JP4223937B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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    • H01J49/401Time-of-flight spectrometers characterised by orthogonal acceleration, e.g. focusing or selecting the ions, pusher electrode

Description

本発明は、質量分析装置に関する。
プロテオーム解析などに用いられる質量分析計において、直交型飛行時間型質量分析計(以下直交TOF)すなわち、TOF部へのイオン導入方向とTOF部でのイオン加速方向が直交する飛行時間型質量分析計は広く利用されている。従来、これらの分析がどのようにおこなわれていたのかについて、以下説明する。
直交TOFに関する報告がある(例えば、非特許文献1参照)。TOF部の直前に10Pa程度に排気された真空室に多重極ロッド電極を設置する。また、多重極ロッド電極に囲まれた領域ではガスとの衝突によりイオンは運動エネルギーを失い中心軸付近へ収束する。多重極ロッド電極を通過しTOF部へ導入されたイオンに対し、イオン導入方向と直行方向に加速することにより、加速方向の初期位置幅、初期エネルギー幅が抑えられ、TOF部での質量分解能が向上する。
更に、この方法を改良して直交TOFのイオン利用効率を向上させる報告がある(例えば、特許文献1参照)。TOF部の前段の多重極ロッド電極とその出口側に配した端電極との間に電位勾配を設け、イオンを多重極室にトラップする。また、この電位勾配をパルス的に反転させることにより、多重極室にトラップされたイオンをTOF部へ排出する。排出されたイオンがTOFの加速部に到達するタイミングに同期させ加速電圧を印加することにより、特定質量範囲のイオン利用効率をほぼ100%にまで向上することが可能である。
また、4重極マスフィルターと直交TOFとを組み合わせたQq-TOFにおける直交TOFでのイオン利用効率を向上させる報告がある(例えば、特許文献2参照)。Qq-TOFでは、プリカーサーイオンの選択を行う4重極マスフィルターとTOF部との間に衝突室が設置されている。衝突室は10Pa程度に排気された真空室であり、多重極ロッド電極が設置されている。4重極マスフィルターで選択されたイオンは、多重極ロッド電極に囲まれた領域ではガスとの衝突により分解し、その後、イオンはガス衝突により運動エネルギーを失い中心軸付近へ収束する。TOF部の前段の多重極ロッド電極とその出口側に配した端電極との間に電位勾配を設け、イオンを多重極室にトラップする。また、この電位勾配をパルス的に反転させることにより、多重極室にトラップされたイオンをTOF部へ排出する。排出されたイオンがTOFの加速部に到達するタイミングに同期させ加速電圧を印加することにより、特定質量範囲のイオン利用効率をほぼ100%にまで向上することが可能である。
次に、プロテオーム解析などに用いられる質量分析計において、また、多重極リニアトラップから特定質量範囲のイオンを排出する方法について、従来、これらの分析がどのようにおこなわれていたのかについて、以下説明する。
多重極リニアトラップから特定質量範囲のイオンを排出する方法について報告がある(例えば、特許文献3参照)。この方式では、多重極ロッド電極間に羽電極を挿入し、直流電圧を印加することにより、軸方向に静電的な調和ポテンシャルを形成する。羽電極は軸方向に2つ以上に分割されており、この間に補助的な交流電圧を印加することにより、イオンを軸方向に共鳴させる。共鳴したイオンは軸方向に形成された静電的な調和ポテンシャルを越え、軸方向に排出される。共鳴周波数は質量数により異なるので、質量選択的にイオンを軸方向に排出することが可能である。
また、4重極リニアトラップから特定質量範囲のイオンを排出する方法について報告がある(例えば、特許文献4参照)。端電極と4重極ロッド間に直流電位を印加し、イオンをリニアトラップに蓄積する。4重極ロッド電極間、もしくは4重極ロッド電極と端電極との間に補助交流電圧を印加することにより、4重極リニアトラップ内部に元々形成されている径方向の4重極または8重極成分と共鳴させる。径方向に与えられた運動エネルギーが軸方向に変換することにより、イオンは端電極と4重極ロッド間に形成された直流電位を越え、軸方向に排出される。共鳴周波数は質量数により異なるので、質量選択的にイオンを軸方向に排出することが可能である。
また、多重極リニアトラップからの特定質量数範囲の排出と直交TOFとの組み合わせにより、MS/MS測定モードの特定質量数範囲のイオン利用効率を向上させる報告がある(例えば、特許文献5参照)。質量分離手段、衝突室、質量分析手段を配し、このうち、質量分離手段および衝突室からのイオン排出のうち少なくとも一つに従来技術5で開示された質量選択的なイオン排出方法を用いることにより、特定質量範囲のイオン利用効率を向上することができる。
米国特許第5,689,111号
米国特許第6,507,019号 米国特許第5,783,824号 米国特許第6,177,668号 米国特許第6,504,148号 A. N. Krutchinsky et al. : Proceedings of the 43rd ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics, 1995, p.126
上述した従来例(非特許文献1)では、40%以下の利用効率しか得られないという課題を有していた。イオン流は多重極ロッド電極から連続的にTOF部へ導入されるが、利用されるイオンは加速部領域(かつ検出器に到る領域)のイオンのみとなる。また、出口端電極から排出されたイオンがTOF部の加速部へ到達する時間は質量数により異なるため、質量数により、イオン利用効率が大きく異なり、特に低質量でのイオン効率が低くなる傾向がある。
また、従来例(特許文献1、2)では、高いイオン利用効率を得られる質量数範囲が極めて限定されるという課題を有していた。出口端電極から排出されたイオンがTOF部の加速部へ到達する時間は質量数により異なる。このため、特定質量数範囲以外のイオンは極めて低いイオン利用効率しか得られないというという課題を有していた。50%以上のイオン利用効率を得られる典型的な質量数幅は、1M〜2M(例えば、質量数500〜1000)の範囲である。また、低質量域(例えば、質量数300以下)、高質量域(例えば、質量数1600以上)では、イオン利用効率は0なる。
また、従来例(特許文献3、4)では、多重極リニアトラップから質量選択的にイオン排出を行う方法についてのみ開示されており、直交TOFのイオン利用効率の向上方法については記されていない。
以上の従来例(非特許文献1および特許文献1〜4)に共通する問題として、少しでも広いマスウィンドウを得るためには大きな検出器(MCP、Multi channel plate)が必要となる。これらは、大幅なコストアップとなる上、特にデータ変換にADC(Analog-to-digital converter)を用いた場合は、検出器の大型化に起因する信号パルス幅の広がりが質量分解能の低下を引き起こすという課題を有していた。
さらに、従来例(特許文献5)ではTOF部の測定モードに依らない広い質量範囲でのイオン利用効率の向上の方法については記されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、広い質量数範囲で高いイオン利用効率の質量分析装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の質量分析装置は、以下に示す特徴を有する。
(1)イオンを生成するイオン源と、前記イオンを輸送するイオン輸送部と、前記イオンを蓄積し、特定の質量数範囲のイオンを排出する第1のリニアトラップと、イオンを排出する出口端に端電極を配し、前記端電極の直流電位との相対的な直流電位勾配を変化させることにより、前記第1のリニアトラップから排出されたイオンをトラップし、繰り返しパルス状に排出する第2のリニアトラップと、前記第2のリニアトラップより排出されたイオンを直交方向へ加速し検出する飛行時間型質量分析部と、前記第1のリニアトラップから前記第2のリニアトラップへ排出されるイオンの質量数範囲に応じて、前記第2のリニアトラップからイオンが排出されるパルス時間幅またはイオン排出終了から前記飛行時間型質量分析部の加速電圧が印加されるまでの遅延時間幅を変化させる制御部とを具備することを特徴とする。
(2)前記(1)の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップが、4本以上の多重極ロッド電極を有し、かつ、各ロッド電極間にリニアトラップの軸方向に調和ポテンシャルを形成可能な、前記軸方向に2つ以上に分割された羽電極を挿入して、前記ロッド電極と分割された前記羽電極の間に補助的な交流電圧を印加することにより、前記特定の質量数範囲のイオンを前記第2のリニアトラップに排出するよう構成されていることを特徴とする。
(3)前記(1)の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップが、4本の4重極ロッド電極と、イオンを導入する入口端およびイオンを排出する出口端のそれぞれに配した端電極とを有し、前記出口端に配した端電極の形成する電位勾配により、イオンをトラップするポテンシャルを形成し、前記4重極ロッド電極および前記出口端に配した端電極のうち何れかの電極に補助的な交流電圧を印加して、前記特定の質量数範囲のイオンを前記第2のリニアトラップに排出するよう構成されていることを特徴とする。
(4)前記(1)の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップおよび前記第2のリニアトラップが、同一の多重極ロッド電極で構成されていることを特徴とする。
(5)前記(2)又は(3)の質量分析装置において、前記第2のリニアトラップが、前記出口端に配された端電極の電位を前記ロッド電極の中心軸上の電位より上下させることにより、イオンを蓄積し、前記飛行時間型質量分析部へ排出するよう構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、広い質量数範囲を高感度かつ高質量精度で分析可能な質量分析装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳述する。
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例になる飛行時間型質量分析装置の構成図を示す。なお、ポンプ等の排気装置およびバッファーガス等の導入機構は簡略化のため省いてある。
エレクトロスプレーイオン源、マトリックス支援レーザーイオン源、大気圧化学イオン源、大気圧光イオン源、または大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン源などのイオン源301で生成されたイオンは、オクタポール、4重極マスフィルター、またはイオン蓄積、イオン単離、イオン解離などが可能な4重極イオントラップもしくは多重極リニアトラップよりなるイオン輸送部302、入口側の端電極2を経て、第1のリニアトラップに導入される。なお、第1のリニアトラップの詳細については、先述した従来例(特許文献3)に記載されている。
第1のリニアトラップは、端電極2、3、および4本、6本、8本等の多重極ロッド電極4(本例では、4重極ロッド電極の場合を示す)、およびそれらの間にに挿入されたZ軸上に2枚に分断された羽電極1a、1bより構成される。図16は、羽電極1が4重極ロッド電極4の間に挿入されている構成例を示す。図では、羽電極1は、4重極ロッド電極4のすべての間に設置されているが、対向する一対の間に設置される2枚の羽電極でもこのような電位形成は可能である。また、羽電極1は、Z軸上方向に2枚以上(本例では、1a、1bの2枚の場合を示す)で分割されている。
4重極ロッド電極4には、RF電源102で生成した交互に位相の反転したRF電圧が印加される。このRF電圧の典型的な電圧振幅は数100〜数kV、周波数は500kHz〜2MHz程度である。この空間の典型的なガス圧力が0.02〜10Pa(ヘリウムHeの場合)、または0.006〜3Pa(アルゴンAr、空気、窒素N、またはそれらの混合気体の場合)となるようにガスが供給されている(図示せず)。この部分へイオン輸送部302より導入されたイオンはガスとの衝突により運動エネルギーを失い、ほぼ室温の状態(0.025eV)にまで冷却され、中心部にトラップされる。
挿入された羽電極1とロッド電極の間には直流バイアス電源104により直流電圧(5V〜30V程度)が印加される。この直流電圧印加に伴い、ロッド電極4および羽電極1により囲まれた空間上にはZ軸方向に調和ポテンシャルを形成することが可能である(図1下の電位図参照)。この軸上に形成された調和ポテンシャルの大きさをD、Z軸原点を調和ポテンシャルの極小点(0)におき、その極小点から端部までの距離をaとすれば、調和ポテンシャルの極小点からの距離Zにおける軸方向のポテンシャルD(Z)は、次式(数1)で近似される。
Figure 0004223937
・・・・・・・・・・(数1)
また、羽電極1aと羽電極1bの間には補助的交流電源で生成された交流電圧が印加される。この電圧の典型的な電圧振幅は0.3〜3V、周波数は1〜1000kHz程度の単一周波数またはそれらを重畳した電圧が印加される。これら周波数の選択について下記説明する。Z軸方向の運動方程式は、次式(数2)で表記される。
Figure 0004223937
・・・・・・・・・・(数2)
ここで、mはイオン質量、eは電子素量、nは荷電数。
上記より、Z軸方向の共鳴周波数fは、次式(数3)で表記される。
Figure 0004223937
・・・・・・・・・・(数3)
=10eV、a=25mmのとき、fは、次式(数4)で表記される。
Figure 0004223937
・・・・・・・・(数4)
ここで、Mは質量数。
図2は、排出質量数と共鳴周波数の関係を示したものである。質量数の平方根に反比例して減少する。共鳴電圧の印加により、共鳴する質量数のイオンは軸方向に励起され、1ms以内に調和ポテンシャルを越え、外部に排出することが可能である。この際、共鳴の影響を受けないイオンは中心付近に蓄積され続ける。入口端電極2の電位を出口端電極3より数V程度高めに設定しておけばイオンは出口端電極3の方向へほぼ100%排出される。
第2のリニアトラップは、4本、6本、8本等の多重極ロッド電極5、端電極6により構成される。ロッド電極5にはRF電源105で生成した交互に位相の反転したRF電圧が印加される。このRF電圧の典型的な電圧振幅は数100〜数kV、周波数は500kHz〜2MHz程度である。この空間の典型的なガス圧力が4〜20Pa(Heの場合)、または0.5〜3Pa(Ar、N等の場合)となるようにガスが供給されている(図示せず)。第2のリニアトラップでは第1のリニアトラップより排出されたイオンはガス衝突により運動エネルギーを失い、ほぼ室温の状態(0.025eV)にまで冷却される。また、第2のリニアトラップの出口部分には端電極6を有し、この電圧は端電極電源106により制御される。端電極6の電位をロッド電極5の中心軸上の電位より上下させることにより、イオンを蓄積、排出することが可能である(図1下の電位図参照)。すなわち、正イオンの場合であれば、端電極の電位を中心軸上電位より数V高く設定(実線)することによりイオン蓄積が可能であり、逆に数V低く設定(点線)すればイオンは端電極6の細孔を通過してTOF部へ導入される。なお、負イオン測定の場合は極性を反転すれば良い。端電極の電圧は端電極電源106により生成される。
TOF部へ導入されたイオンは、複数電極より構成されたイオンレンズ7により、イオン収束を行った後、押し出し電極8および引き込み電極9より構成される飛行時間型質量分析部の加速部へと導入される。加速部電源107により、押し出し電極8、引き出し電極9の間に数100V〜数kVの電圧を印加することにより、イオンはイオン導入方向と直交方向へ加速される。なお、加速電圧印加のタイミングは端電極5でのイオン排出のタイミングと後述する関係において同期させる。直交方向に加速されたイオンはそのまま検出器に到る(図示せず)か、リフレクトロン10と呼ばれる反射レンズを経て偏向した後、MCPなどからなる検出器11に到達する。加速部の加速開始時間からイオン検出時間との関係からイオンの質量数が計測可能である。到達したイオンは増幅や積算を経た後、コントローラー101に蓄積される。
本実施例では、コントローラー101により、補助交流電圧電源103、端電極電源106、加速部電源107を制御することにより広い質量数領域において高感度な検出が可能となる。以下、具体的な制御パラメータについて、図3〜図6を用いて説明する。
図3に、測定シーケンスを示す。図において、羽電極1a、1b間に印加される補助交流電圧、および第2のリニアトラップの出口端電極6に印加される端電極電圧、および押し出し電極8、引出し電極9に印加される加速部電圧を示す。補助交流電圧の振幅V(t)、周波数f(t)、第2のリニアトラップからイオンが排出されるパルス時間幅Tまたは排出終了から飛行時間質量分析部の加速電圧が印加されるまでの遅延時間幅Tは時間とともに変化していく。以下、これらの数値の一具体例を示す。
まず、図4に、質量数100〜10000までの測定を行う場合の各測定時間におけるターゲット質量数を示す。横軸に測定時間、縦軸に測定ターゲット質量数を示す。本例では、1測定460ms程度を要する。これは、第1のリニアトラップから排出されるイオンの質量分解能を100(M/ΔM)、すなわち質量域(1M〜1.01M)のイオン測定を1ms以内で行うとの設定を行った場合である。時間とともにターゲット質量数は増加していき、質量数10000に到達した後、また質量数100へと戻り、この動作を繰り返す。
図4のような質量数領域のイオンを第1のトラップから第2のトラップへと排出するための、補助交流電圧の周波数を、図5に示す。ターゲット質量数が大きいほど、先述の(数4)の関係から、周波数は低下していく。なお、補助交流電圧の振幅値は、ガス圧力や装置の大きさ、ポテンシャル、スキャン速度、ターゲット質量数に大きく依存するが典型的には0.3〜3V程度である。
次に、各測定時間におけるT、Tの設定値を、図6に示す。本例は、端電極6から加速部領域までの距離L=40mm、有効加速領域M=20mm、入射エネルギー5eV、T=2Tとした場合である。
このうち、3つの測定時間(t=0ms、150、300、460ms)におけるイオンの利用効率の質量依存性を、図7に示す。T、Tを異なる値に設定することにより、異なる質量数範囲で高いイオン利用効率が得られる。第1のトラップから排出されたイオンが第2のトラップからTOF部へ排出されるイオン排出時間は0〜10ms程度であるから、第2のトラップには実質的に1M〜1.1M程度の広がりでイオンが存在することになる。このとき、T、Tは1.05M付近を利用効率最大となるように設定すれば、イオンの利用効率は90%以上である。よって、一連の測定では、前段の共鳴周波数に応じて、T、Tを変化させることにより、質量数100〜10000の広い質量数範囲において高いイオン利用効率が得られる。
図8に、本実施例による方式、先述した従来技術1(非特許文献1)および従来技術2(特許文献1)の各方式における質量数100〜10000でのイオンの利用効率を示す。いずれも、L=40mm、M=20mm、T=2T(従来方式2および本実施例)で計算した結果である。
従来技術1は、質量数100〜7000で5〜33%のイオン利用効率が得られる。加速周期を早く設定すれば、この分布を低質量数側にシフトさせることは原理的には可能であるが、特にリフレクトロン型タイプのTOFを用いた場合には、TOF部での飛行時間が長くなるため、スペクトル上の重複が問題となってくる。一方、従来技術2では、質量数1000でのイオン利用効率が最大となるようにT=20μs、T=40μsに設定した場合のイオン利用効率である。質量数840〜1170で80%以上の高いイオン利用効率が得られる。しかし、質量数100〜430、2380〜10000のイオンは全く検出不可能である。イオン排出の時間(T、T)の設定により、分布を平行移動したり、分布の広がりを僅かに変化させることは可能であるが、質量数範囲とイオン利用効率の2者択一となる。
一方、本実施例を用いた場合は、まず、イオンは第1のトラップに蓄積され、その後ある質量数範囲のイオンのみが第2のトラップへと輸送され、それらの質量数範囲に適合したT、Tを設定しTOF測定が行われ、その後、順次第1のトラップから第2のトラップへ排出するイオンの質量数範囲を変化させ、それに応じてT、Tを設定する。これら一連の測定により、本実施例におけるイオン利用効率は質量数100〜10000の広い質量数範囲において90%以上の高い利用効率が達成可能である。
(実施例2)
第1のリニアトラップで蓄積可能なイオン量は限定されており、スペースチャージの影響を受けないためには、より高速な測定が望まれる。
次に、測定を高速化する本発明の第2の実施例について説明する。装置構成は、第1の実施例(図1)とほぼ同様である。ただし、補助交流電源103は複数の高周波電圧の重畳波形を生成可能である。
図9に、その測定シーケンスを示す。T間に、後述する補助交流電圧を羽電極1a、1b間に印加することにより、特定の質量数範囲のイオンのみを第1のリニアトラップから
第2のリニアトラップへと移送する。また、測定開始からある一定時間T(10ms程度)の間、T、Tを固定して検出を行う。この一定のT、Tを設定する時間Tを1スキャンと定義して、複数スキャンを行う。
図10に、1M〜1.2Mまでのイオンを1スキャンで計測する場合の各スキャンにおけるターゲット最大質量数とターゲット最小質量数を示す。1M〜1.2Mまでのイオンを1スキャンで計測するとすれば、質量数100〜10000の測定を行うため12個のスキャンが必要である。各々のスキャンは、第2のリニアトラップの通過時間である10ms程度が適当であるから、120msで1測定が終了するため、第1の実施例よりも高速な測定が可能である。
図11に、各スキャンにおける印加する周波数の最大値(最小質量対応周波数)と最小値(最大質量対応周波数)を示す。これらの重畳波形は0.1〜0.5kHzおきにRF電圧を逆フーリエ変換により、合成可能である。現実的には、あらかじめそれらの合成波形を、補助交流電源103のメモリ内部に格納しておけば、高速呼び出しが可能である。
図12に、各スキャンにおけるT、Tの設定値を示す。各々、測定対象質量数の中央値(1.1M)のイオン利用効率が最大となるようにセットされている。本実施例を用いれば、質量数100〜10000までの質量数イオンを90%以上の効率で実施例1よりも短時間で測定することが可能である。本実施例では1M〜1.2Mまでの範囲で1スキャンを形成したが、この広がりをより広くすることにより、更に高速化は可能である。しかし、この場合にはイオン利用効率は漸次低下していく。
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例について、図13を用いて説明する。本実施例は、第1のリニアトラップ16と第2のリニアトラップ17を同一の多重極ロッド電極12を用いることにより、装置を簡便化、低コスト化できる。図13は、ポンプ等の排気装置およびバッファーガス等の導入機構は簡略化のため省いてある。
エレクトロスプレーイオン源、大気圧化学イオン源、大気圧光イオン源、または大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン源などのイオン源301で生成されたイオンは、オクタポール、4重極マスフィルター、または多重極リニアトラップよりなるイオン輸送部302、入口端電極2を経て、第1のリニアトラップ16に導入される。第1のリニアトラップ16は、端電極2、および4本、6本、8本等の多重極ロッド電極12(本例では、4重極ロッド電極の場合を示す)、およびそれらに挿入された軸上に2枚に分断された羽電極15aおよび羽電極15bで囲まれた領域の一部より構成される。羽電極15a、15bは、第1の実施例で述べたように、4重極ロッド電極12の間に挿入されている。羽電極15a、15bは、4重極ロッド電極12のすべての間に設置しても良いし、対向する1対の間に設置しても良い。羽電極15は、Z軸上方向に2枚以上(本例では、15a、15bの2枚の場合を示す)で分割されている。
4重極ロッド電極12には、RF電源102で生成した交互に位相の反転したRF電圧が印加される。このRF電圧の典型的な電圧振幅は数100〜数kV、周波数は500kHz〜2MHz程度である。第1のリニアトラップ16および第2のリニアトラップ17の典型的なガス圧力が1〜10Pa(Heの場合)、または0.3〜3Pa(Ar、N等の場合)となるようにガスが供給されている(図示せず)。この部分へイオン輸送部302より導入されたイオンはガスとの衝突により運動エネルギーを失い、ほぼ室温の状態(0.025eV)にまで冷却され、中心部にトラップされる。挿入された羽電極15とロッド電極12の間には直流バイアス電源104により直流電圧(5V〜30V程度)が印加される。この直流電圧印加に伴い、ロッド電極4および羽電極1により囲まれた空間上にはZ軸方向に調和ポテンシャルを形成することが可能である(図13下の電位図参照)。補助交流電源103による共鳴電圧の印加により、共鳴する質量数のイオンは軸方向に励起され、1ms以内に調和ポテンシャルを越え、第2のリニアトラップ17に排出することが可能である。この際、共鳴の影響を受けないイオンは中心付近に蓄積され続ける。入口端電極2の電位を第1のリニアトラップ16の出口部分の電位より、数V程度高めに設定しておけば、イオンは第2のリニアトラップ17の方向へほぼ100%排出される。
第2のリニアトラップ17は、4本、6本、8本等の多重極ロッド電極12、羽電極15bの一部、端電極6により構成される。第2のリニアトラップでは、第1のリニアトラップより排出されたイオンはガス衝突により運動エネルギーを失い、ほぼ室温の状態(0.025eV)にまで冷却される。第2のリニアトラップの中心軸上には、軸方向に加速電位が形成されており、イオンを効率良く、端電極6の近辺まで移送することが可能である。第2のリニアトラップ17の出口部分には端電極6を有し、この電圧は端電極電源106により制御される。端電極6の電位をロッド電極5の中心軸上の電位より上下させることにより、イオンを蓄積、排出することが可能である(図13下の電位図参照)。すなわち、正イオンの場合であれば、端電極の電位を中心軸上電位より数V高く設定(実線)することによりイオン蓄積が可能であり、逆に数V低く設定(点線)すれば、イオンは端電極6の細孔を通過してTOF部へ導入される。なお、負イオン測定の場合は極性を反転すれば良い。端電極の電圧は端電極電源106により生成される。
TOF部へ導入されたイオンは、複数電極より構成されたイオンレンズ7により、イオン収束を行った後、押し出し電極8および引き込み電極9より構成される飛行時間型質量分析部の加速部へと導入される。加速部電源107により、押し出し電極8、引き出し電極9の間に数100V〜数kVの電圧を印加することにより、イオンはイオン導入方向と直交方向へ加速される。なお、加速電圧印加のタイミングは、端電極6でのイオン排出のタイミングと後述する関係において同期させる。直交方向に加速されたイオンはそのまま検出器に到る(図示せず)か、リフレクトロン10と呼ばれる反射レンズを経て偏向した後、MCPなどからなる検出器11に到達する。加速部の加速開始時間からイオン検出時間との関係からイオンの質量数が計測可能である。到達したイオンは増幅や積算を経た後、コントローラー101に蓄積される。第3の実施例ではコントローラー101により、補助交流電圧電源103、端電極電源106、加速部電源107を制御することにより高質量領域において高感度な検出が可能となる。制御パラメータおよび制御方式については、第1の実施例および第2の実施例と同様な方法により可能である。
(実施例4)
本発明による方式は、多重極リニアトラップから質量選択的にイオン排出可能な他の方法と結合しても類似の効果が得られる。図14は、本発明の第4の実施例を示し、第1のリニアトラップとして、先述した従来例(特許文献4)に記載の方式を適用した場合の装置構成図である。ポンプ等の排気装置およびバッファーガス等の導入機構は簡略化のため省いてある。
エレクトロスプレーイオン源、大気圧化学イオン源、大気圧光イオン源、または大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン源などのイオン源301で生成されたイオンは、オクタポール、4重極マスフィルター、または多重極リニアトラップよりなるイオン輸送部302、端電極2を経て、第1のリニアトラップに導入される。本実施例の第1のリニアトラップは、4本の4重極ロッド電極13、端電極2および端電極14で構成される。4重極ロッド電極13には電源108で生成した位相の反転したRF電圧が交互に印加される。このRF電圧の典型的な電圧振幅は数100〜数kV、周波数は500kHz〜2MHz程度である。この部分でイオン輸送部302より排出されたイオンはガス衝突により運動エネルギーを失い、ほぼ室温の状態(0.025eV)にまで冷却され、第1のトラップの内部にトラップされる。
図15(a)〜(c)に、本実施例における第1のトラップからのイオン排出のための電圧印加方法(3例)について示す。図15(a)に、対向するロッド間に4重極共鳴電圧を印加する場合のRF電圧および補助交流電圧印加を示す(図中、Gはグラウンド電圧)。図15(b)に、対向するロッドに同一、同位相の8重極共鳴電圧を印加する場合のRF電圧および補助交流電圧印加を示す。図15(c)に、端電極14と4重極ロッド電極13との中心電位間に8重極共鳴電圧を印加する場合のRF電圧および補助交流場合を示す。共鳴周波数と質量数との関係は、図15(a)の場合であれば、次式(数5)で記述され、図15(b)および図15(c)の場合であれば、次式(数6)で記述される。
Figure 0004223937
・・・・・・・・・・(数5)
Figure 0004223937
・・・・・・・・・・(数6)
ここで、β(M)は質量数やRF電圧振幅等により一義的に決定されるパラメータであり、詳細は、例えば「Practical Aspects of Ion Trap Mass Spectrometry, CRC Press, 1995」等に記載されている。
イオンは、共鳴によりr方向に最初励起されるが、Z軸の運動エネルギーへと変換し、結果としてZ軸方向に排出される。入口側の端電極2の電位を出口端電極14より数V程度高めに設定しておけばイオンは第2のトラップの方向へ排出される。本方式ではコントローラー101により、電源108、端電極電源106、加速電源107を制御することにより高質量領域において高感度な検出が可能となる。第2のトラップ以降のイオン検出手段はおよび同期手法は制御パラメータおよび制御方式については、第1の実施例および第2の実施例と同様な方法により可能である。
以上、詳述したように、本発明によれば、従来技術ではいずれも不可能であった広いマスウィンドウでの高いイオン利用効率の向上が期待できる直交型飛行時間型質量分析装置を得ることである。また、検出器の小型化により、コストを低減し、TOF部における質量分解能を向上することが可能となる。
本発明の第1の実施例における装置構成を説明する図。 第1の実施例における排出質量数と共鳴周波数の関係を説明する図。 第1の実施例における測定シーケンスを説明する図。 第1の実施例の効果(1)を説明する図。 第1の実施例の効果(2)を説明する図。 第1の実施例の効果(3)を説明する図。 第1の実施例の効果(4)を説明する図。 第1の実施例の効果(5)を説明する図。 本発明の第2の実施例における測定シーケンスを説明する図。 第2の実施例の効果(1)を説明する図。 第2の実施例の効果(2)を説明する図。 第2の実施例の効果(3)を説明する図。 本発明の第3の実施例における装置構成を説明する図。 本発明の第4の実施例における装置構成を説明する図。 第4の実施例における電圧印加(1)を説明する図。 第4の実施例における電圧印加(2)を説明する図。 第4の実施例における電圧印加(3)を説明する図。 第1の実施例における4重極ロッド電極と羽電極との配置構成を説明する図。
符号の説明
1a、1b…羽電極、2…入口端電極、3…出口端電極、4…多重極ロッド電極、5…多重極ロッド電極、6…端電極、7…イオンレンズ、8…押出し電極、9…引出し電極、10…リフレクトロン、11…検出器、12…多重極ロッド電極、13…4重極ロッド電極、14…端電極、15…羽電極、16…実施例3の第1のリニアトラップ、17…実施例3の第2のリニアトラップ、101…コントローラー、102…RF電源、103…補助交流電源、104…直流電源、105…RF電源、106…端電極電源、107…加速電源、108…電源、109…端電極電源、301…イオン源、302…イオン輸送部。

Claims (10)

  1. イオンを生成するイオン源と、前記イオンを輸送するイオン輸送部と、前記イオンを蓄積し、特定の質量数範囲のイオンを排出する第1のリニアトラップと、イオンを排出する出口端に端電極を配し、前記端電極の直流電位との相対的な直流電位勾配を変化させることにより、前記第1のリニアトラップから排出されたイオンをトラップし、繰り返しパルス状に排出する第2のリニアトラップと、前記第2のリニアトラップより排出されたイオンを直交方向へ加速し検出する飛行時間型質量分析部と、前記第1のリニアトラップから前記第2のリニアトラップへ排出されるイオンの質量数範囲に応じて、前記第2のリニアトラップからイオンが排出されるパルス時間幅またはイオン排出終了から前記飛行時間型質量分析部の加速電圧が印加されるまでの遅延時間幅を変化させる制御部とを具備することを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップが、4本以上の多重極ロッド電極を有し、かつ、各ロッド電極間にリニアトラップの軸方向に調和ポテンシャルを形成可能な、前記軸方向に2つ以上に分割された羽電極を挿入して、前記ロッド電極と分割された前記羽電極の間に補助的な交流電圧を印加することにより、前記特定の質量数範囲のイオンを前記第2のリニアトラップに排出するよう構成されていることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップが、4本の4重極ロッド電極と、イオンを導入する入口端およびイオンを排出する出口端のそれぞれに配した端電極とを有し、前記出口端に配した端電極の形成する電位勾配により、イオンをトラップするポテンシャルを形成し、前記4重極ロッド電極および前記出口端に配した端電極のうち何れかの電極に補助的な交流電圧を印加して、前記特定の質量数範囲のイオンを前記第2のリニアトラップに排出するよう構成されていることを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップおよび前記第2のリニアトラップが、同一の多重極ロッド電極で構成されていることを特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項2又は3に記載の質量分析装置において、前記第2のリニアトラップが、前記出口端に配された端電極の電位を前記ロッド電極の中心軸上の電位より上下させることにより、イオンを蓄積し、前記飛行時間型質量分析部へ排出するよう構成されていることを特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップに導入されるガスがヘリウムであり、圧力が0.02〜10Paであることを特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記第1のリニアトラップに導入されるガスがアルゴン、空気、窒素またはそれらの混合気体であり、導入された前記イオンと前記ガスの衝突する領域での圧力が0.006〜3Paであることを特徴とする質量分析装置。
  8. 請求項2又は3に記載の質量分析装置において、前記補助的な交流電圧における共鳴周波数電圧が、単一のRF電圧の重畳で構成されていることを特徴とする質量分析装置。
  9. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオンを輸送するイオン輸送部が、前記イオンを蓄積、選択、分解、排出可能な4重極リニアトラップもしくは4重極イオントラップを少なくとも1つ含むことを特徴とする質量分析装置。
  10. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオンを輸送するイオン輸送部が、RF電圧および直流電圧を印加して前記特定の質量数範囲のイオンを選択的に透過する4重極フィルターを少なくとも1つ含むことを特徴とする質量分析装置。
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