JP2002517888A - 多重極質量分析計における軸方向射出 - Google Patents

多重極質量分析計における軸方向射出

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JP2002517888A JP2000552706A JP2000552706A JP2002517888A JP 2002517888 A JP2002517888 A JP 2002517888A JP 2000552706 A JP2000552706 A JP 2000552706A JP 2000552706 A JP2000552706 A JP 2000552706A JP 2002517888 A JP2002517888 A JP 2002517888A
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ヘイガー,ジェイムズ
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Abstract

(57)【要約】 2次元RF電場が注目する質量対電荷比範囲にあるトラップされたイオンを半径方向に閉じ込め、出射レンズの障壁電場によりイオンは軸方向に封じ込められ、低DC電圧が印加される細長多重極ロッドセットを有する、質量分析計の動作方法。トラップされたイオンは、出射レンズ近傍のフリンジング電場及びその他の非調和性により誘導される自由度混合を利用して、質量選択的に軸方向に射出される。すなわち、ロッドセットの入口端にイオンが通されると同時に出口端でイオンを質量選択的に射出することができ、よって連続イオン源からのイオン束を高効率で利用することができる。質量選択性軸方向射出は、補助AC電圧を出射レンズまたはロッドセット自体あるいはそのいずれにも印加し、補助AC電圧あるいはロッドセットのRF電圧をスキャンすることにより行われる。トラップされたイオンはレンズ方向への軸方向電場をかけることにより出射レンズ近くに集中させられるか、あるいは反対方向の軸方向電場をかけることにより空乏化される。軸方向電場を振動させてトラップされたイオンを分解することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】先願 本出願は“多重極質量分析計における軸方向射出”という名称で本出願人によ
り1996年6月6日に出願された(現在は放棄されている)カナダ国特許出願
第08/656,954号の一部継続出願である、同じ名称で本出願人により19
96年10月24日に出願されたカナダ国特許出願第08/736,550号の一
部継続出願である。
【0002】発明の分野 本発明は質量に依存する軸方向射出をもつ細長多重極ロッドイオントラップ型
質量分析計に関する。
【0003】発明の背景 米国特許第2,939,952号に説明されている種類の従来のイオントラップ
は一般に3つの電極、すなわちリング電極及び一対のエンドキャップからなり、
リング電極とエンドキャップとの間の比較的狭い空間に注目する質量範囲にある
イオンをトラップする3次元電場を確立するために、適当なRF及びDC電圧が
これらの電極に印加される。電極は、理論的に完全な3次元4重極電場をつくる
双曲線形であっても、四重極電場に重畳され、得られる結果を改善し得る補助的
多重極電場が生じるように、双曲線形状からずれていてもよい。
【0004】 イオントラップ型質量分析計は通常、1つ以上の電極に印加されるRF及びD
C電圧を操作することにより、本質的に質量に依存しない態様で満たされ、質量
に依存して空にされる。イオントラップのイオン蓄積及び高速スキャン能力が質
量分光分析法における利点である。トラップからイオンを射出して検出するため
の時間がトラップを満たすに必要な時間より短ければ、一般的なビーム型質量分
析計に比較して高い分析効率が得られる。この条件が満たされれば、無駄になる
イオンは非常に少ない。
【0005】 しかしイオントラップ固有の欠点は、主として比較的狭いトラップ空間及び外
部で生成されたイオンをトラップが受け入れる際の非常に厳しいイオンエネルギ
ー上の制約により、トラップへのイオン輸送効率が通常非常に低く、例えば1な
いし10%であることである。イオントラップ空間が比較的狭いことは、空間電
荷効果が問題になるまでに受け入れられるイオン数も比較的少ないことを意味す
る。従来のイオントラップのトラップチャンバの容積を半径方向に拡大すればこ
の制限をある程度克服できるが、分析上の利便性の低下及び/またはコストの上
昇(例:質量範囲の縮小、より大きな電源)という別の欠点をともなう。イオン
トラップチャンバの容積が小さいことは、やはり高イオン密度における空間電荷
効果のため、線形応答範囲(すなわちダイナミックレンジ)を制限するようにも
はたらく。
【0006】 別の問題は、従来のイオントラップで分析を行っている間はイオンをさらに受
け入れることができないことである。電子スプレー、(米国特許第4,861,9
88号に開示される)イオンスプレー、またはコロナ放電のような新式のイオン
源の多くについては、トラップを満たす時間が分析時間に比べて通常短いから、
このことはかなりの不利になり得る。したがって、また本発明の譲受人に譲渡さ
れた米国特許第5,179,278号に説明されるように、分析時間中に多くのイ
オンが無駄になり、よってデューティサイクルが比較的低くなり得る。
【0007】 イオンを2次元4重極子に非常に効率よくトラップし、蓄積できることが知ら
れている。いくつかの場合には、米国特許第5,179,278号に示されるよう
に、従来のイオントラップにイオンを放出する目的で、2次元4重極子にイオン
が通され次いで蓄積された。より概括的には、イオン−分子反応を研究する目的
で、イオンが加圧された線形セルまたは2次元RF4重極子に通された。一般的
に、分解4重極子のような質量選択性源から上記装置に入るイオンは規定された
時間トラップされ次いで質量に依存せずに射出され、続いて質量分析される。
【0008】 米国特許第5,420,425号は、イオンを2次元RF4重極子にトラップし
て蓄積し、質量選択性不安定性の手法を用いて、トラップされているイオンを質
量に依存してスキャンし、射出できることを教示している。この特許によれば、
特許に開示されている装置はトラップチャンバの容積を軸方向に拡大することに
よりイオン感度、検出限界及びダイナミックレンジを改善するために考えられた
という。イオン射出の質量選択性不安定性モード(及び米国特許第5,420,4
25号に説明されるその他の質量分析スキャンモードの全て)は、トラップチャ
ンバから装置の中心軸に対し直交する方向への、すなわち半径方向へのイオンの
射出をともなう。
【0009】 2次元4重極子からのイオンの半径方向射出には欠点がいくつかある。欠点の
1つは半径方向射出が4重極(またはより高次の多重極)ロッドの間を通して、
イオンを放出することである。このため、イオンはRF電場が相当に不完全な空
間領域を通過させられる。この不完全性の効果は、正常な安定性図では予測され
ない点でイオンが射出されることである。
【0010】 2次元RF4重極子からの半径方向射出にはさらに、射出イオンプラグの寸法
と従来のイオン検出器との間で良好な整合が得られないという欠点がある。直線
状または曲線状のロッド構造において、半径方向に射出されるイオンは装置の長
さ全体にわたって、すなわち長さがロッド自体の長さに等しい矩形の断面積をも
って出てくるであろう。従来のイオン検出器のほとんどは、細長いイオン源には
適切ではない、比較的小さな(例:2cmより小さい)円形の受入アパーチャ
を有する。
【0011】 2次元RF4重極子からのイオンの半径方向イオン射出に対する質量選択性不
安定性には、さらに問題がある。そのような装置から半径方向に射出されるイオ
ンは特性立体角で散開する空間プロファイルをもって出てくるであろう。射出さ
れるイオンのいくらかはロッドにあたって失われるであろう。さらに、半径方向
に射出されるイオンはトラップ構造を反対方向にも出ていくであろう。多重イオ
ン検出器は上記または同様の手法により不安定化されたイオンを全て集めなけれ
ばならないはずである。1つまたは複数の検出器からはじき出されるかまたは電
極の1つとぶつかるイオンは失われ、したがって測定されるイオン信号には寄与
しない。したがって、上記装置の蓄積能力は非常に高いにも関わらず、通常はト
ラップされたイオンの小部分しか集められない。
【0012】発明の概要 したがって本発明の目的は、その態様の1つにおいて、高注入効率及び拡大さ
れたトラップ容積を有し、また、イオンが装置の主軸に沿って射出され、よって
普通に用いられるイオン検出器と幾何学的好条件にある整合がとれる、細長多重
極質量分析計を提供することにある。
【0013】 本発明の態様の1つにおいて、本発明は細長いロッドセットを有し、このロッ
ドセットは入口端及び出口端並びに長さ方向の軸を有す、質量分析計の動作方法
を提供し、この方法は: (a) ロッドセットの入口端にイオンを通すステップ: (b) ロッドセットの出口端に近接する出口部材に障壁電場をつくることに
より、及びロッドセットの少なくとも出口端に近接するロッドセットのロッド間
にRF電場をつくることにより、イオンの少なくともいくらかをロッドセット内
にトラップするステップ; (c) ロッドセットの出口端に近接する引出領域でRF電場と障壁電場が相
互作用してフリンジ電場をつくるステップ; (d) 引出領域にあるイオンにエネルギーを与えて、質量選択的に、選択さ
れた質量対電荷比をもつイオンの少なくともいくらかを障壁電場を通してロッド
セットから軸方向に射出するステップ;及び (e) 射出されたイオンの少なくともいくらかを検出するステップ; を含む。
【0014】 別の態様において本発明は、直列に配された複数の細長ロッドセットを有し、
各ロッドセットは長さ方向の軸を有し、よってMS/MS(マススペクトロメト
リー/マススペクトロメトリー)を提供する、質量分析計の動作方法を提供し、
この方法は: (a) イオン源から第1のロッドセット内にイオンを放出するステップ; (b) 第1のロッドセットにイオンを予備トラップするステップ; (c) 選択的にイオンをパルス化して第1のロッドセットから第2のロッド
セット内に送るステップであって、第2のロッドセットが入口端及び出口端を有
しているステップ; (d) 第2のロッドセットの出口端に近接する出口部材に障壁電場をつくる
ことにより、及び少なくとも第2のロッドセットの出口端に近接する第2のロッ
ドセットのロッド間にRF電場をつくることにより、第2のロッドセット内にイ
オンの少なくともいくらかをトラップするステップ; (e) 第2のロッドセットの出口端に近接する引出領域でRF電場と障壁電
場が相互作用してフリンジ電場をつくるステップ; (f) 引出領域にあるイオンにエネルギーを与えて、質量選択的に、選択さ
れた質量対電荷比をもつイオンの少なくともいくらかを障壁電場を通して第2の
ロッドセットから軸方向に射出するステップであって、射出されるイオンが親イ
オンであるステップ; (g) 衝突ガスを入れた第3のロッドセット内に親イオンを送り、親イオン
を第3のロッドセット内で分解してフラグメントイオンを形成するステップ;及
び (e) 検出のために、少なくともフラグメントイオンを質量に依存して軸方
向に射出するステップ; を含む。
【0015】 本発明のさらなる目的及び利点は、添付図面とともに行われる以下の説明から
明らかになるであろう。
【0016】好ましい実施形態の詳細な説明 本発明を用いることができる質量分析器システム10を示す、図1をまず参照
する。システム10には、試料を従来のイオン源14に供給する試料源12(通
常は液体クロマトグラフのような液体試料源)がある。イオン源14は電子スプ
レー、イオンスプレー、またはコロナ放電装置、あるいはその他の既知のイオン
源とすることができる。1989年8月29日にコーネル・リサーチ・ファウン
デーション社(Cornell Research Foundation Inc.)に交付された米国特許第4,
861,988号に示される種類のイオンスプレー装置が適している。
【0017】 イオン源14からのイオンはアパーチャプレート18にあるアパーチャ16を
通して導かれる。プレート18は、カーテンガスがカーテンガス源20から供給
されるガスカーテンチャンバ19の壁の1つをなしている。カーテンガスはアル
ゴン、窒素またはその他の不活性ガスであってよく、上述した米国特許第4,8
61,988号に説明されている。イオンは次いでオリフィスプレート24にあ
るオリフィス22を通過して、約1Torr(約133Pa)の圧力までポンプ
28により排気された初段真空チャンバ26に入る。
【0018】 次いでイオンはスキマープレート32にあるスキマーオリフィス30を通過し
て、約2mTorr(約0.267Pa)の圧力までポンプ36により排気され
た主真空チャンバ34に入る。
【0019】 主真空チャンバ34には、従来の4重極子の4本の線形ロッド38のセットが
入っている。ロッド38は一般に、半径がr=0.470cm,ロッド間ギャッ
プがr=0.415cm,及び軸長がl=20cmである。
【0020】 ロッド38の出口端40から約2mm先に出射レンズ42がおかれている。レ
ンズ42はアパーチャ44をもつ単なるプレートであり、イオンは(例えば質量
分析計に従来用いられている種類のチャネル型電子増倍器であってよい)従来の
検出器46に向けてアパーチャ44を通過できる。
【0021】 ロッド38は、ロッド38の全てにDCロッドオフセットを印加し、また従来
の態様でロッド間にRFも印加する主電源50に接続される。電源50はイオン
源14,アパーチャ及びオリフィスプレート18及び24,スキマープレート3
2、並びに出射レンズ42にも(図示されない接続により)接続される。
【0022】 例として、陽イオンの場合にはイオン源14は一般に+5,000V,アパー
チャプレート18は+1,000V, オリフィスプレートは+250V,またス
キマープレートは接地電位(0V)でよい。ロッド38に印加されるDCオフセ
ットは−5Vでよい。イオンの進路である装置の軸は参照数字52で示される。
【0023】 すなわち、イオン源14から装置に通される、注目するイオンはポテンシャル
井戸を落ちてゆき、ロッド38に入ることができる。ロッド38にかけられる主
RF電場内で安定なイオンは、バックグラウンドガスとの運動量散逸衝突をおび
ただしく受けながら、装置の長さ方向に進む。しかし、一般には−2VDCのト
ラップDC電圧が出射レンズ42に印加される。通常、スキマー32と出射レン
ズ42との間のイオン通過効率は非常に高く、100%近くになり得る。主真空
チャンバ34に入り、出射レンズ42に進むイオンはバックグラウンドガスとの
おびただしい衝突により熱化され、軸52の方向への正味の速度をほとんどもた
ない。印加されるRF電圧は一般に(質量スキャンを行わない限り)約450V
程度であり、周波数は約816kHz程度である。ロッド38には分解DC電場
をかけない。
【0024】 ロッド38に印加されるDCオフセット電圧より高いDCオフセット電圧を印
加することにより出射レンズ42にDCトラップ電場がつくられると、ロッド3
8にかけられたRF電場内で安定なイオンが効果的にトラップされる。
【0025】 しかし出射レンズ42近傍の領域54にあるイオンには、出射レンズ近くの主
RF及びDC電場の末端の性質により、完全な4重極型ではない電場がかかる。
一般にフリンジング電場と称されるそのような電場は、トラップされたイオンの
半径方向と軸方向の自由度を結合するようにはたらく。これは、互いに直交して
いないイオン運動の軸方向成分及び半径方向成分があることを意味する。この状
況は、出射レンズ及びフリンジング電場から離れた、イオン運動の軸方向成分と
半径方向成分とが結合されていないかあるいは最小限にしか結合されていない、
ロッド構造38の中心における状況と対照的である。
【0026】 トラップされたイオンの半径方向と軸方向の自由度を結合するフリンジング電
場のため、適当な周波数をもつ低電圧補助AC電場を出射レンズ42にかけるこ
とより、ロッド38で構成されたイオントラップからイオンを質量に依存してス
キャンし、軸方向に射出することができる(用い得る周波数の例は本説明で後に
与えられる)。補助AC電場は、説明のため主電源50の一部として示される補
助AC電源56から与えることができる。
【0027】 補助AC電場は、出射レンズ42に印加されたトラップDC電圧に重畳され、
半径方向及び軸方向の永年イオン運動のいずれとも結合する。補助AC電場は、
イオンが出射レンズ42にある軸方向のDCポテンシャル障壁を乗り越えるに十
分にイオンを励起することがわかっており、よってイオンは軸上を矢印58の方
向に出て行くことができる。出射レンズ42近傍にある電場の偏りにより、半径
方向の永年周波数における軸方向射出を可能にする、軸方向と半径方向のイオン
運動の上述した結合が生じる。これは、上述した状況と異なり、半径方向の永年
運動の励起により一般に半径方向射出が生じ、軸方向永年運動の励起により一般
に軸方向射出が生じる、従来のイオントラップに存在する状況と対照的である。
【0028】 したがって、質量順序に依存する態様におけるイオン射出は、低電圧補助AC
電場の周波数をスキャンすることにより達成できる。補助AC電場の周波数が出
射レンズ42近傍のあるイオンの半径方向永年周波数と一致すると、そのイオン
はエネルギーを吸収して、半径方向/軸方向運動結合により、出射レンズに存在
するポテンシャル障壁を横切ることができるようになる。イオンが軸方向に出て
行くと、イオンは検出器46で検出される。イオンが射出された後、出射レンズ
近傍の領域54の上流にあった他のイオンが領域54に入ることがエネルギー的
に許され、引き続くAC周波数スキャンにより励起される。
【0029】 出射レンズに印加される補助AC電圧の周波数をスキャンすることによるイオ
ン射出は、細長ロッド構造38全体からなるトラップ空間が空にならないので、
望ましい。ロッド38に対する従来の質量選択性不安定性スキャンモードにおい
ては、ロッドに印加されたRF電圧がランピングされて、それぞれのイオンのq
値が0.907に達すると、ロッドの全長にわたって低質量から高質量へと射出
される。それぞれの質量選択性不安定性スキャンの後には、別の分析を行えるよ
うになるまで、トラップ空間を再び満たすための時間が必要である。対照的に、
上述したように補助AC電圧が出射レンズに印加されると、出射レンズ近傍が軸
方向及び半径方向のイオン運動の結合がおこり、補助AC電場が与えられる所で
あるから、普通は出射レンズ近傍だけでイオン射出がおこる。ロッドの上流部分
60は以降の分析のために他のイオンを蓄積するはたらきをする。出射レンズ近
傍の空間54をイオンで再び満たすに必要な時間は全トラップ空間を再び満たす
に必要な時間より常に短いであろう。したがって無駄になるイオンが少なくなる
であろう。
【0030】 別の実施形態として、出射レンズ42に印加される補助AC電圧をスキャンす
る代わりに、以下に説明されるように、出射レンズ42の補助AC電圧を固定し
て、ロッド38に印加される主RF電圧の振幅をスキャンすることができる。こ
れはトラップ条件を変えるが、軸方向射出には約0.2から0.3のqが必要であ
るにすぎず、一方半径方向射出には約0.907のqが必要である。したがって
以下で説明されるように、ある適当な振幅範囲にわたってRF電圧がスキャンさ
れる場合にはいくらかのイオンが半径方向射出で失われるとしても、おそらく非
常に低質量のイオンを除いては、失われるイオンはほとんどない。
【0031】 また別の実施形態として、ロッド38に印加されるRF電圧または出射レンズ
42に印加される補助AC電圧のいずれかをスキャンする代わりに、上述した態
様でイオンを軸方向に射出する可変フリンジング電場をつくるために、(図1の
点線で表される接続57で示されるように)、副すなわち補助AC双極電圧また
は4重極電圧をロッド38に印加してスキャンすることができる。よく知られて
いるように、補助双極電圧を用いる場合、通常この電圧は、図2に示されるよう
に、ロッド38の対向する対の間に印加される。
【0032】 あるいは、出射レンズ42に存在するDCポテンシャル障壁を通して、イオン
を軸方向に、また質量に依存して、射出するために、上述した3つの(すなわち
出射レンズ42にかけられる補助AC電圧をスキャンする、出射レンズ42には
固定補助AC電圧を印加してロッドセット38に印加されるRF電圧をスキャン
する、及び出射レンズ42への補助AC電圧印加及びロッドセット38へのRF
電圧印加に加えてロッド38に補助AC電圧を印加する)手法の内のいくつか、
あるいは全てを組合せて用いることができる。
【0033】 上に説明した装置は、ロッド38にかけられる主RF閉じ込め電場に入るイオ
ンがイオン自身の残留運動量により出射レンズ42に向かって輸送され、最終的
には軸方向に射出される、連続モードで動作させることができる。すなわち、出
射レンズ近傍の引出空間に到達したイオンは、バックグラウンドガスとのおびた
だしい衝突により既に条件が調整されており、従来のイオントラップのほとんど
で必要であるような顕在的な冷却時間(及びそれにともなう遅延)の必要がなく
なっている。イオンが領域60に入ると同時に、上述した質量依存態様でイオン
が領域54から軸方向に射出されている。
【0034】 出射レンズ近傍の引出空間54は極めて狭いことに注意されたい。出射レンズ
は通常、ロッド38の末端の非常に近くに、例えばロッド38の末端から(既に
述べたように)2mmにおかれる。出射レンズ42からロッド38間の空間への
フリンジング電場の侵入深さは非常に小さく、一般に0.5mmから1.0mm程
度と考えられ、よって図1の空間すなわち領域54の大きさは、明確に図示する
ために、実際より誇張されている。
【0035】 さらにまた別の実施形態として、4本のロッド38の全てに印加される(与え
られた例では−5Vの)DCオフセットを、出射レンズ42に印加された場合の
ACと同じ周波数で変調することができる。この場合、フリンジング領域にAC
電場をつくる点において、DCオフセットの変調が出射レンズへのAC電圧の印
加と等価であるから、出射レンズ42のACは必要ではない。もちろん、この場
合でもDCポテンシャル障壁は出射レンズ42に与えられる。DCオフセットの
変調振幅は、そうでなければ出射レンズ42に印加されたはずのAC電圧の振幅
と同じであろう。すなわち、DCオフセット変調振幅は軸方向射出イオン信号を
最適化するように設定される。したがって、DC変調によりつくられたAC電場
にイオンを順次共鳴させるようにRF電場がスキャンされるか、あるいは、変調
周波数が出射レンズ近傍のフリンジング電場内のあるイオンの半径方向永年周波
数と一致したときに、同じくそのイオンがエネルギーを吸収して軸方向に射出さ
れ、検出されるように、変調周波数がスキャンされる。ロッドオフセットが変調
されていればその変調によってイオンの入射が妨げられるから、ロッドセット内
にイオンが入射してトラップされてしまうまでは変調されず、よってこの過程は
バッチ過程である。これは、イオンが領域60に入ると同時に引出領域54から
イオンが射出され得るいずれの場合においても、(出射レンズ42にかかるAC
電場はイオン入射に影響しないから)ACが出射レンズに与えられているときに
は可能な連続過程と対照的である。
【0036】 連続モード動作における最高効率は、所望の質量/電荷比をもつイオンがロッ
ドセット内に入射して、ロッドセット内を出射レンズ42まで進む速度よりもイ
オン射出速度が速い場合に達成される。イオン射出過程には数10ミリ秒が必要
である。イオンがロッドセット38の一端から他端まで進むに必要な時間は、ロ
ッド自体の長さ、イオンの初期エネルギー、及び真空チャンバ34内の圧力に依
存する。端から端までの通過時間が支配的な場合もあるが、射出レンズ42近傍
の領域からイオンを引き出すに必要な時間がより重要となる場合の方が多い。し
たがって、イオンが引出領域54に到達するに必要な時間と射出過程自体がおこ
る時間との間を最適に整合させるために、イオンの軸方向エネルギーを操作する
ことが望ましいであろう。さらに、用途に応じて、射出レンズ近傍の領域におけ
る局所的な電荷密度を低めるかまたは高めるためにその領域におけるイオン濃度
を制御できることが有益であろう。
【0037】 ロッド38のセットの一端から他端までイオンが進むに必要な時間をイオンを
射出するに必要な時間に整合する方法の1つは、ロッドセット38に沿う軸方向
電場をかけることである。この種の軸方向電場をかけるための方法は、本出願の
譲受人に譲渡され、1995年8月5日に出願された、“軸方向電場をもつ分析
計”という名称のカナダ国同時係属特許出願第08/514,372号に説明され
ている。射出レンズ42の方向にかけられた軸方向電場は、イオンをロッドセッ
ト38の射出レンズ42近傍領域、すなわちイオンが引き出される装置空間54
に集中させるはたらきをする。逆方向にかけられた軸方向電場は引出空間54か
らイオンを空乏化するはたらきをし、ある場合にはこれが望ましいこともある。
【0038】 上に示したカナダ国同時係属特許出願第08/514,372号に説明されるよ
うに、電極の形状寸法の改変により軸方向電場を与えるための手法がいくつか利
用可能である。そのような構成には、ロッドにテーパをつけること、あるいは一
対のロッドは装置の一端で中心線に近づけ、別の一対のロッドは装置のもう一端
で中心線に近づけて配置すること、あるいは軸方向でロッドをセグメント化して
順次するセグメントに相異なるDCオフセットを印加することがある。前記特許
出願の開示及び図面は本出願への参照として本明細書に含まれる。
【0039】 用いられ得る代表的な電極構成の1つが、図1の要素に対応する要素をプライ
ム(’)が付けられた参照数字が表す図3に示されている。ここでロッド38’
は38-1’から38-6’のセグメントに分割され、負の値で大きくなっていく
DCオフセットV1からV6が順次するセグメント38-1’から38-6’に印
加される。この構成は、前記特許出願に説明されるように、軸方向電場を与える
。このような構成は、イオンを引出電極42’の近くの空間にイオンを強く集中
させ、軸方向と半径方向のイオン運動の結合を強める。
【0040】 望ましければ、上述した同時係属特許出願に説明されるように、軸方向電場を
振動させることができる。このような振動により、射出レンズ42の近くの空間
にトラップされたイオンの軸方向射出を強めることができる。振動は、ロッド構
造内にトラップされているイオン集団を平衡位置のまわりで振動させることによ
り、上記特許出願に説明されるように、イオン分解に用いることもできる。
【0041】 説明されるシステムは開放端を有し、この開放端は(イオン源14で与えられ
る)一体型高効率イオン入射装置である、3次元イオントラップと見なすことが
できる。射出レンズ42近傍にあるイオンには半径方向及び軸方向成分からなる
3次元トラップ電場がかかる。半径方向には、イオンは線形ロッド38にかけら
れる主RF電場により抑えられる。軸方向には、イオンは射出レンズ42にある
DCポテンシャルにより装置の出口端で抑えられ、また与えられた軸方向電場に
よる(またはスキマー32による)ポテンシャル勾配により装置の入口端で抑え
られる。イオンはまた、トラップ領域すなわち空間54の上流の蓄積電荷密度に
より生じる電場により、トラップ領域内にもある程度抑えられる。したがって、
実トラップ空間54が軸に沿って、すなわちZ方向に変動し得ることは理解され
よう。
【0042】 望ましければ、出射レンズ42にあるDCポテンシャル障壁は維持するが、A
C電場を出射レンズ42にかけず、ロッド38にかかるDCオフセットを変調せ
ず、または補助AC電圧をロッド38にかけずに、質量に依存してイオンを射出
するためにロッド38にかかるRFをスキャンすることができる。この場合、ロ
ッド38下流端のフリンジング電場にあるイオンは質量に依存して軸方向に出て
行き、検出されるであろうが、ロッド38の間にあるイオン(領域60にあるイ
オン)のほとんどは半径方向に出て行き、無駄になるであろう。この損耗は、図
3に示されるようにロッド38をセグメント化し、最後のセグメントセット38
-6’を非常に短く(例:1cm未満)して、セグメント38-6’にかかるRF
のみを射出のためにスキャンすることにより低減できる。このようにすれば、ロ
ッド38-6’の間にあるイオンの大部分が質量に依存して軸方向に射出され、
検出されるであろう。
【0043】 従来のイオン源からのイオンの多くは分析にほとんどまたは全く役に立たない
ことが多い。そのようなイオンの例は、低質量の溶剤イオン及びクラスターイオ
ンである。これらのイオンは最適能力を犠牲にして単にイオントラップ内の総電
荷密度を高めるはたらきをするだけである。説明される線形イオントラップから
そのような不必要なイオンを取り除くために様々な手法を用いることができる。
そのような方法の1つは、電源50からの主RF電圧を、注目する検体はロッド
構造38内で安定であるが、不必要なイオンは不安定になるようなレベルに設定
することである。例えば、不必要なイオンの質量対電荷比が10から100の範
囲にあり、注目するイオンの質量対電荷比が200から1,000の範囲にあれ
ば、主RF電圧をピーク間214Vに設定することができる。
【0044】 イオントラップから不必要なイオンを取り除くための別の方法は、不必要なイ
オンを共鳴させてロッドセットから半径方向に射出するため、ロッド38の対向
する対の間に補助AC電圧をさらに印加することである。上述したように、この
手法はよく知られている。この手法においては一般に、主RF電圧レベルの約1
0%に等しく、周波数が主RFよりかなり低い補助AC電圧が、ロッドの対向す
る対の間に印加される。適当な振幅及び周波数をもつ補助AC電圧を、不必要な
イオンを共鳴させて半径方向に射出するためにスキャンすることができる。
【0045】 イオンを射出するために共鳴射出を使用することは、ラングミュア(Langmuir)
の米国特許第3,334,225号、サイカ(Syka)等の米国再発行特許第34,
000号、及びケリー(Kelley)の米国特許第5,381,007号に開示され、ま
た本出願の譲受人に譲渡されたダグラス(Douglas)の米国特許第5,179,2
78号にも開示されている。
【0046】 不必要なイオンを取り除くためのまた別の手法は、ロッド38を低分解能質量
分析計としてはたらかせるために、ロッドの対向する対に低DC電圧を印加する
ことである。印加されるDCの大きさは、AC及びDCの併用により注目してい
ない低質量範囲にあるイオンだけが射出されるような大きさである。
【0047】 最後に、注目するイオンのみがロッド構造内で安定であって、ロッド構造内に
貯蔵され得るように、フィルタリングされた雑音電場をロッドにかけることによ
り不必要なイオンをロッド構造38内から取り除くことができる。そのようなフ
ィルタリングされた雑音電場の使用は、1967年8月1日に交付されたラング
ミュアの米国特許第3,334,225号及び1996年1月10日に交付された
ケリーの米国特許第5,381,007号に開示されている。
【0048】 ほとんどのイオントラップの欠点の1つは、既に述べたように、分析を行って
いる間はイオンをさらに受け入れることができないことである。連続イオン源を
用いている場合、イオン源で生成されるイオンの多くあるいは事実上ほとんどが
分析されず、無駄になるので、このことはデューティサイクルを低下させ、総合
感度を下げる。ダグラスの米国特許第5,179,278号は、多重極ゲートシス
テムが、イオントラップが分析を行っている間にイオン源からのイオンを受け入
れて貯蔵することにより、上記の問題を軽減し得ることを教示している。この手
法はデューティサイクルを高めることによりシステムの総合感度を劇的に高める
ことができる。図4はこれらの原理を用いる装置を示す。
【0049】 ダブルプライム(”)が付けられた参照数字は図1の要素に対応する要素を表
す図4の装置において、ロッド38”は3つのロッドセット38a,38b及び
38cに分割されている。ロッド38aは連続イオン源14”からのイオンを予
備トラップするために用いられる。ロッド38bは、ロッド38bのDCオフセ
ットを変えることによりイオンを反射するかまたは通過させることができるRF
ロッドミラーとして用いられる。ロッド38c及び出射レンズ42”はロッド3
8bを通してロッド38cに入射するイオンを分析するための、先に説明した開
放端を有するイオントラップとしてはたらく。
【0050】 動作時には、ロッドセット38aのRF及びDC電圧は注目する質量範囲にあ
るイオンを受け入れるように設定され、一方ロッドセット38bのAC及びDC
電圧はイオンを反射するように設定され、よってイオン集団がロッドセット38
a内に蓄積する(この動作は米国特許第5,179,278号でロッドセット44
に関して正確に説明されている)。既定の時間後、ロッドセット38a内に蓄積
されたイオンがロッドセット38bを通過してロッドセット38cに進むことが
できるように、ロッドセット38bの電圧が変えられる。ロッドセット38cに
印加されるRF電圧及びDCオフセット電圧並びに出射レンズ42”に印加され
るAC及びDC電圧は、ロッドセット38cが図1に関連して説明した軸方向射
出をもつイオントラップとして動作するように設定される。すなわち、既に説明
したように、イオンは質量に依存する態様でロッドセット38cから軸方向に射
出され、検出器46”で検出される。
【0051】 質量分析がロッドセット38cで行われている間、ロッドセット38bの電圧
はイオン反射モードに戻り、イオン源14”からのさらなるイオンがロッドセッ
ト38a内に貯蔵される。この構成の利点は、イオンがロッドセット38cで分
析されている間に連続イオン源からのイオンが引き続く分析のために予備トラッ
プ領域、すなわちロッドセット38a内に蓄積されて、失われないことである。
米国特許第5,179,278号に教示されるように、装置の分析領域を満たすに
十分なイオンを集めるための時間、予備トラップ領域を空にするための時間、及
び分析を行うための時間の適切な最適化により非常に高いデューティサイクル、
したがって高い総合感度を得ることができる。もちろん図1の構成であっても、
引出領域54からイオンが射出されている間にロッドセット38の領域60にイ
オンが集められ、よってロッドセット38及び出射レンズ42で構成されるイオ
ントラップがイオンをスキャンしながら送り出している間にある程度のイオンを
集め得る。しかし図3に示した変形ではより大きな空間を用い得るので、より多
くのイオンを貯蔵できる。さらに、不必要なイオンを取り除くためにロッドセッ
ト38aの対向するロッド対の間にある程度のDCを都合よく印加することがで
き、よってロッドセット38cにおける空間電荷効果を低減することができる。
【0052】 例として、0.1μM(マイクロモル)の(質量対電荷比が609の)レセル
ピンをよく知られたイオンスプレー源(図示せず)を用いてカナダ国オンタリオ
州コンコード(Concord)のエム・ディー・エス社(MDS Inc.)のサイエックス(Scie
x)部門で製造された従来のモデルAPI300質量分析計に導入した。モデルA
PI300のイオン光路の単純化した略図が、ガスカーテン付入口プレートが参
照数字72で表され、スキマープレートが参照数字74で示されており、また4
つのロッドセットがQ0,Q1,Q2及びQ3で示され、ロッドセットQ0とQ
1との間、ロッドセットQ2とQ3との間及びロッドセットQ2とQ3との間に
、それぞれオリフィスプレートIQ1,IQ2及びIQ3がある、図5に示され
ている。出射レンズは参照数字76で表され、検出器(チャネル型電子増倍器)
は参照数字78で表されている。
【0053】 図5の例において、チャンバ80の圧力は2.2Torr(約293Pa)、
チャンバ82の圧力は8mTorr(約1.07Pa)、また真空チャンバ84
のQ2を除く部分の圧力は2×10−5Torr(約2.67mPa)とした。
印加DC電圧は:スキマープレート80は接地し;Q0は−5VDC;IQ1は
−7VDC;Q1は−10VDC;IQ2は−20VDC;Q2は−7VDC;
(出射レンズと等価のはたらきをする)IQ3は−3VDC;Q3は−15VD
Cとし、最後の出口プレート76は0Vとした。分解DC電圧はどの4重極にも
印加していない。
【0054】 通常は衝突セルであるQ2を、イオンをトラップするように構成し、セル圧力
を1×10−3Torr(約0.133Pa)とした。さらに、出射レンズIQ
3に補助AC電圧を印加した。補助AC電源は主RF周波数の1/9の周波数で
、ピーク間100Vをつくることができ、主RFの周波数及び位相と同期化され
、フェーズロックされた(主RF周波数は816kHzであり、よって補助AC
電圧は90.67kHzであった)。
【0055】 補助AC電圧をピーク間47Vに保ち、本実験では周波数を90.67kHz
で一定に保ち、質量スペクトルを得るためにロッドセットQ2に印加するRF電
圧をスキャンした。RF電圧振幅をスキャンすることによりトラップ条件が変わ
り、また非常に低質量のイオンが射出され得るが、上記条件の下では装置のqが
非常に低いためロッドセットQ2内にトラップされた注目するイオンは(実験が
極めて質量の低いイオンに注目していない限り)通常は射出されない。
【0056】 本実験におけるステップの順序は: (a) IQ1のDCレンズ電圧を(イオンを停止させる)+20Vから(イ
オンの通過のための)−7Vに変えることにより、短いイオンパルスをQ0から
Q2に進ませる(本実験の間Q1はイオンパイプとしてはたらく以外何の機能も
果さない); (b) 次いで、ロッドセットQ2に印加するRFを代表的にはピーク間92
4Vからピーク間960Vまでランピングすることにより、Q2にトラップされ
たイオンをスキャンして軸方向に射出する; (c) 次いで、ロッドセットQ2に印加する電圧を非常に低い電圧、代表的
にはピーク間20Vまで下げることにより、ロッドセットQ2内の全ての残留イ
オンを排出する; (d) 次いで、このステップ順序を繰り返す; とした。
【0057】 上記の手法を用いてとられた代表的なスペクトルが、質量529.929にあ
るピーク100を示す図6に示される。このスペクトルは質量較正されていない
ので、記録された質量529.929のピークは誤りであり、真の質量は609
である。
【0058】 質量較正オフセットのため手で補正された半値幅は0.42AMUであること
がわかる。この値からM/Z=609における分解能M/ΔMの値が約1450で
あることがわかり、これは非常に高い分解能である。上記の実験においては、ス
キャンを遅くしたときに、本例では78AMU/秒のスキャン速度で、高い分解
能が最善に得られた。しかし最適化によって、より高速なスキャンが達成される
と考えられる。
【0059】 図5のシステムで行った別の実験においては、以下の条件: (a) レンズIQ3に2VのトラップDCを印加; (b) レンズIQ3に90.67kHzで(ピーク間)62VACを印加; (c) 選択された親イオン、すなわちM/Z=587のレニン基質テトラデ
カペプチド(M+3H)3+のみを通過させるために、Q1を(RF及びDCが印
加される)分解モードに設定; (d) Q3をRFのみ(分解DCをかけない)に設定; (e) Q2の圧力をヘリウムで1×10−3Torr(約0.133Pa)
まで上げる; の下でフラグメンテーションを行った。
【0060】 実験ステップは: 1. レンズIQ1の電圧を+20Vから−7Vに変えることにより、M/Z
=587のイオンをQ0からQ2に通過させる; 2. 50ミリ秒の間、RFロッド電圧をピーク間897.8Vに設定するこ
とで、Q2内のイオンを励起する。これは励起ステップである。Q2内の(IQ
3にかけられる)AC電場と共鳴するイオンは励起され(エネルギーを吸収し)
、高められた運動エネルギーのため、トラップから射出されるか、あるいはバッ
クグラウンドガスとの衝突により分解される; 3. 50ミリ秒の励起ステップの直後に、Q2のRFロッド電圧をピーク間
800Vからピーク間1,422Vまでスキャンすることにより、Q2内のイオ
ンを質量に依存してスキャンし、軸方向に射出する; とした。
【0061】 観測されたイオンが図7のピーク104,106,108に示される。質量ス
ペクトルはやはり較正されておらず、補正されて示されている。ピーク108は
M/Z=587の(3価の)親イオンであり、一方M/Z=697及びM/Z=72
0のフラグメントイオンが106,108に示される(フラグメントイオンは2
価でしかないのでM/Z比が親イオンより大きい)。
【0062】 すなわち、上述した線形トラップで衝突フラグメンテーションを容易に行い得
ること、及びフラグメントイオンを検出及び分析のため質量に依存する態様でス
キャンして軸方向に射出できることがわかる。
【0063】 図5のシステムで行われたまた別の実験においては、以下の条件の下で質量ス
ペクトルを得た。出射レンズIQ3に補助AC電圧を印加せず、代わりにレンズ
IQ3には標準のDC障壁電場だけを与えた。この場合でも、出射レンズIQ3
の近傍にあるフリンジング電場によるトラップされたイオンの半径方向自由度と
軸方向自由度の結合を介した、ロッドセットQ2からの軸方向への質量選択性射
出はおこる。補助AC電圧がレンズIQ3に印加されていなくとも、ほぼ0.9
06の安定性限界に一致するq値にあるイオンがQ2から射出される。
【0064】 上記の動作方法において、出射レンズIQ3にかけられたDC電場によりロッ
ドセットQ2内にイオンがトラップされ、次いでトラップされたイオンのq値が
約0.906をこえるように、ロッドセットQ2のロッドのRF電圧が高められ
る。これにより、ロッドセットQ2のフリンジング電場が無視できる領域で半径
方向射出がおこる。半径方向に射出されたイオンは4本のロッドのいずれかに向
かって進み、失われる。しかし、かなりの半径方向/軸方向結合がある出射レン
ズIQ3近傍では軸方向射出がおこる。qが約0.906より大きい場合、半径
方向及び軸方向射出の併用により検体イオンの全てがロッドセットQ2から排出
される。さらに、q値が約0.906より大きい場合は、イオン源から引き続き
入射する(Q0,Q1及びQ2を通過する)イオンがロッドセットQ2内でもは
や安定ではなくなり、蓄積されない。
【0065】 出射レンズIQ3のDC障壁電場とロッドセットQ2にかけられるRF電場と
の相互作用によりつくられる出射レンズIQ3近傍のフリンジング電場は、わず
かな距離しか出射レンズIQ3近傍にあるロッドセットQ2内に入り込まない。
上述したように、そのような侵入の深さは現在わかっておらず、また出願人が知
る限り、侵入深さを決定するための数学モデルは現在存在しない。しかし、侵入
深さは出射レンズIQ3をロッドセットQ2の末端に近づけるほど大きくなるで
あろう。図5のロッドセットQ2の長さは200mmであり、したがって、ロッ
ドセットQ3のRFがランピングされると、イオンのほとんどが半径方向射出で
失われ、比較的小さな比率でしか軸方向には射出されない。しかしデューティサ
イクルが従来の装置よりかなり高いので、得られる信号レベルは従来装置で得ら
れる信号レベルと同程度かまたはそれより高いことがわかっている(上述したよ
うに、これはQ2で分析が行われている間にイオンがQ0でトラップされて蓄積
されているためである)。望ましければ、空間電荷効果のような望ましくない効
果を避けるに十分な長さにQ2を保ちながら、半径方向射出で失われるイオンが
より少なくなるように、Q2をより短くすることができる。
【0066】 さらに、出射レンズIQ3に補助AC電圧を印加せず、代わりにフリンジング
電場が単に出射レンズのDC障壁電場とロッドセットQ2にかけられるRFとの
(またはロッドセットQ2に印加される補助AC電圧との)相互作用でつくられ
ていれば、扱わなければならないパラメータがより少なくなり、有用な信号をよ
り容易に得ることができる。
【0067】 例として、質量対電荷比が609のレセルピンの1μM溶液を図5の装置に導
入した。関係する電圧及び圧力は以下の通りである。チャンバ82の圧力は8m
Torr(約1.07Pa)、真空チャンバ84のQ2を除く部分の圧力は2×
10−5Torr(約2.67mPa)とした。印加DC電圧は:スキマープレ
ート74は接地し;Q0は−5VDC;IQ1は−10VDC;Q1は−6.5
VDC;IQ2は−15VDC;Q2は−20VDC;IQ3は−14VDC;
Q3は−20VDCとし、最後の出射プレート76は0Vとした。分解DC電圧
はどの4重極にも印加していない。
【0068】 標準的な衝突セルQ2をイオンをトラップするように構成し、ヘリウムで圧力
を1×10−3Torr(約0.133Pa)とした。上述したように、出射レ
ンズIQ3には補助AC電圧を印加していない。
【0069】 本実験におけるステップの順序は: (a) レンズIQ1のDCレンズ電圧を+20Vから−7Vに変えることに
より、短いイオンパルスをQ0からQ2に進ませる; (b) 次いで、代表的にはピーク間1,350Vからピーク間1,540Vま
でロッドセットQ2に印加するRFをランピングすることにより、衝突セルQ2
内にトラップされたイオンをスキャンして軸方向に射出する; (c) 次いで、このステップ順序を繰り返す; とした。
【0070】 上述した手法により得られた代表的スペクトルが図10に示され、この図では
参照数字120で表される、質量611にある親レセルピンイオンが示される。
この装置は、若干較正がずれており、正しい質量609が611と記録されてし
まっている。半値幅は広いが(ほぼ4AMU)、上述の構成は最適化が容易であ
り、高速でスキャンでき(例:約5,000AMU/秒以上)、また多くの用途に
対し十分な分解能が得られる。さらに、質量分解能は改善できると考えられる。
【0071】 ロッドセットQ2にかけられるRF電場をランピングする代わりに、一般には
一対のロッド間で、ロッドセットQ2に補助双極AC電場をかけてもよい。一般
に双極電場はイオンを半径方向に励起はするがイオンが射出されるには至らない
ように低レベル、例えば1Vに設定され、さらに、先と同様に、RF電場の振幅
がランピングされて、出射レンズの障壁電場を通してロッドセットからイオンが
質量に依存して射出される。あるいは、RFを固定し、双極電場の周波数をラン
ピングしてイオンを励起することもできる。一様な双極電場が与えられた場合、
イオンはロッドセットQ2の長さ方向に励起はされるがロッドセット内にとどま
り、軸方向DC電場の影響の下でロッドセットQ2の出口端に向かってドリフト
し、出口端でフリンジング電場により半径方向運動が軸方向運動に変換されるこ
とに注意されたい。次いで、上記の結合によりつくられる軸方向運動が、通常は
RFまたは双極電場をランピングすることにより増強されて、検出のために、出
射レンズの障壁電場を通してイオンを質量に依存して軸方向に射出する。補助双
極電場の代わりに補助4重極電場を用いても同様の結果を得ることができる。
【0072】 図5と同様の質量分析計システムを示し、対応する参照数字は対応する要素を
表す図11を次に参照する。以下では図5との違いだけが説明される。図11の
質量分析計は高分解能軸方向射出イオントラップとして用いることができる。
【0073】 図11においては、ロッドセットST1とST2(“ST”は“スタッビー”
を意味する)が設けられている。これらは、従来のブルべーカー(Brubaker)イオ
ンレンズを形成する、単なる短い(一般に長さ1インチ(約25.4mm))ロ
ッドセットである。ロッドセットQ1及びQ3も短く、一般に長さ1インチであ
る。
【0074】 冷却ガス源130が(図5に関連して、図示してはいないが、説明したように
)不活性ガス、例えばヘリウムを約1mTorr(約0.133Pa)でロッド
セットQ2に供給する。
【0075】 図5に示した従来装置において、主電源50(図5には示していない)からの
RFはロッドセットQ3に接続され、ロッドセットQ2用のRFはロッドセット
Q3から容量結合されていた。図11の構成において、電源50からのRF(一
般に1MHz)がロッドセットQ2に直接接続され、ロッドセットST1とQ3
のRFはコンデンサC1,C2を介した容量結合によりロッドセットQ2から与
えられる。これにより、ロッドセットQ2のRF振幅を比較的大きく(ロッドセ
ットQ3の振幅より大きく)することができる。
【0076】 動作時には、ロッドセットQ0,ST1,Q1,ST2及びQ3が全てRFの
みのモードで、すなわち“イオンパイプ”としてイオン通過モードで、動作する
。ST1,Q1,ST2及びQ3の圧力は、一般に約3×10−5Torr(約
4.00mPa)である。
【0077】 レンズIQ3は例えば約2Vとすることにより、Q2にかかるロッドオフセッ
トに対して(前と同様に)若干反発性にされる。
【0078】 図11の構成は、Q2にトラップされたイオンを、トラップされているイオン
の永年周波数の2倍(または望ましければ、永年周波数の3倍以上)の、IQ3
に印加される(電源56からの)補助AC周波数により励起するように動作させ
ることが好ましい。これにより、理由は十分に解明できていないが、分解能が高
められることが分かっている。
【0079】 例として、図11の構成を用い、300kHzの補助ACをIQ3に印加して
得られた、レセルピンの質量スペクトルを示す図12を次に参照する。IQ3の
補助AC振幅は(ピーク間)16.5Vとした。図12のスペクトルでは図6の
スペクトルに比較して、分解能が向上している(M/ΔM=約850)ことがわ
かる。
【0080】 図11の構成を用いているが、ここではIQ3に印加される補助AC周波数を
(検出されるイオンに該当するqにおける永年周波数の同じく2倍である)88
9kHzとして得られた、別のレセルピンスペクトルを示す図13を次に参照す
る。さらに、低分解DC(2.0V)を電源50のDC源132(図11)から
ロッドセットQ2に印加している。分解能M/ΔMが大きく高められ、50%レ
ベルで測定して、ここでは7,000となったことがわかる。図13に見られる
3つのピークは、1AMU間隔の1価のレセルピン同位体である。図13のスペ
クトルに関し、IQ3に印加されたAC振幅は(ピーク間)16.5Vであった
【0081】 図14は、図11の構成を図13に関連して説明したように動作させて得られ
た別のスペクトルを示す。しかしこの場合は分析する物質をレニン基質とした。
図14に示されるように、全てが互いに非常に近接している、M/Z=587(
質量較正されていない)の(M+3H)3+イオンからの、5つの3価のピークが
、約6500の分解能M/ΔMで表われた。
【0082】 図15は、図11の構成を図14に関連して説明したように動作させて、すな
わちIQ3に印加する補助AC周波数を889kHzとして、得られたレニンに
対する別のスペクトルを示す。図15に見られるピークは、M/Z=440(質
量較正されていない)の(M+4H)4+イオンからの4価のイオンを表し、4つ
のピークはほぼ1M/Z単位内に表われていることがわかる。この分解能は飛行
時間型質量分析計の分解能に近く、飛行時間型装置よりスキャン時間は遅いが、
コストはかなり低く、操作もかなり容易である。
【0083】 Q2のRF振幅をより大きくすれば、イオンに対して半径方向“ウエル”がつ
くられ、このウエルの深さは従来のウエルより大きいと考えられる。このため、
イオンが半径方向の次元で空間的により強固に束縛され、よってより高い分解能
を達成するに役立つ、より優れた永年周波数分散が得られる。しかし、イオンの
永年周波数の2倍以上の周波数での補助AC励起により分解能が高くなる理由は
十分に解明されていない。
【0084】 次に図10の構成の、ロッドセットQ2にガスが加えられておらず、よってロ
ッドセットにより定められる空間の圧力が他のロッドセット内の圧力(例:2×
10−5Torr(約2.66mPa))とほぼ等しい改変態様を用いた。再び
、電源50(図11)のDC源132から、低分解DCをロッドセットQ2に印
加した。以下で説明されるスペクトルからわかるように、冷却ガスがないことか
ら分解能は若干低下するとはいえ、分解能は極めて良好なままであり(ほぼ1単
位分解能)、一方感度(すなわち、つくられるイオン信号量)が極めて大幅に高
くなる。実際、得られるイオン信号はガスのある時よりガスがない方が10倍か
ら50倍大きかった。さらに、より高い感度とかなり高い分解能を達成しながら
もスキャン速度を大幅に高めることができるようになった。
【0085】 トラップされたイオンは、ロッドセットQ2にあるガスと衝突して冷却され、
空間電荷効果が顕著になる比較的狭い空間に押し込まれるため、感度がより高く
なる(イオン信号が大きくなる)と考えられる。空間電荷効果は、ロッドセット
Q2で構成されるトラップがスペクトルの劣化をともなわずに扱えるイオン数を
制限する。冷却ガスがなければ、ロッドセットQ2内のイオンは、空間電荷効果
が問題になるまでにより多くのイオンを扱える、より広い空間を占める。
【0086】 図11の構成に対してここで意図した動作モードにおいては、図4に関連して
正に説明したように、イオンがスキャンされてQ2から送り出されている間に、
イオンが(レンズIQ1にトラップされて)ロッドセットQ0内に蓄積される。
図4に関連して説明したように、このことからより高いデューティサイクルが得
られ、また感度も高くなる。
【0087】 図16は、図11の構成で上述した動作モード(Q0で予備トラップし、Q2
には冷却ガスを加えず、Q2に低分解DCを印加する)を用いて得られた、レセ
ルピンの質量スペクトルを示す。図17は(スペクトルは質量較正されておらず
、よって示される質量は実質量ではない)図16における質量364の詳細を示
しまた図18は同じく図16における質量537の詳細を示す。分解能は前に示
したスペクトルよりは低下しているが、それでもほぼ1単位であり、図13の例
で示したように、感度は前に示したレセルピンスペクトルより10倍から50倍
高い。感度が高められる理由は、冷却ガスの排除で生じる空間電荷効果の減少、
Q0で予備トラップすることによるデューティサイクルの向上、及び低分解DC
の使用であった。本動作モードの別の利点は、図16に示されるように、スキャ
ン速度が(試験に用いたエレクトロニクス装置の限界であった)3350AMU
/秒であり、一方ロッドセットQ2に冷却ガスがある場合のスキャン速度はより
低い(一般に120AMU/秒)ことである。
【0088】 スキャン時の分解DCの印加が感度を向上させる理由は十分には解明されてい
ないが、(100pg/μLのレセルピンによるスペクトルであり、質量較正さ
れていない)図19から図22が、Q2から質量に依存してイオンをスキャンし
て軸方向に射出するときに分解DCを使用することの利点を明白に示す。図19
はQ2を満たすとき及びスキャンしてQ2から射出するときのいずれにおいても
分解DCを印加した場合のスペクトルを示し、一方図20はQ2からイオンをス
キャンして射出するときにのみ分解DCを印加した場合のスペクトルを示す。い
ずれの場合にも、参照数字134a,134bで表されるピークについての感度
は非常に高い(6×10イオンカウント/秒より大きい)。
【0089】 対照的に、ロッドセットQ2を満たすときにのみ分解DCを印加し、スキャン
時には印加しなかった場合の図21、及び満たすときもスキャンするときも分解
DCを印加しなかった場合の図22に示されるように、ピーク134c,134
dについての感度はかなり低く(約2×10カウント/秒)、質量分解能もかな
り低くなっていた。
【0090】 上述したように、レンズIQ3の電圧によりつくられた反発障壁を通してイオ
ンを質量に依存してスキャンしてQ2から軸方向に射出するときにロッドセット
Q2に分解DCを印加すると、性能(感度及び分解能)が向上する理由は明確に
は解明されていない。しかし、分解DC電圧振幅の範囲を広くとれることが確認
された。例えば、0.5Vという低い電圧から50Vまでの分解DC電圧を用い
たが、いずれの電圧でも総じて同じ有益な効果が得られている。
【0091】 別の例が、ミノキシジルに対する図23のスペクトル並びに図23のスペクト
ルにおける2つのピーク136,138を示す図24及び25のスペクトルによ
り示される。図23,24及び25のスペクトルは、冷却ガスを加えず、Q0で
予備トラップし、分解DCを印加する、正に説明したばかりのモードで図11の
システムを用いて得られた。質量目盛は較正されていないので、192.221
AMUに記録されたピークが実はミノキシジル(M+H)イオンである。やはり
、感度が非常に高く(低い方のピーク138で6×10カウント/秒をこえる
)、分解能が高く(1単位ないしさらに良好な分解能)、スキャン速度が非常に
高いと見なされる3350AMU/秒であることがわかる。
【0092】 図26は、説明したばかりのように、やはり、ロッドセットQ2に冷却ガスを
加えず、ロッドセットQ0で予備トラップし、ロッドセットQ2に分解DCを印
加して、図11の構成を用いて得られたレニン基質に対する質量スペクトルを示
す。分解能が(図14のスペクトルほど高くはないが)高いにも関わらず、(M
+3H)3+イオンに対する感度は、図14のスペクトルでは約2×10カウ
ント/秒でしかないことに比較して、5×10カウント/秒より大きい。
【0093】 上述したように冷却ガス無しで動作させた図11の構成は、対応する参照数字
が図11の対応する要素を表す図27に示されるように単純化できる。図に示さ
れるように、図27の構成においては、Q2,ST2及びQ3が取り除かれてい
る。Q0は前と同じくスキャン時にイオンを蓄積するために用いられるが、イオ
ンは今度は(Q2の代わりに)Q1にトラップされ、次いで質量に依存してスキ
ャンされて、反発障壁IQ2を通してQ1から軸方向に射出される。所望の(第
2の構成が示される)動作モードに依存して、補助ACを電源56から障壁IQ
2あるいはロッドセットQ1に印加することができる。Q1からスキャンされて
軸方向に射出されたイオンは、出射レンズ76で集束されて検出器に入り、イオ
ンカウントが記録される。前と同様に分解DCがロッドセットQ1に印加される
が、ロッドセットQ1の長さは、図11で用いられた5インチ(約127mm)
長ロッドセットに比較して、1インチ(約25.4mm)でしかないから、また
ロッドセットQ1の寸法許容度は厳しくする必要がないから、ロッドセットQ1
にはコストがあまりかからない。それにも関わらず、図27の構成を用いて図1
1の構成と同じ感度及び分解能を得ることができる。
【0094】 このことを示すため、図27の構成を用い、RFを1.0MHzとし、3.0V
の分解DCをロッドセットQ1に印加して得られたレセルピンの質量スペクトル
を示す図28を参照する。ロッドセットQ1にもIQ2にも補助ACは印加され
ておらず、よって質量選択性軸方向イオン射出はほぼq=0.9でおこる。質量
609についての感度が4.8×10cps(カウント/秒)より高く、分解能
がかなり高いことがわかる。
【0095】 図27の構成を用いて得られたレセルピンに対する2つのスペクトルを示す図
29は、非常に短い1インチ(約25.4mm)のロッドセットQ1でトラップ
していても、空間電荷効果が障害を生じさせていないことを示す。図29におい
て、ピーク150は100pg/μLのレセルピンに対応する質量609と同定
され、一方ピーク152は10ng/μLのレセルピンに対応するピーク(質量
609)に一致する。空間電荷効果があれば、より高濃度におけるピーク152
はシフトし、幅が広くなっているはずであるが、イオン検出エレクトロニクス装
置が10ng/μL溶液からの応答により飽和していたという事実にも関わらず
、そのようなことはおこらなかった。
【0096】 ここまでを要約すると、冷却ガスを用いる図11の構成によるスキャンでは、
スキャン速度は比較的に中程度であるが分解能を非常に高くすることができる。
冷却ガス無しでのスキャンでは、分解能は劣るが、ほとんどの用途で受け入れら
れる分解能をより高い感度及びより速いスキャン速度をもって得られる。
【0097】 これまで説明した方法の利点は、図5に簡略化した形態で示したモデルAPI
300のような従来の市販の質量分析計を、上記の方法の少なくともいくつかを
用いて動作させ得ることである。従来用いていた動作手順を単に変更することに
より、10倍の信号強度及び少なくとも同じ分解能を生じ得る。あるいは、標準
的なモデルAPI300質量分析計においてQ0はQ1からRFを受け取り、よ
ってQ1がスキャンされるとQ0も強制的にスキャンされるから、Q0にRFを
別に供給し、よってQ1が質量に依存する態様でイオンをスキャンして軸方向に
射出している間、Q0がイオンを予備トラップして蓄積することができる。
【0098】 図30に示される、図11の構成を改変した構成は、MS/MSを行うために
用いることもできる。この動作モードにおいて、レンズIQ1の適当な反発電圧
によりイオンがQ0に予備トラップされ、次いで、Q1にイオンをトラップする
ためのレンズIQ2の反発電圧により、適当な時間に(冷却ガスが加えられてい
ない)トラップとしてはたらくQ1にイオンパルスとして送られる。RFはこの
目的のために、既に説明した目的のための低分解DCとともに、電源50から直
接Q1に印加される。
【0099】 Q1にトラップされたイオン(親イオン)は、フラグメントイオンを生成する
ために、質量に依存してスキャンされて軸方向に、親イオンをフラグメント化す
なわち親イオンを分解するための(図示されていないガス源からの)衝突ガスが
入ったQ2内に射出される。
【0100】 Q2内のイオン、すなわちフラグメントイオンと親イオンとの混合イオンは、
ロッドオフセット電圧の影響の下でQ2を出てQ3に入ることができ、そこでレ
ンズ76の1つに印加された反発DC電圧によりトラップされる。ロッドセット
Q3にトラップされた混合イオンは次いで、質量選択的にスキャンされて軸方向
に射出され、検出器78で検出されてイオンカウントが記録される。前述されま
た図30に示されるように、双極または4重極電圧の個別の補助AC電圧を電源
50a,50bからロッドセットQ1及びQ3に印加することができる。あるい
は、既に説明した目的のために、レンズIQ2及びレンズ76に個別の補助AC
電圧を印加することができる。RF周波数が補助AC周波数の整数倍であれば、
AC周波数をRF周波数と同期させ、フェーズロックさせることができる。AC
及びRF周波数が固定され、RF振幅がスキャンされることに注意されたい。
【0101】 代替手法として、Q2にあるフラグメントイオンと親イオンとの混合イオンを
レンズIQ3の適当な反発電圧によりQ2にトラップすることができる。トラッ
プされた混合イオンを次いで質量に依存してスキャンし、ST2及び(ここでは
RFのみのモードであり、イオンパイプとしてはたらく)Q3を通して、軸方向
にQ2から検出器78に射出することができる。この動作モードにおいては、ト
ラップロッドセットQ2にあるガスのため、先に説明した動作モードより分解能
が高くなるであろう。
【0102】 MS/MSを行うためのまた別の手法は図31のシステムに基づく。イオンは
レンズIQ1の適当な反発電圧によりQ0に予備トラップされ、次いで、適当な
時間にイオンパルスとしてQ1を通過する。Q1は標準的なRF/DC4重極質
量分析器であり、RF及び分解DCをQ1に供給するための専用の電源50aを
もち、イオントラップとしての動作は行わない。Q1に印加されるRF及びDC
電圧は、注目する親イオンをQ2に通過させ、その他のイオンは通常のまたよく
理解された態様で半径方向に失われるように選ばれる。Q2には、フラグメント
イオンを生成するために親イオンをフラグメント化すなわち親イオンを分解する
ための、ガス源200からの衝突ガスが入っている。フラグメントイオン及び残
留親イオンは、先に説明した態様で、IQ3に印加された反発DC電圧によりQ
2にトラップされる。ロッドセットQ2に印加されるRF,低分解DC及び補助
ACは、先の説明と同様である。Q2にトラップされたイオンは質量選択的にス
キャンされて軸方向にQ2から検出器78に向けて射出され、MS/MS質量ス
ペクトルを生じる。
【0103】 図31に関連して説明した構成にはいくつかの利点がある。第1に、親イオン
の質量分離ステップが非常に簡単で高速である。このことには、Q0から引き出
されたイオンに従来の分解質量分析計Q1を通過させることだけが関係する。こ
れにより、親イオンがイオントラップ内に単離されている場合に含まれる長めの
時間(数ミリ秒)が省略される。さらに、Q1により従来のRF/DCスキャン
を行う能力がそのままで残され、これにより、イオンをトラップしまたデューテ
ィサイクルを高めるという利点は保ちながら動作が単純化される。質量分析の(
ここではQ1で行われる)第1段階が4重極マスフィルタを用いてなされる必要
がないことは当然である。飛行時間型質量分析計、RFのみのモードの4重極質
量分析計、あるいは単集束または二重集束扇形質量分析計のような、いずれのマ
スフィルタ装置も親イオン単離ステップに有効である。さらに、Q2からスキャ
ンされて射出されるフラグメントイオンは先に説明した方法によりさらに分解す
ることができ、MS段をさらに増やすことができる。
【0104】 図32は、図31で説明したシステムで得られたMS/MSスペクトルを示す
。ここでは、ミノキシジル(分子量209)の100pg/μL溶液が、イオン
源14に導入された。Q1はM/Z=209を中心とする3AMU幅のウインド
ウにあるイオンを、イオントラップとしてはたらく、圧力が高められたQ2に送
るように設定した。1MHzの駆動RFにフェーズロックされた周波数500k
Hzの補助AC電圧を、4重極モードでロッドセットQ2に印加した。AC電圧
は(ピーク間)6Vとした。1Vの分解DCもロッドセットQ2に印加した。ガ
ス源200から供給される衝突ガスには、API300という名称でMDS社に
より販売されている質量分析計のような、市販の3段4重極質量分析計で現在用
いられている圧力のほぼ1/10から1/50の、約3×10−4Torr(約4
0.0mPa)の圧力の窒素を用いた。
【0105】 図32のスペクトルは想定されるミノキシジルフラグメントイオンの全てを、
高感度で示し、また半ピーク高で測定して0.15AMUより小さいピーク幅を
示す。この分解能は非常に高い。
【0106】 図31のシステムで非常に低い衝突ガス圧を用い得るという事実は、小型でよ
り安価な真空ポンプを用い得ることを意味する。このこと及び従来の3段4重極
質量分析計においては高精度マスフィルタが2段必要であることに対して図31
のシステムでは高精度マスフィルタをQ1の位置で1段しか用いないという事実
は、相当なコスト低減を示す。
【0107】 図5及び11でQ2が約1mTorr(約0.133Pa)の衝突ガス圧で動
作すると本明細書で先に説明したが、これらの場合における圧力も大きく、例え
ば3×10−4Torr(約40.0mPa)まで下げることができることに注
意されたい。この圧力は従来の衝突集束形態における動作に必要な圧力より低い
が、良好な結果を生じるにはこのような低い衝突ガス圧力で十分であることが、
実験により示されている。
【0108】 本発明を4重極ロッド構造に関して説明したが、その他の多重極ロッド構成、
例えば8重極または6重極も用いることができる。さらに、出射レンズ42をア
パーチャをもつプレートとして説明したが、その他の構成の出射レンズ、例えば
図8の102で示されるような、A極対102a及びB極対102bを有する短
いRFのみのモードのロッドアレイを用いることができる。この構成ではA極対
102a及びB極対102bのロッドオフセットを射出されるべきイオンの共鳴
周波数と共振させて、出射レンズ42にかけられる補助AC電場により得られる
軸方向射出と同様の軸方向射出を行わせることができる。
【0109】 線形ロッドセットを説明し、図示したが、望ましければ曲線形ロッドセットを
用いることができる。さらに、孔の空いたプレートあるいは短いロッドセットの
形態の出射レンズを示したが、他の形態の出射レンズを用いることができる。例
えば図9に示されるように、出射レンズ110をくさび形のセグメント110-
1,110-2,110-3,110-4及びアパーチャ112を有するセグメン
ト型プレートとすることができる。これにより相異なる電場を各セグメントにか
けることができ、よってレンズ110の上流の真空チャンバ部分から流出し得る
ガス量はアパーチャプレートと同様に制限しながら、得られる結果を最適化する
ことができる。
【0110】 本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の範囲内で様々な変更がなさ
れ得ることは当然であり、そのような変更は全て特許請求の範囲に含まれるとさ
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を用いることができる簡単な質量分析計システムの略図である
【図2】 図1のロッドセットの端面図であり、このロッドセットへの電気的接続を示す
【図3】 図1のシステムの一部の改変を示す略図である
【図4】 図1のシステムの別の改変を示す略図である
【図5】 図1のシステムのまた別の改変を示す略図である
【図6】 図5のシステムで得られた結果を示すグラフである
【図7】 図5のシステムで得られた別の結果を示すグラフである
【図8】 出射レンズとして用いることができるロッドの端面図である
【図9】 改変された出射レンズの平面図である
【図10】 図5のシステムで得られたまた別の結果を示すグラフである
【図11】 図1のシステムのさらに別の改変を示す略図である
【図12】 図11のシステムで得られた質量スペクトルを示す
【図13】 図11のシステムで得られた別の質量スペクトルを示す
【図14】 図11のシステムで得られたまた別の質量スペクトルを示す
【図15】 図11のシステムで得られたさらに別の質量スペクトルを示す
【図16】 図11の改変されたシステムを用いて得られた質量スペクトルを示す
【図17】 図16の質量スペクトルの一部拡大図である
【図18】 図16の質量スペクトルの別の一部拡大図である
【図19】 図11の改変されたシステムの第1の動作モードで得られた質量スペクトルを
示す
【図20】 図11の改変されたシステムの第2の動作モードで得られた質量スペクトルを
示す
【図21】 図11の改変されたシステムの第3の動作モードで得られた質量スペクトルを
示す
【図22】 図11の改変されたシステムの第4の動作モードで得られた質量スペクトルを
示す
【図23】 図11の改変されたシステムを用いて得られた別の質量スペクトルを示す
【図24】 図23の質量スペクトルの一部拡大図である
【図25】 図23の質量スペクトルの別の一部拡大図である
【図26】 図11の改変されたシステムを用いて得られたまた別の質量スペクトルを示す
【図27】 図11のシステムの単純化した改変を示す
【図28】 図27のシステムを用いて得られた質量スペクトルを示す
【図29】 図27のシステムを用いて得られたさらに2つの質量スペクトルを示す
【図30】 MS/MSに用いられる図11のシステムの改変を示す
【図31】 MS/MSに用いられる図11のシステムの別の改変を示す
【図32】 図31のシステムを用いて得られた質量スペクトルを示す
【符号の説明】
14 イオン源 50a,50b 電源 72 入口プレート 74 スキマープレート 78 検出器 200 衝突ガス Q0,Q1,Q2 ロッドセット IQ1,IQ2,IQ3 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細長いロッドセットを有し、前記ロッドセットが入口端及び
    出口端及び長さ方向の軸を有する質量分析計の動作方法において、前記方法が: (a) イオンを前記ロッドセットの前記入口端に通すステップ; (b) 前記ロッドセットの前記出口端に近接する出口部材に障壁電場をつく
    ることにより、及び少なくとも前記ロッドセットの前記出口端に近接する前記ロ
    ッドセットの複数のロッドの間にRF電場をつくることにより、前記ロッドセッ
    ト内に前記イオンの内の少なくともある程度をトラップするステップ: (c) 前記ロッドセットの前記出口端に近接する引出領域で前記RF電場と
    前記障壁電場が相互作用して、フリンジング電場をつくるステップ; (d) 前記引出領域にあるイオンにエネルギーを与えて、選ばれた質量対電
    荷比をもつイオンの内の少なくともある程度を前記障壁電場を通して前記ロッド
    セットから質量選択的に軸方向に射出するステップ;及び (e) 前記軸方向に射出されたイオンの内の少なくともある程度を検出する
    ステップ; を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記障壁電場がDC電場であることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 前記出口部材に補助AC電圧が印加されることを特徴とする
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ステップ(d)において、前記補助AC電圧がスキャン
    されることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記複数のロッドにDCオフセット電圧が印加され、前記ス
    テップ(d)において、選ばれたイオンを励起するために前記DCオフセット電
    圧がある周波数で変調され、よって選ばれたイオンが前記障壁電場を通して質量
    選択的に軸方向に射出されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ステップ(d)において、前記RF電場がスキャンされ
    ることを特徴とする請求項1,2または3記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ステップ(d)において、前記RF電場の振幅がスキャ
    ンされることを特徴とする請求項1,2または3記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ステップ(d)において、前記ロッドセットの前記複数
    のロッド間に副AC電圧が印加されることを特徴とする請求項1,2または3記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ステップ(d)において、前記ロッドセットの前記複数
    のロッド間に副AC電圧が印加され、前記副AC電圧がスキャンされることを特
    徴とする請求項1,2または3記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ステップ(d)において、前記ロッドセットの前記複
    数のロッド間に副AC電圧が印加され、前記副AC電圧が固定されて前記RF電
    場がスキャンされることを特徴とする請求項1,2または3記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記補助AC電圧が、前記RF電場の周波数及び位相と同
    期化されフェーズロックされた周波数を有することを特徴とする請求項3または
    4記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ロッドセットの前記軸に沿う軸方向電場を印加するス
    テップを含むことを特徴とする請求項1,2または3記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記ロッドセットの前記複数のロッド間にあるイオンの衝
    突集束及び衝突冷却を行うために、前記ロッドセットの前記複数のロッド間に低
    圧ガスを供給するステップを含むことを特徴とする請求項1,2または3記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 あるイオン源から前記イオンを供給し、前記第1の既に言
    及したロッドセットと前記イオン源との間に第2のロッドセットを設け、イオン
    を前記第2のロッドセットに予備トラップし、前記第1の既に言及したロッドセ
    ットからの軸方向射出及びこれに続く検出のために前記第2のロッドセットから
    前記第1の既に言及したロッドセットにイオンを選択的に通すステップを含むこ
    とを特徴とする請求項1,2または3記載の方法。
  15. 【請求項15】 軸方向にイオンを射出する前記ステップの前に、選択され
    た注目する質量範囲の外にあるイオンの内の少なくともある程度を前記ロッドセ
    ットから半径方向に射出するステップを含むことを特徴とする請求項1,2また
    は3記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記イオンを軸方向に射出する前に、前記イオンを励起し
    て前記イオンの内の少なくともある程度を分解するステップを含むことを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記イオンに軸方向電場をかけ、前記軸方向電場を振動さ
    せることにより、前記イオンが励起されることを特徴とする請求項16記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記ロッドセットの前記入口端にイオンが通されると同時
    に、前記ロッドセットの前記出口端から前記障壁電場を通してイオンが質量選択
    的に軸方向に射出されることを特徴とする請求項1,2または3記載の方法。
  19. 【請求項19】 少なくとも前記障壁電場を通して前記ロッドセットの前記
    出口端から軸方向にイオンを質量選択的に射出する前記ステップの間、前記ロッ
    ドセットに分解DC電圧が印加され、よって前記方法の感度が高められるること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記分解DC電圧が少なくとも0.5ボルトであることを
    特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記分解DC電圧が約0.5ボルトから50ボルトの間に
    あることを特徴とする請求項19記載の方法。
  22. 【請求項22】 周波数が前記選択される質量をもつ前記イオンの永年周波
    数の少なくとも2倍の副AC電場を前記ロッドセットにかけることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  23. 【請求項23】 周波数が前記選択される質量をもつ前記イオンの永年周波
    数の少なくとも2倍の補助AC電場を前記出口部材にかけることを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記周波数が前記永年周波数の2倍であることを特徴とす
    る請求項22または23記載の方法。
  25. 【請求項25】 少なくとも前記ロッドセットから軸方向にイオンを質量選
    択的に射出する前記ステップの間、前記ロッドセットに分解DC電圧を印加し、
    よって前記方法の感度を高めることを特徴とする請求項22または23記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 前記ロッドセット内にあるイオンの衝突冷却を減じるため
    に前記ロッドセットを低圧まで排気し、よって前記ロッドセット内の空間電荷効
    果を低減し、よって前記方法の感度を高めることを特徴とする請求項1,19,
    22または23記載の方法。
  27. 【請求項27】 電源から前記ロッドセットに前記RFを直接印加し、よっ
    て前記ロッドセットに印加される前記RFの振幅及び周波数の独立制御を達成す
    ることを特徴とする請求項1,19,22または23記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記ロッドセットの長さが約1インチ(約25.4mm)
    であることを特徴とする請求項1,19,22または23記載の方法。
  29. 【請求項29】 直列に配された複数の細長いロッドセットを有し、前記複
    数のロッドセットのそれぞれが長さ方向の軸を有し、よってMS/MS(マスス
    ペクトロメトリー/マススペクトロメトリー)を提供する、質量分析計の動作方
    法において、前記方法が: (a) イオンをイオン源から前記ロッドセットの1つに放出するステップ; (b) イオンを前記1つのロッドセットに予備トラップするステップ; (c) 前記1つのロッドセットから第2の前記ロッドセットに、選択的にパ
    ルス化されたイオンを送るステップであって、前記第2のロッドセットが入口端
    及び出口端を有しているステップ; (d) 前記第2のロッドセットの前記出口端に近接する出口部材に障壁電場
    をつくることにより、及び少なくとも前記第2のロッドセットの前記出口端に近
    接する前記第2のロッドセットの複数のロッドの間にRF電場をつくることによ
    り、前記第2のロッドセット内に前記イオンの内の少なくともある程度をトラッ
    プするステップ: (e) 前記第2のロッドセットの前記出口端に近接する引出領域で前記RF
    電場と前記障壁電場が相互作用して、フリンジング電場をつくるステップ; (f) 前記引出領域にあるイオンにエネルギーを与えて、選ばれた質量対電
    荷比をもつイオンの内の少なくともある程度を前記障壁電場を通して前記第2の
    ロッドセットから軸方向に質量選択的に射出するステップであって、前記射出さ
    れるイオンが親イオンであるステップ; (g) 前記親イオンを衝突ガスを入れた第3の前記ロッドセットに送り、前
    記第3のロッドセット内で前記親イオンを分解してフラグメントイオンを形成す
    るステップ;及び (h) 検出のために、前記第3のロッドセットから軸方向に少なくとも前記
    フラグメントイオンを質量に依存して射出するステップ; を含むことを特徴とする方法。
  30. 【請求項30】 前記イオンが質量に依存してスキャンされて前記第3のロ
    ッドセットから軸方向に射出されることを特徴とする請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記第3のロッドセット内のフラグメントイオンが第4の
    前記ロッドセットに送られ、前記第4のロッドセットは前記第4のロッドセット
    内でのイオンの衝突冷却を最小限に抑えるために低圧に維持され、検出のために
    前記フラグメントイオンが質量に依存してスキャンされて前記第4のロッドセッ
    トから軸方向に射出されることを特徴とする請求項29記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記出口部材に補助AC電圧が印加されることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記ステップ(f)において、前記補助AC電圧がスキャ
    ンされることを特徴とする請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記補助AC電圧が前記RF電場の周波数及び位相に同期
    化されフェーズロックされた周波数を有することを特徴とする請求項33記載の
    方法。
  35. 【請求項35】 直列に配された複数の細長いロッドセットを有し、前記複
    数のロッドセットのそれぞれが長さ方向の軸を有し、よってMS/MSを提供す
    る、質量分析計の動作方法において、前記方法が: (a) イオンをイオン源から前記ロッドセットの1つに放出するステップ; (b) イオンを前記1つのロッドセットに予備トラップするステップ; (c) 前記1つのロッドセットから出口端を有する分解質量分析計に選択的
    にパルス化されたイオンを送り、選択された質量対電荷比をもつイオンを通過さ
    せるように前記分解質量分析計を動作させるステップであって、前記イオンが親
    イオンであるステップ; (d) 前記親イオンを衝突ガスを入れた第2の前記ロッドセットに送り、前
    記第2のロッドセット内で前記親イオンを分解してフラグメントイオンを形成す
    るステップ;及び (e) 前記第2のロッドセット内に少なくとも前記フラグメントイオンをト
    ラップし、検出のために、前記第2のロッドセットから軸方向に少なくとも前記
    フラグメントイオンを質量に依存して射出するステップ; を含むことを特徴とする方法。
  36. 【請求項36】 前記イオンが前記第2のロッドセットにトラップされ、質
    量に依存してスキャンされて前記第2のロッドセットから軸方向に射出されるこ
    とを特徴とする請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記衝突ガスが衝突集束に必要な圧力より低い圧力にある
    ことを特徴とする請求項35または36記載の方法。
  38. 【請求項38】 MS/MSを提供するための、1つ以上の細長いロッドセ
    ットを有し、前記1つ以上のロッドセットのそれぞれが長さ方向の軸を有する質
    量分析計の動作方法において、前記方法が: (a) イオン源からイオンを放出するステップ; (b) 前記イオンの内の少なくともある程度を分解質量分析計に送り、選択
    された質量対電荷比をもつイオンの少なくともある程度を通過させるように前記
    分解質量分析計を動作させるステップであって、前記通過させられるイオンが親
    イオンであるステップ; (c) 前記親イオンを衝突ガスを入れた前記ロッドセットの1つに送り、前
    記1つのロッドセット内で前記親イオンを分解してフラグメントイオンを形成す
    るステップ;及び (e) 前記1つのロッドセット内に少なくとも前記フラグメントイオンをト
    ラップし、さらなる処理または検出のために、前記1つのロッドセットから軸方
    向に少なくとも前記フラグメントイオンを質量に依存して射出するステップ; を含むことを特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 前記イオンが前記1つのロッドセットにトラップされ、質
    量に依存してスキャンされて前記1つのロッドセットから軸方向に射出されるこ
    とを特徴とする請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記1つのロッドセット内のフラグメントイオンが第2の
    前記ロッドセットに送られ、前記第2のロッドセットは前記第2のロッドセット
    内でのイオンの衝突冷却を最小限に抑えるために低圧に維持され、前記フラグメ
    ントイオンが前記第2のロッドセット内にトラップされ、検出のため、質量に依
    存してスキャンされて前記第2のロッドセットから軸方向に射出されることを特
    徴とする請求項38記載の方法。
  41. 【請求項41】 細長いロッドセットを有し、前記ロッドセットは入口端及
    び出口端及び長さ方向の軸を有する、質量分析計の動作方法において、前記方法
    が: (a) イオンを前記ロッドセットの前記入口端に通すか、あるいは前記ロッ
    ドセット内で注目するイオンを形成するステップ; (b) 前記イオンの内の少なくともある程度を前記ロッドセット内にトラッ
    プするステップ;及び (c) 選択された質量対電荷比をもつ前記イオンの内の少なくともある程度
    を、さらなる処理または検出のため、質量に依存して前記ロッドセットから軸方
    向に射出するステップ; を含むことを特徴とする方法。
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