JP2002509724A - ブドウ球菌感染の治療および診断 - Google Patents

ブドウ球菌感染の治療および診断

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブドウ球菌感染の治療および診断に有用な技術を提供する。 【解決手段】 ブドウ球菌、特に黄色ブドウ球菌感染の治療および診断に使用できるタンパク質、そのエピトープ、ならびにそれらに特異的な抗体その他の結合剤および中和剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブドウ球菌(特に黄色ブドウ球菌)の感染(症)の治療および診断
に関し、該ブドウ球菌のタンパク質、エピトープ、ならびにそれらの特異的な抗
体およびその他の結合剤や中和剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
グラム陽性菌の多重薬剤耐性(MDR)は、特に病院において、ますます問題
視されている(Banergee, S.N. 他、1991, Am. J. Med. 91 : 865-895 ; Shaber
g, D.R. 他、1991, Am. J. Med. Suppl., 88 : 72-75 ; Gaynes, R.P. 他、1994
, Infect. Dis. Clin. Pract., 6 : 452-455)。特に、メチシリン耐性黄色ブド
ウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス)(MRSA)およびコアグラーゼ陰
性ブドウ球菌(CNS)(特にメチシリン耐性CNS)は、ペニシリンおよびセ
ファロスポリン全てに対して耐性であり、問題であることが明らかにされている
。キノロンのような他の薬剤に対する耐性も広まっている(Malabarta, A. 他、
1997, Eur. J. Med. Chem., 32 : 459-478 ; Lewis, K., 1994, TIBS, 19 : 119
-123 ; Traub, W.H. 他、1996, Chemotherapy, 42 : 118-132)。代表的な治療 はバンコマイシンまたはテイコプラニンを使用するものである。しかしながら、
これらの薬剤に対する耐性も拡大しつつあり、新しい治療法が要望されている。
【0003】 WO98/01154は、人間または動物の身体の治療および診断方法に、バ
クテリアおよび真菌のABC輸送(トランスポーター)タンパク質ならびにそれ
らに特異的な中和剤を使用することを開示している。治療に有用なものとして、
見かけの分子量が97kDaおよび54kDaの腸球菌ABC輸送タンパク質が
明らかにされ、さまざまのエピトープも明かにされている。バチルス・チューリ
ンジエンシスのIstAおよびIstBタンパク質(Menou 他、1990, J. of Bacteriolo
gy, 173 : 6689-6696)に類似のブドウ球菌ホモログも明かにされており、該ホ モログは69および37kDaのみかけの分子量を有し主要保存抗原である。それ
らのエピトープも明かにされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このたび本発明者は、流行性のMRSA株から67kDaのみかけの分子量を
有するブドウ球菌ABC輸送タンパク質の分離および精製に成功し、配列番号(
SEQ ID NO):1のコード配列および配列番号:2のアミノ酸配列とし
ている。これらの配列の一部は、スタフィロコッカス・アウレウスNCTC83
25ゲノム解読プロジェクトにより、コンティグ1184、コンティグ1177
およびコンティグ1158(アミノ末端配列データを含有する)として明らかに
されたものである。このタンパク質は、これまでABC輸送タンパク質であると
示されたことはなく、それを診断や治療に用いることもこれまで提示されたこと
はなかった。該タンパク質は計算による真の分子量は60.1kDaであるが、
翻訳後修飾により67kDaのみかけの分子量を有するものとして実験的に明か
にされた。
【0005】 該タンパク質の機能は、WO98/01154のIstAおよびIstBホモログによ
って示唆されるものでなければ開示されているものでもない。それらは配列が異
なり分子量が異なっているからである。さらに、そのIstAおよびIstBホモログが
単離されたサンプルは、本発明について用いられたような血液や創傷培養物(後
記)ではなく腹腔透析物であり、そのような精製法によっては本発明は導かれ得
ない。該従来技術によって採用されている透析工程は、血清に比較すると、透析
物中の抗体の相対的な割合を変化させてしまうからである。同様にして、その他
の既知技術も、本発明に係る該タンパク質の機能について何らの示唆をしておら
ず、該タンパク質を診断または治療に用いることも示唆していない。
【0006】
【発明の実施の形態】
かくして、本発明に従えば、配列番号:2またはその部分的な修飾形態または
その免疫原性フラグメントから成り、人間または動物の身体の治療または診断方
法に用いられるブドウ球菌ABC輸送タンパク質が提供される。
【0007】 該タンパク質の免疫原性フラグメントとしては、免疫応答を起こすようなタン
パク質フラグメントであればいずれでもよく、エピトープ(すなわちエピトープ
を有するペプチド)を含む。同様にして、エピトープのアナログ(ミモトープ)
を簡単に作製することもでき、そのようなミモトープは配列は異なるが同じエピ
トープを有するものである。このようにして「免疫原性フラグメント」とは、該
フラグメントの免疫原性アナログ(例えばミモトープ)も包含するものとする。
エピトープの決定やミモトープの設計は容易に行うことができる(Geysen, H.M.
他、1987, Journal of Immunological Methods, 102 : 259-274 ; Geysen, H.M
. 他、1988, J. Mol. Recognit., 1 (1) : 32-41 ; Jung, G. およびBeck-Sicki
nger, A.G., 1992, Angew. Chem. Int. Ed. Eng., 31 : 367-486)。
【0008】 本発明の範囲は、他の非ブドウ球菌のABC輸送タンパク質、例えばWO98
/01154のタンパク質にまで及ぶものではない。しかし、本発明は、非実質
的に修飾された(すなわち、部分的に修飾された)タンパク質形態、特に、当該
タンパク質自身と同一の免疫原性を有するようなタンパク質形態を包含するもの
である。
【0009】 「部分修飾」または「部分的に修飾された」とは、アミノ酸配列に関して用い
られる場合、部分的に修飾された形態の分子が、それが誘導された元の分子の性
質を実質的に保持している(勿論、追加の機能が生じることもある)ことを意味
する。部分修飾は、例えば、アミノ酸残基の付加、削除または置換による。置換
は保存的置換の場合もある。したがって、部分的に修飾された分子とは、例えば
、それが誘導された元の分子のホモログ(相同体)である。例えば、誘導された
元の分子に対して少なくとも70%のホモロジーを有する。例えば、誘導された
元の分子に対して少なくとも80,90または95%のホモロジーを有するよう
なものである。ホモログの例は、アレル(対立遺伝子)変異体である。同様に、
そのような分子またはアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が部分的に修
飾されて、アミノ酸配列や分子の部分修飾をコードするようになることもある。
勿論、ヌクレオチド配列の修飾には、同じアミノ酸をコードしながらヌクレオチ
ド配列は異なるように修飾されることも含まれる。
【0010】 ブドウ球菌は、例えば、黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス:
S. aureus)であり、あるいは、例えば、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、スタフ ィロコッカス・エピデルミヂス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモ
リチクス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・フィクス(S. hyicus)ま
たはスタフィロコッカス・サプロフィチクス(S. saprophyticus)である。
【0011】 免疫原性フラグメントは、例えば、ATP結合サイトまたはその一部から成る
。当該ABC輸送タンパク質の多くのエピトープを保有する(発現する)ペプチ
ドも明かにされており(後述)、したがって該タンパク質の免疫原性フラグメン
トは、例えば、配列番号:3,4,5,9,10,11または12の配列を含む
ものである。配列番号:3,4および5のエピトープは、それぞれ、配列番号:
6,7および7の配列を有するペプチドによって示され、したがって、免疫原性
フラグメントは、例えば、配列番号:6,7または8の配列を含むものである。
特に、実験によって示されるところによれば、配列番号:3および4を有するエ
ピトープを示す配列番号:6および7を有するペプチドは特に治療用として適し
ている。配列番号:13および14の配列を有するペプチドも、その抗体が動物
モデルで治療効果を有する(後述の実験参照)ようなエピトープを保持しており
、したがって、免疫原性はフラグメントは、例えば、配列番号:13または14
の配列を含むものである。更なるエピトープとして配列番号:17の配列を有す
るものも見出されており、該エピトープを保有し配列番号:18の配列を有する
ペプチドは、67kDaの抗原に特異的なポリクローナル抗血清の産生を引き起
こす。したがって、配列番号:17または18のいずれか一方の配列を有するも
のも免疫原性フラグメントの1例である。
【0012】 かくして、上述のようなエピトープを保有するブドウ球菌ABC輸送タンパク
質は治療や診断に有用であり、該タンパク質およびその免疫原性フラグメントは
、ブドウ球菌感染の治療および予防(例えば、ワクチンのような免疫刺激剤とし
て)に用いられることができる。
【0013】 さらに、該ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメントまたはその
部分的に修飾された形態に特異的な結合剤および中和剤(例えば抗体)も、診断
および治療に用いられることができる。結合剤には、それが特異的な標的があり
、結合剤が抗体である場合には標的は抗原である。治療用薬剤の例は、該ABC
輸送タンパク質に特異的な抗体であり、これは、免疫治療(例えば、受動免疫治
療)に採用することができる。抗体とその製法および使用法は周知であり(Harl
ow, E.およびLane, D., "Antibodies・A Laboratory Manual", Cold Spring Har
bor Laboratory, Cold Spring Harbor Press, New Youk, 1988 ; Harlow, E.お よびLane, D., "Using Antibodies : A Laboratory Manual", Cold Spring Harb
or Laboratory Press, New York, 1998)、したがって、抗体およびその抗原結 合性フラグメントについては当業者には自明であろう。
【0014】 該タンパク質またはその免疫原性フラグメントのヌクレオチド配列も治療用途
の基礎を与えるものである。例えば、該タンパク質またはその免疫原性フラグメ
ントをコードするヌクレオチド配列は、DNAワクチンの製法に用いられること
ができる(Montgomery, D.L.他、1997, Pharmacol. Ther., 74 (2) : 195-205 ;
Donnelly, J.J,他、1997, Annu. Rev. Immunol., 15 : 617-648 ; Manickan, E
.他、1997, Crit, Rev. Immunol., 17 (2) : 139-154)。リボザイムやアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドのような他の中和剤も当業者には自明であろう。
【0015】 このようにして、本発明は、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法において、
ブドウ球菌ABC輸送タンパク質、その免疫原性フラグメント、ならびに、それ
らに特異的な結合剤および中和剤を使用することも提供する。また、それらを使
用することを特徴とする、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法も提供する。さ
らに、それらを使用することから成る、人間または動物の身体の治療方法も提供
する。薬剤の用量は、標準的な用量(服量)−反応実験により容易に決定するこ
とができる。薬剤上許容できるキャリア、稀釈剤または賦形剤を含むこともでき
る(Remington's Pharmaceutical Sciences and US Pharmacopeia, 1984, Mack
Publishing Company, Easton, PA, USA参照)。
【0016】 上述したように、本発明の該ABC輸送タンパク質、その免疫原性フラグメン
ト、それらに特異的な結合剤および結合剤は診断にも有用であり、したがって、
本発明は、ブドウ球菌に対する診断テストキットの製造におけるそれらの使用に
も関する。さらに、ブドウ球菌の診断テスト方法におけるそれらの使用も提供す
る。
【0017】 本発明に従えば、さらに、ブドウ球菌感染の診断テスト方法であって、 i)ブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメントをサン
プルと反応させる工程; ii)抗原−抗体反応を検出する工程;および iii)該抗原−抗体反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる工程を
含む方法が提供される。
【0018】 さらに、本発明に従えば、ブドウ球菌感染の診断テスト方法であって、 i)本発明に従うABC輸送タンパク質に対する抗体またはその他の結合剤を
サンプルと反応させる工程; ii)結合剤−標的結合反応を検出する工程;および iii)結合剤−標的結合反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる工
程を含む方法が提供される。
【0019】 サンプルは、例えば、患者の血漿またそれらのフラクション(画分)、例えば
血清もしくは抗血清である。上記の診断テスト方法は、例えば、患者のブドウ球
菌感染を調べるためのものであり、サンプルとして患者サンプルを用い、上記の
相関を調べることにより患者のブドウ球菌感染を判定する。
【0020】 さらに、本発明に従えば、本発明に従う診断テスト方法を実施するための診断
テストキットが提供される。この診断テストキットは該キットを用いる診断テス
トを行うための使用説明(書)を含むこともある。
【0021】 本発明に従えば、さらに、本発明に従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質、そ
の免疫原性フラグメント、結合剤または中和剤を使用することを含むブドウ球菌
感染の治療方法または診断方法が提供される。 本発明は、ブドウ球菌感染の診断および治療を示す以下の記述から更に明らか
になるであろうが、それらの記述は単に例示のためのものである。
【0022】
【実施例】
各種グループの患者の血液および創傷培養物由来のMRSA血清を用いて実験
を行なった。各グループから抗原抽出物を調製し、患者の抗血清によりスクリー
ニングを行なった。これによって67kDaの抗原を取得し、さらに、ERSA
の流行株から構築された発現ライブラリーをスクリーニングすることにより、目
的のタンパク質を取得した。次いで、エピトープマッピングにより該タンパク質
の抗原領域を確認し、さらに実験を行なうことにより治療効果の可能性のあるエ
ピトープおよび該エピトープを有するペプチドを明かにした。
【0023】 イムノブロッティング バクテリア株 ERSAの流行株(EMRSA)は、Manchester Royal Infim
ary (MRI)のClinical Microbiology Laboratoryから入手した。この菌株は、バ ンコマイシンおよびリファンピシンに感受性であるので、EMRSA(VSRS
)と呼ぶ。リファンピシン投与によりインビボでリファンピシン耐性が誘起され
た患者から、このクローンの単離物を得た(VSSR)。
【0024】 血清グループ グループ1:バンコマイシンおよびリファンピシンによる全身治療を必要とする
感染患者由来(痰または創傷)(n=3)。単離物は常にリファンピシン感受性
。 グループ2:バンコマイシンおよびリファンピシンによる全身治療を必要とする
患者由来(陽性血液培養物)(n=3)。単離物は常にリファンピシン感受性。 グループ3:リファンピシン耐性クローンを持つ糖尿病患者の脚潰瘍コロニー由
来(n=3)。全身治療なし。 グループ4:バンコマイシンおよびリファンピシンで治療された敗血症患者由来
(陽性血液培養物)(n=3)。菌は治療中にリファンピシン耐性となった。
【0025】 バンコマイシン耐性EMRSAの調製 上記のVRRSおよびVSRRの単一コロニーを、10mlの栄養培地ナンバ
ー2(英国Oxoid製)にバンコマイシン1μg/mlとともに接種し、振盪下に 37℃でインキュベートした。培地が濁状を呈したときに、4滴(120μl)
を、2μg/mlのバンコマイシンを含有する別の培地10mlに接種した。こ の培地が濁状を呈したら、該培養物120mlを3μg/mlのバンコマイシン
を含有する別の培地に接種した。この操作を繰り返すことにより、バンコマイシ
ン濃度を4,5,6,7,8μg/mlという具合に漸次増加させ、最後に、E
MRSA15については22μg/ml、そしてリランピシン耐性EMRSAに
ついては16μg/mlとなるようにした。これらの新しいクローンをそれぞれ
、VSRRおよびVRRRと指称した。 4ヶの1リットルフラスコ(それぞれ、500mlの栄養培地ナンバー2を含
有する)に、バンコマイシンに対して高い耐性を有する培養物を接種した。リフ
ァンピシン感受性菌株については30μg/mlとし、また、リファンピシン耐
性単離物については20μg/mlとなるようにした。
【0026】 バンコマイシン分析用培地サンプルの採集 殺菌処理した5mlピペットを用いて、上記培地にバンコマイシンを添加した
後、フラスコを静かに振盪した。殺菌処理した新しいピペットで培地サンプル(
1ml)を取り出した後、フラスコにテスト用バクテリアを接種した。該サンプ
ルはバンコマイシンを分析するためにClinical Microbioloy Laboratoryに送っ た。 各フラスコは、培地が濁状を呈するまで、振盪下に37℃でインキュベートし
た。殺菌処理したピペットを用いて安全キャビネット内で培地サンプル(2ml
)を取得した後、細胞をハーベストした。該サンプルは、13,000rpmで
10分間遠心した。沈渣はHibitaneに廃棄し、上清はMillipore0.22μmフ ィルターを用いてろ過してからバンコマイシンの分析のために送った。リンファ
ピシン感受性菌株の値は、接種の開始時には27.1μg/mlであり終了時に
は8.1μg/mlであった。リンファピシン耐性クローンのそれらの値は、2
0.7μg/mlおよび7μg/mlであった。
【0027】 細胞のハーベスト 安全キャビネット内で次の工程を実施した。ハーベスト時に各培養物からの血
液寒天純度のプレートを調製して培養物が汚染されていないことを確認した。3
500rpmで15分間遠心を行なうことによりインキュベート後、細胞をハー
ベストした。上清はHibitaneに廃棄した。沈降物を無菌塩水で2回洗浄し、各洗
浄後3500rpmで15分間遠心した。
【0028】 バイオX−プレス細胞分解装置を用いる細胞の溶解 使い捨て用プラスチックピペットを使用して、組み立て式バイオX−Press分 解装置(Bio X-Press disintegrator:スウェーデンのBrommaにあるLKB Instrum
ents製)の空のシリンダー内にハーベスト後の細胞を投入し、二次プランジャー
をその平面側が下方を向くように配置した。ピストンを僅かな抵抗が感知される
まで押入した。次に、これら全体をプラスチック製ラップで覆い、横にして細胞
を含有するシリンダーの液位を上昇させ、−20℃で一晩放置した。油圧プレス
に手動式の油圧ポンプを取り付けネジ付きのカラーを指で締めた。凍結した分解
装置からラップを外して、プレス上で垂直に配置して分解装置のピストンがプレ
スの上面を向くようにした。ピストンの上面にプラスチック製サポートを配置し
て該サポートがピストンの中央にあるようにし、プラスチック製サポートが上昇
してプレスの上面に到達するまでハンドルをゆっくりと押し、多数の「破裂音」
が聞こえるようになるまでこれを続け(但し、圧力計の針が赤色領域に入らない
ようにした)、ピストンが全距離を移動したときにポンプのレバーを回して圧力
を解放した。 分解装置を取り外し、スパチュラを用いて分解した細胞をすくい殺菌処理した
容器に入れた。この細胞を3500rpmで10分間遠心して上清を取り出し、
ペレット分は廃棄した。上清は後に適当な濃度でドデシル硫酸ナトリウムポリア
クリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に使用した。
【0029】 ドデシル硫酸ナトリウムアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE) SDS−PAGE用装置とゲルの調製 この手法を利用するのに以下の器具を用いて2つのゲルを作製した:サイドク
ランプ4個、短ガラスプレート2個、長ガラスプレート2個、プレートセパレー
タ4個、ゴム製基板2個および基板クランプ1個。 各ゲルを調製するため、ガラスプレート対(短ガラスプレートおよび長ガラス
プレート)の側部をクランプで止めた。2つのプレートの間にプレートセパレー
ターにより隙間をつくった。これらのプレートをゴム製基板シール上に配置し基
板クランプ内に固定した。サイドクランプの矢印の少し上のレベルまで蒸留水を
注入した。この水位をフェルトペンでマークを付けておき、数分間放置して漏れ
が無いことを確認した。その後、傾けて水を捨てた。
【0030】 短ガラスプレートの頂部から4cm下方にマークを付けた。この高さになるま
で解離用ゲル混合物を注入した。プラスチック製ピペットを用いて該ゲル混合物
の上部に蒸留水の層を添加し、室温下に60分間放置して硬化させた。硬化後、
解離用ゲルの上にある蒸留水層を流し出し、10ウエルのコームを2つのガラス
プレーと間に45度の角度で挿入した。気泡が発生しないように注意しながらピ
ペットを用いて約5mlのスタッキングゲル混合物を添加し、コームを挿入し中
央に動かし、さらにゲル混合物を添加してプレートの上部からあふれるように満
たし、30分間放置して硬化させた。このようにして得られたゲルは同じ日に使
用するか、または、解離用ゲルの頂部とコームをプラスチック製のラップで覆い
冷室で貯蔵する。 ゲルの使用に当たってはコームを静かに取り除き、ウエルを電気泳動用バッフ
ァーで3回洗浄した。ウエルの底に残っている電気泳動用バッファを注射器で取
り除いた。ゲルを含有しているガラスプレートを基板クランプから取り外し、タ
ンクホルダーに締結して電気泳動タンクに沈めた。
【0031】 試料の調製と装入 試料の調製は1.5mlのエッペンドルフ試験管内で行った。ゲルに通す各サ
ンプルの合計量25μl(抗原滴定の結果に従い蒸留水で希釈したもの)をクラ
ッキングバッファー25μlと混合した。さらに、20μlのレインボー(RT
M)着色タンパク質分子量マーカー(英国BuckighamshireのAmersham Internati
onal製)に合計20μlのクラッキングバッファーを添加した。 クラッキングバッファー中の試料およびマーカーを適当な容器内で2〜3分間
煮沸した。次にギルソンピペットを用いて、25mlのマーカーを1つのウエル
に、また、50μlの各サンプルをそれぞれ適当なウエルに注意深く装入した。
【0032】 試料が別の試料内に流入しないように注意しながら、プラスチック製ピペット
を用いてサンプル上に電気泳動バッファーを積層した。ガラスプレート間に残存
するスペースに電気泳動バッファーを満たし、中央タンクはタンクの頂部から約
2mm下方になるように該バッファーを満たし、冷却水を流し始めた。タンクの
ふたを交換し、装置のスイッチを入れてゲル当たり40〜50mAの定常電流を
流し、中央タンクに発生する気泡をチェックした。 ゲルの実験は、3時間または青いラインがプレートの底から約1cm上方にな
るまで行なった。 電気泳動の電源と水を停止した後、ガラスプレートを保有するホルダーをタン
クから取り出し、過剰の電気泳動バッファーを捨てた。ガラスプレートのセッテ
ィングを外し、プラスチック製サイドピース(プレートセパレーター)をてこに
してゆっくりとガラスプレートを互いに分離した。スタッキングゲルを除去した
後、分離用ゲルを取り外して銀染色またはトランスブロッティングに供した。
【0033】 SDS−PAGEゲルの銀染色 ポリアクリロアミド(解離用)ゲル内で分離されたタンパク質に、Daiichi Si
lver Stain-IIキット(日本のIntegrated Separation Systems製)を用いて染色
を行なった。抗原調製物の滴定で用いられたゲル、および、いろいろなインキュ
ベーション条件下で成長した生物中のタンパク質発現を比較するために使用した
ゲルをメーカーの指図書に従いこの方法で染色した。
【0034】 イムノブロッティング 抗体応答を調べるために、SDS−PAGE後ニトロセルロース膜に転写され
た生物タンパク質に対して血清のブロッティングを行なった。抗ヒトIgGまた
は抗ヒトIgMコンジュゲートを添加した後、適当な基質を添加することによっ
て、血清中に存在するIgGまたはIgM抗体が結合した該タンパク質のバンド
を可視化することができた。
【0035】 トランスブロッティング 各ゲルについて必要とした材料は、プラスチック製ゲルホルダー(1対)、ス
コッチブライト2枚、ブロッティングペーパー4枚およびニトロセルロース膜1
枚である。 トランスファータンクをトランスブロッティングバッファーで部分的に満たし
、プラスチックホルダーのハンドルサイドをタンク内に配置した。回転運動を利
用して気泡をトラップしないように注意しながら2枚のスコッチブライトをホル
ダーに載せた。同様にして、スコッチブライトの上方に2枚のろ紙を配置した。
15×16.5cmの大きさにカットされた1枚のニトロセルロース膜を一番上 に載せ、20分間浸潤させた。
【0036】 電気泳動電源および水(SDS−PAGE用)を停止した後、ガラスプレート
を含有するホルダーを電気泳動タンクから取り出した。ガラスプレートのセット
を外し、プラスチック製サイドピースをてこにしてガラスプレートを互いに分離
した。スタッキングゲルを除去した後、解離用ゲルをガラスプレートからゆっく
りと取り除いて残りのスタッキングゲルを除去した。浸潤後のニトロセルロース
膜の一番上に解離用ゲルを配置し、さらに、このゲルの上に2枚のブロッティン
グペーパーを配置した。プラスチック製ホルダーの片方をクリップで止め、この
ホルダー全体をトランスブロッティングタンク(米国San FranciscoのHoefer Sc
ientific Instruments製Transport Power Lid)に沈めた。タンクの蓋を交換し 冷却水を開始した。この装置を最大出力で45分間運転した。 トランスブロッティングが終了したら、電流のスイッチを切り冷却水を停止し
た。ホルダーを取り外しゲルとニトロセルロース膜を取り出した。膜を鋭利なメ
スでゲルの大きさに切り、3%のBSA(米国セントルイスのSigma Chemical社
製)100mlに入れ4℃で一晩放置した。
【0037】 抗体のプロービング、コンジュゲーションおよび染色 ガイドとして10ウエルのコームを用いてニトロセルロースの頂部および底部
にマークをつけた。メスと定規を用いて膜を幾つかのストリップに切断した。そ
れらのストリップをストリップボックスに配置し、各ストリップを3%BSA(
一晩ニトロセルロース膜を貯蔵した3%BSAを用いた)3.8mlで被覆した
。各ストリップについて、イムノブロッティングを行なう血清200ml(全量
)を添加し、血清を20倍に希釈した。これらのストリップをロータリーシェー
カー上で室温下に2時間インキュベートした。
【0038】 洗浄液を用いストリップを5回洗浄(各回6分間)した。ストリップに、10
00倍希釈(3%BSAで希釈)抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgMアルカリホス
フェートコンジュゲートを添加し、室温下に1時間振盪した。前記と同様に各ス
トリップを5回洗浄した。一方、NBT(ニトロ−ブル−テトラゾリウム)およ
びBCIP(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート)粉末のそ
れぞれ0.05gに1mlのDMF(n,n−ジメチルホルムアミド)を添加す
ることによりNBTおよびBCIPを調製した。使用の直前に660μlのNB
Tおよび330μlのBCIPを100mlのアルカリホスフェート基質バッフ
ァーに添加した。この溶液5mlを各ストリップに添加して充分に染色が行なわ
れるようにした(約5〜15分間)。次に、それぞれのストリップを蒸留水で洗
浄することにより反応を停止させ、ブロッティングペーパー上に配置して乾燥さ
せた。
【0039】 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のゲノムライブラリーの調製およびスクリーニ ング YoungおよびDaviesらの記述(1983, PNAS USA, 80 : 1194-1198)に従い、発 現/クローニングベクター、ラムダZAPエクスプレス内にゲノムライブラリー
を構築した。臨床単離物由来の染色体DNAをSau3aにより部分分解し、2
〜9kbpのサイズ範囲にあるフラグメントを上記ベクターに挿入して、βガラ
クトシダーゼ融合タンパク質を得た。IgG抗体で各ライブラリーをスクリーニ
ングし、血液培養物陽性の敗血症から回復した患者由来のEMRSA(100倍
希釈)の67kDaのバンドに陽性なものを検出した。陽性クローンの検出はア
ルカリホスフェートとコンジュゲート(複合化)したヤギ抗ヒト免疫グロブリン
(IgG)(5000倍希釈)(英国PooleのSigma製)を用いて行なった。Huyn
h, YoungおよびDavies ( 1985, DNA cloning vol 1, a practical approach, IR
L Press Oxford, p49-78, Ed. D.M. Glover)に従い、大腸菌Y1089での陽性 クローンからリソゲンを調製した。Lyonらの記述(1986, PNAS USA, 83 : 2989-
2993)に従い抗原選択により、各陽性クローンによって発現されたエピトープを
同定した。このために、陽性の組換えラムダプラークでハイブリダイズすること
により)血清をアフィニティ精製した。次に、結合した抗体をグリシンバッファ
ー(pH2.8)で溶出させ、関連するバクテリアのライゼートをイムノブロッ ティングするのに用いた。
【0040】 DNA配列決定 T3およびT7をフォワードプライマーおよびバックプライマーとするPCR
を用いて、血清陽性クローン由来のインサートDNAを増幅した。これをTAク
ローニングシステム(バージョン1.3、英国Oxong Invitrogen社製)にサブク
ローニングした後、ジデオキシターミネーション法(シーケンスバージョン2.
0キット、英国CambridgeのUnited States Biochemical社製)を用いてDNAシ
ークエンシングを行なった。当初のシークエンス反応はユニバーサルプライマー
を用いて行い、残りの配列は、プライマー歩行法を用いシークエンスプライマー
を逐次合成して新しい配列データを得ることにより決定した。
【0041】 結果 イムノブロッティング 銀染色した抗原抽出物(VSRS、VRRS、VSRRおよびVRRR)は、
4つとも同じパターを生じた。イムノブロッティングによって、見かけの分子量
が27から140KDaの抗原バンドが確認された(表1および2)。
【0042】 4つのグループのいずれの患者も67KDaの抗原に対する抗体を生じた。特
に、血液培養物が陽性の感染を示してバンコマイシンによる治療が必要とする患
者についてこのことが該当した。グループ4においては、さらに、2人の患者か
ら続発性血清も入手され、いずれも回復時には該抗原に対する抗体レベルが増大
していた。この抗原は、4種類の抗原抽出物のいずれにも存在していた。IgG
は、リファンピシン耐性株のいずれにも存在していた。IgGは、リファンピシ
ン耐性株に因る敗血症からの生存患者の血清中には存在したが、リファンピシン
感受性敗血症から回復した患者の血清中には存在しなかった。
【0043】 次に、67KDaの抗原に陽性の血清を用いて、EMRSA由来の発現ライブ
ラリーのスクリーニングを行なった。2つの陽性クローンが得られた。EMRS
A流行株の保存67kDaに反応した両クローンは1つのエピトープを有するこ
とが抗原選択により示された。配列分析により、βガラクトシダーゼ遺伝子との
フレーム内に部分配列が示された。挿入サイズの全長は4.5Kbであった。こ
のようにして得られたアミノ酸配列は、3つのATP結合性ドメインを有するタ
ンパク質を産生し、また、ABC輸送タンパク質に属するタンパク質群にホモロ
ジーを有していた(FathおよびKilter, 1993, Microbiological Reviews 37, 99
5-1017)。これは、SEQ ID NO:2の133位のアミノ酸から始まるタ
ンパク質のC末端であった。黄色ブドウ球菌NTCCゲノム配列プロジェクトデ
ータベースでこの配列を検索したところ、コンティグ1184、1177および1158にマ
ッチングし、配列が部分的にオーバーラップしていた。これによって、該タンパ
ク質をコードする全遺伝子をクローニングするためのPCRプライマーを合成す
ることができた。
【0044】 SEQ ID NO:15およびNO:16を有するPCRプライマー(それ
ぞれ、フォワードプライマーおよびバックプライマー)を用いて、精製後のEM
RSA DNAから全長のABC輸送タンパク質が得られた。
【0045】 pBAD−TA−TOPOクローニングキット(Invitrogen製)によりpBA
Dベクターに上記の全遺伝子をクローニングし、大腸菌内で発現させた。発現後
、アフィニティクロマトグラフィーを用いて該タンパク質を精製し、生の(ネー
ティブ)構造のタンパク質を得た。Ni−NTAスラリー(Qiagenから入手)を
用いてカラムを作製し、タンパク質のN末端のHisタグを結合するようにした 。250mMのイミダゾールによりカラムからタンパク質を溶出させ、最終タン
パク質濃度を1mg/mlとした。 ウサギに該ABC輸送タンパク質を注射(0.5gをフロイントの完全アジュ
バントに溶かしたものを注射、14日後に再注射し、その後、フロイントの不完
全アジュバントに溶かしたものを2週間毎に注射)することによりポリクローナ
ル抗血清を調製した。出血前および出血後血清(28日後に入手)を100倍希
釈したEMRSA流行株由来のプレゼートにイムノブロッティングした。この結
果、みかけの分子量67および33kDaの抗原に血清転換していることが示さ
れた。 このことからも、67kDaのブドウ球菌抗原の存在が確認された。
【0046】 エピトープマッピング Geysen H. M.他による記述に従い(Journal of Immunological Methods, 102
: 259-274)、エピトープスキャンニングキット(英国CambridgeのCambridge Re
search Biochemicals製)の試薬を用いポリエチレンピン上に、上記のように得 られたアミノ酸配列の残基135〜533をカバーし互いにオーバーラップする
一連のノナペプチドを合成した。すなわち、ペプチド1は残基1から9から成り
、ペプチド2は残基2から10から成るという具合にした。ELISAにより、
患者血清(200倍希釈)に対する各ペプチドの反応性(IgG)を測定した。
データは、30分のインキュベーション後のA405として示した。調べたのは
、重要な臨床部位のEMRSAコロニー形成を伴う患者由来の血清〔慢性の外来
患者透析液、感染後(n=2);感染した断端、感染後(n=3)、血液培養物
は陰性だが全身的なバンコマイシン治療を要したもの;バンコマイシンおよびリ
ファンピシンによる治療に成功したEMRSAに因る敗血症(感染後、n=3)
;EMRSAに因る致命的敗血症(n=4)〕および存院患者によるコントロー
ル血清(n=2)である。
【0047】 間接ELISA 上述のようにして得られた3つのエピトープを選び(SEQ ID NO:3
〜NO:5)、それらを表わすペプチドをBT7400マルチプルペプチドシン
セサイザー(英国LutonのBiotech Instruments製)により合成し、間接ELIS
Aに用いた。
【0048】 血清 グループA :EMRSAコロニー形成または感染が認められない(n=12)。グループB :臨床的に重要な部位においてEMRSAによりコロニー形成した患
者。慢性の外来患者透析液(n=2)または断端部位(n=2)で、全身的なバ
ンコマイシン治療が必要とするもの。グループC :バンコマイシン治療されたEMRSAに因る敗血症から生存した患
者(n=3)。グループD :EMRSAに因る敗血症で死亡した患者(n=3)。
【0049】 マイクロタイタープレートにペプチドを単純吸着させることにより各ペプチド
について以下の操作を実施した。0.01Mのリン酸バッファー溶液(PBS)
2ml、pH7.2にペプチドを溶かし、同じバッファーで濃度10μg/ml
(1/100)に希釈した。 SEQ ID NO:13およびNO:13を有するペプチド4およびペプチ
ド5については間接ELISAも実施した。異なる臨床歴を有する全部で39の
血清を用いた。
【0050】 血清 グループE :ブドウ球菌の感染またはコロニー形成が認められない12人の患者
由来の12の血清。グループF :リファンピシン耐性クローンによりコロニー形成が認められた糖尿
病および脚潰瘍患者3人由来の3つの血清。グループG :バンコマイシンおよびリファンピシンの全身治療を必要とし、静脈
線、唾液または創傷スワブの培養物が陽性であった14人の患者由来の14の血
清。グループH :血液培養物陽性の敗血症から回復した患者由来の7つの血清。グループI :抗体治療にもかかわらずMRSA感染(血液培養物が恒常的に陽性
であったことから証明)で死亡した患者由来の3つの血清。
【0051】 (1)ペプチド(0.01MのPBS中、10μg/ml)の150μlのア
リコートをピペットでFalcon3912ミクロプレートアッセイプレートのウエル
内に注入し、4℃で一晩インキュベートした。 (2)0.01MのPBS(pH7.2)に溶かした0.05%Tween20で4
回(4×10分)洗浄することにより非結合ペプチドを除去した。 (3)2%スキムミルク−10%FCS(0.01MのPBS中)を用い1時
間、37℃でプレートのブロッキングを行なった。 (4)0.05%Tween20(0.01MのPBS中)でプレートを4回(4×
10分)洗浄し、ミクロアッセイプレートのウエルに被検血清(ブロッキング溶
液で100倍希釈)を添加し(各血清について3ヶのウエルを使用)、37℃で
2時間インキュベートした。 (5)0.01MのPBSに溶かした0.05%Tween20でプレートを4回 (4×10分)洗浄し、二次抗体である抗ヒトIgM(またはIgG)ペルオキ
シダーゼコンジゲート(ブロッキング溶液で1000倍希釈)を添加し、37℃
で1時間インキュベートした。 (6)0.05%Tween20(0.01MのPBS中)でプレートを4回(4×
10分)洗浄し、さらに、0.01M PBSで洗った。次に、0.01%(w
/v)の過酸化水素を含有するpH4.0クエン酸に溶かした0.5mg/ml
の新たに調製した2.2−アジノ−ビス[3−エチルベンズ−チアゾリン−6− スルホン酸]ジアンモニウム(ABTSタブレット)中で該プレートを室温下に 攪拌しながら45分間インキュベートした。 (7)各プレートにコントロール(対照)ウエルを用いた。ABTS溶液のみ
を有する3ヶのウエル、およびABTSに加えて抗ヒトIgGまたはIgMセイ
ヨウワサビペルオキシダーゼコンジゲートのみを有する3ヶのウエルを用いた。 (8)ELISAプレートリーダー(Titertek Multiscan)を用い波長405
nmにおける光学密度(O.D.)測定を行った。 (9)1つの患者血清に対して3ヶのウエルの示値の平均値を求めた。 上述のプロトコールに従い、SEQ ID NO:17の配列を有するペプチ
ド6(SEQ ID NO:18)に対するポリクローナルウサギ抗血清を作製
することにより該ペプチド6の免疫原性を試験した。クローニングし発現された
上記のABC輸送タンパク質について出血前および出血後血清を用いてイムノブ
ロッティングを行ったところ、67kDa抗原への血清転換が示された。
【0052】 ファージ抗体ディスプレイライブラリーおよびScFvの調製 Matthews, R. C.他による記述(1995, J. Infect. Dis., 171 : 1668-1671) に従って、ファージ抗体ディスプレイライブラリーおよびScFvを作製した。
略述すると、Ficoll上でヘパリン処理した血液20mlを分離することにより、
EMRSAから回復した患者から末梢血リンパ球を入手した。チオシアン酸グア
ニジニウムによりMRNAを抽出し、次いで、オリゴ(dT)−セルロースカラ
ム(Quick Prep mRNA;英国St. AlbansのPharmacia製)で精製した。トリ骨髄芽
細胞症ウイルス逆転写酵素(英国CambridgeのBiotechnology製)を用い、ヒトI
gGのH鎖(HulgG1-4)(Matthews, R.C.他、1994, Serodiagn. Immnother. In
fect. Dis., 6 : 213-217)の4つのサブクラス全てについて不変部による1st ストランドcDNA合成を行なった。ファミリー分析に基づくフォワードプライ
マー(HuJH1−6)およびバックプライマー(HuVH1aから6a)を用
いて一次PCRによりH鎖可変ドメイン遺伝子を増幅した。VH3aを用いて逆
方向に調製した生成物の上流にSfi1制限部位を導入した後、軽鎖可変ドメイ
ン遺伝子のプールに組み入れた。更にリンカーフラグメント(Gly4 SER3 )および下流にNot1部位を導入したSfi1およびNot1制限酵素部位を
利用して、生成物をファージミドベクターに一方向クローニングした。このよう
にライゲーションしたベクターをエレクトロポーレションにより大腸菌TG1内
に導入し、ヘルパーファージM13K07(Pharmacia)を用いてファージをレ スキューした。抗原特異的なScFvを増幅するため、エピトープマッピングで
示されるエピトープの2つを表わすペプチド、すなわちペプチド1(SEQ I
D NO:6)およびペプチド2(SEQ ID NO:7)についてファージ
ライブラリーのパンニングを行なった。このパンニングは、それぞれのペプチド
が被覆されたイムノチューブ内で実施した。log相大腸菌TG1を用いて、結
合したファージを溶出させた。M13K07によるレスキュー後、ファージを更
に3回、ペプチドについて再パンニングした。BstN1(英国HiychenのNew E
ngland Labs製)を用いるDNAフィンガープリント法により、各パンニング後 の特異的ScFvの増幅を確認した。
【0053】 動物実験 実験1 30匹のメスのCD1マウスに、IV注射により、2×106cfu(コロニ ー形成単位)のEMRSA丸剤を投与した。2時間後、M13K07(12.2
×108ファージ、200μl丸剤、n=10)、ファージ12(2×108ファ
ージ、200μl丸剤、n=10)またはファージ16(3.16×106ファ ージ、200μl丸剤、n=10)を投与した。注射日を1日目としたときの注
射後3日目および7日目に、腎臓、肝臓および脾臓のコロニー数を測定した。
【0054】 実験2 30匹のメスのCD1マウスのそれぞれに、3×107cfuのEMRSA丸 剤100μlを投与した。2時間後、陰性ファージスーパーライブラリー(7×
1010ファージ、200μl丸剤、n=10)、ファージ12(9×107ファ ージ、200μl丸剤、n=10)またはファージ16(5×106ファージ、 200μl丸剤、n=10)を投与した。1日目および2日目に、腎臓、肝臓お
よび脾臓のコロニー数を測定した。
【0055】 実験3 48匹のメスのCD1マウスのそれぞれに、2×106cfuのEMRSA丸 剤100μlを投与した。2時間後、陰性ファージ(108ファージ、200μ l丸剤、n=12)、ファージ12(108ファージ、200μl丸剤、n=1 2)またはファージX(107ファージ、200μl丸剤、n=12)またはフ ァージ(106ファージ、200μl丸剤、n=12)。マウスの半分を殺し第 2回目のファージ投与を行なった。残りのマウスは2日目に殺した。
【0056】 実験4 45匹のメスのCD1マウスに、2×107cfuのEMRSA丸剤100μ lを投与した。2時間後、陰性ファージ(2.5×107ファージ、200μl 丸剤、n=15)、ファージX(3.3×106ファージ、200μl丸剤、n =15)またはファージ16(1.3×106ファージ、200μl丸剤、n= 15)を投与した。各グループについて5匹のマウスを殺し2回目にコロニーの
数を測定し、また、各グループについて残りの10匹を殺し3日目にコロニー数 を測定した。
【0057】 結果 エピトープマッピング ABC輸送タンパク質の135〜533位の残基の中から、EMRSA敗血症
に対して患者を治療するのに有効な7つの領域がエピトープマッピングにより確
認された。3つ以上の連続したウエルの平均光学密度が在院コントロールの値お
よび死亡した敗血症患者の値よりも大きい(標準偏差で少なくとも2)ときに、
その領域がエピトープを有するものとした。オーバーラップするアミノ酸配列の
誘導は、最初のペプチド配列および最後のペプチド配列を比較することにより行
なった。コロニー形成した患者由来の血清は、それらのエピトープの幾つかにつ
いても陽性であった。
【0058】 間接ELISA ペプチド1〜3についての結果は表4に示されている。ペプチド4および5に
ついての結果は表10に示されている。
【0059】 結論 コロニー形成した患者(グループB)は、ペプチド2よりもペプチド1および
3を認識した。ペプチド3は最も免疫原性が低かった。ペプチド2に対するIg
Gは、敗血症から生存した患者(グループC)に見出されたが、コロニー形成し
た患者(グループB)および死亡した患者(グループD)には見出されなかった
。ペプチド4および5について得られた結果は、ペプチド4および5の両方に対
する抗体と全身性感染からの生存との間に明らかな相関があることを示している
【0060】 組換えヒト抗体 これらのペプチド類を用いてファージ抗体ディスプレイライブラリー(上述)
のパンニングを行なった。H鎖可変ドメイン遺伝子のファミリーを一次PCRで
増幅したところ、VH3aのみが増幅され、軽鎖可変ドメイン遺伝子ライブラリ
ーに組み込まれた330bpの生成物を生じた。パンニング前のPCR増幅Sc
FvインサートのBstNフィンガープリントは、きわめて雑多なライブラリー
を示した。ペプチド1に対してパンニングした後は2種類のBstN1フィンガ
ープリント(XおよびY)が優勢となり、ペプチド2についてパンニングした後
は、さらに2種類のBstN1フィンガープリント(12および16)が優勢と
なった。これらを動物実験に選択した。
【0061】 動物実験 実験1:コロニー数は表5にまとめている。クローン12を投与したグループ
で2匹のマウス、また、クローン16を投与したグループで1匹のマウスが1日
目に自然死した。 結論:3日目におけるM13K07(陰性コントロール)は腎臓については類
似の結果を与えたが、肝臓および脾臓はクローン12および16によって活性を
示した。7日目においてM13K07およびクローン16は類似の結果を与えた
が、クローン12はM13K07よりも腎臓、肝臓および脾臓について少ないコ
ロニー数を示した。
【0062】 実験2:コロニー数は表6にまとめている。 結論:スーパーライブラリー(陰性コントロール)はクローン16に対しては
類似の結果を与えた。クローン12のコロニー数は、腎臓および脾臓(1日目)
また、脾臓および肝臓(2日目)について低くなっている。
【0063】 実験3:コロニー数は、表7および表8にまとめられている。 結論:陰性ファージは、1日目においてファージ12(腎臓、肝臓)およびフ
ァージX(肝臓、脾臓)に、また、2日目においてファージX(肝臓、脾臓)に
類似のコロニー数を示した。ファージYは、恒常的に陽性であり、また、2日目
の腎臓におけるコロニー数を除きファージ12よりも陽性であった。
【0064】 実験4:コロニー数は表9にまとめている。 結論:陰性ファージは、3日目においてファージX(腎臓、脾臓)に、また、
2日目においてファージY(腎臓)に類似のコロニー数を生じた。その他のパラ
メータは、ファージXおよびファージYの治療効果についてはファージYの方が
2日目および3日目のいずれにおいても活性が高い(但し、2日目の腎臓の場合
を除く)ことを示した。
【0065】 まとめ ファージ12、XおよびYはいずれも治療活性を示し、ペプチド1〜5で表わ
されるエピトープが抗体治療用の標的として有用であることが確認された。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月1日(2000.11.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 配列番号:2の配列に対して少なくとも80%、90%また
は95%のホモロジーを有する、請求項1または2のいずれかに従うブドウ球菌
ABC輸送タンパク質。
【請求項】 人間または動物の治療または診断方法に用いられる、請求項
1〜請求項3のいずれかに従うブドウ球菌輸送タンパク質をコードするヌクレオ
チド配列。
【請求項】 配列番号:1の配列を有する、請求項4に従うヌクレオチド
配列。
【請求項】 請求項1〜6のいずれかに従うブドウ球菌ABCの輸送タン
パク質の免疫原性フラグメントであって、配列番号:3〜14、17または18
のいずれかの配列を有する免疫原性フラグメント。
【請求項】 ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造における、請求項1〜7の
いずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメン
トの使用。
【請求項】 ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造における、請求項1〜7の
いずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメン
トに特異的な結合剤または中和剤の使用。
【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タン
パク質またはその免疫原性フラグメントを使用することを特徴とする、ブドウ球
菌感染治療用薬剤の製造方法。
【請求項11】 請求項1〜7のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タン
パク質またはその免疫原性フラグメントに特異的な結合剤または中和剤を使用す
ることを特徴とする、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法。
【請求項12】 中和剤がDNAワクチン、リボザイムおよびアンチセンス
オリゴヌクレオチドから成る群のいずれかより選ばれる、請求項9または11の
いずれかに従う使用または方法。
【請求項14】 診断テストにおける、請求項1〜7のいずれかに従うブド
ウ球菌ABC輸送タンパク質もしくはその免疫原性フラグメントまたはそれらに
特異的な結合剤もしくは中和剤の使用。
【請求項15】 ブドウ球菌の診断のための診断テストキットの製造方法ま
たは診断テスト方法における、請求項12または13のいずれかに従うブドウ球
菌ABC輸送タンパク質もしくはその免疫原性フラグメントまたはそれらに特異
的な結合剤もしくは中和剤の使用。
【請求項17】 ブドウ球菌の診断テスト方法であって、 i)請求項1〜7のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはそ
の免疫原性フラグメントに特異的な結合剤または中和剤をサンプルと反応させる
工程; ii)結合剤または中和剤−標的結合反応を検出する工程;および iii)該結合剤または中和剤−標的結合反応の検出結果をブドウ球菌の存在
と相関させる工程を含む方法。
【請求項18】 結合剤が抗体であり標的が抗原である請求項16または1
7に従う診断テスト方法。
【請求項19】 請求項16〜18のいずれかに従う診断テスト方法であっ
て、患者のブドウ球菌感染の診断に用いられ、サンプルが患者由来のサンプルで
あり、患者のブドウ球菌感染との相関を判定する方法。
【請求項20】 サンプルが患者由来の血漿、血清または抗血清である、請
求項16〜19のいずれかに従う診断テスト方法。
【請求項21】 請求項16〜20のいずれかに従う診断テスト方法を実施
するための診断テストキット。
【請求項22】 キットを使用して診断テストを行なうための使用説明を含
む、請求項21に従う診断テストキット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/31 C07K 16/12 4C085 16/12 C12P 21/02 C 4C086 C12P 21/02 C12Q 1/04 4H045 C12Q 1/04 1/68 A 1/68 G01N 33/569 E G01N 33/569 33/68 33/68 C12R 1:44) //(C12N 15/09 ZNA 1:445) C12R 1:44) 1:45) (C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA C12R 1:445) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:45) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW Fターム(参考) 2G045 AA13 AA25 AA28 CA26 CB21 DA12 DA13 DA20 DA36 DA77 FB03 FB04 4B024 AA01 AA13 BA50 BA80 CA01 HA15 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ03 QQ79 QQ96 QR48 QR56 QS33 QX02 4B064 AG01 AG27 BA17 CA19 CC24 DA01 DA15 4C084 AA13 NA14 ZB351 ZB352 4C085 AA03 BA13 CC07 CC32 DD62 4C086 AA01 EA16 MA01 MA04 NA14 ZB35 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA11 EA29 EA52 FA74 HA06

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:2の配列またはその部分的な修飾形態を有しまた
    はそれらの免疫原性フラグメントから成り、人間または動物の身体の治療または
    診断方法に用いられるブドウ球菌ABC輸送タンパク質。
  2. 【請求項2】 配列番号:2の配列の部分的な修飾形態を有し、請求項1の
    ブドウ球菌ABC輸送タンパク質のアレル変異体から成る請求項1に従うブドウ
    球菌ABC輸送タンパク質。
  3. 【請求項3】 人間または動物の治療または診断方法に用いられる、請求項
    1または請求項2に従うブドウ球菌輸送タンパク質をコードするヌクレオチド配
    列。
  4. 【請求項4】 配列番号:1の配列を有する、請求項3に従うヌクレオチド
    配列。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに従うブドウ球菌ABCタンパク質
    または該タンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、ブドウ球菌が、ス
    タフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、 スタフィロコッカス・エピデルミヂス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス
    ・ヘモリチクス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・フィクス(S. hyic
    us)またはスタフィロコッカス・サプロフィチクス(S. saprophyticus)である
    もの。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに従うブドウ球菌ABCの輸送タン
    パク質の免疫原性フラグメントであって、配列番号:3〜14、17または18
    のいずれかの配列を有する免疫原性フラグメント。
  7. 【請求項7】 ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造における、請求項1〜6の
    いずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメン
    トの使用。
  8. 【請求項8】 ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造における、請求項1〜6の
    いずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメン
    トに特異的な結合剤または中和剤の使用。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパ
    ク質またはその免疫原性フラグメントを使用することを特徴とする、ブドウ球菌
    感染治療用薬剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タン
    パク質またはその免疫原性フラグメントに特異的な結合剤または中和剤を使用す
    ることを特徴とする、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 中和剤がDNAワクチン、リボザイムおよびアンチセンス
    オリゴヌクレオチドから成る群のいずれかより選ばれる、請求項8または10の
    いずれかに従う使用または方法。
  12. 【請求項12】 ブドウ球菌の診断テストキットの製造方法における、請求
    項1〜6のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質もしくはその免疫原
    性フラグメントまたはそれらに特異的な結合剤もしくは中和剤の使用。
  13. 【請求項13】 診断テストにおける、請求項1〜6のいずれかに従うブド
    ウ球菌ABC輸送タンパク質もしくはその免疫原性フラグメントまたはそれらに
    特異的な結合剤もしくは中和剤の使用。
  14. 【請求項14】 ブドウ球菌の診断のための診断テストキットの製造方法ま
    たは診断テスト方法における、請求項11または12のいずれかに従うブドウ球
    菌ABC輸送タンパク質もしくはその免疫原性フラグメントまたはそれらに特異
    的な結合剤もしくは中和剤の使用。
  15. 【請求項15】 ブドウ球菌の診断テスト方法であって、 i)請求項1〜6のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはそ
    の免疫原性フラグメントをサンプルと反応させる工程; ii)抗原−抗体反応を検出する工程;および iii)該抗原−抗体反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる工程を
    含む方法。
  16. 【請求項16】 ブドウ球菌の診断テスト方法であって、 i)請求項8に従う抗体またはその他の結合剤をサンプルと反応させる工程; ii)結合剤−標的結合反応を検出する工程;および iii)該結合剤−標的結合反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる
    工程を含む方法。
  17. 【請求項17】 結合剤が抗体であり標的が抗原である請求項15に従う診
    断テスト方法。
  18. 【請求項18】 請求項14〜16のいずれかに従う診断テスト方法であっ
    て、患者のブドウ球菌感染の診断に用いられ、サンプルが患者由来のサンプルで
    あり、患者のブドウ球菌感染との相関を判定する方法。
  19. 【請求項19】 サンプルが患者由来の血漿、血清または抗血清である、請
    求項14〜17のいずれかに従う診断テスト方法。
  20. 【請求項20】 請求項14〜18のいずれかに従う診断テスト方法を実施
    するための診断テストキット。
  21. 【請求項21】 キットを使用して診断テストを行なうための使用説明を含
    む、請求項19に従う診断テストキット。
  22. 【請求項22】 請求項1〜8のいずれかに従うブドウ球菌ABC輸送タン
    パク質もしくはその免疫原性フラグメントまたはそれらに特異的な結合剤もしく
    は中和剤を使用することを含む、ブドウ球菌感染の治療または診断方法。
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