JP2002520196A - 合成樹脂を含有する複合材料を分解する方法 - Google Patents

合成樹脂を含有する複合材料を分解する方法

Info

Publication number
JP2002520196A
JP2002520196A JP2000559898A JP2000559898A JP2002520196A JP 2002520196 A JP2002520196 A JP 2002520196A JP 2000559898 A JP2000559898 A JP 2000559898A JP 2000559898 A JP2000559898 A JP 2000559898A JP 2002520196 A JP2002520196 A JP 2002520196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
composite material
circuit board
component
alkali metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000559898A
Other languages
English (en)
Inventor
デートレフ フランク
Original Assignee
デートレフ フランク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デートレフ フランク filed Critical デートレフ フランク
Publication of JP2002520196A publication Critical patent/JP2002520196A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A62LIFE-SAVING; FIRE-FIGHTING
    • A62DCHEMICAL MEANS FOR EXTINGUISHING FIRES OR FOR COMBATING OR PROTECTING AGAINST HARMFUL CHEMICAL AGENTS; CHEMICAL MATERIALS FOR USE IN BREATHING APPARATUS
    • A62D3/00Processes for making harmful chemical substances harmless or less harmful, by effecting a chemical change in the substances
    • A62D3/30Processes for making harmful chemical substances harmless or less harmful, by effecting a chemical change in the substances by reacting with chemical agents
    • A62D3/32Processes for making harmful chemical substances harmless or less harmful, by effecting a chemical change in the substances by reacting with chemical agents by treatment in molten chemical reagent, e.g. salts or metals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A62LIFE-SAVING; FIRE-FIGHTING
    • A62DCHEMICAL MEANS FOR EXTINGUISHING FIRES OR FOR COMBATING OR PROTECTING AGAINST HARMFUL CHEMICAL AGENTS; CHEMICAL MATERIALS FOR USE IN BREATHING APPARATUS
    • A62D3/00Processes for making harmful chemical substances harmless or less harmful, by effecting a chemical change in the substances
    • A62D3/30Processes for making harmful chemical substances harmless or less harmful, by effecting a chemical change in the substances by reacting with chemical agents
    • A62D3/36Detoxification by using acid or alkaline reagents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A62LIFE-SAVING; FIRE-FIGHTING
    • A62DCHEMICAL MEANS FOR EXTINGUISHING FIRES OR FOR COMBATING OR PROTECTING AGAINST HARMFUL CHEMICAL AGENTS; CHEMICAL MATERIALS FOR USE IN BREATHING APPARATUS
    • A62D2101/00Harmful chemical substances made harmless, or less harmful, by effecting chemical change
    • A62D2101/20Organic substances

Abstract

(57)【要約】 本発明は、250℃より高い温度におけるアルキル金属水酸化物との化学反応によって高分子量樹脂部品の構造を破壊し、その後適切な場合、全体的にまたは部分的に再処理することを特徴とする、合成樹脂を含有する複合材料を分解する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
ドイツでは、年間約150万トンの電子部品が廃棄されており、プリント回路
基板がこのスクラップ材料の約20万トンを占めている。こうした回路基板は、
それらの複雑な構造とそれらが含有する有害物質のために、後続の利用のための
処理に関して電子スクラップの内で最も問題がある部品の一つであり、それらが
含有する価値ある物質は、今までのところほとんど利用されてこなかった資源で
ある。廃棄または焼却などの現在使われている処分方法は、漏出水に銅、錫また
は鉛などの有害重金属を導入するか、あるいは臭素含有難燃剤を焼却する時に攻
撃的酸および芳香族ダイオキシンとフランの両方を生じうるので非常に問題であ
る。過去に使われた方法によって回路基板スクラップから金属を回収するために
複雑な手順を用いることがしばしば必要であり、その手順は環境の保護に関する
問題を生じている。
【0002】
【従来の技術】
回路基板は、通常、部品の大規模集合体を備えており、その最も問題なもの(
例えば、電池、キャパシタ、整流器および水銀スイッチ)は処理前に取り外され
る。金メッキコネクターストリップなどの特に価値ある部品も前もって取り外さ
れる。この部分的分解は、今まで使われたすべての方法が少なくとも大雑把な分
解を前もって行うことを前提としているので環境的に許容できる再利用または処
分のために絶対必要である。そうしなければ、有害材料および価値ある材料が混
ざることになり、そうなると回収がより難しくなり、場合によって毒素の放出を
伴うことにもなろう。有害薬剤の放出の危険は、当然高価である密閉装置内です
べての処理工程を実施することによってのみ低下させることができよう。
【0003】 部品と部品を取り外した回路基板の重量比率はほぼ等しい(45%:55%)
。回路基板からのすべての部品の予備的分離は、部品がクロム(約95%)およ
びニッケルと鉄(85%)を含有するのに対して、回路基板内に錫、銅および鉛
(約80%)が存在するので合理的である。必要な手順は知られているが(DE
−PS第42,05,405号、DE−0S第41,31,620号)、一般に
こうした完全な分離は、実際にはまだ行われていない。従って、完全に部品のな
い回路基板は、通常、製造業者が製造していない。
【0004】 部品が取り外された回路基板は、主として、金属(30重量%)、ガラス繊維
(50%)およびポリマー樹脂(20%)から成り、その内、金属のみが今まで
価値があると考えられてきた。これらを回収するために、それらを残りの材料か
ら可能なかぎりうまく濃縮し分離しなければならない。この目的を達成するため
に、幾つかの方法が存在するが、それらを互いに組み合わせることもできる。
【0005】 一つの手順によると、回路基板は、取扱いやすくするために機械的手段によっ
て粗く断片に分け(細断し)、その後、磁気分離機によって強磁性部分を取り除
く。その後、以下の幾つかの手段のいずれかによって微粉砕が行われる。
【0006】 標準粉砕法において、熱応力は、難燃剤からのポリ臭素化芳香族ジベンゾダイ
オキシン(PBDD)およびポリ臭素化ジベンゾフラン(PBDF)を形成させ
うる。
【0007】 凍結粉砕法において、粉砕は非常に低い温度で行われるので、材料は脆くなり
、熱分解生成物の生成を妨げる。しかし、これらの利点は、より高いエネルギー
コストによって相殺され、そのために冷却が直接(例えば、液体窒素による)に
行われても冷凍カスケードを介して間接に行われても、その方法は不適当である
【0008】 部分冷却によって、標準法と凍結法との間の領域は包含される。
【0009】 超音波法において、複合材料は、材料に特有の粒子サイズ分布を生じさせる超
音波によって粉砕される。この方法は極めて高価であるが、この方法によって四
つ以下の異なる金属分(fraction)を単離することが可能になる。
【0010】 粉砕後、部品は、密度、粒径あるいは磁気特性または電気特性によって分離さ
れる。この目的のために、篩い分け装置および選別装置が磁気分離機、渦電流分
離機および静電分離機に加えて用いられる。金属微粒子はすべての成分(fractio
n)に対して分布されているので、価値ある材料の損失は防ぐことができない。
生じる重金属含有ダストの相当な量によって特別な問題が発生している。そのダ
ストの一部が肺に入り、健康に害を及ぼしうるからである。
【0011】 もう一つの手順である湿式粉砕法において、回路基板は、湿っているうちに粉
砕され、そのことは、熱応力から回路基板を保護し、ダストの生成も回避する。
価値ある材料のその後の分離は、通常、浮上分離法に似た方法によって行われ、
その後、乾燥される。
【0012】 金属に富む成分(fraction)は、化学的手段または熱的手段によってさらに処
理される。
【0013】 貴金属の含有率が0.02%より高い場合、貴金属分離プラントに向けて材料
を準備するだけの価値がある。このプロセスにおいて、貴金属は、弱アルカリ性
シアン化物溶液で浸出させ、その後還元によって回収するか、あるいは鉛と共に
高炉内で1000〜1200℃において熱冶金学的に抽出する。その後、精錬炉
内でリサージとして鉛は再び除去される。両方の場合、処理は電気分解によるも
のであり、貴金属を取り出した後の残留物は銅加工に回される。
【0014】 貴金属の含有率が0.02重量%未満の場合、材料は、銅製造プロセスの第2
の段階に移される。ここで、粗銅は、他の重金属を恒久的に密閉すると共に建築
材料(丸石舗装)として用いることができる珪酸鉄スラグを生産するために、シ
リケートの添加によってドラム型炉(ピアス・スミス転換炉)内で鉄を取り除か
れる。その後、銅は電気分解によって清浄化され、陽極スライム中に貴金属を残
す。
【0015】 ポリマーのソルボリシスによる化学的回収の試みは、プロセスの長い反応時間
および高いコストによって今までは挫折してきたが、室温の濃硝酸およびオート
クレーブ内でのより高い温度の適正な溶媒の両方と合わせて、このアプローチを
用いることが可能である。
【0016】 今記載したすべての物理的手順は、同じ一般的な目的の対立を示す。一方で、
材料は、個々の部品を互いに分離できるように極めて微細な断片に分解しなけれ
ばならないが、粉末が細かくなればなるほど、表面効果が材料間の差を一様にす
るので分離を達成することがより難しくなる。他方、分(fraction)の純度と収
率との間のかねあいが必然的に存在する。もう一つの問題は、金属が少ない分(f
raction)をダスト分と合わせて処分しなければならず、それが全量の3分の2
より多いことである。材料の粉末性状および残留重金属汚染によって、廃棄物の
特別な種類のために設計された投棄場または焼却炉中で処分することが義務とな
るべきであるが、通常は、この廃棄物は、通常の投棄場に堆積される。
【0017】 上述したすべての分離手順において、ポリマーおよびガラスを伴う金属分の汚
染は問題であるため、金属を電気分解で精製できる前に材料を分解させることが
必要になる。さらに、残留分の金属含有量は、後続の使用のためにそれを再生す
ることを妨げ、処理をより難しくもする。
【0018】 米国特許第5,580,905号には、アルカリ水酸化物の苛性アルカリ溶液
によって、ポリエステル、特にポリアルキレンテレフタレートを加水分解開裂す
る方法が記載されている。その方法において、混合物は加熱され、ポリエステル
は分解して関連した塩と多価アルコールとを生成する。反応は、アルコールの気
化によってアルコールを分離するために基本的にアルコールの沸点以下、すなわ
ち、約200℃以下の温度で行われる。欄6/30〜32において記載された粉
末水酸化物または溶融水酸化物の使用は、引用した米国特許の開示、すなわち、
この手段によってアルカリ水酸化物の必要な溶液を反応混合物中で直接生成させ
、運転温度がアルコールを気化し蒸留除去できるような温度であるという開示に
全体として関連して考えるべきである。欄4/7〜11において同様に記載され
た明らかにより高い温度にその後加熱することは、明らかにポリエステル材料の
分解にもう関係なく、むしろアルカリテレフタレートがそれでも安定であるよう
な条件下で不純物を熱分解させることに関係する。
【0019】 さらに、特許DE−OS第4,001,897号には、酸素を排除して400
℃より高い温度で(回路)基板をアルカリ水酸化物とアルカリ酸化物との溶融混
合物中に入れる、基板を粉状化する方法が開示されている。その後、酸素を添加
するとアルカリ酸化物は過酸化物に転化され、それはその後、溶融混合物中に拡
散し、炭素含有化合物または水素含有化合物などの基板から得られる酸化可能な
成分を分解する。このプロセスにおいて、アルカリ水酸化物とアルカリ酸化物と
の混合物は、酸化のためのマトリックスとして用いられ(欄1/25〜32)、
燃焼中に生成するような有害ガスの生成を防止する。欄1/29〜34において
開示されているように、合成樹脂またはガラス繊維のいずれかを原料として回収
すると共に再利用することは可能ではない。
【0020】
【発明の概要】
本発明の目的は、金属とガラスとポリマーを含む複合材料を分解する方法を開
発することである。十分に純粋の金属成分、ガラス分およびポリマー成分の単離
は、廃棄物として処理しなければならない残留分の生成を実質的に減少させるか
、あるいは大いに避けることを狙って、それらをさらに処理することを可能にし
ようとするものである。
【0021】 本発明の主題は、溶融アルカリ金属水酸化物中で250℃より高い温度におい
て高分子量合成樹脂を化学反応によって分解する、合成樹脂を含有する複合材料
の部品を分離する方法である。
【0022】 アルカリ金属の好ましい水酸化物は、NaOHおよびKOH、最も好ましくは
NaOHとKOHとの混合物である。こうした混合物中で、水酸化カリウムの比
率は、例えば、3〜60重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。水酸
化カリウムの比較的少ない量(contribution)は、特にこの材料のより高い価格
によって決まる。
【0023】 反応温度は、一般に、260〜400℃の間の範囲、好ましくは280〜37
0℃の間の範囲、最も好ましくは300〜350℃の間の範囲である。最も適す
る温度の選択は、当然、処理しようとする材料の性質と組成に応じて決まり、よ
り高い温度では反応の速度および好ましくない分解生成物の熱的生成が増加する
ことにここで留意するべきである。一般に、さらに、上述した温度範囲内で、水
酸化ナトリウムよりも水酸化カリウムを使用すると、より低い温度で作用するこ
とが可能になり、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとの混合物を使用すると、
温度はなおさらに低下させることが可能である。
【0024】 アルカリ金属水酸化物による複合材料の湿りを促進するか、アルカリ金属水酸
化物の融点を下げるか、あるいは反応条件下で合成樹脂またはその分解生成物に
対して溶媒作用または膨潤作用をもつ補助化学薬剤を用いることにより、反応を
改善することができる。
【0025】 材料の湿潤性を改善するために考慮することができる補助化学薬品は、例えば
、反応温度で安定な界面活性剤である。アルカリ金属水酸化物の融点を低下させ
るものの例には、周期律表の第4族に属する金属の、あるいは無機強酸または無
機弱酸との隣接族に属する金属の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の無機
塩が挙げられる。処理しようとする材料中に既に存在している金属の塩の添加も
反応を改善することが可能である。これによって、外来元素を反応系に導入しな
い利点も得られる。合成樹脂またはその分解生成物の溶液または膨潤を助けるた
めに用いることができる補助化学薬品の一つは、反応条件下で安定である合成樹
脂のオリゴマーフラグメントまたは中間成分である。例えば、エポキシ樹脂を含
有する材料を分解しようとする時、フェノール系中間ビスフェノールAおよびF
(それぞれ4,4’ジフェニロール−2,2−プロパンおよびメタン)を考慮す
ることが可能である。
【0026】 合成樹脂は、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタンなどの
、ポリマーの主鎖が化学的に開裂できる官能基を含む架橋ポリマーまたは非架橋
ポリマーであるが、ポリフタルイミドおよびポリビマリンイミドなどのポリイミ
ド、ポリアラミドおよびポリシアネートエステル、特にエポキシ樹脂が最も一般
に用いられる。これらは原則として、ビスフェノールAおよびビスフェノールF
などのビスフェノールとエピクロルヒドリンの縮合生成物から成る。このリスト
は代表例であり、限定と解するべきではない。限定は化学分解の性質から推測す
ることができ、当業者にとって明らかであろう。
【0027】 用いるべきアルカリ金属水酸化物の量は、広い範囲内で変えることが可能であ
る。もちろん、実際に用いられる量は、少なくとも本プロセスを確実に完結させ
るための十分な量でなければならない。例えば、合成樹脂の50重量%に達する
量でアルカリ金属水酸化物を添加することは十分であろうが、取扱いやすくする
ためにかなりより多い量が用いられる。
【0028】 本方法が極めて簡単なので、他の複合材料に容易に応用できる。例えば、回路
基板および回路基板の部品あるいはそれらの製造において生じた不良品に限定さ
れないが、それらの中に存在する電気技術において一般的な複合材中の金属部品
のために本方法を用いることは特に有利である。「部品」という用語は、ここで
は、プロセッサー、メモリーチップ、抵抗体およびキャパシタなどの、プリント
回路基板上に取り付けられるか、取り付けられうるすべての電子デバイスに関し
て特に用いられる。このリストは代表例であり、限定と解するべきではない。こ
の点において、回路基板上に取り付けられた部品を反応の前に板から分離し、適
切な場合、完全にまたは部分的に、別個に処理することが合理的であるが、必須
ではない。それらは従来の方法によって行うことができる。分離は、例えば、化
学的方法(錫/鉛ストリッピング)、熱的方法(はんだをはがす)または機械的
方法(「削り落とす」)によって行うことができる。
【0029】 回路基板などの複合材料の粉砕のために、市販されているシュレッダー装置を
用いることができる。断片は極端に小さい必要がないので、本プロセスのこの部
分にはそれほど要求が厳しくない。最大の許容できる断片サイズは、処理の後続
段階によって課される要求から当業者によって推測されるであろう。
【0030】 従来技術による複合材料の乾式粉砕中、一般に知られている通り、ダスト様の
部品も生じ、それは濾過によって分離除去され処分される。本発明による方法は
、こうしたダスト状の廃物も、その部品自体単独で、あるいは粉砕された材料と
合わせて、その部品を分離するために処理することができるという利点が得られ
るる。本発明が難燃剤および/または金属を含有するダストの処理のためにも適
することは特別な利点である。その理由は、こららの難燃剤および/または金属
が、電気技術において一般的に用いられる種類の粉砕材料中にしばしば存在する
からである。
【0031】 合成樹脂の化学的分解のために、市販されている反応器を用いることができる
。これらは、主として、不連続運転の場合に撹拌機ボイラーまたはそのカスケー
ドであり、あるいは連続運転の場合に押出機および押出機カスケード、例えば、
二軸スクリュー押出機である。押出機の実質的な利点は、短くて明確な反応時間
である。従って、熱分解生成物(ダイオキシンおよび炭化材料)の生成の危険は
、撹拌機ボイラーを用いる時より実質的に小さい。それに反して、長い停留時間
は、押出機では不可能であるか、あるいは高価な押出機カスケードによってのみ
可能である。実験では、押出機で達成できる反応時間(実施例1〜3)が示され
ている。反応空間のクリーニングも押出機ではより簡単であり、連続運転の場合
には必要でさえないので、押出プロセスは好ましく、二軸スクリュー押出機は、
より良好な混合を生じるので特に適する。
【0032】 複合材料の部品をリサイクルできるように、分解を完了した後、部品を互いに
分離しなければならない。これは、例えば、乾式手段(空気式篩い分け、静電式
)または湿式(浮上分離)手段によって、通常のやり方で行うことができる。両
方の場合、市販されている装置を用いることが可能である。乾式法の利点は主と
してより少ない水およびエネルギー消費であるのに対して、湿式法ではダスト放
出の回避がより簡単にできる。合成樹脂の分解生成物の分離および過剰の試薬の
再生のために、有機溶媒および水性溶媒を用いる抽出プロセスは好ましい。ここ
で再び、市販されている装置を用いることができる。当業者は、抽出操作に適正
な方法および装置を選択することが容易にできる。
【0033】
【実施例1〜3】 クラスFR−4、すなわち、難燃製品のエポキシ樹脂ベース上の、裸のプリン
ト回路基板、すなわち、部品を取り付けていないプリント回路基板を大まかに粉
砕して、得られた断片が20×20mmの面積および1.6mmの厚さになった
。粉砕されたラミネートに同じ重量のアルカリ水酸化物を添加し、混合物を温度
制御された溶融金属浴に入れた。その後、反応は以下の条件下で進行した。実施
例1:NaOHの添加、340℃。実施例2:KOHの添加、320℃。実施例
3:重量で等しい量のNaOHとKOHとの混合物の添加、300℃。すべての
場合、反応時間は、5分未満で、気体の発生を伴って完了した。発生した気体を
水として凝縮させた。反応が終了した後、混合物を冷却し、洗浄水がほぼ中性に
なるまで冷水で洗浄した。分解ポリマーの分離と除去およびその後の乾燥後に、
金属分とガラス分を互いに分離することは簡単なことであった。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月24日(2000.1.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【発明の概要】 本発明の目的は、金属とガラスとポリマーを含む複合材料を分解する方法を開
発することである。十分に純粋の金属成分、ガラス分およびポリマー成分の単離
は、廃棄物として処理しなければならない残留分の生成を実質的に減少させるか
、あるいは大いに避けることを狙って、それらをさらに処理することを可能にし
ようとするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【発明の詳細な説明】 本発明の主題は、溶融アルカリ金属水酸化物中で250〜370℃の温度にお
いて高分子量合成樹脂を化学反応によって分解する、合成樹脂を含有する複合材
料の部品を分離する方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 アルカリ金属の好ましい水酸化物は、NaOHおよびKOH、最も好ましくは
NaOHとKOHとの混合物である。こうした混合物中で、水酸化カリウムの比
率は、例えば、3〜60重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。水酸
化カリウムの比較的少ない量(contribution)は、特にこの材料のより高い価格
によって決まる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 反応温度は、一般に、260〜370℃の間の範囲、好ましくは280〜37
0℃の間の範囲、最も好ましくは300〜350℃の間の範囲である。最も適す
る温度の選択は、当然、処理しようとする材料の性質と組成に応じて決まり、よ
り高い温度では反応の速度および好ましくない分解生成物の熱的生成が増加する
ことにここで留意するべきである。一般に、さらに、上述した温度範囲内で、水
酸化ナトリウムよりも水酸化カリウムを使用すると、より低い温度で作用するこ
とが可能になり、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとの混合物を使用すると、
温度はなおさらに低下させることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 250℃より高い温度、有利には260℃と400℃との間
    の温度、好ましくは280℃〜370℃の間の範囲の温度、特に好ましくは30
    0〜350℃の間の範囲の温度におけるアルカリ金属水酸化物との化学反応によ
    って人工樹脂部品の分子構造を破壊することを特徴とする人工樹脂含有の複合材
    料の分解方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属水酸化物がNaOHまたはKOHであるが
    、好ましくはNaOHとKOHとの混合物であることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属水酸化物による複合材料の湿潤性を改善す
    るか、前記アルカリ金属水酸化物の融点を下げるか、あるいは反応条件下で前記
    人工樹脂またはその分解生成物用の溶媒として作用する補助剤によって前記反応
    を促進することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記人工樹脂がポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、
    ポリウレタン、好ましくはポリイミド、ポリアラミドおよびポリシアネートエス
    テル、ならびに特にエポキシ樹脂などの、化学的に開裂可能な官能基をポリマー
    の主鎖中に含む架橋ポリマーまたは非架橋ポリマーであることを特徴とする請求
    項1〜3の何れか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記複合材料が金属部品を含むことを特徴とする請求項1〜
    4の何れか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 出発材料が電子技術において従来から用いられている複合材
    、特に回路基板、部品あるいは回路基板または部品の製造において生じる廃材料
    から成ると共に、好ましくは、前記回路基板が反応の前に該回路基板に取り付け
    られた前記部品から分離されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記出発材料が粉砕中に生じたダストから成るか、あるいは
    これらのダストを含有し、特に難燃剤および/または金属を含むダストを含有す
    ることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記反応を撹拌機容器、好ましくは、撹拌機容器カスケード
    内で不連続的に行い、あるいは押出機または押出機カスケード、好ましくは二軸
    スクリュー押出機内で連続的に行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記アルカリ金属水酸化物が人工樹脂部品の50重量%に等
    しい量で存在することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記複合材料の前記部品を反応後に互いに分離し、適切な
    場合、後続の使用のために部分的にまたは全体的に回収することを特徴とする請
    求項1〜9の何れか1項記載の方法の変形。
JP2000559898A 1998-07-17 1998-07-17 合成樹脂を含有する複合材料を分解する方法 Pending JP2002520196A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP1998/004467 WO2000003764A1 (de) 1998-07-17 1998-07-17 Verfahren zum stofflichen aufschluss von kunstharz enthaltenden verbundwerkstoffen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002520196A true JP2002520196A (ja) 2002-07-09

Family

ID=8167006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000559898A Pending JP2002520196A (ja) 1998-07-17 1998-07-17 合成樹脂を含有する複合材料を分解する方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1077747B1 (ja)
JP (1) JP2002520196A (ja)
AT (1) ATE210482T1 (ja)
AU (1) AU8976798A (ja)
DE (1) DE59802480D1 (ja)
WO (1) WO2000003764A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541626A (ja) * 2010-11-02 2013-11-14 シュルター、ハルトビク プラスチック材料を少なくとも部分的に分解および/または洗浄するための反応器および方法
JP2014500343A (ja) * 2010-11-02 2014-01-09 シュルター、ハルトビク プラスチック材料を少なくとも部分的に分解、特に解重合および/または洗浄するための反応器および方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2849854B1 (fr) * 2003-01-09 2006-12-15 Electricite De France Procede de valorisation de dechets de materiaux a base de resine epoxyde.

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2509634B1 (fr) * 1981-07-20 1986-10-10 Cirta Ct Int Rech Tech Appliqu Procede de destruction de produits a base de matieres organiques contenant du soufre et/ou des halogenes et applications de celui-ci
DE4001897C2 (de) * 1990-01-21 1999-11-25 Atp Arbeit Tech Photosynthese Verfahren zur umweltfreundlichen Auflösung von Platinen
EP0554761A1 (de) * 1992-02-04 1993-08-11 MENGES, Georg, Prof. Dr.-Ing. Verfahren zum Recycling von Polymerwerkstoffen
CA2140822A1 (en) * 1994-07-21 1996-01-22 Gary D. Schnittgrund Molten salt destruction of composite materials

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541626A (ja) * 2010-11-02 2013-11-14 シュルター、ハルトビク プラスチック材料を少なくとも部分的に分解および/または洗浄するための反応器および方法
JP2014500343A (ja) * 2010-11-02 2014-01-09 シュルター、ハルトビク プラスチック材料を少なくとも部分的に分解、特に解重合および/または洗浄するための反応器および方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE59802480D1 (de) 2002-01-24
AU8976798A (en) 2000-02-07
WO2000003764A1 (de) 2000-01-27
EP1077747A1 (de) 2001-02-28
EP1077747B1 (de) 2001-12-12
ATE210482T1 (de) 2001-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rocchetti et al. Printed circuit board recycling: A patent review
Luda Recycling of printed circuit boards
JP3544834B2 (ja) 混合廃棄物の処理装置
EP1727629B1 (en) Method of processing multicomponent, composite and combined materials and use of so separated components
KR100795288B1 (ko) 구리, 귀금속을 함유하는 스크랩, 슬러지 또는 스크랩 및 슬러지의 처리 방법
WO2012120752A1 (ja) エポキシ樹脂硬化物の分解方法
KR20110087312A (ko) 플라스틱 물질을 함유한 전자폐기물로부터 금속전자폐기물의 회수방법
US5589118A (en) Process for recovering iron from iron-containing material
CN112771742B (zh) 包覆电线的处理方法
JP2002520196A (ja) 合成樹脂を含有する複合材料を分解する方法
CN113412167A (zh) 废电子基板的处理方法
JP3448239B2 (ja) Pcb付着機器のpcb除去方法及びその装置
JP2012188681A (ja) 金属含有品からの金属の回収方法
JP2001151933A (ja) 熱硬化性樹脂の分解処理方法およびリサイクル方法
JPH1176980A (ja) プリント基板の処理方法
JPH11188335A (ja) 廃銅線の処理方法
JPH08164524A (ja) 光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法
JP3304734B2 (ja) シュレッダーダストの処理方法
JP2001079511A (ja) 電子機器用熱硬化性樹脂成形体からの有価物回収方法およびその装置
JP2998734B2 (ja) 超臨界水による無機物の回収方法
DE19712521C2 (de) Verfahren zum stofflichen Aufschluß von Kunstharz und metallische Komponenten enthaltenden Verbundwerkstoffen
JP2003096233A (ja) 熱硬化性樹脂の分解処理方法およびリサイクル方法
JP4090645B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解処理方法
JPH1060547A (ja) アルミニウムスクラップを反射炉用溶解原料とする処理方法
CN101358285A (zh) 一种废弃环氧电路板上金属铜箔的剥离方法