JP2002517277A - 管閉塞装置および方法 - Google Patents

管閉塞装置および方法

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JP2002517277A
JP2002517277A JP2000552983A JP2000552983A JP2002517277A JP 2002517277 A JP2002517277 A JP 2002517277A JP 2000552983 A JP2000552983 A JP 2000552983A JP 2000552983 A JP2000552983 A JP 2000552983A JP 2002517277 A JP2002517277 A JP 2002517277A
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actuator
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JP2000552983A
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アンダーソン、デイヴィッド、ダブリュー．
ティム、ジェラルド、ダブリュー．
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ティム メディカル テクノロジーズ、インク．
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    • A61F2/00—Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
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    • A61F2/0036—Closure means for urethra or rectum, i.e. anti-incontinence devices or support slings against pelvic prolapse for constricting the lumen; Support slings for the urethra implantable
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Abstract

(57)【要約】 体内の流体運搬管を可逆的に閉塞するための閉塞装置（１０）および方法である。一実施形態において、閉塞装置は、管を少なくとも部分的に取り囲むように適合された閉塞部材（１２）を含み、閉塞部材は、管を少なくとも部分的に取り囲む一方で、管に閉塞圧力を印加するための内在スプリング力を内部に有している。制御機構（１６）は、閉塞部材に動作可能に接続されており、閉塞部材が管を少なくとも部分的に取り囲んでいる一方で、制御機構は、閉塞部材の内在スプリング力に対して反作用し、これにより管への閉塞圧力を除去するように配置および構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
発明の分野
【０００１】 本発明は、体内の流体運搬管を閉塞するための装置および方法に関する。特に
、本発明は、さまざまな人体器官において失われたまたは損傷した括約作用の代
わりとなる装置および方法に関する。本発明は、尿道を閉塞して、尿制御に問題
のある患者に尿の自己制御を回復させるのに特に用いられる。本発明は、その他
に、男性、女性および小児の胃食道括約筋および直腸括約筋に応用されるが、こ
れらには限定されない。 発明の背景
【０００２】 尿失禁は、さまざまな神経性疾患、外科処置、脊髄損傷などの結果としてしば
しば生じる悩みの種である。尿制御に問題のある患者に尿の自己制御を回復させ
るために、さまざまな尿道閉塞デバイスが開発されてきた。
【０００３】 特に、液圧括約筋またはカフを利用したデバイスが、尿道を閉塞するために用
いられてきた。例えば、
【０００４】 ティム、Ｇ．Ｗ．；メリル、Ｄ．Ｅ．およびブラッドリー、Ｗ．Ｅ．「間欠式
閉塞システム（Intermittent Occlusion System）」；生医学技術に関する電気
電子学会議事録（IEEE Transactions On Bio-Medical Engineering）；ＢＭＥ−
１７：３５２；１９７０年、
【０００５】 ティム、Ｇ．Ｗ．、「埋め込み式失禁デバイス（An Implantable Incontinenc
e Device）」；Ｊ．バイオメカニクス；４：２１３−２１９；１９７１年、およ
び
【０００６】 US 3,744,063、US 3,863,622、US 4,571,749、US 4,731,083およびUS 4,784,6
60を参照のこと。
【０００７】 液圧括約筋またはカフに特有の１つの問題は、これらが尿道に均一な圧力を印
加しないことがよくあるということである。カフまたは括約筋は、膨張させると
、しばしば不均一に折れ曲がったり形状が変化したりすることにより、尿道にむ
らのある閉塞力を印加する。その結果、長期間使用すると、尿道びらんを引き起
こすか、または尿道組織が擦りきれる。
【０００８】 尿失禁に対する別の治療手法は、尿道と膀胱との間の角度を外科的に調整する
ことである。この角度はしばしば、尿道膀胱分岐角度と呼ばれる。もちろん、こ
の処置には、外科手術による効果は容易に変更できず、かつ、専門の医師が行う
必要があるという問題がある。
【０００９】 本発明により、現存の管閉塞装置および方法を実質的に改良することができる
。 発明の概要
【００１０】 本発明は、体内の流体運搬管を可逆的に閉塞するための閉塞装置および方法に
関する。
【００１１】 本発明は、ヒトおよび／または動物の体内の流体運搬管内の流体の流れを制御
および／または閉塞するために、いろいろに応用することができる。この応用に
は、大便失禁の制御、陰茎からの静脈流の制御による陰萎の制御、胆管流の制御
、男性および女性の生殖能力の制御、血管内の血液の流れの制御等が含まれる。
本発明は、体内のほとんどの管について用いることができる。多くの応用例にお
いて、流体の流れを止めるかまたは妨げるために必要なように、本発明により管
が閉塞される。他の応用例においては、本発明により管内を流れる流体の量が制
御される。
【００１２】 本発明に係る一実施形態において、流体運搬管を可逆的に閉塞するための閉塞
装置が提供される。閉塞装置は、管を少なくとも部分的に取り囲むように適合さ
れた閉塞部材を含み、閉塞部材は、管を少なくとも部分的に取り囲む一方で、管
に閉塞圧力を印加するための内在スプリング力を内部に含んでいる。制御機構は
、閉塞部材に動作可能に接続されており、制御機構は、閉塞部材が管を少なくと
も部分的に取り囲んでいる一方で、閉塞部材の内在スプリング力に対して反作用
し、これにより管への閉塞圧力を除去するように配置および構成されている。
【００１３】 本発明に係る別の実施形態において、流体運搬管を可逆的に閉塞するための装
置が提供される。装置は、管を少なくとも部分的に取り囲むように適合された閉
塞部材を含み、閉塞部材は、管を少なくとも部分的に取り囲む一方で、閉塞部材
を収縮した状態に付勢して、管に閉塞圧力を印加する内在弾性バイアス力を含ん
でいる。制御機構は、閉塞部材を膨張した状態に作動させるために、閉塞部材に
動作可能に接続されている。制御機構は、閉塞部材が管を少なくとも部分的に取
り囲んでいる一方で、閉塞部材の内在弾性バイアス力に対して反作用し、これに
より閉塞部材を膨張した状態にして、管への閉塞圧力を除去するように配置およ
び構成されている。
【００１４】 好適な実施形態において、閉塞部材は、環状または輪状に形成され、これによ
り管内の流体の流れを妨げるのに十分なように、管の周囲にむらなく所定の放射
状圧力が印加される。放射状圧力を、制御機構によって除去することにより、流
体が妨げられずに管内を流れるようになる。
【００１５】 さらに別の実施形態において、閉塞部材は、管の下方に位置して、管内の流れ
を閉塞するスリングの形状をしている。制御機構を利用して、スリングを下げる
ことにより、流体が妨げられずに管内を流れるようになる。
【００１６】 本発明に係るさらに別の実施形態において、膨張可能かつ収縮可能な部材は、
体内の管を少なくとも部分的に取り囲むように適合されており、この部材は、該
部材を収縮した状態に付勢する内在弾性バイアス力を含んでいる。腹圧を感知す
るように適合された腹圧センサが、前記部材に動作可能に接続されている制御機
構に入力情報を提供するために備えられている。制御機構は、腹圧センサによっ
て感知された腹圧に対応して部材の膨張および収縮を制御するように配置および
構成されている。
【００１７】 本発明に係るさらに別の実施形態において、流体運搬管内の流体の流れを制御
する方法が提供される。この方法は、部材が収縮した状態のときに閉塞圧力が管
に印加されるように、収縮した状態に弾性的に付勢された部材で、管の少なくと
も一部を取り囲む工程と、選択的に部材を膨張した状態とすることにより、管へ
の閉塞圧力を少なくとも部分的に除去する工程とを含んでいる。
【００１８】 本発明の利点は、装置が全体として患者の体内に埋め込み可能なことである。
別の利点は、埋め込み可能な装置が、患者の皮膚を貫通する管状物、ワイヤまた
はその他の外部制御機構を必要としないということである。
【００１９】 本発明のさらなる利点は、閉塞装置が、単体構造を有し、一回の外科的切開で
患者の体内に埋め込むことができることである。以前の閉塞デバイスは、しばし
ば２回の外科的切開を必要とし、高い感染症の危険性を伴い、不完全にしか治癒
せず、かつ、より長い回復期間がかかっていた。
【００２０】 本発明の別の利点は、閉塞部材の直径を大きく変えることができ、それだけで
、より大きい範囲の管径および管径の変化に適応できることである。以前の閉塞
デバイスには、多くの異なる部品を必要とする多くの異なる大きさおよび圧力の
選択肢が、外科医の選択におよび病院の在庫に与えられていたので、このような
以前のデバイスを用いる複雑性およびコストが増大していた。
【００２１】 本発明の閉塞装置は単体構造であるため、手術中に部品を接続する必要がない
。以前の閉塞デバイスは、外科医が複数の部品をお互いに接続する必要があった
ので、埋め込み後に部品が分離する危険性が大きくなるとともに、手術時間が長
くなり、疲労も増大する。
【００２２】 さらに、本発明の閉塞装置は、以前のデバイスが必要としたように、液体で充
填する必要がない。これにより、手術時間を節約することができ、かつ、分離ま
たはデバイスの疲労が起こった場合に、流体が漏れる可能性がなくなる。
【００２３】 また、本発明の閉塞部材は、液圧カフを利用した現在のデバイスよりも幅が狭
い。このように幅が狭いと、より幅の大きいデバイスと同等の閉塞圧力を達成す
る一方で、部材を埋め込むための体内組織の切開量が少なくなり、これにより管
が萎縮またはびらんする傾向が小さくなると考えられている。
【００２４】 さらに、以前の液圧尿道カフは、尿道を取り囲んでいるときに、折れ曲がった
り、基部（pillow）を形成する傾向があった。本発明の一実施形態の閉塞部材は
、尿道を円状に取り囲み、尿道の周囲全体に渡ってむらなく圧力を印加する。こ
れにより、尿道びらんの危険性が少なくなり、かつ、閉塞効率が大きくなる。
【００２５】 本発明を特徴づけるこれらおよびその他さまざまの新規な特徴および利点は、
添付されかつ本願の一部である請求の範囲において、特に指摘されている。しか
し、本発明、本発明の使用により得られる利点および目的物をより良く理解する
ためには、本願のさらなる一部である図面および発明の好適な実施形態が示され
、かつ、説明されている付随の記載事項を参照すべきである。 図面の簡単な説明
【００２６】 図面において、同じ参照番号および記号は一般に各図を通しての対応部分を示
す。
【００２７】 図１は、本発明の原理に係る閉塞装置の斜視図であり、 図２Ａおよび図２Ｂは、図１に示す閉塞装置の起動状態および非起動状態をそれ
ぞれ示す側面図であり、 図３は、閉塞装置の一部をなす閉塞部材の線図であり、閉塞部材の端部同士がど
のように接続されるかを示したものであり、 図４Ａおよび図４Ｂは、閉塞部材が管に対するスリングとなる本発明の閉塞装置
の別の実施形態の線図であり、図４Ａは起動状態を、図４Ｂは非起動状態を示し
たものであり、 図５Ａおよび図５Ｂは、尿道と相互作用している図４Ａおよび図４Ｂの実施形態
をそれぞれ示す線図であり、かつ、 図６は、自動動作用に構成された本発明に係る閉塞装置のさらに別の実施形態の
線図である。 図７は、機械的利益を付与する閉塞部材の他のアクチュエータの側面図である。 図８は、図７の８−８線における断面図である。 図９は、アクチュエータのさらに別の実施形態の側面図である。 図１０は、アクチュエータの別の実施形態の側面図である。 好適な実施形態の詳細な説明
【００２８】 上記のように、本発明の装置および方法は、流体の運搬に用いられるヒトおよ
び動物の体内のあらゆる数の異なった管について利用することができる。以下は
、本発明のさまざまな応用例であるが、本発明を用いてよい応用例の数は決して
これらに限定されるものではない。本発明の閉塞装置は、大便失禁または便通の
制御、陰茎からの静脈流の制御による陰萎の制御、胆管流の制御、精管内の流体
の流れの制御による男性の生殖能力の制御、卵管内の流体の流れの制御による女
性の生殖能力の制御、血管の研究等のための血管中の血液の流れの制御等に用い
てもよい。
【００２９】 上記の例は、本発明の多くの応用例のほんの一部にすぎない。尿道の閉塞およ
びこれによる失禁の制御のための応用例を特に考慮しながら、以下に本発明を説
明する。尿道は、単一の内腔または通路だけでしか示されていないことが認識さ
れるであろう。しかし、陰茎からの静脈流の制御等の多くの応用例においては、
本発明により複数の内腔が閉塞されるであろう。
【００３０】 好適な実施形態における本発明の尿道閉塞装置は、全体が体内に埋め込み可能
に設計されている。装置は、皮膚を貫通する管状物またはワイヤあるいはその他
の電気−機械的接続を有さない。これに加えて、好適な実施形態において、閉塞
装置を動作させるためのいかなる外部器具も必要としない。しかし、デバイスに
動力を連続的に供給するために、または、装置が自動化されている場合に、装置
への動力供給用に体内に埋め込まれた電池を充電するために、対をなすコイルを
用いてもよい。
【００３１】 好適な実施形態において、本発明の閉塞装置は単体構造を有し、一回の外科的
切開で患者の体内に埋め込むことができる。さらに、本発明の閉塞装置は単体構
造であり、手術中に部品を接続する必要がない。また、本発明の閉塞装置は、よ
り大きい範囲の管径および管径の変化に適応できるように設計されている。
【００３２】 好適な実施形態において、尿道閉塞装置は複数の材料で作成され、かつ、人体
に適合する幾何学的構成を有する。用いられる適切な材料は、埋め込み可能な等
級の高分子材料、チタンおよびチタン合金、ならびにステンレス鋼を含んでもよ
い。好ましくは、体液および／または組織と接触するすべての表面は、例えば米
国薬局方クラス６の毒性試験および発熱原試験の要件を満たす。さらに、角およ
び縁は丸く、かつ、表面は人体の構造に磨耗を生じさせない。また、本発明の尿
道装置は、移動の可能性が最小限となるように軽量である。
【００３３】 好適な実施形態において、尿道閉塞装置の動作は、最小限度の手先および知的
な器用さしか求めることができない使用者にも、簡単に理解することができ、か
つ、容易に制御することができる。装置の動作は、無傷の皮膚を通して行われる
。尿道装置の制御機構は、使用者が容易に把持することのできる大きさでなけれ
ばならない。他の実施形態において、制御機構は、電気−機械的に制御可能であ
る。または、電池、対をなすコイルあるいは高周波（ＲＦ）信号のようなその他
の無線手段により制御してもよい。
【００３４】 好適な実施形態において、尿道に印加される閉塞力は、尿の漏れを防止するの
に十分でなければならないが、尿道の生育性を損なうほどには大きくすべきでは
ない。この圧力は、起動状態時に、１０分間より長く１００ｃｍＨ2Ｏを超過し
ないことが好ましい。さらに、尿道閉塞装置は、膨張または非起動状態時に、尿
の流れを妨げてはならない。
【００３５】 尿道閉塞装置の他の実施形態は、膀胱内圧が高くなると自動的に閉塞圧力を解
放する能力を有する。好適な一実施形態において、（推定通常排尿圧である）１
２０ｃｍＨ2Ｏを超える膀胱内圧を生じさせる利尿筋収縮（膀胱筋収縮）が、尿
道閉塞装置内に備えられている腹部センサにより感知されると、尿道への圧力が
解放される。
【００３６】 好ましくは、本発明の尿道閉塞装置が機能していないときには、患者は埋め込
み前の自己制御できない状態のままであるべきである。このデバイスは身体組織
の存在下で不活性でなければならず、かつ、閉塞装置を形成する材料は埋め込み
可能な性質を有し、患者に対して非アレルギー性でなければならない。好ましく
は、閉塞装置は、咳、しぶり腹またはその他の突然の腹圧上昇時における漏れを
防止する。この閉塞装置の好適な実施形態は、制御装置に圧力情報をフィードバ
ックするための腹腔内に配置されたセンサを含んでいる。センサは、腹腔内膀胱
外圧を感知するが、この腹腔内膀胱外圧は、利尿筋収縮によらず膀胱内圧（すな
わち、膀胱圧力）を上昇させるものである。尿道括約筋の収縮能力が損なわれた
状態でこれが起こると、尿失禁が起こる。また、センサを備えて、利尿筋の活動
に関連する神経刺激を感知し、これに尿道閉塞装置を適切に応答させることもで
きる。
【００３７】 好ましくは、閉塞装置を長期間使用できるように、このシステムに用いられる
材料は、体液および体内組織との接触によって劣化すべきではない。好適な実施
形態において、閉塞装置の起動状態時に得られる最大圧力は決まっている。した
がって、装置を操作する使用者の能力にゆだねるべきではない。
【００３８】 より詳細に、本発明の閉塞装置の好適な実施形態を図１〜図３に示す。装置全
体を参照番号１０で示す。閉塞装置１０は、図２Ａに示す収縮した起動状態と図
２Ｂに示す膨張した非起動状態との間で動かすことのできる環状の閉塞部材１２
を含んでいる。閉塞部材１２は、男性の尿道１４（または、女性および若齢の男
性の膀胱頚部）を取り囲み、収縮状態時に、尿道または膀胱頚部の周囲にむらな
く所定の放射状閉塞圧力を印加する。この閉塞圧力は、例えば、咳、くしゃみ、
運動等によって膀胱圧力が増加したときに、尿の漏れを防止するのに十分な大き
さである。閉塞部材１２が膨張した非起動状態になると、妨げられずに排尿が可
能となる。
【００３９】 閉塞部材１２は、放射状の内在スプリング力またはバイアス力を内部に有する
ように構成されており、この力により閉塞部材１２を放射状に付勢し、収縮した
状態とする。したがって、閉塞部材１２は、通常、図２Ａに示す収縮した状態に
付勢されており、尿道１４に閉塞圧力を印加し、尿の流れを防止している。尿が
流れるようにするには、閉塞部材１２を図２Ｂに示す膨張または伸張した状態に
させて、閉塞部材１２のバイアス力を除去するかまたはこれに反作用させなけれ
ばならない。
【００４０】 好適な実施形態において、閉塞部材１２は、エキスパンディッドポリテトラフ
ルオロエチレン（polytetraflouroethylene）（ｅＰＴＦＥ）のような膨張可能
かつ圧縮可能な材料で構成されており、これは、圧縮状態で、シリコーンゴムの
ようなエラストマ材料で被覆されている。したがって、ｅＰＴＦＥ基体のあらゆ
る膨張または伸張により、このエラストマシリコーンゴムの被覆物が、一定のス
プリング力に相当するように伸張する。この力が、閉塞部材１２の内在バイアス
力となり、これにより閉塞部材が収縮した状態に付勢され、尿道に閉塞圧力が与
えられる。
【００４１】 閉塞部材１２は、周長が約３．５ｃｍから約６．０ｃｍの範囲の尿道、または
周長が約６．０ｃｍから約１２．０ｃｍの範囲の膀胱頚部のような広範な大きさ
の尿道および膀胱頚部に適応するように設計され、かつ閉塞部材１２の幅は、こ
れより小さく、例えば、およそ１．０ｃｍである。
【００４２】 閉塞部材１２の閉塞圧力を、患者が手で取り除いて、すなわち、閉塞部材１２
を図２Ｂの膨張した状態にして、妨げられずに尿が流れるようにしてもよい。閉
塞圧力を取り除くために、閉塞装置１０には、閉塞部材１２に接続された制御機
構１６が含まれており、これにより閉塞部材のバイアス力に反作用して、閉塞部
材を膨張した状態にすることができる。制御機構１６は、アクチュエータ１８と
、閉塞部材１２とアクチュエータ１８とを接続する導管２０と、一端がアクチュ
エータ１８と接続され、導管２０および閉塞部材１２を通って延びる細長いワイ
ヤ部材２２とを含み、この閉塞部材１２の中でワイヤ２２の反対側の端部が固着
されている。男性の陰嚢または女性の陰唇に埋め込まれるアクチュエータ１８は
、患者が手で操作して、ワイヤ２２に押し込み力を印加し、これにより導管２０
の中をワイヤが進む。ワイヤ２２の一端は閉塞部材１２の中で固着されているの
で、アクチュエータ１８によりワイヤが進められると、閉塞部材が膨張または伸
張し、これにより閉塞圧力が除去される。アクチュエータ１８を解放すると、閉
塞部材のバイアス力により、ワイヤ２２が後退し、その結果、閉塞部材１２が収
縮した状態に戻る。
【００４３】 導管２０は、閉塞部材１２に用いられるのと同様のｅＰＴＦＥのような高分子
材料から押し出し成形され、その一端は、シュラウド２４により閉塞部材１２に
接続され、その反対側の端部は、アクチュエータ１８を収容する柔軟なシリコン
ゴム製の鞘状覆い（boot）２６に接続されている。導管２０のｅＰＴＦＥ材料は
、完全に伸張した状態で、シリコンゴム２１で被覆されている。それゆえ、ｅＰ
ＴＦＥ材料はこの状態では自由に伸張することができず、しがって、ばねのよう
に働くことがない。導管２０のシリコンゴム層２１は、閉塞装置１０の埋め込み
手術後の体内組織治癒中に起こり得る体内組織の内部への成長を防止し、シュラ
ウド２４と鞘状覆い２６との間の接着結合を促進し、導管２０の耐ねじれ性を向
上させ、かつ、装置１０の内部腔への体液流入を防止することを意図したもので
ある。また、導管２０のｅＰＴＦＥ材料は、ワイヤ２２がその上を移動すること
ができ、かつ、導管２０の伸張を最小限に抑える低摩擦面を提供する。
【００４４】 導管２０は、体内装着に適した寸法を有する。好ましくは、導管は、長さが約
６から約１０インチであり、外径が約０．１５インチである。しかし、装置１０
が用いられる患者の大きさに応じて、他の導管寸法であってもよい。
【００４５】 ワイヤ２２は、その一端がアクチュエータ１８に接続され、導管２０および閉
塞装置１２を通って延び、その第２の端部が閉塞部材１２の一部であるクリップ
２８に接続されている。このワイヤ２２が、アクチュエータ１８により作動され
たときに、力を閉塞部材１２に伝え、これにより、閉塞部材の内在バイアス力に
反作用し、閉塞部材を膨張した状態とする。ワイヤ２２がアクチュエータ１８に
よって押し進められるにつれて、閉塞部材１２内のワイヤの環状部の直径が増大
し、これにより閉塞部材１２の直径も増大し、その結果、尿道１４から閉塞圧力
が除去される。この閉塞部材の直径の増大した状態を維持することにより、患者
が妨げられずに排尿することができ、かつ、手術後の治癒期間中に閉塞力を除去
することができる。
【００４６】 ワイヤ２２は、弾性を有する適切な埋め込み可能な等級の材料から製造され、
ワイヤの永久的なねじれが最小限に抑えられる。このねじれは、埋め込み中に導
管２０が曲がった場合や、患者の通常の活動中に印加される力により導管２０お
よび閉塞部材１２が曲がった場合に起こり得るものである。１つの適切なワイヤ
材料は、超弾性を有するニッケル・チタン合金である。他の材料を用いることも
できる。
【００４７】 前に述べたように、柔軟なシリコンゴム製の鞘状覆い２６の内部に収容されて
いるアクチュエータ１８は、男性の陰嚢または女性の陰唇に埋め込まれ、患者が
手で閉塞部材１２を作動させて膨張した状態とすることができる。アクチュエー
タ１８は、埋め込みが可能なように約５．０ｃｍ×１．２ｃｍ×１．０ｃｍの寸
法としてもよいが、アクチュエータが意図した部分に埋め込み可能な限りは、他
の大きさであってもよい。図１に示されているゴム製の鞘状覆い２６は、アクチ
ュエータ１８の周囲に配され、これにより、体内組織の内部への成長および体液
のアクチュエータへの侵入を防止しながら、アクチュエータを作動させることが
できる。以下の説明により明らかとなるが、鞘状覆い２６は、アクチュエータ１
８の作動を促進するじゃばら部３０を含んでいる。
【００４８】 アクチュエータ１８の詳細を示すために鞘状覆い２６が取り除かれた図２Ａお
よび図２Ｂを参照すると、アクチュエータ１８は、導管２０の一端が取り付けら
れたアクチュエータハウジング３２を含むことが分かる。ハウジング３２は、内
部にプランジャ３６が摺動可能に収容された中央腔３４を含み、ワイヤ２２の一
端はこのプランジャ３６に適切に固着されている。プランジャ３６は、図２Ａに
示す起動位置と図２Ｂに示す非起動位置との間で、ハウジング３２の腔３４内を
自由に摺動可能である。図２Ａの起動位置では、ワイヤ２２およびプランジャ３
６は、閉塞部材１２の内在バイアス力により起動位置にある。その結果、プラン
ジャ３６はハウジング３２の端部より実質的に延在しており、患者が作動させる
ことができるようになっている。患者がプランジャ３６を図２Ｂの非起動位置ま
で押し込むと、上記のようにワイヤ２２が進み、閉塞部材１２が膨張した状態と
なる。これにより、閉塞装置１０が非起動状態となって、患者の排尿が可能にな
る。
【００４９】 ロック機構は、プランジャ３６を非起動位置にロックするために設けられ、こ
れにより、患者が妨げられずに排尿することができるようになり、かつ、手術後
の治癒期間中に閉塞部材１２の閉塞力が除去される。ロック機構は、ピン４０に
よりハウジング３２に回転可能に接続されているレバー３８を含み、レバー３８
はピン４０を軸として回転できるようになっている。レバー３８の一端４２は、
ハウジング３２の外側に延在し、レバーの他端４４は、ハウジングを通り腔３４
内へ延びている。レバー３８の端部４４は、内側に延びている戻り止め肩部４６
を含み、プランジャ３６の端部は、周方向に形成された戻り止め溝４８を含んで
いる。
【００５０】 レバー３８は、ハウジング３２およびレバーの端部４４の周囲に設けられた弾
性Ｏリング５０により、ピン４０を軸として反時計周り方向に付勢されている。
プランジャ３６の端部は、戻り止め溝４８の前方に、円錐状または円錐台状の表
面５２を有し、プランジャ３６が非起動位置へ移動するときに、この表面が戻り
止め肩部４６と係合する。戻り止め肩部４６と表面５２との係合により、レバー
３８がＯリング５０のバイアスに反して、時計周りに回転し、やがて戻り止め肩
部４６が戻り止め溝４８に落ち込み、Ｏリング５０のバイアスによりこの溝に保
持される位置に、プランジャ３６が移動する。こうして、プランジャ３６は、閉
塞部材１２が膨張した状態に保持されたままで、非起動位置にロックされる。再
び尿道１４に閉塞圧力を加えるには、患者がレバー３８を覆っている鞘状覆い２
６部分の位置を確認し、単にレバー３８の端部４２を押し下げるだけでよい。こ
れにより、戻り止め溝４８から戻り止め肩部４６が浮き上がり、閉塞部材１２の
内在バイアス力によりワイヤ２２およびプランジャ３６が起動位置へ戻る。
【００５１】 プランジャ３６の押し込みを促進するために、プランジャが押し込まれている
ときに鞘状覆いが簡単に変形するように、鞘状覆い２６のじゃばら部３０がプラ
ンジャ３６の上に設けられている。ハウジング３２、プランジャ３６およびレバ
ー３８は、鍛造チタン−６アルミニウム−４バナジウム合金のような埋め込み可
能な等級のチタン材料、またはポリスルホンのような半硬質熱可塑性プラスチッ
ク材料から製造することができる。
【００５２】 好適な実施形態において、閉塞装置１０の閉塞部材１２は、非環状の開いた状
態で、一つにまとめられ、患者に埋め込めるようになっている。したがって、閉
塞部材１２は、環状に形成できるように特別に設計されている。図３をここで参
照すると、クリップ２８が、閉塞部材１２の一端に設けられていることが分かる
。クリップ２８には、引張りつまみ５４が取り付けられており、これにより、外
科医は、尿道または膀胱頚部の周辺における切開されたポケットを通して、閉塞
部材を引張ることができる。
【００５３】 閉塞部材１２を環状または輪状に形成するために、閉塞部材１２と導管２０と
を接続するシュラウド２４を貫通して形成された孔に、引張りつまみ５４が挿入
され、シュラウドを通してこの引張りつまみ５４が引張られる。シュラウドを通
して引張りつまみ５４を引張るにつれて、閉塞部材１２が尿道の周りで輪状にな
り始める。フック５６が形成されたクリップ２８は、やがてシュラウド２４に到
達し、ここでフック５６がシュラウド２４の孔の中へ延び、フック５６とクリッ
プ２８の残りの部分との間のクリップの領域がシュラウド２４にしっかり留まり
、これにより閉塞部材１２が尿道１４の周囲を取り囲む位置にロックされる。そ
の後、外科医により、引張りつまみ５４の露出端が切り取られる。
【００５４】 図４Ａおよび図４Ｂは、本発明の別の実施形態を示している。閉塞部材１２’
は、尿道または膀胱頚部１４の下方に位置するＵ字型のスリングの形状をしてい
る。閉塞部材１２’の一端６０は、尿道１４の一方の側で患者の恥骨構造６２に
取り付けられる。閉塞部材１２’は、尿道１４の下を通り、そして恥骨構造６２
のある上方へ再び延び、ここで閉塞部材１２’が導管２０に接続され、かつ、閉
塞部材１２’および導管２０が尿道の他方の側の恥骨構造６２に取り付けられる
。したがって、図４Ａに示す起動位置では、閉塞部材１２’の内在バイアス力に
より閉塞部材１２’が収縮する。これにより、閉塞部材１２’の全長が短くなる
ので、スリングが持ち上がり、その結果、尿道が通常の位置から上方へ引き上げ
られる。この様子は、スリングにより尿道が持ち上げられている状態の尿道１４
および膀胱６４を示す図５Ａでも分かる。尿道１４を持ち上げることにより、尿
道が屈曲しまたはねじれて、閉塞が起こる。アクチュエータ１８を作動させると
、閉塞部材１２’が膨張または伸張し、図４Ｂに示す非起動位置をとる。膨張ま
たは伸張により閉塞部材１２’が長くなり、これにより閉塞部材１２’を形成す
る「Ｕ」字型部分が大きくなる。その結果、尿道が下がって通常の解剖学的位置
へ戻り、妨げられずに尿が流れるようになる。非起動状態で尿道が下がった位置
は、図５Ｂにも示されている。
【００５５】 図６は、本発明のさらに別の実施形態を示し、ここでは閉塞装置１０の動作が
自動的に制御されている。本実施形態の制御機構１６では、アクチュエータ１８
の代わりに、装置１０の動作を制御するために、ワイヤ部材２２と動作可能に結
合された駆動体６８が用いられる。駆動体６８は、電気モータまたはその他の適
切な電気動力モータとすることができ、好ましくは、駆動体に動力を供給する１
つまたは複数の電池のような動力源を含む。あるいは、駆動体６８は、患者の体
外から供給される動力と接続されていてもよい。駆動体６８は、駆動体の動作を
制御するための一体となった駆動制御装置を含むことが好ましい。腹圧センサ７
０が、駆動体６８と電気的に接続されており、駆動体の駆動制御装置に入力情報
を提供している。
【００５６】 圧力センサ７０は、好ましくは、膀胱に隣接した膀胱前空間に配され、腹腔内
圧を感知し、感知した圧力を表す信号を駆動体６８の駆動制御装置に送る。圧力
センサ７０が所定の圧力を検出すると、駆動制御装置内の所定のアルゴリズムま
たはあらかじめプログラムされた論理に基づき、駆動体６８により閉塞装置１０
が起動される。このアルゴリズムは、感知された圧力がおよそ２０ｃｍＨ2Ｏの
安静時膀胱圧力よりも小さいときに、装置１０が非起動、非閉塞位置をとるよう
に規定するものである。腹腔内圧が２０ｃｍＨ2Ｏを超えると、装置１０は起動
、閉塞位置に戻り、尿の漏れを防止する。したがって、閉塞部材１２は、普段は
、尿道に閉塞力が印加されていない膨張した状態にあり、これにより尿道びらん
が生じる危険性が少なくなっている。
【００５７】 駆動制御装置は、適切な電源コードによりＡＣコンセントに差し込んで、駆動
体６８に動力を供給するか、または駆動体の電池を充電することのできるアダプ
タ／充電器を含むさまざまな周辺装置と相互接続できるインターフェース能力を
有していてもよい。対になった変圧器コイルまたはその他の適切な方法により、
この相互接続を達成してもよい。また、この相互接続は、所定のアルゴリズムの
外部からのリセットおよび／または変更を規定するものであってもよい。対にな
った変圧器コイルのような相互接続法を用いることにより、好ましくは、皮膚を
貫通して延びるワイヤまたはその他の物理的接続体を用いずに、インターフェー
スを達成することができる。本実施形態は、好ましくは、閉塞装置１０の埋め込
み前または埋め込み後に、異なるパラメータ設定、関数等を容易にプログラムで
きるプログラム論理を含むことが認識されるであろう。
【００５８】 図７および図８は、アクチュエータ７２の他の実施形態を示している。このア
クチュエータ７２は、ワイヤ部材２２に押し込み力を印加し、これにより閉塞部
材１２のバイアス力に反作用させて、閉塞部材を膨張した状態にさせるのに用い
ることができる。本実施形態において、アクチュエータ７２は、機械的利益機構
（mechanical advantage mechanism）７８が内部に回転可能に据え付けられた中
央チャンバ７６を有するハウジング７４を含んでいる。機械的利益機構７８は、
ワイヤ部材２２の端部に接続されたスプール８０と、スプール８０に固定接続さ
れ、かつ、スプールとともに回転可能なピニオン部材８２とを含んでいる。ラッ
ク８６を有するプランジャ８４は、ハウジング７４の後部を通って摺動可能に延
びており、このときラック８６はピニオン８２と噛合している。プランジャ８４
が押し込まれると、ラック８６が前進し、ピニオン８２およびスプール８０を反
時計周りに動かす。これにより、ワイヤ２２が前進し、閉塞部材１２が膨張した
状態となる。
【００５９】 プランジャ８４の移動を増幅させるために、スプール８０の直径は、ピニオン
８２の直径よりも大きく、これにより閉塞部材１２を非起動状態にさせるために
患者がプランジャ８４を押し込まなければならない距離が短くなる。例えば、ス
プールの直径を約０．３７５インチ、ピニオンの直径を約０．１８８インチとす
ると、プランジャ８４を約１．５ｃｍの距離だけ押し込めば、ワイヤ２２が約３
．０ｃｍの距離だけ進む。もちろん、プランジャの移動が増幅されるのであれば
、スプールおよびピニオンは他の寸法を有していてもよい。
【００６０】 また、プランジャ８４は、プランジャを非起動位置にロックするためのロック
機構を備えている。このロック機構は、バイアスばね９０により、プランジャ８
４のラック８６とは反対側と係合するように付勢された針８８を含んでいる。針
戻り止め９２がプランジャ８４の端部に設けられ、針８８と係合することにより
、プランジャを非起動位置にロックする。プランジャ８４が押し込み行程の最後
まで移動すると、針８８および戻り止め９２がプランジャを非起動状態にロック
するように、ロック機構が構成されている。再びプランジャ８４を押し込むと、
戻り止め９２から針８８が解放され、その結果、閉塞部材１２の内在バイアス力
によりプランジャがもとの起動状態に戻る。このようなロック機構およびその動
作のさらなる詳細については、US 4,541,420に記載されており、その開示内容全
体を参照としてここに含める。
【００６１】 図９は、さらなるアクチュエータ９４を示しており、これは、陰嚢または陰唇
内に埋め込まれる部分を小さくするとともに、プランジャの変位増幅度がより大
きくなるように設計されている。本実施形態は、プランジャ９８とは別の機械的
利益機構９６を含んでいる。機械的利益機構９６は、ワイヤ２２の端部に接続さ
れたより直径の大きい第１のスプール１００と、第１のスプール１００に固定接
続されたより直径の小さい第２のスプール１０２とを含んでいる。スプール１０
０、１０２は、ハウジング１０４内に回転可能に据え付けられている。ケーブル
１０６は、その一端がスプール１０２に接続されており、その反対側の端部が、
プランジャハウジング１１０内に回転可能に据え付けられたスプール１０８に接
続されている。スプール１０８は、プランジャ９８に形成されたラック１１４に
より駆動されるピニオン１１２に接続されている。ハウジング１１０とプランジ
ャ９８との間のばね１１６により、プランジャは起動位置に付勢されている。図
７のロック機構と同様に、針８８およびばね９０を含むロック機構もまた、プラ
ンジャ９８を非起動位置に固定するよう備えられている。
【００６２】 図９の実施形態では、プランジャ９８を押し込むと、ラック１１４によりスプ
ール１０９およびピニオン１１２が時計周りに動かされ、これによりケーブル１
０６が引張られるかまたは引っ込められる。ケーブル１０６は、引っ込むときに
スプール１００、１０２を反時計周りに動かし、これによりワイヤ２２が進み、
その結果、閉塞部材１２が膨張した状態となる。プランジャ９８を解放すると、
閉塞部材１２の内在バイアス力およびばね１１６が、部品を起動状態に戻す一因
となる。
【００６３】 図１０のアクチュエータ１１８は、図９のアクチュエータと類似しており、別
々の機械的利益機構１２０およびプランジャ１２２を含んでいる。機械的利益機
構１２０は、ワイヤ部材２２に接続されたスプール１２６が内部に回転可能に据
え付けられたハウジング１２４と、スプール１２６に接続され、かつ、スプール
とともに回転可能なピニオン１２８とを含んでいる。ラック部材１３０は、ハウ
ジング１２４を通って摺動可能に延びており、かつ、スプール１２６およびピニ
オン１２８を駆動するために、ピニオン１２８と噛合している。ケーブル１３２
は、その端部の一方がラック部材１３０に接続されており、その反対側の端部が
、プランジャハウジング１３４内に摺動可能に設けられたプランジャ１２２に接
続されている。ハウジング１３４内に設けられたばね１３６により、プランジャ
１２２が起動位置に付勢されている。
【００６４】 図１０の実施形態では、プランジャ１２２を押し込むと、ケーブル１３２が進
み、これによりラック部材１３０が前方へ動き、その結果、スプール１２６およ
びピニオン１２８が反時計周り方向に動く。この反時計周りの回転により、ワイ
ヤ２２が進み、閉塞部材１２が膨張した状態となる。プランジャ１２２を解放す
ると、閉塞部材１２の内在バイアス力およびばね１３６が、部品を起動状態に戻
す一因となる。
【００６５】 図７〜１０の各実施形態において、プランジャ、プランジャハウジングおよび
／または機械的利益ハウジング（mechanical advantage housing）は、鞘状覆い
２６と類似のシリコンゴム製の鞘状覆いに収容されていることが好ましい。さら
に、ケーブルのねじれを防止するとともに、体内組織の内部への成長および体液
の侵入を防止しながら、ケーブル１０６、１３２の摺動移動を可能とするために
、ケーブル１０６、１３２が、導管２０と類似の保護鞘で囲まれていることが好
ましい。
【００６６】 上記開示には、本発明の原理にしたがってさまざまな実施形態の数多くの特徴
および利点が、発明の詳細な構成および機能とともに述べられているが、この開
示は例示にすぎず、発明の原理内において、添付の請求の範囲に表現された語句
の広範かつ一般的な意味によって示された全範囲にまで、特に形状、大きさ、部
品の配列の内容を細部にわたって変更してもよいことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の原理に係る閉塞装置の斜視図
【図２】 ＡおよびＢは、図１に示す閉塞装置の起動状態および非起動状態をそれぞれ示
す側面図
【図３】 閉塞装置の一部をなす閉塞部材の線図であり、閉塞部材の端部同士がどのよう
に接続されるかを示す図
【図４】 閉塞部材が管に対するスリングとなる本発明の閉塞装置の別の実施形態の線図
であり、Ａは起動状態を、Ｂは非起動状態を示す図
【図５】 ＡおよびＢは、尿道と相互作用している図４Ａおよび図４Ｂの実施形態をそれ
ぞれ示す線図
【図６】 自動動作用に構成された本発明に係る閉塞装置のさらに別の実施形態の線図
【図７】 機械的利益を付与する閉塞部材の他のアクチュエータの側面図
【図８】 図７の８−８線における断面図
【図９】 アクチュエータのさらに別の実施形態の側面図
【図１０】 アクチュエータの別の実施形態の側面図
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年６月１日（２０００．６．１）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００８
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００８】 別の手法が、US 4,118,805に記載されている。この文献は、環状部材１４を利
用して流体の通過を制御する機械的括約筋デバイス１０を開示している。環状部
材１４は、収縮時に、環状部材１４を膨張した状態に付勢する圧縮可能なばね１
６を含んでいる。アクチュエータ１１は、ケーブル１９に接続されており、この
ケーブル１９が、今度は環状部材１４の端部に接続されている。アクチュエータ
１１は、ケーブル１９に張力または引張り力を印加することができ、これにより
、環状部材１４を収縮させ、流体の通過を妨げる。張力または引張り力を解放す
ると、ばね１６が、環状部材を膨張した状態に付勢し、流体を通過させる。 尿失禁に対する別の治療手法は、尿道と膀胱との間の角度を外科的に調整する
ことである。この角度はしばしば、尿道膀胱分岐角度と呼ばれる。もちろん、こ
の処置には、外科手術による効果は容易に変更できず、かつ、専門の医師が行う
必要があるという問題がある。
【手続補正３】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１２
【補正方法】変更
【補正内容】
【００１２】 本発明に係る一実施形態において、体内の流体運搬管を可逆的に閉塞するため
の装置が提供される。装置は、管を少なくとも部分的に取り囲むように適合され
た閉塞部材を含み、閉塞部材は、管内の流体の流れを妨げるために、閉塞部材を
放射状に付勢して、収縮した状態とし、管に閉塞圧力を印加する放射状の内在バ
イアス力を含んでいる。閉塞部材は、通常、放射状の内在バイアス力により、収
縮した状態に付勢されている。制御機構は、閉塞部材に動作可能に接続されてお
り、閉塞部材を収縮した状態から膨張した状態とすることにより、閉塞部材の放
射状の内在バイアス力に対して反作用し、これにより管への閉塞圧力を除去して
、管内に流体を通過させる。
【手続補正４】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１３
【補正方法】削除
【手続補正５】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１６
【補正方法】削除
【手続補正６】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００１７
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，Ｇ Ｅ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，Ｚ Ｗ (72)発明者 ティム、ジェラルド、ダブリュー． アメリカ合衆国、55403 ミネソタ州、ミ ネアポリス、マウント カーヴ アヴェニ ュー 930 Ｆターム(参考） 4C097 AA14 AA17 BB08 CC18 DD04

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 体内の流体運搬管を可逆的に閉塞するための閉塞装置であって
    、前記管を少なくとも部分的に取り囲むように適合され、前記管を少なくとも部
    分的に取り囲む一方で、前記管に閉塞圧力を印加するための内在スプリング力を
    内部に含む閉塞部材と、前記閉塞部材に動作可能に接続され、前記閉塞部材が前
    記管を少なくとも部分的に取り囲んでいる一方で、前記閉塞部材の前記内在スプ
    リング力に対して反作用し、これにより前記管への前記閉塞圧力を除去するよう
    に配置および構成された制御機構とを備えた閉塞装置。
  2. 【請求項２】 閉塞部材が、エラストマ材料で被覆された膨張可能かつ圧縮可
    能な高分子材料を含む請求項１に記載の閉塞装置。
  3. 【請求項３】 前記制御機構が、遠位の端部および近位の端部を有し、前記遠
    位の端部が前記閉塞部材を通って延び、前記閉塞部材に固着された細長部材と、
    前記近位の端部に押し込み力を印加して前記閉塞圧力を除去するために、前記近
    位の端部に動作可能に接続されたアクチュエータとを備えた請求項１に記載の閉
    塞装置。
  4. 【請求項４】 前記細長部材がワイヤを含む請求項３に記載の閉塞装置。
  5. 【請求項５】 前記ワイヤが、前記遠位の端部と前記近位の端部との間に中間
    部を含み、かつ、前記閉塞装置が、中間部の周囲に設けられた管状物をさらに含
    み、前記中間部は前記管状物の中に摺動可能に設けられている請求項４に記載の
    閉塞装置。
  6. 【請求項６】 前記アクチュエータがプランジャを含む請求項３に記載の閉塞
    装置。
  7. 【請求項７】 前記アクチュエータがハウジングをさらに含み、前記プランジ
    ャは、前記ハウジングに接続され、かつ、ハウジングと相対して摺動可能である
    請求項６に記載の閉塞装置。
  8. 【請求項８】 前記プランジャおよび前記ハウジングが、生物学的適合性材料
    からなる柔軟な鞘状覆い（boot）の内部に収容されている請求項７に記載の閉塞
    装置。
  9. 【請求項９】 前記プランジャは、起動位置と非起動位置との間で摺動可能で
    あり、かつ、前記アクチュエータは、前記プランジャを非起動位置にロックする
    ためのロック機構をさらに含む請求項７に記載の閉塞装置。
  10. 【請求項１０】 前記ロック機構が、前記ハウジングに回転可能に接続された
    レバーを含む請求項９に記載の閉塞装置。
  11. 【請求項１１】 前記アクチュエータが、前記プランジャの移動を増幅させる
    ために、前記細長部材と前記プランジャとの間に相互接続された機械的利益機構
    （mechanical advantage mechanism）をさらに含む請求項６に記載の閉塞装置。
  12. 【請求項１２】 前記機械的利益機構は、前記細長部材の近位の端部に動作可
    能に接続された第１のスプールと、前記プランジャに動作可能に接続された第２
    部材とを含み、前記第１のスプールの直径は、前記第２部材の直径よりも大きい
    請求項１１に記載の閉塞装置。
  13. 【請求項１３】 前記第２部材がスプールを含む請求項１２に記載の閉塞装置
    。
  14. 【請求項１４】 前記第２部材がピニオンを含む請求項１２に記載の閉塞装置
    。
  15. 【請求項１５】 前記制御機構が、前記閉塞部材の内在スプリング力に対して
    反作用させるために前記閉塞部材に動作可能に接続された電気−機械的駆動体と
    、腹圧を感知するように適合された腹圧センサとを含み、前記電気−機械的駆動
    体は、前記腹圧センサによって感知された前記腹圧に対応して動作可能である請
    求項１に記載の閉塞装置。
  16. 【請求項１６】 前記閉塞部材が、管を取り囲むために環状に形成された請求
    項１に記載の閉塞装置。
  17. 【請求項１７】 閉塞部材が、第１の端部および第２の端部を含み、かつ、前
    記第２の端部を前記第１の端部に接続し、環状に形成するための手段を含む請求
    項１６に記載の閉塞装置。
  18. 【請求項１８】 体内の流体運搬管を可逆的に閉塞するための装置であって、
    前記管を少なくとも部分的に取り囲むように適合され、前記管を少なくとも部分
    的に取り囲む一方で、前記管に閉塞圧力を印加するために収縮した状態に付勢さ
    せる内在弾性バイアス力を含む閉塞部材と、前記閉塞部材を膨張した状態に作動
    させるために、前記閉塞部材に動作可能に接続され、前記閉塞部材が前記管を少
    なくとも部分的に取り囲んでいる一方で、前記閉塞部材の前記内在弾性バイアス
    力に対して反作用し、これにより前記閉塞部材を膨張した状態にさせて、前記管
    への前記閉塞圧力を除去するように配置および構成された制御機構とを備えた装
    置。
  19. 【請求項１９】 前記制御機構が、前記閉塞部材を通って延びる作動ワイヤと
    、前記作動ワイヤに動作可能に接続されたアクチュエータとを含む請求項１８に
    記載の装置。
  20. 【請求項２０】 前記作動ワイヤの一端が前記閉塞部材に固着され、かつ、前
    記アクチュエータが前記作動ワイヤの反対側の端部に接続され、前記作動ワイヤ
    に押し込み力を印加することにより、前記閉塞部材が膨張した状態となる請求項
    １９に記載の装置。
  21. 【請求項２１】 前記アクチュエータがハウジングおよびプランジャを含み、
    前記プランジャおよび前記ハウジングは、お互いに対して摺動可能であり、かつ
    、前記プランジャは、前記作動ワイヤの反対側の端部に動作可能に接続されてい
    る請求項２０に記載の装置。
  22. 【請求項２２】 前記プランジャの移動を増幅させるために、前記作動ワイヤ
    と前記プランジャとの間に相互接続された機械的利益機構をさらに含む請求項２
    １に記載の装置。
  23. 【請求項２３】 前記プランジャは、閉塞部材が収縮した状態にある起動位置
    と、閉塞部材が膨張した状態にある非起動位置とを有し、かつ、前記アクチュエ
    ータが、前記プランジャを非起動位置にロックするためのロック機構をさらに含
    む請求項２１に記載の装置。
  24. 【請求項２４】 前記閉塞部材が、エラストマ材料で被覆された膨張可能かつ
    圧縮可能な高分子材料を含む請求項１８に記載の装置。
  25. 【請求項２５】 前記制御機構が前記閉塞部材を膨張した状態とするために前
    記閉塞部材に動作可能に接続された駆動体と、腹圧を感知するように適合された
    腹圧センサとを含み、前記駆動体は、前記腹圧センサによって感知された腹圧に
    対応して動作可能である請求項１８に記載の装置。
  26. 【請求項２６】 体内の管を少なくとも部分的に取り囲むように適合され、収
    縮した状態に付勢させる内在弾性バイアス力を含む膨張可能かつ収縮可能な部材
    と、腹圧を感知するように適合された腹圧センサと、前記部材に動作可能に接続
    され、かつ、前記腹圧センサとインターフェースしており、前記腹圧センサによ
    って感知された腹圧に対応して前記部材の膨張および収縮を制御するように配置
    および構成された制御機構とを備えた装置。
  27. 【請求項２７】 体内の流体運搬管内の流体の流れを制御する方法であって、
    収縮した状態のときに閉塞圧力が前記管に印加されるように、収縮した状態に弾
    性的に付勢されている部材によって前記管の少なくとも一部を取り囲む工程と、
    選択的に前記部材を膨張した状態とすることにより、前記管への前記閉塞圧力を
    少なくとも部分的に除去する工程とを含む方法。
  28. 【請求項２８】 前記取り囲む工程が、大便失禁を制御するために尿道を取り
    囲むことを含む請求項２７に記載の方法。
  29. 【請求項２９】 前記取り囲む工程が、陰茎からの静脈流を制御するために陰
    茎の静脈を取り囲むことを含む請求項２７に記載の方法。
  30. 【請求項３０】 前記取り囲む工程が、胆管の流体の流れを制御するために胆
    管を取り囲むことを含む請求項２７に記載の方法。
  31. 【請求項３１】 前記取り囲む工程が、精管内の流体の流れを制御することに
    より、男性の生殖能力の制御を提供するために、精管を取り囲むことを含む請求
    項２７に記載の方法。
  32. 【請求項３２】 前記取り囲む工程が、卵管内の流体の流れを制御することに
    より、女性の生殖能力の制御を提供するために、卵管を取り囲むことを含む請求
    項２７に記載の方法。
  33. 【請求項３３】 前記取り囲む工程が、血管中の流体の流れを制御するために
    血管を取り囲むことを含む請求項２７に記載の方法。
  34. 【請求項３４】 腹腔内圧を感知する工程をさらに含み、選択的に部材を膨張
    した状態とする工程が、感知された前記腹腔内圧に対応して部材を膨張した状態
    とすることを含む請求項２７に記載の方法。
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