JPH0723319B2 - 血液製剤から血液型抗体を除去する方法 - Google Patents

血液製剤から血液型抗体を除去する方法

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JPH0723319B2
JPH0723319B2 JP61111561A JP11156186A JPH0723319B2 JP H0723319 B2 JPH0723319 B2 JP H0723319B2 JP 61111561 A JP61111561 A JP 61111561A JP 11156186 A JP11156186 A JP 11156186A JP H0723319 B2 JPH0723319 B2 JP H0723319B2
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豊 平尾
勝寛 瓜生
和男 武智
八尋 上村
忠和 須山
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株式会社ミドリ十字
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、血液製剤からヒト血液型抗体を除去する方法
に関する。
〔従来の技術・発明が解決しようとする問題点〕
免疫グロブリン製剤や血液凝固因子製剤のような血液製
剤中には血液型抗体が混入している。従って、血液製剤
を多量に投与すると、赤血球と投与された血液型抗体と
が抗原抗体反応を起こし、赤血球減少などの副作用が発
生する。故に、これらの製剤中から血液型抗体を除くこ
とが望まれている。
血液型はA、B、OおよびABの4群に大別されている。
更にこれらの血液型以外に重要な血液型としてはRho
(D)因子が知られており、血漿(または血清)中には
これらの血液型物質に対する抗体(血液型抗体)が存在
している。
ところで、血漿から従来のアルコール分画法、硫安分画
法、イオン交換体処理法、ポリエチレングリコール分画
法またはこれらの組合わせから成る方法等で免疫グロブ
リン(IgG)を精製しても、血液型抗体とそれ以外の抗
体とは、その物理化学的特性が近似しているため血液型
抗体を含まない免疫グロブリン製剤を得ることができな
かった。
また、血液凝固第9因子および第8因子製剤中にはこれ
らの凝固因子とともに免疫グロブリンも混入しているた
め、上記の免疫グロブリン製剤と同様に血液型抗体も混
在している。
これらの免疫グロブリン製剤や血液凝固因子製剤は、多
数のヒトから採取した血漿を混合し、これから分離して
製造するため、得られた製剤中にはA型、B型およびD
型の抗体が混入している。かかる製剤を大量にヒトに投
与した場合には、ヒトの赤血球と投与された血液型抗体
とが抗原抗体反応を起こし、赤血球の溶解やそれに引く
続く腎障害などの副作用が発生する。故に、これらの製
剤から血漿型抗体を除くことが望まれている。
血液型抗体を除く方法としては、血液型抗原を用いて抗
原抗体反応により行うことが考えられる。たとえばヒト
A型赤血球とヒトB型赤血球とを血液型抗体を含む試料
溶液に加えて一定時間抗原抗体反応を行った後に、遠心
分離により血液型抗体を吸着した赤血球を除去する方法
である。この方法は少量を処理するのには適するが、工
業的規模で行うには、大量の赤血球が必要であり、また
使用した赤血球は再使用が不可能である等の理由で不適
当である。
また、たとえ大量の赤血球が入手できたとしても、赤血
球の表面または内部には感染性のウィルス、たとえばB
型肝炎ウィルスや非A非B型肝炎ウィルス等が存在して
おり、この処理によって製剤中へウィルスが移行するこ
とも考えられ、安全性の面から問題がある。
他方、合成技術の発展に伴い、血液型抗原を合成するこ
ともできるようになり、このものをシリカゲル粉末など
へ結合させて不溶性血液型抗原となし、前記の血液型抗
原を吸着除去する方法も可能となった。かかるものとし
てシンソルブA(A型抗体吸収用)シンソルブB(B型
抗体吸収用)(いずれもChembiomed LTD.社製)等が市
販されている。
しかし、このものは極めて高価であること、合成抗原で
あるために特定と血液型抗体しか吸着しないこと、およ
びその吸着能力が低いこと等により工業的規模で使用す
ることは問題である。
本発明の目的は、吸着力が強く、ウィルスの感染性のな
い、またあらゆる種類の血液型抗体の除去に適用でき、
安価でかつ工業的規模でほぼ完全に血液型抗体を除去す
る方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはこれらの問題点を解決すべく研究を重ねて
きたところ、血液型物質に対してウィルスの不活化に十
分な加熱処理を実施することによって血液型物質以外と
夾雑蛋白質が変性されて除去可能となることを見出し、
大量に血液型抗原を得ることに成功した。
しかして、この血液型物質を不溶性担体へ結合せしめて
不溶性血液型抗原とし、これを使用して血液製剤から、
効率的に血液型抗体を除去できることを見出した。
本発明はかかる新知見に基づいて完成されたものであ
り、A型、B型およびD型から選ばれる少なくとも2種
のヒト血液型物質を水溶性担体に結合させてなる不溶化
ヒト血液型物質を用いて、血液製剤を処理することを特
徴とする血液製剤からA型、B型およびD型の血液型抗
体を除去する方法に関する。
血液型抗体の除去対象 本発明において血液型抗体を除去する対象、即ち血液型
抗体を夾雑する血液製剤としては、ヒト血液型抗体が夾
雑する可能性のある血液製剤のすべてであり、たとえば
免疫グロブリン、各種血液凝固因子、アルブミン等が例
示される。血液製剤は、その単離・精製の最終工程で本
処理を行うことが効率的であるが、回収率等を問題にし
ない場合は、単離・精製のいずれの段階に行ってもよ
い。
固定化ヒト血液型物質の調製 固定化ヒト血液型物質はヒト血液型物質を不溶性担体に
固定化したものである。
本発明で使用するヒト血液型物質はA型、B型およびD
型の血液型抗原であり、本発明で使用される固定化ヒト
血液型物質は、これらヒト血液型物質の少なくとも2種
が不溶性担体に固定化されている。
ヒト血液型物質は、たとえばA、B、ABおよびO型のヒ
ト赤血球、胎盤等から採取して調製することが出来る。
ヒト血液型物質の調製に際しては、公知の方法を用いれ
ばよい。たとえば、ヒト赤血球を低張溶液中で溶血させ
るか、または超音波処理した後、硫安分画法またはPEG
分離法により精製することによって調製することができ
る。また、胎盤からも同様の方法によって調製すること
ができる。
ヒト血液型物質は、好ましくはウィルスの不活性に十分
でかつ血液型物質および血液製剤を不活性させない程度
の加熱処理に付される。たとえば、血液型物質は、好ま
しくは生理食塩液に溶解後、50〜125℃で1分〜20時
間、好ましくは60℃で10時間または95〜121℃で2〜30
分間加熱処理する。その後、たとえば遠心分離して不溶
物を除去し、蒸留水に対して透析してヒト血液型物質を
得る。
一方、不溶性担体としてアガロース、セルロース、デキ
ストラン、シリカゲル、ガラス粉末、ナイロン等の水不
溶性で、かつヒト血液型物質と直接または間接的に固定
可能で、しかも本発明の目的を達成しうるものであれば
特に制限はない。
固定化は自体公知の方法に準じればよい。たとえば、ア
ガロース等はCNBr活性化法により、シリカゲル等はアミ
ノシラン化法によりヒト血液型物質を固定化できる。
処理方法 通常、まず血液型抗体が夾雑する血液製剤を適当な溶媒
に溶解する。その際の蛋白質濃度としては1〜10w/v%
が好ましい。さらに、pH5〜10、好ましくはpH6〜8、イ
オン強度0.001〜1M、好ましくは0.05〜0.1Mの条件下で
固定化ヒト血液型物質と、接触処理する。接触処理の手
段としては、バッチ方法、カラム法等が例示される。
たとえば、バッチ法では、固定化ヒト血液型物質1mlに
対して、当該血液製剤の溶液を1〜500ml、好ましくは
1〜100mlとなるように割合で混合し、0〜15℃、好ま
しくは0〜4℃で20分〜4時間、好ましくは30分〜2時
間程度撹拌した後、たとえば遠心分離(6000〜8000rp
m、10〜30分間)して上清を回収する。カラム法では、
固定化ヒト血液型物質に対して当該血液製剤の溶液を接
触、展開させ、非吸着画分を回収する。
〔効果〕
本発明の処理を受けた血液製剤では、ほぼ完全に除去を
意図する各血液型抗体が除去できる。特にA型、B型お
よびD型の少なくとも2種が同時に固定化されたものを
使用すればほぼ完全に血液型抗体が除去できる。しか
も、本処理による血液製剤の回収率は80〜100%であ
る。
しかも、本発明の処理は大量の血液製剤に対しても適用
できるものである。
従って、本発明方法は、工業的規模における血液製剤か
らの各種血液型抗体の除去法として極めて有利である。
〔実施例〕
以下で本発明を実施例で説明する。
実施例1 精製ヒト血液型物質(A型、B型)をフォルミルセルロ
ース(チッソ株式会社製)に結合して得た不溶性血液型
抗原(血液型抗原・セルロース)を用いて、市販の静注
用免疫グロブリンから、A型、B型およびD型の血液型
抗体を除去した。比較として、シンソルブAおよびシン
ソルブBを使用した。
処理条件はヒト血液型物質・セルロース、シンソルブA
またはシンソルブBをそれぞれ0.5ml容のカラムに充填
し、静注用免疫グロブリンを30ml冷室内で流下させ、未
吸着画分のIgC濃度(0.D.280nm)および血液型抗体価を
測定した。その結果を表1に示す。
シンソルブAではA型抗体のみが、シンソルブBではB
型抗体のみが吸着除去されたが、本発明の方法ではA、
BおよびD型抗体が同時に除去された。IgGの収量は三
者とも良好であった。なお抗体価の測定は、間接クーム
ス法(Br.J.Exp.Pathol26:255,1945)およびD抗体につ
いては間接クームス法・増感法(検体添加量を増し、感
度を高める方法)によった。
実施例2 第8因子製剤を用いてバッチ法により実施例1と同様に
処理を行った。その結果を表2に示す。但し、血液型物
質としてAおよびD型を使った。
実施例3 第9因子製剤を用いて、実施例1と同様の処理を行っ
た。その結果を表3に示す。但し、血液型物質としては
BおよびD型を使った。
参考例1 (1) 型物質の調製 胎盤抽出液をpH6.0とし、95〜100℃で30分間加熱処理を
施し、不溶物を除いた後、100%飽和硫安で塩析し、沈
澱を得る。この沈澱を蒸留水で透析し、凍結乾燥を施
し、調製型物質とした。A、BおよびD型は、あらかじ
め血液検査によって決定し、各々の抗原を有する血液か
ら各々調製する。
(2) 水不溶化型物質の調製 粒子径40〜190μのセファロース4B約300mlに、臭化シア
ン75gを投入して、かきまぜながら、4N−水酸化ナトリ
ウムでpHを11に調整する。この間温度を10〜20℃に保っ
た。pHを11に保たせながら約15分間かきまぜ続ける。次
いで、この反応液を濾過して濾過ケーキを0.1M−炭酸水
素ナトリウムで洗浄し、活性化セファロース4B約300ml
を得た。その6mlを取り、PBSで洗浄後、PBS18mlを加え
て懸濁し、これに前記で得た型物質10mg/ml溶液5.2mlを
加え、3時間反応させ、水不溶化型物質を得た。水不溶
化型物質はPBSで洗浄後、カラムに詰め、通常のアフィ
ニティクロマトグラフィーを行った。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A型、B型およびD型から選ばれる少なく
    とも2種のヒト血液型物質を水不溶性担体に結合させて
    なる不溶化ヒト血液型物質を用いて、血液製剤を処理す
    ることを特徴とする血液製剤からA型、B型およびD型
    の血液型抗体を除去する方法。
  2. 【請求項2】ヒト血液型物質がウィルスの不活化に十分
    な加熱処理を施されていることを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の血液型抗体を除去する方法。
  3. 【請求項3】A型、B型およびD型が混在して水不溶性
    担体に結合されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)項記載の血液型抗体を除去する方法。
  4. 【請求項4】不溶化ヒト血液型物質による血液製剤の処
    理を、pH5〜10、イオン強度0.001〜1Mの条件下で行うこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の血液型
    抗体を除去する方法。
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