JP2949727B2 - 抗atlウイルス抗体陽性静注用免疫グロブリン製剤の製造方法 - Google Patents

抗atlウイルス抗体陽性静注用免疫グロブリン製剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗ATL(成人T細胞白血病:adult T cell leu
kemia)ウイルス抗体陽性静注用免疫グロブリン製剤の
製法に関する。
〔従来の技術〕
特定のウイルスに対する抗体を主成分とする静注用免
疫グロブリン製剤としては、各種ウイルス、例えばB型
肝炎ウイルス(HBV)、非A非B型肝炎ウイルス(NANB
V)、サイトメガロウイルス、水痘帯状ヘルペスウイル
ス、インフルエンザウイルスなどに対するものが知られ
ており、各々のウイルスによる感染の予防治療のために
用いられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、臨床上適用できる製剤、すなわち、
安全性と有効性の高い抗ATLウイルス抗体陽性静注用免
疫グロブリン製剤の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、この目的に沿って抗ATLウイルス抗体
陽性静注用免疫グロブリン製剤の工業的な製法について
検討した結果、ポリエチレングリコール(以下、PEGと
いう)分画処理、加熱処理等を組み合わせ、各工程の処
理条件を設定することによって安全性と有効性の高い抗
ATLウイルス抗体陽性静注用免疫グロブリン製剤が得ら
れることを見出したこと、さらに本製剤がATLウイルス
感受性の動物を用いた実験において感染防止効果のある
ことを、初めて確認したことに基づいて本発明を完成し
た。
(1) 出発原料 本発明の出発原料としては、抗ATLウイルス抗体陽性
免疫グロブリンを含む画分が使用され、これはヒト血漿
由来であって、抗ATLウイルス抗体陽性免疫グロブリン
画分を含むものであれば特に限定されない。具体液に
は、抗ATLウイルス抗体陽性血漿からのコーンのエタノ
ール分画により得られる画分II+III、画分II、または
抗ATLウイルス抗体陽性免疫グロブリンを含むこれらと
同等の画分のペースト等が挙げられる。また、この出発
原料は、ヒト血液型抗体、カリクレイン、プレカリクレ
イン、IgM、IgG重合体などを含んでいてもよい。陽性の
確認は、例えばATL粒子またはウイルス由来の蛋白質を
既知の免疫学的手法〔蛍光抗体法、RI法、PHA法、EIA
法、ラテックス凝集反応法又はゼラチン粒子凝集反応
(PA)法〕によって試薬化し、この試薬との反応性を検
知することによって行う。また、市販のATL抗体測定用
試薬、例えばセロディアATL(国際試薬社製)あるいは
エイテストATL(国際試薬社製)を使用することもでき
る。この陽性画分を出発原料とする。
(2) 製法 本発明による製造方法は、好ましくは以下の処理より
なる。
低濃度ポリエチレングリコール(PEG)処理工程 本工程は出発原料を低濃度PEGで処理し、上清を回収
する工程である。
出発原料を適当な水性溶媒に懸濁する。水性溶媒の溶
質として、たとえば塩化ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム等を含ませてもよい。
この懸濁液を分子量1,000〜10,000(好適には約2,000
〜6,000)のPEGで処理する(たとえば、両者を混合す
る)。処理条件としては、PEG濃度4〜10w/v%(特に4
〜8w/v%)、pH4〜6(特に4.5〜5.5)、イオン強度0.0
001〜0.1M(特に、0.0001〜0.01M)であることが好まし
い。
この際、蛋白濃度1〜20w/v%(特に、5〜15w/v%)
であることが好ましい。
当該処理は、0〜4℃程度で通常30分〜6時間程度撹
拌することによって行われる。
その後、たとえば遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30
分間)として上清を回収する。
高濃度PEG処理工程 本工程はの工程で得られた上清を高濃度PEGで処理
し、沈澱を回収する工程である。
上記上清を分子量1,000〜10,000(好適には2,000〜6,
000)のPEGにてさらに処理する(例えば、両者を混合す
る)。処理条件としては、PEG濃度10〜15w/v%(特に、
約11〜13w/v%、)pH6〜9(特に7.5〜8.5)、イオン強
度0.0001〜0.1M(特に、0.0001〜0.01M)であることが
好ましい。
この際、蛋白濃度1〜20w/v%(特に、5〜15w/v%)
であることが好ましい。
当該処理は、0〜4℃程度で通常30〜6時間程度撹拌
することによって行われる。
その後、たとえば遠心分離(6000〜8000rpm、10〜30
分間)して沈澱を回収する。
陰イオン交換体処理工程 本工程はの工程で得られた沈澱画分を水性溶媒に溶
解後、または後記の工程の処理後陰イオン交換体で接
触処理して非吸着画分を回収する工程である。
本工程は、IgM、IgAおよびIgG重合体を除くために行
われる。
(i)陰イオン交換体の調製 陰イオン交換体は陰イオン交換基を不溶性担体に結合
したものであるが、陰イオン交換基としてはジエチルア
ミノエチル(DEAE)基、四級アミノエチル(QAE)基等
を、不溶性担体としてはアガロース、セルロース、デキ
ストラン、ポリアクリルアミド等を用いることができ
る。
その結合は公知の方法で行われる。
(ii)処理方法 の工程で得られた沈澱画分を適当な水性溶媒に溶解
する。水性溶媒はpH5〜7(好ましくはpH5.5〜6.5)、
低イオン強度(具体的には0.0001〜0.1M、好ましくは0.
0001〜0.01M)の水溶液であることが好ましい。の工
程と同様の溶質を含んでいてもよい。蛋白濃度としては
1〜15w/v%(特に、3〜10w/v%)が好ましい。
さらに、上記水性溶媒で平衡化した陰イオン交換体と
接触処理する。その処理に際してはバッチ法、カラム法
のどちらを用いてもよい。
たとえば、バッチ法では、陰イオン交換体1mlに対し
て処理対象溶液10〜100ml程度と混合させ、0〜4℃で3
0分〜2時間程度撹拌した後、遠心分離(6,000〜8,000r
pm、10〜30分間)又は濾過して上清を回収する。
カラム法でも、陰イオン交換体1mlに対して処理対象
溶液10〜100ml程度を接触させ、非吸着画分を回収す
る。
なお、本の工程は所望により省略することもでき
る。また、液状加熱処理を行う場合にはの固定化ヒト
血液型物質処理後に当該陰イオン交換体処理を実施する
ことが好ましい。
固定化ヒト血液型物質処理工程 本工程はの工程の沈澱画分またはの非吸着画分を
固定化ヒト血液型物質で接触処理して、非吸着画分を回
収する工程である。
本工程はヒト血液型抗体を除くために行われる。
(i)固定化ヒト血液型物質の調製 固定化ヒト血液型物質はヒト血液型物質を不溶性担体
に固定化したものである。
ヒト血液型物質は、合成のものでもよく、また公知の
方法を用いて以下の様にして調整したものであってもよ
い。例えば、ヒトA、B、ABまたはO型の赤血球を低張
溶液中で溶血、または超音波処理した後、硫安分画法ま
たはPEG分画法により精製すること等により得られる。
さらにこのヒト血液型物質は生理的食塩液に溶解後、
夾雑するウイルスの不活化に有効とされている、たとえ
ば、約50〜70℃、好ましくは約60℃で、7〜13時間、好
ましくは約10時間、又は約80〜130℃、好ましくは95℃
〜121℃で約1〜40分、好ましくは約2〜30分間加熱処
理する。その後、遠心分離して不溶物を除去し、蒸留水
に対して透析して、各ヒト血液型物質を得る。
また、ヒト血液型物質として合成抗原(糖鎖)を用いる
こともできる。Human Blood Groups and Carbohydrate
Chemistry(1978)Chem.Soc.Pev.,p423−452を参照のこ
と。
一方、不溶性担体としてはアガロース、セルロース、
デキストラン、シリカゲル、ガラス等が用いられる。
固定化は公知の方法に準じればよい。例えば、アガロ
ース、セルロース等はCNBr活性化法により、シリカゲ
ル、ガラス等はオキシラン法によりヒト血液型物質を固
定化できる。
(ii)処理方法 処理対象物、たとえばの工程の沈澱画分を水性溶媒
に溶解したもの、あるいはの工程の非吸着画分をpH5
〜8(特にpH6〜7)、イオン濃度0.0001〜0.1M(特に
0.0001〜0.01M)の条件下で、上記水性溶媒で平衡化し
た固定化ヒト血液型物質と接触処理する。その際、蛋白
濃度1〜15w/v%(特に、3〜10w/v%)であることが好
ましく、またバッチ法、カラム法のどちらを用いてもよ
い。
たとえばバッチ法では、固定化ヒト血液型物質1mlに
対して処理対象溶液10〜100ml程度と混合させ、0〜10
℃、好ましくは0〜4℃で、30分〜4時間、好ましくは
30分〜2時間程度撹拌した後、遠心分離(6,000〜8,000
rpm、10〜30分間)して上清を回収する。
カラム法でも、固定化ヒト血液型物質1mlに対して処
理対象溶液10〜100ml程度を接触させ、非吸着画分を回
収する。
このの工程は所望により省略することもできる。
加熱処理工程 本工程は、所望の段階で安定化剤の存在下に当該免疫
グロブリンのATLウイルスに対する抗体活性の減少は最
小限にとどめるが、夾雑するウイルス、例えばATL、H
B、NANBなどのウイルスは実質的に不活化する条件下で
加熱処理する工程である。加熱処理は、含湿度3%以下
の乾燥状態(即ち、乾熱処理)、または溶液状態、即ち
免疫グロブリンの水溶液状態(即ち、液状加熱処理)で
行う。より好ましくは液状加熱処理が推奨される。
安定化剤としては、いずれの処理の場合も、二糖類
(例、サッカロース、マルトース)、糖アルコール
(例、ソルビトール、マンニトール)が好適に例示され
る。より好ましくはソルビトールである。
安定化剤の添加量は、乾熱処理法では、二糖類、糖ア
ルコール等を0.5〜5w/v%(好ましくは、1〜3w/v%)
液状加熱処理法では二糖類、糖アルコール等を10w/v%
以上(好ましくは20〜45w/v%または10〜35w/w%)を用
いることが好適に例示される。
加熱の対象となる免疫グロブリンの量は、乾熱処理で
は、蛋白量として1〜10w/v%(好ましくは3〜7w/v
%)となるように調整することが好適である。液状加熱
処理では、蛋白量として0.1〜30w/v%(好ましくは5〜
20w/v%)に調整することが好ましい。
加熱処理は、乾熱処理の場合は、安定化剤を添加後、
要すれば除菌濾過し、たとえば凍結乾燥などによって含
水率3%以下、好ましくは1%以下とする。凍結乾燥の
条件としては0.5mmHgの真空下、20〜40℃で24〜96時間
程度が例示される。次いで、たとえば50〜70℃(好まし
くは60℃程度)、10〜200時間(好ましくは50〜100時間
程度)で処理する。
また、本加熱処理工程は不活性ガス雰囲気下で行うこ
とにより、加熱時の安定性をより高めることができる。
不活性ガスとしては例えば、窒素ガス、アルゴン、ヘリ
ウムなどが挙げられる。
液状加熱処理の場合は水溶液のpHを4.5〜6.5、好まし
くはpH5〜6に調整し、液状加熱処理法ではたとえば50
〜70℃(好ましくは60℃程度)で10分〜20時間(好まし
くは10時間程度)処理される。
加熱処理の工程は、乾熱処理の場合は最終工程で行う
ことが好ましい。
液状加熱処理の場合は、出発原料に対して、または
の工程の前に行うのが好適である。
なお、の工程のあとに行うこともできるが、その場
合は、およびの処理を再度行うことが夾雑物除去の
点でより好ましい。
全工程終了後、公知の方法、すなわち透析、除菌濾
過、分注などの操作により液状製剤とすることができ
る。さらに、凍結乾燥などの操作により乾燥製剤とする
こともできる。
液状製剤の場合、グロブリン濃度としては1〜15w/v
%(好ましくは5〜10w/v%)程度である。また、安定
化剤を添加しておくことが好ましい。安定化剤として
は、糖、糖アルコールなどが例示される。その具体的な
例についてはの加熱処理において既に開示したものと
同様である。
安定化剤の添加量としては、グロブリン1〜15w/v%
当たり、1〜10w/v%程度、好ましくは5w/v%程度が挙
げられる。
また、液状製剤のpHは5.3〜5.7程度、好ましくは5.5
程度としておくことが例示される。
乾燥製剤の場合も安定化剤を添加しておくことが好ま
しい。安定化剤としては、糖、糖アルコール、アルブミ
ン、無機塩などが例示される。その具体的な例として
は、糖、糖アルコールについてはの加熱処理において
既に開示したものと同様であり、無機塩としては塩化ナ
トリウムが例示される。
安定化剤の添加量としては、グロブリン1〜15重量部
当たり、糖または糖アルコールで1〜10重量部(好まし
くは2重量部)程度、アルブミンで0.5〜5重量部(好
ましくは1重量部)程度、無機塩で0.1〜1重量部(好
ましくは0.5重量部)程度が挙げられる。
〔作用・効果〕
本発明により得られた製剤は免疫グロブリンが殆ど不
活化されておらず、しかも、加熱処理を施しているので
夾雑ウイルスは不活化され、抗補体活性も充分に低い等
の性質を有し、日本国生物学的製剤基準(以下、生基
準)に適合できる安全な製剤である。
また、乾燥製剤の場合は溶解性もよい。
本発明により得られた製剤は、用時、液状製剤の場合
はそのまま、あるいは適当な溶媒(例えば、注射用蒸留
水、生理食塩液、ブドウ糖液など)で希釈して、また、
乾燥製剤の場合は適当な溶媒(例えば、注射用蒸留水)
に溶解して、静脈内投与、点滴などにより、ATLウィル
ス由来の白血病の予防または治療に用いられる。
〔実施例・実験例〕
本発明をより詳細に説明するために実施例および実験
例を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
実施例1 PA法にてスクリーニングした抗ATLウィルス抗体陽性
血漿を冷エタノール法により得られたコーン画分II+II
I1kgに冷水10を加え、pHを5.5に調整した後、PEG#40
00を終濃度が8%になるように添加し、2℃で遠心分離
を行った。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いてpH8.0
とした後、PEG#4000を終濃度が12%になるように加
え、2℃で遠心分離を行い、IgG画分を集めた。
このIgG画分を0.6%塩化ナトリウム溶液を用いIgG濃
度が7%になるように溶解せしめ、pHを6.5に調整し
た。
このIgG溶液100mlを別途調整したヒト血液型物質フォ
ルミルセルロファインカラム3mlを通過させヒト血液型
抗体を吸着除去した。この工程での吸着により血液型抗
体は(1:32)から(1:2)に低下した。
この未吸着画分にIgG5w/v%溶液当たりヒトアルブミ
ンを1w/v%、サッカロースを2w/v%添加し、除菌濾過
後、凍結乾燥した。
凍結乾燥後、60℃で72時間加熱処理を行い、静注用免
疫グロブリン製剤を得た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、ヒト血液
型抗体量も充分少なく、抗補体価も10〜15CH50程度であ
った。
また、溶解性も高く、静注用免疫グロブリンとしての
生基準にも合格した。
また、この免疫グロブリンはウサギを使った試験でAT
Lウィルスの感染を阻止した。
実施例2 PA法にてスクリーニングした抗ATLウィルス抗体陽性
血漿から冷エタノール法により得られたコーン画分II+
III1kgに水10を加え、さらに100ml当たりソルビトー
ルを50g添加し、pHを5.5に調整した後、60℃で10時間加
熱処理を行った。
加熱処理後、pHを5.5に調整した後、冷蒸留水にて3
倍希釈し、PEG#4000を終濃度が6%になるように添加
し、2℃3時間抽出を行った後、2℃で遠心分離を行っ
た。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.8と
した後、PEG#4000を終濃度が12%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、沈澱画分にIgG画分を得た。こ
の沈澱を蒸溜水に溶解し、この溶解液に0.4%食塩水で
平衡化したDEAE−セファデックスを添加(50ml溶液当り
2ml)し、0〜4℃の条件下、約1時間接触処理し、処
理後濾過にてDEAE−セファデックスを除き濾過液(IgG
溶液)を回収した。
IgG画分に2%ソルビトール、0.5%NaClおよび1%ア
ルブミンを添加溶解し、pH6.8とした後、除菌濾過し、
凍結乾燥して静注用免疫グロブリン製剤を得た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、ヒト血液
型抗体量も充分少なく、抗補体価も10〜15CH50程度であ
った。
また、溶解性も高く、静注用免疫グロブリンとしての
生基準にも合格した。
実施例3 実施例2において、DEAE−セファデックスによる処理
後遠心分離(7000rpm、約20分間)して上清(IgG溶液)
を回収した。
このIgG溶液を蒸留水で5%IgG溶液に調整し、酢酸ナ
トリウムで溶液のpHを約5.5にし、さらにソルビトール
を終濃度5%まで添加した。この水溶液(電導度約1mmh
o)を除菌濾過し静注用免疫グロブリン液状製剤を得
た。
本製剤は、実質的にIgG単量体のみを含み、抗補体価
も10〜15CH50程度であり、静注用免疫グロブリンとして
の生基準にも合格した。
またウサギを使った試験で、ATLウィルスの感染を阻
止した。
実施例4 PA法にてスクリーニングした抗ATLウィルス抗体陽性
血漿を56℃で30分間加温後以下のような冷エタノール法
によりコーン画分IIを回収した。
エタノール濃度8%、pH7.2、−3℃、16時間で処理
して上清を採取 エタノール濃度21%、pH6.8、−5℃、24時間で処理
して沈澱(コーン画分II+III)を採取 沈澱を溶解し、エタノール濃度20%、pH6.6、−5
℃、16時間で処理して沈澱を採取 沈澱を溶解し、エタノール濃度17%、pH5.2、−6
℃、8時間で処理して上清を採取 エタノール濃度25%、pH7.4、−5℃、16時間で処理
して沈澱(コーン画分II)を採取 このコーン画分IIペースト1kgを蒸留水10にて懸濁
し、pHを5.5に調整した後、遠心分離を行い、上清を回
収して、上清100ml当たりソルビトールを50g添加し、60
℃で10時間加熱処理した。
加熱処理後、蒸留水で3倍希釈し、pHを5.5に調整し
た後、PEG#4000を終濃度が6%になるように添加し、
2℃で遠心分離を行った。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.0と
した後、PEG#4000を終濃度が12%なるように加え、2
℃で遠心分離を行い、沈澱分にIgG画分を得た。
実施例5 PA法にてスクリーニングした抗ATLウイルス抗体陽性
血漿を冷エタノール法により得られたコーン画分II+II
Iペースト1kgを蒸留水10にて懸濁し、pHを5.5に調整
した後、遠心分離を行い、上清を回収し、上清100ml当
たりソルビトールを50g添加し、60℃で10時間加熱処理
した。
加熱処理後、pHを5.5に調整した後、PEG#4000を終濃
度が6%になるように添加し、2℃で遠心分離を行っ
た。
得られた上清を1N−水酸化ナトリウムを用いpH8.0と
した後、PEG#4000を終濃度が12%になるように加え、
2℃で遠心分離を行い、沈澱画分にIgG画分を得た。
この画分を蒸留水に溶解し、このIgG溶液100mlを蒸留
水で平衡化したヒト血液型物質フォルミルセルロファイ
ンカラム3mlを通過させヒト血液型抗体を吸着除去し
た。この工程での吸着により血液型抗体は(1:32)から
(1:2)に低下した。
この溶液にDEAE−セファデックスを添加(50ml溶液当
たり1ml)し、0〜4℃の条件下、約1時間接触処理
し、処理後遠心分離(7000rpm、約20分間)して上清(I
gG溶液)を回収した。
このIgG溶液を蒸留水で5%IgG溶液に調整し、酢酸ナ
トリウムで溶液のpHを約5.5にし、さらにソルビトール
を終濃度5%まで添加した。この水溶液(電導度約1mmh
o)を除菌濾過し静注用免疫グロブリン液状製剤を得
た。
本発明の製剤は免疫蛍光法によれば、1:640の抗体価
を有する。また、1:5000の中和抗体価を有する。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗ATLウイルス抗体陽性免疫グロブリンを
    含む画分を出発原料とする、以下の処理からなる抗ATL
    ウイルス抗体陽性静注用免疫グロブリン製剤の製造方
    法: (a)pH4〜6、イオン強度0.0001〜0.1M、温度0〜4
    ℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリエチレングリ
    コール4〜10w/v%で処理して上清を回収する。 (b)(a)の上清をpH6〜9、イオン強度0.0001〜0.1
    M、温度0〜4℃の条件下、分子量1,000〜10,000のポリ
    エチレングリコール10〜15w/v%で処理して沈澱を回収
    する。 (c)所望の工程で夾雑するウイルスが不活化するのに
    充分な条件下、安定化剤の存在下で加熱処理する。
  2. 【請求項2】(b)の工程の後に、pH5〜8、イオン強
    度0.0001〜0.1Mの条件下、固定化ヒト血液型物質で処理
    して非吸着画分を回収する工程を含むことを特徴とする
    請求項(1)記載の製造方法。
  3. 【請求項3】(b)の沈澱を水性溶媒に溶解し、pH5〜
    7、イオン強度0.0001〜0.1Mの条件下、陰イオン交換体
    で処理して非吸着画分を回収する工程を含んでなる請求
    項(1)記載の製造方法。
  4. 【請求項4】抗ATLウイルス抗体陽性免疫グロブリンか
    らなり、夾雑するウイルスを不活化してなる抗ATLウイ
    ルス抗体陽性静注用免疫グロブリン製剤。
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JPH0381229A (ja) 1991-04-05

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