JP2002372546A - 分注装置 - Google Patents
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- JP2002372546A JP2002372546A JP2001180213A JP2001180213A JP2002372546A JP 2002372546 A JP2002372546 A JP 2002372546A JP 2001180213 A JP2001180213 A JP 2001180213A JP 2001180213 A JP2001180213 A JP 2001180213A JP 2002372546 A JP2002372546 A JP 2002372546A
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Abstract
ることができる分注装置を提供すること。 【解決手段】本発明の分注装置1は、ポンプ空間23の
容積を増減して気体を吸入/吐出するポンプ2と、ポン
プ空間23と連通する内腔31を有するノズル3とを備
え、ポンプ2の作動により、ノズル3の内腔31に液体
20を吸入し、吸入した液体20を吐出し、分注するも
のであり、下記式(I)により定められるMが5×10
-9m3未満であることを特徴とする。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I) (式中、V0は、液体20を吸入する前の状態における
ポンプ空間23およびノズル3の内腔31を含む連続し
た内部空間の容積、dは、ノズル3の先端開口32の内
径、P0は、標準大気圧、σWは、水の表面張力を表
す。)
Description
る。
少量の液体を分注する分注装置が知られており、例えば
血液分析検査やバイオ工学における分析を行う際等に使
用されている。
ばピストンポンプでは、シリンダとピストンとで画成さ
れる空間)の容積を増減して気体(空気)を吸入/吐出
するポンプと、前記ポンプ空間に連通する内腔を有する
ノズルとを備えている。なお、このノズルは、通常、デ
ィスポーザブルのチップになっている。
動させポンプ空間の容積を増大させることにより、ポン
プ空間やノズルの内腔等にある気体を介して、ノズルの
内腔に液体を吸入する。次いで、ポンプ空間の容積を減
少させることにより、吸入した液体をノズルの先端開口
から吐出し、1箇所または複数箇所に分注する。
ては、使用する検体や試薬の量の微量化が進行してい
る。これに伴なって、分注装置は、1回の液体吐出量の
微量化が要望されている。
出量を十分に少なくすることができなかった。例えば、
分注する液体が水である場合には、液体吐出量を10μ
L程度以下にすることができなかった。
水を5μLだけ吐出しようとして、ポンプの作動により
ポンプ空間の容積を5μLだけ減少させた場合、ノズル
の内腔やポンプ空間等にある気体が圧縮されるのみで、
ノズル内の水を先端開口から吐出することができなかっ
た。
容積を減少させて、無理に吐出した場合には、目標とし
た吐出量(5μL)よりも多量に吐出されてしまう。
の分注装置よりも少ない量の液体を吐出することができ
る分注装置を提供することにある。
(1)〜(7)の本発明により達成される。
積を増減して気体を吸入/吐出するポンプと、前記ポン
プ空間と連通する内腔を有するノズルとを備え、前記ポ
ンプの作動により、前記気体を介して前記ノズルの内腔
に液体を吸入し、吸入した液体を吐出し、分注する分注
装置であって、下記式(I)により定められるMが5×
10-9m3未満であることを特徴とする分注装置。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I) (式中、V0[m3]は、液体を吸入する前の状態におけ
る前記ポンプ空間および前記ノズルの内腔を含む連続し
た内部空間の容積、d[m]は、前記ノズルの先端開口
の内径、P0[Pa]は、標準大気圧、σW[N/m]
は、水の表面張力を表す。)
積を増減して気体を吸入/吐出するポンプと、前記ポン
プ空間と連通する内腔を有するノズルとを備え、前記ポ
ンプの作動により、前記気体を介して前記ノズルの内腔
に液体を吸入し、吸入した液体を吐出し、分注する分注
装置であって、下記式(I)により定められるMが3×
10-9m3未満であることを特徴とする分注装置。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I) (式中、V0[m3]は、液体を吸入する前の状態におけ
る前記ポンプ空間および前記ノズルの内腔を含む連続し
た内部空間の容積、d[m]は、前記ノズルの先端開口
の内径、P0[Pa]は、標準大気圧、σW[N/m]
は、水の表面張力を表す。)
積を増減して気体を吸入/吐出するポンプと、前記ポン
プ空間と連通する内腔を有するノズルとを備え、前記ポ
ンプの作動により、前記気体を介して前記ノズルの内腔
に液体を吸入し、吸入した液体を吐出し、分注する分注
装置であって、下記式(I)により定められるMが1×
10-9m3未満であることを特徴とする分注装置。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I) (式中、V0[m3]は、液体を吸入する前の状態におけ
る前記ポンプ空間および前記ノズルの内腔を含む連続し
た内部空間の容積、d[m]は、前記ノズルの先端開口
の内径、P0[Pa]は、標準大気圧、σW[N/m]
は、水の表面張力を表す。)
0.1〜2mmである上記(1)ないし(3)のいずれ
かに記載の分注装置。
端部に、内径が先端方向に向かって漸減するテーパ部分
を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の分
注装置。
テーパ部分の傾斜角度は、0.5〜5°である上記
(5)に記載の分注装置。
脱自在に設置されている上記(1)ないし(6)のいず
れかに記載の分注装置。
面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
体を吸入する前の状態)を示す縦断面図、図2は、図1
に示す分注装置(吐出動作前の状態)の縦断面図、図3
は、図1に示す分注装置(吐出動作後の状態)の縦断面
図、図4は、ノズルの先端部を拡大して示す縦断面図で
ある。なお、以下の説明では、図1ないし図4中の上側
を「基端」、下側を「先端」と言う。
ズル(ノズルチップ)3と、ノズル取付部4と、気体流
路5とを有しており、例えば、血液分析検査やバイオ工
学における分析等において、血清等の検体や試薬(薬
液)等の液体を分注するものである。以下、各部の構成
について説明する。
ポンプ(シリンジポンプ)であり、シリンダ21と、該
シリンダ21の内部に設置されたピストン22とを有し
ている。
リンダ21の軸方向に沿って移動可能になっている。こ
のピストン22の移動により、シリンダ21とピストン
22とで囲まれて形成された(画成された)ポンプ空間
23の容積が増減する。ポンプ2は、このポンプ空間2
3の容積(以下、「ポンプ空間容積」と言う。)の増減
により、気体(空気)を吸入/吐出する。
ルネジ)とこれを回転するサーボモータ(ステッピング
モータ)とを有する駆動機構(図示せず)により、ピス
トンロッド24を介して駆動(移動)されるようになっ
ている。
体流路5が延びている。この気体流路5は、ノズル取付
部4にまで続いて形成されている。
着脱自在に取り付け可能になっている。
内腔31と、先端開口(先端開口部)32と、基端開口
(基端開口部)33とを有しており、好ましくは、その
軸方向が上下方向となるように設置されている。
ル取付部4が挿入、嵌合することにより、ノズル取付部
4に取り付けられており、基端開口33とノズル取付部
4との間では、気密性が保たれている。このような構成
により、ノズル3の内腔31は、気体流路5を介して、
ポンプ空間23に連通している。また、ポンプ空間2
3、内腔31および気体流路5を含む内部空間は、先端
開口32以外では閉じた空間(閉空間)になっている。
自在になっており、異なる液体を分注する際には、ノズ
ル3を交換することによりコンタミネーションを防止す
ることができる。また、ノズル3は、好ましくは、例え
ば各種樹脂材料等で構成されており、ディスポーザブル
となっている。
限定されないが、0.1〜2mmであることが好まし
く、0.2〜0.8mmであることがより好ましく、例
えば0.4mmとすることができる。
あると、液体20が先端開口32を通過する抵抗が大き
くなって、液体20の種類等によっては、液体20を吐
出しにくくなる場合がある。
を超えると、液体20の種類等によっては、液体20を
精度良く(正確な量で)吐出することができない場合が
ある。
に内径(および外径)が先端方向に向かって漸減するテ
ーパ部を有している。本実施形態では、このテーパ部
は、ノズル3のほぼ全長にわたって形成されている。
部のテーパ角度θ(図1参照)としては、特に限定され
ないが、0.5〜5°であるのが好ましく、1〜3°で
あるのがより好ましい。
と、先端開口32の内径dの大きさ等によっては、ノズ
ル3の内腔31の容積を十分に確保できなくなる場合が
ある。
えると、先端開口32の内径dの大きさ等によっては、
吐出量の精度が低下する場合がある。
ル3の長手方向に沿って変化していてもよい。
ノズル3を含む分注ヘッドを3次元方向に移動する分注
ヘッド移動機構(図示せず)を有しており、該分注ヘッ
ド移動機構により、ポンプ2およびノズル3を分注する
液体20の吸入箇所(貯留部10)と吐出箇所(図示せ
ず)とに移動する。
示すように、ピストン22がシリンダ21の先端部付近
に位置し、ポンプ空間容積が小さい状態になっている。
態から、前記分注ヘッド移動機構の作動により、ポンプ
2およびノズル3を下降させて、ノズル3の先端開口3
2を貯留部10に貯留された液体20に浸す。次いで、
ピストン22をシリンダ21に対し基端方向に移動して
ポンプ空間容積を増大させ、ポンプ空間23に気体を吸
入する。これにより、ポンプ空間23、気体流路5およ
び内腔31内にある気体が負圧となり、この負圧によっ
て、図2に示すように、液体20は、ノズル3の内腔3
1に吸入され、蓄えられる。
3、気体流路5および内腔31内にある気体を介して、
液体20をノズル3の内腔31に吸入する。液体20を
吸入した状態で、ポンプ空間23、気体流路5および内
腔31内にある気体を、以下、「介在気体」と言う。
を先端開口32から吐出(排出)する際には、図2に示
す状態から、ピストン22をシリンダ21に対し先端方
向に移動する。これにより、図3に示すように、ピスト
ン22の先端面は、吐出動作前(図2に示す状態)の位
置25から、吐出動作後の位置26に移動する。この動
作は、ノズル3の先端部(先端開口32)が空中にある
状態で行う。
間容積が減少し、ポンプ空間23から気体が吐出され、
介在気体の圧力が高まる。これにより、内腔31にある
液体20の上側の液面202が介在気体に押圧されるよ
うにして、液体20が先端開口32から吐出される。
た液体20は、ノズル3の先端部に付着した状態とな
る。この状態で、前記分注ヘッド移動機構を作動してノ
ズル3の先端部を吐出先の容器に接触させ、これによ
り、吐出された液体20を吐出先の容器に付与する。ま
たは、吐出した液体20を吐出先の容器に滴下(落下)
させることとしてもよい。
2から吐出される液体20の量(以下、この量を「液体
吐出量」と言う。)は、ポンプ空間容積の減少量ΔV
(図3参照)にほぼ等しい。逆に言えば、液体吐出量を
例えばV1とするには、吐出動作におけるポンプ空間容
積の減少量ΔVが目標とする液体吐出量V1とほぼ等し
くなる(ΔV≒V1となる)ように、ピストン22を移
動する。
は、液体吐出量をある程度以下にすることはできず、従
来の分注装置では、例えば液体20が水である場合に
は、液体吐出量を10μL程度以下にすることはできな
かった。すなわち、従来の分注装置では、例えば5μL
の液体20(水)を吐出しようとして、吐出動作におい
てポンプ空間容積を5μLだけ減少させたような場合、
介在気体が圧縮されるのみで、ノズルの先端開口から液
体20(水)を吐出することができなかった。
うな構成により、従来の分注装置よりも少ない量の液体
20を吐出することができる。
る前の状態(図1に示す状態)におけるポンプ空間23
およびノズル3の内腔31を含む連続した内部空間の容
積をV0[m3]、ノズル3の先端開口32の内径をd
[m]、標準大気圧をP0[Pa]、水の表面張力をσW
[N/m]としたとき、下記式(I)により定められる
Mが5×10-9m3未満(M<5μL)となるように構
成されている。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I)
1に加えて、これらに連通するすべての部分(気体流路
5等)を含んだものの容積である。よって、例えば、ポ
ンプ空間23と内腔31との間に凹部、分岐路等がある
場合には、これらの容積もすべて含まれる。すなわち、
このV0は、分注系のデッドボリュウムを意味するもの
である。
0は、101.3×103Paとし、水の表面張力σ
Wは、73×10-3N/mとする。
体20が水である場合、液体吐出量を最少でほぼ5μL
とすることができる。
ことにより、さらに少ない量の液体20を吐出すること
ができる。すなわち、分注装置1は、前記Mを3×10
-9m 3未満(M<3μL)とすることにより、液体20
が水である場合、液体吐出量を最少でほぼ3μLとする
ことができる。また、前記Mを1×10-9m3未満(M
<1μL)とすることにより、液体20が水である場
合、液体吐出量を最少でほぼ1μLとすることができ
る。
発明を完成するに到った経緯について説明する。
をある程度以下にすることができない原因は、先端開口
32付近における液体20の液面201、および、ノズ
ル3内における液体20の液面(メニスカス)202に
それぞれ作用する表面張力にあることを見出した。
に示すように、液体20が先端開口32から吐出される
直前の状態では、液体20は、その表面張力により先端
開口32においてほぼ球面状の液面201を形成する。
ストン22が徐々に先端方向に移動してポンプ空間容積
が減少していくと、上側の液面202が介在気体に押圧
されることにより、図4中の一点鎖線Aで示すような状
態や図4中の実線で示す状態を経て、図4中の一点鎖線
Bで示すような状態へと膨らんでいく。
態では、液面201に作用する表面張力により、液体2
0の圧力は、液面201より外側の圧力、すなわち、大
気圧P0よりも大きくなる。よって、液面201の表面
張力による圧力の増分をΔPLとすると、内腔31にあ
る液体20の圧力は、(P0+ΔPL)となる。
張力をσ[N/m]、液面201の曲率半径をr
1[m]としたとき、2σ/r1となる。よって、ΔPL
は、液面201の曲率半径r1が小さいほど大きくな
る。
程において、液面201の曲率半径が最も小さくなるの
は、図4中の一点鎖線Aで示す状態や一点鎖線Bで示す
状態と比較して分かるように、図4中の実線で示す状
態、すなわち、先端開口32から液面201が半球状に
突出する状態である。このときの液面201の曲率半径
r1は、d/2になる。
よる圧力の増分ΔPLは、r1=d/2のときに、最大と
なり、その最大値は、4σ/dとなる。すなわち、液体
20が先端開口32から吐出される過程において、内腔
31にある液体20の圧力は、最大で(P0+4σ/
d)となる。
ル3内には、毛細管現象により、ほぼ球面状をなす液面
202が形成される。液面202の曲率半径をr
2[m]とすると、液面202に作用する表面張力によ
り、液面202の内側の圧力、すなわち介在気体の圧力
は、液面202の外側の圧力、すなわち液体20の圧力
より2σ/r2大きくなる。
の位置におけるノズル3の内径をDとすると、ほぼD/
2となる。よって、液面202による介在気体の圧力の
増分は、2σ/r2にr2=D/2を代入して、4σ/D
となる。
に示す状態で最大(P0+4σ/d)となるから、介在
気体の圧力もこのときに最大となり、その最大値は、
(P0+4σ/d+4σ/D)となる。
は、図4に示す状態からさらに介在気体の圧力が増加す
る必要がある。すなわち、介在気体の圧力が(P0+4
σ/d+4σ/D)を超える必要がある。
は、例えばV1の量の液体20を先端開口32から吐出
するには、図2に示す状態からポンプ空間容積をΔV≒
V1であるようなΔVだけ減少させた場合に、介在気体
の圧力が(P0+4σ/d+4σ/D)を超える必要が
あり、これを超えることができないと、液面202に作
用する介在気体の圧力よりも、液面201に作用する大
気圧および液面201と液面202とに作用する表面張
力の方が勝ってしまい、液体20を先端開口32から吐
出することができない、ということを見出した。
作前の状態と、図3に示す吐出動作後の状態とを比較し
て、ポンプ空間容積をΔVだけ減少させたときの介在気
体の圧力を算出し、この圧力が(P0+4σ/d+4σ
/D)を超えるための条件、すなわち、液体20を吐出
するための条件を以下のように求めた。
から、ノズル3の内腔31に吸入した液量が少ないほ
ど、液面202が先端側に位置するので、液面202の
位置におけるノズル3の内径Dは、小さくなる。液面2
02の位置におけるノズル3の内径Dが小さいほど、液
体20を吐出するために必要な介在気体の圧力(P0+
4σ/d+4σ/D)は、大きくなる。よって、吐出動
作前のノズル3内の液量が少ないほど、液体20を吐出
するための条件は、厳しくなる。
角度θを考慮すると、通常、液面202は、ノズル3の
内径が先端開口32の内径dのほぼ2倍になるような位
置から上側の範囲に位置する状態とされる。すなわち、
通常の使用状態において、液体20を吐出するための条
件が最も厳しくなるのは、D=2dのときであるので、
以下では、D=2dであるとして、液体20を吐出する
ための条件を求めた。
介在気体の圧力は、(P0+4σ/d+4σ/D)にD
=2dを代入して、(P0+6σ/D)となる。
場合には、吐出動作前における介在気体の体積および圧
力は、それぞれ、前記V0(分注系のデッドボリュー
ム)および大気圧P0で近似することができる。よっ
て、図2に示す吐出動作前の状態における介在気体の圧
力、体積をそれぞれP0、V0とした。
体の体積は、ポンプ空間容積がΔV減少することによ
り、(V0−ΔV)となる。また、吐出動作前に対する
吐出動作後の介在気体の圧力の増分をΔPGとする。よ
って、吐出動作後の介在気体の圧力は、(P0+ΔPG)
となる。
り立つ。 P0・V0 n=(P0+ΔPG)・(V0−ΔV)n ・・・(II)
比熱比をγとしたとき、1≦n≦γなる自然数である。
介在気体が吐出動作前後で等温変化する場合には、n=
1で前記式(II)が成り立ち、断熱変化する場合には、
n=γで前記式(II)が成り立つ。
比熱比γを1.4とする。また、実際上は、介在気体の
状態変化は、等温変化と断熱変化との中間の変化となる
ため、n=1.2で前記式(II)が成り立つものとし
た。よって、n=1.2として、式(II)を変形すると
下記式(III)が得られる。 ΔPG=P0(1−ΔV/V0)-1.2−P0 ・・・(III)
ポンプ空間容積の減少量ΔV(≒液体吐出量)が微量の
ときであるため、ここでは、ΔVは、V0よりも十分に
小さいとしてよい。よって、式(III)においてΔV/
V0≪1であるとすると、近似的に下記式(IV)が得ら
れる。 ΔPG≒1.2P0・ΔV/V0 ・・・(IV)
の圧力は、(P0+1.2P0・ΔV/V0)となる。よ
って、液体20が吐出されるための条件は、この吐出動
作後の介在気体の圧力(P0+1.2P0・ΔV/V0)
が(P0+6σ/d)を超えること、すなわち、下記式
(V)となる。 P0+1.2P0・ΔV/V0>P0+6σ/d ・・・(V)
が得られる。 ΔV>5V0・σ/(P0・d) ・・・(VI)
体20を吐出するための条件式である。前記式(VI)に
よれば、吐出動作におけるポンプ空間容積の減少量ΔV
が5V0・σ/(P0・d)より大きい場合には、液体2
0を先端開口32から吐出することができ、ΔVにほぼ
等しい液体吐出量が得られることが分かる。すなわち、
吐出可能な最少の液体吐出量は、ほぼ5V0・σ/(P0
・d)であることが分かる。
I)においてσ=σWとすることにより、下記式(VII)
が得られる。 ΔV>5V0・σW/(P0・d) ・・・(VII)
ある場合には、吐出動作におけるポンプ空間容積の減少
量ΔVが5V0・σW/(P0・d)より大きい場合に
は、液体20(水)を先端開口32から吐出することが
でき、ΔVにほぼ等しい液体吐出量が得られることが分
かる。すなわち、液体20が水である場合には、吐出可
能な最少の液体吐出量は、ほぼ5V0・σW/(P0・
d)であることが分かる。
に等しい。よって、M<5μLであると、ΔV≧5μL
となり、前述したように、液体20が水である場合に
は、液体吐出量を最少でほぼ5μLとすることができる
ことが導かれる。同様に、M<3μLであると、ΔV≧
3μLとなって、液体吐出量を最少でほぼ3μLとする
ことができ、M<1μLであると、ΔV≧1μLとなっ
て、液体吐出量を最少でほぼ1μLとすることができ
る。
について説明したが、本発明は、これに限定されるもの
ではなく、分注装置を構成する各部は、同様の機能を発
揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
ンポンプに限らず、ポンプ空間の容積を増減して気体を
吸入/吐出するものであればいかなるものであってもよ
い。
場合を中心に説明したが、本発明では、水以外の液体を
分注する場合であっても、従来の分注装置よりも少ない
量の液体を吐出することができる。
面張力によって異なり、表面張力の大きいものほど吐出
可能な液体吐出量が少なく、逆に、表面張力の小さいも
のほど吐出可能な液体吐出量が多い。よって、水以外の
液体を分注する場合、吐出可能な液体吐出量は、通常、
前述した値とは異なるものとなる。
来の分注装置よりも少ない量の液体を吐出することがで
きる。また、より精確な(精度の良い)分注をすること
ができる。
前の状態)を示す縦断面図である。
断面図である。
断面図である。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 内部に画成されたポンプ空間の容積を増
減して気体を吸入/吐出するポンプと、 前記ポンプ空間と連通する内腔を有するノズルとを備
え、 前記ポンプの作動により、前記気体を介して前記ノズル
の内腔に液体を吸入し、吸入した液体を吐出し、分注す
る分注装置であって、 下記式(I)により定められるMが5×10-9m3未満
であることを特徴とする分注装置。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I) (式中、V0[m3]は、液体を吸入する前の状態におけ
る前記ポンプ空間および前記ノズルの内腔を含む連続し
た内部空間の容積、d[m]は、前記ノズルの先端開口
の内径、P0[Pa]は、標準大気圧、σW[N/m]
は、水の表面張力を表す。) - 【請求項2】 内部に画成されたポンプ空間の容積を増
減して気体を吸入/吐出するポンプと、 前記ポンプ空間と連通する内腔を有するノズルとを備
え、 前記ポンプの作動により、前記気体を介して前記ノズル
の内腔に液体を吸入し、吸入した液体を吐出し、分注す
る分注装置であって、 下記式(I)により定められるMが3×10-9m3未満
であることを特徴とする分注装置。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I) (式中、V0[m3]は、液体を吸入する前の状態におけ
る前記ポンプ空間および前記ノズルの内腔を含む連続し
た内部空間の容積、d[m]は、前記ノズルの先端開口
の内径、P0[Pa]は、標準大気圧、σW[N/m]
は、水の表面張力を表す。) - 【請求項3】 内部に画成されたポンプ空間の容積を増
減して気体を吸入/吐出するポンプと、 前記ポンプ空間と連通する内腔を有するノズルとを備
え、 前記ポンプの作動により、前記気体を介して前記ノズル
の内腔に液体を吸入し、吸入した液体を吐出し、分注す
る分注装置であって、 下記式(I)により定められるMが1×10-9m3未満
であることを特徴とする分注装置。 M=5V0・σW/(P0・d) ・・・(I) (式中、V0[m3]は、液体を吸入する前の状態におけ
る前記ポンプ空間および前記ノズルの内腔を含む連続し
た内部空間の容積、d[m]は、前記ノズルの先端開口
の内径、P0[Pa]は、標準大気圧、σW[N/m]
は、水の表面張力を表す。) - 【請求項4】 前記ノズルの先端開口の内径が、0.1
〜2mmである請求項1ないし3のいずれかに記載の分
注装置。 - 【請求項5】 前記ノズルは、少なくともその先端部
に、内径が先端方向に向かって漸減するテーパ部分を有
する請求項1ないし4のいずれかに記載の分注装置。 - 【請求項6】 前記ノズルの中心軸に対する前記テーパ
部分の傾斜角度は、0.5〜5°である請求項5に記載
の分注装置。 - 【請求項7】 前記ノズルは、装置本体に対し着脱自在
に設置されている請求項1ないし6のいずれかに記載の
分注装置。
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