JP2002504458A - 制御された密度のフィルタを用いるブースタ - Google Patents

制御された密度のフィルタを用いるブースタ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、休止位置と最端駆動位置との間でハブ(6)内を移動できる作動ロッド(8)によって駆動され、これらの位置では弁(7)が圧力源(A)に対してそれぞれ閉鎖及び開放され、この弁(7)が浄化フィルタ(9)によって圧力源(A)から隔離されている空気圧ブレーキブースタに関する。本発明によると、フィルタ(9)は圧縮可能な材料で形成され、作動ロッド(8)がその休止位置にあるときにはフィルタが圧縮された状態である最小体積を有し、作動ロッド(8)がその最端駆動位置にあるときにはフィルタが弛緩された状態である最大体積を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、剛性ケーシングと;作動状態において第1圧力を送出する第1圧力
源に接続される前方室と後方室とをケーシングの内部に画成する可動壁と;可動
壁と一緒に動き、ケーシングの開口部に摺動可能に装架されたハブで終端する空
気圧ピストンと;ハブ内に収蔵され、後方室が第1圧力源及び第1圧力よりも高
い第2圧力を送出する第2圧力源にそれぞれ接続される休止状態及び駆動状態を
選択的にとることができる三方弁と;弁がその休止状態及び駆動状態にそれぞれ
あるときにおける第1及び第2最端位置の間で第1軸線方向に摺動可能にハブ内
に装架され、第1軸線方向とは反対の第2軸線方向に作用する弾性力を受ける作
動ロッドと;第2圧力源と後方室との間に挿入され、作動ロッドのまわりでハブ
内に収蔵された環状浄化フィルタとを包含する空気圧ブレーキブースタに関する
【0002】 この型式の装置は、先行技術においてよく知られており、例えば特許文献FR
−2,706,403の図1に記載されている。
【0003】 例えば特許文献EP 0,796,188及びFR−2,731,668に開示さ
れている今日の研究は、特に、ブースタの応答時間及び作動騒音を減少すること
を可能にしている。
【0004】 しかしながら、この分野における更なる進歩の探究は、ブースタの入口におけ
る空気の濾過及び騒音の問題を再検討することを導き出しており、目的は、濾過
をより一層選択可能にすることで、ブースタ応答時間の短縮をさらに極めて重要
なものとすることである。
【0005】 本発明はこれに関連するもので、その目的は、フィルタがブースタに伝達され
る応力に自動的に適応するようにしたブースタを提供することにある。
【0006】 この目的のため、上記序文に従う本発明のブースタは、本質的に、フィルタが
圧縮可能な材料で形成され、フィルタの第1面がハブに対して固定保持され、フ
ィルタの第2面が、ハブに対して変位できるように作動ロッドに動的に連係され
、フィルタが、その第2面の変位と共に変化する体積を有していて、作動ロッド
がその第1最端位置にあるときにはフィルタが圧縮された状態である最小体積を
有し、作動ロッドがその第2最端位置にあるときにはフィルタが弛緩された状態
である最大体積を有することを特徴としている。
【0007】 これらの特徴により、濾過がより一層選択可能となることで、ハブに対する作
動ロッドの変位の度合いが大きくなり、このパラメータは、ブースタに伝達され
る応力の強さの適切な測定を正確なものとしている。
【0008】 本発明のブースタは、ハブに固着された環状支持体を包含していてよく、この
支持体にはフィルタの第1面が取付けられ、フィルタの第2面はフランジの外方
縁部に取付けられ、このフランジの内方縁部は作動ロッドに固着される。
【0009】 本発明の1つの可能な実施例においては、フランジは環状支持体から第1軸線
方向に続き、フィルタの第2面はその第1面から第1軸線方向に続いている。
【0010】 本発明の他の可能な実施例においては、フィルタの第2面の少なくとも一部分
は、ハブと作動ロッドの両方に休止する傾動部材の作用区域に動的に連係され、
ハブに対する作動ロッドの第1幅の変位は、ハブに対する作用区域の第1幅より
も大きい第2幅の変位を発生する。
【0011】 最後に、フィルタは多孔性ポリマーで形成されていてよく、その第1及び第2
面は、環状支持体、フランジ又は傾動部材に接着されるか、あるいは、これらの
構成部品に対して弾性的に休止する。
【0012】 本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な例として添付図面を参照して行う下
記説明から明らかとなるであろう。
【0013】 本発明が空気圧ブースタに対してなした改良に関し、またこのブースタの一般
的な構成及び作動が当業者にはよく知られているので、ここでは、本発明が提供
する改良を全体的に理解できるように、この装置の原理を思い起こすこととする
【0014】 概して、空気圧ブレーキブースタは、本質的に、剛性ケーシング1;可動壁2
;空気圧ピストン5;三方弁7;作動ロッド8;及び浄化フィルタ9を包含する
【0015】 可動壁2は、ケーシング1の内部に前方室3と後方室4とを密封態様で画成し
ており、作動状態における前方室3は、比較的低い圧力Pdを送出する第1圧力
源Dに接続され、後方室4は、第1圧力源Dに、あるいは、比較的高いすなわち
第1圧力Pdよりも高い圧力Paを送出する例えば大気圧のような第2圧力源A
に選択的に接続される。
【0016】 空気圧ピストン5は可動壁2と一緒に動き、後部においてケーシング1の開口
部1aに摺動可能に装架されたハブ6で終端する。
【0017】 ハブ6内に収蔵された三方弁7は、後方室4が第1圧力源Dに接続される休止
状態と、後方室4が第2圧力源Aに接続される駆動状態とを選択的にとることが
できる。
【0018】 作動ロッド8は、図1〜3に示した第1最端位置から図4に示した第2最端位
置まで第1軸線方向X+にハブに対して変位できるように、ハブ6内に摺動可能
に装架されており、この第1最端位置では三方弁7はその休止状態にあり、この
第2最端位置は第1最端位置に対して方向X+に移動され、この第2最端位置で
は三方弁7はその駆動状態にある。
【0019】 スプリング12は、第1軸線方向X+とは反対の第2軸線方向X−に作動ロッ
ド8を常時押圧する、すなわち、このロッドをその第1最端位置に向けて押し戻
すように設けられている。
【0020】 環状形状のフィルタ9は、第2圧力源Aと後方室4との間に挿入され、作動ロ
ッド8のまわりでハブ6内に収蔵されている。
【0021】 本発明によると、フィルタ9は圧縮可能な材料で形成され、ハブ6に対して固
定保持された第1面91と、ハブ6に対して変位できるように作動ロッド8に動
的に連係された第2面92とを有しており、こうして、フィルタ9は、その第2
面92の変位と共に変化する体積を有する。
【0022】 より詳細には、フィルタ9は、作動ロッド8がその第1最端位置にあるときに
はフィルタが圧縮された状態である最小体積V1を有し、作動ロッド8がその第
2最端位置にあるときにはフィルタが弛緩された状態である最大体積V2を有す
る。
【0023】 例えば、図2〜4に示すように、本発明のブースタは、ハブ6に固着された環
状支持体10を包含しており、この支持体にはフィルタ9の第1面が取付けられ
、フィルタ9の第2面はフランジ11の外方縁部111に取付けられ、このフラ
ンジの内方縁部112は作動ロッド8に固着されている。
【0024】 図2に例示した実施例では、環状支持体10は、ハブ6に固着され幾分非選択
可能な主フィルタとして働くベロー13の剛性環状部分から成っていてよい。
【0025】 しかしながら、この支持体10はまた、図3に示されているように、ハブ6の
内部に螺合された部材からな成っていても、あるいは代わりとして、図4に示す
ように、ハブに接着又はクリンプ結合されたリングから成っていてもよい。
【0026】 フランジ自体は、金属(図3)で作られても、剛性ポリマー(図2)で作られ
てもよく、また、平ら(図2)でも、円錐形且つ剛性(図3)でも、あるいは代
わりとして、詳細を後述する図4に示すように、可撓性でもよい。
【0027】 図2及び3の実施例では、フランジ11は環状支持体10から第1軸線方向X
+に続くのに対し、図4は逆の構成を例示しており、フランジ11は第1軸線方
向X+において環状支持体10の前にある。
【0028】 それにもかかわらず、図2〜5に例示した実施例では、フィルタ9の体積の変
化は、第1軸線方向X+へのフィルタの長さの変化によっていずれも得られ、こ
のフィルタは、その2つの面91,92の間で、その最小体積V1に圧縮された
ときには第1長さL1を、また弛緩してその最大体積V2を占めたときには第2
長さL2を有する。
【0029】 図4及び5の実施例では、フランジ11は、頂角Oをもつ円錐形のような形状
をなし、第1軸線方向X+に弾性的に押圧されて、自動式傘のようにこの頂角が
増大する。
【0030】 例えば、このフランジは、可撓性ポリマーで作られ、気密フィルム115で覆
われ且つスプリング15により押圧された星形骨組114で形成される。
【0031】 環状支持体10とフランジ11は、外方縁部111と内方縁部112との間の
中間にあるフランジ上の多数の接触点113で互いに休止し、環状支持体10と
フランジ11はそれらの間に、環状支持体10に形成した空気通路100に開口
する気密ではない空間Eを画成する。
【0032】 こうして、第1軸線方向X+への作動ロッド8の移動は、フランジ11の外方
縁部111を反対方向X−に変位させて、円錐角Oを減少させる。
【0033】 次に必要なことは、ハブ6に対する作動ロッド8の第1幅の移動が第1幅より
も大きい第2幅でのフィルタ9の伸長を生じさせることを確実にするように、フ
ランジ11の接触点113をこのフランジ11の外方縁部111よりも内方縁部
112に接近させることである。
【0034】 図6及び7は本発明の他の実施例を例示しており、この実施例も、ハブ6に対
して作動ロッド8により遂行される変位よりも大きい変位をフィルタ9の第2面
92に伝達できるようにしている。
【0035】 このため、フィルタ9の第2面92の少なくとも一部分920は、前記場合と
同様に、ハブ6と作動ロッド8の両方に休止する傾動部材14の作用区域141
に動的に連係されている。
【0036】 換言すると、傾動部材のいくつかの点がハブに対して固定される一方、傾動部
材の他の点が作動ロッドに対して固定される。
【0037】 この場合、傾動部材14は金属ステープルの形状をなし、(図6及び7に例示
した実施例における)その上方部分141はフィルタ9の第2面92に接触し、
その下方部分142は、軸線方向空気通路100を穿設された環状支持体10の
穴101内に挿入される。
【0038】 穴101を越えた傾動部材14の下方部分142は、作動ロッド8に固着され
た環状突起81から、スプリング12により作動ロッドに反対軸線方向X−に発
揮された弾性力を受ける。
【0039】 このようにして、傾動部材14はフィルタ9の第2面92を軸線方向及び半径
方向の両方に押し戻すので、ハブ6に対する作動ロッド8の第1幅A1の変位は
、傾動部材の作用区域を構成する上方部分141の第1幅A1よりも大きい第2
幅A2の変位をこのハブに対して発生させる。
【0040】 図6及び7の実施例では、フィルタは、非常に有益的には、弾性特性をもつ多
孔性ポリマーで形成されているので、フィルタ9の第2面92は、この面92を
傾動部材14に対して接着する必要なしで、作用区域141に対して常時休止す
る。
【0041】 図示の他の実施例において、しかしながら、弾性であってもなくてもよい多孔
性ポリマーでフィルタを形成するようにすることが可能であり、その面91,9
2は接着によって取付けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による空気圧ブレーキブースタの概略断面図である。
【図2】 本発明の1つの可能な実施例によるブースタの一部分の断面図である。
【図3】 図1に示したブースタの一部分の断面図である。
【図4】 本発明の他の可能な実施例によるブースタの一部分の断面図である。
【図5】 環状支持体を透明であると仮定して、図4の矢印5−5で記した方向でとった
部分的正面図である。
【図6】 本発明の他の可能な実施例によるブースタの一部分の断面図である。
【図7】 図6の実施例で用いられる傾動部材の斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 126,RUE DE STALINGRA D,F−93700 DRANCY,FRAN CE

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性ケーシング(1)と;作動状態において第1圧力(Pd)を送出する第1
    圧力源(D)に接続される前方室(3)と後方室(4)とをケーシング(1)の
    内部に画成する可動壁(2)と;可動壁(2)と一緒に動き、ケーシング(1)
    の開口部(1a)に摺動可能に装架されたハブ(6)で終端する空気圧ピストン
    (5)と;ハブ(6)内に収蔵され、後方室(4)が第1圧力源(D)及び第1
    圧力(Pd)よりも高い第2圧力(Pa)を送出する第2圧力源(A)にそれぞ
    れ接続される休止状態及び駆動状態を選択的にとることができる三方弁(7)と
    ;弁(7)がその休止状態及び駆動状態にそれぞれあるときにおける第1及び第
    2最端位置の間で第1軸線方向(X+)に摺動可能にハブ(6)内に装架され、
    第1軸線方向(X+)とは反対の第2軸線方向(X−)に作用する弾性力を受け
    る作動ロッド(8)と;第2圧力源(A)と後方室(4)との間に挿入され、作
    動ロッド(8)のまわりでハブ(6)内に収蔵された環状浄化フィルタ(9)と
    を包含する空気圧ブレーキブースタにおいて、フィルタ(9)が圧縮可能な材料
    で形成され、フィルタ(9)の第1面(91)がハブ(6)に対して固定保持さ
    れ、フィルタ(9)の第2面(92)が、ハブ(6)に対して変位できるように
    作動ロッド(8)に動的に連係され、フィルタ(9)が、その第2面(92)の
    変位と共に変化する体積を有していて、作動ロッド(8)がその第1最端位置に
    あるときにはフィルタが圧縮された状態である最小体積(V1)を有し、作動ロ
    ッド(8)がその第2最端位置にあるときにはフィルタが弛緩された状態である
    最大体積(V2)を有することを特徴とする空気圧ブレーキブースタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブースタにおいて、ブースタが、ハブ(6)に固着された環状
    支持体(10)を包含し、この支持体にはフィルタ(9)の第1面(91)が取
    付けられていることを特徴とする空気圧ブースタ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のブースタにおいて、フィルタ(9)の第2面(92)が
    フランジ(11)の外方縁部(111)に取付けられ、このフランジの内方縁部
    (112)が作動ロッド(8)に固着されていることを特徴とする空気圧ブース
    タ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のブースタにおいて、フランジ(11)が環状支持体(10)か
    ら第1軸線方向(X+)に続き、フィルタ(9)の第2面(92)がその第1面
    (91)から第1軸線方向(X+)に続くことを特徴とする空気圧ブースタ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のブースタにおいて、フィルタ(9)の第2面(92)の少なく
    とも一部分(920)が、ハブ(6)と作動ロッド(8)の両方に休止する傾動
    部材(11,14)の作用区域(111,141)に動的に連係され、ハブ(6
    )に対する作動ロッド(8)の第1幅(A1)の変位が、ハブ(6)に対する作
    用区域(111,141)の第1幅(A1)よりも大きい第2幅(A2)の変位
    を発生することを特徴とする空気圧ブースタ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のブースタにおいて、フィルタ(9)
    が多孔性ポリマーで形成されていることを特徴とする空気圧ブースタ。
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