JP2002526716A - 燃料高圧を生ぜしめるポンプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ポンプ装置は、燃料を燃料タンク（２）から吸い込む低圧ポンプ（１）と、複数のポンプエレメント（１１）を備えた高圧ポンプ（１０）とを有している。圧送導管（３）が、低圧ポンプ（１）から各ポンプエレメント（１１）の吸込み弁（１４）に延びている。圧送導管（３）には、スプール構造形式の流れ調整弁（４）と、該流れ調整弁（４）の出口側に差圧弁（５）とが配置されている。両方の弁（４，５）の間においては、燃料タンク（２）に通じる戻し導管（６）が分岐している。差圧弁（５）は、吸込み弁（１４）の開放圧よりも大きな開放圧を有している。これによって高圧ポンプ（１０）の０吐出時に、ポンプエレメント（１１）による燃料の吸込みが回避され、しかしながら部分充填による高圧ポンプ（１０）の運転時には、ポンプエレメント（１１）の十分均一な燃料充填が達成される。燃料高圧を生ぜしめるポンプ装置は、内燃機関において使用される燃料噴射系、特にコモンレール噴射系において使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 従来の技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載された形式のポンプ装置に関する。

【０００２】 ドイツ連邦共和国特許公開第１９５４９１０８号明細書に基づいて公知のこの
ようなポンプ装置では、流れ調整弁が、高圧ポンプへの圧送流を遮断する位置に
おいて、低圧ポンプからもたらされた燃料を燃料タンクに向かって抑制制御する
。スプール構造形式で形成された流れ調整弁は、その構造形式に基づいて、程度
の差こそあれ、かなりの漏れ流を有している。高圧ポンプの「０吐出」の運転状
態においてはしかしながら、高圧ポンプの単数又は複数のポンプエレメントによ
る漏れ流の吸込みは回避されることが望ましい。このことは、高圧ポンプの吸込
み弁を比較的高い開放圧に調節することを必要とするが、しかしながらこれによ
って、「部分充填」の運転状態において開放圧誤差及び貫流誤差がポンプエレメ
ントの不均一な充填を、ひいては高圧ポンプの不均一な圧送を生ぜしめるという
不都合が生じる。ポンプの耐用寿命にわたる吸込み弁の種々異なる閉鎖特性によ
って、均一な圧送はさらに劣化してしまうことがある。

【０００３】 発明の利点 請求項１の特徴部に記載のように構成された本発明によるポンプ装置は、公知
のものに比べて、以下に記載のような利点を有している。すなわち本発明による
ポンプ装置では、高圧ポンプが「０吐出」の運転状態において燃料を圧送しない
という利点を有している。なぜならば差圧弁は流れ調整弁の漏れ流によって克服
されない、つまり開放されないからである。したがって高圧ポンプの吸込み弁は
極めて低い開放圧に調節することができ、これによって「部分充填」の運転状態
においてポンプエレメントに燃料を均一に充填することが保証される。このよう
に開放圧誤差及び開放圧変化を耐用寿命にわたってこのように調節された吸込み
弁は、いまやポンプエレメントの均一な圧送に対してわずかな影響しか与えない
。

【０００４】 本発明によるポンプ装置の別の有利な構成は請求項２に記載されている。

【０００５】 図面 次に図面を参照しながら本発明による燃料高圧を生ぜしめるポンプ装置を説明
する。図１は、燃料高圧を生ぜしめるポンプ装置のための液圧回路を示す図であ
る。

【０００６】 実施例の記載 図示された燃料高圧を生ぜしめるポンプ装置は、内燃機関において使用される
燃料噴射系、特にコモンレール噴射系のためのものである。ポンプ装置は低圧ポ
ンプ１を有しており、この低圧ポンプ１は吸込み側において、例えばディーゼル
燃料を内蔵する燃料タンク２に接続されている。低圧ポンプ１の圧力側からは圧
送導管３が延びていて、この圧送導管３には下流に向かって流れ調整弁４と差圧
弁５とが連続して配置されている。流れ調整弁４と差圧弁５との間において圧送
導管３からは、燃料タンク２に通じる戻し導管６が延びている。この戻し導管６
には絞り７が配置されている。

【０００７】 ポンプ装置にはさらに、３つのポンプエレメント１１を備えた高圧ポンプ１０
が配属されている。３つのポンプエレメント１１はそれぞれポンプピストン１２
と、ポンプエレメント１１の押し退け室１３に接続された吸込み弁１４と、圧力
弁１５とを有している。行程リング１６にばね力によって支持されたポンプピス
トン１２は、偏心軸１７によって駆動可能であり、この偏心軸１７は低圧ポンプ
１１と同様に図示されていない内燃機関と連結されている。圧送導管３は差圧弁
５の下流側に続く分岐部の後ろで、ポンプエレメント１１の吸込み弁１４に接続
されている。ポンプエレメント１１の圧力弁１５からは、燃料高圧導管１８の導
管分岐路が延びており、この燃料高圧導管１８は、燃料噴射系の燃料高圧アキュ
ムレータ（図示せず）に通じている。ポンプ装置の高圧ポンプ１０及び低圧ポン
プ１１はそれぞれ、図示されていない圧力制限弁によって過負荷に対して保護さ
れている。

【０００８】 低圧ポンプ１によって燃料タンク２から吸い込まれた燃料は、比例電磁弁（Pr
oportionalmagnetventil）として形成された流れ調整弁４によって調量され、開
放された差圧弁５を通して高圧ポンプ１０にもたらされる。この高圧ポンプ１０
は、圧送された燃料の圧力を比較的高い圧力レベルに上昇させ、これを燃料高圧
導管１８を通して燃料アキュムレータにもたらし、この燃料アキュムレータには
、内燃機関の燃料インジェクタに接続されている。低圧ポンプ１の圧送流のわず
かな部分は、流れ調整弁４の後ろで、絞られた戻し導管６を通して燃料タンク２
に戻される。内燃機関の燃料需要に依存する、高圧ポンプ１０の圧送は、流れ調
整弁４を用いて調節される吸込み絞りによる量調整と呼ばれる。

【０００９】 構造形式から低圧ポンプ１及び高圧ポンプ１０は定容量形ポンプである。

【００１０】 高圧ポンプ１０のポンプエレメント１１の吸込み弁１４は、略示されているよ
うに、負荷されていない逆止弁として形成されている。図示とは異なり吸込み弁
１４は、ばね負荷された逆止弁として構成されていてもよい。本発明にとって重
要なことは、吸込み弁１４が極めて低い開放圧に調節されているということであ
る。したがって圧送導管３は差圧弁５は、吸込み弁１４の開放圧に比べて大きな
開放圧を有している。圧送導管３における差圧弁５の上流に配置された流れ調整
弁４は、スプール構造形式で構成されており、ゆえにその閉鎖位置において燃料
漏れ流を有しており、この燃料漏れ流は流れ調整弁４の後ろで、差圧弁５を貫流
位置に切り換えることなしに、絞られた戻し導管６へと導かれる。

【００１１】 したがって流れ調整弁４の遮断位置においては差圧弁５を用いて次のことが保
証される。すなわちこの場合、ポンプエレメント１１は燃料を吸い込むことがで
きず、高圧ポンプ１０は「０吐出」の運転状態で働く。「部分吐出」の運転状態
のためには、流れ調整弁４を用いて燃料圧送流が調節され、この燃料圧送流の圧
力は差圧弁５を切り換え、その結果ポンプエレメント１１は燃料を吸い込んで、
燃料高圧導管１８に送ることができる。この場合、吸込み弁１４の低い開放圧に
よってポンプエレメント１１の均一な充填が達成される。ポンプエレメント１１
の等しい圧送によって燃料高圧タンクにおける圧力変動は十分に回避される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 燃料高圧を生ぜしめるポンプ装置のための液圧回路を示す図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関において使用される燃料噴射系、特にコモンレール
   噴射系のために、燃料高圧を生ぜしめるポンプ装置であって、燃料を燃料タンク
   （２）から吸い込む低圧ポンプ（１）と、複数のポンプエレメント（１１）を備
   えた高圧ポンプ（１０）と、低圧ポンプ（１）から高圧ポンプ（１０）に延びる
   圧送導管（３）とが設けられており、該圧送導管（３）に、各ポンプエレメント
   （１１）の吸込み弁（１４）が接続されており、さらに、圧送導管（３）におけ
   るスプール構造形式の流れ調整弁（４）と、該流れ調整弁（４）の出口側に接続
   された戻し導管（６）とが設けられている形式のものにおいて、戻し導管（６）
   が流れ調整弁（４）と高圧ポンプ（１０）との間において圧送導管（３）に接続
   されており、圧送導管（３）において戻し導管（６）の接続部と高圧ポンプ（１
   ０）の吸込み弁（１４）との間に、差圧弁（５）が配置されていて、該差圧弁（
   ５）の開放圧が、吸込み弁（１４）の開放圧よりも大きいことを特徴とする、燃
   料高圧を生ぜしめるポンプ装置。
2. 【請求項２】 ポンプエレメント（１１）の吸込み弁（１４）が、無負荷の
   又はばね負荷された逆止弁である、請求項１記載のポンプ装置。