JP2001074757A - 分注装置 - Google Patents

分注装置

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JP2001074757A
JP2001074757A JP24696699A JP24696699A JP2001074757A JP 2001074757 A JP2001074757 A JP 2001074757A JP 24696699 A JP24696699 A JP 24696699A JP 24696699 A JP24696699 A JP 24696699A JP 2001074757 A JP2001074757 A JP 2001074757A
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共之 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力伝達媒体として気体を用いる分注装置に
おいて、吸引・吐出動作のインターバルでの温度変化等
の影響を回避し高精度の分注を実現する。 【解決手段】 圧力伝達ガスの圧力を検知する圧力セン
サ10を備え、吸引動作完了時の気体の圧力をメモリ1
00に格納する。吐出動作が開始されるまで、誤差増幅
器94は、圧力センサ10からの現在の気体の圧力レベ
ルと、メモリ100に記録された圧力レベルとの差に応
じた信号を出力する。サーボモータ制御部84は両圧力
レベルに差が生じないようにサーボモータ82を制御
し、ポンプが駆動される。これにより、気体の体積が調
節され、圧力変動を打ち消すフィードバック制御が行わ
れる。吐出動作は圧力変動がキャンセルされた状態で実
行されるため、その影響を受けない高精度の分注が可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分注装置に関し、
特にその分注精度の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、血液検査等で知られる臨床検査分
野においては、種々の装置によって検査の自動化が進ん
でいる。その一つとして、血清等の検体や試薬に代表さ
れる液状試料を自動的に吸引・吐出する自動分注装置が
一般的に使用されている。
【0003】従来の一般的な自動分注装置は、シリンジ
等で代表されるポンプと、ディスポーザブルチップ等に
代表されるノズル状分注容器とを配管によって接続した
構成を有する。ポンプは、圧力伝達ガスである空気の配
管中に占める体積を変化させ、その体積変化を介して前
記分注容器であるノズルに吸引・吐出力を及ぼす。例え
ば、シリンジポンプのピストンを引き出すことにより、
配管からシリンジに空気が吸い込まれて、液体試料が溜
められた吸引元からノズルへ当該液体試料が吸引され
る。一方、シリンジポンプのピストンをシリンジに押し
込むことにより、シリンジから配管へ空気が押し出され
て、ノズルに吸引され保持された液体試料がノズルから
吐出される。
【0004】ここでピストンの移動は、モータに連動し
て回転するネジ等の機構を用いて精度良く制御すること
ができ、それに応じてピストンと配管との間で出入りす
る空気量の微妙な調節が可能となる。
【0005】なお、従来の自動分注装置に於いては、ポ
ンプからノズルまでの空気の圧力をモニタして、ノズル
先端が液面に達したことを検知することが行われてい
た。この目的のために、従来の自動分注装置には、例え
ば半導体圧力センサを備えているものもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した圧力伝達媒体
として空気等の気体を用いる自動分注装置では、ポンプ
の動作によって気体の圧力を変化させ、その圧力変化に
よってノズルでの吸引・吐出動作を生じさせており、ま
た、液体試料の吸引・吐出量は、圧力伝達を行う気体の
移動量に応じたものとなる。従来の装置では、圧力伝達
を行う気体の移動量はポンプの動作によって制御される
ものとしていた。しかし、気体は周知のように温度・圧
力によってその体積を液体などに比べて大きく変化させ
る。したがって、液体試料をノズルに吸引してから吐出
するまでの間に温度等が変化すると、それに起因して気
体は体積や圧力を変化させる。これはポンプの動作制御
とは無関係な圧力伝達気体のノズル側での進退や圧力変
化であり、これが吐出量の誤差となるという問題があっ
た。
【0007】また、前記ノズルに液体試料を吸引した後
には、その液体試料が蒸発することによって、あるいは
前記気体内に存在していた蒸気等が液体試料中に凝集す
ることによって、やはり圧力伝達媒体である気体の体積
や圧力が変化する。
【0008】このように従来の装置においては、吸引・
吐出動作のインターバルに被った気体の体積や圧力の変
化分が吐出量の誤差となるという問題があった。これら
各要因による吐出量の誤差は一般的には少ない量である
が、液体試料の分注量が微量化・高精度化している近年
の状況では、無視できない量となり得る。
【0009】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、吸引・吐出動作のインターバルにおける温
度・圧力といった気体状態量の変化が生じても高精度の
分注制御が可能な分注装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る分注装置
は、液体試料をノズルに保持した状態での圧力伝達ガス
の気体状態量の変化を検知する状態量変化検知手段と、
前記気体状態量の変化に応じて前記圧力伝達ガスの体積
を制御するガス体積制御手段とを有するものである。
【0011】気体の体積、圧力、及び温度という状態量
は気体の状態方程式により相互関係を有している。よっ
て、液体試料をノズルに吸引した後に、温度が変化する
と、たとえ分注ポンプが停止していても圧力伝達ガスの
体積や圧力が変化する。圧力伝達ガス中に含まれる蒸気
量の変動によって気体状態量が変化することもある。液
体試料をノズルに保持している状態においてポンプの動
作と無関係に生じる気体状態量の変化は、分注精度に影
響を与える。本発明によれば、この気体状態量の変化を
検知し、その変化に応じて圧力伝達ガスの体積を制御す
ることにより、当該気体状態量の変化が分注量に与える
影響がキャンセルされる。例えば、圧力が上昇した場合
には、ガス体積制御手段は圧力伝達ガスが存在し得る容
積を拡張させ、当該圧力上昇を抑制する。また例えば、
温度が上昇した場合には圧力伝達ガスの圧力上昇又は、
体積膨張によるノズル側への圧力伝達ガスの進展が生じ
うるが、この場合にガス体積制御手段は圧力伝達ガスが
存在し得る容積を拡張させ、当該圧力上昇やノズル側へ
の圧力伝達ガスの進展を抑制する。
【0012】本発明に係る他の分注装置においては、前
記ガス体積制御手段は、吸引及び吐出動作の停止期間に
おいて前記気体状態量を一定に保つように前記体積をフ
ィードバック制御する。
【0013】本発明によれば、例えば液体試料を吸引す
る吸引動作が完了してから、次にノズルに保持した液体
試料を吐出する吐出動作を開始するまでの吸引・吐出動
作のインターバルにおいて、気体状態量を一定に保つよ
うに圧力伝達ガスの体積がフィードバック制御される。
このフィードバック制御は、吸引動作から吐出動作まで
のインターバルの他、ノズルに保持した一部の液体試料
を吐出した後、ノズルに液体試料を補充・追加する吸引
動作を行うまでのインターバル、また吸引動作を何回か
に分けて行う場合の各吸引動作のインターバル、また吐
出動作を何回かに分けて行う場合の各吐出動作のインタ
ーバルにおいてそれぞれ行い得る。このフィードバック
制御では、例えば吸引又は吐出動作が完了した直後の気
体状態量が制御目標値とされる。そして、気体状態量が
当該目標値からずれたことが状態量変化検知手段によっ
て検知されると、ガス体積制御手段がそのずれをキャン
セルするという制御が、次の吸引又は吐出動作が開始さ
れる前まで継続的に行われる。
【0014】本発明に係るもう一つの分注装置において
は、前記状態量変化検知手段は、吸引及び吐出動作の停
止時の気体状態量を記憶する状態量記憶手段と、次の吸
引又は吐出動作の開始に際し、現時点での気体状態量と
前記状態量記憶手段に記憶された気体状態量との差異を
検知する状態量比較手段とを有し、前記ガス体積制御手
段は、吸引又は吐出動作の開始前に、前記状態量比較手
段により検知された気体状態量の差異を解消するように
前記圧力伝達ガスの体積を制御する。
【0015】本発明によれば、吸引又は吐出動作のイン
ターバルの両端の時点での気体状態量が比較され、当該
インターバルにおいて気体状態量の変化が生じていた場
合には、その気体状態量の変化は当該インターバルの終
わりの時点においてまとめてキャンセルされる。
【0016】本発明の好適な態様は、前記状態量変化検
知手段が、少なくとも前記圧力伝達ガスの圧力を前記気
体状態量として検知することを特徴とする。
【0017】温度は必ずしも圧力伝達ガスの全体で一様
であるとは限らないため、気体状態量の変化として温度
の変化を検知する場合、精密には圧力伝達ガスの各点に
おいて温度を測定する必要がある。これに対し、圧力の
場合は、基本的に圧力伝達ガスの全体で一様となるの
で、測定が容易である。
【0018】さらに他の本発明に係る分注装置は、前記
状態量変化検知手段が、前記ノズルが液体試料液面から
離れている状態での気体状態量の変化を検知するもので
ある。
【0019】圧力伝達ガスの気体状態量の変化は、その
気体状態量の変化を緩和させるような体積の変化を生じ
させようとする。つまり気体状態量の変化はノズル内の
液体試料にそれをノズル内にて進退させようとする力を
及ぼす。例えば、圧力伝達ガスの圧力、温度の上昇は、
体積を増加させ、ノズル内に保持された液体試料を吐出
させようとする力を生じる。本発明によれば、ノズルが
液面から離れると、ノズル先端において液体試料の表面
張力が生じる。この表面張力は、ノズル内に保持された
液体試料に作用する進退力に抗し、その進退による圧力
伝達ガスの体積変化を抑制する。よって、圧力伝達ガス
に生じる気体状態量の変化は、ノズル内での液体試料の
進退に伴う体積変化による緩和を抑制され、この緩和さ
れていない、すなわち正味の気体状態量の変化が状態量
変化検知手段によって検知される。ガス体積制御手段
は、この正味の気体状態量の変化に応じて体積の制御を
行うので、気体状態量の変化が分注量に与える影響を十
分にキャンセルすることができる。
【0020】本発明の好適な態様は、前記ガス体積制御
手段が、前記分注ポンプを動作させて前記圧力伝達ガス
の体積を制御することを特徴とするものである。
【0021】ガス体積制御手段は、分注ポンプとは別途
の体積変化手段を用いて構成することもできるが、分注
ポンプを体積変化手段として利用することにより構成が
簡単となる。
【0022】
【発明の実施の形態】[実施形態1]次に、本発明の実
施形態について図面を参照して説明する。
【0023】図1は本実施形態の分注装置の構成を示す
模式図である。この分注装置は、分注元の容器(図示せ
ず)からノズルに液体試料を吸引し、このノズルを分注
先の容器(図示せず)に移動して液体試料を吐出する。
【0024】図1において、ノズル2は、例えば、ディ
スポーザブルチップに代表されるものであり、吸引した
液体試料を吐出まで保持する分注用の容器である。図で
はノズル2が分注対象である液体試料4を吸引し、保持
している状態を示している。ノズル2は、図示しないノ
ズル移動機構によって3次元的に移動可能であり、試料
吸引位置や試料吐出位置へ移動される。また、ノズル2
は配管6を介して、分注ポンプであるシリンジポンプ8
と接続される。配管6の途中には圧力センサ10が接続
され、配管6内の圧力を測定することができる。例え
ば、この圧力センサ10には半導体圧力センサを用いる
ことができる。
【0025】シリンジポンプ8は円筒形のシリンジ12
を有し、このシリンジ12にピストン14が内挿され、
シリンジ12とピストン14によりシリンジ室16が形
成されている。そして、シリンジ12は、前述の配管6
と接続されている。ピストン14は、ピストン棒18及
びボールネジ20を介してパルスモータ22から駆動力
を受け、シリンジ12内で往復する。シリンジポンプ8
は、シリンジ室16内と配管6との間で空気を出し入れ
することにより、ノズル2に吸引吐出力を伝達する。
【0026】本装置の動作を制御する制御部24は、圧
力センサ10からの測定値を入力され、またパルスモー
タ22を駆動するモータドライバ26への制御信号を生
成、出力する。
【0027】図2は本装置の動作を説明するフロー図で
ある。制御部24は、ノズル移動機構を制御し、液体試
料が溜められた分注元容器の上方にノズル2を移動さ
せ、そして下降させる(S40)。従来と同様の液面検
出方法によりノズル2の先端が液面に達したことが検知
されると、制御部24はパルスモータ22を駆動させて
ピストン14を後退させる。このピストン14の動きに
よりシリンジ室16及び配管6内の空気の圧力が低下
し、ノズル2先端からノズル2内に液体試料が吸い上げ
られる(S42)。この液体試料の吸引量は、ピストン
14の移動距離に応じたものとなり、制御部24はパル
スモータ22へ供給される駆動パルス数に基づいてこの
吸引量を制御することができる。
【0028】所望量の液体試料4の吸引が完了すると、
ノズル移動機構が動作されノズル2が上昇される(S4
4)。制御部24はノズル2の先端が液面から離れたか
否かを監視し、離れたことを検知すると(S46)、そ
のとき圧力センサ10から出力される気圧値Pを、制
御部24内のメモリに記憶する(S48)。ノズル2は
垂直移動された後、水平移動され、分注先の容器の上方
へ移動される(S50)。
【0029】さて、ノズル2からシリンジ室16までの
空間には、シリンジポンプ8の駆動に伴う圧力変動をノ
ズル2内の液体試料4に伝達する媒体として空気(圧力
伝達エア)が存在する。吸引動作S42を行った後、ノ
ズル2を移動させ、そして吐出動作を開始するまでの吸
引・吐出動作のインターバルに、圧力伝達エアの温度が
変化することがある。それは、外気温の全体的な変動に
よる場合もあるし、吸引位置と吐出位置とでの温度環境
の相違に起因する場合もあるであろう。この圧力伝達エ
アの温度変化は、当該エアの体積を変化させようとす
る。また、圧力伝達エアを取り巻く温度環境が変化しな
くても、例えば液体試料4から水分等が蒸発したり、当
該エアに含まれていた蒸気が凝縮するといった現象によ
り、当該エアの圧力が変化し、当該エアの体積は変化し
ようとする。このように、温度変化あるいは液体試料の
蒸発等によって、シリンジポンプ8からノズル2までの
気体の体積は変化しようとする。
【0030】しかしながら、ここで、ノズル2内には液
体試料4が吸引されているために、ノズル2先端では液
体試料4の表面張力が生じ、この表面張力は、液体試料
4をノズル2先端から押し出す、あるいは内部に引き込
もうとした場合に抵抗力となる。つまり、圧力伝達エア
が体積を変化させようとしても、それがある程度の圧力
(しきい圧力と称する)以上の変動を伴う状態でなけれ
ば、液体試料4は移動せず圧力伝達エアは体積を変化さ
せることができない。しきい圧力の大きさは液体試料4
の表面張力とノズル2先端の径によって決まり、例え
ば、液体試料4が水でノズル2先端内径が0.5mmの
場合には約500〜600Pa程度の圧力となる。
【0031】すなわち、圧力伝達エアに及ぼされた上述
した温度・蒸発等による変化は、一般には気体状態量で
ある体積、圧力を変化させることができるが、それが上
述したしきい圧力を超える変動を生じさせるような状態
変化でないうちは、体積を変化させることができず、圧
力の変化として現れる。一方、さらに温度・蒸発等によ
る変化が及ぼされ、それがしきい圧力を超える変動を生
じさせるものとなると、液体試料4が移動し、圧力伝達
エアに圧力変化として蓄えられたエネルギーが体積変化
に変換される。そしてその体積変化分の液体試料4がノ
ズル2先端から飛び出す、あるいはその体積変化分だけ
液体試料4がノズル2内に引き込まれることになる。
【0032】通常の分注においては、圧力伝達エアの体
積変化が生じるほどの温度等の影響を受ける前に吐出動
作を完了している。この圧力伝達エアがしきい圧力以下
の圧力変動を被った状態での吐出動作に関しては以下の
ような現象が起こる。例えば、別溶液の中にノズル2先
端を触れさせ吐出する場合には、ノズル2先端が吐出先
の液体に触れた瞬間にノズル2先端での表面張力による
抵抗力が消失する。そのため、圧力伝達エアに蓄えられ
た圧力変動が体積の変化に変換され、吐出量の余剰ある
いは不足となって、これが分注量誤差となりうる。これ
は溶液の中にノズル2先端を触れさせずに吐出する、い
わゆる空中吐出の場合にも同様である。すなわち、空中
吐出の場合にはシリンジポンプ8により圧力伝達エアが
圧縮され、その圧力変動が前述したしきい圧力を超えた
場合に吐出が開始されるが、吐出が開始されると、シリ
ンジポンプ8の圧縮開始前にすでに温度等の影響により
圧力伝達エアに蓄えられた圧力変動が体積の変化に変換
され、これが温度等の影響を被っていない場合との吐出
量の差異、つまり分注量誤差を生じる。
【0033】本装置はステップS50に続く動作によっ
て、このような分注量誤差の抑制を図っている。制御部
24は、ノズル2を分注先容器の上方に移動させると
(S50)その時点での圧力センサ10の出力値P
取り込む(S52)。制御部24は、この現在の圧力伝
達エアの圧力レベルPと、吸引動作直後に記録した圧
力レベルPとを比較し、両者が実質的に等しい場合に
は(S54)、ノズル2を吐出位置まで下降させ(S5
6)、シリンジポンプ8を駆動して吐出動作を行う(S
58)。なお、ステップS54におけるPとPとが
実質的に等しいという判定は、例えば両者の差|P
|が所定の微小量ε未満であることに基づいて行わ
れる。
【0034】一方、ステップS54において、PとP
とが異なると判定された場合は、圧力伝達エアは上述
した温度や含有蒸気量の変化によって吸引動作S42
後、圧力変動を生じたと考えられる。そこで制御部24
は、シリンジポンプ8を駆動させて圧力伝達エアの体積
を変化させ、圧力変動をキャンセルさせた後、吐出動作
を行う。具体的には、(P−P)が正の場合には
(S60)、ピストン14を後退させる方向にシリンジ
ポンプ8が駆動される(S62)。これにより、圧力伝
達エアの存在する空間の容積が拡張され、圧力Pが低
下する。このピストン14の移動はパルスモータ22を
わずかずつ回転駆動させることによって行われ、現在の
圧力レベルPがPと実質的に等しくなるまで継続さ
れる(S52,S54)。一方、(P−P)が負の
場合には、ピストン14を前進させる方向に駆動させる
処理S64に移行する。これにより、圧力伝達エアの存
在する空間の容積が縮小され、圧力Pが上昇する。こ
の場合も、ピストン14の移動は、現在の圧力レベルP
がPと実質的に等しくなるまで継続される。
【0035】このようにPとPとが異なると判定さ
れた場合(S54)には、両者が実質的に等しくなるま
で圧力伝達エアの体積が変化され、吸引動作完了から吐
出動作開始までの吸引吐出動作のインターバルに圧力伝
達エアが被った温度変化、蒸発等による状態変化の影響
がうち消される。そして、その後に吐出動作が開始され
るので、これら温度変化等の状態変化の影響を受けるこ
となく高精度の分注動作を達成することができる。
【0036】なお、ここでは、吸引動作完了から吐出動
作開始までのインターバルにおける場合を示したが、他
の種類の吸引吐出動作インターバルにおいても、同様の
方法によって、状態変化の影響を解消することができ
る。
【0037】[実施形態2]本発明の第2の実施形態に
係る自動分注装置は、図1に示す上記実施形態の装置と
ほぼ同様の構成であるので、同一の機能を有する構成要
素については同一の符号を用いて以下説明する。本装置
が基本的に上記実施形態の装置とが相違する点は、本装
置がパルスモータ22の代わりにサーボモータを用いて
ピストン14を駆動し、通常の動作時においてはエンコ
ーダを用いてモータの回転量又は回転速度を検知してフ
ィードバック制御を行うものである点である。
【0038】図3は、本装置の制御機構の概略のブロッ
ク図である。図において、制御部80は、図1における
制御部24に対応するものである。また本装置は上述し
たようにサーボモータ82、それを制御するサーボモー
タ制御部84及びエンコーダ86を有している。
【0039】エンコーダ86により検知される回転量又
は回転速度というデジタル制御量は、DAC(Digital-
to-Analog Converter)88によりアナログ信号に変換
された後、誤差増幅器90に入力される。また制御部8
0から出力される制御量の目標値がDAC92によって
デジタル値からアナログ信号に変換され、これも誤差増
幅器90に入力される。誤差増幅器90はこれら2つの
入力の差を増幅して出力する。
【0040】さて、本装置はもう一つの誤差増幅器94
を有する。この誤差増幅器94への一つの入力は圧力セ
ンサ10の出力である。圧力センサ10の出力は増幅器
96によって増幅された後、誤差増幅器94へ入力され
る。増幅器96の出力はADC(Analog-to-Digital Co
nverter)98の入力端にも接続される。ADC98は
制御部80から指示があったタイミングにて、増幅器9
6から入力された圧力の測定値をデジタル値に変換して
メモリ100へ出力し、メモリ100はこれを格納す
る。制御部80は、吸引動作又は吐出動作が完了した時
点でADC98への指示を行い、これによりメモリ10
0には、吸引・吐出動作完了時の圧力伝達エアの圧力レ
ベルが記憶される。誤差増幅器94へのもう一つの入力
は、このメモリ100に記憶された吸引・吐出動作完了
時の圧力レベルである。なお、メモリ100に記憶され
た値はDAC102によってアナログ信号に変換された
後、誤差増幅器94へ入力される。
【0041】これら2つの誤差増幅器90,94の出力
はコントロール信号切替器104に入力され、コントロ
ール信号切替器104は制御部80の制御の下、これら
のいずれかを選択してサーボモータ制御部84へ出力す
る。
【0042】吸引又は吐出を行う通常のシリンジポンプ
8の動作においては、コントロール信号切替器104
は、誤差増幅器90の出力をサーボモータ制御部84へ
出力するように制御される。これにより、エンコーダ8
6からの回転量あるいは回転速度をフィードバック制御
して、所望の動作を行うことができる。
【0043】本装置に特徴的であるのは、吸引・吐出動
作のインターバルにおいてコントロール信号切替器10
4が誤差増幅器94の出力をサーボモータ制御部84へ
出力させるように切り替えられる点である。例えば、吸
引動作完了から吐出動作開始までのインターバルにおい
ては、サーボモータ制御部84は圧力センサ10によっ
て検知される現在の圧力レベルPがメモリ100に記
憶された吸引動作完了時の圧力レベルPに保たれるよ
うに、サーボモータ82を制御する。すなわち、本装置
は、吸引・吐出動作のインターバルにおいて、フィード
バック制御の対象を通常の回転量あるいは回転速度か
ら、圧力信号に切り替える。これにより、当該インター
バルにおいて、圧力レベルが例えば吸引動作直後のレベ
ルに常に一定に保つように制御される。そして、吐出動
作を開始する直前にコントロール信号切替器104を誤
差増幅器90側に切り替え、エンコーダ86による通常
のフィードバック制御の下で吐出動作が行われる。本装
置ではこのような制御によって、いつ吐出動作を始める
こととしても、それまでの温度変化や蒸気量の変動に起
因する圧力伝達エアの状態変化がキャンセルされてい
る。そして、この温度等の影響がキャンセルされた状態
で吐出動作を行うことにより、高精度の分注量の制御が
実現される。
【0044】
【発明の効果】本発明の分注装置によれば、吸引及び吐
出動作の停止期間に圧力伝達ガスに生じ得る温度変化等
の状態変化が、その体積を制御することによってキャン
セルされ、その上で次の吸引又は吐出動作が行われる。
よって、環境温度変化の激しい使用条件下にて分注を行
う場合や、蒸発量の多い揮発性の液状試料を分注する場
合にも、安定して精度の高い分注量の制御が可能となる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る分注装置の構成を示す
模式図である。
【図2】 第1の実施形態に係る分注装置の動作を説明
するフロー図である。
【図3】 第2の実施形態に係る分注装置の制御機構の
概略のブロック図である。
【符号の説明】
2 ノズル、6 配管、8 シリンジポンプ、10 圧
力センサ、22 パルスモータ、24,80 制御部、
26 モータドライバ、82 サーボモータ、84 サ
ーボモータ制御部、86 エンコーダ、90,94 誤
差増幅器、100 メモリ、104 コントロール信号
切替器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分注ポンプで発生する吸引力又は吐出力
    を圧力伝達ガスを介してノズルに及ぼし、液体試料を吸
    引又は吐出する分注装置において、 前記液体試料を前記ノズルに保持した状態での前記圧力
    伝達ガスの気体状態量の変化を検知する状態量変化検知
    手段と、 前記気体状態量の変化に応じて前記圧力伝達ガスの体積
    を制御するガス体積制御手段と、 を有することを特徴とする分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分注装置において、 前記ガス体積制御手段は、吸引及び吐出動作の停止期間
    において前記気体状態量を一定に保つように前記体積を
    フィードバック制御することを特徴とする分注装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の分注装置において、 前記状態量変化検知手段は、 吸引及び吐出動作の停止時の気体状態量を記憶する状態
    量記憶手段と、 次の吸引又は吐出動作の開始に際し、現時点での気体状
    態量と前記状態量記憶手段に記憶された気体状態量との
    差異を検知する状態量比較手段と、 を有し、 前記ガス体積制御手段は、吸引又は吐出動作の開始前
    に、前記状態量比較手段により検知された気体状態量の
    差異を解消するように前記圧力伝達ガスの体積を制御す
    ること、 を特徴とする分注装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の分注装置において、 前記状態量変化検知手段は、少なくとも前記圧力伝達ガ
    スの圧力を前記気体状態量として検知することを特徴と
    する分注装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の分注装置において、 前記状態量変化検知手段は、前記ノズルが液体試料液面
    から離れている状態での気体状態量の変化を検知するこ
    とを特徴とする分注装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の分注装置において、 前記ガス体積制御手段は、前記分注ポンプを動作させて
    前記圧力伝達ガスの体積を制御することを特徴とする分
    注装置。
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