JPH08164524A - 光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法 - Google Patents

光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法

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JPH08164524A
JPH08164524A JP8169194A JP8169194A JPH08164524A JP H08164524 A JPH08164524 A JP H08164524A JP 8169194 A JP8169194 A JP 8169194A JP 8169194 A JP8169194 A JP 8169194A JP H08164524 A JPH08164524 A JP H08164524A
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JP
Japan
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waste
aqueous solution
polycarbonate resin
particles
flakes
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JP8169194A
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English (en)
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Masao Suzuki
将夫 鈴木
Noribumi Morihashi
紀文 森橋
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Teijin Engineering Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Engineering Ltd
Teijin Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08164524A publication Critical patent/JPH08164524A/ja
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカーボネート樹脂を基板とする光磁気記
録ディスク(MOD)の廃棄物から、品質の良好なポリ
カーボネート樹脂を高収率で回収す得る方法を提供す
る。 【構成】 ポリカーボネート樹脂を基板とする光磁気記
録ディスク(MOD)の廃棄物を、塩基水溶液または水
と接触させながら湿式粉砕してフレーク状に粉砕し、こ
れを濃度9重量%以下の塩基水溶液と接触させ30℃以
上75未満の温度範囲で処理した後、酸水溶液で中和
し、水洗した後、乾燥することにより、高品質のポリカ
ーボネート樹脂を効率よく回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録ディスク廃
棄物の処理方法に関するものである。さらに詳細には、
ポリカーボネート樹脂を基板としその少なくとも片面に
ケイ素を含有する誘電体膜及びテルビウムを含有する記
録膜等を順次積層してなる光磁気記録ディスクの廃棄物
を処理して、実質的に異物を含まない高品質のポリカー
ボネート樹脂をフレーク状粒子として効率的に回収する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録ディスク(以下、MODと略
称する)は、ポリカーボネート樹脂の基板の片面又は両
面に、通常、例えばSiN,AlSiN,SiC等のケ
イ素を含有する誘電体膜、例えばTeFeCo,TeF
eCoCr,TeFeCoNb等のテルビウムを含有す
る記録膜、さらにアルミニウムを主体とする金属反射
膜、有機保護膜などが順次積層されて構成されている。
【0003】このようなMODは、製造工程における不
良品、検査不合格品が発生した場合MOD製造業者又は
ポリカーボネート製造業者が引取り、破壊して埋め立て
たり、あるいは焼却する等の方法で処分が行われてき
た。
【0004】しかし、MOD廃棄物をこのような方法で
処分するのは、重大な資源の無駄を招くばかりでなく、
今後ますます増大する廃棄物が地球環境に悪影響を及ぼ
すことも考えられ、社会問題になりつつある。
【0005】しかるに、MOD廃棄物を効率的に処理し
て有用なポリカーボネート樹脂を回収する方法は未だ知
られておらず、その開発が待たれているのが現状であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、かかるMOD廃棄物から経済的、効率的に高品
質のポリカーボネート樹脂を回収する方法を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、MOD廃
棄物から実質的に異物を含まない精製されたポリカーボ
ネート樹脂を物性低下を伴わずに多量に回収する技術を
開発しようと鋭意研究の結果、回収樹脂の品質劣化が少
なく、処理時間が短かく、経済的かつ大量に樹脂を回収
できる本発明の処理方法に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹
脂基板上にケイ素を含有する誘電体膜及びテルビウムを
含有する記録膜等を順次積層してなる光磁気記録ディス
クの廃棄物を、平均径0.5〜10 mm に粉砕し、しか
るのち、この粉砕粒子を濃度9(重量)%以下の塩基水
溶液と75℃未満の温度において接触させることにより
該誘電体膜等を溶解又は剥離させ、次いで、該粒子を酸
水溶液と接触させた後、水洗し、乾燥してフレーク状の
ポリカーボネート樹脂を回収することを特徴とする光学
式ディスク廃棄物の処理方法であり、さらには、上記方
法において、光磁気記録ディスクの廃棄物を粉砕するに
際し、該廃棄物を濃度9(重量)%以下の塩基水溶液又
は水と接触させながら粉砕することを特徴とする光磁気
記録ディスク廃棄物の処理方法である。
【0009】本発明方法により処理されるMODの廃棄
物は、ポリカーボネート樹脂からなる基板上の少なくと
もに片面に、ケイ素を含有する誘電体膜及びテルビウム
を含有する記録膜、金属反射膜、保護層(ハードコート
層)等を順次積層して光磁気記録ディスク(MOD)を
製造する工程からの不用品、在庫処分品等であり、その
大きさは問わない。したがって、上記の構成を有する限
りミニディスクと称されるものも本発明にいうMODに
包含される。
【0010】また、ポリカーボネート樹脂とは、ビスフ
ェノールA系のポリカーボネート樹脂であり、ディスク
基板として汎用されているものを指す。この樹脂は溶融
重合法、界面重合法等いかなる方法で製造されたもので
もよい。
【0011】本発明方法では、まず、処理すべきMOD
を、粉砕機に投入し、平均径0.5〜10 mm のフレー
ク状に粉砕する。この粉砕は、公知の装置を用いて行う
ことができ、たとえば、ハンマークラッシャー、ジョー
ククラッシャー、ハンマーミル、カッターミル、フェザ
ーミル、ターボミル等が採用される。
【0012】本発明方法では、MOD廃棄物を回転式剪
断粉砕機に投入し、湿潤状態で粉砕(湿式粉砕)を行う
のが好ましい。回転式剪断粉砕機により湿式粉砕する場
合、粉砕機のホッパーにノズルを設置し、このノズルか
ら粉砕機の中にー定量の塩基水溶液又は水が連続的に注
入される。
【0013】粉砕粒子(フレーク)の平均径は、0.5
〜10mm、好ましくは1〜5mmの範囲内となるように調
整する。粉砕粒子の平均径が上記の範囲を越えると、後
の塩基性水溶液での処理時間が増大することになり好ま
しくない。一方、下限未満では、回収したポリカーボネ
ート樹脂が再利用の際に、静電気等でハンドリング性が
悪化する。
【0014】湿式粉砕時のMOD廃棄物に対する塩基性
水溶液又は水の量は、通常、廃棄物/塩基性水溶液又は
水の重量比にして、0.1〜5の範囲が適当であり、
0.2〜2の範囲が好ましく用いられる。
【0015】本発明方法において、MODの粉砕に際し
て塩基性水溶液又は水と接触させる方法(湿式粉砕)
は、乾式で粉砕する場合に認められるような著しい静電
気の発生が防止され、粉砕効率が向上するばかりでな
く、微粉発生による回収率の低下や、粉砕時に部分的に
高温となり回収樹脂の物性が低下する等の問題がない。
さらに、粉砕粒子(フレーク)端面の塩基性水溶液又は
水に対する濡れ性が向上し、次の塩基性水溶液処理の所
要時間を短縮できる、等の利点があり、さらに、塩基性
水溶液を用いる場合は、粉砕機中で塩基性水溶液処理を
一部実施することになり、次の塩基性水溶液処理の所要
時間をさらに短縮できる、等の利点もある。
【0016】粉砕は、乾式粉砕、湿式粉砕の場合とも、
常温〜50℃にて実施するのが好ましい。粉砕時間は粉
砕装置の形式により異なるが、通常は10秒〜10分程
度、好ましくは1分〜5分程度とする。
【0017】湿式粉砕では、水を使用することもできる
が、上述した理由により塩基性水溶液の使用が特に好ま
しい。
【0018】ここで使用する塩基性水溶液を調製する塩
基性物質としては、少なくとも大部分が水に溶け、実質
上ポリカーボネート樹脂を溶解せず、かつポリカーボネ
ート樹脂に悪影響を与えないものであれば、その種類を
問わないが、通常は、アルカリ金属又はアルカリ土類金
属の水酸化物が使用され、なかでも、アルカリ金属の水
酸化物が好適に使用される。本発明方法で特に好適な塩
基性物質の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムが挙げられる。
【0019】これらの塩基性物質の水溶液中の濃度は、
9重量%以下、好ましくは1〜8重量%、とするのが適
当である。
【0020】本発明方法では、このように粉砕した、好
ましくは湿式粉砕した、MOD廃棄物のフレーク状粒子
を、次に、塩基性水溶液と接触させる。
【0021】この塩基性水溶液処理により、粉砕により
得られたフレーク状粒子におけるポリカーボネート樹脂
基板上の誘電体膜、記録膜、金属反射膜等の表面層部分
が溶解ないし剥離する。
【0022】この処理で用いる塩基性水溶液を調製する
塩基性物質は、上記の湿式粉砕に用いるものと同様に、
少なくとも大部分が水に溶け、実質上ポリカーボネート
樹脂を溶解せず、かつポリカーボネート樹脂に悪影響を
与えないものであれば、その種類を問わないが、通常
は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が使
用され、なかでも、アルカリ金属の水酸化物が好適に使
用される。
【0023】本発明方法で特に好適な塩基性物質の例
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
【0024】これらの塩基性物質の水溶液中の濃度は、
1〜9重量%、好ましくは1〜8重量%、とする。この
濃度の上限を越える場合は、後述の処理温度においてM
ODの表面層部分の剥離時間が少なくてすむが、ポリカ
ーボネート樹脂自体の好ましからざる反応が生じ、収率
の低下や品質の劣化を招く。一方、濃度が下限未満で
は、収率の低下や品質の劣化の懸念はなくなるが、表面
層が剥離するまで時間を要するので、処理設備の容量が
大きくなり、経済的でない。
【0025】この処理におけるMOD廃棄物に対する塩
基性水溶液の量は、通常、廃棄物/塩基性水溶液の重量
比にして、0.1〜5の範囲が適当であり、0.2〜3
の範囲が好ましく用いられる。なお、この処理で使用す
る塩基性水溶液を前述の湿式粉砕で使用する塩基性水溶
液とを同一組成にすると、塩基性水溶液の循環再使用の
観点から有利であり、工業的に好ましい。
【0026】塩基性水溶液処理の温度は、30℃以上7
5℃未満の範囲内が適当である。この処理温度が75℃
以上になると、上述のような収率の低下や品質の劣化を
招き、これは温度の上昇とともに顕著になる。一方、3
0℃未満では、剥離に要する時間が長くなり、処理の効
率が悪化する。特に好適な処理温度は、40〜70℃の
範囲である。
【0027】処理時間は、採用する処理温度によって異
なるが、一般に、50〜180分、好ましくは60〜1
20分程度である。
【0028】この処理では、MODの粉砕粒子(フレー
ク)を上記温度の塩基性水溶液中に浸した状態で撹拌す
るのが効果的である。
【0029】このような塩基性水溶液処理によって、廃
棄MODのフレーク状粒子から表面層部分が完全に溶解
又は剥離し、実質的に基板部分のポリカーボネート樹脂
からなる粒子(フレーク)となる。
【0030】本発明方法では、処理液からこのポリカー
ボネート樹脂粒子を分離した後、該粒子を稀酸水溶液と
接触させて、該粒子に付着残存している塩基性物質を中
和する。
【0031】塩基性水溶液処理後の液から樹脂粒子(フ
レーク)と母液とを分離するには、遠心濾過又は遠心分
離方式で行うのが好ましい。すなわち、遠心濾過又は遠
心分離方式による分離は処理液中の溶解物及び剥離した
保護塗料などが樹脂粒子(フレーク)への再付着を防止
する上で特に有効である。これに対し、単なる濾過方式
では十分な分離ができず、後述の水洗工程において、さ
らに濯ぎ洗浄を加えねばならない場合がある。
【0032】本発明方法では、塩基性水溶液処理後に粒
子と母液とを分離することなく、直接処理液に酸を添加
混合して中和した後、分離することも可能であるが、こ
の場合、塩基水溶液の循環使用ができず、その上酸成分
を多量に使用することになるので、経済的でない。
【0033】酸水溶液処理(中和処理)に用いる酸性物
質としては、少なくとも大部分が水に可溶性であり、か
つポリカーボネートに悪影響を与えないものであれば、
その種類を問わないが、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸等
の有機酸が好適であり、これらは稀酸水溶液として使用
される。稀酸水溶液の濃度は0.01〜0.5規定が好
ましい。
【0034】本発明方法では、上記稀酸水溶液処理の
後、好ましくはフレークと稀酸水溶液とを分離した後、
粒子(フレーク)を水洗し、さらに、乾燥して、ポリカ
ーボネート樹脂を回収する。回収したフレーク状のポリ
カーボネート樹脂は、必要に応じ、さらに粉砕してもよ
い。
【0035】本発明方法では、上述のごとく、水洗の前
に酸処理を行うことによって、樹脂粒子に付着残存する
塩基性物質が中和され、該物質によるポリカーボネート
樹脂の収率低下や品質劣化を防止するとともに、水洗の
効率化を図ることが可能となる。
【0036】ここでフレークの塩基性水溶液処理後のフ
レークと処理液との分離、稀酸水溶液接触後のフレーク
と中和液との分離及びフレークと水洗液との分離は、遠
心濾過又は遠心分離により行うのが好ましい。
【0037】特に、塩基性水溶液処理後の分離では、通
常の濾過方式ではMOD表面剥離物がフレークに再付着
しやすく高純度のフレークが得にくくなるので、上記の
遠心方式が好ましい。また、遠心方式は上記の分離にお
いて母液の付着量が低いので、中和に要する酸の量を節
約でき、かつ次の水洗が容易になるので経済的である。
【0038】水洗で使用する水は、特に限定されない
が、好ましくは軟水が用いられる。水洗の程度は回収ポ
リカーボネート樹脂の品質が許容される程度に行われ
る。水洗は1回に限らず複数回実施してもよい。
【0039】これらの稀酸水溶液の分離及び水洗におい
ても、遠心濾過又は遠心分離方式を採用するのが好まし
い。
【0040】本発明方法で実施する各処理は、回分方
式、連続方式のいずれで行うこともできる。
【0041】また、本発明方法における酸水溶液による
中和処理及び水洗は、一たん別の容器に移して行うこと
もでき、また、遠心濾過又は遠心分離を行っている過程
に酸水溶液又は水を導入して実施することもできる。
【0042】次に、本発明方法を図面を参照しながらさ
らに詳細に説明する。
【0043】図1は、本発明方法の一実施態様を例示す
る簡略化したフローチャートであり、図中の1は湿式粉
砕工程、2は分離工程、3は塩基性水溶液処理工程、4
は分離工程、5は酸水溶液処理工程、6は分離工程、7
は水洗工程、8は乾燥工程を示す。また、9a、9b、
9cはそれぞれ各分離工程から排出される母液類の処理
工程を示す。
【0044】図1の実施態様において、MODの廃棄物
は、湿式粉砕工程1に供給され、ここで塩基性水溶液又
は水と接触させながら所定の平均粒径の粒子(フレー
ク)になるよう湿式粉砕される。粉砕された粒子を含む
処理液は、分離工程2に送られ、ここで遠心濾過又は遠
心分離方式により粉砕粒子と母液とに分離される。上記
の湿式粉砕工程1と分離工程2とは粉砕機能と分離機能
とを兼ね備えた粉砕装置を使用する場合は、両工程を同
一装置で連続的に実施することもできる。なお、分離工
程2からの母液に塩基性物質を含む場合は、母液処理工
程9aで該母液中に存在する微粉を分離除去した後、液
中の塩基性物質の濃度を調整の上、湿式粉砕工程1に戻
して再利用してもよい。
【0045】分離工程2を経た粒子は、次の塩基性水溶
液処理工程3において、所定温度の塩基性水溶液と接触
しつつ撹拌されて、該粒子から表面層部分が溶解又は剥
離する。この処理液には樹脂粒子(フレーク)と剥離し
た金属片等を含むため、該処理液は次の分離工程4に送
られ、ここで、遠心濾過又は遠心分離方式にて樹脂粒子
と母液とが分離される。母液は処理工程9bで濾過その
他の方法により母液中の剥離物を除去した後、液中の塩
基性物質の濃度を調整して湿式粉砕工程1及び/又は塩
基水溶液処理工程3に戻し、再利用してもよい。
【0046】一方、分離された樹脂粒子(フレーク)
は、次の酸水溶液処理工程5にて、稀酸水溶液と接触し
該粒子に付着残存している塩基性物質が中和され、引き
続く分離工程6において粒子と母液とが分離される。こ
れらの酸水溶液処理工程5と分離工程6とは一体化し
て、酸水溶液による中和と遠心濾過又は遠心分離とを1
つの装置で連続的に実施してもよい。
【0047】ここで分離された母液は、必要に応じて塩
基性物質を添加して中和後、廃液として処理される。一
方、樹脂粒子は次の水洗工程7で水、好ましくは軟水、
によって少なくとも1回洗浄された後、遠心分離方式等
で水が除去され、乾燥工程8で乾燥されて、ポリカーボ
ネート樹脂粒子として回収される。
【0048】水洗温度は、常温でもよいが、必要に応
じ、ポリカーボネート樹脂に悪影響を与えない温度に加
熱した温水で行ってもよい。また、乾燥燥工程8は、樹
脂粒子のまま乾燥する場合は通常50〜150℃程度の
熱風を用いて行われるが、場合によっては窒素、炭酸ガ
ス等の不活性ガスを用いてもよく、減圧乾燥を行っても
よい。樹脂を溶融状態で乾燥する場合は減圧及び/又は
不活性ガスと共用して乾燥することもできる。乾燥工程
8を終えた粒子は、さらに、必要に応じて、再粉砕が行
われる。
【0049】かくして、MOD廃棄物から、効率よく、
品質の良好なポリカーボネート樹脂のフレーク状粒子が
得られる。
【0050】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明の処
理方法を更に詳しく説明するが、本発明は、これにより
何ら制限を受けるものではない。
【0051】[実施例1]ケイ素系の誘電体膜を持つポ
リカーボネート樹脂基板のMOD廃棄物3kgと濃度5
重量%の水酸化ナトリウム水溶液3kgとの混合物を、
穴径6mmのスクリーンを備えた回転剪断式粉砕機に投じ
て、常温で粉砕した。粉砕後、穴径6mmのスクリーンを
備えたスクリーン排出型遠心分離機で母液を分離して、
平均径6mmのMODフレークを得た。
【0052】次いで、該フレークと濃度5重量%の水酸
化ナトリウム水溶液10リットルとを撹拌槽に仕込み、
この撹拌槽内で70℃で撹拌した。その結果、処理開始
後、約70分でMODフレークの表面層がほぼ完全に剥
離して実質的にポリカーボネート樹脂からなるフレーク
となっていることが観察されたので、該フレークを含む
処理液を上記と同じ遠心分離機に移し、ここで樹脂フレ
ークを母液から分離して塩基水溶液処理済みフレークを
得た。該フレーク表面には剥離した表面層の再付着は認
められなかった。
【0053】次いで、上記で得られたフレークと水10
リットルとを撹拌槽に仕込み、撹拌しつつ0.1規定の
塩酸水溶液を滴下しながらpHを6.8に調整した。中
和が完了したので上記と同じ遠心濾過機で分離して、中
和処理済フレークを得た。
【0054】さらにこのフレークへ10リットルの水を
加えて同じ遠心濾過機で分離し、この操作を2回繰り返
して後、乾燥して2.85kgの精製フレークを得た
(回収率95.0%)。
【0055】得られたサンプルを採取し、カーボン蒸着
の後、EDX(日立S510型,加速電圧25kv)で
スペクトルを観察した結果、無機系の元素は認められな
かった。また、SEM(日立S2400型、加速電圧1
5kv)で割り断面を10万倍に拡大したが、ポリカー
ボネート樹脂表面からは誘電体膜、記録膜などは全く観
察されなかった。
【0056】かくして得られた回収ポリカーボネート樹
脂0.7g を100ミリリットルの塩化メチレンに溶解
し、オストワルド粘度計を用いて20℃における比粘度
を測定した粘度平均分子量は15,000であった。ま
た、回収品を成型して透過法で測定した場合の色相(黄
色度)は1.6であり、品質良好であった。
【0057】[実施例2]実施例1と同じポリカーボネ
ート樹脂基板のMOD廃棄物3kgを、穴径6mmのスク
リーンを備えた回転剪断式粉砕機に投じて、常温の水を
注入しながら粉砕した。粉砕後、得られた平均径6mmの
MODフレークを取り出し、撹拌槽に移し、この撹拌槽
内で濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液約10リッ
トルに70℃で撹拌しながら接触させた。その結果、処
理開始から約80分でMODフレークの表面層がほぼ完
全に剥離していることが観察されたので、MODフレー
クを含む処理液を遠心分離機に移し、該分離機でフレー
クを母液から分離して取り出した。
【0058】次の工程で、フレークを常温の稀塩酸水溶
液と接触させてフレークに残存付着している水酸化ナト
リウムを中和した。次いで、処理液を前記と同じ遠心分
離機に移してフレークと母液を分離した。次いで、該フ
レークを水洗槽に入れて軟水で水洗し、水洗後に遠心分
離機で水を分離除去した後、熱風乾燥機に入れて乾燥
し、2.80kgのフレーク状のポリカーボネートを回収
した(回収率93.3重量%)。
【0059】かくして得られた回収品0.7g を100
ミリリットルの塩化メチレンに溶解し、オストワルド粘
度計を用いて20℃における比粘度を測定した粘度平均
分子量は15,100であった。また、回収品を成型し
て透過法で測定した場合の色相(黄色度)は1.6であ
り、品質良好であった。
【0060】[比較例1]実施例1に使用したと同種の
MOD廃棄物3kgを実施例1と同様に粉砕して得たフレ
ークを、撹拌槽内で5重量%の水酸化ナトリウム水溶液
で処理し、次いで実施例1と同様に分離した。該フレー
クを、稀塩酸水溶液による中和処理を施すことなく、実
施例1と同様に10リットルの水で洗浄したが、母液が
中性になるまで6回の繰り返し水洗を必要とした。
【0061】
【発明の効果】以上のような本発明方法によれば、ポリ
カーボネート樹脂を基板とする光磁器記録ディスク(M
OD)の廃棄物から、再利用可能な高品質のポリカーボ
ネート樹脂が、高い収率で回収することができ、そのま
ま成型等の再利用に供することができる。
【0062】すなわち、本発明方法によれば、廃棄物の
粉砕に際し塩基水溶液又は水と接触させることにより、
粉砕機内部の部分的温度上昇がなくなり、かつ粉砕粒子
(フレーク)端面の塩基水溶液に対する濡れ性が向上す
る。その上、塩基水溶液処理の条件を上述の特定範囲に
選定するとともに、水洗前に稀酸水溶液による処理を行
うことにより、回収樹脂の品質劣化を抑制しつつ比較的
短時間で高収率で、そのまま再利用可能なポリカーボネ
ート樹脂を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施態様を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1:湿式粉砕工程 2:分離工程 3:塩基水溶液処理工程 4:分離工程 5:酸水溶液処理工程 6:分離工程 7:水洗工程 8:乾燥工程 9a,9b,9c:各母液の処理工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29B 13/10 9350−4F C08J 11/16 CFD // B29K 69:00 105:26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂基板上にケイ素を
    含有する誘電体膜及びテルビウムを含有する記録膜等を
    順次積層してなる光磁気記録ディスクの廃棄物を、平均
    径0.5〜10 mm に粉砕し、しかるのち、この粉砕粒
    子を濃度9(重量)%以下の塩基性水溶液と75℃未満
    の温度において接触させることにより該誘電体膜等を溶
    解又は剥離させ、次いで、該粒子を酸水溶液と接触させ
    た後、水洗し、乾燥してフレーク状のポリカーボネート
    樹脂を回収することを特徴とする光学式ディスク廃棄物
    の処理方法。
  2. 【請求項2】 光磁気記録ディスクの廃棄物を濃度9
    (重量)%以下の塩基性水溶液又は水と接触させながら
    粉砕することを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録
    ディスク廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 粉砕粒子と接触させる塩基性水溶液が濃
    度1〜9(重量)%の水酸化ナトリウム又は水酸化カリ
    ウムの水溶液であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 粉砕粒子を40〜70℃の塩基性水溶液
    と接触させることを特徴とする請求項1又は請求項3に
    記載の光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 塩基性水溶液処理後の液から、粉砕粒子
    と母液とを遠心濾過又は遠心分離方式により分離するこ
    とを特徴とする請求項1、請求項3又は請求項4に記載
    の光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法。
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