JPH11137277A - 新規greA - Google Patents

新規greA

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JPH11137277A
JPH11137277A JP10242456A JP24245698A JPH11137277A JP H11137277 A JPH11137277 A JP H11137277A JP 10242456 A JP10242456 A JP 10242456A JP 24245698 A JP24245698 A JP 24245698A JP H11137277 A JPH11137277 A JP H11137277A
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JP
Japan
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polypeptide
polynucleotide
grea
sequence
seq
Prior art date
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Pending
Application number
JP10242456A
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English (en)
Inventor
Rebecca Claire Greenwood
レベッカ・クレア・グリーンウッド
Daniel Robert Gentry
ダニエル・ロバート・ジェントリー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
Original Assignee
SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
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Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/917,456 external-priority patent/US5866368A/en
Application filed by SmithKline Beecham Ltd, SmithKline Beecham Corp filed Critical SmithKline Beecham Ltd
Publication of JPH11137277A publication Critical patent/JPH11137277A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/305Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Micrococcaceae (F)
    • C07K14/31Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Micrococcaceae (F) from Staphylococcus (G)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10S530/806Antigenic peptides or proteins
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10S530/82Proteins from microorganisms
    • Y10S530/825Bacteria

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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 greAポリペプチドおよびgreAポリペ
プチドをコードしているDNA(RNA)、および組み
換え法によるかかるポリペプチドの製造方法、ならびに
抗細菌化合物のスクリーニングのためのgreAポリペ
プチドの使用方法を提供する。 【解決手段】 配列番号:2のアミノ酸配列に対して少
なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプ
チド、および配列番号:2のアミノ酸配列を含むポリペ
プチドをコードしているポリヌクレオチドに対して少な
くとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一つには、新たに
同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド、なら
びにそれらの製造および使用、ならびにそれらの変種、
アゴニストおよびアンタゴニスト、そしてそれらの使用
に関する。詳細には、これらの点および他の点に関し
て、本発明は、gre(転写開裂因子)ファミリーの新
規ポリヌクレオチドおよびポリペプチド(以下、gre
Aという)に関する。
【0002】
【従来の技術】スタフィロコッカス属(Staphylococc
i)の遺伝子および遺伝子産物を抗生物質の開発に用い
ることは特に好ましい。スタフィロコッカス属は医学的
に重要な微生物属を形成している。それらは2つのタイ
プの疾病、すなわち、侵入的および毒素生成的疾病を引
き起こすことが知られている。一般的には、侵入的感染
は皮膚表面および深部組織の両方に影響する膿瘍形成に
より特徴づけられる。エス・アウレウス(S. aureus)
は癌患者における菌血症の第2の主要原因である。骨髄
炎、敗血性関節炎、敗血性の血栓性静脈炎および急性細
菌性心内膜炎も比較的よく見られる。スタフィロコッカ
ス属の毒素生成的特性により生じる3つの臨床的症状が
ある。これらの疾病の明らかな徴候は、組織侵入および
菌血症に対立するものとしてのエンドトキシンの作用に
より生じる。これらの症状は、スタフィロコッカス食品
汚染、熱傷皮膚症候群およびトキシンショック症候群を
包含する。
【0003】スタフィロコッカス・アウレウス(Staphy
lococcus aureus)感染の頻度は過去20年間に劇的に
上昇している。これは多重抗生物質耐性株の出現、およ
び免疫系が低下した人の集団の増加に起因している。い
くつかのまたはすべての標準的な抗生物質に対して耐性
を有するスタフィロコッカス・アウレウス株を単離する
ことはもはやめずらしいことではない。この現象がこの
生物に対する新しい抗菌剤、ワクチンおよび診断試験に
ついての必要性を形成した。
【0004】しばしば、DNA転写は、伸長を行ってい
るRNAポリメラーゼ分子(通過する)のフラクション
をトラップするDNAの部位において停止し、RNA生
成物を増加または解離できないブロックされた3成分複
合体を生じる。転写開裂因子はRNAポリメラーゼを用
いてかかる複合体中のRNAを3’末端において開裂
し、RNAポリメラーゼを逆行させ、トラップと思われ
る箇所で止まらずに読むことを再試行させる(Borukhov
et al. 1993. Cell 72:459-466)。効果的な転写伸長
を確実なものにする以外に、発生期のRNAの3’末端
において誤って取り込まれた塩基もまた停止による複合
体の生成を導くので、転写開裂因子は転写の忠実度を向
上させる(Erie et al. Science 262:867-8730)。2つ
の転写開裂因子GreAおよびGreBがイー・コリ
(E. coli)において同定されている(Borukhov et al.
1993. Cell 72:459-466)。GreA依存性転写開裂
は、通常には、転写が止まっているRNAの3’末端か
らジ−またはトリヌクレオチドを除去する。GreB依
存性の開裂はより大きなオリゴヌクレオチドを生じ、そ
れは9ヌクレオチドまでの長さである。両蛋白ともRN
Aポリメラーゼに結合する。GreAまたはGreB蛋
白はいずれも固有のヌクレアーゼ活性を持たず、むしろ
それらはRNAポリメラーゼに固有のヌクレアーゼ活性
を刺激する(Orlova et al. 1995. Proc. Natl. Acad.
Sci., USA 92:4596-4600)。真核生物の転写伸長蛋白S
IIは、転写の止まっているRNAの3’末端からのRN
Aの開裂を刺激するという点でGreAおよびGreB
蛋白に類似しているが、GreAおよびGreB蛋白に
対して有意な配列相同性を有していない(Borukhov et
al.1993. Cell 72:459-466)。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】明らかに、抗生物質活性に関して化合物を
スクリーニングするのに有用であるという目下の利益を
有する本発明新規化合物のごとき因子に対する必要性が
ある。かかる因子は、感染、機能不全および疾病の発生
におけるそれらの役割を調べるのにも有用である。感
染、機能不全または疾病の予防、改善または修正におい
て役割を果たしうる、かかる因子ならびにそれらのアン
タゴニストおよびアゴニストに対する必要性もある。
【0006】本発明ポリペプチドは、既知のイー・コリ
のgreA蛋白に対してアミノ酸配列相同性を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
表1(配列番号:2)に示すアミノ酸配列および既知ア
ミノ酸配列またはイー・コリのgreA蛋白のごとき他
の蛋白の配列の間の相同性により、新規greAポリペ
プチドであると同定されたポリペプチドを提供すること
が本発明の目的である。greAポリペプチドをコード
しているポリヌクレオチド、詳細には本明細書でgre
Aと命名されたポリペプチドをコードしているポリヌク
レオチドを提供することが本発明のさらなる目的であ
る。本発明の特に好ましい具体例において、ポリヌクレ
オチドは、表1(配列番号:1)に示す配列を含むgr
eAポリペプチドをコードする領域を含み、全長遺伝子
またはその変種が包含される。本発明のもう1つの特に
好ましい具体例において、表1(配列番号:2)のアミ
ノ酸配列を含むスタフィロコッカス・アウレウス由来の
新規greA蛋白、またはその変種がある。本発明のも
う1つの態様によれば、寄託株に含まれるスタフィロコ
ッカス・アウレウス WCUH29株により発現可能な成熟ポ
リペプチドをコードしている単離核酸分子が提供され
る。
【0008】本発明のさらなる態様は、greA、詳細
にはスタフィロコッカス・アウレウスのgreAをコー
ドしている単離核酸分子が提供され、それにはmRN
A、cDNA、ゲノムDNAが包含される。本発明のさ
らなる具体例は、生物学的、診断学的、予防的、臨床的
もしくは治療的に有用なその変種、およびそれらを含む
組成物を包含する。本発明のもう1つの態様によれば、
治療または予防を目的とした、特に遺伝学的免疫を目的
とした、本発明ポリヌクレオチドの使用が提供される。
本発明の特に好ましい具体例には、greAの天然の対
立遺伝子変種およびそれによりコードされるポリペプチ
ドがある。
【0009】本発明のもう1つの態様において、本明細
書においてgreAと称されるスタフィロコッカス・ア
ウレウスの新規ポリペプチド、ならびに生物学的、診断
学的、予防的、臨床的もしくは治療的に有用なそのフラ
グメント、変種および誘導体、および前記したフラグメ
ントおよびアナログの変種および誘導体、およびそれら
を含む組成物が提供される。本発明の特に好ましい具体
例には、greA遺伝子の天然の対立遺伝子によりコー
ドされるgreAポリペプチドの変種がある。本発明の
好ましい具体例において、上記greAポリペプチドの
製造方法がある。本発明のさらに別の態様によれば、例
えば、抗体を含め、抗細菌剤として有用なかかるポリペ
プチドの阻害剤が提供される。
【0010】本発明の特定の好ましい具体例によれば、
greA発現の評価、疾病の治療、例えば上気道感染
(例えば、中耳炎、細菌性気管炎、急性咽頭蓋炎、甲状
腺炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心臓
感染(例えば、感染性心内膜炎)、胃腸感染(例えば、
分泌性下痢、脾臓膿瘍、腹膜後膿瘍)、CNS感染(例
えば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、結膜炎、
角膜炎、眼内炎、前中隔および眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、
腎および尿管感染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周
囲膿瘍、トキシックショック症候群)、皮膚感染(例え
ば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、細
菌性筋炎)、ならびに骨および関節感染(例えば、敗血
症性関節炎、骨髄炎)のごとき疾病の治療、遺伝学的変
異のアッセイ、ならびに細菌、特にスタフィロコッカス
・アウレウス細菌に対する免疫学的応答を生起するため
の生物へのgreAポリペプチドまたはポリヌクレオチ
ドの投与のための、製品、組成物および方法が提供され
る。
【0011】本発明のこのおよび他の態様の特定の好ま
しい具体例によれば、特に、厳密な条件下でgreAポ
リヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションするポリ
ヌクレオチドが提供される。本発明の特定の好ましい具
体例において、greAポリペプチドに対する抗体が提
供される。本発明の他の具体例において、本発明ポリペ
プチドまたはポリヌクレオチドの結合、あるいは相互作
用して、それらの活性を阻害または活性化する化合物の
同定方法が提供され、該方法は、化合物とポリペプチド
またはポリヌクレオチドとの間の結合あるいは他の相互
作用を可能にする条件下で、本発明ポリペプチドまたは
ポリヌクレオチドをスクリーニングすべき化合物と接触
させて、化合物との結合あるいは他の相互作用を評価し
(かかる結合または相互作用は、ポリペプチドまたはポ
リヌクレオチドと化合物との結合あるいは相互作用に応
答して検出可能なシグナルを提供することのできる第2
の化合物に関連している)、次いで、化合物とポリペプ
チドまたはポリヌクレオチドとの結合または相互作用か
ら生じるシグナルの存在または不存在を検出することに
より、化合物がポリペプチドまたはポリヌクレオチドに
結合あるいは相互作用して、それらの活性を活性化また
は阻害するかどうかを決定することを含む。本発明のさ
らにもう1つの態様によれば、greAアゴニストおよ
びアンタゴニスト、好ましくは静細菌性または殺細菌性
アゴニストおよびアンタゴニストが提供される。本発明
のさらなる態様において、単細胞または多細胞生物に投
与するための、greAポリヌクレオチドまたはgre
Aポリペプチドを含む組成物が提供される。開示した本
発明の精神および範囲内での種々の変更および修飾は、
以下の記載を読むこと、および本明細書のその他の部分
を読むことにより、当業者に容易に明らかとなろう。
【0012】用語 以下の説明は、本明細書、とりわけ実施例において汎用
される特定の用語の理解を容易にするために示すもので
ある。「宿主細胞」は外来性ポリヌクレオチド配列によ
り形質転換もしくはトランスフェクションされた、また
は形質転換またはトランスフェクションすることのでき
る細胞である。
【0013】当該分野にて周知であるように「同一性」
または「類似性」は、場合によっては、配列を比較して
測定されるような、二つまたはそれ以上のポリペプチド
配列間または二つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配
列間の関係である。当該分野において、「同一性」とは
また、時には、かかる配列の2つの鎖の間の合致により
決定されるような2つのポリペプチドまたはポリヌクレ
オチド配列間の関連性の程度をも意味する。「同一性」
および「類似性」は共に容易に算出できる(Computatio
nal Molecular Biology,Lesk,A.M.編、オックスフォー
ド・ユニバーシティー・プレス、ニューヨーク、1988
年;Biocomputing:Informatics and Genome Project
s,Smith,D.W.編、アカデミック・プレス、ニューヨー
ク、1993年;Computer Analysis of Sequence Data,パ
ートI,Griffin,A.M.およびGriffin,H.G.編、ヒューマ
ナ・プレス、ニュージャージー、1994年;Sequence Ana
lysis in Molecular Biology,von Heinje,G.、アカデ
ミック・プレス、1987年;およびSequence Analysis Pr
imer,Gribskov,M.およびDevereux,J.編、Mストックト
ン・プレス、ニューヨーク、1991年)。2つのポリヌク
レオチドまたは2つのポリペプチド間の同一性および類
似性を測定するための多くの方法がある一方で、その両
方の用語は当業者に周知である(Sequence Analysis in
Molecular Biology, von Heinje,G.,Academic Press,1
987; Squence Analysis Primer, Gribskov,M.およびDev
ereux,J.,編、M Stockton Press, New York,1991;およ
びCarillo,H.,およびLipman,D.,SIAM J., Applied Mat
h., 48:1073(1988))。2つの配列間で同一性または類
似性を測定するのに通常用いられる方法は、Carillo,H.
およびLipman,D., SIAM J. Applied Math.,48:1073(198
8)に開示されている方法を包含するが、これらに限定さ
れるものではない。同一性を決定するための好ましい方
法は、試験する2つの配列間で最も良く適合するように
設計される。同一性および類似性を測定する方法は、公
に利用できるコンピュータープログラムに集成されてい
る。二つの配列間の同一性および類似性を測定する好ま
しいコンピュータープログラム法は、GCGプログラム
パッケージ(Devereux,J.ら、Nucleic AcidsResearch 1
2(1):387(1984)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atsch
ul,S.F.ら、J.Molec.Biol.215:403(1990)))を包含
するが、これらに限定されるものではない。一例とし
て、配列番号:1の対照ヌクレオチド配列に対して、例
えば少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチドを挙げると、そのポリヌク
レオチド配列が配列番号:1の対照ヌクレオチド酸配列
のヌクレオチド100個ごとに5個までのヌクレオチド
の変化を含みうることを除き、そのポリヌクレオチドの
ヌクレオチド配列は対照配列と同一である。言い換える
と、対照酸配列に対して少なくとも95%同一であるヌ
クレオチド配列を有するポリペプチドを得るためには、
対照配列中の5%までのヌクレオチドが欠失または別の
ヌクレオチドと置換されていてもよく、あるいは対照配
列中の全ヌクレオチドのうち5%までの数のヌクレオチ
ドが対照配列に挿入されたものであってもよい。対照配
列のこれらの変異は、対照ヌクレオチド配列の5’また
は3’末端位置に存在していてもよく、あるいはそれら
の末端位置の間のいずれかの位置に存在していてもく、
対照配列のヌクレオチドに散在していてもよく、あるい
は対照配列内の1個またはそれ以上の一連の群となって
いてもよい。同様に、配列番号:2の対照アミノ酸配列
に対して少なくとも例えば95%の同一性を有するアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドを例に挙げると、そのポ
リペプチド配列が配列番号:2の対照アミノ酸配列のア
ミノ酸100個ごとに5個までのアミノ酸の変化を含み
うることを除き、そのポリペプチドのアミノ酸配列は対
照配列と同一である。言い換えると、対照アミノ酸配列
に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有
するポリペプチドを得るためには、対照配列中のアミノ
酸の5%までが欠失または他のアミノ酸と置換していて
もよく、あるいは対照配列中の全アミノ酸のうち5%ま
での数のアミノ酸が対照配列中に挿入されたものであっ
てもよい。対照配列におけるこれらの変化は、対照アミ
ノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端位置に存在して
もよく、あるいはそれらの末端間のいずれかの位置に存
在してもよく、対照配列中に散在していてもよく、ある
いは対照配列内で1個またはそれ以上の一連の群をなし
ていてもよい。
【0014】「単離」とは、「人の手によって」天然の
状態から変化させられた、すなわち、天然物の場合、そ
の本来の環境から変化または除去あるいはその両方が行
われたことを意味する。例えば、天然において生体に存
在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「単
離」されていないが、その天然状態で共存する物質から
分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチド
は、本明細書に用いる用語としての「単離」がなされて
いる。
【0015】「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、
一般に、修飾されていないRNAもしくはDNA、また
は修飾されたRNAもしくはDNAであってよい、ポリ
リボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチド
をも意味する。従って、「ポリヌクレオチド」は、とり
わけ一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領
域の混合物または一本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混
合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、ならび
に一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本
鎖もしくはより典型的には二本鎖もしくは三本鎖、また
は一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDN
AおよびRNAを含むハイブリッド分子を包含するが、
これらに限らない。加えて、本明細書で用いる「ポリヌ
クレオチド」は、RNAもしくはDNAまたはRNAと
DNAの両方を含む三本鎖領域を意味する。かかる領域
における鎖は同一の分子または異なる分子由来のもので
よい。この領域はこれらの分子の一つまたはそれ以上の
全てを含んでいてもよいが、より典型的にはいくつかの
分子の一領域のみを含む。三重らせん領域の分子の一つ
は、オリゴヌクレオチドであることがしばしばである。
本明細書で用いる場合、「ポリヌクレオチド」なる用語
は、一つまたはそれ以上の修飾した塩基を含有する、前
記したDNAまたはRNAを包含する。このように、安
定性または他の理由で修飾された骨格を有するDNAま
たはRNAも、本明細書が意図するろところの「ポリヌ
クレオチド」である。さらに、イノシン等の普通でない
塩基、またはトリチル化塩基等の修飾塩基を含むDNA
またはRNA(二つの例だけを示す)も、本明細書の用
語ポリヌクレオチドである。当業者に既知の多くの有用
な目的を提供するDNAおよびRNAに、非常に多くの
修飾がなされていることは、明らかであろう。「ポリヌ
クレオチド」なる用語は、本明細書で用いる場合、ポリ
ヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的
に修飾した形態、ならびにウイルス、とりわけ単純型細
胞および複雑型細胞を含む、細胞に特徴的なDNAおよ
びRNAの化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチ
ド」は、しばしば、オリゴヌクレオチド(複数でも可)
と称される短鎖ポリヌクレオチドを包含する。
【0016】本明細書で用いる「ポリペプチド」は、ペ
プチド結合により直鎖で互いに結合している2個または
それ以上のアミノ酸を含むペプチドまたは蛋白をいうの
に用いる。「ポリペプチド」は、当該分野で通常例えば
ペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも称され
る短鎖、および多くの型があり、当該分野で一般的に蛋
白と称する長鎖の両方を意味する。ポリペプチドは、遺
伝子によりコードされる20種のアミノ酸以外のアミノ
酸を含んでいてもよい。「ポリペプチド」は、プロセッ
シングおよび他の翻訳後修飾のような自然の工程によ
り、ならびに化学修飾によるものを包含する。かかる修
飾は基礎的なテキストおよびさらに詳細な論文ならびに
多数の研究文献にも詳しく記載されており、これらは当
業者に周知である。同じタイプの修飾がポリペプチド中
にいくつかの部位に同程度または種々の程度で存在して
もよいことが理解されるであろう。修飾は、ペプチド骨
格、アミノ酸側鎖、およびアミノもしくはカルボキシ末
端を包含するポリペプチドのいずれの場所にあってもよ
い。修飾としては、例えば、アセチル化、アシル化、A
DP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘ
ム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘
導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホ
スホチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、
ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋形
成、シスチン形成、ピログルタミン酸塩形成、ホルミル
化、ガンマー−カルボキシル化、糖鎖形成、GPIアン
カー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリ
ストイル化、酸化、蛋白加水分解プロセッシング、リン
酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、
アルギニル化などの転移RNA媒介の蛋白へのアミノ酸
付加、およびユビキチネーションがある。例えば、Prot
eins-Structure and Molecular Properties、第2版、T.
E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク
(1993)に記載されている。例えば、Posttranslationa
l Covalent Modification of Proteins、B.C.Johnson
編、アカデミック・プレス、ニューヨーク(1983)のWo
ld,F., Posttranslational Protein Modifications:Pe
rspective and Prospects、1〜12頁;Seifterら、Meth.
Enzymol. 182:626-646(1990)およびRattanら、Prote
in Synthesis:Posttranslational Modifications and
Aging,Ann. N. Y. Acad. Sci. 663:48-62(1992)参
照。ポリペプチドは分枝状あるいは分枝ありまたはなし
の環状であってもよい。環状、分枝状、および分枝状か
つ環状のポリペプチドは、翻訳後の天然プロセスから生
じるものであってもよく、同様に全く合成的な方法によ
り製造されるものであってもよい。
【0017】本明細書で用いる「変種」なる用語は、対
照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは各々異なる
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドであるが、本質的
な特性は保持している。典型的なポリヌクレオチドの変
種は、別の対照ポリヌクレオチドとはヌクレオチド配列
が異なる。変種のヌクレオチド配列の変化は、対照ポリ
ヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ
酸配列を変化させるものであってもよく、変化させない
ものであってもよい。以下に論じるように、ヌクレオチ
ドの変化は結果的に、対照配列によりコードされるポリ
ペプチドにおけるアミノ酸置換、付加、欠損、融合およ
び末端切断を招く。典型的なポリペプチドの変種は、別
の対照ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般的
には、差異は、対照ポリペプチドおよび変種の配列が、
全体的に非常に類似しており、多くの領域で同一なもの
に限られる。変種および対照ポリペプチドは、1または
それ以上の置換、付加、欠損が任意の組み合わせで起こ
ることにより、アミノ酸配列が変化し得る。置換または
挿入されたアミノ酸残基は、遺伝学的コードによりコー
ドされたものであってもなくてもよい。ポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドの変種は、例えば対立遺伝子変種
のような自然発生的なものでもよく、または自然発生す
ることが知られていない変種でもよい。ポリヌクレオチ
ドおよびポリペプチドの非自然発生変種は、突然変異技
術または直接的合成および当業者に知られた他の組み換
え法により製造できる。
【0018】本発明は、とりわけ、以下に非常に詳細に
説明する、新規greAポリペプチドおよびポリヌクレ
オチドに関する。詳細には、本発明は、イー・コリのg
reAポリペプチドに対するアミノ酸配列相同性により
関連付けられる、スタフィロコッカス・アウレウスの新
規greAのポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関
する。特に本発明は、それぞれ表1(配列番号:1)お
よび表1(配列番号:2)に示すヌクレオチド配列およ
びアミノ酸配列を有するgreAに関し、さらに寄託株
中のDNAのgreAヌクレオチド配列およびそれによ
りコードされるアミノ酸配列に関する。
【0019】 表1 greAポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列 (A) スタフィロコッカス・アウレウスのgreAポリヌクレオチド配列由来の配 列 [配列番号:1] 5'-ATGGAAAATCACAAGCAATATCCAATGACTCAAGAAAGTTTTGAAAAATT AGAGCGTGAA CTTGAAGAAT TAAAAACAGT TAAGCGTCCT GAAGTTGTAG AGAAAATTAA AGTTGCACGT TCATTTGGTG ACTTATCAGA GAACTCTGAG TATGATGCAG CAAAAGATGA ACAAGGATTC ATCGAACAAG ATATTCAAAG AATTGAGCAT ATGTTAAGAA ATGCATTAAT CATTGAAGAT ACTGGAGATA ACAACGTTGT TAAAATTGGT AAAACAGTAA CGTTTGTAGA ATTACCAGGT GATGAAGAGG AAAGTTATCA AATCGTTGGT TCAGCTGAAT CAGATGCATT TAATGGTAAG ATTTCAAATG AATCACCAAT GGCTAAAGCG TTAATTGGTA AAGGTTTAGA TGATGAAGTT CGTGTTCCAC TACCTAATGG TGGCGAAATG AACGTNAAAA TTGTTAATAT CCAATAA -3'
【0020】 (B)この表中のポリヌクレオチド配列から推定されるgreAポリペプチド配列 [配列番号:2] NH2-MENHKQYPMT QESFEKLERE LEELKTVKRP EVVEKIKVAR SFGDLSENSE YDAAKDEQGF IE QDIQRIEH MLRNALIIED TGDNNVVKIG KTVTFVELPG DEEESYQIVG SAESDAFNGK ISNESPMA KA LIGKGLDDEV RVPLPNGGEM NVKIVNIQ-COOH
【0021】 (C)ポリヌクレオチド配列の具体例 [配列番号:1]. X-(R1)n-ATGGAAAATC ACAAGCAATA TCCAATGACT CAAGAAAGTT TTGAAAAATT AGAGCGTGAA CTTGAAGAAT TAAAAACAGT TAAGCGTCCT GAAGTTGTAG AGAAAATTAA AGTTGCACGT TCATTTGGTG ACTTATCAGA GAACTCTGAG TATGATGCAG CAAAAGATGA ACAAGGATTC ATCGAACAAG ATATTCAAAG AATTGAGCAT ATGTTAAGAA ATGCATTAAT CATTGAAGAT ACTGGAGATA ACAACGTTGT TAAAATTGGT AAAACAGTAA CGTTTGTAGA ATTACCAGGT GATGAAGAGG AAAGTTATCA AATCGTTGGT TCAGCTGAAT CAGATGCATT TAATGGTAAG ATTTCAAATG AATCACCAAT GGCTAAAGCG TTAATTGGTA AAGGTTTAGA TGATGAAGTT CGTGTTCCAC TACCTAATGG TGGCGAAATG AACGTNAAAA TTGTTAATAT CCAATAA -(R2)n-Y
【0022】 (D)ポリペプチド配列の具体例 [配列番号:2] X-(R1)n-MENHKQYPMT QESFEKLERE LEELKTVKRP EVVEKIKVAR SFGDLSENSE YDAAKDEQGF IEQDIQRIEH MLRNALIIED TGDNNVVKIG KTVTFVELPG DEEESYQIVG SAESDAFNGK ISNESPMAKA LIGKGLDDEV RVPLPNGGEM NVKIVNIQ-(R2)n-Y
【0023】(E)スタフィロコッカス・アウレウスの
greAのポリヌクレオチドORF配列由来の配列[配
列番号:3] 5'-ATGGAAAATCACAAGCAATATCCAATGACTCAAGAAAGTTTTGAAAA
ATTAGAGCGTGAACTTGAACAATTAAAAACAGTTAAGCGTCCTGAAGTTG
TAGAGAACATTAAAGTTGCCCGTTCATTTGGTGACTTATCAGAGAACTCT
GAGTATGATGCCGCAAAAGATGAACAAGGATTCTTCGAACAAGATATTCT
GAGAATTGAGCATATGTCAAGAAATGCACTAATCATGAAGATACTGGAGA
TAACAACGTTGTTAAAAATTGGGAAAACAGTAACGTTTGTTCAATTCACA
GGTGATGAACACGAACATTACCCAATCGTTGGGTCAACTGAATCCAAATC
CTTTAATGGTAAGATT-3'
【0024】(F)この表中のポリヌクレオチドORF
配列から推定されるgreAポリペプチド配列[配列番
号:4] NH2-MENHKQYPMTQESFEKLERELEQLKTVKRPEVVENIKVARSFGDLS
ENSEYDAAKDEQGFFEQDILRIEHMSRNALIMKILEITTLLKIGKTVTFV
QFTGDEHEHYPIVGSESKSFNGKI-COOH
【0025】寄託物質 スタフィロコッカス・アウレウス WCUH29株を含有する
寄託物は、ナショナル・コレクション・オブ・インダス
トリアル・アンド・マリン・バクテリア・リミテッド
(NCIMBという)、23ストリート、マッカードラ
イブ、アベルディーンAB21RY、スコットランドに
1995年9月11日寄託し、NCIMB受託番号40
771が付与された。寄託したことにより、寄託株をス
タフィロコッカス・アウレウス WCUH29株という。本明
細書においてスタフィロコッカス・アウレウス株の寄託
物を「寄託株」または「寄託株のDNA」という。寄託
株は全長のgreA遺伝子を含んでいる。寄託株中に含
まれるポリヌクレオチド配列ならびにそれによりコード
されるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書の配列
に関する任意の記載に矛盾する事象において支配的であ
る。寄託株の寄託は、特許手続き上の微生物寄託の国際
承認に関するブダペスト条約の条件下でなされている。
特許が発行されると何らの制限または条件もなく、最終
的に株は分譲される。寄託は当業者の便宜のためにのみ
提供され、35U.S.C.112条のもとに要求される
ような、寄託が実施可能要件であることを承認するもの
ではない。寄託物を製造、使用または販売するためには
ライセンスが必要であるが、そのようなライセンスはこ
こでは賦与されていない。
【0026】ポリペプチド 本発明ポリペプチドは表1[配列番号:2]のポリペプ
チド(詳細には、成熟ポリペプチド)ならびにポリペプ
チドおよびフラグメント、詳細にはgreAの生物学的
活性を有するものを包含し、さらに表1[配列番号:2
および4]のポリペプチドまたはその重要部分に対して
少なくとも70%、好ましくは表1[配列番号:2およ
び4]のポリペプチドに対して少なくとも80%の同一
性を有するポリペプチドおよびフラグメント、より好ま
しくは表1[配列番号:2および4]のポリペプチドに
対して少なくとも90%の類似性を有し(より好ましく
は、少なくとも90%の同一性を有し)、さらにより好
ましくは表1[配列番号:2および4]のポリペプチド
に対して少なくとも95%の類似性を有する(さらによ
り好ましくは少なくとも95%の同一性を有する)ポリ
ペプチドおよびフラグメント、さらに通常には少なくと
も30個、より好ましくは少なくとも50個のアミノ酸
を含むかかるポリペプチドの部分を包含する。
【0027】また本発明は表1(D)に示す式のポリペ
プチドを包含し、式中のアミノ末端においてXは水素で
あり、カルボキシル末端においてYは水素または金属で
あり、R1およびR2はアミノ酸残基、nは1ないし1
000の整数である。いずれかのR基(Rは1個よりも
多い)により示されるアミノ酸残基の伸長部分はヘテロ
ポリマーであってもホモポリマーであってもよく、好ま
しくはヘテロポリマーである。
【0028】フラグメントは、前述のポリペプチドのア
ミノ酸配列のすべてではなく一部に対して全く同一であ
るアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドである。gr
eAポリペプチドについては、フラグメントは「独立し
て存在(free standing)」しているか、または一部分
もしくは領域を形成することにより、大型のポリペプチ
ド内に含まれていてもよく、最も好ましくは単一の連続
した領域、すなわち大型の単一ポリペプチドとして含ま
れる。好ましいフラグメントは、表1[配列番号:2お
よび4]のアミノ酸配列の一部分を有する末端切断され
たポリペプチド、またはそれらの変種を包含するが、そ
の例としてはアミノ末端を含む一連の残基を切断、また
はカルボキシル末端を含む一連の残基を切断したものが
ある。宿主、とりわけスタフィロコッカス・アウレウス
における、本発明のポリペプチドの分解形態もまた好ま
しい。また、構造的または機能的属性により特徴づけら
れたフラグメント、例えばアルファーヘリックスおよび
アルファーヘリックス形成領域、ベータシートおよびベ
ータシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コ
イルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、
アルファー両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、可変領
域、表面形成領域、基質結合領域、および高抗原性指標
領域を含むフラグメントなども好ましい。greA活性
を媒介し、あるいは活性を改善し、望ましくない活性を
減じられたフラグメントである生物学的に活性のあるフ
ラグメントも好ましい。動物、とりわけヒトにおいて抗
原的または免疫原的なフラグメントもまた含まれる。個
体、特にヒトにおけるスタフィロコッカス・アウレウス
の生存に必須の機能、あるいは疾病を開始または維持
する能力を付与する酵素の受容体またはドメインを含む
フラグメントが特に好ましい。本発明ポリペプチドのフ
ラグメントである変種を、ペプチド合成による対応全長
ポリペプチドの製造に使用してもよく、それゆえ、これ
らの変種を全長のポリペプチド製造のための中間体とし
て用いてもよい。本発明ポリヌクレオチドのフラグメン
トである変種を用いて本発明の全長のポリヌクレオチド
を合成してもよい。
【0029】ポリヌクレオチド 本発明の別の態様は単離ポリヌクレオチドに関するもの
であり、それには表1[配列番号:2および4]の推定
アミノ酸配列を有するgreAポリペプチドをコードす
る全長遺伝子およびそれに密接に関連するポリヌクレオ
チドおよびそれらの変種が包含される。本明細書に提供
される情報を用いて、例えば表1[配列番号:1および
3]に示すポリヌクレオチド配列を用い、出発物質スタ
フィロコッカス・アウレウス WCUH29細胞からの染色体
DNAフラグメントをクローニングおよび配列決定する
ために用いるような標準的なクローニングおよびスクリ
ーニングを用いて、greAポリペプチドをコードして
いる本発明ポリヌクレオチドを得て、次いで、全長のク
ローンを得てもよい。例えば、本発明ポリヌクレオチド
配列、例えば表1[配列番号:1および3]に示す配列
を得るために、イー・コリ(E.coli)またはいくつかの
他の適切な宿主におけるスタフィロコッカス・アウレウ
ス WCUH29の染色体DNAのクローンの典型的なライブ
ラリーを、部分的配列に由来する、好ましくは17量体
またはそれ以上の長さの放射性標識化オリゴヌクレオチ
ドにてプローブする。プローブのDNAに同一であるD
NAを担持するクローンは厳密な条件を用いて区別でき
る。元の配列から設計した配列決定プライマーを用いて
このように同定した個々のクローンを配列決定すること
により、両方向で配列が伸長できるようになり、全遺伝
子配列を決定できる。このような配列決定は便宜的にプ
ラスミドクローンから調製した変性二本鎖DNAを用い
て実施する。適切な技法については、Maniatis,T.、Fit
sch,F.F.およびSambrookら、MolecularCloning,A Labo
ratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・
ハーバー、ニューヨーク(1989)に記載されている(Sc
reening By Hybridization 1.90およびSequencing Dena
tured Double-Stranded DNA Templates 13.70参照)。
本発明の典型例において、表1[配列番号:1]に示す
ポリヌクレオチドが、スタフィロコッカス・アウレウス
WCUH29由来のDNAライブラリー中に見いだされた。
【0030】表1[配列番号:1]に示すDNA配列
は、表1[配列番号:2]に示すアミノ酸残基数とほぼ
同数のアミノ酸からなる蛋白をコードしている読み枠を
含んでおり、蛋白の推定分子量は、当該分野でよく知ら
れたアミノ酸の分子量を用いて算出できる。ヌクレオチ
ド番号1から474の間の配列番号:1のポリヌクレオ
チドは配列番号:2のポリペプチドをコードする。停止
コドンは配列番号:1のヌクレオチド番号477から開
始する。本発明greA蛋白は、寄託株のgreAをコ
ードしているDNAの配列決定結果により示されるよう
に、gre(転写開裂因子)ファミリーの他の蛋白に構
造的に関連している。本発明蛋白は、知られた蛋白の中
でもイー・コリのgreA蛋白に対して最大の相同性を
示す。表1[配列番号:2]のgreA蛋白は、イー・
コリのgreAポリペプチドのアミノ酸配列に対して、
その全長にわたり約46%の同一性、そしてその全長に
わたり約64%の類似性を示す。関連配列の受託番号は
以下のごとし:U01376(E. coli greA);U32812(H. i
nfluenzaegreA、推定による);Z12122(Rickettsia pr
owazeki greA、推定による);U39708(Mycoplasma gen
italium greA、推定による);AE000043(Mycoplasma p
neumoniae greA、推定による);U81522(E. coli gre
B);U32738(H. influenzaegreB、推定による);U151
83(Mycobacterium leprae greA、推定による)。
【0031】本発明は、表1[配列番号:1]のコーデ
ィング配列に対して全長にわたり同一であるポリヌクレ
オチド配列を提供する。成熟ポリペプチドのコーディン
グ配列またはそれらのフラグメント、ならびにその他の
コーディング配列を有する読み枠中の成熟ポリペプチド
のコーディング配列またはそのフラグメント、例えばリ
ーダーまたは分泌配列、プレ、プロ、プレプロ蛋白配列
をコードする配列も本発明により提供される。ポリヌク
レオチドは、例えば、転写された非翻訳配列、終止シグ
ナル、リボソーム結合部位、mRNAを安定化する配
列、イントロン、ポリアデニル化シグナル等の転写非翻
訳配列、および付加アミノ酸をコードする付加コーディ
ング配列等の非コーディング5'および3'配列等の非コ
ーディング配列をも含有しうるが、これらに限定するの
ではない。例えば、融合ポリペプチドの精製を促すマー
カー配列をコードすることもできる。本発明のある好ま
しい態様において、マーカー配列は、pQEベクター
(Qiagen, Inc.)中に提供されるようなヘキサ−ヒスチ
ジンペプチド(Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci., US
A, 86:821-824(1989)に記載される)またはHAタグ
(Wilsonら、Cell,37:767(1984))である。本発明の
ポリヌクレオチドはまた、構造遺伝子および遺伝子発現
を調節する天然の配列をも含むが、これらに限定するも
のではない。
【0032】本発明の好ましい具体例は、greAポリ
ペプチドをコードいしている、表1の配列番号:1に示
すヌクレオチド1から474または477までを含むポ
リヌクレオチドである。
【0033】また本発明は、表1(C)に示す式のポリ
ヌクレオチドを包含し、式中の5’末端においてXは水
素であり、3’末端においてYは水素または金属であ
り、R1およびR2は核酸残基、nは1ないし1000
の整数である。いずれかのR基(Rは1個よりも多い)
により示される核酸残基の伸長部分はヘテロポリマーで
あってもホモポリマーであってもよく、好ましくはヘテ
ロポリマーである。
【0034】上記した本明細書の用語「ポリペプチドを
コードしているポリヌクレオチド」は、本発明ポリペプ
チド配列を含むポリヌクレオチドを包含し、詳細には、
細菌のポリペプチド、より詳細には表1[配列番号:
2]に示すアミノ酸配列を有するスタフィロコッカス・
アウレウスのgreAのポリペプチドを包含する。該用
語は、コーディング配列および/または非コーディング
配列を含んでいてもよいさらなる領域を伴った、ポリペ
プチドをコードしている単一の連続領域または不連続領
域(例えば、組み込まれたファージまたは配列の挿入ま
たは配列の編集により分断されたもの)を含むポリヌク
レオチドを包含する。さらに本発明は、表1[配列番
号:2]の推定アミノ酸配列を有するポリペプチドの変
種をコードする上記ポリヌクレオチドの変種にも関す
る。本発明ポリヌクレオチドのフラグメントである変種
を用いて本発明の全長ポリヌクレオチドを合成してもよ
い。
【0035】さらに特に好ましい具体例は、表1[配列
番号:2]のgreAポリペプチドのアミノ酸配列を有
するgreA変種をコードするポリヌクレオチドであ
り、その中には、いくつか、少しの、5ないし10、1
ないし5、1ないし3、2、1または0個のアミノ酸残
基を置換、欠損または付加を任意の組み合わせで施した
アミノ酸配列を有する。中でもとりわけ好ましいもの
は、greAの特性および活性を変化させないサイレン
ト置換、付加および欠損である。
【0036】本発明のさらに好ましい具体例は、表1
[配列番号:2および4]に示すアミノ酸配列を有する
greAポリペプチドをコードしているポリヌクレオチ
ドに対して、その全長にわたり少なくとも70%の同一
性があるポリヌクレオチド、およびかかるポリヌクレオ
チドに対して相補的なポリヌクレオチドである。あるい
はまた、寄託株のgreAポリペプチドをコードしてい
るポリヌクレオチドに対してその全長にわたり少なくと
も80%同一である領域を含むポリヌクレオチド、およ
びそれに対して相補的なポリヌクレオチドが最も非常に
好ましい。この点に関して、全長で少なくとも90%同
一であるポリヌクレオチドがとりわけ好ましく、中でも
少なくとも95%の同一性を有するものが特に好まし
く、さらに少なくとも95%の同一性を有するものの中
でも少なくとも97%であるのがより好ましく、中でも
少なくとも98%および少なくとも99%であるのが特
に好ましく、さらに少なくとも99%であるのがより好
ましい。特に好ましい具体例は、表1[配列番号:1]
によりコードされる成熟ポリペプチドと実質的に同じ生
物学的機能または活性を保持するポリペプチドをコード
しているポリヌクレオチドである。
【0037】本発明はさらに本明細書上述の配列にハイ
ブリダイズするポリヌクレオチドに関する。この点に関
して、本発明は特に厳密な条件で本明細書上述のポリヌ
クレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに関
する。本明細書で用いる「厳密な条件」および「厳密な
ハイブリダイゼーション条件」なる用語は、配列間の同
一性が少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%
である場合のみに起こるハイブリダイゼーションを意味
する。厳密なハイブリダイゼーション条件の例として
は、50%ホルムアミド。5xSSC(150mM N
aCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリ
ン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハーツ溶液、
10%硫酸デキストラン、および20マイクログラム/
mlの変性し、剪断されたサケ精子DNAを含有する溶
液中、42℃で一晩インキュベーションし、続いて約6
5℃で0.1xSSC中でフィルターを洗浄するもので
ある。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は周知で
あり、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory
Manual、第2版;コールド・スプリング・ハーバー、ニ
ューヨーク(1989)、とりわけその第11章に実例が示
されている。
【0038】本発明はまた、厳密なハイブリダイゼーシ
ョン条件で、配列番号:1または配列番号:3に示すポ
リヌクレオチド配列に関する完全遺伝子を含む適当なラ
イブラリーを、配列番号:1に示す上記ポリヌクレオチ
ド配列またはそのフラグメントの配列を有するプローブ
でスクリーニングし、DNA配列を単離することにより
得ることのできるポリヌクレオチド配列を本質的に含む
ポリヌクレオチドをも提供する。かかるポリヌクレオチ
ドを得るために有用なフラグメントには、例えば本明細
書の別の箇所において説明するプローブおよびプライマ
ー等がある。
【0039】本発明のポリヌクレオチドアッセイに関し
てここでさらに論じるが、例えば上述の本発明のポリヌ
クレオチドは、greAをコードするcDNA全長およ
びゲノムクローンを単離するための、およびgreA遺
伝子に高度な配列類似性を有するその他の遺伝子のcD
NAおよびゲノムクローンを単離するための、RNA、
cDNAおよびゲノムDNA用のハイブリダイゼーショ
ンプローブとして使用することができる。このようなプ
ローブは通常少なくとも15塩基を含む。好ましくはこ
のようなプローブは少なくとも30塩基を有し、少なく
とも50塩基を有していてもよい。とりわけ好ましいプ
ローブは少なくとも30塩基を有し、50塩基またはそ
れ以下である。例えば、greA遺伝子のコーディング
領域は、配列番号:1に示すDNA配列を用いてオリゴ
ヌクレオチドプローブを合成してスクリーニングするこ
とにより単離できる。次いで、本発明の遺伝子の配列に
相補的な配列を有する標識オリゴヌクレオチドを、cD
NA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーのス
クリーニングに用い、プローブがライブラリーのいずれ
のメンバーにハイブリダイゼーションするのかを決定す
る。
【0040】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、例えば、疾病とりわけヒトの疾病の治療法およ
び診断法の発見のための研究試薬および材料として使用
でき、とりわけポリヌクレオチドアッセイに関連して本
明細書でさらに論じる。配列番号:1および/または2
の配列由来のオリゴヌクレオチドである本発明ポリヌク
レオチドを本明細書記載の方法に使用してもよいが、好
ましくはPCRに使用して、本明細書で同定したポリヌ
クレオチドの全体または一部が感染した組織に転写され
るかどうかを決定する。かかる配列が、病原体が達成し
た感染段階および感染型の診断にも有用であることが理
解される。
【0041】また本発明は、さらなるアミノもしくはカ
ルボキシル末端アミノ酸、または成熟ポリペプチドに内
在するアミノ酸を加えた成熟蛋白であるポリペプチドを
コードできるポリヌクレオチドも提供する(例えば成熟
形態が一つ以上のポリペプチド鎖を有する場合)。この
ような配列は、前駆体から成熟形態への蛋白のプロセッ
シングに役割を担い、蛋白の輸送を可能にし、蛋白の半
減期を延長もしくは短縮し、またはとりわけアッセイも
しくは製造のための蛋白の操作を容易にすることができ
る。一般的にインビボの場合、付加アミノ酸は、細胞性
酵素によりプロセッシングされ、成熟蛋白から取り除か
れる。1またはそれ以上のプロ配列と融合した成熟形態
のポリペプチドを有する前駆蛋白は、ポリペプチドの不
活性形態でありうる。プロ配列が除去されると、通常に
はこのような不活性前駆体が活性化される。プロ配列の
いくつかまたはすべてを活性化の前に除去できる。通
常、このような前駆体はプロ蛋白と称される。要する
に、本発明のポリヌクレオチドは成熟蛋白、リーダー配
列を加えた成熟蛋白(プレ蛋白と称することができ
る)、プレ蛋白のリーダー配列ではない1またはそれ以
上のプロ配列を有する成熟蛋白の前駆体、またはリーダ
ー配列および1またはそれ以上のプロ配列を有するプロ
蛋白の前駆体であるプレプロ蛋白をコードしていてもよ
く、プロ配列は通常ポリペプチドの活性および成熟形態
を生成するプロセッシング段階で除去される。
【0042】ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、ポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌ
クレオチドを含むベクター、本発明ベクターで遺伝子操
作される宿主細胞および組換え技法による本発明のポリ
ペプチドの製造にも関する。本発明DNA構築物に由来
するRNAを用い、無細胞翻訳系を用いてこのような蛋
白を製造できる。組換え体を製造するために、宿主細胞
を遺伝子操作して、発現系もしくはそれらの一部、また
は本発明のポリヌクレオチドを組み込むことができる。
ポリヌクレオチドの宿主細胞への導入は、例えば、Davi
sら、Basic Methods in Molecular Biology(1986);S
ambrookら、Molecular Cloning;A Laboratory Manua
l、第2版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラ
トリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニ
ューヨーク(1989)のように、多くの標準的な実験マニ
ュアルに記載される方法により行うことができ、例えば
リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デ
キストラン媒介トランスフェクション、トランスベクシ
ョン、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介ト
ランスフェクション、エレクトロポレーション、トラン
スダクション、スクレープ負荷、バリスティック導入お
よび感染等がある。
【0043】適当な宿主の代表的なものには、細菌細
胞、例えばストレプトコッカス属(Streptococci)、ス
タフィロコッカス属(Staphylococci)、エンテロコッ
カス属(Enterococci)、イー・コリ(E.coli)、スト
レプトミセス(Streptomyces)およびバチルス・ズブチ
リス(Bacillus subtiis)細胞;真菌細胞、例えば酵母
細胞およびアスペルギルス属(Aspergillus)細胞;昆
虫細胞、例えばドロソフィラS2(Drosophila S2)お
よびスポドプテラSf9(Spodoptera Sf9)細胞;動物
細胞、例えばCHO、COS、HeLa、C127、3
T3、BHK、293およびボウズ(Bows)黒色腫細
胞;ならびに植物細胞等がある。
【0044】本発明のポリペプチドを製造するために非
常に多くの発現系を使用できる。このようなベクターに
は、染色体、エピソームおよびウイルス由来のベクタ
ー、例えば細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由
来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入エ
レメント由来、酵母染色体エレメント由来、例えばバキ
ュロウイルス、パポバウイルス、例えばSV40、ワク
シニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性
狂犬病ウイルスおよびレトロウイルス等のウイルス由来
のベクター、ならびにそれらを組み合わせたものに由来
するベクター、例えばプラスミドおよびバクテリオファ
ージの遺伝学的エレメント由来のベクター、例えばコス
ミドおよびファージミド等がある。発現系の構築物は発
現を制御および引き起こす調節領域を含有していてもよ
い。この点に関して、一般的には、宿主中にポリヌクレ
オチドを保持、伸長または発現するのに、および/また
はポリペプチドを発現するのに適した任意の系またはベ
クターを発現に使用できる。周知のおよび通常的な種々
の任意の技術により、適当なDNA配列を発現系に挿入
してもよく、例えばSambrookら、Molecular Cloning,A
Laboratory Manual(上述)に記載されている。
【0045】翻訳蛋白を、小胞体内腔、ペリプラスミッ
クスペースまたは細胞外環境へ分泌させるために、適当
な分泌シグナルを発現するポリペプチドに組み込むこと
ができる。これらのシグナルはポリペプチドに本来的な
ものであってもく、あるいは異種性のシグナルでもよ
い。
【0046】本発明のポリペプチドは周知の方法によ
り、組換え細胞培養物から回収および精製でき、その方
法には、例えば硫酸アンモニウムまたはエタノール沈
殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラ
フィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性
相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィ
ー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよび
レクチンクロマトグラフィー等がある。高速液体クロマ
トグラフィーを精製に用いるのが最も好ましい。ポリペ
プチドが単離および/または精製中に変性した場合、再
び活性なコンホーメーションにするために、蛋白再生の
ための周知の技法を用いることができる。
【0047】診断アッセイ 本発明はまた診断試薬として使用するための本発明のg
reAポリヌクレオチドの使用にも関する。真核生物と
りわけ哺乳動物、特にヒトにおけるgreAの検出は、
疾患の診断のための診断法を提供する。greA遺伝子
を含む生物に感染した真核生物(本明細書において「個
体」とも称する)とりわけ哺乳動物、特にヒトを種々の
方法によりDNAレベルで検出できる。診断用の核酸
は、感染した個体の細胞および組織、例えば骨、血液、
筋肉、軟骨および皮膚より得ることができる。ゲノムD
NAを直接検出に使用してもよく、あるいは分析の前に
PCRもしくはその他の増幅法を用いることにより酵素
的に増幅できる。RNAまたはcDNAもまた同じ方法
で用いることができる。増幅法を用いると、真核生物と
りわけ哺乳動物、特にヒトに存在する原核生物株を、原
核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴づけすること
ができる。対照配列の遺伝子型と比較した場合の増幅産
物の大きさの変化により、欠損および挿入を検出でき
る。点突然変異は、増幅DNAを標識化greAポリヌ
クレオチド配列にハイブリダイズさせることにより同定
できる。完全に対合した配列はRNアーゼ消化により、
または融解温度の差により、誤対合二重らせんから区別
できる。変性剤含有または不含ゲル中のDNAフラグメ
ントの電気泳動の移動度の変化を検出することにより、
または直接的なDNAの配列決定により、DNA配列の
差を検出してもよい。例えばMeyersら、Science,230:1
242(1985)参照。また、特異的な位置での配列の変化
を、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えばRNアーゼおよ
びS1保護または化学的切断法によって明らかにしても
よい。例えばCottonら、Proc. Natl. Acad. Sci., US
A, 85:4397-4401 (1985)参照。
【0048】本発明の遺伝子の突然変異または多型性を
担持する細胞を、種々の技術により、DNAレベルで、
例えばセロタイピングすることにより検出してもよい。
例えば、RT−PCRを用いて突然変異を検出すること
ができる。RT−PCRは自動検出系、例えばGeneScan
等と組み合わせて用いるのがとりわけ好ましい。RNA
またはcDNAを同じ目的でPCRまたはRT−PCR
に用いてもよい。例を挙げると、greAをコードする
核酸に相補的なPCRプライマーは、突然変異を同定お
よび分析するのに用いることができる。典型的なプライ
マーの例を下表2に示す。
【0049】 表2 greAポリヌクレオチドの増幅のためのプライマー 配列番号 プライマー配列 5 5'-GGAATTCATGGAAAATCACAAGCAATATCCAAT-3' 6 5'-GGAATTCATCATACTCAGAGTTCTCTGATAAGTC-3'
【0050】本発明はまた、5'および/または3'末端
から1、2、3または4個のヌクレオチド除去したプラ
イマーをも提供する。該プライマーを用いて、感染個体
から単離された遺伝子を増幅してもよく、次いで、該遺
伝子をDNA配列を調べるための種々の技法に供しても
よい。このように、DNA配列における突然変異を検出
し、感染の診断および感染性物質のセロタイピングおよ
び/または分類に使用することができる。
【0051】本発明はまた、疾患、好ましくは細菌感
染、より好ましくはスタフィロコッカス・アウレウスに
よる感染、および最も好ましくは、上気道感染(例え
ば、中耳炎、細菌性気管炎、急性咽頭蓋炎、甲状腺
炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心臓感
染(例えば、感染性心内膜炎)、胃腸感染(例えば、分
泌性下痢、脾臓膿瘍、腹膜後膿瘍)、CNS感染(例え
ば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角
膜炎、眼内炎、前中隔および眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、腎
および尿管感染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周囲
膿瘍、トキシックショック症候群)、皮膚感染(例え
ば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、細
菌性筋炎)、ならびに骨および関節感染(例えば、敗血
症性関節炎、骨髄炎)のごとき疾病の診断方法を提供
し、該方法は、表1[配列番号:1]の配列を有するポ
リヌクレオチドのの発現レベルの上昇を個体由来の試料
から検出することを特徴とする。greAポリヌクレオ
チドの発現の増加または低下は、ポリヌクレオチドの定
量法として当該分野でよく知られたいずれかの方法、例
えば増幅、PCR、RT−PCR、RNアーゼ保護、ノ
ーザンブロッティングおよびその他のハイブリダイゼー
ション法を用いて測定できる。
【0052】さらに、正常対照組織サンプルと比較し
て、greA蛋白の過剰発現を検出するための本発明診
断アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出してもよ
い。宿主由来のサンプル中のgreA蛋白のレベルを決
定するために用いることができるアッセイ技法は、当業
者に周知である。かかるアッセイ法には、ラジオイムノ
アッセイ、競争結合アッセイ、ウェスタンブロット分析
およびELISAアッセイ等がある。
【0053】抗体 本発明のポリペプチドもしくはそれらの変種、またはそ
れらを発現する細胞を免疫源として用いて、かかるポリ
ペプチドに免疫特異的な抗体を得ることができる。本明
細書で用いる「抗体」には、モノクローナルおよびポリ
クローナル抗体、キメラ、一本鎖、サル化抗体およびヒ
ト化抗体、ならびにFabフラグメントが包含され、さ
らに免疫グロブリン発現ライブラリーの産物等のFab
フラグメントも包含される。本発明のポリペプチドに対
して生じる抗体は、ポリペプチドまたはエピトープが付
いたフラグメント、アナログまたは細胞を、好ましくは
ヒトはでない動物に通常の実験法を用いて投与すること
により得ることができる。連続的細胞系培養により産生
される抗体を提供する、当業者周知の技術を用いて、モ
ノクローナル抗体を調製することができる。例として
は、Kohler, G.およびMilstein, C.,Nature, 256:49
5-497 (1975); Kozborら、Immunology Today, 4:72
(1983); Coleら、Monoclonal Antibodies and Canc
er Therapy, Alan R Liss, Inc.、77-96頁(1985)に記
載されるような種々の技法がある。一本鎖抗体の産生の
ために記載された技術(米国特許第4946778号)
を適用して、本発明ポリペプチドに対する一本鎖抗体を
得ることができる。また、トランスジェニックマウスま
たはその他の生物、例えばその他の哺乳動物を用いてヒ
ト化抗体等の抗体を発現させてもよい。
【0054】別法として、ファージディスプレイ技法を
用いて、抗−ポリペプチドを有することにつきスクリー
ニングされたヒト・リンパ球のPCR増幅されたv遺伝
子のレパートリーから、抗−greAを有することにつ
いてスクリーニングされたヒトから、あるいは無処理の
ライブラリーから、ポリペプチドに対する結合活性を有
する抗体遺伝子を選別することもできる(McCafferty,
J.ら、Nature 348:552-554 (1990); Marks, J.ら、B
iotechnology 10:779-783 (1992))。これらの抗体の
親和性はチェインシャフリング(chain shuffling)に
より改善することもできる(Clackson, T.ら、Nature 3
52:624-628 (1991))。
【0055】二つの抗原結合ドメインが存在する場合、
各ドメインは「二特異性」抗体と称する異なるエピトー
プに対して指向される。上記抗体を用いてポリペプチド
を発現するクローンを単離または同定してもよく、上記
抗体を親和性クロマトグラフィーにより精製することが
できる。
【0056】従って、とりわけgreAに対する抗体
を、感染、とりわけ細菌感染、特に上気道感染(例え
ば、中耳炎、細菌性気管炎、急性咽頭蓋炎、甲状腺
炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心臓感
染(例えば、感染性心内膜炎)、胃腸感染(例えば、分
泌性下痢、脾臓膿瘍、腹膜後膿瘍)、CNS感染(例え
ば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角
膜炎、眼内炎、前中隔および眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、腎
および尿管感染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周囲
膿瘍、トキシックショック症候群)、皮膚感染(例え
ば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、細
菌性筋炎)、ならびに骨および関節感染(例えば、敗血
症性関節炎、骨髄炎)のごとき疾病の治療に用いてもよ
い。
【0057】ポリペプチド変種には抗原的、エピトープ
的または免疫学的に等価な変種等があり、本発明の特定
の態様である。本明細書で用いる「抗原的に等価な誘導
体」なる用語は、本発明により蛋白またはポリペプチド
に対して生成した場合、病原および哺乳動物宿主間での
即時的な物理的相互作用を妨害する特定の抗体により特
異的に認識されるポリペプチドまたはその同等物を包含
する。本明細書で用いる「免疫学的に等価な誘導体」な
る用語は、脊椎動物において抗体を産生させるのに適し
た処方を用いた場合、抗体が病原および哺乳動物宿主間
での即時的な物理的相互作用を妨害するように作用する
ペプチドまたはその等価物を包含する。
【0058】ポリペプチド、例えば抗原的、免疫学的に
等価な誘導体、またはそれらの融合蛋白は、マウスまた
はその他の動物例えばラットもしくはニワトリを免疫す
るための抗原として使用できる。融合蛋白はポリペプチ
ドに安定性を付与できる。抗原は、例えば抱合すること
により、免疫原性キャリヤ蛋白、例えばウシ血清アルブ
ミン(BSA)またはキーホール・リンペット・ヘモシ
アニン(keyhole limpet haemocyanin:KLH)に結合
することができる。あるいはまた、蛋白もしくはポリペ
プチド、またはそれらに抗原的もしくは免疫学的に等価
なポリペプチドの多重コピーを含む多重抗原ペプチド
は、免疫原性を改良するための十分な抗原性を有してい
るので、キャリヤーを使用しなくてすむ。
【0059】好ましくは、抗体またはそれらの変種を、
個体における免疫原性を減じるために修飾する。例え
ば、個体がヒトである場合、最も好ましくは、抗体は
「ヒト化」されており;この場合、ハイブリドーマ由来
の抗体の相補性決定領域がヒト・モノクローナル抗体に
移植されており、例えばJones,P.ら、Nature 321:522-5
25(1986)またはTempestら、Biotechnology 9:266-273
(1991)に記載されている。本発明のポリヌクレオチド
を遺伝学的免疫において使用する場合、例えばプラスミ
ドDNAの筋肉への直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Gene
t.1:363(1992);Manthorpeら、Hum.Gene Ther.4:419
(1963))、特異的蛋白キャリヤーとDNAとの複合体
の送達(Wuら、J.Biol.Chem.264:16985(1989))、リ
ン酸カルシウムとのDNA共沈(Benvenisty & Reshe
f、PNAS 83:9551(1986))、種々の形態のリポソーム
中へのDNA封入(Kanedaら、Science 243:375(198
9))、微粒子爆撃(Tangら、Nature 356:152(199
2);Eisenbraunら、DNA Cell Biol.12:791(1993))
およびクローン化レトロウイルスベクターを用いたイン
ビボ感染(Seegerら、PNAS 81:5849(1984))等の適切
な送達方法を用いるのが好ましい。
【0060】アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセ
イおよび分子 本発明ポリペプチドを用いて、例えば、細胞、無細胞標
品、化学ライブラリー、および天然産物混合物中におけ
る小型分子基質およびリガンドの結合を評価してもよ
い。これらの基質およびリガンドは天然基質およびリガ
ンドであってもよく、構造上または機能上の模倣物であ
ってもよい。例えば、Coligan et al.,Current Protoco
ls in Immunology 1(2):Chapter 5 (1991)参照。
【0061】また本発明は、greAポリペプチドまた
はポリヌクレオチドの作用を増強(アゴニスト)または
阻害(アンタゴニスト)する化合物、詳細には、静菌性
および/または殺菌性化合物を同定するための、化合物
のスクリーニング方法をも提供する。該スクリーニング
方法は高処理量の方法である。例えば、アゴニストまた
はアンタゴニストをスクリーニングするために、gre
Aポリペプチドを含む、合成反応混合物、膜、細胞表面
膜もしくは細胞壁のごとき細胞コンパートメント、また
はそれらのいずれかの調製物、およびこのようなポリペ
プチドの標識基質またはリガンドを、greAアゴニス
トまたはアンタゴニストとなりうる候補分子の存在下ま
たは不在下でインキュベーションする。候補分子がgr
eAポリペプチドにアゴナイズまたは拮抗する能力は、
標識化リガンドの結合の低下またはこのような基質から
の生成物の産生の低下に反映される。結合しても影響を
及ぼさない分子、すなわちgreAの効果を誘導しない
分子は、最も良好なアンタゴニストである可能性があ
る。結合性が良好で、基質からの生成物の生成速度を高
める分子はアゴニストである。基質からの生成物の生成
速度またはレベルはリポーターシステムを用いることに
より強調できる。この点に関して有用なリポーターシス
テムには、生成物に転換される比色測定用標識化基質、
greAポリヌクレオチドまたはポリペプチド活性の変
化に反応するリポーター遺伝子、および当該分野で周知
の結合アッセイ等があるが、これらに限定するものでは
ない。
【0062】greAアンタゴニストのアッセイのもう
1つの例は競争アッセイであり、競争阻害アッセイに適
した条件下で、greAおよび潜在的アンタゴニスト
を、greA結合分子、組換えgreA結合分子、天然
基質もしくはリガンド、または基質もしくはリガンド模
倣物と混合する。例えば放射活性または比色測定用化合
物によりgreA蛋白を標識し、結合分子に結合した、
または生成物に変換されたgreA分子の数を正確に決
定して、潜在的なアンタゴニストの効果を評価できる。
【0063】潜在的アンタゴニストには、本発明ポリペ
プチドに結合し、そのことによりその活性を阻害し消失
させる小型有機分子、ペプチド、ポリペプチドおよび抗
体などがある。また、潜在的アンタゴニストは、密接に
関連した蛋白または抗体のごとき小型有機分子、ペプチ
ド、ポリペプチドであってもよく、それらは結合分子の
同じ部位に結合するが、greAにより誘導される活性
を誘導せず、それゆえgreAを結合から排除すること
によりgreAの作用を妨害する。潜在的アンタゴニス
トには、ポリペプチドの結合部位に結合し、およびそれ
を占領し、それにより細胞性結合分子への結合を防御し
て、正常の生物学的活性を防御する小型分子等がある。
小型分子の例としては、小型有機分子、ペプチド、ペプ
チド様分子等があるが、これらに限定するものではな
い。その他の潜在的アンタゴニストにはアンチセンス分
子等がある(これらの分子についての記載に関してはOk
ano,J.,Neurochem.56:560(1991);Oligodeoxy-nucle
otides as Antisense Inhibitors of Gene Expressio
n,CRCプレス、ボッカラートン、フロリダ州(198
8)参照)。好ましい潜在的アンタゴニストには、gr
eA関連化合物およびgreA変種等がある。
【0064】本明細書に示す各DNA配列を、抗細菌化
合物の発見および開発に使用してもよい。コードされて
いる蛋白は、発現した場合、抗細菌剤のスクリーニング
のための標的として使用されうる。さらに、コードされ
ている蛋白のアミノ末端領域または各mRNAのシャイ
ン−ダルガノ配列または他の翻訳容易化配列をコードし
ているDNA配列を用いてアンチセンス配列を構築し、
目的コーディング配列の発現を制御することもできる。
【0065】本発明は、感染の続発症に関与する病因お
よび哺乳動物宿主間の最初の物理的相互作用を妨害する
ための本発明ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは阻
害物質の使用を提供する。とりわけ本発明分子を、内在
デバイス上の哺乳動物細胞外マトリックス蛋白または傷
における細胞外マトリックス蛋白への細菌の付着、詳細
にはグラム陽性細菌の付着の防止;例えば、哺乳動物チ
ロシンキナーゼのホスホリレーションを開始することに
よる、greA蛋白により媒介される哺乳動物細胞への
侵入のブロック(Rosenshine et al.,Infect.Immunol.6
0:2211(1992));哺乳動物細胞外マトリックス蛋白と細
菌greA蛋白との間の、組織ダメージを媒介する細菌
付着のブロック;内在デバイスの移植または他の外科的
方法以外により開始される、感染における通常の病状の
進行のブロックに使用することができる。
【0066】本発明アンタゴニストおよびアゴニスト
を、例えば、感染、とりわけ細菌感染、特に上気道感染
(例えば、中耳炎、細菌性気管炎、急性咽頭蓋炎、甲状
腺炎)、下気道感染(例えば、蓄膿症、肺膿瘍)、心臓
感染(例えば、感染性心内膜炎)、胃腸感染(例えば、
分泌性下痢、脾臓膿瘍、腹膜後膿瘍)、CNS感染(例
えば、大脳膿瘍)、眼感染(例えば、眼瞼炎、結膜炎、
角膜炎、眼内炎、前中隔および眼窩蜂巣炎、涙嚢炎)、
腎および尿管感染(例えば、副睾丸炎、腎内および腎周
囲膿瘍、トキシックショック症候群)、皮膚感染(例え
ば、膿痂疹、毛嚢炎、皮膚膿瘍、蜂巣炎、創傷感染、細
菌性筋炎)、ならびに骨および関節感染(例えば、敗血
症性関節炎、骨髄炎)のごとき疾病の抑制および治療に
用いてもよい。
【0067】ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter
pylori)(本明細書中、エッチ・ピロリともいう)菌
は、胃癌、潰瘍、胃炎を発病している世界中の人々の3
分の1以上の胃に感染している(国際癌研究機関(Inte
rnational Agency for Research on Cancer)(1994)S
chistomoses,Liver Flukes and Helicobacter Pylori
(International Agency for Research on Cancer,Lyo
n,France;http://www.uicc.ch/ecp/ecp2904.
htm))。さらに、この国際癌研究機関は、最近になっ
て、ヘリコバクター・ピロリと胃腺癌の間の因果関係を
認識し、その細菌をグループI(限定的)発癌物質と分
類した。本発明により提供されるスクリーニング法を用
いて見出される本発明の好ましい抗菌化合物(応答レギ
ュレーターポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチ
ドのアゴニストおよびアンタゴニスト)、特に狭スペク
トルの抗生物質は、ヘリコバクター・ピロリ感染の治療
に有用である。このような治療はヘリコバクター・ピロ
リ誘発性癌、例えば胃腸癌の出現を減少させる。かかる
治療はまた胃潰瘍および胃炎も治癒する。
【0068】ワクチン 本発明の別の態様は、個体とりわけ哺乳動物における免
疫学的反応を誘導する方法に関し、該方法は、感染、詳
細には細菌感染、最も詳細にはスタフィロコッカス・ア
ウレウス感染から個体を防御するための抗体および/ま
たはT細胞応答を生じさせるに十分なgreAまたはそ
のフラグメントもしくは変種を個体に接種することを特
徴とする。かかる免疫学的応答が細菌の複製を遅らせる
方法も提供される。本発明のさらにもう1つの態様は、
個体における免疫学的応答の誘導方法に関し、該方法
は、疾病が個体においてすでに確立されているか否かに
かかわらず、インビボでgreA、またはそのフラグメ
ントもしくは変種を発現させるためにgreAまたはそ
のフラグメントもしくは変種の発現を指令する核酸ベク
ターをかかる個体に送達して、例えば、抗体および/ま
たはT細胞免疫応答(例えば、サイトカイン産生T細胞
または細胞毒性T細胞)を生じさせる免疫学的応答を誘
導して、該個体を疾病から防御する抗体を産生させるこ
とを特徴とする。迅速に遺伝子を所望細胞中に投与する
方法としては、粒子上にコーディングすること等がある。 かかる核酸ベクターはDNA、RNA、修飾核酸、また
はDNA/RNAハイブリッドを含んでいてもよい。
【0069】本発明のさらなる態様は、免疫学的反応を
宿主内に誘導できる、または誘導されたた宿主に導入し
た場合、greAまたはそれによりコードされている蛋
白に対する免疫学的反応を該宿主に誘導する免疫学的組
成物に関し、その組成物は組換えgreAまたはそれに
よりコードされている蛋白を含み、greAまたはそれ
によりコードされている蛋白に対する抗原をコードし発
現するDNAを含む。免疫学的応答を治療的または予防
的に用いてもよく、また免疫学的応答はCTLまたはC
D4+T細胞から生じるような抗体免疫または細胞性免
疫の形態であってもよい。
【0070】greAポリペプチドまたはそれらのフラ
グメントを、それ自身は抗体を産生しないが、第1の蛋
白を安定化し、免疫原的および保護特性を有する融合蛋
白を産生する能力のある共存蛋白(co-protein)と融合
させてもよい。好ましくは、かかる融合組換え蛋白は、
抗原補蛋白、例えばヘモフィルス・インフルエンザエ
(Hemophilus influenzae)由来のリポ蛋白D、グルタ
チオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはベー
ターガラクトシダーゼのごとき共存蛋白、蛋白を可溶化
してそれらの産生および精製を促進する比較的大きな共
存蛋白等を含む。さらに、共存蛋白は免疫系において普
遍的な刺激を提供するという意味で、アジュバントとし
て作用することができる。共存蛋白は第1の蛋白のアミ
ノまたはカルボキシル末端のどちらかに結合できる。
【0071】本発明は、本発明のポリペプチドまたはポ
リヌクレオチドおよびSato Y.ら、Science 273:352 (19
66)に記載されているような免疫刺激DNA配列を含む
組成物、とりわけワクチン組成物、および方法を提供す
る。
【0072】また、本発明は、スタフィロコッカス・ア
ウレウスに感染した動物モデルにおいて、かかる遺伝的
免疫化実験に用られるDNA構築物中の細菌細胞表面蛋
白の不変領域をコードすることが示されている、説明し
たポリヌクレオチドまたはとりわけそれらのフラグメン
トを用いる方法を提供し、これらはとりわけ予防的また
は治療的免疫反応を刺激することができる蛋白エピトー
プを同定するのに有用である。この研究は、哺乳動物、
とりわけヒトにおける細菌感染とりわけスタフィロコッ
カス・アウレウス感染の予防薬または治療的処置の開発
のために、感染に抵抗しこれを一掃するのに成功した動
物の必須器官から特に価値あるモノクローナル抗体をう
まく調製することを可能にすると思われる。
【0073】ポリペプチドを宿主接種用抗原として用い
て、例えば損傷組織への細菌の付着を阻害することによ
り細菌の侵入に対して防御する特異的抗体を得てもよ
い。組織損傷の例としては、例えば機械的、化学的もし
くは熱的ダメージにより、または内在デバイスの埋め込
みにより引き起こされた皮膚または結合組織の創傷、ま
たは粘膜、例えば口、乳腺、尿道または膣の創傷等があ
る。
【0074】また本発明は、適切な担体と一緒になった
免疫原性組換え蛋白を含有するワクチン処方を包含す
る。蛋白は胃で分解されうるので、非経口的に、例えば
皮下、筋肉内、静脈内または皮膚内等に投与するのが好
ましい。非経口投与に適した処方には、抗酸化剤、緩衝
液、静細菌剤、および処方を個体の体液(好ましくは血
液)と等張にする溶質を含有していてもよい水性または
非水性無菌注射液、および懸濁化剤または増粘剤を含有
していてもよい水性または非水性無菌懸濁液等がある。
処方は1回投与または多回投与用容器、例えばシールし
たアンプルおよびバイアルに入れてよく、使用直前に無
菌液体担体の添加のみを必要とする凍結乾燥状態として
保存してもよい。ワクチン処方は処方の免疫原性を高め
るアジュバント系を含有していてもよく、例えば水中油
系または当該分野で周知のその他の系等がある。投与量
はワクチンの特異的活性に依存し、通常の実験法により
容易に決定できる。本発明を特定のgreA蛋白に関し
て説明したが、本発明は天然に存在する蛋白および、実
質的に組換え蛋白の免疫原特性に影響しない付加、欠失
または置換を施した類似の蛋白のフラグメントを包含す
ることが理解されよう。
【0075】組成物、キットおよび投与 本発明はまた上述のポリヌクレオチドもしくはポリペプ
チド、またはそれらのアゴニストもしくはアンタゴニス
トを含む組成物にも関する。本発明ポリペプチドを、細
胞、組織もしくは生物に用いられる未滅菌もしくは滅菌
済み担体と混合して、例えば対象への投与に適した医薬
的担体と混合して用いることができる。このような組成
物は、例えば溶媒添加物または治療上有効量の本発明ポ
リペプチド、および医薬的に許容できる担体または賦形
剤を含む。このような担体には生理食塩水、緩衝化生理
食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノー
ルおよびそれらの組み合わせ等があるが、これらに限定
するものではない。処方は投与法に適したものにすべき
である。さらに本発明は、1またはそれ以上の上記本発
明組成物成分を充填した1またはそれ以上の容器を含む
診断用および医薬用パックおよびキットにも関する。
【0076】本発明ポリペプチドおよびその他の化合物
を、単独で、あるいは治療用化合物等のその他の化合物
と組み合わせて用いてもよい。いずれかの有効かつ利便
的な方法、例えば、とりわけ局所、経口、経膣、静脈
内、腹膜腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、または皮膚内の
経路で医薬組成物を投与してもよい。治療において、ま
たは予防薬として、活性物質を注射用組成物として、例
えば好ましくは等張の無菌水性分散物として個体に投与
できる。別法として、組成物を局所適用用、例えば軟
膏、クリーム、ローション、眼軟膏、点眼液、点耳液、
洗口剤、含浸包帯および縫合用の糸、ならびにエアロゾ
ール等の形態に処方してもよく、適当な慣用的な添加
物、例えば保存剤、薬物の浸透を補助する溶媒、ならび
に軟膏およびクリームには軟化剤を含有していてもよ
い。かかる局所用処方は、適合した慣用的な担体、例え
ばクリームまたは軟膏基剤、およびローションにはエタ
ノールまたはオレイルアルコールを含有していてもよ
い。このような担体は重量で処方の約1%から約98%
であってよく、より通常には重量で処方の約80%まで
とする。哺乳動物とりわけヒトに投与するために、活性
物質の1日あたりの投与量は、0.01mg/kgから
10mg/kgであり、典型的には約1mg/kgであ
る。医者はあらゆる場合、個体に最も適した実際の投与
量を決定し、年齢、体重および特に個体の反応性に応じ
て変化させる。上述の投与量は、平均的なケースの典型
例である。もちろん、高用量および低用量の範囲が適合
する個々の例もあり、かかる例は本発明の範囲内であ
る。
【0077】内在デバイスには外科的インプラント、補
てつデバイスおよびカテーテル等があり、即ち個体の体
に導入し、長時間その位置に存在するものである。この
ようなデバイスには、例えば人工関節、心臓弁、ペース
メーカー、血管移植片、血管カテーテル、脳脊髄液シャ
ント、尿カテーテル、継続的歩行可能腹膜透析(contin
uous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)カ
テーテル等がある。本発明の組成物を注射により投与
し、内在デバイスの挿入の直前に、関連細菌に対する全
身的な効果を得てもよい。手術後、デバイスが体内に存
在する期間中、処置を続けてもよい。さらに、外科的手
技中に広げるカバーに用いて、細菌性創傷感染、とりわ
けスタフィロコッカス・アウレウスの創傷感染を防御す
ることもできる。多くの整形外科医は、補てつ関節を有
するヒトについては、菌血症を生じうる歯科的処置の前
に抗生物質予防法を考慮すべきであると考えている。遅
延性の重篤な感染は、時々補てつ関節を失うに至る深刻
な合併症であり、有意性のある罹病率および死亡率を伴
う。それゆえ、この状況において、予防的な抗生物質に
代わるものとして、活性物質の使用を拡張することが可
能である。上述の治療に加え、一般的には本発明組成物
を創傷の治療薬として使用して、創傷組織に曝露したマ
トリックス蛋白に細菌が付着するのを防いでもよく、歯
科治療においては抗生物質による予防法に代えて、また
はそれと組み合わせて予防的に使用してもよい。
【0078】別法として、本発明の組成物を用いて挿入
直前の内在デバイスを浸してもよい。創傷または内在デ
バイスを浸すためには、活性物質は1μg/mlから1
0mg/mlの濃度であるのが好ましい。ワクチン組成
物を便宜的に注射可能な形態にする。慣用的なアジュバ
ントを用いて免疫反応を高めてもよい。ワクチン化に適
した単位投与量は、抗原0.5〜5μg/kgであり、
このような投与量は1〜3週間隔で1〜3回投与するの
が好ましい。本発明化合物については、指示した投与量
範囲では、適切な個体への投与を妨げるような不利な毒
性効果は観察されない。本明細書に開示した各文献を、
参照によりその全体が本明細書に記載されているものと
みなす。本願が優先権を主張しているいずれの特許出願
も、参照によりその全体が本明細書に記載されているも
のとみなす。
【0079】
【実施例】以下の実施例は、詳細に説明したこと以外
は、当業者に周知で通常的な標準的な技法を用いて実施
する。実施例は説明のためにのみ示すもので、本発明を
限定するものではない。 実施例1:菌株の選択、ライブラリーの製造および配列
決定 配列番号:1に示すDNA配列を有するポリヌクレオチ
ドを、イー・コリ(E.coli)中のスタフィロコッカス・
アウレウスの染色体DNAのクローンのライブラリーか
ら得た。重複するスタフィロコッカス・アウレウスのD
NAを含有する2個またはそれ以上のクローンからの配
列決定データを用いて配列番号:1の隣接DNA配列を
構築した場合もある。通常の方法、例えば以下の方法1
および2によりライブラリーを製造できる。全細胞DN
Aは、スタフィロコッカス・アウレウス WCUH29から、
標準法に準じて単離し、二つの方法のどちらかによりサ
イズ分画する。
【0080】方法1 標準法に準じてサイズ分画化するために、全細胞DNA
を注射針に通して機械的に剪断する。11kbpまでの
大きさのフラグメントを、エクソヌクレアーゼおよびD
NAポリメラーゼで処理することにより、平滑末端化
し、EcoRIリンカーを加える。フラグメントを、E
coRIで切断されているベクターラムダZapIIに
連結し、標準法によりライブラリーをパッケージング
し、次いでパッケージングしたライブラリーで大腸菌を
感染させる。ライブラリーは標準法により増幅する。 方法2
【0081】全細胞DNAは、ライブラリーベクター
(例えば、RsaI、PalI、AluI、Bshl2
35I)にクローニングするための一連のフラグメント
を適切に生じる1の制限酵素または制限酵素の組み合わ
せで部分的加水分解し、かかるフラグメントを標準法に
準じてサイズ分画化する。EcoRIリンカーをDNA
およびフラグメントに連結し、次いでEcoRIで切断
されているベクターラムダZapIIに連結し、標準法
によりライブラリーをパッケージングし、次いでパッケ
ージングしたライブラリーで大腸菌を感染させる。ライ
ブラリーを標準法により増幅する。
【0082】
【配列表】
(1)一般的情報: (i)出願人:Greenwood, Rebecca C. Gentry, Daniel R. (ii)発明の名称:新規greA (iii)配列の数:6 (vi)連絡先: (A)宛て名:Dechert Price & Phoads (B)通り名:4000 Bell Atlantic Tower, 1717 Arch
Stre (C)都市名:Philadelphia (D)州名:ペンシルバニア (E)国名:アメリカ合衆国 (F)ZIP:19103 (v)コンピューター・リーダブル・フォーム: (A)媒体タイプ:ディスケット (B)コンピューター:IBMコンパチブル (C)作動システム:DOS (D)Windowsバージョン2.0用FastSEQ (vi)現出願データ: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (vii)先の出願データ: (A)出願番号: (B)出願日: (viii)代理人等の情報: (A)氏名:Dickinson, Todd Q (B)登録番号:28354 (C)代理人等における処理番号:GM10046 (xi)テレコミュニケーションの情報: (A)電話番号:215−994−2252 (B)ファックス番号:215−994−2222 (C)テレックス:
【0083】(2)配列番号:1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:477塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:2本 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号:1: ATGGAAAATC ACAAGCAATA TCCAATGACT CAAGAAAGTT TTGAAAAATT AGAGCGTGAA 60 CTTGAAGAAT TAAAAACAGT TAAGCGTCCT GAAGTTGTAG AGAAAATTAA AGTTGCACGT 120 TCATTTGGTG ACTTATCAGA GAACTCTGAG TATGATGCAG CAAAAGATGA ACAAGGATTC 180 ATCGAACAAG ATATTCAAAG AATTGAGCAT ATGTTAAGAA ATGCATTAAT CATTGAAGAT 240 ACTGGAGATA ACAACGTTGT TAAAATTGGT AAAACAGTAA CGTTTGTAGA ATTACCAGGT 300 GATGAAGAGG AAAGTTATCA AATCGTTGGT TCAGCTGAAT CAGATGCATT TAATGGTAAG 360 ATTTCAAATG AATCACCAAT GGCTAAAGCG TTAATTGGTA AAGGTTTAGA TGATGAAGTT 420 CGTGTTCCAC TACCTAATGG TGGCGAAATG AACGTNAAAA TTGTTAATAT CCAATAA 477
【0084】(2)配列番号:2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:158アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号:2: Met Glu Asn His Lys Gln Tyr Pro Met Thr Gln Glu Ser Phe Glu Lys 1 5 10 15 Leu Glu Arg Glu Leu Glu Glu Leu Lys Thr Val Lys Arg Pro Glu Val 20 25 30 Val Glu Lys Ile Lys Val Ala Arg Ser Phe Gly Asp Leu Ser Glu Asn 35 40 45 Ser Glu Tyr Asp Ala Ala Lys Asp Glu Gln Gly Phe Ile Glu Gln Asp 50 55 60 Ile Gln Arg Ile Glu His Met Leu Arg Asn Ala Leu Ile Ile Glu Asp 65 70 75 80 Thr Gly Asp Asn Asn Val Val Lys Ile Gly Lys Thr Val Thr Phe Val 85 90 95 Glu Leu Pro Gly Asp Glu Glu Glu Ser Tyr Gln Ile Val Gly Ser Ala 100 105 110 Glu Ser Asp Ala Phe Asn Gly Lys Ile Ser Asn Glu Ser Pro Met Ala 115 120 125 Lys Ala Leu Ile Gly Lys Gly Leu Asp Asp Glu Val Arg Val Pro Leu 130 135 140 Pro Asn Gly Gly Glu Met Asn Val Lys Ile Val Asn Ile Gln 145 150 155
【0085】(2)配列番号:3に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:363塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:2本 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号:3: ATGGAAAATC ACAAGCAATA TCCAATGACT CAAGAAAGTT TTGAAAAATT AGAGCGTGAA 60 CTTGAACAAT TAAAAACAGT TAAGCGTCCT GAAGTTGTAG AGAACATTAA AGTTGCCCGT 120 TCATTTGGTG ACTTATCAGA GAACTCTGAG TATGATGCCG CAAAAGATGA ACAAGGATTC 180 TTCGAACAAG ATATTCTGAG AATTGAGCAT ATGTCAAGAA ATGCACTAAT CATGAAGATA 240 CTGGAGATAA CAACGTTGTT AAAAATTGGG AAAACAGTAA CGTTTGTTCA ATTCACAGGT 300 GATGAACACG AACATTACCC AATCGTTGGG TCAACTGAAT CCAAATCCTT TAATGGTAAG 360 ATT 363
【0086】(2)配列番号:4に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:120アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号:4: Met Glu Asn His Lys Gln Tyr Pro Met Thr Gln Glu Ser Phe Glu Lys 1 5 10 15 Leu Glu Arg Glu Leu Glu Gln Leu Lys Thr Val Lys Arg Pro Glu Val 20 25 30 Val Glu Asn Ile Lys Val Ala Arg Ser Phe Gly Asp Leu Ser Glu Asn 35 40 45 Ser Glu Tyr Asp Ala Ala Lys Asp Glu Gln Gly Phe Phe Glu Gln Asp 50 55 60 Ile Leu Arg Ile Glu His Met Ser Arg Asn Ala Leu Ile Met Lys Ile 65 70 75 80 Leu Glu Ile Thr Thr Leu Leu Lys Ile Gly Lys Thr Val Thr Phe Val 85 90 95 Gln Phe Thr Gly Asp Glu His Glu His Tyr Pro Ile Val Gly Ser Glu 100 105 110 Ser Lys Ser Phe Asn Gly Lys Ile 115 120
【0087】(2)配列番号:5に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:33塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号:5: GGAATTCATG GAAAATCACA AGCAATATCC AAT 33
【0088】(2)配列番号:6に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:34塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号:6: GGAATTCATC ATACTCAGAG TTCTCTGATA AGTC 34
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】上記した本明細書の用語「ポリペプチドを
コードしているポリヌクレオチド」は、本発明ポリペプ
チドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含
し、詳細には、細菌のポリペプチド、より詳細には表1
[配列番号:2]に示すアミノ酸配列を有するスタフィ
ロコッカス・アウレウスのgreAのポリペプチドをコ
ードする配列を含むポリヌクレオチドを包含する。該用
語は、コーディング配列および/または非コーディング
配列を含んでいてもよいさらなる領域を伴った、ポリペ
プチドをコードしている単一の連続領域または不連続領
域(例えば、組み込まれたファージまたは配列の挿入ま
たは配列の編集により分断されたもの)を含むポリヌク
レオチドを包含する。さらに本発明は、表1[配列番
号:2]の推定アミノ酸配列を有するポリペプチドの変
種をコードする上記ポリヌクレオチドの変種にも関す
る。本発明ポリヌクレオチドのフラグメントである変種
を用いて本発明の全長ポリヌクレオチドを合成してもよ
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 14/31 C07K 16/12 16/12 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/50 C12Q 1/02 C12P 21/08 G01N 33/50 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 B (C12N 15/09 ZNA C C12R 1:445) (71)出願人 595047190 スミスクライン・ビーチャム・パブリッ ク・リミテッド・カンパニー SmithKline Beecham p.l.c. イギリス国ミドルセックス・ティーダブリ ュ8・9イーピー、ブレンフォード、ニュ ー・ホライズンズ・コート(番地の表示な し) (72)発明者 レベッカ・クレア・グリーンウッド アメリカ合衆国19312ペンシルベニア州バ ーウィン、ハイポイント・ドライブ75番 (72)発明者 ダニエル・ロバート・ジェントリー アメリカ合衆国19465ペンシルベニア州ポ ッツタウン、シープ・ヒル・ロード1378番

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)配列番号2のアミノ酸配列を含むポ
    リペプチドコードしているポリヌクレオチドに対して少
    なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド; (b)寄託株のスタフィロコッカス・アウレウス中に含
    まれるgreA遺伝子により発現されるのと同じ成熟ポ
    リペプチドをコードしているポリヌクレオチドに対して
    少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド; (c)配列番号:2のアミノ酸配列に対して少なくとも
    70%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコ
    ードしているポリヌクレオチド; (d)(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチド
    に対して相捕的であるポリヌクレオチド;および (e)(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチド
    の少なくとも15個の連続した塩基を含むポリヌクレオ
    チド からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む
    単離ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 DNAである請求項1のポリヌクレオチ
    ド。
  3. 【請求項3】 RNAである請求項1のポリヌクレオチ
    ド。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示す核酸配列を含む請求項
    2のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示すヌクレオチド1から4
    74までを含む請求項2のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号:2のアミノ酸配列を含むポリ
    ペプチドをコードしている請求項2のポリヌクレオチ
    ド。
  7. 【請求項7】 請求項1のポリヌクレオチドを含むベク
    ター。
  8. 【請求項8】 請求項7のベクターを含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】 請求項8の宿主細胞から上記DNAによ
    りコードされているポリペプチドを発現させることを含
    む、ポリペプチドの製造方法。
  10. 【請求項10】 greAポリペプチドまたはフラグメ
    ントの製造方法であって、該ポリペプチドまたはフラグ
    メントの生成に十分な条件下で請求項8の宿主を培養す
    ることを含む方法。
  11. 【請求項11】 配列番号:2のアミノ酸配列に対して
    少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むポリペ
    プチド。
  12. 【請求項12】 配列番号:2に示すアミノ酸配列を含
    むポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項11のポリペプチドに対する抗
    体。
  14. 【請求項14】 請求項11のポリペプチドの活性また
    は発現を阻害するアンタゴニスト。
  15. 【請求項15】 治療上有効量の請求項11のポリペプ
    チドを個体に投与することを含む、greAポリペプチ
    ドを必要とする個体の治療方法。
  16. 【請求項16】 治療上有効量の請求項14のアンタゴ
    ニストを個体に投与することを含む、greAポリペプ
    チドの阻害を必要とする個体の治療方法。
  17. 【請求項17】 個体における請求項11のポリペプチ
    ドの発現または活性に関連した疾病の診断方法であっ
    て、 (a)該ポリペプチドをコードしている核酸配列を決定
    すること、および/または(b)個体由来の試料中の該
    ポリペプチドの存在または量について分析することを含
    む方法。
  18. 【請求項18】 請求項11のポリペプチドと相互作用
    して、その活性を阻害または活性化する化合物の同定方
    法であって、 化合物とポリペプチドとの間の相互作用を可能にする条
    件下で、ポリペプチドとスクリーニングすべき化合物と
    を接触させて化合物の相互作用を評価し(かかる相互作
    用はポリペプチドと化合物との相互作用に応答した検出
    可能シグナルを提供しうる第2の成分に関連したもので
    ある)、 次いで、化合物とポリペプチドとの相互作用により生じ
    るシグナルの存在または不存在を検出することにより、
    化合物がポリペプチドと相互作用して、その活性を活性
    化または阻害するかどうかを決定することを含む方法。
  19. 【請求項19】 哺乳動物における免疫学的応答を誘導
    する方法であって、抗体および/またはT細胞を生じさ
    せて動物を疾病から防御するに十分な請求項11のgr
    eAポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは変種
    を哺乳動物に接種することを含む方法。
  20. 【請求項20】 哺乳動物における免疫学的応答を誘導
    する方法であって、greAポリペプチドまたはそのフ
    ラグメントもしくは変種をインビボで発現させて、抗体
    および/またはT細胞を生じさせる免疫学的応答を誘導
    して該動物を疾病から防御するするために、請求項11
    のgreAポリペプチドまたはそのフラグメントもしく
    は変種の発現を指令する核酸ベクターを送達することを
    含む方法。
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