JP4384542B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析技術に係り、特に、大気、飲料水、食品等に微量に存在する残留農薬等の汚染物質の検出や、危険物探知等に利用できる質量分析装置に関する。
質量分析法は、物質同定の手段として必須の技術であり、大気、飲料水、食品等に微量に存在する環境食品汚染物質の検知や、危険物探知等の用途に幅広く利用されている。
質量分析法では、ガスクロマトグラフ等の前処理装置を用いてバックグランド物質から分離された測定対象とする分子種が、真空中に導入されイオン化され、試料イオンとして生成される。試料イオンは質量分析部で、電磁場を用いてその電荷と質量の比(電荷質量比)が測定される。この電荷質量比の測定情報を基に物質の同定が行なわれる。前処理装置、イオン源、質量分析計は多種類知られており、分析対象に合わせ特徴を生かした適切な選択と組み合わせにより、幅広い分野での物質同定が行われる。
化学イオン化には、周知のように、正イオンを発生する正の化学イオン化と、負イオンを発生する負の化学イオン化がある。ガスクロマトグラフ等の前処理装置で分離された試料ガスが真空中に導入され、化学イオン化反応によりイオンが生成され、それをイオントラップ質量分析計等で分析される例が多い。
正の化学イオン化は、1次ガスと呼ばれる分子種Gに高エネルギー電子e(70eV程度)が照射されると、1次ガスと電子の間の電子衝突過程により、正の1次イオンGが生成し(電子衝撃イオン化反応:(化1))、正の1次イオンGから試料ガス分子Mへの正の電荷移動により、正の試料イオンMが生成される(電荷移動反応:(化2))。生成した正の試料イオンMが質量分析され、物質同定される。正の化学イオン化では、1次ガス分子種Gとしてメタン(CH)等が広く利用されている。
G+e(数十eV)→G+2e …(化1)
+M→G+M …(化2)
一方、負の化学イオン化では、1次ガス分子種Gに低速電子e(1eV以下)が照射されると、1次ガス分子種Gによる電子捕獲過程により負の1次イオンGが生成され(電子捕獲反応:(化3))、生成した負の1次イオンGと試料分子Mとの間の電子の授受で負の試料イオンMが生成される(電荷移動反応:(化4))。負の化学イオン化では、1次ガス分子種Gとして水分子等が広く利用されている。
G+e(1eV以下)→G …(化3)
+M→G+M …(化4)
試料イオンの生成と試料イオンの分離検出とを別の場所で行なう場合、即ち、イオン源部と質量分析部とを独立して有する質量分析装置は、イオン源部と質量分析部との間でイオン輸送を行なうイオン輸送部を必要とするので、イオン輸送に伴う試料イオンの損失を生じる。一方、試料イオンの生成と試料イオンの分離検出とを同じ場所で行なう場合、即ち、イオン源部と質量分析部とを同じくし、試料イオンの生成を、例えば、イオントラップ内部で行なう質量分析装置は、イオン源部と質量分析部との間でのイオン輸送に伴う試料イオンの損失がないために、高効率の質量分析が可能である。
正の化学イオン化を行なうイオン源部を有する質量分析装置は周知である(例えば、特許文献1参照)。正の化学イオン化は、イオントラップ内部で行なわれる場合が多い。
図9は、正の化学イオン化を行なうイオン源部と質量分析部を共用する従来技術の質量分析装置の概要を説明する図である。
3次元型イオントラップは、1つのリング電極201、2つのエンドキャップ電極202、203を具備する。3次元型イオントラップが配置される真空槽に、正の化学イオン化に用いる1次ガス(1次ガスの流れを矢印205で示す)と、ガスクロマトグラフ装置(GC)206で分離された試料を含む試料ガス(試料ガスの流れを矢印207で示す)が導入される。タングテンフィラメント204で生成した熱電子は加速され、約70eVの運動エネルギーをもつ。加速された熱電子は、電子ビーム208として3次元型イオントラップの内部に導入される。
3次元型イオントラップの内部に導入された電子と1次ガス分子Gと(化1)の反応によりGを生成し、生成したGは試料ガス分子Mと(化2)の反応により試料イオンM209が生成される。生成された試料イオンM209は、周知の3次元イオントラップ質量分析法を用いて3次元イオントラップから質量選択的に排出され、イオン検出器210により検知される。イオン検出器210による検出信号に基づいて試料分子の同定がなされる。
負の化学イオン化を行なうイオン源部を有する質量分析装置は周知である(例えば、特許文献2参照)。従来技術では、一般に、負の試料イオンの生成と試料イオンの分離検出とは別の場所で行なわれ、即ち、イオン源部(外部イオン源)と質量分析部とは独立して設けられている。このイオン源部を外部イオン源という。外部イオン源で生成された負の試料イオンは質量分析部に導入される。従来技術では、イオントラップ内での負の化学イオン化による試料イオンの生成は、(化3)の反応効率が小さいため、研究目的等限定的にのみしか利用されていない。
図10は、負の化学イオン化を行なう外部イオン源部を有する従来技術の質量分析装置の概要を説明する図である。
図10に示すように、1つのリング電極201、2つのエンドキャップ電極202、203を具備する3次元型イオントラップが設置されるイオントラップ質量分析部と、試料の負のイオン化を行なう外部イオン源槽301は独立して設けられている。外部イオン源槽301に、負の化学イオン化に用いる1次ガス(1次ガスの流れを矢印205で示す)と、ガスクロマトグラフ装置206で分離された試料を含むガス(試料を含むガスの流れを矢印207で示す)が導入される。タングステンフィラメント204で生成した熱電子は電子ビーム208として、低エネルギーで外部イオン源槽301に導入される。
外部イオン源槽301の内部に導入された電子と1次ガス分子Gと(化3)の反応によりGを生成し、生成したGは試料ガス分子Mと(化4)の反応により試料イオンM302が生成される。生成した試料イオンM302は、外部イオン源槽301から拡散により3次元型イオントラップに、図10に示す水平方向の矢印のように移動する。試料イオンM302は、周知の3次元イオントラップ質量分析法を用いて3次元イオントラップから質量選択的に排出され、イオン検出器210により検知される。イオン検出器210による検出信号に基づいて試料分子の同定がなされる。
なお、2次元イオントラップ質量分析方式は周知であり(例えば、特許文献3、特許文献4参照)、2次元イオントラップ質量分析に関する2次元イオントラップ軸方向共鳴排出に関する技術は周知であり(例えば、特許文献5参照)、2次元高周波発生用多重極電極を非平行に設置してイオンを開口設置された側へ導く技術は周知である(例えば、特許文献6参照)。
特開平6−96727号公報
特開平9−306419号公報 米国特許第5420425明細書 米国特許第6177668明細書 米国特許第5783824明細書 米国特許第5847386明細書
上記の外部イオン源は、イオンの集束機能がないためにイオンは拡散するので、質量分析部への実質的な導入に利用される試料イオンの割合は低く、また、外部イオン源からイオントラップ等の質量分析部への輸送効率は低い。それらのため、従来から指摘されているように、負の化学イオン化を用いる方法では正の化学イオン化を用いる方法に比べ、高い感度が得られないという課題を有していた。
イオントラップ内部で正のイオン化を行なう場合と同程度の高効率で、負の化学イオン化をイオントラップ内部で行なう方法は、現在まで知られていない。正の化学イオン化を行なう場合と同じ方法で、低エネルギー電子をイオントラップ内部に導入しようとしても、低エネルギー電子は、イオントラップ高周波電場により振動させられ加熱されてしまうので、負のイオン化反応で必要とされる1eV以下の運動エネルギーをもつ電子をイオントラップの中心まで到達させることは困難であった。従って、仮に、負の化学イオン化がイオントラップ内部で実施できたとしても、負イオンの生成は非常に低い効率でしかできない。
本発明の目的は、高い効率で正イオン及び負イオンを生成できるイオン源部を有し、イオンを高感度に検出可能な質量分析装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の質量分析装置は、試料ガスのイオンを生成するイオン源部と、生成されたイオンの質量分離を行なう質量分析部と、2次元高周波発生用多重極電極と、磁場発生手段と、試料ガス導入系と、反応ガス導入系と、電子源とを具備している。2次元高周波発生用多重極電極は、2次元高周波多重極電場を発生させる。磁場発生手段として、永久磁石又は電磁石が使用され、磁場発生手段は、2次元高周波多重極電場が略ゼロとなる中心軸に略平行に重畳させる静磁場を発生させる。試料ガス導入系は、試料ガスを前記イオン源部の内部に導入させる。反応ガス導入系は、正イオン又は負イオンの生成させるために使用される反応ガス(1次ガス)をイオン源の内部に導入させる。電子源は、正イオン又は負イオンの生成反応に使用される電子を発生させる。2次元高周波発生用多重極電極、磁場発生手段、及び、電子源は、イオン源の内部に配置される。イオン源及び質量分析部は真空排気された領域配置される。
上記質量分析装置の特徴事項を以下に説明する。
(1)イオン源部と質量分析部との間に、生成されたイオンを質量分析部に輸送するイオン輸送部が配置される。
(2)試料ガスの負イオンを生成する場合、電子源に印加される静電圧から2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧を差し引いた値が、1V以下に設定される。
(3)試料ガスの正イオンを生成する場合、電子源に印加される静電圧から2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧を差し引いた値が、20V以上に設定される。
(4)静磁場の磁束密度が10ミリテスラ以上に設定される。
(5)電子源と2次元高周波発生用多重極電極との間に、電子を通過させる穴を有する電子通過電極が設置され、この電子通過電極に電圧を制御可能に印加できる。そして、試料ガスの負イオンを生成する場合、2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧と±1V以内にある静電圧が、電子通過電極に印加される。また、試料ガスの負イオンを質量分析部に導入する場合、2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧よりも大きい負の静電位が、電子通過電極に印加される。
(6)2次元高周波発生用多重極電極に印加する高周波電圧の振幅を、電荷質量比が10以上であるイオンを集束させるように設定させる。
(7)試料ガスの負イオンを生成する場合、質量分析部の静電位に対する電子源の静電位が20V以下に設定されるか、あるいは、質量分析部の静電位に対する、2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧の差が20V以下に設定される。
(8)質量分析部が、3次元イオントラップ質量分析計、2次元イオントラップ質量分析計、四重極フィルター質量分析計、磁場型質量分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換型イオンサイクロトロン質量分析計の何れかである。
(9)イオン輸送部が、イオン集束静電レンズ又は高周波電場を用いたイオンガイド、あるいは、イオンの集束機能をもつ高周波電場が印加され、ガスとイオンとの衝突を起こさせるイオンガイドである。
(10)2次元高周波多重極電場が、2次元高周波四重極電場を主成分として含む電場であるか、あるいは、2次元高周波六重極電場又は八重極高周波六重極電場を主成分として含む電場である。
(11)2次元高周波多重極電場の強度を上記中心軸の方向に勾配を持たせる。
以下、簡略説明すると、本発明の質量分析装置では、電子源で生成した電子のエネギーを1eV以下とした後に、電子を静磁場にまきつけて、2次元高周波発生用多重極電極により形成される2次元高周波四重極電場内に電子を導入させて、2次元高周波四重極電場の2次元集束ポテンシャル内で負の化学イオン化反応を行なう。生成された試料の負イオンは、レンズ等により集束され高効率で質量分析部に導入される。この結果、高効率の負の化学イオン源部を備え、高感度に負イオンを検出可能な質量分析装置が実現できる。正のイオン化が困難であり負イオン化しやすい、TNT、RDX等の爆薬や農薬等の分子種の検出効率を向上できる。また、電子源に印加するDCバイアスとイオン源の各電極に印加するDCバイアスを正イオンと負イオンの生成及び検出に対応させて変化させて設定することにより、正イオン又は負イオンの生成及び検出を切り替えることが容易に可能となる。
本発明によれば、高い効率で負イオンを生成できるイオン源部を有する高感度な質量分析装置を実現できる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳述する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1になる質量分析装置の主要構成を説明する図である。以下に、図1に示す要素の構成と機能について説明する。
複数の破線で示される2次元集束ポテンシャル406は、z方向に直交するr方向に形成される2次元高周波多重極電場により形成される。水平方向の太い黒の矢印で示される静磁場402は、2次元高周波多重極電場が略ゼロである中心軸に平行又は略平行に重畳され、静磁場強度Bが示されている。2次元集束ポテンシャル406の中心軸に沿った方向(z方向)において、実線で示す静電ポテンシャル405の勾配(電場勾配)が形成されていない。
試料ガスが、試料ガス導入系の一部である試料ガス導入パイプ408から、真空槽の内部へ導入される(試料ガスの流れを矢印409で示す)。イオンの生成反応に用いる反応ガス(1次ガス)が、ガス導入系の一部である1次ガス導入パイプ407から真空槽の内部に導入される(1次ガスの流れを矢印410で示す)。電子源403で発生させた電子は白抜きの矢印で示される電子線404は、イオンの生成反応に用いるために、真空槽の内部に導入される。1次ガスの電子捕獲又は電子衝撃により、それぞれ生成される負又は正の1次イオンと、1次イオンによる試料分子のイオンの生成反応により生成された試料イオン401とは、2次元集束ポテンシャル406によりその中心軸(z軸)に沿って集束される。試料イオン401は、イオン輸送部411により質量分析部412へ輸送される。
2次元高周波多重極電場により形成される、イオンの2次元集束ポテンシャル406は、イオントラップ質量分析技術の理論における擬ポテンシャルとして知られている。即ち、この擬ポテンシャルは、高周波多重極電場が荷電粒子に作用した時の時間平均として記述されるポテンシャルである。ここで、2次元高周波多重極電場は、2次元多重極電極に高周波電圧を印加することにより、その電極内部に生成される電場である。2次元多重極電極は、棒(ロッド)形状の電極を4本、6本、8本、…配置した、四重極構造、六重極構造、八重極構造、…を有する。本発明の実施例1では、電極の本数(極数)任意に選ぶことができる。四重極構造は他の構造に比べロッド数が少ないために製作が容易であるという特徴がある。しかし、高周波四重極電場によるポテンシャルには、質量電荷比の小さいイオンを不安定にする性質があるため、1次ガスのイオン(1次イオン)、試料イオンの電荷質量比が大きい場合、また、複数の試料イオンの電荷質量比が大きい場合等には、四重極構造では対応できない場合もありうる。このような場合に、不安定性のない六重極以上の電極構造を用いることが有効となる。
電子源403には、周知のタングステンフィラメント、トリウムをドープしたタングステンフィラメント等を用いる。タングステンフィラメントは一般的な化学イオン化で用いられ、低真空度でも電子放出できるので有用である。電子源403で発生した電子は電子ビーム404として、集束ポテンシャル406の中心軸、即ち、ポテンシャルの最小値をあたえる線に沿って入射される。これにより、高周波電場による電子の加熱を回避できる。
さらに、本発明の実施例1では、静磁場402を、集束ポテンシャル406の中心軸に平行又は略平行に形成して印加する。これにより、電子ビーム404の電子は、この静磁場402による磁力線に巻きついて運動するために、集束ポテンシャル406の中心軸に沿って、電子が進行する。この効果により、さらに電子の高周波による加熱を回避できる。このようにして、高周波電場内部での低エネルギー電子の高効率な進行が可能である。
実施例1及び以下で説明する本発明の各実施例において、化学イオン化に利用する電子の運動エネルギーは、電子源403の静電位と集束ポテンシャル406の静電ポテンシャル(静電位)405との差(電位差)によって制御される。
負の化学イオン化により試料イオンを生成する場合、電子源403の静電位は、集束ポテンシャル406の静電位405よりも高く、この電位差は1V以下とする。これにより、負の化学イオン化に必要な低エネルギー電子が、集束ポテンシャル406内部に導入できる。即ち、試料ガスの負イオンを生成する場合、電子源に印加される直流(静)電圧から2次元高周波多重極電場に重畳される直流(静)電圧を差し引いた値が、1V以下となるよう設定する。
正の化学イオン化により試料イオンを生成する場合、電子源403の静電位は、集束ポテンシャル406の静電位405よりも高く、この電位差は20V以上、典型的には70V程度とする。これにより、正の化学イオン化に必要な低エネルギー電子が、集束ポテンシャル406内部に導入できる。即ち、試料ガスの正イオンを生成する場合、電子源に印加される直流(静)電圧から2次元高周波多重極電場に重畳される直流(静)電圧を差し引いた値が、20V以上となるよう設定する。
静磁場402により電子の軌道を集束ポテンシャル406の中心軸上に制限するためには、静磁場402の磁束密度を10mT以上とする必要がある。実施例1及び以下で説明する本発明の各実施例で有効に静磁場402を発生させる構成については、後に詳述する。
(化1)又は(化3)に示す反応により、集束ポテンシャル406内に導入された電子404の電子eは1次ガスの分子Gと反応して1次イオンG又はGが生成される。この1次イオンG又はGは集束ポテンシャル406によりこのポテンシャルの中心軸上に集束される。さらに、(化2)又は(化4)に示す反応により、1次イオンG又はGは集束ポテンシャル406内に導入された試料ガス409の分子Mと反応して試料イオンM又はM401が生成される。この試料イオンM又はM401も集束ポテンシャル406によりその中心軸上に集束される。
生成された試料イオンM又はM401は、イオン輸送部411を経由して、質量分析部412に導入され、質量分析される。質量分析部412は、3次元イオントラップ質量分析計、2次元イオントラップ質量分析計、四重極フィルター質量分析計、磁場型質量分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換型イオンサイクロトロン質量分析計等の何れか質量分析計である。試料イオン401を生成するイオン源部と、質量分析部との間に配置されるイオン輸送部411を必要に応じて使用して、イオン源部で生成したイオンが質量分析計に導入される。
イオン輸送部411は、イオン源部と質量分析部との間に置かれる、イオン源部と質量分析部とを直列に直接接続する細孔、差動排気部、イオン集束用静電レンズ、高周波電場を用いたイオンガイド、イオンとガスとの衝突を行なうと共に高周波電場によるイオンの集束機能をもたせたイオンガイド等の何れかである。低真空に保持されるイオン源部と高真空に保持される質量分析部とを結合する方式は、各種知られているので詳述しない。
なお、後述の本発明の実施例2では、3次元イオントラップ質量分析計を用いた質量分析装置の例を示す。近年、技術が成熟してきた2次元イオントラップ質量分析計が、高感度化のために有効となると考えられるので、後述の本発明の実施例3では、2次元イオントラップ質量分析計を用いた質量分析装置の例を説明する。
図1に示すように、静電ポテンシャル405は勾配(電場勾配)を持たないので、確率的に、試料イオンの50%が質量分析部412に導入され、残る50%が電子源403の側に移動して失われる可能性が高い。即ち、生成した試料イオンの利用効率は50%である。
後述の本発明の実施例2は、2次元高周波多重極電場により形成される2次元集束ポテンシャルの略ゼロである中心軸の方向に電場勾配を持たせない構成であるので、上記のように、生成した試料イオンの利用効率は50%である。
後述の本発明の実施例3は、2次元高周波多重極電場により形成される2次元集束ポテンシャルの略ゼロである中心軸の方向に電場勾配を持たせる構成であり、電子源が位置する方向ではなく、質量分析部の位置する側に試料イオンを輸送する効率を向上させる構成としているので、高感度な負の化学イオン化質量分析を可能としている。
後述の本発明の実施例2は、感度の点で、後述の本発明の実施例3に劣るが、装置構成が単純のため、低価格であるという特徴を有している。
(静磁場を発生させる構成の説明)
図2、図3、図4、図5はそれぞれ、実施例1及び本発明の各実施例における正又は負のイオンを生成するイオン源部の構成の、第1、第2、第3、第4の例を説明する図である。イオン源部は、z方向に直交するr方向に2次元高周波多重極電場を形成させる2次元多重極電極と、z方向の磁場を発生させる磁石と、磁気回路を構成する磁性体と、電気的絶縁用の絶縁体とを少なくとも含む。
なお、図2、図3、図4、図5は、2次元高周波多重極電場が略ゼロである中心軸を含む断面図であり、イオン源部に入射させる電子を発生させる電子源を構成するタングテンフィラメントの位置を示し、イオン源部へ試料ガスを流す試料ガス導入パイプ、イオン源部へイオンの生成反応に用いる反応ガス(1次ガス)を流す1次ガス導入パイプは、簡単化のため図示していない。
図2は、本発明の実施例におけるイオン源部構成の第1の例を説明する図であり、2次元多重極電極607、608(4本以上の電極棒で構成される多重極電極のうちの2つを示す)、イオンが通過する穴が形成され、表面に金属が塗布されるか又は表面が金属で覆われる板状の永久磁石601、602、磁気回路を構成する磁性体603、604、605、606、磁性体603、603、604、604の相互の間を電気的絶縁して2つの永久磁石間を電気的絶縁する絶縁体609、610、611、612、電子源を構成するタングステンフィラメント613を示す。
2つの永久磁石604、602の磁化の方向はz方向であり、板の法線方向である。2つの永久磁石604、602は、静磁場の磁力線の向きがz方向に平行となるように設置される。これにより、2次元多重極電極607、608の中心軸(z軸)に平行な磁場が2次元多重極電極の内部に印加される。なお、質量分析部は、磁性体604の側でz方向に配置される。
図3は、本発明の実施例におけるイオン源部を構成の第2の例を説明する図であり、2次元多重極電極705、706(4本以上の電極棒で構成される多重極電極のうちの2つを示す)、複数の棒状の永久磁石701、702(複数のうちの2つを示す)、磁極を含む磁気回路を構成する磁性体703、704、複数の永久磁石701、702と磁性体703、704との相互の間を電気的絶縁して複数の永久磁石701、702の2つの磁極間を電気的絶縁する絶縁体707、708、709、710、電子源を構成するタングステンフィラメント711を示す。
複数の永久磁石701、702は、複数の永久磁石の各磁化の方向をZ方向に平行となるように設置される。これにより、2次元多重極電極705、706の中心軸(z軸)に平行な磁場が2次元多重極電極の内部に印加される。複数の棒状の永久磁石は1本でも良い。なお、質量分析部は、磁性体704の側でz方向に配置される。
図4は、本発明の実施例におけるイオン源部の第3の例を説明する図であり、2次元多重極電極807、808(4本以上の電極棒で構成される多重極電極のうちの2つを示す)、2つの電磁石を構成するコイル801、802、電磁石の磁心805、806と磁極803、804との相互の間を電気的絶縁する絶縁体809、810、811、812、電子源を構成するタングステンフィラメント813を示す。
2つの電磁石は、2つの電磁石の各磁化の方向がZ方向に平行となるように設置される。これにより、多重極電極807、808の中心軸(z軸)に平行な磁場が多重極電極の内部に印加される。なお、質量分析部は、磁極804の側でz方向に配置される。
図5は、本発明の実施例におけるイオン源部の第4の例を説明する図であり、2次元多重極電極906、907(4本以上の電極棒で構成される多重極電極のうちの2つを示す)、イオンが通過する穴が形成され、表面に金属が塗布されるか又は表面が金属で覆われる板状の永久磁石901、磁気回路を構成する磁性体902、903、904、905、磁性体902、903と磁性体904、905の相互の間を電気的絶縁する絶縁体908、909、910、911、電子源を構成するタングステンフィラメント912を示す。
永久磁石901は、永久磁石901の磁化の方向がZ方向に平行となるように設置される。これにより、多重極電極906、907の中心軸(z軸)に平行な磁場が多重極電極の内部に印加される。タングステンフィラメント912は永久磁石901と反対側に設置される。なお、質量分析部は、磁性体903の側でz方向に配置される。
(実施例2)
図6は、本発明の実施例2の質量分析装置の構成を説明する図である。
図6に示す実施例2の質量分析装置は、負の化学イオン化を行なうイオン源部を有し、イオン源部として、図5に示す第4の例の構造を持つイオン源部を使用する。真空ポンプ131により排気される真空槽119の内部に配置されるイオン源部は、電子源を構成するタングステンフィラメント107と、電子が通過する穴をもつ電子導入制御用ゲート電極105と、電子が通過する穴をもつ電子導入口電極120と、四重極構造を形成する2次元四重極電極101、102、103、104と、イオンが通過する穴が開けられ、金属が塗布された永久磁石106と、イオンが通過する穴が開けられたイオン引き出し電極123とを含む。
2次元四重極電極101、102、103、104に、高周波電源108により高周波電圧が、電源109により静電バイアス電圧が、それぞれ印加され、2次元高周波多重極電場が生成される。タングステンフィラメント107に、駆動のためのタングステンフィラメント用電流源112とタングテンフィラメントへのバイアス電源122が接続され、タングステンフィラメント107から電子が放出され電子流116が形成される。
ゲート電極バイアス用電圧源110により電圧が印加され、電子が通過する穴をもつ電子導入制御用ゲート電極105、及び、電子導入口電極バイアス用電圧源121により駆動され、電子が通過する穴をもつ電子導入口電極120によって、2次元高周波多重極電場が生成される空間内への、電子流116の電子の導入が制御される。
永久磁石バイアス用電圧源111によって電圧が印加される、イオンが通過する穴が開けられた永久磁石106に塗布された金属と、イオン引き出し電極バイアス用電源124を用いて、電圧が印加されるイオン引き出し電極123とによって、イオンが上記空間から質量分析部へと移動される。
1次ガス(1次ガスの流れを矢印115で示す)は1次ガス導入パイプを介して、ガスクロマトグラフ113により分離された試料ガス(試料ガスの流れを矢印114で示す)は試料ガス導入パイプを介して、真空槽119の内部のイオン源部の内部に送流される。イオン源部の内部で2次元高周波多重極電場が生成される空間内において、(化3)、(化4)によって、実施例1に関して先に説明したように、試料分子Mの負のイオンMが生成される。
上記空間内に導入された1次ガス115の分子Gが、タングステンフィラメント107から放出された電子に由来する低速の電子eを捕獲して、負の1次イオンGとなる。生成した1次イオンGと試料ガスの流れ114の試料分子Mとの化学イオン化反応により、試料イオンMが生成される。イオン引き出し電極バイアス用電源124によって駆動されるイオン引き出し電極123によって、生成された試料イオンMは、同じ真空槽119内に配置される3次元イオントラップからなる質量分析部へ、試料イオンMの流れ(矢印118で示す)として、移動される。
3次元イオントラップは、リング電極125、ンドキャップ電極126、127から構成される。3次元イオントラップの内部に移動され捕捉された試料イオンM128は、3次元イオントラップの内部から質量選択的に排出され、試料イオンM128の流れ(矢印130で示す)として、イオン検出器129に導入されて検出される。
なお、3次元イオントラップの各部を構成、及び、各部に印加される駆動電源等は周知であるので説明は省略する。
以下、実施例2のイオン源部の2次元四重極電極101、102、103、104への電圧の印加について説明する。2次元四重極電極101、102、103、104への電圧の印加により、2次元高周波四重極電場によるイオン集束ポテンシャルが形成される。2次元高周波四重極電場によるイオン捕捉の原理は、2次元イオントラップにおけるイオン捕捉の原理と同一である。
中心軸からr離れた電極位置における振幅をVrf、周波数をΩ、eを素電荷とする時、電荷質量比m/zを持つイオンの2次元高周波四重極電場における安定条件を記述するパラメターqは、(数1)により与えられる。
q=4(z/m)eVrf/(rΩ) …(数1)
q≦0.907を満たす場合に、電荷質量比m/zを持つイオンは、安定に2次元高周波四重極電場内で集束される。
本発明では、一般に低質量である1次イオンG(水の負イオンH等)と、試料イオンM(電荷質量比m/zは、典型的には、10〜1000である)とを、同時に安定に2次元高周波四重極電場内で集束させる必要がある。一般に、試料イオンMに比べて1次イオンGの方が小さい電荷質量比をもつので、安定条件を満たすqの範囲でできるだけ大きなVrfが印加される。即ち、例えば、1次ガスGとして水HOを採用している場合、電荷質量比18である負の水イオンHに対し、qの値が0.8から0.907の範囲内で、できるだけ大きな与えるように高周波振幅Vrfが決定される。
図7は、本発明の実施例2におけるイオン源部の各電極に印加する静電圧を説明する図である。図7において、横軸はZ方向での位置を、縦軸はイオン源部内の静電ポテンシャルを示す。
一般に、3次元イオントラップのエンドキャップ電極126、127の電位は接地電位にとるので、エンドキャップ電極126、127の電位が接地電位であるとして、以下説明を行う。
まず、2次元四重極電極101〜104内部の1次イオン生成領域で負の試料イオンを生成して、質量分析部へ試料イオンを導入するイオン導入期間(この期間は、イオン生成期間でもある)において各電極に印加する静電圧について説明する。2次元四重極電極バイアス用電圧源109を用いて、2次元四重極電極101〜104へ印加する静電バイアス電圧を負に設定する。これによって、生成された負の試料イオンはイオントラップ質量分析部へと導かれる。この時、イオントラップ質量分析部に到達した電子による、イオントラップ内での電子衝突イオン化や正の化学イオン化による正イオンの生成を回避するために、静電バイアス電圧は20V程度以下とする。
2次元四重極電極101〜104内部での1次イオン生成領域内の電子の運動エネルギー(電子エネルギー)は、タングテンフィラメント107と2次元四重極電極のバイアスの電位差により決定されるので、タングステンフィラメントへのバイアス電源122を用いて、2次元四重極電極101〜104に対し1V程度又は1V以下の正のバイアスが、タングステンフィラメント107へ印加される。
ゲート電極バイアス用電圧源110を用いて、タングテンフィラメント107と2次元四重極電極101〜104との間に設置され、電子が通過する穴をもつ電子導入制御用ゲート電極105に、タングテンフィラメント107に対し正のバイアス、典型的には10V〜100V程度のバイアスが印加される。
タングステンフィラメント107と、電子が通過する穴をもつ電子導入制御用ゲート電極105との間の電位差により、タングステンフィラメント107で発生された熱電子が引き出され、電子流116として2次元四重極電極101〜104内部に導入される。
電子導入口電極バイアス用電圧源121を用いて、2次元四重極電極101〜104に印加されている電圧と±1V以内にある電位が、電子が通過する穴をもつ電子導入口電極120に印加されるので、電子が通過する穴をもつ電子導入口電極120は、電子が通過する穴をもつ電子導入制御用ゲート電極105に印加された電圧の影響が2次元四重極電極101〜104の内部に到達ように阻止するシールド電極の役目を持っている。
永久磁石バイアス用電圧源111を用いて、2次元四重極電極101〜104に印加されている電位と同等かもしくはやや正の電位が、イオンが通過する穴が開けられた永久磁石106に塗布された金属に印加される。イオンが通過する穴が開けられた永久磁石106は、負の試料イオンの取り出し口電極に相当する。さらに、イオン引き出し電極バイアス用電源124を用いて、イオンが通過する穴が開けられた永久磁石106に塗布された金属に印加される電圧よりも正の電圧が、イオン引き出し電極123に印加される。
これにより、試料イオンM−117の流れ(矢印118で示す)は、2次元四重極電極101〜104から排出され、イオントラップ質量分析部125〜127の内部へと導かれる。即ち、イオン引き出し電極123は、試料イオンMをイオン源部から引き出す作用効果に加えて、イオントラップ質量分析部125〜127へ試料イオンMを導入させる効率を最適化させるためのレンズ作用効果を持っている。
さらに、タングステンフィラメント107で発生させた電子の電子流116が、イオントラップ部125〜127やイオン検出器129まで到達して、試料イオンMの計測されるイオンスペクトルのノイズの原因とならないように、イオントラップ質量分析部125〜127が質量分析を行っている期間(質量分析期間)中は、電子流116を停止させることが望ましい。従って、試料イオンMの質量分析期間中は、図7に示すように、電子が通過する穴をもつ電子導入制御用ゲート電極105の電圧を大きく負の値に設定し、タングステンフィラメント107で発生させた電子が、イオン源部や質量分析部やイオン検出器129へ導入されることを回避できる。
以上説明したように、質量分析部の動作タイミングにより、質量分析部へのイオン導入期間(この期間は、イオン生成期間でもある)では、電子流116を、2次元高周波多重極電場が生成される空間に導入して試料イオンMを生成して質量分析部へ導入させ、質量分析期間では、電子116が、質量分析部に到達しないように、質量分析部とイオン源部とを同期をとって操作することが好ましい。
一般に、負の化学イオン化には、1次ガスとして水分子が利用される場合が多いが、各種の全ての1次ガスについて、以上説明したイオン源部及び質量分析部の各部の制御、操作は、実施例1と同様に適応可能であることは言うまでもない。
なお、先述のように、実施例2は、2次元高周波多重極電場により形成される2次元集束ポテンシャルの略ゼロである中心軸の方向に電場勾配を持たせない構成であるので、生成した試料イオンの利用効率は、確率的に50%である。従って、先述のように、実施例2は、感度の点で、後述の本発明の実施例3に劣る。
しかし、先述のように、装置構成が単純のため、簡便性、低価格性のため、低価格であるという特徴を有している。3次元高周波イオントラップを用いる実施例2の構成の質量分析装置は、次に説明する実施例3の構成の質量分析装置と共に、重要であると考えられる。
(実施例3)
図8は、実施例2の質量分析装置よりも高感度であり、本発明の実施例3の質量分析装置の構成を説明する図である。
実施例3は、2次元高周波多重極電場により形成される2次元集束ポテンシャルの略ゼロである中心軸の方向に電場勾配を持たせる構成であり、電子源403が位置する方向ではなく、質量分析部412の位置する側に試料イオンを輸送する効率を向上させる構成としているので、高感度な負の化学イオン化質量分析を可能としている。
図8に示す実施例3の質量分析装置は、負の化学イオン化を行なうイオン源部を有し、イオン源部として、実施例2と同様に、図5に示す第4の例の構造を持つイオン源部を使用する。真空ポンプ1027により排気される真空槽1026の内部に配置されるイオン源部は、電子源を構成するタングステンフィラメント1007と、電子が通過する穴をもつ電子導入制御用ゲート電極1005と、電子が通過する穴をもつ電子導入口電極1020と、四重極構造を形成する非平行に設置した2次元四重極電極1001、1002、1003、1004と、イオンが通過する穴が開けられ、金属が塗布された永久磁石1006と、イオンが通過する穴が開けられたイオン引き出し電極1023とを含む。
1次ガス(1次ガスの流れを矢印1015で示す)は1次ガス導入パイプを介して、図示しないガスクロマトグラフにより分離された試料ガス(試料ガスの流れを矢印1014で示す)は試料ガス導入パイプを介して、真空槽1026の内部のイオン源部の内部に送流される。イオン源部の内部で2次元高周波多重極電場が生成される空間内において、(化3)、(化4)によって、実施例1、実施例2に関する先の説明と同様にして、試料分子Mの負のイオンMが生成される。
上記空間内に導入された1次ガス1015の分子Gが、タングステンフィラメント1007で生成された電子に由来する低速の電子eを捕獲して、負の1次イオンGとなる。生成した1次イオンGと試料ガスの流れ1014の試料分子Mとの化学イオン化反応により、試料イオンMが生成される。
図示しないイオン引き出し電極バイアス用電源によって駆動され、イオンが通過する穴が開けられたイオン引き出し電極1023によって、生成された試料イオンMは、同じ真空槽1026内に配置され、2次元イオントラップ質量分析部の1つの実施形態である軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024へ、試料イオンMの流れとして、移動される。軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024の内部に移動され捕捉された試料イオンMは、軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024の内部から質量選択的に排出され、試料イオンMの流れとして、イオン検出器1025に導入されて検出される。
なお、実施例3の質量分析装置のイオン源部の各電極を駆動させるための電圧の印加は、図6に示す実施例2の質量分析装置のイオン源部の各電極を駆動させるための電圧の印加と、同様であるので説明は省略する。また、また、軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024の各部に印加される駆動電源等は周知であるので説明は省略する。
先述の実施例1、実施例2は、2次元高周波多重極電場により形成される2次元集束ポテンシャルの略ゼロである中心軸の方向に電場勾配を持たせない構成であるので、生成した試料イオンの利用効率は、確率的に50%である。即ち、確率的に、試料イオンの50%が質量分析部に導入され、残る50%が電子源の側に移動して失われる可能性が高い。
実施例3では、このようなイオンの損失をできるだけ回避し、より高い効率で質量分析を可能とする方法を説明する。実施例3では、質量分析部として近年広く利用されている2次元イオントラップ質量分析計を用いる。2次元イオントラップ質量分析計のイオン捕捉効率は、3次元イオントラップ質量分析計のイオン捕捉効率(典型的に10%)に比較すると、ほぼ100%の高い値を持っているために、高感度分析のためには好ましい。
実施例3では、先述の従来例(特許文献5)に記載の2次元イオントラップ軸方向共鳴排出方式を採用しているが、実施例3では、先述の従来例(特許文献3、4)に記載の2次元イオントラップ質量分析方式も適用可能である。
図8に示すように、実施例3におけるイオン源部を構成する2次元高周波四重極電極1001〜1004は、2次元高周波四重極電極1001〜1004のz方向に垂直な断面でなす開口の大きさが、金属が塗布された永久磁石1006に開けられたイオンが通過する穴、及び、イオン引き出し電極1023に開けられたイオンが通過する穴の方向(即ち、z方向)に向けて、次第に大となるように配置されている。
この2次元高周波四重極電極1001〜1004の配置により、2次元高周波四重極電極1001〜1004の内部には、電子源を構成するタングステンフィラメント1007の側の位置に近いほど、より強い2次元高周波四重極電場が形成され、軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024の側の位置に近いほど、より弱い2次元高周波四重極電場が形成される。従って、2次元高周波四重極電極1001〜1004の内部に捕捉されているイオンには、電子源を構成するタングステンフィラメント1007の側から軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024の側に向けた力が、作用する。即ち、イオンは、軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024の側に移動しやすくなる。この結果、軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部1024へのイオンの導入効率を向上できる。
先述の従来例(特許文献6)は、2次元高周波発生用多重極電極を非平行に設置して、開口が設置された側へ、イオンを導く技術に言及しているが、イオン源部と質量分析部との間に設置されたイオンガイドのイオン透過効率の向上を目的としている。かかる従来例では、本発明の実施例3のように、磁場の印加の下で試料ガスの化学イオン化を行なうイオン源部の構成要素として、非平行に配置される2次元高周波発生用多重極電極を使用することには、言及していない。
実施例3において、実施例1、実施例2における、イオン源部及び質量分析部の各部の制御、操作は、同様に適応可能であることは言うまでもないので、実施例3における、イオン源部及び質量分析部の各部の制御、操作については、説明を省略する。
実施例3と実施例2の構成の相違は、質量分析部として、2次元イオントラップ質量分析部の1つの実施形態である軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部を使用すること、イオン源部の構成要素として、非平行に配置される2次元高周波発生用多重極電極を使用することにあり、実施例3の構成では、高感度化が実現できる質量分析装置を提供できるという顕著な効果を奏する。
以上詳述したように、本発明によれば、高い効率で正イオン及び負イオンを生成できるイオン源部を有し、イオンを高感度に検出可能な質量分析装置を提供でき、大なる産業上の利用可能性を有する。
本発明の実施例1の質量分析装置の主要構成を説明する図。 本発明の実施例におけるイオン源部を構成の第1の例を説明する図。 本発明の実施例におけるイオン源部を構成の第2の例を説明する図。 本発明の実施例におけるイオン源部を構成の第3の例を説明する図。 本発明の実施例におけるイオン源部を構成の第4の例を説明する図。 本発明の実施例2の質量分析装置の構成を説明する図。 本発明の実施例2におけるイオン源部の各電極に印加する静電圧を説明する図。 本発明の実施例3の質量分析装置の構成を説明する図。 正の化学イオン化を行なうイオン源部と質量分析部を共用する従来技術の質量分析装置の概要を説明する図。 負の化学イオン化を行なう外部イオン源部を有する従来技術の質量分析装置の概要を説明する図。
符号の説明
101、102、103、104…2次元四重極電極、105、1005…電子導入制御用ゲート電極、106、601、602、701、702、901、1006…永久磁石、107、204、613、711、813、912、1007…タングテンフィラメント、108…2次元四重極電極用高周波電源、109…2次元四重極電極バイアス用電圧源、110…ゲート電極バイアス用電圧源、111…永久磁石バイアス用電圧源、112…タングステンフィラメント用電流源、113、206…ガスクロマトグラフ装置、114、207、409、1014…試料ガスの流れを示す矢印、115、205、410、1015…1次ガスの流れを表わす矢印、116…電子流を示す矢印、117、209、401…試料イオン、118…イオントラップ質量分析部へのイオンの流れを示す矢印、119、1026…真空槽、120、1020…電子導入口電極、121…電子導入口電極バイアス用電圧源、122…タングステンフィラメントへのバイアス電源、123、1023…イオンが通過する穴が開けられたイオン引き出し電極、124…イオン引き出し電極バイアス用電源、125、201…リング電極、126、127、203、203…エンドキャップ電極、128…3次元イオントラップ内部に捕捉されたイオン、129、210、1025…イオン検出器、130…イオンの流れを示す矢印、131、1027…真空ポンプ、208…電子ビーム、301…外部イオン源槽、402…静磁場、403…電子源、404…電子線、405…静電ポテンシャル、406…2次元集束ポテンシャル、407…1次ガス導入パイプ、408…試料ガス導入パイプ、411…イオン輸送部、412…質量分析部、603、604、605、606、703、704、902、903、904、905…磁気回路を構成する磁性体、607、608…2次元多重極電極、609、610、611、612、809、810、811、812、908、909、910、911…絶縁体、705、706、707、708、709、710、807、808、906、907…2次元多重極電極、801、802…コイル、803、804…磁極、805、806…電磁石の磁心、1001〜1004…非平行に設置した2次元四重極電極、1024…軸共鳴排出型イオントラップ質量分析部。

Claims (12)

  1. 試料ガスのイオンを生成するイオン源部と、前記イオンの質量分離を行なう質量分析部と、2次元高周波多重極電場を発生させる2次元高周波発生用多重極電極と、前記2次元高周波多重極電場が略ゼロとなる中心軸に略平行に重畳させる静磁場を発生させる磁場発生手段と、前記試料ガスを前記イオン源部の内部に導入させる試料ガス導入系と、前記イオンの生成反応に用いる反応ガスを前記イオン源の内部に導入させる反応ガス導入系と、前記イオンの生成反応に用いる電子を発生させる電子源とを有し、前記2次元高周波発生用多重極電極、前記磁場発生手段、及び、前記電子源が、前記イオン源の内部に配置されることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオン源部と前記質量分析部との間に、前記イオンを前記質量分析部に輸送するイオン輸送部を有することを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記試料ガスの負イオンを生成する場合、前記電子源に印加される静電圧から前記2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧を差し引いた値が、1V以下であることを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記試料ガスの正イオンを生成する場合、前記電子源に印加される静電圧から前記2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧を差し引いた値が、20V以上であることを特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記静磁場の磁束密度が10ミリテスラ以上であることを特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記電子源と前記2次元高周波発生用多重極電極との間に、電子を通過させる穴を有する電子通過電極が設置され、該電子通過電極に電圧を制御可能に印加できることを特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項6に記載の質量分析装置において、前記試料ガスの負イオンを生成する場合、前記2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧と±1V以内にある静電圧が、前記電子通過電極に印加されることを特徴とする質量分析装置。
  8. 請求項6に記載の質量分析装置において、前記試料ガスの負イオンを前記質量分析部に導入する場合、前記2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧よりも大きい負の静電位が、前記電子通過電極に印加されることを特徴とする質量分析装置。
  9. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記2次元高周波発生用多重極電極に印加する高周波電圧の振幅を、電荷質量比が10以上であるイオンを集束させるように設定させることを特徴とする質量分析装置。
  10. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記試料ガスの負イオンを生成する場合、前記質量分析部の静電位に対する前記電子源の静電位が20V以下に設定されることを特徴とする質量分析装置。
  11. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記試料ガスの負イオンを生成する場合、前記質量分析部の静電位に対する、前記2次元高周波発生用多重極電極に重畳される静電圧の差が20V以下に設定されることを特徴とする質量分析装置。
  12. 試料ガスのイオンを生成するイオン源部と、
    前記イオンの質量分離を行なう質量分析部と、
    2次元高周波多重極電場を発生させる2次元高周波発生用多重極電極と
    前記2次元高周波多重極電場が略ゼロとなる中心軸に略平行に重畳させる静磁場を発生させる磁場発生手段と、
    前記イオンの生成反応に用いる反応ガスを前記イオン源の内部に導入させる反応ガス導入系と、
    前記イオンの生成反応に用いる電子を発生させる電子源とを有し、
    前記2次元高周波発生用多重極電極、前記磁場発生手段、及び、前記電子源が、前記イオン源の内部に配置されることを特徴とする質量分析装置。
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