JP2002500519A - 必要に応じてアルコール性であってもよいアネトールを含有する透明な新規飲料、及び希釈により得られる濁りのある希釈飲料 - Google Patents

必要に応じてアルコール性であってもよいアネトールを含有する透明な新規飲料、及び希釈により得られる濁りのある希釈飲料

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、必要に応じてアルコール性であってもよいアネトールを含有する飲料であって、該飲料に対するアネトールの見掛けの溶解度を高める為に、ヒト用の食品に許容されるリン脂質を有効量含有することを特徴とする飲料に関するものである。このリン脂質は、レシチンもしくはリゾレシチンのリン脂質からなる群から選ばれるものである。食品用の二価のカチオンを十分な量、酸化防止物質、及び必要に応じて糖を含有する水で該飲料を希釈する場合、典型的な飲料は1リットルにつき、エタノールを8〜40g、アネトールを0.2〜10g、リン脂質を0.4〜30g、20℃の水を、全体を1リットルにするのに十分な量、及びエマルジョンを不安定にする物質、特にフェノール化合物を十分な量、含んでなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】 必要に応じてアルコール性であってもよいアネトールを含有する透明な 新規飲料、及び希釈により得られる濁りのある希釈飲料 本発明は、必要に応じてアルコール性であってもよいアネトール(anethol)を 含有する透明な飲料であって、希釈して濁らせようとする飲料に関するものであ る。より詳しくは、本発明は、アニスの実(aniseed)をベースとする、アルコー ルレベルの低いスピリッツ(spirits)に関するものである。 パスティス(pastis)は、アネトールの透明なエタノール溶液からなる、食欲増 進用の飲料である。パスティスの大部分は、45%v/vのエタノール1リットル にアネトールを2g溶かした溶液に相当するものである。 消費者の中には、この種のアネトールをベースとする飲料であって、そのアル コール含有率が45%未満のもの、例えばアルコールが20%しか含まれていな い飲料を望む者がいる。 飲料の官能的性質に関する理由から、アネトールの濃度を余り大きく低下させ ることはできない。アネトールの濃度は、2g/l近くに保たなければならない 。これらの条件下では、20%のアルコールにアネトールを2g/l溶かすこと はできない。その直接的な結果は濁りであり、それは、この種の製品には商業的 に受け入れられないものである。更に、アニスの実をベースとする飲料は、ボト ルの中では透明である必要があるが、水を加えた時に、すなわち水で約5倍に希 釈した時に濁らなければならない、ということを考慮する必要がある。 実際、アルコール濃度の関数としてのアネトールの溶解度曲線(添付の図面、 20℃)を考慮すると、20%のアルコールにアネトールを約200mg/lよ り多く、また30%のアルコールに400mg/lより多く溶かすのは不可能で あると思われる。上記の溶解度の限界を越えると、アネトールは部分的に不溶な 形態(油滴)となり、濁りのある/乳白色(cloudy/milky)の外見を混合物にもた らす。 フランス特許出願第FR−A−2,638,761号明細書には、アネトールを 含有する透明なエタノール性の組成物であって、エタノールを10〜30%v/v 含むエタノール性媒体と、1〜3g/lのアネトールの他に、以下の特性 −ヒト用の食品に許容されるものであること、 −HLBが12<HLB<15であること、 −CMCが10-1>CMC>10-3であること、 ノニオン界面活性剤の場合には曇点が30℃を越え、またイオン界面活 性剤の場合にはクラフト温度が10℃未満であること、 をもつ界面活性剤、もしくは式R−O−(CH2−CH2−O)nHの中性界面活 性剤の混合物を、組成物を透明に保つのに有効な量、含むことを特徴とする組成 物が記載されている。 本発明の目的は、フランス特許出願第FR−A−2,638,761号明細書に 記載されている飲料と同様の特性、もしくはその有利な特性をもつ新規飲料を提 供することである。 本発明の他の目的は、所定量のアルコールに対する溶解度の限界が、添付した 単一の図面に描かれている曲線に示されているよりも高い、透明な飲料を提供す ることである。 本発明の他の目的は、時間に関して安定な飲料を提供することである。 本発明の他の目的は、水で希釈した時に濁り、またその組成の関数として、そ うなる飲料を提供することである。 従って、本発明は第一に、必要に応じてアルコール性であってもよいアネトー ルを含有する飲料であって、該飲料に対するアネトールの溶解度を高める為に、 ヒト用の食品に許容される、少なくとも一種のリン脂質を有効量含むことを特徴 とする飲料を提供するものである。 「有効」量とは、アネトールを含有するノンアルコール飲料もしくは低アルコ ール飲料の濁り度を低下させるのに十分な量を意味する。 本発明は、特に、ノンアルコール飲料もしくは低アルコール飲料に関するもの である。 ノンアルコール飲料とは、法律によれば、アルコール含有率が1.2%未満の 飲料を意味する。 低「アルコール」とは、アルコールのレベルが400g/l未満、特に300 g/l未満、の飲料を意味する。 これらのリン脂質の中では、植物や動物に由来する、レシチンもしくはそれら の誘導体、特にリゾレシチン、の中に存在しているリン脂質が挙げられる。これ らのリン脂質は、純粋な形で存在していることもあれば、混合物の形で存在して いることもある。主としてホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファ チジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、 及びホスファチジルイノシトールからなるホスファチジン酸エステルと、様々な 量の、トリグリセリド、糖脂質、スフィンゴリピド、脂肪酸、及び炭水化物のよ うな他の物質との複雑な混合物であるレシチンも挙げられる。 従って、上記のリン脂質か、またはそれらのリン脂質を含有するレシチン、の いずれかを選ぶことができる。 レシチンの中では、植物もしくは動物に由来する(大豆や卵から抽出される) レシチンが挙げられる。 後者の中では、次の化学的性質の非常に異なるレシチンが挙げられる:エピク ロン145(Epikuron145(商標))のような粗レシチン、エピクロン200(商標) 、オヴォシン180(Ovothin180(商標))、もしくはホスホリポン80(Phospholi po n80(商標))のようなホスファチジルコリンに富んだ画分、エピクロン200E( 商標)やスターンプール(Sternpur(商標))のような酵素変性レシチン。 リン脂質、特にレシチンの濃度は、選択したリン脂質の種類の関数であり、ま た飲料のアルコール含有率、及びアネトール含有量の関数である。 一つの変形によれば、リン脂質は、以下に示す式に対応するものである。式中、 R1とR2は同じであるか、もしくは異なっていて、C14〜C22の脂肪酸基であり 、Zは、水素原子、もしくは下記の基である。 既に明記したように、本発明の一つの特徴は、アニスの実をベースとした透明 な低アルコール飲料を得るのを可能にするということである。例えば、濁り度(t erbldity)は特に100NTU未満である。 必要に応じて少量のアルコールと、(添付の曲線のA領域にある組成物の場合 のように)溶解度の限界を越える量のアネトールとを含有する飲料においては、 アネトールは不溶な形態(油滴)であって、混合物に濁りのある/乳白色の外見 をもたらす。B領域では、飲料は透明である。 本発明による飲料の透明性は、飲料が、アネトール−リン脂質相を水性のアル コール相、もしくは非アルコール相中に含むタイプの、平均直径が100nm未 満のナノゾームからなるサブミクロンエマルジョンもしくはミクロエマルジョン の形態にあることから生じるものである。 ミクロエマルジョンとは、粒子の大きさが非常に小さい(特に100nm未満 )ので粒子が目に見えないエマルジョンである。純粋な溶液に匹敵するが、エマ ルジョンからなる透明な相が見られる。 従って、一種、もしくはそれ以上の適切な界面活性剤を用いてミクロエマルジ ョンを作ることにより、アルコールの割合が僅かである場合の、アネトールの見 掛けの溶解度を高めることが可能となる。 言い換えると、乳化剤により、いわゆる「見掛け」の溶解度(ヒトの目に見え ない不溶性の油滴)が得られる点迄、この精油を非常に細かく分散させることが 可能となる。 問題のアネトール含有量は、一般的には0.2〜10g/lであって、好まし くは0.5〜2g/lであり、一方、リン脂質の濃度は0.4〜30g/lである のが好適である。界面活性剤の量は、アネトールの濃度と共に増す。従って、リ ン脂質とアネトールの重量比は、好ましくは0.5〜10である。 本発明による飲料は、エタノールを8〜400g/l含んでいるのが好ましい 。好ましくは、本発明の飲料は、エタノールが40〜300g/lの低アルコー ル性のものである。 品質(エマルジョンの細かさ)を良くし、また安定性を良くする為には、配合 物の全ての成分に含まれている無機物をできるだけ少なくしなければならず、ま た特に二価のカチオンは、最も少なくなければならない。 或る場合には、エマルジョンを適切な機械的処理に付した後にのみ、完全な透 明性が得られる。この処理の目的は、エマルジョンの液滴の大きさを小さくし、 それにより透明性と物理化学的安定性を高めることである。様々な処理法が、満 足の行くものであることが分かる。例を挙げると、高圧処理法(高圧均質化)、 もしくは高速剪断処理法(高速混合機/螺旋粉砕機)が、この目的に適している 。 どのような処理法であっても、アネトールとレシチンの含有率の高い、後で希 釈する製品もしくは濃縮配合物のどちらにも適用することができる。 処理法は、対象の配合物によって決まる。均質化する場合には、用いる圧を、 一つ、もしくはそれ以上のサイクルで、20〜150Mpa(200〜1500 バール)に変えることができる。剪断処理においては、適用時間は、処理する体 積によって決まる。 飲料の組成及びリン脂質(特にレシチン)の種類により、系が、不快な臭いや 不快な味を生じることになる酸化のメカニズムに多かれ少なかれ付されるものと 思われる。これらの望ましくないメカニズムは、酸化防止性をもつ物質を配合物 に添加することにより、防止/抑制される。これらの物質は、酸化防止素を含ん でいる純粋な分子、もしくは植物抽出物であってよい。数多くの物質が、この役 目を果たす。例を挙げると、以下の成分を用いることができる:トコフェロール 、アスコルビン酸パルミテート、茶の抽出物(緑茶、紅茶、もしくはその他)、 ローズマリー抽出物、もしくはセージ抽出物(sage extracts)。使用量は、有効 素の濃度とその有効性、当のレシチンの含有量と性質、アルコール含有率、及び エマルジョンに適用される処理法(高圧等)の関数である。 本発明は、エマルジョンが、適切な水溶液を添加した時に不安定になった結果 として濁りを示す必要があるという点で、注目に値するものである。 生成したエマルジョンがどのようなものであっても、希釈剤が酸性であれば、 希釈により濁りを示す。 一方、非酸性の水性液で希釈することで直ちに濁りを得たいのであれば(これ は一つの好適な変形である)、希釈剤は、マグネシウム、カルシウム、マンガン のような一種もしくはそれ以上の、無機の二価のカチオンを含んでいなければな らない。 この場合、本発明による飲料は、特に希釈時にエマルジョンの不安定化をもた らす、及び/又は速める、一種もしくはそれ以上の化合物を含んでいるのが望ま しい。 フェノール化合物がこの役目を適切に果たす。例としては以下の化合物を用い ることができる:カテキン、ガロカテキン、タンニン、濃縮タンニン、没食子酸 タンニン、エラジタンニン、及びそれらの誘導体(没食子酸エステル、ダイマー 、オリゴマー、テアフラビン、テアルビジン、カテキン、エピカテキン、エピガ ロカテキン、ガロカテキン、並びにそれらのモノ−及びジガロイルエステル、等 )、スチルベン、フラボノイド(フロレチンとその誘導体、等)。 このような状況においては、これらの構造の内の一つもしくはそれ以上を含む 純粋な分子か、さもなければ植物抽出物/濃縮物を用いることができる(例えば 、茶葉抽出物(緑茶、紅茶、もしくはウーロン茶)、銀杏の二葉(ginko biloba) 、果物の抽出物:リンゴ、サンザシ(aubepine)、グワーラーナ、ブドウ、西洋に わとこ(elder);樹木、樹皮、果物の皮、根、及び木の実:オークタンニン、か しわ没食子タンニン(oakapple tannins)、ビンロウタンニン、ブドウの種、大黄 根、クローブ、シナモン、カンゾウ、コーラ等)。 いずれの場合も、植物抽出物は配合物に添加する前に、二価のカチオンを全て 除去する為に、例えばカチオン交換樹脂を用いて処理しなければならない。 一つの植物抽出物が、酸化防止性と、希釈時に濁りを「触発」(catalyst)する 性質の両方をもっていることがある(例えば茶の抽出物)。そうでない場合には 、幾つかの抽出物を組み合わせればよい。飲料中にフェノール抽出物もしくは化 合物が存在しているということは、水で(もしくは非酸性の飲料で)希釈して濁 り のある外見を得るには不可欠であるが、この濁りは、希釈液中に存在している二 価のカチオン(主として、Ca、Mg、Mn)が添加されることに関係している 。従って、一種及び/又はそれ以上のこれら二価のカチオンが希釈媒体中に多量 に含まれているということが、飲料に濁りのある外見をもたらすメカニズムにと っては不可欠である。その為、このメカニズムに対しては、特に無機物を含ませ た水が好ましいと思われる。 従って、本発明による飲料は二価のカチオン(マグネシウム、カルシウム、マ ンガン)を本質的に含まないが、希釈媒体はそれらを含んでいるのが好ましい。 「本質的に」という語は、飲料が、透明性に対して悪影響を及ぼすのに十分な量 の二価のカチオンを含んでいない、ということを示すものである。 十分な量の食品用の二価のカチオン、一種もしくはそれ以上の酸化防止物質、 及び必要に応じて糖(特にサッカロース、フルクトース、グルコース、マルトー ス、ラクトース)を含有する水で飲料を希釈する場合には、該飲料は1リットル につき、 − エタノールを8〜400g、好適にはエタノールを40〜300g、 − アネトールを0.2〜10g、 − リン脂質を1〜30g、 − 20℃の水を、全体の量を1リットルとする量、 エマルジョンを不安定にする物質、特にフェノール化合物を有効量 含んでなるのが好ましい。 測定は20℃で行う。公知の方法において温度が異なると割合が変化する、と いうことは言う迄もないことである。 本発明は更に、本発明による飲料を、特にミネラルウォターで希釈することに より得られる濁りのあるアルコール飲料もしくはノンアルコール飲料に関するも のである。 以下の例は、本発明を説明する為のものである。 高圧処理法(APV−ゴーリンの「Lab40」;ウエストファリア・セパレ ーターの「ポニー」(Pony))、もしくは、体積の小さい実験室での試験に対して は、高速粉砕機/混合機(約10mlの体積に対してはジャンク・アンド・クン ケルのウルトラ−トゥラックスT25を24,000rpmで;リットルのオー ダーの体積に対してはポリトロン・キネマティカを最高速度で;リットルを越え る体積に対してはシルバーソンL4RTミキサー)を用いる処理法により、以下 の例の飲料を作る。 このようにして乳化したアネトールの液滴の大きさを、飲料を希釈せずに、レ ーザー粒度計(マルバーン「ゼータマスター」粒度計)を用いて直接測定する。 以下のような使用した(卵や大豆の)レシチン、及び画分は、ルーカス−マイヤー : エピクロンE145(ホスファチジルコリンを50%含有) エピタロンE200E(リゾホスファチジルコリンから本質的になるも の) オヴォチン180(ホスファチジルコリンを80%含有)、及びスターン/ナッターマン : ホスホリポン80(ホスファチジルコリンを80%含有)、 スターンプールE(リゾレシチンから本質的になるもの) により供給されたものである。例1 7.5gのアネトールと10gのエピクロン145を、96度のアルコール1 050gに溶かす。この溶液を脱イオン水(全体を5リットルとする量)に、攪 拌しながら添加する。得られたプレエマルジョンを、APV−ゴーリンの装置を 用いて均質化処理に付す:80Mpa(800バール);加圧3サイクル。この 飲料は、水で希釈しても濁らない。この飲料は、トニック、コーラ、もしくは果 実をベースとする酸性飲料タイプの酸性の飲料で希釈した時に濁る。例2 15gのアネトールと30gのホスホリポン80を、96度のアルコール21 00gに溶かす。この溶液を脱イオン水(全体を10リットルとする量)に、攪 拌しながら添加する。得られたプレエマルジョンを、ウエストファリア・セパレ ーターの装置を用いて均質化処理に付す:100Mpa(1000バール)1サ イクル。このエマルジョンの平均直径は10nmである。例として、この種の飲 料について測定した濁り度は15NTUである。 この飲料は希釈時に、例1に記載したような挙動を示す。例3 7.5gのアネトールと10gのエピクロン145を、96度のアルコール1 050gに溶かす。この溶液を、二価のカチオンを含んでいない、カフェインを 除いた緑茶から抽出したカテキンを1.2g、もしくは紅茶の水性アルコール抽 出液を75ml含有する脱イオン水に、攪拌しながら添加する(水:全体を5リ ットルとする量)。ここでは、茶の抽出液は、酸化防止剤、及び濁り触発剤とし て作用する。得られたプレエマルジョンを、APV−ゴーリンの装置を用いて均 質化処理に付す:80Mpa(800バール);加圧3サイクル。得られたエマ ルジョンの平均直径は50nmであり、従って、エマルジョンは比較的透明に見 える。飲料は、二種類の茶により、「エヴィアン」タイプの水で、又はトニック 、コーラ、もしくは果実をベースとする酸性飲料タイプの酸性の飲料で希釈した 時に濁る。例4 10gのアネトールと20gのホスホリポン80を、96度のアルコール10 50gに溶かす。この溶液を、樹脂交換により二価のカチオンを除去した緑茶の 水性抽出液(酸化防止剤、及び濁り触発剤)を50ml含有する脱イオン水に、 攪拌しながら添加する(水:全体を5リットルとする量)。得られたプレエマル ジョンを、ウエストファリア・セパレーターの装置を用いて均質化処理に付す: 100Mpa(1000バール);加圧2サイクル。得られた平均直径は25n mである。この飲料は透明であり、例3よりも見た目に若干「明るい」。この製 品について測定した濁り度は、50NTU未満である。希釈時の挙動は、例3に 記載したのと同様である。 注意:二価のカチオンは、飲料組成物のどの成分形成要素(茶の抽出物 、ローズマリー等)からも、例えばカチオン交換カラムでの処理により、N+、 Na+、もしくはK+の形で除去することができる。例5 1.5gのアネトールと3gのホスホリポン80を、96度のアルコール21 0gに溶かす。この溶液を、イオン交換樹脂での交換により二価のカチオンを除 去したかしわ没食子タンニン0.3g、もしくはオークタンニン0.5g(濁り触 発剤)とローズマリーの水性抽出液(酸化防止剤)0.5gを含有する脱イオン 水に、攪拌しながら添加する(水:全体を1リットルとする量)。得られたプレ エマルジョンを、ポリトロンを用いて5分間処理する。この飲料の希釈時の挙動 は、例3に記載した通りである。例6 0.75gのアネトールと1.5gのホスホリポン80を、96度のアルコール 105gに溶かす。この溶液を、pH=7に中和したフェノールを多く含むリン ゴ濃縮液(濁り触発剤)を6.25ml/l含有する脱イオン水に、攪拌しなが ら添加する(水:全体を0.5リットルとする量)。得られたプレエマルジョン を、ポリトロンを用いて2分間処理する。このようにリンゴ抽出液から無機物を 除去せずに得た飲料は、リンゴからの二価のカチオンが存在している為に、際立 って透明であるようには見えない(濁り度:200NTU)。希釈時には、例3 と同じ条件下で濁る。低フェノールリンゴ濃縮液を用いて同じ条件下で同様の配 合物を作ると、その配合物は、「エヴィアン」タイプの水で希釈しても濁りを示 さず、例1や例2のように、酸性の液体を添加した時にのみ濁る。 二価のカチオンが全くないフェノールを多く含むリンゴ抽出液を用いて飲料を 作ると、エマルジョンは透明(濁り度:82NTU)であって、例3と同じ条件 下で濁る。例7 1.4gのアネトールと2.7g/lのエピクロン200Eを、96度のアルコ ール294gに溶かす。この溶液を、樹脂交換により二価のカチオンを除去した 緑茶の水性抽出物(濁り触発剤、及び酸化防止剤)を0.360g含有する脱イ オン水に、攪拌しながら添加する(水:全体を1リットルとする量)。得られた プレエマルジョンを、ポリトロンを用いて5分間処理する。得られた飲料は比較 的透明であって、例3と同じ条件下で希釈すると濁る。例8 1.4gのアネトールを、96度のアルコール294gに溶かす。この溶液を 、スターンプールEを1.3gと、溶かした形のサッカロースを50g含有する 脱イオン水に、攪拌しながら添加する(水:全体を1リットルとする量)。得ら れたプレエマルジョンは、シルバーソンL4RTミキサーにより、最高速度で得 たものである。この配合物は透明であり、またエヴェイアン水で希釈しても濁ら ない(例1を比較参照のこと)。例9 0.15gのアネトールと0.8gのホスホリポンを、96度のアルコール12 .6gに溶かす。この溶液を、緑茶から抽出した二価のカチオンの全くないカテ キ ン(濁り触発剤、及び酸化防止剤)を0.12g含有する脱イオン水に、攪拌し ながら添加する(水:全体を0.1リットルとする量)。得られたプレエマルジ ョンを、ポリトロンを用いて2分間処理する。このようにして得られた飲料は透 明であり(濁り度:60NTU)、またその希釈時の挙動は、例3に記載した通 りである。例10 0.1gのアネトールと0.2gのホスホリポンを、96度のアルコール4.2 gに溶かす。この溶液を、緑茶抽出液(濁り触発剤、及び酸化防止剤)を2ml 含有する脱イオン水に、攪拌しながら添加する(水:全体を0.1リットルとす る量)。このようにして得られた飲料は透明であり(濁り度:87NTU)、ま たその希釈時の挙動は、例3に記載した通りである。例11 0.1gのアネトールと0.2gのホスホリポンを、96度のアルコール4.2 gに溶かす。この溶液を、緑茶抽出液(濁り触発剤、及び酸化防止剤)を2ml 含有する脱イオン水に、攪拌しながら添加する(水:全体を0.5リットルとす る量)。このようにして得られた飲料は透明である。この飲料は、アネトールの 含有量が少ないので、「エヴィアン」タイプの水、もしくは「トニック」や「コ ーラ」タイプの酸性飲料等で希釈した時に、少し濁る。例12 37.5gのアネトールと96gのホスホリポン80を、96度のアルコール 1050kgに溶かす。この溶液を脱イオン水(全体を5リットルにする量)に 、攪拌しながら添加する。アルコールを25%v/v含有する、5倍に濃縮したこ のエマルジョンベースを、1000Bで均質化処理(ウエストファリア・セパレ ーター)に二回付す。この透明なエマルジョン(濁り度:25NTU)の、アネ トール液滴の平均直径は10nmである。 このベースを、以下のように希釈して用いる。 − 例えば、無機物を含んでいないグワーラーナ抽出液、さもなければコーラ抽 出液(濁らせる要因)20ml、及び樹脂交換により二価のカチオンを除去し たローズマリー抽出物(酸化防止剤)0.2gをこのベース0.2リットルに添 加したものを、アルコールを25%含有する水−アルコール混合物(全体を1 リットルとする量)中に添加して希釈する。 − または、濃縮ベース1.33リットル、樹脂交換により二価のカチオンを除 いた緑茶抽出液(酸化防止剤、及び濁らせる要因)50ml、及びカンゾウ抽 出液100mlを、25%の水・アルコール混合物で5リットルに希釈する。 これら二つの配合物は、希釈時に、例3に記載したような挙動を示す。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. アネトールを含有するアルコールもしくはノンアルコール飲料であって 、該飲料に対するアネトールの見掛けの溶解度を高める為に、ヒト用の食品に許 容される、少なくとも一種のリン脂質を有効量含有することを特徴とする、アル コールもしくはノンアルコール飲料。 2. リン脂質が、植物もしくは動物に由来する、レシチンもしくはそれらの 誘導体、特にリゾレシチン、の中に存在するリン脂質の群から選ばれる、請求項 1に記載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 3. リン脂質が下式に対応する、請求項2に記載のアルコールもしくはノン アルコール飲料。 式中、 R1とR2は同じであるか、もしくは異なっていて、C14〜C22の脂肪酸基であり 、Zは水素原子、もしくは下記の基である。 4. リン脂質が、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジ ルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リ ゾホスファチジルコリンからなる群から選ばれる、請求項3に記載のアルコール もしくはノンアルコール飲料。 5. 透明であって、特に濁り度が100NTU未満である、請求項1〜4の いずれか一項に記載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 6. アネトールを0.2〜10g/l、好ましくは0.5〜2g/l含有し、 かつ、リン脂質を0.4〜30g/l含有する、請求項1〜5のいずれか一項に 記載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 7. リン脂質とアネトールの重量比が0.5〜10である、請求項6に記載 のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 8. エタノールを8〜400g/l、好ましくはエタノールを40〜300 g/l含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルコールもしくはノン アルコール飲料。 9. 水性のアルコール相、もしくは非アルコール相中にアネトール−リン脂 質相を含むタイプの、平均直径が100nm未満のナノゾームからなるサブミク ロンエマルジョンもしくはミクロエマルジョンの形態にある、請求項1〜8のい ずれか一項に記載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 10. ミクロエマルジョンが高圧均質化により、または適切な混合機により 高速で得られるものである、請求項9に記載のアルコールもしくはノンアルコー ル飲料。 11. 一種もしくはそれ以上の酸化防止物質を含有する、請求項1〜10の いずれか一項に記載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 12. 酸化防止物質が、トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、茶 の抽出物、ローズマリー抽出物、及びセージ抽出物からなる群から選ばれる、請 求項11に記載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 13. 酸性の液体、特にトニック、によりミクロエマルジョンが不安定にな った結果として濁る、請求項1〜12のいずれか一項に記載のアルコールもしく はノンアルコール飲料。 14. 十分な量の食品用の二価のカチオンを含む水で飲料を希釈した時に、 ミクロエマルジョンの不安定化をもたらす一種もしくはそれ以上の物質を有効量 含有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のアルコールもしくはノンアル コール飲料。 15. 該物質がフェノール化合物からなる群から選ばれる、請求項14に記 載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 16. フェノール化合物が、カテキン、ガロカテキン、タンニン、濃縮タン ニン、没食子酸タンニン、エラジタンニン、及びそれらの誘導体(没食子酸エス テル、ダイマー、オリゴマー、テアフラビン、テアルビジン、カテキン、エピカ テキン、エピガロカテキン、ガロカテキン、並びにそれらのモノ−及びジガロイ ルエステル等)、スチルベン、フラボノイド(フロレチンやその誘導体等)、茶 葉抽出物(緑茶、紅茶、もしくはウーロン茶)、銀杏の二葉、果物の抽出物:リ ンゴ、サンザシ、グワーラーナ、ブドウ、西洋にわとこ;樹木、樹皮、果物の皮 、根、及び木の実:オークタンニン、かしわ没食子タンニン、ビンロウタンニン 、ブドウの種、大黄根、クローブ、シナモン、カンゾウ、コーラ等からなる群か ら選ばれる、請求項15に記載のアルコールもしくはノンアルコール飲料。 17. 二価のカチオン、特にカルシウム、マグネシウム及びマンガン、を本 質的に含んでいない、請求項1〜16のいずれか一項に記載のアルコール飲料。 18. 十分な量の食品用の二価のカチオン、一種もしくはそれ以上の酸化防 止物質、及び必要に応じて糖を含有する水で該飲料を希釈する場合、飲料が1リ ットルにつき、 − エタノールを8〜400g、好適にはエタノールを40〜300g 、 − アネトールを0.2〜10g、 − リン脂質を0.4〜30g、 エマルジョンを不安定にする物質、特にフェノール化合物を有効量含ん でなることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載のアルコール飲 料。 19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の飲料を希釈することにより得 られる、濁りのあるアルコールもしくはノンアルコール飲料。
JP54786399A 1998-03-23 1999-03-19 必要に応じてアルコール性であってもよいアネトールを含有する透明な新規飲料、及び希釈により得られる濁りのある希釈飲料 Pending JP2002500519A (ja)

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