JP3319552B2 - 電話装置 - Google Patents

電話装置

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JP3319552B2
JP3319552B2 JP07486895A JP7486895A JP3319552B2 JP 3319552 B2 JP3319552 B2 JP 3319552B2 JP 07486895 A JP07486895 A JP 07486895A JP 7486895 A JP7486895 A JP 7486895A JP 3319552 B2 JP3319552 B2 JP 3319552B2
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伸男 松崎
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Toshiba Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二線式回線(加入者回線
やPBXの内線等)に接続して全二重通信を可能とする
ために、ハイブリッド・エコー・キャンセラ(HEC)
を構成要素に含む装置(主に電話機、ただし帯域分割に
よる全二重通信をするものを除く)におけるハイブリッ
ト・エコー・キャンセラのトレーニング方式を改良した
電話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通話路を2線‐4線変換する2線‐4線
変換部(ハイブリッド回路)を有する電話機や音声会議
システムなどでは、2線‐4線変換部の回り込み信号の
消去や回線での損失を補償するためにハイブリッド・エ
コー・キャンセラ(HEC)を設ける。
【0003】すなわち、ハイブリッド・エコー・キャン
セラを含む端末装置は図7に示す如きであり、1はマイ
クロフォン(送話器)、2はスピーカ(受話器)、3は
HECトレーニング信号発生回路、4aはアンプ、6は
疑似エコー発生回路、7は加算器、8はハイブリッド回
路、9は網制御回路、sw1は切替えスイッチである。
11aはハイブリッド・エコー・キャンセラ(HEC)
でこれは、HECトレーニング信号発生回路3、アンプ
4a、疑似エコー発生回路6、加算器7、切替えスイッ
チsw1より構成されている。また、12は制御部であ
り、例えば、マイクロプロセッサなどを使用して、トレ
ーニングモードでの切替えスイッチsw1の切り替えや
HECトレーニング信号発生回路3の制御および網制御
装置9の制御、疑似エコー発生回路6の制御等を行うよ
うにしてある。
【0004】これらのうち、マイクロフォン1は送話器
として話者の音声を電気信号に変換して送るためのもの
であり、スピーカ2は受話器として機能するもので、電
気信号を音声信号に変換するためのものである。
【0005】ハイブリッド回路8は、2線‐4線変換を
行う回路であり、2線構成の加入者回線や内線回線と4
線構成の送受話器側との対応をとるために線路を2線‐
4線変換するものである。ハイブリッド回路8の4線側
は送話側回線2線と受話側回線2線の4線に分けられ、
2線側は送受信兼用となる。
【0006】また、網制御回路9は交換機との接続制御
を行うためのものであり、交換機の起動、復旧、ダイア
ル信号の送出、呼出し信号の検出等を行う装置である。
ハイブリッド回路8は2線側を網制御回路9に接続さ
れ、この網制御回路9を介しては交換機と接続される。
【0007】また、HECトレーニング信号発生回路3
はハイブリッド・エコー・キャンセラ11aをトレーニ
ングするに必要なトレーニング信号を発生するためのも
のであり、アンプ4aはこのHECトレーニング信号発
生回路3の発生したトレーニング信号を増幅して所定レ
ベル範囲のトレーニング信号として出力するためのもの
である。疑似エコー発生回路6はハイブリッド回路8の
送話側回線および受話側回線の両信号を入力とし、これ
らよりエコー信号(反響信号)をキャンセルするための
疑似エコー信号を発生するためのものであり、加算器7
はこの疑似エコー発生回路6からの疑似エコー信号とハ
イブリッド回路8の受話側回線からの信号を加算して出
力するためのものであり、疑似エコー発生回路6に与え
るハイブリッド回路8の受話側回線からの信号は、実際
にはこの加算器7の出力を用いる。
【0008】切替えスイッチsw1はマイクロフォン1
側とアンプ4aの出力側のいずれか一方を選択して送話
側回線に接続するための回路切り替え用のスイッチであ
り、当該送話側回線には疑似エコー発生回路6およびハ
イブリッド回路8の4線側における送話側回線に接続さ
れている。切替えスイッチsw1は、トレーニングの時
のみ、アンプ4a側に切り替えられ、その他の時はマイ
クロフォン1側に切り替えられる。
【0009】スピーカ2は加算器7の出力側に接続され
る。なお、8´、9´、1´、2´は網を介して接続さ
れる相手方端末装置の構成要素であり、それぞれハイブ
リッド回路、網制御回路、マイクロフォン、スピーカを
示している。
【0010】このような構成において、通常の通話の際
には切替えスイッチsw1はマイクロフォン1側に切替
えられており、マイクロフォン1により得られた音声信
号はハイブリッド回路8により2線変換されてから網制
御回路9を介して網側に送られ、また、網側からの音声
信号は網制御回路9を介してハイブリッド回路8に送ら
れ、ここで2線‐4線変換されて加算器7を通り、スピ
ーカ2により音声に変換されることになる。
【0011】マイクロフォン1により得られた音声信号
はハイブリッド回路8により2線変換される際に回り込
みが生じてエコー信号(反響信号)としてスピーカ2に
戻る。このエコー信号は最適なレベルに減衰させるため
に、疑似エコー発生回路6があり、疑似エコー発生回路
6はマイクロフォン1により得られた音声信号を加算器
7からのフィードバック信号を参照しながらエコー信号
レベルが所定レベルになるようなレベルに調整してこれ
を疑似エコー信号として発生させ、加算器7に与えてこ
こでハイブリッド回路8から回り込んでくるエコー信号
に加算してキャンセルすることで、スピーカ2から必要
以上にエコーが出ないようにする。
【0012】ここでハイブリッド・エコー・キャンセラ
(HEC)は原信号入力レベルに対するエコー信号(反
響信号)のレベルを最適にするためにトレーニングをさ
せる必要がある。すなわち、従来のこの種の装置は、据
付(電源投入)時、または、手動操作によりトレーニン
グ指令を与えて疑似エコー発生回路6のトレーニング動
作を実施させ、これによりハイブリッド・エコー・キャ
ンセラ(HEC)がどのように動作すべきかトレーニン
グ(プリセット)しておき、その後の通信でHECがス
ムーズに動作するようにしておく必要があり、図8のフ
ローチャートに示すような手順により、制御部12がH
ECのトレーニングを実施していた。
【0013】このフローチャートを説明すると、切替え
スイッチsw1をアンプ4aの出力側に切替えた後、ま
ず初めに回線を捕捉する(S81)。そして、3秒間待
ってから(S82)、予め決めた値1桁をダイアルする
(S83)。つぎにHECのトレーニングを実施してか
ら(S84)、回線を開放する。
【0014】ここで回線捕捉後に予め決めた値1桁をダ
イアルするのは、交換機からの可聴信号を停止させるた
めであり、通常、公衆網ではダイアル信号を網に送ると
可聴信号は停止する。可聴信号が停止したならば、つぎ
にハイブリッド・エコー・キャンセラ(HEC)の持つ
HECトレーニング信号発生回路3からハイブリッド・
エコー・キャンセラ(HEC)のトレーニング信号を発
生させ、各周波数帯域でのエコー・キャンセルの最適レ
ベルをみつけて制御部12はそれをプリセットし、トレ
ーニングを終える。
【0015】なお、HECトレーニングは回線を捕捉し
た状態で所定のトレーニング信号を使用して行うため、
余分な信号はトレーニングの妨げになることから、回線
を捕捉した後に、交換機からの可聴信号を停止させた状
態とする必要がある。
【0016】しかしながら、上述のような図8の方法に
よると、交換機からの可聴信号を停止させるために、予
め決めた値1桁をダイアルするようにしており、この場
合、交換機からの可聴信号が必ず停止するとは限らない
と云う問題が残る。
【0017】例えば、図8のフローチャートに示す方法
では1桁ダイアルの作用として通常、予め設定しておい
た値を制御部12はダイアル発信するが、交換機によっ
ては、ビジー・トーン、セカンド・ダイアル・トーン等
が直ちに送られてくるようなものもあり、そのような余
計な信号が重畳された状態でトレーニングを行った場合
には、その結果得られたHECのプリセット値が最適と
ならずに、その後の通信がスムーズに行えない問題があ
った。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】2線‐4線変換するハ
イブリッド回路では4線側における送話側回線からの音
声信号が4線側における受話側回線に回り込むエコー信
号(反響信号)が避けられないので、そのエコー信号を
キャンセルさせるために、ハイブリッド・エコー・キャ
ンセラ(HEC)を設ける。そして、このハイブリッド
・エコー・キャンセラよりエコー信号をキャンセルさせ
るための疑似エコー信号を発生させるが、発生させる疑
似エコー信号のレベルを最適に設定するために、トレー
ニング信号を用いてこのハイブリッド・エコー・キャン
セラをトレーニングする必要がある。
【0019】ハイブリッド・エコー・キャンセラのトレ
ーニングは、電源投入時や手動操作によりトレーニング
指令を与えて実施させるが、そのためには交換機に接続
される回線の捕捉を行い、ダイアル発信を行って交換機
側からの可聴信号を停止させた状態にし、その後にトレ
ーニングを実施させる。
【0020】しかし、従来方法では、所定のダイアル番
号を用いてダイアル発信することにより、可聴信号を停
止させる方式を採用しているために、PBX(構内交換
機)に接続される端末である場合などでは、その番号で
可聴信号が停止しないこともあり、ハイブリッド・エコ
ー・キャンセラのトレーニング実施に当たり、一定レベ
ルのトレーニング信号を用いる従来のハイブリッド・エ
コー・キャンセラでは可聴信号が邪魔になって最適にト
レーニング出来ない場合があった。
【0021】そこで、この発明の目的とするところは、
エコー・キャンセラを有する電話装置において、そのエ
コー・キャンセラを最適にトレーニングができるように
した電話装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はつぎのように構成する。すなわち、通話線
路の2線‐4線変換を行う2線‐4線変換手段を有した
電話装置であって、その2線‐4線変換手段により4線
側の送話側回線から受話側回線に回り込むエコー信号の
除去のための相殺信号となる疑似エコー信号を前記送話
側回線からの信号から得て前記受話側回線に与えること
により、エコー信号を最適レベルにするエコー・キャン
セラを有し、このエコー・キャンセラはトレーニングモ
ードの際に前記送話側回線を介してトレーニング信号発
生手段よりトレーニング信号を得てこれと前記受話側回
線から得られるエコー信号を用いて疑似エコー信号のレ
ベルを設定するためのトレーニングを行わせるようにし
た電話装置において、第1には、2線側の回線を介して
与えられる可聴信号の有無を検出する可聴信号検出手段
と、トレーニングモードに設定されると交換機との接続
回線の捕捉を行い、回線捕捉されたならば予め設定され
た複数種のダイアル番号の一つを発信し、可聴信号検出
手段が可聴信号が切れたことを検知したとき、トレーニ
ングを実施させ、可聴信号が切れてないときは一旦、回
線を切断制御して再度、回線捕捉を行い、回線捕捉され
たならば前記複数種のダイアル番号のうちの別の一つを
発信し、可聴信号検出手段が可聴信号が切れたことを検
知したとき、トレーニングを実施させる制御処理をトレ
ーニング終了するまで実施する制御手段とを設けて構成
する。
【0023】また、第2には、2線側の回線を介して与
えられる可聴信号の有無を検出する可聴信号検出手段
と、着信相手の電話番号を用いた発信に際して、交換機
との接続回線の捕捉がなされると、ダイアル発信のため
のダイアル番号情報が1桁分、送出される毎にトレーニ
ングモードを実行し、可聴信号検出手段が可聴信号が切
れたことを検知したならば、トレーニングを実施させ、
可聴信号が切れてないときはつぎのダイアル番号が1桁
分、送出されると、可聴信号検出手段が可聴信号が切れ
たことを検知したとき、トレーニングを実施させる制御
処理をトレーニング終了するまでダイアル番号情報送出
毎に実施する制御手段とを設けて構成する。
【0024】また、第3には、ダイアル発信のためのダ
イアル番号情報送出が終わるとトレーニングを実施させ
る制御処理を実施する制御手段とを設けて構成する
【0025】さらに第5には、可聴信号の周波数帯域の
信号成分を濾波する可聴信号フィルタと、トレーニング
モードが実施されるとこの可聴信号フィルタを使用し、
受話側回線に回り込むエコー信号をこの可聴信号フィル
タを介してエコー・キャンセラに与えるべく制御する制
御手段とを設けて構成する。
【0026】
【作用】本発明は第1の構成の場合、トレーニングモー
ドに設定されると、制御手段は交換機との接続回線の捕
捉を行い、回線捕捉されたならば予め設定された複数種
のダイアル番号の一つを発信し、可聴信号検出手段が可
聴信号が切れたことを検知したとき、トレーニングを実
施させる。また、可聴信号が切れてないときは一旦、回
線を切断制御して再度、回線捕捉を行い、回線捕捉され
たならば前記複数種のダイアル番号のうちの別の一つを
発信し、可聴信号検出手段が可聴信号が切れたことを検
知したとき、トレーニングを実施させる。このような制
御処理をトレーニング終了するまでダイアル番号1桁分
送信毎に実施する。
【0027】この結果、可聴信号が切れるまで、番号を
変えながらダイアル発信をし直し、可聴信号が切れたな
らばトレーニングを実施するので、可聴信号が切れない
まま、トレーニングを行う事態を回避でき、エコー・キ
ャンセラの最適な運用を可能にする。
【0028】第2の構成の場合には、制御手段は、着信
相手の電話番号を用いてダイアル発信する際に、ダイア
ル番号情報が1桁分、送出される毎にトレーニングモー
ドを実行し、可聴信号検出手段が可聴信号が切れたこと
を検知したならば、トレーニングを実施させる。一方、
可聴信号が切れてないときはつぎのダイアル番号が1桁
分、送出されると、可聴信号検出手段が可聴信号が切れ
たことを検知したとき、トレーニングを実施させる制御
処理をトレーニング終了するまでダイアル番号情報送出
毎に実施する。
【0029】この構成では相手側にダイアル発信する際
に、ダイアル番号1桁分、送信毎に可聴信号が切れたト
レーニング最適実施可能状態であればトレーニングを実
施する。そのため、可聴信号が切れないまま、トレーニ
ングを行う事態を回避でき、エコー・キャンセラの最適
な運用を可能にする。
【0030】第3の構成の場合には、制御手段はダイア
ル発信のためのダイアル番号情報送出が終わるとトレー
ニングを実施させる。そのため、目的の着信相手の電話
番号に該当するダイアル番号をすべて送出して、交換機
側がその着信相手に接続処理を行っている段階での可聴
信号無しの期間に、トレーニングを実施させることがで
き、従って、時間的に無駄のない合理的な、しかも、最
適なトレーニングができるようになる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】この結果、可聴信号があってもこれが除去
されて可聴信号の無い状態と同様になり、可聴信号が切
れない状態のまま、可聴信号の影響を全く受けないでト
レーニングを実施できるようになる。そのため、可聴信
号をわざわざ切らなくとも、エコー・キャンセラを最適
な状態にトレーニングすることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (第1実施例)第1の例として、図1と図2により本発
明の一実施例を示す。
【0036】この例は、電源投入時に自動的に、または
随時、手動指令によりハイブリッド・エコー・キャンセ
ラ(HEC)をトレーニングする構成とした場合の例で
あり、可聴信号レベルを検出し、可聴信号が停止したこ
とを確認してHECをトレーニングする方式であって、
ハイブリッド・エコー・キャンセラの構成要素として可
聴信号除去フィルタを設けることにより、可聴信号の影
響を除去してハイブリッド・エコー・キャンセラをトレ
ーニングする構成を採用する。
【0037】図1は本発明の電話端末装置の構成を示す
ブロック図であり、1はマイクロフォン(送話器)、2
はスピーカ(受話器)、3はHECトレーニング信号発
生回路、4aはアンプ、6は疑似エコー発生回路、7は
加算器、8はハイブリッド回路、9は網制御回路、10
は可聴信号検出回路、sw1は切替えスイッチである。
11aはハイブリッド・エコー・キャンセラ(HEC)
でこれは従来のHECの構成であり、HECトレーニン
グ信号発生回路3、アンプ4a、疑似エコー発生回路
6、加算器7、切替えスイッチsw1より構成されてい
る。また、12は制御部であり、例えば、マイクロプロ
セッサなどを使用して、トレーニングモードでの切替え
スイッチsw1の切り替えやHECトレーニング信号発
生回路3の制御および網制御装置9の制御、疑似エコー
発生回路6の制御等を行うようにしてある。
【0038】これらのうち、マイクロフォン1は送話器
として話者の音声を電気信号に変換して送るためのもの
であり、スピーカ2は受話器として機能するもので、電
気信号を音声信号に変換するためのものである。
【0039】ハイブリッド回路8は、2線‐4線変換を
行う回路であり、2線構成の加入者回線や内線回線と4
線構成の送受話器側との対応をとるために線路を2線‐
4線変換するものである。ハイブリッド回路8の4線側
は送話側回線2線と受話側回線2線の4線に分けられ、
2線側は送受信兼用となる。
【0040】また、網制御回路9は交換機との接続制御
を行うためのものであり、交換機の起動、復旧、ダイア
ル信号の送出、呼出し信号の検出等を行う装置である。
ハイブリッド回路8は2線側を網制御回路9に接続さ
れ、この網制御回路9を介しては交換機と接続される。
【0041】また、HECトレーニング信号発生回路3
はハイブリッド・エコー・キャンセラ11aをトレーニ
ングするに必要なトレーニング信号を発生するためのも
のであり、アンプ4aはこのHECトレーニング信号発
生回路3の発生したトレーニング信号を増幅して出力す
るためのものである。疑似エコー発生回路6はハイブリ
ッド回路8の送話側回線および受話側回線の両信号を入
力とし、これらよりエコー信号(反響信号)をキャンセ
ルするための疑似エコー信号を発生するためのものであ
り、加算器7はこの疑似エコー発生回路6からの疑似エ
コー信号とハイブリッド回路8の受話側回線からの信号
を加算して出力するためのものであり、疑似エコー発生
回路6に与えるハイブリッド回路8の受話側回線からの
信号は、実際にはこの加算器7の出力を用いる。
【0042】切替えスイッチsw1はマイクロフォン1
側とアンプ4aの出力側のいずれか一方を選択して送話
側回線に接続するための回路切り替え用のスイッチであ
り、当該送話側回線には疑似エコー発生回路6およびハ
イブリッド回路8の4線側における送話側回線に接続さ
れている。切替えスイッチsw1は、トレーニングの時
のみ、アンプ4a側に切り替えられ、その他の時はマイ
クロフォン1側に切り替えられる。
【0043】スピーカ2は加算器7の出力側に接続され
る。また、可聴信号検出回路10はハイブリッド回路8
の4線変換側の受話側回線に接続されて、交換機側の回
線から送られてくる可聴信号の検出を行い、可聴信号が
停止状態にあるか、送出状態にあるかを示す検出信号を
発生する回路である。
【0044】なお、8´、9´、1´、2´は網を介し
て接続される相手方端末装置の構成要素であり、それぞ
れハイブリッド回路、網制御回路、マイクロフォン、ス
ピーカを示している。
【0045】このような構成において、通常の通話の際
には切替えスイッチsw1はマイクロフォン1側に切替
えられており、マイクロフォン1により得られた音声信
号はハイブリッド回路8により2線変換されてから網制
御回路9を介して網側に送られ、また、網側からの音声
信号は網制御回路9を介してハイブリッド回路8に送ら
れ、ここで2線‐4線変換されて加算器7を通り、スピ
ーカ2により音声に変換されることになる。
【0046】マイクロフォン1により得られた音声信号
はハイブリッド回路8により2線変換される際に4線変
換側の受話側回線に回り込みが生じてエコー信号(反響
信号)としてスピーカ2に戻る。このエコー信号を最適
なレベルに減衰させるために、疑似エコー発生回路6が
あり、疑似エコー発生回路6はマイクロフォン1により
得られた音声信号を加算器7からのフィードバック信号
を参照しながら、エコー信号レベルが所定レベルになる
ようなレベルに調整してこれを疑似エコー信号として発
生させ、加算器7に与えてここでハイブリッド回路8か
ら回り込んでくるエコー信号に加算してキャンセルする
ことで、スピーカ2から必要以上にエコーが出ないよう
にする。
【0047】疑似エコー発生回路6はトレーニングモー
ドにおいて、トレーニング信号と加算器7からのフィー
ドバック信号を用いてアダプティブ動作を行わせると、
エコーをキャンセルするような最適な疑似エコーを発生
するような設定値を見付けて設定値の更新を行うことが
でき、トレーニング終了後は送話側回線を介して得られ
る音声信号を当該設定値に従ったレベルで調整した疑似
エコー発生を発生させて加算器7に与え、ハイブリッド
回路8から回り込んでくるエコー信号に加算してキャン
セルすることで、スピーカ2から必要以上にエコーが出
ないようにする。
【0048】従って、ハイブリッド・エコー・キャンセ
ラ(HEC)は原信号入力レベルに対するエコー信号
(反響信号)のレベルを最適にするために疑似エコー発
生回路6のトレーニングをさせる必要がある。すなわ
ち、据付(電源投入)時、または、手動操作によりトレ
ーニング指令を与えて疑似エコー発生回路6のトレーニ
ング動作を実施させ、これによりハイブリッド・エコー
・キャンセラ(HEC)がどのように動作すべきかトレ
ーニング(プリセット)しておき(上記設定値の更
新)、その後の通信でHECがスムーズに動作するよう
にしておく必要があり、図2のフローチャートに示すよ
うな手順により、制御部12がハイブリッド・エコー・
キャンセラ11aのトレーニングを実施する。
【0049】このフローチャートに従い、本装置のトレ
ーニング制御動作を説明すると、電源投入時、あるい
は、手動操作により(図示しないダイアルキーや機能キ
ーの操作により)制御部12はトレーニング実行モ−ド
になり、図2のフローチャートに従ってトレーニングを
実施する。
【0050】制御部12にはトレーニングモードの時
に、自動ダイアルする値を“1”と設定してあるものと
する。制御部12はトレーニングモードに設定される
と、切替えスイッチsw1をアンプ4a側に切替える。
そしてつぎに制御部12はダイアルする値を“1”と設
定し(S1)、網制御回路9を制御して回線を捕捉する
(S2)。回線捕捉が成されたならば交換機側から可聴
信号が送出される。
【0051】そして、制御部12は回線捕捉が成された
ならば3秒間待ってから(S3)、上記ダイアルする値
(“1”)を網制御回路9に対してダイアル発信する
(S4)。このダイアル発信した“1”なるダイアル情
報は網制御回路9を介して交換機側に送られる。
【0052】つぎに可聴信号は停止したか否かをチェッ
クし(S5)、停止していればHECトレーニング信号
発生回路3を動作させてそのトレーニング信号を疑似エ
コー発生回路6に与え、疑似エコー発生回路6はこの信
号と加算器7を介して回り込んでくる信号を受けてスピ
ーカ2に回り込むエコー信号が最適となるような疑似エ
コーレベルとなるように疑似エコー発生回路6をプリセ
ットすると云ったHECのトレーニングを実施し(S
6)、トレーニングが終了したならば網制御回路9に制
御信号を送って回線を開放させる(S7)。
【0053】一方、ステップS5でのチェックの結果、
可聴信号が停止していなければ(可聴信号が検出されて
いれば)、網制御回路9に制御信号を送って回線を開放
する(S8)。そして、つぎにダイアルする値にさらに
“1”を加算する(S9)。そして、ダイアルする値は
“11”か否かを調べ(S10)、その結果、“11”
であればエラー処理をして終了する(S11)。また、
ステップS10でのチェック結果、ダイアルする値が
“11”でなければステップS12において回線復旧を
待ってステップS1に戻り、ステップS1以降の処理を
再度、実行する。但し、順次加算したダイアル番号値が
“9”になった次は“0”とし、その次に初めて“1
1”となるようにして、ダイアル番号の“1”から
“0”までの10種類すべてを順に自動ダイアルできる
ようにしてあるものとする。
【0054】本発明は、ハイブリッド・エコー・キャン
セラ(HEC)のトレーニングを行うにあたり、捕捉し
た回線からの可聴信号を切るために、ダイアルする番号
を最初は“1”とし、これで可聴信号が切れなければつ
ぎに“1”を加算した“2”をダイアルするようにし、
これで可聴信号が切れなければさらに“1”を加算した
“3”をダイアルするようにし、と云った具合にダイア
ル番号“10”(但し、実施例では“10”はダイアル
発信する番号は“0”として扱うようにしている。)ま
で順次トライするようにしたものである。
【0055】加入者網に接続された電話機等の通信端末
の場合は、通常、ダイアル操作機構における“1”,
“2”, …“9”,“0”までの10種の数字のうち
のいずれをダイアルしても、そのダイアルを実施した時
点で可聴信号(ダイアル・トーン)は停止するが、PB
X(構内交換機)に接続された電話機の場合には、内線
番号および特番のいずれにも使用されていない番号がダ
イアルされた場合には、PBXからは可聴信号としてビ
ジィー・トーンまたは発信規制音等が送り返されること
となって、ハイブリッド・エコー・キャンセラ(HE
C)のトレーニングが正常にできない場合が発生する。
【0056】図2の手順によれば、可聴信号が停止する
ダイアル番号が“1”“2”,〜“9”,“0”の10
種類のダイアル番号のいずれであっても、順次トライす
ることによって可聴信号が停止するダイアル番号を探し
あてることができ、その番号のダイアル発信により回線
側の可聴信号が停止したのを確認してハイブリッド・エ
コー・キャンセラのトレーニングを行うことから、ハイ
ブリッド・エコー・キャンセラのトレーニングを正常に
実行できるようになる。
【0057】以上は、ダイアル番号を一つずつ、順に試
して回線側からの可聴信号が停止する番号をみつけ、可
聴信号が停止した段階でハイブリッド・エコー・キャン
セラのトレーニングを行うようにしたものであり、10
種類あるダイアル番号を一つずつ、順に試してダイアル
し、可聴信号を停止させるようにしたもので、10種類
あるダイアル番号を一つずつ、順に試せば、PBXであ
っても特番に該当するものに突き当たることを利用して
可聴信号を停止させることができるようにしたから、そ
の段階でトレーニングを実施することで正常なトレーニ
ングを行うことができるようになる。従って、良好なエ
コー・キャンセルが可能になる。
【0058】第1実施例は、電源投入時あるいは手動に
よりトレーニングを指令した場合に、トレーニングを開
始させるようにし、トレーニングにあたり、可聴信号を
停止させるために、10種類あるダイアル番号を一つず
つ、順に試して、可聴信号が停止されたならばトレーニ
ングを実施するというものであるが、発信の都度、トレ
ーニングを行うようにすると装置状態や回線状態に応じ
てその都度最適な状態で通話できるようになるので、そ
の例を第2実施例として説明する。
【0059】(第2実施例)第2の実施例として、図3
および図4を参照して説明する。ハードウエアの構成は
図1と同じであるが、制御部12は発信の都度、トレー
ニングモ−ドに入るように図3および図4の処理を実施
するプログラムを持たせてある。
【0060】この例は、発信の都度、ハイブリッド・エ
コー・キャンセラ(HEC)をトレーニングすることが
出来るものであり、図3に示すように、図示しないダイ
アルキーを操作して、相手電話番号をダイアルする途中
の桁間で、HECトレーニング・サブルーチン・コール
を実行するようにし、これにより、ハイブリッド・エコ
ー・キャンセラをトレーニングすることができるように
した。
【0061】すなわち、ON‐HOOK(オンフック)
状態(電話機であれば電話機が切られた状態)にある装
置をOFF‐HOOK(オフフック;電話機であれば電
話機がダイアル発信可能な状態)することにより発信要
求ありと判断して(S21)制御部12は図3の処理に
入り、ハイブリッド・エコー・キャンセラのトレーニン
グが未完了としてして登録し(S22)、回線捕捉に移
る(S23)。そして、網制御回路により回線捕捉され
ると3秒間、待ち(S24;ただし、手動発信の場合は
不要)、1桁目のダイアル操作に移る(S25)。
【0062】制御部12は1桁目のダイアル操作がなさ
れると、ただちにサブルーチン・コールに入り、図4の
サブルーチンの処理に入る(S26)。図4のサブルー
チンの処理に入ると、制御部12はまずハイブリッド・
エコー・キャンセラのトレーニングが完了しているか否
かをチェックし(S41)、トレーニングが完了してい
ればこのサブルーチンを抜け、トレーニングが完了して
いなければ可聴信号が停止したか否かをチェックする
(S42)。その結果、可聴信号が停止していれば、ハ
イブリッド・エコー・キャンセラのトレーニングを実施
し(S43)、トレーニングが終わったならばハイブリ
ッド・エコー・キャンセラのトレーニングが完了と登録
して(S44)、このサブルーチンを抜ける。
【0063】ステップS42でのチェックの結果、可聴
信号が検出されている時は可聴信号が停止していないの
でこのサブルーチンを抜ける。サブルーチンを抜けると
ステップS27に移る。ここでN桁目(Nは1,2,3
…)のダイアルを実施し、次に再び、サブルーチン・コ
ールに入り、図4のサブルーチンの処理を行う(S2
8)。
【0064】この結果、前回のサブルーチン・コールの
際にトレーニングが行えなかった場合に今回のサブルー
チン・コールによってトレーニングを再度、試みること
ができ、また、前回まででトレーニングが終えていれば
ただちにサブルーチン・コールを抜けることができる。
【0065】サブルーチンを抜けるとステップS29に
移る。ここで次の桁のダイアルを行うと次に再び、サブ
ルーチン・コールに入り、図4のサブルーチンの処理を
行う(S30)。この結果、前回のサブルーチン・コー
ルの際にトレーニングが行えなかった場合に今回のサブ
ルーチン・コールによってトレーニングを再度、試みる
ことができ、また、前回まででトレーニングが終えてい
ればただちにサブルーチン・コールを抜けることができ
る。
【0066】そして、ダイアル操作が最終桁のダイアル
であったならば、回線側では必要桁分のダイアル情報が
揃ったことになるので、そのダイアル情報に基づく着信
先を呼ぶので、本装置側では、サブルーチン・コールを
抜けた段階で、相手側に対する呼び出し音が聞こえ、相
手が応答したならば通信をすることができるようになる
(S31)。
【0067】このように、本実施例はハイブリッド・エ
コー・キャンセラ(HEC)のトレーニングをダイアル
途中の桁間の可聴信号が停止している時に、トレーニン
グ信号を送出することで行うようにしたことを特徴とす
るものであり、ダイアル毎にハイブリッド・エコー・キ
ャンセラのトレーニングのためのサブルーチン・コール
を行い、サブルーチンでの処理は、トレーニングが未完
了の場合に、回線側の可聴信号が停止していれば、トレ
ーニングを実施すると云ったことを行うようにしたもの
であり、ダイアル発信する際のダイアルされるいずれか
の番号発信段階で回線側の可聴信号が停止することを利
用いてハイブリッド・エコー・キャンセラのトレーニン
グを実施することから、ダイアル通話を実施する毎に、
ハイブリッド・エコー・キャンセラのトレーニングを実
施できて、その時々の装置状態や回線状態に対応した最
適な状態にエコー・キャンセルできて良好な何時でも通
話を実施可能になる。しかも、この方式では第1実施例
のように、無効発呼をせずにハイブリッド・エコー・キ
ャンセラのトレーニングを行うことができる。
【0068】なお、図3に示す本実施例でのHECトレ
ーニング・サブルーチン・コールを、最終桁のダイアル
後のみとするようにしても良い。すなわち、ハイブリッ
ド・エコー・キャンセラ(HEC)のトレーニングを、
ダイアル終了後の接続制御期間に生じる可聴信号が停止
している時に、トレーニング信号を送出してトレーニン
グを実施するようにする。このようにすれば、HECト
レーニングのサブルーチン・コールを1度で済ますこと
ができて、制御時間の短縮に繋がり、しかも、ダイアル
終了後の接続処理時間での可聴信号が停止している時に
ハイブリッド・エコー・キャンセラのトレーニングを行
うことになるので、トレーニングのための期間をわざわ
ざ別に設ける必要がないので、無駄がなく、かつ、確実
なトレーニングを実施可能である。しかも、この方法に
よっても、無効発呼をせずにハイブリッド・エコー・キ
ャンセラのトレーニングを行うことができ、合理的であ
る。
【0069】以上は、通話のための発呼時におけるダイ
アル操作の際に、ダイアル操作毎に、あるいはダイアル
操作を終えると、可聴信号が停止している状態にあれば
トレーニング未終了の場合にハイブリッド・エコー・キ
ャンセラのトレーニングを実施するようにしたものであ
り、ダイアル操作によって回線側からの可聴信号が途絶
えることを利用してその間にトレーニングを行うもので
あるが、可聴信号がある場合でも精度良くトレーニング
を行うことができれば、大変便利である。そこで、可聴
信号がある場合でも精度良くトレーニングを行うことが
できる実施例を第3実施例として説明する。
【0070】(第3実施例)第3の実施例として、図5
を参照して説明する。図5は本発明の第3実施例を示す
ブロック図であり、この例は、可聴信号レベルを検出
し、可聴信号の影響を低減するべく、トレーニング信号
レベルを可変とするようにした装置である。
【0071】図5において、1はマイクロフォン(送話
器)、2はスピーカ(受話器)、3aはHECトレーニ
ング信号発生回路、4bは増幅率可変型のアンプ、6は
疑似エコー発生回路、7は加算器、8はハイブリッド回
路、9は網制御回路、10は可聴信号検出回路、sw1
は切替えスイッチである。11bはハイブリッド・エコ
ー・キャンセラ(HEC)でこれは従来のHECの構成
であり、HECトレーニング信号発生回路3a、アンプ
4b、疑似エコー発生回路6、加算器7、切替えスイッ
チsw1より構成されている。また、12は制御部であ
り、例えば、マイクロプロセッサなどを使用して、トレ
ーニング・モードでの切替えスイッチsw1の切り替え
やHECトレーニング信号発生回路3aの制御およびハ
イブリッド回路8の制御等を行うようにしてある。
【0072】各構成要素の基本的な作用は第1実施例で
説明したものと変わりはないが、本実施例ではHECト
レーニング信号発生回路3aは制御部12の制御のもと
に、出力信号レベルを可変制御することができるように
してある。また、アンプ4aの代わりに増幅度可変のア
ンプ4bを用いており、このアンプ4bの増幅度も制御
部12の制御のもとに可変される。
【0073】このような構成のシステムは、制御部12
にトレーニング・モードを実行させると、回線捕捉を行
い、さらにHECトレーニング信号発生回路3aの動作
を停止した状態で、音声信号とHECトレーニング信号
の切替えを行う切替えスイッチsw1の接点をa側に切
替え、ハイブリッド回路8における4線側の送話側回線
への信号送出を停止する。
【0074】つぎに制御部12は可聴信号検出回路10
からの検出信号により、可聴信号レベルを検出する。可
聴信号レベルを検出したならば、つぎに制御部12はH
ECトレーニング信号発生回路3aを動作させると共に
増幅度可変のアンプ4bの増幅度を可変し、:可聴信号
検出回路10からの信号レベルが、先に検出した可聴信
号レベルに比較して十分大きく、ハイブリッド・エコー
・キャンセラ(HEC)のトレーニングを実施するのに
影響がないように調整する。
【0075】調整を終えたならば、つぎに制御部12は
疑似エコー発生回路6に最適な疑似エコーを発生するよ
うに設定値の更新を要求し、HECトレーニング信号発
生回路3aからのトレーニング信号をアンプ4bを介し
て増幅して得られる信号をハイブリッド回路8に流して
これにより発生するエコーがキャンセルされるような疑
似エコー信号が得られるように、疑似エコー発生回路6
の設定値の更新を行う。こうして疑似エコー発生回路6
のトレーニングが終了するのを待ち、そのトレーニング
で得られた設定値(プリセット値)を疑似エコー発生回
路6に記憶させる。
【0076】トレーニングが終了したなららば、つぎに
制御部12は音声信号とHECトレーニング信号の切替
えスイッチsw1の接点をb側、すなわち、マイクロフ
ォン1側に切り替えて復旧し、マイクロフォン1がハイ
ブリッド回路8の4線変換側の送話側回路に繋がるよう
にして通話可能な状態にする。
【0077】以上は可聴信号が切られていなくとも、H
ECトレーニング信号発生回路3aのレベルを可変でき
るようにして、可聴信号レベルよりも十分に高いレベル
のHECトレーニング信号を発生させて疑似エコー発生
回路6のトレーニングを行うようにしたことで、支障の
ない程度の疑似エコー発生回路6のトレーニングを可能
にする例であり、ハイブリッド・エコー・キャンセラの
トレーニングを行うにあたり、回線からの信号レベルを
検出して、信号レベルに応じたトレーニング信号を送出
するようにした例であった。
【0078】しかし、疑似エコー発生回路6のトレーニ
ングには交換機側からの可聴信号がない方が望ましいこ
とには変わりはないから、交換機側からの可聴信号が切
られていない状態においても、当該可聴信号が切られて
いる場合と同等の状態で疑似エコー発生回路6のトレー
ニングを行うことができるようにした装置の実施例をつ
ぎに第4実施例として説明する。
【0079】(第4実施例)第4の実施例を図6に示
す。この例は、可聴信号の除去フィルタを設けることに
より、可聴信号の影響を低減したHECトレーニング方
式である。
【0080】図6において、1はマイクロフォン(送話
器)、2はスピーカ(受話器)、3はHECトレーニン
グ信号発生回路、4aはアンプ、5は可聴信号除去フィ
ルタ、6は疑似エコー発生回路、7は加算器、8はハイ
ブリッド回路、9は網制御回路、sw1は切替えスイッ
チ、sw2は可聴信号除去フィルタ5のバイバス・スイ
ッチである。11cはハイブリッド・エコー・キャンセ
ラ(HEC)でこれは、HECトレーニング信号発生回
路3、アンプ4a、疑似エコー発生回路6、加算器7、
切替えスイッチsw1より構成されている。また、12
は制御部であり、例えば、マイクロプロセッサなどを使
用して、トレーニングモードでの切替えスイッチsw1
の切り替えやHECトレーニング信号発生回路3の制御
およびハイブリッド回路8の制御等を行うようにしてあ
る。
【0081】可聴信号除去フィルタ5は、交換機の出力
する可聴信号の周波数帯域の信号を除去するフィルタで
ある。そして、この可聴信号除去フィルタ5は、加算器
7の出力を疑似エコー発生回路6に入力するための回路
中に介在される構成としてあり、バイバス・スイッチs
w2は加算器7の出力側と疑似エコー発生回路6の入力
側を直接繋ぐか、可聴信号除去フィルタ5を介して繋ぐ
かを決める回路切り替え用のスイッチである。
【0082】この実施例は可聴信号検出回路10は使用
していないこと、可聴信号が切れていなくとも良いこ
と、等を除くと基本的にはトレーニングの実施そのもの
は先の第1,第2実施例と同じである。但し、可聴信号
が切れていなくて良いので、第1,第2実施例から可聴
信号を問題にする手続きを除外する。
【0083】これを動作させる手順は、まずトレーニン
グモードに設定することにより始まる。すなわち、電源
投入時、あるいは図示しない操作部よりトレーニング・
モード実行のためのキー入力操作を行う等することによ
り、制御部12は音声信号とHECトレーニング信号の
切替えスイッチsw1の接点をa側(HECトレーニン
グ信号発生回路3側)に切替え、HECトレーニング信
号発生回路3の発生するトレーニング信号をハイブリッ
ド回路8の4線変換側における送話側回線に供給できる
ようにする。
【0084】つぎに制御部12は可聴信号除去フィルタ
5のバイバス・スイッチsw2の接点をa側(可聴信号
除去フィルタ5接続側)に切替えて、加算器7の出力側
と疑似エコー発生回路6の入力側を可聴信号除去フィル
タ5を介して繋ぐようにする。
【0085】これが終わるとつぎに制御部12は、疑似
エコー発生回路6に最適な疑似エコーを発生するように
設定値の更新を要求する。そして、HECトレーニング
信号発生回路3からのトレーニング信号をアンプ4aを
介して増幅して得られる信号をハイブリッド回路8に流
して、これにより発生するエコーがキャンセルされるよ
うな疑似エコー信号が得られるよう、自動調整しながら
疑似エコー発生回路6の設定値の更新を行う。こうして
疑似エコー発生回路6のトレーニングが終了するのを待
ち、そのトレーニングで得られた設定値(プリセット
値)を疑似エコー発生回路6に記憶させる。
【0086】本実施例においては、ハイブリッド回路8
の4線変換側における受話側回線に回り込むエコー信号
は、加算器7を介して疑似エコー発生回路6に与えられ
るに際して、可聴信号除去フィルタ5を通ることにな
る。可聴信号除去フィルタ5は交換機の出力する可聴信
号の該当する周波数帯域成分を濾波するものであるの
で、交換機からの可聴信号が切れてなく、ハイブリッド
回路8の4線変換側における受話側回線に当該交換機か
らの可聴信号が出力されている状態であっても、この信
号は可聴信号除去フィルタ5を通ることにより除去さ
れ、疑似エコー発生回路6には受話側回線に回り込んだ
エコー信号のみが与えられることになる。
【0087】従って、疑似エコー発生回路6はHECト
レーニング信号発生回路3からのトレーニング信号と加
算器7を介して与えられるハイブリッド回路8からの回
り込み信号であるエコー信号のみとなり、疑似エコー発
生回路6のトレーニングはあたかも交換機からの可聴信
号が切れている状態と同じ環境で実施できる。
【0088】トレーニングが終了すると、制御部12は
音声信号とHECトレーニング信号の切替えスイッチs
w1の接点をb側、すなわち、マイクロフォン1側に切
り替えて復旧する。また、可聴信号除去フィルタ5のバ
イバス・スイッチsw2の接点をb側、すなわち、可聴
信号除去フィルタ5を切り離して直接、加算器7の出力
を疑似エコー発生回路6に入力する構成に復旧する。
【0089】このようにして、トレーニングにあたって
は、可聴信号除去フィルタ5を用いて可聴信号成分を除
去するようにし、トレーンニング信号とハイブリッド回
路8を介して回り込むエコー信号とを用い、疑似エコー
発生回路6にアダプティブ動作による最適な疑似エコー
を発生するように設定値の更新を行わせるようにしたの
で、交換機から可聴信号を受けたままの状態であって
も、当該可聴信号の影響を受けずに疑似エコー発生回路
6のトレーニングを正常に実施できるようになり、良好
なエコー・キャンセルが可能になる他、可聴信号を切る
必要がないので、無効発呼を不要としたり、トレーニン
グの手順を簡略化して短時間でトレーニングを行うこと
ができるようになる。
【0090】以上、種々の実施例を説明したが、要する
に本発明は、交換機からの可聴信号を、ダイヤル番号情
報を順次送出することによって停止した時点で、トレー
ニングに入ることにより、可聴信号の影響のない状態で
ハイブリッド・エコー・キャンセラのトレーニングを行
うようにしたり、可聴信号があってもそのレベル以上の
トレーニング信号を発生させてトレーニングを行うよう
にしたり、可聴信号をフィルタで除去して事実上、可聴
信号の影響のない状態でハイブリッド・エコー・キャン
セラのトレーニングを行うようにしたりするものであ
る。
【0091】そのため、本発明によれば、可聴信号の影
響を低減または除去してHECのトレーニングを実行す
ることが可能となり、最適な状態にハイブリッド・エコ
ー・キャンセラをトレーニングすることができ、2線‐
4線変換するハイブリッド回路を用いることにより、4
線側で生じるエコー信号(残響信号)による通話品質の
低下を最適な状態に調整されたハイブリッド・エコー・
キャンセラにてキャンセルすることにより改善し、高音
質の通話品質を確保できるようになる。なお、本発明は
上述した実施例に限定されるものではなく、その要旨を
変更しない範囲内で適宜変形して実施し得るものであ
る。
【0092】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
可聴信号の影響を低減または除去してHECのトレーニ
ングを実行することが可能となり、最適な状態にハイブ
リッド・エコー・キャンセラをトレーニングすることが
でき、2線‐4線変換するハイブリッド回路を用いるこ
とにより、4線側で生じるエコー信号(残響信号)によ
る通話品質の低下を最適な状態に調整されたハイブリッ
ド・エコー・キャンセラにてキャンセルすることにより
改善し、高音質の通話品質を確保できるようになる電話
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1実施例の構成を示すブロック図であり、可
聴信号レベルを検出し、可聴信号が停止したことを確認
してHECトレーニングする方式のブロック図。
【図2】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1実施例におけるHECのトレーニング手順
の例を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第2実施例におけるHECのトレーニング手順
の例を示すフローチャートであり、相手方の電話番号を
1桁ダイアルする毎に、トレーニングモ−ドに入り、可
聴信号レベルを検出して可聴信号が停止したことを確認
したときHECトレーニングする方式の例を示すフロー
チャート。
【図4】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第2実施例におけるHECのトレーニング実行
サブルーチンの例を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第3実施例の構成を示すブロック図であり、可
聴信号レベルを検出し、可聴信号の影響を低減するべく
トレーニング信号のレベルを可変とした方式のブロック
図。
【図6】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第4実施例の構成を示すブロック図であり、可
聴信号の除去フィルタを設ける事により可聴信号の影響
を低減したHECトレーニング方式のブロック図。
【図7】従来例を説明するためのブロック図。
【図8】従来例を説明するための図であって、従来のH
ECトレーニング方式の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1,1´…マイクロフォン(送話器) 2,2´…スピーカ(受話器) 3…HECトレーニング信号発生回路 3a…出力可変型のHECトレーニング信号発生回路 4a…アンプ 4b…増幅度可変型のアンプ 5…可聴信号除去フィルタ 6…疑似エコー発生回路 7…加算器 8,8´…ハイブリッド回路 9,9´…網制御回路 10…可聴信号検出回路 11a…ハイブリッド・エコー・キャンセラ(従来方
式) 11b…HECトレーニング信号の送出レベルを可変と
したハイブリッド・エコー・キャンセラ 11c…可聴信号除去フィルタを付加したハイブリッド
・エコー・キャンセラ12…制御部 sw1…音声信号とHECトレーニング信号の切替えス
イッチ sw2…可聴信号除去フィルタのバイバス・スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−92928(JP,A) 特開 平5−14246(JP,A) 特開 平6−30104(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 1/58 H04B 3/23 H04M 1/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通話線路の2線-4線変換を行う2線-4線
    変換手段を有した電話装置であって、その2線-4線変
    換手段により4線側の送話側回線から受話側回線に回り
    込むエコー信号の除去のための相殺信号となる疑似エコ
    ー信号を前記送話側回線からの信号から得て前記受話側
    回線に与えることにより、エコー信号を最適レベルにす
    るエコー・キャンセラを有し、このエコー・キャンセラ
    はトレーニングモードの際に前記送話側回線を介してト
    レーニング信号発生手段よりトレーニング信号を得てこ
    れと前記受話側回線から得られるエコー信号を用いて疑
    似エコー信号のレベルを設定するためのトレーニングを
    行わせるようにした電話装置において、 2線側の回線を介して与えられる可聴信号の有無を検出
    する可聴信号検出手段と、 トレーニングモードに設定されると交換機との接続回線
    の捕捉を行い、回線捕捉されたならば予め設定された複
    数種のダイアル番号の一つを発信し、この発信により交
    換機からの可聴信号が切れたことを可聴信号検出手段が
    検知したとき、トレーニングを実施させ、可聴信号が切
    れてないときは一旦、回線を切断制御して再度、回線捕
    捉を行い、回線捕捉されたならば前記複数種のダイアル
    番号のうちの別の一つを発信し、この発信により交換機
    からの可聴信号が切れたことを可聴信号検出手段が検知
    したとき、トレーニングを実施させる制御処理をトレー
    ニング終了するまで実施する制御手段と、 を設けて構成したことを特徴とする電話装置。
  2. 【請求項2】通話線路の2線-4線変換を行う2線-4線
    変換手段を有した電話装置であって、その2線-4線変
    換手段により4線側の送話側回線から受話側回線に回り
    込むエコー信号の除去のための相殺信号となる疑似エコ
    ー信号を前記送話側回線からの信号から得て前記受話側
    回線に与えることにより、エコー信号を最適レベルにす
    るエコー・キャンセラを有し、このエコー・キャンセラ
    はトレーニングモードの際に前記送話側回線を介してト
    レーニング信号発生手段よりトレーニング信号を得てこ
    れと前記受話側回線から得られるエコー信号を用いて疑
    似エコー信号のレベルを設定するためのトレーニングを
    行わせるようにした電話装置において、 2線側の回線を介して与えられる可聴信号の有無を検出
    する可聴信号検出手段と、 着信相手の電話番号を用いた発信に際して、交換機との
    接続回線の捕捉がなされると、ダイアル発信のためのダ
    イアル番号情報が1桁分、送出される毎にトレーニング
    モードを実行し、可聴信号検出手段が可聴信号が切れた
    ことを検知したならば、トレーニングを実施させ、可聴
    信号が切れてないときはつぎのダイアル番号が1桁分、
    送出されると、可聴信号検出手段が可聴信号が切れたこ
    とを検知したとき、トレーニングを実施させる制御処理
    をトレーニング終了するまでダイアル番号情報送出毎に
    実施する制御手段と、 を設けて構成したことを特徴とする電話装置。
  3. 【請求項3】通話線路の2線-4線変換を行う2線-4線
    変換手段を有した電話装置であって、その2線-4線変
    換手段により4線側の送話側回線から受話側回線に回り
    込むエコー信号の除去のための相殺信号となる疑似エコ
    ー信号を前記送話側回線からの信号から得て前記受話側
    回線に与えることにより、エコー信号を最適レベルにす
    るエコー・キャンセラを有し、このエコー・キャンセラ
    はトレーニングモードの際に前記送話側回線を介してト
    レーニング信号発生手段よりトレーニング信号を得てこ
    れと前記受話側回線から得られるエコー信号を用いて疑
    似エコー信号のレベルを設定するためのトレーニングを
    行わせるようにした電話装置において、 ダイアル発信のためのダイアル番号情報送出が終わり、
    可聴信号が切れるとトレーニングを実施させる制御処理
    を実施する制御手段と、 を設けて構成したことを特徴とする電話装置。
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