JP2002505674A - 生物材料中のウイルスおよび分子病原体を除去する方法 - Google Patents

生物材料中のウイルスおよび分子病原体を除去する方法

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Abstract

(57)【要約】 回収すべき1または数種の生物学的物質を含む生物材料中のウイルスおよび分子病原体を除去する方法であって、生物材料を有機溶媒と混合し、該溶媒と混合した生物材料をイオン交換体と接触させて病原体を該イオン交換物質に吸着させるが回収すべき少なくとも1つの生物学的物質は該イオン交換体物質と相互作用しないか、またはわずかにしか相互作用せず、イオン交換体とそれに吸着した病原体を生物材料と分離し、ウイルスが除去された生物学的物質の調製物を回収する方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 生物材料中のウイルスおよび分子病原体を除去する方法 本発明は、回収すべき1または数種の生物学的物質を含む生物材料中のウイル スおよび分子病原体を激減させる(除去する)方法に関する。 血液や血漿といったヒトもしくは動物の組織や液体、および連続的に増殖する 形質転換哺乳動物細胞から抽出により治療的タンパク質および製剤、特に免疫グ ロブリンを製造する際には、ウイルス、ウイルス様粒子やプリオンといった病原 体による潜在的汚染の危険性があることが多い。したがって、存在し得るあらゆ る病原体がヒトに伝搬するのを防ぐ対策をとる必要がある。 ヒト血液や血漿は、それぞれ、例えば、エイズ、B型肝炎または他の肝炎とい った病気を引き起こすウイルスを含むことがある。血漿プールから得た血漿タン パク質では、血液または血漿提供物および製造方法の選択により、ウイルスのよ うな感染性物質が伝搬する危険性は非常に低い。血液提供からハイリスク献血者 を除外し、血液または血漿提供物を分析して感染性提供物を同定し、それがさら に広がるのを排除することができるようにするための適切な対策により、ほとん どの感染性提供物(まだ、ほとんどの場合、そのすべてをみいだすことはできな い)を排除することができる。生物材料の感染性ウイルスを検出するためのアッ セイ系があっても、存在する広範囲の感染性病原体に関して、出発物質の試料中 に存在するかも知れない全てのウイルスや分子病原体をアッセイすることは不可 能であるから、必ずしも病原体の潜在的伝搬に関する問題を完全に排除すること はできない。さらに、ほとんどの試験は、ウイルスそれ自体を同定するのではな く、ウイルスに対して生じた抗体を同定するため、いわゆる「診断上の無防備期 間(window)」には汚染を検出することはできない。さらに、あるグループのウイ ルスに関しては、信頼でき、十分感度が高い検出方法が存在しない。新たに開発 されたアッセイ方法、特に核酸増幅法(例えばPCRのような)は感度が高く、 特異性が高いが、該方法は核酸配列が知られている病原体にしか応用することが できない。ヒト病原体は知られている がそれを検出する感度の高い方法が存在しない場合には、ウイルス含量が少なす ぎてアッセイ系の感受性限界以下であるために陰性結果が得られる疑いが残る。 したがって、最終生成物中にもはや予測される感染性粒子が存在しない医薬的 および治療的生成物を製造するために、ウイルスを除去する特異的な除去および /または不活化方法が開発された。 種々の不活化方法は、加熱および/または化学薬品による物理的−化学的処理 に基づく。特に用いられる方法には、熱処理、低温殺菌、タンパク質溶液のβ− プロピオラクトンおよびUV光による処理、溶媒と界面活性剤の組合せによる処 理(いわゆるS/D法)、またはタンパク質溶液に光力学的物質を加え、次いで 光に曝露する方法がある。これらの方法を用いるとウイルスの不活化はlog1 06までのレベルに達した。しかしながら、不活化方法の効率は存在するウイル スの種類に応じて異なることがある。S/D処理血液生成物はHCV、HBV、 またはHIVの伝搬に関しては安全であると考えられるが、HAVやパルボウイ ルスのようなエンベロープを持たないウイルスはこれらの方法では不活化されな い(Prowse C.,Vox Sang.67(1994),191-196)。 生物学的生成物の加熱処理方法は、好ましくは、溶液中(EP0124506 )、乾燥状態(EP0212040またはWO82/03871)、または湿潤 状態(EP0324729)のいずれかで行われる。多くの生物学的物質は熱分 解性であるためこの方法では損失が生じることが多い。 用いる不活化法の種類は生成物にも影響を与えることがあり、タンパク質の損 失を最小限にするにはしばしば安定化が必要である。さらに、いくつかの不活化 法では加えた化学薬品を除去するため不活化後に精製工程を行う必要がある。 ウイルスを除去するための方法には、特に、クロマトグラフィ法、タンパク質 溶液の膜フィルターによるろ過、または固相へのウイルスの吸着と、続く固相の 除去(EP0679405に記載)が含まれる。しかしながら、固相(例えばAe rosil(登録商標)を用いるような)を用いる処理では免疫グロブリン含有溶液 からHIVを対数4のレベルまで除去することができるが、42%ま でIgGが損失することがある(Gaoら、Vox Sang.64(1993),204-209)。そのよう な高い損失を伴うそのような方法は技術的に大規模に応用するには適さないよう である。 生物学的物質を単離するのに広く用いるクロマトグラフィ法は陰イオン交換ク ロマトグラフィである。この分離法によりウイルスを除去する可能性は、文献に も記載されている。例えば、ウイルスでなくvWFが陰イオン交換体と結合する 条件下でvWFを精製するための陰イオン交換クロマトグラフィによるウイルス 除去が試験された(Burnouf-Radosevich,Vox San.62(1992),1-11)。各ウイルスに 応じて溶出前にカラムを徹底的に洗浄することにより、101.5〜105のウイル スを除去してvWFを回収することができた。 Zoltonら(Vox Sang.49(1985),381-389)は、γ−グロブリンが陰イオン交換体 に結合しない条件下でγ−グロブリンを精製する陰イオン交換クロマトグラフィ におけるウイルス除去率を試験した。該方法では、pH7.5でDEAEセファ ロースを陰イオン交換体として用いた。B型肝炎ウイルスを加えた出発溶液の感 染性はこの陰イオン交換クロマトグラフィにより除去することができた。この試 験では、力価3000のB型肝炎ウイルスが除去できた。しかしながら、pH7 .5における他のウイルスの除去率についてはなにも記載されていなかった。興 味深いことに、7.2以下のpHではウイルスは陰イオン交換体の流出液中に認 められ、この方法が一般に中性または弱酸性の範囲のpHでは応用できないと考 えられた。 EP506651は、IgA、IgG、およびトランスフェリンを含む製剤を 回収する、各個々の方法の段階でウイルス力価の低下が得られる多段階法につい て記載している。12%エタノールによる抽出および沈殿工程において、力価1 05のウイルスの減少が達成された。吸着工程において、タンパク質を陰イオン 交換体と結合し、洗浄し、再度溶出した。この工程ではウイルスの減少は力価1 03であった。 Burnouf(Dev.Biol.Stand.81(1993),199-209)は、VIII因子の精製時に、陰イオ ン交換工程により、パラインフルエンザウイルスとHIV−1をそれぞれ104 および103除去することができたと報告した。陰イオン交換クロマトグラ フィでvWFを精製する場合、PRV(ブタ仮性狂犬病ウイルス)の除去率は対 数5のレベルであると報告された。 Mitraら(Curr.Stud.Hematol.Blood Transfus.56(1989),34-43)は、冷却(−5 ℃)下、限定したpH値およびある濃度のエタノールの存在下の一連の沈殿工程 により、Cohn-Oncleyの血漿分画法に従って血漿からIgGを精製するとき、そ れぞれネズミC−ウイルスおよびHIVで、それぞれ対数>5および>8のレベ ルのウイルス除去が得られた。この論文では、生理学的pHの25%エタノール 溶液の殺ウイルス効果が高かったことも報告している。しかしながら、Mitraら は、エタノール処理とイオン交換クロマトグラフィの組合せについては開示も示 唆もしていない。 Hammanら(Vox San.67(1994),72-77)は、VIII因子濃縮物を製造する過程で、 ウイルス活性もしくはウイルス濃度をイオン交換クロマトグラフィにより対数1 〜2のレベルしか除去できないことを示している。 したがって、動物もしくはヒト起源の、または遺伝的操作法により細胞培養か ら製造された医薬または医薬的製剤で治療した患者における感染の危険性を減ら すため、タンパク質溶液からウイルスを確実に分離するための産業的に応用可能 な方法が求められている。 このように、病原体の伝搬がなく、該方法が生成物の生物活性にほとんど影響 を及ぼさないほど十分に穏やかであることが製造方法によりすでに保証された、 ウイルスに関して安全で病原体を含まない生物学的生成物が求められている。 このように、本発明の目的は、生物材料中のウイルスおよび分子病原体を除去 するための改良法を提供することである。 本発明によれば、この目的は、生物材料を有機溶媒と混合し、混合された有機 物質と生物材料をイオン交換体と接触させるが、それにより病原体はイオン交換 物質に吸着されるが、回収すべき少なくとも1つの生物学的物質は該イオン交換 体物質と相互作用しないかまたはわずかにしか相互作用せず、イオン交換体とそ れに吸着した病原体を生物材料と分離し、ウイルスが除去された生物学的物質の 調製物を回収することを特徴とする最初に記載した方法により達 成される。 驚くべきことに、有機溶媒存在下ではイオン交換工程における減少係数(reduc tion factor)は先行技術に記載のものよりも実質的に増加した。すなわち、Hamm anら(上記)のイオン交換工程における減少係数は対数1のレベルでしかなかっ た。 したがって、一段階法、すなわち、吸着法ではさらに溶出することなく高い減 少係数が期待できるとは思われない。同様に、溶媒の存在によりイオン交換体の 吸着特異性が実質的に変化し、生物学的物質、特にタンパク質と実質的に結合す ることなく病原体と結合することは驚くべきことであった。このように、本発明 の方法を用いると、例えばHAVでは完全な除去に相当する減少係数が対数>5 .95のレベルを達成することができるのに対し、Hammanらは、HAVにおいて イオン交換工程により減少係数が対数1のレベルしか達成しなかった。 12%エタノールを用いる除去処理はウイルスの減少を助長することができる が、有機溶媒がウイルス除去のためにイオン交換処理と同時に応用するのにも適 していることは大いに驚くべきことであった。 本発明の範囲内において、特に陰イオン交換クロマトグラフィまたは陰イオン 交換体による吸着をそれぞれ用い、好ましくは、例えばDEAE−セファセル( 登録商標)、DEAE−セファデックス(登録商標)、DEAE−セファロース CL6B(登録商標)、DEAE−セファロースFast Flow(登録商標 )、QAE−セファデックス(登録商標)、Q−セファロースFast Flo w(登録商標)、Q−セファロースHigh Performance(登録商 標)、Q−セファロースBig Beads(登録商標)(すべてPharmacia)、 DEAE−トリス−Acryl(登録商標)、DEAE−セファデックス(登録 商標)、Q−Hyper−D(登録商標)(すべてSepracor)、 Macroprep DEAE(登録商標)、Macroprep Q(登録商標 )(すべてBioRad)、 DEAE−Toyopearl(登録商標)、QAE−Toyopearl(登 録商標)、Toyopearl Super−Q(登録商標)(すべてTosohaas) ,Protein PAK DEAE(登録商標)(Waters)、 Fractogel EMD−TMAE(登録商標)、Fratogel EMD −DEAE(登録商標)、Fractogel EMD−DMAE(登録商標) 、Licrospher 1000 TMAE(登録商標)、Licrosphe r 1000 DEAE(登録商標)、およびLicrospher 4000 D MAE(登録商標)(すべてMERCK)といった合成ポリマーまたは炭化水素に基 づく物質と組み合わせて、特定の除去率を達成することができる。DEAEタイ プ、特にDEAE−セファデックスタイプの陰イオン交換体が特に好ましい(主 として免疫グロブリンを処理する場合)。 次に、イオン交換体に吸着した病原体を、イオン交換体/病原体コンプレック スを生物材料と分離することにより除去するここのように、被吸着体は、溶出緩 衝液で処理することなく、速やかに生物材料から簡単に分離される。好ましくは 、該コンプレックスは生物材料を浸透性フィルター、特に深ベッドフィルターに 通すことにより分離される。コンプレックスの分離は、沈殿、特に遠心によって 行うこともできよう。好ましくは、イオン交換体の分離は溶媒存在下で行うこと もできる。 本発明の範囲内において、生物学的物質は、例えば、血液や血漿のような体液 から回収されるか、または組換え細胞の培養上清から単離することができる生物 起源の物質を意味し、それぞれ、本発明の範囲内で回収されるかまたはウイルス 汚染が除去される該生物学的物質は、それぞれ、特に、治療的、予防的、もしく は診断的にか、または医薬製剤として用いることができよう。これら生物学的物 質はタンパク質/ペプチド、炭化水素、または脂質、特に、免疫グロブリンや血 液因子のような生物学的に活性な物質であってよい。さらに、原核生物または真 核生物細胞により形成される他のクラスの物質も「生物学的物質」にまとめる。 被吸着体の上清または濾液からの生物学的物質のウイルス除去調製物の回収は 、それぞれ一般に生物学的物質または生物材料の分画をさらに処理または精製( 沈殿法、クロマトグラフィ精製法、ろ過、透析)することにより行われ、 製剤化が行われる。 本発明の範囲内において、生物材料は血漿分画、免疫グロブリン含有血漿分画 、好ましくは、COHN分画II+III、例えば、II因子、VII因子、VIII因子、I X因子、X因子、XI因子、プロテインC、プロテインS、vWFのような血液 因子を含む血漿タンパク質含有分画、該血液因子の一つを含む濃縮物、ハイブリ ドーマ細胞系の上清、形質転換または感染哺乳動物細胞の細胞培養上清、または 動物もしくはヒト組織の抽出物であってよい。該方法を行うためのパラメーター は、それぞれ用いる生物材料の種類と性質、およびその中に存在する可能性があ る汚染病原体に適合するであろう。病原体の種類、イオン交換体の特異性、およ び用いる生物材料の性質(溶液の純度、溶液中のタンパク質濃度)に応じた、該 方法を行う際のpH、温度、インキュベーション期間、本発明の方法に用いる有 機溶媒の種類といった最適パラメーターは、一般的知識に基づいて当業者がみい だすことができよう。 本発明の方法は生物材料中の分子および/またはウイルス病原体を除去するの に特に適しており、脂質エンベロープウイルス群と脂質エンベロープを持たない ウイルス群の両方のウイルス病原体が効果的に除去される。その中には、特に、 HAV、HBV、HCV、HGV、HEV、HDV、HIV、CMV、またはパ ルボウイルスのような特定のウイルスがある。 本発明の範囲内において、有機溶媒、特にそのような溶媒は、選んだ条件下で 生物材料と混合してもいかなる実質的な変性工程も誘導しないと理解すべきであ る。その中には、メタノール、エタノール、または他の生物学的に適合性のアル コールのような特定の溶媒がある。 各溶媒の最適濃度−溶媒が存在することにより生じ得る最適クロマトグラフィ 条件のわずかな偏り−は、当業者が簡単な実験により容易に決定するであろう。 一般的に、溶媒は濃度5〜20容量%、好ましくは濃度10〜15容量%、特に 濃度約12〜14容量%で用いられよう。 好ましくは、一価または多価アルコールが有機溶媒として用いられ、エタノー ルが特に好ましい。本発明によれば、特に好ましいエタノール濃度は12〜14 容量%、特に13〜14容量%である。 好ましくは、イオン交換処理は低温度で行われ、10℃以下もしくは5℃以下 の温度が好ましい。陰イオン交換処理は本発明の方法では特に温度0〜−10℃ が適している。 本発明の方法は、先行技術文献、特にZoltonら(1985)の結果とは異なり、p H値それぞれ7.5または7.2以下、すなわち、それぞれ中性および酸性の範 囲で有効に用いることもできる。 すなわち、本発明の方法の変形である好ましい方法は、イオン交換体、特に陰 イオン交換体による生物材料の処理がpH5.6〜7.2、好ましくは、6.0 〜6.4、特にpH6.2で行われることからなる。 陰イオン交換体による生物材料水性溶液の処理は、好ましくは、1分間〜20 時間、特に4〜8時間の期間行われる(インキュベーションはバッチ法または連 続フロー系のいずれかで行ってよい)。 本発明の方法を用いて、分子および/またはウイルス病原体が存在せず安全な (該病原体が実質的に完全に除去されている)生物材料を得ることができよう。 すなわち、加えたエタノールの濃度に応じて、ウイルスの実質的に完全な除去が 認められた。本発明によれば一段階法により達成される病原体の減少係数は、好 ましくは対数>5.5のレベル、特に好ましくは対数>7.0のレベルである。 イオン交換クロマトグラフィ時の最適吸着条件は、本発明の開示に基づいて回 収する生物学的物質および吸着するウイルス、および用いる各有機溶媒に応じて 当業者が容易に最適化することができよう。 本発明の方法は、さらに、熱および/または界面活性剤処理、放射線処理また はろ過といった病原体不活化もしくは病原体除去工程と組合せるのにも特に適し ており、オーストラリア出願A780/96記載のナノろ過が本発明の方法と組 み合わせるのに特に好ましい。 本発明の方法は特に免疫グロブリン調製物を製造するのに特に適しており、詳 細には、II因子、IIa因子、VII因子、IX因子、X因子、プロテインS、プロテ インC、またはvWFといった血液因子、医薬調製物の回収に用いることもでき よう。 以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは限定を意図すす ものではない。 実施例 実施例1 :IgG含有溶液中のウイルスの除去(現在、出願人が本発明を実施す るための最良の方法と考える) 免疫グロブリン含有COHN−分画II+IIIをエタノールで最終濃度10%〜 14%に調整し、該溶液を−3℃〜−1℃の温度にする。次いで、該溶液を表1 に記載の試験ウイルスと混合する。タンパク質1gあたりDEAE−セファデッ クスA−50 0.5gを混合し、pHを6.2±0.1に調整し、温度とpH を一定に保ち、攪拌しながら6時間インキュベーションする。次に、該交換体懸 濁液を深ベッドろ過により除去し、濾液中のウイルス力価を測定した。感染性ウ イルス粒子の減少を10の乗数で表したウイルス除去率を表1に示した(ウイル スタイトレーションまたはPCRにより決定した)。この表から明らかなように 、本方法は、用いた試験ウイルスに応じて、102から106以上のウイルス除去 をもたらす。上清中のIgGの収率は>70%であった。陰イオン交換体を加え ずに同様に試験ウイルスのインキュベーションを行ったコントロール実験では、 これらの条件下でエタノールの殺ウイルス効果はみられなかった。 PRV=仮性狂犬病ウイルス MVM=マウスマイニュートウイルス/パルボウイルス TBE=ダニ媒介性脳炎ウイルス BVDV=ウシ下痢症ウイルス HCV=C型肝炎ウイルス HAV=A型肝炎ウイルス HGV=G型肝炎ウイルス HIV−1=ヒト免疫不全ウイルス−1 ERV=ウマ鼻肺炎ウイルス n.d.=測定せず実施例2 :IgG含有溶液からのパルボウイルスの除去 実施例1の記載と同様の方法で、エタノール含有率が12%の免疫グロブリン 含有COHN分画IIIをパルボウイルスB19と混合した。B19混合出発物質 の総ロード量は1011.3DNAコピー/mLであった。DEAE−セファデック ス吸着工程、次いでろ過を実施例1に記載のごとく行った。DNAコピー/mL は、オーストラリア出願A780/96に記載のごとくPCRにより濾液を用い て行った。パルボウイルス特異的DNAは濾液中に検出されなかった。本発明の 方法を用いることにより、検出限界を考慮して対数>7.4のレベルのウイルス 減少係数が達成された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 バレット,ノエル オーストリア、アー―3400クロスターノイ ブルク、シュタインヴァントガッセ6アー 番 (72)発明者 ペルスラー,ゲルハルト オーストリア、アー−1220ヴィーン、レオ ナルト−ベルンシュタインシュトラーセ4 ―6/6/92番 (72)発明者 リンナウ,イェンドラ オーストリア、アー―1220ヴィーン、ゲマ インデアウガッセ3番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.回収すべき1または数種の生物学的物質を含む生物材料中のウイルスおよ び分子病原体を除去する方法であって、 生物材料を有機溶媒と混合し、 該溶媒と混合した生物材料をイオン交換体と接触させることにより病原体は該イ オン交換体物質に吸着するが、回収すべき少なくとも1つの生物学的物質は該イ オン交換体物質と相互作用しないか、またはわずかにしか相互作用せず、イオン 交換体とそれに吸着した病原体を生物材料と分離することにより、ウイルスが除 去された生物学的物質の調製物を回収することを特徴とする方法。 2.陰イオン交換体、好ましくはDEAEタイプの陰イオン交換体、特にDE AE−セファデックスをイオン交換体物質として用いることを特徴とする請求項 1記載の方法。 3.有機溶媒を5〜20%(v/v)の濃度で、好ましくは10〜15%(v /v)の濃度で、特に12〜14%(v/v)の濃度で用いることを特徴とする 請求項1または2記載の方法。 4.一価または多価アルコール、特にエタノールを有機溶媒として用いること を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 5.イオン交換体とのインキュベーションを、10℃以下の温度で、好ましく は5℃以下で、特に0〜−10℃で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれ かに記載の方法。 6.イオン交換体とのインキュベーションを、pH5.2〜7.2、好ましく は6.0〜6.4、特に約6.2で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれ かに記載の方法。 7.イオン交換体とのインキュベーションを、バッチ法または連続フロー系で 1〜20時間、好ましくは4〜8時間行うことを特徴とする請求項1〜6のいず れかに記載の方法。 8.有機溶媒としてエタノールを濃度5〜20%、特に好ましくは10〜15 %、特に12〜14%で用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載 の方法。 9.免疫グロブリンまたは血液因子が生物学的物質として回収されることを特 徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 10.イオン交換体/病原体コンプレックスの分離が生物材料を浸透性フィル ターに通すことにより行われることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載 の方法。
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