JP2002534393A - 多能性造血幹細胞の動員を刺激するためのヒト成長ホルモン - Google Patents

多能性造血幹細胞の動員を刺激するためのヒト成長ホルモン

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、造血CD34+細胞の動員の分野に関する。特に、本発明は、ヒト成長ホルモンまたはその一つの誘導体を個体に投与することによる、多能性造血CD34+細胞の動員を増加させるための方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 骨髄移植(BMT)は、骨髄から得た多能性造血幹細胞を患者に移植する臨床
上の手法である。BMTは、悪性腫瘍、重度の複合性免疫不全(SCIDs)、
先天的または遺伝的に決定された造血異常、貧血、再生不能性貧血、白血病およ
び骨粗鬆症を含むいくつかの血液学上の障害において選択される治療である(Fi
scher et al.,1998)。ここ10年、BMTの使用は年間5’000未満から4
0’000以上に増えた(Waters et al.,1998)。
【0002】 安定した症状においては、造血幹細胞および始原細胞の大部分は骨髄中に存在
しており、そしてほんのわずかな数のこれら細胞が末梢血中に検出できる。しか
しながら、骨髄抑圧剤および/または特定の造血性成長因子を用いて治療するこ
とにより追加の幹細胞を末梢血に動員させることができる(Van Hoef,1998)。
研究が示してきたことは、宿主内で融合された末梢血幹細胞(PBSC)が、骨
髄由来の幹細胞および始原細胞に比して移植に関して増強された能力を示すこと
である(Gianni et al.,1989;Larsson et al.,1998)。即ち、化学治療によ
り動員させられたPBSC、造血性成長因子またはこれらのモダリティーの組み
合わせが、現在、自己および非自己移植のセッティングの両方において使用され
る(Van Hoef,1998;Anderlini and Korbling,1997)。非自己の移植の場合、
幹細胞のドナーは正常な個体であり、そして幹細胞の血流への動員の手法は最小
の不快にて達成されなければならない。この場合、造血性成長因子を用いた幹細
胞の動員は抗細菌発育性薬剤(即ち、シクロホスファミド)を用いた治療に好ま
しい。
【0003】 いくつかの造血成長因子、例えばG−CSF,EPOおよびCSFは動員剤(
mobilizing agents)として研究されており、白血球除去血輸血前にPBSCの
数を増加させるために現在使用されている(Henry,1997;Weaver and Testa,1
998)。総合的な造血を刺激することを目的とした治療は、大きなセットの始原
細胞および幹細胞を動員させることに多大な重要性があるのかもしれない。幹細
胞の増大された動員は、移植される十分な量の造血幹細胞を回収するのに必要な
白血球除去血輸血の数を減じることにより造血幹細胞移植のコンテクストにおい
て極めて価値がある。
【0004】 本発明の第一の部分は、個体においてインビボにおいて造血を再生することが
できる循環細胞の数を増加させるために使用される新規な動員剤を提供すること
である。
【0005】 本発明の上記の新規な動員剤は、成長ホルモンおよび特にヒト成長ホルモン(
hGH)、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因
子である。
【0006】 他に特定しない限り、用語「GH」は、成長ホルモン、その誘導体の一つまた
は本発明のコンテクストにおいて成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子
を意味する。
【0007】 成長ホルモンおよび特にヒト成長ホルモン(hGH)またはその誘導体または
成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を投与することにより、インビボ
において造血を再生することが可能な細胞の動員が末梢血において得られること
を、今発見した。よって、単独でまたは他の因子と共に投与された成長ホルモン
および特にヒト成長ホルモン(hGH)またはその誘導体または成長ホルモンの
放出を誘導するいずれかの因子は、造血を再生することができる細胞をインビボ
において末梢血に動員するための新規な方法または用途を表す。
【0008】 成長ホルモンとしても知られるヒト成長ホルモン(hGH)は下垂体前葉の成
長ホルモン産生細胞により生産および分泌される蛋白質ホルモンである。hGH
は、蛋白質、糖質および脂質の代謝に対するその効果を通して体細胞成長におい
て鍵となる役割を担う。体細胞成長に対するその効果に加えて、hGHはインビ
トロにおいて血液細胞を刺激すること(Derfalvi et al.,1998;Merchav et al
.,1988)、赤血球およびヘモグロビンのカウントを増加させること(Valerio e
t al.,1997;Vihervuori et al.,1996)、血漿細胞系において増殖およびIg
生産の両方を増強すること(Kimata and Yoshida,1994)、そしてCD8+細胞
カウントを刺激し、そして低い範囲のCD4+細胞カウントにすること(Geffner
,1997)が示された。
【0009】 本発明の動員剤を使用する本発明の方法および使用はいくつかの利点を有する
: −少数の造血を再生することができる循環細胞が存在する。この数は、無理のな
い期間において単一のまたは複数の除去血輸血(apheresis)により細胞の移植
用量を提供するのに不十分であると考えられる。本発明の方法および使用は、上
記細胞およびサブセットの、インビボにおいて造血を再生することができる循環
細胞の収量を血液中において増加させるのに広く使用される循環血液への一時的
な末梢化により、即ち移植用量を達成するのに必要な除去血輸血の数を最小にす
ることにより、この問題を解決する。 −本発明の方法および使用の他の利点は: a)全身麻酔の要求を回避する可能性、 b)たとえ腸骨が以前の放射線治療により損傷を受けるかまたは悪性腫瘍により
潜入されても、収穫する(harvesting)可能性、 c)BM由来の始原細胞よりも迅速に、保持された造血機能の回復を達成する可
能性、 d)本発明の方法または使用を含む前処理を用いない場合よりも迅速且つ効果的
に、保持された造血機能の回復を達成する可能性 を含む。 −一般的に、本発明の方法および使用はインビボにおいて造血を再生できる末梢
血細胞を動員するのに効果的且つ安全である。 −本発明の方法および使用は、例えば腫瘍の成長、臨床上および機器性症状(in
strumental symptoms)である毒性の主要なパラメーター、または心臓、肝臓ま
たは腎臓機能の実験室の試験の観点からは、無毒性である。 −本発明の方法および使用により得られるインビボにおいて造血を再生すること
ができる循環細胞の動員の増加は、移植される十分な量の造血細胞を回収するの
に必要な白血球除去血輸血の数を減じることにより造血幹細胞の移植のコンテク
ストにおいて極めて価値がある。
【0010】 −指定された目標数の細胞を得るためには、本発明の方法および使用は除去血
輸血または白血球除去血輸血手法の間に加工されるのに必要な血液の体積の低下
を導く。低下した体積の血液を加工する利点は、患者が細胞分離器上ですごす時
間が少ないこと、上記手法の障害性を減じ、特に上記手法の間に患者が暴露され
るはずの抗凝血剤の体積に関して減じること、機械および操作者の時間を減らす
ことである。
【0011】 −さらに、インビボにおいて造血を再生することができる細胞で富裕化された
血液細胞集団が、本発明の方法または使用により末梢血から得た手段であり、そ
の移植が骨髄剥離性治療または細菌発育性治療の後のレシピエントの造血系およ
び免疫系の回復を増強するのに効果を有する。
【0012】 第一の側面において、本発明は、インビボにおいて造血を再生することができ
る循環細胞の集団の調製の方法に関し、以下: a)インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数をドナーにおいて増加させ
るのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモン
の放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに投与し、 b)インビボ造血を再生することができる循環細胞の集団を上記ドナーの末梢血
から単離すること からなる。
【0013】 本発明の方法は、即ち、インビボにおいて造血を再生することができる細胞集
団を生産し、この集団は同じかまたは異なる個体の移植のために運命付けられる
【0014】 即ち、本発明は、インビボにおいて造血を再生することができる細胞で富裕化
された血液細胞の集団の調製の方法に関し、以下: a)インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数をドナーにおいて増加させ
るのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモン
の放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに投与し、 b)インビボ造血を再生することができる細胞で富裕化された血液細胞の集団を
上記ドナーの末梢血から単離すること からなる。
【0015】 好ましい態様において、本発明は、インビボにおいて造血を再生することがで
きる、増加した数の循環細胞をドナーから単離する方法に関し、以下: a)インビボにおいて造血を再生できる細胞の末梢血への動員を誘導するのに十
分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を
誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに投与し、 b)インビボ造血を再生することができる細胞で富裕化された血液細胞の集団を
上記ドナーの末梢血から単離すること からなる。
【0016】 別の態様において、本発明は、インビボにおいて造血を再生することができる
循環細胞の集団を調製する方法に関し、以下: a)インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の動員または末梢化を上記ドナ
ーにおいて誘導するのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一つま
たは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに投与
し、 b)インビボ造血を再生することができる循環細胞の集団を上記ドナーの末梢血
から単離するか、またはインビボ造血を再生することができる循環細胞で富裕化
された血液細胞の集団を上記ドナーの末梢血から単離すること からなる。
【0017】 本発明の方法または使用の工程b)[即ち、<<インビボ造血を再生すること
ができる循環細胞(で富裕化された血液細胞)の集団を上記ドナーの末梢血から
単離すること>>]は、インビボ造血を再生することができる循環細胞の数を、
成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいず
れかの因子の投与により増加させた場合の、ドナーからの末梢血の除去の操作に
相当するかもしれない。
【0018】 インビボ造血を再生することができる循環細胞の数を増加させるのに十分な量
、インビボ造血を再生することができる循環細胞の動員または末梢化を誘導する
のに十分な量またはインビボ造血を再生することができる細胞の末梢血への動員
を誘導するのに十分な量を一日または数日の間に単一用量または数用量にて投与
することができる。
【0019】 ドナーからの末梢血の除去操作は白血球除去血輸血に相当するかもしれない。
白血球除去血輸血は、期限切れ血液から白血球を取り出して残りの血液をドナー
に再輸血する手法である。
【0020】 血液細胞の単離された集団に存在するインビボ造血を再生することができる細
胞をさらに精製することにより、上記細胞の濃度を増加させることができる。上
記精製は、CD34陽性細胞の陽性選択により実施してよい。
【0021】 さらなる態様において、本発明は、インビボ造血を再生することができる循環
細胞のドナーの調製方法に関し、上記ドナーにおいてインビボにおいて造血を再
生できる循環細胞の数を増加させるのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその
誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物
をドナーに投与することからなる。
【0022】 別の態様において、本発明は、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成
長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物のドナーへの投与によ
りドナーにおいてインビボ造血を再生することができる循環細胞の数を増加させ
る方法に関する。
【0023】 用語「増加した」または「増加」および「富裕化」は一般的に「増加した」か
「富裕化」したパラメーター(数)がこのパラメーターの標準値以上の値を有す
ることを本発明のコンテクストにおいて意味する。上記パラメーターの標準値は
、インビボ造血を再生することができる細胞のいずれかの動員剤を受けなかった
体内または体のサンプルにおいて測定する。血液マイクロリットルあたりのCD
34+細胞の数の標準値は、例えば、末梢血のマイクロリットルあたり3.8(
+または−3.2)細胞である(Anderlini et al.,1997)。
【0024】 インビボ造血を再生することができる循環細胞はCD34+細胞であってよい
。 血液中のCD34+細胞の頻度はFACScan測定により測定してよい(Sie
na et al.,1989 & 1991)。
【0025】 ドナーの末梢血中のCD34+細胞の増加した数または血液細胞の単離された
調製物中のCD34+細胞の富裕化のレベルは、末梢血のマイクロリットルあた
り10、25、34または80 CD34+細胞を超えてよい。
【0026】 ドナーの末梢血中のCD34+細胞の増加した数または血液細胞の単離された
調製物中のCD34+細胞の富裕化のレベルは、レシピエントの体重キログラム
あたり少なくとも2x106CD34+細胞、またはレシピエントの体重キログラ
ムあたり少なくとも4x106CD34+細胞またはレシピエントの体重キログラ
ムあたり少なくとも8x106CD34+細胞であってよい。
【0027】 ドナーの末梢血中のCD34+細胞の増加した数または血液細胞の単離された
調製物中のCD34+細胞の富裕化のレベルは、レシピエントの体重キログラム
あたり少なくとも2x106、5x106、6x106、8x106または15x1
6CD34+細胞であってよい。
【0028】 移植に必要なCD34+細胞の数と相当する測定可能なGM−CFC活性の間
には相関がある(Weaver et al.,1998)。よって、増加した数のインビボ造血
を再生できる循環細胞または血液細胞の単離調製物中でインビボ造血を再生でき
る細胞の富裕化のレベルは、ドナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり
少なくとも1x105GM−CFCに相当してよい。
【0029】 血液中のCD34+細胞の数はCFU−GMとうまく相関する(Siena et al.
,1991)。CFU−GMはコロニー形成ユニット、顆粒球およびマクロファージ
である。よって、増加した数のインビボ造血を再生できる循環細胞または血液細
胞の単離調製物中でインビボ造血を再生できる細胞の富裕化のレベルは、末梢血
ミリリットルあたり少なくとも500CFU−GMに相当してよい。
【0030】 同じ理由から、増加した数のインビボ造血を再生できる循環細胞または血液細
胞の単離調製物中でインビボ造血を再生できる細胞の富裕化のレベルは、増加し
たレベルのCFU−C,CFU−MegまたはBFU−Eに相当してよい。CF
U−Cはコロニー形成ユニット、培養物;CFU−Megはコロニー形成ユニッ
ト、巨核球そしてBFU−Eはバースト形成ユニット、赤血球である。
【0031】 血液中のCD34+細胞の数は白血球細胞のカウントにうまく相関する。よっ
て、増加した数のインビボ造血を再生できる循環細胞または血液細胞の単離調製
物中でインビボ造血を再生できる細胞の富裕化のレベルは、末梢血のマイクロリ
ットルあたり少なくとも1000の白血球細胞に相当してよい。
【0032】 インビボ造血を再生できる循環細胞は、CD34+/CD33+細胞および/ま
たはCD34+/CD38-細胞および/またはCD34+/Thy−I細胞およ
び/またはCD34+/Thy−I/CD38-細胞および/またはCD33+
胞および/または骨髄幹細胞および/または始原細胞および/または長期間培養
開始(initiating)細胞(LTC−IC)および/または自己再生能力を満たす
細胞および/または多能特性を満たす細胞および/または複数の細胞系列を生じ
ることができる細胞であってよい。細胞系列は完全に分化した血液細胞であって
よい。
【0033】 CD34+/CD38-細胞およびCD34+/Thy−I細胞およびCD34+ /Thy−I/CD38-細胞は、例えばAnderlini et alに列挙される(文献を
参照)。CD34+/CD33+細胞およびCD33+細胞は、例えばSiena et al
;1991に列挙される(文献を参照)。長期間培養開始細胞(LTC−IC)は例
えばHeather et alに列挙される(文献参照)。自己再生能力を充たす細胞およ
び/または多能特性を充たす細胞および/または長期間骨髄培養を開始する細胞
は例えばAnderlini et alに列挙される(文献を参照)。
【0034】 さらなる態様において、本発明は、以下の使用に関する: −成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子の、インビボ造血を再生できる循環細胞の数を増加または拡大するため
の使用。 −成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子の、インビボ造血を再生できる細胞の末梢化のための使用。 −成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子の、インビボ造血を再生できる循環細胞の数を増加または拡大するため
の医薬または組成物の製造のための使用。 −成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子の、インビボ造血を再生できる細胞を末梢化するための医薬または組成
物の製造のための使用。 −インビボ造血を再生できる循環細胞がCD34+細胞である、上記使用の何れ
か一つの使用。 −増加した数のCD34+細胞が末梢血のマイクロリットルあたり10、25、
34または80 CD34+細胞より多い、上記使用の何れかの使用。 −増加した数のCD34+細胞がレシピエントの体重キログラムあたり少なくと
も2x106CD34+細胞、またはレシピエントの体重キログラムあたり少なく
とも4x106CD34+細胞またはレシピエントの体重キログラムあたり少なく
とも8x106CD34+細胞である、上記使用の何れか一つの使用。 −増加した数のCD34+細胞がドナーの体重キログラムあたり少なくとも2x
106、5x106、6x106、8x106または15x106CD34+細胞であ
る、上記使用の何れか一つの使用。 −増加した数のインビボ造血を再生できる循環細胞がドナーまたはレシピエント
の体重キログラムあたり少なくとも1x105GM−CFCに相当する、上記使
用の何れか一つの使用。 −増加した数のインビボ造血を再生できる循環細胞が末梢血ミリリットルあたり
少なくとも500CFU−GMに相当する、上記使用の何れか一つの使用。 −増加した数のインビボ造血を再生できる循環細胞が増加したレベルのCFU−
C,CFU−MegまたはBFU−Eに相当する、上記使用の何れか一つの使用
。 −増加した数のインビボ造血を再生できる循環細胞が末梢血のマイクロリットル
あたり少なくとも1000の白血球細胞に相当する、上記使用の何れか一つの使
用。 −インビボ造血を再生できる循環細胞がCD34+/CD33+細胞および/また
はCD34+/CD38-細胞および/またはCD34+/Thy−I細胞および
/またはCD34+/Thy−I/CD38-細胞および/またはCD33+細胞
および/または骨髄幹細胞および/または始原細胞および/または長期間培養開
始細胞(LTC−IC)および/または自己再生能力を満たす細胞および/また
は多能特性を満たす細胞および/または複数の細胞系列を生じることができる細
胞である、上記使用の何れか一つの使用。 −以下のグループの化合物:造血成長因子、サイトカイン、ケモカイン、モノク
ローナル抗体の間から選択される一つまたはいくつかの化合物を上記医薬または
組成物がさらに含む、上記使用の何れか一つの使用。 −サイトカイングループがIL−1,IL−3,G−CSF,GM−CSFまた
はSCFを含み;ケモカイングループがMIP−1αまたはトロンボポイエチン
(TPO)を含み;モノクローナル抗体が抗−VLA−4抗体を含む、上記使用
の何れか一つの使用。 −上記医薬または組成物が成長ホルモンおよびG−CSFを含む、上記使用の何
れか一つの使用。 −GHとG−CSFを別々におよび/または同時に投与する、上記使用の何れか
一つの使用。 −成長ホルモンを体重キログラムあたり約33μgの量にて投与する、上記使用
の何れか一つの使用。 −G−CSFをキログラムあたり約5μgまたは約10μgの量にて投与する、
上記使用の何れか一つの使用。 −上記投与を静脈内または皮下経路により与える、上記使用の何れか一つの使用
。 −上記投与を非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮または口内経路によ
り与える、上記使用の何れか一つの使用。 −成長ホルモンの投与を1日3回実施し、そしてG−CSFの投与を毎日実施す
る、上記使用の何れか一つの使用。 −上記投与を白血球除去血輸血まであるいは完全な回復まで5日の期間にわたり
または10日の期間にわたり与える、上記使用の何れか一つの使用。 −上記投与を白血球除去血輸血まであるいは完全な回復まで与える、上記使用の
何れか一つの使用。 −成長ホルモンが組換え成長ホルモンである、上記使用の何れか一つの使用。 −成長ホルモンがヒト成長ホルモンである、上記使用の何れか一つの使用。
【0035】 第二の側面において、本発明は、インビボ造血を再生できる循環細胞の集団の
調製の方法に関し: a)インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために加工さ
れることが必要な血液の体積を減らすのに十分な量にて、成長ホルモン、その誘
導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物を
ドナーに投与し、 b)上記の減じられた体積の血液を加工または単離し;そして任意に c)インビボ造血を再生できる循環細胞の集団を上記単離された体積から単離す
る ことからなる。
【0036】 本発明の方法または使用の工程b)またはc)[インビボ造血を再生できる循
環細胞の集団を上記単離された体積から単離すること]は、インビボ造血を再生
できる循環細胞の数が、成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの
放出を誘導するいずれかの因子を単独であるいは他の因子と共に投与することに
より増加させた、ドナーからの末梢血の除去操作に相当してよい。
【0037】 インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために加工され
ることが必要な血液の体積を減じるのに十分な量を、一日または数日の間、単一
用量または数用量にて投与することができる。
【0038】 ドナーからの末梢血の除去の操作は白血球除去血輸血に相当してよい。白血球
除去血輸血は、白血球が期限切れの血液から除去されて血液の残りをドナーに再
輸血する手法である。
【0039】 血液細胞の単離された集団中に存在するインビボ造血を再生できる細胞をさら
に精製することにより、上記細胞の濃度を増加させることができる。上記精製は
CD34陽性細胞の陽性選択により実施してよい。
【0040】 他の態様において、本発明は、インビボ造血を再生できる循環細胞のドナーの
調製方法に関し、成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を
誘導するいずれかの因子を含む組成物のドナーへの投与を、加工されることが必
要な血液の体積を減じるのに十分な量にて投与することにより、インビボ造血を
再生できる循環細胞の指定された目標数を得るか、および/またはインビボ造血
を再生できる循環細胞が移植されるのに十分な量を回収するのに必要な白血球除
去血輸血の数を減じる量にて投与することからなる。
【0041】 インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために加工され
ることが必要な血液の体積を減じるか、および/または移植されるインビボ造血
を再生できる循環細胞を十分な量回収するのに必要な白血球除去血輸血の数を減
じるのに十分な量を一日または数日の間に単一容量または複数容量投与すること
ができる。
【0042】 加工されるのに必要な血液の体積は、除去血輸血または白血球除去血輸血手法
の間に加工されることが必要な血液の体積であってよい。 さらなる態様において、本発明は、ドナーにおいてインビボ造血を再生できる
指定された目標数の循環細胞を得るために加工されるのが必要な血液の体積を減
じるための方法、および/または成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホ
ルモンの放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物のドナーへの投与により、
移植されるインビボ造血を再生できる循環細胞の十分な量を回収するのに必要な
白血球除去血輸血の数を減じる方法に関する。
【0043】 用語「減じられた」は、一般に、本発明の観点から、「減じられた」パラメー
ター(体積)がこのパラメーターの標準値より劣る値を有することを意味する。 インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数は、ドナーまたはレシ
ピエントの体重kgあたり少なくとも2x104LTC−ICであり、ドナーま
たはレシピエントの体重キログラムあたり約2x106以上のCD34+細胞、ド
ナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり約4x106以上のCD34+
胞またはドナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり約8x106以上の
CD34+細胞である。
【0044】 必要とされる血液の体積は約30から約900ミリリットルの範囲であってよ
い。 他の態様において、本発明は、以下の使用に関する: −成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子の、インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るため
に加工されることが必要な血液の体積を減らすための使用。 −成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子の、インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るため
に加工されることが必要な血液の体積を減らすための医薬または組成物の製造の
ための使用。 −インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数がドナーまたはレシピ
エントの体重キログラムあたり少なくとも2x104より多いLTC−IC、ド
ナーまたはレシピエントの体重kgあたり少なくとも2x106より多いCD3
+細胞、ドナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり少なくとも4x1
6CD34+細胞またはドナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり少な
くとも8x106CD34+細胞である、上記使用の何れか一つの使用。 −必要な血液の体積が約30から約900ミリリットルの範囲に含まれる、上記
使用のいずれか一つの使用。 −以下のグループの化合物:造血成長因子、サイトカイン、ケモカイン、モノク
ローナル抗体の間から選択される一つまたはいくつかの化合物を上記医薬または
組成物がさらに含む、上記使用の何れか一つの使用。 −サイトカイングループがIL−1,IL−3,G−CSF,GM−CSFまた
はSCFを含み;ケモカイングループがMIP−1αまたはトロンボポイエチン
(TPO)を含み;モノクローナル抗体が抗−VLA−4抗体を含む、上記使用
の何れか一つの使用。 −上記医薬または組成物が成長ホルモンおよびG−CSFを含む、上記使用の何
れか一つの使用。 −GHとG−CSFを別々におよび/または同時に投与する、上記使用の何れか
一つの使用。 −成長ホルモンを体重キログラムあたり約33μgの量にて投与する、上記使用
の何れか一つの使用。 −G−CSFをキログラムあたり約5μgまたは約10μgの量にて投与する、
上記使用の何れか一つの使用。 −上記投与を静脈内または皮下経路により与える、上記使用の何れか一つの使用
。 −上記投与を非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮または口内経路によ
り与える、上記使用の何れか一つの使用。 −上記投与が毎日または1日3回である、上記使用の何れか一つの使用。 −成長ホルモンの投与を1日3回実施し、そしてG−CSFの投与を毎日実施す
る、上記使用の何れか一つの使用。 −上記投与を白血球除去血輸血まであるいは完全な回復まで5日の期間にわたり
または10日の期間にわたり与える、上記使用の何れか一つの使用。 −上記投与を白血球除去血輸血まであるいは完全な回復まで与える、上記使用の
何れか一つの使用。 −投与が化学治療、放射線治療、骨髄抑圧性治療、インビボ造血を再生できる循
環細胞の移植または骨髄の移植後である、上記使用の何れか一つの使用。 −投与を化学治療法の治療開始後約7日目または化学治療法の治療終了後約2日
目に始める、上記使用の何れか一つの使用。 −成長ホルモンが組換え成長ホルモンである、上記使用の何れか一つの使用。 −成長ホルモンがヒト成長ホルモンである、上記使用の何れか一つの使用。
【0045】 本出願において: −用語「循環」は用語「血液」または「末梢血」に置換してよい。 −表現「調製方法」における用語「調製」は「前処理」または「血液抽出または
白血球除去血輸血のための調製」により置換してよい。 −本発明の方法または使用において列挙される「ドナー」はヒトまたは動物、健
常個体または病気の個体(患者)であってよい。上記動物は好ましくは哺乳類で
あって、家畜、例えばイヌ、ネコ等あるいはウマ、ウシ、ヒツジ等の動物から選
択してよい。 −用語「造血」は血液細胞の形成を意味しうる。 −用語「成長ホルモン」は、ヒト成長ホルモン(hGH)および異なる種のヒト
成長ホルモンの相同蛋白質の全ておよびヒト以外の種におけるヒト成長ホルモン
の相同物の全てを包含する。ヒト以外の種は、あらゆる種類の家畜あるいは例え
ばウマであってよい。
【0046】 好ましい態様において、成長ホルモンはヒト成長ホルモンである。ヒト成長ホ
ルモン(hGH)はソマトトロピンとしても知られており、下垂体前葉の成長ホ
ルモン産生細胞により生産および分泌される蛋白質ホルモンである。hGHは蛋
白質、糖質および脂質の代謝に対するその作用を通して体細胞成長において鍵と
なる役割を担う。
【0047】 ヒト成長ホルモンは101アミノ酸の単一ポリペプチド鎖であり、2つのジス
ルフィド結合を有し、一つはCys−53とCys−165の間であって分子中
に大きなループを形成し、そして他方はCys−182とCys−189の間で
あってC−末端近傍に小さなループを形成する。
【0048】 表現「成長ホルモンの誘導体」における用語「誘導体」は、本発明のコンテク
ストにおいて、構造上GHとは異なるが、蛋白質、糖質および脂質の代謝に対す
るその直接または間接の作用に関しておよび/または移動効果および/または回
収効果に関してGHの機能を保存している分子である(即ち、「インビボ造血を
再生できる循環細胞の動員または末梢化、インビボ造血を再生できる循環細胞の
数の増加、移植のために十分な量の循環細胞を回収するために必要な白血球除去
血輸血の数の減少、インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得
るために加工されることが必要な血液の体積の減少」)。
【0049】 本発明に包含されるヒト成長ホルモン(hGH)の誘導体は天然に生じる誘導
体、変更物および代謝産物、主として生合成hGHの分解産物および遺伝学の方
法により生産されたhGHの工作された誘導体を含む。hGHのあらゆる誘導体
は本発明の観点からhGHの生物活性を保持する範囲において本発明の目的のた
めに使用することができる。
【0050】 誘導体の例は、スプライス変更物、オリゴマー、凝集体、蛋白質分解産物、一
つ以上のアミノ酸の置換、挿入または欠失を有する変更物等を含む。 メチオニルhGHは組換えDNA技術を通して生産されるhGH誘導体の一例
である。この化合物は、実は、そのN末端に一つの追加のメチオニン残基を有す
るhGH誘導体である(Goeddel et al.,1979)。
【0051】 hGHの誘導体の別の例は、下垂体および血流において起こることが報告され
た20−K−hGHと呼ばれるhGHの天然変更物である(Lewis et al,1978
;Lewis et al,1980)。この化合物はGlu−32からGln−46の15ア
ミノ酸を欠き、メッセンジャーリボ核酸のもう一つのスプライシングにより生じ
る(DeNoto et al.,1981)。
【0052】 hGH誘導体の別の例は、N末端においてアセチル化される(Lewis et al.,
1979)。 ヒト成長ホルモンはさらにモノマー、ダイマーおよび高分子量オリゴマー形態
であるかまたは上記形態の混合物であってよい。
【0053】 ヒト成長ホルモンは下垂体中および血液循環中の両方において見いだされる凝
集形態であってよい(Stolar et al.,1984;Stolar and Baumann,1986)。 ダイマー形態のhGHは別の種類であってよい: −鎖内ジルフィド結合を通して連結したジスルフィドダイマー(Lewis et al.,
1977)、 −ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル上に検出されてジスルフィ
ドダイマーではない共有または不可逆ダイマー(Bewley and Li,1975)、およ
び −蛋白質中の疎水性相互作用を破壊する試薬を用いた処理によりモノマーhGH
へ容易に解離する非共有ダイマー(Becker et al.,1987)、 −Zn2+を伴うダイマー複合体(Cunningham et al.,1991)。
【0054】 スキャッチャード分析は2つのZn2+イオンが協調性様式においてhGHダイ
マーあたり関係し、そしてこのZn2+−hGHダイマー複合体がモノマーhGH
に比して変性に対してより安定であることがわかった(Cunningham et al.,199
1)。
【0055】 多くのhGH誘導体がこの分子の蛋白質分解修飾により生じる。hGH代謝の
最初の経路は蛋白質分解を含む。残基130−150付近のhGH領域は極めて
蛋白質分解に感受性であり、そしてこの領域においてニックまたは欠失を有する
hGHのいくつかの誘導体が記載されてきた(Thorlacius-Ussing,1987)。こ
の領域はhGHの大きなループ中にあり、そしてそこでのペプチド結合の分解は
、Cys−53とCys−165におけるジスルフィド結合を通して連結された
2つの鎖の生成をもたらす。これらの2つの鎖の形態の多くが増加した生物活性
を有すると報告された(Singh et al.,1974)。
【0056】 ヒト成長ホルモンの多くの誘導体は、酵素の使用を通して人工的に生じさせて
きた。酵素トリプシンおよびズブチリシン並びにその他を使用することにより、
上記分子の隅から隅まで様々な点においてhGHを修飾した(Lewis et al.,19
77)。そのような誘導体の一つは2鎖同化作用蛋白質(2−CAP)と呼ばれ、
トリプシンを使用したhGHの制御された蛋白質分解を通して形成された。
【0057】 hGH誘導体の別の例は脱アミド化されたhGHである。蛋白質中のアスパラ
ギンおよびグルタミン残基は適切な条件下で脱アミド反応に感受性である。脱ア
ミドされたhGHの一例はこの種の反応を受けることが示された下垂体hGHで
あり、Asn−152のアスパラギン酸への変更、および低い程度でのGln−
137からグルタミン酸への変更をもたらす(Lewis et al.,1981)。脱アミド
されたhGHの別の例は特定の保存条件下で分解することが知られている生合成
hGHであり、別のアスパラギン(Asn−149)における脱アミドをもたら
す。これは脱アミドの主な部位であるが、Asn−152における脱アミドも観
察される(Becker et al.,1988)。Gln−137における脱アミドは生合成
hGHにおいて観察されない。
【0058】 hGH誘導体の別の例は、スルフォキシドhGHである。蛋白質中のメチオニ
ン残基は酸化、主にスルフォキシドに感受性である。下垂体由来およびのhGH
および生合成hGHの両者はMet−14およびMet−125においてスルフ
ォキシデーションを受ける(Becker et al.,1988)。Met−170における
酸化も下垂体において報告されているが、生合成hGHにおける報告はない。
【0059】 hGHの別の誘導体の例は、酵素の作用によるかまたは遺伝学の方法の何れか
により生成されたhGHの末端欠損形態である。2−CAPはトリプシンの制御
された作用により生じ、hGHのN末端の最初の8残基が除去されている。他の
末端欠損バージョンのhGHは、適切な宿主における発現の前に遺伝子を修飾す
ることにより生成された。最初の13残基を欠損させることにより、上記ポリペ
プチド鎖が分割されていないで異なる生物特性を有する誘導体を生じさせた(Ge
rtler et al.,1986)。
【0060】 hGHとその誘導体は、多数の異なる酵素中でhGHの無制限の供給の生産を
許容する組換えDNA技術により生産してよい。培養培地からのhGHまたはそ
の誘導体の精製は、存在する少量の汚染蛋白質により促進される。事実、hGH
は逆相HPLCカラム上の単一の精製工程において実験室スケールにおいて精製
することができる。
【0061】 組換えhGHは、一般的に、hGHプラス追加の賦形剤、例えばグリシンおよ
びマニトールを凍結乾燥形態で含むバイアルとして市販される。一対のもう片方
の希釈剤バイアルを供給し、容量投与前に患者が所望の濃度に精製物を再構成す
ることを可能にする。
【0062】 一般的に、組換え天然配列hGH、組換えN−メチオニル−hGH、またはヒ
トの下垂体由来の物質の間で薬剤動力学または生物活性における顕著な変化は観
察されなかった(Moore et al.,1988;Jorgensen et al.,1988)。
【0063】 本発明において使用されるヒト成長ホルモンは、上記のような機能性誘導体、
並びに他の種類の誘導体、断片、変更物、類似体または化学誘導体を含み得る。
機能性誘導体はhGHの少なくとも一分のアミノ酸配列を保持し、本発明による
その利用性、即ち例えばインビボ造血を再生できる循環細胞の動員を許容する。
【0064】 本発明の意味において、「誘導体」は以下であってよい: −本発明に従うヒト成長ホルモンの「断片」は、あらゆるサブセットの分子、即
ち短いペプチドを意味する。 −本発明に従うヒト成長ホルモンの「変更物」は、完全なペプチドまたはその断
片の何れかに実質類似の分子を意味する。変更ペプチドは当業界にて知られた方
法を使用して変更ペプチドの直接の化学合成により都合よく製造してよい。
【0065】 あるいは、hGHのアミノ酸変更物は、合成されたhGH誘導体をコードする
cDNA中の変異により製造することができる。そのような変更物は、アミノ酸
配列中の残基の欠失、挿入または置換を含む。欠失、挿入または置換のあらゆる
組み合わせも、最終構築物が所望の活性を有する限り、作成してよい。
【0066】 遺伝子レベルにおいては、これらの変更物は、通常、ペプチド分子をコードす
るDNA内のヌクレオチドの部位特異的変異導入(Adelman et al.,1983により
例示されるとおり)により製造し、それにより変更物をコードするDNAを生産
し、そしてその後組換え細胞培養物中で該DNAを発現する。上記変更物は、典
型的に、非変更物ペプチドと同じ生物活性を呈する。 −本発明に従うヒト成長ホルモンの「類似体」は、完全な分子またはその活性断
片の何れかに実質類似の非天然分子を意味する。 −本発明に従うヒト成長ホルモンの「化学誘導体」は、ヒト成長ホルモン誘導体
アミノ酸配列の通常一部ではない追加の化学モイエティを含む。上記アミノ酸配
列の共有修飾は本発明の範囲内に包含される。そのような修飾は、選択された側
鎖または末端残基と反応可能な有機誘導剤でペプチドの目標とするアミノ酸残基
を反応させることによりヒト成長ホルモンに導入してよい。
【0067】 本発明に従うヒト成長ホルモンおいてなされてよい置換の種類は、異なる種の
相同蛋白質間のアミノ酸の変更頻度の分析に基づいてよい。そのような分析に基
づき、保存性置換は本明細書において以下の5グループの一つにおける交換とし
て定義してよい: I:小さくて、脂肪族の、非極性かまたはわずかに極性の残基:Ala,Ser
,Thr,Pro,Gly II:極性の、陰性荷電した残基およびそれらのアミド:Asp,Asn,Gl
u,Gln III:極性の、陽性荷電した残基:His,Arg,Lys IV:大きくて、脂肪族の、非極性残基:Met,Leu,Ile,Val,C
ys V:大きな芳香族残基:Phe,Try,Trp。
【0068】 前記のグループにおいて、以下の置換は「高度に保存された」と考えられる: −Asp/Glu −His/Arg/Lys −Phe/Tyr/Trp −Met/Leu/Ile/Val。
【0069】 半保存的置換は、上記のグループ(I)−(IV)の2つの間での交換と定義
され、(I),(I),および(III)からなるスーパーグループ(A)また
は上記(IV)および(V)からなるスーパーグループ(B)に限定される。置
換は遺伝子によりコードされることに限定されず、あるいは天然に生じるアミノ
酸でさえある。エピトープをペプチド合成により製造する場合、所望のアミノ酸
を直接使用してよい。別法として、遺伝子コードされたアミノ酸を、選択された
側鎖または末端残基と反応可能な有機誘導剤と反応させることにより該アミノ酸
を修飾してよい。
【0070】 もっとも共通のシステニル残基は、アルファ−ハロアセテート(および対応す
るアミン)、例えばクロロ酢酸またはクロロアセトアミドと反応させることによ
り、カルボキシメチル誘導体またはカルボキシアミドメチル誘導体を供給する。
システニル残基は、ブロモトリフルオロアセトン、アルファ−ブロモ−ベータ−
(5−イミダゾール)プロピオン酸、クロロアセチルリン酸、N−アルキルマレ
イミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル−2−ピリジルジスル
フィド、p−クロロ水銀安息香酸、2−クロロ水銀−4−ニトロフェノール、ま
たはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オクサ−1,3−ジアゾールを用いた反応
によっても誘導される。
【0071】 ヒスチジル残基はpH5.5−7.0においてジエチルプロカーボネートとの
反応により誘導されるが、何故ならばこの試薬は相対的にヒスチジル側鎖に特異
的だからである。パラブロモフェナシルブロミドも有用である:反応は0.1M
カコジル酸ナトリウム中でpH6.0において実施するのが好ましい。
【0072】 リジニル残基およびアミノ末端残基は琥珀酸または他のカルボキシル酸無水物
と反応させる。これらの試薬を用いた誘導は、リジニル残基の変化を転換させる
作用を有する。α−アミノ酸含有残基を誘導する他の適切な試薬は、イミドエス
テル、例えばメチルピコリニミデート;ピリドキサルホスフェート;ピリドキサ
ル;クロロボロヒドリド;トリニトロベンゼンスルホン酸;O−メチリオスウレ
ア;2,4−ペンタンジオン;およびグリオキシレートを用いたトランスアミナ
ーゼ触媒反応を含む。
【0073】 アルギニル残基は一つまたはいくつかの慣用的な試薬、とりわけフェニルグル
オキサル;2,3−ブタンジオン;およびニンヒドリンとの反応により修飾され
る。アルギニル残基の誘導は、グアニジン官能基の高いpKaのために、反応が
アルカリ条件下で実施されることを必要とする。さらに、これらの試薬はリジン
のグループ並びにアルギニンエプシロンアミノグループと反応させてよい。
【0074】 チロシル残基それ自体の特異的修飾は広範囲に研究されており、芳香族ジアゾ
ニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によりチロシン残基へスペクト
ル標識導入することに特に関心が注がれている。もっとも共通には、N−アセチ
ルイミダゾールおよびテトラニトロメタンを使用することにより、O−アセチル
チロシル種およびe−ニトロ誘導体をそれぞれ形成する。
【0075】 カルボキシル側鎖グループ(アスパルチルまたはグルタミル)は、カルボジイ
ミド(R‘N−C−N−R’)例えば1−シクロヘキシル1−3−[2−モルフ
ォリニル−(4−エチル)]カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾ
ニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドとの反応により選択的に修飾
する。さらに、アンモニウムイオンとの反応により、アスパルチルまたはグルタ
ミル残基をアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換する。
【0076】 グルタミニルおよびアスパラギニル残基はしばしば脱アミド化されて対応する
グルタミルおよびアスパルチル残基になる。別法として、これらの残基をマイル
ドな酸性条件下で脱アミド化する。これらの残基の何れかの形態はこの発明の範
囲内である。
【0077】 本発明は組換えDNA技術、例えば原核細胞または真核細胞により作成された
ヒト成長ホルモン誘導体を用いて実施されるが、これらの誘導体は当業者によく
知られた慣用の蛋白質合成方法によって作成することもできる。
【0078】 成長ホルモンは、蛋白質、ペプチド、DNA分子、RNA分子であってよい。
DNA分子およびRNA分子はhGHおよび上記列挙されたものを含むその誘導
体をコードしてよい。
【0079】 成長ホルモンは組換え成長ホルモンであることが好ましい。 上記の本発明の方法および使用において投与される、成長ホルモン、その誘導
体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の量の測定は当業
界の範囲内である。
【0080】 成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子の典型的な用量は1日あたり患者の体重キログラムあたり約1マイクロ
グラムから開始し、そして所望の効果(インビボ造血を再生できる循環細胞の動
員または末梢化、インビボ造血を再生できる循環細胞の数の増加、移植のために
十分な量の循環細胞を回収するために必要な白血球除去血輸血の数の減少、イン
ビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために加工されること
が必要な血液の体積の減少)に到達するまで上昇させる。
【0081】 投与される、成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘
導するいずれかの因子の用量は、ドナーの年齢、性別、健康状態および体重、以
前または現在の治療の種類、もし必要であれば治療の頻度および所望の効果の性
質に依存する。
【0082】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つは体重キログラムあたり20から50μ
gの間を含む量、より特定すれば体重キログラムあたり30から40μgの間の
投与に有利かもしれない。投与される成長ホルモンまたはその誘導体の一つの好
ましい用量は体重キログラムあたり約33μgである。
【0083】 成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子は、単独または他の因子と共にあるいは結合させて投与してよい。 成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子は、以下のグループ:造血成長因子、サイトカイン、ケモカインモノク
ローナル抗体に属する化合物の間から選択される一つ以上の化合物をさらに含む
組成物中に存在することが有利かもしれない。
【0084】 成長ホルモン、その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
かの因子と、以下のグループ:造血成長因子、サイトカイン、ケモカインモノク
ローナル抗体に属する化合物の間から選択される一つ以上の化合物を、同時また
は別々の時に、および/または同じ部位または異なる部位においておよび/また
は同じかまたは異なる組成物または医薬中において投与することができる。
【0085】 サイトカイングループは、IL−1,IL−3,G−CSF,GM−CSFま
たはSCFを含むことができる。ケモカイングループは、MIP−1αまたはト
ロンボポイエチン(TPO)を含むことができる。モノクローナル抗体は抗−V
LA−4抗体を含むことができる。
【0086】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は、顆粒球刺激因子(G−CSF)を含む組成物中に
存在する。
【0087】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は、G−CSFと結合させる。 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子とG−CSFは、同時または別々の時に、および/または同じ部位
または異なる部位においておよび/または同じかまたは異なる組成物または医薬
中において投与することができる。
【0088】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子とG−CSFは、別々に投与することが有利かもしれない。 G−CSFは、体重のキログラムあたり3から15μgの間、より特定すれば
体重のキログラムあたり4から12μgの間を含む量にて投与するのが有利かも
しれない。
【0089】 投与されるG−CSFの好ましい用量は、体重キログラムあたり約5μgまた
は約10μgの量である。 好ましい態様において、成長ホルモンまたはその誘導体の一つは、体重キログ
ラムあたり20から50μgを含む量にて、より特定すれば体重キログラムあた
り30から40μgを含む量にて投与され、そしてG−CSFは、体重キログラ
ムあたり3から15μgを含む量にて、より特定すれば体重キログラムあたり4
から12μgを含む量にて投与される。
【0090】 好ましい態様において、成長ホルモンまたはその誘導体の一つは体重キログラ
ムあたり33μgを含む量にて投与され、そしてG−CSFは体重キログラムあ
たり10μgを含む量にて投与される。
【0091】 本発明によれば、表現「インビボ造血を再生できる循環細胞の数を増加させる
か、またはインビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために
加工されることが必要な血液の体積を減じるのに十分な量の投与」は、1回また
は数回投与を意味することができ、インビボ造血を再生できる循環細胞の数を増
加させるか、またはインビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得
るために加工されることが必要な血液の体積を減じるのに十分な蓄積された量に
関して1日あたりおよび1日または数日間で1回または数回である。
【0092】 本発明の方法および使用において使用される薬剤組成物または組成物は受容可
能な担体に任意に化合された薬学上受容可能な形態である。 これらの組成物はそれらの意図される目的を達成するあらゆる手段により投与
することができる。
【0093】 本発明の方法および使用において使用される組成物は、単独であるいは疾患に
対して向けられたかあるいはその疾患の他の兆候に向けられた他の治療法と共に
投与してよい。
【0094】 本発明の方法および使用において使用される組成物は、静脈内または皮下にて
投与してよい。 静脈内投与の後、動物およびヒトの両方において12−30分の半減期を有す
る血清を用いた一次動力学によるhGHの除去が記載される(Moore et al.,19
88;Hendricks et al.,1985)。伝統的には、筋肉内注射が好ましい送達経路と
しての選択法であった。ヒトにおいては、外来hGHの吸収は筋肉内部位からは
より迅速であるらしく、2から3時間の最大濃度到達時間であり、皮下投与後の
4から6時間に比較される。血清からの消失相は筋肉内投与で12−20時間の
範囲と報告されており、皮下投与後では20−24時間である(Albertsson et
al.,1996;Jorgensen et a.,1987)。
【0095】 本発明の方法および使用において使用される組成物は、非経口経路、例えば皮
下、静脈内、筋肉内、腹腔内、または経皮経路によるかあるいは粘膜経路例えば
口内または経口経路により投与してよい。
【0096】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物は、非経口経路、例えば皮下、静脈内、筋肉内、腹腔
内、または経皮経路によるかあるいは粘膜経路例えば口内または経口経路により
投与してよい。
【0097】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は皮下投与される。 本発明の各治療、方法または使用に必要な全用量または量は複数あるいは単一
の用量にて投与してよい。
【0098】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物は、毎日あるいは日に3回投与してよい。 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子を含む組成物は、日に3回投与する。
【0099】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は、毎日あるいは日に3回投与してよい。 好ましい態様において、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホル
モンの放出を誘導するいずれかの因子は、日に3回投与する。
【0100】 本発明の方法または使用が成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホ
ルモンの放出を誘導するいずれかの因子とG−CSFの投与を含むなら、G−C
SFは日に1回および/または皮下投与することが好ましい。
【0101】 本発明の方法または使用が成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホ
ルモンの放出を誘導するいずれかの因子とG−CSFの投与を含むなら、成長ホ
ルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの
因子は日に3回投与することが好ましく、そしてG−CSFは毎日投与すること
が好ましい。
【0102】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物は、毎日投与してよく、白血球除去血輸血に先立ち2
0日目から開始できる。
【0103】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物は、所望の効果(インビボ造血を再生できる循環細胞
の動員または末梢化、インビボ造血を再生できる循環細胞の数の増加、移植のた
めに十分な量の循環細胞を回収するために必要な白血球除去血輸血の数の減少、
インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために加工される
ことが必要な血液の体積の減少)に到達するまで、5日の期間または10日の期
間をかけて投与してよい。
【0104】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子を含む組成物は、所望の効果(インビボ造血を再生で
きる循環細胞の動員または末梢化、インビボ造血を再生できる循環細胞の数の増
加、移植のために十分な量の循環細胞を回収するために必要な白血球除去血輸血
の数の減少、インビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るため
に加工されることが必要な血液の体積の減少)に到達するまで投与する。
【0105】 本発明の方法および使用は、化学治療、放射線治療、骨髄抑圧性治療、インビ
ボ造血を再生できる循環細胞の移植または骨髄の移植後に実施するのが有利であ
る。
【0106】 本発明の方法および使用は、化学治療法の治療開始後約7日目または化学治療
法の治療終了後約2日目に実施するのが有利である。 好ましい態様において、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホル
モンの放出を誘導するいずれかの因子とG−CSFは、白血球除去血輸血まで、
インビボ造血を再生できる循環細胞の動員または末梢化まで、インビボ造血を再
生できる循環細胞の数の増加まで、移植のために十分な量の循環細胞を回収する
ために必要な白血球除去血輸血の数の減少まで、および/またはインビボ造血を
再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために加工されることが必要な血
液の体積の減少まで投与する。この好ましい態様において、成長ホルモンまたは
その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子は1日3
回投与するのが好ましく、そしてG−CSFは1日1回投与するのが好ましい。
【0107】 本発明の方法および使用は、「ケモプライミング」と呼ぶ前処置と組み合わせ
てよい。「ケモプライミング」養生法は以下を使用してよい: −胸部癌または多発性骨髄腫を有する患者のための高い用量のシクロホスファミ
ド(4g/m2)、 −非ホジキンリンパ腫またはホジキン疾患を有する患者のためのイフォスファミ
ド、エトポシド、 −固形の癌(例えば、胸部癌)の患者のためのシクロホスファミド、エトポシド
、シスプラチン(CVP)。
【0108】 インビボ造血を再生できる循環細胞の回復(rebound)への誘導を増強するた
め、本発明の方法および使用はケモプライミング完了の直後に開始して除去血輸
血の完了まで続ける(5から12μg/kg/d)。
【0109】 以前の化学療法により骨髄幹細胞のプールが顕著に低下している患者において
は、追加のケモプライミング養生法はインビボ造血末梢化を再生できる循環細胞
の末梢化への誘導よりもむしろ障害性であるかもしれないことも注目すべきであ
る。幹細胞障害性化学治療剤、例えばブスルファン、ドクソルブシン、メルファ
ラン、チオテパおよびおそらくフルダラビン(およびその他)はケモプライミン
グ養生法の一部であるべきではない。他方、シクロホスファミドは最小限のイン
ビボ造血を再生できる細胞にしか障害を与えない理想的なケモプライミング薬剤
であると考えられるが、心臓障害性(用量>4g/m2)および出血性膀胱炎は
よく知られた用量制限的な脊髄外副作用である(Shepperd et al.,1990)。
【0110】 本発明の方法および使用により末梢血から得られたインビボ造血を再生できる
細胞で富裕にされた血液細胞の集団は、一つまたはいくつかの化学治療、放射線
治療、骨髄抑圧、骨髄切除または骨髄障害性治療を以前に受けた個体に注入する
ことが有利である。
【0111】 再注入、移植(engraftment)または移植(transplantation)の上記操作は、
いわゆる造血幹細胞移植(HSCT)手法に属する。HSCTは、骨髄または末
梢血から得た、インビボ造血を再生できる細胞を、患者に移植する臨床上の手法
である。
【0112】 自己移植はドナーとレシピエントが同じ個体の移植であるが、非自己移植はド
ナーとレシピエントが違う個体の移植である。本発明の方法は、自己および非自
己両方の移植を包含する。
【0113】 別の部分において、本発明は、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成
長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の、G−CSFの動員作用または末
梢化作用を増強するための方法または使用を提供する。
【0114】 上記方法は、インビボ造血を再生できる循環細胞の動員をG−CSFにより増
強するため、インビボ造血を再生できる循環細胞の数をG−CSFにより増加さ
せるため、移植のために十分な量の循環細胞をG−CSFにより回収するために
必要な白血球除去血輸血の数を減少させるため、および/またはインビボ造血を
再生できる循環細胞の指定された目標数をG−CSFにより得るために加工され
ることが必要な血液の体積を減少させるための、成長ホルモンまたはその誘導体
の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の方法および使用を
提供する。
【0115】 即ち、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導
するいずれかの因子とG−CSFの投与は、G−CSFを単独であるいは成長ホ
ルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの
因子なしに投与することにより得られる効果に関して、インビボ造血を再生でき
る循環細胞の動員を相乗的に増強または増加させるか、インビボ造血を再生でき
る循環細胞の数を相乗的に増強または増加させるか、移植のために十分な量の循
環細胞を回収するために必要な白血球除去血輸血の数を減少させるか、および/
またはインビボ造血を再生できる循環細胞の指定された目標数を得るために加工
されることが必要な血液の体積を減少させる。
【0116】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子とG−CSFの投与は、G−CSFを単独であるいは成長ホルモン
またはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子な
しに投与する場合よりも低いG−CSF用量の使用を可能にする。
【0117】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子とG−CSFの投与は、同時または異なる時間に、および/または
同じ部位または異なる部位において、および/または同じ組成物または医薬中ま
たは異なる組成物または医薬中にて実施することができる。
【0118】 第2の部分において、本発明は、造血再構成を増強するための新規な使用を提
供する。本発明は、造血の再生、回復または再構成を促進するか、増強するかま
たは加速することができる薬剤に関する。本発明は、造血再構成を増強する新規
な使用を提供する。
【0119】 即ち、本発明は、ヒトにおいて造血再構成を増強する医薬を製造するための、
成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいず
れかの因子の使用に関する。
【0120】 本出願を通して、用語「増強する」および同じ根源を有するすべての用語は、
用語「促進する」または用語「加速する」により置換してよい。 本出願を通して、用語「再構成」および同じ根源を有するすべての用語は、用
語「回復」または用語「再生」により置換してよい。
【0121】 別の態様において、本発明は、ヒトにおいて骨髄移植後の造血を増強するため
の、ヒト成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたはヒト成長ホルモンの放出を
誘導するいずれかの因子の使用に関する。
【0122】 別の態様において、本発明は、ヒトにおいてインビボの造血を再生することが
できる骨髄または細胞の移植を増強するための、ヒト成長ホルモンまたはその誘
導体の一つまたはヒト成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用に関
する。
【0123】 本発明の別の態様は、インビボの造血を再生することができる細胞の移植後に
造血の再構成を増強するための医薬の製造のための、成長ホルモンまたはその誘
導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用である。
【0124】 さらなる態様において、本発明は、インビボの造血を再生することができる細
胞の移植を増強するための医薬の製造のための、成長ホルモンまたはその誘導体
の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用に関する。
【0125】 成長ホルモンは、好都合にはヒト成長ホルモンであってよい。 成長ホルモンおよびその誘導体は、本発明の第1の部分に関連して本出願にお
いて前に列挙された成長ホルモンおよびその誘導体に相当してよい。
【0126】 造血再構成または増強された移植は、末梢白血球細胞(WBC)のカウントお
よび/または顆粒球カウントおよび/またはリンパ球カウントおよび/または血
小板カウントおよび/または赤血球カウントの増加により検出してよい。
【0127】 末梢白血球細胞(WBC)のカウントおよび/または顆粒球カウントおよび/
またはリンパ球カウントおよび/または血小板カウントおよび/または赤血球カ
ウントの増加は、同じ移植養生法を受けたが何ら造血再構成治療を受けなかった
個体におけるカウントの増加率の比較により検出してよい。
【0128】 造血再構成または増強された移植は、正常または標準の、末梢白血球細胞(W
BC)のカウントおよび/または顆粒球カウントおよび/またはリンパ球カウン
トおよび/または血小板カウントおよび/または赤血球カウントを取り戻すのに
必要な時間を減少させることにより検出してよい。
【0129】 正常または標準の、末梢白血球細胞(WBC)のカウントおよび/または顆粒
球カウントおよび/またはリンパ球カウントおよび/または血小板カウントおよ
び/または赤血球カウントは、健常な個体または何ら骨髄除去、骨髄障害性治療
、骨髄抑圧性治療、何ら化学治療、何ら放射線治療または何ら移植を受けなかっ
た個体において測定する。
【0130】 正常な好中球のカウントは末梢血のリットルあたり少なくとも0.5x109
好中球細胞であってよい。 正常な血小板のカウントは末梢血のリットルあたり少なくとも20x109
あってよい。
【0131】 造血再構成または増強性移植は、好中球減少症および/または血小板減少症お
よび/または貧血症および/または出血の範囲および/または期間の減少および
/または予防期間の減少により検出してよい。
【0132】 造血再構成または増強性移植は、発熱および/または感染の期間および/また
は重度の減少により検出してよい。 好中球減少症および/または血小板減少症および/または貧血症および/また
は出血の範囲および/または期間の減少および/または予防期間の減少または発
熱および/または感染の期間および/または重度の減少は、同じ移植養生法、同
じ化学治療、同じ放射線治療または同じ骨髄抑圧性治療、骨髄除去治療または骨
髄障害性治療を受けたが何ら造血再構成処置を受けなかった個体において測定さ
れた上記程度および/または期間および/または重度と比較してよい。
【0133】 造血再構成または増強性移植は、末梢血マイクロリットルあたり少なくとも1
000の顆粒球の回復により検出してよい。 別の態様において、本発明は、新形成疾患、造血不全、悪性腫瘍、重度の複合
性免疫不全(SCIDs)、先天的または遺伝的に決定された造血異常、貧血、
再生不能性貧血、白血病および骨粗鬆症を治療するための医薬の製造のための、
成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいず
れかの因子の使用に関する。
【0134】 新形成疾患は胸部癌であってよい。 別の態様において、本発明は、移植、化学治療、放射線治療または骨髄除去、
骨髄抑圧性治療または骨髄障害性治療の後の骨髄形成不全の期間を少なくするた
めの医薬、化学治療、放射線治療または骨髄除去、骨髄抑圧性治療または骨髄障
害性治療の後の日和見感染を予防するかまたは治療するための医薬、または化学
治療、放射線治療または骨髄除去、骨髄抑圧性治療または骨髄障害性治療の後の
腫瘍の再発の危険を制限するための医薬を製造するための、成長ホルモンまたは
その誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用に
関する。
【0135】 さらなる態様において、本発明は、骨髄除去、骨髄抑圧性治療または骨髄障害
性治療および/または放射線治療および/または化学治療および/または移植の
二次的な作用を予防するかまたは治療するための医薬を製造するための、成長ホ
ルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの
因子の使用に関する。
【0136】 さらなる態様において、本発明は、放射線治療および/または化学治療および
/または造血幹細胞の移植および/または造血を再生できる細胞の移植および/
または骨髄移植および/または骨髄抑圧性治療または骨髄障害性治療のあとの貧
血症を予防するかまたは治療するための医薬を製造するための、成長ホルモンま
たはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使
用に関する。
【0137】 さらなる態様において、本発明は、放射線治療および/または化学治療および
/または造血幹細胞の移植および/または造血を再生できる細胞の移植および/
または骨髄移植および/または骨髄抑圧性治療または骨髄障害性治療のあとの好
中球減少症を予防するかまたは治療するための医薬を製造するための、成長ホル
モンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因
子の使用に関する。
【0138】 さらなる態様において、本発明は、放射線治療および/または化学治療および
/または造血幹細胞の移植および/または造血を再生できる細胞の移植および/
または骨髄移植および/または骨髄抑圧性治療または骨髄障害性治療のあとの血
小板減少症を予防するかまたは治療するための医薬を製造するための、成長ホル
モンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因
子の使用に関する。
【0139】 インビボにおいて造血を再生できる細胞は、以下のグループ:CD34+細胞
、CD34+CD33+細胞、CD34+CD38-細胞、CD34+Thy−I細
胞、CD34+Thy−ICD38−細胞、CD33-細胞、幹細胞、始原細胞、
長期間培養開始細胞(LTC−IC)、自己再生能力を果たす細胞、多能性特性
を果たす細胞、長期間骨髄培養を開始する細胞の一つまたは複数に属してよい。
【0140】 上記の本発明の方法または使用において投与される、成長ホルモンまたはその
誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の量の測定は
、当業者の範囲である。
【0141】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子の典型的な用量は、1日あたり患者の体重キログラムあたり約1マ
イクログラムで開始して、所望の効果(造血回復または移植)に達するまで用量
を増加することになる。
【0142】 投与される、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子の用量は、ドナーの年齢、性別、健康状態および体重
、以前または現在の治療の種類、もしあれば治療の頻度および所望の効果の性質
に依存する。
【0143】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子は単独または他の因子と共に投与してよい。 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子は、以下のグループ:造血成長因子、サイトカイン、ケモカイン、
モノクローナル抗体に属する化合物の間から選択される一つまたはいくつかの化
合物をさらに含む組成物または医薬中に存在させることが有利である。
【0144】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子および以下のグループ:造血成長因子、サイトカイン、ケモカイン
、モノクローナル抗体に属する化合物の間から選択される一つまたはいくつかの
化合物は、同時または異なる時におよび/または同じ部位においてまたは異なる
部位においておよび/または同じかまたは異なる組成物または医薬中にて投与す
ることが有利である。
【0145】 サイトカイングループは、IL−1,IL−3,G−CSF,GM−CSFま
たはSCFを含みうる。ケモカイングループは、MIP−1αまたはトロンボポ
イエチン(TPO)を含みうる。モノクローナル抗体グループは、抗−VLA−
4抗体を含みうる。
【0146】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を含む組
成物または医薬中に存在する。
【0147】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は、G−CSFと結合している。 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子およびG−CSFは、同時または異なる時におよび/または同じ部
位においてまたは異なる部位においておよび/または同じかまたは異なる組成物
または医薬中にて投与することができる。
【0148】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子およびG−CSFは、別々に投与することが有利である。 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子および/またはG−CSFは、造血再構成または移植を増強するの
に十分な量にて投与される。
【0149】 造血再構成または移植を増強するのに十分な量の投与は、造血再構成または移
植を増強するのに十分な蓄積量のための、1回または複数回の投与、1日あたり
1回または数回および1日または数日間を意味しうる。
【0150】 本発明の方法または使用において使用される薬剤組成物または医薬または組成
物は、任意に受容可能な担体と組み合わせた薬学上受容可能な形態中にある。 これらの組成物または医薬はそれらの意図される目的を達成するいずれかの手
段により投与することができる。
【0151】 本発明の方法または使用において使用される組成物または医薬は、単独あるい
は疾患に向けられた他の治療剤またはその他の兆候に向けられた他の治療剤と共
に投与してよい。
【0152】 本発明の方法または使用において使用される組成物または医薬は、静脈内経路
または皮下経路により投与してよい。 本発明の方法または使用において使用される組成物または医薬は、非経口経路
、例えば皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、または経皮経路によりあるいは経粘膜
経路、例えば頬内または口内経路により投与してよい。
【0153】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物または医薬は、非経口経路、例えば皮下、静脈内、筋
肉内、腹腔内、または経皮経路によりあるいは経粘膜経路、例えば頬内または口
内経路により投与してよい。
【0154】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は皮下投与される。 本発明の各治療、方法または使用に必要な全用量または全量は、複数用量また
は単一用量にて投与される。
【0155】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物または医薬は、毎日または日に3回投与してよい。 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子を含む組成物または医薬は、日に3回投与する。
【0156】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子は、毎日または日に3回投与してよい。 好ましい態様において、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホル
モンの放出を誘導するいずれかの因子は、日に3回投与する。
【0157】 本発明の方法または使用が、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長
ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子およびG−CSFを含むなら、G−C
SFは日に1回および/または皮下投与することが好ましい。
【0158】 本発明の方法または使用が、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長
ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子およびG−CSFを含むなら、成長ホ
ルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの
因子は日に3回投与することが好ましく、そしてG−CSFは毎日投与すること
が好ましい。
【0159】 上記医薬の投与は、白血球除去血輸血までまたは完全な回復まで、3日の期間
にわたりずっと行ってよい。 上記医薬の投与は、移植後1日から3日行ってよい。
【0160】 用語「移植(transplantation)」は、骨髄移植または造血幹細胞移植を包含
する。 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物または医薬は、白血球除去血輸血前20日まで開始す
ることができる毎日の投与であってよい。
【0161】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するい
ずれかの因子を含む組成物は、所望の効果(造血回復または移植)に達するまで
の5日間または10日間にわたり投与してよい。
【0162】 好ましくは、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出
を誘導するいずれかの因子を含む組成物は、所望の効果(造血回復または移植)
に達するまで投与してよい。
【0163】 本発明の方法および使用は、化学治療、放射線治療、骨髄抑圧性治療、インビ
ボにおいて造血を再生できる細胞の移植(transplantation)または移植(engra
ftment)または骨髄の移植の後に実施してよい。
【0164】 本発明の方法および使用は、化学治療処置の開始約7日後または化学治療処置
終了約2日後に実施することが有利である。 好ましい態様において、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホル
モンの放出を誘導するいずれかの因子およびG−CSFは、造血または移植まで
投与する。この好ましい態様において、成長ホルモンまたはその誘導体の一つま
たは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子は日に3回投与することが好
ましく、そしてG−CSFは日に1回投与することが好ましい。
【0165】 上記医薬において使用される成長ホルモンは、組換え成長ホルモンであること
が有利である。 上記医薬において使用される成長ホルモンは、ヒト成長ホルモンであることが
有利である。
【0166】 第3の部分において、本発明は、本発明の第1の部分の方法および使用(動員
)と本発明の第2の部分の方法および使用(回復)の組み合わせを提供する。 上記組み合わせの方法および使用は、ドナーとレシピエントが同じ人物または
個体である、造血幹細胞の自己移植の場合に適用してよい動員方法および回復方
法である。即ち、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放
出を誘導するいずれかの因子は、血液細胞抽出の観点から前処理である第1の動
員工程において動員剤として、および移植後の第2工程において造血回復剤とし
て使用することができる。
【0167】 上記組み合わせの方法および使用は極めて有用である。事実、成長ホルモンま
たはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子によ
り動員された細胞の患者への移植は、この患者の前動員処置なしの移植よりも早
い造血回復をもたらす。
【0168】 本発明の方法および使用は、多くの臨床上重要な分野、即ち自己骨髄移植、同
種異系骨髄移植、遺伝子治療、造血幹細胞移植、インビボにおいて造血を再生で
きる細胞の移植、放射線治療、化学治療、骨髄抑圧性治療または骨髄障害性治療
において適用することができる。
【0169】 本発明の方法および使用は放射線治療または化学治療を受けた患者、骨髄ある
いはインビボにおいて造血を再生できる細胞を移植された患者または骨髄障害性
治療あるいは骨髄除去治療を受けた患者を治療するのに応用することができる。
実施例 略語および注意: − BFU−E:バースト形成ユニット、赤血球 − CFU−C:コロニー形成ユニット、培養 − CFU−GM:コロニー形成ユニット、顆粒球およびマクロファージ − CFU−Meg:コロニー形成ユニット、巨核球 − G−CSF:顆粒球刺激因子 − IGF−I:インスリン成長因子I − LTC−IC:長期間培養開始細胞 − HGH:ヒト成長ホルモン − Rhg−CSF:組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子 − RhGH:組換えヒト成長ホルモン。 実施例1:マウス前臨床モデルにおいて研究されたhGHの動員活性 BALB/cマウスに全部で10日間毎日10μLのrhGHを静脈内注射す
る、それぞれ5日目および10日目の末梢血中に循環する全CFU−CまたはB
FU−E活性をインビトロ培養技術における標準法に従い測定し、そして (i)定常状態の前処理レベル、 (ii)連続5日間毎日10μLにて静脈投与されたrhG−CSF処理後、そ
れぞれ3日目および5日目の絶対CFU−CおよびBFU−Eのカウント と比較する。 実施例2:動員と回復の臨床研究に関する選択の基準 A)包有基準: −筆記されたインフォームドコンセント −年齢18歳および60歳 −現在のINTガイドラインに従い高い用量の化学治療を受ける、組織学上確認
された高い危険度の癌(リンパ腫癌)。 B)排除基準: −化学治療および/または放射線治療の化学治療コースで強く前処理された患者
−腎臓(クレアチン>1.5N)または肝臓の機能不全および/またはSGPT
>2.5N;ビリルビン>1.5、または重度のCNSまたは精神医学疾患。 −臨床上有意な心臓疾患または心筋疾患。エコー心臓グラフ評価による<50%
休息またはアイソトニック測定による<55%のの左心室噴出画分。 −B型またはC型肝炎、あるいはHIV試験陽性。 実施例3:動員および回復臨床研究に関する基底研究手法 動員および回復臨床研究の間、いくつかのパラメーターを研究する: −完全な病歴、生理学試験、心臓試験、マルチゲートによるシンチグラフスキャ
ンまたはエコーグラフ、胸部X線による左心室噴出画分(LVEF) −妊娠試験(もし適用可能なら) −HBV,HCVおよびHIV試験 −微分による全血液カウント −循環するCD34+細胞とCFUの絶対数 −血液化学(トランスアミナーゼ、血清ホスファターゼ、ガンマGT、LDH,
全ビリルビン、BUN,クレアチン、グリセミア、Na,K,Ca,P,尿酸、
全蛋白質、アルブミン、コレステロールトリグリセリド) −両側骨髄生検 −インフォームドコンセント。 実施例4:動員および回復の臨床研究に関する障害性の主要なパラメーター −腫瘍成長(動員研究のみ) −臨床上および機器上の兆候 −心臓、肝臓および腎臓の機能に関する実験室試験。 実施例5:動員の臨床研究 A)動員の臨床研究の目的 −(i)循環するCD34+細胞を増加させること、および (ii)骨髄造血区画を拡張することにより続くrhG−CSF投与による増
強された動員を可能にすることにおけるrhGHの活性を評価するため −化学治療後の癌患者にrhG−CSFを与えてrhGHの安全性および寛容性
を評価するため(造血回復研究)。 b)治療プラン rhGHを用いた動員研究: −rhGHを静脈内経路により1日から10日間投与する。rhGHの用量は、
1日当たり患者の体重キログラムあたり1マイクログラムから開始して、所望の
効果(インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の動員または末梢化、インビ
ボにおいて造血を再生できる循環細胞の数のドナーにおける増加、移植のための
十分な量の循環細胞の回収に必要な白血球除去血輸血の数の減少、インビボにお
いて造血を再生できる循環細胞の指定された目的数を得るために加工されること
が必要な血液の体積の減少)に達するまで用量を上昇させる。(xxμg/kg
QD,iv) rhGHおよびrhG−CSFを用いた動員の研究: −rhGH投与:rhGHを静脈内経路により1日から5日間投与する。rhG
Hの用量は、1日当たり患者の体重キログラムあたり1マイクログラムから開始
して、所望の効果(インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の動員または末
梢化、インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数のドナーにおける増加、
移植のための十分な量の循環細胞の回収に必要な白血球除去血輸血の数の減少、
インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の指定された目的数を得るために加
工されることが必要な血液の体積の減少)に達するまで用量を上昇させる。 −CD34+細胞収穫の完了(標的細胞用量は8X10e6CD34+細胞/kg
体重である)からrhG−CSF投与(10μg/kg QD,iv) C)活性の主要なパラメーター +6日から開始して、以下のパラメーターを評価する: −絶対CD34+細胞カウント/μL(末梢において毎日および白血球除去血輸
血された細胞内において1回) −絶対CFU−GM細胞カウント/μL(末梢において毎日および白血球除去血
輸血された細胞内において1回) D)研究手法 −+5日から白血球除去血輸血までのCD34+細胞/μLおよびCFU−GM
末梢血濃度毎日の評価。 −白血球除去血輸血された細胞におけるCD34+細胞、CFU−GM,BFU
−E,CFU ICの全収量。 −臨床および実験を通しての障害性の評価(EKG,胸部X線、および必要に応
じて他の実験)。 −動員研究を終了させる全腫瘍パラメーターの測定と評価。 実施例6:回復の臨床研究 A)回復の臨床研究の目的 −高い用量の化学治療および末梢血幹細胞自己移植で処置された癌患者の末梢血
中のWBC,RBCおよび血小板の回復を促進することにおける単独であるいは
組み合わせて与えられたrhGHの能力の評価。 −化学治療後の癌患者にrhG−CSFを与えた、rhGHの安全性および寛容
性の評価。 B)治療プラン −高い用量の化学治療の投与、続く動員研究において収穫された低温保存細胞の
最適量(即ち、8X10e6CD34+細胞/kg)の0日目の注入。 −1日目から、1000μL以上の顆粒球カウント、および50,000/μL
以上の血小板カウントの安定な(即ち、3日連続)回復までのrhGHおよびr
hG−CSF(μg/kg QD,iv)の同時投与(iv)。 C)活性の主要なパラメーター +0日目から開始して、完全かつ安定な回復まで、以下のパラメーターを評価す
る: −絶対顆粒球カウント/μL(毎日) −絶対血小板カウント/μL(毎日) −絶対赤血球カウント/μL(毎日) −顆粒球最下点 −血小板最下点 −好中球減少症の程度および期間 −血小板減少症の程度および期間 −造血支持細胞輸血、RBC輸血 −感染予防の期間、および感染 −出血。 D)研究手法 −WBC,RBCおよび血小板カウントの毎日の評価 −血小板輸血の数 −RBC輸血の数 −発熱および証明された感染の種類と重度 −障害性造血の臨床上および機器上の評価。 実施例7:動員の臨床研究の結果 I − 2サイクルの化学治療内の動員の研究 A)再発したホジキン病を有する3人の患者に以下の2サイクルの治療を施した
: ・サイクル1(対照サイクル): −イフォスファミド(化学治療剤):3g/m2 iv(静脈内)(1日1回)
、1−4日; −ビノレルビン(化学治療剤):25mg/m2 iv(静脈内)(1日1回)
、1日目および5日目; −G−CSF:5μg/kg sc(皮下)(1日1回)7日から白血球除去血
輸血までまたはCD34+細胞の十分な数の回復まで(約3から8−106細胞/
kg)。 ・サイクル2: −イフォスファミド:3g/m2 iv(静脈内)(1日1回)、1−4日; −ビノレルビン:25mg/m2 iv(静脈内)(1日1回)、1日目および
5日目; −G−CSF:5μg/kg sc(1日1回)7日からCD34+細胞の十分
な数の回復まで(約3から8−106細胞/kg)または白血球除去血輸血まで
。 −rhGH(組換えヒト成長ホルモン):33μg/kg sc(1日3回)7
日からCD34+細胞の十分な数の回復まで(約3から8−106細胞/kg)ま
たは白血球除去血輸血まで。 B)結果 結果は図1の表中に描写される。
【0170】 インスリン投与を要求する高血糖症を除いて障害性は観察されなかった。 対照(サイクル1)と比較すると、サイクル2におけるrhGHの添加は以下
: 1)血流中のCD34+細胞の動員の2倍または3倍化 2)白血球除去血輸血されたCD34+細胞の回復またはCD34+白血球除去血
輸血された細胞の数の増加 をもたらした。
【0171】 GHにより誘導された、CD34+白血球除去血輸血された細胞の数の増加は
、自己移植に関して十分な量のCD34+細胞の3人すべての患者からの収穫を
可能にする(約3から8−106細胞/kg)。 II − 3サイクルの化学治療内の動員の研究 A)再発したホジキン病を有する1人の患者に以下の3サイクルの治療を施した
: ・サイクル1: −イフォスファミド(化学治療剤):3g/m2 iv(静脈内)(1日1回)
、1−4日; −ビノレルビン(化学治療剤):25mg/m2 iv(静脈内)(1日1回)
、1日目および5日目; −G−CSF:5μg/kg sc(皮下)(1日1回)7日から白血球除去血
輸血までまたはCD34+細胞の十分な数の回復まで(約3から8−106細胞/
kg)。 ・サイクル2: −イフォスファミド:3g/m2 iv(1日1回)、1−4日; −ビノレルビン:25mg/m2 iv(1日1回)、1日目および5日目; −G−CSF:5μg/kg sc(1日1回)7日からCD34+細胞の十分
な数の回復まで(約3から8−106細胞/kg)または白血球除去血輸血まで
。 −rhGH(組換えヒト成長ホルモン):33μg/kg sc(1日3回)7
日からCD34+細胞の十分な数の回復まで(約3から8−106細胞/kg)ま
たは白血球除去血輸血まで。 ・サイクル3: −イフォスファミド(化学治療剤):3g/m2 iv(静脈内)(1日1回)
、1−4日; −ビノレルビン(化学治療剤):25mg/m2 iv(静脈内)(1日1回)
、1日目および5日目; −G−CSF:5μg/kg sc(皮下)(1日1回)7日から白血球除去血
輸血までまたはCD34+細胞の十分な数の回復まで(約3から8−106細胞/
kg)。 B)結果 セクションAにおいて列挙された臨床治療の結果は、図2のグラフに描写され
る。
【0172】 図2のグラフは、21日ごとに開始する3日連続の化学治療後のCD34+
胞動員の時間経過を示す。 図2のグラフにおいて描写された各点は1ミリリットルの血液のサンプル中に
見いだされるCD34+細胞/血液μlの数の測定値に相当する。
【0173】 結果は、サイクル2(rhGHの添加)がサイクル1および3よりも優れてい
ることを明確に示す。即ち、血液中のCD34+細胞の動員はrhGHの添加に
より増強される。
【0174】 GHによる血液中のCD34+細胞の動員の増強は、特に研究された患者がい
くつかのコースの骨髄障害性化学治療を受けていたこと、そして次の各コースが
動員の程度を邪魔するからである。連続した骨髄障害性化学治療および動員サイ
クルの後の循環するCD34+細胞の数の低下が、サイクル1およびサイクル3
に比較して観察することができる。
【0175】 CD34+細胞数/測定された血液のμlが最大のとき(サイクル1の13日
目;サイクル2の20日目)、上記患者の血液は白血球除去血輸血される。白血
球除去血輸血された細胞は低温保存されて、骨髄除去治療後の患者に再注入され
ることになる。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】
【表3】
【0179】
【表4】
【0180】
【表5】
【0181】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】 略語: GH:成長ホルモン G−CSF:顆粒球−細胞刺激因子 ND:検出不可能。
【図2】 このグラフは、G−CSFのみ(サイクル1)、GH+G−CSF(サイクル
2)およびG−CSF(サイクル3)を用いた動員処置後の3サイクルの化学治
療の間に患者において得られたCD34+細胞/血液のμlを描写する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/00 A61P 35/00 7/06 35/02 19/10 37/00 35/00 A61K 37/36 35/02 37/24 37/00 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C084 AA02 AA16 DA01 DA13 DA15 DA19 DB14 DB22 MA02 MA55 MA56 MA63 MA66 NA14 ZA51 ZA55 ZA97 ZB26 ZB27 ZC80 4C085 AA14 EE03 GG02 GG03 GG04 GG06 4C087 AA01 AA02 BB34 CA05 DA32 MA02 NA05 NA14 ZA51 ZA55 ZA97 ZB07 ZB26 ZB27 ZC80

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インビボにおいて造血を再生することができる循環細胞の集団
    の調製の方法であって、以下: a)インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数をドナーにおいて増加させ
    るのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモン
    の放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに投与し、 b)インビボ造血を再生することができる循環細胞の集団を上記ドナーの末梢血
    から単離すること からなる方法。
  2. 【請求項2】 インビボにおいて造血を再生することができる循環細胞のドナ
    ーの調製の方法であって、インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数をド
    ナーにおいて増加させるのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一
    つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに
    投与することからなる方法。
  3. 【請求項3】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放
    出を誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに投与することからなる、イ
    ンビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数をドナーにおいて増加させる方法
  4. 【請求項4】 インビボにおいて造血を再生できる循環細胞がCD34+細胞
    である、請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 増加したCD34+細胞の数が末梢血のマイクロリットルあた
    り10、25、34または80より多いCD34+細胞である、請求項4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 増加したCD34+細胞の数がレシピエントの体重キログラム
    あたり少なくとも2x106CD34+細胞、レシピエントの体重キログラムあた
    り少なくとも4x106CD34+細胞、またはレシピエントの体重キログラムあ
    たり少なくとも8x106CD34+細胞である、請求項1ないし5のいずれか1
    項記載の方法。
  7. 【請求項7】 増加したCD34+細胞の数がドナーの体重キログラムあたり
    少なくとも2x106、4x106、5x106、6x106、8x106、15x
    106CD34+細胞である、請求項1ないし5のいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 インビボにおいて造血を再生することができる循環細胞の数の
    増加がドナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり約1x105GM−C
    FCに相当するかまたはそれより多い、請求項1ないし7のいずれか1項記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 インビボにおいて造血を再生することができる循環細胞の数の
    増加が末梢血液のミリグラムあたり約500 CFU−GMに相当するかまたは
    それより多い、請求項1ないし8のいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 インビボにおいて造血を再生することができる循環細胞の数
    の増加が増加したレベルのCFU−C,CFU−MegまたはBFU−Eに相当
    する、請求項1ないし9のいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 インビボにおいて造血を再生することができる循環細胞の数
    の増加が末梢血マイクロリットルあたり約1000またはそれより多い白血球細
    胞数に実質上相当する、請求項1ないし10のいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 インビボにおいて造血を再生することができる循環細胞の数
    の増加がCD34+/CD33+細胞および/またはCD34+/CD38-細胞お
    よび/またはCD34+/Thy−I細胞および/またはCD34+/Thy−I
    /CD38-細胞および/またはCD33+細胞および/または骨髄幹細胞および
    /または始原細胞および/または長期間培養開始細胞(LTC−IC)および/
    または自己再生能力を満たす細胞および/または多能性を満たす細胞および/ま
    たは複数の細胞系列を生むことができる細胞である、請求項1ないし11のいず
    れか1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の集団の調製の
    方法であって、 a)インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の指定された目的数を得るため
    に加工されることが必要な血液の体積を減らすのに十分な量にて、成長ホルモン
    またはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を
    含む組成物をドナーに投与し、 b)減らされた体積の血液を単離し、 c)インビボ造血を再生することができる循環細胞の集団を上記単離された体積
    から単離すること からなる方法。
  14. 【請求項14】 インビボにおいて造血を再生できる細胞のドナーを調製する
    方法であって、インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の指定された目的数
    を得るために加工されることが必要な血液の体積を減らすのに十分な量にて、お
    よび/または、インビボにおいて造血を再生可能な移植される循環細胞を十分な
    量にて回収するのに必要な白血球除去血輸血の量を減らすのに十分な量にて、成
    長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
    かの因子を含む組成物をドナーに投与することからなる方法。
  15. 【請求項15】 成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの
    放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物を投与することにより、インビボに
    おいて造血を再生できる循環細胞の指定された目的数を得るために加工されるこ
    とが必要な血液の体積をドナーにおいて減らすか、および/または、インビボに
    おいて造血を再生可能な移植される循環細胞を十分な量にて回収するのに必要な
    白血球除去血輸血の数を減らすための方法。
  16. 【請求項16】 インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の指定された目
    的数がドナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり少なくとも2x104
    LTC−IC、ドナーまたはレシピエントの体重キログラムあたり2x106
    またはそれより多いCD34+、またはドナーまたはレシピエントの体重キログ
    ラムあたり8x106またはそれより多いCD34+である、請求項1ないし15
    のいずれか1項記載の方法。
  17. 【請求項17】 必要とされる血液の体積が約30から約900ミリリットル
    の範囲に含まれる、請求項1ないし16のいずれか1項記載の方法。
  18. 【請求項18】 組成物が以下のグループ:造血性成長因子、サイトカイン、
    ケモカイン、モノクローナル抗体の間から選択される一つまたはいくつかの化合
    物をさらに含む、請求項1ないし17のいずれか1項記載の方法。
  19. 【請求項19】 サイトカイングループがIL−1,IL−3,G−CSF,
    GM−CSFまたはSCFであり;ケモカイングループがMIP−1αまたはト
    ロンボポイエチン(TPO)であり;モノクローナル抗体グループが抗−VLA
    −4抗体である、請求項1ないし18のいずれか1項記載の方法。
  20. 【請求項20】 組成物が成長ホルモンおよびG−CSFを含む、請求項1な
    いし19のいずれか1項記載の方法。
  21. 【請求項21】 成長ホルモンが体重kgあたり20から50μgの間の量に
    て投与されるか、体重kgあたり30から40μgの間の量にて投与されるかま
    たは体重kgあたり約33μgの量にて投与される、請求項1ないし20のいず
    れか1項記載の方法。
  22. 【請求項22】 G−CSFが体重kgあたり3から15μgの間の量にて投
    与されるか、体重kgあたり4から12μgの間の量にて投与されるかまたは体
    重kgあたり約5または10μgの量にて投与される、請求項19ないし21の
    いずれか1項記載の方法。
  23. 【請求項23】 成長ホルモンの投与を1日あたり3回行い、そしてG−CS
    Fの投与を毎日行う、請求項1ないし22のいずれか1項記載の方法。
  24. 【請求項24】 投与を非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮または
    頬内経路により行う、請求項1ないし23のいずれか1項記載の方法。
  25. 【請求項25】 投与を毎日または1日あたり3回行う、請求項1ないし24
    のいずれか1項記載の方法。
  26. 【請求項26】 投与を、5日にわたり行うか、10日にわたり行うか、白血
    球除去血輸血まで行うか、インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の動員ま
    たは末梢化まで行うか、インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数の増加
    まで行うか、移植のために十分な量の循環細胞を回収するのに必要な白血球除去
    血輸血の数の減少まで行うか、および/または、インビボにおいて造血を再生で
    きる循環細胞の指定された目的数を得るために加工されることが必要な血液の体
    積の減少まで行う、請求項1ないし25のいずれか1項記載の方法。
  27. 【請求項27】 投与を、化学治療、放射線治療、骨髄障害性治療または骨髄
    抑圧性治療、インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の移植、または骨髄移
    植のあとに行う、請求項1ないし26のいずれか1項記載の方法。
  28. 【請求項28】 投与を化学治療の開始約7日後または化学治療の終了約2日
    後に開始する、請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 成長ホルモンが組換え成長ホルモンである、請求項1ないし
    28のいずれか1項記載の方法。
  30. 【請求項30】 成長ホルモンがヒト成長ホルモンである、請求項1ないし2
    9のいずれか1項記載の方法。
  31. 【請求項31】 ヒトにおいて末梢白血球細胞のカウントおよび/または顆粒
    球のカウントおよび/またはリンパ球のカウントおよび/または赤血球のカウン
    トを増加させるための、ヒト成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたはヒト成
    長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用。
  32. 【請求項32】 ヒトにおいて、骨髄移植、インビボにおいて造血を再生でき
    る循環細胞の移植、放射線治療、化学治療、骨髄障害性治療または骨髄抑圧性治
    療のあとに、末梢白血球細胞のカウントおよび/または顆粒球のカウントおよび
    /またはリンパ球のカウントおよび/または赤血球のカウントを増加させるため
    の、ヒト成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたはヒト成長ホルモンの放出を
    誘導するいずれかの因子の使用。
  33. 【請求項33】 ヒトにおいて、移植、放射線治療、化学治療、骨髄障害性治
    療または骨髄抑圧性治療のあとに、ヒトにおいて末梢白血球細胞(WBC)のカ
    ウントおよび/または顆粒球のカウントおよび/またはリンパ球のカウントおよ
    び/または赤血球のカウントを増加させる医薬の製造のための、ヒト成長ホルモ
    ンまたはその誘導体の一つまたはヒト成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの
    因子の使用。
  34. 【請求項34】 成長ホルモンがヒト成長ホルモンである、請求項31ないし
    33のいずれか1項記載の方法。
  35. 【請求項35】 正常な末梢白血球細胞(WBC)のカウントおよび/または
    顆粒球のカウントおよび/または好中球のカウントおよび/またはリンパ球のカ
    ウントおよび/または血小板のカウントおよび/または赤血球のカウントを取り
    戻すのに必要な時間を減らす医薬を製造するための、ヒト成長ホルモンまたはそ
    の誘導体の一つまたはヒト成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用
  36. 【請求項36】 正常な好中球のカウントが末梢血のリットルあたり少なくと
    も0.5x109である、請求項35記載の使用。
  37. 【請求項37】 正常な血小板のカウントが末梢血のリットルあたり少なくと
    も20x109である、請求項35記載の使用。
  38. 【請求項38】 好中球減少症および/または血小板減少症および/または貧
    血症および/または出血の期間および/または予防の期間を減らす医薬の製造の
    ための、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導
    するいずれかの因子の使用。
  39. 【請求項39】 移植、放射線治療、化学治療、または骨髄抑圧性治療の後の
    発熱および感染の期間および/または重度を減少させる医薬の製造のための、成
    長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれ
    かの因子の使用。
  40. 【請求項40】 移植、放射線治療、化学治療、または骨髄抑圧性治療の後に
    末梢血マイクロリットルあたり少なくとも1000の顆粒球カウントを回復させ
    る医薬の製造のための、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモ
    ンの放出を誘導するいずれかの因子の使用。
  41. 【請求項41】 移植、放射線治療、化学治療、または骨髄抑圧性治療の後に
    末梢血マイクロリットルあたり少なくとも50,000の血小板カウントを回復
    させる医薬の製造のための、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホ
    ルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用。
  42. 【請求項42】 血液疾患、悪性腫瘍、先天的または遺伝的に決定された造血
    異常、再生不能性貧血、白血病および/または骨粗鬆症の治療のための医薬の製
    造のための、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を
    誘導するいずれかの因子の使用。
  43. 【請求項43】 移植後の日和見感染を予防するかおよび/または治療するた
    め、または移植後の腫瘍の再発の危険を制限するための、成長ホルモンまたはそ
    の誘導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用。
  44. 【請求項44】 放射線治療および/または化学治療およびまたは造血幹細胞
    移植および/またはインビボにおいて造血を再生できる循環細胞の移植および/
    または骨髄移植の予防のための医薬の製造のための、成長ホルモンまたはその誘
    導体の一つまたは成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子の使用。
  45. 【請求項45】 医薬が以下のグループ:造血性成長因子、サイトカイン、ケ
    モカイン、モノクローナル抗体の間から選択される一つまたはいくつかの化合物
    をさらに含む、請求項31ないし44のいずれか1項記載の使用。
  46. 【請求項46】 サイトカイングループがIL−1,IL−3,IL−6,I
    L−11,インスリン様成長因子1(IGF−1)、G−CSF,GM−CSF
    またはSCFを含み;ケモカイングループがMIP−1αまたはトロンボポイエ
    チン(TPO)を含み;モノクローナル抗体グループが抗−VLA−4抗体を含
    む、請求項45項記載の使用。
  47. 【請求項47】 医薬が成長ホルモンおよびG−CSFを含む、請求項31な
    いし46のいずれか1項記載の使用。
  48. 【請求項48】 投与を非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮または
    頬内経路により行う、請求項31ないし47のいずれか1項記載の使用。
  49. 【請求項49】 投与を毎日または1日あたり3回行う、請求項31ないし4
    8のいずれか1項記載の使用。
  50. 【請求項50】 成長ホルモンの投与を1日あたり3回行い、そしてG−CS
    Fの投与を毎日行う、請求項45ないし49のいずれか1項記載の使用。
  51. 【請求項51】 投与を3日の期間にわたり行うか、白血球除去血輸血まで行
    うか、造血再構成まで行うか、または移植まで行う、請求項31ないし50のい
    ずれか1項記載の使用。
  52. 【請求項52】 投与を、化学治療、放射線治療、骨髄障害性治療または骨髄
    抑圧性治療、インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の移植または骨髄移植
    のあとに行う、請求項31ないし51のいずれか1項記載の使用。
  53. 【請求項53】 投与を、化学治療開始約7日後または化学治療終了約2日後
    に開始する、請求項52記載の使用。
  54. 【請求項54】 投与を移植後1日から3日の間に行う、請求項31ないし5
    3のいずれか1項記載の使用。
  55. 【請求項55】 移植が骨髄移植または造血幹細胞の移植である、請求項39
    ないし41、43または54のいずれか1項記載の使用。
  56. 【請求項56】 成長ホルモンが組換え成長ホルモンである、請求項31ない
    し55のいずれか1項記載の使用。
  57. 【請求項57】 成長ホルモンがヒト成長ホルモンである、請求項31ないし
    56のいずれか1項記載の使用。
  58. 【請求項58】 請求項1ないし30のいずれか1項記載の方法を先に行う、
    請求項31ないし58のいずれか1項記載の使用。
  59. 【請求項59】 ヒトにおいて造血の再構成を増強する方法であって、以下の
    工程: a)インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数をドナーにおいて増加させ
    るのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモン
    の放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物をドナーに投与し、 b)インビボ造血を再生することができる循環細胞の集団を上記ドナーの末梢血
    から単離し、 c)工程b)において回収された細胞を個体に移植し、そして d)造血回復を促進するのに十分な量にて成長ホルモンまたはその誘導体の一つ
    または成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子を含む組成物を投与するこ
    と からなる方法。
  60. 【請求項60】 ヒトにおいて造血の再構成を増強する方法であって、以下の
    工程: a)インビボにおいて造血を再生できる循環細胞の数をドナーにおいて増加させ
    るのに十分な量にて、成長ホルモンまたはその誘導体の一つまたは成長ホルモン
    の放出を誘導するいずれかの因子およびG−CSFを含む組成物をドナーに投与
    し、 b)インビボ造血を再生することができる循環細胞の集団を上記ドナーの末梢血
    から単離し、 c)工程b)において回収された細胞を個体に移植し、そして d)造血回復を促進するのに十分な量にて成長ホルモンまたはその誘導体の一つ
    または成長ホルモンの放出を誘導するいずれかの因子およびG−CSFを投与す
    ることすること からなる方法。
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