JP2002515695A - チップ・リング・トーン信号検出器用の整合可能な近端音声通話消去のための方法およびシステム - Google Patents

チップ・リング・トーン信号検出器用の整合可能な近端音声通話消去のための方法およびシステム

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JP2002515695A
JP2002515695A JP2000549020A JP2000549020A JP2002515695A JP 2002515695 A JP2002515695 A JP 2002515695A JP 2000549020 A JP2000549020 A JP 2000549020A JP 2000549020 A JP2000549020 A JP 2000549020A JP 2002515695 A JP2002515695 A JP 2002515695A
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スタンレイ ピエトロビッツ
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テルコーディア テクノロジーズ インコーポレイテッド
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    • H04B3/00Line transmission systems
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    • H04B3/20Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
    • H04B3/23Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers

Abstract

(57)【要約】 トーン信号検出器(27)またはFSK復調器(28)に対して近端音声通話エネルギーの抑制を提供する方法およびシステム(10)。本発明によれば、システムまたは装置(100)は、局装置(11)に接続された加入者ループ(12)上のチップ・リングと、その加入者局設備(13)との間に接続される。システム(100)は、トーン信号検出器(26)または周波数シフトキーイング変調器(28)のどちらかに接続された受信インタフェースを含む。システム(100)は、ループおよび局装置のインピーダンスの整合された鏡像を有するミラー回路を備えたホイートストンブリッジを形成することにより、音声通話消去を達成する。本発明の一実施形態において、ホイートストンブリッジは、システム内に含まれた1組の平衡ネットワークによって整合されたインピーダンスとして、ループ(12)と局装置(11)の組み合わされたインピーダンスを用いて形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、帯域内信号音検出システムのトークオフ(talkoff)およびトーク
ダウン(talkdown)性能の改良を含む用途に限定されることのなく、近端音声通
話エネルギーの抑制を提供するための方法およびシステムに関する。より詳細に
は、本発明は、近端音声通話信号が消去済みであって、選択可能なラインブリッ
ジ回路を較正し、かつ主として遠端エネルギーを含む単一単方向通話路を引き出
すために、チップ・リング電話回線インタフェースとこれに続く通信装置との間
の相互接続を提供する方法およびシステムに関する。本方法およびシステムは、
発呼者識別データ転送のようなオンフックサービス信号へのアクセスを本来的に
提供する。
【0002】 (発明の背景) エコー消去システムは、電話網および局設装置において広く使用される。電話
網におけるエコー消去システムの通常の役割は、通話回路におけるインピーダン
ス不整合点に発生する不必要な信号反射を除去することによって、伝送チャネル
の品質を改良することであった。エコーキャンセラは、概して、高速全二重デー
タ伝送を可能にするために、局設装置においても用いられてきた。アナログ住宅
加入者を対象とした新規電話サービスの導入と共に、エコーキャンセラまたは近
端音声通話消去システムは、帯域内トーン信号検出器の性能を改良するために加
入者局設備において重要性をもつようになった。
【0003】 離散型周波数の組合せを使用する帯域内トーン信号方式は、電話システムにお
いて長期にわたって使用されている。帯域内トーン信号の主な利点は、顧客の通
話を常時搬送するスペクトルと同じスペクトルで、信号と制御情報を交互に伝送
するために使用できることである。帯域幅が限定される状況において、専用制御
チャネルがあまりに高価であるか、またはサービスの低下を要求するかどちらか
の状況おいては、音声帯域の共用は不可欠である。今日の電話網において使用さ
れる帯域内トーン信号の最も一般的な事例は、発信音、スタッタ(stutter)発
信音、可聴リンギング、話中、再呼(reorder)、呼出し待機などの呼設定(call
progress)信号、およびダイヤルするために主として使用されるデュアルトーン
・マルチ周波数(DTMF)信号が含まれる。
【0004】 近年、呼出識別通話中着信(CIDCW)、通話中着信デラックス(CWD)
などの新規電話サービス、およびアナログ・ディスプレイ・サービス・インタフ
ェース(ADSI)、インターネットまたはウェブ電話などのアドバンスド・ス
クリーン・テレフォニ・プラットホームが展開され、ストアード・プログラム制
御交換システム(SPCSS)または遠端サーバによって送られた信号のための
、高信頼度の顧客構内装置(CPE)におけるトーン信号検出を必要としている
。半導体における多くの科学技術上の進歩によって与えられたこれらのサービス
およびプラットホームは、従来型電話機を、洗練されかつ統合された通信端末に
変えつつある。この種の通信端末は、液晶ディスプレイおよびキーボードを備え
、これらの備品は、ディジタル信号プロセッサでなければ、マイクロプロセッサ
の制御下で、呼の状態を追跡し、ネットワークおよび遠端のトーン信号に反応す
ることができる。
【0005】 全ての帯域内トーン信号システムは、トーン信号を高信頼度で検出可能である
ことを前提とする。アナログ・ディスプレイ・サービス・インタフェース(AD
SI)の顧客構内装置(CPE)に関して、ネットワークの呼設定信号を高信頼
度で検出することは、CPEにとって、呼の状態を適切に追跡するために必要で
あり、CPEに常駐するダウンロード可能なサービス・スクリプトによって処理
されるべき内部イベントを生成する。CIDCWおよびCWDのCPEに関して
、CPEアラート信号(CAS)を高信頼度で検出することは、発呼者の番号、
名前、場所または個人識別番号を含むデータバーストを受信するための、CPE
のオフフックデータ伝送モードを使用するために必要である。自動電話応答装置
およびボイスメールシステムに関して、DTMF信号を高信頼度で検出すること
は、ボイスメッセージの再生期間中であっても、加入者の編集および制御動作を
特定可能らするために必要である。
【0006】 一方において帯域内チャネルの再使用は、ネットワークから局設備へ、または
サーバから局設備への信号に対して効率的な手段を提供するが、信号識別に関す
る重大な問題が、トーン信号を検出しようと試みる局設備によって出くわすこと
があり得る。
【0007】 帯域内トーン信号検出に関する2つの通常の問題は、検出器のトークオフおよ
びトークダウンである。
【0008】 トークオフは、通話、音楽またはノイズによって生成された信号の複製を有効
なトーン信号として、トーン信号検出器が誤って受け入れたときにいつでも発生
する。研究、実験および現場経験によって、人間の音声通話がトーン信号のスペ
クトルおよび時間的性質をある程度複製できることが、決定的に確認されている
。通常の電話による会話において頻繁に発生する子音、母音、音節およびアクセ
ントの組合せは、トーン信号検出器にトークオフを起こさせることがあり得る。
電話網において帯域内トーン信号が最初に使用されて以来、信号の複製に感知し
ない信頼できるトーン信号検出システムを設計しようとする挑戦が続けられてい
る。
【0009】 トークダウンは、トーン信号検出器の別の重要な動作特性である。トークダウ
ンは、回線上に外部エネルギーが存在することに起因して、トーン信号としての
確認が遮蔽または拒否されたために、有効なトーン信号をトーン信号検出器が認
識することができなかったときにいつでもが発生する。場合によっては、トーン
信号が、音声通話、音楽および他の背景ノイズと競合することもあり得る。これ
らの複合信号の存在は、有効なトーン信号を歪め、有効なトーン信号の検出を損
なうことがあり得る。
【0010】 トークオフとトークダウンは、トーン信号検出器に関する2つの重要な性能尺
度である。これらは、それぞれ、信号の複製に抵抗し、また、音声通話、音楽ま
たはノイズによって不明瞭にされた有効トーン信号を識別する検出器の能力を示
す。トーン信号検出は、電話網において数十年にわたって普及している技術であ
ったが、極最近、実用に際して、強固なトークオフおよびトークダウン性能が同
時に必要とされるようになった。概して、従来技術によるトーン信号方式の実用
は、DTMF信号のように、検出器のトークダウン性能がトークオフ性能改良の
犠牲にされ得るという状況から利益を得てきた。CIDCW、CWDおよびAD
SIの出現により、同時に堅固なトークオフとトークダウン性能が必要になった
【0011】 ベルコア(Bellcore)は、「Customer Premises Equipment Compatibility Co
nsiderations for the Voiceband Data Transmission Interface」(Issue 1、De
cember 1992)と題するSR-TSV-002476ベルコアドキュメントにおいてCPEまた
は局設備基準と、CASおよび呼設定信号に関するトーン信号検出器のトークオ
フおよびトークダウン性能について規定している「Testing Guidelines for Ana
log Type 1,2,and 3 CPE Described in SR-INS-002726」(January 1995)と題
するSR-3004を指定している。これらのドキュメントに含まれる勧告は、高度に
信頼できるトーン信号検出を要求している。たとえば、SR-TSV-002476は、CA
S検出器が、平均レベルの近端および遠端電話音声通話と等量の通話に45時間
曝された場合に、せいぜい1つの信号の複製に応答することを勧告している。平
均的なループ上で平均的な近端話者に関して、このCASトーン信号検出器によ
って同時に達成されなければならないトークダウン基準は、全ての有効なCAS
のうちで99%の認識度である。これらの性能基準の組合せは、SR-TSV-002476
に適合するCASトーン信号検出器を、間違いなくかつて電話網に配備された最
も堅固な帯域内トーン信号検出器にする。
【0012】 加入者側において使用されるトーン信号検出システムに関しては、近端加入者
の音声ならびに遠端パーティの音声の両方から信号の複製が入来し得る。近端加
入者の音声は、通常、トークオフの有力な供給源である。近端加入者の電気的音
声通話レベルは、遠端のそれよりも非常に強いからである。遠端パーティの音声
通話信号は、2つのループの損失、すなわち、遠端パーティのループおよび近端
加入者のループにおける損失と、近端加入者の局設備に現れる以前に介在するネ
ットワークの損失によって減少する。また、近端加入者は、また、信号がCAS
と同様であるのでトークダウンの優勢な原因であり、呼設定信号は、一般に中央
局SPCSSから伝送され、他方、遠端パーティは消音されるか、または、未だ
接続されないままである。
【0013】 信号の複製に抵抗し、トークオフに対するある程度の免疫を得るためのガード
の動作概念を採用することがトーン信号検出器の特徴である。この種の検出器は
、各音声信号周波数成分に対して特定の信号対ガード比率が満足される場合に限
りトーン信号を有効化する。信号対ガード比率は、トーン信号周波数帯域内に存
在する電力と1つまたはいくつかの指定されたガード・バンドに存在する電力の
比率である。ガード・バンドは、トーン信号の純度に関する情報を抽出するため
にトーン信号検出器が使用する音声帯域の一部分である。単一のガード・バンド
は、全てのトーン信号周波数成分に対して選択可能であるか、またはいくつかの
ガードバンドの組合せを使用しても差し支えない。
【0014】 ガードの原理を使用する検出器は、一般に大きい正の信号対ガード比率を必要
とし、トークオフを最小限化するように入来トーン信号を有効化する。大きい信
号対ガード比率は、信号周波数帯内のエネルギーが、ガードバンド内のエネルギ
ーと較べて、比較的純粋であることを要求する。音声通話は、信号帯域外周波数
において、重要なエネルギーを生成することが多いので、この状態は、検出器に
トークオフさせる可能性のある多くの位置エネルギーパターンを退け、したがっ
て、トーン信号検出器のトークオフ性能を改良する。
【0015】 この戦略は、良好なトークオフ性能を提供するが、通話、音楽またはトーン信
号と混合可能なノイズが順調に減衰されるかまたは消去されない限り、トークダ
ウン性能は、損なわれる可能性がある。2つの基礎的な方法が、新規CIDCW
、CWDおよびADSIのCPEの大多数によって採用されて、満足なトーン信
号検出器の性能が得られるようになった。最も簡単な方法は、トーン信号検出器
のチップ・リングインタフェースへの直接並列接続である。さらに良好な配置構
成は、近端音声通話のレベルを本来減衰させる音声通話路分離デバイスの後方に
トーン信号検出器を配置する。さらに複合配置構成は、アナログおよびデジタル
消去技法を利用する。これら2つのカテゴリに属する既存のいくつかの従来技術
の実施態様の詳細な検討は、それらの利点、欠点および本発明の利益を明らかに
する。
【0016】 (方法1) 最も簡単な方法において、音声信号検出器は、図1に示すように、局設備のチ
ップ・リングインタフェースの両端に直接ブリッジされる。この配置構成は、主
としてその回線相互接続の複雑さが最も小さい故に有利である。トーン信号検出
器は、回線を受動的に聞く。その高インピーダンスおよび並列回線接続は、それ
が同一回線上の他の局設備またはその存在点を越えて通信装置を妨害しないこと
を意味する。それは、さらに、呼出し識別着信(CID)のようなオンフックサ
ービス信号へのアクセスを提供する。また、その相互接続方法は、統合された電
話において通常使用される可能性のあるあらゆるタイプの回線終端回路を組み込
まない付属の通信デバイスを非常に受け入れやすい。
【0017】 ブリッジされたチップ・リング配置構成の主要な欠点は、それが最悪のトーン
信号検出環境を表すことである。この配置構成におけるトーン信号検出器は、近
端音声通話の全電力にさらされる。これは、強固なトークオフおよびトークダウ
ン性能を達成することに関して、重大な困難を生成する。局設備におけるレベル
を獲得するために調節および変換された音声通話レベルを調査すると、近端電話
音声通話が、ガウス分布による−19dBmの平均アクティブ音声通話レベル(
ASL)と約4dBの標準偏差をもつことを示す。上限としての3シグマの例を
用いると、加入者のチップ・リングインタフェースの近端音声通話レベルは、−
7dBm ASLと同じレベルに到達できる。実験および経験によると、トーン
信号検出器のトークオフおよびトークダウン性能は、音声通話のレベルが向上す
るにつれて急速に低下することを決定的に示した。トークオフレートまたは1時
間当たりのトークオフの回数は、音声通話レベルの向上と共に指数関数的に上昇
する傾向がある。−7dBm ASLにおける音声通話レベルは、非常に騒々し
く、通常トークオフおよびトークダウンに関して実質的な脅威をひき起こす。相
互接続の複雑性は低いのであるが、ブリッジされたチップ・リング配置構成は、
近端音声通話のレベル低下には一切利益を提供しない。
【0018】 近端音声通話は、CASのトーン信号検出器に対してさらに大きい脅威をひき
起こしかねない。近端音声通話は、加入者の送受話器によってプリエンファシス
され易いので、近端音声通話レベルが騒々しいだけでなくトークオフの脅威もさ
らに高められる。歴史的に、送受話器の送信機応答は、ループ損失の効果に反作
用して上側音声帯域に利得を提供する。音声通話エネルギーの大部分は、音声帯
域(<1000Hz)の下側部分に所在するので、心理学的研究によって、上側
音声帯域におけるエネルギーは、音声通話の了解度を維持するために、必要かつ
重要であることを決定した。その結果、電話送信機は、歴史的にエネルギーブー
ストを上側音声帯域に供給するように設計されている。市販の電話装置の調査に
よると、平均的な送信機の特性は、対数周波数尺における300Hzから300
0Hzまでの正勾配をもつ直線によって近似可能であり、300Hzにおける応
答は1000Hzと比較して5dB低く、3000Hzにおける応答は1000
Hzに比較して5dB高いことを示す。CAS周波数2130と2750Hzは
、上側音声帯域にあるので、送信機プリエンファシスは、信号帯域により多くの
音声通話エネルギーを置き、ブリッジされたチップ・リング配置構成によっては
緩和されないトークオフに対して、かえってより多くの可能性を生じる。
【0019】 近端音声通話エネルギーがトーン信号エネルギーをしばしば圧倒することもあ
るので、トーン信号検出器のトークダウンも同様にブリッジされたチップ・リン
グ配置構成に対して問題を有している。CIDCWの場合には、たとえば、CA
Sは、通常SPCSSからトーン当たり−15dBmで送られる。ループ応答に
起因する減衰は、99%の場合に、損失の15dBまで導入し得る。近端音声通
話はCASと組み合わせ可能であるので、チップ・リングCASトーン信号検出
器は、−23dB(−15−15−(−7)dB)の最悪の信号対音声通話比率
にさらされることになる。信号対雑音比がこのように貧弱なトーン信号の、信頼
できる検出は難しく、信号の複製をほとんど拒絶しようと試みない寛大な検出器
であればなおさらである。前述のガード原理を用いるトーン信号検出器に関して
、信号対ガード比率の認定基準は、合法的なトーン信号の多くの場合に適合され
ないはずである。近端音声通話エネルギーは、信号を著しくだめにすることがあ
るからである。
【0020】 「Method and System for Detecting at a Selected Station an Alerting Si
gnal in the Presence of Speech」と題するバチスタ(Battista)等による特許
第5,519,774号に教示されているように、トーン信号検出器は、ブリッ
ジされたチップ・リングへの適用に対して良好なトークオフおよびトークダウン
性能を提供するように設計可能である。ただし、これらの設計において、トーク
オフとトークダウン性能の適当な平衡を達成するために必要な検出パラメータの
慎重な調整は、困難かつ時間を要する過程である。さらに、最終的に検出器設計
が特定の製造過程のためになるとの保証は一切ない。
【0021】 要約すれば、チップとリングにブリッジされたトーン信号検出器の配置構成は
、簡易であり、帯域内トーン信号およびオンフックCIDデータ伝送信号のよう
なサービス信号へのアクセスにとって割込みのない方法である。ただし、音声信
号検出の観点からみれば、良好なトークオフおよびトークダウン性能を達成する
には、ほとんど困難な配置構成である。トーン信号検出器へ入る近端音声通話の
レベルを低下させるものがないからである。良好なトークオフおよびトークダウ
ン性能を備えたチップ・リングトーン信号検出器は、完成はできるが、その設計
および作成が極度に難しいことは、従来技術から既に確証済みである。
【0022】 (方法2) トーン信号検出器のアルゴリズムを変更することなしに、改良されたトークオ
フおよびトークダウン性能を提供するトーン信号検出器との関連において用いら
れる第2の一般的な配置構成を図2に示す。このシステムにおいて、トーン信号
検出器は、一般にハイブリッドと称するデバイスの後方に配置される。
【0023】 ハイブリッドは、チップ・リングインタフェース上の双方向通話路を、送信と
受信用に分離した2つの単方向通話路に変換するデバイスである。チップ・リン
グインタフェース上の遠端およびネットワーク信号は、そこにトーン信号検出器
が接続されている受信通話路に現れる。近端信号は、ハイブリッド後方の送信通
話路からチップ・リングインタフェースまで理想的に転送される。
【0024】 実際、近端音声通話エネルギーのいくらかの漏れは、ハイブリッドの両端に発
生し、トーン信号検出器への入力に現れるはずである。所与の周波数における近
端エネルギーが、ハイブリッドによって減衰される量は、トランスハイブリッド
損失として知られている。トランスハイブリッド損失は、平衡ネットワークのイ
ンピーダンスが、チップ・リングインタフェースに現れるインピーダンスにどの
程度整合しているかという関数である。
【0025】 トランスハイブリッド損失の量は、この配置構成におけるトーン信号検出器の
性能にとって非常に重要である。トランスハイブリッド損失は、トーン信号検出
器に入る近端音声通話のレベルの低下をもたらすからである。近端音声通話レベ
ルの減衰は有用である。何故なら、トークオフ発生の確率および近端音声通話が
入来CASをだめにする確率を、両方とも減少させるからである。例えば、トラ
ンスハイブリッド損失が6dBである場合に、トーン信号検出器入力に現れる近
端音声通話のレベルは、−7から−13dBm ASLまで引き下げられるはず
であり、信号対通話音声比率は、ブリッジされたチップ・リング配置構成で、−
23から−17dBに改良されるはずである。実験および経験によると、近端音
声通話レベルの3dBの低下、または信号対通話音声比率の同様の改良が、バチ
スタ(Battista)等の記載と同様に、トーン信号検出器のトークオフおよびトー
クダウン性能を劇的に改良することを実証している。さらに、ハイブリッド配置
構成の重要な設計の利点は、トークオフとトークダウン性能の間のトレードオフ
を平衡させることの困難を減らすことである。最悪の場合の音声通話レベルと最
悪の場合のトーンレベルの間のdBの差として定義されるトーン信号検出器の動
的スイングが減少するからである。
【0026】 回線インピーダンスと平衡ネットワークの間の整合がずれるにつれて、トラン
スハイブリッド損失は急速に減少するので、単一ネットワークは、ループ状態の
大部分において、適度な値のトランスハイブリッド損失を提供するとは限らない
。たとえば、単一平衡ネットワークの場合、最悪トランスハイブリッド損失は、
米国ネットワークにおける全てのループインピーダンスの領域にわたり、2〜6
dBの範囲であり得る。さらに、近端音声通話レベルを低下させ、信号対音声通
話比率を改良するために、図3に示すように、単一平衡ネットワークは、多重の
、固定ネットワークまたは調節可能なネットワークによって置き換えられること
が可能である。この配置構成は、あるときは、アナログエコーキャンセラと称さ
れる。
【0027】 多重平衡ネットワークまたは調節可能な平衡ネットワークは、信号ネットワー
クシステム全体にわたって、トランスハイブリッド損失の重要な改良を提供する
。15dBより大きいトランスハイブリッド損失は、一般に少なくとも3つの固
定ネットワークを用いて達成可能である。複数の平衡ネットワークが利用可能で
あるので、アーキテクチャは、遭遇するループ状態に関する最適ネットワークを
選択するためのメカニズム(図示せず)も含まなければならない。
【0028】 図2および図3に示す場合のような配置構成は、トーン信号検出器性能の観点
からは好ましいが、ある種の欠点をもつ。第1に、通常のハイブリッドアーキテ
クチャは、送受話器の受話器と送話器の機能を提供するために、本質的に音声通
話路の分離が必要とされる統合された電話用途によく適する。電話付属品のよう
なデバイスに関しては、これらのシステムはあまり実用的ではない。付属デバイ
スは、通常、局設備と電気的に直列に接続され、したがって、直流電圧、線電流
、交流信号およびパワーリンギングのような基本的な電話線の特性を通過させる
ことが可能でなければならない。この範囲に限って、既に述べたチップとリング
にブリッジされた解決方法を使用することが、共通した実施要領である。チップ
・リングインタフェースは、妨げられていない付属品を物理的に通過するからで
ある。付属品に関して図2および図3の場合と同様なハイブリッド配置構成を形
成するためには、2つのハイブリッドを背中合わせに配置して、2線インタフェ
ースが加入者電話機に接続するために再生される。追加回路は、直流回線電圧お
よびパワーリンギングを再生成するか、または、背中合わせハイブリッド配置構
成の周りに、このような信号を経路指定する手段を提供するか、どちらかが必要
とされる。したがって、この配置構成は、ネットワークリピータ回路と同様にな
る。音声チャネルの品質および閉ループ利得のような係数に影響するリピータの
伝送特性は、不安定なデバイス動作を避け、透過的なラインインタフェースを提
供するために、注意深く設計されなければならない。これらの理由のために、統
合された電話機において有用な通常のハイブリッドという解決方法は、低コスト
の付属品に対してあまり実用的でない。
【0029】 図2および図3に示すハイブリッドシステムに関する他の重要な考慮すべき事
柄は、統合された局設備に側音を供給することである。通常は、ある量のトラン
スハイブリッド漏れが、電話機内に意図的に設計されており、ユーザが自身の音
声通話の減衰されたものを聞くことが可能になる。心理学的に、これは局設備が
作動可能状態にあるという印象を加入者に与える。その結果、トランスハイブリ
ッド損失は、側音に関する人的要因による必要条件を満足させるためにせいぜい
6dBの損失を供給するように調節された。トーン信号検出器性能およびシステ
ム設計に関して、これは欠点を呈示する。図2および図3における配置構成のト
ランスハイブリッド損失を増大するために、二次回路が側音の代替通話路を提供
するために必要とされる。
【0030】 図2および図3の配置構成には、特に統合された局設備の用途に関して、第3
の欠点がある。局設備がオンフック状態にあるとしても、局設備の機能的エレメ
ントが、チップ・リングインタフェース上のAC信号へアクセスする必要がある
場合もあり得る。このような識別可能な2つの場合には、CIDのようなマルチ
プル・エクステンション・インターワーキング(MEI)およびオンフックサー
ビスのためのサポートが含まれる。
【0031】 MEIは、次に示す3つの機能を動作可能にする加入者回線上におけるCPE
間通信のための信号方式およびプロトコルである。すなわち、1)それら個別の
フック状態に関係なく、全ての互換性のあるCPEによるCIDCWの受信、2
)フラッシュのような顧客回線信号を生成して、呼出し制御動作の選択を示す、
および、3)多重CIDCW、CWDおよびADSI CPE間の、CAS肯定
応答信号の対話管理である。MEIプロトコルを実施するためには、CPEは、
CASがオンフック状態のときに、検出可能でなくてはならない。図2および図
3に示すハイブリッドシステムに関して、加入者設備がオンフック状態にあると
き、ハイブリッド機能は、一般にフックスイッチ機能によって回線インタフェー
スから接続が断たれる。したがって、ハイブリッドの受信側に在るトーン信号検
出器は、チップ・リングインタフェース上のトーン信号へのアクセスを失うはず
である。この制限を克服するために、CPEがオンフック状態にある間にチップ
・リングインタフェースに代替信号通路を提供するために、さらなる追加回路さ
えも要求される。
【0032】 図2および図3に示す配置構成において容易に識別され得る他の同様の欠点は
、CIDのようなオンフックサービスをサポートすることが困難なことである。
呼出番号着信(CND)、呼出名着信(CNAM)および視覚的メッセージ待ち
表示(VMWI)のようなオンフックCIDサービスは、オフフックCIDCW
およびCWDサービスと同じ周波数シフトキーイング(FSK)変調技術を用い
てデータを引き渡す。ベルコア(Bellcore)のドキュメントGR-30-CORE「Voiceb
and Data Transmission Interface」Issue 1、December 1994におけるオンフック
およびオフフックデータ伝送プロトコルの両方に必要な手順を実施するモジュー
ル式CID機能要素が必要であるために、ここではCID ASICと称する特
定用途向け集積回路(ASIC)が作成されるようになった。これらのデバイス
は、FSK復調とCASトーン信号検出機能とを単一デバイスに組み合わせる。
付属品と統合セットなどへの広範な適用性の提供、複雑性の最小化、および、デ
バイスピンの節減を含む理由のために、CID ASICの単一デバイス入力は
、オフフックとオンフックCIDサービスの両方に共用されなければならない。
図2および図3に示すハイブリッド配置構成に関して、CID ASICsによ
って提供される回路の複雑性を減少させることは、CPEのフック状態に応じて
チップ・リングインタフェースへのアクセスのための多重信号通話路を提供する
ための制御と外部回路が必要であるから部分的に相殺される。衝撃を与えること
または特定の回路を必要とすること、あるいは、システムアーキテクチャの他の
態様に性能上の基準を課することなしに、デバイスに任意の設計法を用いること
は、CID ASICにとって非常に望ましい特徴である。
【0033】 (方法3) 同じく図2および図3に示すシステムに組み込まれ、近端音声通話の消去に重
要な改良を提供する第3の配置構成を図4に示す。ハイブリッドと組み合わされ
たデジタルエコーキャンセラは、トランスハイブリッド損失を25dB以上に増
やすために使用できる。デジタルエコーキャンセラの主要な利点は、それが近端
音声通話エコーを非常に減衰させるので、近端トークオフおよびトークダウンの
あらゆる機会を実質的に除去することである。
【0034】 図2および図3のハイブリッドシステムに関する記述のほかに、この音声通話
消去システムの主要な欠点は、重要なリソースおよびインタフェース回路が必要
とされることである。デジタルエコーキャンセラの一般的実施態様は、近端エコ
ーを除去する数学的演算を実施するのに適したマイクロプロセッサ、アナログ信
号をデジタル化するインタフェース回路およびコードの記憶をサポートするメモ
リを必要とする。図4に示すように、エコーキャンセラの外部にトーン信号検出
器が実装される場合には、追加のデジタルアナログ変換器が必要である。これら
の理由により、デジタルエコーキャンセラの実施態様は、低コストの付属品およ
び統合された電話機用としては、未だ実用的になってはいない。
【0035】 (方法4) 整合された(scaled)ホイートストンブリッジ回路を用いて、近端音声通話を
消去するために試みられた第4の配置構成を図5に示す。「Apparatus For Dial
ing Of Called ID Block Code and Receiving Call Waiting Caller-ID-Signal
」と題し、リム(Lim)等による1995年10月10日付で提出された米国特
許出願第08/540,532号は、図5に示すホイートストンブリッジ回路を
開示している。この配置構成は、ホイートストンブリッジの原理を用いる。この
場合、平衡ネットワークがループのインピーダンスに完全に整合し、また、固定
抵抗器RaおよびRbが同じであれば、2つの回路の枝から差動増幅器Gへの入力
に到着する近端音声通話信号は、大きさと位相が同じはずである。差動増幅器は
これらの信号を相互に減算し、トーン信号検出器への入力である近端音声通話消
去プロセスの残留エネルギーを含む合成信号を生成する。実際上、抵抗Rbは、
抵抗Raより大きい係数Cで整合がとられ、チップ・リングインタフェースへの
負荷による影響を軽減する。同様に、単一平衡ネットワークインピーダンスは、
同じ係数によって整合がとられる。
【0036】 この配置構成は近端音声通話を消去し、局設備のフック状態には関係なくチッ
プ・リングインタフェースへのアクセスを提供するが、実際上、ループインピー
ダンスの領域において、この配置構成は、不十分な動作をする。その不十分な動
作の理由は2つある。第1に、固定インピーダンスRaおよびRbは、部品許容誤
差に左右され、結果的に全く同じには整合されない。これは、差動増幅器によっ
て増幅されるブリッジにおける不均衡に帰着する。第2に、回路において用いら
れる単一固定平衡ネットワークは、可能なループインピーダンスの領域全体にわ
たり不完全な整合を供給する。実験では、図5におけるホイートストンブリッジ
配置構成の最悪状態として、近端音声通話消去性能が、約1〜2dBであること
がわかっている。その不十分な性能のために、ホイートストンブリッジ配置構成
は、しばしば顧みられなかった。
【0037】 従来技術の再検討は、トーン信号検出器のトークオフおよびトークダウン性能
が入来近端音声通話のレベルを減衰することにより大幅に改良され得ることを立
証した。さらに、従来技術によるほとんどの近端音声通話消去技術は、チップ・
リングインタフェースからトーン信号検出器を除外し、局設備がオンフック状態
であって予備の信号通話路がないときに、通常、回線の信号にアクセスしない場
所にトーン信号検出器を置くシステムアーキテクチャを必要とすることも立証し
た。従来技術による消去方法は、フックの状態に無関係にチップ・リングへのア
クセスを提供するが、ただし、その消去性能は不完全である。
【0038】 (発明の概要) 以上の説明の観点から、本発明の目的は、続く通信装置のフック状態に関係な
くオンフックサービス信号へのアクセスを提供する改良されたホイートストンブ
リッジ技法を使用し、チップ・リングインタフェースに接続するトーン信号検出
器に関して、近端音声通話エネルギーを消去する方法およびシステムを提供する
ことにある。本発明の方法およびシステムは、他の電話機能とは独立して機能し
、また、独立の付属装置に適用可能であり、同様に電話機にも統合され得る。近
端音声通話消去の程度は、近端音声通話の減衰の所望量を達成するようにシステ
ムへの実装を整合することによって制御することができる。
【0039】 詳細には、本システムは、チップまたはリングインタフェースのリードのどち
らかに、直列に配置された電圧または電流感知要素を使用する。感知要素と、チ
ップ・リングインタフェースによってもたらされるインピーダンスとの双方の整
合されたミラーインピーダンスが、ホイートストンブリッジを形成するためにチ
ップ・リングインタフェースの両端に配置される。2つの双方向性通話路を生成
することなく、トーン信号検出器への入力用として、ただ1つの単一受信通話路
が、ブリッジの中央部から差動的に引き出される。近端音声通話エネルギーの減
衰は、固定された1組のR、L、Cネットワークまたは調節可能なネットワーク
のいずれかより入手可能な整合の取れたミラーインピーダンス値の較正と選択に
よって制御される。制御機能は、装置が回線に接続された時、それぞれの電話の
呼の開始に際して、または呼の継続期間を通じて連続的に該当する最良のネット
ワークを選択するために記述されたいくつかの方法の1つを使用する。
【0040】 (詳細な説明) (アナログシステム) 本発明の一態様による電圧感知機能の実装を用いたチップ・リングトーン信号
検出器用アナログ近端音声通話消去システム10の一般化された構成図を図6に
示す。本発明の別の態様による電流感知機能の実装を用いた近端音声通話消去シ
ステム110の同様の構成図を図7に示す。これら実施態様の動作上の相違につ
いては必要に応じて以下に注記されるはずである。
【0041】 さて図6に戻って、一次チップ・リングインタフェース29と、二次チップ・
リングインタフェース30と、受信インタフェース31との3点の相互接続部を
備えたシステム10を示す。システム10は、一次チップ・リングインタフェー
ス29を介して電話ループ12に接続し、この電話ループは、システム10を中
央局または遠隔端末通信装置11に相互接続する。二次チップ・リングインタフ
ェース30は、図に示すように加入者局設備13または用途に応じてつづく通話
回路14に接続する。付属デバイスに関しては、システム10は、付属物内に組
み込まれ、二次チップ・リングインタフェース30は、図に示すように、外部加
入者局14設備に相互接続する。統合された電話機に関しては、システム10は
、一次チップ・リングインタフェース29を電話機内のつづく通話回路14へ相
互接続するフロントエンド回路となる。受信インタフェース31は、図に示すよ
うに、トーン信号検出器27またはFSK復調器28への信号通話路を提供する
。この通話路は、主として、一次チップ・リングインタフェース29を介して局
装置11によってシステムへ伝送された信号エネルギーのみを含む。加入者局設
備13または通話回路14によって伝送された近端音声通話信号の小さな残留消
去エネルギーが、受信インタフェース31に現れることもあり得る。
【0042】 チップ・リングトーン信号検出器用近端音声通話消去しシステム10の目的は
、近端音声通話信号を非常に減衰させ、トークオフの確率を減少させ、信号対通
話比率を改善して、それによってトーン信号検出器の信号認識性能を改良するこ
とにある。本発明のこの態様によれば、ホイートストンブリッジを形成すること
により、近端音声通話消去がこのシステムにおいて達成される。ホイートストン
ブリッジは、ネットワークM1、M2、〜Mn 22によって構成されるネット
ワークによって整合されるべきインピーダンスとして、ループ12と局装置11
の組合せインピーダンスを用いている。ホイートストンブリッジは、未知のイン
ピーダンスと整合されたインピーダンスへそれぞれ単一的に接続された等しい値
の2つの既知の抵抗を含む共通の接点を備えた並列回路を使用する。各回路内に
おいて電圧分割が発生するはずである。整合インピーダンスによって未知インピ
ーダンスが完全に整合されたとき、センタタップは、同じ電圧と信号位相を含む
はずである。
【0043】 図6に示す電圧感知機能の実装において、既知の抵抗R1 17は、一次チッ
プ・リングインタフェース29のどちらかのリード線と直列に配置される。R1
17の値は小さな値(1〜15オーム)が選定され、DC電圧降下を避けて、
電話線電流を取り出す。線電流は、一般に18から120mAの範囲である。ブ
リッジのミラー回路におけるR1 17と同じインピーダンスを使用する代わり
に、係数Kによる非常に大きいインピーダンスが選定される。インピーダンスが
大きければ、ブリッジのミラー回路による電話線の過負荷を防止することが必要
である。一般的に、Kの値は50から1000の範囲が実用的である。図6にお
いて、インピーダンスR1 17の鏡像は、インピーダンスR2 23とR3
24とR4 32との並直列の組合せとして示される。これらのエレメントの組
み合わされたインピーダンスは、係数Kが乗算されたインピーダンスR1 17
に整合するように設定される。
【0044】 インピーダンスR1 17とその整合された鏡像の整合は、回路の消去性能に
とって重要である。係数Kだけ異なるR1 17とその鏡像の両方に単純に固定
抵抗を使用することが可能であるが、得ようとした消去性能の所望の値に依存し
て、部品の許容誤差が、容認できないインピーダンス不整合に導くこともあり得
る。図6に示す好ましい実施態様は、高価で許容誤差の小さい部品を必要とせず
、固定インピーダンスR2 23と切り替え可能なインピーダンス・ラダーR3
24からなる調節可能なインピーダンスと並列配置された感知インピーダンス
R1 17よりわずかに大きい固定インピーダンスを使用する。インピーダンス
の並列組合せの目的は、微細な段階的に調節可能なR1 17の鏡像を可能にす
ることにある。並列抵抗の実効抵抗は、最も小さい並列抵抗の実効抵抗より小さ
いので、インピーダンスR4 32は、R1*(K+Y)に設定される。ここで
係数Yは、1から10の範囲である。鏡像インピーダンスの微調整は、抵抗ラダ
ーR3 24におけるスイッチを開閉することによって達成される。固定インピ
ーダンスR2 23は、抵抗ラダーに直列に配置され、抵抗ラダーに使用できる
小さく実用的な抵抗エレメントを得る。固定インピーダンスR2 23は、それ
自体および抵抗ラダーによって提供される組合せ並列抵抗にオフセットを与える
。固定インピーダンスR2 23と抵抗ラダーR3 24の組合せインピーダン
スは、いくら大きくてもR1*K*(K+Y)/Yに等しくなくてはならない。
抵抗ラダーは、種々の方法で実装され得るが、図6に示すように抵抗値が二進デ
ータワードによって制御されるデジタル的に制御可能な抵抗であることが好まし
い。二進データワードの値は、後で述べる方法に従ってシステムコントローラ1
9によって決定される。
【0045】 そのミラーインピーダンスに対するインピーダンスR1 17の比率が1/K
に等しいとすれば、ブリッジの完成には、ミラー回路上の整合のとれたインピー
ダンスがループ12と局装置11の組合せインピーダンスに整合するように選定
されなければならない。整合ミラーインピーダンスの整合係数も係数Kであるこ
とが要求される。M1およびM2からMn 22までに示す平衡ネットワークの
セットは、抵抗性、容量性、および、誘導性エレメントを含む、直列、並列、直
並列などの1つまたは複数の回路構成からなる固定または可変インピーダンスを
表す。これらの要素の値およびセットに含まれるネットワークの個数は、 一次チップ・リングインタフェース29において対向することができ、かつ、最
悪の場合にも近端消去の目的に適合可能なインピーダンスの領域に、最もよく整
合することができる整合のとれたミラーインピーダンスが得られるように選択さ
れる。平衡ネットワーク構成に応じて、抵抗性および誘導性エレメントは、一般
に一次チップ・リングインタフェース29によって表されるインピーダンスのK
倍大きい。容量性エレメントは、K倍小さい。実験と経験によれば、単一ネット
ワークは、あるループ条件の下で、6dBの消去を与えるのみであり、他方では
、賢明に選ばれた2つのネットワークは、最大12dBを与えることが実証され
ている。追加ネットワークは同様に、ループと局装置のインピーダンスの領域に
わたって、最悪の場合の消去を改善するであろう。
【0046】 図6において、二次チップ・リングインタフェースへ平衡ネットワークを接続
する際のスイッチS2〜Sn 30を示しているが、メタリック線のサージから
より良く保護され得る場所にスイッチS2〜Sn 30を配置する代替実施態様
が存在する。メタリック線のサージは、雷などの事象によって生成される高圧ス
パイクである。電話網用に設計された顧客構内装置は、FCC Part68に記載のメタ
リック線サージから守ることができなければならない。たとえば、スイッチS2
〜Sn 30は、差動増幅器25の入力または出力どちらかの場所に移動させる
ことができる。両方の場合に、平衡ネットワークM1からMnまでは、チップ・
リングインタフェースへ永久的に接続されたままである。各平衡ネットワークは
、それ自身整合した鏡像の感知インピーダンス23、24、32、および、後述
する独立の較正を必要とする。差動増幅器25への入力に配置された場合には、
スイッチS2〜Sn 30は、平衡ネットワークとその鏡像の感知インピーダン
ス23、24、32によって形成されるミラー回路の1つから導出される信号を
選択するために用いられる。その代りに、各ミラー回路は、それぞれ差動増幅器
を備え、スイッチS2からSnまでは、受信信号31を生成するために適切な増
幅器出力を選択するために使用可能である。これらの方法は、平衡ネットワーク
M1からMnまでの個数が少ないままであるとき、すなわち3個以下のままであ
るときには、チップ・リングインタフェースの過剰負荷を防止するために実用的
である。
【0047】 受信信号通話路31は、ブリッジのセンタタップにおいて信号を差動的に増幅
することによって達成される。差動増幅器25への一入力は、直流阻止コンデン
サC2 20を介して、感知要素R1 17を含む一次チップ・リングインタフ
ェース29上のリード線に接続される。その他の入力は、M1〜Mn 22の平
衡ネットワークと感知インピーダンスR1 17のミラーインピーダンスとの間
の、共通ノードにコンデンサC1 21を介して容量的に結合される。ループ1
2と局装置11との組合せインピーダンスと、選定された平衡ネットワークとの
間の整合が十分に密接であれば、差動増幅器25への入力に現れる電圧信号は、
それらの大きさおよび位相がほとんど同じはずである。共通モード除去比が60
dBよりも良好である状態において、差動増幅器は相互に信号を減算し、近端音
声通話エネルギーが消去された受信信号31を作成する。
【0048】 スイッチS2〜Sn 30における少なくとも1つのスイッチポイントは閉じ
たままであり、他方では、加入者局13または通話回路14がオンフックであっ
て、チップ・リングインタフェースへのアクセスを提供する。この平衡ネットワ
ークは、特にオンフック状態において使用するように選定可能であり、インピー
ダンスおよび法的必要条件を満足する。スイッチS1からSnまでは、限定的意
味をもつことなく、トランジスタ、電気機械的またはソリッドステートまたはフ
ォトモスのリレー、電界効果トランジスタ、または、オプトカプラデバイスなど
の技術を用いて実装可能である。
【0049】 オンフック期間中、差動増幅器25は、一次チップ・リングインタフェースに
接続された状態を維持するので、CIDおよびVMWI FSKのような信号が
受信可能である。差動増幅器25の利得は、平衡ネットワークの選択に基づいて
システムコントローラ19によって設定される。利得は次の方程式によって決定
される: 利得=[R1(K+1)+Zb]/R1(K+1) (1) ここで、Zb=1/jwC1+Mnであり、Mnは、選定された平衡ネットワー
クのインピーダンスである。平衡ネットワークとして使用されるべき各ネットワ
ークおよびネットワークの各組合せに関する利得の値は、事前に算定されて、シ
ステムコントローラメモリに記憶されている。nが整数であるときに、ネットワ
ーク識別子Nnは、それが適用されるネットワークを示すために各利得値に割り
当てられる。各単一ネットワークM1からMnまで、およびネットワークの組合
せ体は一意的識別子を所有するものとする。
【0050】 システムの中心的手順実行要素は、システムコントローラ19である。システ
ムコントローラの機能を次に示す、すなわち、1)線電圧感知機能34を監視す
ること、2)校正信号源15および直流終端16を供給すること、3)R2 2
3、R3 24、および、R4 32からなる組み合わされたミラーインピーダ
ンスに最もよく整合するように抵抗器ラダーを感知インピーダンスR1 17に
調整すること、4)エネルギー推定器26を監視すること、5)スイッチS2〜
Sn 33内の1つまたは複数のスイッチを選択的に閉じて、1つまたは複数の
平衡ネットワークを二次チップ・リングインタフェース30に接続すること、6
)平衡ネットワークの選択に基づいて、差動増幅器25の利得を設定すること、
7)エネルギー推定器26からのフィードバックを使用して、どの平衡ネットワ
ークが、校正信号の消去に最適かを決定する。
【0051】 最良の利用可能な平衡ネットワークを選択する方法は、音声通話消去システム
を含むデバイスが電話ループ12へ最初に接続されたときに開始する。その最も
簡単な形式において、ライン感知機能34は、二進信号をシステムコントローラ
へ出力して、一次チップ・リングインタフェース29におけるライン電圧に基づ
きラインが空いているかまたは使用中であるかを表示する。一般に、電圧が23
ボルト以上であって、パワーリンギングが存在しないならば、当該ラインは空き
であるものと見なされる。実装されてシステムにライン電圧が最初に供給される
と、サービス中断の後または所定のインターバルの後に、ライン電圧が復元して
、当該ラインが空きであれば、システムコントローラ19は、スイッチS1 1
8を介して、直流終端16を用いてラインを終端して、オフフックライン状態を
生成する。次に、システムコントローラは、1)較正用信号を伝送するか、2)
複合信号ソース15を用いて少なくとも1つのDTMF数字をダイヤルし、較正
信号の伝送以前に、発信音を除去するか、または、3)安定した呼出し状態を作
る保守番号をダイヤルし、その後で較正信号の伝送を開始する。全ての場合に、
システムコントローラは、先ず、一次チップ・リングインタフェース29上の発
信音の存在を感知するか、または、何らかの数字をダイヤルしあるいは消去回路
を較正する以前に、発信音の供給が推定することができるまでの所定時間t1だ
け待機する。発信音エネルギーの検出は、エネルギー推定器機能26または任意
の発信音検出器27を使用して実施できる。
【0052】 まず第1に、較正信号は、回線の終端後に開始できる。ただし、その次の較正
手順は、発信音が供給されるか、または、所定のインターバルt1が満了するま
で遅れさせるべきである。一般に、3秒間の発信音遅延時間t1は、米国ネット
ワークにおける99%をカバーしなければならない。発信音の供給を待つ目的は
、局装置11がループ12に適切に終端したことを保証することにある。このオ
プションは、較正のための安定した呼出し状態を作り、呼出し開始状態で用いら
れる局装置11は、安定した呼状態と異なることがあり得るので、消去システム
の性能は、このオプションを用いてさらに良好に機能することができる。
【0053】 複合信号ソース15は、単一または複合のトーン発生器、平坦またはスペクト
ル状に整形されたノイズ発生器、またはDTMF発生器で構成することができる
。呼設定信号の検出に関係する用途に使用するためには、300〜700Hzの
周波数範囲の、単一の較正トーンが適切である。CASの検出に関係した用途で
の使用には、2100〜2900の間の周波数の、単一またはデュアルトーンが
適切である。好ましい実施形態におけるDTMF DまたはDTMF Aのよう
なDTMF信号も適切かつ実用的である。これらの信号は、CIDCW/CWD
およびADSI CPEにおける、GR-30-COREオフフックデータ伝送ハンドシェ
ークを、既に利用可能であるからである。また、これらの用途その他には複合ノ
イズ信号であっても十分である。
【0054】 既に述べたように較正信号の使用方法に応じて、エネルギー推定器26は、発
信音に敏感であるか、または、そうでないことがあり得る。エネルギー示度の誤
差を最小化するために較正信号が存在するときは、一般にエネルギー推定器26
は発信音に敏感であってはならない。較正信号または較正が発信音の除去を引き
起こす以前に、1つまたは複数の数字がダイヤルされるならば、発信音に敏感な
エネルギー推定器26は、発信音の存在を検出するためにも役立つ。エネルギー
推定器26は、受信通話路31上のエネルギーレベルに比例するアナログまたは
デジタル出力をシステムコントローラに供給する。
【0055】 較正信号源15が適用されるか、または、インターバルt1が満了した後で、
システムコントローラは、R2 23とR3 24とR4 32の組み合わされ
たインピーダンスの較正を開始する。組織的進行に際して、システムコントロー
ラ19は、抵抗器ラダーのタップを開閉することによってR3 24のインピー
ダンスを変化させる。これは、正確に等しくなければ、感知インピーダンスR1
17の値のK倍の値に、密接に整合するR2 23とR3 24とR4 32
とを組み合わせたインピーダンスを作成する試行において行われる。
【0056】 好ましい実施態様において、システムコントローラ19は、抵抗値範囲の最低
、最高または中央いずれかの値に、デジタル的に制御可能な抵抗をプログラミン
グすることによって探索を開始する。次に、ラダーを順に上げるかまたは下げる
かして、最小の受信インタフェース31のレベルを提供するR3 24の抵抗値
を探索する。各ステップにおいて、コントローラは、エネルギー推定器26の出
力を読み取り、新規エネルギー推定値が直前のステップより多いかまたは少ない
かを決定する。
【0057】 新規エネルギー推定値が少ないならば、システムコントローラ19は、直前の
抵抗値の記録と、バッファ位置L1およびE1に保持されているエネルギーレベ
ルとを、それぞれ、新規抵抗値およびエネルギーレベルによって更新する。好ま
しい実施態様において、抵抗値およびエネルギー推定値は、二進ワードである。
次に、システムコントローラ19は、その以前の通話路と同じ方向における抵抗
値の変更を継続する。
【0058】 新規エネルギー推定値が、前のレベルより大きかった場合には、システムコン
トローラ19は、バッファ位置L1およびE1を更新してはならない。エネルギ
ー推定値内にノイズのスプリアスピークが生じるかもしれないことを予想して、
システムコントローラ19は、同じ方向における抵抗値の変更を継続しなければ
ならない。いくつかのステップの後で、エネルギー推定値が依然としてE1より
大きく、増大しているように思われる場合には、R3 24の較正を完全にする
ために、抵抗値をL1にリセットしなければならない。一方、エネルギー推定値
がより低い場合には、システムコントローラ19は、同じ方向において抵抗値を
変えることによって最小値の探索を継続しなければならない。
【0059】 この方法に対する1つの例外は、システムコントローラ19が、ラダー24の
最初の抵抗値を、その中間の値である最小または最大値以外の点において開始す
るときに適用される。この場合、第1ステップ直後においてバッファE1に記憶
されている値より大きいいくつかのエネルギー推定値を獲得する際に、システム
コントローラ19は、その通話路の方向を逆にして、最初の開始点から再び始め
なければならない。中間値において開始することによって、探索の収斂がさらに
迅速に進行し得る。
【0060】 いずれにせよ、エネルギー推定値が直前の指示値E1と異なり不定の場合には
、システムコントローラ19は、バッファ位置L1およびE1を更新してはなら
ず、決定可能になるまで同じ方向に抵抗を進めることを継続しなければならない
【0061】 いったん抵抗ラダーR3 24の較正が完了すると、最良の平衡ネットワーク
をネットワークM1〜Mn 22の中から選択し、ループ12および局装置11
インピーダンスに整合する選択プロセスが始まる。いくつかの固定ネットワーク
の場合には、システムコントローラ19は、スイッチS2〜Sn 34の中から
、単一つの方法で残りのスイッチを閉じることを整然と続行する。各スイッチを
閉じると、平衡ネットワークを二次チップ・リングインタフェース30に接続す
る。
【0062】 スイッチの設定を変更する以前に、システムコントローラ19は、差動増幅器
の利得を選択し、設定して、たとえば、ネットワークのセットの最低、最高、ま
たは中央の利得値などの所定の値に設定する。スイッチS2〜Sn 34の中か
ら1つのスイッチを閉じると、システムコントローラはエネルギー推定器26の
出力を読み取る。エネルギー推定値がバッファE1に記憶されている値未満であ
れば、システムコントローラ19は、ラインに接続されている現行ネットワーク
の識別子Nnに関して、ベストネットワークバッファ(a best_network buffer
)BNを更新する。同様に、システムコントローラ19は、新規エネルギー推定
値を用いてバッファE1を更新する。次に、システムコントローラ19は現行ネ
ットワークを除去し、ネットワークの残りのサブセットから別のネットワークを
接続する手順を進める。システムコントローラ19は、全てのネットワークのテ
ストが完了するまで、この方法で手順を進める。最終ネットワークMnのテスト
に際して、BNバッファは、ネットワークM1からMnにわたり受信インタフェ
ース31のレベルを最小限化する個別ネットワークの識別を含む。次に、システ
ムコントローラ19は、オプションとして、ネットワークM1からMnまでの組
合せを試行し、ネットワークの組合せがさらに低い受信インタフェース31のレ
ベルを生成するかどうかを決定する。ネットワークM1〜Mn 22の全ての組
合せがテストされ得る。
【0063】 ネットワークM1〜Mn 22で最良の単一ネットワークまたは組合せネット
ワークを決定した後で、システムコントローラ19は、スイッチS2〜Sn 3
4まで全てのスイッチを開き、バッファBNの内容によって識別されるネットワ
ークを生成するのに必要とされるスイッチのみを閉じる。複合信号ソース15お
よび直流終端16は、スイッチS1 18を開くことによって除去される。次に
、システムコントローラ19は、選定された平衡ネットワークの識別子と関連し
、メモリ内に記憶されている予め算定された利得の値を検索する。次に差動増幅
器25の利得が、この値に設定され、それによって較正手順を完了する。
【0064】 ネットワーク選択プロセス期間中の任意の時点において、エネルギー推定値が
エネルギー推定器26の範囲を超えるか、または、それに届かない場合には、シ
ステムコントローラ19は、段階的に、例えば6dBごとに差動増幅器25の利
得を調節し、ネットワークの全てまたは一部分に対して選択手順を繰り返すこと
ができる。また、システムコントローラ19は、差動増幅器25の利得を増やす
ことを選択することができ、2つ以上のネットワークがほぼ同じエネルギー推定
値を生成した場合に、どちらがさらに良好なネットワークであるかを解決する。
【0065】 平衡ネットワークM1〜Mn 22が、調節可能な抵抗性、容量性または誘導
性要素によって、全体的または部分的に実装されれば、選択プロセスは、抵抗ラ
ダーR3 24に対して記述される要素に類似のプログラマブル要素に対して較
正手順を用いることができる。
【0066】 加入者局13または通話回路14がオンフックして、空き状態になろうとする
と、システムコントローラは、既存の平衡ネットワークを二次チップ・リングイ
ンタフェース30に接続されたままにしておくか、または、オンフック時のイン
ピーダンス規制を満足するように設計された特殊ネットワークに助けを求めるこ
とができる。また、空きCPE状態に起因する平衡ネットワークの選択の変更は
、差動増幅器25の利得を適宜調節可能にするはずである。システムコントロー
ラ19は、回線感知機能34を用いてオンフック状態を感知する。実際に、加入
者局設備13または通信回線14について空き状態と考える前に、少なくとも1
.55秒間のオンフック継続期間を、システムコントローラ19によって計時す
る必要があり、フラッシュのような間違って解釈された直流信号を防止する。加
入者局設備13または通話回路14が続いてオフフック状態に進むとき、システ
ムコントローラは、バッファBNにおいて特定された平衡ネットワークの選択に
変更し、差動増幅器利得25を適宜調節する。
【0067】 チップ・リング近端音声通話消去システムは、多重平衡ネットワークまたは調
節可能なネットワークの使用を可能にするので、システムの消去性能は必要に応
じて改良されまたは整合が取られる。追加の平衡ネットワークは、インピーダン
ス整合の観点から、ループ12および局装置11のインピーダンスの領域全体に
わたってさらに良好な適応性を提供する。
【0068】 本発明の別の態様による電流感知機能の実装を用いる近端音声通話消去システ
ム110の構成図を図7に示す。このシステムの動作は、図6の電圧感応機能の
実装に類似する。目的は、依然として、ループおよび局装置のインピーダンスと
整合された鏡像を有するミラー回路を備えたホイートストンブリッジを形成する
ことにある。R1 17のような受動エレメントを用いて、回線インピーダンス
を感知することを試みるよりも、図7に示す実施態様は、能動部品を使用する。
詳細には、インピーダンスR1 17と、インピーダンスR2 23、R3 2
4およびR4 32の組合せとが、ミラー電流源117および124として構成
されるトランジスタ対によって置き換えられる。詳細には、トランジスタQ1は
、インピーダンスR1 17に置き換わり、トランジスタQ2および抵抗器Rw
はインピーダンスR2 23、R3 24およびR4 32に置き換わる。
【0069】 近端音声通話消去システム110の電流感知機能の実装は、トランジスタ電流
源の構成の特性を使って、これによって、同一対の各トランジスタのベースと共
通グランド(アース)の間の共通電圧に起因して、ベースがコレクタに接続され
たダイオードとして構成されたトランジスタを流れる基準電流は、大きさと位相
の双方において、その相対物によってミラーリングされる。二次チップ・リング
インタフェース上の加入者局設備を通る電流すなわち基準電流は、トランジスタ
Q2によってミラーリングされ、平衡ネットワークを流れる鏡像電流を生成する
はずである。基準電流源において、トランジスタのエミッタ領域が同じであれば
、基準電流は鏡像電流と同じであるはずである。
【0070】 ブリッジのミラー回路による一次チップ・リングインタフェースへの過剰負荷
を防止するために、平衡ネットワークインピーダンスの値は、係数Kによって適
切に整合がとれなければならない。電圧感知機能の実装によりインピーダンスの
整合をとる代わりに、電流感知機能の実装は、係数Kによってミラー電流Imの
整合をとる。既に述べたネットワーク選択手順を用いて、ループと局装置の組合
せインピーダンスと、ネットワークM1からMnまでの平衡ネットワークとの間
の整合がとられ、平衡ネットワークのインピーダンスが、係数Kだけ大きくなり
、トランジスタ電流源は、ブリッジの中央タップに同じ電圧を生成する。
【0071】 この構成が、受信通話路上の二次チップ・リングインタフェースから近端音声
通話をどのように消去するかを例示するために、一次チップ・リングインタフェ
ースから信号へのアクセスを提供する状態のままで、ループと局装置の組合せイ
ンピーダンスがRsであり、平衡ネットワークがK*Rsの整合インピーダンス
をもつものと仮定する。Vdcの直流電圧源およびVx*sin(wt)の交流
電圧源を、ループおよび局装置の抵抗Rsに直列に配置する。さらに、二次チッ
プ・リングインタフェースは、Rxのインピーダンスをもつものと仮定する。
【0072】 電流源トランジスタQ1のダイオード降下を無視すると、基準電流Irefは
、(Vdc+Vx*sin(wt))/(Rs+Rx)に等しい。したがって、
ミラー電流は、(Vdc+Vx*sin(wt))/(K*(Rs+Rx))で
ある。したがって、平衡ネットワーク両端の電圧は、(Vdc+Vx*sin(
wt))*Rs/(Rs+Rx)である。ループおよび局装置両端の電圧は、(
Vdc+Vx*sin(wt))*Rx/(Rs+Rx)である。差動増幅器を
用いてこれらの電圧を合計すると、Vx*sin(wt)*(Rx−Rs)/(
Rs+Rx)の電圧を受信通話路に提供する。したがって、一次チップ・リング
インタフェース上の信号は、受信通話路上に現れる。
【0073】 ここで、二次チップ・リングインタフェースがそのインピーダンスRxと直列
に接続されたVx*sin(wt)の交流電圧源を有し、局装置からの交流源は
オフ、すなわち、Vs=0であるものと仮定する。基準電流は、(Vdc−Vx
*sin(wt))/(Rs+Rx)に等しいはずである。ミラー電流Imは、
(Vdc−Vx*sin(wt))/(K*(Rs+Rx))に等しい。平衡ネ
ットワーク両端の電圧は(Vdc−Vx*sin(wt))*Rs/(Rs+R
x)に等しいはずである。ループおよび局装置両端の電圧は、(Vdc−Vx*
sin(wt))*Rs/(Rs+Rx)である。差動増幅器を用いてこれらの
電圧を合計すれば、ゼロ電圧が受信通話路に得られる。二次チップ・リングイン
タフェースからの交流信号は、受信通話路上において効果的に消去された。
【0074】 電流感知機能の実装は、少なくとも3点で電圧感知機能の実装よりも優れてい
る。第1に、トランジスタ電流源の両端における電圧降下は、ほぼ0.5から0
.7ボルトで固定され、電圧降下は、加入者局設備の電流が増大するにつれて、
線形的に増大しない。これは、感知インピーダンスに生成されるライン電圧にお
ける増加を抑制し、局装置に対してシステムを透過的にする。第2に、電流感知
機能の実装は、集積回路の製造プロセスにとっていっそう有利である。インピー
ダンスR1 17のために必要とされる高電力抵抗が排除されるからである。第
3に、電流源の実施態様は、類似した特性のトランジスタを使用することによっ
て、調節可能な抵抗ラダーR3 24の必要性を排除する。抵抗ラダーは、既に
述べた手順と同様の手順を用いて、ミラー電流Imを微調整するために使用でき
るが、差動増幅器に供給される電圧は、抵抗Rwの値に対してさほど敏感でない
ので、おそらくその必要はないはずである。
【0075】 当技術分野における業者は、図7および添付の記述が、集積回路に関する本発
明を実行するための単なる手段であることに留意されたい。したがって、図6お
よび図7に示される機能を達成することの可能な集積回路要素の他の配置構成が
あり得る。詳細には、図7のトランジスタは、たとえば、二極電流源を供給する
トランジスタの他の組合せによって置き換え可能である。
【0076】 (デジタル強調システム) 図6に示した近端音声通話消去システムにおいて、近端音声通話の消去は、整
合のとれたインピーダンスを電話回線のインピーダンスと整合させることによっ
て達成される。2つの信号がホイートストンブリッジの中央部から取り出され、
差動増幅器25の入力へ供給される。インピーダンスが適切に整合されていると
き、取り出された各信号は、等量の振幅および同期した位相の近端音声通話信号
を含む。差動増幅器25は、取り出された2つの信号を減算し、それによって近
端音声通話成分を消去し、局装置11およびループ12からシステム10に入る
これらの信号のみを含む合成受信信号31を生成する。この技術は、アナログ的
であり、最小限度のインタフェース回路を用いて電話回線に接続することが必要
で、高価ではない付属デバイスに対しては有益である。
【0077】 図6に示す消去システムは、ホイートストンブリッジを完成するようにミラー
ネットワークを接続する1組のスイッチング要素22の使用について教示する。
場合によっては、これらのスイッチング要素の必要性を除去すること、または、
追加ネットワークを加えることなしに消去性能をさらに改良することが望ましい
。本出願において既に開示済みの一代替案は、各ネットワークをミラー感知イン
ピーダンス23、24、32、および、一次チップ・リングインタフェース29
に永久的に接続することである。この構成において、多重平衡ネットワークの使
用は、複数の永久的に接続されたホイートストンブリッジのミラー節点を生成す
る。この場合、各平衡ネットワークは、それ自身のミラー感知インピーダンス2
3、14、32を有する。ただし、この構成の実際的な使用は、少数のネットワ
ークに限られる。理由は、複数の永久的に接続されたミラーネットワークの存在
は、装置のオンフックのインピーダンスを下げるからである。使用されるネット
ワークが多すぎると、システム10のオンフックインピーダンスは、信頼できる
発信および発呼者IDのようなオンフックデータの受信に対して、望ましくない
状態を引き起こす。
【0078】 スイッチング要素22を任意の状態にするか、または、近端音声通話消去性能
をさらに改良するために、数学的方法が図8に示す構成を用いて中央処理装置に
より実行可能である。図8は、スイッチング要素22は存在するが、単一または
複数の永久的なネットワークによって置き換えることができる。図10のシステ
ム100は、デジタルワードを加算および乗算可能な中央処理装置190を有し
、位相シフタ101および利得制御装置103を含む。大部分のエコー消去シス
テムとは異なり、このシステム100の一意的な属性は、それが低い処理能力を
要求することである。これは、簡単なマイクロコントローラが、ディジタル信号
プロセッサの代りに、近端音声通話消去を実施することを可能にする。このシス
テム100のさらに別の一意的属性は、付属品などの装置にとって適したデジタ
ルの消去能力を提供し、最小限のインタフェース回路を用いて電話回線に接続す
ることが必要なことである。近端音声通話消去システム10に関して既に記述し
た全ての利点は、図8に示すデジタルシステム100へ適用される。さらに、デ
ジタル消去システム100は、中央処理装置190によって、CAS検出器27
またはFSK復調器28がシミュレートされる(すなわち、数学的に実施される
)ような用途に理想的に適する。
【0079】 高いレベルにおいて、数学的消去方法は、1)複合信号ソース15を較正信号
として供給し、2)ホイートストンブリッジの中央部から引き出された信号10
4と105とをサンプリングし、3)ミラー信号105を基準信号104と整合
させる最良の位相シフトおよび利得係数を決定する位相シフタ101および利得
制御装置103を利用し、4)複合信号ソースを除去し、サンプルされたミラー
信号105に最良の位相シフトおよび利得係数を適用し、5)基準信号104お
よび操作されたミラー信号が相互に減算される定常状態の操作を開始し、トーン
信号検出およびFSK復調を実施する数学的アルゴリズムか、または、アナログ
合成信号を生成するデジタルアナログ変換器102のどちらかへ接続可能なデジ
タル表現の合成信号を生成する。
【0080】 アナログシステム10と同様に、数学的消去方法は、システム100を適応さ
せる較正期間を必要とする。較正方法は、複合信号ソース15を回線へ供給する
ことによって開始される。複合信号ソース15は、正弦波のような簡単な信号ソ
ースであり、中央処理装置190が、このソースをオンまたはオフすることがで
きる。しかしながら、複合信号ソース15は、振幅および位相の両方が中央処理
装置190によって制御される信号であっても差し支えない。この種の信号は、
一連のシフトレジスタによって数学的に生成された疑似ノイズシーケンスであり
得る。この場合、複合信号ソース15は、直接のデジタル合成による信号生成の
ために中央処理装置190によってデジタルワードが供給されるデジタルアナロ
グ変換器であることが多い。この方法は、消去システム100のさらに正確な較
正を可能にする。
【0081】 数学的消去システム100は、ホイートストンブリッジの中央部から引き出さ
れた信号104と105とを、サンプリングするためのアナログデジタル(A/
D)変換器102を含む。これらの引き出された信号のサンプリングされたバー
ジョンは、合成信号を生成するために中央処理装置190によって操作され、こ
の場合、近端音声通話信号が消去される。較正プロセスの開始に際して、引き出
された信号の各々に存在する複合信号の位相および振幅が同じである可能性は小
さい。較正期間中、中央処理装置190は、最適な位相シフトおよび振幅係数を
決定しようと試みる。これらの信号の1つが操作され、合成信号を最小限化する
ことを目標として合成信号の測定結果のフィードバックを得る。操作される信号
は、ホイートストンブリッジから引き出されたミラー信号105のサンプリング
されたバージョンである。ホイートストンブリッジの他方の脚から取り出された
信号104のサンプリングされたバージョンは、基準信号として作用するはずで
ある。
【0082】 中央処理装置190が複合信号ソース15に接続し、これを作動させ、アナロ
グデジタル変換器102を用いて、引き出された信号104および105両方を
サンプリングすることによって、システム適合プロセスが開始する。信号は、複
合信号の最高周波数の20倍以上のレートでサンプリングされることが好ましい
。ミラー信号105は、基準信号104より、位相外れであること、時間的にシ
フトしていること、および、振幅が異なるであろう。数学的キャンセラの較正に
おける第1ステップは、引き出された信号104と105の間の位相差および時
間的シフトを決定することである。これは、先ず、引き出された信号の3周期[
3/(1000T)ms]以上を収集して記憶することによって達成される。各
信号のサンプルは、同時に収集されることが好ましい。サンプリングされて記憶
されることが必要な信号の全体量は、引き出された信号間の予測される時間シフ
トの約2倍である。
【0083】 メモリまたは記憶装置106にいったん収集されると、次に、中央処理装置1
90は、組織的なアルゴリズムに従い、サンプリングされたミラー信号105に
必要とされる最適時間シフトを決定する。いくつかの探索アルゴリズムが適用可
能である。最も簡単な方法は、固定された増分ステップで、時間シフトレンジを
使用する。中央処理装置190は、サンプリングされたミラー信号105のコピ
ーを作成し、時間シフトレンジの下側端部から開始して、ミラー信号105に時
間シフトを適用する。時間シフトは、信号遅延、容量性位相遅れおよび誘導性位
相進みに対して、正負両方であり得る。時間シフトはいくつかの方法で実行され
得るが、最も簡単な方法は、1サンプルの固定された増分によって、全ての点を
シフトすることである。
【0084】 図9に示すように時間シフトが適用された後で、変更されたミラー信号105
は、サンプリングされた基準信号104から差し引かれる。減算プロセスは、サ
ンプリングされて引き出された信号の継続期間内に所在するウィンドウ全体にわ
たって行われる。比較的小さなウィンドウが用いられ、ミラー信号105内にシ
フトが起きるにつれて、減算の計算を実施するために十分なサンプルポイントが
存在するようにする。ウィンドウは、サンプリングされる基準信号104の中心
部分に確立されることが好ましい。ウィンドウのサイズは、信号遅れおよび信号
進み両方の状況に対して計算可能である、サンプリングされた基準信号の長さの
4分の1であることが好ましい。
【0085】 減算プロセスの後で、合成ディジタル信号は、信号電力の平均二乗推定値を生
成するように、信号レベル推定アルゴリズム107によって処理される。信号レ
ベル推定器は、時間シフト係数を推定するに値する数値として用いられる単一の
電力推定値を生成する。信号電力推定値は、Lowest_power_estimateと呼ばれる
記憶された値と比較される。最初に、Lowest_power_estimate変数は、最大のデ
ジタル値に設定される。測定された信号電力推定値が、Lowest_power_estimate
値よりも低ければ、Lowest_power_estimate値は、新しく測定された信号電力推
定値に更新され、ミラー信号に提供される時間シフト係数は、Best_time_shift_
estimateと呼ばれる変数内に記憶される。ここで、アルゴリズムは、ループして
から、時間シフトレンジ内における次のステップに進む。それは、サンプリング
されたミラー信号105の複製に、時間シフトの適用を繰り返し、減算および信
号電力推測プロセス、ならびに、記憶されている信号電力推定値との比較を繰り
返す。時間シフトレンジ全体がカバーされるまで、このプロセスは繰り返される
【0086】 信号電力推定値における勾配変化を追跡するさらに高度のアルゴリズムを使用
できる。勾配がさらに大きくなると、発散が発生し、さらにプロセスを継続する
必要がなくなる。この場合、この種のアルゴリズムは、さらに短い時間でプロセ
スを収斂するために役立つ。
【0087】 いったん最良の時間シフトが決定されると、サンプリングされたミラー信号の
記憶されている複製は、Best_time_shift_estimateを表わすために操作される。
Lowest_power_estimateは、最大のデジタル値に再び設定される。較正プロセス
における次のステップは、最も低い複合信号の戻りである利得率または減衰率を
見付けることである。
【0088】 さらにもう一度、いくつかの探索アルゴリズムが適用可能である。最も簡単な
方法は、固定された振幅レンジを使用し、好ましくはデジタルアナログ変換器の
1段階に等しい増分段階をもつ。この方法において、時間シフトされたミラー信
号は、振幅係数が乗算され、中央処理装置19は、既に述べたのと同様に、サン
プリングされた基準信号104からシフトされ、振幅調節されたミラー信号の減
算へ進む。手順を図10に示す。信号電力推定が実施され、最低の電力推定値の
探索が進行する。ただし、測定された信号電力推定値がLowest_power_estimate
より低いときは、変数Best_time_shift_estimateを更新する代りに、変数Best_a
mplitude_estimateが、シフトされたミラー信号を乗算するために用いられる係
数を記憶する。次に、アルゴリズムはループし、振幅レンジにおける次の段階へ
進む。このプロセスは、振幅レンジ全体がカバーされるまで繰り返される。同様
に、高度のアルゴリズムを使用して、最良の振幅係数をさらに迅速に収斂させる
ように信号電力推定値における勾配変化を追跡する。
【0089】 振幅レンジは、サンプリングされた基準信号のピークレベルおよびミラーリン
グされたまたはシフトされたミラー信号を比較することによって決定され得る。
振幅係数は、基準信号のピーク振幅対シフトされたミラー信号のピーク振幅比(
RSP/SMSP)を用いることにより推定することが可能である。基準信号の
ピーク振幅が、シフトされたミラー信号ピーク振幅より高ければ、追加の信号利
得が良好な消去のために必要とされる。ただし、信頼性を向上させるには、振幅
レンジは、上側端部において2*RSP/SMSPに設定され、下側端部におい
てSMSP/(RSP)に設定されなければならない。シフトされたミラー信号
のピーク振幅が、基準信号ピーク振幅より大きければ、反対の状態が存在し、減
衰が良好な消去のために望まれる。この場合、振幅レンジは、下側端部において
RSP/(2*SMSP)に設定され、上側端部においてSMSP/RSPに設
定されなければならない。あるいは、振幅レンジは、1/128から128のよ
うな固定レンジであってもよい。
【0090】 いったん時間シフトおよび振幅係数が既知になれば、中央処理装置190は、
複合信号ソース15をオフにして、電話回線から接続を遮断することによって較
正ルーチンから出る。次に、中央処理装置190は、振幅係数をBest_amplitude
_estimateとして確立し、時間シフト係数をBest_time_shift_estimateとして確
立する。次に、引き出された信号104および105の連続的なサンプリングを
開始し、時間シフトおよび振幅係数をリアルタイムでミラー信号のサンプリング
されたバージョンへ適用する。同様にリアルタイムで、中央処理装置190は、
シフトされ、振幅調節されたミラー信号を基準信号から引き算して、合成信号を
生成する。合成信号は、図6に示す受信信号31のサンプリングされた等価信号
である。手順は、図11に示される。この信号上で、近端音声通話は消去される
。次に、トーン信号検出器27またはFSK復調器28のデジタル実施態様へ渡
されるか、または、既に述べたようにアナログに再構成するためにデジタルアナ
ログ変換器へ渡されることが可能である。
【0091】 前述のアルゴリズムは、最低の信号電力推定値の合成信号を生成する時間シフ
トおよび振幅係数を見付けるために試行する。ほとんどの場合に、このアルゴリ
ズムで十分である。ただし、使用される複合信号に応じて、合成信号に対して局
部的に最小の電力推定条件に帰着するよう組み合わされた最良の時間シフトおよ
び振幅係数を見付けることは、前述のアルゴリズムにとって可能である。このよ
うな場合、二次元格子(振幅係数対時間シフト係数からなる)を系統的に処理す
る力任せの方法が推奨される。これらの係数を相互に無関係に識別しようと試行
する代りに、トライアルと誤差の結果が、図12に示すように格子内の各点にお
いて試行することによって得られる。最低の信号電力推定値を生成する組合せは
、定常状態で運用中に使用されるべき係数の対である。
【0092】 このアルゴリズムの収斂をさらに速くするためには、図13に示すように各点
を評価する代りに、格子内の第2点または第3点ごとに、初めに評価されること
ができる。しかし、各点における信号電力推定値は、記憶されなければならない
。初回のラウンドが完了した後で、中央処理装置19は、その四隅の点が最低の
合成信号電力推定値をもつ矩形である格子を探索する。四隅の点の信号電力推定
値が平均され、局所変数として記憶される。次に、中央処理装置19は、四隅の
点の座標を使用して、新規の振幅および時間シフトレンジを決定する。次に、そ
の空間に焦点を絞り、そのプロセスを所望回数だけ繰り返す。四隅の電力推定値
の新規と平均の差が、前回の四隅の電力推定値の平均からの2%差未満である点
において、プロセスが終了し、定常状態の運用へ切り替えを開始する。
【0093】 以上の記述は、本発明を例示しかつ解説するためにのみ呈示されたものである
。以上の記述は、網羅的であること、または、本発明を開示されたあらゆるの精
密な形式に限定することを意図するものではない。前述の教示の観点から見れば
多くの修正および改変が可能である。当技術分野における他の業者が、意図する
特定の用途に適する種々の修正を施して本発明を種々の実施形態において利用で
きるように、本発明の原理およびその実用的な適用を最もよく説明するために実
施形態が選定された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術によるチップ・リングトーン信号検出器の接続方法の構成図である。
【図2】 トーン信号検出のために近端音声通話を減衰させるように使用される従来技術
による電話ハイブリッドの構成図である。
【図3】 トーン信号検出のために近端音声通話を減衰させるように多重平衡ネットワー
ク、および/または、調節可能なネットワークを使用する従来技術による電話ハ
イブリッドの構成図である。
【図4】 トーン信号検出のために近端音声通話を減衰させるようにデジタルエコー消去
装置と関連して用いられる従来技術による電話ハイブリッドの構成図である。
【図5】 トーン信号検出のために近端音声通話を減衰させる従来技術による固定ホイー
トストンブリッジ配置構成の構成図である。
【図6】 電圧感知機能の実装を用いる本発明の近端音声通話消去システムの一実施形態
の構成図である。
【図7】 電流感知機能の実装を用いる本発明の近端音声通話消去システムの別の実施形
態の構成図である。
【図8】 デジタル的に強調された近端音声通話消去システムを例示的に示す図である。
【図9】 本発明の一態様に関するタイムシフティングおよびウィンドウの典型的構想を
示す図である。
【図10】 本発明の一態様に関するタイムシフティングおよび振幅調節の典型的構想を示
す図である。
【図11】 図11に示した実施形態に関して消去された信号を得る方法を示す図である。
【図12】 本発明の一態様に関する典型的な時間シフトおよび振幅グリッドを示す図であ
る。
【図13】 本発明の一態様に関する典型的な時間シフトおよび振幅グリッドを示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ・リングインタフェースのリード線の1つと直列な第
    1のインピーダンス要素であって、前記第1のインピーダンス要素と、前記チッ
    プ・リングのリード線に接続されたループおよび局装置のインピーダンスとが、
    ホイートストンブリッジの有する中心部から半分の一方に形成した第1のインピ
    ーダンス要素と、 ネットワークと、該ネットワークと直列に接続され、かつ、前記ホイートスト
    ンブリッジの他方の半分に形成した整合可能なインピーダンス要素とであって、
    前記チップ・リングのリード線に接続された前記ループおよび局装置の前記イン
    ピーダンスに係数Kを乗じたインピーダンスに整合する前記ネットワークのイン
    ピーダンスと、前記第1のインピーダンス要素のインピーダンスに係数Kを乗じ
    たインピーダンスに整合する前記整合可能なインピーダンス要素と、 前記ホイートストンブリッジの前記中心部の両端に接続された検出器であって、
    前記ホイートストンブリッジの前記一方の半分において、前記第1のインピーダ
    ンス要素と前記ループおよび局装置のインピーダンスとの間の接続点に接続され
    、かつ、前記ネットワークと前記ホイートストンブリッジの前記他方の半分の前
    記整合可能なインピーダンス要素との間の接続点に接続される前記検出器と を備えたことを特徴とする局装置に接続されたループのチップ・リングインタフ
    ェースのリード線に接続された近端音声通話消去のための結合体。
  2. 【請求項2】 前記ネットワークは、異なるインピーダンスの複数のネット
    ワークと、前記ループおよび局装置のインピーダンスを鏡映する前記ネットワー
    クの1つを選択する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の結合体。
  3. 【請求項3】 前記第1のインピーダンス要素は、既知の小さな抵抗値の抵
    抗器であり、前記整合可能なインピーダンスは、既知の値の抵抗器であることを
    特徴とする請求項2に記載の結合体。
  4. 【請求項4】 前記第1のインピーダンス要素は、既知の小さな抵抗値の抵
    抗器であり、前記整合可能なインピーダンス要素は、スイッチング可能な抵抗ラ
    ダーを含む抵抗器の直並列の組合せであることを特徴とする請求項2に記載の結
    合体。
  5. 【請求項5】 前記第1のインピーダンス要素は、第1のトランジスタまた
    はトランジスタの組合せであり、前記整合可能なインピーダンス要素は、第2の
    トランジスタまたはトランジスタの組合せであり、前記第2のトランジスタまた
    はトランジスタの組合せを通る電流に、前記第1のトランジスタまたはトランジ
    スタの組合せを通る電流を係数1/Kによって鏡映させる手段をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の結合体。
  6. 【請求項6】 前記検出器は、トーン信号検出器またはデータ受信器に、前
    記ループから発出されるトーン信号と共に減衰または消去された近端音声通話を
    供給する差動増幅器であることを特徴とする請求項1に記載の結合体。
  7. 【請求項7】 前記整合可能なインピーダンス要素のインピーダンスを変更
    し、前記整合可能なインピーダンス要素に前記第1のインピーダンス要素のイン
    ピーダンスを係数Kによって鏡映させるシステムコントローラをさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の結合体。
  8. 【請求項8】 前記第1のインピーダンス要素は、既知の小さな抵抗値の抵
    抗器であり、前記整合可能なインピーダンス要素は、固定抵抗器と並列の感知抵
    抗器と調節可能な抵抗ラダーとを有し、前記システムコントローラは、前記抵抗
    ラダーのタップを開閉し、前記整合可能なインピーダンス要素に、既知の小さな
    抵抗値の前記抵抗器のインピーダンスを係数Kによって鏡映させることを特徴と
    する請求項7に記載の結合体。
  9. 【請求項9】 前記ネットワークは、異なるインピーダンスの複数のネット
    ワークと、ホイートストンブリッジにおける前記ネットワークの1つと接続する
    ためのスイッチング手段とを有し、前記結合体は、前記ネットワークのうちどの
    ネットワークが前記ループおよび局装置のインピーダンスを係数Kによって鏡映
    するかを決定する手段を備え、前記システムコントローラは、前記決定手段に応
    答して、前記ネットワークの前記1または複数のスイッチング手段を操作するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の結合体。
  10. 【請求項10】 前記ネットワークは、異なるインピーダンスの複数のネッ
    トワークを有し、各々は前記チップ・リングインタフェースのリード線の1つと
    その整合可能なインピーダンスとに永久的に接続され、それにより前記ホイート
    ストンブリッジの複数の半分を形成することを特徴とする請求項8に記載の結合
    体。
  11. 【請求項11】 検出器は、前記第1のインピーダンス要素と前記ホイート
    ストンブリッジの一方の半分における前記ループおよび局装置のインピーダンス
    との間に接続され、かつ、各ネットワークと前記ホイートストンブリッジの各半
    分におけるその整合可能なインピーダンス要素との間の接続点に単独で接続され
    ることを特徴とする請求項10に記載の結合体。
  12. 【請求項12】 前記ネットワークは、異なるインピーダンスの永久的に接
    続された複数のネットワークを有し、前記結合体は、前記ネットワークのうちど
    のネットワークが前記ループおよび局装置のインピーダンスを係数Kによって鏡
    映するかを決定する手段を備え、前記システムコントローラは、前記決定手段に
    応答して、スイッチング手段を操作することにより検出器出力を選択する前記ス
    イッチング手段を操作することを特徴とする請求項11に記載の結合体。
  13. 【請求項13】 前記第1のインピーダンス要素は、第1のトランジスタま
    たはトランジスタ組合せであり、前記整合可能なインピーダンス要素が第2のト
    ランジスタまたはトランジスタ組合せであり、前記結合体は、前記システムコン
    トローラに応答して、前記第2のトランジスタを通る電流に、前記第1のトラン
    ジスタを通る電流を係数1/Kによって鏡映させる手段をさらに備えることを特
    徴とする請求項7に記載の結合体。
  14. 【請求項14】 前記ネットワークは、異なるインピーダンスの複数のネッ
    トワークと、前記ホイートストンブリッジにおける前記ネットワークの1つと接
    続するためのスイッチング手段を有し、前記結合体は、前記ネットワークのうち
    どのネットワークが前記ループおよび局装置のインピーダンスを係数Kにより鏡
    映するかを決定する手段を備え、前記システムコントローラは、前記決定手段に
    応答して、前記ネットワークの前記の1つのスイッチング手段を操作することを
    特徴とする請求項13に記載の結合体。
  15. 【請求項15】 ループおよび二次チップ・リングインタフェースからリー
    ド線を有する一次チップ・リングインタフェースに接続され、チップ・リングト
    ーン検出器における近端音声通話または信号を消去する装置であって、 前記一次チップ・リングインタフェースのどちらかのリード線と直列に接続さ
    れたセンサであって、前記センサと前記ループは、第1および第2のセンタタッ
    プを有するホイートストンブリッジの半分の一方に形成したセンサと、 前記センサのインピーダンスよりK倍大きいインピーダンスを有するミラー回
    路と、 前記二次チップ・リングに接続された平衡ネットワークであって、前記一次チ
    ップ・リングインタフェースにおいて遭遇するインピーダンスに最も良く整合す
    るような前記ミラー回路のインピーダンスを得るために選択可能であり、かつ、
    前記ミラー回路に接続され、前記ミラー回路および前記平衡ネットワークが前記
    ホイートストンブリッジの半分の他方からなる前記平衡ネットワークと、 前記ホイートストンブリッジのセンタタップの両端に接続された近端音声通話
    の消去を検出する手段を備えたことを特徴とする装置。
  16. 【請求項16】 前記センサは、小さな抵抗値を有する感知抵抗器を備えた
    ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記ミラー回路は、スイッチング可能な抵抗ラダーと並列
    の前記感知抵抗器よりわずかに大きいインピーダンスを有する第1の抵抗器を備
    え、前記抵抗ラダーは、第2の抵抗器と前記抵抗ラダーで組合わされた並列抵抗
    を、相殺するインピーダンスを有する前記第2の抵抗器と直列であることを特徴
    とする請求項16に記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記ミラー回路は、前記感知抵抗器よりK倍大きいインピ
    ーダンスを有する第1の抵抗器を備えたことを特徴とする請求項16に記載の装
    置。
  19. 【請求項19】 前記平衡ネットワークは、インピーダンスの異なる複数の
    ネットワークを有することを特徴とする請求項17に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記平衡ネットワークは、前記チップ・リングインタフェ
    ースのリード線の1つとその整合可能なインピーダンス要素とに、永久的に接続
    されていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記ホイートストンブリッジに前記ネットワークの1つま
    たは複数のネットワークを接続するスイッチング手段を有することを特徴とする
    請求項19に記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記検出器手段は、出力と第1入力と第2入力とを有する
    差動増幅器を備え、前記第1入力は、前記感知抵抗器に接続された前記一次チッ
    プ・リングインタフェースの前記リード線に容量的に結合され、前記第2入力は
    、前記平衡ネットワークと前記ミラー回路との間の共通ノードへ容量的に結合さ
    れ、前記出力は、トーン検出器またはデータ受信機に結合され、前記ループから
    発出されるトーン信号と共に減衰または消去された近端音声通話を、前記トーン
    検出器またはデータ受信機へ供給することを特徴とする請求項19に記載の装置
  23. 【請求項23】 複数の検出器の各々は、出力と第1入力と第2入力とを有
    し、各々の検出器の前記第1入力は、前記感知抵抗器に接続された前記一次チッ
    プ・リングインタフェースの前記リード線に容量的に結合され、前記検出器の前
    記第2入力は、前記平衡ネットワークと前記ミラー回路との間の共通ノードにそ
    れぞれ容量的に結合され、いくつかのホイートストンブリッジの各々の半分の回
    路1つについて1つの検出器を有し、前記検出器出力は、トーン検出器と、デー
    タ受信機と、前記ループから発出されるトーン信号を含む近端音声通話の消去の
    減衰を望む装置のいずれかに選択的に結合されることを特徴とする請求項19に
    記載の装置。
  24. 【請求項24】 バッファと、前記感知抵抗器を監視する手段と、前記抵抗
    ラダーを調整し、係数Kによって前記感知抵抗器に整合させる手段と、前記平衡
    ネットワークを前記二次チップ・リングインタフェースに接続する手段と、前記
    差動増幅器の利得を設定する手段と、前記平衡ネットワークのうちどの平衡ネッ
    トワークが前記一次チップ・リングインタフェースに現れるインピーダンスに最
    も良く整合するかを決定する手段とを有するシステムコントローラをさらに備え
    たことを特徴とする請求項22に記載の装置。
  25. 【請求項25】 バッファと、前記感知抵抗器を監視する手段と、前記差動
    増幅器の利得を設定する手段と、前記1組の差動増幅器のうちどの出力が近端信
    号の最も消去するかを決定する手段とを有するシステムコントローラをさらに備
    え、それによって前記一次チップ・リングインタフェースに現れる前記インピー
    ダンスに最も良く整合する前記平衡ネットワークを有する前記ホイートストンブ
    リッジの前記半分の回路を選択することを特徴とする請求項22に記載の装置。
  26. 【請求項26】 回線の状態を決定するために前記一次チップ・リングイン
    タフェースの両端に接続された電圧回線感知手段をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項25に記載の装置。
  27. 【請求項27】 較正プロセスの間、前記局装置によって発信音を除去する
    手段をさらに備えたことを特徴とする請求項26に記載の装置。
  28. 【請求項28】 前記検出器手段は、 前記ホイートストンブリッジの第1および第2センタタップに結合されたアナ
    ログデジタル変換器と、 デジタルワードを操作する手段と、メモリとを有する処理ユニットであって、
    前記アナログデジタル変換器に結合された処理ユニットと を備えたことを特徴とする請求項15に記載の装置。
  29. 【請求項29】 前記処理ユニットの制御の下にある複合信号ソースをさら
    に備えたことを特徴とする請求項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】 前記複合信号ソースは、前記処理ユニットによってデジタ
    ルワードが供給されるデジタルアナログ変換器を備えたことを特徴とする請求項
    29に記載の装置。
  31. 【請求項31】 前記処理ユニットのデジタルワード操作手段は、前記複合
    信号の約20倍またはそれ以上のレートでアナログ信号をサンプリングする手段
    を備えたことを特徴とする請求項28に記載の装置。
  32. 【請求項32】 前記処理ユニットのデジタルワード操作手段は、前記第1
    と第2センタタップに現れる信号の間の位相および時間シフトの差を決定する手
    段と、第2センタタップにおける時間シフトを最適化する手段とを有することを
    特徴とする請求項31に記載の装置。
  33. 【請求項33】 前記処理ユニットのデジタルワード操作手段は、前記第1
    と第2センタタップに現れる信号の間の振幅の差を決定する手段と、前記第2セ
    ンタタップにおける振幅を最適化する手段とを有することを特徴とする請求項3
    1に記載の装置。
  34. 【請求項34】 前記処理ユニットのデジタルワード操作手段は、前記第1
    タップに現れる信号と前記第2センタタップから引き出された最適化された信号
    とを引き算する手段を有することを特徴とする請求項31に記載の装置。
  35. 【請求項35】 前記チップ・リングインタフェースのリード線の1つと直
    列であり、前記ループおよび局装置と共に、第1および第2センタタップを有す
    るホイートストンブリッジの半分の一方を形成する第1のインピーダンス手段と
    、 既知のネットワークと直列であり、前記第1手段のインピーダンスよりK倍大
    きいインピーダンスを有し、前記ループと共に前記ホイートストンブリッジの前
    記第2の半分を形成する第2のインピーダンス手段と、 前記第1のインピーダンス手段および前記ループのインピーダンスに最も良く
    整合する前記第2のインピーダンス手段のミラーインピーダンスを決定するプロ
    セッサと、 近端信号を消去するための前記ホイートストンブリッジの前記センタタップの
    両端に接続された手段と を備えたことを特徴とするループからのチップ・リングインタフェースのリー
    ド線に接続されたトーン信号検出器の近端音声通話消去のための装置。
  36. 【請求項36】 前記プロセッサは、回線バッファと、エネルギーバッファ
    と、ネットワーク要素識別バッファとを含むことを特徴とする請求項35に記載
    の装置。
  37. 【請求項37】 前記プロセッサ手段は、位相シフト回路と、利得制御回路
    と、メモリと、信号レベル推定回路または機能的に等価であるデジタルアルゴリ
    ズムを含むことを特徴とする請求項35に記載の装置。
  38. 【請求項38】 第1のインピーダンス要素をチップ・リングインタフェ
    ースのリード線の1つと直列に接続するステップであって、前記第1のインピー
    ダンス要素と、前記ループと局装置のインピーダンスとが、第1および第2セン
    タタップを有するホイートストンブリッジの半分の一方を形成するステップと、 可変インピーダンス要素をネットワークと直列に結合し、前記ホイートストン
    ブリッジの半分の他方を形成して、前記可変インピーダンスとネットワークとが
    、前記第1のインピーダンスのインピーダンスと係数Kを乗じた前記ループの前
    記インピーダンスに整合するようにしたステップと、 前記第1のインピーダンス要素と前記ホイートストンブリッジの前記第1の半
    分における前記ループの前記インピーダンスとの間の接続点と、前記ネットワー
    クと前記ホイートストンブリッジの前記他方の半分の前記可変インピーダンス要
    素との間の接続点とにおいて前記ホイートストンブリッジの両端の前記信号を検
    出するステップと を備えることを特徴とする局装置が接続されたループからのチップ・リングの
    リード線に接続されたトーン信号検出器の近端音声通話消去方法。
  39. 【請求項39】 前記接続するステップは、 前記チップ・リングのリード線の両端の電圧を監視するサブステップと、 前記の監視された電圧に基づいて前記ループの前記チップ・リングのリード線
    の状態をシステムコントローラに示すサブステップと を備えることを特徴とする請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記結合するステップは、 前記表示された状態に応答して、前記ループの前記チップ・リングのリード線
    の両端に、直流回線の終端および較正信号を供給するサブステップと、 前記トーン信号検出器におけるエネルギーに比例するアナログまたはデジタル
    出力をシステムコントローラに供給するサブステップと、 前記システムコントローラに供給された前記アナログまたはデジタル出力に応
    答して、前記可変インピーダンスを選択的に調節し、前記可変インピーダンスが
    前記第1のインピーダンスの約K倍であるサブステップと、 近端音声通話エネルギーを最小化する前記ネットワークを、前記システムコン
    トローラによって選択的に選定するサブステップと、 前記接続されたネットワークに基づいて差動増幅器の出力を設定するサブステ
    ップと を備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記結合するステップは、 前記表示された状態に応答して、前記ループの前記チップ・リングのリード線
    の両端に、直流回線の終端および較正信号を供給するサブステップと、 前記較正信号に応答して、前記ホイートストンブリッジの前記第1および第2
    センタタップをサンプリングして基準信号を得るサブステップと、 前記基準信号を前記可変インピーダンスの両端に現れる信号に整合させる位相
    シフトおよび利得制御手段を使用して、整合された位相シフトおよび利得制御係
    数を生成するサブステップと、 前記整合された位相シフトおよび利得制御係数を前記可変インピーダンスの両
    端に現れる前記信号に適用し、操作された信号を生成するサブステップと、 前記操作された信号から前記標準信号を減算し、合成ディジタル信号を生成す
    るサブステップであって、近端信号は減衰または消去されているサブステップと を備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
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