JPH07286064A - 光学式ディスク廃棄物の処理方法 - Google Patents

光学式ディスク廃棄物の処理方法

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JPH07286064A
JPH07286064A JP8169494A JP8169494A JPH07286064A JP H07286064 A JPH07286064 A JP H07286064A JP 8169494 A JP8169494 A JP 8169494A JP 8169494 A JP8169494 A JP 8169494A JP H07286064 A JPH07286064 A JP H07286064A
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JP
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polycarbonate resin
particles
waste
water
aqueous
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JP8169494A
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Noribumi Morihashi
紀文 森橋
Masao Suzuki
将夫 鈴木
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Teijin Engineering Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Engineering Ltd
Teijin Ltd
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Publication date
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    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B17/00Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
    • B29B17/02Separating plastics from other materials
    • B29B2017/0213Specific separating techniques
    • B29B2017/0293Dissolving the materials in gases or liquids
    • B29B2017/0296Dissolving the materials in aqueous alkaline solutions, e.g. NaOH or KOH
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカーボネート樹脂を基板とする光学式デ
ィスク(CD等)の廃棄物から、品質の良好なポリカー
ボネート樹脂を高収率で回収し得る方法を提供する。 【構成】 ポリカーボネート樹脂を基板とする光学式デ
ィスク(CD等)の廃棄物を、塩基水溶液または水と接
触させながら湿式粉砕してフレーク状に粉砕し、これを
濃度9重量%以下の塩基水溶液と接触させ30℃以上7
5℃未満の温度範囲で処理した後、酸水溶液で中和し、
水洗した後、乾燥することにより、高品質のポリカーボ
ネート樹脂を効率よく回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学式ディスク廃棄物
の処理方法に関するものである。さらに詳細には、ポリ
カーボネート樹脂を基板としその少なくとも片面にアル
ミニウム等の金属反射膜等の表面層を設けた光学式ディ
スクの廃棄物を処理して、実質的に異物を含まない高品
質のポリカーボネート樹脂をフレーク状粒子として効率
的に回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)やレーザー
ディスク(LD)等(以下、これらを「CD等」と総称
する)は、ポリカーボネート樹脂からなる基板上の片面
又は両面に、アルミニウム等からなる金属反射膜等を設
け、さらにその上に保護塗料の塗布及び必要な印刷等を
施して製造されている。
【0003】これらのCD等は、製造過程における不良
品や在庫処分品等が発生した場合、製造業者又はポリカ
ーボネート樹脂製造業者が引取り、破壊して埋め立てた
り、あるいは焼却する等の方法で処分が行われてきた。
【0004】しかし、今後ますます増加することが見込
まれるCD等の廃棄物を、このような方法で処分するの
は、重大な資源の無駄を招くばかりでなく、今後ますま
す増大する廃棄物が地球環境に悪影響を及ぼすことも考
えられ、社会問題になりつつある。
【0005】近年、ポリカーボネート樹脂を回収し再成
型して利用する試みもなされているが、従来の方法は、
効率が悪いばかりでなく、回収樹脂の分子量の低下、物
性の低下、着色等の問題があり、大量に再利用すること
は困難なのが現状である。
【0006】例えば、CD廃棄物から有用なポリカーボ
ネート樹脂を回収する方法として、CD表面の金属反射
膜等をブラシで機械的に削り取って基板のポリカーボネ
ート樹脂を回収する方法があるが、この方法は、ブラシ
の屑やショット粉が回収樹脂中に混入するだけでなく、
能率が悪く経済的でない。
【0007】また、CDを粉砕して酸水溶液中で還流し
て表面のアルミニウムなどを剥離する方法(特開平4−
305414号公報参照)が提案されているが、この方
法は、酸水溶液中、高温度で処理するため、処理設備は
耐腐食性の点から高級材質が要求され、結果的に処理コ
ストの増大を招き、経済的でないという問題がある。
【0008】さらに、高濃度の水酸化アルカリを用いて
高温度で処理する方法(特開平4−360035号公報
参照)も提案されているが、この方法によると、表面の
金属部分を剥離除去して得られたポリカーボネート樹脂
の物性が低下するため、そのままでは再成型に利用する
ことは困難であり、また、回収したポリカーボネート樹
脂をフェノールとともに加熱して有用なビスフェノール
A及び/又はジフェニルカ−ボネート等へ変換するいわ
ゆるケミカルリサイクルにおいても、回収率が低下する
こと、残存アルカリによる副反応を促進しやすいこと等
の問題がある。
【0009】これらのアルカリ処理による方法は、アル
カリを用いない前述の方法と比較して経済的に優れた方
法であるが、高濃度のアルカリを用いて長時間の処理を
行う必要があり、生産性ならびに回収樹脂の品質に問題
が残されている。
【0010】また、回収したポリカーボネート樹脂に残
存するアルカリを、稀酸水溶液を用いて中和処理する方
法(特開平5−200379号公報参照)も提案されて
いるが、この特開平5−200379号公報に記載の方
法は、剥離した表面層が樹脂に再付着しやすく、実用的
でない。
【0011】一方、CD等の粉砕では、一般に、回転剪
断式粉砕機が使用されているが、乾燥状態で粉砕する
と、著しい静電気の発生を伴い、粉砕の効率が悪くな
り、かつ微粉の発生により回収率が低下する。さらに、
部分的に高熱が発生し、回収したポリカーボネート樹脂
の物性値が低下することがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来公知の
CD等の廃棄物処理方法における上述のような諸問題を
解消し、CD等の廃棄物から経済的、効率的に高品質の
ポリカーボネート樹脂を回収する新規な方法を提供しよ
うとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、CD等の
廃棄物から基板を構成するポリカーボネート樹脂を回収
するに当たり、回収樹脂の品質劣化を極力少なくした上
で、処理時間が短く、経済的かつ大量に樹脂を回収でき
るプロセスの開発をめざして、鋭意研究の結果、本発明
に到達した。
【0014】すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹
脂基板の上に金属反射膜等を設けた光学式ディスクの廃
棄物を、濃度9(重量)%以下の塩基水溶液中又は水と
接触させながら平均粒径1〜10mmに粉砕し、しかるの
ち、この粉砕物を濃度9(重量)%以下の塩基水溶液と
75℃未満の温度において接触させることにより、該金
属反射膜等を溶解又は剥離させ、次いで、該粒子を酸水
溶液と接触させた後、水洗し、乾燥してフレーク状のポ
リカーボネート樹脂を回収することを特徴とする光学式
ディスク廃棄物の処理方法である。
【0015】本発明方法により処理されるCD等の廃棄
物は、ポリカーボネート樹脂基板上の少なくとも片面に
アルミニウム等からなる金属反射膜等を積層してなる光
学式ディスクの廃棄物であり、その大きさは問わない。
【0016】ここでいうポリカーボネート樹脂とは、ビ
スフェノールA系のポリカーボネート樹脂であり、ディ
スク基板として汎用されているものを指す。この樹脂は
溶融重合法、界面重合法等いかなる方法で製造されたも
のでもよい。
【0017】本発明方法では、まず、処理すべきCD等
を、例えば回転式剪断粉砕機に投入し、湿潤状態で粉砕
(湿式粉砕)を行ってフレーク状の粒子とする。この粉
砕機のホッパーには、ノズルが具備されており、このノ
ズルから一定量の塩基水溶液又は水が連続的に粉砕機の
中に注入される。塩基水溶液又は水の量は、粉砕機の形
式や容量、処理するCD等の量に応じて適宜選定される
が、一般に、CD等の重量に対し1〜10倍量が適当で
ある。
【0018】粉砕粒子(フレーク)の平均径は、1〜1
0mm、好ましくは1〜8mmの範囲内となるように調整す
る。粉砕粒子の平均径が上記の範囲を越えると、後の塩
基水溶液での処理時間が増大することになり好ましくな
い。一方、下限未満では、回収したポリカーボネート樹
脂が再利用の際に静電気等でハンドリング性が悪化す
る。
【0019】この湿式粉砕は、公知の装置を用いて行う
ことができ、例えば、ハンマークラッシャー、ジョーク
クラッシャー、ハンマーミル、カッターミル、フェザー
ミル、ターボミル等が採用される。粉砕は、常温〜60
℃にて実施するのが好ましい。粉砕時間は粉砕装置の形
式により異なるが、通常は10秒〜10分程度、好まし
くは10秒〜3分程度とする。
【0020】この粉砕工程では、水を使用することもで
きるが、塩基水溶液の使用が好ましい。ここで使用する
塩基水溶液を調製する塩基性物質としては、少なくとも
大部分が水に溶け、実質上ポリカーボネート樹脂を溶解
せず、かつポリカーボネート樹脂に悪影響を与えないも
のであれば、その種類を問わないが、通常は、アルカリ
金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が使用され、なか
でも、アルカリ金属の水酸化物が好適に使用される。本
発明方法で特に好適な塩基性物質の例としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
【0021】これらの塩基性物質の水溶液中の濃度は、
9重量%以下、好ましくは1〜8重量%、とするのが適
当である。
【0022】上述のように、粉砕に際し塩基水溶液又は
水と接触させる方法は、乾式で粉砕する方法に比較し
て、(1)粉砕機内部の部分的温度上昇を避け、回収ポ
リカーボネート樹脂の品質劣化を防ぐことができる、
(2)粉砕粒子(フレーク)端面の塩基水溶液又は水に
対する濡れ性が向上する、(3)粉砕時の静電気発生を
防止できる、等の利点があり、さらに(4)塩基水溶液
を用いる場合は、粉砕機中で塩基水溶液処理を一部実施
することで、次の塩基水溶液処理の所要時間を短縮する
ことができる、等の利点もある。
【0023】本発明方法では、このように湿式粉砕して
取り出したCD等の廃棄物のフレーク状粒子を、次に、
塩基水溶液と接触させる。
【0024】この塩基水溶液処理により、粉砕により得
られたフレーク状粒子におけるポリカーボネート樹脂基
板部分からアルミニウム等金属反射膜の少なくとも一部
が溶解し、保護塗料層の剥離が行われる。
【0025】この処理で用いる塩基水溶液を調製する塩
基性物質は、上記の湿式粉砕に用いるものと同様に、少
なくとも大部分が水に溶け、実質上ポリカーボネート樹
脂を溶解せず、かつポリカーボネート樹脂に悪影響を与
えないものであれば、その種類を問わないが、通常は、
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が使用さ
れ、なかでも、アルカリ金属の水酸化物が好適に使用さ
れる。
【0026】本発明方法で特に好適な塩基性物質の例
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
【0027】これらの塩基性物質の水溶液中の濃度は、
1〜9重量%、好ましくは1〜8重量%、とする。この
濃度の上限を越える場合は、後述の処理温度においてC
D等の表面層剥離の時間が少なくてすむが、ポリカーボ
ネート樹脂自体の好ましからざる反応が生じ、収率の低
下や品質の劣化を招く。一方、濃度が下限未満では、収
率の低下や品質の劣化の懸念はなくなるが、表面層が剥
離するまで時間を要するので、処理設備の容量が大きく
なり、経済的でない。
【0028】なお、この処理で使用する塩基水溶液を前
述の湿式粉砕で使用する塩基水溶液とを同一組成にする
と、塩基水溶液の循環再使用の観点から有利であり、工
業的に好ましい。
【0029】塩基水溶液処理の温度は、30℃以上75
℃未満の範囲内が適当である。この処理温度が75℃以
上になると、上述のような収率の低下や品質の劣化を招
き、これは温度の上昇とともに顕著になる。一方、30
℃未満では、剥離に要する時間が長くなり、処理の効率
が悪化する。特に好適な処理温度は、40〜70℃の範
囲である。
【0030】処理時間は、採用する処理温度によって異
なるが、一般に、5〜120分、好ましくは10〜60
分程度である。
【0031】この処理では、CD等の粉砕粒子(フレー
ク)を上記温度の塩基水溶液中に浸した状態で撹拌する
のが効果的である。
【0032】このような塩基水溶液処理によって、CD
等のフレーク状粒子から表面層部分が完全に溶解又は剥
離し、基板部分のポリカーボネート樹脂からなる粒子
(フレーク)となる。
【0033】本発明方法では、処理液からこのポリカー
ボネート樹脂粒子を分離した後、酸水溶液と接触させ
て、該粒子に付着残存している塩基性物質を中和する。
【0034】塩基水溶液処理後の液から樹脂粒子(フレ
ーク)と母液とを分離するには、遠心濾過又は遠心分離
方式で行うのが好ましい。すなわち、遠心濾過又は遠心
分離方式が処理液中の溶解物及び剥離した保護塗料など
の樹脂粒子(フレーク)への再付着を防止する上で特に
有効である。これに対し、単なる濾過方式では十分な分
離ができず、後述の水洗において、さらに濯ぎ洗浄を加
えねばならない場合がある。
【0035】本発明方法では、塩基水溶液処理後に粒子
と母液とを分離することなく、直接処理液に酸を添加混
合して中和した後、分離することも可能であるが、この
場合、塩基水溶液の循環使用ができず、その上酸成分を
多量に使用することになるので、経済的でない。
【0036】酸水溶液処理に用いる酸性物質としては、
少なくとも大部分が水に可溶性であり、かつポリカーボ
ネートに悪影響を与えないものであれば、その種類を問
わないが、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸等の有機酸が好
適であり、これらは稀薄水溶液として使用される。
【0037】本発明方法では、上記酸水溶液処理の後、
好ましくは酸水溶液を分離した後、粒子(フレーク)を
水洗し、さらに、乾燥して、ポリカーボネート樹脂を回
収する。回収したフレーク状のポリカーボネート樹脂
は、必要に応じ、さらに粉砕してもよい。
【0038】本発明方法では、上述のごとく、水洗の前
に酸処理を行うことによって、樹脂粒子に付着残存する
塩基性物質が中和され、該物質によるポリカーボネート
樹脂の収率低下や品質劣化を防止するとともに、水洗の
効率化を図ることが可能となる。
【0039】水洗で使用する水は、特に限定されない
が、好ましくは軟水が用いられ、水洗の程度は回収ポリ
カーボネート樹脂の品質が許容される程度に行われる。
水洗は1回に限らず複数回実施してもよい。
【0040】これらの酸水溶液処理後の分離及び水洗に
おいても、遠心濾過又は遠心分離方式を採用するのが好
ましい。
【0041】本発明方法で実施する各処理は、回分方
式、連続方式のいずれで行うこともできる。
【0042】次に、本発明方法を図面を参照しながらさ
らに詳細に説明する。
【0043】図1は、本発明方法の一実施態様を例示す
る簡略化したフローチャートであり、図中の1は湿式粉
砕工程、2は分離工程、3は塩基水溶液処理工程、4は
分離工程、5は酸水溶液処理工程、6は分離工程、7は
水洗工程、8は乾燥工程を示す。また、9a、9b、9
cはそれぞれ各分離工程から排出される母液類の処理工
程を示す。
【0044】図1の実施態様において、CD等の廃棄物
は、湿式粉砕工程1に供給され、ここで塩基水溶液又は
水と接触させながら所定の平均粒径の粒子(フレーク)
になるよう湿式粉砕される。粉砕された粒子を含む処理
液は、分離工程2に送られ、ここで遠心濾過又は遠心分
離方式により粉砕粒子と母液とに分離される。上記の湿
式粉砕工程1と分離工程2とは粉砕機能と分離機能とを
兼ね備えた粉砕装置を使用する場合は、両工程を同一装
置で連続的に実施することもできる。なお、分離工程2
からの母液に塩基性物質を含む場合は、母液処理工程9
aで該母液中に存在する微粉を分離除去した後、液中の
塩基性物質の濃度を調整の上、湿式粉砕工程1に戻して
再利用してもよい。
【0045】分離工程2を経た粒子は、次の塩基水溶液
処理工程3において、所定温度の塩基水溶液と接触しつ
つ撹拌されて、該粒子から金属反射膜等の表面層部分が
溶解又は剥離する。この処理液には樹脂粒子(フレー
ク)と溶解物、剥離物等とを含むため、該処理液は次の
分離工程4に送られ、ここで、遠心濾過又は遠心分離方
式にて樹脂粒子と母液とが分離される。母液は処理工程
9bで濾過その他の方法により母液中の剥離物を除去し
た後、液中の塩基性物質の濃度を調整して湿式粉砕工程
1及び/又は塩基水溶液処理工程3に戻し、再利用して
もよい。
【0046】一方、分離された樹脂粒子(フレーク)
は、次の酸水溶液処理工程5にて、稀酸水溶液と接触し
該粒子に付着残存している塩基性物質が中和され、引き
続く分離工程6において粒子と母液とが分離される。こ
れらの酸水溶液処理工程5と分離工程6とは一体化し
て、酸水溶液による中和と遠心濾過又は遠心分離とを1
つの装置で連続的に実施してもよい。
【0047】ここで分離された母液は、必要に応じて塩
基性物質を添加して中和後、廃液として処理される。一
方、樹脂粒子は次の水洗工程7にて水、好ましくは軟
水、により少なくとも1回洗浄された後、遠心分離方式
等で水が除去され、乾燥工程8で乾燥されて、ポリカー
ボネート樹脂粒子として回収される。
【0048】水洗温度は、常温でもよいが、必要に応
じ、ポリカーボネート樹脂に悪影響を与えない温度に加
熱した温水で行ってもよい。また、乾燥燥工程8は、通
常50〜150℃、好ましくは80〜120℃程度の熱
風を用いて行われるが、場合によっては窒素、炭酸ガス
等の不活性ガスを用いてもよく、減圧乾燥を行ってもよ
い。この乾燥工程はポリカーボネート樹脂を溶融した状
態で行ってもよい。乾燥工程8を終えた粒子は、さら
に、必要に応じて、再粉砕が行われる。
【0049】かくして、CD等の廃棄物から、品質の良
好なポリカーボネート樹脂のフレーク状粒子が得られ
る。
【0050】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明の処
理方法を更に詳しく説明するが、本発明は、これにより
何ら制限を受けるものではない。
【0051】[実施例1]ポリカーボネート樹脂基板の
コンパクトディスク(CD)の廃棄物3kgを、濃度5
重量%の水酸化ナトリウム水溶液に接触させながら、穴
径6mmのスクリーンを備えた回転剪断式粉砕機に投じ
て、常温で粉砕した。粉砕後、得られた平均径6mmのC
Dフレークを取り出し、撹拌槽に移し、この撹拌槽内で
上記と同濃度の水酸化ナトリウム水溶液約10リットル
に60℃で撹拌しながら接触させた。その結果、処理開
始後、約10分でCDフレークの表面層がほぼ完全に剥
離して実質的にポリカーボネート樹脂からなるフレーク
となっていることが観察されたので、該フレークを含む
処理液を遠心分離機に移し、ここで樹脂フレークを母液
から分離した。
【0052】次の工程で、樹脂フレークを常温の稀塩酸
水溶液と接触させて該フレークに残存付着している水酸
化ナトリウムを中和した。次いで、処理液を前記と同じ
遠心分離機に移して樹脂フレークと母液とを分離した。
次いで、該フレークを同じ遠心分離機にて、軟水によっ
て水洗し、水洗後に水を分離除去した後、70℃の熱風
を循環する乾燥機に入れて乾燥し、2.85kgのフレー
ク状のポリカーボネートを回収した(回収率95.0重
量%)。
【0053】かくして得られた回収品0.7g を100
ミリリットルの塩化メチレンに溶解し、オストワルド粘
度計を用いて20℃における比粘度を測定した粘度平均
分子量は15,000であった。また、回収品を成型し
て透過法で測定した場合の色相(黄色度)は1.6であ
り、品質良好であった。
【0054】[実施例2]ポリカーボネート樹脂基板の
コンパクトディスク(CD)の廃棄物3kgを、穴径6
mmのスクリーンを備えた回転剪断式粉砕機に投じて、常
温の水を注入しながら粉砕した。粉砕後、得られた平均
径6mmのCDフレークを取り出し、撹拌槽に移し、この
撹拌槽内で濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液約1
0リットルに60℃で撹拌しながら接触させた。その結
果、処理開始から約17分でCDフレークの表面層がほ
ぼ完全に剥離していることが観察されたので、CDフレ
ークを含む処理液を遠心分離機に移し、該分離機でフレ
ークを母液から分離して取り出した。
【0055】次の工程で、フレークを常温の稀塩酸と接
触させてフレークに残存付着している水酸化ナトリウム
を中和した。次いで、処理液を前記と同じ遠心分離機に
移してフレークと母液を分離した。次いで、該フレーク
を水洗槽に入れて軟水で水洗し、水洗後に遠心分離機で
水を分離除去した後、80℃の熱風を循環する乾燥機に
入れて乾燥し、2.85kgのフレーク状のポリカーボネ
ートを回収した(回収率95.0重量%)。
【0056】かくして得られた回収品0.7g を100
ミリリットルの塩化メチレンに溶解し、オストワルド粘
度計を用いて20℃における比粘度を測定した粘度平均
分子量は15,000であった。また、回収品を成型し
て透過法で測定した場合の色相(黄色度)は1.6であ
り、品質良好であった。
【0057】[比較例1]実施例1に使用したと同種の
CD廃棄物3kgを、実施例1に使用したと同じ回転剪断
式粉砕機に投じて、乾燥した状態で粉砕し、実施例1と
同様に撹拌槽内で5重量%の水酸化ナトリウム水溶液約
10リットルに60℃で撹拌しながら接触させた。その
結果、処理開始から約40分後にCDフレークの表面層
がほぼ完全に剥離しているのが観察されたので、実施例
1と同様に該フレークを処理液から分離した後、十分に
水洗し、熱風乾燥して、2.55kgのフレーク状ポリカ
ーボネート樹脂を回収した(回収率85.0重量%)。
【0058】かくして得られた回収品を塩化メチレンに
溶解し、オストワルド粘度計を用いて20℃における比
粘度を測定した粘度平均分子量は14,200であり、
回収品の色相(黄色度)は1.7であった。
【0059】[比較例2]実施例1に使用したと同種の
CD廃棄物3kgを、実施例1に使用したと同じ回転剪断
式粉砕機に投じて、乾燥した状態で粉砕し、実施例1と
同様に、撹拌槽内で5重量%の水酸化ナトリウム水溶液
と30分間接触させて処理した後、穴径5mmのスクリー
ンで濾過を行い、フレーク状粒子と母液とを分離した。
この際、濾別されたフレークに表面層が残存しているの
が認められた。
【0060】次いで、このフレークを別の容器に移し、
稀塩酸で中和し、同様に穴径1.5mmのスクリーンで濾
過したが、フレークには若干の剥離物の残存が観察され
た。かくして回収されたポリカーボネートは2.50kg
であった(回収率83.3重量%)。
【0061】得られた回収品を塩化メチレンに溶解し、
オストワルド粘度計を用いて20℃における比粘度を測
定した粘度平均分子量は14,200であり、回収品の
色相(黄色度)は1.7であった。
【0062】
【発明の効果】以上のような本発明方法によれば、ポリ
カーボネート樹脂を基板とする光学式ディスク(CD
等)の廃棄物から、再利用可能な高品質のポリカーボネ
ート樹脂が、高い収率で回収することができ、そのまま
成型等の再利用に供することができる。
【0063】すなわち、本発明方法によれば、廃棄物の
粉砕に際し塩基水溶液又は水と接触させることにより、
粉砕機内部の部分的温度上昇がなくなり、かつ粉砕粒子
(フレーク)端面の塩基水溶液に対する濡れ性が向上す
る。その上、塩基水溶液処理の条件を上述の範囲に選定
するとともに、水洗前に酸水溶液による処理を行うこと
により、回収樹脂の品質劣化を抑制しつつ比較的短時間
で高収率で、そのまま再利用可能なポリカーボネート樹
脂を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施態様を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1:湿式粉砕工程 2:分離工程 3:塩基水溶液処理工程 4:分離工程 5:酸水溶液処理工程 6:分離工程 7:水洗工程 8:乾燥工程 9a,9b,9c:各母液の処理工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B09B 5/00 ZAB B29B 17/00 9350−4F G11B 7/26 7215−5D // B29K 69:00 B09B 5/00 ZAB Q

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂基板の上に金属反
    射膜等を設けた光学式ディスクの廃棄物を、濃度9(重
    量)%以下の塩基水溶液中又は水と接触させながら平均
    粒径1〜10mmに粉砕し、しかるのち、この粉砕物を濃
    度9(重量)%以下の塩基水溶液と75℃未満の温度に
    おいて接触させることにより該金属反射膜等を溶解又は
    剥離させ、次いで、該粒子を酸水溶液と接触させた後、
    水洗し、乾燥してフレーク状のポリカーボネート樹脂を
    回収することを特徴とする光学式ディスク廃棄物の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 塩基水溶液が濃度1〜9(重量)%の水
    酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液であること
    を特徴とする請求項1に記載の光磁気記録ディスク廃棄
    物の処理方法。
  3. 【請求項3】 粉砕粒子を40〜70℃の塩基水溶液と
    接触させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 塩基水溶液処理後の液から、粉砕粒子と
    母液とを遠心濾過又は遠心分離方式により分離すること
    を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の
    光磁気記録ディスク廃棄物の処理方法。
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