JP2002518580A - 低公害燃料油の生産方法 - Google Patents

低公害燃料油の生産方法

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ジャエ ウー リュウ
クァン シク ヨー
ジュ ファン キム
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Abstract

(57)【要約】 多様な石油系炭化水素原料内に天然に少量で存在するNPC(Natural Polar Compound;天然極性化合物)を、接触水添加処理の前に触媒沸点範囲110〜560℃、好ましくは200〜400℃に属する石油形炭化水素原料から除去する低公害燃料の生産方法を提供する。NPCを除去すると触媒工程の効率が向上し、硫黄含量が50ppm(wt)以下であるディーゼル燃料などの環境に優しい製品が生産できる。また、NPCは燃料の潤滑性を向上させるのに使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般に低公害燃料油(cleaner fuel)の製造方法に関するもので、よ
り具体的には、沸点が110〜560℃の範囲に属する石油系炭化水素原料から
NPC(天然極性化合物類;Natural Polar Compounds)を接触水添処理工程の
前段に除去するものに関するものである。NPC除去により接触工程の効率を向
上させ、ディープ水添脱硫により、環境的に好ましい石油製品、特に硫黄含量5
0ppm(wt)以下のディーゼル燃料が生産される。又は、本発明はこのようなN
PCを潤滑性向上剤として利用する方法に関するものである。
【0002】 従来技術 悪化し続けている(ever-worsening)環境汚染問題、特に大気汚染(air qual
ity degradation)により、環境規制政策は全世界的に厳しくなり、そして先進
国では、輸送用燃料に関する厳しい品質規制を強いている。そのような燃料の中
で、ディーゼル燃料は、SOx、NOx、PM(粒子状物質)などの有害な汚染
物質の主要因であると考えられている。最も過酷な規制基準は、ディーゼル燃料
に適用されている。 硫黄含有量、芳香族含有量、多環族含有量、セタン価、T95(95%蒸留温
度)、密度及び粘度のようなディーゼル品質規格(quality specifications)は
、前述の汚染物質の生成に影響を及ぼすことが知られているが、中でも、硫黄含
有量は、燃焼時に二酸化硫黄を形成するので、最も危険な問題となっている。更
に、二酸化硫黄の一部は、水分とともにPMを形成する三酸化硫黄に直ちに転換
される。PMの形成の一因となることに加え、二酸化硫黄や硫酸塩のような硫黄
含有物質は、その中の貴金属触媒を使えなくすることにより、自動車排気後処理
装置に害を与える。 最近、自動車製造者らは、彼らの新規ディーゼルエンジンを将来のテールパイ
プ(tail-pipe)排気規制に適合させるために、ディーゼル燃料の硫黄含有量を
30ppm(wt)以下に減少させるべきであると主張している。従って、UL
SD(超低硫黄ディーゼル)市場が、特に西ヨーロッパで現在出現している。つ
まり、そのような燃料は、従来の500ppm硫黄ディーゼル燃料市場に取って
代わることが期待される。 強化された規制に従って、石油会社は、例えば、既存の設備を改造すること又
は新規工程を導入することにより、環境に優しい石油製品を製造するために、多
大な投資を行っている。しかし、経済的観点から、現在の石油製品の価格構造の
下では、そのような既存の又は新しく開発された工程のいずれも経済的な実現可
能性を示すものではない。それ故、米国や西ヨーロッパの多くの国は、低公害燃
料油の生成においてもたらされる更なる費用を補償する税制優遇などの精油業者
を誘導する(refiner-inducing)政策を実施している。
【0003】 硫黄化合物を硫化水素に転換することによるHDS(水添脱硫)法は、ディー
ゼル燃料から硫黄含有量を減少させるために最も一般的に使用されている。19
50年代末、触媒が硫黄化合物によって使えなくなる傾向があったので、HDS
法はナフサ改質工程の前処理としてまず導入された。その後、様々なHDS法が
開発され、そしてLGO(軽質ガス油)のためのHDS法が1960年代に出現
した。今日、殆どの精油業者はHDS方を使用しており、1994年には、全世
界において灯油及びLGOのHDS法で処理される量(unit capacity)は、原
油蒸留設備で処理される量の21%に達したことが統計により示される。
【0004】 精油業者により現在使用されているHDS法の多くは、許可が不要な(non-li
censed)方法であり、関連する特許の殆どは、触媒の製造及び修正に関する。一
般に、工程変数(process variables)が適宜修正され、かつ適当な触媒が選択
される場合、0.1重量%の硫黄を含有するディーゼル燃料が生成され得る。し
かし、硫黄含有量を50ppm以下に減少させるためには、以下の作用変数、即
ち、触媒活性、反応温度、床容量(bed volume)、及び水素分圧に関する革新的
な改良が必要である。
【0005】 1960年代末に最初に生成されたLGOのHDS触媒が導入されて以来、触
媒活性は2倍になった。しかし、ディープ(deep)HDSを所望のレベルに到達
させるためには、活性を更に向上させなければならない。ディープHDSは、こ
こでは、95%を超える水添脱硫率を表すものと理解される。活性を初期に生成
された触媒と比較して、3.2倍向上させるためには、硫黄含有量を2,000
ppmから500ppmに減少させる必要があり、そして活性を17.6倍向上
させるためには、50ppmの値を達成することが必要とされる。これは、ディ
ープHDSを達成するためには、触媒活性が劇的に向上されない限りは、反応器
の数を増加させなければならず、又は充填率を減少させなければならないことを
意味する。更に悪いことに、触媒中で使用される取り込まれた(impregnated)
金属量の増加及び担体構造の複雑な修正により、触媒は一層高額になっているが
、一方、反応条件が過酷になっているため、触媒寿命は、従来の触媒の1/2〜
1/5に低下している。
【0006】 反応温度は、硫黄含有量を減少させるために上昇させることもできる。しかし
、殆どのHDS法は、0.2%の硫黄レベルのために設計されているので、炉及
び反応器は、設計限界を超えて運転させることができない。また、温度が上昇す
ると、製品の色が悪くなり、及び/又は触媒寿命が短くなる。
【0007】 過去、多くの精油業者は、規制基準に適合させるために、更なる反応器を導入
する方を選択していた。簡単かつ直接的なアプローチであると思われていたから
である。しかし、場所の限界、反応器内の圧力低下の懸念、及び更なる反応器及
び圧縮器のための多大な設備費用があるので、追加できる反応器の数には限界が
ある。
【0008】 反応器の圧力の増加は、先に述べたように、別の方法でも起こり得る。それで
もなお、水素消費の増加は言うまでもなく、高圧反応器、圧縮器、ポンプ及び熱
変換器へ変更する費用は非常に高い。
【0009】 硫黄のほかにも、芳香族含有量をディーゼル燃料の品質基準の一つにすべきか
否かについて、長年議論されていた。それにもかかわらず、芳香族含有量の低い
自動車ディーゼル燃料は、米国及び西ヨーロッパにおいて地方的に既に製造され
、かつ販売されている。しかし、芳香族化合物を飽和させるためには、貴金属触
媒とともに多量の水素が必要であり、かつエネルギー消費もまた顕著に増加する
。また、貴金属触媒の使用は、硫黄及び窒素化合物が触媒を不活性化することを
防ぐために、接触水添処理工程の前に更なるHDS工程を必要とする。
【0010】 硫黄及び芳香族化合物を除去することによりLGOから低公害燃料油を製造す
るために設計される接触水添処理工程のわずかのものが商業的に利用可能であり
、そしてそれらは以下の3つのグループに分類することができる。
【0011】 第1の方法は、単一反応器における高活性のニッケル−モリブデン系触媒を用
いて高温高圧下でHDS(水添脱硫)及びHDA(水添脱芳香族(hydro-dearom
atization))が同時に達成される方法である。しかし、処理率が低い高温高圧
設備は投資費用を著しく増加させ、かつそれでもなお所望の芳香族転換率を達成
することができないので、この方法は幅広くは使用されない。
【0012】 第2の方法は、連続して配置された2つの反応器を利用する。ディープHDS
が、前方の反応器において達成され、一方貴金属触媒が充填された後方の反応器
は、芳香族化合物を減少させる。この方法は、既存のHDS装置の後方に新しい
HDA装置を追加することによって通常構成される。HDA転換率は、独立型(s
tand-alone)HDA装置と比べて顕著に向上される。しかし、投資費用及び運転
費もまた顕著に増加する。
【0013】 第3の方法は、一つの反応器中の向流(countercurrent flow)を利用するこ
とにより高効率でHDS及びHDAが行われるシン−サット法(Syn-Sat proces
s)である。シン−サット法は、他のいずれの方法よりも高い転換率を可能にし
、かつこの方法の経済性は、2段階(two-stage)反応法よりも優れている。そ
れでもなお、シン−サット法は、ディープHDS法に比べて多大な投資費用及び
運転費をやはり必要とする。また、HDS排出流の硫黄化合物含有量を10pp
m(wt)のみにするために、HDA触媒毒に関する綿密な注意が必要とされる
【0014】 そのような方法として、LGOの代わりにVGO(真空ガス油)を使用する水
添分解法が挙げられる。VGOは硫黄含有量及び窒素化合物含有量が高いので、
HDS及び水添分解反応は、高温高圧において2段階反応器中で行われる。水添
分解から得られた灯油及びディーゼル蒸留物は、硫黄を殆ど含有せず、かつLG
OのHDS法からの生成物と比べて、50%未満の芳香族化合物を含有する。し
かし、供給原料の粘度が高いため、反応効率が比較的低く、かつ投資費用は従来
のディープHDS法のほぼ3倍である。
【0015】 提案された他の方法は、シェルの(Shell's)中間蒸留合成(SMDS)法の
ように、ディーゼル蒸留物を生成するために天然ガスを重合するものである。S
MDS法において、天然ガスは、フィッシャー−トロプシュ反応(Fischer-Trop
sch reaction)により合成ガス(syn-gas)に転換され、その後硫黄及び芳香族化
合物を含まないディーゼル蒸留物を生成するために、重合が行われる。しかし、
供給原料がかなり高価であり、かつ反応が3段階で行われるので、高い投資費用
が必要とされる。従って、殆どの精油業者にとっては、彼ら自身で天然ガス田を
有していて、かつガスを液体に転換する工程を天然ガス田の近くに有していない
限り、経済的利益を得ることは困難である。
【0016】 最近、バイオ脱硫法(biodesulfurization process)と呼ばれるバイオ触媒(
bio-catalyst)を使用する新しい技術が開発中である。バイオ脱硫は、HDS法
を補足するものと考えられており、通常のHDSにより除去することが困難な処
理しにくい(refractory)硫黄化合物を選択的に除去する。しかし、バイオ脱硫
法は、それでもなお、大規模処理が必要とされる精油所に適用することができる
十分な反応効率(空間速度が約0.1hr-1)を有さないことが報告されている
。バイオ脱硫は、フェノールのような副生物をも生成する。
【0017】 米国特許第5,454,933号には、HDSで処理されたLGO流から硫黄化合物を
除去することにより、硫黄を含まない(sulfur-free)ディーゼル燃料を生成す
るための吸着法が開示されている。本発明は、同じような吸着原理を使用するに
もかかわらず、HDS装置の硫黄転換率を向上させるために、HDS装置の上流
で(upstream)、硫黄化合物の代わりにNPCが除去される前記特許により開示
された発明とは異なる。
【0018】 吸着は、石油系炭化水素流から硫黄化合物を除去する際には効果的でないこと
が一般に知られている。硫黄化合物は、窒素又は酸素化合物に比べて極性が比較
的低く、供給原料の0.05%もの硫黄化合物を吸着し得る吸着剤を得ることは
困難である。活性炭は、通常、脱着が繰り返し行われるにつれてその吸着効果を
徐々に失う傾向がある。従って、硫黄除去率を維持するためには、吸着剤はより
頻繁に再生されなければならない。しかし、このことは、収量損失及び運転費の
増加を招き、一回の運転サイクルにおいて処理される供給原料の量が減り、かつ
消費される溶媒量が増加する結果となるであろう。
【0019】 米国特許第5,454,933号に開示された発明は、硫黄除去率が維持されるか否か
を示すものではないので、米国特許第5,454,933号において使用されたものと類
似の物性を有する活性炭を使用することにより、一連の実験が行われ、硫黄除去
率は十分ではなく、硫黄除去率は脱着が繰り返されるにつれて低下し、そして脱
着抽出物、即ち副生物の生成が過剰になることが明らかになった。これらの実験
の結果を、以下の比較例18に要約する。
【0020】 米国特許第5,730,860号には、ガソリン製品の生成における30ppm(wt
)以下の硫黄含有量の限界を、通常の水添処理法により克服できる技術が開示さ
れている。この技術によれば、硫黄、窒素、及び酸素化合物(例えば、メルカプ
タン、アミン、ニトリル及び過酸化物)の濃度が高い炭化水素(例えば、流動化
接触分解(fluidized catalytic cracking)ガソリン、ガソリン半製品(half-f
inished gasoline product))が、向流型流動吸着法(counter current-type f
luidizing adsorption process)によって処理され、かつ使用された吸着剤が高
温の水素を用いて再生され、その後ヘテロ化合物によって濃縮された吸着物は、
HDSに付される。しかし、この技術は、沸点の範囲が260℃以上である炭化
水素流には適用できないという限界を有する。また、上記の方法において生成さ
れる副生物が、ディーゼルHDS法において処理されなければならないので、デ
ィープHDS条件下での脱硫操作は、悪影響を及ぼされることもある。それ故、
この技術を適用することは、ガソリンと同時に低ディーゼル燃料が生成されなけ
ればならない現状に対する問題をはらんでいる。
【0021】 その上、植物から抽出された油を約20%の量で用いて既存の石油製品を生成
することによって調製されるバイオディーゼル(bio-diesel)製品は、汚染物質
の量を大幅に低減することが明らかになった。農産物に富む数カ国において、代
替燃料として開発されているこれらのバイオディーゼル製品は、大きな問題を引
き起こすので、それらを通常のディーゼル燃料を約20%用いて生成することが
提案されている。しかし、この場合、貯蔵安定性の点でも大きな問題が引き起こ
される。
【0022】 上記のように、低公害燃料油を生成するために様々な試みが行われているが、
それらは、大規模投資のため経済的に好ましくなく、または技術的限界を有する
【0023】 本発明者らにより、低公害燃料油に関する徹底的かつ綿密な調査が行われ、そ
の結果、吸着又は溶媒抽出のような周知技術によるLGOの前処理が、ディープ
HDS領域において使用される触媒のHDS性能を大きく向上させることが明ら
かになった。本発明の前処理段階中に除去された油留分は、−COOH(ナフテ
ン酸)、−OH(フェノール)、−N(ピリジン)及び−NH(ピロール)のよ
うな官能基を有する様々な種類の化合物、及び以下の実施例4において例示され
たようなジベンゾチオフェンよりも極性の高い硫黄含有化合物からなる。窒素含
有化合物は、主に、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、インドール、ピリジン
、キノリン、アクリジン、及びテトラヒドロキノリンのような複素環化合物であ
る。たとえこれらの留分に飽和芳香族化合物も含まれるとしても、これら留分は
、後述のように極性有機化合物が高いので、比較的極性が高いという特徴を有す
る。そのような極性化合物は、石油系炭化水素全体に微量で存在する。従って、
工程の添加剤又は化学製品等のような合成極性化合物と混同を生じないように、
これらの極性有機化合物を、ここでは、NPC(天然極性化合物)と称する。
【0024】 NPCは、原油供給源、蒸留物の粘度及び前処理により異なる物性及び組成を
有する。LGOから分離されたNPCは、電気的にほぼ中性であり、酸性、塩基
性及び中性化合物に分類することができる。
【0025】 石油製品の沸点が高くなるとNPC含有量が高くなるにもかかわらず、NPG
が比較的少量存在するので、それら化合物の除去は、残りの留分の物性及び化学
的性質、例えば硫黄及び芳香族化合物の粘度範囲及び含有量に、わずかしか影響
を及ぼさない。それ故、NPCは、副生物や不純物とは異なり、触媒又は接触工
程を害さない。NPCは、NPCを誘導する蒸留物と比べて比較的高い極性及び
密度を有するにもかかわらず、HDS法の目的である硫黄転換を達成する必要が
ない。
【0026】 しかし、本発明により、ジベンゾチオフェン(DBT)、や4,6−ジメチル
ジベンゾチオフェン(4,6−DMDBT)のような化合物が転換された場合に
のみ達成され得るディープ脱硫領域において、NPCは、少量でもHDS工程に
大きな悪影響を及ぼすことが明らかになった。従って、本発明者らは、NPCの
除去に関する幅広い調査を行い、吸着や溶媒抽出のような周知技術を、低公害燃
料油を生成するために、HDS装置の上流で効果的な前処理として使用すること
ができることが明らかになっている。
【0027】 炭化水素から不純物又は極性化合物を除去するために、吸着又は溶媒抽出が長
期に渡り幅広く使用されていた。例えば、米国特許第5,300,218号には、ディー
ゼル煙を発生させる物質を除去する際に炭素分子錯体のような最適な吸着剤を使
用することが開示されている。米国特許第4,912,873号にも、着色又はフィルタ
ー詰まりの問題を最少化するために、ポリマー樹脂によりディーゼル燃料及びジ
ェット燃料を処理する吸着法が開示されている。しかし、炭素分子錯体又はポリ
マー樹脂は、有益なNPC除去率を達成するには有効ではなく、かつ本発明のた
めに吸着剤として使用するには高価すぎる。更に、炭素分子錯体又はポリマー樹
脂の適用範囲は、水添処理の触媒活性の向上に関する本発明とは異なる。
【0028】 石油及び石油化学製造法は、接触反応法が大部分を占め、そして永続的な性能
低下から触媒を保護することは重要な問題である。前者の段階又は供給原料に由
来する副生物及び/又は不純物による永続的な声望低下を防ぐために、様々な前
処理法が利用されている。そのような前処理法の中でも、吸着及び溶媒抽出の原
理が一般的に適用されている。典型的な例としては、微細な不純物の堆積を妨げ
る機械的濾過、メロックス法(Merox process)において塩基性触媒を保護するた
めに、そこで原料中のナフテン酸が中和され抽出されるアルカリ洗浄カラム、及
びナフサ改質工程の前に硫黄及びオレフィンを吸着する活性白土(activated cl
ay)カラムが挙げられる。
【0029】 特に、異性化及びエーテル化法は、触媒を害する不純物により弱められやすく
、そして米国特許第5,516,963号、第5,336,834号、第5,2
64,187号、第5,271,834号、第5,120,881号、第5,0
82,987号、第4,795,545号、第4,409,421号に代表的に
開示されたように、そのような不純物を除去するための前処理技術に関して幅広
い調査が行われた。しかし、これらの適用範囲、即ちこれらの参考文献の供給原
料又は方法は、本発明のものとは異なる。
【0030】 米国特許第4,344,841号、第4,343,693号、第4,269,
694号は、水、沈殿物及び添加物が、接触工程、例えばその後の水添処理工程
において、沈殿形成及び装置汚れ(equipment fouling)を引き起こすことを防
ぐための吸着技術に関する。
【0031】 米国特許第4,176,047号には、シリコン系脱泡剤がその後のHDS工
程及びオクタン価を向上させる工程に悪影響を与えることを防ぐディレイド・コ
ーカー法(Delayed Coker process)において、廃アルミナ触媒を使用する吸着
前処理法が開示されている。
【0032】 米国特許第4,300,861号には、水添脱窒により除去することが困難で
ある窒素化合物を重合し、そして沸点を上昇させてそれらを分離することにより
、炭化水素中の窒素含有量を減少させる方法が開示されている。
【0033】 米国特許第3,954,603号には、鉄、コバルト、ニッケル、これら金属
の酸化物若しくは硫化物、又はそれらの混合物を用いて二段階前処理法において
、ヒ素やセレンのような触媒毒となる汚染物質を、シェール油、合成原油、ビチ
ューメン(bitumen)のような炭化水素ストック(stock)から除去する方法が開
示されている。
【0034】 前述のように、従来技術を詳細に調べ、吸着及び/又は溶媒抽出が、製品の品
質向上のため、並びに、前者の段階及び/又は供給原料に由来する添加物、不純
物若しくは副生物により、接触反応工程が物理的に操作できない場合に限り使用
される。本発明の核心であるNPCの除去が、ディープHDS領域において触媒
活性に重大な影響を及ぼすという事実に基づき開発された前処理はこれまで存在
しなかった。
【0035】 発明の要約 本発明の目的は、天然的に原油中に存在するNPCを除去することにより接触
工程を改善することにある。NPCを構成する物質は一般的な工程に使用される
触媒に致命的な活性低下を起こすことはなく、触媒工程のそれぞれの反応経路に
沿って正常に転換される物質である。しかし、97%以上の脱硫率に到達するた
めに必要な高い活性エネルギーを必要とする特定の硫黄化合物を脱硫する場合、
NPCは当該硫黄化合物の反応経路及び反応効率に相当な影響を及ぼす物質であ
る。
【0036】 本発明によれば、吸脱着技術又は溶媒抽出の方法によりNPC形態で前記影響
因子は容易に除去され、かつNPCを除去した原料は1〜2%HDS率が向上す
る。この程度の改善効果は微々たるものと思われるが、このような追加の1〜2
%はディープHDS領域では相当な意味を有し、硫黄含有量が50ppm(wt)以
下のディーゼル燃料を知られている他の方法よりも経済的に生産することを可能
にする。 ディーゼル燃料留分の脱硫及び脱芳香族に関する種々の技術が開発されている
が、それらの方法は精油会社では経済的に実行可能なものとは考えていない。
【0037】 したがって、ディーゼル車からの有害な排気ガスの低減のために硫黄と窒素及
び芳香族含量などが改善された石油製品を経済的に生産することを目的として、
本発明は、先行技術のどこにも記載されていないNPCという特定物質の除去を
包含し、既存触媒の効率を向上させ、かつ過度な投資及び運転費用を必要とする
先行技術の方法に比べて利点を有する。本発明者らはこれを商用化するための努
力の一環として、多くの広範囲な実験の結果、幾つかの吸着剤が連続的にこのよ
うな吸着/脱着反応で再生でき、このようなNPCの除去により、多様な原料に
ついての後続の接触反応工程の性能を向上させることができることが分かった。
【0038】 また、ディープ脱硫による潤滑性悪化に対し、吸着により得られた濃縮NPC
は天然潤滑性向上剤として有効であることも明らかになった。 本発明は大部分の場合、固定床吸着技術(Fixed Bed Adsorption Technology
)を適用して検証されたが、原料の種類に応じて選択できる、流動床吸着(Flui
dized Bed Adsorption)及び溶媒抽出法などの、他のタイプの前処理技術の適用
も本発明の範囲に含まれる。
【0039】 図面の簡単な説明 図1は本発明の基本概念を示す流れ図である。 図2は本発明による吸着工程の概略流れ図である。 図3は実施例13による、2種のNPC−除去原料及び基本原料についての反
応温度に対する製品の硫黄濃度を示すグラフである。 図4は実施例10による、再生回数に対する脱窒率を示すグラフである。
【0040】 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、石油系炭化水素燃料原料からNPCを実質的に除去することに関し
、この除去は、続く水添処理工程における触媒活性を改善し、エンジンでの燃焼
時、特に、PM、NOx及びSOxのような汚染物質の発生が少ない低公害燃料油
の経済的な生産を容易にする。本発明の全体的な概念は図1に示されている。本
発明に使用される石油系炭化水素燃料原料は、沸点範囲110〜560℃、好ま
しくは200〜400℃に属するものである。このような石油原料留分内に天然
的に存在するNPCは吸着又は溶媒抽出により除去できる。1種以上の吸着剤を
用いる吸着によりNPCを除去することは、本発明のために実施された一連の実
験研究により、最も効果的な方法であることが検証された。
【0041】 本発明により生産された炭化水素燃料油は、沸点範囲が110〜400℃、好
ましくは硫黄含量が500ppm(wt)未満、最も好ましくは50ppm(wt)未満で
ある。 したがって、吸着が以下の実施例においては広く使用され、かつ本発明の説明
を簡便にするため、実験は一つのカラム管を用いて実施した。実際の方法では2
基以上の固定床を交互切り換えることで、連続的に吸着及び脱着を行うことがで
きる。
【0042】 本発明によれば、NPCは石油原料留分中のNPC濃度が実質的に減少するよ
うに石油原料留分から除去される。NPC濃度の実質的な減少とは少なくとも5
0%を意味する。すなわち、NPCの少なくとも50%が石油原料留分から除去
される。好ましくは、約60〜90%のNPCが石油原料留分から除去される。 下記の実施例から分かるように、NPCは一つの吸着カラムで吸着と脱着を交
互に行うことにより、炭化水素原料から容易に除去される。石油原料留分から除
去又は抽出されたNPCは、好ましくは5.0〜50wt%の酸素−含有化合物、
5.0〜50wt%の窒素含有ヘテロサイクリック化合物及び0.1〜5.0wt%
の硫黄含有量を示す。好ましくは、除去又は抽出されたNPCは石油原料留分の
0.1〜5.0wt%である。
【0043】 一般に、原料の沸点が高くなるほど、粘度が上昇し、抽出されるNPCの量(
そして、NPCの窒素含量)が増加することになる。したがって、原料によって
、RPA(Ratio of Product to Adsorbent)と、温度及びLHSV(Liquid Ho
urly Space Velocity、h-1)のような吸着前処理工程の操業変数が変わり得る
。このような変数のうち、RPAは前処理工程の操業変数のなかで最も重要なも
のであり、RPAは、一連の吸着、コパージング及び再生段階からなる1回の作
業サイクルにおける吸着剤量に対する処理された製品量の割合と定義される。R
PAが低くなるにつれて、吸着工程及び吸着性能の深刻度(severity)が増加する
【0044】 利用できる吸着剤としては、活性アルミナ、活性白土、フーラー土(Fuller's
earth)、活性炭、ゼオライト、水和アルミナ、シリカゲル及びイオン交換樹脂が
含まれる。水和アルミナ又はシリカゲルは、強い吸着点がなく、水素結合による
吸着メカニズムが再生のために特に好ましい。前述した吸着剤は2種以上を組み
合わせて使用することができ、適切に組み合わせることにより吸着効果を向上さ
せることができる。また、吸着カラムに連続して充填したシリカゲルとイオン交
換樹脂は、シリカゲル又はイオン交換樹脂を使用する場合より、NPC除去に効
果的であることが分かっている。
【0045】 好ましい吸着剤はシリカゲルで、気孔大きさが40〜200Å、比表面積が1
00〜1,000m2/g、気孔容積が0.5〜1.5cc/gである。 本発明による吸着工程の操作スキームは図2に示されている。まず、液化炭化
水素ストリームが二つ以上の吸着塔の一つに交互に一定の時間供給されて、NP
Cが吸着される。一方、NPCが除去された液化炭化水素を後続の接触工程に供
給し、吸着塔内に吸着されたNPCが吸着塔を再生するように、脱着溶媒を用い
て脱着される。脱着溶媒は、通常、炭素数6以下のアルコール類、エーテル類、
ケトン類のなかから選択され、メタノール、メチルターシャリーブチルエーテル
(MTBE)、アセトンなどが例示される。一般的に使用される脱着溶媒は沸点
が低いので、原料又はNPCから蒸留により溶媒を容易に回収される。二つ以上
の固定床を用いる前述した工程の代わりに、流動床、又は移動床により同一の結
果を得ることができる。
【0046】 吸着前処理工程の次に来る触媒反応工程は、HDS、HAD、マイルド水添分
解触媒工程、水添分解触媒工程、又はこれらの組合であることが可能である。こ
れらの方法に使用された触媒は触媒表面上に酸性活性部位があり、極性化合物を
含むヘテロ原子は、このような化合物が活性部位に吸着される傾向があるため、
触媒活性を減少させるが、触媒を永遠に不活性化させるものではない。 また、本発明は、ディープ脱硫の結果生じる潤滑性悪化に対する天然潤滑性向
上剤としてのNPCの使用に関する。
【0047】 このような応用の場合、NPCは、NPC中の窒素含量が実質的に原料の10
倍以上(好ましい50倍以上)高くなり、酸素含有有機酸又はフェノールの含量
が10%、好ましくは15%以上含まれているように濃縮される。NPCは好ま
しくは吸着工程により濃縮され、好ましくは活性炭、ゼオライト、水和アルミナ
、シリカゲル、イオン交換樹脂、及びこれらの組合からなるグループから選択さ
れる吸着剤を用いる。
【0048】 吸着によりNPCがより多く抽出されるほど、窒素、硫黄含量及び全体酸価が
減少する。特に、窒素含量は、実施例4に例示するように、NPC除去率と密接
な関係があることが分かる。また、含酸素化合物の量はNPCの除去によって変
化すると思われるが、処理された炭化水素の酸素含量における変化を追跡するこ
とは、変化が酸素含量分析の誤差範囲内で起こるため極めて難しい。NPC除去
率はNPC重量を測定し、比較すれば正確に定量化できるが、測定には非現実的
な長時間を要する。したがって、窒素含量が実施例4に例示するように比較的小
さい誤差範囲で分析しやすいので、NPC除去率は以下の実施例では窒素含量の
変化で表わす。
【0049】 実施例1 本発明において、原料として使用されたLGO及び軽質サイクルオイル(LC
O)は原油の種類によって性状が変わる。表1に種々のLGO及びLCOの性状
及び組成が記載されている。これらの原料は本発明に関連して代表的に使用され
る。前述したように、使用される原料によってNPCの組成又は特性が変わり得
るが、これにより本発明が制限されるものではない。表1中の“A”、“B”、
“C”はそれぞれ沸点及び硫黄含量、窒素含量が異なるLGOであり、“D”は
常圧残滓油(AR)流動接触分解(FCC)工程から生産されたLCOである。
【0050】
【表1】
【0051】 実施例2 本発明では、カラムクロマトグラフィーに一般に使用されるシリカゲル、アル
ミナ、イオン交換樹脂を吸着剤に使用した。表2は使用した吸着剤の物性を示す
【0052】
【表2】
【0053】 実施例3 いろいろな吸着剤のNPC除去能を比較するため、0.3〜0.5mmの直径
を有する表1のaからgまでのシリカゲルを用いて実験を行った。吸着/脱着工
程は以下の通りである。 1)同心円状態のガラス管の内側管に吸着剤40ccを充填した。 2)二重管の反応器外部は水を50℃で一定に循環させて吸着剤の温度を一定
に維持させた。 3)吸着剤の充填された内側反応器に200cc/hrの速度で400ccのLGO
“A”を通過させた。 4)前記段階3)の終了後、非極性溶媒であるヘキサン80ccを、200cc/h
rで内側反応器に通過させた。
【0054】 5)内側反応器を窒素でパージした。 6)前記段階3)、4)及び5)で得た生成物を一緒に混合した。 7)前記段階6)の生成物を回転蒸発器で溶媒から分離し、残留物は“NPC
除去されたLGO”とした。 8)前記段階5)の完了時、極性の強い溶媒であるMTBE80ccを、200
cc/hrで内側管に通過させた。 9)再び、内側管を窒素でパージした。 10)前記段階8)及び9)から得た生成物を一緒に混合した。 11)前記段階10)の生成物を回転蒸発器で溶媒から分離し、残留物は“N
PC”とした。 12)前記段階3)〜11)の過程をさらに2回繰り返した。 13)吸着剤b〜gについて、それぞれ前記段階1)〜12)の過程を繰り返
した。
【0055】
【表3】
【0056】 窒素除去率は[(原料のN−生成物のN)×100]/(原料のN含量)とし
て決定し、生成物のNは吸着処理された炭化水素の窒素含量である。 吸着剤の性能と物性との比較によると、吸着性能は気孔の容積、気孔大きさ及
び比表面積に密接な関連があることが分かる。すなわち、気孔容積が大きくなる
ほど吸着性能がよく、気孔容積が増加するほど気孔大きさは増加する反面、比表
面積は減少する。 その結果から、気孔容積0.5〜1.5cc/g、気孔大きさ40〜200Å、比
表面積10〜1000m2/gのシリカゲル吸着剤がLGO処理に好ましい。例
えば、気孔容積が0.5cc/g未満であるか、気孔大きさが40Å未満である場合
、吸着は効果的でない。一方、吸着剤の気孔大きさが大きすぎる場合、吸着剤の
物理的強度が相当に弱くなり、表面積も著しく減少する。
【0057】 実施例4 前記実施例3で得られたNPCに対する化学種分析をつぎのように行った。 1)1m×2.5cmの中圧(Medium pressure)クロマトグラフィー用ガラ
スカラムにシリカゲル(Merck Silica gel 60, 70〜230mesh ASTM)103.4
7g(200ml)を充填した。 2)実施例3で得られたNPC10.00gをn−ペンタンに溶かして入れ、
n−ペンタン500ml;混合溶媒(n−ペンタン:トルエン=1:1)500
ml;トルエン500ml;メタノール500mlを順次カラムに流す。 3)溶出フラクションF1〜F6が得られ、第1から第4フラクションまで(
F1〜F4)は250mlずつ分けて受け、第5フラクション(F5)は500
ml、そして最終フラクション(F6)は300mlとした。
【0058】 4)各フラクションは、ロータリー蒸発器を使用して溶媒を分離した後、残留
物の重さを測定した。 5)Antek分析器を用いて窒素及び硫黄含量を定量し、N、S化学種分析
についてはFT−IR、GC−MSD、GC−AEDを用いた。 6)FD(Field desorption)−Mass spectrometorを用いて特定化学種に限
り、分子量比較によるセミ定量分析をした。14の質量間隔で質量ピークのシリ
ーズを選択し、計算した分子量との比較において質量相違が許容範囲0.05内
であれば、アルキル置換基を有する化学基とした。質量測定の正確度を確認する
ため、試料分析後、質量補正試料(PEG;Polyethylene glycol)を分析した
。PEG質量測定は、計算質量から誤差範囲0.3以内であった。 その結果はつぎの表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】 前記表4から分かるように、NPCはピリジン系、キノリン系、アクリジン系
、カルバゾール系、ベンゾカルバゾール系、インドール系などの窒素含有化合物
、そして有機酸、フェノールなどの酸素化合物などが全重量の半分を占める極性
化合物であることが分かった。実際に、吸着処理前後のLGOの性質と組成の変
化は主に窒素、酸素含量の変化によるものである。
【0061】 また、表4の結果はNPC内の硫黄化合物が大部分DBT以上のリテンション
タイムを有することを示す。また、硫黄化合物は分子数においてDBTの2倍に
濃縮される。多環硫黄化合物、特に3以上の芳香族環を含むグループがガス油内
のDBTより強い吸着度を有することは一般に知られているものである。したが
って、多環硫黄化合物がNPCに濃縮されたと推論できる。しかし、吸着による
原料内の硫黄含量の変化は微少であり、これは、単位原料体積当たり多環硫黄化
合物の含量が非常に低いためである。これらの分析結果から、本発明者らは脱窒
及び脱硫反応時に触媒の活性点に吸着する傾向がある酸素含有化合物、窒素含有
化合物、そして多環硫含有黄化合物が吸着前処理によりNPC内に分離濃縮され
、これにより、NPCが反応物に残って、特にディープ脱硫での“活性抑制剤”
として作用する場合に比べ、反応速度が著しく増加すると推論できる。
【0062】 NPCの除去されたLGOの物性とNPC除去率間の相関関係を更に試験する
ため、実施例3と類似した方法でつぎの実験を実施したが、ただ原料Bを吸着さ
せるため、吸着剤cを使用した。NPCの除去されたLGOの物性を、RPAを
変化させて分析及び比較した。
【0063】
【表5】
【0064】 実施例5 原料はBであり、吸着剤はd、h、j及びこれを組み合わせたものを40cc
充填して使用した以外、実施例3と同じ方法で実験を行った。原料であるB20
0ccを0.3〜0.5mm直径の吸着剤で充填された反応器に200cc/hrで
通過させた。また、これを12回繰り返して吸着剤の再生性を調べた。表6はN
PCを除去した原料Bからの吸着剤の窒素除去率を示す。
【0065】
【表6】
【0066】 前記実施例2、3、5においては、NPC除去がイオン交換樹脂のような多様
な吸着剤により可能であるが、窒素除去率は吸着剤が異なると変化することを明
らかにした。また、場合によっては、2種以上の吸着剤を組み合わせると、窒素
除去率が向上することを見いだした。例えば、表6のd:iの場合、吸着塔をシ
リカゲル“d”で充填した後、すぐイオン交換樹脂である“i”で充填した場合
、シリカゲル単独使用の“d”の場合より窒素除去率が3〜5%程度改善された
【0067】 実施例6 原料はA、B、C、Dであり、吸着剤は0.3〜0.5mmに調節されたdを
40cc充填して使用した以外、実施例3と同じ方法で実験を行った。原料A、
B、C、Dから溶出されたストリームをそれぞれ“A−1”、“B−1”、“C
−1”、“D−1”という。A−1、B−1、C−1、D−1の窒素除去率を表
7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】 前記表7から分かるように、LGOの種類により窒素除去率に大きな差はない
が、窒素含量がほぼ10倍程度高く、粘度及び芳香族含量が高いLCOの場合は
窒素除去率が極めて低かった。したがって、比較的低い窒素含量、粘度及び芳香
族含量を有するLGOの場合、吸着技術が有効な前処理技術であり、LCOの場
合は好ましくないことが分かった。
【0070】 実施例7 0.85〜1.0mmの大きさに調節された吸着剤dを400cc充填して使
用し、充填された反応器に1000、2000、4000cc/hrの速度で原料A
2000、3000、4000ccを通過させた以外は実施例3と同様の方法を
繰り返した。以下の表8はLGOの窒素除去率、反応器内の差圧及び使用した極
性溶媒の量及び空間速度による差圧の変化を示した。
【0071】
【表8】
【0072】 同一RPAにおいて空間速度が大きいほど差圧は増加し、かつ窒素除去率も低
下することが分かる。また、同一空間速度でRPAが小さいほど窒素除去率が増
加することが分かる。吸着によるNPC除去の基本的な規則を構成する傾向はほ
かの種類の吸着剤又は吸着方法にも予想される。 吸着剤の粒子大きさは差圧と密接な関係があり、差圧は粒子大きさの二乗に反
比例する。粒子大きさの増大は差圧を減少させる得るが、吸着剤の吸着性能も低
下させる。粒子大きさが増大するほど空間速度による窒素除去率の差が大きくな
ることを示した。さらに、NPC除去率は吸着温度により変化する傾向があり、
LGOについては40〜80℃が最適の温度条件であることが分かる。この温度
範囲は、LGOの貯蔵温度と非常に近い。
【0073】 実施例8 粒径が0.3〜0.5mmである40ccの吸着剤“d”とともに1種の極性
溶媒のみを使用したことを除き、実施例3と同じ工程を繰り返した。原料Aに対
する窒素除去率はつぎの表9に示した。 実験はつぎのように実施した。
【0074】 1)40ccの吸着剤dを同心ガラス管の内側管に充填した。 2)吸着床の温度は同心管の外側ジャケットを通じて水を循環させることで5
0℃に一定に維持させた。 3)400ccのLGO“A”を吸着剤が充填された内側管内に200cc/hr
の流速で供給した。 4)段階3)の完了時、40ccのMTBE蒸気を吸着床を通じて200cc/h
rの流速で導入した。溶媒を気化させるため、予熱管を設置して90℃に加熱し
、同心管の外側ジャケットを通じて水を循環させることにより吸着床の温度を8
0℃に維持させた。 5)段階3)で得た生成物を一緒に混合し、回転蒸発器を使用して溶媒を除去
し、残留物は“NPCが除去されたLGO”として保管した。 6)段階5)の完了時、80ccの液体MTBEを200cc/hrの速度で内側
管に注入した。 7)段階6)の生成物を回転蒸発器を使用して溶媒から分離し、その残留物を
“NPC”として保管した。
【0075】
【表9】
【0076】 2種の溶媒を使用した実施例4とは対照的に、実施例8は1種の溶媒を使用し
ても同一の窒素除去率を得た。この結果は、吸着剤に対してどんな再生方法を使
用するかを決定する。例えば、2種の溶媒で運転できない沸騰床または流動床を
この吸着処理段階として適用できる。
【0077】 実施例9 溶媒抽出がNPCを除去したのか、及び溶媒抽出がHDS工程に対する吸着と
同程度の改善を与えたのかを確認するために、吸着に加えて、極性溶媒を使用し
て一連の溶媒抽出実験を実施した。つぎの工程を使用した。 1)500ccの原料油“B”を同一体積のメタノールとミキサー内で混合及
び撹拌した。 2)混合及び撹拌が終わると、その混合物を5分間待機させて相分離させた後
、溶媒抽出されたLGOをミキサーの底面から抜き取った。 3)抽出されたLGOを回転蒸発器で処理して残留メタノールを除去すること
により、NPCが除去された純粋LGOを産出する。メタノールに対する原料油
“B”の体積比を変化させた窒素除去率はつぎの表10に示す。
【0078】 4)原料が“B”の代わりに“D”であることを除き、段階1)〜3)と同一
過程を繰り返した。メタノールに対する原料油“D”の体積比を変化させた窒素
除去率はつぎの表10に示す。 5)ディープ脱硫反応試験のための原料を製造するため、段階1)〜3)を繰
り返して14リットルのNPCの除去されたLGOを収得し、これを“B−SX
”とした。 6)原料が“B”の代わりに“D”であることを除き、段階5)を繰り返して
14リットルのNPCの除去されたLGOを収得し、これを“D−SX”とした
【0079】
【表10】
【0080】 7)メタノールの窒素除去能を決定するため、段階1)〜3)を繰り返してN
PCの除去されたLGOを製造し、“B−SX1”とした。 8)ミキサー内に再度新しい原料“B”を供給し、段階2)の残留メタノール
とともに20分間混合及び撹拌した。この混合物からLGO分を抽出して“B−
SX2”とした。 9)同一方式で段階8)を繰り返して“B−SX3”を製造した。 ほかの新しい原料及び同一メタノール溶媒についての窒素除去率はつぎの表1
1に示す。
【0081】
【表11】
【0082】 原料“D”についての窒素除去率は実施例6の表7に示すように非常に低かっ
た。しかし、溶媒抽出法を使用することにより、吸着でのNPCの除去を難くす
る流動式接触分解(fluid catalytic cracking;FCC)サイクルオイル、コー
カー(coker)ガスオイル、又は真空ガスオイルなどの原料の窒素除去率を、表
10のデータに示すように、吸着により得られるLGOと同じ程度に向上させる
ことができる。溶媒抽出は400℃以上の最終沸点を有する重質ガスオイル、F
CCサイクルオイル及びコーカーガスオイルを含有する石油原料からのNPCの
除去を可能にする。
【0083】 表10及び11に示すように、抽出用溶媒量に対するオイル量が増加するほど
、又は溶媒リサイクル回数が増加するほど、窒素除去率は徐々に減少し、これは
溶媒相内のNPC溶解度が飽和点に達したことを示す。高いNPC溶解度を促進
させる溶媒を適切に選択すると、溶媒抽出は重質蒸留物からNPCを除去する良
好な方法となり得る。
【0084】 実施例10 原料“B”を使用してシリカゲル“d”(実施例2)の再生性能を試験した。吸
着床を通過したLGOを“B1”とした。50℃の水が循環される同心管の内側
管に40ccのクロマトグラフィー用シリカゲルを充填した後、200ccのL
GO“B”を床に通過させた。その後、すぐ80ccのMTBEを通過させた。
前記過程を10回繰り返した後、 “B1+MTBE”と“NPC+MTBE”
フラクションを収集してから回転蒸発器を使用して“B1+MTBE”と“NP
C+MTBE”フラクションからMTBEを除去した。“B”と“B1”の窒素
含量を測定して窒素除去率を計算した。その結果を図4に示す。
【0085】 図4に示すように、400運転サイクルを経た後にも、吸着剤の窒素除去率は
全然劣化しなかった。このような再生性能は産業上利用及び経済面で非常に重要
である。 一般に、シリカゲルの吸着機構は水素結合を介していることが知られている。
シリカゲルは多くの強酸点を有する活性アルミナとは異なり、強い吸着点を持っ
ていない。このような特性はシリカゲルがどうして優れた再生性能を表すかを説
明する。強酸点又は強塩基点に対する吸着は逆作用(脱着)を難しくする。実施
例5の表6のデータから、吸着剤組合d:h=1:1は初期段階で高い窒素除去
率を表すが、再生を繰り返すほど窒素除去率が急に低下することが分かる。
【0086】 このような吸着剤の再生は、加熱によるか、又は本発明の範囲に含まれるが、
幾分限定された用途を有すると考えられる高い極性溶媒の使用により可能になる
。したがって、好ましい吸着剤は、シリカゲル及び水和アルミナで例示される、
水素結合のような再生吸着特性を有するべきある。また、吸着剤の性能は吸着剤
の構造的特性と、沸点範囲、NPC含量及び原料の組成などの原料性質に依存す
る。
【0087】 実施例11 HDS工程でNPCの除去されたLGOが触媒性能にどう影響するかを試験す
るため、HDS反応装置の原料をつぎのように製造した。 1)粒径が0.88〜1.0mmである400ccの吸着剤dを同心ガラス管
に充填した。 2)外側ジャケットを通じて水を循環させて吸着剤床の温度を50℃に維持さ
せた。 3)4000ccの原料“A”を2000cc/hrの流速で吸着剤床に供給した
。 4)段階3)の完了した後、800ccのヘキサンをコパージングのために2
000cc/hrの流速で吸着剤床にポンプ移送した。
【0088】 5)吸着床を窒素でパージした。 6)段階3、4)及び5)で得た生成物を一緒に混合した。 7)段階6)の生成物から回転蒸発器で溶媒を除去し、残留物を“A−2”と
して保管した。 8)段階5)の完了後、800ccのメチル−ターシャリーエーテルを200
0cc/hrの流速で吸着剤床に導入した。 9)内側管を再度窒素でパージさせた。 10)段階7)の残留物が14リットルに至るまで段階3)〜9)の過程を繰
り返した。
【0089】 11)原料B及びCに対し、段階3)〜10)の過程を繰り返し、段階7)の
残留物をそれぞれ“B−2”及び“C−2”とした。 12)原料Bに対し、2000ccの原料“B”を段階3)に供給したことを
除き、段階3)〜10)の過程を繰り返し、段階7)の残留物を“B−3”とし
た。 13)比較のため、1.3のメタノール比で原料Dを使用して溶媒を抽出する
ことによりNPCを除去したことを除き、実施例9と同一方式で3リットルのN
PCの除去されたLGOフラクション“D−SX”を製造した。 得られた窒素除去率はつぎの表12に示す。
【0090】
【表12】
【0091】 実施例12 実施例11と同様、触媒性能の向上を試験するため、実施例1の原料Aと実施
例11の原料“A−2”を使用してディープ脱硫試験を実施した。本実施例では
本出願人が実施した商業的HDS方法に現在使用されている触媒をテストした。
その物性を化学組成とともにつぎの表13に示した。
【0092】
【表13】
【0093】 前記触媒400ccをディープ脱硫用Pilot-Plant反応器に充填し、LGO内
1wt%のジメチル−ジスルフィドを混合してプレスルフィド化(Pre-sulfiding
)を実施した。その後、天然LGO“A”を反応器に導入し、三つの反応温度で
硫黄分析用に生成物サンプルを収集した。生成物をサンプリングする前に、触媒
床を同一温度で24時間維持して安定化させた。同じ方式で、吸着処理されたL
GO“A−2”を用いて触媒活性を決定した。その結果はつぎの表14に示す。
【0094】
【表14】
【0095】 前記データから明らかになるように、同一運転温度で吸着前処理された原料を
用いて生成物中の硫黄減少の程度が、予備処理されていない原料に比べて格段に
改善された。
【0096】 実施例13 改善された触媒活性を試験及び比較するため、いろいろなRPA、つまり実施
例1の“B”と実施例11の“B−2”及び“B−3”で吸着処理された3種の
NPC除去された原料を使用してディープ脱硫試験を実施した。 実施例12と同一触媒100ccを高圧の連続形反応器に充填しプレ−スルフ
ィド化(pre-sulfiding)を実施して、ジメチルジスルフィドを1wt%の量でL
GOと混合した。実施例12と同一条件でディープHDSを実施した。同一反応
温度で24時間安定化させた後、生成物サンプルを硫黄分析用として収集した。
その結果はつぎの表15に示す。
【0097】
【表15】
【0098】 前記表15に示すように、本発明の吸着前処理により60%以上に脱窒素化さ
れたLGO原料は、同一LGO原料用の300ppm(wt)の生成物硫黄を生成す
る同一のHDS運転条件で、100ppm(wt)の硫黄含量を有するLGO生成物
を与えた。
【0099】 実施例14 実施例13で説明した334℃で水添脱硫されたそれぞれの生成物から100
ccのサンプルを取り、Minolta社製のDigital Colorimeter CT-320を使用して
セーボルト(Saybolt)色相を分析した。その結果はつぎの表16に示す。
【0100】
【表16】
【0101】 表16に示すように、ディープHDSでは生成物色相の劣化が頻繁に生じたか
が、吸着前処理された原料は生成物色相をかなり向上させた。このような結果は
、本発明の吸着処理後のディープHDSが生成物の硫黄含量だけでなく生成物色
相をかなり改善させることを示唆する。
【0102】 実施例15 実施例1の原料“A”及び“C”と実施例11のNPCの除去されたLGO“
A−2”及び“C−2”を用いてディープHDS反応試験を実施した。 実施例12で説明した同一高圧、連続形反応器と触媒を使用し、その結果を運
転条件とともにつぎの表17に示す。
【0103】
【表17】 LGOの沸点、硫黄含量及び窒素含量の違いにかかわらず、類似したディープ
HDS改善が得られた。
【0104】 実施例16 同一ディープHDS条件で実施例12で説明した反応器を用いて、実施例9で
溶媒抽出により製造されたNPCの除去されたLGO“B−SX”に対してディ
ープHDS反応試験を実施した。その結果をつぎの表18に示す。
【0105】
【表18】
【0106】 本実施例の目的は溶媒抽出などのそのほかのNPC除去方法によっても同じで
あるか類似した効果を得ることができるかを検査することである。実施例9で得
たLGOは、窒素除去率が同一であると、吸着により得たLGOと類似したHD
S触媒活性改善効果を有することが見いだされた。したがって、溶媒抽出の窒素
除去率は前の実施例で提示した吸着と同等な効果を有した。溶媒抽出はディープ
HDS用予備処理方法の一つとなり得る。しかし、吸着により得られたものと同
一の窒素除去率を得るのには過剰量の溶媒を必要とされた。実際に、溶媒抽出は
溶媒回収用の一つ又は二つの蒸留管を必要とし、この蒸留管の性能は後続のディ
ープHDS工程と同じ程度である。したがって、溶媒抽出法は運転及び投資費用
の面で不利である。少量の原料のみが溶媒抽出で処理される場合には、このよう
な欠点は適切な溶媒で克服できる。しかし、このような商業的欠点は本発明の範
囲を限定するものではない。
【0107】 実施例17 NPCの除去されたLCOのディープHDS影響を試験するために一連のテス
トを実施した。 まず、LCO原料“D”を3:7の体積比で原料“B”と混合した後、その混
合物をディープHDSに付した。実施例12と同一の触媒とHDS条件を使用し
た。また、実施例11で溶媒抽出により製造したNPCの除去されたLCO“D
−SX”を3:7の体積比で原料“B”と混合した後、その混合物をディープH
Dに付した。その結果はつぎの表19に示す。
【0108】
【表19】
【0109】 サイクルオイルを原料の30%まで配合した場合にも、相当なディープHDS
改善が得られ、これはNPCの除去に起因するものである。これは、原料の高い
サイクルオイル部で中間蒸留物を脱硫するのに精油運転に幾分の経済的重要性を
有すると思われる。
【0110】 比較例18 吸着剤の再生性、RPA及び副産物量について米国特許第5,454,933
号と本発明間の違いを調べるために一連の実験を実施した。妥当な比較をするた
め、本発明に使用された吸着剤と表面特徴が近似した吸着剤、Filtrosorb 400を
慎重に選択した。二つの吸着剤のBET特性をつぎの表20に示す。
【0111】
【表20】 吸着/脱着過程は以下の通りである。
【0112】 1)活性炭(ACROS organics、DARCO 20〜40メッシュ)を15
0℃で6時間乾燥した。 2)乾燥された活性炭40ccを同心ガラス管の内側管に充填し、活性炭床を
同心管の外側ジャケットを通じて熱水を循環させて90℃に維持した。 3)250ccのトルエンを8cc/hrの流速で吸着剤床に供給した。 4)段階3)の完了時、SK社のLGO HDS工程により製造されるともに
240ppm(wt)の硫黄を含有するディープ水添脱硫されたLGO400cc
を15cc/分の流速で注入した。
【0113】 5)35ccのLGOに相当するLGO及びトルエンの生成混合物の一番目7
5ccを収集し回転蒸発器によりトルエンから分離し、残留物をT1として保管
した。 6)前記生成混合物の残量を収集し、回転蒸発器によりトルエンから分離し、
残留物をT2として保管した。 7)段階4)の完了後、250ccのトルエンを8cc/分の流速で導入して活
性炭を再生させた。 8)“T1”と“T2”の硫黄含量をANTEK硫黄分析器で分析した。 9)段階4)〜8)をもう一度繰り返した。 10)400ccの代わりに100 ccのディープ水添脱硫化されたLGO
を導入しながら段階4)〜8)の過程を段階4)を除き更に3回繰り返した。 その結果は表21に示す。
【0114】
【表21】
【0115】 Filtrosorb 400は利用できないため、Filtrosorb 400に近い物性を有するDA
RCO活性炭を実験に使用した。RPAが0.88である場合、吸着剤はディー
プHDS処理されたLGOストリームから硫黄化合物を80%まで除去する。し
かし、この吸着剤は脱着が繰り返し実施されるにつれてその吸着効果を失う。し
たがって、Filtrosorb 400を使用する場合であっても、開示された発明が1〜1
.75のRPAで連続して運転できるか疑わしい。特許No. 5,454,933に開示さ
れた発明は吸着と脱着を1回以上実施する連続運転を説明する例は提供していな
い。 表21に示すように、原料のおよそ40%が2.5のRPAで副産物に転換さ
れた。Filtrosorb 400が硫黄化合物の吸着により選択的であると、1〜1.75
のRPAでの副産物の再生をかなり高くできる。この副産物は高硫黄の重質オイ
ル用のブレンディング原料以外には使用できず、これは経済的な観点で開示の発
明に非常に不利であり得る。
【0116】 実施例19 実施例4で得たNPCを潤滑性能の不良なディーゼル燃料“LL”にそれぞれ
100ppm(wt)、300ppm(wt)で配合した。その後、製造されたサンプルを
標準ISOディーゼル燃料潤滑性測定装備であるHFRR(High Frequent Reci
procation Rig)を用いた潤滑性試験に付した。その結果をつぎの表22に示す
【0117】
【表22】
【0118】 前記結果は、吸着予備処理工程の副産物であるNPCを、非常に不良な潤滑性
を有する超低硫黄ディーゼル燃料の有効なディーゼル燃料潤滑性添加剤として使
用できることを示す。 したがって、本発明の予備処理工程は、後続の触媒工程を改善して超低硫黄燃
料油を製造するばかりでなく、潤滑性添加剤として副産物を使用して燃料の潤滑
性劣化問題の解決策も提供する。
【0119】 実施例20 製造されたディーゼル燃料の排出特性にNPC除去がどんなに影響するかを検
査するためテストを実施した。NPCの除去されたディーゼル燃料と同一の硫黄
度を有する“通常”のディーゼル燃料を排出試験した。テストはつぎのように実
施した。 1)実施例12と同一の条件で原料“A”を356℃でディープHDSさせて
、脱硫されたLGOを製造し、これを“A−em−1”とした。 2)実施例6と同様に原料“A”を吸着予備処理してNPCを除去した後、3
39℃でディープHDS反応して脱硫LGOを製造し、これを“A−em−2”
とした。 3)市販される硫黄含量10ppm(wt)の灯油を30%ずつ“A−em−1”と
“A−em−2”と混合して、市販されるディーゼル燃料に比較できる蒸留特性
を有する試験用燃料を製造し、この燃料をそれぞれ“A−em−1−D”と“A
−em2−D”とした。
【0120】 4)エンジンの安定化のため、前記二つのサンプルを基準燃料とともにディー
ゼル燃料エンジン試験した。基準燃料としては市販されているディーゼル燃料(
SK社製のディーゼル燃料)を使用した。サンプルの性状を下記の表23に示す
。 5)韓国、Daewoo Motors Co. Ltd.,の排気量11,051ccのModel D2366
バスディーゼルエンジンを用いて排気試験を実施した。韓国の重質ディーゼル燃
料車両の排気試験モードであるD−13にしたがってPM排気量を測定した。そ
のうえ、煤煙3モードにしたがって3サンプルを煤煙試験した。その詳細試験モ
ード及び測定結果はそれぞれつぎの表23及び表24に示す。 6)環境変化による誤差発生を最小化するため、試験を連続的に行いた。各試
験の前後に基準燃料を使用してエンジンの反復性を確認した。そのうえ、同一の
基準ディーゼル燃料で4回の予備試験を実施して、PMの測定に使用されるMD
T(Mini Dilution Tunnel)及び排気ガス分析器の反復性を評価した。
【0121】
【表23】
【0122】
【表24】
【0123】
【表25】
【0124】 表25に示すように、NPCが除去されてからディープ水添脱硫されたディー
ゼル燃料は同一硫黄含量でほかの燃料に比べてPM排出量が22%低かった。こ
のような排出特性の改善は、PM形成の原因物質の除去によるものと推定される
。すなわち、このような原因物質はNPCの一部として除去できる。このような
排出特性は、同一の硫黄含量のほかのディーゼル燃料に比べて汚染物質の排出を
少なくするだけでなく硫黄含量が低い低公害燃料を生産することができるので、
本発明の予備処理工程の価値を更に高める。
【0125】 本発明は炭化水素燃料を生産する種々の接触工程に適用できるが、ケロシン及
びディーゼル燃料を製造するディープHDS工程の上流側に適用してHDS工程
の効果及びそれからの生成物の品質を向上させることがより好ましい。 継続的で厳格な環境規制のため、精油会社は低公害ディーゼル燃料を生産する
ための効果的で経済的なディープ脱硫法を必要としている。本発明は従来のHD
S工程で高硫黄のLGO原料からULSDを経済的に生産できるようにする単純
で効果的な予備処理工程を提示する。
【0126】 そのうえ、本発明は低品質の原料を最適に使用して触媒寿命を延長し、水素消
耗を減らし、運転費用を節減するなどの利点を提供する。 また、同一の硫黄含量において、吸着処理ディーゼル燃料は、従来のディーゼ
ル燃料より良好な排出特性を表す。燃焼時、吸着処理されたディーゼル燃料は、
従来のディーゼル燃料に比べ、最も厳しく規制されている汚染物質であるPM及
びNOxの量を低減させる。HDS反応温度が低下し、予備処理工程での色相原
因レベルがかなり減少するため、ディーゼル燃料の色相が改善される。
【0127】 予備処理工程の運転条件は周囲温度及び圧力に近い。そのうえ、予備処理工程
はHDS工程より高い空間速度で炭化水素流を処理することができ、したがって
、サイズの要求条件が従来のほかの反応装置よりかなり小さくなる。予備処理工
程の投資費用はHDS工程のおよそ10%と推定される。予備処理工程は触媒と
水素なしに通常の吸着剤と溶媒を使用するため、運転費用もHDS工程のものの
およそ10〜20%と推定される。 以上本発明を例示方式で説明したが、ここに使用した用語は、制限するという
よりは説明するためのもと理解すべきである。前記教示から本発明の多くの修正
及び変形が可能である。したがって、本発明は添付する特許請求の範囲内で前述
したものほかに多様に実施できることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本概念を示す流れ図である。
【図2】 本発明による吸着工程の概略流れ図である。
【図3】 実施例13による、2種のNPC−除去原料及び基本原料について
の反応温度に対する製品の硫黄濃度を示すグラフである。
【図4】 実施例10による、再生回数に対する脱窒率を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 159/04 C10M 159/04 (31)優先権主張番号 1999/15290 (32)優先日 平成11年4月28日(1999.4.28) (33)優先権主張国 韓国(KR) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,CN,J P,SG (72)発明者 ヒャン シン ヨン 大韓民国、テジョン 305−390、ユスン ク、ジョンミンドン 462−5、セジョン アパート 110−901 (72)発明者 ミン ドン スン 大韓民国、テジョン 305−390、ユスン ク、ジョンミンドン 462−5、セジョン アパート 105−807 (72)発明者 リュウ ジャエ ウー 大韓民国、テジョン 305−390、ユスン ク、ジョンミンドン 462−5、セジョン アパート 105−1301 (72)発明者 ヨー クァン シク 大韓民国、テジョン 302−280、セオク、 ウェルピョンドン 302、ファンシル ア パート 109−1001 (72)発明者 キム ジュ ファン 大韓民国、テジョン 306−070、テドク、 ヨプナエドン 202、ベクソン アパート 101−611 Fターム(参考) 4H029 DA05 DA06 DA09 DA10 DA12 4H104 DA02C EA21C JA01 PA42

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)石油原料留分を接触水添加処理する前に、この石油原料留分
    から天然極性化合物類を除去して石油原料留分内の天然極性化合物類の濃度を実
    際的に減少させる段階(石油原料留分は110〜560℃の範囲の沸点を有する)
    と、(b)石油原料留分を接触水添処理して炭化水素燃料油を生産することを含
    む、炭化水素燃料油の製造方法。
  2. 【請求項2】炭化水素燃料油は、沸点範囲が110〜400℃の範囲であり、硫
    含量が500ppm(wt)未満である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】炭化水素燃料油は、沸点範囲が110〜400℃の範囲であり、硫
    含量が50ppm(wt)未満である請求項1の方法。
  4. 【請求項4】石油原料留分の沸点は200〜400℃の範囲にある請求項1の方
    法。
  5. 【請求項5】(a)段階からの石油原料留分は、元の原料留分に比べ、窒素含量
    が30%以上減少し、硫含量が0.5%以上減少し、総酸価が60%以上減少す
    る請求項1の方法。
  6. 【請求項6】天然極性化合物類は5.0〜50%(wt)の酸素を含有する化合
    物と、5.0〜50%(wt)の窒素を含有するヘテロサイクリック(heterocy
    clic)化合物と、0.1〜5.0%(wt)の含量の硫黄とを含む請求項1の方
    法。
  7. 【請求項7】石油原料留分から除去された天然極性化合物類は石油原料留分の0
    .1〜5.0%(wt)を構成する請求項1の方法。
  8. 【請求項8】水添処理は、水添脱硫(hydrodesulfurizing)、水添脱芳香族(hy
    drodearomatizing)、軽い水添分解触媒(mild hydrocracking)、水添分解触媒
    (hydrocracking)又はその混合から構成されるグループから選択される請求項
    1の方法。
  9. 【請求項9】天然極性化合物類は溶媒抽出により石油原料から除去される請求項
    1の方法。
  10. 【請求項10】石油原料は最終沸点が400℃以上である重質ガスオイル、FC
    C(fluidized catalytic cracking)サイクルオイル、及びコーカーガスオイル(
    coker gas oil)を含有する請求項9の方法。
  11. 【請求項11】天然極性化合物類は1種以上の吸着剤による吸着により石油原料
    留分から除去される請求項1の方法。
  12. 【請求項12】吸着は2基以上の吸着塔内で行われる請求項11の方法。
  13. 【請求項13】吸着処理は流動床吸着処理(Fluidized Bed Adsorption)又は沸
    騰床吸着処理(ebullated bed adsorption)で実施される請求項11の方法。
  14. 【請求項14】吸着剤は、活性アルミナ、活性白土、フラー土(Fuller's earth
    )、活性炭、ゼオライト、水和アルミナ、シリカゲル、イオン交換樹脂及びこれ
    らの組合からなるグループから選択される請求項11の方法。
  15. 【請求項15】吸着剤はシリカゲル、イオン交換樹脂及びこれらの組合からなる
    グループから選択される請求項14の方法。
  16. 【請求項16】吸着剤は、気孔大きさが40〜200Å、比表面積が100〜1
    ,000m2/g、気孔容積が0.5〜1.5cc/gであるシリカゲルである請求項1
    5の方法。
  17. 【請求項17】200〜400℃の範囲の沸点を有する石油系炭化水素から抽出
    された天然極性化合物類を添加することを含む、ディーゼル燃料の潤滑性向上方
    法。
  18. 【請求項18】天然極性化合物類は吸着により濃縮される請求項17の方法。
  19. 【請求項19】吸着処理は、2基以上の吸着塔を使用する固定床吸着処理、流動
    床吸着処理、又は沸騰床吸着処理からなるグループから選択される請求項18の
    方法。
  20. 【請求項20】吸着処理は、活性アルミナ、活性白土、フラー土(Fuller's ear
    th)、活性炭、ゼオライト、水和アルミナ、シリカゲル、イオン交換樹脂及びこ
    れらの組合からなるグループから選択される吸着剤を使用する請求項19の方法
  21. 【請求項21】吸着剤は、40〜200Åの範囲の気孔大きさを有し、比表面積
    が100〜1,000m2/gの範囲であり、気孔容積が0.5〜1.5cc/gの範囲
    であるシリカゲルである請求項20の方法。
  22. 【請求項22】天然極性化合物類は窒素含量が石油系炭化水素に比べて50倍大
    きく、10wt%以上の酸素を含有する有機酸及びフェノールを含む請求項18の
    方法。
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