JP2002524102A - ホースラディッシュペルオキシダーゼのためのキサンタンエステルおよびアクリダン基質 - Google Patents

ホースラディッシュペルオキシダーゼのためのキサンタンエステルおよびアクリダン基質

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Abstract

(57)【要約】 キサンタン−エステル及びアクリダンはホースラディッシュペルオキシダーゼの基質である。これらの安定で、酵素により開裂されうる化学発光性エステルは、過酸化物と共に、イムノアッセイ、オリゴヌクレオチド検出及び核酸ハイブリッド化を含む酵素結合検出方法において広範囲に使用される酵素のうちの一つであるホースラディッシュペルオキシダーゼのための基質である。新規化合物は、過酸化物、アルカリ及びペルオキシダーゼと共に、標的化合物の存在及び/又は濃度を示すために使用される。アッセイは、発光される化学発光を高めるために選択される重合第四級オニウム強化化合物又は同様の化合物の使用により高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
1.発明の分野 本発明は、化学発光性で酵素的に活性化可能な、ホースラディッシュペルオキ
シダーゼの基質であるキサンタンエステルおよびヒドロキシアクリダンエステル
に関する。本発明はさらに、存在、量、または構造が決定されようとしている分
析物(化学的または生物学的物質)を同定または定量させるイムノアッセイ、化
学アッセイ、および核酸プローブアッセイにおけるこれらのキサンタンエステル
およびアクリダンの組み込みにも関する。イムノアッセイの技術によるハプテン
、抗原、および抗体、ウエスタンブロット法による蛋白質、それぞれサザンブロ
ット法およびノーザンブロット法によるDNAおよびRNAなど、アッセイ方法
を用いて種々の生物学的分子を検出し定量してもよい。
【0002】 2.関連技術の説明 生物学的分子の検出および定量は、放射性同位体、酵素、およびリン光/蛍光
などの数種の「標識」により成就されてきた。典型的には、検出方法は、特異的
な目的巨大分子種またはハプテンに結合して、検出可能なシグナルを生成する少
なくとも1種の分析試薬を使用する。これらの分析試薬は、典型的には2種の成
分:(1)高度の特異性および親和性を備える目的分子と結合可能なプローブ巨
大分子(例えば抗体またはオリゴヌクレオチド)、および(2)検出可能な標識
(放射性同位体または共有結合する蛍光染料分子など)を有する。一般に、プロ
ーブ巨大分子の結合特性が検出方法の特異性を定義し、関係する標識の検出可能
性が検出方法の感受性を決定する。次に検出の感受性も、使用する標識の型、な
らびにそれを検出するために利用可能な装備の性能および型の両者に関連する。
【0003】 放射性同位体標識は、潜在的な健康災害、処分の難しさ、特別な資格の必要性
、および不安定さ(放射性崩壊および放射線分解)など幾つかの欠点を有する。
【0004】 近年、これらの材料により提起された災害および不便さを回避するために、多
数の非放射性の方法が開発された。そのような非放射性標識の例には、(1)色
素生成基質の、不溶性着色生成物(例えばアルカリホスファターゼ、β−ガラク
トシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ)への転換、あるいは蛍光ま
たは発光性生成物をもたらす反応を触媒する酵素、および(2)特定の吸収波長
スペクトルにおいて電磁エネルギーを吸収し、次に1つ以上のより長い(即ちよ
りエネルギーの小さい)波長で可視光を放出する直接的蛍光標識(例えばフルオ
レセイン、イソチオシアネート、ローダミン、カスケードブルー)が挙げられる
【0005】 蛍光標識は、酵素標識のシグナル増幅利点を提供せず、免疫細胞化学での広範
な適用をもたらしてきた有意な利点を保持する。蛍光標識は典型的には、イムノ
グロブリンまたは黄色ブドウ球菌蛋白質Aなどのプローブ分子に容易にコンジュ
ゲートされ得る、フルオレセイン、テキサスレッド、またはその他のローダミン
などの小さな有機染料分子である。蛍光分子(フルオロフォア)は、適切な励起
周波数の光の照射により検出可能で、得られたスペクトル放出は、電気光学セン
サーまたは光学顕微鏡により検出可能である。
【0006】 単一酵素分子が、典型的には色素生成基質の検出可能な生成物への変換を触媒
する永続的能力を有するため、酵素結合分析物に基づく方法は最高の感受性を提
供する。単一酵素分子は、適切な条件およびインキュベーション時間により大量
の生成物を生成し得る、つまり相当なシグナル増幅をもたらし得る。色彩、蛍光
、化学発光を発生させる基質が開発され、最後のものは最高の感受性を達成して
いる。
【0007】 先行技術で使用されてきた化学発光性化合物には、アミノフタルヒドラジド、
アクリダン、アクルジニウムエステル、およびジオキシエタンが挙げられる。U.
S. patent 5,593,845は、過酸化物およびペルオキシダーゼとの反応によりアク
リダンから光を生成させる化学発光性N−アルキルアクリダンカルボキシレート
誘導体を開示している。U. S. patent 5,686,258は、フェノール性増進物質(ph
enolic enhancer)の添加により上述の反応が増進され得ることを開示している
。U. S. patent 5,670,644は、ペルオキシダーゼおよび過酸化物化合物との反応
において、より持続的な中間的アクリジニウム化合物(intermediate acridiniu
m compound)(中心の環が芳香族)に転換され、次にpHが上昇した後急速な化学
発光反応を受ける改善されたアクリダン化合物を開示している。U. S. patent 5
,679,803は、酵素的誘発剤または化学的誘発剤のいずれかにより分解および化学
発光を引き起こし得る化学発光性1,2−ジオキシエタンを開示している。
【0008】 イムノアッセイ、オリゴヌクレオチドの検出、および核酸ハイブリッド形成技
術などの酵素結合検出方法で用いられる酵素のうち、今日までに最も広範に使用
されてきたのがホースラディッシュペルオキシダーゼである。ルミノールおよび
イソルミノールなどのアミノ置換された環状フタルヒドラジドは、光の放出を伴
う塩基性条件下で、H22およびペルオキシダーゼ酵素触媒と反応する。この反
応は、H22の検出およびペルオキシダーゼ酵素の分析方法の根本理論として用
いられてきた。放出された光の強度を増加させるために、種々の増進物質がルミ
ノールの使用を伴って使用されてきた。これらには、D−ルシフェリン、p−ヨ
ードフェノール、p−フェニルフェノール、および2−ヒドロキシ−9−フルオ
レノンが挙げられる。本発明の化合物との併用により有用なペルオキシダーゼ増
進物質のより完全なリストは、引例として組み込まれているU.S.Patent 5,206,1
49(Oyama, et al.)に見出され得る。HRPを増進したルミノール化学発光検
出とコンジュゲートさせた市販のキットは入手できる。
【0009】 技術上公知の化学発光性基質は、主に感受性の限界により、分析におけるホー
スラディッシュペルオキシダーゼの有利な特性を完全に利用することができない
。超高感度検出を必要とする適用法においてペルオキシダーゼ・コンジュゲート
の使用を可能にするために、より少量の酵素の検出を可能にする基質が必要とさ
れている。特に、バックグランドまたは非特異的化学発光の増加を伴うことなく
、より高レベルの化学発光を発生させる基質が求められている。技術上公知の化
合物よりも高い最大強度または長い持続時間のいずれかを通して、増加した化学
発光を成就させてもよい。
【発明の概要】
【0010】 本発明は、新しい分類の安定な酵素的活性化可能な、ホースラディッシュペル
オキシダーゼの基質の化学発光性9−カルボキシキサンタンエステル、チオエス
テル、およびスルホンイミドを提供する。本発明は、ホースラディッシュペルオ
キシダーゼ(HRP)の基質として、酵素的活性化可能な化学発光性ヒドロキシ
アクリダンエステルまたはチオエステルも包含する。これらの基質は、水性媒体
中(例えば溶液、またはナイロン膜のような膜表面などの固体表面の生物学的液
体の試料中)で、HRPまたは視覚的に検出可能なエネルギーを放出するHRP
を改変した特異的結合対との反応が可能である。
【0011】 これらの基質は、本発明の化合物、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、増
進物質、過酸化水素、およびアルカリを含有する光放出性化学的組成物において
有用である。
【0012】 本発明は、キサンタンエステルあるいはヒドロキシアクリダン−9H−カルボ
ン酸エステルまたはチオエステルと、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、過
酸化水素、およびアルカリと反応させることを含む化学発光の生成方法にも関す
る。
【0013】 本発明は、キサンタンエステルまたはヒドロキシアクリダン基質、ホースラデ
ィッシュペルオキシダーゼ、場合によっては増進物質、過酸化水素、およびアル
カリを含む化学発光性組成物にも関する。
【0014】 本発明は、化学発光反応によるアッセイ手順における分析物の存在または量を
検出するキットにも関する。
【0015】 これらの化学発光性基質は、分析物が試料中に存在するか否かを決定する方法
においても特に有用性を見出す。その酵素は、検査される試料中の目的分析物で
あってもよく、あるいは特異的結合対のその他の員の存在を検出する、プローブ
、抗原、抗体、または特異的結合対の任意の員に結合するレポーター分子であっ
てもよい。化学発光性基質は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、過酸化水
素、およびアルカリにより活性化される。その後、発生した発光の量が検出され
て、試料中の分析物の量に関連させる。 [発明の詳細な説明]
【0016】 本発明の新規な化学発光性キサンタンエステルまたはチオキサンタンエステル
は、式、
【0017】
【化8】
【0018】 (式中、R2およびR3は、キサンテン環で任意の炭素原子に結合していてもよく
、かつ独立して水素、アルキル、分枝アルキル、置換されたアルキル、アルコキ
シ、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、カルボン酸
エステル、アリール(例えばフェニルおよびナフチル)、ヘテロアリール(例え
ば2−ベンゾチアゾール−2−イル)、アリールオキシ、または励起されたキサ
ントン部分からの充分なエネルギー伝達を呈する任意のフルオロフォアであって
もよい。アルキル基上の置換基は、例えばキサンタンエステルの水溶性を増進さ
せる基(カルボン酸、カルボン酸塩、エステル、エーテル、アミン、オリゴマー
および高分子アンモニウム塩、ヘテロアルキル基、ヘテロアルコキシ基、糖、ス
ルホン酸またはそれらの塩、および第四級アミノ塩の基)であってもよい。R2
およびR3がフルオロフォアでない場合、それらが光の生成を妨害しない限りは
、R2およびR3が追加的に、励起されたキサントン部分からの充分なエネルギー
伝達を呈する任意のフルオロフォア、または励起されたキサントン部分からの充
分なエネルギー伝達を呈する任意のフルオロフォアを結合させる任意の基で置換
されていてもよく、 R1は、
【0019】
【化9】
【0020】 1個以上のフッ素原子で置換されたアルキルまたは分枝アルキル基、あるいは過
酸化物およびペルオキシダーゼとの反応によりキサンタンエステルからの光を生
成させる任意の脱離基であり、
【0021】
【化10】
【0022】 は、炭素、その他のヘテロ原子、または追加の縮合環も含有可能な任意の窒素含
有複素環であってもよく、そのN原子がキサンタンエステルのカルボニル基に結
合し、かつその環が上記のように定義されるR2および/またはR3基で置換され
ていてもよい。しかし、複素環は、脱離基として技術上認知された有用性を有し
ていなければならない。例には、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾー
ル、ベンゾトリアゾール、およびテトラゾールが挙げられる。 Arは、置換または非置換のアリール基(フェニルまたはナフチルなど)である
。Ar上の好ましい置換基には、1個以上の電子求引基(例えば1〜7個の炭素
原子を有する、ペルフルオロアルキル(トリフルオロメチルなど)、アルキルま
たはアリールスルホニル(メチルスルホニルなど)、ハロゲン(フルオロまたは
クロロなど)、シアノ、ニトロ、アルコキシカルボニル(−COOEtなど)、
アルカノイル(−COCH3など)、アミドスルホニル(−SO2NHArなど)
、あるいはCO−YR1結合を立体的に安定化させるために、特異的にオルトを
1の結合点に位置させたC1〜C7アルキルまたは置換されたアルキル基が挙げ
られ、 Yは、置換または非置換のアリールスルホニル(例えばフェニルまたはナフチル
)、またはアルキルスルホニル基(CF3SO2、ArSO2など)で、そのS原
子が
【0023】
【化11】
【0024】 のN原子に結合しており、 R′は、アルキル、アリール、または置換されたアリール基で、そのアリール基
上の置換基は、上記に引用の−Ar上の置換基(例えば1個以上の電子求引基な
ど)として使用されてよいものと同様であり、 Xは、水素、または任意の酵素的に開裂可能な基であり、 Zは、OまたはSである)により表すことができる。
【0025】 R2および/またはR3を含むフルオロフォアの例には、 1)フェニルおよびフェニル誘導体、 2)ナフタレンおよびナフタレン誘導体(例えば5−ジメチルアミノナフタレン
−1−スルホン酸およびヒドロキシナフタレン)、 3)アントラセンおよびアントラセン誘導体(例えば9,10−ジフェニルアン
トラセン、9−メチルアントラセン、9−アントラセンカルボキシアルデヒド、
アントリルアルコール、および9−フェニルアントラセン)、 4)ローダミンおよびローダミン誘導体(例えばロドール(rhodols)、テトラ
メチルローダミン、テトラエチルローダミン、ジフェニルジメチルローダミン、
ジフェニルジエチルローダミン、ジナフチルローダミン)、 5)フルオレセインおよびフルオレセイン誘導体(例えば5−ヨードアセトアミ
ドフルオレセイン、6−ヨードアセトアミドフルオレセイン、およびフルオレセ
イン−5−マレイミド)、 6)エオジンおよびエオジン誘導体(例えばヒドロキシエオジン、エオジン−5
−ヨードアセトアミド、およびエオジン−5−マレイミド)、 7)クマリンおよびクマリン誘導体(例えば7−ジアルキルアミノ−4−メチル
クマリン、4−ブロモメチル−7−メトキシクマリン、および4−ブロモメチル
−7−ヒドロキシクマリン)、 8)エリスロシンおよびエリスロシン誘導体(例えばヒドロキシエリスロシン、
エリスロシン−5−ヨードアセトアミド、およびエリスロシン−5−マレイミド
)、 9)アクリジンおよびアクリジン誘導体(例えばヒドロキシアクリジンおよび9
−メチルアクリジン)、 10)ピレンおよびピレン誘導体(例えばN−(1−ピレン)ヨードアセトアミ
ド、ヒドロキシピレン、および1−ピレンメチルヨードアセテート)、 11)スチルベンおよびスチルベン誘導体(例えば6,6′−ジブロモスチルベ
ンおよびヒドロキシスチルベン)、 12)ニトロベンゾオキサジアゾールおよびニトロベンゾオキサジアゾール誘導
体(例えばヒドロキシニトロベンゾオキサジアゾール、4−クロロ−7−ニトロ
ベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール、2−(7−ニトロベンゾ−2−オキ
サ−1,3−ジアゾール−4−イル−アミノ)ヘキサン酸)、 13)キノリンおよびキノリン誘導体(例えば6−ヒドロキシキノリンおよび6
−アミノキノリン(aminooquinoline))、 14)アクリジンおよびアクリジン誘導体(例えばN−メチルアクリジンおよび
N−フェニルアクリジン)、 15)アシドアクリジンおよびアシドアクリジン誘導体(例えば9−メチルアシ
ドアクリジンおよびヒドロキシ−9−メチルアシドアクリジン)、 16)カルバゾールおよびカルバゾール誘導体(例えばN−メチルカルバゾール
およびヒドロキシ−N−メチルカルバゾール)、 17)蛍光シアニン(例えばDCM(レーザー色素)、ヒドロキシシアニン、1
,6−ジフェニル−1,3,5−ヘキサトリエン、1−(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−6−フェニルヘキサトリエン、および対応する1,3−ブタジエン)
、 18)カルボシアニンおよびカルボシアニン誘導体(例えばフェニルカルボシア
ニンおよびヒドロキシカルボシアニン)、 19)ピリジニウム塩(例えば4(4−ジアルキルジアミノスチリル)N−メチ
ルピリジニウムヨウ素酸塩(4(4-dialkyldiaminostyryl)N-methyl pyridinium i
odate)およびヒドロキシ置換されたピリジニウム塩)、 20)オキソノール、 21)レソロフィン(resorofins)およびヒドロキシレソロフィン(hydroxy re
sorofins)、が挙げられる。
【0026】 酵素的に開裂可能な基Xの例には、α−またはβ−ガラクトシド、アセテート
、1−ホスホ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデ
ノシン三リン酸塩、アデノシン一リン酸塩、アデノシン、α−D−グルコシド、
β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、α−D−マンノシド、β−D−マ
ンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−D−グルコシドウロネート(β-D
glucociduronate)、P−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、P−
トルエンスルホニル−L−アルギニンアミド、ホスホリルコリン、ホスホリルイ
ノシトール、ホスホリルエタノールアミン、ホスホリルセリン、ジアシルグリセ
ロールリン酸ジエステル、およびモノアシルグリセロールリン酸ジエステルが挙
げられる。
【0027】 Xが酵素的に開裂可能な基である場合には、Xを開裂する酵素を添加する必要
がある。そのような酵素の例には、アルカリおよび酸性ホスファターゼ、エステ
ラーゼ、デカルボキシラーゼ、ホスホリパーゼD、β−キシロシダーゼ、β−D
−フコシダーゼ、チオグルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−D−ガ
ラクトシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、α−D−
マンノシダーゼ、β−D−マンノシダーゼ、β−D−フルクトフラノシダーゼ、
β−D−グルコシドウロナーゼ、およびトリプシンが挙げられる。種々のX基を
開裂する酵素のリスト(A list of which enzymes cleave which the various X
goups)は、本明細書に引例として組み込まれるU. S. patent 5,605,795の表I
に見出すことができる。
【0028】 好ましい基質には、2−ヒドロキシ−9H−9−キサンテンカルボン酸、フェ
ニルエステルおよび3−ヒドロキシ−9H−9−キサンテンカルボン酸、フェニ
ルエステルが挙げられる。本発明は、次式、
【0029】
【化12】
【0030】 (式中、R1は、Arである。Arは、置換または非置換のアリール基(フェニ
ルまたはナフチルなど)である。Ar上の好ましい置換基には、1個以上の電子
求引基(例えば1〜7個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル(トリフルオ
ロメチルなど)、アルキルまたはアリールスルホニル(メチルスルホニルなど)
、ハロゲン(フルオロまたはクロロなど)、シアノ、ニトロ、アルコキシカルボ
ニル(−COOEtなど)、アルカノイル(−COCH3など)、アミドスルホ
ニル(−SO2NHArなど)、あるいはCO−YR1結合を立体的に安定化させ
るために、特異的にオルトをR1の結合点に位置させたC1〜C7アルキルまたは
置換されたアルキル基が挙げられる。 R4は、ハロゲン、カルボキシ、カルボン酸エステル、アミノ、ニトロ、ヒドロ
キシまたは硫黄含有基、オリゴマーおよび高分子アンモニウム塩、糖、スルホン
酸またはそれらの塩、第四級アンモニウム基、あるいはそのアクリダンの水溶性
を増進させる任意の基でさらに置換されていてもよいアリール、アラルキル、ア
ルキル、または分枝アルキルである。 Yは、酸素、硫黄、または
【0031】
【化13】
【0032】 であり、
【0033】
【化14】
【0034】 は、炭素、その他のヘテロ原子、または追加の縮合環も含有可能な任意の窒素含
有複素環であってもよく、そのN原子が、アクリダンのカルボニル基に結合して
いる。しかし、その複素環は、脱離基として技術上認知された有用性も有してい
なければならない。例には、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、
ベンゾトリアゾール、およびテトラゾールが挙げられ、 R2およびR3は、キサンテン環で任意の遊離の炭素原子に結合していてもよく、
かつ独立して水素、アルキル、分枝アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ
、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、カルボン酸エ
ステル、アリール(例えばフェニルおよびナフチル)、ヘテロアリール(例えば
2−ベンゾチアゾール−2−イル)、アリールオキシ、または励起されたキサン
トン部分からの充分なエネルギー伝達を呈する任意のフルオロフォアであっても
よい。アルキル基上の置換基は、例えばキサンタンエステルの水溶性を増進させ
る基(カルボン酸、カルボン酸塩、エステル、エーテル、アミン、オリゴマーお
よび高分子アンモニウム塩、ヘテロアルキル基、ヘテロアルコキシ基、糖、スル
ホン酸またはそれらの塩、および第四級アミノ塩の基)であってもよく、 Xは、水素または任意の酵素的に開裂可能な基であってもよい)のアクリダンも
包含する。
【0035】 上述のキサンタンエステルおよびアクリダンの、過酸化水素、ホースラディッ
シュペルオキシダーゼ、増進物質、およびアルカリとの反応は、アッセイ適用で
優れた特性を備えた化学発光を生成する。出願人は、メカニズムを制限する意図
はないが、化学発光が以下の反応図式に示されるようにオキシキサントンアニオ
ン(キサンタンエステルを通した)またはオキシアクリドンアニオン(ヒドロキ
シアクリダンエステルを通した)の励起状態から生じると考えられる。
【0036】
【化15】
【0037】 光
【0038】
【化16】
【0039】 目的分析物が試料中に存在するならば、それと結合するまたは別法では共同す
るはずの酵素複合体と混合された、目的分析物を含有することが推測される試料
に、キサンタンエステルまたはヒドロキシアクリダンエステルが添加される。そ
れ故、キサンタンエステルまたはアクリダンは、ホースラディッシュペルオキシ
ダーゼの過酸化水素を伴った補助基質(co-substrate)であり、キサンタンエス
テルまたはアクリダンの主要部からもたらされた脱離基の開裂による酵素が触媒
した酸化は、光を生成するオキシアニオン(キサントン)またはオキシアニオン
(アクリドン)の励起状態をもたらす。試料中の目的分析物がHRPそのもので
あれば、キサンタンエステルまたはアクリダンが、採取の際または濁度を低下さ
せるためにあらかじめ透明化した後のいずれかの試料に直接添加される。目的分
析物がHRP以外のものであれば、HRPが結合部分(DNAプローブまたは抗
体など)により複合体を形成されて、試料中に存在する目的分析物と結合する。
検出される化学発光量は、試料中の分析物および試料中の分析物の量の両者に応
答する。
【0040】 化学発光シグナルを増強するため、ならびにバックグランドシグナルと非常に
低レベルの陽性目的反応シグナルを識別させるシグナル/ノイズ(S/N)比を
改善するために、キサンタンエステルまたはアクリダン基質の導入前または導入
と同時に、水溶性増進剤が試料に添加される。水溶性増進剤の例には、高分子第
四級アミン、中性洗剤、およびカチオン洗剤が挙げられる。特に効果的なのは、
高分子オニウム塩(例えばホスホニウム、スルホニウム、および好ましくはアン
モニウム部分に基づく第四級塩)である。これらの高分子オニウム塩は、1,2
−ジオキシエタンのための増進剤として、本明細書に引例として組み込まれるU.
S. Patent 5,547,836に開示される。ポリ(塩化ビニルベンジルトリブチルアン
モニウム)(TBQ)は、励起されたオキシアニオンにより生成された化学発光
シグナルの増強に特に効果的である。以下の表1は、第四級オニウム高分子によ
り生成されるシグナルおよびシグナル/ノイズ比の著しい増大を示している。
【0041】 ペルオキシダーゼ酵素の作用を増進させるために用いられてもよい増進物質は
、数ある中でも4−ヨードフェノールおよび4−フェニルフェノールが挙げられ
る。
【0042】
【実施例】
実施例 3−ヒドロキシ−9H−9−キサンテン−カルボン酸フェニルエステル(14
)からの化学発光性信号に対する洗剤及びポリマーの作用 洗剤を緩衝液に加えてアッセイ成分の溶解度を増大した。重合第四級アミン、
中性洗剤及びカチオン性洗剤の使用を、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニ
ウムクロリド(Sapphire II、Tropix)、Tween-20(Sigma)及びセチルトリメチ
ルアンモニウムクロリド(CTAB、Sigma)を使用して比較した。ルミネセンスを、
Dynatech ML3000ルミノメータを使用して白色不透明のマイクロプレートウエル
で測定した。最初に、過酸化水素(3.5mM原液10μL)を、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース及び4−ヨードフェノール0.42mg/mL(ヨードフェノ
ールの濃度は、Sapphire II及びTween-20溶液では71.4μg/mL、CTAB溶液で
は178.6μg/mLである)を含有するpH7.0の0.1Mクエン酸緩衝剤中の
1.17mMキサンテン基質(14)に加え、19分間インキュベートした後、バ
ックグランド信号を測定した。HRP(5fmole含有10μL)を各ウエルに加え
、19分間インキュベートした後、化学発光を測定した。この比較の結果を表1
に示す。
【0043】
【表1】
【0044】 キサンテン基質(14)と高められた化学発光(ECL)との比較 ECL(ルミノール−アミノ−置換環式アシルヒドラジドを含有する市販の最
適化された試薬)とキサンテン基質(14)の比較のために下記の条件を使用し
た。ECL試薬はAmershamから入手し、製造者の推奨の通りに使用した。次にH
RP0、0.5、5.0、500.0及び5000.0アトモルを含有するホー
スラディッシュペルオキシダーゼ(HRP、VIA型)のアリコート10μLを
、各試薬配合物0.13mLに加えた。キサンテン基質を評価するために、過酸化
水素(3.5mM原液10μL)を各HRP稀釈液10μLに加え、反応を、1.2
2mM4−フェニルフェノール、0.42mg/mLヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース及び0.167mg/mL Emerald IIを含有するpH7.0の0.1Mクエン酸緩
衝剤中の1.17mMキサンテン基質の溶液0.12mLの添加により開始した。化
学発光性信号を、Dynatech ML3000ルミノメータにより、ECLでは1分後、キ
サンテン基質では40分後に測定した。この比較の結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】 データが示すように、キサンテンエステルは、RLUで測定すると許容されうる
信号対雑音(S/N)比を有して、従来技術の高められたルミネセンスと比較し
て、より一層高い光度を提供する。信号の高度な読出しは、少容量の試薬を使用
しなければならないマイクロアレーフォーマットにとって特に重要である。
【0047】 キサンタンエステルは下記に示すように合成されうる。 合成プロトコール スキーム1:2−ヒドロキシ−9H−9−キサンテン−カルボン酸、フェニルエ
ステル7
【0048】
【化17】
【0049】 スキーム2:3−ヒドロキシ−9H−9−キサンテン−カルボン酸、フェニルエ
ステル14
【0050】
【化18】
【0051】 アクリダンは下記に示すように合成されうる。
【0052】
【化19】
【0053】 実験の部 2−メトキシ−9H−キサンテン−9−オン(1) 1,2−ジクロロエタン(200ml)中の2−フルオロベンゾイルクロリド(
15.68g、0.1mole)及び1,4−ジメトキシベンゼン(13.82g、
0.1mole)の混合物を氷浴で冷却し、AlCl3(13.82g、0.103m
ole)により一部ずつ注意深く処理した。反応混合物の温度を添加の間0から5
°に保持し、次に添加の終了後4時間かけて室温に温めた。得られた深い赤色の
反応混合物を、1.5時間更に還流し、続いて室温で一晩撹拌した。氷浴中に0
°で1時間撹拌を続けながら、氷及び6NHCl溶液を加えて、反応をクエンチ
した。次に混合物をCH2Cl2により3回抽出した。合わせた有機層を、50%
NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、シリカゲルプラグを通して濾
過して、中間体ベンゾフェノン(24.68g、100%)を橙色の油状物とし
て得て、それを更なる精製を行わず環化した。 IR (ニート): 3070, 2998, 2936, 2736, 1605, 1477, 1445, 1328, 1265, 1226,
1212, 1135, 1038, 960, 870, 792, 758 及び 646 cm-1.
【0054】 次にベンゾフェノン中間体をEtOH(400ml)中で室温で撹拌し、MeO
H(25重量%、45.72ml、0.2mole)中のNaOMe溶液で処理した。
反応混合物の色は直ぐに赤紫色に変化した。反応混合物を1時間20分間還流さ
せ、TLCは、反応が終了したことを示した。短時間の冷却の後、混合物がまだ
温かい間に水(500ml)を加え、黄色の粉末を沈殿させた。懸濁液を冷蔵庫に
一晩保管した。固体をBuchner漏斗で濾過し、冷水で洗浄した。2−メトキシ−
9H−キサンテン−9−オン1(20.7g、91.6%)を、薄黄色の粉末、
融点128〜130℃として得た。1 H NMR (CDCl3): デルタ 8.33 (1H, dd, J=7.9, 1.8 Hz) 7.67-7.72 (2H,m) 7.4
7(1H, d, J=8.6 Hz), 7.42(1H, d, J=9.2 Hz), 7.35 (1H, m), 7.31 (1H, dd, J
=9.2, 3.1 Hz) 及び 3.90 (3H, s); IR (CHCl3): 2998, 1635, 1610, 1480, 146
3, 1430, 1313, 1266, 1140, 1108, 1038, 852 及び 823 cm-1
【0055】 2−メトキシ−9H−キサンテン(2) Et2O(100ml)中の水素化リチウムアルミニウム(1.75g、46mmo
le)の懸濁液に、トルエン(84ml)中のキサントン1(3.34g、14.8
mmole)の僅かに曇った溶液を10分かけて滴下して加えた。氷浴を除去した後
、混合物を室温で1時間撹拌し、次に120から125°で18時間還流した。
少量のTLCのアリコートは、出発物質の残留を示さなかった。反応を氷中で冷
却し、その間EtOAc(1ml)、MeOH(1ml)そして最後に稀HCl溶液
を、水性層が酸性になるまで滴下して加えて、過剰水素化リチウムアルミニウム
を注意深く破壊した。反応混合物を5%EtOAc−ヘキサン及び水に分配した
。有機層を分離した後、水性層を5%EtOAc−ヘキサンにより更に2回抽出
した。合わせた有機層を50%NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し
、シリカゲルプラグを通して濾過した。シリカゲルを5%EtOAc−ヘキサン
100mlによりフラッシュした。濾液を濃縮した後、粗2−メトキシ−9H−キ
サンテン2(3.09g、98.7%)を、薄黄色の粉末、融点66〜68℃と
して収集した。
【0056】 キサンテン2を、錫箔に包みアルゴン下でバイアルに保管し、更なる精製を行
わず冷蔵庫に保管した。1 H NMR(CDCl3): デルタ 7.13-7.19 (2H, m), 6.95-7.02 (3H, m), 6.74 (1H, dd
, j=7.9, 3.1 Hz), 6.68 (1H, d, J=2.4 Hz), 4.O2 (2H, s), aud 3.77 (3H, s)
; IR (CDCl3): 2998, 2930, 2830, 1578, 1478, 1455, 1240, 1147, 1035 及び
878 cm-1.
【0057】 2−ヒドロキシ−9H−キサンテン(3) 2−メトキシ−9H−キサンテン2(3.09g、14.6mmole)及びピリ
ジンヒドロクロリド(23.85g、206.4mmole)の固形混合物を、1.
5時間200から210°に加熱した。得られた反応混合物を約80°に冷却し
、水で処理し、その間白色の粉末が溶液から消失した。懸濁混合物を周囲温度で
攪拌し、次に0°に冷却した。固体をBuchner漏斗で濾過し、冷水で洗浄した。
粗生成物を再溶解するために大量のCH2Cl2を必要とした。CH2Cl2溶液を
稀HCl溶液で洗浄した。水性層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層を無
水Na2SO4で乾燥した。TLCは原点で少量の副産物を示したが、出発物質と
酸化生成物、2−ヒドロキシ−9H−キサンテン−9−オンのいずれも形成され
なかった。CH2Cl2溶液をシリカゲルプラグを通して濾過し、シリカゲルを2
0%EtOAc−ヘキサン(100ml)によりフラッシュした。濾液を濃縮した
後、粗2−ヒドロキシ−9H−キサンテン3(2.68g、93%)を、薄黄色
の粉末、融点137〜139℃として収集した。1 H NMR (DMSO-d6): デルタ 9.18 (1H, s), 7.14-7.22 (2H, m), 6.97-7.03 (2H,
m), 6.87 (1H, dd, J=7.3, 1.8 Hz), 6.57-6.62 (2H, m) 及び 3.94(2H, s).
【0058】 2−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−キサンテン(4) DMF(15ml)中の2−ヒドロキシ−9H−キサンテン3(2.63g、1
3.28mmole)の溶液に、イミダゾール(1.36g、19.9mmole)、t−
ブチルジメチルシリルクロリド(2.4g、15.92mmole)及びDMAP(
15mg)を連続して室温で加えた。混合物を一晩(16時間)撹拌し、飽和Na
HCO3溶液でクエンチした。水性層を10%EtOAc−ヘキサンで2回抽出
した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。薄橙
色の油状残渣をシリカゲルプラグに装填し、ヘキサン、次に3%EtOAc−ヘ
キサンで溶離した。目的生成物の比較的透明な画分をプールし、濃縮して、僅か
に不純な2−tert−ブチルジメチルシロキシル−9H−キサンテン4(3.29
7g、79.5%)を、オフホワイトの固体、融点67〜69℃として得た。1 H NMR(CDCl3): デルタ 7.12-7.19 (2H, m), 6.96-7.01 (2H, m), 6.89 (1H, d,
J=8.5 Hz), 6.6l-6.67 (2H, m), 3.98 (2H, s), 0.97 (9H, s) 及び 0.17 (6H,
s); IR (CHCl3): 2960, 2938, 1630, 1587, 1487, 1464, 1251, 1203, 1158, 1
120, 976, 892, 868 及び 843 cm-1.
【0059】 不純な画分を別に濃縮し、短いシリカゲルカラムのクロマトグラフィーに付し
て、付加的なTBS保護キサンテン4(0.571g、13.8%)を得た。
【0060】 2−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−9−トリメチルシリル−キサンテン
(5) THF(47ml)中の2−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−キサンテン
4(3.297g、10.57mmole)を、ヘキサン(8.9ml、21.1mmole
)中の2.37Mのn−BuLiを−78°で5分間かけて滴下して処理した。
得られた深い赤色の混合物を−78°から0°に2時間にわたり撹拌し、0°で
1時間撹拌を続けた。−78°に再冷却してトリメチルシリルクロリド(3.3
5ml、26.4mmole)を滴下して加えた。混合物を−78°から0°に70分
間にわたり撹拌し、続いてヘキサンで稀釈し、飽和NaHCO3溶液でクエンチ
した。有機層を分離した後、水性層をヘキサンで抽出した。合わせた有機層を水
で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、シリカゲルプラグを通して濾過した。濾液
を濃縮して、粗2−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−9−トリメチルシリ
ル−キサンテン5(4.19g、100%)を橙色のワックス状の固体として得
た。1 H NMR(CDCl3): デルタ 7.07 (1H, m), 6.92-6.97 (3H, m). 6.84 (1H, d. J=8.
8 Hz), 6.55 (1H. m), 6.43 (1H, d, J=2.9 Hz), 3.29 (1H, s), 0.97 (9H, s),
0.16 (6H, s) 及び - 0.05 (9H, s); IR (CHCl3): 2960, 2938, 2962, 1625, 1
608, 1480, 1240, 1350, 1098, 976, 890 及び 843 cm-1.
【0061】 2−tert−ブチルジメチルシロキシ−9−トリメチルシリル−9−キサンテンカ
ルボン酸、フェニルエステル(6) THF(50ml)中の僅かに不純な2−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H
−9−トリメチルシリル−キサンテン5(4.19g、10.57mmole)に、
ヘキサン(9.8ml、23.3mmole)中の2.37Mのn−BuLiを−78°
で滴下して加えた。得られた深い赤色の溶液を−78°から15°に撹拌し、−
78°に再冷却した。フェニルクロロホルマート(3.3ml、26.4mmole)
を滴下して加え、得られた混合物を−78°から10°に1.5時間にわたり、
次に室温で更に1時間撹拌した。最後に、橙色の反応混合物をヘキサンで稀釈し
、飽和NaHCO3溶液でクエンチした。有機層を分離した後、水性層を5%E
tOAc−ヘキサンで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水Na2
SO4で乾燥し、シリカゲルプラグを通して濾過した。粗生成物は、IRスペク
トルで観察すると、3個のエステル吸収を異なる強度で示した。精製を、2%E
tOAc−Hexにより溶離して、シリカゲルクロマトグラフィーにより実施し
て、依然として不純な生成物5.7804gを緑色の固体として得た。幸いなこ
とに、2−tert−ブチルジメチルシロキシ−9−トリメチルシリル−9−キサン
テンカルボン酸6の純粋なフェニルエステル(1.38g、4からの全体的な収
率25.9%)を、MeOHでの再結晶により、オフホワイトの固体、融点11
1〜113℃として得た。純粋な6はTLCで単独の点を示し、IRでは173
4cm-1での単独の吸収を示した。1 H NMR (CDCl3) デルタ 7.33-7.38 (2H m) 7.O-7.23(7H, m), 6.92 (1H, d, J=8
.4 Hz), 6.69(1H, dd, J=8.8, 2.9 Hz), 6.61(1H, d, J=2.6 Hz), 0.97 (9H, s)
, 0.17 (6H, s) 及び 0.04 (9H, s). IR (CHCl3): 2960, 2938, 2862, 1734, 1483, 1415, 1268, 1238, 1185, 1120,
995, 901, 878 及び 843 cm-1.
【0062】 2−ヒドロキシ−9H−9−キサンテン−カルボン酸、フェニルエステル(7) CH3CN(10ml)及びピリジン(2ml)中の2−tert−ブチルジメチルシ
ロキシ−9−トリメチルシリル−9−キサンテン−カルボン酸フェニルエステル
6(570mg、1.13mmole)の懸濁混合物を、室温で短時間撹拌すると透明
な黄色の溶液になった。混合物を、48%HFのピペットからの20滴で処理し
、室温で3時間撹拌した。反応混合物を稀HCl溶液でクエンチし、続いて30
%EtOAc−ヘキサンで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水N
2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣を2%MeOH−CH2Cl2の最小量に溶解
し、CH2Cl2から2%MeOH−CH2Cl2により溶離して、シリカゲルカラ
ムのクロマトグラフィーに付した。比較的透明な画分をプールし、濃縮した。不
純な黄色の生成物を、最初に5%EtOAc−ヘキサン、続いてヘキサンでの滴
定により更に精製して、純粋な2−ヒドロキシ−9H−9−キサンテン−カルボ
ン酸フェニル7(173.5mg、48.3%)を、僅かに黄色の固体、融点18
2〜184℃として得た。1 H NMR (DMSO-d6): デルタ 7.33-7.40 (3H, m), 7.24 (1H, m), 7.13-7.17 (2H,
m), 7.04 (1H, d. J=8.8 Hz), 6.95-6.98 (2H, m), 6.90 (1H, d, J=2.6 Hz),
6.78 (1H, dd, J=8.8, 2.6 Hz) 及び 5.40 (1H, s).
【0063】 3−メトキシ−9H−キサンテン−9−オン(8) 1,2−ジクロロエタン(120ml)中の2−フルオロベンゾイルクロリド(
6ml、50mmole)及び1,3−ジメトキシベンゼン(6.9g、50mmole)の
混合物に、AlCl3(6.84g、51.3mmole)を0°から5°で一部ずつ
加えた。得られた暗い茶色の混合物を3.5時間かけて室温に温め、次に1時間
還流した。0°に冷却して、反応を6NHCl溶液で注意深くクエンチし、その
間大量のアルミニウム塩が溶液から消失した。混合物をCH2Cl2及び水で更に
稀釈し、透明な2相混合物が得られるまで室温で撹拌した。有機層を分離した後
、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水Na 2 SO4で乾燥し、シリカゲルプラグを通して濾過した。濾液を濃縮して、置換さ
れているベンゾフェノン中間体(12.51g、100%)を橙色のガムとして
得て、それを、更なる精製を行わずに環化した。 IR (ニート): 3070, 3068, 3000, 2964, 2937, 2836, 1598, 1482, 1447, 1346,
1275, 1255, 1205, 1163, 1115, 1098, 1024, 968, 920 及び 758 cm-1.
【0064】 EtOH(200ml)中のベンゾフェノン中間体(12.51g)の溶液を、
MeOH(25重量%、22.86ml、0.1mole)中のNaOMeの溶液によ
り室温で処理し、混合物の色は黄色から橙色に直ぐに変化した。反応混合物を1
00分間還流した。0°に冷却し、反応混合物を水(100ml)で処理して、微
細な白色の沈殿物を得た。固体をBuchner漏斗で濾過し、水及びEtOHで洗浄
し、最後に真空下に乾燥して、3−メトキシ−9H−キサンテン−9−オン8(
9.12g、80.7%)を白色の粉末、融点127〜129℃として得た。1 H NMR (CDCl3): デルタ 8.31 (1H, dd, J=7.9, 1.2 Hz), 8.23 (1H, J=8.6 Hz)
, 7.68 (1H, m), 7.44 (1H, d. J=8.6 Hz), 7.35 (1H, m), 6.93 (1H, m), 6.87
(1H, d. J=2.4 Hz) 及び 3.92 (3H, s); IR (CHCl3): 2999, 1644, 1605, 1460
, 1434, 1321, 1273, 1254, 1159, 1101, 1029, 968 及び 848 cm-1
【0065】 3−メトキシ−9H−キサンテン(9) Et2O(30ml)中の水素化リチウムアルミニウム(0.524g、13.
8mmole)の懸濁液に、トルエン(25ml)中のキサントン8(1g、4.42m
mole)の溶液を0°で滴下して加えた。得られた混合物を30分間室温で撹拌し
、次に17時間激しく還流した。氷浴で冷却した後、反応を、EtOAc(1.
5ml)、MeOH(1.5ml)、最後に稀HCl溶液により水性層が酸性になる
まで注意深くクエンチした。反応混合物を10%EtOAc−ヘキサン及び水に
分配した。有機層を分離した後、水性層を10%EtOAc−ヘキサンで2回抽
出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し
、シリカゲルプラスを通して濾過した。濾液を濃縮した後、3−メトキシ−9H
−キサンテン9(0.806g、86%)を、僅かに黄色の固体、融点72〜7
4℃として単離した。1 H NMR(CDCl3): デルタ 7.13-7.20 (2H, m), 6.98-7.06 (3H, m), 6.58-6.62 (2
H, m), 3.97 (2H, s) 及び 3.79 (3H, s); IR (CHCl3): 3000, 2935, 2836, 162
5, 1596, 1520, 1480, 1455, 1438, 1275. 1227, 1150, 1119, 1092, 1031, 962
及び 837 cm-1
【0066】 3−ヒドロキシ−9H−キサンテン(10) 3−メトキシ−9H−キサンテン9(5.84g、27.5mmole)及びピリ
ジンヒドロクロリド(42g、363mmole)の固形混合物を、200から21
0°で2時間加熱した。得られた反応混合物を約70°に冷却し、水で処理し、
その間沈殿物が生成された。橙色の固体をBuchner漏斗で濾過し、水で洗浄し、
真空下に乾燥して、粗3−ヒドロキシ−9H−キサンテン10(5.25g、9
6%)を得た。粗10を暗所でアルゴン下でデシケーターに保管したとき、大規
模な酸化は起こらなかった。したがって、粗キサンテン10を、更なる精製を行
わずシリル化に使用した。1HNMR又はIRは、実施されなかった。1 H NMR (CDCl3): デルタ 7.12-7.18 (2H, m), 6.96-7.03 (3H, m), 6.51-6.55 (
2H, m), 3.96 (2H, s), 0.97 (9H, s) 及び 0.2 (6H, s); IR (ニート): 3060,
2942, 2922, 2850, 1623, 1596, 1568, 1478, 1300, 1266, 1231, 1150, 1110,
1091, 980, 883 及び 750 cm-1
【0067】 3−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−キサンテン(11) DMF(21ml)中の3−ヒドロキシ−9H−キサンテン10(5.25g、
26.5mmole)の溶液に、イミダゾール(1.98g、29.15mmole)、t
−ブチルジメチルシリルクロリド(3.99g、26.5mmole)及びDMAP
(15mg)を連続して室温で加えた。得られた薄橙色の反応混合物を暗所で一晩
撹拌し、色の変化は起きなかった。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液を含有
する分液漏斗に注ぎ、混合物を5%EtOAc−ヘキサンで2回抽出した。合わ
せた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、シリカゲル
プラグを通して濾過した。濾液を濃縮した後、薄黄色の油状物6.69gを得た
。粗生成物11のIRは、出発物質10からの3340cm-1で弱いOH吸収を示
した。粗生成物にヘキサンを添加して精製し、溶液に溶解しなかった少量の粉末
を、シリカゲルプラグの濾過により除去し、3−ヒドロキシ−9H−キサンテン
10(5.4g、65.3%)を回収し、IRにおいてOH吸収を示さなかった
。融点30〜32℃。
【0068】 3−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−9−トリメチルシリル−キサンテン
(12) THF(34ml)中の3−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−キサンテン
11(2.44g、7.8mmole)の溶液を、ヘキサン(6.9ml、16.38m
mole)中の2.37MBuLiにより−78°で滴下して処理した。得られた赤
色の混合物を、−78°から5°に2時間撹拌し、0°で1時間撹拌を続けた。
−78°に再冷却し、トリメチルシリルクロリド(2.5ml、19.5mmole)
を滴下して加えた。混合物を2時間かけて0°に徐々に温め、ヘキサンで稀釈し
、飽和NaHCO3溶液でクエンチした。有機層を分離した後、水性層をヘキサ
ンで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、シリカ
ゲルプラグを通して濾過して、3−t−ブチルジメチルシロキシ−9H−9−キ
サンテン12(3.12g、100%)を橙色のガムとして得た。12のTLC
は、生成物の上方及び下方に薄い点を示した。しかし、生成物の精製は、続く反
応のために必要ではなかった。1 H NMR (CDCl3): デルタ 6.47-7.07 (7H, m), 3.29 (1H, s), 0.97 (9H, s), 0.
18 (6H, s) 及び 0.08 (9H, s); IR (ニート): 3066, 3040, 2958, 1628, 1605,
1483, 1268, 1236, 1157, 1100, 988, 842 及び 755 cm-1
【0069】 3−tert−ブチルジメチルシロキシ−9−トリメチルシリル−9−キサンテンカ
ルボン酸、フェニルエステル(13) THF(40ml)中の粗3−tert−ブチルジメチルシロキシ−9H−9−トリ
メチル−シリル−キサンテン12(3.12g、7.8mole)の溶液に、ヘキサ
ン(7.2ml、17.16mmole)中の2.37MBuLiを−78°で滴下して
加えた。得られた深い赤色の溶液を、−78°から15°に3.5時間にわたり
撹拌し、−78°に再冷却した。フェニルクロロホルマート(2.4ml、19.
5mmole)を滴下して加えた。混合物を−78°から10°に2時間、そして室
温で30分間撹拌した。ヘキサンで稀釈した後、混合物を、飽和NaHCO3
液を含有する分液漏斗に注いだ。有機層を分離した後、水性層を2%EtOAc
−ヘキサンで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾
燥し、シリカゲルプラグを通して濾過し、橙色のガム5.91gを得た。粗生成
物は、IRスペクトルでは1730から1780cm-1において3個のエステル吸
収を示した。粗生成物のクロマトグラフィーにより、3−tert−ブチルジメチル
シロキシ−9−トリメチルシリル−9−キサンテン−カルボン酸フェニル13(
3.99g、100%)を、依然として僅かに不純の黄色のガムとして得た。I
R(ニート)スペクトルは、3070、3050、2960、2864、178
5、1765、1740、1600、1487、1238、1188、1120
、1104、993、843及び690cm-1において吸収を示した。
【0070】 3−ヒドロキシ−9H−9−キサンテン−カルボン酸、フェニルエステル(14
) CH3CN(20ml)及びピリジン(2ml)中の粗3−tert−ブチルジメチル
シロキシ−9−トリメチル−9−キサンテン−カルボン酸フェニル13(1.8
1g、3.59mmole)の混合物を、ピペットからの48%HFで処理した。混
合物を室温で一晩撹拌し、次に稀HCl溶液でクエンチした。水性層を50%E
tOAc−ヘキサンで3回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水Na2
SO4で乾燥し、シリカゲルプラグを通して濾過した。シリカゲルを50%Et
OAc−ヘキサン、次に2%MeOH−CH2Cl2によりフラッシュして、橙色
の固体1.38gを得た。粗生成物を、5%EtOAc−ヘキサンで3回磨砕し
て、3−ヒドロキシ−9H−9−キサンテンカルボン酸14(673.5mg、1
2から全体的に59%)の適度に透明なフェニルエステルを、薄い橙色の粉末、
融点176〜178℃として得た。1 H NMR (DMSO-d6): デルタ 9.84 (1H, br s), 7.49 (1H, d, J=7.3 Hz), 7.33-7
.39 (2H, m), 7.31 (1H, d. J=8.5 Hz). 7.22 (1H, t, J=7.3 Hz), 7.14-7.19 (
2H, m), 6.92-6.96 (2H, m), 6.63 (1H, dd. J=8.5, 2.4 Hz:), 6.57 (1H, d. J
=2.4 Hz)及び 5.33 (1H, s).
【0071】 上記の反応において、置換フェニルクロロホルマートも容易に利用されうる。
置換キサンテンカルボン酸の対応するチオエステルは、フェニルチオクロロホル
マートをその酸素同族の代わりに使用して合成される。上記の方法は、また、本
発明の範囲に含まれるヒドロキシチオキサンテンカルボン酸フェニルエステル又
はチオフェニルエステルの合成に適切である。本発明は、また、適切な脱離基を
含むいかなる酸誘導体も、続く9位での酸化が、得られた励起するキサントン又
はチオキサントンオキシアニオンからの光を生成できるように合成するために、
母材の置換されている9−H−キサンテン及び9−H−チオキサンテンカルボン
酸の使用を包含する。
【0072】 試料(分析対象物)中の特定の物質の存在又は濃度を測定するために、視覚的
な検出方法を使用する広範囲のアッセイが存在する。上記のキサンタンエステル
及びアクリダン基質は、これらのアッセイのいずれにも使用されうる。そのよう
なアッセイの例は、抗原又は抗体、例えばδ−若しくはβ−hCG、hLH、エ
ストラジオール等を検出するイムノアッセイ、例えばカリウム若しくはナトリウ
ムイオンを検出する化学アッセイ、例えばウイルス(例えば、HTLV III
若しくはサイトメガロウイルス)又はバクテリア(大腸菌)及びある一定の細胞
機能(例えば、受容体結合部位)を検出する核酸アッセイを含む。本発明の方法
は、過酸化水素、酵素により生成される過酸化水素、ホースラディッシュペルオ
キシダーゼ単独、ペルオキシダーゼで標識付けされている有機分子及びペルオキ
シダーゼで標識付けされている生物分子を含む種々の分析対象物を検出するため
に使用されうる。
【0073】 分析対象物が抗体、抗原又は核酸の場合、HRPは、好ましくは、分析対象物
に対して特異的な親和性を有する物質(すなわち、分析対象物に特異的に結合す
る物質)、例えば抗原、抗体又は核酸プローブに結合される。従来の方法、例え
ばカルボジイミド結合は、HRPを特異的親和性の物質に結合させるために使用
され、結合は、好ましくはアミド架橋を通してである。
【0074】 一般的にアッセイは次のように実施される。目的の分析対象物を含有すると疑
われる試料を、検出可能な物質に特異的な親和性を有する物質に結合されている
HRPを含有する緩衝液に接触させる。得られた溶液をインキュベートして、検
出可能な物質を特異的親和性HRP錯体の特異的親和性部分に結合させる。次に
過剰の特異的親和性HRP錯体を洗い流し、特異的親和性酵素化合物のHRP部
分によって開裂されうる脱離基を有するキサンタンエステル又はアクリダンを加
える。HRPは脱離基を開裂し、キサンタンエステル又はアクリダンを励起させ
発光を生じさせる。試料中の分析対象物の存在を表示するものとして(例えば、
キュベット、カメラルミノメーター中の感光性フィルム、光電池又は光電子倍増
管を使用して)ルミネセンスが検出される。発光の強度は、分析対象物の濃度を
決定するために測定される。
【0075】 本発明は、また化学発光性反応によるアッセイの手順における分析対象物の存
在又は量を検出するキットに関し、そのキットは下記の容器: (a)キサンタンエステル又はアクリダン基質、 (b)ホースラディッシュペルオキシダーゼ(場合により分析対象物結合化合
物に付着している) (c)過酸化水素、 (d)アルカリ、 (e)場合によりX部分を開裂するための第二の酵素、 (f)場合により膜、例えばナイロン又はニトリセルロース の1個以上を含み、ここで化学発光は、キサンタンエステル又はアクリダン基質
を過酸化物及びペルオキシダーゼ(場合により分析対象物結合化合物に付着して
いる)と、場合によりX部分を開裂する第二の酵素と、アルカリの存在下に反応
させて、試料中の分析対象物を検出するアッセイ手順において検出される。反応
は、溶液、例えば水性緩衝液中で、又は固形支持体、例えばビーズ、チューブ、
マイクロウエルプレート又は膜の表面上で実施されてよく、当業者に周知である
【0076】 下記に特定のアッセイの例を示す。 A.ヒト黄体形成(leutinizing)ホルモンのアッセイ ヒト血清中のhLHの濃度を、本書に記載されたようにして測定した。12mm
×75mmガラステストチューブに、患者の血清、尿又は標準50μL及びホース
ラディッシュペルオキシダーゼ複合モノクローナル抗α−hLH 20μLを加
え、混合した。次に0.25インチモノクローナル抗β−hLH被覆ポリスチレ
ンビーズを加え、混合し、回転器で1時間インキュベートし、反応混合物を除去
し、リン酸緩衝食塩水中の0.1%Tween-20 2mLで2回洗浄し、残留洗浄溶液
を注意深く吸引した。過酸化水素30μLを加え、上記のように調製されたキサ
ンテン基質配合物360μLを、30分間インキュベートして、化学発光を適切
なルミノメーターで測定した。患者の試料におけるhLHの濃度は、試料の化学
発光の強度と標準曲線データを比較して決定される。
【0077】 B.エストラジオールイムノアッセイ エストラジオールのための競合的イムノアッセイを、本書で記載されたとおり
にフォーマットした。患者の試料又は標準100μL及び稀釈エストラジオール
−HRP複合物100μLを、ウサギ抗エストラジオール被覆ポリスチレン12m
m×75mmチューブに加え、回転器上で室温で1時間インキュベートした。反応
混合物を除去し、チューブをリン酸緩衝食塩水中の0.1%Tween-20 2mLで2
回洗浄し、残留洗浄液を注意深く吸引し、過酸化水素30μL及び前項で記載さ
れたように調製されたキサンテン基質配合物360μLを加え、30分間インキ
ュベートして、化学発光の強度を適切なルミノメーターで測定した。患者の試料
中のhLHの濃度は、試料の化学発光の強度と標準曲線データを比較して決定し
た。
【0078】 更に、ペルオキシダーゼのためのこれらのキサンテンエステルに基づく基質は
、多くの細胞に基づくアッセイ、例えば炎症性の疾病におけるエンドセリンの相
互作用の測定、敗血病患者の血漿NOの直接測定、転写因子因仲介敗血症の検出
、食菌作用及び呼吸性バーストの調査並びに生物学的体液及び組織における酸化
防止能の測定に利用されうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/577 G01N 33/577 B // C07D 311/84 C07D 311/84 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 エドワーズ,ブルックス アメリカ合衆国、マサチューセッツ 02138、ケンブリッジ、ヒューロン・アベ ニュー 269、ナンバー 6 (72)発明者 ヴォイタ,ジョン・シー アメリカ合衆国、マサチューセッツ 01776、サッドベリー、メイナード・ファ ーム・ロード 99 (72)発明者 ジューオ,ルー・ロン アメリカ合衆国、マサチューセッツ 02134、オールストン、ホープデール・ス トリート 19 Fターム(参考) 2G054 AA06 BB05 BB10 BB13 CA21 CA28 CE01 CE10 EA01 EB05 JA08 4B063 QA01 QQ02 QQ75 QQ94 QR02 QR41 QR56 QR58 QS31 QX02 4C062 HH17

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: 【化1】 (式中、 R1は、 【化2】 、1個以上のフッ素原子で置換された1〜20個の炭素原子のアルキルもしくは
    分枝アルキル基、または過酸化物およびペルオキシダーゼとの反応によりキサン
    タンエステルからの光を生成させる任意の脱離基であり、 R2およびR3は、キサンテン環の任意の遊離の炭素原子に結合していてもよく、
    かつ独立して水素、1〜20個の炭素原子を含有するアルキル、分枝アルキル、
    置換されたアルキル、アルコキシのいずれか、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アシ
    ルアミノ、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アリール、ヘテロアリール、
    アリールオキシ、または励起されたキサントン部分からの充分なエネルギー伝達
    を呈する任意のフルオロフォアであってもよく、 【化3】 は、脱離基として機能し、かつ炭素、その他のヘテロ原子、または追加の縮合環
    も含有可能な任意の窒素含有複素環であってもよく、 N原子は、キサンタンエステルのカルボニル基に結合し、かつその環が上記のよ
    うに定義されるR2および/またはR3基で置換されていてもよく、 Arは、置換または非置換のアリール基であり、 R′は、アルキル、アリール、または置換されたアリール基であり、 Yは、置換または非置換の、アリールスルホニルまたはアルキルスルホニル基で
    あり、そのS原子が、 【化4】 のN原子に結合しており、 Xは、水素、または任意の酵素的に開裂可能な基であり、 Zは、OまたはSである)のキサンタンエステルを含むホースラディッシュペル
    オキシダーゼの検出のための化学発光性基質。
  2. 【請求項2】 キサンタンエステルが、2−ヒドロキシ−9H−9−キサン
    テンカルボン酸、フェニルエステルおよび3−ヒドロキシ−9H−9−キサンテ
    ンカルボン酸、フェニルエステルからなる群より選択される、請求項1記載の化
    学発光性基質
  3. 【請求項3】 式: 【化5】 (式中、R1は、置換または非置換のアリール基であって、前記置換されたアリ
    ール基は、1〜7個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル、アルキルスルホ
    ニルまたはアリールスルホニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシカルボ
    ニル、アルカノイル、アミドスルホニル、およびR1の結合点に対してオルトに
    位置させたC1〜C7アルキルまたは置換されたアルキル基からなる群より選択さ
    れる1個以上の基を有しており、 R4は、ハロゲン、カルボキシ、カルボン酸エステル、アミノ、ニトロ、ヒドロ
    キシル、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、あるいは硫黄含有基、オリゴマー
    性アンモニウム塩および高分子アンモニウム塩、第四級アミノ塩の基、糖、スル
    ホン酸もしくはそれらの塩、またはその化合物の水溶性を増進させる任意の基で
    さらに置換されていてもよい、アリール、アラルキル、アルキル、または分枝ア
    ルキルであり、 Yは、酸素、硫黄、または 【化6】 であり、 ここで 【化7】 は、脱離基として機能し、かつ炭素、その他のヘテロ原子、または追加の縮合環
    も含有可能な任意の窒素含有複素環であってもよく、そのN原子は、キサンタン
    エステルのカルボニル基に結合し、かつその環も下記のように定義されるR2
    よび/またはR3基で置換されていてもよく、 R2およびR3は、キサンテン環の任意の遊離の炭素原子に結合していてもよく、
    かつ独立して水素、1〜20個の炭素原子を含有するアルキル、分枝アルキル、
    置換されたアルキル、アルコキシのいずれか、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アシ
    ルアミノ、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アリール、ヘテロアリール、
    アリールオキシ、または励起されたキサントン部分からの充分なエネルギー伝達
    を呈する任意のフルオロフォアであってもよく、 Xは、水素または任意の酵素的に開裂可能な基である)のアクリダンを含むホー
    スラディッシュペルオキシダーゼの検出のための化学発光性基質。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のキサンタンエステル基質または請求項3記載
    のアクリダン基質を、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、過酸化水素、アル
    カリ、および場合によっては酵素的に開裂可能な基Xを前記基質から開裂させる
    ことが可能な第2の酵素と反応させることを含む化学発光を生成させる方法。
  5. 【請求項5】 高分子オニウム塩を添加することをさらに含む、請求項4記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記高分子オニウム塩が、ポリ(ビニルベンジルトリブチル
    アンモニウムクロリド)である、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のキサンタンエステル基質または請求項3記載
    のアクリダン基質、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、過酸化水素、アルカ
    リ、および場合によっては酵素的に開裂可能な基Xを前記基質から開裂させるこ
    とが可能な第2の酵素を含む化学発光性組成物。
  8. 【請求項8】 高分子オニウム塩をさらに含む、請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記高分子オニウム塩が、ポリ(ビニルベンジルトリブチル
    アンモニウムクロリド)である、請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 化学発光反応を用いて、試料中の分析物の存在または濃度
    のアッセイを実施するキットであって、1個以上の容器に、 (a)請求項1記載のキサンタンエステル基質または請求項3記載のアクリダン
    基質、 (b)ホースラディッシュペルオキシダーゼ、 (c)過酸化水素、 (d)アルカリ、 (e)場合によっては前記分析物に特異的に結合する化合物、 (f)場合によっては酵素的に開裂可能な基Xを前記基質から開裂させることが
    可能な第2の酵素、 (g)場合によってはその上で前記反応が実施される膜、 (h)場合によっては前記分析物に特異的に結合する前記化合物に特異的に結合
    する化合物、 (i)場合によってはその上で高分子オニウム塩、を含むキット。
  11. 【請求項11】 前記ホースラディッシュペルオキシダーゼが、前記分析物
    に特異的に結合する前記化合物に結合している、請求項10記載のキット。
  12. 【請求項12】 前記ホースラディッシュペルオキシダーゼが、前記分析物
    に特異的に結合する前記化合物に特異的に結合する前記化合物に結合している、
    請求項10記載のキット。
  13. 【請求項13】 前記分析物が、核酸またはそれの断片であり、かつ前記分
    析物に特異的に結合する前記化合物が、前記ホースラディッシュペルオキシダー
    ゼに共有結合する、前記核酸またはそれの断片に相補的なオリゴヌクレオチドプ
    ローブである、請求項11記載のキット。
  14. 【請求項14】 前記分析物が、核酸またはそれの断片であり、前記分析物
    に特異的に結合する前記化合物が、抗原により共有結合で標識された相補的オリ
    ゴヌクレオチドプローブであり、かつ前記分析物に特異的に結合する前記化合物
    に特異的に結合する前記化合物が、前記ホースラディッシュペルオキシダーゼに
    共有結合する、前記抗原に対する抗体である請求項12記載のキットであって、
    前記キットが前記膜を包含するキット。
  15. 【請求項15】 前記分析物に特異的に結合する前記化合物が、前記ホース
    ラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲートされるモノクローナル抗体であ
    る、請求項11記載のキット。
  16. 【請求項16】 前記キットが、過酸化水素、ホースラディッシュペルオキ
    シダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼで標識した有機分子、およびホ
    ースラディッシュペルオキシダーゼで標識した生物学的分子からなる群から選択
    される分析物を包含する、請求項10記載のキット。
  17. 【請求項17】 前記分析物に特異的に結合する前記化合物が、モノクロー
    ナル抗体であり、かつ前記分析物に特異的に結合する前記化合物に特異的に結合
    する前記化合物が、前記ホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲート
    されている、請求項10記載のキット。
  18. 【請求項18】 試料中のヒト黄体形成ホルモン(hLH)の存在を検出す
    る方法であって、 (a)ホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲートされたモノクロー
    ナル抗α−hLHを前記試料に添加して混合し、 (b)抗β−hLHをコートしたポリスチレンビーズを(a)の混合物に添加し
    て、混合、インキュベート、および洗浄し、 (c)過酸化水素と、請求項1記載のキサンタンエステルおよび請求項3記載の
    アクリダンからなる群から選択される基質と、場合によっては酵素的に開裂可能
    な基Xを前記基質から開裂させることが可能な第2の酵素とを、(b)で形成さ
    れた混合物に添加してインキュベートし、 (d)化学発光を測定し、 (e)化学発光を標準曲線データと比較して、前記試料中のhLHの濃度を決定
    することを含む方法。
  19. 【請求項19】 水性試料中の分析物の存在または濃度のアッセイを実施す
    る方法であって、 (a)前記分析物に特異的に結合する化合物に結合されたホースラディッシュペ
    ルオキシダーゼを含む酵素複合体を混合し、 (b)前記混合の後に前記試料中に存在する非結合の酵素複合体を除去し、 (c)過酸化水素と、請求項1記載のキサンタンエステルおよび請求項3記載の
    アクリダンからなる群より選択される基質と、場合によっては酵素的に開裂可能
    な基Xを前記基質から開裂させることが可能な第2の酵素とを、前記試料に添加
    して、前記基質が前記酵素複合体の酵素により化学発光する励起状態を形成させ
    、 (d)得られた化学発光の量を測定し、前記化学発光が前記分析物の存在または
    濃度を示すことを含む方法。
  20. 【請求項20】 前記分析物に特異的に結合する前記化合物が、抗体、オリ
    ゴヌクレオチド、ハプテン、および蛋白質からなる群より選択される、請求項1
    9記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記分析物が、エストラジオールおよびヒト黄体形成ホル
    モン(hLH)からなる群から選択される、請求項19記載の方法。
  22. 【請求項22】 水性試料中の分析物の存在または濃度のアッセイを実施す
    る方法であって、 (a)モノクローナル抗体を前記試料と混合し、前記混合においてモノクローナ
    ル抗体が前記試料中の前記分析物に安定に結合し、 (b)前記混合の後に前記試料中に存在する非結合のモノクローナル抗体を除去
    し、 (c)ホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲートされた前記モノク
    ローナル抗体に特異的な抗抗体を前記試料に添加して、酵素複合体を形成し、 (d)過酸化水素と、請求項1記載のキサンタンエステルおよび請求項3記載の
    アクリダンからなる群から選択される基質と、場合によっては酵素的に開裂可能
    な基Xを前記基質から開裂させることが可能な第2の酵素とを、前記試料に添加
    して、前記基質が、前記複合体のホースラディッシュペルオキシダーゼにより化
    学発光する励起状態を形成させ、 (e)得られた化学発光の量を測定し、前記化学発光が前記分析物の存在または
    濃度を示すことを含む方法。
  23. 【請求項23】 前記分析物が、ヒト黄体形成ホルモンである、請求項22
    記載の方法。
  24. 【請求項24】 試料中のホースラディッシュペルオキシダーゼの存在また
    は濃度を検出する方法であって、前記試料に過酸化水素と、請求項1記載のキサ
    ンタンエステルおよび請求項3記載のアクリダンからなる群から選択される前記
    ホースラディッシュペルオキシダーゼの基質とを添加し、得られた化学発光の量
    を測定することを含み、前記化学発光がホースラディッシュペルオキシダーゼの
    存在または濃度を示す方法。
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