JP2002525452A - 粗繊維の変性で造られる衛生紙製品及びその製造方法 - Google Patents

粗繊維の変性で造られる衛生紙製品及びその製造方法

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ジェイ チェラング スー
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Abstract

(57)【要約】 粗繊維から衛生紙製品を造る方法。方法は、（ａ）約４０％より大きい平均微細物含有量を持つ粗繊維から造られたパルプの、パルプスラリーを造るために水中で攪拌して粗繊維をパルプ化する段階と、（ｂ）微細物含有量を減少させ、カナダ標準形ろ水度を増加させるために有効な量のパルプ洗浄を使用する段階と、（ｃ）製紙機械のヘッドボックスに製紙濃度のパルプを導入する段階と、（ｄ）衛生紙製品を製造するための製紙工程にパルプを利用する段階とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （技術分野） 本発明は、比較的高水準の微細物を含み比較的低いカナダ標準形ろ水度を持つ
、回収新聞紙などの高収率粗繊維パルプの処理の方法に関する。
【０００２】 （背景技術） 一般に製紙においては、最終紙製品の繊維の粗さ及び柔らかさあるいは手触り
の間に全体的な関連が存在する。 漂白された北方産軟材クラフト繊維のような高品質の繊維は細く柔軟なため、
柔らかい望ましいティッシュ製品を製造するために使用される。逆に、軟材の機
械パルプは、高収率、粗い、硬い繊維を産生し、一般的に新聞用紙を造るのに用
いられる。
【０００３】 概して、新聞紙は主に粗い高収率繊維、一般的には砕木パルプ（ＳＧＷ）、熱
機械パルプ（ＴＭＰ）、及び／あるいは化学熱機械パルプ（ＣＴＭＰ）繊維を含
有する。そのような粗い新聞用紙繊維は出来上がる新聞用紙に強度を付与する目
的で破砕及び繊維形成を引き起こすように通常高度に精製される。そのような精
製は粗繊維のろ水度を、「高」ろ水度の繊維から「低」ろ水度の繊維に変える。
もしそのように精製された、高収率の粗い機械パルプ繊維がティッシュ製品に使
用されると、最終のシートは柔らかくなく、それ故に、ティッシュ製品として最
も望ましくないものになる。
【０００４】 ティッシュの柔らかさと繊維の粗さとの間の関係についての完全な論議はカナ
ダ特許第２，０７６，６１５号に含まれる。ＣＴＭＰ、ＴＭＰあるいはＳＧＷパ
ルプのような高収率粗繊維の多くから、ソフトティッシュあるいはタオルタイプ
の衛生紙製品を造る試みは成功していない。同様に、古新聞紙の回収によってソ
フトティッシュ及びタオル製品を造ることは、主成分の繊維がろ水度が低く、粗
く、そして比較的高水準の微細物を含むという理由から成功しているとは言えな
い。
【０００５】 ソフトティッシュ及びタオル製品を回収新聞紙から製造するに際してのその他
の複雑な要素は、低ろ水度繊維の貧弱な水抜き性による製紙機械の操作上の問題
及び製紙機械の水系統に蓄積する微細物及びその他の物質の問題（白水）である
。このような材料はヤンキー乾燥シリンダによりティッシュシートをしぼ寄せす
ることを困難にし、それ故に最高の柔らかさを得られない条件で製紙機械を操作
する必要がある。 製品を造るための、切実で解決されていない要求が存在する。回収新聞紙から
の高収率粗繊維を柔らかい紙製品を造るのに適するように処理する経済的及び実
際的な方法に対する要求がある。この要求は、新聞紙／新聞用紙繊維を柔らかい
紙製品を造るのに適するように処理する方法と同時にそのように処理された繊維
を含有する柔らかい紙製品にまで拡大されてきている。
【０００６】 定義 本明細書で用いられる「含む」の用語は、一部あるいは全体の部分を示すが、
その他の部分を排除しない。すなわち、「含む」の用語は、列挙される要素ある
いは構成あるいはそれと等価なものの存在を必要とするがその他の要素あるいは
構成の存在を排除しない開放的な意味の言葉である。「含む」の用語は、「備え
る」あるいは［持つ」と同じ意味を持ち、置き換えることができる。
【０００７】 本明細書で用いられる「機械方向」の用語は、材料が形成される間、その上に
繊維が推積する形成面が移動する方向を示す。 本明細書で用いられる「機械横方向」の用語は、同一平面上での機械方向と垂
直な方向を意味する。
【０００８】 本明細書で用いられる「セルロース」の用語は、化学式（Ｃ5Ｈ10０5)nを持ち
、酸素連鎖により結合される長い本質的に直鎖の分子鎖を形成する無水ブドウ糖
のユニットからなる、天然性炭水化物高度ポリマー（ポリサッカライド）を意味
する。セルロースの天然源は落葉樹及び針葉樹、綿、亜麻、アフリカハネガヤ、
麦わら、ツナソ、麻、及びバガスである。 本明細書で用いられる「パルプ」の用語は、例えば、熱、化学及び／あるいは
機械的な処理により加工されたセルロースを意味する。 本明細書で用いられる「粗さ」の用語は、繊維の単位長さ当たりの重量であり
、１００メートル当たりのミリグラムで表される。一般的に、繊維が１００メー
トル当り約１２ミリグラムより大きい値を持てば粗いと考える。
【０００９】 （発明の開示） 本発明は回収新聞紙のような源からの、粗い高収率型のパルプをソフトティッ
シュ型製品を造るのに適したパルプに変性する方法を提供することにより、上述
の要求に取り組むものである。本発明によると、新聞印刷用紙（すなわち、新聞
紙）に見られる粗い低ろ水度高収率型パルプは、パルプ中の微細物の割合を減少
させるためにパルプを洗浄することで、ソフトティッシュ製品が造れるように変
性することができる。
【００１０】 粗繊維から衛生紙製品を造る方法は、（ａ）約４０％より大きい平均微細物含
有量を持つ粗繊維から造られるパルプの、パルプスラリーを造るために水中で攪
拌して粗繊維をパルプ化する段階と、（ｂ）微細物含有量を減少させ、カナダ標
準形ろ水度を増加させるために、有効な量のパルプ洗浄を使用する段階と、（ｃ
）製紙機械のヘッドボックスに製紙濃度でパルプを導入する段階と、（ｄ）衛生
紙製品を製造するために製紙工程にパルプを利用する段階と、を含む。
【００１１】 効果的な量のパルプ洗浄は、微細物含有量を約３５％未満に減少させることが
でき、カナダ標準形ろ水度を約５０越える値だけ増加させることができる。パル
プは約１．０％から約０．０１％の範囲の製紙濃度で製紙機械に導入することが
できる。 本発明は上記の方法を含み、このパルプを使って造られる衛生紙製品は、リー
ム当たり７及び３５ポンドの間の坪量で造られるティッシュペーパである。衛生
紙製品は、リーム当たり１２及び４０ポンドの間の坪量で造られるペーパタオル
でもあり得る。衛生紙製品はまた、リーム当たり７及び３５ポンドの間の坪量で
造られるペーパナプキンでもあり得る。
【００１２】 通常、パルプは、その少なくとも６０％が１００メートル当り１２ミリグラム
より大きいカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）粗さを持つ粗繊維であるセルロース系繊
維で構成することができる。例えば、パルプは１００メートル当り１７ミリグラ
ムより大きいカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）粗さを持つ少なくとも６０％の回収新
聞紙繊維で構成することができる 回収新聞紙のような源からのパルプは、処理前に約４０％より大きい平均微細
物含有量を持つ可能性がある。実施例では、パルプは処理前に約４６％より大き
い平均微細物含有量を持つ可能性がある。別の実施例では、パルプは処理前に約
４８％より大きい平均微細物含有量を持つ可能性がある。
【００１３】 回収新聞紙のような源からのパルプは、処理前に約３００未満のカナダ標準形
ろ水度を持つ可能性がある。実施例では、パルプは処理前に約２７０未満のカナ
ダ標準形ろ水度を持つ可能性がある。別の実施例では、パルプは処理前に約２０
０未満のカナダ標準形ろ水度を持つ可能性がある。 本発明によると、回収新聞紙のような源からのパルプは、微細物含有量が約３
５％未満に減少するように洗浄される。実施例では、パルプは、微細物含有量が
約３０％未満に減少するように洗浄される。別の実施例では、パルプは、微細物
含有量が約２９％未満に減少するように洗浄される。
【００１４】 本発明の一つの形態では、回収新聞紙のような源からのパルプは、カナダ標準
形ろ水度が約５０越える値だけ増加するように洗浄される。実施例では、パルプ
は、カナダ標準形ろ水度が約７０越える値だけ増加するように洗浄される。別の
実施例では、パルプはカナダ標準形ろ水度が約９０越える値だけ増加するように
洗浄される。
【００１５】 本発明は、ティッシュ及びタオル製造特性を改善するために回収新聞紙パルプ
を変性する方法も含む。回収新聞紙パルプを変性する方法は、（ａ）約４０％よ
り大きい平均微細物含有量を持つ新聞紙から造られるパルプの、パルプスラリー
を造るために水中で攪拌して新聞紙をパルプ化する段階と、（ｂ）微細物含有量
を減少させ、カナダ標準形ろ水度を増加させるために、有効な量のパルプ洗浄を
使用する段階と、（ｃ）製紙機械のヘッドボックスに製紙濃度でパルプを導入し
、パルプが衛生紙製品を製造するために製紙工程に利用される段階と、を含む 効果的な量のパルプ洗浄は微細物含有量を約３５％未満に減少させ、カナダ標
準形ろ水度を約５０越える値だけ増加させることができる。パルプは約１．０か
ら約０．０１％の範囲の製紙濃度で製紙機械に導入される。
【００１６】 本発明の実施形態は、回収新聞紙のパルプを変性する方法を含み、その方法は
（ａ）パルプスラリーを造るために、新聞紙を水中で攪拌してパルプ化する段階
と、（ｂ）約３５％未満の微細物含有量及び約３００より大きいカナダ標準形ろ
水度を持つパルプを、製紙機械のヘッドボックスに製紙濃度で導入し、パルプが
衛生紙製品を製造するために製紙工程に利用される段階と、を含む。 本発明の別の実施形態は、粗繊維から変性された繊維を持つ衛生紙製品を含む
。製品は約４０％未満に減少された微細物含有量及び約２５０を越える値に増加
されたカナダ標準形ろ水度を持つ。
【００１７】 （発明を実施するための最良の形態） 概して、本発明は、比較的高水準の微細物を含み比較的低いカナダ標準形ろ水
度を持つ回収新聞紙からの高収率粗繊維パルプを処理する方法を提供する。本発
明によると、この比較的低品質のパルプは、それが柔らかい紙製品を造るのに使
用できるように処理され得る。 本発明は、回収新聞紙パルプを、高価な漂白された北方産軟材クラフト繊維で
造られたティッシュ製品に比較できるほどの、製品品質を持つソフトティッシュ
製品を造るために変性することができるという発見に基づいている。通常、回収
新聞紙パルプは粗い高収率型繊維（すなわち、主に木材繊維の機械的な分離で製
造され、一般的に少なくとも６０重量％の原材料を含む繊維）から成っている。
これらのセルロース系繊維は１２ミリグラム／１００メートル大きい粗さを持つ
高粗繊維を含む。回収新聞紙パルプは一般的に約４０％より大きいレベルで微細
物を含み、約３００未満のＣＳＦを持つ。そのような低品質のパルプは、有効な
量の洗浄を使用して微細物含有量を約３５％未満に減少させ、ＣＳＦを約５０を
越える値に増加させることで、ソフトティッシュ型製品を造るために使用できる
。
【００１８】 通常、回収新聞紙のような源からの粗繊維は、慣例的な技法を使ってパルプ化
される。しかしながら、特殊な脱インク及び／あるいは繊維洗浄あるいは前処理
技法が意図される。 例えば、回収新聞紙は約３％と１８％の間の濃度及び約１００°Ｆ及び１８０
°Ｆの間の温度でスリラー化することができる。その後で、繊維をばらばらにし
膨潤させるのに適したpH及び温度になるように、ｐＨが調節されまたパルプスラ
リーの温度が下げられる。パルプスリラーのpHは約８未満（アルカリ性でも使用
できるが）にすることができる。望ましくは、pHは約４から７、温度は１５０°
Ｆ以下、好ましくは約１００°Ｆ以上にすることができる。
【００１９】 スラリーがパルプ化された後、スラリーは濃度が約１５％から約３５％になる
ように脱水される。本発明に関連して本明細書に記述される「脱水」操作を行う
ための１つの装置は、ウイスコンシン州アップルトンのＶｏｉｔｈ−Ｓｕｌｚｅ
ｒ Ｐａｐｅｒ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙから入手することができる。その他の適
切な装置は当業者には自明である。
【００２０】 パルプが脱水された後、砕けた繊維のサイズを調節するため小さく砕かれる。
概して、回収新聞紙パルプの場合には打ち砕き段階は普通必要としない。本発明
に関連して本明細書に記述される「打ち砕き」操作をするための、１つの装置は
ミネソタ州ニュープラハのＳｃｏｔｔ Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ Ｃｏｍｐａｎｙか
ら入手できる。その他の適切な装置は当業者には自明である。
【００２１】 使用済みの新聞紙を使って始まる本発明の実施方法はおおまかには、（１）水
の中で新聞紙を攪拌してスリラー状にすることでパルプ化する段階と、（２）パ
ルプ洗浄で微細物を除いてろ水度を増加させる段階と、（３）スラリー化された
パルプを衛生紙製造工程、好ましくは製紙工程における完成紙料の一部として利
用する段階と、から構成される。
【００２２】 スラリー化は、約３％と１８％の間の濃度、好ましくは約１００°Ｆより高い
温度及びその高い温度が少なくとも約１５分間維持される、新聞用紙あるいは古
新聞紙のスラリー化で始まるいくつかの段階で行われる。その後にパルプスラリ
ーの温度を室温まで下げる。望ましくは、パルプをpH４から７に、温度は約１４
０°Ｆ以下、好ましくは１００°Ｆ以上に維持する。
【００２３】 パルプ化工程は、望ましくは６〜９％濃度及び約１００°Ｆ〜１８０°Ｆの範
囲に高められた温度での古新聞紙のパルプ化が含まれる。パルプ化の時間は１５
〜６０分の範囲にすることができる。次いでスラリーは１００°Ｆ〜１５０°Ｆ
に冷却され、保持収納箱／混合収納箱に移され、そこでｐＨが４と７の間に調節
され、そして望ましくは約３０分間放置される。 パルプは次いで微細物を取り除き、ろ水度を増加させるために洗浄される。慣
例的な洗浄技法を使用でき、微細物の十分量が取り除かれろ水度の増加が達成さ
れるまで行なわれる。
【００２４】 洗浄段階が終わるとパルプは製紙工程のための準備ができたことになる。追加
の篩い分けは必ずしも必要ではないが、製紙機械を保護するために、例えばペー
パクリップのような大きな汚染物を取り除くための、篩い分け及び／あるいは遠
心分離による清浄化を行うことができる。随意的に、浮動物及び溶解物質は製紙
機械形成布の上に押し流し、製紙機械の白水の汚染物除去のための浮選処置によ
り製紙機械の白水から除くことができる。これは、Ｋｒｏｆｔａ浄化器のような
、サイドヒルスクリーン及び溶解空気浮動工程を使って行うことができ、製紙機
械に再使用するための白水を清浄化する。
【００２５】 発明者は操作について特定の理論を固守すべきではないが、洗浄はパルプ試料
のろ水度を減少させる性行があるパルプの微細物及びその他の成分（例えば、小
さな粒状物）を取り除くことになり、より柔らかい紙製品の製造の助けになると
考える。 ティッシュ製品の柔らかさを測定するかあるいは定量化することは、柔らかさ
が一般的にシートの膨れに加えて滑らかさ及びその他の特質によって影響される
、手触で感知されるものであるため困難である。手触り試験が開発され、本明細
書で報告される手触りデータは概して以下の試験により得られている。
【００２６】 手触りの試験 適用範囲 基準製品として使用するいくつかの異なった軽量で乾燥したクレープが購入さ
れるか、あるいはティッシュ製品に柔らかさを付与するための異なった性質の商
業的に入手可能なパルプから製造された。これらのティッシュは数値の柔らかさ
尺度を規定するために使用された。数値はそれぞれのティッシュ基準製品に割り
当てられた。
【００２７】 市販のパルプから製造された最も柔らかい製品は手触り値８６が割り当てられ
、製品は５０％の生の北方産軟材クラフト繊維と５０％のサンタフェユーカリ材
クラフトパルプから製造された軽量で乾燥したクレープ状ティッシュであった。
基準製品として使用する最もざらざらした製品は１００％漂白軟材化学熱機械パ
ルプ（ＳＷＣＴＭＰ）で製造し、手触り値２０を割り当てた。「手触りの柔らか
さ」を規定し、「最も柔らかい」と「最も粗い」ティッシュ基準製品の間の柔ら
かさ品質を持つ基準製品として使用するための、その他の軽量で乾燥したクレー
プ状ティッシュ標品が異なるパルプあるいはパルプ混合物から製造され、２０か
ら８６の間の柔らかさ値が割り当てられた。使用したパルプはさらに以下の段落
で記述する。軽量乾燥クレープ方法以外のティッシュ製造方法及び基準製品を造
るために使われるもの以外のその他のパルプで、本明細書に記述したティッシュ
基準製品により規定される手触りの柔らかさ尺度２０から８６からはずれたティ
ッシュ製品の製造は可能である。しかしながら、本発明で達成可能な柔らかさの
改善を確立する目的のためには、軽量乾燥クレープ状製品のための上述の２０か
ら８６の手触りの柔らかさ範囲は正確であり比較目的のために十分である。本発
明の回収新聞紙繊維は、通気乾燥法のような他のティッシュ作製方法に用いられ
る時あるいは他の繊維と混合される時に、８６以上の柔らかさ値を持つティッシ
ュ製品を製造することが可能かもしれない。
【００２８】 手触り基準製品を製造するためのパルプ （ａ）カナダ標準形ろ水度（ＣＳＦ）が５００、ＩＳＯ輝度８０の漂白した軟
材化学熱機械パルプ（ＳＷＣＴＭＰ）（Ｔｅｍｃｅｌｌ ｇｒａｄｅ ５００／
８０）は、クロトウヒ及びバルサム樅から製造した。パルプ化は亜硫酸ナトリウ
ム前処理で行い、加圧して不純物を除いた後、アルカリ性過酸化物で８０°ＩＳ
Ｏ輝度まで漂白した。繊維のカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）粗さは２７．８ｍｇ／
１００ｍ及びカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）重量当たりの平均繊維長は１．７ｍｍ
に等しくした。
【００２９】 （ｂ）漂白北方産軟材クラフト（ＮＳＷＫ）（Ｐｉｃｔｏｕ ｇｒａｄｅ １０
０／０〜１００％軟材）はクロトウヒおよびバルサム樅から製造した。パルプ化
はクラフト法によりＫａｐｐａ＃＝２８にし、その後ＣＥ0ＤＥＤ漂白で８８°
ＩＳＯ輝度にした。カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）粗さは１４．３ｍｇ／１００ｍ
及びカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）重量当たりの平均繊維長は２．２ｍｍに等しく
した。
【００３０】 （ｃ）漂白回収繊維（ＲＦ）はパルプ化、篩分け、清浄化、そして洗浄して５５
０°ＣＳＦにし、その後次亜塩素酸ナトリウムで８０°ＩＳＯ輝度まで漂白され
た、仕分けされ、混合されたオフィス廃棄物から製造した。カヤーニ（Ｋａｊａ
ａｎｉ）粗さは１２．２ｍｇ／１００ｍ及びカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）重量当
たりの平均繊維長は７．２ｍｍに等しくした。
【００３１】 （ｄ）漂白ユーカリクラフトパルプ（ＢＥＫ）（Ｓａｎｔａ Ｆｅ ｅｌｅｍｅ
ｎｔａｌ ｃｈｌｏｒｉｎｅ ｆｒｅｅ ｇｒａｄｅ）はクラフト工程でＣａｐ
ｐａ＃１２までパルプ化され、その後８９°ＩＳＯ輝度までＯＤＥ0Ｄ漂白され
たユーカリノキから作製した。カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）粗さは６．８ｍｇ／
１００ｍ及びカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）重量当たりの平均繊維長は０．８５ｍ
ｍに等しくした。
【００３２】 （ｅ）漂白南方産軟材クラフト（ＳＳＷＫ）（Ｓｃｏｔｔ Ｍｏｂｉｌｅ ｐｉ
ｎｅ）はテーダマツ及び伐採マツから作製し、Ｋａｐｐａ＃２６までパルプ化し
、その後で８６°ＩＳＯ輝度までＣＥＨＥＤ漂白した。カヤーニ（Ｋａｊａａｎ
ｉ）粗さは２７．８ｍｇ／１００ｍ及びカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）重量当たり
の平均繊維長は２．６ｍｍに等しくした。
【００３３】 ｆ）カナダ標準形ろ水度（ＣＳＦ）４５０及びＩＳＯ輝度８３の漂白堅木化学
熱機械パルプ（ＨＷＣＴＭＰ）（Ｍｉｌｌａｒ Ｗｅｓｔｅｒｎ ｇｒａｄｅ
４５０／８３／１００）をポプラから作製した。パルプ化はアルカリ性過酸化物
前処理で行い、清浄化するため圧搾し、その後でアルカリ性過酸化物漂白した。
カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）粗さは１３．８ｍｇ／１００ｍ及びカヤーニ（Ｋａ
ｊａａｎｉ）重量当たりの平均繊維長は０．８５ｍｍに等しくした。
【００３４】 装置 試験法は装置を必要としない。試験法は１０人あるいはそれ以上の人からなる
パネルを使ってティッシュ試料を評価し、既知の柔らかさ尺度値の基準製品を使
った柔らかさ尺度上の試料の柔らかさの等級付けをするための、以下に記述した
方法と材料を使用する。いくつかの試料は既知の柔らかさ尺度値を持つ基準製品
を使って、認定を受けた試験者により試験された。認定を受けた試験者の結果は
、試験パネルの代わりに使われた場合は同一に扱われる。
【００３５】 試料準備 １．評価者（判定者）のパネルにより試験される５試料を選択する。 ２．以下の式を使って柔らかさが評価されるそれぞれの製品のための判定者の
試験パネルに必要な試料パッド及び基準製品パッドの数を計算する： 必要とされるパッド（それぞれの試料）＝（ｘ−１）ｘ（ｙ） ｘ＝試験される製品の数 ｙ＝試験パネルの人数
【００３６】 ３．評価されるそれぞれの製品の試料ティッシュのロールを無作為に選択し、
最初の何枚かのシートを捨てる（端をくっつける糊を取り除く）。試験される製
品のそれぞれのロールから試料パッドを準備する。それぞれのパッドは４シート
重ねで、４シート長さのティッシュの連続試料から作製する。それぞれのパッド
は以下のようにして作製する：４シート長さの試料を半分に折り重ねる。この結
果２シート長さの二重厚さ試料となる。二重厚さ試料は次いで再び半分に折り重
ね４シート厚さの１シート長さの試料パッドにする。折り重ねはティッシュのロ
ールの時の外側表面がパッドの外側表面に来るようにする。もし試験される製品
が「両面を有する」もの、換言すれば、シートの外側表面に対しロールの内側に
面した表面が異なった表面特質を持つ製品は二度、一度はロールの外側に面した
表面が試料パッドの外側表面になるようにしたもので、次にロールの内側に面し
たシート表面が試料パッドの外側表面になるように折り重ねて準備された別々の
試料パッドで試験されるべきである。
【００３７】 ４．上記段落２の式を使ってそれぞれの製品の必要な数のパッドを作り上げる
。もし必要な数のパッドを準備するのに製品の１ロール以上が必要なら、その時
は各ロールの製品で無作為化されるパッドを準備することが大切である。それぞ
れのパッドは左上隅（折り目の上）のバッチコードでコード化する。
【００３８】 ５．以下のように基準製品ティッシュの中からパネルにより基準として使用さ
れる３基準製品を選択する： 評価されるべき最も粗い試料を選択し、そして基準製品ティッシュ試料パ
ッドと比較し、最も粗い試料よりやや低目の粗い基準製品を選択する。 評価されるべき製品の最も柔らかい試料を選択し、評価される最も柔らか
い試料よりやや高目の（より柔らかい）基準製品ティッシュパッドを選択する。 選択されたより低い及びより高い基準製品のほぼ中間に落ち着く三番目の
基準製品を選択する。 三つの選択された基準製品ティッシュパッドはパネルの手触り基準となり
、最も柔らかい、最も粗い、及び中間域を規定する。
【００３９】 ６．手触り基準はパネルにより評価される製品の柔らかさ閾値を分類する。よ
り大きな正確性のために、選択された最も高い及び最も低い基準は手触り柔らか
さ尺度上でほぼ３０ポイント離れているべきである。中間基準は最も低い及び最
も高い基準から８ポイントあるいはそれ以上離れているべきである。
【００４０】 パネル員選択及び指示 １．年齢のばらついたほぼ同数の男性及び女性からなる、１０人のパネルを選
択する。 ２．パネル員が指示を理解していることを確かめ、もし必要であれば、「試行
」を行わせる。 ３．パネルは静かな場所で実行すべきである。
【００４１】 試験方法 １．以下の標準指示を読み上げることで柔らかさ試験を開始する。 標準指示 これらの指示は柔らかさパネル試験手順を始める前にそれぞれのパネル員に読
み聞かせる。 ａ．目的 「この手順の目的はトイレットティッシュ試料の柔らかさを比較することです
。」 ｂ．方法 「皆さんにトイレットティッシュの二つの試料パッドを同時にお渡しします。
皆さんの利き手で二つを相互に比較し、そして皆さんの利き手を使ってそれぞれ
の試料を触感で比較して下さい。皆さんの判定のために適当と考えられる時は、
打ったり、曲げたり、あるいは砕いたりすることができます。」
【００４２】 ｃ．第１の決定 「対になった二つの試料パッドのそれぞれを触感した後、皆さんにどちらの試
料がより柔らかいか質問します。」 ｄ．第二の決定 「二つのパッドの間の柔らかさの違いを以下の評点付けで格付けして下さい： 尺度は奇数の数値１、３、５、７、９を使います。もし皆さんがリストの数値
では二つの製品間の違いを完全に表せないと感じたら偶数を使うことができます
。」 パネル評点付け尺度 １ ３ ５ ７ ９ │------│------│------│------│ 評点付け尺度の数値は以下のように規定する： １．差なし ３．非常に小さな差、確信できない、人によっては見落とす。 ５．小さな差、判定対する確信がある。 ７．中程度の差、容易に感知できる、確信ある。 ９．非常に大きな差、非常に容易に感知できる、顕著である。
【００４３】 ｅ．目盛り定め 「始める前に、皆さんに比較のために使う最も柔らかい基準製品の見本及び最
も柔らかくない（最も粗い基準製品）製品の試料パッドを渡します。両方を手で
扱ってみて下さい。皆さんが二つの標準基準製品の間に感じる柔らかさの差を規
定尺度９と格付けします」（評点付け尺度上の９はステップ５においてパネルの
ために選択されたより高い及びより低い基準物間の柔らかさ尺度上の手触りポイ
ントの数と等価である。） ｆ．参加者反応 「試験手順に付いて何か質問はありませんか？」 ｇ．再確認 「最後に、各決定をする上で長く迷わないで下さい。皆さんの評価は他の人と
同様に確かです。正しいあるいは間違った答えというものはありません。」
【００４４】 ２．パネル員に試料バッド及び基準パッドのあらゆる組み合わせを渡し、好ま
しい試料を選択して柔らかさの１から９の評点尺度を使って評価するように依頼
する。各パネル員は順序の誤りを避けるために無作為な順序で対になった試料を
受け取るべきである。 ３．それぞれの対についての結果をＸＹｎのように記録する。ここでＸは好ま
しい試料のコード、Ｙは好ましくない試料のコード、そしてｎは尺度値（１から
９）である。
【００４５】 データ解析 一対比較の結果はそれらがあたかも比率尺度に相当するように処理される。比
率尺度の規定は以下のようである：尺度はもしこの尺度が式ｙ＝ｘ、ａ＞０の正
の一次変換下での不変元であれば比率尺度である。 対のデータ及びパッド数ｎのための比率重さは以下の形式の正方行列Ａに乗せ
られる。 ０1 ．．．．０n ０1 Ｗ1 Ｗ1Ｗ1 Ｗ1 Ｗ2Ｗn ０2 Ｗ2 Ｗ2Ｗ2 Ｗ1 Ｗ2Ｗn ０n Ｗn ＷnＷn Ｗ1 Ｗ2Ｗn ここで０1は個々の試料及びＷ1は各々の対の尺度値（比率重さ）である。
【００４６】 この形式の正方行列については以下の属性が存在する。 ＡＷ＝ＭＷ ここではＷ＝（Ｗ１、Ｗ２、．．．Ｗn）である。重みベクトルはその固有の
値ｎに対応する行列Ａの固有のベクトルである。Ｓａａｔｙは、（Ｓａａｔｙ，
Ｔ．Ｌ．による「階層構造における優先順位のスケーリング方法」、数理心理学
ジャーナル，１５，２３４−２８１（１９７７年）及びＳａａｔｙ，Ｔ．Ｌ．に
よる「集合におけるファジー性の算定」、人工頭脳ジャーナル，４（４），５３
−６１（１９７４年）を参照）は推定される重みから固有のベクトルＷを抽出す
るためには最大の固有の値Ａ（λｍａｘ）を見付けることが必要であることを示
している。λｍａｘ及びＷを解くコンピュータプログラムは１９８２年１１月１
７日〜１９日に開催されたＩＮＤＡの 第１０回テクニカルシンポジウムの要旨
集５５〜７２頁の、ＭｃＣｏｎｎｅｌｌ，Ｗｅｓによる「ファジー集合を用いた
製品開発」に開示されている。結果として得られる固有のベクトルＷは対の入力
の最良の推定率尺度である。このベクトルのそれぞれの要素のｌｏｇをとること
により目的間の間隔が直線になり、さらに親しみ易い等間隔の尺度が作り出せる
。基準柔らかさ値は推定される等間隔尺度に対してプロットされ、未知の試料は
内挿で数字の値を割り当てられる。
【００４７】 それぞれの未知の試料の基準柔らかさ値の平均値及び標準偏差値は全てのパネ
ル員により計算された基準柔らかさ値から算出される。もしいくつかの個々のパ
ネル員の値が平均値から標準偏差値の２倍より外側にある場合はその値は放棄し
、平均及び標準偏差値を再計算する。平均値から標準偏差値の２倍より外側の値
を持たなければ基準柔らかさ値の平均値は未知の試料の基準手触り値である。
【００４８】 触感柔らかさ尺度 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 |--|--|--|--|--|--|--|--|--|--| 20 86 (3j) (3b)
【００４９】 引張強さ 本明細書で示すティッシュペーパ製品の引張強度値は、試料長５．０８センチ
メートル及びクロスヘッド速度５．０８センチメートル／分に設定した裂断長試
験（ＴＡＰＰＩ試験方法 Ｎｏ．Ｔ４９４ｏｍ−８８）で測定される。一般に、
ティッシュ強度はシートの機械方向対機械横方向で異なっている。また、ティッ
シュ試料の坪量も変化し、引張強度に影響を及ぼす。種々のティッシュ試料の引
張強度を良好に比較するためには、試料の坪量の違い及び引張強度の方向性の違
いを補正することが重要である。補正は「坪量及び方向性正規化引張強度」（今
後は「正規化引張強度」あるいは「ＮＴＳ」）を計算することで得ることができ
る。ＮＴＳは機械方向及び機械横方向の引張強度の積の平方根で坪量を除した商
として算出される。
【００５０】 坪量及び機械方向の違いに対して正規化された引張強度の計算は、ティッシュ
試料のより良き比較に対して工夫されている。引張強度は機械方向及び機械横方
向の両方で測定されており、ティッシュ試料の坪量はＴＡＰＰＩ ＴＥＳＴ Ｍ
ＥＴＨＯＤ Ｎｏ．Ｔ４１０ｏｍ−８８に従って測定される。英国の測定単位を
使う時は引張強度はオンス／インチで測定され、坪量はポンド／リーム（２８８
０平方フィート）で測定される。メートル法で計算される時は引張強度はグラム
／２．５４センチメートルで測定され、坪量はグラム／平方メートルで測定され
る。引張強度を試験する試験装置が試料をインチで切断するように設定されてお
り、従ってメートル単位がグラム／２．５４センチメートルで表されるので、メ
ートル単位が純粋なメートル単位でないことに注意すべきである。機械方向の引
張強度のための略号ＭＤＴ、機械横方向の引張強度のためのＣＤＴ及び坪量のた
めのＢＷを使うと、坪量及び方向性正規化引張強度（ＮＴＳ）は、 ＮＴＳ＝（ＭＤＴ×ＣＤＴ）1/2／ＢＷ 英国単位ＮＴＳ＝０．００６×上記規定されたメートル単位のＮＴＳ となる。
【００５１】 微細物 パルプ試料中の微細物の水準は繊維の長さあるいは粒子の長さの測定を基にし
ている。「平均の繊維長さ」は、フィンランドのカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）に
あるカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ） Ｏｙ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓから入手でき
る、カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）繊維分析装置モデルＮｏ．ＦＳ−１００を用い
て測定される重量当たりのパルプ繊維の平均長さを示す。試験方法に従って、繊
維試料を浸軟液で処理し、繊維の束あるいは裂片がないことを確かめる。それぞ
れの繊維試料は温水に分散させ、０．００１％まで希釈する。約５０から５００
ｍｌの個々の試験試料を希釈液から抜き取り、標準カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）
繊維分析試験法で試験する。重量当たりの平均の繊維長さは以下の式で示される
： k ここで ｋ ＝最大の繊維長さ ｘi ＝個々の繊維長さ ｎi ＝長さｘiの繊維の数 ｎ ＝計測した繊維の総数
【００５２】 「低平均繊維長パルプ」の用語は多量の短繊維及び非繊維性の粒子状物質を含
むパルプ及び製紙工程の副産物を意味する。多くの場合、これらの材料はペーパ
シートに形成するのは困難であり、比較的硬くて不透過性の紙シートあるいは不
織ウェブに形成することができる。低平均繊維長パルプはカヤーニ（Ｋａｊａａ
ｎｉ）繊維分析装置モデルＮｏ．ＦＳ−１００（カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）
Ｏｙ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ、カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）、フィンランド）
を用いて測定される約１．２ｍｍより小さい平均繊維長を持つことができる。例
えば、低平均繊維長パルプは、約０．６から１．２ｍｍの範囲の平均繊維長を持
つことができる。概して、ほとんどの製紙スラッジの繊維性あるいはセルロース
系成分は低平均繊維長パルプ（短い繊維及び非繊維性粒子状物質）と考えること
ができる。多くの場合、繊維性あるいはセルロース系成分は４０％を越える値の
、例えばカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）繊維分析装置モデルＮｏ．ＦＳ−１００（
カヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ） Ｏｙ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ、カヤーニ（Ｋａ
ｊａａｎｉ）、フィンランド）のような光学繊維分析装置で測定される、「微細
物」（すなわち、約０．２ｍｍあるいはそれ以下の長さの繊維形粒子状物質）を
含む低平均繊維長パルプであることができる。
【００５３】 ろ水度 ろ水度は希釈されたパルプ懸濁液の水抜きできる速度の測定値である。ろ水度
は砕木パルプ試料に対する手順を用いて、本質的にＴＡ００Ｉ ２２７ ｍ−５
８及びＣＰＰＡ Ｓｔａｎｄａｒｄ Ｃ．１．（１９５２）に従って、カナダ標
準形ろ水度試験器で測定された。カナダ標準形ろ水度試験器はニューヨーク州Ａ
ｍｉｔｙｖｉｌｌｅのＴｅｓｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ、Ｉｎｃ．から入手でき
る。
【００５４】 ティッシュ製造方法 本発明の方法により製造される回収新聞紙からの洗浄パルプは、ティッシュ、
タオル、ナプキン及び化粧紙のような、柔らかく、嵩ばった衛生紙ウェブを製造
するための、いくつかの一般に知られている製紙方法に用いることができる。ウ
ェブは、カンドライ、スルードライ、サーマルドライ及びそれらの組み合わせを
経て乾燥される方法を含む、多くの異なった製紙方法が適当である。
【００５５】 本発明と結合して使うことができる製紙方法の例示的なものは、Ｓａｎｆｏｒ
ｄ他に付与された米国特許第３，３０１，７４６号、Ｓｈａｗに付与された第３
，８２１，０６８号、Ｓａｌｖｕｃｃｉに付与された第３，８１２，０６８号、
Ｍｏｒｇａｎ，ｊｒ他に付与された第３，９９４，７７１号、Ｍｏｒｔｏｎに付
与された第４，１０２，７３７号、Ｂｅｃｋｅｒ他に付与された第４，１５８，
５９４号、Ｗｅｌｌｓ他に付与された第４，４４０，５９７号、及びＣｏｏｋ他
に付与された第５，０４８，５８９号に教示される方法である。
【００５６】 好ましい製紙方法は一般にドライクレープ法として知られている。概してこの
方法は、引張強度を生み出すために乾燥強度化学薬品が好んで加えられ、また他
の製紙化学薬品を加えることができる、本発明の完成紙料を使用する段階を含む
。次いで、完成紙料はポンプで機械チェストから汲み上げられ、界面活性剤シス
テムが加えられるヘッドボックスに流れて行く。次に完成紙料は、そこを通して
水が取り除かれウェブ形成が行われる、長網抄紙機のワイヤ（すき網）の水平面
の上に０．１から０．４％濃度でスライスから流れ出る。ワイヤクロースはブレ
ストロール及びいくつかのテーブルロールの周り、つぎにワイヤターンロールに
乗せられ、そこからクーチロール及びいくつかのガイドロールの周りに送り込ま
れて元のブレストロールに戻る。ロールの１つがワイヤを推進させるために駆動
される。１つあるいはそれ以上の吸引ボックス（デフレクタあるいは水中翼）を
水分除去を高めるためにテーブルロールの間に使うことができる。
【００５７】 濡れたウェブが長網抄紙機の上面に形成され、カウチロールを使ってフェルト
の上にウェブを押しつけるか、あるいはピックアップシューを使ってシートがフ
ェルトに運ばれる。フェルトはウェブをプレス組立体に運ぶ。フェルトは次いで
、その一つはサクションロールであり得る、一つあるいは二つのプレスロールの
周りを動き、そしてガイドロールの周りに乗せられ、カウチロールに戻ることが
できる。シャワー及び保護板をフェルト表面の様々な場所にウェブの収集、洗浄
及びフェルト表面の調整のために取り付けることができる。プレス組立体は単一
のプレスロールあるいは上部および下部プレスロールのいずれかを備える。湿気
はプレス組立体の隙間に除かれ、フェルトに運ばれる。
【００５８】 形成され、圧搾されたウェブはヤンキー乾燥機と言われる、回転乾燥シリンダ
の表面に運ばれる。乾燥組立体はまたヤンキーシリンダの上部を取り巻く温風フ
ードを含むことができる。フードは温度を調節するためにフードチャンバから空
気を取り除く排気口を含む。ウェブはウェブにクレープを付与するためにドクタ
ブレードを使って乾燥表面から取り除かれる。制御され、均一な状態の乾燥表面
からウェブを取り除き易くするために、クレープ接着剤が噴霧装置を使ってヤン
キー表面に適用される。噴霧装置は乾燥機表面の幅を横切って延びる、ヘッダパ
イプに取り付けられた一連の噴霧ノズルである。しぼ寄せ接着剤はティッシュ製
紙技術で通常使われる型のいずれかにすることができる。
【００５９】 ドライシリンダからの、しぼ寄せされたペーパウェブは一対のロールの隙間を
通過し、母ロールと呼ばれる大きなロールに巻き取られる。実施例に使われる製
紙方法は、概して、軽量乾燥クレープ法として特徴づけることができる。１４イ
ンチ幅のパイロットプラント規模の機械が以下のように運転された。 ウェブ形成に先立って、完成紙料が機械のチェストに入れられ、そこで乾燥強
度添加物、顔料あるいはその他の化学添加物が取り込まれる。完成紙料は、ファ
ンポンプで供給され、長網抄紙機のすき網の水平表面上に、０．１％から０．４
％濃度でスライスを通してヘッドボックスから流れ、そこを通して水分が取り除
かれウェブが形成される。すき網（ワイヤ）は水の除去とウェブ形成を起こさせ
る目的で吸引ブレストロールの周りに乗せらる。すき網はいくつかのガイドロー
ルおよび１つのすき網ターンロールに乗せられ、ブレストロールに戻ってくる。
これらのロールの一つは長網抄紙機のすき網を推進するために駆動される。
【００６０】 ウェブは長網抄紙機の上面に形成され、吸引ピックアップを使ってフェルトに
運ばれる。フェルトはシートを圧縮ロール組立体に運ぶ。フェルトは１つの、硬
いゴムロールである圧縮ロールの周りを移動し、そしてガイドロールの周りに乗
せられ、回転して吸引ピックアップに戻る。水分は圧縮ロールの隙間で除かれフ
ェルトに運ばれる。
【００６１】 形成されたウェブは圧縮され、通常ヤンキードライヤーと呼ばれる回転乾燥シ
リンダの表面に運ばれる。ウェブは９５％から９６％のウェブ乾燥度でドクター
ブレードをつかってヤンキーの表面から取り除かれる。制御された定常状態の乾
燥機表面からウェブを取り除くことを助けるために、しぼ寄せ接着剤が噴霧ノズ
ルを使ってヤンキーの表面に適用される。これらの実施例で使われる接着剤混合
物は７０％ポリビニルアルコールと３０％の澱粉を基材としたラテックス（Ｎａ
ｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ Ｌａｔｅｘ ４４４１）の７０／３０混合物であ
った。
【００６２】 乾燥シリンダからのペーパウェブクレープは一対のロールで形成される隙間を
通され、試験のために要望されるサイズの母ロールに巻き取られた。製紙機械は
１４インチ幅のウェブを形成し、４０から５０フィート／分の巻き取り速度で運
転された。実施例の全ての乾燥され、しぼ寄せされたティッシュ試料は坪量８ポ
ンド／リーム及び１８−２０％クレープで製造された。試料は全ての試験のため
に２重ティッシュ（１６ポンド／リーム）に加工された。
【００６３】 本発明は以下の実施例に明示される。ここで使用する全ての比率は特に規定が
なければ重量によるものであり、繊維重量は特に示さなければ繊維の風乾重量に
基づいたものである。
【００６４】 実施例１ 乾燥した軽量のしぼ寄せされたティッシュ製品は古新聞紙をパルプ化すること
により得られるパルプから造られた。ティッシュ製品は６％濃度、１５０°Ｆ及
びｐＨ約７で水と２０分間パルプ化することにより造られた。パルプスラリーは
１３０°Ｆで３０分間維持され、次いで半々に分けられた。 パルプスラリーの最初の部分は、バッチ精製機を使って１馬力日／トンの割合
で精製され、次いで坪量１６ｌｂｓ．／リーム（すなわち、１プライ当たり８ｌ
ｂｓ．／リーム）の二重（２プライ）のティッシュを製造するための上述の製紙
装置及び工程を使った軽量乾燥クレープティッシュのための、完成紙料として直
接使用された。
【００６５】 パルプスラリーの残りの部分はスラリー濃度を３％に調節され、洗浄されて目
標濃度の５％にされた。この洗浄段階はパルプ中の微細物の水準を減少させ、カ
ナダ標準形ろ水度試験により測定されるろ水度を増加させた。
【００６６】 パルプはバッチ精製機を使って１馬力日／トンの割合で精製され、次いでおよ
そ０．１％の製紙濃度で製紙機械に導入された。パルプは次いで坪量１６ｌｂｓ
．／リーム（すなわち、１プライ当たり８ｌｂｓ．／リーム）の二重（２プライ
）のティッシュを製造するための、上述の製紙装置及び工程を使った軽量乾燥ク
レープティッシュのための完成紙料として直接使用された。
【００６７】 対照及び試料として乾燥クレープティッシュは手触り試験および引張強度試験
の対象とされた。手触り試験は、試験パネル及び特定のパルプでできた基準試料
の代わりに、一人の認定を受けた試験者及び市販の基準試料が使用されることを
除いて、本質的に上述と同様に実施された。４セットの試料が製造され、手触り
結果の報告される数値は４試料の平均を表す。結果は上述の比率重み付けデータ
解析法を使って分析されなかった。結果を表１に報告する。 表１ 表１に示されるように、洗浄は試料のＣＳＦを１００を越える値で増加させ、微
細物を一つの試料では３５％未満、他の試料では３０％未満に減少させた。
【００６８】 実施例２ 実施例２の試料は、乾燥強度剤を加えることを除いて、実質的に実施例１に従
って造られた。また、試料Ａ及び資料Ｂは洗浄流をパルプ中に循環させることに
より作製した。従って、ほとんどの微細物はパルプの中に残存した。試料Ｃ及び
資料Ｄはパルプを洗浄し、微細物を取り除いて作製した。
【００６９】 これらの試料の正規化された引張強度及び手触りは以下の表で比較できる。表
２のそれぞれのデータ得点は３試料の平均値を表す。 表２
【００７０】 表２のデータにより示されるように、微細物を取り除くことにより、より大き
な手触りを持つほぼ同じ引張強度の紙がもたらされるか（試料試料Ｃに対するＡ
及びＢ）、あるいはほぼ同じ手触りを持つより大きな引張強度の紙がもたらされ
る（試料試料Ｄに対するＡ及びＢ）。 いくつかの実施例と関連させて本発明を記述してきたが、本発明は、開示した
実施例に限定されるものではなく、逆に、特許請求の範囲の技術思想の技術的範
囲内に含まれる全ての変更、改良及び均等構成を網羅するものと理解されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ， ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，Ｓ Ｌ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ラカニ ナウマン ノーラリ アメリカ合衆国 ジョージア州 30076 ロズウェル チャンバー ウッズ ドライ ブ 610 Ｆターム(参考） 2D034 AB00 4L055 AA11 AG47 AG64 AH16 AH37 AH50 AJ06 BA11 BB02 BB04 EA01 EA03 EA05 EA08 EA16 FA16 GA26 GA29

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 粗繊維から衛生紙製品を造る方法であって、 約４０％より大きい平均微細物含有量を持つ前記粗繊維から造られるパルプの
    、パルプスラリーを造るために水中で攪拌して前記粗繊維をパルプ化する段階と
    、 前記微細物含有量を減少させ、カナダ標準形ろ水度を増加させるために、有効
    な量のパルプ洗浄を使用する段階と、 製紙機械のヘッドボックスに製紙濃度で前記パルプを導入する段階と、 衛生紙製品を製造するために製紙工程に前記パルプを利用する段階と、 を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項２】 前記微細物含有量が約３５％未満に減少され、前記カナダ標
    準形ろ水度が約５０を越える値だけ増加されることを特徴とする請求項１に記載
    の方法。
  3. 【請求項３】 前記パルプが、約１．０％から約０．０１％の範囲の製紙濃
    度にあることを特徴とする請求項１に記載の方法。
  4. 【請求項４】 前記パルプが、１００ｍ当り１２ｍｇより大きいカヤーニ（
    Ｋａｊａａｎｉ）粗さを持つ、少なくとも６０％のセルロース系繊維を含むこと
    を特徴とする請求項１に記載の方法。
  5. 【請求項５】 前記粗繊維からのパルプが、処理前には約４５％より大きい
    前記平均微細物含有量を持つことを特徴とする請求項１に記載の方法。
  6. 【請求項６】 前記粗繊維からのパルプが、前記微細物含有量が約３０％未
    満に減少するように洗浄されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
  7. 【請求項７】 前記粗繊維からのパルプが、前記カナダ標準形ろ水度が約７
    ０を越える値だけ増加するように洗浄されることを特徴とする請求項１に記載の
    方法。
  8. 【請求項８】 前記衛生紙製品が、リーム当り７から３５ポンドの間の坪量
    で造られるティッシュペーパであることを特徴とする請求項１に記載の方法。
  9. 【請求項９】 前記衛生紙製品がリーム当り７から３５ポンドの間の坪量で
    造られるペーパナプキンであることを特徴とする請求項１に記載の方法。
  10. 【請求項１０】 前記衛生紙製品が、リーム当り１２から４０ポンドの間の
    坪量で造られるペーパタオルであることを特徴とする請求項１に記載の方法。
  11. 【請求項１１】 回収新聞紙からのパルプを変性する方法であって 約４０％より大きい平均微細物含有量を持つ前記新聞紙から造られるパルプの
    、パルプスラリーを造るために水中で攪拌して前記新聞紙をパルプ化する段階と
    、 前記微細物含有量を減少させ、カナダ標準形ろ水度を増加させるために、有効
    な量のパルプ洗浄を使用する段階と、 製紙機械のヘッドボックスに製紙濃度で前記パルプを導入し、前記パルプが衛
    生紙製品を製造するために製紙工程に利用される段階と、 を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項１２】 前記微細物含有量が約３５％未満に減少され、前記カナダ
    標準形ろ水度が約５０を越える値だけ増加されることを特徴とする請求項１１に
    記載の方法。
  13. 【請求項１３】 前記パルプが、約１．０％から約０．０１％の範囲の製紙
    濃度にあることを特徴とする請求項１１に記載の方法。
  14. 【請求項１４】 前記パルプが、その少なくとも６０％が１００メートル当
    り１２ミリグラムより大きいカヤーニ（Ｋａｊａａｎｉ）粗さを持つ粗繊維であ
    るセルロース系繊維を含むことを特徴とする請求項１１に記載の方法。
  15. 【請求項１５】 前記新聞紙からのパルプが、処理前には約４５％より大き
    い平均微細物含有量を持つことを特徴とする請求項１１に記載の方法。
  16. 【請求項１６】 前記新聞紙からのパルプが、前記微細物含有量が約３０％
    未満に減少するように洗浄されることを特徴とする請求項１１に記載の方法。
  17. 【請求項１７】 回収新聞紙からのパルプを変性する方法であって、 パルプスラリーを造るために水中で攪拌して前記新聞紙をパルプ化する段階と
    、 約３５％未満の微細物含有量及び３００を越える値のカナダ標準形ろ水度を持
    つパルプを製紙機械のヘッドボックスに製紙濃度で導入し、衛生紙製品を製造す
    る製紙工程に前記パルプを利用することを特徴とする方法。
  18. 【請求項１８】 粗繊維から変性された繊維を含む衛生紙製品であって、該
    製品は約４０％未満に減少された微細物含有量及び約２５０を越える値に増加さ
    れたカナダ標準形ろ水度を持つことを特徴とする製品。
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