JP2002511078A - 新規なリポソームの活性成分ベクター - Google Patents

新規なリポソームの活性成分ベクター

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JP2002511078A JP50178499A JP50178499A JP2002511078A JP 2002511078 A JP2002511078 A JP 2002511078A JP 50178499 A JP50178499 A JP 50178499A JP 50178499 A JP50178499 A JP 50178499A JP 2002511078 A JP2002511078 A JP 2002511078A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、粉末形態の活性成分のリポソームベクターに関する。より詳細には、タンパク質のような消化および/または血漿分解に感受性な活性成分およびそれらの薬剤としての適用に関する。活性成分の該リポソームベクターは、、任意にクラス2物質、クラス3物質および/またはクラス5物質ならびに内部水性核[そのゲル-ゾル相転移が37℃以上で、G1がゼラチンおよびカラギーナン類から選択され、G2がG1用に選択したカラギーナンとは異なる特性を有するカラギーナン類およびセルロースから選択される、少なくとも2つの異なる非重合可能なゲル化剤(G1およびG2)の混合物Mからなる]と組み合わせたクラス4脂質(リン脂質)からなる外部脂質相からなる単層リポソームから本質的になる粉末組成物からなるs。そのリポソームは20nm〜1mm、好ましくは20nm〜500nmの範囲の直径を有し;該組成物は10mm〜1000mmの平均分子径を有する、1または複数の該リポソームにより形成された、粒子単位の形態を有し、該内部核水性ゲルと等しい脱水された温度可逆性水性ゲル、デキストリンまたはそれらの混合物からなる群から選択された被覆内に閉じ込められ、それらは平均して粉体のグラムあたり1016〜1018リポソームを含有し、少なくとも1つの活性成分をゲル化された内部核中または外部脂質相中に含有する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規なリポソームの活性成分ベクター 本発明は、活性成分、より具体的にはタンパク等の消化分解および/または血 漿分解に感受性のある活性成分のための安定な粉状のリポソームベクターおよび その医薬製品としての用途に関する。 そのような不安定な活性成分を保護するために多くのベクターが提案されてき た。これらの中でえり抜きのベクターとして考えられてきたリポソームを挙げる べきであろう。 リポソームの経口投与についての最初の研究は決定的なものではなかった(De shmukh DS.ら.,Life Sciences,1981,28,239-242)。得られた結果によれば 、処方:ジエーテルフォスファチジルコリン(diether-phosphatidylcholine) (消化不能なPC類似体)/コレステロール−7:1とのリポソームがカプセル 化ペプチドの胃腸保護をさせうるが、カプセル化ペプチドの腸障壁の通過は不可 能であった。 この通過の欠如を説明する理由がいくつかあげられる:リポソームのサイズの 過度な大きさや不揃い、構造の安定性が低いことやカプセル化化合物のリポソー ム媒体外への洩れ。 最近、米国のキャンベル大学(the Campbell University)のRobert Greenwoo dの研究ティームは、遊離なインシュリン溶液の十二指腸挿管後に得られる効果 より、インシュリンを運ぶリポソームの十二指腸挿管が高い低血糖症効果をもた らすことを示すのに成功した(Drug Dev.and Ind.Pharm.,1993,19,11,130 3-1315)。 特に活性成分の摂取率についての作用、リポソームの安定性、活性成分の生物 学的利用能に関して、活性成分を運ぶ優れた能力を有するリポソームを得るため に多くのテストが実行された。参考として例えば次のものがあげられるだろう: S.B.Kulkarniらはリポソーム内への医薬産物のマイクロカプセル化に関る要 因を指摘している(J.Microencapsulation,1995,12,3,229-246):リポソ ームのサイズ、リポソームの種類、リポソームの表面電荷、二層構造体の剛性、 カプセル化アジュバントの追加。この評価から、いくつかの二層構造体を含み10 0nmから20mmの直径を有するMLV(多層状小胞)が二層構造体と相互作用する疎水 性医薬産物のカプセル化に望ましく、一方、単一の二層構造体を含み100から100 0nmの大きさを有するLUV(大型一層状小胞)が親水性の医薬産物のカプセル化に 最も適切であると考えられると明らかになった。 I.De Miguelらは、外側を脂肪酸でグラフトしリン脂質の層で囲まれた架橋ポ リサッカライドから形成された内部核からなるナノ粒子を提案している(Biochi mica et Biophysica Acta,1995,1237,49-48[sic]))。 P.S.Usterらは、ポリ(エチレングリコール)で変成されたリン脂質を予め形 成されたリポソームに挿入し生物学的利用能を高めることを提案している(FEBS Letters,1996,386,243-246)。 ペプチドの経口投与に関する数々の実験が行われてきたが、様々なリポソーム によるカプセル化方法あるいは脂肪親和性機能を融合させることによる脂質活性 成分の変性のいずれかを用いている。すべての場合において、目的は、脂質活性 成分を「プロドラッグ」に変換することである。このプロドラッグは、胃腸の通 過を阻止する特性、即ち、胃のpH、生理的洗浄剤(胆汁酸塩)およびプロテアー ゼ(腸のエキソペプチダー ゼとエンドペプチダーゼ)、腸の生理的寄生菌による代謝に対する抵抗を有する 。例えば、ペンタペプチド上への1,3-ジグリセライドの2位における架橋は、こ れらの特質をこのように変性されたドラッグに付与することを可能とした。 しかしながらこれらの様々な従来技術のリポソームでは、前記活性成分を変性 させることなく、したがって活性成分はその機能と特性を維持したままで、優れ た安定性、許容できる活性成分カプセル化収率、活性成分の経口の生物学的利用 能の顕著な向上をすべて得ることは可能でない。用語「生物学的利用能」とは、 薬理学的に活性な形で全身循環に達する投与量のフラクションであり、そうなる 割合を意味する。 J.C.Hautonは、ゲル化物質を含有する水性媒体中の懸濁液状のゲル化した内 部核を有するリポソーム(リポゲロソームリポソームを製造する方法を開発したが(欧州特許第0 393 049号)、それらの リポソームは、カプセル化された水性相が液状よりむしろ半固体ゲル状であり、 これによってリポソームが衝突時に溶融するのを防ぐ は、全く天然物質から生成されることによって不耐性の危険性を最小にしている 。特にヨーロッパ特許第0 393 049号において、これらのリ 相、多層状リポゲロソーム場合は、同心円状に重ねられた複数の二層構造界面相 と、重合可能であってもなくてもよいゲル化された物質がポリサッカライド類、 ポリペプチド類、ポリアクリルアミド類から選択されるカプセル化されたゲル化 内部水性極性相からなる。例えば、重合不能なゲル化可能な物質は、ゼラチン、 アガロースあるいはカラギーナン類から選択され、重合可能なゲル化可能な物質 は、ポリアクリルアミドゲ 間融合がないので、従来技術のリポソームと比べて著しく向上した安定性を有す る。 しかしながら、リポソームが液相中に分散しているという欠点が有る。このこ とは貯蔵および投与が簡単な固体製剤を調製するには不適切である。 したがって,出願人は、十分なカプセル化収率と従来のリポソームと比べて著 しく向上した活性成分の経口生物学的利用能との双方を得ることを効果的に可能 にすると同時に貯蔵時と生体内の双方で大きな安定性を示す新規なベクターを提 供することを目的としてる。前記ベクターは,経口投与に適している。水溶液も また他の投与方法、例えば、選択された賦形剤に応じて、経皮、経肺、鼻腔、生 殖器、静脈内、皮下または眼球に適している。 前記ベクターは、 -クラス4脂質(リン脂質)と、任意に、クラス2物質(長鎖トリグリ セリド、コレステロールエステル)、クラス3物質(コレステロール、非イオン 化長鎖脂肪酸)および/またはクラス5物質(胆汁酸塩、フシジン酸誘導体)と からなる外部脂質相と、外部脂質相まで広がる温度可逆性水性ゲルを形成する内 部水性核とからなる単層リポソームから本質的になり、その内部水性核は、ゲル −ゾル転位点が37℃より高いか等しい少なくとも2つの異なる非重合性ゲル化剤 G1とG2の混合物Mから本質的になり、G1はゼラチンとカッパ-カラギーナン類のよ うなカラギーナン類から選択されるゲル化剤で、G2はイオタ-カラギーナン類の ようなG1に選定したカラギーナン類とは異なる性質であるカラギーナン類とヒド ロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロースとから選択され、前記リポ ソームは、20nmと 1mmとの間、好ましくは20nmから500nmの間の直径を有し、1以上のリポソームか ら形成され、内部核の水性ゲルと同一の脱水された温度−可逆性水性ゲル、デキ ストリンまたはこれらの混合物からなる群から選択されたマトリックスで、平均 で1016〜1018リポソーム/粉末gからなるように、囲まれた10mmから1000mmの平 均直径の粒子単位の形態にある粉状組成物と、 -場合によって前記組成物のゲル化内部核または外部脂質相の何れか に含まれた少なくとも1つの活性成分とからなることを特徴とする。 驚くべきことに、このようなベクターは,従来のリポソームに関連する欠点の 克服を可能にする。具体的には,次のことが可能になる: −衝突時に粒子間融合がないためにリポソームの安定性を増す; −活性成分の生物学的利用能を増す(胃腸管における保護および腸障壁の通過 );特に、ラットにおいて、発明によるベクター(LGS)の経口投与の瞬間から の腸障壁通過時間は、2時間から4時間で有り得る:即ち、胃からでるのに1時 間、腸管腔を通過し体循環に達するのに1〜3時間;したがって、細胞嵌入能が低 いあるいは存在しない活性成分が、本発明によるベクター(LGS)中にカプセル 化されると、活性成分の活性や組成を変化させることなく、分化した腸の上皮細 胞に効果的に導入されることができる; −カプセル化された活性成分の毒性を下げる;および −ゲル化されたカプセル化水性相中での分子の可動性低下のためカプセル化さ れた産物の洩れが減る結果になる。 ゲル化剤を選択することによって、乾燥形態(粉末)での使用に適し、特に活 性成分のためのベクターとして有利な特性を有するリポソーム(SUVsあるいは小 型の単層状小胞)を得ることができるのは予期しな いことであった。より具体的に言えば、驚くべきことに、本発明によるベクター とカプセル化されるか結合されると、前記活性成分−好ましくは、消化分解に感 受性があり、吸収されにくく、毒性が高い活性成分−の経口による生物学的利用 能が著しく改善される。 加えて、このような粉状形態のベクターは,構成要素である脂質(分解産物な しに)の完全な維持とゲル化剤、特にG1とG2との混合物の特性(粘度、ゲル強度 および破断力、分子量)の完全な維持によって、含んでいるリポソームを粉状形 態でも懸濁させても長時間安定して完全に保護する。 の経口投与のために安定化されたリポソームの形態から利益を得ることである(J C Hautonら.,Eur.J.Surg.,1994,suppl.574,117-119)。LGSの製造方法は 、平均して10%に近いゲル化親水性相のカプセル化度を得ることを可能にする。 このパーセントは、特に活性成分の分子量の関数として変化し、割合:カプセル 化された活性成分の量/使用された活性成分の量にしたがって計算される。例え ば、少なくとも5%のカプセル化が500Daの分子について観察され、少なくとも5 0%のカプセル化が少なくとも20kDaの分子について観察される。ペプチドに関し ては、例えば、10〜50%のカプセル化が観察されるが、一般的には、活性成分全 体についてのカプセル化のパーセントは場合に応じて5〜80%の範囲である。 ゲル化剤G1およびG2は、特に粘度、分子量およびゲル−ゾル転移点(即ち、融 点)に関して異なっている。ゲル化剤C1についてこの温度は45℃より低いか等し く、ゲル化剤G2については45℃より高いか等しい。 上記に定義した少なくとも2つのゲル化剤G1およびG2の混合物Mは、得られる リポソームの安定性とカプセル化された活性成分の生物学的利用能の観点から特 に利点があるテクスチュロメータ特性(ゲル強度および破断力)を有する。した がって、好ましくは、少なくとも2つのゲル化剤G1およびG2の混合物Mは、5℃ で70〜100%好ましくは81〜89%の緩和特性、1000〜1600g好ましくは1109〜1503 gの破断力を有する。 前記の組成物の別の利点のある実施態様によれば、リポソームの前記内部水性 核はまた、少なくとも1つのグリコシド性安定化剤、および/または少なくとも 1つの媒体のオスモル濃度の調節剤、および/または胆汁酸塩および/または非 イオン界面活性剤のような少なくとも1つの界面活性剤を含む。 有利なことに、前記ベクターは,%(m/m)として25〜75%のクラス4の脂質、5 〜45%のゲル化剤、0〜70%のグリコシド性安定化剤、0〜15%の媒体のオスモル 濃度調製剤、0〜20%の界面活性剤、および0〜15%、好ましくは8〜12%のデキ ストリンを含む。この処方には活性成分は含まれていない。 本発明による前記粉状組成物の別の有利な実施態様によれば、前記水性内部核 は、70〜95%のゲル化剤G1と5〜30%のゲル化剤G2を含む。 本発明による前記粉状組成物の別の有利な実施態様によれば、グリコシド性安 定化剤はスクロース、トレハロースまたは他の保護剤である。 本発明の主題はまた、次の工程: (1)(a)少なくとも1つの適切なゲル化剤、特にゲル化剤G1とG2の 混合物Mを、そのゲル化剤のゲル−ゾル相転位温度以上の温度で、ゆっくり撹拌 下にゲル化剤を溶解させることにより、カプセル化される活性成分とpHが適合で きる水性溶液中での溶液を作り、 (b)活性成分を(a)で得た溶液に導入し、(c)(b)で得た溶液に脂質を5時 間以下の期間、好ましくは減圧下でゆっくり混合物を撹拌下に導入してエマルジ ョンを形成させ、かつ(d)(c)で得たエマルジョンを好ましくは減圧下に急速 撹拌して、前記ゲル化剤含有水性相中で、ポソームの分散液の製造と、 (2)得られた分散液の適当な乾燥による粉状製品の製造とからなる ことを特徴とする、粒子単位の外部マトリックスが温度可逆性水性ゲルのフラク ションからなる本発明による粉状ベクターの製法である。 前記製法の1つの有利な実施態様によれば、乾燥は、噴霧、コアセルベーショ ン、薄フィルムまたは顆粒化によって行われる。 本発明の別の主題は、次の工程: (1)(a)少なくとも1つの適切なゲル化剤、特にゲル化剤G1とG2の 混合物Mを、そのゲル化剤のゲル−ゾル相転位温度以上の温度で、ゆっくり撹拌 下にゲル化剤を溶解させることにより、カプセル化される活性成分とpHが適合で きる水性溶液中での溶液を作り、(b)活性成分を(a)で得た溶液に導入し、( c)(b)で得た溶液に脂質を5時間以下の期間、好ましくは減圧下でゆっくり混 合物を撹拌下に導入してエマルジョンを形成させ、かつ(d)(c)で得たエマル ジョンを好ましくは減圧下に急速撹拌して、前記ゲル化剤含有水性外部相 得ることによる水性相中でのゲル化内部核を有するリポソーム(リポゲ (2)リポソームが分散されている前記ゲル化剤含有の水性液体相を 少なくとも部分的に除去、 (3)少なくとも1つの適当なデキストリンを添加、かつ (4)(3)で得た製品を噴霧乾燥して粉状製品の製造、 とからなることを特徴とする、粒子単位の外部マトリックスが温度可逆性水性ゲ ルのフラクションおよび/またはデキストリンからなる本発明による粉状ベクタ ーの製法である。 前記製法の1つの有利な実施態様によれば、前記ゲル化剤を含む水性液相を少 なくとも部分的に除去する工程(2)が希釈および/または濾過によって行われ る。 本発明の製法によれば、工程(a)の水溶液はまた、媒体のオスモル濃度調整 剤(例えば0.9%NaCl)および/またはグリコシド性安定化剤および/または界 面活性剤、好ましくはクラス5物質(胆汁酸塩)を含む。 変形として、活性成分を(a)で得た混合物に導入する前に外部脂質相に加え る。 例えば、カルシトニンをpH5で導入し、AZTをpH7.5で導入し、ドクソルビシ ンをpH3で導入する。 驚くべきことに、このような製法は、ゆっくりした速度での水性相の構成要素 の成熟相(熟成と言う意味で)と、次いで高速での分散相(リ の分散が得られ、次いで乾燥工程に付される工程を含む。このようなゲル化内部 核を有するリポソームの分散液は次の形態を有する: ・直径20nm〜500nm、好ましくは20nm〜80nmの小胞構造; ・ネガティブ染色顕微鏡観察、低温破断(cryofracture)、低温伝導(cryotran smission)、原子力:リン脂質二層構造の特徴的な様相 を有する小胞または小胞の集合;ネガティブ染色は外側のリン脂質層を包むゲル 化剤の混合物Mの幾分顕著な存在の観察を可能にする、そして ・10〜55%、好ましくは10〜30%のゲル化内部相を有するリポソームの多分散性 。 このような製法は再生可能であり工業規模に完全に適応可能であるという利点 を有する。 特許第0 393 049号に記載のように洗浄液の音波処理、押出し、除去が必要な 従来技術の製法より実行が簡単であると言う利点も有する。 前記製法の1つの有利な実施態様によれば、工程(c)は、200s-1以下の剪断速 度で実行されるのが好ましい;一般的に、剪断速度は下記の割合で与えられる: 撹拌ユニットの速度/反応器の内壁と撹拌ブレードの遠位端の距離(「エアグリ ップ」としても知られている)。 本発明の別の主題は,上記に定義した粉状リポソーム活性成分ベクターと、少 なくとも1つの医薬的に受容可能なビヒクルとからなることを特徴とする医薬組 成物である。 前記組成物の1つの有利な実施態様によれば、組成物は、固体状である(ゲル カプセル、錠剤あるいは水に溶かされる粉末)。 前記組成物の別の実施態様によれば、cAMP活性剤も含まれる。 上記以外にも、本発明は他の設計を内包するが,それは本発明の主題である製 法の実施例と添付図面についての下記の記載から明らかになるであろう。 図1は時間関数に基づくカルシウム血症の変化を示す(-D-=遊離カル シトニン;-■-=本発明のLGS-カルシトニンベクター)。 図2は遊離カルシトニンで得られたカルシウム血症と本発明のLGS-カ ルシトニンベクターを経口投与した後に得られたカルシウム血症におけるAUCの 違いを示す。 図3は時間関数に基づくカルシウム尿症の変化を示す(-■-=500kDa L GS-カルシトニンベクター、-□-=遊離カルシトニン、-□-=300kDa LGS-カルシト ニンベクター)。 図4は時間関数に基づくリン酸血症の評価を示す(-D-=遊離カルシト ニン;-■-=本発明のLGS-カルシトニンベクター)。 図5は遊離カルシトニンで得られたリン酸血症と本発明のLGS-カルシ トニンベクターを経口投与した後に得られたリン酸血症におけるAUCの違いを示 す。 図6は時間関数に基づくリン酸塩尿症の変化を示す(-■-=少なくとも 分子量が500kDaより多いLGS-カルシトニンベクター((PA-ベクター)構成体)であ って、カルシトニンを少なくとも直等)、-□-=遊離カルシトニン、-□-=少なくとも分子量が300kDaより多いLGS-カ ルシトニンベクター((PA-ベクター)構成体)であって、カルシトニンを少なくと も直径20nmより大きいカプセ 図7は時間関数に基づくSGOT(IU/l)の変化を示す(-□-=遊離カルシト ニン、-◆-=本発明のLGS-カルシトニンベクター)。 図8は時間関数に基づくSGPT(IU/l)の変化を示す(--□-=遊離カルシ トニン、-◆-=本発明のLGS-カルシトニンベクター)。 図9は遊離カルシトニンで処理したグループと本発明のLGS-カルシト ニンベクターで処理したグループにおけるSGPT含有量のAUCの違いを示す。 しかしながら、これらの実施例は純粋に本発明の主題を説明するため に作製したものであり、限定を構成するものではないことは明確に理解されるべ きである。実施例1:ゲル化剤G1およびG2の混合物におけるテキスチュロメトリー測定 a)材料および方法 び弛緩試験におけるゼラチン、イオーターカラギーナンおよびカッパ−カラギー ナン混合物からなるゲルの挙動に関する。 ・試料の濃度: 5mM Na2HPO4および0.9または2% NaCl媒体中、濃度7.5% w/vのゼラチ ン/イオーターカラギーナン/カッパ−カラギーナン混合物(80/17.5/2.5)。 ・ゲル化剤溶液の調製 塩化ナトリウムをターボミキサーおよび遊星歯車式部材を備え、精製 水を入れたミキサー中で溶解し(10rpmで15分)、ミキサーを75℃(10rpmで45分間 攪拌)に昇温し、ゲル化剤(ゼラチン、イオーターカラギーナンおよびカッパ− カラギーナン)を75℃でミキサーに加え、ターボミキサーを1500rpmに設定した 。溶解工程の継続時間は約30分である。溶液が澄んで懸濁液中に粒子がなくなれ ば溶解は完了する。 ・試料の調製: 弛緩試験において、45mlのゲルを熱いうちに外径92±2mmの平底ペト リ皿に流し入れる。破断試験では30mlのゲルを熱いうちに外径50±2mmの平底結 晶皿に流し入れる。37℃またはそれ以下の温度に冷却することによりゲルを得る 。ゲルの熟成時間は研究温度下、静止状態で2.5日間である。これはゲルの最大 水和時間に相当する。 ・実施条件: 弛緩試験において、圧縮力を所定時間でゲルに印加する。可動要素と しては前速度1.0mm/s、速度0.5mm/s、後速度10.0mm/s、直径25mmのアルミニウム シリンダーを用いる。可動要素の転置は30秒に1.0rnmである。 破断試験において、可動要素としては前速度、速度および後速度1.0m m/s、直径10mmのエボナイトシリンダーを使用する。可動要素の転置は12mmであ る。 b)5 ℃でNaCl含有量0.9%での研究結果 弛緩(%) 最小値: 81±2.2 最大値: 89±0.8 破断力(g) 最小値: 1109±25 最大値: 1503±35 c)温度と異なるNaCl含有量との関数としての結果 実施条件は弛緩試験に使用する可動要素の転置以外は上記a)と同様で ある(ゲル全厚のうち20%の転置)。 弛緩(%) 5℃で 0.9% NaCl: 89±0.8 2% NaCl: 90±0.2 25℃で 0.9% NaCl: 32±3.9 2% NaCl: 38±4.4 37℃で 0.9% NaCl: 36±3.7 2% NaCl: 40±4.9 破断力(g) 5℃で 0.9% NaCl: 1413±66 2% NaCl: 1114±143 25℃で 0.9% NaCl: 211±2.7 2% NaCl: 173±1.5 37℃で 0.9% NaCl: 25.7±2.4 2% NaCl: 44.7±3.9実施例2:本発明のカルシトニンを含む粉状ベクターの製造方法 1)ゲル化内相を有するリポソーム分散液(リポゲルソーム -構成要素: 大豆レシチン 11.915kg(7.943%) ゼラチンB150 7.149kg(4.766%) イオーターカラギーナン 1.565kg(1.043%) カッパ−カラギーナン 0.222kg(0.148%) スクロース 8.936kg(5.957%) 塩化ナトリウム 1.073kg(0.715%) 精製水 119.15kg(79.43%) 総内容物 150.01kg(100%) a)リポソーム分散液の調製 ゼラチンB150 7.149kg イオータ−カラギーナン 1.565kg カッパ−カラギーナン 0.222kg スクロース 8.936kg NaCl 1.073kg Na+-ケノデオキシコレート 1.131kg (chenodeoxychplate) 精製水 118.00kg (qs 150kg) 上記の要素からなる混合物を回転速度10rpmでミキサーで予め混合す る。遊星歯車式部材は真空下、回転速度1500rpmで1.5時間回転させる。 b)カルシトニンの混合: この混合物のpHを濃縮酢酸(6N)を連続的に添加することにより、安定 pHが4.5に達するまで低下させる。次いでその固有活性が7017IU/mgであるサケの カルシトニン(Bachem California)4.075gを加える。 c)a)で得られた溶液へのリン脂質の混合: 大豆レシチン(11.915kg)を回転速度10rpmでミキサー中のプレミッ クスに加える。遊星歯車式部材は真空下、回転速度1500rpmで5時間回転させる( →エマルジョンの生成)。 40%以下の多分散率を得るのに十分な時間で遊星歯車式部材の攪拌速 度(25rpm)およびターボミキサーの速度(2500rpm)を速め、最終分散を行う。 ネガティブ染色による顕微鏡分析、低温破断(cryofracture)、低温 伝導(cryotransmission)および原子力顕微鏡検査:リン脂質二重層の特徴的な 様相を呈する小胞または小胞の集合体;ネガティブ染色により、選択された製造 方法および/または分離工程による外部ゲル化剤のいくぶん目立った存在が確認 可能である。 d)接線濾過 を攪拌しながら熱い0.9% NaClに20倍容量に希釈する。希釈液(0.9% NaCl)に8. 25×10-4%のケノデオキシコレート(chenodeoxycholate)を前記分散液中のこの 界面活性剤の存在に応じて追加する。カプセル化していない相を連続熱接線限外 濾過(continuous hot tangential ultrafiltration)により除去 に300または500kDaの膜で行う。得られた生成物は少なくとも17% る。300kDaで限外濾過したリポソームの直径は20nmから500nm、500kDaで限外濾 過したリポソームの直径は40nmから500nmである。 2)得られた懸濁液の乾燥: に約4時間で移動させる(50-100mbar)。直径0.1mmから1mmの粒子を含む極淡黄 色の均質粉末を得る。 電子顕微鏡を用いて脱水による脂質小胞の収縮を観察した。さらに、 液体の状態では、LGSは多数の分離した小胞体構造環境における均質ゲル化マト リックスの内部で頻繁に凝集するが、乾燥工程によりこのゲル状マトリックスが 凝集表面だけでなく分離小胞体構造の表面においても乾燥ゲル化剤のフィラメン トに変化することがわかる。 変形として、乾燥を以下のように行う。水相のリポゲロソー 120-150℃,回転速度3-6rpm)。次いで得られた「削りくず」を粉砕し、適当な格 子で較正される。このように、上記に定義した特性を有 乾燥は例えばマルトデキストリンまたはβ−シクロデキストリンのよ うな充填剤添加物を加えることにより最適化することができる。実施例3 :実施例2で得られたベクター中の遊離カルシトニンまたはカプセル化 カルシトニンをラットに経口投与した後の比較効果 カルシウム血症(calcaemia)、カルシウム尿症(calciuria)、リン 酸血症(phosphataemia)およびリン酸塩尿症(phosphaturia)に対する実施例 2の製剤の効果を、遊離カルシトニンの経口投与との比較により分析する。投与 したカルシトニンの2つの形態において得られた薬物動態も比較する。 他のパラメータであるトランスアミナーゼ(SGOTおよびSGPT)および 血糖症についても分析を行う。 正常カルシウム血症のラットまたはヒトへのカルシトニンの効果を証 明することは困難であり、このホルモンに対する応答は患者(高カルシウム血症 患者)の治療においてより鮮明であることに注意することが重要である。 実験方法 ・LGS-カルシトニンの調製 実施例2を参照のこと。 ・動物および薬理治療 動物 体重160〜180g、6週齢の10匹のウイスターアイコラット(IOPS AF/Ha n,IFFA CREDO)で10のグループ、すなわち同慶で100匹のラットで、を構成した 。 動物の体重はこのパラメータにおいて各グループでラットの均等な分 配が確実に行えるよう、実験開始時に測定した。 6個の実験グループに対し、滅菌済み"AO4"(UAR=Usine d'Alimentati on Rationelle(食餌提供者))を主成分とする食餌(regime)をあらかじめ7日間 にわたって与える。 ラットを絶食させ、実験量投与の24時間前にグルコースを適宜与える 。 動物の体重を実験量投与前に測定する。 実験概要 A,B,C,D,E,F,G,H,IおよびJのグループを以下のように構成し た。 * グループA:時間0において血漿および尿を採取する10匹の対照ラ ット * グループB:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの500kDa LGS-カルシト ニン懸濁液(カルシトニン濃度約54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与 する。血漿および尿を45分で採取する。 * グループC:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの500kDa LGS-カルシト ニン懸濁液(カルシトニン濃度約54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与す る。血漿および尿を90分で採取する。 * グループD:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの500kDa LGS-カルシト ニン懸濁液(カルシトニン濃度約54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与す る。血漿および尿を180分で採取する。 * グループE:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの500kDa LGS-カルシト ニン懸濁液(カルシトニン濃度約54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与す る。血漿および尿を300分で採取する。 * グループF:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの遊離カルシトニン懸濁 液(濃度54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与する。血漿および尿を45 分で採取する。 * グループG:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの遊離カルシトニン懸濁 液(濃度54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与する。血漿および尿を90分 で採取する。 * グループH:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの遊離カルシトニン懸濁 液(濃度54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与する。血漿および尿を180 分で採取する。 * グループI:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの遊離カルシトニン懸濁 液(濃度:54IU/ラット,すなわち330IU/kg)を挿管投与する。血漿および尿を30 0分で採取する。 * グループJ:10匹のラットにそれぞれ1.8mlの300kDa LGS-カルシト ニン懸濁液(カルシトニン濃度約36IU/ラット、すなわち228IU/kg)を挿管投与す る。血漿および尿を90分で採取する。 り行う。 サンプリング 時間0でグループA、45分でグループBおよびF、90分でグループC、G およびJ、180分でグループDおよびH、300分でグループEおよびIの血液サンプル を腹部大動脈から麻酔下でカテーテルを導入することにより採取する。血液採取 と同時に膀胱にカニューレを挿入して尿を回収する。 血液サンプルを3.8% EDTA(非蛋白抗凝血剤)を入れた管に入れ、300 0rpmで15分間遠心分離した後、全血漿を得る。 分析 各血漿サンプルのカルシウム血症、リン酸血症およびトランスアミナ ーゼを比色分析によりアッセイする。データの統計処理 測定結果は、各群の10匹のラットについての平均±SEMとして示す。 データは、このタイプの実験方法に適切な統計試験(パラメータ及び薬物動態の 研究)により比較する。選択された統計試験はアノヴァ (ANOVA)試験又は変動分析で、相違の重要性は、フィッシャーテスト及びより 識別性のあるシェフェ(Scheffe)テストにより測定する。 結果を示すために2つの方法:考慮されるパラメータに関して10の平均値を示 す図ならびにAUC(曲線下の領域)の比較分析を用いた。この表現方法により、 生じる反応での振幅の相違を評価することができる。 得られた結果は、薬物動態の技術:時間の関数として考えられるパラメータの 変動の度合いにしたがって示す。この例では、それは、供与量効果に対する調査 ではない。結果 ・遊離のカルシトニン又はLGS-カルシトニン形態でカプセル化されたカルシトニ ンのカルシウム血症に対する薬物動態作用 図1は、時間の関数としてのカルシウム血症の変動を示す。カルシウム濃度の 測定に用いたアッセイは、薬局方に記載される比色法で行った。カルシウム血症 の(0時の)基底値は、先のデータと非常によく相関する。各ポイントは10、つま り9群の10匹のラットの平均値を示す。平均は、±SEMを示す。結果は、変動分 析(ANOVA)により対になっていない値について(for non-paired value)比較す る。顕著な違いは**で示している。この記号は、識別性が高度なシェフェテスト での重要性に対応している。 カルシウム血症の一時的な減少が、遊離カルシトニンの経口投与後に観察され る。それは、カルシトニンのようなペプチドの大量投与のあいだに、少量の割合 が、変性せずに腸内バリアを越す(1%)という事実によって説明される。この場合 、3.3IUのリンパの通過(リンパ管経路を介した腸内管腔から血漿への通過)に相 当する330IUを投与した。しかし、カルシトニンのIV-経路の作用は0.9IUで始ま る。つまり、遊離カルシトニンのこの効果は、通常観察される。カルシトニンの 経口投与 後に観察される低カルシウム血症は経時的に減少し、90分後に通常のレベルに戻 る。 LGS-カルシトニンについては45分で同様の効果が認められるが、この低カルシ ウム血症作用は180分で2倍の大きさになる。この事実は、LGS製剤が、等量のカ ルシトニン濃度では遊離のカルシトニンよりも薬物動態作用に関してかなり有効 であることを示している。この2相の現象は、LGS類の外層に関連するカルシト ニン活性に帰しており(一次作用)、二次的な効果は、LGS内に含まれるカルシト ニンによる。したがって、2の因子によるPA活性の増加で倍増される遅延作用が 観察される。 図2は、遊離のカルシトニンを用いて得られるカルシウム血症とLGS-カルシト ニンの経口投与後に得られる血症のAUCの違いを示す。観察された違いは、シェ フェテストで非常に顕著である。AUCは、実験の間に得られる全ての値の蓄積に 相当する。これらの値を統合し、ついで比較する。AUCは、時間の関数としての カルシウム血症の変動に対する曲線下の領域に相当する。このAUCが小さくなる ほど、低カルシウム血症の作用が増す(曲線がx-軸に近づくためである)。 ・遊離のカルシトニン又はLGS-カルシトニン形態でカプセル化されたカルシトニ ンのカルシウム尿症に対する薬物動態作用 原子吸光で得られた血漿の結果に関して記載する制約は、遊離又はカプセル化 したカルシトニンを用いて処理したラットの尿について得られる値を分析して確 認される。実際に、低カルシウム血症は常にカルシウム尿症の増加の後に続くた め、図3は図1の値を確証している。 ・遊離のカルシトニン又はLGS-カルシトニン形態でカプセル化されたカルシトニ ンのリン酸塩血症に対する薬物動態作用(図4) LGS-カルシトニン及び遊離のカルシトニンは低リン酸塩血症を誘導し(比色ア ッセイ)、LGS-カルシトニンで処理した群の場合のみ、これを持続する。結果は 、フィッシャーテストで顕著である。図5で示す個々のAUCの比較は、薬物動態 のデータを非常に明確に裏付けている。 2つのAUCの違いは、シェフェテストに顕著である。 ・遊離のカルシトニン又はLGS-カルシトニン形態でカプセル化されたカルシトニ ンのリン酸塩尿症に対する薬物動態作用(図6) 尿サンプルについてのアッセイは、カルシウム尿症(前記参照)の場合のように 原子吸光で行った。 これらの結果は、カルシウム尿症の場合よりも著しくない。したがって、結論 づけるのが難しい。それにもかかわらず、LGS-カルシトニンの作用は、180分で 非カプセル化薬剤よりも効果を増す傾向があるようである。 ・毒性研究の態様 採取したサンプルにより、2つの活性成分の投与のあいだにトランスアミナー ゼをアッセイすることができた。時間中のSGOT含量分析は、遊離型のものと比較 して低毒性の傾向のカプセル化型カルシトニンを示している(図7)。この違いは 、300分でフィッシャーテストに非常に顕著である。しかし、AUCの比較は、時間 中のSGOT含量の変動に関して全く著しい違いを示さない。 トランスアミナーゼの適度な増加に対するこの傾向(低毒性)は、時間中のSGPT 含量の解析により確認される(図8)。 これらのデータは、遊離型のものと比較して、カプセル化型のカルシトニンが 非常に低毒性であることを示している。図9は、遊離のカルシトニンで処理した 群と、カプセル化したカルシトニンで処理した群のSGPT含量に対するAUCの違い を示す。 2つの領域の違いは、シェフェテストに顕著である。 この作用は、高度な毒性の活性成分の肝毒性の衝撃を減じるために、特にこの ような物質を投与する場合に用いることができる。結論 -LGS型のカプセル化カルシトニンは、腸内バリアの横断を強化する。 -経口投与の比較効果により、粉末形態でこの構造を安定化できるために完全 に有効性が大きいLGS型の真性の可能性が示される。 -LGS-カルシトニン型の2相の低カルシウム血症作用は、LGSの表面及び中心に カルシトニンを分散させることにより説明できる。 -この実験により、LGS-カルシトニン型の低毒性を、より毒性であると思われ る遊離型と比較して評価できる。 -LGS-カルシトニン型が遊離のカルシトニンよりも優れていることを立証する データが、薬局方で勧められるアッセイ法を用いて得られた。 -2つのPA型の経口投与後に生じた低カルシウム血症の2つのピーク:投与後 の45及び180分が特定された。 -LGS-カルシトニンの「遅延」作用は、保存マトリクスから得られるミクロスフ ェアの腸への逐次的な放出による。LGS-カルシトニンは濃縮し、腸バリアに徐々 に浸透する。 定性の比較 LGSにより、従来のリポソーム型を用いて製造できない医薬形態(粉末)を製造 できる。LGSのみが生理的条件:pH、温度、腸の運動性、酵 素に耐え、経口又は肺の経路を介して投与される能力を生じる。LSは、そのよう な経路を介して投与される際には破壊される。 a)pHおよび腸胆汁酸塩に対する耐性: 胆汁酸塩(タウロデオキシコレート(taurodeoxycholate))と洗浄粉末の存在下 に37℃で1時間LGSとLSをインキュベートし、こうして脂質小胞に関して粉末を 崩壊させる。この結果、0.25mM濃度の胆汁酸塩に対してLGSはLSの3倍の耐性で あることが示される。構造の耐性は、レーザー顆粒測定機(レーザー回折の変動 で示される粒子の計測レベルのKHzでの変動)で分析する。 変動するpH値での1時間のインキュベーション後のLGSとLSの構造比較(レーザ ー顆粒測定で認められる)によれば、LGSはpH2.5〜9から安定であるが、LSはpH6. 3でのみ完全に優勢であることが示される。 LGSは胃内のpHレベル及び洗浄剤の濃度に対してLSよりも耐性である。このた め、LSは胃内で破壊されるが、LGSは長期間耐性であるものと推測できる。 b)セリック(seric)媒体、温度及び攪拌に対する耐性: LGSとLSのインキュベーションは、攪拌しながら37℃で24時間行った。組成物 の点で正確に同一なLGSとLSの脂質相は、アイソトープ(14-C)を用いて同様に標 識した。2つの構造タイプ:LS又はLGの分解に由来する生成物を経時的に分析し た。結論に照らすと、LSの脂質成分は、LGSの脂質成分よりも容易に放出される ようである。 これらの結果は、LGS型がLS型よりもかなり安定であることを示している。 c)LGS及びLSからのカプセル化活性成分の漏出の比較: 小さいサイズ(500Da)の活性成分(AP)を、同量でLGSとLSにカプセル化した。そ の後、2つの製剤をセリック媒体中で37℃で攪拌し、カプセル化したAPの放出を 測定した。LSから放出されたAP量は、LGSから放出されたAP量よりも60%高い(LS についてのAP 1.6ユニット、LGSについてのAP 1.01ユニット)。 このLGSの著しく高い安定性により、固形の医薬形態を調製でき、経口投与を 可能にすることができるが、これらは従来の製剤のリポソームでは予見できない 。 利用性の比較 マーカー又はAPの細胞の内在化の相違は、これらの分子がLGS(リ 分析した。 LSとLGSは、放射活性プローブ又は蛍光プローブを用いて標識し、37℃の培養 液でヒトマクロファージ(THP1株)の存在する媒体中で一定時間インキュベート後 、2つのタイプの構造(LS及びLGS)の相対的な内在化をインキュベーションの最 後に分析した(インキュベーション時間は同じ)。内在化の分析は、種々の分析法 で行った。 A.蛍光顕微鏡 画像はLSとLGSの内在化を示すが、LSの場合にはシグナルの分布が均一で、LGS についてのシグナルの分布は、点状に細胞内構造に局在化している。 この結果は、LGSはLS構造(シグナルが細胞内でかなり迅速に拡散する)よりも 遅く細胞内で分解されることを示している。 したがって、LGSでカプセル化した活性成分は遅く拡散するようであるが、こ れはLSにはあり得ない。 B.放射標識 放射標識したLGS及び放射標識したLSを細胞内で計測することにより、LGSは、 同じ実験条件でLSの2.5倍が内在化されていることが分かる。 LGSは、LSより多い量で内在化される。この事実は、2つのリポソーム構造が 異なるために、LGSの細胞の生体利用性がLSより大きいことを示す。LGSの内相に 粒子表面まで広がる温度可逆性の特異的なゲルが存在することにより、LGSに、 選択的な細胞の取込み特性が生じる。 C.フローサイトメトリー これらの実験は、蛍光プローブで標識したLGSとLSの相対的な細胞のエンドサ イトーシスに基づく。インキュベーション後に細胞を回収し、次いで各細胞での 蛍光シグナルを測定するフローサイトメーターに通す。得られたスペクトルは、 LGSでインキュベートした細胞が、LSでインキュベートした細胞の2.5倍の蛍光シ グナルを発したことを示す。 LGSは、LSの2.5倍内在化される。この事実は、LGSの細胞の生体利用性がLSの それより高いことを示す。 A.培養液中のマクロファージに対する作用、AZT及び3TC これらの実験で、AZT又は3TCをカプセル化するLGSは、ヒトマクロファージ細 胞とインキュベートした。遊離の生成物又はLGSでカプセル化した生成物の細胞 毒性を分析した。結果から、カプセル化したAPは、培養中のマクロファージに対 する毒性に関して、遊離のAZT又は3CTよりも150倍有効であることが分かる。 これらの実験は、等しい用量について、カプセル化したAPが、おそらくその良 好な細胞の内在化のために、遊離のAPよりもマクロファージに対して150倍活性 であることを示す。 B.ドキソルビシン(Doxorubicin)及びPEG 4000、培養液中の肝細胞及び分化し た腸上皮細胞に対する作用: 2つの分子:ドキソルビシン及びPEG 4000の細胞の内在化は、それらが遊離型 か又はLGS型でカプセル化されているかどうかにより比較した。 時間及び濃度が同じ実験条件下で、分子がカプセル化されているという事実に より、1.5〜3の範囲の因子による肝又は腸の器官の細胞に対するその細胞の取り 込み又はその薬物動態活性が増大する。 これらの実験により、LGS型でカプセル化される分子の生体利用性は、腸の上 皮細胞又は肝の柔組織細胞上で遊離型に対して増大することが分かる。 c)LGS型である際の分子の修飾された生体利用性の説明: リポソーム(LS)は、通常、受動拡散として公知の膜融合プロセス、つまり膜レ セプターを発現させる原因である第二メッセンジャーを全く問題にしないプロセ スにより細胞に内在化される。 しかし、LGSは、LGSの内相に粒子表面まで広がる特異的な温度可逆性ゲルを存 在させることにより、ならびにその外表面を越えてゲルフィルムを存在させるこ とにより、LSと異なる。このゲルは、タンパク(proteo)-糖の性質(ゼラチンとκ 及びιカラギーナンの混合物)である。 本発明によるLSとLGSの細胞内在化、それによる生体利用性の相違は、本質的 にこのゲルの存在と組成にある。 分化又は未分化の腸細胞(株:HT29,HT29gal,T84)は、半多孔性フィルター(拡 散チェンバー)に培養した。LGSは、cpt-cAMPの存在下又は非存在下でこれらの細 胞とインキュベートした。cpt-cAMPの存在下ではLGSの内在化は2の因子で増大 する。 この実験により、LGSの内在化はcAMP-依存性の現象であることが分かる。さら に、用量の関数としてのLGSの内在化の曲線は、LGSの内在化現象が飽和できるこ とを示す。これらの2つの本質的な事実は、LGSの内在化がレセプターで媒介さ れることを示している。したがって、この内在化プロセスは、レセプターに依存 しない従来のリポソームの融合によるエンドサイトーシスのプロセスとは異なる 。つまり、LGSでカプセル化した薬剤の最適化された生体利用性は、LGSに特異的 なレセプターの関与で説明される。 実施例3参照 生体分画系(biocompartmental system)を得るために、腸上皮細胞を半多孔性 フィルターで密集するまで培養し、「腸管腔」媒体から「血漿」媒体を分離した 。LGSは「腸腔」側に置き、次いで一定時間インキュベート後、「血漿」媒体を分 析した。 この画分で、レーザー顆粒測定により、LGSと同じ特徴を有する構造が、「腸 管腔」画分での実験の最初に沈殿したことが分かる。LGS製剤へのCDCA(ケノデオ キシコレート(chenodeoxycholate))比の追加は、「血漿」画分で見られる粒子数 を増大する。 これらの実験は、おそらく傍細胞(paracellular)の通過又はトランスサイトー シス(transcytosis)のプロセスにより、LGSの比が腸 上皮にクロスすることを示している。この通過は、LGS製剤がCDCAの追加で修飾 される際に増大する。 したがって、LGSでカプセル化した分子の腸の経上皮通過(例えば、経口投与後 のもの)を最適化することができる。LGS型によりカプセル化した分子の腸の生体 利用性を増すことができ、ケノデオキシコレートがLGS製剤に含まれる際に、こ の特性が強調される。 上記明細書から明らかであるように、本発明は、より詳細に記載する、本発明 を例示し、製造又は応用する方法にいずれの様式でも限定されない。逆に、それ は、本発明の概要又は範囲から逸脱しない限り当業者が行い得る全ての変形を含 むものである。
【手続補正書】 【提出日】平成12年1月20日(2000.1.20) 【補正内容】 1)明細書4頁26行目〜5頁1行目の「20nmと1mmとの間」を「20nmと1μmと の間」に補正する。 2)明細書5頁5行目の「10mmから1000mm」を「10μmから1000μm」に補正する 。 3)「請求の範囲」の欄は、別紙のとおり補正する。 請求の範囲 1. リポソーム活性成分ベクターが、 -クラス4脂質(リン脂質)と、任意に、クラス2物質(長鎖トリグリ セリド、コレステロールエステル)、クラス3物質(コレステロール、非イオン 化長鎖脂肪酸)および/またはクラス5物質(胆汁酸塩、フシジン酸誘導体)と からなる外部脂質相と、外部脂質相まで広がる温度可逆性水性ゲルを形成する内 部水性核からなる単層リポソームから本質的になり、その内部水性核は、ゲル− ゾル転位点が37℃より高いか等しい少なくとも2つの異なる非重合性ゲル化剤G1 とG2の混合物から本質的になり、G1はゼラチンとカラギーナンから選択されるゲ ル化剤で、G2はG1に選定したカラギーナンとは異なる性質であるカラギーナンと セルロースとから選択され、そのリポソームは、20nm と1μmとの間、好ましくは 20nmと500nmとの間の直径を有し、1以上のリポソームから形成され、内部核の 水性ゲルと同一の脱水温度−可逆性水性ゲル、デキストリンまたはこれらの混合 物からなる群から選択されたマトリックスで、平均で1016〜1018リポソーム/粉 末gからなるように、囲まれた10 μmから1000μmの平均直径の粒子単位の形態に ある粉状組成物と、 -場合によってゲル化内部核か外部脂質相の何れかに含まれた少なく とも1つの活性成分とからなることを特徴とするリポソーム活性成分ベクター。 2. ベクターが、またその内部水性核中に、少なくとも1つのグリコシド 性安定化剤および/または少なくとも1つの媒体のオスモル濃度の調節剤および /または胆汁酸塩および/または非イオン界面活性剤 のような少なくとも1つの界面活性剤なることを特徴とする請求項1によるリポ ソーム活性成分ベクター。 3. %(m/m)として25〜75%のクラス4の脂質、5〜45%のゲル化剤、0〜 70%のグリコシド性安定化剤、0〜15%の媒体のオスモル濃度調製剤、0〜20%の 界面活性剤、および0〜15%のデキストリンからなることを特徴とする請求項1 または請求項2によるリポソーム活性成分ベクター。 4. 前記水性内部核が70〜95%のゲル化剤G1と5〜30%のゲル化剤G2から なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つによるリポソーム活性成分ベ クター。 5. グリコシド性安定化剤がスクロース、トレハロースまたは他の保護剤 であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つによるリポソーム活性成分 ベクター。 6. 次の工程: (1)(a)少なくとも1つの適切なゲル化剤、特にゲル化剤G1とG2の 混合物Mを、そのゲル化剤のゲル−ゾル相転位温度以上の温度で、ゆっくり撹拌 下にゲル化剤を溶解させることにより、カプセル化される活性成分とpHが適合で きる水性溶液中での溶液を作り、(b)活性成分を(a)で得た溶液に導入し、( c)(b)で得た溶液に脂質を5時間以下の期間、好ましくは減圧下でゆっくり混 合物の撹拌下に導入してエマルジョンを形成させ、かつ(d)(c)で得たエマル ジョンを好ましくは減圧下に急速撹拌して、前記ゲル化剤含有水性相中で リポソームの分散液の製造と、 (2)得られた分散液の適当な乾燥によって粉状製品の製造とからな ることを特徴とする粒子単位の外部マトリックスが脱水温度−可逆性水性ゲルの フラクションからなる請求項1〜5の何れか1つによる粉状ベクターの製法。 7. 乾燥が、噴霧、コアセルベーション、薄フィルムまたは顆粒化によっ て行われることを特徴とする請求項6による方法。 8. 次の工程: (1)(a)少なくとも1つの適切なゲル化剤、特にゲル化剤G1とG2の 混合物Mを、そのゲル化剤のゲル−ゾル相転位温度以上の温度で、ゆっくり撹拌 下にゲル化剤を溶解させることにより、カプセル化される活性成分とpHが適合で きる水性溶液中での溶液を作り、(b)活性成分を(a)で得た溶液に導入し、( c)(b)で得た溶液に脂質を5時間以下の期間、好ましくは減圧下でゆっくり混 合物の撹拌下に導入してエマルジョンを形成させ、かつ(d)(c)で得たエマル ジョンを好ましくは減圧下に急速撹拌して、前記ゲル化剤含有水性外部相 するリポソームの分散液の製造と、 (2)リポソームが分散されている前記ゲル化剤含有の水性液体相を 少なくとも部分的に除去、 (3)少なくとも1つの適当なデキストリンを添加、かつ (4)(3)で得た製品を噴霧乾燥して粉状製品の製造、 とからなることを特徴とする、粒子単位の外部マトリックスが温度−可逆性水性 ゲルおよび/またはデキストリンのフラクションからなる請求項1〜5の何れか 1つによる粉状ベクターの製法。 9. 前記ゲル化剤を含む水性液相を少なくとも部分的に除去する工程(2 )が、希釈および/または濾過によって行われることを特徴とする請求項8によ る方法。 10. 工程(a)の水溶液がまた、媒体のオスモル濃度調整剤(例えば0.9 %NaCl)および/またはグリコシド性安定化剤および/または界面活性剤、好ま しくはクラス5物質(胆汁酸塩)からなることを特徴とする請求項6〜9のいず れか1つの方法。 11. 活性成分を導入する工程(b)が、(a)で得られた混合物中に外部脂 質相が導入される前に、外部脂質相中で行われることを特徴とする請求項6〜10 のいずれか1つの方法。 12. 工程(c)が、好ましくは200s-1以下の剪断速度で実行されることを特 徴とする請求項6〜11のいずれか1つの方法。 13. 請求項1〜5のいずれか1つによるリポソーム活性成分ベクターと、 少なくとも1つの医薬的に受容可能なビヒクルとからなることを特徴とする医薬 組成物。 14. またcAMP活性剤とからなることを特徴とする請求項13の組成物。 15. 固体状(ゲルカプセル、錠剤あるいは水に溶かされる粉末)であるを 特徴とする請求項13または請求項14の組成物。 16. 分散液中、リポソームが次の形態学: ・直径20nm〜500nm、好ましくは20nm〜80nmの小胞構造と ・10〜55%、好ましくは10〜30%のゲル化内部相を有するリポソームの多分散性 を有する、請求項1に定義したゲル化剤の混合物を含有する水性溶液中のゲル化 内部核を有するリポソームの分散液。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. リポソーム活性成分ベクターが、 -クラス4脂質(リン脂質)と、任意に、クラス2物質(長鎖トリグリ セリド、コレステロールエステル)、クラス3物質(コレステロール、非イオン 化長鎖脂肪酸)および/またはクラス5物質(胆汁酸塩、フシジン酸誘導体)と からなる外部脂質相と、外部脂質相まで広がる温度可逆性水性ゲルを形成する内 部水性核からなる単層リポソームから本質的になり、その内部水性核は、ゲル− ゾル転位点が37℃より高いか等しい少なくとも2つの異なる非重合性ゲル化剤G1 とG2の混合物から本質的になり、G1はゼラチンとカラギーナンから選択されるゲ ル化剤で、G2はG1に選定したカラギーナンとは異なる性質であるカラギーナンと セルロースとから選択され、そのリポソームは、20nmと1mmとの間、好ましくは 20nmと500nmとの間の直径を有し、1以上のリポソームから形成され、内部核の 水性ゲルと同一の脱水温度−可逆性水性ゲル、デキストリンまたはこれらの混合 物からなる群から選択されたマトリックスで、平均で1016〜1018リポソーム/粉 末gからなるように、囲まれた粒子単位の形態にある粉状組成物と、 -場合によってゲル化内部核か外部脂質相の何れかに含まれた少なく とも1つの活性成分とからなることを特徴とするリポソーム活性成分ベクター。 2. ベクターが、またその内部水性核中に、少なくとも1つのグリコシド 性安定化剤および/または少なくとも1つの媒体のオスモル濃度の調節剤および /または胆汁酸塩および/または非イオン界面活性剤 のような少なくとも1つの界面活性剤なることを特徴とする請求項1によるリポ ソーム活性成分ベクター。 3. %(m/m)として25〜75%のクラス4の脂質、5〜45%のゲル化剤、0〜7 0%のグリコシド性安定化剤、0〜15%の媒体のオスモル濃度調製剤、0〜20%の 界面活性剤、および0〜15%のデキストリンからなることを特徴とする請求項1 または請求項2によるリポソーム活性成分ベクター。 4. 前記水性内部核が70〜95%のゲル化剤G1と5〜30%のゲル化剤G2から なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つによるリポソーム活性成分ベ クター。 5. グリコシド性安定化剤がスクロース、トレハロースまたは他の保護剤 であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つによるリポソーム活性成分 ベクター。 6. 次の工程: (1)(a)少なくとも1つの適切なゲル化剤、特にゲル化剤G1とG2の 混合物Mを、そのゲル化剤のゲル−ゾル相転位温度以上の温度で、ゆっくり撹拌 下にゲル化剤を溶解させることにより、カプセル化される活性成分とpHが適合で きる水性溶液中での溶液を作り、(b)活性成分を(a)で得た溶液に導入し、( c)(b)で得た溶液に脂質を5時間以下の期間、好ましくは減圧下でゆっくり混 合物の撹拌下に導入してエマルジョンを形成させ、かつ(d)(c)で得たエマル ジョンを好ましくは減圧下に急速撹拌して、前記ゲル化剤含有水性相中で リポソームの分散液の製造と、 (2)得られた分散液の適当な乾燥によって粉状製品の製造とからな ることを特徴とする粒子単位の外部マトリックスが脱水温度−可逆性水性ゲルの フラクションからなる請求項1〜5の何れか1つによる粉状ベクターの製法。 7. 乾燥が、噴霧、コアセルベーション、薄フィルムまたは顆粒化によっ て行われることを特徴とする請求項6による方法。 8. 次の工程: (1)(a)少なくとも1つの適切なゲル化剤、特にゲル化剤G1とG2の 混合物Mを、そのゲル化剤のゲル−ゾル相転位温度以上の温度で、ゆっくり撹拌 下にゲル化剤を溶解させることにより、カプセル化される活性成分とpHが適合で きる水性溶液中での溶液を作り、(b)活性成分を(a)で得た溶液に導入し、( c)(b)で得た溶液に脂質を5時間以下の期間、好ましくは減圧下でゆっくり混 合物の撹拌下に導入してエマルジョンを形成させ、かつ(d)(c)で得たエマル ジョンを好ましくは減圧下に急速撹拌して、前記ゲル化剤含有水性外部相するリポソームの分散液の製造と、 (2)リポソームが分散されている前記ゲル化剤含有の水性液体相を 少なくとも部分的に除去、 (3)少なくとも1つの適当なデキストリンを添加、かつ (4)(3)で得た製品を噴霧乾燥して粉状製品の製造、 とからなることを特徴とする、粒子単位の外部マトリックスが温度−可逆性水性 ゲルおよび/またはデキストリンのフラクションからなる請求項1〜5の何れか 1つによる粉状ベクターの製法。 9. 前記ゲル化剤を含む水性液相を少なくとも部分的に除去する工程(2 )が、希釈および/または濾過によって行われることを特徴とする請求項8によ る方法。 10. 工程(a)の水溶液がまた、媒体のオスモル濃度調整剤(例えば0.9 %NaCl)および/またはグリコシド性安定化剤および/または界面活性剤、好ま しくはクラス5物質(胆汁酸塩)からなることを特徴とする請求項6〜9のいず れか1つの方法。 11. 活性成分を導入する工程(b)が、(a)で得られた混合物中に外部脂質 相が導入される前に、外部脂質相中で行われることを特徴とする請求項6〜10の いずれか1つの方法。 12. 工程(c)が、好ましくは200s-1以下の剪断速度で実行されることを特 徴とする請求項6〜11のいずれか1つの方法。 13. 請求項1〜5のいずれか1つによるリポソーム活性成分ベクターと、 少なくとも1つの医薬的に受容可能なビヒクルとからなることを特徴とする医薬 組成物。 14. またcAMP活性剤とからなることを特徴とする請求項13の組成物。 15. 固体状(ゲルカプセル、錠剤あるいは水に溶かされる粉末)であるを 特徴とする請求項13または請求項14の組成物。 16. 分散液中、リポソームが次の形態学: ・直径20nm〜500nm、好ましくは20nm〜80nmの小胞構造と ・10〜55%、好ましくは10〜30%のゲル化内部相を有するリポソームの多分散性 を有する、請求項1に定義したゲル化剤の混合物を含有する水性溶液中のゲル化 内部核を有するリポソームの分散液。
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