JP2002370088A - 塗装前処理ラインから排出される水洗水の回収方法 - Google Patents

塗装前処理ラインから排出される水洗水の回収方法

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JP2002370088A
JP2002370088A JP2001179128A JP2001179128A JP2002370088A JP 2002370088 A JP2002370088 A JP 2002370088A JP 2001179128 A JP2001179128 A JP 2001179128A JP 2001179128 A JP2001179128 A JP 2001179128A JP 2002370088 A JP2002370088 A JP 2002370088A
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JP2001179128A
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Junichi Minami
淳一 南
Noriaki Kobayashi
典昭 小林
Shinichi Tsubaki
紳一 椿
Hideaki Morita
英明 森田
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 りん酸塩化成処理工程から排出された水洗水
を、再び化成処理液及び水洗水に、低コストで高効率で
再利用することができる処理回収方法の提供。 【解決手段】 りん酸塩化成処理工程の排出水洗水を、
互いに塩阻止率の異る2種以上の逆浸透膜及び/又はナ
ノフィルター膜を併用している膜分離装置に供給して、
前記処理処理用成分を含む非透過濃縮液(化成工程に戻
して再利用できる)と、透過水(水洗水として再利用で
きる)とに分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装下地処理工程
として工業的に広く用いられているりん酸塩化処理工程
(塗装前処理ライン)をクローズドシステムに構成する
ために、化成処理後の水洗水を系外に排出せずに、化成
処理液及び水洗水として再利用する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気製品、自動車ボディー、自動車パー
ツなどに対する塗装下地前処理として、りん酸塩処理が
行われている。この前処理は、一般的には、第1脱脂→
第2脱脂→第1水洗→第2水洗→表面調整→りん酸塩化
成処理→第3水洗→第4水洗→第5水洗→脱イオン水洗
→乾燥工程よりなるものである。これらの第2水洗以降
の水洗工程の各々から排出された、水洗水の全部又は一
部はその前段工程に送り返えされ、そこで使用される。
すなわち第2水洗から第1水洗へ、脱イオン水洗から第
5水洗へ前段送りとなり、更に第5水洗で新鮮な水が供
給され、その排出水の一部は、その前段の第4水洗、第
3水洗へ前段送りとなる。脱脂工程及び化成工程のはじ
めの水洗水(第1水洗及び第3水洗)は、水洗後オーバ
ーフロー水として系外の排水処理において処理され放流
しなければならない。そこで、これらの水洗水を系外に
排出しないいわゆるクローズシステムが開発されつつあ
る。従来のクローズドシステムは系内蒸発方式、系外蒸
発方式、減圧蒸留方式、逆浸透膜方式などにより、水を
蒸発排出または再利用していた。また膜分離により化成
処理液を再利用する方法も開示されている。
【0003】従来の前処理工程のクローズドシステムに
は次のような問題がある。 (1)系内蒸発方式は、前処理工程の水分蒸発を温度、
スプレー噴霧及び排気風量を調節することによって促
し、蒸発量と給水量(排水量)のバランスを保ち、それ
によって常時系外に排水を出さない方式である。この場
合、水洗水から脱脂液や化成液の成分が回収されるが、
反応副生成物の蓄積が全く考慮されていないため、定期
的に脱脂液及び/又は化成液を廃棄更新の必要がある。 (2)系外蒸発方式は、排出された水洗水を濃縮装置と
排気ファンを用いて蒸発させる方式である。蒸発液をコ
ンデンサーで冷却凝集すれば水洗水の再利用も可能であ
るが、コストが高くなりすぎるため実用的でない。 (3)減圧蒸留方式は、排水を減圧蒸留し、コンデンサ
ーで冷却凝集することにより得られた水を水洗水として
再利用する方式である。しかし、この方式には、排水量
が多くなると減圧蒸留装置が大きくなり、コスト高にな
るという弊害がある。 (4)逆浸透膜による水洗水の再利用方は、排水を凝集
沈殿、砂ろ過及び/又は、活性炭処理した後、逆浸透膜
を用いて処理し、透過水を水洗水として再利用する方法
である。しかし、この方式では、濃縮液は化成処理液に
再利用されていない。 (5)逆浸透膜やナノフィルター膜を利用した膜分離法
においては、後述の濃縮液は化成処理液に、透過水は水
洗水に再利用することができる。しかしながら逆浸透膜
やナノフィルター膜は、常に一定の組成バランスの化成
処理液であれば目的を達成することができる。しかし、
実際の化成処理液の組成は加工負荷(生産台数)によっ
て異なってくる。これを単に膜分離を行うと加工負荷の
相違により得られる濃縮液組成が異なり、それを化成処
理液に混入すると化成処理液の組成バランスが崩れ、皮
膜化成性に影響を及ぼす。尚、逆浸透膜は別名RO膜と
も呼ばれ、又、ナノフィルター膜は逆浸透膜の一種であ
り、逆浸透膜より塩阻止率が劣り更にルーズRO膜とも
呼ばれる。
【0004】多くの方法は水洗水を蒸発排出または再利
用する目的で行われている。水洗水中に含まれている化
成処理液成分を膜分離方式で回収を行っている事例もあ
るが、化成処理液の組成バランスを一定に保てない欠点
があった。膜分離方式によって、水洗水の濃縮液を化成
処理液に戻すと下記に示す不要成分が蓄積しても、それ
を膜によって、一定の割合で除去してくれるので、化成
処理液への再利用が可能である。
【0005】りん酸塩化成処理反応式を(1)式に示
す。この反応を進行させるためには(2)式のように被
処理物である例えば鋼部品をりん酸にてエッチングさせ
る。ここでエッチングした鉄分を除去するため(3)式
に示すように酸化促進剤として、常時亜硝酸ナトリウム
水溶液が用いられ、それが空気酸化して硝酸イオン
((4)式)となったり、Feと反応してアンモニアに
なったり((5)式)する。更に亜硝酸ナトリウムから
はナトリウムイオンが生じ、化成処理液中に蓄積してく
る。これら不要蓄積成分(硝酸、アンモニウム、ナトリ
ウムイオン)を除去しなければ、水洗水を単に濃縮した
だけでは再利用は困難である。この問題点を解決するの
にどうしても硝酸、アンモニウム、ナトリウムイオンの
除去が必要となってくる。 3Zn(H2 PO42 →4H3 PO4 +Zn3(PO42 (1) Fe+2H3 PO4 →Fe(H2 PO42 +H2 (2) 酸性下でNaNO2 を添加するとHNO2 となり Fe(H2 PO42 +HNO2 →FePO4 +NO+H3 PO4 +H2 O (3) HNO2 +O→HNO3 (4) 3Fe+HNO2 +7H3 PO4 →3Fe(H2 PO42 +NH42 PO4 +2H2 O (5)
【0006】しかしながら、化成処理は常に一定のワー
クが流れるとは限らず、ワーク量はその日の生産計画で
多かったり少なかったり、あるいは処理稼働時間が長か
ったり、短かったりする。この場合、添加するNaNO
2 を調整しても(4)式の自然酸化や自然分解量は異な
ってくるので、蓄積する硝酸、アンモニウム、ナトリウ
ムイオン濃度も異なってくる。この濃度可変する蓄積不
溶分をそのまま膜分離すると得られた濃縮液中の不要成
分濃度が変化するのは当然のことである。その濃縮液を
そのまま化成処理液に再利用すると化成処理液組成成分
濃度が変動し、化成性に影響をきたす。また、化成処理
における硝酸イオンの限界濃度は35g/Lであり、好
ましくは30g/L以下で管理すべきである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、りん酸塩化
成処理に用いられ、排出された水洗水を、再び化成処理
液及び水洗水に、低コストで、かつ効率よく再利用する
方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するため種々検討を行った結果、塩阻止率の
互いに異なる複数のナノフィルター膜/及びまたは逆浸
透膜を用いて、それらに送る供給水量を調節することに
より、得られる濃縮液の組成成分濃度を一定にコントロ
ールし得ることを見出し、本発明を完了した。
【0009】本発明のりん酸塩化成処理工程より排水さ
れる水洗水の処理回数方法は、りん酸塩化成処理工程か
ら排出された水洗水を分離膜を含む膜分離装置に供し
て、排出水洗水とりん酸塩化成処理剤を含む非透過濃縮
液と、清浄化され透過水とに分離するに際し、前記膜分
離装置の分離膜として、互いに塩阻止率の異る2種以上
の逆浸透膜及び/又はナノフィルター膜を併用すること
を特徴とするものである。本発明の処理回収方法におい
て、前記非透過濃縮液を、前記りん酸塩化成処理液に再
利用することが好ましい。本発明の処理回収方法におい
て、前記透過水を、前記りん酸塩化成処理工程の水洗水
として再利用することが好ましい。本発明の処理回収方
法において、前記膜分離装置において、前記2種以上の
逆浸透膜及び/又はナノフィルター膜を、並列に配置し
て併用することが好ましい。本発明の処理回収方法にお
いて、前記りん酸塩化成処理工程より排出された水洗水
を、前記膜分離装置に供給する為に、そのpH値を、りん
酸を用いて2.5〜3.5に調整することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】金属材料のりん酸塩化成処理にお
いて、ある一定化成処理槽に対し、その日の生産計画に
よりワークの処理数が変動する。すなわち低加工負荷の
ワークを100台/日の処理数で化成処理する場合と、
高加工負荷のワークを500台/日の処理数で化成処理
する場合をくらべると、用いられる化成処理用促進剤
(NaNO2 )の添加量は化成処理浴の促進剤濃度を一
定に管理するため、両者の間にはそれほど大きな違いは
ない。従って加工負荷が低い場合は高い場合に比べて、
化成処理液中に蓄積する促進剤からの硝酸イオン量が増
大する。硝酸イオンの発生量は加工負荷の低い場合は1
10g/自動車ボディ1台、加工負荷の高い場合は8
2.5g/自動車ボディ1台程度である。尚、このよう
に加工負荷の割合により化成液中の硝酸イオンは蓄積す
るが、排水の回収を考慮していない現行の化成処理ライ
ンでは、化成液が被処理物、例えば自動車ボディにより
水洗水に一部持ち出され、これが排水されるため、硝酸
イオンは、ある一定量以上に蓄積されることはない。
【0011】化成処理浴中の硝酸イオン量の大小に関わ
らず、1種の分離膜、例えばRO膜を使用して水洗水を
濃縮すると、硝酸イオンの阻止率はほぼ一定であるか
ら、化成処理浴中の硝酸イオンの多い場合の排出水洗水
からは、非透過濃縮液中に多く濃縮され、少ないものは
少なく濃縮され、結果的に化成処理浴に戻す濃縮液中の
硝酸イオン量は異なるので、これを化成処理液中に循環
すると、化成処理液の組成バランスが変化してくる。加
工負荷が低い操業状態が継続されると硝酸イオンが多く
蓄積し、そのまま化成処理を行うと、化成不良を起す原
因となる。硝酸イオンを低くするには化成液の一部を廃
棄する必要がある。
【0012】図1は低加工負荷及び高加工負荷の場合
の、塩阻止率と化成処理液中の硝酸イオン濃度の蓄積濃
度との関係を示している。RO膜等の膜分離により化成
処理が可能な硝酸イオン濃度、すなわち30g/リット
ル以下を維持するには、加工負荷が低い場合は、RO膜
の硝酸イオン阻止率が70%以下であれば、化成処理液
中の硝酸イオン濃度は30g/リットルを越えることは
ない。同様に加工負荷が高い場合は、RO膜の硝酸イオ
ン阻止率を90%以下に制御しなければならない。上述
のように、分離膜に要求される塩阻止率は、加工負荷に
より変動するから、これらを、単一のRO膜等で制御す
ることは困難である。
【0013】この問題は、硝酸イオン阻止率が異なる2
種のRO膜を並列に用いることにより解決することがで
きる。硝酸イオンの多い水洗水は硝酸イオンの阻止率の
低いRO膜Aを用いて、水洗水を膜分離して濃縮し、硝
酸イオンの少ない水洗水は硝酸イオンの阻止率の高いR
O膜Bを用いて水洗水を濃縮する。通常はRO膜A、B
両者を使用し、硝酸イオンが多い場合はRO膜Aの供給
量を多くし、硝酸イオンが少ない場合はRO膜Bの供給
量を多くして濃縮する。硝酸イオン濃度が中間の場合は
両RO膜への供給を同量にするなどして、硝酸イオン濃
度によりRO膜A、Bへの供給量を制御して濃縮する。
そうすることにより、加工負荷の高低に関わらず、一定
の硝酸イオン濃度の非透過濃縮液を得ることができる。
【0014】RO膜A及びBへの供給量は水洗水中の硝
酸イオン、言い換えれば化成処理浴中の硝酸イオンによ
って決まってくる。化成処理浴中の硝酸イオンは促進剤
NaNO2 の添加量とワークの処理量によって概算する
ことができ、即ち、化成処理の生産計画によって概算す
ることができるが、これは予想濃度であり、実測上の濃
度ではないので誤差も大きくなる。
【0015】発明者らはこの問題点を解決するため、化
成処理浴の電気伝導度と硝酸イオン濃度の関係を調査し
た結果、図2に示すように電気伝導度と硝酸イオン濃度
との間に相関が認められ、電気伝導度より供給量を制御
することができるようになった。幸い化成処理液の必須
成分であるりん酸イオンや亜鉛等の重金属イオンは一定
に管理されており、温度も一定に管理しているので電気
伝導度に影響する因子はほとんどない。
【0016】このように、蓄積不要な成分の濃度によっ
て2種の膜を使い分け、それによって、化成処理液の一
部廃棄をなくして、一定な化成処理液成分を保つことが
できる。
【0017】排出水洗水は化成処理浴を希釈したものと
同成分を含むものであるが、不要成分である硝酸、アン
モニウム、ナトリウムイオン等は上記手段にて除去しな
がら排水水洗水を濃縮したものを化成処理浴に戻す。こ
の場合、濃縮割合は図3に示すように水洗水の電気伝導
度と化成処理浴の電気伝導度の比より、水洗水の化成処
理液に対する希釈倍率を求める。希釈倍率が濃縮率とな
る。又、濃縮液の電気伝導度による制御は、化成処理液
中の不要成分が減少し変化するため困難である。このよ
うにして排出水洗水に対し濃縮率を決定する。
【0018】
【実施例】下記実施例により本発明をさらに説明する。
下記実施例においては、図4に示されたりん酸塩化成処
理工程が用いられた。図4において、被処理物は脱脂、
表面調整後、りん酸塩化成処理槽1で皮膜化成を施さ
れ、第1水洗2、第2水洗3、第3水洗4、脱イオン水
洗5が施されて乾燥される。水洗水は供給ライン6より
脱イオン水が供給され、この水洗水は第5水洗における
洗浄後、第3水洗4に供給され、それと同時に第3水洗
4に工業用水が供給ライン7より新たに供給される。第
3水洗後の洗浄水は第2水洗槽3に送られ、水洗後第1
水洗槽2に送られ、水洗後排出ライン8より排出され
る。この排出水中の化成処理剤成分の濃度は、化成処理
液のそれの1/5〜1/50に希釈されている。尚9は
水洗用スプレーノズルである。排出水8はナノフィルタ
ー膜あるいはRO膜を含む膜分離装置10により分離さ
れ、得られた非透過濃縮液は化成処理槽11に戻され、
透過水液12は、脱イオン交換またはRO膜(図示され
ていない)を経て、再び水洗水として利用することも可
能である。
【0019】図5は本実施例に用いられたRO膜による
水洗水の回収方法のフロー図で、水洗排出水8の水質が
異なっても、塩阻止率の異なる2種類のRO膜(阻止率
の低いRO膜A(10a)、高いRO膜B(10b))
を併用すれば、RO膜からの非透過濃縮液11の組成成
分を一定にすることができる。排出水洗水の水質は化成
処理液1に依存し、前記に示したように、化成処理液の
電気伝導度により算出することができる。排出水洗水に
硝酸イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン等
の化成処理不要成分が多く含み水質が悪い場合は、RO
膜Aへの供給量をRO膜Bへの供給量より多くし、逆に
水質の良い排出水洗水の場合はRO膜Bへの供給量を多
くする。
【0020】RO膜による濃縮割合は、化成処理浴液1
6の供給量と水洗水21の供給量の比率、又は、化成処
理液用電気伝導度計18により測定された電気伝導度の
値と水洗水の電気伝導度計19により測定された電気伝
導度の値との比率より前記に示したように決定すること
ができ、循環槽13内で濃縮される。即ち、水洗水21
が供給され循環槽13を経てRO膜10(10a、10
b)にて分離を行い、透過液12は次工程で水洗水とし
て再利用される。透過しない液11は循環槽に戻り再び
RO膜で透析処理を行う。この操作が連続的に行われる
ことにより、循環槽13内の液は濃縮される。設定濃度
まで濃縮された液16はオーバーフロー槽14を経て、
ポンプ15により化成処理槽1に返送される。例えば、
水洗水21の供給量に対して化成処理液への返送量を1
/20にすれば循環槽13内で20倍に濃縮されること
になる、即ち、第1水洗水21の排出量は0.25m3
/hで、RO膜を用いて透析処理を行い、供給量0.2
5m3 /h、透過液量(12)0.24m3 /h、濃縮
循環槽からのオーバーフロー(OF)液(16)0.0
1m3 /hである。図2中、17a、17b及び23は
ポンプを表す。またECは、電気伝導度計を表す。さら
に20は、EC及びポンプの制御器を表す。
【0021】実施例1及び比較例1〜2 次に具体例を示す。本実施例の作動について図4及び5
を参照して説明する。第一水洗水オーバーフロー水21
を濾過器22に送ってろ過した後、循環槽13内でSS
析出防止のためりん酸を添加した。高圧ポンプ17(1
7a、17b)を駆動して前記循環槽内の水洗水をRO
膜分離装置10(10a、10b)に所定の圧力(本実
施例では1〜2MPaとした。)で供給した。この水洗
オーバーフロー水21には亜鉛、ニッケル、ナトリウ
ム、りん酸、硝酸イオンなどが含まれていた。
【0022】分離膜10a用ナノフィルター膜として東
レ(株)製RO膜SU210を用い、10b用膜として
同社製RO膜SULG10を用い、それぞれSU210
膜:7m2 膜モジュール1本、SULG10膜:7m2
膜モジュール2本を用いた。それらの塩阻止率を表1に
示す。SULG10膜は、目的とするナトリウム及び、
硝酸イオンが非透過濃縮液側に多くゆき、ナトリウム、
硝酸イオン濃度の低減が少ない。SU210膜はナトリ
ウム、硝酸イオン濃度を低減することができるがそれと
同時に有効成分であるりん酸濃度も低減するという欠点
がある。従って、硝酸イオンが少ない液についてはりん
酸のロスが殆どないSULG10膜が有効であるが、硝
酸イオンが多い場合はSU210膜を用いて硝酸濃度を
下げなければならないが、同時に有効成分であるりん酸
濃度のロスも大きい。このため、両者を併用することに
より、不要成分濃度を低減し、りん酸濃度のロスをなる
べく少なくすることができる。
【0023】
【表1】
【0024】RO膜10a及び10bへの被処理排出水
洗水の供給量は電気伝導度計18により測定された化成
処理液の電気伝導度により決定され、制御盤(図示され
ていない)を介して制御される高圧ポンプ17a、17
bにより供給された。本実施例の場合、10aに圧送す
る高圧ポンプ17aの送液量は1.2m3 /hであり、
10bに圧送する高圧ポンプ17bの送液量は1.2m
3 /hであった。本実施例の場合、化成処理浴中の電気
伝導度より測定された硝酸イオン蓄積濃度とRO膜10
aへと10bへとの供給液量比率との関係を図6のよう
に制御した。
【0025】RO膜装置10a、10bに圧送された循
環槽13内液は、RO膜により、透過液と未透過液(循
環液)に分離され、透過液12は、次工程に送られ、未
透過液11は循環槽13内に戻された。
【0026】第1水洗2からのオーバーフロー水21の
供給量とRO膜の透過液12の量によって、循環槽13
内液の濃度割合がわかり、化成処理液とほぼ同じ濃度に
なるまで濃縮される。また、これらは化成処理液の電気
伝導度計18の測定値と水洗水の電気伝導度計19の測
定値との比率によって設定され、かつ制御器20を介し
てポンプ15の供給量を決定し、化成処理槽1に送られ
る。濃縮された液は水洗水オーバーフロー21の量0.
24m3 /hに対して、化成処理槽への返送量0.01
3 /hになるようにポンプ15の送液量を設定する
と、透過液量が0.24m3 /h。になるまで循環槽1
3内の液がRO膜を循環する。濃縮液16は必要であれ
ば濃度調整を行った後、前段の化成処理槽1に送られ
る。
【0027】実施例1において遊離酸濃度0.009モ
ル/リットル、全酸濃度0.241モル/リットルの、
表1右端の化成処理液を用いて一般的な工程で化成処理
したときの水洗水について2種類のRO膜分離濃縮処理
を行った結果例を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】オーバーフロー液と化成処理液の各成分濃
度を比較すると、表2に示すように化成処理液濃度の約
80〜90%まで濃縮されており、且つ不要成分である
硝酸、アンモニウム、ナトリウムイオンが約50%以下
に減少していることがわかる。このオーバーフロー液は
ほとんど化成処理有効成分に比例しており、若干の化成
処理補給薬剤を添加し、再利用することができる。この
ときのRO膜10a(SU210)と10b(SULG
10)との供給液量比と、75%りん酸補給量との関係
を表5に示す。
【0030】比較例1及び2において、それぞれ実施例
1と同様の排出水洗水処理回収を行った。但し、比較例
1においてはRO膜10a(SU210)のみを用い、
比較例2においてはRO膜10b(SULG10)のみ
を用いた。その結果を表3及び表4に示す。
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】本発明方法は互いに塩阻止率の異る複数
の分離膜を使い分けて用いるので、化成処理液の変動に
対しても回収液の組成をほぼ一定に保つことができる。
水洗水のみならず、化成液をも膜分離回収する方法にも
適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分離膜の塩阻止率と化成処理浴中の蓄積NO3
イオン濃度との関係を示すグラフ。
【図2】化成処理液の硝酸イオン濃度と電気伝導度との
関係を示すグラフ。
【図3】排出水洗水の希釈倍率と電気伝導度との関係を
示すグラフ。
【図4】実施例に用いられた化成処理ラインの説明図。
【図5】実施例に用いられた排出水洗水の処理回収ライ
ンの説明図。
【図6】化成処理液中の蓄積硝酸イオン濃度と、膜分離
装置内の2種のRO膜への供給液量比との関係を示すグ
ラフ。
【符号の説明】
1…化成処理槽 2…第1水洗 3…第2水洗 4…第3水洗 5…脱イオン水洗 6…脱イオン水供給ライン 7…工業用水供給ライン 8…水洗水オーバーフローライン 9…スプレーノズル 10…膜分離装置 11…非透過濃縮ライン 12…透過水洗水ライン 10a…RO膜A 10b…RO膜B 13…濃縮循環槽 14…オーバーフロー槽 15…返送ポンプ 16…化成処理槽1への循環ライン 17a…RO膜A用高圧ポンプ 17b…RO膜B用高圧ポンプ 18…電気伝導度計(化成処理槽内) 19…電気伝導度計(水洗水槽内) 20…制御器 21…第1水洗オーバーフロー水 22…ろ過器 23…ポンプ 24…りん酸槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 22/86 C23C 22/86 C23G 3/00 C23G 3/00 B // B05D 3/00 B05D 3/00 A 3/10 3/10 L (72)発明者 小林 典昭 東京都中央区日本橋1−15−1 日本パー カライジング株式会社内 (72)発明者 椿 紳一 東京都中央区日本橋1−15−1 日本パー カライジング株式会社内 (72)発明者 森田 英明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 JA53A JA57A JA67A JA70A KA01 KA02 KB14 KB30 KE19P KE23Q PA01 PB08 PB27 PC21 4D075 AB41 BB75X DC12 4K026 AA02 AA25 BA04 BB06 BB07 CA16 CA18 CA24 DA17 DA19 EA12 4K053 PA02 QA06 RA07 SA04 TA08 YA07 YA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 りん酸塩化成処理工程から排出された水
    洗水を分離膜を含む膜分離装置に供して、排出水洗水を
    りん酸塩化成処理剤成分を含む非透過濃縮液と、清浄化
    され透過水とに分離するに際し、前記膜分離装置の分離
    膜として、互いに塩阻止率の異る2種以上の逆浸透膜及
    び/又はナノフィルター膜を併用することを特徴とする
    りん酸塩化成処理工程より排水される水洗水の処理回収
    方法。
  2. 【請求項2】 前記非透過濃縮液を、前記りん酸塩化成
    処理液に再利用する、請求項1に記載の処理回収方法。
  3. 【請求項3】 前記透加水を、前記りん酸塩化成処理工
    程の水洗水として再利用する、請求項1に記載の処理回
    収方法。
  4. 【請求項4】 前記膜分離装置において、前記2種類以
    上の逆浸透膜及び/又はナノフィルター膜を並列に配置
    して併用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の処
    理回収方法。
  5. 【請求項5】 前記りん酸塩化成処理工程より排出され
    た水洗水を、前記膜分離装置に供給する前に、そのpH
    値を、りん酸を用いて2.5〜3.5に調製する、請求
    項1〜4項のいずれか1項に記載の処理方法。
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