JP4460156B2 - ブドウ球菌感染の治療および診断 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブドウ球菌(特に黄色ブドウ球菌)の感染(症)の治療および診断に関し、該ブドウ球菌のタンパク質、エピトープ、ならびにそれらの特異的な抗体およびその他の結合剤や中和剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
グラム陽性菌の多重薬剤耐性(MDR)は、特に病院において、ますます問題視されている(Banergee, S.N. 他、1991, Am. J. Med. 91 : 865-895 ; Shaberg, D.R. 他、1991, Am. J. Med. Suppl., 88 : 72-75 ; Gaynes, R.P. 他、1994, Infect. Dis. Clin. Pract., 6 : 452-455)。特に、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス)(MRSA)およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)(特にメチシリン耐性CNS)は、ペニシリンおよびセファロスポリン全てに対して耐性であり、問題であることが明らかにされている。キノロンのような他の薬剤に対する耐性も広まっている(Malabarta, A. 他、1997, Eur. J. Med. Chem., 32 : 459-478 ; Lewis, K., 1994, TIBS, 19 : 119-123 ; Traub, W.H. 他、1996, Chemotherapy, 42 : 118-132)。代表的な治療はバンコマイシンまたはテイコプラニンを使用するものである。しかしながら、これらの薬剤に対する耐性も拡大しつつあり、新しい治療法が要望されている。
【0003】
WO98/01154は、人間または動物の身体の治療および診断方法に、バクテリアおよび真菌のABC輸送(トランスポーター)タンパク質ならびにそれらに特異的な中和剤を使用することを開示している。治療に有用なものとして、見かけの分子量が97kDaおよび54kDaの腸球菌ABC輸送タンパク質が明らかにされ、さまざまのエピトープも明かにされている。バチルス・チューリンジエンシスのIstAおよびIstBタンパク質(Menou 他、1990, J. of Bacteriology, 173 : 6689-6696)に類似のブドウ球菌ホモログも明かにされており、該ホモログは69および37kDaのみかけの分子量を有し主要保存抗原である。それらのエピトープも明かにされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このたび本発明者は、流行性のMRSA株から67kDaのみかけの分子量を有するブドウ球菌ABC輸送タンパク質の分離および精製に成功し、配列番号(SEQ ID NO):1のコード配列および配列番号:2のアミノ酸配列としている。これらの配列の一部は、スタフィロコッカス・アウレウスNCTC8325ゲノム解読プロジェクトにより、コンティグ1184、コンティグ1177およびコンティグ1158(アミノ末端配列データを含有する)として明らかにされたものである。このタンパク質は、これまでABC輸送タンパク質であると示されたことはなく、それを診断や治療に用いることもこれまで提示されたことはなかった。該タンパク質は計算による真の分子量は60.1kDaであるが、翻訳後修飾により67kDaのみかけの分子量を有するものとして実験的に明かにされた。
【0005】
該タンパク質の機能は、WO98/01154のIstAおよびIstBホモログによって示唆されるものでなければ開示されているものでもない。それらは配列が異なり分子量が異なっているからである。さらに、そのIstAおよびIstBホモログが単離されたサンプルは、本発明について用いられたような血液や創傷培養物(後記)ではなく腹腔透析物であり、そのような精製法によっては本発明は導かれ得ない。該従来技術によって採用されている透析工程は、血清に比較すると、透析物中の抗体の相対的な割合を変化させてしまうからである。同様にして、その他の既知技術も、本発明に係る該タンパク質の機能について何らの示唆をしておらず、該タンパク質を診断または治療に用いることも示唆していない。
【0006】
【発明の実施の形態】
かくして、本発明に従えば、配列番号:2またはその部分的な修飾形態またはその免疫原性フラグメントから成り、人間または動物の身体の治療または診断方法に用いられるブドウ球菌ABC輸送タンパク質が提供される。
【0007】
該タンパク質の免疫原性フラグメントとしては、免疫応答を起こすようなタンパク質フラグメントであればいずれでもよく、エピトープ(すなわちエピトープを有するペプチド)を含む。同様にして、エピトープのアナログ(ミモトープ)を簡単に作製することもでき、そのようなミモトープは配列は異なるが同じエピトープを有するものである。このようにして「免疫原性フラグメント」とは、該フラグメントの免疫原性アナログ(例えばミモトープ)も包含するものとする。エピトープの決定やミモトープの設計は容易に行うことができる(Geysen, H.M. 他、1987, Journal of Immunological Methods, 102 : 259-274 ; Geysen, H.M. 他、1988, J. Mol. Recognit., 1 (1) : 32-41 ; Jung, G. およびBeck-Sickinger, A.G., 1992, Angew. Chem. Int. Ed. Eng., 31 : 367-486)。
【0008】
本発明の範囲は、他の非ブドウ球菌のABC輸送タンパク質、例えばWO98/01154のタンパク質にまで及ぶものではない。しかし、本発明は、非実質的に修飾された(すなわち、部分的に修飾された)タンパク質形態、特に、当該タンパク質自身と同一の免疫原性を有するようなタンパク質形態を包含するものである。
【0009】
「部分修飾」または「部分的に修飾された」とは、アミノ酸配列に関して用いられる場合、部分的に修飾された形態の分子が、それが誘導された元の分子の性質を実質的に保持している(勿論、追加の機能が生じることもある)ことを意味する。部分修飾は、例えば、アミノ酸残基の付加、削除または置換による。置換は保存的置換の場合もある。したがって、部分的に修飾された分子とは、例えば、それが誘導された元の分子のホモログ(相同体)である。例えば、誘導された元の分子に対して少なくとも70%のホモロジーを有する。例えば、誘導された元の分子に対して少なくとも80,90または95%のホモロジーを有するようなものである。ホモログの例は、アレル(対立遺伝子)変異体である。同様に、そのような分子またはアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が部分的に修飾されて、アミノ酸配列や分子の部分修飾をコードするようになることもある。勿論、ヌクレオチド配列の修飾には、同じアミノ酸をコードしながらヌクレオチド配列は異なるように修飾されることも含まれる。
【0010】
ブドウ球菌は、例えば、黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス:S. aureus)であり、あるいは、例えば、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、スタフィロコッカス・エピデルミヂス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリチクス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・フィクス(S. hyicus)またはスタフィロコッカス・サプロフィチクス(S. saprophyticus)である。
【0011】
免疫原性フラグメントは、例えば、ATP結合サイトまたはその一部から成る。当該ABC輸送タンパク質の多くのエピトープを保有する(発現する)ペプチドも明かにされており(後述)、したがって該タンパク質の免疫原性フラグメントは、例えば、配列番号:3,4,5,9,10,11または12の配列を含むものである。配列番号:3,4および5のエピトープは、それぞれ、配列番号:6,7および7の配列を有するペプチドによって示され、したがって、免疫原性フラグメントは、例えば、配列番号:6,7または8の配列を含むものである。特に、実験によって示されるところによれば、配列番号:3および4を有するエピトープを示す配列番号:6および7を有するペプチドは特に治療用として適している。配列番号:13および14の配列を有するペプチドも、その抗体が動物モデルで治療効果を有する(後述の実験参照)ようなエピトープを保持しており、したがって、免疫原性はフラグメントは、例えば、配列番号:13または14の配列を含むものである。更なるエピトープとして配列番号:17の配列を有するものも見出されており、該エピトープを保有し配列番号:18の配列を有するペプチドは、67kDaの抗原に特異的なポリクローナル抗血清の産生を引き起こす。したがって、配列番号:17または18のいずれか一方の配列を有するものも免疫原性フラグメントの1例である。
【0012】
かくして、上述のようなエピトープを保有するブドウ球菌ABC輸送タンパク質は治療や診断に有用であり、該タンパク質およびその免疫原性フラグメントは、ブドウ球菌感染の治療および予防(例えば、ワクチンのような免疫刺激剤として)に用いられることができる。
【0013】
さらに、該ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメントまたはその部分的に修飾された形態に特異的な結合剤および中和剤(例えば抗体)も、診断および治療に用いられることができる。結合剤には、それが特異的な標的があり、結合剤が抗体である場合には標的は抗原である。治療用薬剤の例は、該ABC輸送タンパク質に特異的な抗体であり、これは、免疫治療(例えば、受動免疫治療)に採用することができる。抗体とその製法および使用法は周知であり(Harlow, E.およびLane, D., "Antibodies・A Laboratory Manual", Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Press, New Youk, 1988 ; Harlow, E.およびLane, D., "Using Antibodies : A Laboratory Manual", Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1998)、したがって、抗体およびその抗原結合性フラグメントについては当業者には自明であろう。
【0014】
該タンパク質またはその免疫原性フラグメントのヌクレオチド配列も治療用途の基礎を与えるものである。例えば、該タンパク質またはその免疫原性フラグメントをコードするヌクレオチド配列は、DNAワクチンの製法に用いられることができる(Montgomery, D.L.他、1997, Pharmacol. Ther., 74 (2) : 195-205 ; Donnelly, J.J,他、1997, Annu. Rev. Immunol., 15 : 617-648 ; Manickan, E.他、1997, Crit, Rev. Immunol., 17 (2) : 139-154)。リボザイムやアンチセンスオリゴヌクレオチドのような他の中和剤も当業者には自明であろう。
【0015】
このようにして、本発明は、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法において、ブドウ球菌ABC輸送タンパク質、その免疫原性フラグメント、ならびに、それらに特異的な結合剤および中和剤を使用することも提供する。また、それらを使用することを特徴とする、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法も提供する。さらに、それらを使用することから成る、人間または動物の身体の治療方法も提供する。薬剤の用量は、標準的な用量(服量)−反応実験により容易に決定することができる。薬剤上許容できるキャリア、稀釈剤または賦形剤を含むこともできる(Remington's Pharmaceutical Sciences and US Pharmacopeia, 1984, Mack Publishing Company, Easton, PA, USA参照)。
【0016】
上述したように、本発明の該ABC輸送タンパク質、その免疫原性フラグメント、それらに特異的な結合剤および結合剤は診断にも有用であり、したがって、本発明は、ブドウ球菌に対する診断テストキットの製造におけるそれらの使用にも関する。さらに、ブドウ球菌の診断テスト方法におけるそれらの使用も提供する。
【0017】
本発明に従えば、さらに、ブドウ球菌感染の診断テスト方法であって、
i)ブドウ球菌ABC輸送タンパク質またはその免疫原性フラグメントをサンプルと反応させる工程;
ii)抗原−抗体反応を検出する工程;および
iii)該抗原−抗体反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる工程を含む方法が提供される。
【0018】
さらに、本発明に従えば、ブドウ球菌感染の診断テスト方法であって、
i)本発明に従うABC輸送タンパク質に対する抗体またはその他の結合剤をサンプルと反応させる工程;
ii)結合剤−標的結合反応を検出する工程;および
iii)結合剤−標的結合反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる工程を含む方法が提供される。
【0019】
サンプルは、例えば、患者の血漿またそれらのフラクション(画分)、例えば血清もしくは抗血清である。上記の診断テスト方法は、例えば、患者のブドウ球菌感染を調べるためのものであり、サンプルとして患者サンプルを用い、上記の相関を調べることにより患者のブドウ球菌感染を判定する。
【0020】
さらに、本発明に従えば、本発明に従う診断テスト方法を実施するための診断テストキットが提供される。この診断テストキットは該キットを用いる診断テストを行うための使用説明(書)を含むこともある。
【0021】
本発明に従えば、さらに、本発明に従うブドウ球菌ABC輸送タンパク質、その免疫原性フラグメント、結合剤または中和剤を使用することを含むブドウ球菌感染の治療方法または診断方法が提供される。
本発明は、ブドウ球菌感染の診断および治療を示す以下の記述から更に明らかになるであろうが、それらの記述は単に例示のためのものである。
【0022】
【実施例】
各種グループの患者の血液および創傷培養物由来のMRSA血清を用いて実験を行なった。各グループから抗原抽出物を調製し、患者の抗血清によりスクリーニングを行なった。これによって67kDaの抗原を取得し、さらに、ERSAの流行株から構築された発現ライブラリーをスクリーニングすることにより、目的のタンパク質を取得した。次いで、エピトープマッピングにより該タンパク質の抗原領域を確認し、さらに実験を行なうことにより治療効果の可能性のあるエピトープおよび該エピトープを有するペプチドを明かにした。
【0023】
イムノブロッティング
バクテリア株 ERSAの流行株(EMRSA)は、Manchester Royal Infimary (MRI)のClinical Microbiology Laboratoryから入手した。この菌株は、バンコマイシンおよびリファンピシンに感受性であるので、EMRSA(VSRS)と呼ぶ。リファンピシン投与によりインビボでリファンピシン耐性が誘起された患者から、このクローンの単離物を得た(VSSR)。
【0024】
血清グループ
グループ1:バンコマイシンおよびリファンピシンによる全身治療を必要とする感染患者由来(痰または創傷)(n=3)。単離物は常にリファンピシン感受性。
グループ2:バンコマイシンおよびリファンピシンによる全身治療を必要とする患者由来(陽性血液培養物)(n=3)。単離物は常にリファンピシン感受性。
グループ3:リファンピシン耐性クローンを持つ糖尿病患者の脚潰瘍コロニー由来(n=3)。全身治療なし。
グループ4:バンコマイシンおよびリファンピシンで治療された敗血症患者由来(陽性血液培養物)(n=3)。菌は治療中にリファンピシン耐性となった。
【0025】
バンコマイシン耐性EMRSAの調製
上記のVRRSおよびVSRRの単一コロニーを、10mlの栄養培地ナンバー2(英国Oxoid製)にバンコマイシン1μg/mlとともに接種し、振盪下に37℃でインキュベートした。培地が濁状を呈したときに、4滴(120μl)を、2μg/mlのバンコマイシンを含有する別の培地10mlに接種した。この培地が濁状を呈したら、該培養物120mlを3μg/mlのバンコマイシンを含有する別の培地に接種した。この操作を繰り返すことにより、バンコマイシン濃度を4,5,6,7,8μg/mlという具合に漸次増加させ、最後に、EMRSA15については22μg/ml、そしてリランピシン耐性EMRSAについては16μg/mlとなるようにした。これらの新しいクローンをそれぞれ、VSRRおよびVRRRと指称した。
4ヶの1リットルフラスコ(それぞれ、500mlの栄養培地ナンバー2を含有する)に、バンコマイシンに対して高い耐性を有する培養物を接種した。リファンピシン感受性菌株については30μg/mlとし、また、リファンピシン耐性単離物については20μg/mlとなるようにした。
【0026】
バンコマイシン分析用培地サンプルの採集
殺菌処理した5mlピペットを用いて、上記培地にバンコマイシンを添加した後、フラスコを静かに振盪した。殺菌処理した新しいピペットで培地サンプル(1ml)を取り出した後、フラスコにテスト用バクテリアを接種した。該サンプルはバンコマイシンを分析するためにClinical Microbioloy Laboratoryに送った。
各フラスコは、培地が濁状を呈するまで、振盪下に37℃でインキュベートした。殺菌処理したピペットを用いて安全キャビネット内で培地サンプル(2ml)を取得した後、細胞をハーベストした。該サンプルは、13,000rpmで10分間遠心した。沈渣はHibitaneに廃棄し、上清はMillipore0.22μmフィルターを用いてろ過してからバンコマイシンの分析のために送った。リンファピシン感受性菌株の値は、接種の開始時には27.1μg/mlであり終了時には8.1μg/mlであった。リンファピシン耐性クローンのそれらの値は、20.7μg/mlおよび7μg/mlであった。
【0027】
細胞のハーベスト
安全キャビネット内で次の工程を実施した。ハーベスト時に各培養物からの血液寒天純度のプレートを調製して培養物が汚染されていないことを確認した。3500rpmで15分間遠心を行なうことによりインキュベート後、細胞をハーベストした。上清はHibitaneに廃棄した。沈降物を無菌塩水で2回洗浄し、各洗浄後3500rpmで15分間遠心した。
【0028】
バイオX−プレス細胞分解装置を用いる細胞の溶解
使い捨て用プラスチックピペットを使用して、組み立て式バイオX−Press分解装置(Bio X-Press disintegrator:スウェーデンのBrommaにあるLKB Instruments製)の空のシリンダー内にハーベスト後の細胞を投入し、二次プランジャーをその平面側が下方を向くように配置した。ピストンを僅かな抵抗が感知されるまで押入した。次に、これら全体をプラスチック製ラップで覆い、横にして細胞を含有するシリンダーの液位を上昇させ、−20℃で一晩放置した。油圧プレスに手動式の油圧ポンプを取り付けネジ付きのカラーを指で締めた。凍結した分解装置からラップを外して、プレス上で垂直に配置して分解装置のピストンがプレスの上面を向くようにした。ピストンの上面にプラスチック製サポートを配置して該サポートがピストンの中央にあるようにし、プラスチック製サポートが上昇してプレスの上面に到達するまでハンドルをゆっくりと押し、多数の「破裂音」が聞こえるようになるまでこれを続け(但し、圧力計の針が赤色領域に入らないようにした)、ピストンが全距離を移動したときにポンプのレバーを回して圧力を解放した。
分解装置を取り外し、スパチュラを用いて分解した細胞をすくい殺菌処理した容器に入れた。この細胞を3500rpmで10分間遠心して上清を取り出し、ペレット分は廃棄した。上清は後に適当な濃度でドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に使用した。
【0029】
ドデシル硫酸ナトリウムアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
SDS−PAGE用装置とゲルの調製
この手法を利用するのに以下の器具を用いて2つのゲルを作製した:サイドクランプ4個、短ガラスプレート2個、長ガラスプレート2個、プレートセパレータ4個、ゴム製基板2個および基板クランプ1個。
各ゲルを調製するため、ガラスプレート対(短ガラスプレートおよび長ガラスプレート)の側部をクランプで止めた。2つのプレートの間にプレートセパレーターにより隙間をつくった。これらのプレートをゴム製基板シール上に配置し基板クランプ内に固定した。サイドクランプの矢印の少し上のレベルまで蒸留水を注入した。この水位をフェルトペンでマークを付けておき、数分間放置して漏れが無いことを確認した。その後、傾けて水を捨てた。
【0030】
短ガラスプレートの頂部から4cm下方にマークを付けた。この高さになるまで解離用ゲル混合物を注入した。プラスチック製ピペットを用いて該ゲル混合物の上部に蒸留水の層を添加し、室温下に60分間放置して硬化させた。硬化後、解離用ゲルの上にある蒸留水層を流し出し、10ウエルのコームを2つのガラスプレーと間に45度の角度で挿入した。気泡が発生しないように注意しながらピペットを用いて約5mlのスタッキングゲル混合物を添加し、コームを挿入し中央に動かし、さらにゲル混合物を添加してプレートの上部からあふれるように満たし、30分間放置して硬化させた。このようにして得られたゲルは同じ日に使用するか、または、解離用ゲルの頂部とコームをプラスチック製のラップで覆い冷室で貯蔵する。
ゲルの使用に当たってはコームを静かに取り除き、ウエルを電気泳動用バッファーで3回洗浄した。ウエルの底に残っている電気泳動用バッファを注射器で取り除いた。ゲルを含有しているガラスプレートを基板クランプから取り外し、タンクホルダーに締結して電気泳動タンクに沈めた。
【0031】
試料の調製と装入
試料の調製は1.5mlのエッペンドルフ試験管内で行った。ゲルに通す各サンプルの合計量25μl(抗原滴定の結果に従い蒸留水で希釈したもの)をクラッキングバッファー25μlと混合した。さらに、20μlのレインボー(RTM)着色タンパク質分子量マーカー(英国BuckighamshireのAmersham International製)に合計20μlのクラッキングバッファーを添加した。
クラッキングバッファー中の試料およびマーカーを適当な容器内で2〜3分間煮沸した。次にギルソンピペットを用いて、25mlのマーカーを1つのウエルに、また、50μlの各サンプルをそれぞれ適当なウエルに注意深く装入した。
【0032】
試料が別の試料内に流入しないように注意しながら、プラスチック製ピペットを用いてサンプル上に電気泳動バッファーを積層した。ガラスプレート間に残存するスペースに電気泳動バッファーを満たし、中央タンクはタンクの頂部から約2mm下方になるように該バッファーを満たし、冷却水を流し始めた。タンクのふたを交換し、装置のスイッチを入れてゲル当たり40〜50mAの定常電流を流し、中央タンクに発生する気泡をチェックした。
ゲルの実験は、3時間または青いラインがプレートの底から約1cm上方になるまで行なった。
電気泳動の電源と水を停止した後、ガラスプレートを保有するホルダーをタンクから取り出し、過剰の電気泳動バッファーを捨てた。ガラスプレートのセッティングを外し、プラスチック製サイドピース(プレートセパレーター)をてこにしてゆっくりとガラスプレートを互いに分離した。スタッキングゲルを除去した後、分離用ゲルを取り外して銀染色またはトランスブロッティングに供した。
【0033】
SDS−PAGEゲルの銀染色
ポリアクリロアミド(解離用)ゲル内で分離されたタンパク質に、Daiichi Silver Stain-IIキット(日本のIntegrated Separation Systems製)を用いて染色を行なった。抗原調製物の滴定で用いられたゲル、および、いろいろなインキュベーション条件下で成長した生物中のタンパク質発現を比較するために使用したゲルをメーカーの指図書に従いこの方法で染色した。
【0034】
イムノブロッティング
抗体応答を調べるために、SDS−PAGE後ニトロセルロース膜に転写された生物タンパク質に対して血清のブロッティングを行なった。抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgMコンジュゲートを添加した後、適当な基質を添加することによって、血清中に存在するIgGまたはIgM抗体が結合した該タンパク質のバンドを可視化することができた。
【0035】
トランスブロッティング
各ゲルについて必要とした材料は、プラスチック製ゲルホルダー(1対)、スコッチブライト2枚、ブロッティングペーパー4枚およびニトロセルロース膜1枚である。
トランスファータンクをトランスブロッティングバッファーで部分的に満たし、プラスチックホルダーのハンドルサイドをタンク内に配置した。回転運動を利用して気泡をトラップしないように注意しながら2枚のスコッチブライトをホルダーに載せた。同様にして、スコッチブライトの上方に2枚のろ紙を配置した。15×16.5cmの大きさにカットされた1枚のニトロセルロース膜を一番上に載せ、20分間浸潤させた。
【0036】
電気泳動電源および水(SDS−PAGE用)を停止した後、ガラスプレートを含有するホルダーを電気泳動タンクから取り出した。ガラスプレートのセットを外し、プラスチック製サイドピースをてこにしてガラスプレートを互いに分離した。スタッキングゲルを除去した後、解離用ゲルをガラスプレートからゆっくりと取り除いて残りのスタッキングゲルを除去した。浸潤後のニトロセルロース膜の一番上に解離用ゲルを配置し、さらに、このゲルの上に2枚のブロッティングペーパーを配置した。プラスチック製ホルダーの片方をクリップで止め、このホルダー全体をトランスブロッティングタンク(米国San FranciscoのHoefer Scientific Instruments製Transport Power Lid)に沈めた。タンクの蓋を交換し冷却水を開始した。この装置を最大出力で45分間運転した。
トランスブロッティングが終了したら、電流のスイッチを切り冷却水を停止した。ホルダーを取り外しゲルとニトロセルロース膜を取り出した。膜を鋭利なメスでゲルの大きさに切り、3%のBSA(米国セントルイスのSigma Chemical社製)100mlに入れ4℃で一晩放置した。
【0037】
抗体のプロービング、コンジュゲーションおよび染色
ガイドとして10ウエルのコームを用いてニトロセルロースの頂部および底部にマークをつけた。メスと定規を用いて膜を幾つかのストリップに切断した。それらのストリップをストリップボックスに配置し、各ストリップを3%BSA(一晩ニトロセルロース膜を貯蔵した3%BSAを用いた)3.8mlで被覆した。各ストリップについて、イムノブロッティングを行なう血清200ml(全量)を添加し、血清を20倍に希釈した。これらのストリップをロータリーシェーカー上で室温下に2時間インキュベートした。
【0038】
洗浄液を用いストリップを5回洗浄(各回6分間)した。ストリップに、1000倍希釈(3%BSAで希釈)抗ヒトIgGまたは抗ヒトIgMアルカリホスフェートコンジュゲートを添加し、室温下に1時間振盪した。前記と同様に各ストリップを5回洗浄した。一方、NBT(ニトロ−ブル−テトラゾリウム)およびBCIP(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート)粉末のそれぞれ0.05gに1mlのDMF(n,n−ジメチルホルムアミド)を添加することによりNBTおよびBCIPを調製した。使用の直前に660μlのNBTおよび330μlのBCIPを100mlのアルカリホスフェート基質バッファーに添加した。この溶液5mlを各ストリップに添加して充分に染色が行なわれるようにした(約5〜15分間)。次に、それぞれのストリップを蒸留水で洗浄することにより反応を停止させ、ブロッティングペーパー上に配置して乾燥させた。
【0039】
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のゲノムライブラリーの調製およびスクリーニング
YoungおよびDaviesらの記述(1983, PNAS USA, 80 : 1194-1198)に従い、発現/クローニングベクター、ラムダZAPエクスプレス内にゲノムライブラリーを構築した。臨床単離物由来の染色体DNAをSau3aにより部分分解し、2〜9kbpのサイズ範囲にあるフラグメントを上記ベクターに挿入して、βガラクトシダーゼ融合タンパク質を得た。IgG抗体で各ライブラリーをスクリーニングし、血液培養物陽性の敗血症から回復した患者由来のEMRSA(100倍希釈)の67kDaのバンドに陽性なものを検出した。陽性クローンの検出はアルカリホスフェートとコンジュゲート(複合化)したヤギ抗ヒト免疫グロブリン(IgG)(5000倍希釈)(英国PooleのSigma製)を用いて行なった。Huynh, YoungおよびDavies ( 1985, DNA cloning vol 1, a practical approach, IRL Press Oxford, p49-78, Ed. D.M. Glover)に従い、大腸菌Y1089での陽性クローンからリソゲンを調製した。Lyonらの記述(1986, PNAS USA, 83 : 2989-2993)に従い抗原選択により、各陽性クローンによって発現されたエピトープを同定した。このために、陽性の組換えラムダプラークでハイブリダイズすることにより)血清をアフィニティ精製した。次に、結合した抗体をグリシンバッファー(pH2.8)で溶出させ、関連するバクテリアのライゼートをイムノブロッティングするのに用いた。
【0040】
DNA配列決定
T3およびT7をフォワードプライマーおよびバックプライマーとするPCRを用いて、血清陽性クローン由来のインサートDNAを増幅した。これをTAクローニングシステム(バージョン1.3、英国Oxong Invitrogen社製)にサブクローニングした後、ジデオキシターミネーション法(シーケンスバージョン2.0キット、英国CambridgeのUnited States Biochemical社製)を用いてDNAシークエンシングを行なった。当初のシークエンス反応はユニバーサルプライマーを用いて行い、残りの配列は、プライマー歩行法を用いシークエンスプライマーを逐次合成して新しい配列データを得ることにより決定した。
【0041】
結果
イムノブロッティング
銀染色した抗原抽出物(VSRS、VRRS、VSRRおよびVRRR)は、4つとも同じパターを生じた。イムノブロッティングによって、見かけの分子量が27から140KDaの抗原バンドが確認された(表1および2)。
【0042】
4つのグループのいずれの患者も67KDaの抗原に対する抗体を生じた。特に、血液培養物が陽性の感染を示してバンコマイシンによる治療が必要とする患者についてこのことが該当した。グループ4においては、さらに、2人の患者から続発性血清も入手され、いずれも回復時には該抗原に対する抗体レベルが増大していた。この抗原は、4種類の抗原抽出物のいずれにも存在していた。IgGは、リファンピシン耐性株のいずれにも存在していた。IgGは、リファンピシン耐性株に因る敗血症からの生存患者の血清中には存在したが、リファンピシン感受性敗血症から回復した患者の血清中には存在しなかった。
【0043】
次に、67KDaの抗原に陽性の血清を用いて、EMRSA由来の発現ライブラリーのスクリーニングを行なった。2つの陽性クローンが得られた。EMRSA流行株の保存67kDaに反応した両クローンは1つのエピトープを有することが抗原選択により示された。配列分析により、βガラクトシダーゼ遺伝子とのフレーム内に部分配列が示された。挿入サイズの全長は4.5Kbであった。このようにして得られたアミノ酸配列は、3つのATP結合性ドメインを有するタンパク質を産生し、また、ABC輸送タンパク質に属するタンパク質群にホモロジーを有していた(FathおよびKilter, 1993, Microbiological Reviews 37, 995-1017)。これは、SEQ ID NO:2の133位のアミノ酸から始まるタンパク質のC末端であった。黄色ブドウ球菌NTCCゲノム配列プロジェクトデータベースでこの配列を検索したところ、コンティグ1184、1177および1158にマッチングし、配列が部分的にオーバーラップしていた。これによって、該タンパク質をコードする全遺伝子をクローニングするためのPCRプライマーを合成することができた。
【0044】
SEQ ID NO:15およびNO:16を有するPCRプライマー(それぞれ、フォワードプライマーおよびバックプライマー)を用いて、精製後のEMRSA DNAから全長のABC輸送タンパク質が得られた。
【0045】
pBAD−TA−TOPOクローニングキット(Invitrogen製)によりpBADベクターに上記の全遺伝子をクローニングし、大腸菌内で発現させた。発現後、アフィニティクロマトグラフィーを用いて該タンパク質を精製し、生の(ネーティブ)構造のタンパク質を得た。Ni−NTAスラリー(Qiagenから入手)を用いてカラムを作製し、タンパク質のN末端のHisタグを結合するようにした。250mMのイミダゾールによりカラムからタンパク質を溶出させ、最終タンパク質濃度を1mg/mlとした。
ウサギに該ABC輸送タンパク質を注射(0.5gをフロイントの完全アジュバントに溶かしたものを注射、14日後に再注射し、その後、フロイントの不完全アジュバントに溶かしたものを2週間毎に注射)することによりポリクローナル抗血清を調製した。出血前および出血後血清(28日後に入手)を100倍希釈したEMRSA流行株由来のプレゼートにイムノブロッティングした。この結果、みかけの分子量67および33kDaの抗原に血清転換していることが示された。
このことからも、67kDaのブドウ球菌抗原の存在が確認された。
【0046】
エピトープマッピング
Geysen H. M.他による記述に従い(Journal of Immunological Methods, 102 : 259-274)、エピトープスキャンニングキット(英国CambridgeのCambridge Research Biochemicals製)の試薬を用いポリエチレンピン上に、上記のように得られたアミノ酸配列の残基135〜533をカバーし互いにオーバーラップする一連のノナペプチドを合成した。すなわち、ペプチド1は残基1から9から成り、ペプチド2は残基2から10から成るという具合にした。ELISAにより、患者血清(200倍希釈)に対する各ペプチドの反応性(IgG)を測定した。データは、30分のインキュベーション後のA405として示した。調べたのは、重要な臨床部位のEMRSAコロニー形成を伴う患者由来の血清〔慢性の外来患者透析液、感染後(n=2);感染した断端、感染後(n=3)、血液培養物は陰性だが全身的なバンコマイシン治療を要したもの;バンコマイシンおよびリファンピシンによる治療に成功したEMRSAに因る敗血症(感染後、n=3);EMRSAに因る致命的敗血症(n=4)〕および存院患者によるコントロール血清(n=2)である。
【0047】
間接ELISA
上述のようにして得られた3つのエピトープを選び(SEQ ID NO:3〜NO:5)、それらを表わすペプチドをBT7400マルチプルペプチドシンセサイザー(英国LutonのBiotech Instruments製)により合成し、間接ELISAに用いた。
【0048】
血清
グループA:EMRSAコロニー形成または感染が認められない(n=12)。
グループB:臨床的に重要な部位においてEMRSAによりコロニー形成した患者。慢性の外来患者透析液(n=2)または断端部位(n=2)で、全身的なバンコマイシン治療が必要とするもの。
グループC:バンコマイシン治療されたEMRSAに因る敗血症から生存した患者(n=3)。
グループD:EMRSAに因る敗血症で死亡した患者(n=3)。
【0049】
マイクロタイタープレートにペプチドを単純吸着させることにより各ペプチドについて以下の操作を実施した。0.01Mのリン酸バッファー溶液(PBS)2ml、pH7.2にペプチドを溶かし、同じバッファーで濃度10μg/ml(1/100)に希釈した。
SEQ ID NO:13およびNO:13を有するペプチド4およびペプチド5については間接ELISAも実施した。異なる臨床歴を有する全部で39の血清を用いた。
【0050】
血清
グループE:ブドウ球菌の感染またはコロニー形成が認められない12人の患者由来の12の血清。
グループF:リファンピシン耐性クローンによりコロニー形成が認められた糖尿病および脚潰瘍患者3人由来の3つの血清。
グループG:バンコマイシンおよびリファンピシンの全身治療を必要とし、静脈線、唾液または創傷スワブの培養物が陽性であった14人の患者由来の14の血清。
グループH:血液培養物陽性の敗血症から回復した患者由来の7つの血清。
グループI:抗体治療にもかかわらずMRSA感染(血液培養物が恒常的に陽性であったことから証明)で死亡した患者由来の3つの血清。
【0051】
(1)ペプチド(0.01MのPBS中、10μg/ml)の150μlのアリコートをピペットでFalcon3912ミクロプレートアッセイプレートのウエル内に注入し、4℃で一晩インキュベートした。
(2)0.01MのPBS(pH7.2)に溶かした0.05%Tween20で4回(4×10分)洗浄することにより非結合ペプチドを除去した。
(3)2%スキムミルク−10%FCS(0.01MのPBS中)を用い1時間、37℃でプレートのブロッキングを行なった。
(4)0.05%Tween20(0.01MのPBS中)でプレートを4回(4×10分)洗浄し、ミクロアッセイプレートのウエルに被検血清(ブロッキング溶液で100倍希釈)を添加し(各血清について3ヶのウエルを使用)、37℃で2時間インキュベートした。
(5)0.01MのPBSに溶かした0.05%Tween20でプレートを4回(4×10分)洗浄し、二次抗体である抗ヒトIgM(またはIgG)ペルオキシダーゼコンジゲート(ブロッキング溶液で1000倍希釈)を添加し、37℃で1時間インキュベートした。
(6)0.05%Tween20(0.01MのPBS中)でプレートを4回(4×10分)洗浄し、さらに、0.01M PBSで洗った。次に、0.01%(w/v)の過酸化水素を含有するpH4.0クエン酸に溶かした0.5mg/mlの新たに調製した2.2−アジノ−ビス[3−エチルベンズ−チアゾリン−6−スルホン酸]ジアンモニウム(ABTSタブレット)中で該プレートを室温下に攪拌しながら45分間インキュベートした。
(7)各プレートにコントロール(対照)ウエルを用いた。ABTS溶液のみを有する3ヶのウエル、およびABTSに加えて抗ヒトIgGまたはIgMセイヨウワサビペルオキシダーゼコンジゲートのみを有する3ヶのウエルを用いた。
(8)ELISAプレートリーダー(Titertek Multiscan)を用い波長405nmにおける光学密度(O.D.)測定を行った。
(9)1つの患者血清に対して3ヶのウエルの示値の平均値を求めた。
上述のプロトコールに従い、SEQ ID NO:17の配列を有するペプチド6(SEQ ID NO:18)に対するポリクローナルウサギ抗血清を作製することにより該ペプチド6の免疫原性を試験した。クローニングし発現された上記のABC輸送タンパク質について出血前および出血後血清を用いてイムノブロッティングを行ったところ、67kDa抗原への血清転換が示された。
【0052】
ファージ抗体ディスプレイライブラリーおよびScFvの調製
Matthews, R. C.他による記述(1995, J. Infect. Dis., 171 : 1668-1671)に従って、ファージ抗体ディスプレイライブラリーおよびScFvを作製した。略述すると、Ficoll上でヘパリン処理した血液20mlを分離することにより、EMRSAから回復した患者から末梢血リンパ球を入手した。チオシアン酸グアニジニウムによりMRNAを抽出し、次いで、オリゴ(dT)−セルロースカラム(Quick Prep mRNA;英国St. AlbansのPharmacia製)で精製した。トリ骨髄芽細胞症ウイルス逆転写酵素(英国CambridgeのBiotechnology製)を用い、ヒトIgGのH鎖(HulgG1-4)(Matthews, R.C.他、1994, Serodiagn. Immnother. Infect. Dis., 6 : 213-217)の4つのサブクラス全てについて不変部による1stストランドcDNA合成を行なった。ファミリー分析に基づくフォワードプライマー(HuJH1−6)およびバックプライマー(HuVH1aから6a)を用いて一次PCRによりH鎖可変ドメイン遺伝子を増幅した。VH3aを用いて逆方向に調製した生成物の上流にSfi1制限部位を導入した後、軽鎖可変ドメイン遺伝子のプールに組み入れた。更にリンカーフラグメント(Gly4 SER3)および下流にNot1部位を導入したSfi1およびNot1制限酵素部位を利用して、生成物をファージミドベクターに一方向クローニングした。このようにライゲーションしたベクターをエレクトロポーレションにより大腸菌TG1内に導入し、ヘルパーファージM13K07(Pharmacia)を用いてファージをレスキューした。抗原特異的なScFvを増幅するため、エピトープマッピングで示されるエピトープの2つを表わすペプチド、すなわちペプチド1(SEQ ID NO:6)およびペプチド2(SEQ ID NO:7)についてファージライブラリーのパンニングを行なった。このパンニングは、それぞれのペプチドが被覆されたイムノチューブ内で実施した。log相大腸菌TG1を用いて、結合したファージを溶出させた。M13K07によるレスキュー後、ファージを更に3回、ペプチドについて再パンニングした。BstN1(英国HiychenのNew England Labs製)を用いるDNAフィンガープリント法により、各パンニング後の特異的ScFvの増幅を確認した。
【0053】
動物実験
実験1
30匹のメスのCD1マウスに、IV注射により、2×106cfu(コロニー形成単位)のEMRSA丸剤を投与した。2時間後、M13K07(12.2×108ファージ、200μl丸剤、n=10)、ファージ12(2×108ファージ、200μl丸剤、n=10)またはファージ16(3.16×106ファージ、200μl丸剤、n=10)を投与した。注射日を1日目としたときの注射後3日目および7日目に、腎臓、肝臓および脾臓のコロニー数を測定した。
【0054】
実験2
30匹のメスのCD1マウスのそれぞれに、3×107cfuのEMRSA丸剤100μlを投与した。2時間後、陰性ファージスーパーライブラリー(7×1010ファージ、200μl丸剤、n=10)、ファージ12(9×107ファージ、200μl丸剤、n=10)またはファージ16(5×106ファージ、200μl丸剤、n=10)を投与した。1日目および2日目に、腎臓、肝臓および脾臓のコロニー数を測定した。
【0055】
実験3
48匹のメスのCD1マウスのそれぞれに、2×106cfuのEMRSA丸剤100μlを投与した。2時間後、陰性ファージ(108ファージ、200μl丸剤、n=12)、ファージ12(108ファージ、200μl丸剤、n=12)またはファージX(107ファージ、200μl丸剤、n=12)またはファージ(106ファージ、200μl丸剤、n=12)。マウスの半分を殺し第2回目のファージ投与を行なった。残りのマウスは2日目に殺した。
【0056】
実験4
45匹のメスのCD1マウスに、2×107cfuのEMRSA丸剤100μlを投与した。2時間後、陰性ファージ(2.5×107ファージ、200μl丸剤、n=15)、ファージX(3.3×106ファージ、200μl丸剤、n=15)またはファージ16(1.3×106ファージ、200μl丸剤、n=15)を投与した。各グループについて5匹のマウスを殺し2回目にコロニーの数を測定し、また、各グループについて残りの10匹を殺し3日目にコロニー数を測定した。
【0057】
結果
エピトープマッピング
ABC輸送タンパク質の135〜533位の残基の中から、EMRSA敗血症に対して患者を治療するのに有効な7つの領域がエピトープマッピングにより確認された。3つ以上の連続したウエルの平均光学密度が在院コントロールの値および死亡した敗血症患者の値よりも大きい(標準偏差で少なくとも2)ときに、その領域がエピトープを有するものとした。オーバーラップするアミノ酸配列の誘導は、最初のペプチド配列および最後のペプチド配列を比較することにより行なった。コロニー形成した患者由来の血清は、それらのエピトープの幾つかについても陽性であった。
【0058】
間接ELISA
ペプチド1〜3についての結果は表4に示されている。ペプチド4および5についての結果は表10に示されている。
【0059】
結論
コロニー形成した患者(グループB)は、ペプチド2よりもペプチド1および3を認識した。ペプチド3は最も免疫原性が低かった。ペプチド2に対するIgGは、敗血症から生存した患者(グループC)に見出されたが、コロニー形成した患者(グループB)および死亡した患者(グループD)には見出されなかった。ペプチド4および5について得られた結果は、ペプチド4および5の両方に対する抗体と全身性感染からの生存との間に明らかな相関があることを示している。
【0060】
組換えヒト抗体
これらのペプチド類を用いてファージ抗体ディスプレイライブラリー(上述)のパンニングを行なった。H鎖可変ドメイン遺伝子のファミリーを一次PCRで増幅したところ、VH3aのみが増幅され、軽鎖可変ドメイン遺伝子ライブラリーに組み込まれた330bpの生成物を生じた。パンニング前のPCR増幅ScFvインサートのBstNフィンガープリントは、きわめて雑多なライブラリーを示した。ペプチド1に対してパンニングした後は2種類のBstN1フィンガープリント(XおよびY)が優勢となり、ペプチド2についてパンニングした後は、さらに2種類のBstN1フィンガープリント(12および16)が優勢となった。これらを動物実験に選択した。
【0061】
動物実験
実験1:コロニー数は表5にまとめている。クローン12を投与したグループで2匹のマウス、また、クローン16を投与したグループで1匹のマウスが1日目に自然死した。
結論:3日目におけるM13K07(陰性コントロール)は腎臓については類似の結果を与えたが、肝臓および脾臓はクローン12および16によって活性を示した。7日目においてM13K07およびクローン16は類似の結果を与えたが、クローン12はM13K07よりも腎臓、肝臓および脾臓について少ないコロニー数を示した。
【0062】
実験2:コロニー数は表6にまとめている。
結論:スーパーライブラリー(陰性コントロール)はクローン16に対しては類似の結果を与えた。クローン12のコロニー数は、腎臓および脾臓(1日目)また、脾臓および肝臓(2日目)について低くなっている。
【0063】
実験3:コロニー数は、表7および表8にまとめられている。
結論:陰性ファージは、1日目においてファージ12(腎臓、肝臓)およびファージX(肝臓、脾臓)に、また、2日目においてファージX(肝臓、脾臓)に類似のコロニー数を示した。ファージYは、恒常的に陽性であり、また、2日目の腎臓におけるコロニー数を除きファージ12よりも陽性であった。
【0064】
実験4:コロニー数は表9にまとめている。
結論:陰性ファージは、3日目においてファージX(腎臓、脾臓)に、また、2日目においてファージY(腎臓)に類似のコロニー数を生じた。その他のパラメータは、ファージXおよびファージYの治療効果についてはファージYの方が2日目および3日目のいずれにおいても活性が高い(但し、2日目の腎臓の場合を除く)ことを示した。
【0065】
まとめ
ファージ12、XおよびYはいずれも治療活性を示し、ペプチド1〜5で表わされるエピトープが抗体治療用の標的として有用であることが確認された。
【0066】
【表1】
Figure 0004460156
【0067】
【表2】
Figure 0004460156
【0068】
【表3】
Figure 0004460156
【0069】
【表4】
Figure 0004460156
【0070】
【表5】
Figure 0004460156
【0071】
【表6】
Figure 0004460156
【0072】
【表7】
Figure 0004460156
【0073】
【表8】
Figure 0004460156
【0074】
【表9】
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【0075】
【表10】
Figure 0004460156
【配列表】
Figure 0004460156
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Claims (19)

  1. 配列番号:2の配列もしくは該配列に対して少なくとも90%のホモロジーを有する配列からなるブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントからなり、該免疫原性フラグメントが配列番号:3〜14、17または18のいずれかの配列からなる、人間または動物の身体の治療または診断方法に用いられるブドウ球菌タンパク質。
  2. 配列番号:2の配列に対して少なくとも95%のホモロジーを有する、請求項1のブドウ球菌タンパク質。
  3. 人間または動物の治療または診断方法に用いられる、請求項1または2記載のブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントをコードする核酸分子。
  4. 配列番号:1の配列からなる、請求項3記載の核酸分子。
  5. ブドウ球菌が、スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、スタフィロコッカス・エピデルミヂス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリチクス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス・フィクス(S. hyicus)またはスタフィロコッカス・サプロフィチクス(S. saprophyticus)である、請求項1もしくは2記載のブドウ球菌タンパク質もしくはその免疫原性フラグメント、またはブドウ球菌タンパク質もしくはそれらの免疫原性フラグメントをコードする請求項3または4記載の核酸分子。
  6. ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造における、請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントの使用。
  7. ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造における、請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントに特異的な結合剤の使用。
  8. 請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントを使用することを特徴とする、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法。
  9. 請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントに特異的な結合剤を使用することを特徴とする、ブドウ球菌感染治療用薬剤の製造方法。
  10. ブドウ球菌の診断テストキットの製造方法における、請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質、その免疫原性フラグメントまたはこれらに特異的な結合剤の使用。
  11. 検出テストにおける、請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質、その免疫原性フラグメントまたはこれらに特異的な結合剤の使用。
  12. ブドウ球菌の診断のための診断テストキットの製造方法またはブドウ球菌の検出のための生体外検出テスト方法における、請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質、その免疫原性フラグメントまたはこれらに特異的な結合剤の使用。
  13. ブドウ球菌の生体外検出テスト方法であって、
    i)請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントをサンプルと反応させる工程;
    ii)該抗原−抗体反応を検出する工程;および
    iii)該抗原−抗体反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる工程を含む方法。
  14. ブドウ球菌の生体外検出テスト方法であって、
    i)請求項1、2もしくは5記載のブドウ球菌タンパク質またはその免疫原性フラグメントをサンプルと反応させる工程;
    ii)結合剤−標的結合反応を検出する工程;および
    iii)該結合剤−標的結合反応の検出結果をブドウ球菌の存在と相関させる工程を含む方法。
  15. 結合剤が抗体であり、標的が抗原である請求項13または14に記載の生体外検出テスト方法。
  16. 請求項1315のいずれかに記載の生体外検出テスト方法であって、患者のブドウ球菌感染に用いられ、サンプルが患者由来のサンプルであり、患者のブドウ球菌感染との相関を判定する方法。
  17. サンプルが患者由来の血漿、血清または抗血清である、請求項1316のいずれかに記載の生体外検出テスト方法。
  18. 請求項1317のいずれかに記載のテスト方法を実施するための検出テストキット。
  19. キットを使用して検出テストを行なうための使用説明を含む、請求項18に記載の検出テストキット。
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