JP2850702B2 - 伝送制御装置 - Google Patents

伝送制御装置

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JP2850702B2
JP2850702B2 JP5124679A JP12467993A JP2850702B2 JP 2850702 B2 JP2850702 B2 JP 2850702B2 JP 5124679 A JP5124679 A JP 5124679A JP 12467993 A JP12467993 A JP 12467993A JP 2850702 B2 JP2850702 B2 JP 2850702B2
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Iwasaki Tsushinki KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は伝送制御装置に関し、特
に2線式専用線などの回線を用いて音声信号帯域内で回
線捕捉信号あるいはダイヤル信号等の制御信号を送受信
し、また専用線の減衰特性等を補正する伝送制御装置
(インバンドリンガ)に関する。
【0002】
【従来の技術】インバンドリンガは、専用線等の回線を
用いて音声信号帯域内(0.3〜3.4kHz)で音声
信号あるいは回線捕捉信号等の制御信号を伝送する装置
である。このような装置では、良好な通話品質を得やす
く構造が簡単であるため、4線式の専用線を利用するの
が一般的である。しかし4線式では専用線の賃借料等維
持費が高くなる問題があるため2線式専用線で同等の機
能および性能を実現したいとの要求がある。図20は、
長距離伝送を行なう中継PBXを介して2線式専用線を
縦続接続した場合のシステム全体の構成図である。
【0003】インバンドリンガではダイヤル中あるいは
通話中に制御信号を重畳して伝送するが、インバンドリ
ンガ内部ではこの制御信号を除去し、話者に聞こえない
ようにする必要がある。制御信号を除去するには送信側
が送出する信号周波数と受信側の除去フィルタの中心周
波数が正確に一致してしている必要があり、抵抗器やコ
ンデンサといったアナログ部品で構成される発振器ある
いはフィルタを用いると、複雑な調整が必要となり、製
造しにくいといった問題があった。これを解決する方法
として、正確な基準周波数を用いてデジタル信号処理技
術により発振器あるいは除去フィルタを構成することで
無調整化を実現する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インバンドリンガ間で
用いる制御信号を正確に除去するためにデジタル信号処
理を行なうには、音声信号を含めて信号は全て量子化信
号に変換されねばならない。量子化信号には必ず量子化
雑音が含まれており、音声信号が存在しその電力が大き
い場合は量子化雑音電力は相対的に小さいので問題とな
らないが、音声信号が無い場合は量子化雑音が相対的に
大きくなり、話者に対し不快感を与えるという問題があ
った。特に、μ則のような非線形な振幅量子化を行なう
アナログデジタル変換器では振幅の大きな部分の量子化
間隔が広いため、振幅の大きい制御信号を変換すると比
較的大きなレベルの白色雑音が発生し、制御信号が除去
された後はその白色雑音が残ることになるから、その時
の音声信号電力が小さいと、マスキング効果が働かない
ために白色雑音が耳障りな音として聞こえてしまうとい
う問題点があった。本発明の目的は、伝送制御装置にお
いて、無音時に顕著となる雑音を不快感を与えない程度
に低減することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、制御信号を除
去した後の受信電力を測定し、電力が大きい場合は受信
信号に減衰を与えず、電力が小さい場合は減衰を与える
ことにより、制御信号伝送時の雑音レベルを強制的に下
げるところに特徴がある。
【0006】
【作用】本発明では、音声信号が無音のときは振幅を極
端に小さくしても違和感を与えることは少ないから、受
信信号電力を測定し、電力が小さい場合は電力に応じて
受信信号に減衰を与えることにより、話者に違和感を与
えることなく受信制御信号の量子化に起因する白色雑音
を減衰させることができる。
【0007】
【実施例】図21は本発明のインバンドリンガのハード
ウェア構成を示すブロック図である。インバンドリンガ
1は、2線式の回線とPBX2の間に接続されており、
PBX2とは、例えば図21に示すような6線式SR専
用線インターフェース(TTC標準JJ−21.10)
によって接続されている。送話線4WS、受話線4WR
はそれぞれの方向の音声信号を伝送し、上り制御線S
S、下り制御線SRはそれぞれの方向に、発呼、ダイヤ
ル、応答等の制御信号を伝送する。なお、PBX等との
インタフェースはこの他に、2線の伝送線に送受音声信
号と回線捕捉信号、呼び出し信号、ダイヤル信号等の制
御信号とを重畳する方法もある。
【0008】DSP(デジタルシグナルプロセッサ)1
0は高速の演算機能を備えたCPUである。図23はD
SPの構造の一例を示すブロック図である。DSP自体
は各種のものが市販されており、周知であるので詳細な
説明は省略するが、DSPに適当なプログラムを組み込
むことにより、フィルタ、信号の発生、検出など様々な
デジタル信号処理が可能となり、また外部の回路の制御
を行うこともできる。H13は2線4線変換回路、BN
14はH13の平衡をとるための複数個の回路を含むバ
ランス回路網(これらの回路については後述する。)、
AGC15は専用線での信号減衰量を補償するための可
変利得増幅器(これについても後述する。)である。
【0009】ADCb16はH13の4線側出力(AG
C出力)をデジタル信号に変換するためのアナログ−デ
ジタル変換器、DACb12はデジタル信号をアナログ
信号に変換するためのデジタル−アナログ変換器であ
る。ADCa11は入力音声信号をデジタル信号に変換
するためのアナログ−デジタル変換器、DACa17は
デジタル信号をアナログ信号に変換するためのデジタル
−アナログ変換器である。フォトカプラ18はSS信号
を受信し、DSP10の制御バス20に出力する。リレ
ー19はDSP10の制御により、制御信号をSR線に
送出する。
【0010】図1は本発明の2線式インバンドリンガの
機能を示す機能ブロック図である。本発明のインバンド
リンガは設置時に図示してない設定手段(例えばスイッ
チ)により機能選択がなされ、主局装置あるいは従局装
置に設定される。本発明では、従局に設定されたインバ
ンドリンガが先に専用線の特性を測定するためのテスト
信号を送信し、主局に設定されたインバンドリンガは、
それを受けて増幅器利得等の設定を開始する。主局ある
いは従局への設定は、いずれが先にテスト信号の送信を
行うか、また制御信号として主局用の周波数を用いるか
従局用の周波数を用いるかを区別するものである。主
局、従局ともに同一の構成であるから、図1を用いて各
構成要素を説明し、その後図2以降を用いて動作を説明
する。
【0011】図1において、ECbは2線4線変換部H
で生じる回り込み成分の伝達関数を推定するエコーキャ
ンセラ、ADbはECbの出力とHの4線側出力を減算
し回り込みを抑圧する減算器、WHNaは白色雑音発生
器、SWbはバランス回路網BNの選択あるいはエコー
キャンセラECbの適応フィルタタップ係数設定時に白
色雑音をHの4線側入力に入力するための切替えスイッ
チである。
【0012】MODはダイヤルパルスを変調する変調
器、OSCは1周波あるいは2周波からなる制御信号を
出力するための可変周波数発振器、BEFaはMOD又
はOSCから出力される制御信号の占有帯域に相当する
成分をPBX側より入力される音声信号から除去する帯
域阻止フィルタ、SWaは通話モード時に音声信号の全
帯域を通すためのスイッチ、DETは1周波あるいは2
周波からなる制御信号を受信し、その電力を測定すると
ともに信号の有無を判定する信号受信器、DEMはダイ
ヤルパルス変調波の復調を行う復調器、SWcは通話モ
ード時に音声信号の全帯域を通すためのスイッチ、BE
Fbは専用線から受信した信号中から制御信号の帯域に
相当する成分を除去する帯域阻止フィルタである。
【0013】EQは複数のイコライザカーブを持ち、そ
のうちの1つを用いて受信音声信号の高域減衰を補正す
るイコライザ、NRは、量子化雑音を低減するために受
信音声信号の電力に応じて利得を変える雑音低減器、W
HNbは白色雑音発生器、SWdはECaのタップ係数
設定時に白色雑音を受話線4WRに入力するためのスイ
ッチ、ECaはPBXの加入者回路の2線4線変換回路
で生じる回り込み成分の伝達関数を推定するエコーキャ
ンセラ、ADaは送話線4WSの信号からECaの出力
を減算し、回り込みを抑圧する減算器である。CONT
は制御バスを介してかく機能ブロックを制御する。IN
TはSS線、SR線とのインターフェース部であり、S
S線から受信した制御信号をCONTに転送し、またC
ONTからの制御信号をSR線に伝送する。
【0014】ここで上記各ブロックのうち機能が複雑な
ものについて信号処理方法を説明しておく。図22に回
路図を示す可変利得増幅器AGCは演算増幅器で構成さ
れ、増幅利得は複数の帰還回路(R1〜Rn)のうち1
つを選択することで実現され、帰還回路の選択はアナロ
グスイッチSWにバイナリコードを与えることで行な
う。
【0015】エコーキャンセラECaおよびECbは、
2線4線変換部に白色雑音を入力している時に減算器A
DaあるいはADbの出力が最小になるようタップ係数
を調整し、タップ係数の調整後はその値を保持するプリ
セット型エコーキャンセラであり、同定アルゴリズムに
は例えば学習同定法を用いる。なお、ECaおよびEC
bのトレーニング時には、確実にトレーニングが行なわ
れるよう白色雑音は音声信号と同レベルで印加される。
ECbの場合、初期設定動作中に行われるので問題は無
いが、ECaの場合にはPBXの通話路が形成されてか
らトレーニングを行うので、話者には大きな不快な雑音
として聞こえてしまう。不快感を軽減するには、被呼側
では回線捕捉検出直後あるいは発呼側では捕捉応答信号
停止直後にトレーニングを行ない、通話路切替音等によ
るマスクキング効果があるようにする。白色雑音発生器
WHNaおよびWHNbでは、例えば予め計算機で発生
させたランダム信号をROMに記憶しておき、それを読
み出すことで発生させる。変調器MODは、例えばダイ
ヤルパルスのブレーク期間に正相正弦波を出力し、メイ
ク期間に逆相正弦波を出力する位相変調で実現する。位
相変調であれば常時信号電力が存在し、単一周波数検出
手段で検出可能であり都合がよい。可変周波数発振器O
SCは例えば発振周波数をfiとしサンプリング周波数
をfsとしたときn番目の正弦波サンプル値は次式の実
数部または虚数部で表わされる。
【0016】exp(j2πnfi/fs) =exp(j2π(n-1)fi/fs)
・ exp(j2πfi/fs) . 従って、この式の右辺を逐次的に計算することで、すな
わち発振周波数に対応した係数cos(2 πfi/fs)およびsi
n(2 πfi/fs)を用いて複素演算を行うことで、所望の周
波数の正弦波を発生できる。帯域阻止フィルタBEFa
あるいはBEFbはIIRフィルタで構成してあり、複
数の阻止特性に対応した分母係数および分子係数をRO
Mに記憶しておき、通信手順上の必要に応じて、これら
係数を選択し演算する。2周波信号の除去にあたっては
1サンプルの処理中に2回前記係数を選び、フィルタ演
算を行なう。
【0017】信号受信器DETにおける信号検出は図1
6に示すように、先ず0.3〜3.4kHzの全ての帯
域内の電力Paを測定し、次に所望周波数の正弦波を通
過させる帯域通過フィルタにより信号帯域を選択し、そ
の選択された信号の電力Psを測定し、検出判定に当た
っては比Ps/Paが1のとき(実際にはノイズや誤差
があるので1より小さな値rp以上のとき)所望信号有
りと判定する。比Ps/Paが小さいときは受信信号が
所望信号以外の成分を多く含んでおり、誤検出となる可
能性が高いので合格判定としない。なおDETにおい
て、電力測定は時間窓内の平均を計算することで実現
し、帯域通過フィルタはIIRフィルタで構成してあ
り、複数の通過特性に対応した分母係数および分子係数
をROMに記憶しておき、検出周波数に応じてこれら係
数を選択演算し、また2周波の場合は帯域阻止フィルタ
と同様に2回演算することで実現する。復調器DEMは
帯域通過フィルタと捕捉信号の位相変化を判定する検出
器とで構成され、ダイヤルパルスを復調する。イコライ
ザEQおよび雑音低減器NRについては後に詳述する。
【0018】次に本発明によるインバンドリンガの初期
設定動作に入る手順及び初期設定動作終了後の待機状態
について図2(a)、図2(b)、図6(a)及び図6
(b)を用いて説明する。インバンドリンガの設置にあ
たっては工事業者がPBX等との伝送線及び2線式専用
線を接続し主局装置か従局装置かの設定を行い電源を投
入する。
【0019】電源投入が行われると、主局装置は図6
(a)に示すように2周波で成る待機信号S11をOS
Cから出力する。このときSWaはBEFa側に倒れ、
BEFaはS11を構成する2周波を阻止するようプロ
グラムされる。(以下特に断らない限り主局装置あるい
は従局装置ともOSCあるいはMODから制御信号を出
力する場合、SWaはBEFa側に倒れ、BEFaは出
力信号と同一周波数成分を阻止するようプログラムされ
るものとし、またSWcについても制御信号を受信する
状態ではBEFb側に倒すものとする)。主局装置は一
定時間(例えば1秒)の経過後、1周波でなるリセット
信号S12を出力して、従局装置に初期設定動作の開始
を指示し、従局装置から応答を兼ねた減衰特性測定用の
テスト信号S23が送られるのを待つ。テスト信号S2
3を受信すると初期設定動作へ移行する。なお、主局装
置は、待機状態において従局装置からリセット信号S2
2を受信するとリセット信号S12を出力し、電源投入
時と同じシーケンスで初期設定動作が起動されるように
する。
【0020】従局装置は図6(b)に示すように電源投
入直後、2周波からなる待機信号S21を一定時間出力
した後、リセット信号S22を出力し、主局装置に初期
設定動作の開始を指示し、主局装置から応答を兼ねたリ
セット信号S12が送られるのを待つ。従局装置はリセ
ット信号S12を受信すると直ちに減衰特性測定用テス
ト信号S23を出力し初期設定動作へ移行する。
【0021】図2(a)は主局装置の電源が先に投入さ
れ、主局装置が設定動作を開始するまでのシーケンスを
示し、図2(b)は従局装置の電源が先に投入され主局
装置で設定動作が開始されるまでのシーケンスを示す。
図2(a)および図2(b)から明らかなように、本発
明の手順によれば主局従局の電源投入順序によらず制御
手順の同期がとられることになるから、常に主局側の初
期設定が開始され、従局はそれに必要な信号を出力す
る。すなわち同期をとることで両者の装置の一方がテス
ト信号を出力し、それをもとに他方が専用線の特性を知
り補正することで人手を介さない初期設定が可能とな
る。
【0022】リセット信号に先立ち、待機信号を送出す
るように構成した理由は、インバンドリンガの動作途中
において、リセットスイッチ等により強制的に初期設定
を開始させる場合にも、一旦両者を待機状態に移行さ
せ、確実にリセット信号を検出するためである。すなわ
ち、2周波からなる待機信号は音声信号との区別もつけ
易く、また雑音による誤検出の可能性も極めて少ないか
ら、インバンドリンガがどの状態にあっても確実に受信
し、強制的に待機状態に復帰できる。待機状態では音声
信号は専用線に出力されず、リセット信号のような単周
波信号でも確実に検出できる。なおリセット信号を2周
波で構成することも可能であるが、次に述べる事情から
待機信号とリセット信号の両者を2周波信号とすること
は不利であり、待機信号のみを2周波構成としている。
すなわち3.4kHzの帯域のうち2kHz以下はダイ
ヤル伝送用のMF信号があるため強制的に動作を変更さ
せるような信号には割り当てられないこと、2周波構成
の場合、主局用従局用で4周波が必要になること、3k
Hz付近になると専用線による減衰が大きく制御信号と
して使用するには不適切であること等の事情が有り、リ
セット信号と待機信号の両者を2周波構成の信号として
狭い帯域に押し込むのは検出する上で不利となる。
【0023】次に本発明による初期設定動作について説
明する。主局装置は図7(a)に示すように、テスト信
号S23を受信するとAGCとEQの設定を行なう。テ
スト信号S23は伝送帯域の中心付近の周波数fc(例
えば1.5kHz)と伝送帯域端付近の周波数fe(例
えば3kHz)の2周波で構成される信号で、従局装置
から2周波とも等しい振幅で送出される。周波数fcの
信号は専用線の減衰量の測定と従局装置の初期設定動作
の開始報知を兼ねた信号であり、周波数feの信号は高
域の減衰量を測定するための信号である。feは測定精
度をあげるために多周波としてもよい。主局装置はテス
ト信号S23すなわち周波数fcを信号受信器DETで
検出し、その時のfc電力をもとにROMに記憶されて
いる増幅器利得値表を参照し、該当する利得値に可変利
得増幅器AGCを設定する。
【0024】次に主局装置は周波数feの電力を測定し
(処理上は時分割処理で実現しているから、fcとfe
の電力測定は同時、即ち1サンプル内に行なわれ
る。)、これとfc電力との比をもとにイコライザ特性
を選択する。イコライザ特性の選択法については後に詳
述する。主局装置はイコライザ特性の選択終了後に終了
信号S14を出力する。S14送出中にfc電力がなく
なったならバランス回路網BNの選択に進む。テスト信
号S23(fc)の停止は無音そのものを検出すべきで
あるが、雑音が存在するため直接検出することは困難で
ある。従ってテスト信号S23の検出ができないことを
もって無音検出に代える(以降における無音検出も同様
の扱いである)。バランス回路網BNの選択において
は、WHNaから白色雑音を2線4線変換部Hに印加し
た状態で行なうが、詳細は後述する。
【0025】バランス回路網の選択後、主局装置はエコ
ーキャンセラECbのタップ係数のトレーニングを前述
のごとく行ない、トレーニング終了後、終了信号S15
を送出する。S15送出中に従局装置からテスト要求信
号S25を受信したならテスト信号S13の出力を開始
する。テスト信号S13は前記S23と同じ周波数構成
の信号である。S13を送出する期間は、従局装置がA
GCおよびEQの設定を行う時間であり予め定められ
る。その期間を過ぎても終了信号S24を検出できない
場合は、専用線の断線あるいは従局装置故障が考えられ
るので、アラーム表示を行う。S24を受信したなら信
号送出を停止し、従局装置が自ら白色雑音を出力し行う
トレーニングを妨害しないようにする。無音送出につい
ても一定時間経過後に終了信号が受信されないなら断線
あるいは故障と判断し、アラーム表示を行う。
【0026】従局の終了信号は、全ての初期設定動作が
終了した後であるから待機信号S21で兼ねる。待機信
号S21は従局装置が白色雑音に続けて出力するが、白
色雑音中には待機信号成分も含まれるので、何らかの対
策を行わないと主局は誤検出に至る。誤検出を防ぐた
め、前記説明のようにDETでは全帯域電力と所望信号
電力との比を参照し、両者が同程度であるときに真の終
了信号を受信したと判定する。このようにすれば送出側
で予め白色雑音から終了信号成分を除去して送出しなく
ても済む。白色雑音からある成分を除去してBN選択あ
るいはエコーキャンセラのタップ係数設定を行なわねば
ならないとしたら除去した帯域については情報が得られ
ないことになるから、正しい選択あるいは設定が行われ
ないことになる。
【0027】従局装置の初期設定動作は図7(b)に示
すようにテスト信号S23の送出から開始される。S2
3の送出中に一定の時間経過しても終了信号S14が主
局装置から送られてこない場合は、専用線の断線あるい
は主局装置の故障が考えられるのでアラーム表示を行
う。S14を受信したなら信号送出を停止し、タイマ監
視を行い、一定時間経過するようなら断線あるいは故障
とみなし、アラーム表示を行う。一定時間以内に終了信
号S15を前記DETで検出したならテスト要求信号S
25を出力し、テスト信号S13に含まれる前記伝送帯
域中心付近の信号(fc)の受信を待つ。S13を検出
したならAGCの利得設定を行い、イコライザ特性を選
択し、終了信号S24を出力する。S24送出後、テス
ト信号S13が検出されなくなったら、2線4線変換部
に白色雑音を印加し、バランス回路網BN及びエコーキ
ャンセラECbのトレーニングを行う。これらの動作が
終了した後、終了信号を兼ねた待機信号S21を出力し
待機状態に移る。
【0028】前記説明のアラーム表示において、主局装
置あるいは従局装置はアラームランプを点灯するととも
に、相手装置に待機信号を送出するアラーム状態にとど
まり、人手によりアラームの原因が除去された後に行わ
れるリセットにより再度初期設定動作に入る。図3は前
記説明の初期設定動作を主局装置と従局装置を対向させ
てシーケンス図として表わしたものである。
【0029】次に図12及び図13を用いてイコライザ
特性の選択法について説明する。専用線は図12に示す
ように様々な振幅周波数特性を持つ。すなわち専用線が
短距離の場合、C4で示すように振幅周波数特性はほぼ
平坦であり、中距離の場合C3あるいはC2で示すよう
に低域に較べ高域の減衰が大きくなり、長距離の場合C
1に示すように低域と高域の減衰差は極めて大きくな
る。この状態を放置し、イコライザによる補正を行わな
いと音声の明瞭度が悪くなり、通話に支障をきたす。図
12でfcは前記説明の伝送帯域中心付近の周波数であ
り、feは伝送帯域端部の周波数である。図では振幅周
波数特性をfcでの振幅値で規格化して表現してあり、
またr1、r2、r3はイコライザ特性判定用の域値で
ありfeにおける減衰量(比)を用いて表わす。
【0030】次に図13を用いてイコライザ特性の選択
法を説明する。テスト信号を受信したら、先ずfcでの
振幅レベルLcを測定し、次にfeでの振幅レベルLe
を測定し、両者の比r=Le/Lcを求め、求めた比r
と前記r1、r2、r3の大小比較を行い、該当する補
正特性すなわち図12に示した振幅周波数特性の逆特性
を選択する。本発明のイコライザ設定法では、例えばr
がr1以上でr2より小さい範囲の値として測定される
専用線に対しては、線種、伝送距離に関わらず最適特性
をC2の逆特性として判定する。従って準備する補正特
性の数が少ないと過補償あるいは補償不足になる危険が
多くなる。図12、図13は説明の都合で特性の数を4
本としているが、実際には8本程度は少なくとも必要で
ある。なお振幅レベルの測定はDETにおいてなされ、
帯域通過フィルタの出力を用いる。選択されるイコライ
ザ特性はROMにFIRフィルタのタップ係数として記
憶されており、選択後のタップ係数はFIRフィルタを
構成する係数RAMに転送され、以降再度初期設定動作
が行われるまで保持される。本発明の方法は、人手によ
り相手側から測定信号を入力し、測定側で同じく人手に
より信号レベルを測定し、最適補正フィルタを選択する
方法に較べれば、極めて短時間で終了する(帯域通過フ
ィルタの出力を平均し、測定する時間を100msにと
ったとすれば測定は2周波同時に行なえるから、選択動
作は100ms程度で終了する)。
【0031】次に図14及び図15を用いてBNの選択
について説明する。図14は図1の2線4線変換部Hと
バランス回路網BNを一体にして表わした回路図であ
る。図において、BNで表示した枠内のZ11とZ21
は1組の分圧回路を構成し、選択スイッチS11とS2
1を閉じることで選択される。同様にZ12〜Z14と
Z22〜Z24もそれぞれ分圧回路を構成し、選択スイ
ッチS12〜S14とS22〜S24により選択され
る。S11〜S14、S21〜S24はアナログスイッ
チICで実現される。ZLは専用線のインピーダンスを
表わし、Z0はZLと対になり分圧回路を構成する。2
線4線変換部はブリッジ回路であり、送信信号はcおよ
びd点の間に印加されてZLに出力され、Z0及びZL
の接続点aの電位とBN内の分圧回路接続点bの電位が
等しければ、両点の間に電圧は発生せず、送信信号の受
信信号への回り込みはない。
【0032】バランス回路網Z11・Z21、Z12・
Z22、Z13・Z23、及びZ14・Z24は、線種
及び伝送距離に依存して変化するZLの幾つかの場合
(図14では4つの場合)を考慮し、分圧電位がなるべ
く等しくなるよう計算機等を使い設計される。次にこれ
らのバランス回路網の中から最適なものを選ぶ選択法を
図15を用いて説明する。先ず図14のc点とd点の間
に、帯域内で平坦なスペクトラムを有する信号(白色雑
音)を印加する。次に仮の最小電力Pmin を極めて大き
な値に、最小電力を出力するバランス回路網番号Nmin
を0に初期化する。次にバランス回路網番号nを1と
し、図14のS11とS21を閉じ、図14a点とb点
の間に発生する受信電力をDETにおいて全電力Paと
して測定し、Pmin とPaを比較する。
【0033】n=1のときは必ずPaの方が小さいの
で、Pmin =Pa、Nmin =1となる。次にn=2とし
てS12とS22を閉じて(S11とS21は開く)、
受信信号電力Paを測定し、Pmin とPaの比較を行な
い、Paの方が小さければPmin =Pa、Nmin =2と
更新し、Paの方が大きければPmin 、Nmin を更新し
ないで、次のバランス回路網を選択するためnをインク
リメントし、n=3とする。以降同様にバランス回路網
を選択し、Pa測定を行なうことでPmin 、Nmin を更
新し、全てのバランス回路網について測定が終了した段
階でNmin に記憶されている番号を最適バランス回路網
の番号とし、選択スイッチの状態を固定する。以降、初
期設定動作が再起動されるまではこの状態を維持する。
なお説明の都合上、バランス回路網の数を4つとした
が、実際には専用線の線種数が多いので回り込み量を少
なくするため8組程度は最低必要である。本発明のBN
の選択は、人手により多数の周波数ポイントについて回
り込み量を測定し、例えば8組以上の中から最適なもの
を選び出すといった方法に較べ、明らかに効率が良く設
定時間は極めて短縮される。
【0034】次に図8〜図11を用いて待機状態、発呼
状態、被呼状態及び通話状態の動作について説明する。
図8〜図11は主局装置の動作を示すフローチャートで
あるが、従局装置も全く同様な動作であり、信号の記号
(例えばS11とS21、S19とS29等)が異なる
だけである。
【0035】待機状態では図8に示すように待機信号S
11を送出し、従局からのリセット信号S22を受信し
たなら初期設定動作へ移行し、自局の発呼を検出したな
ら待機信号S11の送出を停止して発呼状態へ移行し、
従局から捕捉信号S29を受信したなら待機信号S11
の送出を停止して被呼状態へ移行し、従局から待機信号
S21を受信したなら待機状態に留まり、前記いずれの
信号も一定時間以上受信できない場合は専用線の断線で
あるからオペレータに断線を知らせるためアラーム表示
を行う。
【0036】発呼状態では図9に示すように捕捉信号S
19を送出し、相手装置に回線捕捉を通知する。捕捉信
号S19の送出後、相手装置から捕捉応答信号S28が
送られるのを待つ。もし捕捉応答信号が一定時間以内に
検出できない場合、専用線の断線であるからアラーム表
示を行う。捕捉応答信号S28を受信したならパルスダ
イヤル変調を行う。パルスダイヤル変調は捕捉信号S1
9の周波数を搬送波とし行われる。なおPBダイヤル信
号の時はパルスがPBXから送出されないので捕捉信号
S19は変調されない。パルスダイヤル変調(変調され
ない場合も含める)と同時に捕捉応答信号S28が停止
されるのを待つ。本発明の実施例では通話状態で一切の
制御信号を出力せず、全ての帯域を通話に提供する。す
なわち被呼側装置は捕捉信号を受信し、捕捉応答信号出
力と並行してPBXに対し呼出しを行っている間にPB
Xから応答があると捕捉応答信号を停止する。
【0037】相手装置からの捕捉応答信号の停止を検出
すると無音を出力し、音声信号に全ての帯域を開放し通
話状態に移行するが、後に述べるウィンクスタートによ
る応答方式があるので、タイマを設け、一定期間以上捕
捉応答信号の停止状態が続いたことを確認してから通話
状態に移行する。エコーキャンセラECaのトレーニン
グは捕捉応答信号の停止を検出した時点直後に実施す
る。ECaは既に説明したようにPBXの通話路を含め
た回り込み経路の伝達関数を同定するものであるから、
発呼側PBXが通話路を形成した時点、すなわち発呼側
インバンドリンガが被呼応答をPBXに通知した時点直
後にトレーニングを行なう必要がある。ただし、後に述
べるウィンクスタートによる応答方式があるので、タイ
マを設けウィンクパルスの継続時間以上捕捉応答信号の
停止が検出された場合にのみタップ係数を固定し通話状
態に移行する。
【0038】被呼状態では図10に示すように、最初に
捕捉応答信号S18を出力する。同時にパルスダイヤル
の復調を行う。PBダイヤルの場合、捕捉信号S29は
変調されていないからPBXに対しダイヤルパルスは出
力されない。自局が捕捉応答信号S18を停止する前に
相手装置からの捕捉信号S29が一定時間以上受信され
ない場合は専用線の断線であるからアラーム表示を行
う。自局の回線捕捉(応答)を検出すると無音を出力
し、音声信号に全ての帯域を開放し、同時にエコーキャ
ンセラECaのトレーニングを行う。被呼の場合、応答
検出直後にPBX通話路が形成されるので、この時点で
ECaのトレーニングを行いタップ係数を固定し、通話
状態に移行する。ただし、後に述べるウィンクスタート
による応答方式があるので、タイマを設け、ウィンクパ
ルスの最長継続時間以上応答検出がなされた場合にのみ
タップ係数を固定し通話状態に移行する。
【0039】通話状態では図11に示すように制御信号
として無音を出力するとともに、待機信号S21の検
出、復旧検出(回線解放検出)を行う。待機信号S21
を検出したなら自局の復旧検出を行った後に待機状態に
戻る。相手装置より先に復旧を検出したなら待機信号S
11を出力し相手から待機信号21による応答があるの
を待つ。本発明による実施例では、通話中に断線検出用
の制御信号を流していないので直接的な断線検出はでき
ない。しかし、もし通話中に断線が発生したとするなら
話者は通話を継続させることができず受話器を置くはず
である。主局側の話者が先に受話器を置いたとする。待
機信号S11を出力すると断線でない場合、数秒以内に
相手側も受話器を置くから相手装置の待機信号S21が
受信されるが、断線の場合は一定時間(例えば1分)経
過しても受信されない。このことを利用し、自局から待
機信号S11を送出し一定時間経過後に待機信号S21
が受信されない場合は断線アラーム表示を行う。一定時
間内に待機信号S21が受信できた場合は待機状態に戻
る。
【0040】以上説明したように各状態において制御信
号を送出した場合には予定時間内に予定の応答が返って
くることを検出し、断線検出を行なうので、何時でも断
線検出ができる。図8〜図11において断線アラーム状
態では待機信号を出力し、アラームランプを点灯させて
その状態に留まり、強制リセットがなされると初期設定
動作に移る。
【0041】図4はこれまでに説明した発呼状態、被呼
状態及び通話状態を主局装置が発呼し、かつ先に通話終
了を通知する場合について説明するシーケンス図であ
る。図中ダイヤルトーンあるいはリングバックトーンは
被呼側PBXが出力する。図5は、図4でリングバック
トーンが出力されるまでのシーケンスを、SR専用線イ
ンタフェースを使いウィンクスタート方式で実行するシ
ーケンスに置き代えたものである。ウィンクスタート方
式では発呼側PBXは蓄積しているダイヤルを被呼側P
BXが出すウィンクパルスを受信してから送出する。本
発明の実施例では被呼側装置はウィンクパルスを捕捉応
答信号の停止に対応させて変調送出し、発呼側装置はこ
れを復調しPBXに伝達する。この場合、捕捉応答信号
が一定時間停止するので被呼応答と一致することになる
が、発呼側装置はウィンクパルスの継続時間に相当する
時間については発呼状態を保持し、所定時間以上捕捉応
答信号の停止が続いたら通話状態に移る。
【0042】次にECaの被呼状態におけるトレーニン
グについて図17を用いて説明する。ウィンクスタート
の場合はウインクパルスが出力されている間のPBXの
状態は通話路を形成している状態にないので、この間で
トレーニングを行うと誤った回り込み伝達関数を同定す
ることになる。すなわち図17に示すようにウィンクス
タート方式をとらない場合(a)では応答がなされた時
点で通話路が形成されるのに対し、ウィンクスタート方
式をとる場合(b)ではインバンドリンガから見ると回
線捕捉が2回行われることになり、1回目の応答では通
話路は形成されず、2回目の応答直後から通話路が形成
される。インバンドリンガを利用する者にとってPBX
間のハンドシェーク方式が異なるからといってインバン
ドリンガの機種が異なったり設定が異なるといったこと
はない方が望ましい。従ってウィンクスタート方式であ
ってもそれ以外であっても区別せずにエコーキャンセラ
のトレーニングが正常に行えなければならない。
【0043】これを解決するためには、図17(c)に
示すように回線捕捉が行われた直後に必ずトレーニング
をやり直すことにすれば良い。そのため本発明の実施例
の被呼状態では図10に示すように、応答を検出したら
タイマを起動し、タイマが満了とならない間はPBX通
話路の形成如何に関わらずECaのトレーニングを行
い、タイマが満了したらタップ係数を固定する。なお、
ECaのトレーニングでは回り込み減衰量の測定を行っ
ており、回り込み減衰量が予定以上になったらタップ係
数の更新を行わないようにしている。また白色雑音を用
いて学習しているのでトレーニング時間は短時間(50
ms以内)である。従って応答検出時にセットされるタ
イマの時間とECaのトレーニングとは直接的な関係は
なく、トレーニングはウィンクパルス幅に較べれば十分
短い時間で終了する。発呼状態のECaのトレーニング
とウィンクスタート方式との関わりを説明すると、PB
Xの通話路が確実に形成される時点は、発呼側インバン
ドリンガが捕捉応答信号の停止を検出し応答信号をPB
Xに対し出力した時点であるから、図9に示すように通
話状態への移行直前のECaのトレーニング結果を採用
すれば、ウィンクスタート方式であるか否かに関わらず
正常なトレーニングができる。
【0044】次に雑音低減器NRについて説明する。発
呼状態において、話者が回線捕捉してから相手が応答す
るまでの間は、捕捉信号及び捕捉応答信号が伝送帯域の
一部を使って相互に伝送される。そしてこれら制御信号
は受信側の帯域阻止フィルタBEFbによって除去さ
れ、残りが通話信号として話者に聞こえる。特に発呼側
の話者はこれら制御信号の伝送中にも受話器を耳にあて
ているので、BEFbで除去できない制御信号に起因す
る雑音が聞こえると不快な思いをする。さらに詳しく説
明するなら、制御信号は通話レベルと同等なレベルで伝
送されるから、PCMコーデックのような非線形AD変
換器を通すと大きな振幅部分で量子化間隔が粗くなり量
子化雑音が増える。すなわち制御信号をAD変換すると
原信号のもつスペクトラムの他に広帯域スペクトラムを
もつ量子化雑音(白色雑音)が加わることになる。原信
号スペクトラムはBEFbによって除かれるが広帯域雑
音は除去されない。この広帯域雑音は音声信号に較べれ
ばレベルが小さいので、制御信号と同時に音声信号が伝
送されているときはマスキングされ問題とならない。し
かし発呼状態の場合は音声信号の存在が稀であるから、
発呼側話者は雑音を知覚する。
【0045】本発明の実施例ではAD変換により生じた
雑音を知覚されない程度に低減するために、雑音低減器
NRをBEFbの後段に挿入している。図18及び図1
9を用いて雑音低減器NRの動作を説明する。量子化雑
音に音声信号等の大きな電力の信号が重畳されている場
合はマスキングされ、雑音は気にならないから、何ら処
理を施さなくて良い。一方、量子化雑音が殆どの電力を
占める場合は知覚されるので減衰させる。これを表現し
たのが図18で、信号電力がP1以下の場合は増幅利得
をG1(減衰)とし、信号電力がP2以上の場合はG0
(利得1)とし、P1以上P2以下の場合は信号電力に
比例させて利得を決める。図19は動作を説明するフロ
ーチャートであり、最初に信号電力Pを測定する。電力
は例えば5ms窓による移動平均を計算することで測定
する。次に測定電力Pと域値P1及びP2との比較を行
ない、電力範囲に応じて利得を決定する。なお通話状態
においては雑音低減器を動作させる必要はないから、例
えば測定電力PをP2以上の値に強制設定し、動作を停
止させる。なお、本発明の実施例による雑音低減器を挿
入しない場合には、量子化雑音を少なくするため信号振
幅によらず量子化ステップが一様であり、かつ非線形量
子化に相当する分解能を持たせるため高分解能なアナロ
グデジタル変換器が必要になる。
【0046】図24は、図19のフローチャートの機能
を実現するための、雑音低減器の内部構成を示す機能ブ
ロック図である。電力測定手段は入力信号の電力を測定
(算出)する。利得設定手段の構成要素である2個の比
較器は、図18におけるP1およびP2の値と信号電力
とを比較し、信号電力がP2以上、P2とP1の間、P
1以下の3つの範囲のいずれに属するかを識別する。利
得演算手段では、信号電力がP2以上の時には利得G0
(利得1)を出力し、P1以下の時には利得G1(G1
<G0、例えば0.3)を出力し、P1とP2の間の時
は信号電力に比例した利得G(G1<G<G0)で、例
えば、G=G1+{(P−P1)/(P2−P1)}・
(G0−G1)を出力する。可変増幅手段は、利得設定
手段で決められた利得で入力信号を増幅する。なお、設
定手段としてROM等のメモリを用いることも可能であ
る。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明は
以下に示すような効果がある。 (a)音声信号が無いときに知覚される量子化雑音を、
量子化雑音が信号電力の支配的構成電力であることを検
出し、その場合にのみ減衰させるようにしたから音声信
号に異常を与えることなく雑音低減ができる。 (b)雑音低減器を挿入することで分解能の高い高価な
アナログデジタル変換器を用いなくても話者に不快な雑
音を知覚させないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示す機能ブロック図
である。
【図2】 リセット直後の動作シーケンス図である。
【図3】 初期設定動作のシーケンス図である。
【図4】 通話状態を含むシーケンス図である。
【図5】 ウィンクスタート方式動作でのシーケンス図
である。
【図6】 リセット処理を説明するフローチャートであ
る。
【図7】 初期設定動作を説明するフローチャートであ
る。
【図8】 待機状態動作を説明するフローチャートであ
る。
【図9】 主局装置の発呼状態動作を説明するフローチ
ャートである。
【図10】 主局装置の被呼状態動作を説明するフロー
チャートである。
【図11】 主局装置の通話状態動作を説明するフロー
チャートである。
【図12】 イコライザ特性の説明図である。
【図13】 イコライザ特性選択動作を説明するフロー
チャートである。
【図14】 2線4線変換部及びバランス回路網の回路
図である。
【図15】 バランス回路網選択動作を説明するフロー
チャートである。
【図16】 受信信号検出を説明するフローチャートで
ある。
【図17】 ウィンクスタート方式を示すタイムチャー
トである。
【図18】 雑音低減器の特性説明図である。
【図19】 雑音低減動作を説明するフローチャートで
ある。
【図20】 中継PBXを介して2線式専用線を縦続接
続したネットワークの構成図である。
【図21】 本発明装置のハードウェアブロック図であ
る。
【図22】 AGC回路の回路図である。
【図23】 DSPの内部構成の一例を示すブロック図
である。
【図24】 雑音低減器の内部構成の一例を示す機能ブ
ロック図である。
【符号の説明】
1…インバンドリンガ、2…PBX、10…DSP、1
1、16…A/D変換器、12、17…D/A変換器、
13…2線4線変換回路、14…バランス回路網、15
…AGC回路、18…フォトカプラ、19…リレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04Q 3/42 H03M 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2線式回線を用いて、デジタル信号処理
    により発呼被呼制御を行う伝送制御装置において、 受信した信号から制御信号を除去する帯域除去フィルタ
    手段と、 前記帯域除去フィルタ手段の出力信号の電力を測定する
    測定手段と、 前記測定手段の測定値に応じて利得値を設定する利得設
    定手段と、 前記利得設定手段の設定利得値で前記帯域除去フィルタ
    手段の出力信号を増幅する可変利得増幅手段とを備え、 前記利得設定手段は、前記測定手段の測定値と、第1の
    所定電力値および該第1の所定電力値よりも小さい第2
    の所定電力値と比較し、前記測定手段の測定値が前記第
    1の所定電力値よりも大きい時には第1の設定利得値
    を、前記測定手段の測定値が前記第2の所定電力値より
    も小さい時には第2の設定利得値を、また前記測定手段
    の測定値が前記第1の所定電力値と第2の所定電力値の
    間にある時には 前記第1の設定利得値と第2の設定利
    得値との間であって、かつ前記測定手段の測定値に比例
    した利得値を出力するようにしたことを特徴とする伝送
    制御装置。
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