JP2002370984A - 虚血により生ずる組織損傷の治療 - Google Patents

虚血により生ずる組織損傷の治療

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 哺乳動物にて虚血により生ずる組織損傷を治
療または予防するための処置方法を提供することであ
る。 【解決手段】 虚血により生ずる組織損傷を治療または
予防する必要のある哺乳動物に、式I 【化1】 〔式中、R1、R2、XおよびYは、それぞれ、本明細書
に定義する通りである。〕で表される化合物または前記
化合物のプロドラッグ;または、前記化合物または前記
プロドラッグの薬学的に許容可能な塩の有効量を投与す
ることを含む処置方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、哺乳動物にて虚血によ
り生ずる組織損傷を治療または予防するための処置方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素アルドース還元酵素は、アルドー
ス、例えば、グルコースおよびガラクトースのそれらの
対応するポリオール、例えば、ソルビトールおよびガラ
クチトールへの還元を制御するのに関与する。本発明の
式Iで表されるスルホニルピリダジノン化合物は、冒さ
れたヒトおよびその他哺乳動物のある種の組織(例え
ば、神経、腎臓、水晶体および網膜組織)におけるポリ
オールレベルの上昇を伴うヒトおよびその他哺乳動物の
糖尿病合併症を治療および予防するのにアルドース還元
酵素阻害剤として有用である。
【0003】フランス特許公開No.2647676
は、アルドース還元酵素の阻害剤として置換されたベン
ジル側鎖およびベンゾチアゾール側鎖を有するある種の
ピリダジノン誘導体を開示している。
【0004】U.S.特許No.4,251,528
は、アルドース還元酵素阻害特性を有するとして、種々
の芳香族炭素環式オキソフタラジニル酢酸化合物を開示
している。
【0005】共通に譲渡されたU.S.特許No.4,
939,140は、アルドース還元酵素阻害剤としてヘ
テロ環式オキソフタラジニル酢酸化合物を開示してい
る。共通に譲渡されたU.S.特許No.4,996,
204は、アルドース還元酵素阻害剤として有用なピリ
ドピリダジン酸化物を開示している。
【0006】U.S.特許No.5,834,466
は、NADH/NAD+比を低下させ、解糖を刺激して
ATPを生成するアルドース還元酵素阻害剤のような化
合物で治療することによって、虚血発作により生ずる心
臓組織の代謝およびイオン系異常による虚血損傷の広が
りを制限または少なくするための方法を開示している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、虚血により生
ずる組織損傷を治療または予防する必要のある哺乳動物
に、式I
【0008】
【化2】 〔式中、R1およびR2は、各々、独立に、水素またはメ
チルであり;XおよびYは、一緒になって、CH2−C
H(OH)−ArまたはCH2−C(O)−Arである
か;または、Xは、共有結合、NR3またはCHR4[こ
こで、R3は、(C1−C3)アルキルであるか;また
は、OH、F、Cl、Br、I、CN、CF3、(C1
6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、S(O)n
−(C1−C6)アルキルおよびSO2−NR56から選
択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェ
ニルであり;R4は、水素またはメチルである。]であ
り;かつ、Yは、Ar、OH、F、Cl、Br、I、C
N、CF3、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6
アルキル、S(O)n−(C1−C6)アルキルおよびS
2−NR56から選択される1つ以上の置換基で置換
されていてもよいフェニルまたはナフチルであり;Ar
は、F、Cl、Br、I、CN、CF3、(C1−C6
アルキル、O−(C1−C6)アルキル、S(O)n
(C1−C6)アルキルおよびSO2−NR56から選択
される1つ以上の置換基で置換されていてもよいフェニ
ルまたはナフチルであり;nは、各存在について、独立
に、0、1または2であり;R5は、各存在について、
独立に、H、(C1−C6)アルキル、フェニルまたはナ
フチルであり;R6は、各存在について、独立に、(C1
−C6)アルキル、フェニルまたはナフチルである。〕
で表される化合物または前記化合物のプロドラッグ;ま
たは、前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許
容可能な塩の有効量を投与することを含む処置方法を提
供する。
【0009】本発明の好ましい実施態様において、前記
化合物は、6−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンス
ルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(4−
ブロモ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン;6−(4−トリフルオロメチル
−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
ン;6−(2−ブロモ−ベンゼンスルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン;6−(3,4−ジクロロ−ベン
ゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダ
ジン−3−オン;6−(3−ブロモ−ベンゼンスルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(ビフェニル
−4−スルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6
−(4’−フルオロ−ビフェニル−4−スルホニル)−
2H−ピリダジン−3−オン;6−(4’−トリフルオ
ロメチル−ビフェニル−4−スルホニル)−2H−ピリ
ダジン−3−オン;6−(3’,5’−ビス−トリフル
オロメチル−ビフェニル−4−スルホニル)−2H−ピ
リダジン−3−オン;6−(ビフェニル−2−スルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(4’−トリ
フルオロメチル−ビフェニル−2−スルホニル)−2H
−ピリダジン−3−オン;6−(2−ヒドロキシ−ベン
ゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジ
ン−3−オン;6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,3−ジ
クロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3
−オン;6−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(4−フルオ
ロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
ン;6−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン;6−(2−フルオロ−ベンゼン
スルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
(2,3−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン;6−(2,4−ジクロロ−ベン
ゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
(2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン;6−(2,6−ジクロロ−ベン
ゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
(2−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−
2H−ピリダジン−3−オン;6−(2−ブロモ−4−
フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−
3−オン;および、6−(ナフタレン−1−スルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン;または、それらよ
り選択される化合物のプロドラッグ;あるいは、前記化
合物または前記プロドラッグの薬学的に許容可能な塩か
ら選択される。
【0010】本発明のさらに好ましい実施態様におい
て、前記化合物は、6−(2−クロロ−ベンゼンスルホ
ニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(3−クロ
ロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
ン;6−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−
2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,5−ジクロロ
−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
ン;6−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H
−ピリダジン−3−オン;6−(4−クロロ−ベンゼン
スルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2
−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン
−3−オン;6−(2,3−ジフルオロ−ベンゼンスル
ホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,4
−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン
−3−オン;6−(2,4−ジフルオロ−ベンゼンスル
ホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,6
−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン
−3−オン;6−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンゼ
ンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
(2−ブロモ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−
2H−ピリダジン−3−オン;および、6−(ナフタレ
ン−1−スルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;
または、それらより選択される化合物のプロドラッグ;
あるいは、前記化合物または前記プロドラッグの薬学的
に許容可能な塩から選択される。
【0011】本発明のなおさらに好ましい実施態様にお
いて、前記化合物は、6−(2−クロロ−ベンゼンスル
ホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(3−ク
ロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−
オン;6−(2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)
−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,5−ジクロ
ロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
ン;6−(2,3−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)
−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,4−ジクロ
ロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
ン;6−(2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)
−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,6−ジクロ
ロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
ン;6−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルホ
ニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2−ブロ
モ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリ
ダジン−3−オン;および、6−(ナフタレン−1−ス
ルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;または、そ
れらより選択される化合物のプロドラッグ;あるいは、
前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容可能
な塩から選択される。
【0012】本発明のとりわけさらに好ましい実施態様
において、前記化合物は、6−(2,3−ジフルオロ−
ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;
6−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−2H
−ピリダジン−3−オン;6−(2−ブロモ−4−フル
オロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−
オン;および、6−(ナフタレン−1−スルホニル)−
2H−ピリダジン−3−オン;または、それらより選択
される化合物のプロドラッグ;あるいは、前記化合物ま
たは前記プロドラッグの薬学的に許容可能な塩から選択
される。
【0013】本発明のもう1つの好ましい実施態様にお
いて、前記組織は、心臓、脳、肝臓、腎臓、肺、消化
管、骨格筋、脾臓、膵臓、網膜または腸管組織であり、
好ましくは、心臓組織である。
【0014】本発明のさらなる好ましい実施態様におい
て、式Iで表される前記化合物、前記プロドラッグ;ま
たは、前記化合物または前記プロドラッグの前記薬学的
に許容可能な塩は、アルドース還元酵素阻害量投与され
る。
【0015】本発明のさらに好ましい実施態様におい
て、前記哺乳動物は、ヒトである。本明細書で使用する
“本発明の化合物”という用語は、式Iで表される化合
物を意味する。“式Iで表される化合物”という用語
は、このような化合物のプロドラッグ;および、このよ
うな化合物およびこのようなプロドラッグの薬学的に許
容可能な塩類を包含することを意味する。
【0016】本明細書で使用する“(C1−Ct)アルキ
ル”という用語は、下付き“t”が2以上の整数を表
し、1−t個の炭素原子を有する飽和1価の直鎖または
分岐脂肪族炭化水素基を表す。
【0017】“DMF”、“DMSO”および“TH
F”という用語は、それぞれ、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドおよびテトラヒドロフラ
ンを意味する。
【0018】本発明の化合物に関して本明細書で使用す
る“薬学的に許容可能な塩”という表現は薬学的に許容
可能なカチオン塩を包含する。“薬学的に許容可能なカ
チオン塩”という表現は、例えば、アルカリ金属塩(例
として、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金
属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、アル
ミニウム塩、アンモニウム塩;および、有機アミン類、
例えば、ベンザチン(N,N’−ジベンジルエチレンジ
アミン)、コリン、エタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、メグ
ルミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン(N−ベ
ンジルフェネチルアミン)、エタノールアミン、ジエチ
ルアミン、ピペラジン、トリエタノールアミン(2−ア
ミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオー
ル)およびプロカインとの塩のような塩類を定義するこ
とを意図するがこれらに限定されるものではない。
【0019】本発明の式Iで表される化合物の薬学的に
許容可能な塩は、前記化合物の遊離酸形を、補助溶剤
中、通常1当量、適当な塩基と反応させることによって
容易に製造することができる。好ましい補助溶剤として
は、ジエチルエーテル、ジグリムおよびアセトンが挙げ
られる。好ましい塩基としては、水酸化ナトリウム、ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウ
ムハイドライド、カリウムメトキシド、水酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウム、ベンザチン、コリン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンおよびト
リエタノールアミンが挙げられる。塩は、濃縮乾固させ
るかまたは非溶剤を添加することによって単離される。
多くの場合、塩は、酸溶液をカチオンの種々の塩(例え
ば、ナトリウムまたはカリウムエチルヘキサノエート、
マグネシウムオレエート)溶液と混合し、上記のように
補助溶剤を使用することによって製造することができ、
補助溶剤から、所望されるカチオン性塩を沈殿させるか
または濃縮することによって単離することができる。
【0020】“プロドラッグ”という用語は、とりわけ
薬学的活性を有する化合物にインビボで転化される化合
物を表す。このような化合物としては、式Iで表される
化合物のN−アルキル誘導体および式Iで表される化合
物の互変異性体のO−アルキル誘導体が挙げられる。
【0021】“処置方法”という用語は、軽減する方法
および予防する方法を含むことを意味する。当業者であ
れば、本発明の化合物が数種の互変異性体形で存在しう
ることを理解することができるであろう。このような互
変異性体形は、全て、本発明の一部と考えられる。例え
ば、式Iで表される化合物のカルボニル部分の互変異性
体形は、全て、本発明に包含される。式Iで表される化
合物のエノール−ケト形は、全て、本発明に包含され
る。
【0022】当業者であれば、また、本発明の化合物
が、数種のジアステレオ異性形およびエナンチオ形で存
在することができることが理解されるであろう。ジアス
テレオ異性形およびエナンチオ形の全ておよびそれらの
ラセミ混合物は、本発明に包含される。
【0023】当業者であれば、水分子がその結晶構造に
組込まれている水和物として;および、溶剤分子がその
結晶構造に組込まれている溶媒和物として、結晶形中に
存在しうる。このような水和物および溶媒和物は、全
て、本発明の一部と考えられる。
【0024】本発明は、また、同位体標識された化合
物、すなわち、式Iにより記載される化合物と同等であ
るが、1つ以上の原子が通常天然に見出される原子質量
または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する
原子により置換されている化合物を包含する。本発明で
表される化合物に組込むことのできる同位体の例として
は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素およ
び塩素が挙げられ;例えば、それぞれ、2H、3H、
13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、 18
Fおよび36Clが挙げられる。前述の同位体および/ま
たはその他原子の他の同位体を含有する本発明の化合
物、そのプロドラッグ;および、前記化合物または前記
プロドラッグの薬学的に許容可能な塩は、本発明の範囲
内である。本発明のある種の同位体標識された化合物、
例えば、放射活性同位体、例えば、3Hおよび14Cが組
込まれている同位体標識された化合物が薬剤および/ま
たは基質組織分布検定にて有用である。トリチウム、す
なわち、3H;および、炭素−14、すなわち、14C異
性体がそれらの製造容易性および検出適合性ゆえに特に
好ましい。さらに、例えば、重水素、すなわち、2Hの
ようなより重い同位体で置換すると、より大きな代謝安
定性により生ずるある種の治療利点、例えば、インビボ
半減寿命の増加または必要とされる投薬量の減少を生ず
ることができ、したがって、状況によっては好ましいか
もしれない。本発明の式Iで表される同位体標識された
化合物およびそのプロドラッグは、概して、以降のスキ
ームおよび/または実施例に開示する方法を実施するこ
とによるか、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可
能な同位体標識された試薬を代替することにより製造す
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の式Iで表される化合物
は、アルドース還元酵素、すなわち、グルコースのソル
ビトールへの生物を使用する転化を触媒する酵素を阻害
する。
【0026】
【化3】 スキームAで示すように、グルコースは、アルドース還
元酵素によりソルビトールへと還元され、ついで、ソル
ビトールは、ソルビトール脱水素酵素によりフラクトー
スへと酸化される。ソルビトールのフラクトースへの転
化は、NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ド)を消費する。本発明の式Iで表される化合物は、フ
ラクトースへの転化に利用可能なソルビトールのレベル
を低下させることによりNAD+を節約する。
【0027】酸化される血液の組織への供給が少ないか
または中断される時(虚血)、酸素不足組織における細
胞は、解糖経路を経てグルコースから嫌気性的にそれら
のエネルギーを誘導することができる。解糖は、NAD
+の利用能を必要とする。
【0028】いずれかの特定の理論または機構により結
びつけたいわけではないが、アルドース還元酵素阻害剤
によるNAD+の節約使用は、虚血組織の解糖を実施す
る能力、すなわち、酸素の不在におけるエネルギーを生
ずる能力を高めるかまたは持続するであろうし、ひいて
は、組織における細胞の生存を高め、かつ、持続するで
あろう。アルドース還元酵素の阻害は組織のNAD+
枯渇を遅らせるであろうから、アルドース還元酵素阻害
剤は、有効な抗虚血剤である。
【0029】概して、本発明の式Iで表される化合物
は、当化学分野で公知の方法と類似のプロセスを含む方
法、特に、本明細書の記載に照らした方法により製造す
ることができる。本発明の式Iで表される化合物を製造
するためのある種の方法は、以下の反応スキームにより
図示される。その他の方法は、実験部分に記載する。
【0030】
【化4】 スキーム1に従えば、式Iで表される化合物は、式1−
1で表されるジクロロピリダジン化合物または式1−2
で表されるクロロピリダジノン化合物を、式Y−X−S
2Hのアルカリまたはアルカリ金属塩、例えば、式1
−3で表されるY−X−SO2Naと反応させることに
よって製造することができる(ここで、R1、R2、Xお
よびYは、本明細書で定義する通りである)。反応は、
水または水と水混和性の溶剤、例えば、ジオキサンまた
はテトラヒドロフラン(THF)との混合物中で実施す
ることができる。反応は、通常、周囲圧力および約80
℃と使用する溶剤の沸点との間の温度で実施される。
【0031】
【化5】 式Iで表される化合物は、また、スキーム2の工程に従
い製造することができる。スキーム2の工程1にて、式
2−1で表される化合物〔式中、R1、R2、XおよびY
は、本明細書で定義する通りであり、Zは、Cl、O−
(C1−C6)アルキル、O−Ph、O−CH2−Ph[こ
こで、Phは、塩素、臭素またはメチルで所望により一
または二置換されたフェニルである。]である。〕は、
式2−2で表されるチオール化合物と反応させられ、式
2−3で表されるスルフェニル化合物を形成する。
【0032】スキーム2の工程1で表される1つの方法
にて、式2−1で表される化合物は、式2−2で表され
るチオールのアルカリ金属塩と反応させられる。アルカ
リ金属塩は、式2−2で表されるチオールを(C1
6)アルキル−OH中、アルカリ金属(C1−C6)ア
ルコキシドと反応させることによって製造される。(C
1−C6)アルコキシドおよび(C1−C6)アルキル−O
Hは、式2−1で表される化合物のZに対応することが
好ましい。例えば、ZがOMeである時、好ましいアル
コキシドは、アルカリ金属メトキシド、好ましくは、ナ
トリウムメトキシドであり、好ましい(C1−C6)アル
キル−OHは、メタノールである。カリウムt−ブトキ
シドは、アルカノールおよびZのいずれの組合せにおい
ても使用することができる。好ましい金属オキシドは、
ナトリウムメトキシドおよびナトリウムエトキシドであ
る。式2−2で表されるチオール化合物のアルカリ金属
塩を形成する反応からの過剰のアルコールは、蒸発さ
せ、生ずるアルカリ金属塩は、芳香族炭化水素溶剤、好
ましくは、トルエン中、式2−1で表される化合物とと
もに、一晩還流させて、式2−3で表される化合物を形
成する。
【0033】スキーム2の工程1で表されるもう1つの
方法において、式2−3で表される化合物は、炭酸ナト
リウムまたは炭酸カリウムを含有するN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)中、式2−1で表される化合物
を式2−2で表される化合物と反応させることによって
製造することができる。反応は、好ましくは、周囲圧力
および約80℃と約120℃との間の温度で行われる。
【0034】スキーム2の工程1で表されるさらなる方
法において、式2−1〔ここで、Zは、O−(C1
6)アルキルである。〕で表される化合物は、アルカ
リまたはアルカリ土類金属ハイドライド、好ましくは、
ナトリウムハイドライドまたはカリウムt−ブトキシド
を含有する極性非水性溶剤(例えば、アセトニトリル)
またはエーテル溶剤(例えば、ジグリム、テトラヒドロ
フランまたはDMF)中、式2−2で表される化合物と
反応させられる。好ましい溶剤は、DMFである。
【0035】スキーム2の式2−1で表される化合物
〔式中、Zは、O−(C1−C6)アルキル、O−Ph、
O−CH2−Ph[ここで、Phは、塩素、臭素またはメ
チルで所望により一または二置換されたフェニルであ
る。]である。〕は、式1−1
【0036】
【化6】 で表される化合物をHO−(C1−C6)アルキル、HO
−PhまたはHO−CH 2−Phのナトリウム塩と反応
させることによって製造することができる。ナトリウム
塩は、適用可能なHO−(C1−C6)アルキル、HO−
PhまたはHO−CH2−Phを約0℃−約50℃の温
度でナトリウム金属と反応させることによって製造する
ことができる。オキシドは、また、所望により反応不活
性溶剤、好ましくは、ベンゼン、トルエン、THFまた
はエーテルの存在にて、約0℃と約室温との間の温度
で、HO−(C1−C6)アルキル、HO−PhまたはH
O−CH2−Phをナトリウムハイドライドと反応させ
ることによって製造することができる。
【0037】スキーム2の工程2において、式2−3で
表される化合物は、酸化されて式2−4で表されるスル
ホニル化合物を形成する。式2−3で表される化合物
は、ハロカーボン溶剤(例えば、ジクロロメタン)中、
所望により、ギ酸、酢酸または過酸、例えば、m−クロ
ロ過安息香酸の存在で、30%過酸化水素で酸化するこ
とができる。反応は、好ましくは、周囲圧力および約2
0℃と約40℃との間の温度で行われ、約3−約6時間
で完了する。反応は、注意深くモニターされ、窒素原子
のN−オキシドへの過剰酸化を回避する必要がある。形
成されるN−オキシドは、そのN−オキシドを、好まし
くは、約100℃で約4時間、トリエチルホスファイ
ト、ナトリウムサルファイトまたはカリウムサルファイ
トと反応させることによりその還元されたピリダジン化
合物へと転化することができる。
【0038】スキーム2の工程3にて式2−4で表され
る化合物は、無機酸、例えば、濃塩酸と、単独またはエ
ーテル溶剤、例えば、ジオキサン中で加水分解されて、
式Iで表される化合物を得ることができる。工程3の反
応は、好ましくは、周囲圧力および使用される溶剤の還
流温度で行われる。
【0039】
【化7】 スキーム3は、式Iで表される化合物を製造するなおも
う1つの方法を提供する。スキーム3にて、式1−2で
表されるクロロピリダジノン化合物は、式2−2で表さ
れるチオール化合物と反応して式3−1で表されるスル
フィニルピリダジノン化合物を形成する。反応は、好ま
しくは、反応不活性極性溶剤、例えば、DMFまたはア
セトニトル中、アルカリまたはアルカリ金属アルコキシ
ド、例えば、カリウムt−ブトキシドの存在で約室温−
約100℃で実施される。式3−1で表される生ずる化
合物は、ハロカーボン溶剤、例えば、ジクロロメタン
中、所望により酢酸または過酸、好ましくは、m−クロ
ロ過安息香酸(MCPBA)の存在で、過酸化水素で酸
化されて、式Iで表される化合物を形成する。
【0040】
【化8】 XがCHR4であり、R4が水素またはメチルである式I
で表される化合物は、スキーム4に従い製造することが
できる。スキーム4の工程1においては、式4−1で表
される化合物〔式中、Zは、Cl、O−(C1−C6)ア
ルキル、O−Ph1、O−CH2−Ph1[式中、Ph
1は、塩素、臭素またはメチルで所望により一または二
置換されたフェニルである。]である。〕をY−X−L
〔ここで、Lは、脱離基であり、好ましくは、Cl、B
r、I、OSO2CH3、OSO2CF3またはOSO2
2[ここで、Ph2は、所望により、Br、Clまたは
OCH3で一置換されたフェニルである。]である。〕
と、塩基、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
またはナトリウムハイドライドの存在で反応させ、式2
−3で表される化合物を形成する。塩基が炭酸ナトリウ
ムまたは炭酸カリウムである時、反応溶剤は、好ましく
は、アセトンである。しかし、塩基がナトリウムハイド
ライドである場合、反応溶剤としてDMFまたはアセト
ニトリルが使用される。反応は、好ましくは、周囲圧力
および約室温と約100℃との間の温度で行われる。工
程2および工程3は、スキーム2の工程2および工程3
と類似し、正しくその方法で実施される。
【0041】XおよびYが合さって−CH2C(O)A
rを形成する式Iで表される化合物は、スキーム4に従
い、工程1で、式4−1で表される化合物をLCH2
(O)Arで表される化合物と反応させて、式2−3で
表される化合物を形成することによって製造することが
できる。反応は、塩基、好ましくは、炭酸ナトリウムま
たは炭酸カリウムの存在および反応不活性溶剤、例え
ば、ジメチルホルムアミド中で行われる。反応温度は、
好ましくは、約室温から約80℃である。スキーム4の
工程2および工程3は、スキーム2の工程2および3と
類似するようにして行われる。
【0042】XおよびYが合さって−CH2CH(O
H)Arを形成する式Iで表される化合物は、Xおよび
Yが合さって−CH2C(O)Arを形成する式Iで表
される化合物をアルコール系溶剤、例えば、メタノール
またはイソプロパノール中ナトリウムボロハイドライド
と反応させることによって製造することができる。反応
は、好ましくは、約0℃−約60℃の温度と周囲圧力と
で行われる。
【0043】
【化9】 XがNR3であり、R3が(C1−C3)アルキルである式
Iで表される化合物(式5−3で表される化合物)は、
スキーム5に従い製造することができる。スキーム5の
工程1において、式2−1〔式中、Zは、Cl、O−
(C1−C6)アルキル、O−Ph、O−CH2−Ph[こ
こで、Phは、塩素、臭素またはメチルで所望により一
または二置換されたフェニルである。]である。〕は、
ケトン溶剤、好ましくは、アセトン、エチルメチルケト
ンまたはイソブチルケトン中、チオ尿素と反応させて、
式4−1で表される化合物を得る。工程1は、周囲圧力
と溶剤の還流温度とで行われる。式2−1で表される化
合物は、スキーム2について上記したようにして製造す
ることができる。
【0044】スキーム5の工程2において、式5−1で
表される化合物は、J.Heterocyclic C
hem.,1998,35,429−436に開示され
た方法に従い製造される。式5−1で表される化合物
は、式Iで表される化合物の製造における中間体として
特に有用である。
【0045】スキーム5の工程3において、式5−2で
表される化合物は、所望により有機反応不活性塩基、好
ましくは、トリメチルアミン、トリエチルアミンおよび
ジメチル−イソプロピル−アミン類から選択されるトリ
アルキルアミン、さらに好ましくは、トリエチルアミン
中、式5−1で表される化合物を過剰のHN(R3)−
Yと反応させることによって製造される。反応は、所望
により、例えば、エーテル、ハロカーボンまたは芳香族
炭化水素溶剤;好ましくは、ジエチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグリム、クロ
ロホルム、塩化メチレン、ベンゼンおよびトルエンから
選択される反応不活性溶剤中で行うことができる。工程
3の反応は、好ましくは、約室温−使用する溶剤の約還
流温度で行われる。
【0046】スキーム5の工程4において、式5−3で
表される化合物は、式5−2で表される化合物を無機
酸、例えば、濃塩酸と単独またはエーテル溶剤(例とし
て、ジオキサン)中で加水分解することによって製造す
ることができる。反応は、約室温−使用する溶剤の約還
流温度で行うことができる。
【0047】Xが共有結合であり、Yがヒドロキシで置
換されたフェニルまたはナフチルである式Iで表される
化合物は、Yが(C1−C6)アルコシで置換されたフェ
ニルまたはナフチルである式Iで表される化合物を脱ア
ルキル試薬、たとえば、AlCl3、AlBr3またはB
3と反応させることによって製造することができる。
AlCl3またはAlBr3が脱アルキル試薬である時、
反応は、好ましくは、いずれの溶剤もなしで行われる。
脱アルキル試薬がBF3である時、ハロカーボン溶剤
が、好ましくは、使用され、好ましくは、塩化メチレン
または塩化エチレンが使用される。反応は、周囲圧力お
よび約−60℃−約80℃の温度で行われる。
【0048】Xが共有結合であり、Yが所望によりフェ
ニルまたはナフチル環で置換されたフェニルまたはナフ
チルである式Iで表される化合物は、Xが共有結合であ
り、ZがO−(C1−C6)アルキルであり、Yがブロモ
またはヨード置換基を有するフェニルまたはナフチルで
ある式2−4で表される化合物を最初にパラジウム触
媒、例えば、Pd〔P(Ph3)〕4の存在および炭酸カ
リウムかまたは炭酸ナトリウムの存在で、適当に置換さ
れたフェニルまたはナフチルホウ素酸(phenyl
or naphtyl boronic acid)と
反応させることによって製造することができる。反応
は、好ましくは、芳香族炭化水素溶剤、好ましくは、ト
ルエン中、または、(C1−C6)アルコール、好ましく
は、エタノール中、周囲圧力および約室温−使用する溶
剤の還流温度で行われる。第1工程の生成物は、無機
酸、好ましくは、塩化水素、単独またはエーテル溶剤、
好ましくは、ジオキサン中で加水分解され、Yが所望に
よりフェニルまたはナフチル環で置換されたフェニルま
たはナフチルである式Iで表される化合物が得られる。
【0049】心臓保護は、心筋梗塞の減少によって示さ
れるように、アデノシン受容体アゴニストを使用し、心
臓虚血試験準備のインビトロモデルとして単離され、逆
行灌流させたウサギの心臓に、薬理学的に誘発させるこ
とができる(Liu etal., Cardiova
sc.Res.,28:1057−1061,199
4)。以下に記載するインビトロ試験は、試験化合物
(すなわち、本明細書に記載する化合物)が、ウサギの
単離した心臓に投与される時、また、薬理学的に心臓保
護を誘発しうる、すなわち、心筋梗塞の重度を低下させ
うることを立証する。試験化合物の効果は、虚血試験準
備;および、ウサギの単離された心臓にて心臓保護を薬
理学的に誘発することが立証されているA1/A3アデ
ノシンアゴニスト、すなわち、APNEA 2−(4−
アミノフェニル)エチルアデノシン)(Liu et
al.,Cardiovasc. Res.,28:1
057−1067,1994)と比較される。正確な方
法は、以下に記載する。
【0050】これらの実験に使用されるプロトコール
は、Liu et al.,id.により記載されてい
るプロトコールに密接に従う。オスニュージーランド白
ウサギ(3−4kg)をナトリウムペントバルビタール
で麻酔する(30mg/kg,i.v.)。深い麻酔が
達成された後(接眼レンズのまばたき反射がないことに
よって決定される。)、その動物に挿管し、陽圧換気法
を使用して、100%O 2を通気する。左開胸手術を行
い、心臓を露出させ、左前方下行冠状動脈の枝の周りに
緩く係蹄(2−0シルク)を置き、その距離のほぼ2/
3を心臓の頂端に向かわせる。心臓は、胸部から取り出
し、ランゲンドルフ装置に素早く(<30秒)取り付け
る。心臓は、一定圧力80mmHgおよび温度37℃
で、改良クレーブス溶液(NaCl 118.5mM、
KCl 4.7mM、MgSO4 1.2mM、KH2
4 1.2mM、NaHCO3 24.8mM、CaC
22.5mMおよびグルコース 10mM)を使用し
て非循環的に大動脈を経て逆行灌流される。95%O2
/5%CO2でバブルすることによって、灌流液のpH
を7.4−7.5に維持する。心臓の温度は、生理学的
溶液のための加熱受器および灌流チューブおよび単離さ
れた心臓の両方の周りに水ジャッケットを使用すること
によって緊密に制御される。心拍数および左心室の血圧
は、左心室に挿入され、ステンレススチールのチューブ
により圧変換器に連結されるラテックスバルーンを介し
て測定される。心室内バルーンは、膨張され、収縮期血
圧80−100mmHgおよび弛緩期血圧≦10mmH
gを生ずる。冠状動脈血流は、また、インラインフロー
プローブを使用し、継続的にモニターされ、心臓の重量
に対して正規化される。
【0051】心臓は、30分間平衡とされ、その間全体
にわたって、心臓は、上記略述したパラメータ内で安定
な左心室血圧を示す必要がある。心拍数が局所虚血の3
0分前までのいずれかの時間において180bpmに落
ちる場合、心臓は、実験の残り時間について約200b
pmに置かれる。虚血試験準備は、心臓灌流を5分間総
停止(総虚血)し、続いて、10分間再灌流することに
よって誘発される。総虚血/総灌流をさらに1回繰り返
し、続いて、30分局所虚血する。局所虚血は、冠状動
脈枝の周りの係蹄をきつくすることによって生ずる。3
0分間の局所虚血に続き、係蹄を緩め、心臓をさらに1
20分間再灌流する。
【0052】薬理学的な心臓保護は、予め決められた濃
度で、試験化合物を注入し、30分局所虚血する前30
分に開始し、120分間の再灌流時間が終了するまで継
続することによって誘発される。心臓は、試験化合物を
受容するが、虚血試験準備の2つの期間には受け入れな
い。参照化合物APNEA(500nM)は、(試験化
合物を受容しない)心臓を通って5分間灌流されるが、
それは、30分間の局所虚血前10分に終了する。
【0053】120分間の再還流期間の終了時に、冠状
動脈係蹄はきつくされ、蛍光亜鉛カドミウムサルフェー
ト粒子(1−10μm)の0.5%懸濁液が心臓を通し
て灌流され;これは、梗塞発現の危険な領域(危険領
域)を除いて、心筋の全てを染色する。心臓をランゲン
ドルフ装置から取外し、染みを乾燥させ、秤量し、アル
ミ箔に包み、−20℃で一晩貯蔵する。次の日、冠状動
脈係蹄の頂端からすぐ上まで2mmの横断部分にその心
臓をスライスする。スライスは、ホスフェート緩衝塩水
中1%のトリフェニルテトラゾリウムクロライド(TT
C)で20分間37℃で染色する。TTCは、(NAD
−依存性脱水素酵素を含有する)生存組織と反応するの
で、この染色法は、生存(赤色染色)組織と死亡組織
(非染色の梗塞組織)とを識別する。梗塞された領域
(染色なし)と危険性のある領域(蛍光粒子なし)と
は、予め検量線を引いた画像分析器を使用し、左心室の
各スライスについて計算される。虚血損傷を心臓との間
の危険領域の差に対して正規化するために、データは、
梗塞領域対危険性のある領域の比(%IA/AAR)と
して表す。
【0054】哺乳動物の組織に対する虚血損傷からの保
護を生ずる医用剤としての本発明の化合物の活性および
かくして有用性は、当業者公知の標準インビトロ検定に
従い(例えば、B.L.Mylari, et a
l.,J.Med.Chem.,1991,34,10
8−122)、かつ、以降の一般的な実験方法に記載す
るプロトコールに従い、化合物のアルドース還元酵素阻
害活性を測定することによってさらに立証することがで
きる。組織におけるアルドース還元酵素阻害剤の活性
は、組織のソルビトールレベルまたは組織のフラクトー
スレベルを低下させるために必要とされるアルドース還
元酵素阻害剤の量を試験することによって(すなわち、
アルドース還元酵素を阻害する結果としてソルビトール
からのフラクトースの生産を阻害することによって)測
定することができる。
【0055】本発明の治療方法の態様において、式Iで
表される化合物は、有益な治療を達成するように計画さ
れた適当な投薬処方の部分として投与される。投与され
る各用量および化合物の投与間の間隔は、使用される本
発明の式Iで表される化合物、使用される医薬組成物の
型、治療される対象の特性および病態の重度に依存する
であろう。概して、本発明の方法を実施するには、本発
明の式Iで表される化合物の有効投薬量は、1回投与ま
たは分割投与で、約0.1mg/kg/日−約500m
g/kg/日の範囲である。しかし、投薬量の若干の変
動は、治療される対象の病態に応じて必ず生ずるであろ
う。個々の対象に対する適当な用量は、とにかく、個々
の投与責任者が決定するであろう。
【0056】本明細書に記載するインビトロ検定および
インビボプロトコールは、それにより、本発明の化合物
の活性がその他の公知の化合物の活性と比較しうる手段
を提供する。これら比較の結果は、虚血からの保護を誘
発するためのヒトを含む哺乳動物における投薬レベルを
決定するために有用である。このような検定は、本発明
の式Iで表される化合物とアルドース還元酵素阻害剤で
あるその他の公知化合物との活性を比較するための手段
を提供する。これらの比較の結果は、このような投薬レ
ベルを決定するために有用である。
【0057】本発明の化合物の投与は、優先的に所望さ
れる組織(例えば、神経、腎臓、水晶体、網膜および/
または心臓組織)へと供給するいずれの方法により行う
ことができる。化合物は、例えば、経口、十二指腸内、
非経口(例えば、静脈内、直腸内、皮下、または吸入に
より)等の種々の投与ルートにより投与することがで
き、1回(例えば、1日1回)または多数回投与にて、
または、一定した注入により投与することができる。
【0058】本発明の化合物は、単独;または、薬学的
に許容可能なキャリヤー、ビヒクルまたは希釈剤と組合
せて、1回または多数回投与で投与することができる。
適した薬学的キャリヤー、ビヒクルおよび希釈剤として
は、不活性固形希釈剤または充填剤、滅菌水溶液および
種々の有機溶剤が挙げられる。本発明の化合物と薬学的
に許容可能なキャリヤー、ビヒクルまたは希釈剤との組
合せによって形成される医薬組成物は、ついで、種々の
剤形、例えば、錠剤、粉末、ロゼンジ、シロップ、注射
可能な溶液等で容易に投与される。これら医薬組成物
は、所望される場合、さらなる成分、例えば、芳香剤、
結合剤、賦形剤等を含有してもよい。かくして、経口投
与目的に対しては、種々の賦形剤、例えば、クエン酸ナ
トリウム、炭酸カルシウム、および/またはリン酸カル
シウムを含有する錠剤は、種々の崩壊剤、例えば、澱
粉、アルギン酸および/またはある種の錯体シリケート
とともに、結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン、サ
ッカロース、ゼラチンおよび/またはアカシアと合わせ
て使用することができる。さらに、滑剤、例えば、ステ
アリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよび
タルクは、錠剤形成目的に対し有用なことが多い。同様
の型の固形組成物は、また、ソフトおよびハード充填ゼ
ラチンカプセルにおける充填剤として使用することがで
きる。このための好ましい材料としては、ラクトースま
たは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが挙げ
られる。経口投与に水性懸濁液またはエリキシルが所望
される時、その中の活性な医薬活性剤は、希釈剤、例え
ば、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリ
ンおよび/またはその組合せと一緒に、種々の甘味剤ま
たは芳香剤;着色物質または染料と組合せることがで
き、所望される場合には、乳化剤または懸濁剤も組合せ
ることができる。
【0059】非経口投与に対し、本発明の化合物のゴマ
油またはピーナツ油、水性ポリプロピレングリコール溶
液または滅菌水性溶液を使用することができる。このよ
うな水性溶液は、必要とされる場合、適当に緩衝され、
液体希釈剤は、最初に、十分な塩水またはグルコースで
等張とされる。これら個々の水溶液は、静脈内、筋肉
内、皮下および腹腔内投与するのに特に適している。こ
れに関連して、使用される滅菌水性媒体は、全て、当業
者公知の標準技術により容易に入手される。
【0060】概して、本発明の組成物は、経口;また
は、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、皮下または髄
内)で投与される。局所投与は、また、例えば、患者が
胃腸疾患にかかっている場合、または、所属医師によっ
て決定される組織または器官の表面に医用剤を適用する
のが最良である時にはいつでも適応しうる。
【0061】本発明の組成物の頬投与は、慣用的に処方
される錠剤またはロゼンジの形を取るのがよい。鼻腔内
投与または吸入による投与に対しては、本発明の化合物
は、便宜上、患者によって絞り出されるかまたは圧縮さ
れるポンプスプレー容器から溶液または懸濁液の形で;
または、適当な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメ
タン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフル
オロエタン、二酸化炭素またはその他の適当なガスの使
用により、加圧容器またはネブライザーからエアロゾル
スプレー投与として供給される。加圧したエアロゾルの
場合、投薬単位は、計量した量を供給するためのバルブ
を設けることによって決定することができる。加圧容器
またはネブライザーは、本発明の化合物の溶液または懸
濁液を収容することができる。吸入器または注入器に使
用される(例えば、ゼラチン性の)カプセルおよびカー
トリッジは、本発明の化合物または配合物と適当な粉末
基材、例えば、ラクトースまたは澱粉の粉末混合物を含
有するように配合される。
【0062】経皮(例えば、局所)投与目的に対して
は、希釈滅菌水性または一部水性溶液(通常、約0.1
%−5%濃度);または、上記非経口溶液と同等の溶液
が調製される。
【0063】一定量の活性成分を含む種々の医薬組成物
を調製する方法は、公知であり、当業者に対しては、こ
の開示に照らして明らかであろう。医薬組成物を調製す
る方法の例については、Remington’s Ph
armaceuticalSciences,Mack
Publishing Company,Easto
n,Pa.,19th Edition(1995)を
参照。
【0064】上記列挙した雑誌論文および科学文献およ
び特許刊行物は、参考とすることにより全て本明細書に
組込む。
【0065】
【実施例】一般的な実験方法 融点は、Thomas−Hooverキャピラリー融点
装置で測定したが、補正しない。1H NMRスペクト
ルは、23℃でプロトンに対し250、300または4
00MHzで、Bruker AM−250(Bruk
er Co.,Billerica,Massachu
setts)、Bruker AM−300、Vari
an XL−300(Varian Co.,Palo
Alto, California)またはVari
an Unity 400上で得られた。ケミカルシフ
トは、内部標準として残留クロロホルム(7.26pp
m)、ジメチルスルホキシド(2.49ppm)または
メタノール(3.30ppm)に関してppm(δ)で
報告する。ピーク形状およびピーク形状についての説明
は、以下のように表す:s,シングレット;d,ダブレ
ット;t,トリプレット;q,カルテット;m,マルチ
プレット;c,コンプレックス;br,ブロード;ap
p,アパーレント。低分解能質量スペクトルは、Fis
ons(now Micromass) Trio 1
000 Mass Spectrometer(Mic
romass Inc., Beverly, Mas
sachusetts)上サーモスプレー(TS)条件
下;Hewlett Packard 5989A P
article Beam Mass Spectro
meter(Hewlett Packard C
o., Palo Alto, Californi
a)上化学イオン化(CI)条件の下;または、Fis
ons Platform II Spectrome
ter上大気圧化学イオン化(APCI)の下得られ
た。
【0066】実施例 1 6−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)
−2H−ピリダジン−3−オン 3,6−ジクロロピリダジン(4.44g)、3−トリ
フルオロメチルフェニルスルフィン酸ナトリウム塩
(6.93g)、イソプロパノール(30mL)および
水(1mL)の混合物を調製し、18時間還流した。つ
いで、反応混合物を冷却し、水(100mL)で希釈
し、沈殿した固体を収集した。固体をn−プロパノール
ですり潰し、固体を収集して、標題化合物(25%,
2.3g)を得た。
【0067】実施例 2 6−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピ
リダジン−3−オン 工程A:3−(2−フルオロ−フェニルスルファニル)
−6−メトキシ−ピリダジン 4−フルオロチオフェノール(2.56g)のDMF
(10mL)透明溶液に、3−クロロ−6−メトキシ−
ピリダジン(3.18g)を加え、室温で1時間攪拌し
た。反応混合物を水(30mL)でクエンチし、酢酸エ
チル(50mL)で抽出した。酢酸エチル層を収集し、
水(2×20mL)で洗浄し、有機部分を収集し、無水
硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させ
て、粗製の3−(2−フルオロ−フェニルスルファニ
ル)−6−メトキシ−ピリダジン(85%,4.0g,
mp58−62℃;質量スペクトルM+,236)を得
た。
【0068】工程B:3−(2−フルオロ−ベンゼンス
ルホニル)−6−メトキシ−ピリダジン 3−(2−フルオロ−フェニルスルファニル)−6−メ
トキシ−ピリダジン(500mg)、m−クロロ過安息
香酸(MCPBA)(1.04g)およびメチレンジク
ロライド(10mL)の混合物を調製し、室温で2時間
攪拌した。反応混合物をメチレンジクロライド希釈し、
メチレンジクロライド層を飽和炭酸水素ナトリウム(1
0mL)で洗浄し、ついで、水(2×20mL)で洗浄
した。メチレンジクロライド層を収集し、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥し、濾過し、濾液を蒸発乾固させた。残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液としては、
3:1酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、白色固
体(51%,290mg;NMR,4.19(s,3
H),7.13(d,1H),7.21(d,1H),
8.13(m,4H))として3−(2−フルオロ−ベ
ンゼンスルホニル)−6−メトキシ−ピリダジンを得
た。
【0069】工程C:6−(2−フルオロ−ベンゼンス
ルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン 3−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−6−メト
キシ−ピリダジン(200mg)および濃塩酸(2m
L)の混合物を調製し、1時間還流させた。反応混合物
を冷却し、水(20mL)で希釈した。ついで、十分な
量の40%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、混合物の
pHを3に調節し、混合物を酢酸エチル(2×20m
L)で抽出した。酢酸エチル抽出部分を収集し、合わ
せ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を
蒸発させ、白色固体(45%,80mg)として標題化
合物を得た。mp173−176℃;NMR,7.06
(d,1H),7.23(m,1H),7.3(m,1
H),7.89(d,1H),8.02(m,2H)お
よび11.66(s,1H). 実施例 36−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン 工程A:3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルス
ルファニル)−6−メトキシ−ピリダジン 2−フルオロ−4−ブロモチオフェノール(300m
g)、2,6−ジクロロ−ピリダジン(149mg)、
炭酸カリウム(400mg)およびアセトン(6mL)
の混合物を調製し、2時間還流させた。混合物よりのア
セトンを蒸発させ、生ずる残渣をメタノール(3mL)
およびナトリウム金属(166mg)の溶液に溶解させ
た。生ずる溶液を1時間還流させた。メタノールを蒸発
させると、3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル
スルファニル)−6−メトキシ−ピリダジンを与え、こ
れは、単離することなく、直ちに、工程2にて使用し
た。
【0070】工程B:3−(4−ブロモ−2−フルオロ
−ベンゼンスルホニル)−6−メトキシ−ピリダジン 工程Aの生成物(400mg)をクロロホルム(10m
L)に溶解させ、生ずる溶液にm−クロロ過安息香酸
(MCPBA)(770mg)を加えた。反応混合物
は、室温で一晩攪拌した。溶剤は蒸発させ、生ずる残渣
は、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液としては、
90%ヘキサン/10%酢酸エチル)により精製して、
標題化合物(264mg,60%)を得た:質量スペク
トル,M+,346. 工程C:6−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンゼンス
ルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン 3−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニ
ル)−6−メトキシ−ピリダジン(260mg)、ジオ
キサン(5mL)および濃塩酸(1mL)の混合物を調
製し、2時間還流させた。ついで、反応混合物を蒸発乾
固させた。生ずる残渣は、水ですり潰し、沈殿した固体
は、収集し、風乾して、標題化合物(90%,225m
g)を得た;mp>220℃;NMR7.05(d,1
H),7.7(d,1H),7.9(m,3H),1
3.8(s,1H).実施例 4 6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリ
ダジン−3−オン 工程A:3−(3−クロロ−フェニルスルファニル)−
6−メトキシ−ピリダジン ナトリウム金属(218mg)をメタノール(10m
L)に溶解させた。3−クロロチオフェノールを加え、
室温で1時間攪拌した。過剰のメタノールを蒸発させ、
乾燥残渣にトルエン(20mL)および3−クロロ−6
−メトキシピリダジン(1.1g)を加えた。反応混合
物は、1時間還流させ、室温まで冷却し、ついで、水
(30mL)に注いだ。溶液のpHは、20%水酸化ナ
トリウムで最初10に調節し、酢酸エチル(2×20m
L)で抽出した。抽出物からの水層を収集した。水性部
分は、濃塩酸でpH3まで酸性とし、ついで、酢酸エチ
ル(3×10mL)で抽出した。酢酸エチル抽出液は蒸
発させ、残渣は、シリカゲルクロマトグラフィーにより
精製すると、3−(3−クロロ−フェニルスルファニ
ル)−6−メトキシ−ピリダジン(M+,253)を与
えた。
【0071】工程B:3−(3−クロロ−ベンゼンスル
ホニル)−6−メトキシ−ピリダジン 3−(3−クロロ−フェニルスルファニル)−6−メト
キシ−ピリダジン(529mg)、m−クロロ過安息香
酸(MCPBA)(760mg)およびクロロホルム
(20mL)の混合物を調製し、室温で2時間攪拌し
た。反応混合物を5%ナトリウムチオサルフェート(2
0mL)で希釈し、続いて、水(30mL)で希釈し
た。クロロホルム層を収集し、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥し、濾過し、乾燥させたクロロホルム部分を蒸発乾
固させた。生ずる固体残渣は、シリカゲルクロマトグラ
フィー(溶離液としては、3:1ヘキサン/酢酸エチ
ル)により精製して、3−(3−クロロ−ベンゼンスル
ホニル)−6−メトキシ−ピリダジン(29%,173
mg)を得た;質量スペクトル,M+,285. 工程C:6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2
H−ピリダジン−3−オン 3−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−メトキ
シ−ピリダジン(148mg)、ジオキサン(2mL)
および濃塩酸(0.5mL)の混合物を調製し、30分
間還流させた。反応混合物は、ついで、蒸発乾固し、残
渣は、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。酢酸エ
チル混合物を収集し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、
濾過し、濾液を蒸発乾固させると、白色固体(38%,
61mg)として6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オンを与えた;mp22
2−223℃;NMR,7.11(d,1H),7.7
4(t,1H),7.86−8.04(m,4H),1
3.86(s,1H).実施例4A−4Nは、実施例4
の方法と類似したようにして適当な出発材料から製造さ
れる:
【0072】
【表1】 実施例 5 6−(2,4−ジクロロベンゼンスルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン 工程A:6−(2,4−ジクロロ−フェニルスルファニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン カリウムt−ブトキシド(1.1g)を2,4−ジクロ
ロチオフェノール(1.8g)のN,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)(5mL)の溶液に加えた。混合物
を室温で10分間攪拌し、ついで、6−クロロ−2H−
ピリダジン−3−オン(1.31g)を加えた。反応混
合物を100℃で5時間攪拌した。ついで、混合物を室
温まで冷却し、水(20mL)に注ぎ、20%水酸化カ
リウム(5mL)を加えた。生ずる暗色の溶液を酢酸エ
チル(2×10mL)で抽出した。水層を収集し、その
pHを濃塩酸で3に調節した。ついで、溶液を酢酸エチ
ル(3×10mL)で抽出した。酢酸エチル層を収集
し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させ
ると、粗製の生成物が得られ、この生成物は、シリカゲ
ルクロマトグラフィー(溶離液としては、1:1酢酸エ
チル/ヘキサン)により精製すると、6−(2,4−ジ
クロロ−フェニルスルファニル)−2H−ピリダジン−
3−オン(418mg,15%)を与えた;NMR6.
88(d,1H),7.10(d,1H),7.24
(dd,1H),7.48(d,1H),7.52
(d,1H). 工程B:6−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニ
ル)−2H−ピリダジン−3−オン 6−(2,4−ジクロロ−フェニルスルファニル)−2
H−ピリダジン−3−オン(418mg)、過酢酸
(3.2mL)および酢酸の混合物を調製し、80℃で
2.5時間攪拌した。ついで、反応混合物を室温まで冷
却し、水(50mL)に注いだ。生ずる白色の固体を収
集し、乾燥させると、標題生成物6−(2,4−ジクロ
ロベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン
が得られた;(37%,173mg);mp202−2
03℃;NMR7.15(d,1H),7.81(d
d,1H),8.03(m,2H),8.25(d,1
H),13.88(s,1H).実施例5A−5Iは、
実施例5の方法に類似したようにして適当な出発材料か
ら製造した。
【0073】
【表2】 実施例 66−(2−ヒドロキシ−ベンゼンスルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン 6−(2−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピ
リダジン−3−オン(100mg)およびアルミニウム
トリブロマイド(2g)の混合物を調製し、100℃に
2時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(10mL)
を加えた。ついで、混合物をクロロホルムで抽出した。
有機抽出物を水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥させ、蒸発させた。生ずる残渣は、イ
ソプロピルエーテルですり潰し、生ずる固体を濾過によ
り収集すると、標題化合物を与えた(61%,58m
g);1HNMR(CDCl3,300MHz),δ7.
0(m,3H),7.6(m,2H),7.8(d,1
H).実施例 7 3−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−メトキ
シ−ピリダジン,N−オキシド 3−(2−クロロ−フェニルスルファニル)−6−メト
キシ−ピリダジン、m−クロロ過安息香酸(MCPB
A)(4.0g)およびクロロホルム(30mL)の混
合物を調製し、30時間還流させた。反応試料のアリコ
ートの質量スペクトルを解析すると、所望されるスルホ
ン−N−オキシド(M+,301)への完全なる転化を
示した。反応物を冷却し、ナトリウムサルファイト(1
0%溶液,20mL)、炭酸ナトリウム(10%溶液,
20mL)および水(2×20mL)で逐次洗浄した。
クロロホルム層を収集し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥
させ、濾過し、濾液を蒸発させると、粗製の固体が得ら
れた。粗製の固体は、シリカゲルクロマトグラフィー
(溶離液としては、1:1酢酸エチル/ヘキサン)によ
り精製すると、標題化合物(38%,425mg)を与
えた;mp148−153℃;(38%,425m
g);NMRδ4.01(s,3H),6.80(d,
1H),7.42(m,1H).7.57(m,2
H),8.38(d,1H),8.46(m,1H).実施例 8 3−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニ
ル)−6−メトキシ−ピリダジン,N−オキシド 出発化合物として3−(2−クロロ−4−フルオロ−フ
ェニルスルファニル)−6−メトキシ−ピリダジンを使
用し、実施例7の方法と類似した方法に従い、標題化合
物を製造した。(60%);mp159−161℃;N
MRδ4.01(s,3H),6.80(d,1H),
7.15(dd,1H),7.25(dd,1H),
8.37(d,1H),8.49(m,1H).実施例 9 3−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−メトキ
シ−ピリダジン 3−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−6−メトキ
シ−ピリダジン,N−オキシド、実施例7からのN−オ
キシド(317mg)およびトリエチルホスファイト
(3mL)の混合物を100℃まで4時間加熱した。反
応混合物を室温まで冷却し、水(20mL)に注ぎ、酢
酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機抽出物を蒸
発乾固させ、粗製の生成物は、シリカゲルクロマトグラ
フィー(溶離液としては、1:1酢酸エチル/ヘキサ
ン)により精製した。(48%,143mg);NMR
δ4.19(s,3H),7.19(d,1H),7.
43(dd,2H),7.58(m,2H),8.27
(d,1H),8.44(dd,2H).実施例 10 3−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニ
ル)−6−メトキシ−ピリダジン 3−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニ
ル)−6−メトキシ−ピリダジン,N−オキシドから出
発して実施例9の方法に従い、標題化合物を製造した。
(48%);mp84−87℃。
【0074】実施例 11 6−メトキシ−ピリダジン−3−スルホニルフルオライ
工程A:6−メトキシ−ピリダジン−3−チオール 3−クロロ−6−メトキシ−ピリダジン(100g)、
チオ尿素(105g)およびエチルメチルケトン(1.
8L)の混合物を調製し、3時間還流させた。ついで、
反応混合物を冷却し、上澄み液を水に注ぎ、1Mの水酸
化ナトリウム(4×100mL)で抽出した。水酸化ナ
トリウム溶液は、酢酸エチル(2×50mL)で洗浄
し、水性抽出物は、十分な濃塩酸で酸性とし、そのpH
を5まで低下させた。生ずる黄色の固体を収集し、風乾
すると、標題化合物(24%,23g)を与えた;mp
198−200℃. 工程B:6−メトキシ−ピリダジン−3−スルホニルフ
ルオライド 6−メトキシ−ピリダジン−3−チオール(7.1
g)、メタノール(100mL)、水(100mL)お
よびフッ化水素カリウム(39g)の混合物を調製し、
−10℃で30分間攪拌した。温度が−10℃を決して
上回らないような速度で塩素ガスを混合物中にバブルさ
せた。ついで、白黄色の反応混合物を氷冷水(50m
L)に注ぎ、生ずる白色固体を濾過し、風乾すると、標
題化合物(74%,7.1g)を与えた;mp87−8
8℃.実施例 12 6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−スル
ホン酸メチル−フェニル−アミド 工程A:6−メトキシ−ピリダジン−3−スルホン酸メ
チル−フェニル−アミド 実施例11からの6−メトキシ−ピリダジン−3−スル
ホニルフルオライド(1.62mmol,312mg)
およびN−メチルアニリン(24.3mmol,0.2
6mL)の混合物を調製し、100℃に12時間加熱し
た。ついで、その混合物を冷却した。生ずる固体の残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると標題
化合物が単離された(53%,240mg);M+,2
79. 工程B:6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−
3−スルホン酸メチル−フェニル−アミド 6−メトキシ−ピリダジン−3−スルホン酸メチル−フ
ェニル−アミド(239mg)、ジオキサン(4mL)
および濃塩酸(1mL)の混合物を調製し、1時間還流
させた。ついで、その混合物を蒸発乾固させた。生ずる
固体は、水ですり潰し、固体を収集すると、標題化合物
を与えた(75%,171mg);mp157−158
℃.実施例 13 6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−スル
ホン酸イソプロピル−フェニル−アミド 6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−スル
ホン酸メチル−フェニル−アミドについての実施例12
の方法と類似の方法に従い、工程3におけるN−メチル
アニリンをN−イソプロピルアニリンで代替し、標題化
合物を製造した(20%);mp190−191℃.実施例 14 6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−スル
ホン酸(3,4−ジクロロ−フェニル)−メチル−アミ
6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−スル
ホン酸メチル−フェニル−アミドについての実施例12
の方法と類似の方法に従い、N−メチルアニリンをN−
メチル−3,4−ジクロロアニリンで代替し、標題化合
物を製造した;(28%);mp207−208℃.実施例 15 6−(4−フルオロ−フェニルスルファニル)−2H−
ピリダジン−3−オン 実施例2の工程Aに類似の方法により製造される3−
(4−フルオロ−フェニルスルファニル)−6−メトキ
シ−ピリダジン(250mg)および濃塩酸の混合物を
調製し、30分間還流させた。ついで、混合物を蒸発乾
固させた。生ずる残渣は、シリカゲルクロマトグラフィ
ー(溶離液としては、酢酸エチル)により精製すると、
標題化合物(65%,152mg)を与えた;mp99
−101℃.実施例 16 6−(ビフェニル−4−スルホニル)−2H−ピリダジ
ン−3−オン 工程A:6−(ビフェニル−4−スルホニル)−6−メ
トキシ−2H−ピリダジン 4−フルオロ−ベンゼン−ホウ素酸(157mg)、3
−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−6−メトキ
シ−ピリダジン(247mg)、炭酸カリウム(207
mg)、Pd〔P(Ph)34(87mg)、トルエン
(4mL)、エタノール(2mL)および水(1.5m
L)の混合物を調製し、4時間還流させた。混合物を冷
却し、水(10mL)を加えた。ついで、混合物を濾過
し、生ずる濾液を酢酸エチル(20mL)で抽出した。
酢酸エチル抽出物を水で洗浄し、酢酸エチル部分を収集
し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾液
を収集し、蒸発乾固させると、工程Aの標題生成物を与
えた。NMRδ4.17(s,3H),7.13(m,
3H),7.54(m,2H),7.70(m,2
H),8.17(m,3H). 工程B:6−(ビフェニル−4−スルホニル)−2H−
ピリダジン−3−オン 工程Aの生成物を実施例2の工程Cに従い、濃塩酸で処
理して、標題化合物を得た。mp219−220℃.実施例 17 6−ベンジルオキシ−ピリダジン−3−スルホニルフル
オライド 工程A:3−ベンジルオキシ−6−クロロ−ピリダジン ナトリウム金属(3.1g)をベンジルアルコール(7
5mL)に加え、ナトリウム金属が全て溶解するまで、
30分間50℃まで緩やかに暖めた。3,6−ジクロロ
ピリダジン(135mmol)のベンジルアルコール
(75mL)溶液を加えた。反応混合物を100℃に2
4時間保った。過剰のベンジルアルコールを蒸発させ、
残渣を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、酢酸エ
チル抽出物を水で洗浄した。生ずる酢酸エチル層を収集
し、乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させると、標題化合物
を与えた(90%,26.7g);mp77−78℃. 工程2:6−ベンジルオキシ−ピリダジン−3−チオー
3−ベンジルオキシ−6−クロロ−ピリダジン(4
g)、チオ尿素(2.8g)およびエチルメチルケトン
(75mL)の混合物を調製し、一晩還流させた。過剰
のエチルメチルケトンを蒸発させ、生ずる残渣を2Mの
水酸化ナトリウム(25mL)で抽出した。ついで、水
酸化ナトリウム溶液を酢酸エチル(2×30mL)で洗
浄した。水層を収集し、十分な濃塩酸を加えて、そのp
Hを5まで持って行った。生ずる溶液を酢酸エチル(2
×30mL)で抽出した。酢酸エチル抽出物を収集し、
乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させると、標題化合物(1
5%,605mg)を与えた;mp155−157℃. 工程3:6−ベンジルオキシ−ピリダジン−3−スルホ
ニルフルオライド 6−ベンジルオキシ−ピリダジン−3−チオール(51
0mg)、メタノール(10mL)、水(10mL)お
よびフッ化水素カリウム(1.83g)の混合物を調製
し、−10℃で30分間攪拌した。温度が決して−10
℃を上回らない速度で混合物中に塩素ガスをバブルさせ
た。生ずる白黄色の反応混合物を氷冷水(50mL)に
注ぎ、生ずる白色の固体を濾過し、風乾すると、標題化
合物を与えた(収率89%,560mg);mp85−
88℃.実施例 18 6−〔2−(4−クロロ−フェニル)−2−オキソ−エ
タンスルホニル〕−2H−ピリダジン−3−オン 工程A:1−(4−クロロ−フェニル)−2−(6−メ
トキシ−ピリダジン−3−スルファニル)−エタノン 2−メルカプト−6−メトキシ−ピリダジン(1.42
g)、4−クロロ−α−ブロモアセトフェノン(10m
mol,2.33g)、炭酸カリウム(2.76g)お
よびジメチルホルムアミド(15mL)の混合物を室温
で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、残渣を酢酸エ
チル(2×20mL)で洗浄し、合わせた濾液を水(2
×20mL)で洗浄した。酢酸エチル層を収集し、乾燥
し、濾過し、濾液を蒸発乾固すると、工程Aの標題化合
物を与えた(96%,2.85g);質量スペクトル,
+295. 工程B:1−(4−クロロ−フェニル)−2−(6−メ
トキシ−ピリダジン−3−スルホニル)−エタノン 工程Aからの化合物(8.5mmol,2.3g)、M
CPBA(25mmol,5.8g)および塩化メチレ
ン(160mL)の混合物を室温で40分間攪拌した。
反応混合物に、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(400
mL)を加え、塩化メチレン層を収集し、乾燥し、濾過
し、濾液を蒸発させると、白色固体(79%,2.2
g)として工程Bの標題化合物を与えた;mp153−
156℃. 工程C:6−〔2−(4−クロロ−フェニル)−2−オ
キソ−エタンスルホニル〕−2H−ピリダジン−3−オ
工程Bからの化合物を実施例2の工程Cに従い、酸加水
分解を通して標題化合物へと変換した;(79%);m
p>240℃.実施例 19 6−〔2−(4−クロロ−フェニル)−2−ヒドロキシ
−エタンスルホニル〕−2H−ピリダジン−3−オン 実施例18に従い製造した6−〔2−(4−クロロ−フ
ェニル)−2−オキソ−エタンスルホニル〕−2H−ピ
リダジン−3−オン(1.0mmol,312mg)の
メタノール(10mL)懸濁液を調製した。ナトリウム
ボロハイドライド(1.5mmol,55mg)を室温
で懸濁液に加え、1時間攪拌した。反応混合物を蒸発さ
せ、残渣を10%塩酸(5mL)ですり潰した。生ずる
白色沈殿を濾過し、風乾すると、標題化合物(69%,
218mg)を与えた;mp178−179℃.実施例 20 アルドース還元酵素阻害を測定するためのプロトコール 試験化合物(TC)溶液は、TCを20μlの20%ジ
メチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、100m
Mのリン酸カリウム緩衝液,pH7で希釈して、典型的
には、5mM−1μM範囲の種々のTC濃度に希釈する
ことにより調製した。20μlのDMSO(TCなし)
のみで開始する“ゼロTC”溶液を調製した。アルドー
ス還元酵素活性の検定は、96穴板で行った。(基質と
の)反応の開始は、25μlのTC溶液とともに125
μmのNADPHおよび12.5nMのヒト組換えアル
ドース還元酵素(Wako Chemicals,In
c.,#547−00581)を含有する200μlの
100mMリン酸カリウム緩衝液,pH7.0について
24℃で10分間予備インキュベーションすることによ
り先に行った。反応は、25μlの20mM D−グリ
セルアルデヒド(Sigma,St.Louis)の添
加によって開始させた。OD340の低下速度を340A
TTC Plate Reader(SLT Lab
Instruments,Austria)内24℃で
15分間モニターした。TCによる阻害は、非−TC含
有試量と比較したNADPH酸化速度におけるパーセン
テージ低下として測定した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 237/18 C07D 237/18 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 BC41 MA01 MA04 MA13 MA17 MA22 MA23 MA31 MA35 MA36 MA41 MA43 MA52 MA55 MA57 MA59 MA60 MA65 MA66 NA14 ZA36 ZA40 ZB21 ZC20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 虚血により生ずる組織損傷を治療または
    予防する必要のある哺乳動物に、式I 【化1】 〔式中、R1およびR2は、各々、独立に、水素またはメ
    チルであり;XおよびYは、一緒になって、CH2−C
    H(OH)−ArまたはCH2−C(O)−Arである
    か;または、 Xは、共有結合、NR3またはCHR4[ここで、R3は、
    (C1−C3)アルキルであるか;または、OH、F、C
    l、Br、I、CN、CF3、(C1−C6)アルキル、
    O−(C1−C6)アルキル、S(O)n−(C1−C6
    アルキルおよびSO2−NR56から選択される1つ以
    上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;R
    4は、水素またはメチルである。]であり;かつ、 Yは、Ar、OH、F、Cl、Br、I、CN、C
    3、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキ
    ル、S(O)n−(C1−C6)アルキルおよびSO2−N
    56から選択される1つ以上の置換基で置換されてい
    てもよいフェニルまたはナフチルであり;Arは、F、
    Cl、Br、I、CN、CF3、(C1−C6)アルキ
    ル、O−(C1−C6)アルキル、S(O)n−(C1−C
    6)アルキルおよびSO2−NR56から選択される1つ
    以上の置換基で置換されていてもよいフェニルまたはナ
    フチルであり;nは、各存在について、独立に、0、1
    または2であり;R5は、各存在について、独立に、
    H、(C1−C6)アルキル、フェニルまたはナフチルで
    あり;R6は、各存在について、独立に、(C1−C6
    アルキル、フェニルまたはナフチルである。〕で表され
    る化合物または前記化合物のプロドラッグ;または、前
    記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容可能な
    塩の有効量を投与することを含む処置方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物が、 6−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリ
    ダジン−3−オン;6−(3−クロロ−ベンゼンスルホ
    ニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,3−
    ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−
    3−オン;6−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニ
    ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(4−フルオ
    ロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オ
    ン;6−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−
    ピリダジン−3−オン;6−(2−フルオロ−ベンゼン
    スルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
    (2,3−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−
    ピリダジン−3−オン;6−(2,4−ジクロロ−ベン
    ゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
    (2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−
    ピリダジン−3−オン;6−(2,6−ジクロロ−ベン
    ゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−
    (2−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−
    2H−ピリダジン−3−オン;6−(2−ブロモ−4−
    フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−
    3−オン;および、 6−(ナフタレン−1−スルホニル)−2H−ピリダジ
    ン−3−オン;または、それらより選択される化合物の
    プロドラッグ;あるいは、前記化合物または前記プロド
    ラッグの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項
    1に記載の処置方法。
  3. 【請求項3】 前記化合物が、 6−(2−クロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリ
    ダジン−3−オン;6−(3−クロロ−ベンゼンスルホ
    ニル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,3−
    ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−
    3−オン;6−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニ
    ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,3−ジ
    フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−
    3−オン;6−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニ
    ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2,4−ジ
    フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−
    3−オン;6−(2,6−ジクロロ−ベンゼンスルホニ
    ル)−2H−ピリダジン−3−オン;6−(2−クロロ
    −4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダ
    ジン−3−オン;6−(2−ブロモ−4−フルオロ−ベ
    ンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;お
    よび、 6−(ナフタレン−1−スルホニル)−2H−ピリダジ
    ン−3−オン;または、それらより選択される化合物の
    プロドラッグ;あるいは、前記化合物または前記プロド
    ラッグの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項
    2に記載の処置方法。
  4. 【請求項4】 前記化合物が、 6−(2,3−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−2
    H−ピリダジン−3−オン;6−(2,4−ジクロロ−
    ベンゼンスルホニル)−2H−ピリダジン−3−オン;
    6−(2−ブロモ−4−フルオロ−ベンゼンスルホニ
    ル)−2H−ピリダジン−3−オン;および、 6−(ナフタレン−1−スルホニル)−2H−ピリダジ
    ン−3−オン;または、それらより選択される化合物の
    プロドラッグ;あるいは、前記化合物または前記プロド
    ラッグの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項
    3に記載の処置方法。
  5. 【請求項5】 前記組織が、心臓、脳、肝臓、腎臓、
    肺、消化管、骨格筋、脾臓、膵臓、網膜または腸管組織
    である、請求項1、2、3または4に記載の処置方法。
  6. 【請求項6】 前記組織が、心臓組織である、請求項
    1、2、3または4に記載の処置方法。
  7. 【請求項7】 式Iで表される前記化合物、前記プロド
    ラッグ;または、前記化合物または前記プロドラッグの
    前記薬学的に許容可能な塩が、アルドース還元酵素阻害
    量投与される、請求項1、2、3または4に記載の処置
    方法。
  8. 【請求項8】 前記哺乳動物がヒトである、請求項1、
    2、3または4に記載の処置方法。
  9. 【請求項9】 前記組織が、心臓組織であり、式Iで表
    される前記化合物、前記プロドラッグ;または、前記化
    合物または前記プロドラッグの前記薬学的に許容可能な
    塩が、アルドース還元酵素阻害量投与され、前記哺乳動
    物がヒトである、請求項1、2、3または4に記載の処
    置方法。
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