JP2002371047A - 2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法 - Google Patents

2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法

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JP2002371047A
JP2002371047A JP2001175713A JP2001175713A JP2002371047A JP 2002371047 A JP2002371047 A JP 2002371047A JP 2001175713 A JP2001175713 A JP 2001175713A JP 2001175713 A JP2001175713 A JP 2001175713A JP 2002371047 A JP2002371047 A JP 2002371047A
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信 齋藤
Yoshio Fujiwara
嘉夫 藤原
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喜昭 御代田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の置換基を有する種々の炭素数の2−ヒ
ドロキシニトリル類に適用可能であり、その何れの場合
においても高い収率をもって2−ヒドロキシカルボン酸
アミドを製造できる水和方法の提供。 【解決手段】 一般式(1): R1−CR2(OH)−CN ・・・・・・(1) (ただしR1、R2は、個々に水素、炭素数1〜10の脂
肪族炭化水素基または芳香族基を表す。)で示される2
−ヒドロキシニトリルと硫酸との反応を、反応中の水分
を20質量%以下、かつ温度を80℃以下で行うことを
特徴とする一般式(2): R1−CR2(OH)−CONH2 ・・・・・・(2) (ただしR1およびR2は上記と同じ。)で示される2−
ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−ヒドロキシニ
トリルを硫酸の存在下に加水反応をおこない、医・農薬
合成用原料、あるいは写真薬原料中間物質として有用な
2−ヒドロキシカルボン酸アミド、特に2−ヒドロキシ
へキサノニトリルより2−ヒドロキシヘキサン酸アミド
を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−ヒドロシカルボン酸アミド類の製造
方法は、アセトンシアンヒドリンから2−ヒドロキシメ
タクリル酸アミドの製造に代表される様に、 硫酸による水和反応(特開昭61−277651号公
報、特開昭60−184046号公報)、 二酸化マンガンによる水和反応(特開平11−279
120号公報、特開平11−319558号公報)、 過酸化水素と塩基による水和反応(特開昭49−11
828号公報、特開昭62−178555号公報)など
において検討されている。 硫酸による水和反応においても、アセトンシアンヒド
リンを原料としたメタアクリル酸誘導体の製造に関する
検討が殆どであり、2−ヒドロキシイソ酪酸アミドに代
表される2−ヒドロキシカルボン酸アミド類の取得を目
的とした工業的製法としては、工業的実施レベルにおい
て不十分であり一般性に欠けている。
【0003】特に炭素数5以上の2−ヒドロキシカルボ
ン酸アミドは水に難溶性または水不溶性であり、さらに
得られる2−ヒドロキシカルボン酸アミドは結晶として
晶出しやすく、不均一系触媒を使用して反応する場合に
は、触媒の破砕、粉化、摩耗等が避けられず、またスラ
リーとして用いたときには、晶出する結晶とともに沈降
などによる装置の閉塞の問題などがありその対応が困難
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、種々の置換
基を有していても良い種々の炭素数の2−ヒドロキシニ
トリル類に適用可能であり、その何れの場合においても
高い収率をもって2−ヒドロキシカルボン酸アミドを製
造できる水和方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
[1] 一般式(1)
【化4】 (ただしR1、R2は、個々に水素、炭素数1〜10の脂
肪族炭化水素基または芳香族基を表す。)で示される2
−ヒドロキシニトリルと硫酸との反応を、反応中の水分
を20質量%以下、かつ温度を80℃以下で行うことを
特徴とする一般式(2)
【化5】 (ただしR1およびR2は上記と同じ。)で示される2−
ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法、
【0006】[2] 2−ヒドロキシニトリルと硫酸の
配合比を2−ヒドロキシニトリル1モルに対し、硫酸
1.5〜5モルである上記[1]に記載の2−ヒドロキ
シカルボン酸アミドの製造方法、[3] 2−ヒドロキ
シニトリルと硫酸との反応を、反応系に不活性な沸点、
30〜70℃の有機溶媒を存在させて行う上記[1]ま
たは[2]に記載の2−ヒドロキシカルボン酸アミドの
製造方法、[4] 2−ヒドロキシニトリルと硫酸との
反応を、反応系に2−ヒドロキシニトリル1モルに対し
5モル以下の水の存在下で行う上記[1]または[2]
に記載の2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法、
【0007】[5] 2−ヒドロキシニトリルと硫酸を
反応させて得られた一般式(3)
【化6】 (ただしR1およびR2は上記と同じ。)で示される2−
ヒドロキシスルホニルオキシカルボン酸アミドを含む反
応液に、50℃以下の温度でアルコールを添加して加ア
ルコール分解する事からなる上記[1]〜[4]のいず
れかに記載の2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方
法、[6] アルコールの添加量が、2−ヒドロキシス
ルホニルオキシカルボン酸アミド1モルに対し、1〜1
0モルである上記[5]に記載の2−ヒドロキシカルボ
ン酸アミドの製造方法、[7] 2−ヒドロキシスルホ
ニルオキシカルボン酸アミドを含む反応液に、アルコー
ルを添加して加アルコール分解するに際し、pH7以下
で行う上記[5]または[6]に記載の2−ヒドロキシ
カルボン酸アミドの製造方法、[8] アルコールがメ
チルアルコールである上記[5]〜[7]のいずれかに
記載の2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法、
【0008】[9] 2−ヒドロキシニトリルと硫酸を
反応させて得られた一般式(3)で示される2−ヒドロ
キシスルホニルオキシカルボン酸アミドを含む反応液
に、70℃以下の温度で水を添加して加水分解する事か
らなる上記[1]〜[4]のいずれかに記載の2−ヒド
ロキシカルボン酸アミドの製造方法、[10] 2−ヒ
ドロキシスルホニルオキシカルボン酸アミドを含む反応
液に、水を添加して加水分解するに際し、pH3以下で
行う上記[9]に記載の2−ヒドロキシカルボン酸アミ
ドの製造方法、[11] 水の添加量が、2−ヒドロキ
シスルホニルオキシカルボン酸アミド1モルに対し、1
〜50モルである上記[8]に記載の2−ヒドロキシカ
ルボン酸アミドの製造方法、
【0009】[12] 2−ヒドロキシニトリルと硫酸
を反応させて得られた一般式(3)で示される2−ヒド
ロキシスルホニルオキシカルボン酸アミドを含む反応液
に、アルコールまたは水を添加して2−ヒドロキシカル
ボン酸アミドとした後、該反応液をpH5〜8に中和
し、2−ヒドロキシカルボン酸アミドを分離することを
特徴とする2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方
法、[13] 2−ヒドロキシスルホニルオキシカルボ
ン酸アミドを2−ヒドロキシカルボン酸アミドとした
後、該反応液をpH5〜8に中和するに際し60℃以下
の温度で行う上記[12]に記載の2−ヒドロキシカル
ボン酸アミドの製造方法、[14] 2−ヒドロキシニ
トリルが2−ヒドロキシヘキサノニトリルであり、2−
ヒドロキシカルボン酸アミドが2−ヒドロキシヘキサン
酸アミドである上記[1]〜[13]のいずれかに記載
の2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの製造方法、[1
5] 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫酸の配合比
を2−ヒドロキシヘキサノニトリル1モルに対し、硫酸
1.5〜5モルである上記[14]に記載の2−ヒドロ
キシヘキサン酸アミドの製造方法、[16] 2−ヒド
ロキシヘキサノニトリルと硫酸を反応に際して、沸点が
30〜70℃の反応系に不活性な有機溶媒を添加して行
う上記[14]14または[15]に記載の2−ヒドロ
キシヘキサン酸アミドの製造方法、
【0010】[17] 2−ヒドロキシヘキサノニトリ
ルと硫酸を反応させて得られた2−ヒドロキシスルホニ
ルオキシヘキサン酸アミドを含む反応液に、50℃以下
の温度でアルコールを添加して加アルコール分解する事
からなる上記[14]〜[16]のいずれかに記載の2
−ヒドロキシヘキサン酸アミドの製造方法、[18]
2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫酸を反応させて得
られた2−ヒドロキシスルホニルオキシヘキサン酸アミ
ドを含む反応液にアルコールを添加するに際し、pHを
7以下に調整して行う上記[17]に記載の2−ヒドロ
キシヘキサン酸アミドの製造方法、[19] アルコー
ルの添加量が、2−ヒドロキシスルホニルオキシヘキサ
ン酸アミド1モルに対し、1〜10モルである上記[1
7]または[18]に記載の2−ヒドロキシヘキサン酸
アミドの製造方法、
【0011】[20] 2−ヒドロキシヘキサノニトリ
ルと硫酸を反応させて得られた2−ヒドロキシスルホニ
ルオキシヘキサン酸アミドを含む反応液に、70℃以下
の温度で水を添加して加水分解する事からなる上記[1
4]〜[16]のいずれかに記載の2−ヒドロキシヘキ
サン酸アミドの製造方法、[21] 水の添加量が、2
−ヒドロキシスルホニルオキシカルボン酸アミド1モル
に対し、1〜50モルである上記[20]に記載の2−
ヒドロキシヘキサン酸アミドの製造方法、および[2
2] 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫酸を反応さ
せて得られた2−ヒドロキシスルホニルオキシヘキサン
酸アミドを含む反応液にアルコールまたは水を添加する
に際し、pHを3以下に調整して行う[19]〜[2
1]のいづれかに記載の2−ヒドロキシヘキサン酸アミ
ドの製造方法、を開発することにより上記の目的を達成
した。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細について説明す
る。2−ヒドロキシカルボン酸アミドは、アルデヒドあ
るいはケトンから合成できる2−ヒドロキシニトリルと
硫酸の反応により製造可能である。この2−ヒドロキシ
ニトリルは、カルボニル化合物と青酸とから合成したも
のを精製などせずにそのまま使用することができる。2
−ヒドロキシニトリルと硫酸の混合は80℃以下で行う
のが良く、好ましくは、20℃〜65℃にて行うのが良
い。この温度以上では、分解や重合などの副反応により
収率が低下する。一方20℃以下、特に5℃以下では副
反応の問題はないが反応速度が遅く実用的でない。この
反応は強い発熱反応であり、反応系を冷却しながら、さ
らには原料の滴下速度を調整する事により反応温度を所
定の範囲内に保持する必要がある。
【0013】2−ヒドロキシニトリルと硫酸の配合比は
1:0.1〜5(モル)、好ましくは、1:1.5〜4
の範囲である。特に2−ヒドロキシヘキサノニトリルと
硫酸の反応では、1:2〜4の範囲が好ましい。硫酸の
配合比がこれより少ない場合、反応が円滑に進行せずま
た反応液の粘度が極端に高くなり、場合によっては固形
状となることもある。一方、硫酸の配合比がこれより大
きい場合は反応の進行には問題がないが、硫酸の原単位
が悪化し、さらに中和に要する塩基量の増加および排水
中の塩類の増加などが生じてコスト並びに環境対策上好
ましくない。
【0014】バッチ式の場合、原料の添加順序に規定は
無いが、通常は硫酸に2−ヒドロキシニトリルを滴下す
るのが良い。低級カルボン酸の2−ヒドロキシニトリル
の場合にはさほど問題はないが、炭素数5以上の2−ヒ
ドロキシニトリルの場合には、2−ヒドロキシニトリル
の滴下に従い、反応液の粘度が上昇し撹拌が困難となる
場合がある。かかる場合には反応に関与しない有機溶媒
や少量の水の添加あるいは硫酸の使用量を増加させるこ
とによって粘度を低下させ、発生する熱の除去や攪拌条
件を改善することができる。硫酸と2−ヒドロキシニト
リルとの反応では大きな発熱を伴うが、硫酸と2−ヒド
ロキシニトリルとの混合が十分でない場合、局部的な発
熱による高温のために転化率の悪化あるいは局部的な急
激な反応により発熱して重合する場合があるので冷却、
攪拌による温度上昇を防止することが必要である。
【0015】このような粘度上昇の抑制や局部加熱を避
けるために使用する有機溶媒として、ペンタン、ヘキサ
ンなどの炭化水素化合物やその他ジクロロメタン(塩化
メチレン)、クロロホルム、ジエチルエーテルなどに代
表される、沸点が30〜70℃位の反応系に不活性な有
機溶媒を使用する。またこの温度範囲より沸点が高い有
機溶媒、例えばシクロヘキサンあるいは四塩化炭素、ジ
クロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化
水素などであっても、減圧下に反応を行うことにより同
様に使用できる。有機溶媒の使用により反応液の粘度が
低下して攪拌が容易となり反応が均一に行われ、またリ
フラックスクーラーを使用することにより蒸発潜熱によ
る反応熱の除熱がスムーズになり、局部的な高温による
副反応、例えば熱による重合などを防ぐことが可能とな
る。有機溶媒による除熱では還流装置の付属した反応装
置を使用するのが普通である。
【0016】反応時間は、原料の添加速度、反応温度な
どにより変わるが、通常は1時間程度で完了する。この
場合、ニトリル基の2位炭素上の置換基が硫酸にアタッ
クされ難いときは、さらに1〜2時間程度の熟成を行う
のが良い。ニトリル基の2位炭素上の置換基が硫酸と反
応性がある場合には、熟成をすることなく次工程に使用
することが好ましい。
【0017】反応液の粘度調整に少量の水を使用する場
合、添加する水の量は2−ヒドロキシニトリル類の1モ
ルに対して0.01〜5モル程度(ただし、反応系の2
0質量%を超えてはならない。)が良く、好ましくは、
0.1〜3モルである。5モル以上では、2−ヒドロキ
シニトリルの転化率が上がらず、更に生成した2−ヒド
ロキシカルボン酸アミドの加水分解が進行する。
【0018】連続式の場合、2−ヒドロキシニトリルと
硫酸の混合状態が重要であり攪拌機の備わったラインミ
キサーの使用などが好ましい。バッチ式の場合と同様、
反応に関与しない有機溶媒の添加や硫酸の使用量を増加
させるなどによって混合状態を改善することができる。
反応器内の滞留時間は、0.1〜2時間程度が良く、循
環式にすることも可能である。反応温度のコントロール
は、冷却ジャケット付反応器、2重管もしくは多管式反
応器とし、熱交換による除熱あるいはフィード量の調節
により温度コントロールを行っても良い。
【0019】硫酸と2−ヒドロキシニトリルの反応は、
中間体として2−ヒドロキシスルホニルオキシカルボン
酸アミドを経由するルートが存在している。この反応液
から2−ヒドロキシアミド類を得るためには、2−ヒド
ロキシスルホニルオキシカルボン酸アミドからヒドロキ
シスルホニルオキシ基の除去が必要である。ヒドロキシ
スルホニルオキシ基の除去は、(イ)アルコールなどに
よる加アルコール分解、(ロ)水による加水分解により
行うことができる。
【0020】加アルコール分解は、2−ヒドロキシニト
リルと硫酸を反応させ、2−ヒドロキシスルホニルオキ
シカルボン酸アミドを含有する反応液にアルコールを添
加することでヒドロキシスルホニルオキシ基が除かれ2
−ヒドロキシカルボン酸アミドに添加できる。この場合
使用するアルコールとしては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコールなど炭素数1〜8までのアル
コールが良く、直鎖状構造、分枝状構造に関わらず使用
可能である。
【0021】しかし、加アルコール分解終了後、アルコ
ールのリサイクルなどを考慮すると、アルコールの留去
の容易性、コストなどの面から、炭素数1〜3のアルコ
ールの使用が適している。用いるアルコールは80%程
度の純度でも良いが、生成する2−ヒドロキシカルボン
酸アミドの分解を抑制するために95%以上の純度であ
ることが好ましい。原因は不明であるがアルコールの共
存下においては、水は2−ヒドロキシカルボン酸アミド
を良く分解するのでできるだけ少ないほうが良く、アル
コールに含まれる水は、好ましくは5%以下とするのが
良い。
【0022】加アルコール分解に用いるアルコールの使
用量は、2−ヒドロキシニトリル1モルに対して約1〜
10モル、好ましくは2〜8モルである。2−ヒドロキ
シスルホニルオキシカルボン酸アミドとアルコールの反
応は発熱を伴う反応であり、副反応による収率の低下を
防ぐために80℃以下、pH7以下で行う。好ましく
は、15〜50℃、pH5以下である。添加方式は、一
括投入でも分割投入でも良いが、反応温度を調整するた
めにフィード速度をコントロールするのが良い。
【0023】アルコールによるヒドロキシスルホニルオ
キシ基の除去は、反応器の冷却容量、原料の添加速度な
どにより変わるが、通常は5時間以内で完了する。長時
間、アルコールと2−ヒドロキシカルボン酸アミドを共
存させるときは、アミド基のエステル化が進行して収率
が低下する。特に、55℃以上で5時間以上放置すると
きはエステル化が大きく進行する。アルコール添加後、
反応液は出来る限り速やかに35℃以下に冷却するか、
アルコールの留去あるいは反応液を中和することが好ま
しい。反応後のアルコール留去あるいは中和は、ヒドロ
キシスルホニルオキシ基の除去反応(加アルコール分解
または加水分解)の完了後3時間以内に行うのがよい。
2−ヒドロキシカルボン酸アミドは、アルコールに難溶
性であるとしても水に対するよりは1桁ほど溶解性が高
いので、結晶として晶出分離法をとる場合にはアルコー
ルを留去することが必要である。アルコールの留去を行
う場合、減圧にて行うのが良い。これらの操作は、バッ
チ式、連続式に関わらず同条件で実施可能である。
【0024】水により加水分解を行う場合、2−ヒドロ
キシニトリルと硫酸の反応液に水を添加することで加水
分解によりヒドロキシスルホニルオキシ基を除去でき
る。水の添加量は、2−ヒドロキシニトリルに対して1
〜50モル当量で、好ましくは2〜30モル当量、更に
好ましくは、2〜10モル当量である。水の添加は、発
熱を伴う反応であり副反応による収率の低下を防ぐため
に70℃以下、好ましくは15〜50℃で行う。70℃
以上の温度では、アミド基の加水分解が進行して収率が
低下する。
【0025】水によるヒドロキシスルホニルオキシ基の
除去(加水分解)は、液中の水素イオン濃度pH5以下
で進行するが、更に効率的に除去するためにはpH3以
下とするのが良い。添加方式は、一括投入でも分割投入
でも良いが、反応液温度を調整するためにフィード速度
をコントロールするのが簡便である。
【0026】水によるヒドロキシスルホニルオキシ基の
除去は、通常8時間以内で完了する。長時間の水と2−
ヒドロキシカルボン酸アミドの共存は、アミド基の加水
分解が進行して収率が低下する。水添加後反応液は、出
来る限り速やかに35℃以下に冷却し、中和することが
好ましい。反応後の中和は、ヒドロキシスルホニルオキ
シ基の除去反応の完了後3時間以内に行うのがよい。こ
れらの操作は、バッチ式、連続式に関わらず同条件で実
施可能である。
【0027】ヒドロキシスルホニルオキシ基の除去処理
を施した反応液には、2−ヒドロキシカルボン酸アミド
の結晶が析出しており、中和前では耐酸性の遠心分離器
などにより結晶を収得することができる。通常は、反応
液の中和処理を行った後に結晶を収得するのがよい。加
アルコール分解または加水分解後の中和は、(イ)反応
液全量に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウムなどの塩基の水溶液あるいは懸濁液を滴下する
方法や(ロ)反応液の少量ずつのフィードに対してpH
をコントロールするように塩基を加える方法などで行
う。この中和反応は、60℃以下を保ちながら行う。こ
の温度以上では2−ヒドロキシカルボン酸アミドの分解
により収率が低下する。
【0028】中和の完了した後中和液中にアルコールが
残存している場合には、減圧下においてアルコールを留
去し、液中アルコール濃度5%以下、好ましくは1%以
下とするのがよい。
【0029】中和後の液からの2−ヒドロキシカルボン
酸アミドの取得は、遠心分離器あるいは水に対する溶解
度が10%以下の溶媒で抽出する事により行うことがで
きる。遠心分離器による結晶取得では、遠心分離した粗
結晶をメチルアルコールやエチルアルコールなどの溶媒
で洗浄することで2−ヒドロキシカルボン酸アミド結晶
を水分含量の低い結晶として取得する事ができる。低水
分含量のアミド結晶は、非水溶媒系での反応に直接利用
可能である。この場合、水分含量を5%以下とする。遠
心分離により粗結晶を取得した場合、水分含量の低下
は、コニカルドライヤーなどの乾燥機で実施することが
可能である。有機溶媒による洗浄を行った場合、洗浄液
を再利用することで2−ヒドロキシカルボン酸アミドの
損失分を低減する事ができる。
【0030】溶媒抽出の場合、抽出後の液に水と共沸点
を有する溶媒を添加して、液中に含まれる水分を2−ヒ
ドロキシカルボン酸アミド結晶重量換算で5%以下とな
るように共沸除去する。
【0031】製造した2−ヒドロキシカルボン酸アミド
は、種々の高機能物質原料として使用可能である。例え
ば、オキサゾリジン−2,4−ジオン類の製造に使用す
る場合、2−ヒドロキシカルボン酸アミド結晶に含まれ
る水分は、引き続く反応の収率を低下させてしまうこと
から5%以下とすることが必要である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。本実施例で高速液体クロマトグラフィー分析
(以下HPLC分析)を行っているが、分析条件は以下
の通りである。 カラム :昭和電工株式会社製 Shodex DM−
614(長さ10cm、内径0.5cm) カラム温度条件:40℃ 溶離液:0.1%H3PO4水溶液 流量:1.0ml/min 検出:RI、UV(検出波長 210nm)
【0033】なお実施例において、次のように略記す
る。 Me:メチル、Et:エチル、Pr:プロピル、Bu:
ブチル、Pen:ペンチル,Hex:ヘキシル、Ph:
フェニル、c−Pen:シクロペンチレン、c−He
x:シクロヘキシレン。
【0034】(実施例1)1000mLの4つ口フラス
コに攪拌翼、温度計、滴下漏斗をセットし、本反応装置
内に95%硫酸(450g、4.4mol)を加えて液
温が30℃以下となるように冷却した。該冷却した硫酸
に撹拌しながら対応するカルボニル化合物と青酸から製
造した未精製2−ヒドロキシニトリル(1.5mol,
含量87〜94%, その他、未反応青酸、原料カルボニ
ル、水を含む)を滴下漏斗より加えた。この時、反応液
の温度を40℃以下を保つように加えた。滴下完了後、
反応液を40℃にて0.5時間エージングを行った。反
応液中のpHを測定したところ1以下であった。この反
応液の一部をサンプリングしてHPLCにて分析したと
ころ、原料の転化率は100%であり、対応する2−ヒ
ドロキシカルボン酸アミドと2−ヒドロキシスルホニル
オキシカルボン酸アミドの収率は、表1に示す通りであ
った。付加反応後の反応液にメチルアルコールあるいは
水(5.9mol)を反応液温が40℃以下を保つ様に滴
下漏斗より約2時間で滴下した。メチルアルコールある
いは水の滴下完了後の反応液の一部をサンプリングしH
PLCにより、反応液の成分を分析したところ表2およ
び表3に示す結果であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】メチルアルコールを添加した反応液(Ru
n No.4、R1=H、R2=Bu)を用い以下の操
作を行った。5000mLの4つ口フラスコに撹拌翼、
温度計、滴下漏斗、pH電極付きのpHコントローラー
をセットし、水1440gを入れ液温を約40℃とし
た。本反応装置内にメチルアルコール添加後の反応液を
液温40℃を保つように加えた。この時、反応液中の水
素イオン濃度がpH6〜7を保つ様にpHコントローラ
ーにより流量コントロールした48%水酸化ナトリウム
水溶液の添加量を調整した。中和完了後のpHは、6.
8であった。
【0039】pH調整後の反応液を減圧下に留去してメ
タノールの液中濃度を1%とした。この時、2−ヒドロ
キシヘキサン酸アミドの結晶が析出していた。液温25
℃まで冷却し、遠心分離により結晶を回収した。得られ
た結晶は、2−ヒドロキシヘキサン酸アミド含量が83
%、水分含量17%であった。この結晶を結晶と同重量
の精製水で洗浄した後に、結晶と同重量のメチルアルコ
ールで洗浄する事により水分含量5%以下の結晶を得
た。この2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの結晶は、純
分換算で171g得られ、2−ヒドロキシヘキサノニト
リル基準の収率は、87%であった。なお中和に際し水
を添加せずに、中和アルカリとして10%の希薄水酸化
ナトリウム水溶液を用いても同様な結果が得られた。
【0040】なお比較のために反応液のフィードに量に
従い、pHコントローラーにより流量コントロールした
48%水酸化ナトリウム水溶液の添加量を調整し、反応
液中の水素イオン濃度がpH10〜12を保つ様にし
た。中和後の反応液の一部をサンプリングしHPLCに
より、反応液の成分を分析したところ2−ヒドロキシヘ
キサノニトリルの転化率100%、2−ヒドロキシヘキ
サン酸アミド収率75%、2−ヒドロキシカルボン酸収
率20%、2−ヒドロキシスルホニルオキシカルボン酸
アミド収率5%であった。
【0041】(実施例2)1000mLの4つ口フラス
コに攪拌翼、温度計、滴下漏斗をセットし、本反応装置
内に95%硫酸(450g、4.4mol)を加えて液
温が30℃以下となるように冷却した。冷却液に撹拌し
ながら対応するカルボニル化合物と青酸から製造した未
精製2−ヒドロキシニトリル(2−ヒドロキシニトリル
として1.5mol, 含量91.5%, その他、未反応
青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3%を含む)を
滴下漏斗より加えた。この時、反応液の温度40℃以下
を保つように加えた。滴下完了後、反応液を40℃にて
0.5時間エージングを行った。反応完了後の反応液に
アルコール(5.9mol)を反応液温が40℃以下を保
つ様に滴下漏斗より約2時間で滴下した。アルコール滴
下完了後の反応液の一部をサンプリングしHPLCによ
り、反応液の成分を分析したところ以下の表4に示す結
果であった。
【0042】
【表4】
【0043】(実施例3)実施例1の方法に準じて、9
5%硫酸(450g、4.4mol)および2−ヒドロ
キシヘキサノニトリル179g(2−ヒドロキシヘキサ
ノニトリルとして1.5mol、含量91.5%。その
他、未反応青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3%
を含む)により反応を行った。2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリル添加の温度を変えて検討し、2−ヒドロキシヘ
キサノニトリル滴下完了後に0.5時間エージングを行
った。反応完了後の反応液にメチルアルコール(5.9
mol)を反応液温が40℃以下を保つ様に滴下漏斗よ
り滴下した。アルコール滴下完了後の反応液のHPLC
分析の結果、表5に示す通りであった。
【0044】
【表5】
【0045】( 実施例4)実施例1の方法に準じて9
5%硫酸(450g、4.4mol)と水(添加量は、
下表参照)の混合液に2−ヒドロキシヘキサノニトリル
179g(2−ヒドロキシヘキサノニトリルとして1.
5mol、含量91.5%。その他、未反応青酸3%、
原料カルボニル2.5%、水3%を含む)を加えて反応
液温40℃を保つように反応を行った。2−ヒドロキシ
ヘキサノニトリル滴下完了後に反応液を40℃にて0.
5時間エージングを行った。反応完了後の反応液にメチ
ルアルコール(5.9mol)を反応液温が40℃以下を
保つ様に滴下漏斗より約2時間で滴下した。アルコール
滴下完了後の反応液の一部をサンプリングしHPLCに
より、反応液の成分を分析したところ以下の表に示す結
果であった。また、水の添加による粘度改善は、表6の
通りであった。(硫酸への2−ヒドロキシヘキサノニト
リル添加完了時の粘度を測定)
【0046】
【表6】
【0047】(実施例5)実施例1の方法に準じて95
%硫酸(450g、4.4mol)および2−ヒドロキ
シヘキサノニトリル179g(2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリルとして1.5mol、含量91.5%。その
他、未反応青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3%
を含む)により反応液温40℃を保つように反応を行っ
た。滴下完了後の反応液に水(5.9mol)の水を加
えて40℃にて2時間撹拌した。反応完了後の反応液を
以下の手順に従い中和した。5000mLの4つ口フラ
スコに撹拌翼、温度計、滴下漏斗、pH電極付きのpH
コントローラーをセットし、水1440gを加えた。本
反応装置内に反応液(pH1以下)を液温40℃を保つ
ように徐々に加える事で結晶が析出した。反応液のフィ
ード量に従い、pHコントローラーにより流量コントロ
ールした48%水酸化ナトリウム水溶液の添加量を調整
し、反応液中の水素イオン濃度がpH6〜8を保つ様に
した。中和後の反応液の一部をサンプリングしHPLC
により、反応液の成分を分析したところ2−ヒドロキシ
ヘキサノニトリルの転化率100%、2−ヒドロキシヘ
キサン酸アミド収率88%、2−ヒドロキシカルボン酸
収率3%、2−ヒドロキシスルホニルオキシカルボン酸
アミド収率6%であった。中和液を液温25℃まで冷却
し、遠心分離により結晶を回収した。得られた結晶は、
2−ヒドロキシヘキサン酸アミド含量が83%、水分含
量15%、2−ヒドロキシヘキサン酸含量1%、硫酸ナ
トリウム含量1%であった。
【0048】(実施例6)実施例1の方法に準じて95
%硫酸(450g、4.4mol)および2−ヒドロキ
シヘキサノニトリル179g(2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリルとして1.5mol、含量91.5%。その
他、未反応青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3%
を含む)により反応液温40℃を保つように反応を行っ
た。滴下完了後の反応液に水(5.9mol)を加えて
40℃にて2時間撹拌した。反応完了後の反応液を以下
の手順に従い晶析、結晶分離した。5000mLの4つ
口フラスコに撹拌翼、温度計、滴下漏斗をセットし、水
1440gを加えた。本反応装置内に反応液(pH1以
下)を液温40℃を保つように加えた。
【0049】滴下完了後の液中水素イオン濃度測定した
ところpH2以下であった。水希釈後液の一部をサンプ
リングしHPLCにより、反応液の成分を分析したとこ
ろ2−ヒドロキシヘキサノニトリルの転化率100%、
2−ヒドロキシヘキサン酸アミド収率90%、2−ヒド
ロキシカルボン酸収率1.5%、2−ヒドロキシスルホ
ニルオキシカルボン酸アミド収率6%であった。液温2
5℃まで冷却し、耐酸性コーティングを施した遠心分離
器により結晶を回収した。得られた結晶は、2−ヒドロ
キシヘキサン酸アミド含量が84%、水分含量16%、
2−ヒドロキシヘキサン酸含量0.8%であった。
【0050】(実施例7)1000mLの4つ口フラス
コに攪拌翼、温度計、ジムロート冷却管、滴下漏斗をセ
ットし、本反応装置内に95%硫酸(450g、4.4
mol)を加えて液温が30℃以下となるように冷却し
た。冷却液に撹拌しながら対応するカルボニル化合物と
青酸から製造した未精製2−ヒドロキシヘキサノニトリ
ル179g(2−ヒドロキシヘキサノニトリルとして
1.5mol、含量91.5%。その他、未反応青酸3
%、原料カルボニル2.5%、水3%を含む)の塩化メ
チレン(2−ヒドロキシヘキサノニトリルと同重量)溶
液を滴下漏斗より加えた。この時、反応液は温度39〜
42℃を保っており塩化メチレンの一部が、冷却管部分
にて還流していた。
【0051】この時の粘度を測定したところ210cp
であった。(塩化メチレンを使用していない実施例2で
は、350cp)滴下完了後、反応液を40℃にて0.
5時間反応した。反応完了後の反応液にメチルアルコー
ル(5.9mol)を反応液温が40℃以下を保つ様に滴
下漏斗より約2時間で滴下した。アルコール滴下完了後
の反応液の一部をサンプリングしHPLCにより反応液
の成分を分析したところ、原料の転化率は100%であ
り、対応する2−ヒドロキシカルボン酸アミドの収率が
91%、2−ヒドロキシカルボン酸収率3%、2−ヒド
ロキシスルホニルオキシカルボン酸アミドの収率6%で
あった。
【0052】(実施例8)実施例1の方法に準じて95
%硫酸(155g、1.5mol)および2−ヒドロキ
シヘキサノニトリル179g(2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリルとして1.5mol、含量91.5%。その
他、未反応青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3%
を含む)により反応液温40℃を保つように反応を行っ
た。95%硫酸への滴下を行ったところ2−ヒドロキシ
ヘキサノニトリルを全量添加直後に反応液が白濁し、そ
の後に、反応液の固化により撹拌が困難となった。固形
となった反応物にメチルアルコール(5.9mol)を冷
却しながら加えて固形物を溶解してから約2時間撹拌し
た。反応液の一部をサンプリングしHPLCにより反応
液の成分を分析したところ、原料の転化率は81%であ
り、対応する2−ヒドロキシカルボン酸アミドの収率が
73%、2−ヒドロキシカルボン酸収率1%、2−ヒド
ロキシカルボン酸メチル収率2%、2−ヒドロキシスル
ホニルオキシカルボン酸アミドの収率4%であった。
【0053】(実施例9)実施例1の方法に準じて95
%硫酸(450g、4.4mol)および2−ヒドロキ
シヘキサノニトリル179g(2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリルとして1.5mol、含量91.5%。その
他、未反応青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3%
を含む)により反応を行った。2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリル滴下完了後に反応液を40℃にて0.5時間反
応した。反応完了後の反応液にメチルアルコール(1.
2mol)を反応液温が40℃以下を保つ様に滴下ロー
トより滴下した。アルコール滴下完了後の反応液の一部
をサンプリングしHPLCにより、反応液の成分を分析
したところ原料の転化率は100%であり、対応する2
−ヒドロキシヘキサン酸アミドの収率が75%、2−ヒ
ドロキシヘキサン酸収率0.8%、2−ヒドロキシスル
ホニルオキシヘキサン酸アミドの収率4%であった。
【0054】(実施例10)実施例1の方法に準じて9
5%硫酸(450g、4.4mol)および2−ヒドロ
キシヘキサノニトリル179g(2−ヒドロキシヘキサ
ノニトリルとして1.5mol、含量91.5%。その
他、未反応青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3%
を含む)により反応を行った。2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリル滴下完了後に反応液を40℃にて0.5時間反
応した。反応完了後の反応液にメチルアルコール(2
2.5mol)を反応液温が40℃以下を保つ様に滴下
ロートより滴下した。アルコール滴下完了後の反応液の
一部をサンプリングしHPLCにより、反応液の成分を
分析したところ原料の転化率は100%であり、対応す
る2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの収率が84%、2
−ヒドロキシヘキサン酸収率1%、2−ヒドロキシヘキ
サン酸メチル収率9%、2−ヒドロキシスルホニルオキ
シヘキサン酸アミドの収率4%であった。
【0055】(実施例11)実施例1の方法に準じて、
95%硫酸(450g、4.4mol)および2−ヒド
ロキシヘキサノニトリル179g(2−ヒドロキシヘキ
サノニトリルとして1.5mol、含量91.5%。そ
の他、未反応青酸3%、原料カルボニル2.5%、水3
%を含む)により反応を行った。2−ヒドロキシヘキサ
ノニトリル滴下完了後に40℃にて0.5時間反応し
た。反応完了後の反応液に水(5.9mol)を加え、
90℃にて2時間撹拌した。この液の一部をサンプリン
グしてHPLCにて分析したところ、原料の転化率は1
00%であり、対応する2−ヒドロキシヘキサン酸アミ
ドの収率が65%、2−ヒドロキシヘキサン酸収率32
%、2−ヒドロキシスルホニルオキシヘキサン酸アミド
の収率1%であった。
【0056】(比較例1)50%硫酸(855g、硫酸
として4.4モル)と2−ヒドロキシヘキサノニトリル
179g(2−ヒドロキシヘキサノニトリルとして1.
5モル、含量91.5%、その他未反応青酸3%、原料
カルボニル2.5%、水3%を含む)を用い、実施例1
の方法に準じて反応を行った。2−ヒドロキシヘキサノ
ニトリル滴下終了後、反応液を40℃で0.5時間エー
ジングを行った。反応終了後の液に、メチルアルコール
(5.9モル)を反応液温が40℃以下に保つように滴
下ロートより滴下した。メチルアルコール滴下完了後の
反応液の一部をサンプリングし、HPLCにより分析し
たところ、2−ヒドロキシヘキサノニトリルの転化率6
5%、2−ヒドロキシヘキサン酸アミド収率12%であ
った。この時2−ヒドロキシヘキサン酸が収率51%で
生成していた。
【0057】
【発明の効果】本発明により、アルデヒドあるいはケト
ンより製造できる2−ヒドロキシニトリルと硫酸の反応
より2−ヒドロキシカルボン酸アミドを容易に製造で
き、かつ様々な置換基を有する2−ヒドロキシニトリル
に適用可能である。これらは、工業原料、医・農薬中間
体として広く利用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 嘉夫 神奈川県川崎市川崎区千鳥町2番3号 昭 和電工株式会社内 (72)発明者 御代田 喜昭 神奈川県川崎市川崎区千鳥町2番3号 昭 和電工株式会社内 (72)発明者 西村 憲人 神奈川県川崎市川崎区千鳥町2番3号 昭 和電工株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC53 BA66 BB14 BB31 BC10 BC16 BC19 BC31 BJ20 BN10 4H039 CA71 CE10 CE20

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (ただしR1、R2は、個々に水素、炭素数1〜10の脂
    肪族炭化水素基または芳香族基を表す。)で示される2
    −ヒドロキシニトリルと硫酸との反応を、反応中の水分
    を20質量%以下、かつ温度を80℃以下で行うことを
    特徴とする一般式(2) 【化2】 (ただしR1およびR2は上記と同じ。)で示される2−
    ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 2−ヒドロキシニトリルと硫酸の配合比
    を2−ヒドロキシニトリル1モルに対し、硫酸1.5〜
    5モルである請求項1に記載の2−ヒドロキシカルボン
    酸アミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 2−ヒドロキシニトリルと硫酸との反応
    を、反応系に不活性な沸点、30〜70℃の有機溶媒を
    存在させて行う請求項1または2に記載の2−ヒドロキ
    シカルボン酸アミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 2−ヒドロキシニトリルと硫酸との反応
    を、反応系に2−ヒドロキシニトリル1モルに対し5モ
    ル以下の水の存在下で行う請求項1または2に記載の2
    −ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 2−ヒドロキシニトリルと硫酸を反応さ
    せて得られた一般式(3) 【化3】 (ただしR1およびR2は上記と同じ。)で示される2−
    ヒドロキシスルホニルオキシカルボン酸アミドを含む反
    応液に、50℃以下の温度でアルコールを添加して加ア
    ルコール分解する事からなる請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 アルコールの添加量が、2−ヒドロキシ
    スルホニルオキシカルボン酸アミド1モルに対し、1〜
    10モルである請求項5に記載の2−ヒドロキシカルボ
    ン酸アミドの製造方法。
  7. 【請求項7】 2−ヒドロキシスルホニルオキシカルボ
    ン酸アミドを含む反応液に、アルコールを添加して加ア
    ルコール分解するに際し、pH7以下で行う請求項5ま
    たは6に記載の2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 アルコールがメチルアルコールである請
    求項5〜7のいずれか1項に記載の2−ヒドロキシカル
    ボン酸アミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 2−ヒドロキシニトリルと硫酸を反応さ
    せて得られた一般式(3)で示される2−ヒドロキシス
    ルホニルオキシカルボン酸アミドを含む反応液に、70
    ℃以下の温度で水を添加して加水分解する事からなる請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の2−ヒドロキシカル
    ボン酸アミドの製造方法。
  10. 【請求項10】 2−ヒドロキシスルホニルオキシカル
    ボン酸アミドを含む反応液に、水を添加して加水分解す
    るに際し、pH3以下で行う請求項9に記載の2−ヒド
    ロキシカルボン酸アミドの製造方法。
  11. 【請求項11】 水の添加量が、2−ヒドロキシスルホ
    ニルオキシカルボン酸アミド1モルに対し、1〜50モ
    ルである請求項8に記載の2−ヒドロキシカルボン酸ア
    ミドの製造方法。
  12. 【請求項12】 2−ヒドロキシニトリルと硫酸を反応
    させて得られた一般式(3)で示される2−ヒドロキシ
    スルホニルオキシカルボン酸アミドを含む反応液に、ア
    ルコールまたは水を添加して2−ヒドロキシカルボン酸
    アミドとした後、該反応液をpH5〜8に中和し、2−
    ヒドロキシカルボン酸アミドを分離することを特徴とす
    る2−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法。
  13. 【請求項13】 2−ヒドロキシスルホニルオキシカル
    ボン酸アミドを2−ヒドロキシカルボン酸アミドとした
    後、該反応液をpH5〜8に中和するに際し60℃以下
    の温度で行う請求項12に記載の2−ヒドロキシカルボ
    ン酸アミドの製造方法。
  14. 【請求項14】 2−ヒドロキシニトリルが2−ヒドロ
    キシヘキサノニトリルであり、2−ヒドロキシカルボン
    酸アミドが2−ヒドロキシヘキサン酸アミドである請求
    項1〜13のいずれか1項に記載の2−ヒドロキシヘキ
    サン酸アミドの製造方法。
  15. 【請求項15】 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫
    酸の配合比を2−ヒドロキシヘキサノニトリル1モルに
    対し、硫酸1.5〜5モルである請求項14に記載の2
    −ヒドロキシヘキサン酸アミドの製造方法。
  16. 【請求項16】 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫
    酸を反応に際して、沸点が30〜70℃の反応系に不活
    性な有機溶媒を添加して行う請求項14または15に記
    載の2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの製造方法。
  17. 【請求項17】 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫
    酸を反応させて得られた2−ヒドロキシスルホニルオキ
    シヘキサン酸アミドを含む反応液に、50℃以下の温度
    でアルコールを添加して加アルコール分解する事からな
    る請求項14〜16のいずれか1項に記載の2−ヒドロ
    キシヘキサン酸アミドの製造方法。
  18. 【請求項18】 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫
    酸を反応させて得られた2−ヒドロキシスルホニルオキ
    シヘキサン酸アミドを含む反応液にアルコールを添加す
    るに際し、pHを7以下に調整して行う請求項17に記
    載の2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの製造方法。
  19. 【請求項19】 アルコールの添加量が、2−ヒドロキ
    シスルホニルオキシヘキサン酸アミド1モルに対し、1
    〜10モルである請求項17または18に記載の2−ヒ
    ドロキシヘキサン酸アミドの製造方法。
  20. 【請求項20】 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫
    酸を反応させて得られた2−ヒドロキシスルホニルオキ
    シヘキサン酸アミドを含む反応液に、70℃以下の温度
    で水を添加して加水分解する事からなる請求項14〜1
    6のいずれか1項に記載の2−ヒドロキシヘキサン酸ア
    ミドの製造方法。
  21. 【請求項21】 水の添加量が、2−ヒドロキシスルホ
    ニルオキシカルボン酸アミド1モルに対し、1〜50モ
    ルである請求項20に記載の2−ヒドロキシヘキサン酸
    アミドの製造方法。
  22. 【請求項22】 2−ヒドロキシヘキサノニトリルと硫
    酸を反応させて得られた2−ヒドロキシスルホニルオキ
    シヘキサン酸アミドを含む反応液にアルコールまたは水
    を添加するに際し、pHを3以下に調整して行う請求項
    19〜21のいづれか1項に記載の2−ヒドロキシヘキ
    サン酸アミドの製造方法。
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