JP2002370087A - 湿式塗装ブース循環水の処理方法 - Google Patents

湿式塗装ブース循環水の処理方法

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JP2002370087A
JP2002370087A JP2001180346A JP2001180346A JP2002370087A JP 2002370087 A JP2002370087 A JP 2002370087A JP 2001180346 A JP2001180346 A JP 2001180346A JP 2001180346 A JP2001180346 A JP 2001180346A JP 2002370087 A JP2002370087 A JP 2002370087A
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coating booth
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Masahiro Horiuchi
正弘 堀内
Shinya Naito
信也 内藤
Kiyoshi Okuma
清 大熊
Mitsuo Nakajima
光夫 中島
Shigeki Okayama
茂樹 岡山
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Toyota Motor Corp
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Kurita Water Industries Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿式塗装ブースと循環水槽とを循環する湿式
塗装ブース循環水に、余剰塗料を不粘着化し分散させる
薬剤を添加し、固液分離する湿式塗装ブース循環水の処
理方法において、循環水槽内の発泡で生じた泡を効果的
に低減すると共に、循環水からの塗料スラッジの回収効
率を高める。 【解決手段】 循環水槽1に発生した泡をエジェクター
4により吸引して循環水槽1外に取り出した後、遠心分
離機4で固液分離し、得られた分離水を循環水槽1に返
送する処理方法。泡を除去すると共に、泡内に濃縮され
た塗料スラッジを分離回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿式塗装ブース循環
水の処理方法に係り、特に、湿式塗装ブースにおいて、
オーバースプレーされた塗料を捕集するために噴霧され
る循環水系における発泡で生じた泡を効果的に低減する
と共に、循環水中の塗料スラッジの回収効率を高める湿
式塗装ブース循環水の処理方法及び塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体の塗装では、下地処理とし
ての電着下地塗装の後、中塗塗装、上塗ベース塗装、及
び上塗クリア塗装の3つの湿式塗装工程が行われる。
【0003】下塗塗装においては、まず、ボディ鉄板の
油落しを行った後、鉄板と塗料との接着性を良くするた
めに、鉄板表面にリン酸亜鉛の皮膜を形成し、その後、
エポキシ系塗料を電着し、この電着塗料を加熱硬化させ
る。中塗塗装においては、ポリエステル系塗料を用いた
中塗りを行い、次いでこの中塗塗料を加熱硬化させる。
上塗塗装においては、まず、アクリル樹脂等からなるベ
ース塗料を塗布し、次いでその上にアクリル樹脂からな
るクリア塗料を塗布し、その後、ベース塗料及びクリア
塗料の加熱硬化が行われる。
【0004】車体の湿式塗装工程では、一般に車体に噴
霧された塗料の歩留りは50〜70%であり、使用塗料
の50〜30%は次工程で除去すべき過剰塗料である。
この過剰に噴霧された余剰塗料は、通常、水洗による湿
式塗装ブースで捕集処理されており、水洗水は循環使用
される。
【0005】図2は、この湿式塗装ブースにおける循環
水系を示す系統図であり、循環水槽1内の水は、ポンプ
を有する配管11により湿式塗装ブース2に送水さ
れ、湿式塗装ブース2内に散水される。湿式塗装ブース
2内に散水され、余剰塗料を捕集した水は配管12によ
り循環水槽1に返送される。循環水槽1内の水は、ポン
プPを有する配管13より遠心分離機3等の固液分離
装置に送水され、塗料スラッジが分離回収される。回収
された塗料スラッジは乾燥し再生塗料粉末としてリサイ
クルされる。この遠心分離機3で塗料スラッジが除去さ
れた処理水は配管14より循環水槽1に返送される。循
環水槽1内には、通常の場合、撹拌装置あるいは水中ミ
キサー(図示せず)を配置し、塗料スラッジ含有水を強
制撹拌することで塗料スラッジを循環水中に分散し易く
している。また、循環水槽1或いは、循環配管11,1
2等には、捕集された余剰塗料を不粘着化すると共に水
中で分散し易くするための薬剤が添加される。
【0006】なお、湿式塗装工程には、前述の如く、中
塗塗装工程、上塗ベース塗装工程、上塗クリア塗装工程
の3工程があるが、従来、これら3つの湿式塗装工程の
循環水系は、各々単独で独立して設けられておらず、
(i) 中塗塗装工程の単独循環水系と、上塗ベース塗装
工程及び上塗クリア塗装工程の混合循環水系又は、(ii)
3つの塗装工程の混合循環水系とされている。
【0007】このような湿式塗装ブース循環水におい
て、余剰塗料は薬剤の添加により不粘着化処理すること
により、平均粒径10〜20μmという微細で均一な塗
料スラッジとなる。この微細スラッジを分散させるため
に、循環水を撹拌装置や水中ミキサーによって強制撹拌
することがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】スラッジ分散のために
循環水を撹拌装置や水中ミキサーで強制撹拌する循環水
系においては、この微細な塗料スラッジのために循環水
が発泡し易いという問題があった。この発泡は、循環水
自体の汚れ具合によっても進行し、異常発泡となる場合
もあった。
【0009】従来、このような分散方式の循環水系にお
ける発泡抑制対策として、消泡剤が使用されているが、 効果の持続性がなく、多量の消泡剤を必要とする; 多量の消泡剤を使用することは、循環水系の汚れを
増大させ、むしろ発泡を促進させる結果となる。また、
回収したスラッジに消泡剤が多量に含まれると再生塗料
粉末のリサイクルに支障をきたす;といった欠点がある
ことから、より有効な発泡抑制対策が望まれている。
【0010】また、遠心分離機等の固液分離装置におけ
る塗料スラッジの分離回収効率が悪いと、循環水内に塗
料スラッジが蓄積し、発泡を助長したり、系内で沈積し
て循環水の循環を阻害したりするため、この塗料スラッ
ジの固液分離効率の向上も望まれている。
【0011】このような問題を解決するため、循環水槽
内に発泡により生じた泡を加熱して破泡させたり、フロ
ーティングスキマーで回収し、これを貯留槽で放置して
液状化させた後フィルター等で固液分離することが行わ
れている。しかしながらこれらの方法では破泡の効率が
悪かった。
【0012】本発明は、分散方式による処理を行ってい
る湿式塗装ブース循環水系において、循環水槽内の発泡
で生じた泡を効果的に低減すると共に、循環水からの塗
料スラッジの回収効率を高める湿式塗装ブース循環水の
処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の湿式塗装ブース
循環水の処理方法は、湿式塗装ブースと循環水槽とを循
環する湿式塗装ブース循環水に、余剰塗料を不粘着化し
分散させる薬剤を添加し、固液分離する湿式塗装ブース
循環水の処理方法において、該循環水槽に発生した泡を
エジェクターにより循環水槽外に取り出すことを特徴と
する。
【0014】本発明の方法では、循環水槽内で発生した
泡をエジェクターにより槽外に取り出して減少させるこ
とができる。
【0015】エジェクターはノズルとディフューザを組
み合わせたものであって、駆動流体をノズルにおいて高
速噴流とし、この衝突現象を利用した運動量の交換によ
る牽引力によって他の流体を吸入する。このようにして
泡を吸入する過程で直ちに消泡するので、効率的に泡を
液状化することができる。
【0016】ところで、前述の如く、分散方式の処理で
は、微細で均一な塗料スラッジが泡に取り込まれ易い。
例えば、分散方式の処理における循環水中のSSの粒径
分布は、発泡の有無により、以下の通り差異が生じる。 発泡がない場合:平均粒径=23.6μm 粒径10μm以下のSSの積算値=21.5% 発泡がある場合:平均粒径=66.3μm 粒径10μm以下のSSの積算値=1.29%
【0017】即ち、循環水槽内で発泡が生じた場合に
は、粒径10μm以下の微細なSSが泡に取り込まれ、
これにより発泡がない場合に比べて循環水中のSSの平
均粒径は大きくなり、粒径10μm以下のSSの積算値
は小さくなる。
【0018】そして、このように微細なSSが泡に取り
込まれることにより、泡が破泡し難くなることが、泡量
の増加の一因となっている。
【0019】従って、循環水槽内の泡を取り出すこと
は、発泡量の低減のみならず、塗料スラッジの除去、回
収のためにも有効であり、更に、塗料スラッジを除去す
ることで発泡を抑制する効果を得ることもできる。
【0020】請求項2の方法では、このように微細なS
Sを取り込んだ泡をエジェクターによる吸引により取り
出して固液分離し、分離水を循環水系に返送することに
より、塗料スラッジを循環水から効率的に分離回収す
る。
【0021】この場合、エジェクターによる吸引で取り
出された泡は、吸引の過程で破泡するため、直ちに完全
に消泡して液状化する。また、分散方式の処理では、前
述の如く、塗料スラッジの粒径が小さく均一であるた
め、塗料スラッジは泡内に均一に取り込まれて濃縮され
る。このため、SSが濃度1〜3%程度に常時一定の範
囲に安定した回収液を得ることができる。このように、
泡を吸引により取り出すことによる消泡効果と、分散方
式を採用することによるSS濃度の安定化効果により、
安定かつ効率的な固液分離を行って、塗料スラッジの回
収量を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の湿式塗装ブース循環水の処
理方法の実施の形態を示す系統図である。図1において
図2に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を
付してある。
【0024】本発明においては、不粘着化分散剤を添加
して塗料スラッジを遠心分離機3等で固液分離する湿式
塗装ブースの循環水系において、循環水槽1内の泡を配
管15よりエジェクター4で吸引して槽外へ取り出す。
【0025】エジェクター4で吸引した泡は、エジェク
ター4内で破泡して直ちに液状化する(以下、この吸引
した泡が液状化したものを「回収液」と称す場合があ
る。)。この回収液は、高濃縮された塗料スラッジを含
有するものであり、かつ循環水量に比べて少量であるた
め、図1(a)に示す如く、配管16よりそのまま系外
へ排出しても良い。また、図1(b)に示す如く、回収
液を遠心分離機3等の固液分離装置で固液分離して塗料
スラッジを分離し、分離水を循環水槽1に返送するよう
にしても良い。図1(a),(b)の方法であれば、泡
と共に塗料スラッジを系外へ除去して発泡量と塗料スラ
ッジ量の低減を図ることができる。
【0026】また、図1(c)に示す如く、循環水槽1
から泡をエジェクター4で吸引して液状化させて発泡量
を低減させ、別途、遠心分離機3で循環水槽1内の循環
水を直接固液分離処理して分離水を戻すことにより塗料
スラッジの回収を行っても良い。
【0027】また、エジェクター4からの回収液と共に
循環水槽1から取り出した循環水を遠心分離機3で固液
分離して塗料スラッジを回収し、分離水を循環水槽1に
戻すようにしても良い。
【0028】循環水槽1の水面を検出する超音波液面計
等を設置し、発泡現象が起こったときはエジェクター4
を作動させ、泡が解消されればエジェクター4を停止す
るようにしても良い。
【0029】なお、本発明において用いる不粘着化分散
剤としては、余剰塗料を不粘着化させると共に分散させ
る効果を有する薬剤であれば良く、特に制限はないが、 セピオライト メラミンホルムアルデヒド縮合物の酸コロイド コロイダルシリカ アルミナゾル(ベーマイト) などの1種又は2種以上を用いることができ、特に添加
効果の面からセピオライトが好適である。セピオライト
はMgSi1230(OH)(OH・8H
Oで表される含水マグネシウムケイ酸塩で、多くのミ
クロポアを有する鎖状構造の繊維状鉱物であるため、湿
式塗装ブース循環水系に添加されたセピオライトは、塗
料粒子と反応してそのミクロポアの内に塗料粒子を吸着
することによって塗料を効果的に不粘着化すると共に分
散状態を安定化させることができる。
【0030】セピオライト等の不粘着化分散剤の添加箇
所としては、図1において、配管11,12或いは循環
水槽1、更には配管13,17等が挙げられ、これらの
うちの2箇所以上に添加しても良い。不粘着化分散剤の
添加量は、多い程、塗料粒子が微細化して高い不粘着化
効果が得られる。不粘着化分散剤は、処理対象とする塗
料の種類等によっても異なるが、一般的には洗浄水中の
濃度、即ち、配管11内を送水される水中の濃度が1p
pm以上、特に10ppm以上、とりわけ500ppm
以上となるように、循環水中に持ち込まれる塗料ミスト
に対して0.1重量%以上、特に1〜5重量%とりわけ
1〜2重量%となるように添加するのが好ましい。この
場合、不粘着化分散剤は余剰塗料に付着して消耗すると
共に遠心分離機3で回収されるSSに伴って排出される
ので、この濃度となるように、セピオライト等の不粘着
化分散剤を連続注入又はバッチ注入して補充するのが好
ましい。
【0031】また、併せて図2における遠心分離機3へ
の流入路の送水配管13,17、或いは遠心分離機3に
不粘着化分散剤を添加することもでき、この場合の添加
量も多い程塗料スラッジの分離効果及び回収効率を高め
ることができることから、遠心分離機3に導入される水
(流入路配管13内の水)中の濃度で1ppm以上、特
に5ppm以上添加するのが好ましい。より具体的な添
加量は、対象とする循環水系等の循環水によっても異な
るが、遠心分離機3に導入される水に対して5〜100
ppm、特に湿式塗装ブース循環水系全体の添加量とし
て100〜600ppm程度となるように添加するのが
好ましい。
【0032】遠心分離機3に導入される水に添加される
不粘着化分散剤は、塗料スラッジと共に系外へ排出され
るため、上記濃度となるように、連続的又は間欠的に、
好ましくは連続的に添加する。
【0033】不粘着化分散剤の添加形態については特に
制限はないが、0.1〜20重量%程度の水分散液とし
て、或いは0.1〜20重量%の水溶液として添加する
のが好ましい。
【0034】本発明においては、更にカチオン性ポリマ
ー、両性金属化合物等を併用添加しても良く、このよう
な薬剤を併用することにより、塗料の不粘着性、塗料ス
ラッジの固液分離性、回収効率を高めることができる。
【0035】また、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ剤を併
用添加しても良く、これにより、系内を中和して設備の
防食を図ることができる。
【0036】なお、本発明において、不粘着化分散剤と
して用いるセピオライトとしては、天然に産出する粘土
鉱物のセピオライト、或いは、これを精製加工した市販
品を用いることができ、不粘着化効果の点からその粒子
の大きさは、繊維長として50μm以下、特に10μm
以下であることが好ましい。
【0037】本発明によれば、循環水槽内の泡を吸引し
て取り出すことにより、消泡剤を使用することなく、循
環水槽の泡を効果的に低減することができるため、消泡
剤の添加は不要となるが、必要に応じて少量の脂肪酸エ
ステル系消泡剤を添加しても良い。
【0038】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0039】実施例1 図3に示す試験装置を用いて、循環水槽内の泡を吸引す
ることによる効果を調べた。図3に示す装置において、
図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を
付してある。この装置では、上塗ベース塗装ブース2A
と上塗クリア塗装ブース2Bとで共通の循環水槽1が使
用されている。5はフィルタである。
【0040】この循環水系では、循環水槽1内の泡をエ
ジェクター4で吸引し、回収液を、循環水槽1から引き
抜いた塗料スラッジ分散水と共に遠心分離機3で固液分
離して塗装スラッジを回収し、分離水は循環水槽1から
引き抜いた水と共に各塗装ベース2A,2Bに送給し、
循環水槽1に循環させている。
【0041】[装置仕様及び運転条件] 保有水量 :250m 循環水量 :40m/min 各塗料のスプレー条件:720kg/day エジェクターの運転条件:空気圧3kgf/cm
(0.3MPa)の圧縮空気を駆動流体として循環水
槽の水面の泡を吸引 分散剤としては、アルミナゾル(ABB社製CC60)
の10重量%水溶液を塗料ミストに対して20〜30重
量%となるように循環水槽に滴下して分散処理を行っ
た。
【0042】エジェクターからは20L/minの回収
液が得られ、この回収液は循環水槽からの塗料スラッジ
分散水80L/minと共に遠心分離機に供給して固液
分離した。
【0043】このときの各部位のSS濃度及び遠心分離
機での塗料スラッジの回収量と、循環水槽内の泡の高さ
Hを調べ、結果を表1に示した。
【0044】比較例1 エジェクターを用いず、循環水槽からの塗料スラッジ分
散水100L/minを遠心分離機で固液分離したこと
以外は実施例1と同様に運転を行い、各部位のSS濃度
及び遠心分離機での塗料スラッジの回収量と、循環水槽
内の泡の高さHを調べ、結果を表1に示した。
【0045】比較例2 脂肪酸エステル系消泡剤を20kg/日添加したこと以
外は比較例1と同様に運転を行い、各部位のSS濃度及
び遠心分離機での塗料スラッジの回収量と、循環水槽内
の泡の高さHを調べ、結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1より次のことが明らかである。
【0048】エジェクターによる泡の吸引を行わず、消
泡剤を使用しない比較例1では、循環水槽内の泡高さは
80〜100cmにも達し、塗料スラッジ回収量も少な
い。消泡剤を使用した比較例2では、泡高さは比較例1
に比べて若干低減するものの50cmあり、十分な効果
は得られていない。また、塗料スラッジ回収量も少な
い。即ち、比較例1,2では、SS濃度4300ppm
の循環水槽内の塗料スラッジ分散水を引き抜いて遠心分
離機で固液分離するため、その塗料スラッジ回収量にも
限界があり、塗料スラッジ回収量を高めることはできな
い。
【0049】これに対して、実施例1では、循環水槽内
の泡を吸引により取り出すことにより、循環水槽内の泡
高さを30cmと、消泡剤無添加の比較例1の約1/3
に低減できる。また、SSが高濃縮した泡が吸引により
液状化することでSS濃度20000ppmという著し
く高濃縮の回収液を遠心分離機に送給するため、遠心分
離機に供給される水のSS濃度は7500ppmにもな
り、塗料スラッジの回収量を従来の2倍以上に高めるこ
とができる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の湿式塗装ブ
ース循環水の処理方法によれば、湿式塗装ブースと循環
水槽とを循環する湿式塗装ブース循環水に、余剰塗料を
不粘着化し分散させる薬剤を添加し、固液分離する湿式
塗装ブース循環水の処理方法において、循環水槽内の塗
料スラッジが濃縮された泡をエジェクターにより吸引し
て取り出すことにより、循環水槽内の泡を除去して発泡
による問題を解消すると共に、泡内に濃縮された塗料ス
ラッジを除去し、塗料スラッジの回収及び発泡の抑制を
図ることができる。
【0051】請求項2の方法によれば、塗料スラッジを
効率的に回収することができ、その回収量を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式塗装ブース循環水の処理方法の実
施の形態を示す系統図である。
【図2】湿式塗装ブースの循環水系を説明する系統図で
ある。
【図3】実施例で用いた試験装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 循環水槽 2 湿式塗装ブース 3 遠心分離機 4 エジェクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 信也 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 大熊 清 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 中島 光夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岡山 茂樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4D051 AA04 AB03 CA01 4D073 AA01 BB06 DC04 DC11 4D077 AA03 AB03 AC05 DB01X DB06X DC10Z DD04X DD42Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式塗装ブースと循環水槽とを循環する
    湿式塗装ブース循環水に、余剰塗料を不粘着化し分散さ
    せる薬剤を添加し、固液分離する湿式塗装ブース循環水
    の処理方法において、 該循環水槽に発生した泡をエジェクターにより循環水槽
    外に取り出すことを特徴とする湿式塗装ブース循環水の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該循環水槽に発生し
    た泡をエジェクターにより循環水槽外に取り出した後固
    液分離し、得られた分離水を該循環水系に返送すること
    を特徴とする湿式塗装ブース循環水の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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