本発明の二段階方法は、 (a)HAと第二ポリマーとを、第一官能基を介して架橋する工程、及び続いて (b)(a)の生産物を、第二官能基を介してさらに架橋する工程であって、該
第一及び第二官能基が異なる化学的実体を表すものである工程、 を含む。
【0069】 本発明に従って調製された架橋したHA/ポリマー誘導体は、少なくとも二つ
の異なるタイプの架橋結合、例えばエーテル結合及びエステル結合の両者を含む
【0070】 本発明に従って調製された多重(例えば、二重)に架橋したHA/ポリマー誘
導体は新規であると信ずる。こうして、さらなる側面では、本発明は本明細書中
の前記方法により得られうる多重に架橋したHA/ポリマー誘導体(すなわち、
二又はそれ以上の異なる官能基を介して、一以上のポリマーに架橋し、且つ任意
選択的には他のHA分子に架橋したHA)を提供する。
【0071】 さらなる側面では、本発明はHA以外の一以上のポリマーに架橋したHAであ
って、HA及び該ポリマー(単数又は複数)が少なくとも二つの異なるタイプの
結合により架橋しているものである架橋したHAを提供する。特に、本発明は第
二ポリマーに架橋したHAであって、HA及び該第二ポリマーが二つの異なるタ
イプの結合により架橋しているものである架橋したHAを提供する。
【0072】 また本発明は、HA以外の一以上のポリマーに架橋したHAであって、HAが
該ポリマー(単数又は複数)及び他のHA分子に少なくとも二つの異なるタイプ
の結合により架橋しているものである架橋したHAを提供する。
【0073】 本発明の二重に架橋したHA/ポリマー誘導体は、10〜50%、例えば15
〜30、好ましくは20〜25%の範囲の架橋の程度(100%は、C6位の全
てのOH基及びC5位の全てのCOOH基の架橋を表す)を有しうる。架橋の程
度は、元素分析又は固体状態NMR分析により測定されうる。生産物における異
なる官能基結合の割合は、存在する官能基結合のタイプ及びそれらを形成するた
めに使用された反応条件により変わる。エーテル結合及びエステル結合を含む二
重架橋生産物については、これらの結合の割合はエーテル結合:エステル結合と
して50:50から95:5、例えば60:40から80:20のまで変動しう
る。
【0074】 一般に、本発明の生産物は、単一に架橋したHA/ポリマー誘導体よりもより
高度の架橋、いわばより稠密な架橋網状組織を有する。より高度の架橋は、架橋
HAの水吸収能を減少させ、その結果水溶液における安定性を増大させることが
分かった。さらに二重に架橋したHAは、ヒアルロニダーゼによる分解に対し、
かつ遊離基による分解に対し、安定性の増大を示し、より高い生物学的安定性を
示すことが分かった。前記のように、最終生産物の生物学的安定性は、HAが架
橋する他のポリマー(単数又は複数)の性質に部分的に依存する。従って、第二
及びその後のポリマーは所望の性質に従って選択すべきであり、これは技術者の
能力範囲内にある。
【0075】 本発明の不透明生産物は、透明な生産物より、一般により高度の架橋を有し、
従ってより低い水吸収能及びより高い安定性を有する。このような生産物は長期
間の移植に適する。
【0076】 本発明の透明な生産物、例えば透明なフィルムは、不透明な生産物より高い水
吸収能を有するが、それでも水溶性ではなく、そしてこのような生産物は特に皮
膚移植、創傷治癒(滲出物の吸収)及び再吸収可能な短期移植に適する。
【0077】 前記の多段階法は、低い水吸収能を持つ高度に架橋した生産物を望む場合に好
ましい。同時架橋は、一般に水不溶性生産物を生ずるが、同様の架橋条件下で多
段階(例えば、二段階)法を用いて調製された生産物より高い水吸収能を有する
生産物を生ずる。
【0078】 さらに、第二架橋工程のための出発物質として第一架橋HA/ポリマーフィル
ムを用いることは、同様の架橋条件下でHA/ポリマー溶液から調製された二重
架橋HA/ポリマー生産物より(すなわち、中間体フィルム形成がない)より低
い水吸収能を有する生産物(フィルム状であってよく、又はゲルに変換されうる
)を提供することが見出された。実際、得られた生産物の水吸収能は、出発物質
がフィルム及びゲルのそれぞれについて400%から1000%まで変化できる
ことが見出された。
【0079】 本発明の架橋したHA誘導体は、種々の薬学用、医学用(外科を含む)及び化
粧用の適用に用いてもよい。
【0080】 こうして、これらは例えば創傷治癒を促進する際の、例えば外傷用医薬材料と
して有用であろう。
【0081】 またこれらは、癒着を防ぐため、例えば手術後の臓器間の組織成長を防ぐため
にも有用であろう。
【0082】 また本発明の架橋したHA誘導体は、例えば硝子液の交換のため、目への薬物
送達のための角膜保護として又はレンズとしてなどの眼科分野においても適用を
見出すであろう。該誘導体は関節炎の治療の際の関節潤滑剤として用いることも
できる。
【0083】 また本発明の架橋HA誘導体は、外科において、例えば軟骨又は骨の修復又は
交換などの硬組織拡大のため又は軟組織拡大のための固体移植片として、乳房の
移植物として、又は乳房移植、カテーテル、カニューレ、骨プロテーゼ、軟骨取
り替え、ミニポンプ及び他の薬物送達装置、人工臓器及び血管、組織再強化のた
めのメッシュ等、体内での長期使用を目的とする移植物の被覆材料として、有用
であろう。
【0084】 本発明の誘導体のさらなる使用は、前記適用のいずれかを含む治療上活性な薬
物の送達にある。治療上活性な薬物は、化学療法剤又は生物学的活性因子(例え
ば、サイトカイン)であってもよく、抗炎症剤、抗生物質、鎮痛剤、麻酔剤、創
傷治癒促進剤、細胞成長抑止剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤及び抗ウイルス剤が挙
げられる。
【0085】 治療上活性な因子は、当該技術分野でよく知られる方法により架橋したHA誘
導体に、物理的に又は化学的に結合しうる。
【0086】 架橋したHA誘導体は、膜、ビーズ、スポンジ、チューブ、シート及び形成さ
れた移植片といった種々の形態で用いてもよい。
【0087】 ここで以下の限定的でない実施例により、本発明をさらに説明する。
【0088】 以下の手順を、該生産物の安定性を測定するために使用した。
【0089】方法 水吸収能評価 各乾燥架橋試料20mg(Wd)をPBS緩衝溶液に24時間浸し、完全に膨
潤したゲルを得た。湿ったゲルを濾過し、表面の残りの水をティシューペーパー
を用いて除去した。湿ったゲルは重さを量り、Wsで示す。こうして水吸収能(
WAC)(%)は、以下の式、すなわち WAC(%)=(Ws−Wd)/Wd×100 により計算される。
【0090】ヒアルロニダーゼ消化に対する抵抗性 架橋したHAの20mgをヒアルロニダーゼ1000Uを含むPBS緩衝溶液
6ml(pH=7.2)に懸濁し、37℃で24時間インキュベートした。その
後、このフィルムを除去し、PBS緩衝液を用いてリンスし、リンスした溶液全
てを集めて全体で10mlの溶液を得た。この溶液を30分間煮沸し、ヒアルロ
ニダーゼを沈殿させた。次に、この溶液を4000rpm/10分間遠心分離し
た。上清溶液を容量フラスコの中で、PBSを用いて25mlにした。HAの濃
度をカルバゾール検定を用いて測定した。
【0091】 ヒアルロニダーゼ消化によるHA重量損失は、以下の式、すなわち HA重量損失(%)=[HA]×25/[HA]o×100 (式中、[HA]はHAの濃度であり、[HA]oはもとのHAの含量(mg)
である) を用いて計算できる。
【0092】遊離基に対する抵抗性 PBS溶液5ml中の0.1のアスコルビン酸25μl及び0.1MのH22 0.25μlから形成されるFerton試薬を用いて遊離基を作成した。試料
20mgをこの溶液に加えた。消化時間は37℃で24時間であった。この後、
フィルム又はゲルを除去し、PBS緩衝液を用いてリンスし、容量フラスコの中
にリンスした溶液全てを集めて、PBSを用いて全体を25mlの溶液とした。
HAの濃度をカルバゾール検定を用いて測定した。HAの損失は、ヒアルロニダ
ーゼ消化と同じ式を用いて計算した。
【0093】実施例1 架橋HA/PVAの調製 1%HA及び5%PVA水溶液をそれぞれ調製し、共に混合して異なるHA組
成を有する均一なHA/PVA溶液を得た(表1参照)。この溶液をペトリ皿に
入れ、4日間乾燥してフィルムを得た。
【0094】 得られたフィルムを、CHCl3溶媒/酸性又はアルカリ性溶液/1,2,7
,8−ジエポキシオクタン又はグルタルアルデヒド架橋剤の混合物に懸濁した。
架橋反応を、室温で一定時間(24時間)行った。さらなる量の架橋剤を加え、
必要な場合はpHを調整し、そして混合物を室温にさらに24時間放置して第二
架橋反応を行った。詳細な架橋条件を表1に示す。架橋後、試料をIPA及びア
セトンで3回洗浄し、IPA/脱イオン水(60/40)に一晩浸し、次にアセ
トンで洗浄し、そして一定重量となるまで37℃のオーブンで乾燥した。
【0095】
【表1】
【0096】 E=1,2,7,8−ジエポキシオクタン G=グルタルアルデヒド H+は、pH約4をあらわす。 OH−は、pH約10をあらわす。 CPH−1、CPH−5、CPH−9、CPH−10、CPH−11+12は、
全て比較の目的のために単一架橋工程を用いて調製した。
【0097】
【表2】
【0098】実施例2−二重架橋HAアルギン酸塩フィルム 以下に記載の方法に従って、異なるHA組成を有する二重架橋HA/アルギン
酸塩フィルムを調製した。異なる濃度のカルシウムイオン溶液を、余分のイオン
架橋として用いた。
【0099】方法 脱イオン水の2%アルギン酸ナトリウム溶液を調製し、1%ヒアルロン酸ナト
リウムのリン酸緩衝食塩水(HA)と混合して、均一なHA/アルギン酸ナトリ
ウム溶液を得た。溶液中のHA及びアルギン酸ナトリウムの割合及び濃度は、最
終フィルムに要求される特性に応じて変えることができる。均一な溶液約10m
lをペトリ皿に注ぎ、塩化カルシウム溶液を加えた。これを約1時間、イオン複
合体形成が起こる間放置した。生ずるHA/アルギン酸塩スラブを脱イオン水で
3回洗浄し、結合していないカルシウムを除去した。重合したHA/アルギン酸
塩を72時間、有毒ガス排出装置付き実験容器で乾燥させた。得られたフィルム
を溶媒/アルカリ性溶液中に懸濁した。架橋剤、1,2,7,8−ジエポキシオ
クタンのある容量を加え、室温で反応を進行させた。架橋反応の時間は1時間か
ら48時間の間で変化させることができる。このフィルムを酸性溶媒溶液に懸濁
し、さらに架橋剤、1,2,7,8−ジエポキシオクタンのある容量を加えた。
反応を室温で1時間から48時間までの間進行させた。得られた架橋フィルムを
アセトン/脱イオン水(3/2)溶液で3回洗浄した後、IPA/脱イオン水(
3/1)で3回洗浄した。このフィルムをIPA/脱イオン水に一晩浸した。該
フィルムを有毒ガス外出装置付き実験容器で乾燥させた。
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】実施例3 架橋HA/キトサン(CS)誘導体の調製 異なるHA百分率のHA/CS/グリセロールフィルムを調製した。架橋剤は
、キャスティングの前又はキャスティングの後のいずれでも加えることができよ
う。この例では、乾燥HA/CS/グリセロールフィルムを架橋に用いた。典型
的には一例として、HA/CS(20%HA)(200mg)の全シートを、ア
セトン/NaOH(pH=12)40mlを入れた容器に懸濁して1時間浸し、
次に1,2,7,8−ジエポキシオクタン0.4mlを加えて室温で24時間反
応させた。この反応の後、pHをpH=4〜5に調整し、さらに1,2,7,8
−ジエポキシオクタン0.4ml(HAの濃度による)を加えて第二エステル化
をさらに24時間進行させた。精製後、形成したHA/CSフィルムは、グリセ
ロールなしの試料より乾燥状態でより強く、よりしなやかであることがわかった
。それは、透明、無色(ある場合には、架橋状態によりわずかに黄色)であり、
高い水吸収性を有する。
【0103】 低分子量PEGを、グリセロールの代わりとして用いることもできた。
【0104】実施例4 20重量%HAの架橋HA/CS(フィルム)の調製 HA(PBS形成緩衝溶液に1%)2.0ml及びCS(0.1M HClに
1%)8.0mlをそれぞれ調製し、共に混合して均一なHA/CS溶液を得た
。この溶液をペトリ皿に入れ、室温で1週間乾燥して乾燥フィルムを得た。乾燥
フィルムを、1NのNaOH水溶液/アセトン(30/70)の混合液10ml
を含む容器の中に置いた。1,2,7,8−ジエポキシオクタン0.2mlを加
えて24時間室温で反応させた。第一架橋の後、さらに1NのHClを0.5m
l加え、pHを4未満に維持した。1,2,7,8−ジエポキシオクタン0.2
mlをさらに加え、さらに24時間室温で反応させた。このフィルムを除去し、
3/1アセトン/蒸留水を用いて3回及び3/1イソプロパノール(IPA)/
蒸留水を用いてさらに3回洗浄し、PBS形成溶液中に保存した。
【0105】実施例5 30重量%HAの架橋HA/CS(ゲル型)の調製 HA乾燥試料を1.25MのNaCl溶液に溶解し、1.0%HA/NaCl
溶液を得た。HA溶液5.0mlをCS溶液5.0ml(0.1MのHCl中1
%)と混合し、均一な混合液を得た。グルタルアルデヒド0.2mlと1,2,
7,8−ジエポキシオクタン0.2mlを同時に加え、40℃で2.5時間反応
させた。形成したゲルを3/1アセトン/蒸留水を用いて3回、及びIPA/蒸
留水(3/1)を用いて3回洗浄し、PBS形成溶液中に保存した。
【0106】実施例6 50重量%HAの架橋HA/CS(フィルム)の調製 乾燥HA固体試料を0.1MのHCl溶液に溶解し、1%HA/HCl溶液を
得た。このHA溶液5.0mlをCS5.0ml(0.1MのHCl中1%)と
混合し、均一な混合液を得た。この溶液を容器に入れ、室温で1週間乾燥し、乾
燥フィルムを得た。実施例4に記載したと同じ手順に従って、このフィルムを架
橋した。こうして、50%HA(添加割合に基づく)を含むHA/CSバイオマ
トリックスフィルムを得た。
【0107】実施例7 60重量%HAの架橋HA/CS(フィルム)の調製 1%HA/1.25MのNaCl溶液6.0mlを1%CS4.0ml(0.
1MのHCl溶液中)と混合し、均一な混合液を得た。この溶液を容器に入れ、
室温で1週間乾燥し、NaClがミクロポア導入剤として働く乾燥フィルムを得
た。フィルムを容器に置き、1NのNaOH/アセトン(30/70)を10m
l加えてフィルムを懸濁した。実施例4に記載したと同じ手順に従って、架橋反
応を行った。最終的に多孔性構造の表面を有するフィルムを得た。
【0108】実施例8 80重量%HAの架橋HA/CS(フィルム)の調製 乾燥HA固体試料を2.0MのHCl溶液に溶解し、1%HA/HCl溶液を
得た。このHA溶液8.0mlをCS2.0ml(0.1MのHCl中1%)と
混合し、均一な混合液を得た。この溶液を容器に入れ、室温で1週間乾燥し、乾
燥フィルムを得た。フィルムをストッパーの付いたフラスコ中に置き、0.1N
のHCl/アセトン10ml(容量で3/7)を加えてフィルムを懸濁した。次
に、グルタルアルデヒド0.2ml及び1,2,7,8−ジエポキシオクタン0
.2mlを加えて6時間室温で反応させた。実施例4に記載したと同じ手順に従
って、このフィルムを精製した。
【0109】実施例9 HAの異なる重量比を有する架橋HA/CSの安定性試験 実施例6に記載の方法に従って、20%、30%、40%、50%から60%
と異なるHAの添加割合を有する架橋HA/CSフィルム系列を調製し、試料C
CH−5、6、7、8及び9を得た。これらの試料をPBS処方溶液に一晩浸し
、この湿ったフィルムを元の重量(Wo)として秤量した。PBS溶液中に2週
間保存した後、フィルムを取り出し、過剰な表面水をティシューペーパーを用い
て注意深く除去し、再度秤量して残りの重量(Wr)を得た。こうして残りの重
量の百分率を、以下の式、すなわち 残りの重量(%)=Wr/Wo×100% から導くことができる。
【0110】 その結果を表6に示す。
【0111】
【表5】
【0112】 Eは、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、 (HA+CS)/エポキシドの添加割合は、各段階につき1/2、 OH−はpH=12、H+はpH=4。
【0113】
【表6】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月18日(2001.1.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 81/00 C08G 81/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アレキサンダー,キャサリン イギリス国、イーエイチ14 4エイピー エジンバラ,エリオット−ワット リサー チ パーク,リサーチ アベニュー サウ ス,ビトロライフ ユーケイ リミティッ ド (72)発明者 フレーザー,ジェーン,エリザベス イギリス国、イーエイチ14 4エイピー エジンバラ,エリオット−ワット リサー チ パーク,リサーチ アベニュー サウ ス,ビトロライフ ユーケイ リミティッ ド Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 EA20 FA02 FA03 MA01 MA05 MA63 ZA33 ZA89 ZA96 4C090 AA05 AA09 BA67 BB18 BB22 BB69 BB92 BB94 BB95 BB98 BB99 CA35 DA09 DA11 DA23 DA26 4J031 AA02 AA04 AA15 AA19 AA22 AA53 AB01 AB06 AC03 AC04 AD01 AF03

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重架橋したヒアルロン酸誘導体の製造方法であって、HA
    以外の一つ以上のポリマーにHAを架橋する工程、及び任意選択的に二つ以上の
    異なる官能基を介して別のHA分子にHAを架橋する工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 該ポリマーがバイオポリマー又は合成ポリマーから選ばれる
    ものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該合成高分子が、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエ
    チレンオキシド(PEO)、及びポリプロピレンオキシド(PPO)、並びに前
    記ポリマーのいずれかのコポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド及び
    他のヒドロキシル、カルボキシル、及び親水性の合成ポリマーのコポリマーから
    選ばれるものである請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 該生体高分子が、ポリペプチド、セルロース及びヒドロキ
    シエチルセルロースやカルボキシメチルセルロースなどのその誘導体、アルギン
    酸塩、キトサン、脂質、デキストラン、澱粉、ジェランガム (gellan gum) 及び
    他の多糖類から選ばれるものである請求項1又は請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 該官能基が、ヒドロキシル、カルボキシル及びアミノから選
    ばれるものである請求項1〜請求項4いずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該架橋が、エーテル結合、エステル結合、スルホン結合、ア
    ミン結合、イミノ結合及びアミド結合から選ばれる二つ以上の異なる結合により
    行われるものである、請求項1〜請求項5いずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該架橋試薬が、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジ
    ビニルスルホン、ポリアンハイドライド、ポリアルデヒド、多価アルコール、カ
    ルボジイミド、エピクロロヒドリン、エチレングリコール、ブタンジオール ジ
    グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ポリグリセロール ポリグリシジ
    ルエーテル、ポリエチレングリコール ジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
    グリコール ジグリシジルエーテル、又はビス−若しくはポリ−エポキシ架橋剤
    から選ばれるものである、請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 エーテル結合が、アルカリ性条件下におけるビスエポキシド
    及びポリエポキシドから選ばれる架橋剤を用いて形成されるものである、請求項
    1〜請求項7いずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 エステル結合が、酸性条件下におけるビスエポキシド及びポ
    リエポキシドから選ばれる架橋剤を用いて形成されるものである、請求項1〜請
    求項7いずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該架橋剤が1,2,3,4−ジエポキシブタン及び1,2
    ,7,8−ジエポキシオクタンから選ばれるものである、請求項8又は請求項9
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 エーテル結合が酸性条件下でグルタルアルデヒド架橋剤を
    用いて形成されるものである、請求項1〜請求項7いずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 官能基の各タイプの架橋が逐次的に行われるものである請
    求項1〜請求項11いずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 第一の官能基を介してHA以外のポリマーにHAを架橋す
    る工程及び続いてその生産物を第二の官能基を介してさらに架橋する工程であっ
    て、該第一及び第二の官能基が異なる化学的実体を表すものである工程、を含む
    請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 HAがヒドロキシル基を介するエーテル結合の形成により
    HA以外のポリマーにまず架橋され、続いてカルボキシル基を介するエステル結
    合の形成により該ポリマーか又は別のHA分子に架橋されるものである、請求項
    13記載の方法。
  15. 【請求項15】 官能基の各タイプの架橋が同時に行われるものである請求
    項1〜請求項7及び請求項9〜請求項11いずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 二重に架橋したHAを調製するための請求項1〜請求項1
    5いずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の方法であって、 (a)第一の官能基を介して第二のポリマーとHAを架橋する工程、及び続いて (b)(a)の生産物を第二の官能基を介してさらに架橋する工程であって、該
    第一及び第二の官能基が異なる化学的実体を表すものである工程、 を含む方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜請求項17いずれか1項に記載の方法によって
    得られうる多重に架橋したHA。
  19. 【請求項19】 HA以外のポリマーの一つ以上に架橋したHAであって、
    該HAと該ポリマー(単数又は複数)が少なくとも二つの異なるタイプの結合に
    より架橋されているものである架橋したHA。
  20. 【請求項20】 HAと第二のポリマーが二つの異なるタイプの結合により
    架橋しているものである、該第二のポリマーに架橋したHA。
  21. 【請求項21】 HA以外のポリマーに架橋したHAであって、少なくとも
    二つの異なるタイプの結合により該ポリマー及び別のHA分子に架橋している架
    橋したHA。
  22. 【請求項22】 請求項18〜請求項21いずれか1項に記載の架橋したH
    Aであって、該架橋結合がエーテル、エステル、スルホン、アミン、イミノ及び
    アミドの結合の二つ以上から選ばれるものである架橋したHA。
  23. 【請求項23】 フィルムの形状である請求項18〜請求項22いずれか1
    項に記載の多重に架橋したHA。
  24. 【請求項24】 ゲルの形状である請求項18〜請求項22いずれか1項に
    記載の多重に架橋したHA。
  25. 【請求項25】 請求項18〜請求項24いずれか1項に記載の多重に架橋
    したHAを含む生産物。
  26. 【請求項26】 薬学用、医学用、又は化粧用の生産物の調製における請求
    項18〜請求項24いずれか1項に記載の多重に架橋したHA誘導体の使用。
  27. 【請求項27】 請求項18〜請求項24いずれか1項に記載の多重に架橋
    したHA誘導体又は請求項25記載の生産物の内科又は外科における使用。
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