JP2002372443A - 質量流量測定方法および質量流量制御装置 - Google Patents
質量流量測定方法および質量流量制御装置Info
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Abstract
おいて、多種のガス種で実質量流量を精度よく効率的に
算出する。 【解決手段】多種のガス種を、たとえばA〜Dの5分類
に区分し、各分類毎に代表的な流出係数Cda〜Cde
を予め決めておく。あるガスにおける音速ノズルの上流
側圧力と温度とを検出したとき、理論質量流量Qthを
計算する。理論出力流量Qthが計算されたとき、ガス
の分類A〜Eに対応して、メモリに記録されている理論
質量流量・流出係数対応テーブル52を参照し、所望の
流出係数Cd(Cda〜Cde中の1つ)を選択する。
流出係数Cdを選択したとき、実質量流量QtrをQt
r=Cd×Qthで求める。このように分類しておくこ
とで、ガスの種類が異なっても増加しても、実質量流量
Qtrを、少ないメモリ容量で測定することができる。
Description
て動作するオリフィスを用いた質量流量測定方法および
質量流量制御装置に関する。
いて、流体が気体(ガス)の場合、特に微小流量の計測
が難しい。すなわち、各状態量から算出した理論質量流
量(以下、Qthという。)と実質量流量(以下、Qt
rという。)との間に差異が生じる。
17号公報に開示された従来技術に係る質量流量制御装
置では、Qtr=Qth×Cdとするための流出係数C
dを予め対応テーブルCd=f(Rth)として求めて
おく。なお、Rthは、理論レイノルズ数である。
温度とを検出することで、理論レイノルズ数Rthと理
論質量流量Qthを計算し、該理論レイノルズ数Rth
に対応する流出係数Cdを前記対応テーブルを参照して
求め、前記式Qtr=Qth×Cdから実質量流量を求
めるようにしている。
発明者は、気体の種類により流出係数Cdの値が異なる
ことを見いだした。
御装置で、複数の気体の種類に対応した質量流量制御を
行おうとする場合、予め複数の気体の種類毎の上記流出
係数Cdの対応テーブルをメモリに格納しておくことが
必要になるが、これにより、対応テーブル格納用のメモ
リ容量が大きくなるという問題がある。
温度を測定する際に、流路中の気体に直接接触するよう
に温度検出素子を配置しているが、気体の種類によって
は、この温度検出素子が腐食されて不良となる可能性が
あり、結果として質量流量制御装置が使用不能になると
いう問題もある。また、流路中に、温度検出素子を配置
した場合には、気体の流れが乱されてしまうという問題
もある。
れたものであり、気体の種類が増えても、対応テーブル
格納用のメモリ容量がそれほど増加することのない質量
流量測定方法および質量流量制御装置を提供することを
目的とする。
懸念が払拭されるとともに、流路中の気体の流れを乱す
ことのない質量流量制御装置を提供することを目的とす
る。
方法は、断面積が既知の音速ノズルが直列に接続された
流路を流れる気体の実質量流量を測定する質量流量測定
方法において、予め、理論質量流量に対する、気体の物
性値により分類された複数の流出係数の対応関係を求め
るステップと、前記流路を流れる気体の実質量流量を測
定しようとする際に、前記音速ノズルの上流側の気体の
圧力および温度を測定するステップと、前記流路を流れ
る気体の物性値と前記測定した圧力および温度に基づい
て、理論質量流量を求めるステップと、求めた理論質量
流量と前記流路に流れる気体の物性値による分類をパラ
メータとして前記対応関係を参照し、流出係数を求める
ステップと、求めた流出係数と前記理論質量流量との積
により実質量流量を求めるステップとを有することを特
徴とする(請求項1記載の発明)。
対する、気体の物性値により分類された複数の流出係数
の対応関係を求めるようにしているので、気体の物性値
が近似する気体の種類では、同一の対応関係を使用する
ことが可能となり、気体の種類が増加しても、実質量流
量を求めるために必要な対応テーブル格納用のメモリ容
量をそれほど増加させる必要がない。
体供給源から圧力可変手段を介して供給される気体を被
供給側に供給する流路中に断面積が既知のオリフィスを
介在させるとともに、前記オリフィスの上流側に上流側
圧力検出手段と気体温度検出手段とが配され、前記オリ
フィスの下流側に下流側圧力検出手段が配された流量制
御装置において、予め求められている、理論質量流量に
対する、気体の物性値により分類された複数の流出係数
の対応関係を記憶する記憶手段と、気体の種類と、目標
質量流量と、前記各検出手段で検出される上流側圧力、
気体温度、下流側圧力とに基づき前記圧力可変手段を可
変して、前記流路を流れる気体の実質量流量が、前記目
標質量流量になるように制御する制御手段とを備え、前
記制御手段は、前記気体の種類と目標質量流量が与えら
れたとき、前記オリフィスが臨界圧力比以下で動作して
いることを確認した後、理論質量流量を求め、求めた理
論質量流量と前記流路に流れる気体の物性値による分類
をパラメータとして前記記憶手段中の前記対応関係を参
照し流出係数を求め、求めた流出係数と求めた理論質量
流量との積により実質量流量を求め、該求めた実質量流
量が前記目標質量流量となるように前記圧力可変手段を
フィードバック制御することを特徴とする(請求項2記
載の発明)。
められている、理論質量流量に対する、気体の物性値に
より分類された複数の流出係数の対応関係を記憶するよ
うにしているので、気体の物性値が近似する気体の種類
では、同一の対応関係を使用することが可能となり、気
体の種類が増加しても、実質量流量を求めるために必要
な対応テーブル格納用のメモリ容量をそれほど増加させ
る必要がない。
に前記流路の一部が設けられた金属構造体の表面温度を
検出するように構成されることで、直接流体の温度を検
出する必要がなくなり、温度検出手段を構成する温度検
出素子の腐食の懸念が払拭されるとともに、温度検出に
あたり流路中の気体の流れを乱す懸念が一掃される。
ついて図面を参照して説明する。
量流量測定方法が実施される質量流量制御装置10の概
略的な構成を示している。
あり音速ノズルとして動作するオリフィス12が介在さ
れた流路14を有している。この実施の形態でのオリフ
ィス12は、100[cc/min]用のオリフィスで
あり、その径は0.18mmものを使用している。
圧力可変手段としての制御バルブ16が配され、制御バ
ルブ16の上流側は、入力ポート18を介して気体供給
源20に連通されている。
力ポート22を介して真空ポンプ24に連通されてい
る。
には、上流側圧力Puを検出する上流側圧力検出手段と
しての圧力センサ26と、気体温度Tを検出する気体温
度検出手段としての温度センサ28が配され、圧力セン
サ26と温度センサ28の出力は、制御手段であるマイ
クロコンピュータ30に供給されている。
4には、下流側圧力Pdを検出する下流側圧力検出手段
としての圧力センサ32が配され、この圧力センサ32
の出力も、マイクロコンピュータ30に供給されてい
る。
り、CPU(中央処理装置)34、メモリである記憶手
段としてのROM(EEPROMも含む。)36、RA
M(ランダムアクセスメモリ)38、A/D変換器、D
/A変換器、I/O等を有するインタフェース40、そ
の他、計時手段としてのタイマ等を有しており、制御
部、演算部、処理部等として機能する。
および温度センサ28の出力は、マイクロコンピュータ
30のインタフェース40中、A/D変換器を通じてデ
ジタルデータとして上流側圧力Pu、下流側圧力Pdお
よび気体温度TとされRAM38に格納される。
の種類や目標質量流量(以下、Qtaという。)を入力
・設定する設定入力部42が接続されている。
気体の種類、目標質量流量Qta、および検出された上
流側圧力Pu、気体温度Tおよび下流側圧力Pdに基づ
き、後述する所定の処理を行う。そして、その処理結果
によりインタフェース40を構成するD/A変換器およ
びドライバ44を介して制御バルブ16の開度を可変
し、流路14を流れる気体の実質量流量Qtrが、目標
質量流量Qtaになるように制御する。
ラムの他、図2に示す気体種類・物性値・分類対応テー
ブル50および図3に示す理論質量流量・流出係数対応
テーブル52が予め更新可能に記録されている。
ル50には、気体の種類として、空気(AIR)、窒素
(N2)、アルゴン(Ar)、四フッ化エチレン(C
F4)等と、それぞれ物性値としての比熱比k(定圧比
熱と定積比熱との比)と、図3に示す理論質量流量・流
出係数対応テーブル52の分類A、B、C、D、Eとの
対応関係を示す分類α(α=A〜D・・・)が記憶され
ている。
テーブル52には、クラス分けである分類α(α=A〜
・・・)と、その各分類A、B、C、D、Eの代表特性
である流出係数Cda〜Cdeの特性が記憶(登録)さ
れている。分類αと流出係数Cda〜Cdeは、近似式
で記憶しておくことも可能である。なお、この実施の形
態では、クラス分けである分類αを5分類としている
が、用途に応じて増減することができる。また、代表特
性である流出係数Cda〜Cdeは、各分類A〜Eの中
央値に沿う曲線としている。
テーブル50および図3の理論質量流量・流出係数対応
テーブル52の作成方法、換言すれば、断面積が既知の
音速ノズルとして動作するオリフィス12が直列に接続
された流路14を流れる気体の物性値により分類された
複数の流出係数Cdの理論質量流量Qthに対する対応
関係を求めるステップ、について説明する。
対象の気体供給源20と入力ポート18との間に直列に
流量制御器(Mass Flow Controller)60と流量計(Ma
ssFlow Meter)62とを接続する。
0にて、測定範囲での流量を順次設定する。たとえば、
10%、20%、30%、・・・80%、90%、10
0%の流量を順次設定する。
R、窒素N2、アルゴンAr、四フッ化エチレンCF4、
二酸化炭素CO2等である。
流量計62の値が安定したとき、次の状態量を測定す
る。
trと、圧力センサ26による上流側圧力Puと、温度
センサ28による上流側の気体温度Tと、圧力センサ3
2による下流側圧力Pdとを測定する。
おける理論質量流量Qthを以下の(1)式により計算
する。
k:比熱比、R:ガス定数[J/kg・K]である。
次の(2)式に示すように、流量計62で測定した実質
量流量Qtrを理論質量流量Qthで割った値として計
算する。
めた複数の気体についての理論質量流量Qthと流出係
数Cdとの特性例を示している。
4が分類Aに区分され、空気AIRと窒素気体N2とが分
類Cに区分され、アルゴンガスArが分類Dに区分され
ていることが分かる。このようにして、求められた流出
係数Cdおよび分類αから図2に示す気体種類・物性値
・分類対応テーブル50および理論質量流量・流出係数
対応テーブル52が作成され、ROM36中に記憶され
る。なお、比熱比kは、気体の種類が分かれば既知であ
る。
図6に示すアプリケーションプログラムに係るフローチ
ャートに基づいて詳しく説明する。なお、特に断らない
限り、制御主体はCPU34であるが、これをその都度
参照するのは煩雑になるので、必要に応じて参照する。
から流量を制御しようとする気体の種類を入力するとと
もに、目標質量流量Qtaを入力することで、RAM3
8中の所定領域に記憶される。
ドライバ44を介して制御バルブ16の開度を目標質量
流量Qta近傍の値に設定する。これにより、設定入力
部42により設定された気体が、気体供給源20から質
量流量制御装置10内の入力ポート18に供給される。
は、入力ポート18、制御バルブ16、上流側流路1
4、オリフィス12を介して下流側流路14に供給さ
れ、出力ポート22を介して質量流量制御装置10の出
力側に配置されている真空ポンプ24に供給される。
6、32で監視している上流側圧力Puおよび下流側圧
力Pdが安定していることを条件に、各圧力センサ2
6、32および温度センサ28により上流側圧力Pu、
下流側圧力Pdおよび上流側の気体温度Tを測定してR
AM38に記憶する。
量流量制御装置10が正常に動作しているかどうかを確
認するため)、下流側圧力Pdを上流側圧力Puで割っ
た値が臨界圧力比以下であるかどうかを確認し、臨界圧
力比以下であることを条件に、すなわち、オリフィス1
2が音速ノズルとして動作していることを条件に、上記
(1)式(予めROM36に格納されている。)により
理論質量流量Qthを算出する。なお、(1)式中の比
熱比kは、ステップS1で設定入力された気体の種類に
より気体種類・物性値・分類対応テーブル50を参照す
ることで分かり、さらにガス定数Rは予めROM36に
格納しておいたものを使用できる。
質量流量Qthと流路14に流れる気体の物性値による
分類α(この場合、分類αは設定入力された気体の種類
から気体種類・物性値・分類対応テーブル50を参照す
ることで分かる。)をパラメータとして、図3に示した
理論質量流量・流出係数対応テーブル52を参照するこ
とにより、5個の流出係数Cda〜Cdeの特性の中、
対応する流出係数Cdの特性から計算で求めた理論質量
流量Qthに対応する流出係数Cdの値を求めることが
できる。すなわち、たとえば気体の種類が分類Aと区分
された場合には、流出係数Cdaの特性が参照され、横
軸の理論質量流量Qthに対応する縦軸の流出係数Cd
の値が導出される。
流量Qthとから(2)式を変形した下記の(3)式に
より、すなわち、流出係数Cdと理論質量流量Qthの
積により流路14を流れる現在の実質量流量Qtrを求
める。
質量流量Qtrが目標質量流量Qtaに一致しているか
どうかが判断され、一致していない場合には、一致する
まで、ステップS2〜S6における制御バルブ16の調
節以降の処理が実行される。
した後には、一定時間毎にステップS7の判断処理がな
され、実質量流量Qtrが目標質量流量Qtaに一致す
るように監視され、ずれてきた場合には、ステップS2
以降の処理が実行される。
3に示すように、予め、理論質量流量Qthに対する、
気体の物性値(たとえば、比熱比k)により分類(α:
この実施の形態ではA〜Eの5分類)された複数の流出
係数Cda〜Cdeの対応関係を求めるようにしている
ので、気体の物性値が近似する気体の種類では、同一の
対応関係を使用することが可能となり、気体の種類が増
加しても、どの分類に入る気体であるかどうかを図2に
示す気体種類・物性値・分類対応テーブル50の分類欄
に記憶すればよく、その増加した気体に対応する新たな
流出係数Cdの特性を持つ必要がない。このため、実質
量流量Qtrを求めるために必要な対応テーブル格納用
のメモリ容量をそれほど増加させる必要がない。
質量流量制御装置10Aの構成を示している。この質量
流量制御装置10Aでは、図1に示す質量流量制御装置
10に比較して、オリフィス12の上流側の流路14の
一部をステンレス等のブロックによる金属構造体54で
形成している点が異なる。
伝導性が良いので、一旦、温度が平衡状態になった後、
その表面の温度は、金属構造体54中に形成された流路
14を流れる気体の温度に等しい温度となる。
28により金属構造体54の表面温度を検出するように
構成することで、気体の温度を測定することが可能とな
る。
り、直接、流体である気体の温度を検出する必要がなく
なることから、温度センサ28を構成する温度検出素子
の腐食の懸念が払拭されるとともに、温度検出にあたり
流路14中の気体の流れを乱す懸念が一掃されるという
効果が達成される。
らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成
を採り得ることはもちろんである。
ば、気体の種類が異なっても、実質量流量を、少ないメ
モリ容量で測定することができるという効果が達成され
る。
とで、様々な気体の種類において、実質量流量を一定精
度でかつ効率よく算出することができる。
の気体であっても、温度検出手段を構成する温度検出素
子が腐食されることがなく、また、流路中の気体の流れ
を乱すことのない質量流量制御装置が得られる。
図である。
す説明図である。
である。
る際に使用される装置のブロック図である。
ある。
ク図である。
流量 Qtr…実質量流量 T…気体温度
Claims (3)
- 【請求項1】断面積が既知の音速ノズルが直列に接続さ
れた流路を流れる気体の実質量流量を測定する質量流量
測定方法において、 予め、理論質量流量に対する、気体の物性値により分類
された複数の流出係数の対応関係を求めるステップと、 前記流路を流れる気体の実質量流量を測定しようとする
際に、前記音速ノズルの上流側の気体の圧力および温度
を測定するステップと、 前記流路を流れる気体の物性値と前記測定した圧力およ
び温度に基づいて、理論質量流量を求めるステップと、 求めた理論質量流量と前記流路に流れる気体の物性値に
よる分類をパラメータとして前記対応関係を参照し、流
出係数を求めるステップと、 求めた流出係数と前記理論質量流量との積により実質量
流量を求めるステップとを有することを特徴とする質量
流量測定方法。 - 【請求項2】気体供給源から圧力可変手段を介して供給
される気体を被供給側に供給する流路中に断面積が既知
のオリフィスを介在させるとともに、前記オリフィスの
上流側に上流側圧力検出手段と気体温度検出手段とが配
され、前記オリフィスの下流側に下流側圧力検出手段が
配された質量流量制御装置において、 予め求められている、理論質量流量に対する、気体の物
性値により分類された複数の流出係数の対応関係を記憶
する記憶手段と、 気体の種類と、目標質量流量と、前記各検出手段で検出
される上流側圧力、気体温度、下流側圧力とに基づき前
記圧力可変手段を可変し、前記流路を流れる気体の実質
量流量が前記目標質量流量になるように制御する制御手
段とを備え、 前記制御手段は、前記気体の種類と目標質量流量が与え
られたとき、前記オリフィスが臨界圧力比以下で動作し
ていることを確認した後、理論質量流量を求め、求めた
理論質量流量と前記流路に流れる気体の物性値による分
類をパラメータとして前記記憶手段中の前記対応関係を
参照し流出係数を求め、求めた流出係数と求めた理論質
量流量との積により実質量流量を求め、該求めた実質量
流量が前記目標質量流量となるように前記圧力可変手段
をフィードバック制御することを特徴とする質量流量制
御装置。 - 【請求項3】請求項2記載の流量制御装置において、 前記気体温度検出手段は、内部に前記流路の一部が設け
られた金属構造体の表面温度を検出する構成とされてい
ることを特徴とする質量流量制御装置。
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