JP2618643B2 - 静注用免疫グロブリン製剤 - Google Patents

静注用免疫グロブリン製剤

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JP2618643B2
JP2618643B2 JP62204824A JP20482487A JP2618643B2 JP 2618643 B2 JP2618643 B2 JP 2618643B2 JP 62204824 A JP62204824 A JP 62204824A JP 20482487 A JP20482487 A JP 20482487A JP 2618643 B2 JP2618643 B2 JP 2618643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は静注用免疫グロブリン製剤に関する。
〔従来の技術〕
静注用免疫グロブリン製剤は、これまで広く感染症の
予防および治療に用いられているが、熱安定性に欠ける
ために市販品は加熱処理が行われていないのが実情であ
る。
しかし、肝炎ウイルス等の万夾雑ウイルスの混在は必
ずしも否認されていない。そこで、夾雑ウイルスの不活
化法として液状加熱処理法〔特開昭61−191622号等〕或
いは乾熱処理法〔特開昭61−78730号、特願昭60−27019
5号等〕が提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、この加熱処理法を発展させて臨床上
適用できる製剤、すなわち、安全性と有効性の高い静注
用免疫グロブリン製剤を提供することにある。
本発明者らは、この目的に沿って工業的な製法につい
て検討し、ポリエチレングリコール(以下、PEGとい
う)分画処理、加熱処理等を組み合わせ、各工程の処理
条件を設定することによって、安全性と有効性の高い新
規静注用免疫グロブリン製剤が得られることを見出し、
本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、ウイルスが不活化するまで加熱することを
基本とすることによって、非感染性とされてなるウイル
スおよび免疫グロブリンを含有し、当該免疫グロブリン
は実質的にはIgG単量体のみを含み、感染性ウイルスを
実質的に含まず、かつ変性型の免疫グロブリンを実質的
に含まない静注用免疫グロブリン製剤であり、免疫グロ
ブリンを含む画分を出発原料とする、以下の処理によっ
て製造される静注用免疫グロブリン製剤に関する。
(a)pH4〜6、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4
℃の条件下、分子量1,000〜10,000のPEGで処理して上清
を回収する。
(b)(a)の上清をpH6〜9、イオン強度0.0001〜0.1
M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のPEG1
0〜15w/v%で処理して沈澱を回収する。
(c)所望の工程で夾雑するウイルスが不活化するのに
充分な条件下、安定化剤の存在下で加熱処理する。
(1)出発原料 本発明製剤の出発原料としては、免疫グロブリンを含
む画分が使用され、これはヒト血漿由来であって、免疫
グロブリン画分を含むものであれば特に限定されない。
具体的には、コーンのエタノール分画により得られる画
分II+III、画分II、および免疫グロブリンを含むこれ
らと同等の画分のペースト等が挙げられる。また、この
出発原料は、ヒト血液型抗体、カリクレイン、プレカリ
クレイン、IgM、IgG重合体などを含んでいてもよい。
(2)製法 本発明製剤を得るための製造方法は、好ましく以下の
処理よりなる。
低濃度PEG処理工程 本工程は出発原料を低濃度PEGで処理し、上清を回収
する工程である。
出発原料を適当な水性溶媒に懸濁する。水性溶媒の溶
質として、たとえば塩化ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム等を含ませてもよい。
この懸濁液を分子量1,000〜10,000(好適には約2,000
〜6,000)のPEGで処理する(たとえば、両者を混合す
る)。処理条件としては、PEG濃度4〜10w/v%(特に4
〜8w/v%)、pH4〜6(特に4.5〜5.5)、イオン強度0.0
001〜0.1M(特に、0.0001〜0.01M)であることが好まし
い。
この際、蛋白濃度1〜20w/v%(特に、5〜15w/v%)
であることが好ましい。
当該処理は、0〜4℃程度で通常30分〜6時間程度撹
拌することによって行われる。
その後、たとえば遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30
分間)して上清を回収する。
高濃度をPEG処理工程 本工程はの工程で得られた上清を高濃度PEGで処理
し、沈澱を回収する工程である。
上記上清を分子量1,000〜10,000(好適には2,000〜6,
000)のPEにてさらに処理する(たとえば、両者を混合
する)。処理条件としては、PEG濃度10〜15w/v%(特
に、約11〜13w/v%)、pH6〜9(特に7.5〜8.5)、イオ
ン強度0.0001〜0.1M(特に、0.0001〜0.01M)であるこ
とが好ましい。
この際、蛋白濃度1〜20w/v%(特に、5〜15w/v%)
であることが好ましい。
当該処理は、0〜4℃程度で通常30分〜6時間程度撹
拌することによって行われる。
その後、たとえば遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30
分間)して沈澱を回収する。
陰イオン交換体処理工程 本工程はの工程で得られた沈澱画分を水性溶媒に溶
解後、または後記の工程の処理後陰イオン交換体で接
触処理して非吸着画分を回収する工程である。
本工程は、IgM、IgG重合体を除くために行われる。
(i)陰イオン交換体の調製 陰イオン交換体は陰イオン交換基を不溶性担体に結合
したものであるが、陰イオン交換基としてはジエチルア
ミノエチル(DEAE)基、四級アミノエチル(QAE)基等
を、不溶性担体としてはアガロース、セルロース、デキ
ストラン、ポリアクリルアミド等を用いることができ
る。
その結果は公知の方法で行われる。
(ii)処理方法 の工程で得られた沈澱画分を適当な水性溶媒に溶解
する。水性溶媒はpH5〜7(好ましくはpH5.5〜7)、低
イオン強度(好ましくは0.0001〜0.1M)の水溶液である
ことが好ましい。の工程と同様の溶質を含んでいても
よい。蛋白濃度としては1〜15w/v%(特に、3〜10w/v
%)が好ましい。
さらに、上記水性溶媒で平衡化した陰イオン交換体と
接触処理する。その処理に際してはバッチ法、カラム法
のどちらを用いてもよい。
たとえば、バッチ法では、陰イオン交換体1mlに対し
て処理対象溶液10〜100ml程度と混合させ、0〜4℃で3
0分〜2時間程度撹拌した後、遠心分離(6000〜8000rp
m、10〜30分間)して上清を回収する。
カラム法でも、陰イオン交換体1mlに対して処理対象
溶液10〜100ml程度を接触させ、非吸収着画分を回収す
る。
なお、本の工程は所望により省略することもでき
る。また、液状加熱処理を行う場合にはの固定化ヒト
血液型物質処理後に当該陰イオン交換体処理を実施する
ことが好ましい。
固定化ジアミノ化合物による処理 本工程は、の工程で得られた沈澱画分またはの工
程で得られた非吸着画分を固定化ジアミノ化合物を接触
処理して、非吸着画分を回収する工程である。
本工程はプレカリクレインまたはカリクレインを除く
ために行われる。
(i)固定化ジアミノ化合物の調製 固定化ジアミノ化合物はジアミノ化合物を不溶性担体
に固定化したものである。
ジアミノ化合物としては、アミノベンズアミジン、ア
ミノベンズグアニジン、リジン、アルギニン等を用いる
ことができる。
一方、不溶性担体としてはアガロース、セルロース、
デキストラン、シリカゲル、ガラス等が用いられる。
固定化は公知の方法に準じればよい。たとえば、アガ
ロース、セルロース等は、たとえばCNBr活性化法によ
り、またシリカゲル、ガラス等はオキシラン法により、
ジアミノ化合物を固定化することができる。
(ii)処理方法 処理対象物、たとえばの工程の非吸着画分をpH5〜
8(特に、pH6〜7)、イオン強度0.0001〜0.1M(特に
0.0001〜0.01M)の条件下で固定化ジアミノ化合物と接
触処理する。その際、蛋白濃度1〜15w/v%(特に、3
〜10w/v%)であることが好ましく、またバッチ法、カ
ラム法のいずれもが好適に使用される。
たとえばバッチ法では、固定化ジアミノ化合物1mlに
対して上記画分10〜100ml程度を混合させ、0〜10℃、
好ましくは0〜4℃で30分〜4時間、好ましくは30分〜
2時間程度撹拌した後、遠心分離(6000〜8000rpm、10
〜30分間)して上清を回収する。
カラム法でも、固定化ジアミノ化合物1mlに対して上
記画分10〜100ml程度を接触させ、非吸着画分を回収す
る。
本は工程の所望により省略することも可能である。
固定化ヒト血液型物質処理工程 本工程はの工程の沈澱画分またはの非吸着画分ま
たはの非吸着画分を固定化ヒト血液型物室で接触処理
して、非吸着画分を回収する工程である。
本工程はヒト血液型抗体を除くために行われる。
(i)固定化ヒト血液物質の調製 固定化ヒト血液型物質はヒト血液型物質を不溶性担体
に固定化したものである。また、ヒト血液型物質として
合成高原(糖鎖)を用いることもできる。[Human Bloo
d Groupa and Carbnhydrate Chemistry(1978).Chem.S
oc.Rev.p423−452] ヒト血液型物質の調製は、公知の方法を用いればよ
い。たとえば、ヒトA、B、ABまたはO型の赤血球を低
張溶液中で溶血、または超音波処理した後、硫安分画法
またはPEG分画法により精製すること等により得られ
る。
さらにこのヒト血液型物質は生理的食塩液に溶解後、
夾雑するウイルスの不活化に有効とされている、たとえ
ば、約50〜70℃、好ましくは約60℃で、7〜13時間、好
ましくは約10時間、又は約80〜130℃、好ましくは95℃
〜121℃で約1〜40分、好ましくは約2〜30分間加熱処
理する。その後、遠心分離して不溶物を除去し、蒸留水
に対して透析して、各ヒト血液型物質を得る。
一方、不溶性担体としてはアガロース、セルロース、
デキストラン、シリカゲル、ガラス等が用いられる。
固定化は公知の方法に準じればよい。例えば、アガロ
ース、セルロース等はCNBr活性化法により、シリカゲ
ル、ガラス等はオキシラン法によりヒト血液型物質を固
定化できる。
(ii)処理方法 処理対象物、たとえばの工程の非吸着画分をpH5〜
8(特にpH6〜7)、イオン濃度0.0001〜0.1M(特に0.0
01〜0.1M)の条件下で、上記水性溶媒で平衡化した固定
化ヒト血液型物質と接触処理する。その際、蛋白濃度1
〜15w/v%(特に、3〜10w/v%)であることが好まし
く、またバッチ法、カラム法のどちらを用いてもよい。
たとえばバッチ法では、固定化ヒト血液型物質1mlに
対して処理対象溶液10〜100ml程度と混合させ、0〜10
℃、好ましくは0〜4℃で、30分〜4時間、好ましくは
30分〜2時間程度撹拌した後、遠心分離(6,000〜8,000
rpm、10〜30分間)して上清を回収する。
カラム法でも、固定化ヒト血液型物質1mlに対して処
理対象溶液10〜100ml程度を接触させ、非吸着画分を回
収する。
加熱処理工程 本工程は、所望の段階で安定化剤の存在下に免疫グロ
ブリンの抗体活性の減少は最小限にとどめるが、夾雑す
るウイルス、例えばHBウイルス、AIDSウイルス等は完全
に不活化する条件下で加熱処理する工程であ。この加熱
処理は、たとえば出発原料の段階、前記工程〜のい
ずれかの2工程の間、または前記工程〜を終了した
段階等のいずれの処理段階においても行うことができ
る。加熱処理は、合湿度3%以下の乾燥状態(即ち、乾
熱処理)、または溶液状態、即ち免疫グロブリンの水溶
液状態(即ち、液状加熱処理)で行う。より好ましくは
液状加熱処理が推奨される。
安定化剤としては、いずれの処理の場合も、二糖類
(例、サッカロース、マルトース)、糖アルコール
(例、ソルビトール、マンニトール)が好適に例示され
る。より好ましくはソルビトールである。
安定化剤の添加量は、乾熱処理法では、二糖類、糖ア
ルコール糖を0.5〜5w/v%(好ましくは、1〜3w/v%)
液状加熱処理法では二糖類、糖アルコール等を10w/v%
以上(好ましくは10〜50w/v%)を用いることが好適に
例示される。
加熱の対象となる免疫グロブリンの量は、乾熱処理で
は、蛋白量として1〜10w/v%(好ましくは3〜7w/v
%)となるように調整することが好適である。液状加熱
処理では、蛋白量として0.1〜30w/v%(好ましくは5〜
20w/v%)に調整することが好ましい。
加熱処理は、乾熱処理の場合、安定化剤を添加後、要
すれば除菌濾過し、たとえば凍結乾燥などによって含水
率3%以下、好ましくは1%以下とする。凍結乾燥の条
件としては0.5mmHgの真空下、20〜40℃で24〜96時間程
度が例示される。次いで、たとえば50〜70℃(好ましく
は60℃程度)、10〜200時間(好ましくは50〜100時間程
度)で処理する。
また、本加熱処理工程は不活性ガス雰囲気下で行うこ
とにより、加熱時の安定性をより高めることができる。
不活性ガスとしては例えば、窒素ガス、アルゴン、ヘリ
ウムなどが挙げられる。
液状加熱処理の場合は水溶液のpHを4.5〜6.5、好まし
くはpH5〜6に調整し、液状加熱処理法ではたとえば50
〜70℃(好ましくは60℃程度)で10分〜20時間(好まし
くは10時間程度)処理される。
加熱処理の工程は、乾熱処理の場合は最終工程で行う
ことが好ましく、たとえばの工程の後に行うことが好
ましい。
液状加熱処理の場合は、出発原料に対して、または
の工程の後に行うのが好適である。なお、の工程のあ
と行う場合は、およびの処理を再度行うことが夾雑
物除去の点でより好ましい。
〔作用・効果〕
本発明の製剤は免疫グロブリンが実質的に不活化され
ておらず、しかも、抗ヒト血液型物質抗体等の夾雑物は
含まれず、加熱処理を施しているので夾雑ウイルスも実
質的に不活化され、溶解性もよく、抗補体活性も充分に
低い等の性質を有し、昭和60年度発行の日本国生物学的
製剤基準(以下、生基準)をパスできる安全な製剤であ
る。
本発明の製剤は、用時、適当な溶媒(例えば、注射用
蒸留水)に溶解して、静脈内投与、点敵などにより、感
染症等の予防または治療に用いられる。
本発明製剤を、たとえば感染症の治療に静注する場
合、通常、成人に対して、免疫グロブリン1000〜10000m
g/回が投与され、症状、年令等に応じて適宜増減され
る。
〔実施例〕
実施例1 コーン画分II+III 1kgに0.001Mの塩化ナトリウム溶
液10を加え、pHを5.0に調整した後、Aを終濃度が8
%になるように添加し、2℃で遠心分離を行った。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.0と
した後、PEG#4000を終濃度が12%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、IgG画分を集めた。
このIgG画分を0.6%塩化ナトリウム溶液を用いIgG濃
度が7%になるように溶解せしめ、pHを6.5に調整し
た。
このIgG溶液100mlを別途調整したベンズアミジンセフ
ァロース(登録商標、ファルマシア社製)カラム5ml及
びヒト血液型物質フォルミルセルロファイン(登録商
標、生化学工業社製、ヒドロキシル基にホルミル基を導
入した化学修飾したセルロース)カラム3mlを通過させ
たヒト血液型抵抗体を吸着除去した。この工程での吸着
により血液型抗体は(1:32)から(1:2)に低下した。
この未吸着画分にIgG5w/v%溶液当りヒトアルブミン
を1w/v%、サッカロースを2w/v%添加し、除菌濾過後、
凍結乾燥した。
凍結乾燥後、60℃で72時間加熱処理を行い、静注用免
疫グロブリン製剤を得た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、ヒト血液
型抗体量も充分少なく、抗補体価も10〜15CH50程度であ
った。
また、溶解性も高く、静注用免疫グロブリンとしての
生基準にも合格した。
実施例2 コーンの画分IIペーストからも同様に処理を行い、同
等の結果を得た。
実施例3 コーン画分II+III 1kgに0.001Mの塩化ナトリウム溶
液10を加え、pHを5.0に調整した後、PEG#4000を終濃
度が8%になるように添加し、2℃で遠心分離を行っ
た。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.0と
した後、PEG#4000を終濃度が12%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、IgG画分を集めた。
このIgG画分を水を用いIgG濃度が10%になるように溶
解せしめ、IgG10w/v%溶液の100ml当りソルビトールを5
0g添加し、60℃で10時間加熱処理を行った。
加熱処理後、pHを6.8に調整した後、PEG#4000を終濃
度が6%になるように添加し、2℃で遠心分離を行っ
た。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.0と
した後、PEG#4000を終濃度が12%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、沈澱画分にIgG画分を得た。
この沈澱を水または0.6%塩化ナトリウム水溶液に溶
解した溶液にDEAE−セファデックスを添加(50ml溶液当
り1ml)し、0〜4℃の条件下、約1時間接触処理し、
処理後遠心分離(7000rpm、約20分間)して上清(IgG溶
液)を回収した。このIgG溶液100mlを別途調整したベン
ズアミジンセファロース(登録商標、ファルマシア社
製)カラム5mlおよびヒト血液型物質フォルミルセルロ
ファインカラム3mlを通過させヒト血液型抗体を吸着除
去した。この工程での吸着により血液型抗体は(1:32)
から(1:2)に低下した。
IgG画分を生理的等張液に対して透析後、除菌濾過
し、凍結乾燥して静注用免疫グロブリン製剤を得た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、ヒト血液
型抗体量も充分少なく、候補体価も10〜15CH50程度であ
った。
また、溶解性も高く、静注用免疫グロブリンとしての
生基準にも合格した。
実施例4 コーン画分II+III 1kgに0.001Mの塩化ナトリウム溶
液10を加え、さらに100ml当たりソルビトールを50g添
加し、pHを5.5に調整した後で、60℃で10時間加熱処理
を行った。
加熱処理後、pHを5.5に調整し、PEG#4000を終濃度が
4%になるように添加し、2℃で遠心分離を行った。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.8と
した後、PEG#4000を終濃度が15%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、沈澱画分にIgG画分を得た。
この沈澱を水または0.6%塩化ナトリウム水溶液に溶
解した溶液にDEAE−エセファデックスを添加(50ml溶接
当り1ml)し、0〜4℃の条件下、約1時間接触処理
し、処理後遠心分離(7000rpm、約20分間)して上清(I
gG溶液)を回収した。
このIgG溶液100mlを別途調整したベンズアミジセファ
ロース(登録商標、ファルマシア社製)カラム5mlおよ
びヒト血液型物質フォルミルセルロファインカラム3ml
を通過させヒト血液型抗体を吸着除去した。この工程で
の吸着により血液型抗体は(1:32)から(1:2)に低下
した。
IgG画分を生理的等張液に対して透析後、除菌濾過
し、凍結乾燥して静注用免疫グロブリン製剤を得た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、ヒト血液
型抗体量を充分少なく、抗補体価も10〜15CH50程度であ
った。
また、溶解性も高く、静注用免疫グロブリンとしての
生基準にも合格した。
実施例5 コーン画分II+III 1kgに水10を加え、さらに100ml
当たりソルビートルを50g添加し、pHを5.5に調整した
後、60℃で10時間加熱処理を行った。
加熱処理後、pHを5.5に調整した後、PEG#4000を終濃
度が4%になるように添加し、2℃で遠心分離を行っ
た。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.8と
した後、PEG#40000を終濃度が15%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、沈澱画分にIgG画分を得た。
この沈澱を水性溶媒に溶媒し、この溶液にDEAE−セフ
ァデックスを添加(50ml溶液当り1ml)し、0〜4℃の
条件下、約1時間接触処理し、処理後遠心分離(7000rp
m、約20分間)して上清(IgG溶液)を回収した。
このIgG溶液100mlをヒト血液型物質フォルミルセルロ
ファインカラム3mlを通過させたヒト血液型抗体を吸着
除去した。この工程での吸着により血液型抗体は(1:3
2)から(1:2)に低下した。
IgG画分を生理的等張液に対して透析後、除菌濾過
し、凍結乾燥して静注用免疫グロブリン製剤を得た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、ヒト血液
型抗体量も充分少なく、抗補体価も10〜15CH50程度であ
った。
また、溶解性も高く、静注用免疫グロブリンとしての
生基準にも合格した。
実施例6 コーン画分II+III 1kgに水3lを加え、さらに100ml当
たりソルビトールを50g添加し、pHを5.5に調整した後、
60℃で10時間加熱処理を行った。
加熱処理後、pHを5.5に調整した後、PEG#4000を終濃
度が6%になるように添加し、2℃3時間抽出を行なっ
た後、2℃で遠心分離を行った。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.8と
した後、PEG#4000を終濃度が12%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、沈澱画分にIgG画分を得た。こ
の沈澱を蒸溜水に溶解し、このIgG溶液100mlを蒸溜水で
平衡化したヒト血液型物質フォルミルセルロファインカ
ラム3mlを通過させヒト血液型抗体を吸着除去した。こ
の工程での吸着により血液型抗体は(1:32)から(1:
2)に低下した。この沈澱に0.4%食塩水で平衡化したDE
AE−セファデックスを添加(50ml溶液当り2ml)し、0
〜4℃の条件下、約1時間接触処理し、処理後濾過にて
DEAE−セファデックスを除き濾過液(IgG溶液)を回収
した。
IgG画分に2%ソルビトール、0.5%NaClおよび1%ア
ルブミンを添加溶解し、pH6.8とした後、除菌濾過し、
凍結乾燥して静注用免疫グロブリン製剤を得た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、ヒト血液
型抵抗体も充分少なく、抗補体価も10〜15CH50程度であ
った。
また、溶解性も高く、静注用免疫グロブリンとしての
生基準にも合格した。
フロントページの続き (72)発明者 須山 忠和 京都府綴喜郡田辺町松井ヶ丘4−3−7 (56)参考文献 特開 昭61−78730(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非感染性とされてなるウイルスおよび免疫
    グロブリンを含有し、当該免疫グロブリンは実質的にIg
    G単量体のみを含み、かつ変性型の免疫グロブリンおよ
    び感染性ウイルスを実質的に含まない静注用免疫グロブ
    リン製剤であり、免疫グロブリンを含む画分を出発原料
    として下記(a)〜(c)の処理によって製造される静
    注用免疫グロブリン製剤。 (a)pH4〜6、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4
    ℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリ
    コール4〜10w/v%で処理して上清を回収する。 (b)(a)の上清をpH6〜9、イオン強度0.0001〜0.1
    M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリ
    エチレングリコール10〜15w/v%で処理して沈澱を回収
    する。 (c)所望の工程で爽雑するウイルスが不活化するのに
    十分な条件下、安定化剤の存在下で加熱処理する。
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