JP4692310B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオントラップを用いた質量分析装置に関し、イオントラップによる高いイオン解離性能を実現する。
プロテオーム解析などの用途で質量分析計を用いる場合、多段階に質量分析を行うMS分析が重要となる。
MS分析が可能な質量分析法として、三次元四重極イオントラップ質量分析計がある。三次元四重極イオントラップでは、特許文献1に開示されるように、イオントラップに高周波電圧を印加することで、特定の質量電荷比を持つイオンを安定にイオントラップ内に蓄積できる。
さらに、三次元四重極イオントラップでは、特許文献2に開示されるように、イオントラップ内にイオンを蓄積した状態で、高周波電圧の電圧振幅を走査することで、イオントラップ内のイオンは質量電荷比の順に不安定となり順次に排出される。排出されたイオンを順次に検出することで質量分析が可能となる。
さらに、三次元四重極イオントラップでは、特許文献3に開示されるように、高周波電圧とは別に補助的な交流電圧を印加することで、補助交流電圧の周波数に対して振動する固有振動数を持つ特定の質量電荷比のイオンのみがイオントラップから共鳴励起により排出され、排出されたイオンを検出、質量分析することで質量分解能を向上することができる。
さらに、特許文献3の技術により、プロテオーム解析で重要となる、イオントラップでのMS分析が可能となる。補助交流電圧による共鳴励起動により、イオントラップ内に蓄積したイオンの中から、特定の質量電荷比のイオン以外をイオントラップから排出し、イオントラップ内に特定イオンのみを単離する。次の工程で、補助交流電圧により単離したイオンを共鳴励起により振動させ、イオントラップ内に満たした中性ガスと複数回衝突させることでイオンを解離する。解離により生成したフラグメントイオンは高周波電圧の電圧振幅を走査することで、質量電荷比の順に排出され順次に検出することで質量分析を行う。この技術により、解離生成フラグメントイオンの分解状態から、試料分子のより詳細な構造情報を得ることができる。
特許文献4に開示された四重極リニアイオントラップは三次元四重極イオントラップと同様にMS分析が可能であり、三次元四重極イオントラップに比べイオンの蓄積効率が高いので、感度の向上が実現できる。さらに、イオントラップ内の蓄積イオンの飽和に起因する空間電荷の影響が少ないので、質量分解能が向上する。
さらに、特許文献5に開示されるように、四重極リニアイオントラップと飛行時間型質量分析計を組み合わせることで、MSの動作はイオントラップで行い、質量分析は飛行時間型質量分析計で行うことにより、より高い質量分解能とMS分析が可能となる。
さらに、特許文献6に開示されるように、四重極リニアイオントラップと飛行時間型質量分析計の間に中性ガスによる衝突ダンピング室を設置することで、イオントラップから排出されたイオンのエネルギーと位置を収束し、飛行時間型質量分析計の加速部へのイオン導入効率を向上し、高感度分析を実現できる。
特許文献7では、四重極リニアイオントラップの各ロッド電極間に挿入した電極に直流電圧を印加することにより、軸方向に静電調和ポテンシャルを形成しイオンを蓄積する方式が開示されている。さらに、軸方向の静電調和ポテンシャルを形成した状態で、挿入した電極に補助交流電圧を印加することで、軸方向にイオンを質量選択的に共鳴励起排出することができる。排出されたイオンを検出することで質量分析が可能となる。
特許文献8では、四重極電極の各ロッド電極間に電極を配置し軸方向に電場を形成することで、イオンが四重極電極を通過する時間を制御する方式が開示されている。さらに、軸方向の電場を変動によりイオンを往復させ四重極電極内の中性ガスと衝突させることでイオンの解離効率の向上を図っている。
米国特許2939952号
米国特許4540884号 米国特許4736101号 米国特許5420425号 米国特許6020586号 特開2005-044594号 米国特許5783824号 米国特許5847386号
特許文献1から6で用いられる三次元四重極イオントラップや四重極リニアイオントラップなどのイオントラップ方式では、イオントラップ内に蓄積したイオンを中性ガスとの衝突により解離させ、解離生成したフラグメントイオンから詳細構造を決定する。イオントラップでのイオン解離は、高周波電圧を印加しながら、補助交流電圧を印加し、共鳴励起によりイオンを振動させることで行う。しかし、一般的な高周波電圧条件では、解離対象イオンに対し1/4以下の質量電荷比の解離生成フラグメントイオンは、イオントラップの外へ排除されるため、解離生成しても検出することができない。
特許文献6の構成を用いて、Glu-fibrinopeptide Bの2価イオンを解離した時に得られる質量スペクトルを図1に示す。図1の横軸は質量電荷比(m/z)、縦軸は相対的なイオン強度を表している。解離対象イオン(785.8m/z)に対し、1/4以下のm/zのイオン(約200m/z以下)を検出できないことが確認できる。なお、図1ではGlu-fibrinopeptide Bの代表的な解離生成フラグメントイオンであるy2〜y11のみを表記した。
低質量の解離生成フラグメントイオンが検出できない原因は、高周波電圧により低質量側のイオンが排除されているためである(低質量カットオフ)。高周波電圧を低くすることで、低質量カットオフを低質量側にシフトさせることはできるが、この場合高周波電圧により形成される径方向のトラップポテンシャルが浅くなるため、共鳴励起振動により対象イオンが解離する前に排除されやすくなり、解離効率が大幅に低下する。
特許文献7の方式は、四重極リニアイオントラップの軸方向に形成した静電調和ポテンシャルにより、イオンの蓄積および排出を行う方式である。しかし、四重極リニアイオントラップ内でイオンの単離および解離を行うものではないので、MS分析は不可能である。
特許文献8の方式では、低質量カットオフを低く設定しても軸方向に往復させるので径方向ポテンシャルの影響を受けにくく低質量フラグメントイオンも検出できる。しかし、四重極電極内の全てのイオンを往復させ解離するため、解離生成したフラグメントイオンをさらに解離してしまう(二次解離)。つまり、この方式では質量選択的に解離することができない。また、解離対象イオンの単離方法については記述されていないのでMS分析は不可能である。
リニアイオントラップを用いた質量分析装置において、低質量の解離生成フラグメントイオンの検出を可能にすることは重要である。
本発明の質量分析装置は、イオンを生成するイオン生成部と、イオン蓄積およびイオン単離およびイオン解離およびイオン排出を行うイオントラップと、イオントラップの軸方向に電場を形成する電場形成電極と、電場は、静電ポテンシャルであって、イオントラップの動作を制御する電源部と、イオントラップから排出されたイオンを検出する検出器とを有し、電源部は、電場形成電極に補助交流電圧を印加する補助交流電源を備え、補助交流電源が電場形成電極に印加する補助交流電圧により、イオントラップの中のイオンを共鳴励起によりイオントラップの軸方向に振動させ、特定の質量電荷比範囲のイオンを質量選択的に解離することを特徴とする質量分析装置。
本発明の質量分析装置では、イオントラップの中に軸方向に2つ以上に分割された形状の挿入電極を配置し、挿入電極に印加する直流電圧で静電調和ポテンシャルを形成し、分割された挿入電極の間に印加する補助交流電圧によりイオントラップの中のイオンを共鳴励起により軸方向に振動させ、特定の質量電荷比範囲のイオンを質量選択的に解離する。
本発明により、イオントラップによる低質量の解離生成フラグメントイオンの検出が可能となる。
(実施例1)
実施例1では、多重極電極を有するリニアイオントラップの中で、解離対象イオンを補助交流電圧により軸方向に共鳴励起振動させ中性ガスと衝突させて解離する方式について説明する。
図2は、本方式を適用した四重極リニアイオントラップ飛行時間型質量分析計の構成図である。
イオン生成部1で生成されたイオンは細孔2を通り、ロータリーポンプ3で100〜500 Pa程度に排気された第1差動排気部4へと導入される。その後イオンは細孔5を通り、ターボ分子ポンプ6で排気された第2差動排気部7へと導入される。第2差動排気部7は多重極電極8を配置し、0.3〜3 Pa程度の圧力に維持している。多重極電極8には、交互に位相を反転させた周波数約1MHz、電圧振幅値±数100Vの高周波電圧を印加している。イオンは、多重極電極8の中で軸中心付近へ収束され、高い効率で輸送される。
多重極電極8で収束したイオンは、細孔9を通過し解離対象イオン単離部10に導入される。解離対象イオン単離部10は、イオン生成部1で生成した全イオンの中から、解離による詳細分析を行うイオンのみを単離するものであり、イオントラップ方式や多重極質量フィルターなどを用いる。
解離対象イオン単離部10で単離されたイオンはゲート電極11とエンドキャップ入口電極12の穴を通過し、四重極リニアイオントラップ13の中に導入される。四重極リニアイオントラップ13は、エンドキャップ入口電極12とエンドキャップ出口電極14および4本のロッド電極15-18および軸方向に分割した8枚の挿入電極19-26により構成される。四重極リニアイオントラップ13には、配管27を経てヘリウムなどの中性ガスを導入する。四重極リニアイオントラップ13はケース28の内部に構成し、0.01〜1Pa程度の圧力に保持する。四重極リニアイオントラップ13では、解離対象イオンの蓄積および解離を行い、その後イオンをエンドキャップ出口電極14の穴から四重極リニアイオントラップ13の外に排出する。
排出されたイオンは、イオンストップ電極29と細孔30を通過し、衝突ダンピング室31へ導入される。衝突ダンピング室31には多重極電極32を配置し、配管33によりヘリウムなどの中性ガスを導入し、10Pa程度の圧力に保持する。多重極電極32には、交互に位相を反転させた周波数約2MHz、電圧振幅値±1kV程度の高周波電圧を印加している。衝突ダンピング室31では、イオンは中性ガスとの衝突により運動エネルギーを失い収束する。解離対象イオン単離部10および四重極リニアイオントラップ13および衝突ダンピング室31は真空室34に配置し、真空室34はターボ分子ポンプ35で排気し、1×10-3Pa程度に保持する。ターボ分子ポンプ6およびターボ分子ポンプ35の排気をロータリーポンプ3で排気している。
衝突ダンピング室31で収束されたイオンは、細孔36を通過しTOF室37に導入される。TOF室37はターボ分子ポンプ38で排気し、2×10-4Pa程度の圧力に保持する。ターボ分子ポンプ38の排気はロータリーポンプ39で排気する。イオンは複数枚の電極で構成したレンズ電極40を通過し、押出し電極41と引出し電極42で構成された加速部43に到達する。押出し電極41には、1〜10 kHz程度の周期で加速電圧を印加し、イオンを直交方向へ加速する。加速されたイオンは、リフレクトロン44により反射され、検出器45に到達し検出される。イオンは質量により飛行時間が異なるため、飛行時間と信号強度から質量スペクトルが得られる。
次に、四重極リニアイオントラップ13への電圧印加方法を説明する。詳細な説明図を図3に示す。電源部46は、高周波電源47と直流電源48と補助交流電源49から構成される。高周波電源47は、ロッド電極15、17とロッド電極16、18の間に、周波数約800kHz、電圧振幅値±5kV程度の高周波電圧を印加する。直流電源48は、ロッド電極15-18の全体に10〜20V程度のオフセット電圧を印加し、エンドキャップ入口電極12とエンドキャップ出口電極14に最大50V程度の電圧を印加し、挿入電極19-26に最大50V程度のオフセット電圧を印加する。補助交流電源49は、挿入電極19-22と挿入電極23-26の間に周波数最大100kHz程度で電圧振幅値±10V程度の高周波電圧を印加する。
次に、図4を用いて四重極リニアイオントラップ13でイオン解離を行う場合の各電極の動作シーケンスを説明する。図4の動作シーケンス図は、解離対象イオンの蓄積および解離工程と解離動作後のイオン排出工程から構成される。
解離対象イオンの蓄積工程では、ロッド電極15-18の全体に10〜20Vのオフセット電圧(VROD-DC)を印加し、エンドキャップ入口電極12にはVROD-DCに対し最大10V程度高い電圧(VIN-DC)を印加し、エンドキャップ出口電極14にはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧(VOUT-DC)を印加し、挿入電極19-26にはVROD-DCに対し最大20V程度高いオフセット電圧(VVANE-DC)を印加する。この時、ロッド電極15、17とロッド電極16、18の間に高周波電圧(VROD-RF)を印加するが、挿入電極19-22と挿入電極23-26の間には補助交流電圧(VVANE-AC)は印加しない。これらの動作により、四重極リニアイオントラップ13の中に解離対象イオンが安定状態で蓄積される。
解離対象イオンの解離工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCとVOUT-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCに対し5V以上高い電圧に設定する。この時、VROD-RFを印加し、電圧振幅値が最大±10V程度のVVANE-ACを印加する。これらの動作により、VVANE-ACの周波数に対応した質量電荷比のイオン(解離対象イオン)が、質量選択的に軸方向に共鳴励起振動し四重極リニアイオントラップ13の中の中性ガスと衝突し解離する。
解離動作後のイオン排出工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VOUT-DCはVROD-DCに対し最大5V程度低い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCと同程度の電圧に設定する。この時、VROD-RFを印加し、VVANE-ACは印加しない。これらの動作により、解離生成したフラグメントイオンは四重極リニアイオントラップ13から排出される。
四重極リニアイオントラップ13から排出されたイオンは、イオンストップ電極29を通過し、TOF室37において図2で説明した方法で質量分析される。
次に、図2、図3、図4に示した構成および方式で、Glu-fibrinopeptide Bの2価イオンを解離した時に得られる質量スペクトルを図5に示す。図5の横軸は質量電荷比(m/z)、縦軸は相対的なイオン強度を表している。従来方式の結果である図1では検出できなかった約200m/z以下の解離生成フラグメントイオンが、図5の結果では検出できていることが確認されており、図1で得られたy2〜y11の解離生成フラグメントイオン以外に、図5ではy1(173.1m/z)、F(120.1m/z)、V(72.1m/z)などの代表的な解離生成フラグメントイオンも検出できている。
次に、図2、図3、図4に示した構成および方式において、TBAの1価イオン(242m/z)を解離対象イオンとして、静電調和ポテンシャルの深さ(D)を変化させた時の解離効率の変動を図6に示す。DはVROD-DCとVVANE-DCとの電位差とほぼ同値である。図6の横軸はVROD-DCを15Vに固定し、VVANE-DCのみを変化させたときのD(=VVANE-DC−VROD-DC)を表している。図6の縦軸には解離効率(=解離生成フラグメントイオン量÷解離対象イオンの減少量)の相対値を表している。図6から、本方式の四重極リニアイオントラップ13で解離対象イオンを補助交流電圧により軸方向に共鳴励起振動させ中性ガスと衝突させて解離するには、Dを5V以上に設定する必要があることが確認できる。
(実施例2)
実施例2では、四重極リニアイオントラップ飛行時間型質量分析計の構成において、多重極電極を有するリニアイオントラップの中で、解離対象イオンを単離し、その後に補助交流電圧により軸方向に共鳴励起振動させ中性ガスと衝突させて解離する方式について説明する。
本実施例では、イオンを補助交流電圧により径方向に共鳴励起振動させ、解離対象イオン以外のイオンをリニアイオントラップの外へ除外し、その後に解離対象イオンを解離する方式について説明する。
本実施例の装置構成は図2で示した構成とほぼ同様であるが、解離対象イオンの単離を四重極リニアイオントラップ13の中で行うことができるため、解離対象イオン単離部10は必ずしも必要ではない。電圧印加方法は実施例1とは異なるので、以下、図7を用いて詳細に説明する。電源部46は、高周波電源47と直流電源48と補助交流電源49から構成される。高周波電源47は、ロッド電極15、17とロッド電極16、18の間に、周波数約800kHz、電圧振幅値±5kV程度の高周波電圧を印加する。直流電源48は、ロッド電極15-18の全体に10〜20V程度のオフセット電圧を印加し、エンドキャップ入口電極12とエンドキャップ出口電極14に最大50V程度の電圧を印加し、挿入電極19-26に最大50V程度のオフセット電圧を印加する。補助交流電源49は、ロッド電極16とロッド電極18の間に周波数5〜350kHz程度、電圧振幅値±35V程度の補助交流電圧を印加し、挿入電極19-22と挿入電極23-26の間に周波数最大100kHz程度で電圧振幅値±10V程度の高周波電圧を印加する。
次に、図8を用いて四重極リニアイオントラップ13で解離対象イオンの単離および解離を行う場合の各電極の動作シーケンスを説明する。図8の動作シーケンス図は、イオンの蓄積および解離対象イオン単離工程および解離工程と解離動作後のイオン排出工程から構成される。
解離対象イオンの蓄積工程では、ロッド電極15-18の全体に10〜20Vのオフセット電圧(VROD-DC)を印加し、エンドキャップ入口電極12にはVROD-DCに対し最大10V程度高い電圧(VIN-DC)を印加し、エンドキャップ出口電極14にはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧(VOUT-DC)を印加し、挿入電極19-26にはVROD-DCに対し最大20V程度高いオフセット電圧(VVANE-DC)を印加する。この時、ロッド電極15、17とロッド電極16、18の間に高周波電圧(VROD-RF)を印加する。ロッド電極16とロッド電極18の間の補助交流電圧(VROD-AC)を印加しても印加しなくても良い。挿入電極19-22と挿入電極23-26の間には補助交流電圧(VVANE-AC)は印加しない。これらの動作により、四重極リニアイオントラップ13の中にイオン生成部1で生成した全イオンが安定状態で蓄積される。
解離対象イオンの単離工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCとVOUT-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCと同電位に設定する。この時、VROD-RFとVROD-AC印加し、VVANE-ACは印加しない。このときのVROD-ACの印加方法には、解離対象イオンの質量電荷比範囲に対応した周波数のみが存在しないノッチ状の合成波(FNF)を用いる方法や、VROD-ACの周波数を高周波数側から低周波数側(またはその反対)へ走査する方法などがある。後者の場合は走査の過程で解離対象イオンの質量電荷比範囲に対応した周波数のみを除外する必要がある。両者ともに、解離対象イオン以外の質量電荷比のイオンが共鳴励起振動し四重極リニアイオントラップ13の外へ排除される。これらの動作により、解離対象イオンのみが共鳴励起振動しないため、安定状態で四重極リニアイオントラップ13の中に単離できる。
解離対象イオンの解離工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCとVOUT-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCに対し5V以上高い電圧に設定する。この時、VROD-RFを印加し、VROD-ACを印加しない。さらに、電圧振幅値が最大±10V程度のVVANE-ACを印加する。これらの動作により、VVANE-ACの周波数に対応した質量電荷比のイオン(解離対象イオン)が、質量選択的に軸方向に共鳴励起振動し四重極リニアイオントラップ13の中の中性ガスと衝突し解離する。
解離動作後のイオン排出工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VOUT-DCはVROD-DCに対し最大5V程度低い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCと同程度の電圧に設定する。この時、VROD-RFを印加し、VROD-ACおよびVVANE-ACは印加しない。これらの動作により、解離生成したフラグメントイオンは四重極リニアイオントラップ13から排出される。
図8の動作を繰り返すことにより、四重極リニアイオントラップ13の中で、解離生成フラグメントイオンから新たな解離対象イオンを単離しさらに解離することができる。つまりMS分析(n≧3)が可能となる。
四重極リニアイオントラップ13から排出されたイオンは、イオンストップ電極29を通過し、TOF室37において図2で説明した方法で質量分析される。
(実施例3)
実施例3では、四重極リニアイオントラップ飛行時間型質量分析計の構成において、イオンを補助交流電圧により軸方向に共鳴励起振動させ、解離対象イオン以外のイオンをリニアイオントラップの外へ除外し、その後に解離対象イオンを解離する方式について説明する。
本実施例の装置構成は図2で示した構成とほぼ同様であるが、解離対象イオンの単離を四重極リニアイオントラップ13の中で行うことができるため、解離対象イオン単離部10は必ずしも必要ではない。電圧印加方法は図3で示した構成とほぼ同様であるが、動作シーケンスは、実施例1および2とは異なるので、以下、詳細に説明する。
図9を用いて四重極リニアイオントラップ13で解離対象イオンの単離および解離を行う場合の各電極の動作シーケンスを説明する。図9の動作シーケンス図は、イオンの蓄積および解離対象イオン単離工程および解離工程と解離動作後のイオン排出工程から構成される。蓄積および解離および排出工程の動作シーケンスは図4と同様であるので、以下、単離工程について説明する。
解離対象イオンの単離工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCとVOUT-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定する。この時、VROD-RFとVVANE-ACを印加する。このときのVVANE-ACの印加方法には、解離対象イオンの質量電荷比範囲に対応した周波数のみが存在しないノッチ状の合成波(FNF)を用いる方法や、VVANE-ACの周波数を高周波数側から低周波数側(またはその反対)へ走査する方法などがある。後者の場合は走査の過程で解離対象イオンの質量電荷比範囲に対応した周波数のみを除外する必要がある。両者ともに、解離対象イオン以外の質量電荷比のイオンが共鳴励起振動し四重極リニアイオントラップ13の外へ排除される。これらの動作により、解離対象イオンのみが共鳴励起振動しないため、安定状態で四重極リニアイオントラップ13の中に単離できる。
図9の動作を繰り返すことにより、四重極リニアイオントラップ12の中で、解離生成フラグメントイオンから新たな解離対象イオンを単離しさらに解離することができる。つまりMS分析(n≧3)が可能となる。
解離工程後、四重極リニアイオントラップ13から排出されたイオンは、イオンストップ電極29を通過し、TOF室37において図2で説明した方法で質量分析される。
実施例1から3は、イオントラップと飛行時間型質量分析計(TOFMS)を組み合わせた構成における実施例であり、TOFMSを質量分析手段として使用している。
(実施例4)
次に、多重極電極を有するリニアイオントラップ自体を質量分析手段として使用する実施例について説明する。
図10は、本方式を適用した四重極リニアイオントラップ質量分析計の構成図である。
イオン生成部1で生成されたイオンは細孔2を通り、ロータリーポンプ3で100〜500 Pa程度に排気された第1差動排気部4へと導入される。その後イオンは細孔5を通り、ターボ分子ポンプ6で排気された第2差動排気部7へと導入される。第2差動排気部7は多重極電極8を配置し、0.3〜3 Pa程度の圧力に維持している。多重極電極8には、交互に位相を反転させた周波数約1MHz、電圧振幅値±数100Vの高周波電圧を印加している。イオンは、多重極電極8の中で軸中心付近へ収束され、高い効率で輸送される。
多重極電極8で収束したイオンは、細孔9を通過し解離対象イオン単離部10に導入される。解離対象イオン単離部10は、イオン生成部1で生成した全イオンの中から、解離による詳細分析を行うイオンのみを単離するものであり、イオントラップ方式や多重極質量フィルターなどを用いる。
解離対象イオン単離部10で単離されたイオンはゲート電極11とエンドキャップ入口電極12の穴を通過し、四重極リニアイオントラップ13の中に導入される。四重極リニアイオントラップ13は、エンドキャップ入口電極12とエンドキャップ出口電極14および4本のロッド電極15-18および軸方向に分割した8枚の挿入電極19-26により構成される。四重極リニアイオントラップ13には、配管27を経てヘリウムなどの中性ガスを導入する。四重極リニアイオントラップ13はケース28の内部に構成し、0.01〜1Pa程度の圧力に保持する。四重極リニアイオントラップ13では、解離対象イオンの蓄積および解離を行い、その後イオンをエンドキャップ出口電極14の穴から四重極リニアイオントラップ13の外に排出する。
排出されたイオンは、イオンストップ電極29を通過し、コンバージョンダイノード50に衝突し、電子に変換され検出器45に到達し検出される。解離対象イオン単離部10および四重極リニアイオントラップ13および衝突ダンピング室31は真空室34に配置し、真空室34はターボ分子ポンプ35で排気し、1×10-3Pa程度に保持する。ターボ分子ポンプ6およびターボ分子ポンプ35の排気をロータリーポンプ3で排気している。
図10の構成における四重極リニアイオントラップ13への電圧印加方法は、基本的に図3と同様である。
次に、図11を用いて四重極リニアイオントラップ13でイオン解離を行う場合の各電極の動作シーケンスを説明する。図11の動作シーケンス図は、解離対象イオンの蓄積および解離工程と解離動作後のイオン排出工程から構成される。蓄積および解離工程の動作シーケンスは図4と同様であるので、以下、排出工程について説明する。
解離動作後のイオン排出工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VOUT-DCはVROD-DCに対し最大5V程度低い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCに対し最大10V程度高い電圧に設定する。この際、VVANE-ACの周波数を走査することで、四重極リニアイオントラップ13の中のイオンは質量電荷比の順に排出される。この時、VVANE-ACの周波数は高周波数側から低周波数側(またはその反対)へ走査する。検出器45で信号を検出したタイミングと、その際のVVANE-AC周波数と検出された信号強度から質量スペクトルが得られる。また、排出工程でVROD-RFの電圧振幅を走査することで排出効率が向上できるが、VROD-RF電圧振幅の走査は必ずしも必要ではない。
(実施例5)
実施例5では、四重極リニアイオントラップ質量分析計の構成において、多重極電極を有するリニアイオントラップの中で、解離対象イオンを単離し、その後に補助交流電圧により軸方向に共鳴励起振動させ中性ガスと衝突させて解離する方式について説明する。
本実施例では、イオンを補助交流電圧により径方向に共鳴励起振動させ、解離対象イオン以外のイオンをリニアイオントラップの外へ除外し、その後に解離対象イオンを解離する方式について説明する。
本実施例の装置構成は図10で示した構成とほぼ同様であるが、解離対象イオンの単離を四重極リニアイオントラップ13の中で行うことができるため、解離対象イオン単離部10は必ずしも必要ではない。電圧印加方法については、基本的に図7と同様である。
次に、図12を用いて四重極リニアイオントラップ13で解離対象イオンの単離および解離を行う場合の各電極の動作シーケンスを説明する。図12の動作シーケンス図は、イオンの蓄積および解離対象イオン単離工程および解離工程と解離動作後のイオン排出工程から構成される。蓄積および単離および解離工程の動作シーケンスは図8と同様であるので、以下、排出工程について説明する。
解離動作後のイオン排出工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VOUT-DCはVROD-DCに対し最大5V程度低い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCに対し最大10V程度高い電圧に設定する。この際、VVANE-ACの周波数を走査することで、四重極リニアイオントラップ13の中のイオンは質量電荷比の順に排出される。この時、VVANE-ACの周波数は高周波数側から低周波数側(またはその反対)へ走査する。検出器45で信号を検出したタイミングと、その際のVVANE-AC周波数と検出された信号強度から質量スペクトルが得られる。また、排出工程でVROD-RFの電圧振幅を走査することで排出効率が向上できるが、VROD-RF電圧振幅の走査は必ずしも必要ではない。
図12の動作を繰り返すことにより、四重極リニアイオントラップ13の中で、解離生成フラグメントイオンから新たな解離対象イオンを単離しさらに解離することができる。つまりMS分析(n≧3)が可能となる。
(実施例6)
実施例6では、四重極リニアイオントラップ質量分析計の構成において、イオンを補助交流電圧により軸方向に共鳴励起振動させ、解離対象イオン以外のイオンをリニアイオントラップの外へ除外し、その後に解離対象イオンを解離する方式について説明する。
本実施例の装置構成は図10で示した構成とほぼ同様であるが、解離対象イオンの単離を四重極リニアイオントラップ13の中で行うことができるため、解離対象イオン単離部10は必ずしも必要ではない。電圧印加方法については、基本的に図3と同様である。
次に、図13を用いて四重極リニアイオントラップ13で解離対象イオンの単離および解離を行う場合の各電極の動作シーケンスを説明する。図13の動作シーケンス図は、イオンの蓄積および解離対象イオン単離工程および解離工程と解離動作後のイオン排出工程から構成される。蓄積および単離および解離工程の動作シーケンスは図9と同様であるので、以下、排出工程について説明する。
解離動作後のイオン排出工程では、VROD-DCは10〜20Vに設定し、VIN-DCはVROD-DCに対し最大30V程度高い電圧に設定し、VOUT-DCはVROD-DCに対し最大5V程度低い電圧に設定し、VVANE-DCはVROD-DCに対して最大10V程度高い電圧に設定する。この際、VVANE-ACの周波数を走査することで、四重極リニアイオントラップ13の中のイオンは質量電荷比の順に排出される。この時、VVANE-ACの周波数は高周波数側から低周波数側(またはその反対)へ走査する。検出器45で信号を検出したタイミングと、その際のVVANE-AC周波数と検出された信号強度から質量スペクトルが得られる。また、排出工程でVROD-RFの電圧振幅を走査することで排出効率が向上できるが、VROD-RF電圧振幅の走査は必ずしも必要ではない。
図13の動作を繰り返すことにより、四重極リニアイオントラップ13の中で、解離生成フラグメントイオンから新たな解離対象イオンを単離しさらに解離することができる。つまりMS分析(n≧3)が可能となる。
図14に実施例6の構成で得られる質量スペクトルを示しており、それぞれ横軸は質量電荷比(m/z)、縦軸はイオン強度を示している。図14はレセルピンを試料にした時の質量スペクトルであり、図14Aはイオン生成部1で生成した全イオンの質量スペクトルを示し、図14Bは解離対象イオン(609.3m/z)のみを単離したスペクトルを示し、図14Cは解離対象イオンを解離して得られる解離生成フラグメントイオンのスペクトルを示している。図14から、補助交流電圧による軸方向への共鳴励起振動で、解離対象フラグメントイオンを四重極リニアイオントラップ13の中に単離することができ、さらに単離された解離対象イオンを軸方向への共鳴励起振動で解離することも可能であることが分かる。
本発明は、実施例1から3で説明した四重極リニアイオントラップ(LIT)と飛行時間型質量分析計(TOFMS)を組み合わせたLIT-TOFMSの構成や、実施例4から6で説明した四重極リニアイオントラップ自体を質量分析手段とする構成だけではなく、LITとフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析計(FT-ICRMS)を組み合わせたLIT-FT-ICRMSなどの装置構成においても有効である。
さらに、イオントラップ部も四重極リニアイオントラップの構成だけではなく、六重極や八重極などのリニアイオントラップや非線形形状のイオントラップなどにおいても有効である。
従来例の問題点の説明図。 本方式の実施例1。 実施例1の電圧印加方式。 実施例1の動作シーケンス。 本方式の効果の説明図。 本方式の効果の説明図。 実施例2の電圧印加方式。 実施例2の動作シーケンス。 実施例3の動作シーケンス。 本方式の実施例4。 実施例4の動作シーケンス。 実施例5の動作シーケンス。 実施例6の動作シーケンス。 本方式の効果の説明図。
符号の説明
1…イオン生成部、2…細孔、3…ロータリーポンプ、4…第1差動排気部、5…細孔、6…ターボ分子ポンプ、7…第2差動排気部、8…多重極電極、9…細孔、10…解離対象イオン単離部、11…ゲート電極、12…エンドキャップ入口電極、13…四重極リニアイオントラップ、14…エンドキャップ出口電極、15…ロッド電極、16…ロッド電極、17…ロッド電極、18…ロッド電極、19…挿入電極、20…挿入電極、21…挿入電極、22…挿入電極、23…挿入電極、24…挿入電極、25…挿入電極、26…挿入電極、27…配管、28…ケース、29…イオンストップ電極、30…細孔、31…衝突ダンピング室、32…多重極電極、33…配管、34…真空室、35…ターボ分子ポンプ、36…細孔、37…TOF室、38…ターボ分子ポンプ、39…ロータリーポンプ、40…レンズ電極、41…押出し電極、42…引出し電極、43…加速部、44…リフレクトロン、45…検出器、46…電源部、47…高周波電源、48…直流電源、49…補助交流電源、50…コンバージョンダイノード。

Claims (9)

  1. イオンを生成するイオン生成部と、
    イオン蓄積およびイオン単離およびイオン解離およびイオン排出を行うイオントラップと、
    前記イオントラップの軸方向に電場を形成する電場形成電極と、
    前記電場は、静電ポテンシャルであって、
    前記イオントラップの動作を制御する電源部と、
    前記イオントラップから排出されたイオンを検出する検出器とを有し、
    前記電源部は、前記電場形成電極に補助交流電圧を印加する補助交流電源を備え、
    前記補助交流電源が前記電場形成電極に印加する補助交流電圧により、前記イオントラップの中のイオンを共鳴励起により前記イオントラップの軸方向に振動させ、特定の質量電荷比範囲のイオンを質量選択的に解離することを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記電場形成電極は、前記イオントラップの軸方向に2つ以上に分割された形状の挿入電極であることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記静電ポテンシャルの深さが5V以上であることを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオン生成部と前記イオントラップとの間に、イオン生成部から生成されたイオンを単離するイオン単離部を有することを特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記補助交流電源により印加する補助交流電圧により、前記イオントラップの中のイオンを共鳴励起により前記イオントラップの軸方向に振動させ、特定の質量電荷比範囲のイオンを質量選択的に単離することを特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオントラップは、複数のロッド電極を備え、前記電源部は、前記ロッド電極に補助交流電圧を印加する第2の補助交流電源を有しており、前記第2の補助交流電源の印加する補助交流電圧により、前記イオントラップの中のイオンを共鳴励起により前記イオントラップの径方向に振動させ、特定の質量電荷比範囲のイオンを質量選択的に単離することを特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記補助交流電源により印加する補助交流電圧の周波数の高低を走査することにより、前記イオントラップの中のイオンを排出することを特徴とする質量分析装置。
  8. イオンを生成する工程と、
    生成したイオンを単離し、イオントラップに蓄積する工程と、
    前記イオントラップに蓄積したイオンを共鳴励起により前記イオントラップの軸方向に振動させ、特定の質量電荷比範囲のイオンを質量選択的に解離させる工程と、
    前記イオントラップから排出された解離イオンを検出する工程と、を有することを特徴とする質量分析方法。
  9. 請求項8に記載の質量分析方法において、前記軸方向に2つ以上に分割された形状の挿入電極に補助交流電圧を印加することによって、前記イオントラップに蓄積したイオンを共鳴励起により前記軸方向に振動させることを特徴とする質量分析方法。
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