JPH04346934A - γ−グロブリンの液状製剤 - Google Patents

γ−グロブリンの液状製剤

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JPH04346934A
JPH04346934A JP3149633A JP14963391A JPH04346934A JP H04346934 A JPH04346934 A JP H04346934A JP 3149633 A JP3149633 A JP 3149633A JP 14963391 A JP14963391 A JP 14963391A JP H04346934 A JPH04346934 A JP H04346934A
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sorbitol
gamma
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JP3149633A
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Yatsuhiro Kamimura
上村 八尋
Kazuo Takechi
武智 和男
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Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
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Green Cross Corp Japan
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソルビトール代謝異常
を有する患者に対しても使用し得る、保存安定性の優れ
た、静注可能な非化学修飾完全分子型γ−グロブリンの
液状製剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】血漿蛋白
成分である非化学修飾免疫γ−グロブリンのうち、特に
IgGを主成分とする非化学修飾γ−グロブリン製剤は
これまで広く各種感染症の予防並びに治療に役立てられ
てきた。ところで、γ−グロブリンは、溶液状態におい
て、その保存中に容易に重合物となり、静注投与による
副作用の原因ともなることから従来まで凍結乾燥の態様
で製剤化されていた。また、非化学修飾完全分子型γ−
グロブリンに溶液状態における不安定性を考慮すれば、
凍結乾燥を施すことが最良の方法であり、凍結乾燥の重
要性は周知のことであった。
【0003】一方、液状製剤は乾燥製剤に比べると注射
用蒸留水への溶解の必要もなく、簡便に投与できるなど
の利点があるが、上記の如く、安定性に劣ることからそ
の実用化が遅れていた。
【0004】最近、非化学修飾完全分子型γ−グロブリ
ン含有の低電導度の溶液にソルビトールを含み、約5.
5±0.2のpHを有することを特徴とする静脈内投与
可能な液状組成物も提案されている(特開昭63−19
2724号)。
【0005】ところが、ソルビトールの代謝異常を有す
る患者においては、ソルビトール含有製剤は重篤な肝・
腎障害等の副作用を起こすとの報告があり〔Schul
te,M.J.ら、Lancet,ii,188,(1
977)〕、かかる患者にはソルビトール含有製剤を投
与することは危険である。
【0006】また、安定な液状製剤として、pH約3.
5〜5、イオン強度約0.001未満の条件を有するγ
−グロブリン液状組成物が特開昭58−43914号に
て提案されている。
【0007】しかし、このような強酸性の液状製剤を生
体に投与した場合に、ほぼ中性に保たれている生体体液
中では体液自体の緩衝作用により、γ−グロブリンが凝
集(重合)してしまう恐れがあり、必ずしも好ましいと
は言えない。
【0008】従って、本発明の第一の目的は、保存中お
よび生体投与時のいずれにおいてもγ−グロブリンの重
合体の増加が抑制され、しかも抗補体価の上昇を認めず
、非化学修飾完全分子型γ−グロブリンの活性を損なわ
ないγ−グロブリンの液状組成物(製剤)を提供するこ
とにある。また第2の目的は、ソルビトール代謝異常を
示す患者に対してもソルビトールに起因する副作用を示
さないγ−グロブリンの液状組成物(製剤)を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の点に鑑み、本発明
者らは鋭意研究を重ねた結果、上記目的は、非化学修飾
完全分子型γ−グロブリン含有の低電導度溶液であって
、実質的にソルビトールを含有せず、約5.5±0.2
のpHを有することを特徴とする静脈内投与可能な液状
組成物を提供することによって達成されることを発見し
た。
【0010】本発明の非化学修飾完全分子型γ−グロブ
リンとは、■  自然のままで何らの修飾や変化も受け
ておらず、従ってγ−グロブリンのフラグメントである
Fab、F(ab’)2 、FC 等を含まず、■  
抗体価の低下が少なく、同時に抗体スペクトルの低下も
なく、■  抗補体作用(補体結合性)が日本国生物学
的製剤基準で安全とみなされる20単位(CH50値)
よりも十分に低い、という諸条件を備えたものをいう。
【0011】本発明において使用する非化学修飾完全分
子型γ−グロブリンは、自然状態のものでしかも抗補体
価の低いものであれば、いかなる方法で得たものであっ
てもよい。特に、既存の設備で製造でき、既に医薬とし
て使用されている筋注用γ−グロブリンを酸性処理して
その凝集体を切り離して得られたものが最も効率的であ
る。もっとも、製造上の複雑さや収量の低下を問題とし
ないならば、非イオン系界面活性剤による処理によって
抗補体作用の原因となるγ−グロブリン凝集体を除去し
、抗補体価の低いγ−グロブリンとしたものを使用する
ことが好ましい。こうして、本発明では非化学修飾完全
分子型γ−グロブリンの単量体濃度が95%よりも大で
あることが好ましい。
【0012】かかる非化学修飾完全分子型γ−グロブリ
ンは、例えば、次のようにして製造される。
【0013】(原料)出発原料としては、免疫グロブリ
ンを含む画分が使用され、これはヒト血漿由来であって
、免疫グロブリン画分を含むものであれば特に限定され
ない。具体的には、コーンのエタノール分画により得ら
れる画分II+III 、画分II及び、免疫グロブリ
ンを含むこれらと同等の画分のペーストが挙げられる。 また、この出発原料は、ヒト血液型抗体、カリクレイン
、プレカリクレイン、IgM、IgG重合体などを含ん
でもいてもよい。
【0014】(製造法)■  ポリエチレングリコール
(PEG)処理出発原料であるγ−グロブリンを含有画
分を低濃度PEGで処理し、上清を回収する。
【0015】まず、出発原料を適当な水性溶媒に懸濁す
る。水性溶媒の溶質として、たとえば塩化ナトリウム、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酢酸、酢酸ナトリ
ウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等を含ませてもよ
い。
【0016】この懸濁液を分子量1,000〜10,0
00(好適には約2,000〜6,000)のPEGで
処理する(例えば、両者を混合する)。処理条件として
は、蛋白濃度1〜20w/v%(特に5〜15w/v%
)、PEG濃度4〜10w/v%(特に4〜8w/v%
)、pH4〜6(特に4.5〜5.5)、イオン強度0
.0001〜0.1M(特に0.0001〜0.01M
)であることが好ましい。
【0017】当該処理は、γ−グロブリンを含有画分に
PEGを添加して、通常約0〜4℃で30分〜6時間攪
拌することによって行われる。
【0018】その後、例えば遠心分離(6000〜80
00rpm、10〜30分間)して上清を回収する。
【0019】さらに、この上清を高濃度PEGで処理し
、沈澱を回収する。
【0020】即ち、上記上清を分子量1,000〜10
,000(好適には2,000〜6,000)のPEG
にてさらに処理する(たとえば、両者を混合する)。 処理条件としては、蛋白濃度1〜20w/v%(特に5
〜15w/v%)、PEG濃度10〜15w/v%(特
に11〜13w/v%)、pH6〜9(特に7.5〜8
.5)、イオン強度0.0001〜0.1M(特に0.
0001〜0.01M)であることが好ましい。当該処
理は、通常約0〜4℃で30分〜6時間攪拌することに
よって行われる。
【0021】その後、例えば遠心分離(6000〜80
00rpm、10〜30分間)して沈澱を回収する。
【0022】■  陰イオン交換体処理γ−グロブリン
含有画分を水性溶媒に溶解後、陰イオン交換体で接触処
理して非吸着画分を回収する操作であり、IgM、Ig
G重合体を除くために行われるものである。
【0023】(i)陰イオン交換体 陰イオン交換体は陰イオン交換基を不溶性担体に結合し
たものであるが、陰イオン交換基としてはジエチルアミ
ノエチル(DEAE)基、四級アミノエチル(QAE)
基等を、不溶性担体としてはアガロース、セルロース、
デキストラン、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
【0024】(ii) 処理方法 γ−グロブリン含有画分を適当な水性溶媒に溶解する。 水性溶媒はpH4〜7、好ましくは5〜6、低イオン強
度、好ましくは、0.0001〜0.1Mの水溶液であ
り、前記■のPEG処理と同様の溶質を含んでいてもよ
い。蛋白濃度としては1〜15w/v%(特に3〜10
w/v%)が好ましい。
【0025】さらに、上記水性溶媒で平衡化した陰イオ
ン交換体と接触処理する。その処理に際してはバッチ法
、カラム法のどちらかを用いてもよい。
【0026】たとえば、バッチ法では、陰イオン交換体
1mlに対してγ−グロブリン溶液10〜100ml程
度の割合で両者を混合し、0〜4℃で30分〜2時間程
度攪拌した後、遠心分離(6000〜8000rpm、
10〜30分間)して上清を回収する。
【0027】カラム法でも陰イオン交換体1mlに対し
てγ−グロブリン溶液10〜100ml程度の割合で両
者を接触させ、非吸着画分を回収する。
【0028】■  固定化ジアミノ化合物による処理γ
−グロブリン含有画分を固定化ジアミノ化合物で接触処
理して非吸着画分を回収する操作であり、プレカリクレ
インまたはカリクレインを除くために行われる。
【0029】(i)固定化ジアミノ化合物の調製固定化
ジアミノ化合物はジアミノ化合物を不溶性担体に固定化
したものである。
【0030】ジアミノ化合物としては、アミノベンズア
ミジン、アミノベンズグアニジン、リジン、アルギニン
等を用いることができる。
【0031】一方、不溶性担体としては、アガロース、
セルロース、デキストラン、シリカゲル、ガラス等が用
いられる。
【0032】固定化は公知の方法に準じればよい。たと
えば、アガロース、セルロース等は、たとえばCNBr
活性化法により、またシリカゲル、ガラス等はオキシラ
ン法により、ジアミノ化合物を固定化することができる
【0033】(ii) 処理方法 γ−グロブリン含有画分を、蛋白濃度1〜15w/v%
(特に3〜10w/v%)とし、pH5〜8(特に、p
H6〜7)、イオン強度0.0001〜0.1M(特に
0.0001〜0.01M)の条件下で固定化ジアミノ
化合物と接触処理する。その際、バッチ法、カラム法の
いずれもが好適に使用される。
【0034】たとえば、バッチ法では、固定化ジアミノ
化合物1mlに対して画分10〜100ml程度の割合
で両者を混合し、0〜10℃、好ましくは0〜4℃で3
0分〜4時間、好ましくは40分〜2時間程度攪拌した
後、遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30
分間)して上清を回収する。
【0035】カラム法でも固定化ジアミン化合物1ml
に対して画分10〜100ml程度の割合で両者を接触
させ、非吸着画分を回収する。
【0036】■  固定化ヒト血液型物質処理γ−グロ
ブリン含有画分を固定化ヒト血液型物質で接触処理して
、非吸着画分を回収する操作であり、ヒト血液型抗体を
除くために行われる。
【0037】(i)固定化ヒト血液型物質の調製固定化
ヒト血液型物質はヒト血液型物質を不溶性担体に固定化
したものである。
【0038】ヒト血液型物質の調製は、公知の方法を用
いればよい。たとえば、ヒトA、B、ABまたはO型の
赤血球を低張溶液中で溶血、または超音波処理した後、
硫安分画法またはPEG分画法により精製すること等に
より得られる。また、シンソルブA、シンソルブB(C
hembiomed  LTD社製)等、人工的に合成
された血液型物質を用いてもよい。
【0039】さらに、このヒト血液型物質は生理的食塩
液に溶解後、夾雑するウィルスの不活性化に有効とされ
ている、例えば、約50〜70℃、好ましくは約60℃
で7〜13時間、好ましくは約10時間、または、約8
0〜130℃、好ましくは95〜121℃で約1〜40
分間、好ましくは2〜30分間加熱処理する。その後、
遠心分離して不要物を除去し、蒸留水に対して透析して
、各ヒト血液型物質を得る。
【0040】一方、不溶性担体としては、アガロース、
セルロース、デキストラン、シリカゲル、ガラス等が用
いられる。
【0041】固定化は公知の方法に準じればよい。たと
えば、アガロース、セルロース等はCNBr活性化法に
より、シリカゲル、ガラス等はオキシラン法により、ヒ
ト血液型物質を固定化することができる。
【0042】(ii)  処理方法 γ−グロブリン含有画分を、蛋白濃度1〜15w/v%
(特に3〜10w/v%)とし、pH5〜8(特に6〜
7)、イオン強度0.0001〜0.1M(特に0.0
001〜0.01M)の条件下で上記水性溶媒で平衡化
した固定化ヒト血液型物質と接触処理する。その際、バ
ッチ法、カラム法のどちらを用いてもよい。
【0043】たとえば、バッチ法では、固定化ヒト血液
型物質1mlに対して溶液10〜100ml程度と混合
させ、0〜10℃、好ましくは0〜4℃で30分〜4時
間、好ましくは30分〜2時間程度攪拌した後、遠心分
離(6000〜8000rpm、10〜30分間)して
上清を回収する。
【0044】カラム法でも固定化ヒト血液型物質1ml
に対して処理対象溶液10〜100ml程度の割合で両
者を接触させ、非吸着画分を回収する。
【0045】■  加熱処理 安定化剤の存在下に免疫グロブリンの抗体活性の減少は
最小限にとどめるが、夾雑するHBウィルス、AIDS
ウィルス等は完全に不活性する条件下で加熱処理する。 加熱処理は、含湿度3%以下の乾燥状態、(即ち、乾熱
処理)、または溶液状態、即ち免疫グロブリンの水溶液
状態(即ち、液状加熱処理)で行う。
【0046】加熱処理時の安定化剤としては、いずれの
処理の場合も、二糖類(例、サッカロース、マルトース
)、糖アルコール(例、ソルビトール、マンニトール)
が好適に例示される。
【0047】安定化剤の添加量は、乾熱処理法では、二
糖類、糖アルコール等を0.5〜5w/v%(好ましく
は1〜3w/v%)、液状加熱処理法では二糖類、糖ア
ルコール等を10w/v%以上(好ましくは10〜40
w/v%)を用いることが好適に呈示される。
【0048】加熱の対象となる免疫グロブリンの量は、
乾熱処理法では、蛋白量として1〜10w/v%(好ま
しくは3〜7w/v%)となるように調整することが好
適である。液状加熱処理法では蛋白量として0.1〜3
0w/v%(好ましくは5〜20w/v%)に調整する
ことが好ましい。
【0049】加熱処理は、乾熱処理の場合、安定化剤を
添加後、要すれば除菌濾過し、たとえば凍結乾燥などに
よって含水率3%以下、好ましくは1%以下とする。凍
結乾燥の条件としては0.5mmHgの真空下、20〜
40℃で24〜96時間程度が例示される。次いで、た
とえば50〜70℃(好ましくは60℃程度)、10〜
200時間(好ましくは50〜100時間程度)で処理
する。
【0050】また、本加熱処理工程は不活性ガス雰囲気
下で行うことにより、加熱時の安定性をより高めること
ができる。不活性ガスとしては例えば、窒素ガス、アル
ゴン、ヘリウムなどが挙げられる。
【0051】液状加熱処理の場合は水溶液のpHを4.
5〜6.5、好ましくはpH5〜6に調整し、液状加熱
処理法ではたとえば50〜70℃(好ましくは60℃程
度)、10分〜20時間(好ましくは10時間程度)で
処理される。
【0052】上記の操作を目的に応じて、適宜組み合わ
せて当該γ−グロブリンの製造(精製)のために用いる
ことができる。
【0053】好適な具体例としては、■液状加熱処理→
■PEG処理→■陰イオン交換体処理などの処理工程を
用いることができる。
【0054】(液状組成物の調製)得られた非化学修飾
完全分子型γ−グロブリンを常套手段によって1〜10
w/v%(好ましくは3〜7w/v%)になるように水
溶液を調製し、pHを5.5±0.2(好ましくは約5
.5)、低電導度、好ましくは電導度1mmho以下(
特に、0.6mmho以下、共に8℃換算)になるよう
に、自体既知の手段にて調整した後、通常の製剤化技術
に基づいて、除菌濾過、分注等を行う。かくして、静脈
内投与可能な非化学修飾完全分子型γ−グロブリン液状
組成物(製剤)が調製される。
【0055】本発明において、実質的にソルビトールを
含有せずとは、ソルビトールの代謝異常を有する患者に
対して、ソルビトールに起因する肝・腎障害等の副作用
を起こす量を含有しないという意味である。
【0056】また、公知の他の添加剤を用いてもよい。 例えば、ポリエチレングリコール(分子量1000〜1
0000)0.1〜1w/w%、ヒト血清アルブミン0
.5〜5w/w%、マンニトール1〜10w/w%等が
例示される。
【0057】
【発明の効果】本発明により、長期保存時はもとより生
体内投与時においてもγ−グロブリンの重合体の増加の
ない、しかも抗補体価の上昇を認めず、かつ長期保存時
において外観・性状を良好に保ち得、しかもソルビトー
ル代謝異常患者においても投与可能な安定な非化学修飾
完全分子型γ−グロブリンの液状組成物(製剤)が提供
される。
【0058】
【実施例】以下の実施例及び試験例によって本発明をよ
り具体的に説明する。なお、試験例において、試験は次
の方法によって行った。
【0059】(試験方法)外観性状としては、濁りが問
題となることからO.D.600nm の吸光度を測定
した。
【0060】重合体の定量は高速液体クロマトグラフィ
ーで分析した。
【0061】抗補体値の測定は、カバットとマイヤーの
方法〔Experimental immunoche
mistry, 225 (1961)〕および西岡、
岡田の方法〔免疫の生化学、103、昭46(共立出版
)〕に準じた。即ち、100単位の補体が試料を加える
ことによって何単位に減少するかを測定し、その減少単
位を抗補体価として表した。
【0062】麻疹抗体価はHemagglutinat
ion Inhibition Test法により測定
し、国際単位(IU/100mg)で表わした。
【0063】試験例1 非化学修飾完全分子型γ−グロブリンを使用して各種条
件に調製した液状組成物を25℃で3ヶ月保存し、その
安定性を調べた。
【0064】(1)pH γ−グロブリン濃度5w/v%、電導度1mmho(8
℃換算)、各種pHに調整した液状組成物を25℃、3
ヶ月保存後、中性に戻し試験に供した。その結果は表1
に示す通りであり、pH5.5程度において特に安定で
あった。
【0065】
【表1】
【0066】(2)電導度 γ−グロブリン濃度5w/v%、pH5.5、各種電導
度に調整した液状組成物を25℃、3ヶ月保存後、試験
に供した。その結果は表2に示した通りであり、電導度
1mmho以下において特に安定であった。
【0067】
【表2】
【0068】試験例2 非化学修飾完全分子型γ−グロブリン5w/v%、電導
度1mmho(8℃換算)、pH5.5した液状組成物
を調製した。この組成物は調製時には次の性状を有する
ものであった。外観性状              
      :無色透明 重合体(%)                :0.
00抗補体価(CH50/ml)    :8麻疹抗体
価(IU)          :32
【0069】こ
の組成物について保存安定性を調べた。 その結果は表3に示す通りである。
【0070】
【表3】
【0071】実施例1 コーン画分II+III ペースト1kgを蒸留水10
Lにて懸濁し、pHを5.5に調整した後、遠心分離を
行い、上清を回収し、上清100ml当たりソルビトー
ル50g(終濃度33w/v%)を添加し、60℃で1
0時間加熱処理を行った。
【0072】加熱処理後、pHを5.5に調整した後、
PEG#4000を終濃度が6%になるように添加し、
2℃で遠心分離を行った。
【0073】得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを
用いpH8.0とした後、PEG#4000を終濃度が
12%になるように加え、2℃で遠心分離を行い、沈澱
画分にIgG画分を得た。
【0074】この画分を蒸留水に溶解し、このIgG溶
液100mlにDEAE−セファデックスを添加(50
ml溶液当たり1ml)し、0〜4℃の条件下、約1時
間接触処理し、超遠心分離(7000rpm,約20分
間)して上清(IgG溶液)を回収した。
【0075】このIgG溶液を蒸留水で5%IgG溶液
に調整し、酢酸ナトリウムで溶液をpH5.5にし、前
工程で使用したソルビトールはUF膜(アミコン社製)
を用いて除去した。
【0076】この水溶液(電導度約1mmho)を除菌
濾過し静注用免疫グロブリン液状製剤とした。
【0077】実施例2 実施例1で得られたIgG溶液に、それぞれの終濃度が
ポリエチレングリコール#4000を0.5%、人血清
アルブミンを1%、D−マンニトールを2%となるまで
添加し、同様に除菌濾過し静注用免疫グロブリン液状製
剤とした。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非化学修飾完全分子型γ−グロブリン
    含有の低電導度の溶液であって、実質的にソルビトール
    を含有せず、約5.5±0.2のpHを有することを特
    徴とする静脈内投与可能な液状組成物。
  2. 【請求項2】  非化学修飾完全分子型γ−グロブリン
    の単量体含量が95%よりも大である請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】  電導度が1mmho(8℃換算)以下
    である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】  安定化剤としてポリエチレングリコー
    ル、ヒト血清アルブミン、D−マンニトールから選ばれ
    る少なくとも一種の安定化剤を含有することを特徴とす
    る請求項1記載の組成物。
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