JPH11500222A - 化学ルミネセンスエネルギー移動アッセイ - Google Patents

化学ルミネセンスエネルギー移動アッセイ

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JPH11500222A JP8524903A JP52490396A JPH11500222A JP H11500222 A JPH11500222 A JP H11500222A JP 8524903 A JP8524903 A JP 8524903A JP 52490396 A JP52490396 A JP 52490396A JP H11500222 A JPH11500222 A JP H11500222A
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ブロンスタイン,イレーナ
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Abstract

(57)【要約】 酵素標識した標的やプローブに対する化学発光性基質として、1,2−ジオキセタン類とともにAttoPhos(商標)を用いた結合アッセイにおいて、生体高分子の存在または量を決定するための化学発光アッセイを提供する。更に、a)酵素結合体;b)1,2−ジオキセタン類;およびc)AttoPhos(商標)を含む、生体高分子の存在または濃度に関するバイオアッセイを行うためのキット類と開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 化学ルミネセンスエネルギー移動アッセイ 技術分野 本発明は、1,2−ジオキセタン類と、酵素で標識した蛍光測定用基質の標的 またはプローブに対する化学発光性基質としての、AttoPhos(商標)のような疎 水性の蛍光測定用基質とを併用して、表面結合アッセイにおける生物学的物質の 存在または量を決定するための、エネルギー移動化学ルミネセンスアッセイに関 する。ジオキセタン−AttoPhosという受容体−基質対の化学ルミネセンスは、重 合体増進剤の添加によって強めることができる。Attophos、次いで1,2−ジオ キセタン類を逐次加えることによって、より以上の増強が達成できる。 背景技術 生物学的物質の存在または濃度の検出のための化学ルミネセンスアッセイは、 バイオアッセイを実施する迅速で鋭敏な、容易に読取れる方法として、近年増大 する関心を受けている。そのようなアッセイでは、化学発光性化合物をレポータ ー分子として用い、このレポーター分子が、推測される生体高分子の存否に応じ て化学発光する。 レポーター分子としての用途に向けて、非常に多様な化学発光性化合物が特定 されている。特に関心を受けている化合物の一分類群は、1,2−ジオキセタン 類である。1,2−ジオキセタン類は、ジオキセタン環の炭素原子のうち少なく とも1個への安定基の付加によって安定化することができる。例示的な安定基は 、スピロ結合アダマンタンである。そのようなジオキセタン類は、他の炭素の位 置で、アリール基、好ましくはフェニルまたはナフチルで更に置換することがで き、このアリール基は酸素で置換され、それが、酵素に作用されやすい基に結合 される。この作用されやす い基を切断できる酵素が接触すると、ジオキセタン類のオキシアニオンが形成さ れて、ジオキセタン類の分解、および自発的化学ルミネセンスへと導く。非常に 多様なそのようなジオキセタン類が、米国特許第5,112,960 号明細書に開示され ている。この特許は、アダマンチル安定基に置換基、例えばハロゲン置換基、ア ルキル基、アルコキシ基などを有するジオキセタン類に焦点を合わせている。そ のようなジオキセタン類は、初期に認められたジオキセタン類、例えばAMPP Dとして一般的に特定される、3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタ ン類−3,2’−トリシクロ〕−3.3.1.13.7〕デカン〕−4−イル)フ ェニルホスフェート、特にそのニナトリウム塩にまさる進歩を示している。塩素 置換されたその対照物は、安定アダマンチル基を、分解反応を前進させる受動基 から、より速やかなジオキセタンアニオンの分解、より大きいシグナル対ノイズ 値、およびより優れた感度のために、増強された化学ルミネセンスシグナルを生 じる能動基へと転換し、CSPDと言われている。その他のジオキセタン類、例 えばフェニルオキシ−β−D−ガラクトピラノシド(AMPGD)も周知であり 、リポーター分子として用いることができる。これらのジオキセタン類およびそ の製造は、それ自体は、本明細書による発明の一面を構成しない。 これらのジオキセタン類を用いるアッセイは、慣用のアッセイ、例えばサザン 、ノーザンおよびウエスタンブロットアッセイ、DNA配列決定、ELISA、 ならびに膜やビーズで実施されるその他の液相および混合相アッセイを包含でき る。一般に、検出工程を除き、手順は、標準的な周知のプロトコルに従って実施 される。DNAアッセイでは、標的生物学的物質を、共有結合か間接的にそれに 結合した酵素をもつDNAプローブによって結合させ、該プローブを、膜に固定 化したサンプルと混合して、ハ イブリダイゼーションさせる。その後、過剰な酵素複合体を除去し、ハイブリダ イズしたサンプルにジオキセタン類を加える。ハイブリダイゼーションが生じた ならば、ジオキセタン類は、結合した酵素によって活性化され、ジオキセタン類 の分解、および化学ルミネセンスへと導くことになる。溶液相アッセイでは、酵 素を、核酸プローブと結合させるか、または標的生物学的物質に応答する抗体と 免疫複合させることが多く、未結合成分を除去し、ジオキセタン類を加え、存在 する酵素の量によって活性化されたジオキセタン類の分解によって、化学ルミネ センスを生じる。酵素自体が標的である場合、ジオキセタン類を、サンプルに加 えることのみが要される。やはり、米国特許第5,112,960 号明細書はもとより、 米国特許第4,978,614 号明細書にも開示されたとおり、非常に多様なアッセイ様 式が開発されている。 ジオキセタン分解が、プロトン性溶媒、例えば水の中で生じるならば、消光反 応が生じることになるのは周知である。問題となっている分析対象物を含むか、 または欠くと思われるサンプルは、概して生物学的サンプルであるため、これら のアッセイは、水性の環境で実施するのが一般的である。そのため、消光反応が 、ジオキセタンの分解から実際に観測される化学ルミネセンスを、実質的に減少 させる可能性がある。特定の分析対象物、例えば核酸、ウイルス抗体その他のタ ンパク質、特に溶液中か溶液−固相系中で調製されるそれらの低レベルの検出を 要するアッセイでは、観測される不可避のバックグラウンドシグナルと結び付い た、減少した化学ルミネセンスが、アッセイの感度を、極めて低レベルの生物学 的物質が検出できないように低下させる可能性がある。この問題を指向する一つ の方法は、米国特許第5,145,772 号明細書に詳細に開示されたとおり、天然およ び合成の分子のいずれを包含してもよい水溶性高分子の添加である。こ の特許の開示は、本明細書中に参考として援用する。同様な効果について、米国 特許第4,978,614 号明細書は、サンプルへの様々な水溶性「増強」剤の添加を仕 向けたが、該特許は、固体状態のアッセイでの非特異的結合反応を抑制する問題 に言及している。米国特許第5,112,960 号明細書では、シグナル対ノイズ比を増 大させることによって、化学ルミネセンスを増強し、より高い感度を与える水溶 性の重合体第四級アンモニウム塩として、ポリ(塩化ビニルベンジルトリメチル アンモニウム)(TMQ)、ポリ(塩化ビニルベンジルトリブチルアンモニウム )(TBQ)およびポリ(塩化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム) (BDMQ)のような、好適な水溶性重合体第四級アンモニウム塩を特定してい る。類似のホスホニウムおよびスルホニウム重合体塩も、開示されている。 この増強は、ジオキセタンオキシアニオンが封鎖される疎水性領域の形成によ って、少なくとも部分的には達成される。これらの疎水性領域での分解は、水に 基づく消光反応が抑制されるために、化学ルミネセンスを強める。用いられる認 識されている水溶性第四級重合体塩のうちでも、TBQは、この疎水性領域形成 の機序によって予想外に優れた増強を与える。 アンモニウム、ホスホニウムおよびスルホニウム重合体塩のような水溶性重合 物質の添加によって達成される、化学ルミネセンスの増強は、ジオキセタンオキ シアニオンと、得られた励起状態の放射体レポーター分子とを疎水性領域に封鎖 できる第四級重合体塩の能力を向上させる添加物を、水性サンプルに含めること によって、更に向上させることができる。したがって、重合体第四級塩と添加物 との併用は、重合体第四級塩か、または界面活性剤もしくは水溶性重合体自体で あるときは、化学ルミネセンスを限られた程度に増強し得る添加物かの添加によ って別個に生じるのをはる かに越える増強の増大を生じる。重合体第四級塩と添加物との相乗的併用は、水 溶性サンプル中でさえ、1,2−ジオキセタン類の使用によって、低レベルの信 頼できる検出を可能にする増強効果を与える。添加物と結合した重合体第四級塩 は、0.005%未満から0.001%まで下るレベルで、劇的な4〜5倍の増 強を示すのに充分なだけ強力な増強剤である。それ以上の量の重合体第四級塩、 添加物または両者の、50%以上までもの多量での添加によって、シグナルの増 大、およびシグナル/ノイズ比の向上が達成される。一般に、重合体第四級塩と 添加物の双方についてのレベルは、好ましくは0.01〜25重量%、より好ま しくは0.025〜15重量%の範囲内であることができる。この向上の詳細は 、米国特許願第08/031,471号明細書に開示されており、本明細書中に参考として 援用する。 米国特許第5,208,148 号明細書は、グリコシダーゼという酵素を生成する細胞 の検出のための一群の蛍光性基質を記載している。この基質は、細胞内部のグリ コシダーゼ酵素によって加水分解されて、約460〜550nmで励起できる蛍光 性検出生成物を生じるまでは非蛍光性の基質である、フルオレセインジグリコシ ドである。この蛍光性酵素加水分解生成物は、生細胞内で特異的に形成され、適 切に保持され、そして細胞に対して無害である。該基質は、生理的条件下で細胞 膜を貫通できる。そのため、この発明は、in vitroおよびin vivo での細胞の分 析、分類およびクローニング、ならびに細胞発生の追跡を可能にする。しかし、 これらの蛍光性生成物は、基質のスペクトル特性が、アルゴンレーザーによって その原則的波長で励起された後でのみ、単一細胞内で、単一細胞の特定の小器官 内に検出されるにすぎない。 既知の蛍光放射体が、ジオキセタン類とともにバイオアッセイに用い られている。米国特許第4,959,182 号および第5,004,565 明細書は、1,2−ジ オキセタン類からの化学ルミネセンスのエネルギー移動増強のための方法および 組成物を記載している。これらの特許は、界面活性剤と、用いた緩衝液のバルク 相に存在する蛍光性補助界面活性剤とを含む、蛍光性ミセルを利用する。蛍光性 補助界面活性剤は、エネルギー移動に基づくルミネセンスがいつでもできる形態 で存在する。酵素標識されたリガンド結合対を含む固相に接触すると、蛍光性部 分は、バルク相中のミセルに付随して留まろうとする。何らかの蛍光性補助界面 活性剤が固相に蓄積されるならば、これが、固定化されたリガンド結合対を含む 部域でも、該対を含まない部域でも無差別に生じる。したがって、ある問題が、 蛍光放射体は、固定化酵素結合体に付随して存在することがないか、または留ま らないということを招く。したがって、ジオキセタン類から蛍光放射体へのエネ ルギー移動に必要な密接な接近が効率的でない。更に、蛍光放射体は、固相のマ トリックスのどこにでも蓄積できるため、この方法は、結合アッセイに用いたと きに特異性の余地がない。前記’182号および’565号特許明細書中の実施 例の大多数は、溶液相酵素アッセイか、または酵素を用いない化学的誘発実験で ある。これらの実施例は、エネルギー受容蛍光性界面活性剤との、ジオキセタン アニオン生成物の接近を促進する手段としてのバルク相共同ミセルに、より良く 適合する。固相アッセイの唯一の実施例は、第29および30欄に出現する。こ のELISAアッセイは、S抗原が112〜1.3ngである範囲にわたるウェル 表面で、光が生じることを示す。しかし、同じではあるが、蛍光性補助界面活性 剤の不在下でジオキセタン類やCTABを用いる、用量応答実験からの光の生成 を示す対照実験が皆無である。したがって、固体表面でのエネルギー移動が実際 にいかに効率的であるかは、誰も決定できな い。しかしながら、確かに、この蛍光性補助界面活性剤は、AttoPhosのような非 蛍光性酵素基質ではない。したがって、ジオキセタン類というエネルギー供与体 を触媒作用で分解する同じ酵素によって、蛍光性エネルギー受容体を直接に、か つ表面に局所的に生成する本発明は、これらの技術の参照によって示唆されては いない。 表面またはブロッティング実験に用いられる蛍光性基質に関連する、いくつか の基本的な問題がある。一つは、脱リン酸化された発色団の励起は、レーザー、 またはフィルターもしくはモノクロメーター付きランプで実施しなければならな いことである。これらの光源は、面倒なばかりでなく、アッセイの経費を増加さ せる。UV/青色光で達成されるこの必要かつ枢要な励起段階は、第二の問題を 生じるが、それは、蛍光性増輝剤その他の励起できる発蛍光団を通常含有する膜 または表面その他の固体支持体、ならびに生物学的サンプル(すなわちタンパク 質や核酸)に含まれる励起性発色団の自動蛍光である。表面または膜の支持体、 および脱リン酸化または活性化された基質以外の発生源のそのような蛍光シグナ ルは、アッセイの感度や特異性を、これらのような基質を用いることができない ように実質的に低下させる、許容され得ないレベルのバックグラウンドに寄与す る。 既知の蛍光放射体は、非結合性のアッセイではジオキセタン類とともに用いら れている。しかし、ある問題が、蛍光放射体は、酵素結合体に付随して留まらな いということを招く。そのため、ジオキセタンから蛍光放射体へのエネルギー移 動に必要とされる、密接な接近が不可能となる。その上、蛍光放射体が酵素結合 体に付随して留まらないため、放射体は、結合性アッセイに用いたときに特異性 の余地がなくなる。 したがって、上記アッセイが指向する化学ルミネセンス技術の進歩にも かかわらず、全体として、より強いシグナルを与え、こうして、高価で面倒なレ ーザーまたはランプを用いずに、より高い感度や特異性を有して、サンプル中の 生物学的物質の存在、濃度またはその双方を決定する化学ルミネセンスアッセイ を提供することは、当業界の目標であり続けている。1,2−ジオキセタン化合 物が既に開発されていて、そのような化学ルミネセンスアッセイのためのリポー ター分子として優れた将来性を示している。しかし、ジオキセタン類に密接に接 触して留まり、それによって、必要なエネルギー移動を許し、更には、標的の鋭 敏かつ特異的な決定を許す、効率的な蛍光受容体放射体を提供することによって 、1,2−ジオキセタン類分子の化学ルミネセンスの感度および特異性に対して 改良することが、依然として必要である。 発明の開示 上記により、1,2−ジオキセタン類という供与体分子を蛍光受容体放射体と 併用する生物学的な表面結合および溶液相アッセイで、生物学的物質の存在また は量を決定する方法であって、励起のためにいかなる外部光源も用いることなし に、上昇させた感度またはシグナル対ノイズ比を与える方法を提供することが、 本発明の目的である。 上記の目的は、生物学的サンプル中の生物学的物質の存在または量を決定する 方法であって、(a)該サンプルからの生物学的リガンドによって酵素複合結合 体(抗体またはDNAプローブ)を形成する工程;(b)AttoPhosのような疎水 性の蛍光測定用基質および1,2−ジオキセタン類を、結合した該酵素複合結合 体に加える工程;(c)これにより、酵素複合生体高分子の酵素が、AttoPhosや ジオキセタン類からのリン酸基のような酵素切断可能基を切断して、励起状態の 放射体形態を通じてジオキセタン類を分解させる結果、該励起状態の化学ルミネ センス放射体から脱リン 酸化されたAttoPhosへのエネルギー移動が生じて、この部分を発光させ;(d) 該生物学的物質の存在または量を、蛍光の量の関数として決定する工程とを含む 方法を提供する本発明によって満たされる。 この目的は、更に、表面に結合させるか、または溶液アッセイにおいてかのい ずれかで検出される生物学的物質の存在または濃度についてのバイオアッセイを 実施するためのキットであって、(a)表面に結合された生物学的物質に安定的 に結合する酵素複合体;(b)該酵素複合体が接触したときに、そのエネルギー を移動できる分解生成物へと分解される1,2−ジオキセタン類;および(C) AttoPhoSを含むキットを更に提供する本発明によって満たされる。 〔図面の簡単な説明〕 図1は、CS−Dから脱リン酸化Attoへのエネルギー移動、それによる蛍光形 態でのエネルギーの放出を示す本発明の方法の例示である。 図2(A)〜(D)は、ニトロセルロース膜でのウサギIgGのウエスタンブ ロット解析のCCD画像である。図2の詳細な説明は実施例1に見出すことがで きる。 図3は、化学ルミネセンスの強度(平均および最大値)を示すニトロセルロー ス膜でのウサギIgGのウエスタンブロット解析のグラフである。 図4(A)〜(D)は、PVDF膜でのウサギIgGのウエスタンブロット解 析のCCD画像である。図4は、実施例1で具体的に説明する。 図5は、化学ルミネセンスの強度(平均および最大値)を示すPVDF膜での ウサギIgGのウエスタンブロット解析のグラフである。 図6(A)〜(B)は、CSPD+AttoPhosに対するCSPDのPSA (前立腺特異的抗原)での比較のRLU、5秒間の化学ルミネセンス検出対PS A、ng/mlのグラフである。 図7は、実施例3に記載のとおり、0.25mMCSPD、50%AttoPhos、お よびアルカリ性ホスファターゼで得られた化学ルミネセンスの放出スペクトル( 強度対波長)である。 図8は、実施例3に記載のとおり、1.0mMCSPD、50%AttoPhos、およ びアルカリ性ホスファターゼで得られた化学ルミネセンスのスペクトル(強度対 波長)である。 図9は、実施例3に記載のとおり、0.1mMCSPD、50%AttoPhos、20 %BDMQ、およびアルカリ性ホスファターゼで得られた化学ルミネセンスのス ペクトル(強度対波長)である。 図10は、実施例3に記載のとおり、0.25mMCSPD、50%AttoPhos、 20%BDMQ、およびアルカリ性ホスファターゼで得られた化学ルミネセンス のスペクトル(強度対波長)である。 図11は、実施例3に記載のとおり、0.5mMCSPD、50%AttoPhos、2 0%BDMQ、およびアルカリ性ホスファターゼで得られた化学ルミネセンスの スペクトル(強度対波長)である。 図12は、実施例3に記載のとおり、1.0mMCSPD、50%AttoPhos、2 0%BDMQ、およびアルカリ性ホスファターゼで得られた化学ルミネセンスの スペクトル(強度対波長)である。 図13は、実施例3に記載のとおり、1.0mMCSPD、50%AttoPhos、1 0%BDMQ、およびアルカリ性ホスファターゼで得られた化学ルミネセンスの スペクトル(強度対波長)である。 図14は、実施例3に記載のとおり、1.0mMCSPD、10%AttoPhos、2 0%BDMQ、およびアルカリ性ホスファターゼで得られた 化学ルミネセンスのスペクトル(強度対波長)である。 図15は、実施例3に記載のとおり、1.0mMCSPD、50%AttoPhos、2 .0mg/mlのポリ塩化ビニルベンジルトリフェニルホスホニウム−co−ポリ塩化 ビニルベンジルジメチルアンモニウム(40モル%TPP/60モル%BDMQ )、およびアルカリ性ホスファターゼを用いて得られた化学ルミネセンスの放出 スペクトル(強度対波長)である。 図16は、実施例3に記載のとおり、1.0mMCSPD、50%AttoPhos、2 .0mg/mlのポリ塩化ビニルベンジルトリフェニルホスホニウム−co−ポリ塩化 ビニルベンジルトリブチルアンモニウム(45モル%TPP/55モル%TBQ )、およびアルカリ性ホスファターゼを用いて得られた化学ルミネセンスの放出 スペクトル(強度対波長)である。 図17は、実施例3に記載のとおり、50%AttoPhos、20%BDMQ中での アルカリ性ホスファターゼの30分の前温置後の0時間でのCSPDの添加(0 .25mMの最終濃度)を用いて得られた化学ルミネセンスの放出スペクトル(強 度対波長)である。 図18は、図7〜14および図17のデータから得られた545nm/465nm での放射比を示すグラフである。 図19は、図7〜14および図17のデータから得られた465nmおよび54 5nmでの放射の和を示すグラフである。 図20は、図15および16のデータから得られた545nm/465nmでの放 射比を示すグラフである。 図21は、図15および16のデータから得られた465nmおよび545nmで の放射の和を示すグラフである。 図22は、ビオチニル化DNAの存在を検出するCCDカメラの画像である。 発明を実施するための最良の態様 以下、発明の好適実施態様が示された添付の図面を参照して、本発明をより充 分に説明することにする。しかし、本発明は、異なる多くの形態で具体化するこ とができ、本明細書に記載の実施態様に限定されるとして解されてはならず;む しろ、本出願人は、本開示が完璧かつ完全になり、本発明の範囲を当業者に充分 に伝えるように、これらの実施態様を与えるものである。蛍光測定用基質は、下 記に考察する疎水性以外は具体的に限定されないことに留意しなければならない 。例示の基質は、米国特許第5,208,148 号明細書に開示され、本明細書中に参考 として援用する。 本発明は、疎水性の蛍光測定用基質を利用する。これによって、酵素による活 性化の際に、励起状態のジオキセタン分解生成物である供与体からのエネルギー 移動に応じて放射するよう誘導できる化合物が意図される。供与体が疎水性であ るため、基質は、活性化されたとき、エネルギーおよび移動が生じるように供与 体が移動する、同じ疎水性領域に封鎖されるのに充分なだけ疎水性でなければな らない。 本発明は、物質、または1,2−ジオキセタン類を用いる溶液相アッセイで決 定された生物学的物質の存在もしくは量を、疎水性の蛍光測定用基質であるAtto Phosを用いて決定する方法について記載される。やはり物質の存在または量を決 定するための本発明のキットも、適切な酵素結合体、1,2−ジオキセタン類お よびAttoPhosを用いて記載される。その他の蛍光測定用基質を用いてもよい。 本発明者らは、AttoPhosと併用した1,2−ジオキセタン類は、表面結合アッ セイの特異性と感度の双方を向上させることを初めて見出した。更に、1,2− ジオキセタン類をAttoPhosと併用するこれらのアッセイは、励起に必要な光源の 必要性を軽減する。 具体的には、本発明は、高い量子収率の蛍光、脱リン酸化されたAttoPhosのた めの励起源としての1,2−ジオキセタン類の酵素活性化化学ルミネセンスと結 合した、AttoPhosが有する表面の親和性を用いる。したがって、表面に脱リン酸 化AttoPhosが生成され、アッセイ全体を通じて酵素環境に密接な接近して留まり 、受容体、すなわち脱リン酸化AttoPhosの励起を、いかなる外部機器もなしに、 かつ脱リン酸化AttoPhos以外の発色団の励起の可能性もなしに実施することがで きる。 本方法は、生物学的サンプル中の生物学的物質の存在または量を決定するのに 用いることができる。本方法は、(a)該生物学的サンプルからの生物学的物質 との酵素結合結合体(抗体または核酸プローブ)複合体を形成する工程;(b) AttoPhos(商標)および1,2−ジオキセタン類を、結合した該酵素結合体生物 学的物質複合体に添加する工程;(c)これにより、該酵素結合体の酵素が、At toPhosやジオキセタン類からのリン酸基を切断し、それによって、励起状態の形 態を介してジオキセタン類を分解させる結果、ジオキセタン類という励起状態の 供与体から脱リン酸化AttoPhosという受容体へのエネルギー移動が生じて、それ を発光させ;(d)該生物学的物質の存在または量を、ルミネセンスの量の関数 として決定する工程とを含む。 本発明のキットも、生体高分子の存在または濃度を決定するためであり、(a )それとの添加混合の際に、生物学的物質に結合することになる酵素複合体;( b)該酵素複合体の酵素が接触したときに、励起状態にある分解生成物へと分解 されることになる1,2−ジオキセタン類;および(c)AttoPhosを含む。 本発明のアッセイおよびキットは、水溶性の化学発光性1,2−ジオキセタン 類を用いる。上記に留意したとおり、これらのジオキセタン類は、 当技術に充分に確立されており、それらの化学式および調製は、それ自体は本発 明の新規な面を構成しない。一般に、該アッセイを実施するのに充分な水溶性お よび安定性を水性緩衝液中で示し、酵素との相互作用によって分解かつ化学発光 させられ、そして該酵素によって、酵素に作用されやすい基の切断を生じて分解 を誘導し得るいかなる化学発光性ジオキセタン類も、本発明と組合せて用いるこ とができる。 典型的には、本発明に役立つ1,2−ジオキセタン類は、一般式: [式中、Zは、H、Cl、その他のハロゲン、アルキル、カルボキシルまたはア ルコキシ基であり; R1は、C1〜C20アルキルまたはC1〜C12アリールもしくはアラルキルであ り; Yは、非置換であるか、または電子供与基もしくは電子求引基で置換された、 フェニルもしくはナフチルであり; R2は、Y上でジオキセタンに対してメタ置換されているか、または非共役の OX(式中、Xは、切断されたときに、ジオキセタン類のフェノキシもしくはナ フトキシアニオンを離脱する、酵素切断可能基である)である] を有することになる。 適切なジオキセタン類は、米国特許願第08/057,903号明細書に開示され、その 開示全体を本明細書中に参考として援用する。好適なジオキセタン類は、Xがリ ン酸基であるジオキセタン類を包含する。特に好適なジオ キセタン類は、AMPPD、特にその二ナトリウム塩、およびCSPD、特にそ の二ナトリウム塩を包含する。これらのジオキセタン類を調製する方法は、上記 に引用した、譲渡された特許はもとより、例えばウエイン州立大学に譲渡された 米国特許第4,857,652 号明細書に開示されている。これらのジオキセタン類の調 製、精製および単離は、それ自体は、本明細書に開示かつ請求された発明の新規 な面を構成しない。 AttoPhosは、アルカリ性ホスファターゼの検出のための高感度の蛍光測定用基 質である。AttoPhosの化学構造は、現時点では未知である。しかし、AttoPhosの 化学的特性は既知である。AttoPhosは、JBL Scientificが開発したもので、JBL- Scientificカタログ(1993)よりカタログ番号第1670A で入手できる。 AttoPhosの化学および物理的特性は、下記のとおりである。AttoPhosは、約5 80g/モルの分子量を有する淡黄色結晶状固体である。AttoPhosに対する代謝 回転数は、pH9.0の2.40M DEA(ジエタノールアミン)、0.23mMの MgCl2および0.005重量%のNaN中で、アルカリ性ホスファターゼ1 分子あたり毎分AttoPhos85,400分子である。AttoPhosの溶解度は、pH9. 0の2.4M DEA水性緩衝液中で≧10mMである。最適アルカリ性ホスファタ ーゼ代謝回転は、0.5〜1.5mMのAttoPhosという基質濃度で発生する。Atto Phosは、0.030mMというKm値、および31.412というモル吸光係数を有 する。 アルカリ性ホスファターゼと接触したとき、AttoPhosは、蛍光放射体になるこ とが知られている。この蛍光放射体の分子量は、約290g/モルである。該蛍 光放射体は、励起最大値が430〜450nmの可視範囲内にあって、DEA緩衝 液中で550〜570nmで蛍光が追跡される。 550nmの放射を有する励起の最良の条件は、440nmにある。また、該蛍光放 射体は、560nmに放射最大値を、140nmの大きいストークスシフトを有する 。水中ラマン放射は、470nmで発生し、413nmで励起される。該蛍光放射体 は、0.392MのNa2CO3中、11.0のpHで、係数が26,484である 最大値を418nmに有し、pH>10.0では完全に電離される。 ジオキセタン類は、生物学的結合体(抗体または核酸プローブ)に結合する酵 素複合体に加える。該酵素複合体は、標的の生物学的物質にも結合する。したが って、ジオキセタン類は、該酵素の基質であって、ジオキセタンの本体からの基 質の不安定基の酵素触媒切断は、不安定なオキシアニオンの形成、およびその後 のジオキセタン類の分解を招く。該酵素は、通常、結合体部分と、例えば、ハイ ブリダイゼーション段階ではDNAプローブと、または温置段階では適切な抗体 と複合する結果、生物学的物質との結合を助ける。 ハイブリダイゼーション段階は、標準的な周知の手順を用い、適切なプローブ を用いて実施することができる。 ハイブリダイゼーション段階の代替として、温置段階を、適切な抗体を用いて 、通常の方式で実施することもできる。 該酵素結合体は、生物学的物質に安定的に結合できるいかなる酵素結合体であ ってもよい。酵素結合体の例は、あらゆるリガンド−結合体対、共有結合で結合 した酵素を有するプローブ、またはアルカリ性ホスファターゼで直接的に標識さ れた抗体である。これに代えて、核酸プローブおよび抗体を、ビオチン−〔スト レプト〕アビジンまたは抗原−抗体(例えばジゴキシゲニン−抗ジゴキシゲニン 、フルオレセイン−抗フルオレセイン)その他の類型の組合せを介して酵素で間 接的に標識してもよい。ストレプ トアビジン−アルカリ性ホスファターゼのアルカリ性ホスファターゼで標識した 抗体やDNAプローブのような、誘導体化されたアルカリ性ホスファターゼは、 本発明に役立つ好適な酵素結合体である。 酵素結合体−生物学的物質複合体を形成した後は、結合した、生物学的物質と 複合させた酵素結合体に、AttoPhosおよび1,2−ジオキセタン類を同時に加え るか、またはAttoPhosを最初に加え、脱リン酸化させ、次いで1,2−ジオキセ タン類を加える。 当業者には、それが、エネルギー供与性ジオキセタン放射体フラグメントを、 やはり同じ酵素で局所的に生成されたAtto(商標)に密接に接近させる酵素切断 の方法であることは明白であると思われる。AttoPhos自体は、他の蛍光測定用酵 素基質と同様に、バルク相では非蛍光性である。したがって、ノイズシグナルを 生じるはずのジオキセタン類のいかなる非酵素性分解も、バルク相でのエネルギ ー移動によって増幅されない。すなわち、これは、アッセイを実施するのに用い た表面での固定化を可能にする疎水性の蛍光性形態を生じる酵素反応である。他 の疎水性の蛍光定量用酵素基質を、本発明に用いることもできる。上記に参照し た米国特許第5,208,148 号明細書は、平面的な発蛍光団自体に付着したある範囲 の疎水性部分を含めることによって、特異的に修飾したフルオレセインジグリコ シドを記載している。そのような疎水性基質は、利用する酵素標識がβ−ガラク トシダーゼのようなグリコシダーゼであり、ジオキセタン類が、例えばZ=Cl 、R1=メチル、Y=フェニレンおよびX=β−D−ガラクトピラノシドである 上記の一般的構造を有する、本発明のバイオアッセイを実施するのに役立つはず である。言うまでもなく、ジグリコシドへの前駆体としての、本特許に示した疎 水性ヒドロキシフルオレセイン類を、公知技術を用いて、代わりにリン酸化して 、本発明に役立つ疎水性 のフルオレセインモノ−およびジ−リン酸誘導体を与えてもよい。 酵素は、1,2−ジオキセタン類とAttoPhosの双方からのリン酸基を切断する 。1,2−ジオキセタン類が酵素によって脱リン酸化されるにつれて、形成され たオキシアニオンは励起状態の供与体になり、そのエネルギーが、密接に位置す る受容体、すなわち脱リン酸化AttoPhos放射体へと移動して、それを放射させる 。図1は、1,2−ジオキセタン類(CS-D)から脱リン酸化AttoPhosへとエ ネルギーが移動し、次いで後者が、ルミネセンスの形態でエネルギーを放出する ことを図解している。このエネルギー移動の効率は、AttoPhosの脱リン酸化生成 物、すなわち受容体が、疎水性であり、かつ表面/生物学的物質の部位に固定化 され、そのため、エネルギー供与体である、化学発光性の脱リン酸化1,2−ジ オキセタン類の励起状態のフラグメントに非常に密接な近位にあるために高めら れる。 1,2−ジオキセタン類は、生物学的物質と複合した結合酵素結合体に、0. 01〜2.5mM、好ましくは0.25〜1mMの量で加える。最も好ましくは、0 .25mMの量で1,2−ジオキセタン類を加える。 2.40M ジエタノールアミン(DEA)緩衝水溶液中のAttoPhosを、生物学 的物質と複合した該酵素または酵素結合結合体に、1〜100体積%、好ましく は25〜75体積%の量で加える。最も好ましくは、10〜50体積%のAttoPh osを加える。 上記のとおり、AttoPhosを最初に加えて脱リン酸化させ、次いで1,2−ジオ キセタン類を加えるのが好ましい。AttoPhosの添加と1,2−ジオキセタン類の 添加との間の時間は、好ましくは10〜60分、より好ましくは20〜40分、 最も好ましくは25〜30分である。 シグナルは、水溶性高分子を、AttoPhos、または他の疎水性の蛍光測定用酵素 基質とともに加えることによって、更に強めることができる。本発明を実施する のに役立つ好適な水溶性重合体は、一般的には、重合体オニウム塩、特にホスホ ニウム、スルホニウム、および好ましくはアンモニウム部分に基づく第四級の塩 に基づく。該重合体は、下記に示した一般式(I)を有する: この式中、R1、R2およびR3は、それぞれ、1〜20個の炭素原子を有する 直鎖もしくは分枝鎖の非置換アルキル基、例えばメチル、エチル、n−ブチル、 tert−ブチル、ヘキシルなど;1個以上のヒドロキシル、アルコキシ、例えばメ トキシ、エトキシ、ベンジルオキシもしくはポリオキシエチルエトキシ、アリー ルオキシ、例えばフェノキシ、アミノもしくは置換アミノ、例えばメチルアミノ 、アミド、例えばアセトアミド、またはウレイド、例えばフェニルウレイドで置 換された、1〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキル基;また はフルオロアルカンもしくはフルオロアリール、例えばヘプタフルオロブチルの 基、3〜12個の炭素環炭素原子を有する非置換モノシクロアルキル基、例えば シクロヘキシルもしくはシクロオクチル、1個以上のアルキル、アルコキシもし くは縮合ベンゾ基で置換された、3〜12個の環炭素原子を有する置換モノシク ロアルキル基、例えばメトキシシクロヘキシルもしくは1,2,3,4−テトラ ヒドロナフチル、非置換であるか、あるいは1個 以上のアルキル、アルコキシもしくはアリール基で置換された、それぞれ5〜1 2個の炭素原子数を有する2個以上の縮合環を有するポリシクロアルキル基、例 えば1−アダマンチルもしくは3−フェニル−1−アダマンチル、少なくとも1 環、および全部で6〜20個の炭素原子を有し、非置換であるか、または1個以 上のアルキル、アリール、フッ素もしくはヒドロキシル基で置換されたアリール 、アルカリールまたはアラルキル基、例えばフェニル、ナフチル、ペンタフルオ ロフェニル、エチルフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、フェニルベンジ ルもしくはデヒドロアビエチルであってもよく;R1、R2およびR3のうち少な くとも2個は、それらが結合している第四級窒素原子とともに、飽和または不飽 和の、非置換または置換の、3〜5個の炭素原子、および1〜3個のヘテロ原子 を有し、ベンゼン環付加されていてもよい含窒素、含リンまたは含硫黄環、例え ば1−ピリジニウム、1−(3−アルキルもしくはアラルキル)イミダゾリウム 、モルホリノ、アルキルモルホリニウム、アルキルピペリジニウム、N−アシル ピペリジニウム、ピペリジノもしくはアシルピペリジノ、ベンゾオキサゾリウム 、ベンゾチアゾリウムまたはベンズアミダゾリウムを形成してもよい。 記号X-は、単独または組合せで、ハロゲン化物イオン、すなわちフッ化物イ オン、塩化物イオン、臭化物イオンまたはヨウ化物イオン、硫酸イオン、アルキ ルスルホン酸イオン、例えばメチルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオ ン、例えばp−トルエンスルホン酸イオン、置換アリールスルホン酸イオン、例 えばアニリノナフチレンスルホン酸イオン(各種異性体)、ジフェニルアントラ センスルホン酸イオンのような部分を含むことができる対イオンを表す。過塩素 酸イオン、アルカン酸イオン、例えば酢酸イオン、アリールカルボン酸イオン、 例えばフルオレセイ ンまたはフルオレセイン誘導体、ベンゾ複素環式アリールカルボン酸イオン、例 えば7−ジエチルアミノ−4−シアノクマリン−3−カルボン酸イオン、p−テ レフタル酸イオンのような有機ジアニオンも、X-によって表されてよい。 記号nは、固有粘度またはLALLSの手法によって測定される限りで、その ようなポリ(ビニルベンジル第四級塩)の分子量が約800〜約200,000 (重量平均)、好ましくは約20,000〜約70,000の範囲にわたるよう な数を表す。 Mが窒素であるこれらの重合体、関連する共重合体、および関連する出発材料 の調製法は、G.D.Jonesら、Journal of Polymer Science、25、201、1958;米 国特許第2,780,604 号;第3,178,396 号;第3,770,439 号;第4,308,335 号;第 4,340,522 号;第4,424,326 号明細書、およびドイツ国公開特許第2,447,611 号 公報に開示されている。 記号Mは、リンまたは硫黄を表してもよく、それに対しては、対応するスルホ ニウムまたはホスホニウム重合体が、従来の技術、すなわち米国特許第3,236,82 0 号および第3,065,272 号明細書に記載されている。 本発明の2種類の重合体の調製法は、引用した米国特許明細書に述べられてお り、それ自体は、本発明のいかなる面も構成しない。 異なる2種類以上のペンダントオニウム基を有する共重合体も、本明細書に記 載の本発明に用いてよい: 記号X、M’、R1'、R2'、R3'は、X、M、R1〜R3について上記したとお りである。記号YおよびZは、該共重合体を構成する個々の単量体のモル分率を 表す。したがって、記号YおよびZは、合計が常に1に等しくて、0.01〜0 .99で別個に変動してよい。 好適な部分としては、Mは、NまたはPであり、R1〜R3は、個々に独立に、 非置換であるか、またはヒドロキシル、アミノ、アミド、ウレイド基で更に置換 された、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、ポリシクロ アルキル(例えばアダマンタン)、アラルキルもしくはアリールであるか、ある いは結合して、M原子とのスピロ結合を通じて、複素環式の(場合により他のN 、SもしくはOのヘテロ原子を有する、芳香族の、脂肪族の、または混合の)オ ニウム部分を形成する。 Xは、好ましくは、望みのとおりに、溶解度を上昇させ、またはイオン強度を 変化させるように選ばれ、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、スルホン酸 イオンである。共重合体中では、R1〜R3'は、それぞれ、対応するR1〜R3と 同じか、または異なっていてもよい。好適な重合体の例は、下記を包含する: ポリ塩化ビニルベンジルトリブチルホスホニウム ポリ塩化ビニルベンジルトリオクチルホスホニウム−co−ポリ塩化ビニルベ ンジルトリブチルホスホニウム ポリ塩化ビニルベンジルトリブチルアンモニウム−co−ポリ塩化ビニルベン ジルトリフェニルホスホニウム ポリ塩化ビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウム ポリ塩化ビニルベンジルトリブチルアンモニウム ポリ塩化ビニルベンジルトリヘキシルアンモニウム−co−ポリ塩化ビニルベ ンジルトリブチルアンモニウム(THQ−TBQ) これらのビニルベンジル第四級アンモニウム塩の重合体は、適切な前駆 単量体のラジカル重合によってか、または対応する第三級アミンもしくはホスフ ィンと、ポリ塩化ビニルベンジルとの、もしくはペンダント塩化ベンジル基を有 する共重合体との徹底的なアルキル化によって調製することができる。この同じ 方策を、クロロメチル化ポリフェニレンオキシドまたはポリエピクロロヒドリン のような、他の重合アルキル化剤を用いてとることができる。同じ重合アルキル 化剤を、オキサゾリン開環重合の開始剤として用いることができ、これが、加水 分解後にポリエチレンイミングラフト共重合体を生じる。次いで、そのような共 重合体を、好ましくはアラルキル基で第四級化して、最終重合体を得ることがで きる。 ポリビニルアルコールの水溶性アセタール、および式: 〔式中、各R4は、同じか、または異なる脂肪族置換基であり、X1は、Bronstei n-Bonte らの米国特許第4,124,388 号明細書に開示かつ請求されたとおりのアニ オンである] を有するホルミルベンジル第四級塩を、本発明を実施するのに用いることもでき る。そして、上記の式Iのポリ(ビニルベンジル第四級アンモニウム塩)を調製 するのに用いた個々のビニルベンジル第四級アンモニウム塩単量体を、第四級ア ンモニウム官能基を有しないその他のエチレン性不飽和単量体と共重合させて、 Landらの米国特許第4,322,489 号;Bronstein-Bonte らの米国特許第4,340,522 号;Landらの米国特許第4,424,326 号;Bronstein-Bonte の米国特許第4,503,13 8 号;Bronstein-Bonte の米国特許第4,563,411 号;Cohen らの米国特許第3,89 8,088 号明細書に開示かつ請求されたそれらのような重合体を得ることもできる が、これらの重合体 はすべて、本発明を実施する際に増強物質として用いることもできる。好ましく は、これらの第四級重合体は、式Iのポリ(ビニルベンジル第四級アンモニウム 塩)について上記した範囲内の分子量を有することになる。 当業者には明白であると思われるが、カチオン性ミクロゲルまたは架橋結合ラ テックスの使用は、注型膜の直接的形成に一層適しているが、予め形成した膜の 上塗りに用いることもできる。そのような材料は、写真用媒染剤として周知であ り、2個のエチレン性不飽和基で置換された架橋結合部分を有する単量体混合物 を用いて合成してよい。ラテックスを含有する第四級アンモニウムまたはホスホ ニウム塩は、Campbellらの米国特許第3,958,995 号明細書に記載の方法論を用い て調製することができる。 式IVは、そのような水溶性ラテックス共重合体の有効な部分を一般的に表してい るが、ここで、記号X-、R1、R2およびR3は、上記のとおりである。記号X、 YおよびZは、統一性を与えるために加え合わせなければならないモル分率であ る。 好ましくは、BDMQのような重合体増強剤を、0.01〜26%(0.1〜 250mg/ml)、より好ましくは0.025〜15%(25〜150mg/ml)の量で 、酵素、または酵素結合生物学的物質源に加える。最も好ましくは、0.1〜0 .2%(1〜2mg/ml)の量でBDMQを加える。 脱リン酸化AttoPhosから生じる放射されたシグナルは、励起状態のジオ キセタンの高密度フラグメントからのエネルギー移動励起による。この放射シグ ナルは、緑色の感光薄膜か、またはルミノメーターであるCCDカメラに捕捉す ることができる。検出された放射の量は、生体高分子の存在と、表面結合した生 体高分子の量との双方に応答することになる。生物学的物質の量は、放射の強度 の関数である。 本発明の方法およびキットは、RNA、DNA、タンパク質およびハプテンを 包含するいかなる生物学的物質の存在または濃度を決定するのにも用いることが できる。更に、本発明の方法およびキットは、ウエスタン、サザン、ノーザンブ ロットやDNA配列決定のような、膜で実施される検知に用いることができ、溶 液相アッセイに用いることもできる。溶液に基づくアッセイにおいてか、または 増強重合体を用いるときは、AttoPhosと1,2−ジオキセタン基質との双方の脱 リン酸化生成物を要することがあり、それによって、供与体と受容体の部分の間 の接近を増大させる。 実施例 (実施例1) ニトロセルロースおよびPVDFでのウエスタンブロット(PhotometricsのStar 1というCCDカメラに像形成させた、タンパク質IgGの膜での検出) 標準的な既知の方法を用い、ウサギIgGの希釈物を10%ポリアクリルアミ ドゲル上で電気泳動させた。IgGサンプルは、ニトロセルロースに対しては1 レーンあたり200、66.7、22.2、7.4および2.4ngであり、PV DFに対しては1レーンあたり100、33.3、11.1、3.7および1. 2ngであった。次いで、下記のとおり、タンパク質を膜に移動させた:ゲルを、 移動緩衝液(5mMMOPS、2mM酢酸ナトリウム、20%メタノール、pH7.5 )中で平衡させ、次い で、90ボルト、4℃で1時間、ニトロセルロース(Schleicher and Schuell、 BAS85)またはPVDF(Tropix)に電気移動させた。 移動後、膜をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、PBS中の0.2% カゼイン、0.1%Tween 20(ブロッキング緩衝液)でブロッキングし、ブロッ キング緩衝液中のアルカリ性ホスファターゼ結合ヤギ抗ウサギ抗体(GAR−A P)の10,000倍希釈液とともに30分間温置し、PVDF膜をブロッキン グ緩衝液で5分間ずつ2回洗浄し、PBS中の0.1%Tween 20で2回洗浄し、 すべての膜を、0.1Mジエタノールアミン、1mMMgCl2、pH10(基質緩 衝液)で5分間ずつ2回洗浄し、基質緩衝液中のNitro-Block(Tropix)の20 倍希釈液中で5分間温置し、基質緩衝液で5分間ずつ2回洗浄し、基質緩衝液へ の0.25mMCSPD、および様々な条件下でのAttoPhos中で5分間温置し、プ ラスチック製レポートカバーに密閉し、約1時間温置し、そしてStar IというC CDカメラ(Photometrics)で5分間像形成させた。 Apple Macintosh IIciというコンピューターにIPLab Spectrumというソフトウ エアを用いてインターフェースで接続したStar IのCCDカメラで、化学発光シ グナルを5分間積算することによって、化学ルミネセンスの画像を得た。CCD 画像をNIHのImage というソフトウエアパッケージへと伝達し、各バンドにつ いて、平均および最大の画素強度を測定した。 図2および4に示したCCD画像は、ウエスタンブロットの画像を合成したも のである。ブロットAは、基質緩衝液への0.25mMCSPD中で温置した。ブ ロットBは、0.25mMCSPDおよび50%AttoPhos(50%AttoPhos緩衝液 )中で同時に温置した。ブロットCは、初めに50%AttoPhos(50%基質緩衝 液)中で30分間温置し、AttoPhos を除去し、基質緩衝液で膜を5分間ずつ2回洗浄し、基質緩衝液中の0.25mM CSPDを加えた。ブロットDは、希釈していないAttoPhos標準とともに30分 間温置し、次いで、基質緩衝液で膜を5分間ずつ2回洗浄した後、基質緩衝液中 の0.25mMCSPDを加えた。画像は、CSPDの最初の添加の約1時間後に 得た。図3および5に示したとおり、上記条件のそれぞれに対して、最高希釈に ついての平均および最大シグナル強度をプロットした。 図2〜5に示した結果は、AttoPhosを加え、次いで、設定した時間の後に1, 2−ジオキセタン類を加えることによって、最大強度が得られることを立証して いる。 (実施例2) PSAの免疫検定[Hybritech前立腺特異性抗原(PBA)] 前記製造者が供給するプロトコルおよび試薬を用い、Hybritech のTandem-E PSA キット(カタログ番号4823)からの標準を、検出工程を除いて定量した 。アッセイは、下記のとおり実施した。それぞれ100μlの量の標準を、12 ×75mmのガラス管に一定分量採取した(ゼロ標準を三個ずつおよびその他の標 準を三個ずつ、6通り)。100μlの量のアルカリ性ホスファターゼ結合マウ ス抗PSAを各管に加えた後、添付の捕捉抗PSA抗体を有する1個のビーズを 加えた。次いで、管を170rpm の振盪台上で室温下で2時間温置した。ビーズ を、Hybritech 洗浄液2mlで3回、そして0.1M のジエタノールアミン、1mM MgCl2、pH10(基質緩衝液)で1回洗浄した。次いで、各管に基質を加え た。下記の3種類の基質組成物(管1本あたり200μl)を試験した:0時間 で加えた基質緩衝液への0.25mMCSPD、1mg/mlBDMQ;0時間で加え た基質緩衝液への0.25mMCSPD、1mg/ml BDMQ、50%AttoPhos;30分間の基質緩衝液への50%AttoPhos、1mg/m l BDMQの後、CSPDの添加(最終濃度:0.25mM)。CSPD(または CSPD/AttoPhos混合物)の添加の25分後に、Bertholdの952Tというルミノ メーターで化学発光シグナルを測定した。 図6(A)および図6(B)は、シグナルとシグナル/ノイズ比との双方が、 CSPD単独でよりもCSPDおよびAttoPhosでの方が大きいことを立証してい る。したがって、増大したシグナルは、AttoPhosとのCSPDの併用の結果であ る。 (実施例3) 溶液エネルギー移動(脱リン酸化AttoPhosと脱リン酸化CSPDとの間のエネル ギー移動) 下記は、Spexの放射スペクトルに用いた試料のリストである。全サンプルにつ いて、0.1M のジエタノールアミン、1mMMgCl2、pH10を用いて、2ml の最終溶液に調整した。100%のSapphireが、10.0mg/ml BDMQと等価 である。 1.図7: 0.25mMCSPD、50%AttoPhos、 2.図8: 1.0mMCSPD、50%AttoPhos、 3.図9: 0.1mMCSPD、50%AttoPhos、20%BDMQ、 4.図10:0.25mMCSPD、50%AttoPhos、20%BDMQ、 5.図11:0.5mMCSPD、50%AttoPhos、20%BDMQ、 6.図12:1.0mMCSPD、50%AttoPhos、20%BDMQ、 7.図13:1.0mMCSPD、50%AttoPhos、10%BDMQ、 8.図14:1.0mMCSPD、10%AttoPhos、20%BDMQ、 9.図15:1.0mMCSPD、50%AttoPhos、2.0mg/ml TPP(0.4 )/BDMQ(0.6)、 10.図16:1.0mMCSPD、50%AttoPhos、2.0mg/mlTPP(0. 45)/BDMQ(0.55)、 11.図17:50%AttoPhos、20%BDMQ中のアルカリ性ホスファターゼ の30分の前温置後、0時間でCSPDを添加(0.25mMの最終濃度):時間 =0で、各サンプルにアルカリ性ホスファターゼを加え(最終濃度、1.12× 10-11M)、キュベットを蛍光光度計(Spex Fluorolog)に挿入した。モノクロ メーターのスリットを10mmに設定して、放射スペクトルを得、シグナルをnmあ たり0.5秒について積算した。ほとんどの場合、2、10、20、30、40 、50および60分でスペクトルを記録した。 結果を図7〜21に示す。実験のこの設定は、緩衝液中でのCSPDからAtto Phosへのエネルギー移動を示す。そのような溶液に基づくアッセイは、緩衝液中 で実施する免疫検定で用いられる。図7〜21は、CSPDの脱リン酸化放射体 と脱リン酸化AttoPhosとの間にエネルギー移動が存在することを立証している。 更に、図9〜17は、このエネルギー移動が、増強重合体の存在によって大幅に 改良されることを示す。図7および8は、供与体である脱リン酸化CSPD放射 体の増加は、エネルギー移動、すなわちAtto放射を通じてシグナルを増大させる ことを立証している。本事例では、青色の放射(CSPDの化学ルミネセンス) が増大する。これは、Atto-受容体からのエネルギー移動距離内にないメチルメ タオキシベンゾアートアニオン(CSPD放射体)の集団による可能性がある。 図14は、緑色のシグナルがAtto-を起源とすることを立証しているが、それは 、AttoPhosの濃度が低いときは、エネルギー移動シグナルも非常に低いからであ る。図12は、基質を順に加えたとき、すなわち初めに、脱リン酸化されて基底 状態の放射体を生成するAttoPhosを加え、次いで、脱 リン酸化の際にフラグメント化し、脱リン酸化AttoPhosから蓄積された受容体へ とそのエネルギーを移動する励起状態の供与体を生成するCSPDを加えたとき の相対的なエネルギー移動シグナルを示す。 (実施例4) ビオチニル化DNAの検出 ストレプトアビジンアルカリ性ホスファターゼに結合し、次いで、アルカリ性 ホスファターゼのCSPD1,2−ジオキセタン基質、またはCSPDと蛍光性 アルカリホスファターゼ基質のAttoPhosとの混合物のいずれかとともに温置する ことによって、ビオチニル化DNAを検出した。具体的には、ビオチニル化35 量体を、Pall Biodyne Aというナイロン膜に、トップスポットに210pgとして 配置し、次いで、1:3に逐次希釈した。基質温置工程まで、Tropix Southern- Light (商標)の手順を実施することによって、DNAを検出した。次いで、 各膜を、下記のとおりの異なる基質溶液とともに個別に温置した: (1)アッセイ緩衝液(0.1M DEA、pH10、1mMMgCl2)中の0.25m MCSPD、 (2)アッセイ緩衝液中にAttoPhos溶液50%;1mMCSPD50%、 (3)アッセイ緩衝液中にAttoPhos溶液50%;0.25mMCSPD50%、 (4)AttoPhos溶液中の1mMCSPD、 (5)膜を脱リン酸化AttoPhosで被覆し、次いでアッセイ緩衝液中の0.25mM CSPDとともに温置、 (6)AttoPhos溶液 画像は、いかなる外部光源もなしに、PhotometricsのStar 1というCCDカ メラを光の洩れない箱の中で用いて得た。 図22は、AttoPhosをCSPDと併用したサンプルからの増大した光シグナル を示す。 出願人らは、可能な組合せの広汎な実施態様によって、その発明を例示しよう と努力した。にもかかわらず、可能な組合せは無限であり、具体化し尽くすこと はできない。上記の教示を与えられて、当業者は、これまでの出願書類中には具 体的に例示されていない増強剤および添加物に到達するものと思われる。実施例 は、限定することを意図するものではなく、これまでの開示に与えた、その他の 組合せの特定は、充分に、不当な実験なしに本技術を実施する者の技量の範囲内 にある。そのような組合せは、明示的に限定されるか、または下記に述べる請求 項によって排除されるかしない限り、本発明の範囲内にあるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ, VN (72)発明者 ヴォイタ,ジョン アメリカ合衆国、マサチューセッツ 01776、サッドマリー、メイナード・ファ ーム・ロード 99

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.生物学的サンプル中の物質の存在または量を決定する方法であって、 (a)酵素または酵素結合体を、該サンプルからの該物質と複合させる工程; (b)疎水性の蛍光測定用基質、および下記の式(I): [式中、Zは、H、Cl、その他のハロゲン、アルキル、カルボキシルまたはア ルコキシ基であり; R1は、C1〜C20アルキルまたはC1〜C12アリールもしくはアラルキルであ り; Yは、非置換であるか、あるいは電子供与基もしくは電子求引基で置換された 、フェニルまたはナフチルであり; R2は、Y上でジオキセタンに対してメタ置換されているか、または非共役の (unconjugated)OX(式中、Xは、Xが切断されたとき、ジオキセタンが疎水 性となる酵素切断可能基である)]である で示される1,2−ジオキセタン類を、該結合した酵素複合体に加える工程; (c)これにより、該酵素複合物質の酵素が、該疎水性の蛍光測定用基質と該 ジオキセタン類のそれぞれから酵素切断可能基を切断し、それによって、該ジオ キセタン類を分解させて、励起状態の供与体を形成する結果、該励起状態の放射 体から、受容体としての該蛍光定量用基質へとエネ ルギー移動が生じて、該受容体をして放射させ; (d)該基質の存在または量を放射の量の関数として決定する工程 を含む方法。 2.該物質と複合させた該酵素または酵素結合体に、アンモニウム、ホスホニウ ムおよびスルホニウムの重合体塩よりなる群から選ばれる1以上の増強重合体塩 を加える工程を更に含む、請求項1記載の方法。 3.重合体塩が、ポリ(塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム)(TMQ )、ポリ(塩化ビニルベンジルトリブチルアンモニウム)(TBQ)およびポリ (塩化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム)(BDMQ)よりなる群 から選ばれる、請求項2記載の方法。 4.該物質が、RNA、DNA、タンパク質およびハプテンよりなる群から選ば れる、請求項1記載の方法。 5.疎水性の蛍光測定用基質を、該物質と複合した酵素または酵素結合体に加え 、次いで、酵素が該蛍光測定用基質から酵素切断可能基を切断するのに充分な時 間後に、該1,2−ジオキセタン類を加える、請求項1記載の方法。 6.時間が、25〜30分である、請求項5記載の方法。 7.該1,2−ジオキセタン類が、0.25〜1.0mMの濃度で存在する、請求 項1記載の方法。 8.該蛍光測定用基質が、AttoPhos(商標)であり、2.40Mジエタノールア ミン(DEA)緩衝水溶液の形態で、10〜100体積%の濃度で存在する、請 求項1記載の方法。 9.工程(b)で、AttoPhosおよび1,2−ジオキセタン類に加えて、ポリ(塩 化ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウム)(BDMQ)を1〜2mg/ml の量で加える、請求項8記載の方法。 10.工程(b)の前に、ハイブリダイゼーションまたは免疫複合体形成の工程 を実施する、請求項1記載の方法。 11.該複合させた酵素を膜またはビーズに結合させる、請求項1記載の方法。 12.該疎水性の蛍光測定用基質がAttoPhosである、請求項1記載の方法。 13.生物学的サンプル中の物質の存在または濃度についてのバイオアッセイを 実施するためのキットであって、 (a)添加混合の際、生物学的物質と複合することになる酵素または酵素結合 体; (b)酵素または該酵素複合体が接触したとき、分解生成物へと分解されて、 疎水性の励起状態の供与体を形成する1,2−ジオキセタン類;および (c)疎水性の蛍光測定用基質 を含むキット。 14.生物学的サンプル中の酵素の存在または量を決定する方法であって、 (a)該サンプルに、疎水性の蛍光測定用基質、および式I: 〔式中、Zは、H、Cl、その他のハロゲン、アルキル、カルボキシルまたはア ルコキシ基であり; R1は、C1〜C20アルキルまたはC1〜C12アリールもしくはアラル キルであり; Yは、非置換であるか、あるいは電子供与基もしくは電子求引基で置換された 、フェニルまたはナフチルであり; R2は、Y上でジオキセタンに対してメタ置換されているか、または非共役で あるOX(式中、Xは、Xが切断されたとき、ジオキセタンが疎水性となる酵素 切断可能基である)である] で示されるジオキセタン類を加える工程; (b)該酵素が、該疎水性の蛍光性基質および該ジオキセタン類から酵素切断 可能基を切断する結果、該ジオキセタン類の励起状態の分解生成物から該疎水性 の蛍光性基質へとエネルギー移動が生じる添加混合の後に、該疎水性の蛍光性基 質からの放射の存在または量を検出する工程 を含む方法。 15.生物学的サンプル中の物質の存在または量を決定する方法であって、 (a)酵素または酵素結合体を、該サンプルからの該物質と複合させる工程; (b)疎水性の発蛍光団を該複合体に加える工程、 (c)下記の式: [式中、Zは、H、Cl、C1以外のハロゲン、アルキル、カルボキシルまたは アルコキシ基であり; R1は、C1〜C20アルキルまたはC1〜C12アリールもしくはアラル キルであり; Yは、非置換であるか、あるいは電子供与基もしくは電子求引基で置換された 、フェニルまたはナフチルであり; R2は、Y上でジオキセタンに対してメタ置換されているか、または非共役の OX(式中、Xは、Xが切断されたとき、ジオキセタンが疎水性となる酵素切断 可能基である)である] で示される1,2−ジオキセタン類を、該複合体および発蛍光団に加えるが、こ こで、 該複合体の酵素が、該ジオキセタン類から酵素切断可能基を切断し、それによ って、該ジオキセタン類を分解させて、励起状態の供与体を形成する結果、該励 起状態の供与体から、受容体としての該発蛍光団へとエネルギー移動が生じて、 該受容体を放射させ、そして、 該基質の存在または量を放射の量の関数として決定する工程 を含む方法。
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